JP5948988B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、炭化珪素単結晶の製造方法に関し、より特定的には炭化珪素種結晶をエッチングする工程を有する炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
近年、半導体装置の製造用に炭化珪素基板が用いられ始めている。炭化珪素は珪素に比べて大きなバンドギャップを有する。そのため、炭化珪素基板を用いた半導体装置は、耐圧が高く、オン抵抗が低く、また高温環境下での特性の劣化が小さいといった利点を有する。
たとえば特開2003−63890号公報(特許文献1)において、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させる技術が記載されている。特開2003−63890号公報に記載の技術によれば、昇華法によって炭化珪素単結晶を成長させる前に、種結晶をエッチングすることにより種結晶と成長結晶との界面に発生する欠陥、転位が抑制されることが記載されている。
また特開2009−12998号公報(特許文献2)には、種結晶を水酸化カリウムなどのエッチング液に浸漬させることにより、主面の線状欠陥をピットに変えて、種結晶上に炭化珪素をエピタキシャル成長させることが記載されている。
特開2003−63890号公報 特開2009−12998号公報
特開2009−12998号公報に記載の方法で炭化珪素種結晶を水酸化カリウムなどのエッチング液でエッチングした後、炭化珪素種結晶を坩堝の蓋に押し付けて固定するので、炭化珪素種結晶表面に欠陥が発生する。その結果、種結晶上に成長する炭化珪素単結晶にも欠陥が発生する。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、その目的は、欠陥密度の少ない炭化珪素単結晶の製造方法を提供することである。
本発明に係る炭化珪素単結晶の製造方法は以下の工程を有している。第1の主表面と、第1の主表面とは反対側の第2の主表面とを有する炭化珪素種結晶が準備される。炭化珪素種結晶が第1の主表面においてベース部材に固定される。炭化珪素種結晶をベース部材に固定した状態で第2の主表面がエッチングされる。第2の主表面がエッチングされた炭化珪素種結晶が固定されたベース部材を成長容器と結合させることにより、成長容器内に炭化珪素種結晶が保持される。成長容器内で第2の主表面に炭化珪素単結晶が成長される。
本発明に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、炭化珪素種結晶はエッチングされた後、ベース部材に固定されたまま成長容器に移動される。それゆえ、炭化珪素種結晶がダメージを受けることで欠陥が発生することを抑制することができる。結果として、欠陥の発生が抑制された炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶が形成されるため、欠陥密度の少ない炭化珪素単結晶を製造することができる。
上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、成長容器内に炭化珪素原料を配置する工程をさらに有している。炭化珪素種結晶を保持する工程においては、エッチングされた炭化珪素種結晶の第2の主表面が炭化珪素原料に対向するようにベース部材が成長容器に結合される。炭化珪素単結晶を成長させる工程は、炭化珪素原料を炭化珪素種結晶よりも高温になるように加熱することにより炭化珪素原料を昇華させる工程を含む。
これにより、昇華法によって欠陥密度の少ない炭化珪素単結晶を製造することができる。
上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、ベース部材は成長容器の蓋として機能する。
上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、ベース部材が坩堝の蓋として使用可能であるので、効率的に炭化珪素単結晶を製造することができる。
上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、炭化珪素種結晶の第2の主表面をエッチングする工程は、炭化珪素種結晶以外の供給源から供給されたシリコンを含むガス雰囲気中において行われる。
炭化珪素結晶と化学平衡するガスの組成はC(炭素)に対してSi(シリコン)が過剰である。そのため、炭化珪素原料が存在する容器中で炭化珪素種結晶を熱エッチングすると炭化珪素種結晶の表面が炭化してしまい結晶品質が低下する。上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、シリコンを含むガス雰囲気中において炭化珪素種結晶の第2の主表面がエッチングされる。それゆえ、シリコンガス濃度が高い雰囲気中で炭化珪素種結晶がエッチングされるので、炭化珪素種結晶からシリコンが過剰に抜けて第2の主表面が炭化することを抑制することができる。
上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、炭化珪素種結晶の第2の主表面をエッチングする工程は以下の工程を含む。シリコンが配置された収容部材が準備される。ベース部材を収容部材に結合することにより収容部材内に炭化珪素種結晶が保持される。ベース部材が結合された収容部材内に炭化珪素種結晶よりも低温になる部分が存在するように炭化珪素種結晶が加熱される。
