JP6396167B2 - 炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法 - Google Patents

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本発明は、炭化珪素単結晶育成用の種結晶の作製方法に関する。
炭化珪素(以下、SiCと略す)は、耐熱性及び機械的強度も優れ、放射線に強い等の物理的、化学的性質から、耐環境性半導体材料として注目されている。SiCは、化学組成が同じでも、多数の異なった結晶構造を取る結晶多形(ポリタイプ)構造を持つ代表的物質である。ポリタイプとは、結晶構造においてSiとCの結合した分子を一単位として考えた場合、この単位構造分子が結晶のc軸方向([0001]方向)に積層する際の周期構造が異なることにより生じる。代表的なポリタイプとしては、6H、4H、15R又は3Cがある。ここで、最初の数字は積層の繰り返し周期を示し、アルファベットは結晶系(Hは六方晶系、Rは菱面体晶系、Cは立方晶系)を表す。各ポリタイプは、それぞれ物理的、電気的特性が異なり、その違いを利用して各種用途への応用が考えられている。例えば、6Hは、近年、青色から紫外にかけての短波長光デバイス用基板として用いられ、4Hは、高周波高耐圧電子デバイス等の基板ウェハとしての応用が考えられている。
しかしながら、大きな電圧・電流を高歩留まりで制御できる高品質・大面積なSiC単結晶を、工業的規模で安定に供給し得る結晶成長技術は、未だ十分には確立されていない。それ故、SiCは、上述のような多くの利点及び可能性を有する半導体材料にもかかわらず、その実用化が極めて限定されている。
大きな電圧・電流を高歩留まりで制御できる高品質・大面積なSiC単結晶を、工業的規模で安定に供給し得る結晶成長技術として、SiC単結晶{0001}面基板(以下、単に「SiC単結晶基板」と呼ぶ場合がある)を種結晶として用いて昇華再結晶を行う、改良型のレーリー法が提案されている(非特許文献1参照)。この方法は、SiC単結晶からなる種結晶を用いているためSiC単結晶の核形成過程が制御でき、また、不活性ガスにより雰囲気圧力を100Pa〜15kPa程度に制御することにより、結晶の成長速度等を再現性良くコントロールできる。
昇華再結晶法のひとつである改良型のレーリー法は、黒鉛製坩堝内に、平面加工したSiC単結晶からなる種結晶とSiC粉末原料充填部とを対向配置し、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中(100〜15kPa)、2000〜2400℃に加熱される。この際、原料粉末に比べ種結晶がやや低温になるように、温度勾配が設定される。高温下で昇華したSiC原料が温度勾配により形成される濃度勾配によって拡散、輸送されて種結晶上へ到達し、そこで再結晶化することで成長する。
一般に、改良型のレーリー法に用いる種結晶を得る場合、インゴットから切り出された薄板状のSiC単結晶の表面及び裏面を研磨してSiC単結晶基板とし、これを種結晶として用いるが、SiC単結晶を平面加工する工程において、種結晶の最表面に加工歪が残存し、加工歪に起因した各種転位欠陥が、種結晶上に成長させる成長インゴットに発生し易く、結晶品質を劣化させる原因となっていた。特に結晶を成長方向に貫通する転位(貫通らせん転位、貫通刃状転位、等。以後これらを総称して「貫通転位」と呼ぶ)は一度発生すると結晶成長方向に沿って結晶インゴット中を伝播していくため、インゴットから切り出した全ウェハに共通の転位欠陥となる。こうした種結晶と成長結晶インゴットとの界面における各種転位欠陥発生を抑制するためには、種結晶最表面の加工歪層を除去する必要がある。
そこで、溶融水酸化カリウム(以下、溶融KOHと略す)浴中に浸漬する方法で種結晶の表面をエッチングして加工歪層を除去する方法が考えられる。しかしながら、この場合も実際に試みると、結晶を成長させる面のみならず裏面でもエッチングされる。その結果、裏面がSi面の場合、細かいエッチピット(窪み)が多数発生してしまい、成長時に種結晶裏面をカーボン接着剤でカーボン製坩堝に接着する際に接着剤がうまく回りこみ難く、種結晶と坩堝との間に微小な隙間ができる。これが熱伝導不良の原因となって条件が変化したり、裏面からの昇華が発生して成長表面に空洞状の欠陥(ボイド欠陥と呼ばれる)を発生させて著しく結晶性を劣化させる原因となる。また逆に裏面がC面の場合、細かいエッチピットは出ない代わりにエッチング速度が大きいために広い範囲でエッチングむら(うねり)が発生してしまい、結果として同様な欠陥の発生および結晶性の著しい劣化が発生する。このように、KOHエッチングによる種結晶成長表面の加工歪除去を行うためには、エッチングの際に種結晶裏面におけるエッチングを抑制する必要があった。
裏面におけるエッチングを抑制する手法の一つは本発明者らが1999年に研究論文紙上において報告している(非特許文献2)。そこではエッチングする基板が5mm四方の小片であるため、同型の小片を下に重ね、さらにその2枚組をニッケル製の専用バスケットに入れることで種結晶裏面への溶融KOH液の浸潤を低減できることを報告している。
Yu. M. Tairov and V.F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth, vol. 52 (1981) pp. 146-150. M. Katsuno,N. Ohtani,J. Takahashi,H. Yashiro and M. Kanaya, Jpn. J. Appl. Phys., vol. 38 (1999) pp. 4661-4665.
