JP2010089983A - SiC単結晶の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇華法によりSiC種基板上にSiC単結晶を形成させるに際して、SiC種基板の種結晶にあったマイクロパイプ(MP)や螺旋転位(TSD)の貫通欠陥の伝播を抑制して結晶成長を行うことにより、結晶欠陥の少ないSiCインゴットを形成させ、パワーデバイスの歩留まりを向上させることができるSiC単結晶の形成方法を提供する。
【解決手段】SiC(0001)面に対して0.01〜8°の傾角を有するSiC基板1上に、準安定溶媒エピタクシー法によりSiC単結晶をエピタキシャル成長させてSiC単結晶のエピタキシャル膜6を形成した後、前記SiC単結晶のエピタキシャル膜6の上に、昇華法によりSiC単結晶2を形成するSiC単結晶の形成方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイス用材料として有用な結晶欠陥の少ないSiC単結晶の形成方法に関する。
電気機器の効率的な消費エネルギーの利用に対応するため、現在、半導体デバイスにおいて高耐圧で低損失が可能な半導体材料の開発が進められている。半導体材料の内でも、特にSiC(炭化ケイ素)はSi(ケイ素)に比べてバンドギャップが大きいことから、次世代のパワーデバイス用の半導体材料への応用が期待されており、SiC単結晶の結晶品質の向上が、SiCの半導体材料への応用に関する最大の課題となっている。
SiC単結晶は、従来、一般に昇華法により製造されている(特許文献1)。
昇華法によるSiC単結晶の形成方法の概略につき図3を用いて説明する。図3は、従来の昇華法によるSiC単結晶の形成方法を説明する概略図である。図3において、1はSiC種基板、3は粉末状SiCであり、共にルツボ4中に配置されている。ヒーター5によりルツボ4内を2000℃以上の高温に加熱すると、粉末状SiC3は昇華してSiC蒸気となる。このSiC蒸気をSiC種基板1上に再結晶化させることにより結晶成長が行われ、SiCインゴット2を形成する。そして、形成したSiCインゴット2を研磨した後、切断してSiC単結晶基板が得られる。
特開平11−315000号公報
しかしながら、昇華法を用いた場合、結晶性の高いSiC単結晶基板を得ることができるが、SiC単結晶の成長と同時に、SiC種基板の種結晶にあった結晶欠陥が、成長したSiC単結晶側に引き継がれることが多い。前記結晶欠陥には、大きく分けて、結晶の成長軸(c軸)と平行な方向に伸びる結晶欠陥であるいわゆる貫通欠陥と、結晶の成長軸(c軸)と垂直な方向、即ちSiC(0001)面(基底面)方向に伸びる結晶欠陥とがある。
上記した貫通欠陥としては、例えば、マイクロパイプ(MP)、螺旋転位(TSD)、刃状転位(TED)があり、SiC(0001)面(基底面)方向に伸びる結晶欠陥としては、例えば、積層欠陥(SF)、基底面転位(BPD)等がある。
これらの結晶欠陥の内、特にマイクロパイプ(MP)がパワーデバイス中に含まれていると、パワーデバイスの耐圧不良を引き起こす等、パワーデバイス本来の性能が引き出せない場合が多く、SiC単結晶におけるマイクロパイプ(MP)の存在はパワーデバイスの歩留まりに非常に大きな影響を与える。また、螺旋転位(TSD)の存在もパワーデバイスの歩留まりに大きな影響を与える。
そこで、本発明は、昇華法によりSiC種基板上にSiC単結晶を形成させるに際して、SiC種基板の種結晶にあったマイクロパイプ(MP)や螺旋転位(TSD)の貫通欠陥の伝播を抑制して結晶成長を行うことにより、結晶欠陥の少ないSiCインゴットを形成させ、パワーデバイスの歩留まりを向上させることができるSiC単結晶の形成方法を提供することを課題とする。