上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、シリコンが配置された収容部材内において、炭化珪素種結晶よりも低温になる部分が存在するように炭化珪素種結晶が加熱される。それゆえ、シリコンガス濃度が高い雰囲気中で炭化珪素種結晶がエッチングされるので、炭化珪素種結晶からシリコンが過剰に抜けて第2の主表面が炭化することを抑制することができる。
上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、炭化珪素種結晶の転位密度が5×104cm-2以下である。これにより、転位密度の小さい炭化珪素単結晶を製造することができる。
上記に係る炭化珪素単結晶の製造方法において好ましくは、炭化珪素種結晶の第2の主表面の面積が100cm2以上である。これにより、断面積が100cm2以上である大径の炭化珪素単結晶を製造することができる。
本発明によれば、欠陥密度の少ない炭化珪素単結晶を製造することができる。
本発明の一実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法の第1の工程を概略的に示す図である。 本発明の一実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法の第2の工程を概略的に示す図である。 本発明の一実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法の第3の工程を概略的に示す図である。 本発明の一実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法の第4の工程を概略的に示す図である。 本発明の一実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法の第5の工程を概略的に示す図である。 本発明の一実施の形態における炭化珪素単結晶の製造方法を概略的に示すフロー図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。また角度の記載には、全方位角を360度とする系を用いている。
図3および図5を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置の構成について説明する。
図3を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の第1の坩堝10は、ベース部材1と、収容部材12とを主に有している。ベース部材1および収容部材12はたとえばグラファイトから成る。ベース部材1はたとえば坩堝蓋である。ベース部材1には炭化珪素種結晶4を固定することができる。ベース部材1によって炭化珪素種結晶4を収容部材12内に保持することができる。収容部材12内には、シリコンを含むガスを収容部材12内に供給するための供給源7である高純度シリコン(9N)が配置されている。ベース部材1はねじ部5によって収容部材12に固定可能である。
第1の坩堝10は、ベース部材1に固定された炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bをエッチングするための坩堝である。エッチングプロセスの詳細については後述する。
図5を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の第2の坩堝20は、ベース部材1と、成長容器2とを主に有している。ベース部材1および成長容器2はたとえばグラファイトから成る。ベース部材1はたとえば坩堝蓋であり、第1の坩堝10の坩堝蓋と同じである。言い換えれば、坩堝蓋は、第1の坩堝10および第2の坩堝20の各々の蓋として共用することができる。ベース部材1はねじ部5によって成長容器2に固定可能である。
成長容器2の底面6には、炭化珪素原料3が配置されている。成長容器2の外部には図示されていない加熱部が配置されており、成長容器2内の炭化珪素原料3を加熱することができる。炭化珪素種結晶4はベース部材1に固定することができる。炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bが炭化珪素原料3と対向するようにベース部材1が成長容器2と結合することができる。
第2の坩堝20は、炭化珪素種結晶4上に炭化珪素単結晶を成長させるための坩堝である。炭化珪素単結晶の成長方法については後述する。
図1〜図6を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
図1を参照して、炭化珪素種結晶準備工程(図6:S10)が実施される。炭化珪素種結晶準備工程においては、第1の主表面4Aと、第1の主表面4Aとは反対側の第2の主表面4Bとを有する炭化珪素種結晶4が準備される。炭化珪素種結晶4は、たとえば円板状であり炭化珪素単結晶から成る。
炭化珪素種結晶4のポリタイプはたとえば4Hであり、直径はたとえば6インチである。好ましくは、炭化珪素種結晶4の転位密度は5×104cm-2以下である。また好ましくは、炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bの面積は100cm2以上である。
図2を参照して、炭化珪素種結晶をベース部材に固定する工程(図6:S20)が実施される。炭化珪素種結晶4をベース部材1に固定する工程では、炭化珪素種結晶4が、第1の主表面4Aにおいてベース部材1に貼り付けられることにより固定される。ベース部材1はたとえばグラファイトから成る。炭化珪素種結晶4は、たとえばカーボン接着剤によりベース部材1に貼り付けられる。