しかし、非特許文献2の手法はあくまでも基板が小片であることで可能な手法であり、例えば現在のように種結晶の直径の主流が150mm(6インチφ)となってきた場合に、毎回同型のダミー基板を準備することは実用上困難である。また、実際に行ったとしても、被エッチング材の大型化によりエッチング浴中へ浸漬した際の浴の温度低下が大きくなり、成長面でのエッチング速度の制御という点でも問題が有って適用することは困難である。
上記したように、従来のKOHエッチング法では種結晶の裏面がエッチングされて凹凸が生じ、炭化珪素の結晶成長時に欠陥を発生させるために、高品質なSiC単結晶インゴットを成長させるのに適したSiC種結晶が得られていなかった。
そこで、本発明では、上記の従来技術での問題を解決し、結晶性の良好なSiC単結晶を得るために必要なSiC種結晶のKOHエッチング手法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)昇華再結晶法により炭化珪素を結晶成長させる際に用いる炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法であって、薄板状の炭化珪素単結晶の表面及び裏面を研磨して炭化珪素単結晶基板とした後、前記炭化珪素単結晶基板の裏面に真空蒸着、スパッタリング又はめっきによりニッケル薄膜を形成して裏面側を防食被覆し、溶融水酸化カリウム中に浸漬させて、炭化珪素単結晶基板の表面のみをエッチングして種結晶を得ることを特徴とする炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法、
(2)前記ニッケル薄膜を形成する方法がスパッタリング法であることを特徴とする(1)に記載の炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法、
(3)前記ニッケル薄膜の厚さが0.1mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法、
である。
なお、本発明において、表面、裏面とは、最終的に種結晶として炭化珪素を結晶成長させる側(結晶成長面側)を表面とし、その反対側が裏面である。
本発明によれば、SiC原料を昇華させ、種結晶上にSiC単結晶を成長させるSiC単結晶の製造において、種結晶表面の加工歪み除去のために溶融KOHエッチングを行う際、種結晶の裏面を防食被覆することにより、種結晶裏面のエッチングを抑制し、結晶成長時の欠陥発生を抑制することで、高品質の炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。
本発明の種結晶へのニッケル箔貼りつけ概略図(側面図) ニッケルワイヤを用いた本発明における種結晶へのニッケル箔密着セット説明図 従来の種結晶エッチング装置概略図
本発明で用いる種結晶は、種結晶を得る際に薄板状のSiC単結晶の表面を加工することで生じる加工ダメージ層が除去されていることから、結晶成長開始時に加工ダメージによる歪み起因で発生する各種転位欠陥密度を大幅に低減できる。
実施形態を以下に説明する。
初めに、種結晶を得るための従来の溶融KOHによるエッチング方法について説明する。電気炉(マッフル炉)内にニッケル製坩堝をセットし、ニッケルるつぼ中にKOH(粒状、固体)を所定量入れる。ニッケルるつぼの底の下には温度測定用の熱電対をセットする。加熱により設定温度(450〜550℃程度)まで昇温してKOH粒を溶かして溶融KOH浴が形成される。エッチングするSiC単結晶基板は、薄板状のSiC単結晶の表面及び裏面を研磨した後、予めエタノールで洗浄して油脂などを除去しておく。そして、図3にしめしたように、このSiC単結晶基板をニッケル製ワイヤーにより釣り下げて保持できるようにしておき、エッチング浴中に浸漬する。浸漬する時間はSiC単結晶基板の成長面表面に残存する加工歪みの程度によるが、大体5〜10分程度で十分である。その後、SiC単結晶基板を溶融KOH浴から取出し、基板の温度が十分に下がり付着した溶融KOHが固化したことを確認してから、水洗してKOHを溶かしてから乾燥させ、SiC単結晶基板をニッケル製ワイヤーからとり外す。この従来の手法では、得られた種結晶の表裏両面にはエッチング液が触れているため、昇華再結晶法によりSiCを結晶成長させる際に坩堝の蓋体に取り付けられる裏面に凹凸が発生してしまう。