本発明者は、昇華法によるSiC単結晶の形成に先立って、予め欠陥低減層として、SiC種基板の表面に準安定溶媒エピタクシー法(Metastable Solvent
Epitaxy:MSE法)によりSiC単結晶のエピタキシャル膜を形成させ、その上に昇華法によりSiC単結晶を形成させることにより、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、
SiC(0001)面に対して0.01〜8°の傾角を有するSiC基板上に、準安定溶媒エピタクシー法によりSiC単結晶をエピタキシャル成長させてSiC単結晶のエピタキシャル膜を形成した後、前記SiC単結晶のエピタキシャル膜の上に、昇華法によりSiC単結晶を形成することを特徴とするSiC単結晶の形成方法である。
請求項1の発明においては、予め欠陥低減層として、SiC種基板の表面に所定の条件下で準安定溶媒エピタクシー法により結晶欠陥の少ないSiC単結晶のエピタキシャル膜を設けているため、SiC種基板にあった結晶欠陥が引き継がれることがなく、昇華法により結晶性が高く、かつ結晶欠陥の少ないSiC単結晶を効率的に形成することができ、SiCインゴットの品質向上を図ることができる。
即ち、本発明者は、準安定溶媒エピタクシー法により形成されたSiC単結晶エピタキシャル膜が、SiC種基板にあったマイクロパイプ(MP)や螺旋転位(TSD)をほとんど引き継いでいないことに着目し、このSiC単結晶エピタキシャル膜を昇華法によりSiC種基板上にSiCインゴットを形成させるに際して、欠陥低減層として機能させることを考えついた。そして、この欠陥低減層を適切に形成する条件につき検討した。
準安定溶媒エピタクシー法を用いた場合、SiC種基板にあったマイクロパイプ(MP)や螺旋転位(TSD)のc軸方向への伝播を90%以上抑制することができる。これは、これらマイクロパイプ(MP)や螺旋転位(TSD)が、エピタキシャル膜の成長初期、元のSiC種基板とその上に形成されるSiC単結晶エピタキシャル膜の界面付近において、積層欠陥(SF)の一種へと変換されるためと推測される。
しかし、上記の準安定溶媒エピタクシー法によるSiC単結晶の結晶品質の改質は、従来、単に、SiCインゴットから切断した後の個別基板の直上にデバイス構造を形成する場合に施される手段と考えられており、本発明のように、準安定溶媒エピタクシー法によるSiC単結晶エピタキシャル膜を昇華法によるSiC単結晶形成時の欠陥低減層として機能させ、その上にさらにSiC単結晶(SiCインゴット)を形成させることは考えられていなかった。
本発明者の検討によれば、準安定溶媒エピタクシー法を本発明に適用して、欠陥低減層として好ましいSiC単結晶エピタキシャル膜を効果的に形成するには、SiC単結晶エピタキシャル膜の成長において、SiC基板のSiC(0001)面に対する傾角、および成長温度を適切な条件に設定する必要があることが分った。
始めに、SiC基板のSiC(0001)面に対する傾角(以下、単に「傾角」ともいう)につき説明する。SiC単結晶エピタキシャル膜の成長において、傾角が0°、即ち、c軸方向と種基板平面とのなす角度が正確に垂直であれば、理論上、上記の貫通欠陥は基底面に沿って基板の外へと掃き出されることになり好ましいが、SiC単結晶の難加工性のため正確に傾角0°を保つことは極めて困難である。また、本発明者の検討によれば、若干の傾角、具体的には0.01°以上の傾角を設けることにより、マイクロパイプ(MP)や螺旋転位(TSD)を積層欠陥(SF)に変換させたSiC単結晶エピタキシャル膜の成長が行われやすいことが分かった。
