JP5858097B2 - 単結晶製造装置、単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶製造装置、単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、単結晶製造装置および単結晶の製造方法に関し、より特定的には、原料容器を保持する石英アンプルを備える単結晶製造装置および単結晶の製造方法に関する。
従来、縦型ブリッジマン法(VB法)や縦型温度勾配凝固法(VGF法)などの縦型ボート法を用いた単結晶製造装置および単結晶の製造方法が知られている。このような単結晶製造装置では、単結晶を製造するためルツボの底部に種結晶を配置し、さらに原料となる多結晶を当該ルツボの内部に投入した状態で、これらの原料(種結晶より上に位置する原料)が融点以上になるように垂直方向における温度勾配を形成する。そして、ルツボを下方向(温度の相対的に低い側)へ引き抜く、あるいは温度勾配を保ったまま徐冷することにより、溶融した原料から種結晶を起点として単結晶を製造する(たとえば、特開平04−187585号公報(特許文献1)および特開2005−298301号公報(特許文献2)参照参照)。
そして、上記特許文献1では、得られる単結晶の品質を改善するため、溶融した原料(液相)から単結晶(固相)を形成するときに固液界面が液相側に凸となるように、ルツボを支持する台座(支持体)の構成を積層構造とすることを提案している。具体的には、熱伝導率の高い材料からなる薄板状部材と、熱伝導率の低い材料からなる薄板状部材とを交互に積層した構造を提案している。また、熱伝導率の高い材料の例として高純度カーボンが、また、熱伝導率の低い材料の例として石英が挙げられている。
また、特許文献2では、上記単結晶製造装置におけるルツボの搬送時の破損を防止するとともに、単結晶製造時における不良の発生防止を目的として、以下のような構成が開示されている。すなわち、ルツボが保持具によって保持され、当該保持具には手または治具で保持することができる把持部が形成されている。また、単結晶製造装置において、当該保持具は昇降動作可能な台座(ステージ)上に搭載される。保持具はルツボの外周に密着して当該ルツボを保持する。ルツボの材料として窒化ホウ素(BN)が、また保持具の材料として石英、炭化ケイ素、窒化ケイ素、カーボン、モリブデンなどが挙げられている。なお、特許文献2では台座の材料については特に明示していない。
特開平04−187585号公報 特開2005−298301号公報
上述した従来の単結晶製造装置では、以下のような問題がある。すなわち、台座を上述のような積層構造とするため構造が複雑であり、装置の製造コストが高くなる。また、熱伝導率と熱膨張係数の異なる材料を組み合わせるため、台座が変形や破損を起こしたり、台座に接触する部分で不連続な温度分布が生じて、結晶の品質が低下したりするという問題がある。
また、ルツボ(あるいはルツボと保持具(アンプル))からなる原料保持部と、当該原料保持部を支持する台座とについて、上述した従来の単結晶製造装置では、単結晶製造時の熱処理による熱膨張に関して配慮がなされていない。このため、たとえば保持具と台座とで熱膨張係数の大きく異なる材料を用いる場合、単結晶製造時の熱処理における温度変化に起因して、熱膨張による寸法変化の差により台座または保持具が破損する場合がある。また、このような構成機器の破損は、得られる単結晶の品質にも悪影響を与える。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、比較的簡単な構成により優れた品質の単結晶を得ることが可能な単結晶製造装置および単結晶の製造方法を提供することである。
また、この発明の別の目的は、単結晶製造時の熱処理に起因する単結晶製造装置の破損を防ぎ、優れた品質の単結晶を得ることが可能な単結晶製造装置および単結晶の製造方法を提供することである。
この発明に従った単結晶製造装置は、原料保持容器中に保持された原料を加熱溶解した後、たとえば縦型ブリッジマン法(VB法)や縦型温度勾配凝固法(VGF法)のように一方向から凝固させることにより単結晶を製造する単結晶製造装置であって、原料保持容器と、台座と、ヒータとを備える。台座は原料保持容器を支持する。ヒータは原料保持容器を加熱するためのものである。台座を構成する材料の熱伝導率は、0.5W/(m・K)以上、形成されるべき単結晶の熱伝導率の値以下である。台座を構成する材料は、厚みが4mmの当該材料に対する波長が1600nm以上2400nm以下の光の透過率が10%以下となっている。また、台座を構成する材料について、上記透過率を5%以下とすることがより好ましい。
このようにすれば、台座を構成する材料を、波長が1600nm以上2400nm以下の光に対して不透明な材料とするという比較的簡単な構成を採用することで、原料保持容器内において原料を溶融状態とし、一方向から(具体的には台座側から)凝固させるときに、赤外線などによる原料保持容器から台座を介して外周側へ向かう熱放射を抑制できる。この結果、溶融した原料から台座へ伝わる熱の流れを台座の下面に向かう方向(下方向)へガイドすることができる。この結果、溶融した原料(液相)と、原料が凝固して単結晶となった部分(固相)との境界部(固液界面)を、平坦な形状または液相側へ凸形状とすることが可能になる。たとえば、原料保持容器が、台座側から徐々に幅が広くなる拡径部と、当該拡径部に連なり、幅の変化率が当該拡径部より小さくなっている(たとえば実質的に幅が一定になっている)直胴部とを含み、当該拡径部が台座と接触しているような場合、固液界面が拡径部に位置するときに、上述のように当該固液界面を平坦な形状または液相側へ凸形状とすることができる。この結果、得られる単結晶において結晶欠陥の発生を抑制できる。
なお、台座を構成する材料の熱伝導率の値の下限を0.5W/(m・K)としたのは、当該材料の熱伝導率が0.5W/(m・K)を下回ると原料保持容器内での原料の冷却効率が低下するするとともに、固液界面を上述のように平坦な形状または液相側へ凸形状とすることが難しくなるからである。また、当該熱伝導率の値の上限を形成されるべき単結晶の熱伝導率の値としたのは、台座を構成する材料の熱伝導率が当該単結晶の熱伝導率の値を超えると、やはり固液界面を上述のように平坦な形状または液相側へ凸形状とすることが難しくなるためである。また、台座を構成する材料について、透過率を規定する光の波長を1600nm以上2400nm以下としたのは、単結晶成長時に熱源であるヒータより発生する光の波長が上記波長範囲に相当するためである。また、当該透過率を10%以下としたのは、透過率が10%以下であれば、上述した波長の光に対して台座の材料を実質的に不透明であるとみなすことができ、本発明の効果を確実に得ることが可能になるからである。また、上記透過率のより好ましい範囲を5%以下としたのは、透過率が5%以下であれば、上述した波長の光に対して題材の材料をより確実に不透明であるとみなすことができ、本発明の効果をより確実に得ることができるためである。
この発明に従った単結晶の製造方法は、上記単結晶製造装置を用いた単結晶の製造方法であって、以下の工程を実施する。すなわち、原料保持容器に種結晶および単結晶の原料物質を挿入する工程を実施する。そして、ヒータにより原料保持容器を加熱することにより原料物質を溶融する工程を実施する。さらに、溶融した原料物質を種結晶側から徐々に凝固させることにより単結晶を製造する工程を実施する。