そのため、本発明では、溶融KOHによるエッチングにおいて、SiC単結晶基板の裏面を防食被覆し、好ましくは、ニッケル箔やニッケル薄膜等を用いてニッケルで被覆することによって、溶融したKOHがSiC単結晶基板の裏面に触れないようにすることが特徴である。
溶融KOHによるエッチングへの防食処理としてはニッケル以外に例えば白金(Pt)も使用可能だが、白金は材料として高価であることから実用面から見て問題があり、ニッケルが防食能および価格面において最適の材料である。防食被覆がニッケル箔の場合、SiC単結晶基板の裏面にニッケル箔を装着する際に、ニッケルワイヤーで縛って固定することが好ましい。
また、SiC単結晶基板の裏面にニッケル薄膜を被覆するには、幾つか方法があり、限定するものではない。例えば、真空蒸着、スパッタリング、めっき等の手法がいずれも適用できる。この時膜厚としては十分な被覆が行える厚さとして0.1mm以上であることが望ましい。この場合、ニッケル薄膜は被覆したい種結晶の裏面全体に対して形成させる。また、真空蒸着等により形成するニッケル薄膜は、蒸着時にムラなく全面が被覆されさえすれば、エッチング処理後に除去する際の処理し易さの点では薄い方が処理し易いことを考慮すると、0.5mm以下であるのが望ましい。
また、SiC単結晶基板の裏面にニッケル薄膜等の防食被覆をした場合、エッチング後に薄膜を除去する作業には、例えば王水による方法があるが、強酸を用いる手間がかかるため、着脱がより簡便なニッケル箔を用いる被覆方法が好ましい。
ここで、ニッケル箔としては、SiC単結晶基板の形状に沿うようにして(円板でも不定形でも良い)切出せる程度の厚さを有していることが望ましく、具体的には、ニッケル箔の厚みとして0.3mm〜0.5mm程度が適当である。
また、ニッケル箔をSiC単結晶基板に密着させるために用いるニッケルワイヤーは、基板に沿ってセットできる程度に曲げ易い程度の太さが好ましく、かつ適度な強度も必要であるため直径0.5mm以下、0.1mm以上であることが望ましい。
ニッケル箔を良好に被覆させるためには、SiC単結晶基板の裏面全面および側面を被覆できるように、SiC単結晶基板よりもやや大きい形となるように予めニッケル箔を切り取る(厚さが薄いために一般的なはさみ等で簡単に切り抜ける)ことが好ましい。すなわち、ニッケル箔を切り出す際には、SiC単結晶基板よりもひとまわり大きくし、図1に示したように、SiC単結晶基板の裏面を被覆して外周側に余ったニッケル箔をSiC単結晶基板の表面側に折り返して、裏面側への溶融KOHの侵入を確実に防ぐようにするのが好ましい。また、ニッケルワイヤーでSiC単結晶基板とニッケル箔との密着性を良好にするためには、例えばSiC単結晶基板がほぼ正円の場合、円周を等分するような位置に均等にニッケルワイヤーが掛かるような配置でニッケルワイヤーをセットさせることが好ましい。
また、本発明のエッチング方法によって種結晶を作製するのに用いるSiC単結晶基板については、公知のものを使用することができる。すなわち、一般には、ワイヤーソー等を用いてSiC単結晶インゴットから厚さ1000μm〜5000μm程度の薄板状のSiC単結晶を切り出した後(スライス工程)、ラップやポリッシュ等の研磨工程により表面及び裏面を研磨してSiC単結晶基板とされる。本発明では、このようにして得られたSiC単結晶基板の裏面側を上述したような方法で防食被覆し、溶融KOH中に浸漬させて表面のみをエッチングして種結晶とする。そして、得られた種結晶は、黒鉛製坩堝の蓋体に取り付けて昇華再結晶法によりSiCを結晶成長させることで、結晶性の良好なSiC単結晶を製造することができるようになる。
以下に、本発明について、実施例に基づいてより具体的に述べる。
(実施例1)
溶融KOHによるエッチングについては、図3に示したような従来の溶融KOHエッチング装置を使用した。すなわち、電気炉(マッフル炉)内部にKOH粒を入れたニッケル坩堝を置き、加熱により溶かしてエッチング浴とする。加熱温度は坩堝底に入れた熱電対により調節する。温度は520℃、エッチング時間は5分で行った。また、エッチングするSiC単結晶基板については、SiC単結晶インゴットから切り出された薄板状のSiC単結晶を両面研磨機でラップして鏡面に仕上げ、更にポリッシュして表面及ぶ裏面を仕上げ研磨した直径150mm(6インチ)、厚さ1mmのSiC単結晶基板を用いた。