一方、傾角が大きくてもSiC単結晶のエピタキシャル成長上の技術的問題はないが、結晶欠陥の掃き出しのためには、傾角が大きくなるに伴い、SiC単結晶エピタキシャル膜をより厚くする必要がある。しかし、厚膜のSiC単結晶エピタキシャル膜では、問題となる結晶欠陥の存在する領域が多くなるためスループットが低下し、工業的見地からは好ましくない。
具体的には、例えば、100mmφのSiC単結晶種基板の場合、傾角1°では2mm程度の膜厚となるように結晶成長を行えばよい。しかし、傾角が8°を超えると15mm程度の膜厚を必要とし前記理由により好ましくない。以上の理由より、本発明における傾角としては、0.01〜8°であることが好ましい。
次に、SiC単結晶エピタキシャル膜の成長温度につき説明する。本発明者の検討によれば、マイクロパイプ(MP)の積層欠陥(SF)への円滑な変換は、SiC単結晶エピタキシャル膜の成長速度に依存することが分かっている。さらに、SiC単結晶エピタキシャル膜の成長速度は、SiC単結晶エピタキシャル膜の成長温度に依存することが分かっている。そして、検討の結果、SiC単結晶エピタキシャル膜の成長温度として、1500〜2200℃であることが好ましいことが分かった(請求項2)。1600〜2000℃であるとより好ましい。
なお、欠陥低減層として、準安定溶媒エピタクシー法による成膜をSiC種基板に行った場合、SiC単結晶エピタキシャル膜の表面には高さ0.1〜1μm程度の縞状の凹凸が発生する。このため、機械研磨やダイヤモンドラップなどによって表面を研磨しさらにCMP法(化学的機械研磨法)等による仕上げを施して表面の平坦性を整えておくことが好ましい。
このように、昇華法によるSiC単結晶の形成に先だって表面の平坦性を整えることにより、SiC単結晶エピタキシャル膜の表面に発生する凹凸の影響のない均一なSiCインゴットを得ることができる。
以上のように、昇華法によるSiC単結晶の形成に際して、準安定溶媒エピタクシー法により形成されたSiC単結晶エピタキシャル膜を欠陥低減層として用いることにより、個別基板に対して準安定溶媒エピタクシー法による改質を行うよりも効率的に結晶欠陥が低減されたSiC単結晶を得ることができる。
本発明によれば、昇華法によりSiC種基板上にSiC単結晶を形成させるに際して、準安定溶媒エピタクシー法によりSiC種基板の種結晶にあったマイクロパイプ(MP)および螺旋転位の貫通欠陥の伝播が抑制されたSiC単結晶エピタキシャル膜を欠陥低減層として設けているため、結晶欠陥の少ないSiC単結晶を効率的に形成させることができる。そして、このようなSiC単結晶より得られるSiC基板を用いることによりパワーデバイスの歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態につき説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1.準安定溶媒エピタクシー法によるSiC単結晶のエピタキシャル成長
最初に、準安定溶媒エピタクシー法によりSiC基板上にSiC単結晶をエピタキシャル成長させる工程につき、図2を用いて具体的に説明する。
図2は、準安定溶媒エピタクシー法によるSiC単結晶の形成方法を説明する概略図である。図2において、1はSiC種基板、4はルツボ、5はヒーター、6はSiC単結晶エピタキシャル膜、7は炭素原子供給基板、8および10はSi板、9は空間、11は重石、12はスペーサー、13は支持基板である。
最初に、SiC種基板1として、SiC(0001)面に対して所定の傾角を有する所定の寸法のSiC基板を準備する。なお、SiC種基板1としては、従来から公知の方法により作製されたSiCインゴットから切断した後の基板を用いることができる。また、市販の単結晶SiC基板をSiC種基板1として用いてもよい。
次に、準備したSiC種基板1をルツボ4内に配置された支持基板13上に配置する。そして、SiC種基板1の上にスペーサー12を介してSi板8を配置し、さらにその上に、順に炭素原子供給基板7、Si板10、重石11を配置する。