このようにすれば、多結晶の原料片を一度溶解し(加熱工程(S30))、その後凝固させるための処理(結晶成長工程(S40))を行なう場合に、溶融した原料から台座へ伝わる熱の流れを台座の下面に向かう方向(下方向)へガイドすることができる。この結果、溶融した原料(液相)と、原料が凝固して単結晶となった部分(固相)との境界部(固液界面)を、平坦または液相側へ凸形状とすることが可能になる。たとえば、原料保持容器が、台座側から徐々に幅が広くなる拡径部と、当該拡径部に連なり、幅の変化率が当該拡径部より小さくなっている(たとえば実質的に幅が一定になっている)直胴部とを含み、当該拡径部が台座と接触しているような場合、固液界面が拡径部に位置するときに、上述のように当該固液界面を平坦な形状または液相側へ凸形状とすることができる。この結果、得られる単結晶において結晶欠陥の発生を抑制できる。
この発明に従った単結晶は、ケイ素を含有する砒化ガリウムからなる単結晶であって、種結晶側から徐々に幅が広くなる単結晶拡径部と、単結晶拡径部に連なり幅の変化率が単結晶拡径部より小さくなっている直胴部とを含む。単結晶拡径部と直胴部の境界において、単結晶の成長軸方向に垂直な面内での、ケイ素の平均濃度は1×1017cm-3以上7×1017cm-3以下であり、転位密度の平均値が0cm-2以上2000cm-2以下である。
このように、単結晶拡径部と直胴部との境界(肩部)において転位密度を上記のような範囲に制御することで、直胴部におけるリネージの発生を効果的に抑制できる。
また、この発明に従った単結晶製造装置は、原料容器中に保持された原料を加熱溶解した後、一方向から凝固させることにより単結晶を製造する単結晶製造装置であって、原料容器と、原料容器を内部に保持する石英アンプルと、石英アンプルを支持する台座と、原料容器を加熱するためのヒータとを備える。台座において少なくとも石英アンプルと接触する部位を構成する材料の熱膨張係数は、石英アンプルを構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲に含まれる値となっている。
このようにすれば、単結晶を製造するためにヒータにより原料容器が加熱されるとき、および加熱により液相となった原料を凝固させることで単結晶を得るために当該原料容器の温度を低下させるときに、石英アンプルと台座との間の熱膨張量の差を十分小さくすることができる。この結果、当該熱膨張量の差に起因して石英アンプルまたは台座が破損するといった問題の発生を抑制できる。
なお、台座において石英アンプルと接触する部位を構成する材料の熱膨張係数を、石英の熱膨張係数の±50%以内(石英の熱膨張係数の0.5倍以上1.5倍以下)としたのは、以下のような理由による。すなわち、当該材料の熱膨張係数が上記範囲を外れると、単結晶を形成するための熱処理の際に熱膨張による変位量について、石英アンプルと台座の当該部位との間で大きな差が発生する。この結果、石英アンプルと台座との接触部に大きな応力が加わることになり、高い確率で石英アンプル(または台座)に損傷が発生する。なお、石英アンプルを構成する石英の熱膨張係数は例えば、“信越石英(株)技術ガイド化学物理特性PC-TG-CFC-004、 2005,10,01版”に記載されているように、約5×10−7(K−1)であり、その±50%は約2.5×10−7(K−1)以上約7.5×10−7(K−1)以下の範囲に相当する。
この発明に従った単結晶の製造方法は、上記単結晶製造装置を用いた単結晶の製造方法であって、以下の工程を備える。すなわち、まず原料容器に種結晶および単結晶の原料物質を挿入する工程を実施する。そして、ヒータにより原料容器を加熱することにより原料物質を溶融する工程を実施する。さらに、溶融した原料物質を種結晶側から徐々に凝固させることにより単結晶を製造する工程を実施する。
このようにすれば、原料を一度溶解し、その後凝固させるための熱処理を行なう場合に、石英アンプルと台座との熱膨張係数に大きな差がないことから、石英アンプルや台座の破損といった問題の発生を抑制できる。この結果、石英アンプルや台座の破損に起因する単結晶の品質低下を抑制できるので、高品質な単結晶を安定して得ることができる。
本発明によれば、比較的簡単な構成の単結晶製造装置によって優れた品質の単結晶を得ることができる。
また、本発明によれば、単結晶製造装置における熱処理に起因する破損を防ぎ、優れた品質の単結晶を得ることができる。
本発明による単結晶製造装置の実施の形態1を示す模式図である。 図1に示した単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法を示すフローチャートである。 図1に示した単結晶製造装置の使用状態を説明するための模式図である。 図1に示した単結晶製造装置の第1の変形例を示す拡大模式図である。 図1に示した単結晶製造装置の第2の変形例を示す拡大模式図である。 図1に示した単結晶製造装置の第3の変形例を示す拡大模式図である。 本発明による単結晶製造装置の実施の形態2を示す模式図である。 図7に示した単結晶製造装置の第1の変形例を示す拡大模式図である。 図7に示した単結晶製造装置の第2の変形例を示す拡大模式図である。 図7に示した単結晶製造装置の第3の変形例を示す拡大模式図である。 本発明による単結晶製造装置を用いて製造された単結晶を示す模式図である。 本発明による単結晶製造装置の実施の形態4を示す模式図である。 図12に示した単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法を示すフローチャートである。 図12に示した単結晶製造装置の使用状態を説明するための模式図である。 図12に示した単結晶製造装置の第1の変形例を示す拡大模式図である。 図12に示した単結晶製造装置の第2の変形例を示す拡大模式図である。 図12に示した単結晶製造装置の第3の変形例を示す部分拡大模式図である。 本発明による単結晶製造装置の実施の形態5を示す模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明による単結晶製造装置の実施の形態1を示す模式図である。図1を参照して、本発明による単結晶製造装置を説明する。
図1を参照して、単結晶製造装置1は、台座2と、台座2上に搭載されたアンプル3と、アンプル3の内部に保持されたルツボ4と、ルツボ4の内部に充填される原料を加熱するためのヒータ5とを備える。台座2は、平面形状がたとえば円形状の円柱状体であって、上部表面にはすり鉢状の傾斜部12と、この傾斜部12の内周側(上部表面のほぼ中央)に位置する凹部11とを有する。凹部11の平面形状はたとえば円形状であって、当該凹部11の幅は深さ方向においてほぼ一定である。傾斜部12は、凹部11の上端部から台座2の外周側に向かうにつれて台座2の底壁からの距離が大きくなるように(台座2の底壁に対して)傾斜した構成となっている。台座2の材料としては、たとえば石英を用いることができる。また、台座2の材料としては、その熱伝導率が0.5W/(m・K)以上、形成されるべき単結晶の熱伝導率の値以下であることが好ましい。ここで「形成されるべき単結晶とその熱伝導率」の具体例としては、例えば形成されるべき単結晶の材質が砒化ガリウム(GaAs)の場はその熱伝導率がおよそ50W/(m・K)、形成されるべき単結晶の材質がリン化インジウム(InP)の場合はその熱伝導率がおよそ70W/(m・K)である。なお、これらの熱伝導率の値は室温での値である。また、台座2を構成する材料は、厚みが4mmの当該材料に対する波長が1600nm以上2400nm以下の光の透過率が10%以下となっていることが好ましい。また、当該透過率はより好ましくは5%以下である。ここで、透過率は、当該材料に入射した上記光の強度と厚みが4mmの当該材料を透過した光の強度との比((透過した光の強度)/(入射した光の強度)×100)を意味する。
また、台座2の材料としては、アンプル3を構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲となる熱膨張係数を有する材料であって、単結晶を形成するための熱処理温度において十分な強度を有する(たとえば融点が当該熱処理温度より高い)材料を用いることが好ましい。たとえば、台座2の材料として、不透明石英を用いることが好ましい。