先ず、SiC単結晶基板をアルコール洗浄し、乾燥させた。次に、厚さ0.5mmのニッケル箔を用意し、エッチングするSiC単結晶基板を箔の上に載せ、カッターにてSiC単結晶基板の外周部に沿って2mm大きい(つまり直径154mmの)円形でニッケル箔を切出した。次に、ニッケル箔の外周をSiC単結晶基板の表面側に折りたたむ形で(図2)、エッチングするSiC単結晶基板に取り付けて、SiC単結晶基板の裏面とニッケル箔とを密着させた。その後、直径0.3mmΦのニッケル線を用意し、更にニッケル箔とSiC単結晶基板との密着性を確実にして、図3に示したように円周方向に均等になるようにニッケルワイヤーをニッケル箔に結び、これらを上のワイヤーで束ねてSiC単結晶基板を持ち上げられるようにした。
このようにした状態で、すなわち図1に示した配置でSiC単結晶基板の裏面側をニッケル箔で防食被覆して、上記した条件にてSiC単結晶基板の表面のエッチングを行った。実施後、十分に水洗して冷えて固まって付着していたKOHを除去した後に乾燥させ、ニッケルワイヤーを解いてニッケル箔を取り外した。
エッチングを施したSiC単結晶基板のエッチング面(すなわち表面)について顕微鏡観察したところ、十分エッチングされていることが確認できた。一方、ニッケル箔を密着させて被覆したSiC単結晶基板の裏面について同様に観察したところ、KOHの浸漬が抑えられており、全くエッチングされずに元の状態の表面が保たれていた。
このようにして得られた種結晶を用いて、昇華再結晶法により成長させた炭化珪素単結晶インゴットについて調べたところ、種結晶裏面の空隙の影響で発生する転位欠陥は見られず、高品質の炭化珪素単結晶が得られていることが確認できた。
(実施例2)
SiC単結晶基板の裏面へのニッケル薄膜被覆方法として、スパッタリング法を用いた以外は実施例1と同様の実験を行った。すなわち、裏面をニッケル薄膜で防食被覆したSiC単結晶基板について、裏面側に直径0.3mmΦのニッケル線を複数廻し込み、表面側でこれらをひとつに束ねてSiC単結晶基板を吊り下げるようにして、温度が520℃の溶融KOH浴に浸漬させて、5分間のエッチングを行った。なお、このときのニッケル薄膜の厚さは0.5mmとした。
そして、裏面のニッケル薄膜を王水で除去した後、実施例1と同様にエッチングを施したSiC単結晶基板のエッチング面(すなわち成長面)について顕微鏡観察したところ、十分エッチングされていることが確認できた。一方、ニッケル薄膜で防食被覆したSiC単結晶基板の裏面について同様に観察したところ、KOHの浸漬が抑えられており、全くエッチングされずに元の状態の表面が保たれていた。
このようにして得られた種結晶を用いて、昇華再結晶法により成長させた炭化珪素単結晶インゴットについて調べたところ、種結晶裏面の空隙の影響で発生する転位欠陥は見られず、高品質の炭化珪素単結晶が得られていることが確認できた。
(比較例1)
SiC単結晶基板の裏面にニッケル箔を密着させずにエッチングを行ったこと以外は実施例1と同様にして種結晶を得た。そして、KOHエッチングを行った種結晶の裏面を顕微鏡観察したところ、エッチング液に反応した裏面にて凹凸が発生していた。
この種結晶を用いて、昇華再結晶法により成長させた炭化珪素単結晶インゴットについて調べたところ、種結晶裏面の空隙の影響で発生する転位欠陥発生が確認され、品質が劣化した炭化珪素単結晶となっていることが確認された。

Claims (3)

  1. 昇華再結晶法により炭化珪素を結晶成長させる際に用いる炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法であって、薄板状の炭化珪素単結晶の表面及び裏面を研磨して炭化珪素単結晶基板とした後、前記炭化珪素単結晶基板の裏面に真空蒸着、スパッタリング又はめっきによりニッケル薄膜を形成して裏面側を防食被覆し、溶融水酸化カリウム中に浸漬させて、炭化珪素単結晶基板の表面のみをエッチングして種結晶を得ることを特徴とする炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法。
  2. 前記ニッケル薄膜を形成する方法がスパッタリング法であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法。
  3. 前記ニッケル薄膜の厚さが0.1mm以上、0.5mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪素単結晶育成用の種結晶作製方法。
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