図3を参照して、ベース部材1を収容部材12に結合することにより第1の坩堝10が形成される。ベース部材1と同様に収容部材12もたとえばグラファイトから成る。収容部材12内に炭化珪素種結晶4を保持するようにベース部材1が収容部材12に結合される。炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bは収容部材12の底面16に対向して設けられる。ベース部材1はたとえばねじ部により収容部材12に固定される。図3に示すように、収容部材12内には、シリコンを含むガスを供給する供給源7が配置されている。供給源7は炭化珪素種結晶4以外のものであって、たとえば高純度シリコン(9N)である。
なお、シリコンを含むガスとは、シリコンガスにシリコンの水素化物、炭化物またはハロゲン化物が混合したガスであっても構わない。また、シリコンを含むガスとは、好ましくはシリコンを主成分として含むガスであり、より好ましくは高純度のシリコンガスのことである。供給源7は、当該シリコンを含むガスを供給可能な機構であっても構わない。たとえば、供給源7は収容部材12の外部に配置され、収容部材12内にシリコンを含むガスを供給可能な機構であってもよい。
図4を参照して、第2の主表面をエッチングする工程(図6:S30)が実施される。まず、図4に示すように、エッチング用のグラファイト坩堝である第1の坩堝10を加熱炉に設置する。加熱炉を真空排気後、加熱炉にたとえばアルゴン(Ar)が70kPa程度充填される。坩堝を構成するベース部材1に対向する位置(図中上側)にヒータ13が配置されており、坩堝を構成する収容部材12の底面16に対向する位置(図中下側)にもヒータ14が配置されている。ヒータ13、14によりベース部材1がたとえば1700℃程度に加熱され、収容部材12の底面16がたとえば1600℃程度に加熱される。各部分の温度は、ヒータ13の中心付近に形成された放射温度計計測孔15を通して放射温度計により測定される。
次に、ベース部材1および収容部材12の底面16の温度をそれぞれ1700℃程度および1600℃程度に維持した状態で1時間程度保持される。この間、ベース部材1に貼り付けられた炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bがシリコンガス雰囲気下でエッチングされる。エッチングの厚みはたとえば0.2μm以上0.5μm以下程度である。エッチング厚みは、炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bのダメージの除去に十分な厚みであることが好ましい。たとえば、第2の主表面4Bのエッチングを行う前に、炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bに対してCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を行うことにより、炭化珪素種結晶4製造時に形成された第2の主表面4Bにおけるダメージ層(欠陥や転位を含む層)を除去する工程を有していてもよい。この場合、CMPにより導入されたダメージを含む層が除去されれば良いため、第2の主表面をエッチングする工程におけるエッチング量は1μm以下であってもよい。
本実施の形態において、収容部材12に高純度シリコンが配置されいるため、収容部材12はシリコンガスリッチな雰囲気になっている。そのため、炭化珪素種結晶4からシリコンが過剰に抜けてしまって第2の主表面4Bが炭化してしまうことを抑制することができる。
なお、炭化珪素種結晶4をエッチングする場合、炭化珪素種結晶4の温度が、坩堝内の最低温度部にならないように炭化珪素種結晶4が加熱される。言い換えれば、ベース部材1が結合された収容部材12内に炭化珪素種結晶4よりも低温になる部分が存在するように炭化珪素種結晶4が加熱される。具体的には、炭化珪素種結晶4の温度は、収容部材12の底面16の温度よりも高くなっている。
図5を参照して、ベース部材を成長容器と結合させることにより成長容器内に炭化珪素種結晶を保持する工程(図6:S40)が実施される。具体的には、第2の主表面4Bがエッチングされた炭化珪素種結晶4が固定されているベース部材1が、エッチング用の第1の坩堝10の収容部材12から取り外される。その後、炭化珪素種結晶4がベース部材1に固定された状態を維持しながら、ベース部材1が炭化珪素単結晶を成長させるための成長容器2に結合される。エッチングされた炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bが炭化珪素原料3に対向するように、ベース部材1が成長容器2に結合される。このようにして、成長容器2内において炭化珪素種結晶4が保持される。ここで成長容器2とは、たとえば昇華法により炭化珪素単結晶を成長させるためのグラファイトから成る容器である。