この台座2上に搭載されるアンプル3は、石英製のアンプル(石英アンプル)であって、その形状は概略円筒形状となっている。アンプル3の底面は、上述した台座2の上部表面上に搭載可能な形状となっている。より具体的には、アンプル3は、台座2の凹部11の内部に収納され、平面形状がほぼ円形状である小径部21と、小径部21の上に連なり、台座2の傾斜部12に沿って傾斜した側壁を有する拡径部22と、拡径部22の上に連なり、平面形状が台座2と同様のたとえば円形状であって、幅がほぼ一定の直胴部23と、を有する。なお、直胴部23の幅は拡径部22から離れるに従って徐々に大きくなっていてもよいし、直胴部23の途中で幅の変化率が変更されていてもよい。つまり直胴部23については、上述のように幅がほぼ一定の場合のみならず、ある程度幅が変化している(直胴部23の側壁が台座2の外周側壁に対して若干傾斜している)場合もある。また、直胴部23は、当該直胴部23における幅の変化率が拡径部22における幅の変化率より小さくなっていればよい。なお、ここで幅とは、アンプル3の延在方向に対して垂直な方向(水平方向)における幅を意味する。小径部21の幅は、深さ方向の任意の位置においてほぼ一定である。小径部21は台座2の凹部11の内壁に沿った形状となっている。アンプル3の拡径部22における側壁の(直胴部23の側壁に対する)傾斜角度は、台座2の傾斜部12の(台座2の外周側壁に対する)傾斜角度とほぼ同様となっている。
このアンプル3の内部に保持されるルツボ4は、基本的にはアンプル3の内周表面に沿った形状を有している。具体的には、ルツボ4の底部の中央には、アンプル3の小径部21の内部に収納されるルツボ4の小径部31が形成されている。小径部31の平面形状はたとえば円形状である。この小径部31の上端部からアンプル3の拡径部22に沿って、ルツボ4の拡径部32が形成されている。そして、この拡径部32の上端に連なるように、直胴部33が形成されている。このルツボ4の直胴部33は、基本的にはアンプル3の直胴部23の内周面に沿って配置されている。そして、台座2、アンプル3およびルツボ4の外周を囲むようにヒータ5が配置されている。
次に、図1に示した単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法を説明する。図2は、図1に示した単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法を示すフローチャートである。図2に示すように、本発明による単結晶製造方法では、まず種結晶準備工程(S10)を実施する。具体的には、図1に示したルツボ4の小径部31の内部に種結晶となる単結晶の小片を挿入する。
次に、図2に示すように、原料準備工程(S20)を実施する。具体的には、ルツボ4の内部に単結晶の原料となるべき多結晶の原料片を所定の量だけ投入する。上述した単結晶の小片および多結晶の原料片の組成としては、任意の結晶性の材料を用いることができるが、たとえば珪素を含有する砒化ガリウム(GaAs)を当該組成として用いることができる。
次に、図2に示すように加熱工程(S30)を実施する。具体的には、図1に示すヒータ5に通電することにより、ルツボ4の内部の多結晶の原料片を加熱して溶融状態とする。なお、このときルツボ4の小径部31内部に配置された単結晶の小片は溶融しないように、ヒータ5による加熱条件を調整する。
次に、図2に示すように結晶成長工程(S40)を実施する。具体的には、図示しない昇降装置などを用いて、ヒータ5に対して、台座2、アンプル3およびルツボ4を図1の下側(図3の矢印7により示す方向)に移動させることにより、溶融した多結晶原料の温度を、ルツボ4の小径部31内部に配置された単結晶の小片(種結晶)の近傍から徐々に下げていく。この結果、加熱されて溶融していた原料が、種結晶の近傍から徐々に凝固(結晶化)する。このように凝固した部分は単結晶となっている。そして、徐々に台座2、アンプル3およびルツボ4をヒータ5の内周側から下側へと引き抜いていくことにより、溶融していた原料をルツボ4の下側(すなわち種結晶の近傍)から徐々に結晶化していく。このようにして単結晶を成長させることができる。なお、台座2、アンプル3およびルツボ4を固定し、ヒータ5を上方へと移動させてもよいし、ルツボ4やヒータ5の位置を固定した状態で、所定の温度分布となるようにしながらヒータ5の温度を降下させてもよい。そして、溶融した原料が完全に凝固したら、“冷却工程(S50)を実施する。冷却工程(S50)においては、ヒータ5の温度を降下させるなどして、ルツボ4内部の単結晶を室温まで冷却する。
このとき、台座2の材料としてたとえば不透明石英を用いることにより、上述した結晶成長工程(S40)において、台座2を介してルツボ4およびアンプル3から赤外線などの熱放射により外周側へ熱が伝わることを抑制できる。このため、溶融した原料から台座2へ伝わる熱の流れを台座2の下面に向かう方向(下方向)へ、より好ましくは台座2の凹部11へ向かう方向へガイドすることができる。この結果、図3に示すように、ルツボ4の拡径部において、溶融材料16と、原料が凝固して成長した単結晶15(固相)との境界部である固液界面17を、平坦または溶融材料16側へ凸形状とすることが可能になる。この結果、得られる単結晶15において結晶欠陥の発生を抑制できる。なお、図3は、図1に示した単結晶製造装置の使用状態を説明するための模式図である。
図4は、図1に示した単結晶製造装置の第1の変形例を示す拡大模式図である。図4を参照して、図1に示した単結晶製造装置1の第1の変形例を説明する。
図4を参照して、本発明による単結晶製造装置の第1の変形例は、基本的には図1に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、台座2の傾斜部12の表面に固着防止層としての凹凸形状部13が形成されている点が図1に示した単結晶製造装置1と異なる。このようにすれば、単結晶を形成するときにアンプル3と台座2とが傾斜部12において固着するといったトラブルの発生を抑制できる。なお、傾斜部12の凹凸形状部13における表面粗さはRa(JIS B0601−1994参照)において、0.5以上、9.5以下とすることができる。また、当該表面粗さは、より好ましくはRaで1.5以上7.0以下、さらに好ましくはRaで2.5以上4.5以下とすることができる。傾斜部の凹凸は、Raが小さ過ぎると接触面積が増加してアンプル3と台座2の固着が起こりやすくなる。また、Raが大き過ぎるとアンプル3と接触する凸部の個数が減って個々の凸部への接触圧力が高くなって固着が起こりやすくなる。つまり、当該表面粗さはRaで好ましくは0.5〜9.5、より好ましくは1.5〜7.0、さらに好ましくは2.5〜4.5である。
図5は、図1に示した単結晶製造装置の第2の変形例を示す拡大模式図である。図5を参照して、図1に示した単結晶製造装置1の第2の変形例を説明する。
図5を参照して、単結晶製造装置の第2の変形例は、基本的には図1に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、台座2の傾斜部12に固着防止処理層19が形成されている点が図1に示した単結晶製造装置1と異なっている。この固着防止処理層19は、アンプル3を構成する材料である石英との反応性が(石英同士が接触している場合より)相対的に低い材料からなる層であって、たとえばSiC皮膜、アルミナ皮膜などを用いることができる。また、当該固着防止処理層19の膜厚は10μm以上1mm以下、より好ましくは50μm以上500μm以下、さらに好ましくは100μm以上300μm以下であることが望ましい。このような構成を採用することによっても、図4に示した単結晶製造装置と同様の効果を得ることができる。
図6は、図1に示した単結晶製造装置の第3の変形例を示す拡大模式図である。図6を参照して、図1に示した単結晶製造装置の第3の変形例を説明する。