上記のように配置することによって、スペーサー12により、SiC種基板1とSi板8との間に空間9が形成される。スペーサー12の材質、寸法、形状は特に限定されず、適宜決定することができる。
また、炭素原子供給基板7の材質としては、SiC種基板1上の空間9に炭素を供給できるものであれば特に限定されず、例えば、単結晶SiC基板、多結晶SiC基板、炭素基板、ポーラスSiC基板、焼結SiC基板、非晶質SiC基板等を用いることができる。なお、予め、炭素原子供給基板7の表面に付着した油類、酸化膜、金属等を洗浄等によって除去しておくことが好ましい。
次に、所定の圧力雰囲気にルツボ4内の圧力を調整し、この圧力状態を保持したまま、ヒーター5により所定のエピタキシャル成長温度まで加熱する。Siの融点である1420℃以上になると、Si板8よりSiが融解し、空間9内に極薄の融液層が形成される。そして、炭素原子供給基板7からは炭素がSi板8を介して前記Si融液層中に拡散し、空間9内の単結晶SiC種基板1上に単結晶SiCがエピタキシャル成長して、SiC単結晶エピタキシャル膜6が形成される。
そして、所定の厚さまでSiC単結晶エピタキシャル膜6を成長させた後、常温まで冷却することにより、SiC単結晶エピタキシャル膜6が形成されたSiC種基板1が得られる。なお、準安定溶媒エピタクシー法では、100μm/hr以上の高速なSiC単結晶の成長が可能である。
2.昇華法によるSiCインゴットの形成
次に、上記で得られたSiC単結晶エピタキシャル膜6が形成されたSiC種基板1上に、昇華法によりSiCインゴットを形成させる工程につき、図1を用いて具体的に説明する。図1は、本発明に係るSiC単結晶の形成方法の内、昇華法によるSiC単結晶の形成方法を説明する概略図である。
まず、前記準安定溶媒エピタクシー法により得られたSiC単結晶エピタキシャル膜6が形成されたSiC種基板1の表面をCMP法等によって表面粗さ(RMS)が1nm以下になるまで平坦化処理した後、粉末状SiC3と共にルツボ4内に配置する。
次に、ヒーター5によりルツボ4内を2000℃以上の高温に加熱すると、粉末状SiC3は昇華してSiC蒸気となる。このSiC蒸気をSiC種基板1の上に形成されたSiC単結晶エピタキシャル膜6の上に再結晶化させることにより結晶成長が行われ、SiCインゴット2が形成される。そして、形成されたSiCインゴット2を研磨した後、所定の寸法に切断してSiC単結晶基板が得られる。なお、図1においては、SiC種基板1をルツボ4の上方に配置しているため、SiC蒸気は、SiC種基板1、SiC単結晶エピタキシャル膜6の下方で再結晶化することになる。
(実施例)
以下に具体的な実施例を挙げて、結晶欠陥の低減につき説明する。
最初に、SiC種基板として、SiC(000Τ)面に対して1°の傾角を有する、100mmφの大きさで厚さ約0.4mmの単結晶SiC基板を用意した。そして、この単結晶SiC基板中のマイクロパイプ(MP)、螺旋転位(TSD)、刃状転位(TED)、基底面転位(BPD)等の欠陥密度を測定した。測定結果を以下に示す。
(a)マイクロパイプ(MP): 10個/cm
(b)螺旋転位(TSD) : 1,000個/cm
(c)刃状転位(TED) :10,000個/cm
(d)基底面転位(BPD) :10,000個/cm
次に、上記SiC種基板を、Si板および炭素原子供給基板と共にルツボ内へ配置した後、ルツボ内を1×10−2Paに減圧し(成長圧力)、エピタキシャル成長温度が1800℃となるように、ヒーターを用いてルツボ内を加熱して、準安定溶媒エピタクシー法によるSiC単結晶のエピタキシャル成長を行い、SiC種基板上に厚さ50μmのSiC単結晶エピタキシャル膜を形成させた。