次に、炭化珪素単結晶を成長させる工程(図6:S50)が実施される。具体的には、図5に示すように、成長容器2に炭化珪素粉末からなる炭化珪素原料3が配置されている。本実施の形態において、ベース部材1および成長容器2は炭化珪素単結晶を成長させる第2の坩堝20を構成する。第2の主表面4Bがエッチングされた炭化珪素種結晶4および炭化珪素原料3が収容された第2の坩堝20を成長炉に設置する。成長炉を真空排気しながら第2の坩堝20の温度を1500℃程度にまで昇温する。成長炉にアルゴン(Ar)を充填して内圧をたとえば90kPaにする。第2の坩堝20の温度を炭化珪素単結晶の成長温度である2000℃以上2400℃以下程度に昇温する。昇温中、1slm程度のArガスを流しながら成長炉の圧力をたとえば90kPaに保持する。上記成長温度に到達した後、Arの圧力を0.1kPa以上5kPa以下程度に減圧して炭化珪素単結晶の成長が開始される。このようにして、成長容器2内で炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bに炭化珪素単結晶が成長する。なお、炭化珪素単結晶を成長させる工程においては、炭化珪素原料3の温度は炭化珪素種結晶の温度よりも高く設定される。
炭化珪素単結晶の成長は100時間程度継続される。その後、成長炉にArガスを90kPa程度にまで充填することで、炭化珪素単結晶の成長は終了する。第2の坩堝20が成長温度から室温まで毎分1℃以上3℃以下の速度で冷却される。第2の坩堝20から炭化珪素単結晶が取り出される。
なお、本実施の形態では、昇華法による炭化珪素単結晶を成長させる場合について説明したがこれに限定されない。たとえば炭化珪素単結晶の成長は、ガス成長法または高温CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって行われても構わない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、炭化珪素種結晶4はエッチングされた後、ベース部材1に固定されたまま成長容器2に移動される。それゆえ、炭化珪素種結晶4がダメージを受けることで欠陥が発生することを抑制することができる。結果として、欠陥の発生が抑制された炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶が形成されるため、欠陥密度の少ない炭化珪素単結晶を製造することができる。
また本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、炭化珪素原料3を昇華させることにより炭化珪素単結晶を成長させる。それゆえ、昇華法によって欠陥密度の少ない炭化珪素単結晶を製造することができる。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、ベース部材1が坩堝の蓋として使用可能であるので、効率的に炭化珪素単結晶を製造することができる。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、シリコンを含むガス雰囲気中において炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bがエッチングされる。それゆえ、シリコンガス濃度が高い雰囲気中で炭化珪素種結晶4がエッチングされるので、炭化珪素種結晶4からシリコンが過剰に抜けて第2の主表面4Bが炭化することを抑制することができる。また、炭化珪素種結晶4が固定されているベース部材1はグラファイトから成る。グラファイトは多孔質材料であるために洗浄することが困難である。シリコンは汚染の問題がないので、シリコンを含むガス中でエッチングが行われることが好ましい。また、基板サイズが大きい炭化珪素単結晶を製造する場合、炭化珪素種結晶4の表面の温度分布が大きくなりやすいため、炭化珪素種結晶4の表面全体の炭化を抑制して結晶品質を良好に維持することが困難である。本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、炭化珪素種結晶4の表面全体の炭化を抑制することができる。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、炭化珪素種結晶4の転位密度が5×104cm-2以下である。これにより、転位密度の小さい炭化珪素単結晶を製造することができる。
さらに本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法によれば、炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bの面積が100cm2以上である。これにより、断面積が100cm2以上である大径の炭化珪素単結晶を製造することができる。
本実施例では、シリコンガスによる炭化珪素種結晶4のエッチングを実施した炭化珪素種結晶4上に成長した炭化珪素単結晶と、当該エッチングを実施しない炭化珪素種結晶4上に成長した炭化珪素単結晶との転位密度を比較した。
本発明例に係る炭化珪素単結晶を以下の手順で製造した。まず、ポリタイプが4Hの炭化珪素種結晶4を準備した。当該炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bを(000−1)C面に対して4°オフした面とした。当該炭化珪素種結晶4の直径を6インチとし、厚みを600μmとし、反りを10μm以下とした。当該炭化珪素種結晶4の両表面にCMP処理を施した。当該炭化珪素種結晶4の貫通転位密度を5×103cm-2とした。
当該炭化珪素種結晶4をグラファイト製の坩堝の蓋であるベース部材1にカーボン接着剤で貼り付けた。その後、実施の形態で説明した方法によって、炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bをシリコンガス雰囲気中でエッチングした。エッチングの厚みは0.2μm以上0.5μm以下であった。当該炭化珪素種結晶4の表面にはSiの付着が見られずミラー状態を保ったままであった。