図6を参照して、単結晶製造装置は基本的には図1に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、台座2の傾斜部12の表面14とアンプル3との間に離型剤20が配置されている点が図1に示した単結晶製造装置1と異なっている。このような構成とすることによっても、図4に示した単結晶製造装置と同様に、台座2とアンプル3との間の固着を防止することができる。なお、離型剤20としては、たとえばSiC粉末、アルミナ粉末などを用いることができる。また離型剤20の粒子径は0.1μm以上20μm以下、より好ましくは0.3μm以上15μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上10μm以下であることが望ましい。
(実施の形態2)
図7は、本発明による単結晶製造装置の実施の形態2を示す模式図である。図7を参照して、本発明による単結晶製造装置の実施の形態2を説明する。
図7を参照して、単結晶製造装置1は、基本的には図1に示した単結晶製造装置1と同様の構造を備えるが、台座2の上に直接ルツボ4が搭載されている(つまり、図1に示したアンプル3が無い)点が図1の単結晶製造装置1とは異なっている。具体的には、図7に示した単結晶製造装置1においては、台座2の凹部11内部にルツボ4の小径部31が配置されている。また、台座2の傾斜部12に接触するように、ルツボ4の拡径部32が配置されている。このような構成とすることによっても、図1に示した単結晶製造装置1と同様の効果を得ることができる。
図8は、図7に示した単結晶製造装置の第1の変形例を示す拡大模式図である。図8を参照して、図7に示した単結晶製造装置1の第1の変形例を説明する。
図8を参照して、本発明による単結晶製造装置の第1の変形例は、基本的には図7に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、図4に示した単結晶製造装置1と同様に、台座2の傾斜部12の表面に固着防止層としての凹凸形状部13が形成されている点が図7に示した単結晶製造装置1と異なる。このようにすれば、単結晶を形成するときにルツボ4と台座2とが傾斜部12において固着するといったトラブルの発生を抑制できる。なお、傾斜部12の凹凸形状部13における表面粗さはRa(JIS B0601−1994参照)において、0.5以上、9.5以下とすることができる。また、当該表面粗さは、より好ましくはRaで1.5以上7.0以下、さらに好ましくはRaで2.5以上4.5以下とすることができる。傾斜部の凹凸は、Raが小さ過ぎると接触面積が増加してルツボ4と台座2の固着が起こりやすくなる。また、Raが大き過ぎるとルツボ4と接触する凸部の個数が減って個々の凸部への接触圧力が高くなって固着が起こりやすくなる。つまり、当該表面粗さはRaで好ましくは0.5〜9.5、より好ましくは1.5〜7.0、さらに好ましくは2.5〜4.5である。
図9は、図7に示した単結晶製造装置の第2の変形例を示す拡大模式図である。図9を参照して、図7に示した単結晶製造装置1の第2の変形例を説明する。
図9を参照して、単結晶製造装置の第2の変形例は、基本的には図7に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、台座2の傾斜部12に固着防止処理層19が形成されている点が図7に示した単結晶製造装置1と異なっている。この固着防止処理層19は、ルツボ4を構成する材料との反応性が台座2を構成する材料より相対的に低い材料からなる層であって、たとえばルツボ4が石英の場合にはSiC皮膜やアルミナ皮膜などを用いることができる。また、当該固着防止処理層19の膜厚は10μm以上1mm以下、より好ましくは50μm以上500μm以下、さらに好ましくは100μm以上300μm以下であることが望ましい。このような構成を採用することによっても、図8に示した単結晶製造装置と同様の効果を得ることができる。
図10は、図7に示した単結晶製造装置の第3の変形例を示す拡大模式図である。図10を参照して、図7に示した単結晶製造装置の第3の変形例を説明する。
図10を参照して、単結晶製造装置は基本的には図7に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、台座2の傾斜部12の表面14とルツボ4との間に離型剤20が配置されている点が図7に示した単結晶製造装置1と異なっている。このような構成とすることによっても、図8に示した単結晶製造装置と同様に、台座2とルツボ4との間の固着を防止することができる。なお、離型剤20としては、たとえばSiC粉末、アルミナ粉末などを用いることができる。また離型剤20の粒子径は0.1μm以上20μm以下、より好ましくは0.3μm以上15μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上10μm以下であることが望ましい。
(実施の形態3)
図11は、本発明による単結晶製造装置を用いて製造された単結晶を示す模式図である。図11を参照して、本発明に従った単結晶40を説明する。
図11を参照して、砒化ガリウムからなる単結晶40は、図1に示した単結晶製造装置を用いて製造された単結晶であって、基本的に図1の単結晶製造装置1のルツボ4の内形と同様の外形を有する。すなわち、図11の単結晶40の下端には結晶成長の基点となった種結晶が位置し、当該下端から徐々にその径が大きくなる単結晶拡径部と、当該単結晶拡径部に連なり幅(直径)の変化率が単結晶拡径部より小さくなっている直胴部(胴部)とを含む。単結晶拡径部と直胴部との境界部を肩部41と呼ぶ。また、直胴部の長さ方向(結晶成長方向)における中央部を胴部中央42とし、直胴部の上端を尾部43としている。単結晶拡径部と直胴部の境界(肩部41)において、単結晶40の成長軸方向に垂直な面内での、ケイ素の平均濃度は1×1017cm-3以上7×1017cm-3以下であり、転位密度の平均値が0cm-2以上2000cm-2以下である。
ここで、本発明による単結晶製造装置1を用いて単結晶40を形成する場合、固液界面が拡径部に位置するときに、上述のように液相側へ当該固液界面を平坦または凸形状とすることができる。この結果、得られる単結晶40において結晶欠陥の発生を抑制できる。つまり、発明者は、拡径部の固液界面形状を“平坦または凸形状”に制御することによって、単結晶拡径部と直胴部の境界(肩部41)における、転位密度を大幅に低減できることを見出した。その結果、低いケイ素濃度においても、肩部41での転位密度を低減することが可能となった。その結果、結晶胴部(つまりウエハなどの製品となる部分)でのリネージ等の欠陥の発生数が大幅に低減することを見出した。なお、リネージとは、局所的に高濃度の転位が集まってできた欠陥を意味し、当該欠陥が存在する部分は製品にできない。
ここで、ケイ素濃度が一定量以下の単結晶40では、リネージが発生しやすいという問題があったが、肩部41の転位を一定の密度以下にすると、製品となる部分である直胴部(結晶胴部)でのリネージの発生が抑制されることを本願発明者は初めて見出した。さらに、“直胴部の長さ/直胴部の直径”の比率(直胴部の長さと直径との比)の大きな結晶、具体的には“直胴部の長さ/直胴部の直径”という比が1.5以上の結晶において、本発明はいっそう顕著な効果が得られることを見出した。さらに、ケイ素濃度が1×1017cm−3〜7×1017cm−3と低い結晶では、ウエハの研磨工程において、転位に起因するピット(微小な窪み)が発生する場合があるが、転位密度が一定の密度(2000cm−2)以下ではこのようなピットが著しく減少することを見出した。