得られたSiC単結晶エピタキシャル膜中の欠陥密度を測定した。測定結果を以下に示す。
(a)マイクロパイプ(MP): <1個/cm
(b)螺旋転位(TSD) : 10個/cm
(c)刃状転位(TED) :19,500個/cm
(d)基底面転位(BPD) : 500個/cm
上記の測定結果より、準安定溶媒エピタクシー法によりSiC単結晶のエピタキシャル膜を形成することにより、パワーデバイスに大きな影響を及ぼす各欠陥が低減されていることが分かる。具体的には、マイクロパイプ(MP)および基底面転位(BPD)の密度は、それぞれSiC種基板よりも95%低減し、螺旋転位(TSD)の密度は99%低減している。なお、刃状転位(TED)については、逆にSiC種基板よりも増加しているが、これは基底面転位(BPD)が刃状転位(TED)に変換したためと推測される。しかし、この刃状転位(TED)の存在は、パワーデバイスに大きな影響を及ぼすことが少ない。
次に、SiC単結晶エピタキシャル膜が形成された単結晶SiC種基板の表面粗さ(RMS)が1nm以下になるまで、CMP法を用いて単結晶SiC種基板の平坦化処理した後、粉末状SiCと共にルツボ内に配置した。
次いで、ヒーターによりルツボ内を2000℃以上の高温に加熱し、5時間保持した。加熱により、粉末状SiCは昇華し、昇華したSiC蒸気がSiC種基板上に形成されたSiC単結晶エピタキシャル膜の上で再結晶化して結晶成長し、長さ50mmのSiCインゴットを得ることができた。
得られたSiCインゴット中の欠陥密度を上記と同様の方法で測定した。測定結果を以下に示す。
(a)マイクロパイプ(MP): <1個/cm
(b)螺旋転位(TSD) : 10個/cm
(c)刃状転位(TED) :19,500個/cm
(d)基底面転位(BPD) : 500個/cm
上記の測定結果より、得られたSiCインゴット中の欠陥密度が、SiC単結晶エピタキシャル膜中の欠陥密度と同じ値であることが分かる。
以上のように、本発明によれば、SiC種基板が有していた結晶欠陥が、欠陥低減層として形成させたSiC単結晶エピタキシャル膜により低減されて、SiCインゴットにほとんど伝播することがないため、パワーデバイスに大きな影響を及ぼす結晶欠陥の非常に少ないSiCインゴットを得ることができ、このようなSiCインゴットから製造される半導体デバイスは、歩留まりを飛躍的に向上させることができ、また半導体デバイスの本来の性能を充分に引き出すことができる。
本発明に係るSiC単結晶の形成方法の内、昇華法による単結晶SiCの成長方法を説明する概略図である。 本発明に係るSiC単結晶の形成方法の内、準安定溶媒エピタクシー法によるSiC単結晶エピタキシャル膜の形成方法を説明する図である。 従来の昇華法によるSiC単結晶の形成方法を説明する概略図である。
符号の説明
1 SiC種基板
2 SiCインゴット
3 粉末状SiC
4 ルツボ
5 ヒーター
6 SiC単結晶エピタキシャル膜
7 炭素原子供給基板
8、10 Si板
9 空間
11 重石
12 スペーサー
13 支持基板

Claims (2)

  1. SiC(0001)面に対して0.01〜8°の傾角を有するSiC基板上に、準安定溶媒エピタクシー法によりSiC単結晶をエピタキシャル成長させてSiC単結晶のエピタキシャル膜を形成した後、前記SiC単結晶のエピタキシャル膜の上に、昇華法によりSiC単結晶を形成することを特徴とするSiC単結晶の形成方法。
  2. 前記SiC単結晶をエピタキシャル成長させる際の温度が、1500〜2200℃であることを特徴とする請求項1に記載のSiC単結晶の形成方法。
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