その後、実施の形態で説明した昇華法によって、炭化珪素種結晶4上に炭化珪素単結晶を成長させることで、直径6インチ、厚みを30mmの炭化珪素単結晶を製造した。ワイヤーソーによって炭化珪素単結晶を炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bと平行な方向にスライスした。スライスして得られた6インチ炭化珪素基板のうち、(0001)Si面が炭化珪素種結晶4の第2の主表面4Bから1mm離れた位置になる基板を選択した。当該選択した基板の表面(Si面側)をミラー研磨した。最終研磨はCMPにより実施された。
比較例の炭化珪素単結晶は、シリコンガスによるエッチング工程を行わずに製造された。比較例の炭化珪素単結晶の製造方法は、シリコンガスによるエッチングを行っていない点において本発明例の製造方法と異なっており、その他の点に関しては本発明例の製造方法と同様である。
次に、転位密度の測定方法について説明する。
本発明例および比較例の炭化珪素単結晶からなる基板の研磨面を溶融KOH(水酸化カリウム)によってエッチングすることにより、転位に相当するエッチピットを形成した。その後、ノマルスキー顕微鏡で当該研磨面の貫通転位の密度を測定した。
次に、転位密度の測定結果について説明する。
本発明例の炭化珪素単結晶の転位密度は、炭化珪素種結晶4から1mm離れた位置において5×103cm-2であり、炭化珪素単結晶の先端部付近(つまり炭化珪素種結晶4から遠い部分)の位置において1×103cm-2であった。
一方、比較例の炭化珪素単結晶の転位密度は、炭化珪素種結晶4から1mm離れた位置において20×103cm-2であり、炭化珪素単結晶の先端部付近(つまり炭化珪素種結晶4から遠い部分)の位置において5×103cm-2であった。
以上により、シリコンガスによる炭化珪素種結晶4のエッチングを実施した炭化珪素種結晶4上に成長した炭化珪素単結晶(本発明例)は、当該エッチングを実施しない炭化珪素種結晶4上に成長した炭化珪素単結晶(比較例)よりも、転位密度が少ないことが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ベース部、2 成長容器、3 炭化珪素原料、4 炭化珪素種結晶、5 ねじ部、6 底面、7 供給源、10 第1の坩堝、12 収容器、13,14 ヒータ、15 放射温度計用計測孔、16 底面、20 第2の坩堝。

Claims (7)

  1. 第1の主表面と、前記第1の主表面とは反対側の第2の主表面とを有する炭化珪素種結晶を準備する工程と、
    前記炭化珪素種結晶を前記第1の主表面においてベース部材に固定する工程と、
    前記炭化珪素種結晶を前記ベース部材に固定した状態で前記第2の主表面に炭化層を形成することなく4H−SiCからなる前記第2の主表面をエッチングする工程と、
    前記第2の主表面をエッチングする工程後、前記第2の主表面がエッチングされた前記炭化珪素種結晶が固定された前記ベース部材を成長容器と結合させることにより、前記成長容器内に前記炭化珪素種結晶を保持する工程と、
    前記成長容器内で前記第2の主表面に炭化珪素単結晶を成長させる工程とを備えた、炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記成長容器内に炭化珪素原料を配置する工程をさらに備え、
    前記炭化珪素種結晶を保持する工程においては、エッチングされた前記炭化珪素種結晶の前記第2の主表面が前記炭化珪素原料に対向するように前記ベース部材が前記成長容器に結合され、
    前記炭化珪素単結晶を成長させる工程は、前記炭化珪素原料を前記炭化珪素種結晶よりも高温になるように加熱することにより前記炭化珪素原料を昇華させる工程を含む、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記ベース部材は前記成長容器の蓋として機能する、請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記炭化珪素種結晶の前記第2の主表面をエッチングする工程は、前記炭化珪素種結晶以外の供給源から供給されたシリコンを含むガス雰囲気中において行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記炭化珪素種結晶の前記第2の主表面をエッチングする工程は、
    シリコンが配置された収容部材を準備する工程と、
    前記ベース部材を前記収容部材に結合することにより前記収容部材内に前記炭化珪素種結晶を保持する工程と、
    前記ベース部材が結合された前記収容部材内に前記炭化珪素種結晶よりも低温になる部分が存在するように前記炭化珪素種結晶を加熱する工程とを含む、請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記炭化珪素種結晶の転位密度が5×104cm-2以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 前記炭化珪素種結晶の前記第2の主表面の面積が100cm2以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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