具体的には、肩部41でのケイ素濃度が1×1017cm−3〜7×1017cm−3のとき(なお、当該ケイ素濃度は単結晶の製品設計に応じて決定される)、転位密度が2000cm−2以下、より好ましくは1500cm−2以下、さらに好ましくは1000cm−2以下のとき、直胴部でのリネージ発生が抑制され、高い歩留まりが得られた。また、“直胴部の長さ/直胴部の直径”という比が、1.5×(77÷直胴部の直径(mm))以上の時に好ましい効果が得られ、当該比が2.0×(77÷直胴部の直径(mm))以上の時にさらに好ましい効果が得られ、当該比が2.5×(77÷直胴部の直径(mm))以上の時に最も好ましい効果が得られた。
なお、砒化ガリウム(GaAs)にケイ素を添加すると、転位と呼ばれる結晶欠陥が減少する。GaAs中のケイ素の濃度を高くするほど転位は減少し、転位密度は低くなる。一方、形成するべきデバイスの種類によって要求されるケイ素の濃度や転位密度が異なるため、これらの条件を考慮して、製造する単結晶40のケイ素濃度を設計することになる。肩部41でのケイ素濃度が1×1017cm−3〜7×1017cm−3と比較的低いものでは、従来直胴部においてリネージが発生し易いという問題があった。本発明者は、肩部41の転位密度を一定の値以下にすることによって、直胴部でのリネージの発生が抑制されることを初めて見出したのである。
ここで、ケイ素添加の単結晶40では、肩部41から尾部43に向かってケイ素の濃度が上昇していく。そのため、尾部43に近づくほど新たな転位は発生しにくくなっていく。つまり、転位密度は、肩部41から尾部43に向かって減少していく。そこで、発明者は、肩部41の転位密度をコントロールすることによって、直胴部でのリネージ発生率が飛躍的に減少することを見出した。なお、肩部41でのケイ素濃度(ケイ素の平均濃度)が7×1017cm−3を超えるものでは、そもそもリネージが形成されにくいため、本発明の効果が顕著に得られるのは、肩部41でのケイ素濃度が7×1017cm−3以下となっている場合である。また、ケイ素を添加していない単結晶では、直胴部でも転位が発生しやすいため、肩部41の転位密度を制御しただけでは、リネージの発生を抑制することは難しいと考えられる。そのため、肩部41でのケイ素濃度を上述のような1×1017cm−3以上7×1017cm−3以下とした場合に本発明の効果は顕著であり、当該ケイ素濃度を1×1017cm−3以上5.5×1017cm−3以下とした場合に本発明の効果はより顕著になり、当該ケイ素濃度を1×1017cm−3以上4.0×1017cm−3以下とした場合にさらに本発明の効果は顕著なものとなる。
また、ケイ素の濃度は自然凝固の式にしたがって、結晶の長さ方向(単結晶40の延在方向)において、肩部41から尾部43に向かって増加していく。そのため、単結晶の長さと直径の比(つまり“直胴部の長さ/直胴部の直径”という比)が小さなものではケイ素の濃度が長さ方向に急速に増加するため、転位の発生が抑制されていく。反対に、単結晶の長さと直径の比が大きなものでは、ケイ素の濃度は長さ方向にゆっくり増加していく。そのため、直胴部において、肩部41までに発生した転位が集積してリネージを形成しやすくなることを本発明者は見出した。したがって、このような単結晶の長さと直径の比が大きな(直胴部の長さと直径との比が1.5以上である)単結晶40において、本発明による「リネージの形成を抑制する」という効果が特に顕著に示される。
(実施の形態4)
図12は、本発明による単結晶製造装置の実施の形態4を示す模式図である。図12を参照して、本発明による単結晶製造装置を説明する。
図12を参照して、単結晶製造装置1は、台座52と、台座52上に搭載されたアンプル3と、アンプル3の内部に保持されたルツボ4と、ルツボ4の内部に充填される原料を加熱するためのヒータ5とを備える。台座52は、平面形状が円形状の円柱状体であって、上部表面にはすり鉢状の傾斜部12と、この傾斜部12の内周側(上部表面のほぼ中央)に位置する凹部11とを有する。凹部11の平面形状はたとえば円形状であって、当該凹部11の幅は深さ方向においてほぼ一定である。傾斜部12は、凹部11の上端部から台座52の外周側に向かうにつれて台座52の底壁からの距離が大きくなるように(台座52の底壁に対して)傾斜した構成となっている。台座52の材料としては、たとえば石英を用いることができる。また、台座52の材料としては、アンプル3を構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲となる熱膨張係数を有する材料であって、単結晶を形成するための熱処理温度において十分な強度を有する(たとえば融点が当該熱処理温度より高い)材料であれば、任意の材料を用いることができる。たとえば、台座52の材料として、石英、石英とアルミナの混合物、あるいは多孔質シリカなどを用いることができる。
この台座52上に搭載されるアンプル3は、石英製のアンプル(石英アンプル)であって、その形状は概略円筒形状となっている。アンプル3の底面は、上述した台座52の上部表面上に搭載可能な形状となっている。より具体的には、アンプル3は、台座52の凹部11の内部に収納され、平面形状がほぼ円形状である小径部21と、小径部21の上に連なり、台座52の傾斜部12に沿って傾斜した側壁を有する拡径部22と、拡径部22の上に連なり、平面形状が台座52と同様のたとえば円形状であって、幅(直径)の変化率が拡径部22より小さくなっている直胴部23と、を有する。小径部21の幅は、深さ方向の任意の位置においてほぼ一定である。小径部21は台座52の凹部11の内壁に沿った形状となっている。アンプル3の拡径部22における側壁の(直胴部23の側壁に対する)傾斜角度は、台座52の傾斜部12の(台座52の外周側壁に対する)傾斜角度とほぼ同様となっている。
このアンプル3の内部に保持されるルツボ4は、基本的にはアンプル3の内周表面に沿った形状を有している。具体的には、ルツボ4の底部の中央には、アンプル3の小径部21の内部に収納されるルツボ4の小径部31が形成されている。小径部31の平面形状はたとえば円形状である。この小径部31の上端部からアンプル3の拡径部22に沿って、ルツボ4の拡径部32が形成されている。そして、この拡径部32の上端に連なるように、直胴部33が形成されている。このルツボ4の直胴部33は、基本的にはアンプル3の直胴部23の内周面に沿って配置されている。そして、台座52、アンプル3およびルツボ4の外周を囲むようにヒータ5が配置されている。
次に、図12に示した単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法を説明する。図13は、図12に示した単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法を示すフローチャートである。図13に示すように、本発明による単結晶製造方法では、まず単結晶準備工程(S10)を実施する。具体的には、図12に示したルツボ4の小径部31の内部に種結晶となる単結晶の小片を挿入する。
次に、図13に示すように、原料準備工程(S20)を実施する。具体的には、ルツボ4の内部に単結晶の原料となるべき多結晶の原料片を所定の量だけ投入する。上述した単結晶の小片および多結晶の原料片の組成としては、任意の結晶性の材料を用いることができるが、たとえばケイ素を含有する砒化ガリウム(GaAs)を当該組成として用いることができる。また、砒化ガリウムのように解離圧の高い材料の場合には、石英アンプルを真空に封止しても良い。
次に、図13に示すように加熱工程(S30)を実施する。具体的には、図12に示すヒータ5に通電することにより、ルツボ4の内部の多結晶の原料片を加熱して溶融状態とする。なお、このときルツボ4の小径部31内部に配置された単結晶の小片は溶融しないように、ヒータ5による加熱条件を調整する。
次に、図13に示すように結晶成長工程(S40)を実施する。具体的には、図示しない昇降装置などを用いて、ヒータ5に対して、台座52、アンプル3およびルツボ4を図12の下側に移動させることにより、溶融した多結晶原料の温度を、ルツボ4の小径部31内部に配置された単結晶の小片(種結晶)の近傍から徐々に下げていく。この結果、加熱されて溶融していた原料が、種結晶の近傍から徐々に凝固(結晶化)する。このように凝固した部分は単結晶となっている。そして、徐々に台座52、アンプル3およびルツボ4をヒータ5の内周側から下側へと引き抜いていくことにより、溶融していた原料をルツボ4の下側(すなわち種結晶の近傍)から徐々に結晶化していく。このようにして単結晶を成長させることができる。溶融した原料が完全に凝固したら、“冷却工程(S50)を実施する。冷却工程(S50)においては、ヒータ5の温度を降下させるなどして、ルツボ4内部の単結晶を室温まで冷却する。
このとき、台座52の材料としてたとえば透明石英を用いることにより、石英からなるアンプル3と台座52との間の熱膨張係数の差を実質的に無視できるほど小さくできる。このため、上述した単結晶を成長させるために台座52とアンプル3との温度が変化するときに、台座52とアンプル3との熱膨張係数の差に起因してアンプル3に加わる熱応力の値を小さくできる。したがって、台座52とアンプル3との温度変化によりアンプル3が破損するといった問題の発生を防止できる。
また、台座52の材料として透明な石英などの透明部材を用いることにより、台座52の傾斜部12を介して台座52の外周側へとルツボ4から輻射熱が伝わる。このため、図14に示すように、成長した単結晶15と溶融材料16との固液界面17がルツボ4の直胴部33に到達したときに、固液界面17を溶融材料16側に凸となる形状とすることができる。この結果、形成された単結晶15において、直胴部33の下部近辺における結晶不良(リネージ)の発生を抑制することができる。なお、図14は、図12に示した単結晶製造装置の使用状態を説明するための模式図である。
ここで、透明部材とは、波長2000nmの光についての単位長さ(1cm)あたりの透過率が90%以上である材料を意味する。なお、透過率は、当該透明部材に入射した上記光の強度と透明部材を透過した光の強度との比((透過した光の強度)/(入射した光の強度)×100)を意味する。そのため、透明部材としては、たとえばMomentive Performance Materials社製GE124などの石英ガラスを用いることができる。
図15は、図12に示した単結晶製造装置の第1の変形例を示す拡大模式図である。図15を参照して、図12に示した単結晶製造装置1の第1の変形例を説明する。
図15を参照して、本発明による単結晶製造装置の第1の変形例は、基本的には図12に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、台座52の傾斜部12の表面に固着防止層としての凹凸形状部13が形成されている点が図12に示した単結晶製造装置1と異なる。このようにすれば、単結晶を形成するときにアンプル3と台座52とが傾斜部12において固着するといったトラブルの発生を抑制できる。なお、傾斜部12の凹凸形状部13における表面粗さはRa(JIS B0601−1994参照)において、0.5以上、9.5以下とすることができる。また、当該表面粗さは、より好ましくはRaで1.5以上7.0以下、さらに好ましくはRaで2.5以上4.5以下とすることができる。傾斜部の凹凸は、Raが小さ過ぎると接触面積が増加してアンプル3やルツボと台座52の固着が起こりやすくなる。また、Raが大き過ぎるとアンプル3やルツボと接触する凸部の個数が減って個々の凸部への接触圧力が高くなって固着が起こりやすくなる。つまり、表面粗さは、Raで好ましくは0.5〜9.5、より好ましくは1.5〜7.0、さらに好ましくは2.5〜4.5である。
図16は、図12に示した単結晶製造装置の第2の変形例を示す拡大模式図である。図16を参照して、図12に示した単結晶製造装置1の第2の変形例を説明する。
図16を参照して、単結晶製造装置の第2の変形例は、基本的には図12に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、台座52の傾斜部12に固着防止処理層19が形成されている点が図12に示した単結晶製造装置1と異なっている。この固着防止処理層19は、アンプル3を構成する材料である石英との反応性が(石英同士が接触している場合より)相対的に低い材料からなる層であって、たとえばSiC皮膜、アルミナ皮膜などを用いることができる。また、当該固着防止処理層19の膜厚は10μm以上1mm以下、より好ましくは50μm以上500μm以下、さらに好ましくは100μm以上300μm以下であることが望ましい。このような構成を採用することによっても、図15に示した単結晶製造装置と同様の効果を得ることができる。
図17は、図12に示した単結晶製造装置の第3の変形例を示す部分拡大模式図である。図17を参照して、図12に示した単結晶製造装置の第3の変形例を説明する。
図17を参照して、単結晶製造装置は基本的には図12に示した単結晶製造装置1と同様の構成を備えるが、台座52の傾斜部12の表面14とアンプル3との間に離型剤20が配置されている点が図12に示した単結晶製造装置1と異なっている。このような構成とすることによっても、図15に示した単結晶製造装置と同様に、台座52とアンプル3との間の固着を防止することができる。なお、離型剤20としては、たとえばSiC粉末、アルミナ粉末などを用いることができる。また離型剤20の粒子径は0.1μm以上20μm以下、より好ましくは0.3μm以上15μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上10μm以下であることが望ましい。
(実施の形態5)
図18は、本発明による単結晶製造装置の実施の形態5を示す模式図である。図18を参照して、本発明による単結晶製造装置の実施の形態5を説明する。
図18を参照して、単結晶製造装置1は、基本的には図12に示した単結晶製造装置1と同様の構造を備えるが、台座52の構成が図12の単結晶製造装置1とは異なっている。具体的には、図18に示した単結晶製造装置1においては、台座52がベース体25と、このベース体25上に積層配置された石英部材26とから構成されている。石英部材26は、アンプル3の拡径部と直に接触する傾斜部12を含んでいる。そして、ベース体25については、石英以外の異なる材料を用いることができる。一方、石英部材26は、透明な石英によって構成されている。図18に示したベース体25および石英部材26からなる台座52の形状は、基本的に図12に示した単結晶製造装置1における台座52と同様である。
このような構成とすることによっても、図12に示した単結晶製造装置1と同様の効果を得ることができる。さらに、台座52がベース体25と石英部材26とにより構成されているので、台座52の熱伝導特性や強度などの特性を調整するためにたとえばベース体25の材質を任意に変更することができる。
また、上述した本発明による単結晶製造装置1は、半導体単結晶の製造に好適に用いられ、特に砒化ガリウム単結晶およびリン化インジウム単結晶の製造に適している。
上述した実施の形態の記載と一部重複する部分もあるが、本願発明の特徴的な構成を以下に列挙する。
この発明に従った単結晶製造装置1は、原料保持容器(図1のアンプル3およびルツボ4または図7のルツボ4)中に保持された原料(多結晶の原料片)を加熱溶解した後、一方向から凝固させることにより単結晶を製造する単結晶製造装置1であって、原料保持容器(図1のアンプル3およびルツボ4または図7のルツボ4)と、台座2と、ヒータ5とを備える。台座2は図1のアンプル3または図7のルツボ4を支持する。ヒータ5は図1のアンプル3およびルツボ4または図7のルツボ4を加熱するためのものである。台座2を構成する材料の熱伝導率は、0.5W/(m・K)以上、形成されるべき単結晶の熱伝導率の値以下である。台座2を構成する材料は、厚みが4mmの当該材料に対する波長が1600nm以上2400nm以下の光の透過率が10%以下となっている。また、台座2を構成する材料について、上記透過率を5%以下とすることがより好ましい。また、台座2を構成する材料の熱伝導率は、形成されるべき単結晶の熱伝導率の1/2以下、より好ましくは形成されるべき単結晶の熱伝導率の1/4以下である。
このようにすれば、台座2を構成する材料を、波長が1600nm以上2400nm以下の光に対して不透明な材料とするという比較的簡単な構成を採用することで、ルツボ4内において多結晶の原料片を溶融状態とし、一方向から(具体的には台座2側から)凝固させるときに、溶融した原料から台座2へ伝わる熱の流れを台座2の下面に向かう方向(下方向)へガイドすることができる。この結果、図3の溶融材料16(液相)と、原料が凝固して単結晶となった部分である図3の単結晶15(固相)との境界部である固液界面17を、平坦または溶融材料16側へ凸形状とすることが可能になる。このため、固液界面17がルツボ4の拡径部32に位置するときに、上述のように当該固液界面17を平坦または溶融材料16側へ凸形状とすることができる。この結果、得られる単結晶15において結晶欠陥の発生を抑制できる。
上記単結晶製造装置1では、台座2において、図4〜図6のアンプル3または図8〜図10のルツボ4と接触する部分の表面には固着防止層(凹凸形状部13、固着防止処理層19、離型剤20)が形成されていてもよい。ここで、単結晶を製造するためにルツボ4に収容された原料をヒータ5により加熱した場合、図4〜図6に示すルツボ4を保持するアンプル3または図8〜図10に示すルツボ4も加熱された状態になる。そして、加熱されたアンプル3またはルツボ4が台座2により支持されている(台座2と接触している)領域(図4〜図6のアンプル3の拡径部22と台座2の傾斜部12とが接触した部分、あるいは図8〜図10のルツボ4における拡径部32と台座2の傾斜部12とが接触した部分)では、アンプル3およびルツボ4(図4〜図6参照)もしくはルツボ4(図8〜図10参照)の自重によってアンプル3またはルツボ4が台座に押圧された状態になっている。この結果、アンプル3またはルツボ4が台座2に固着する場合がある。このようにアンプル3またはルツボ4が台座2に固着すると、単結晶を形成するために熱処理が行なわれた場合(つまり図2における加熱工程(S30)および結晶成長工程(S40)さらには室温まで冷却するための処理(冷却工程(S50))が行なわれた場合)に、アンプル3またはルツボ4と台座2との熱膨張量の差により上記固着した部分に応力が発生することになる。このような応力はアンプル3、ルツボ4または台座2の破損の原因となる。
そこで、上述のように固着防止層(凹凸形状部13、固着防止処理層19、離型剤20)を形成することで、アンプル3またはルツボ4の台座2への固着を防止すれば、アンプル3およびルツボ4と台座2とがそれぞれ個別に膨張・収縮できるので、上記固着に起因する応力の発生を抑制できる。この結果、アンプル3、ルツボ4または台座2の破損の可能性をより低減できる。
上記単結晶製造装置1において、原料保持容器は、図1、図3〜図6に示すように、原料を保持する原料容器としてのルツボ4と、当該ルツボ4を内部に保持する石英アンプルとしてのアンプル3とを含んでいてもよい。台座2において少なくともアンプル3と接触する部位を構成する材料の熱膨張係数が、アンプル3を構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲に含まれる値となっていてもよい。
このようにすれば、単結晶を製造するためにヒータ5によりルツボ4が加熱されるとき、および加熱により液相となった原料を凝固させることで単結晶を得るために当該ルツボ4の温度を低下させるときに、アンプル3と台座2との間の熱膨張量の差を十分小さくすることができる。この結果、当該熱膨張量の差に起因してアンプル3または台座2が破損するといった問題の発生を抑制できる。
上記単結晶製造装置1では、原料保持容器が、台座2に支持される石英アンプルとしてのアンプル3を含んでいてもよく、台座2において少なくともアンプル3と接触する部位を構成する材料が石英であってもよい。また、好ましくは台座2を構成する材料が石英であってもよい。この場合、台座2がアンプル3と同じ材料により構成されることになる。このため、アンプル3と台座2との熱膨張係数は同じになるため、上記のような熱膨張量の差に起因する破損といった問題の発生をより確実に抑制できる。
上記単結晶製造装置1において、図4または図8に示すように固着防止層は凹凸形状部13であってもよい。この凹凸形状部13は、たとえば台座2における上記表面(傾斜部12)を粗面化することにより形成されてもよい。この場合、台座2の上記表面においてアンプル3またはルツボ4に直接接触する面積を少なくすることができる。この結果、アンプル3またはルツボ4が台座2に固着する可能性を低減できる。
また、上記固着防止層は、図5または図9に示すように石英アンプルを構成する石英との反応性またはルツボ4を構成する材料との反応性が、台座2の本体部を構成する材料より低い材料からなる固着防止処理層19であってもよい。固着防止処理層19は、単一の層であってもよいし、複数の層が積層した積層構造を有していてもよい。また、固着防止処理層19として、台座2の表面に対して改質処理(たとえば台座表面に対する結晶化処理)を行なうことにより得られた改質層を用いてもよい。この場合も、アンプル3またはルツボ4が台座2に固着する可能性を低減できる。
この発明に従った単結晶の製造方法は、上記単結晶製造装置1を用いた単結晶の製造方法であって、以下の工程を実施する。すなわち、原料保持容器(図1、図3〜図10のルツボ4)に種結晶および単結晶の原料物質(多結晶の原料片)を挿入する工程(図2の種結晶準備工程(S10)および原料準備工程(S20))を実施する。そして、ヒータ5により原料保持容器(図1、図3〜図6のアンプル3およびルツボ4、または図7〜図10のルツボ4)を加熱することにより原料物質を溶融する工程(加熱工程(S30))を実施する。さらに、溶融した原料物質(多結晶の原料片)を種結晶側から徐々に凝固させることにより単結晶を製造する工程(結晶成長工程(S40))を実施する。
このようにすれば、多結晶の原料片を一度溶解し(加熱工程(S30))、その後凝固させるための処理(結晶成長工程(S40))を行なう場合に、溶融した原料から台座2へ伝わる熱の流れを台座2の下面に向かう方向(下方向)へガイドすることができる。この結果、図3に示すように溶融材料16(液相)と、原料が凝固して単結晶となった部分である単結晶15(固相)との境界部(固液界面17)を、平坦または溶融材料16側へ凸形状とすることが可能になる。このため、固液界面17がルツボ4の拡径部32に位置するときに、上述のように当該固液界面17を平坦または溶融材料16側へ凸形状とすることができる。この結果、得られる単結晶15において結晶欠陥の発生を抑制できる。
上記単結晶の製造方法において、製造される単結晶はケイ素(Si)を含有する砒化ガリウム(GaAs)からなっていてもよい。単結晶は、種結晶側から徐々に幅が広くなる単結晶拡径部と、単結晶拡径部に連なり幅の変化率が前記単結晶拡径部より小さくなっている(たとえば幅が実質的に一定となっている)直胴部とを含んでいてもよい。単結晶拡径部と直胴部の境界(図3に示した単結晶15において径が拡大している拡径部と、当該拡径部の上に連なり径が実質的に一定になっている直胴部との境界)における単結晶の成長軸方向に垂直な面内での、ケイ素の平均濃度は1×1017cm-3以上7×1017cm-3以下であってもよい。また、当該境界における転位密度の平均値は0cm-2以上2000cm-2以下であってもよい。このように、特に上述したSi含有GaAsについて単結晶を形成する場合に、本発明による製造方法を適用すれば特に欠陥の発生を抑制する効果が顕著である。
また、異なる観点から言えば、この発明に従った単結晶40は、ケイ素を含有する砒化ガリウムからなる単結晶40であって、種結晶側から徐々に幅が広くなる単結晶拡径部(図11の肩部41より下の部分)と、単結晶拡径部に連なり幅の変化率が単結晶拡径部より小さくなっている直胴部(図11において直径が略一定となっている胴部)とを含む。単結晶拡径部と直胴部の境界(肩部41)において、単結晶40の成長軸方向に垂直な面内での、ケイ素の平均濃度は1×1017cm-3以上7×1017cm-3以下であり、転位密度の平均値が0cm-2以上2000cm-2以下である。
このように、肩部41において転位密度を上記のような範囲に制御することで、胴部におけるリネージの発生を効果的に抑制できる。また、上記のようなケイ素の平均濃度である場合、当該単結晶から切り出したウエハの研磨工程において、転位に起因するピット(微小な窪み)が発生する場合があるが、上記のように肩部41での転位密度が制御された単結晶から切り出されたウエハにおいてはこのようなピットの発生が抑制される。
また、上記単結晶40では、直胴部の長さと直径との比(直胴部の長さ/直径)が1.5以上であることが好ましい。このように、直胴部の長さと直径との比が大きな単結晶において、本発明の効果が特に顕著である。
また、得られる単結晶40の直径が大きいほど、拡径部での固液界面の凹化抑制が困難になるため、肩部41で転位密度が増加しやすくなる。また、胴部(直胴部)においても固液界面が凹化しやすく、さらに、結晶内部に大きな温度差が生じやすいため、リネージの形成がより顕著となる。本発明の単結晶およびその製造方法は、肩部の直径が77mm以上のときに顕著な効果が得られ、直径102mm以上のときにより顕著な効果が得られ、直径152mm以上のときにさらに顕著な効果が得られる。
この発明に従った単結晶製造装置1は、原料容器(ルツボ4)中に保持された原料(多結晶の原料片)を加熱溶解した後、一方向から凝固させることにより単結晶を製造する単結晶製造装置1であって、原料容器としてのルツボ4と、ルツボ4を内部に保持する石英アンプル(アンプル3)と、アンプル3を支持する台座52と、ルツボ4を加熱するためのヒータ5とを備える。台座52において少なくともアンプル3と接触する部位を構成する材料の熱膨張係数は、アンプル3を構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲に含まれる値となっている。
このようにすれば、単結晶を製造するためにヒータ5によりルツボ4が加熱されるとき、および加熱により液相となった原料を凝固させることで単結晶を得るために当該ルツボ4の温度を低下させるときに、アンプル3と台座52との間の熱膨張量の差を十分小さくすることができる。この結果、当該熱膨張量の差に起因してアンプル3または台座52が破損するといった問題の発生を抑制できる。
上記単結晶製造装置1では、図15〜図17に示すように、台座52において、アンプル3と接触する部分の表面には固着防止層(凹凸形状部13、固着防止処理層19、離型剤20)が形成されていてもよい。ここで、単結晶を製造するためにルツボ4をヒータ5により加熱した場合、アンプル3も加熱された状態になる。そして、加熱されたアンプル3が台座52により支持されている(台座52と接触している)領域(アンプル3の拡径部22と台座52の傾斜部12とが接触した部分)では、アンプル3の自重によってアンプル3が台座に押圧された状態になっている。この結果、アンプル3が台座52に固着する場合がある。このようにアンプル3が台座52に固着すると、単結晶を形成するために熱処理が行なわれた場合(つまり図13における加熱工程(S30)、結晶成長工程(S40)および冷却工程(S50)が行なわれた場合)に、アンプル3と台座52との熱膨張量の差により上記固着した部分に応力が発生することになる。このような応力はアンプル3または台座52の破損の原因となる。
そこで、上述のように固着防止層(凹凸形状部13、固着防止処理層19、離型剤20)を形成することで、アンプル3の台座52への固着を防止すれば、アンプル3と台座52とがそれぞれ個別に膨張・収縮できるので、上記固着に起因する応力の発生を抑制できる。この結果、アンプル3または台座52の破損の可能性をより低減できる。
上記単結晶製造装置1では、台座52を構成する材料が石英であってもよい。また、上記単結晶製造装置1では、台座において少なくとも石英アンプルと接触する部位を構成する材料が石英であってもよい。この場合、台座52がアンプル3と同じ材料により構成されることになる。このため、アンプル3と台座52との熱膨張係数は同じになるため、上記のような熱膨張量の差に起因する破損といった問題の発生をより確実に抑制できる。
上記単結晶製造装置1において、図15に示すように固着防止層は凹凸形状部13であってもよい。この凹凸形状部13は、たとえば台座52における上記表面(傾斜部12)を粗面化することにより形成されてもよい。この場合、台座52の上記表面においてアンプル3に直接接触する面積を少なくすることができる。この結果、アンプル3が台座52に固着する可能性を低減できる。
また、上記固着防止層は、図16に示すように石英アンプルを構成する石英との反応性が低い材料からなる固着防止処理層19であってもよい。固着防止処理層19は、単一の層であってもよいし、複数の層が積層した積層構造を有していてもよい。また、固着防止処理層19として、台座52の表面に対して改質処理(たとえば台座表面に対する結晶化処理)を行なうことにより得られた改質層を用いてもよい。この場合も、アンプル3が台座52に固着する可能性を低減できる。
上記単結晶製造装置1において、台座52は透明部材からなっていてもよい。この場合、台座52が不透明部材である場合より、加熱されたルツボ4およびアンプル3から、透明な台座52を介して下方向(ルツボ4から台座52に向かう方向)へ輻射による放熱が促進される。このため、直胴部33の下部近辺において、図14に示すように、溶融材料16(液相)と、凝固した単結晶15(固相)との界面である固液界面17を、液相側に凸形状とすることができる。このように固液界面17を液相側に凸とすることで、固液界面17が固相側に凸となっている場合に起きる単結晶15での欠陥の発生を抑制できる。
この発明に従った単結晶の製造方法は、上記単結晶製造装置1を用いた単結晶の製造方法であって、以下の工程を備える。すなわち、まず原料容器(ルツボ4)に種結晶(単結晶15)および単結晶の原料物質(多結晶の原料片)を挿入する工程(図13の種結晶準備工程(S10)および原料準備工程(S20))を実施する。そして、ヒータ5により原料容器(ルツボ4)を加熱することにより多結晶の原料片を溶融する工程(加熱工程(S30))を実施する。さらに、溶融した原料物質(多結晶の原料片)を種結晶側から徐々に凝固させることにより単結晶を製造する工程(結晶成長工程(S40))を実施する。
このようにすれば、多結晶の原料片を一度溶解し(加熱工程(S30))、その後凝固させるための処理(結晶成長工程(S40)さらには室温まで冷却するための処理(冷却工程(S50))を行なう場合に、石英からなるアンプル3と台座52との熱膨張係数に大きな差がないことから、アンプル3や台座52の破損といった問題の発生を抑制できる。この結果、アンプル3や台座52の破損に起因する単結晶の品質低下を抑制できるので、高品質な単結晶を安定して得ることができる。
上記単結晶の製造方法において、単結晶はケイ素(Si)を添加物として含有しない砒化ガリウムまたはケイ素(Si)を含有する砒化ガリウム(GaAs)からなっていてもよい。単結晶は、種結晶側から徐々に幅が広くなる単結晶拡径部と、当該単結晶拡径部に連なり幅の変化率が前記単結晶拡径部より小さくなっている直胴部とを含んでいてもよい。単結晶拡径部と直胴部の境界(図14に示した単結晶15において径が拡大している拡径部と、当該拡径部の上に連なり径が一定になっている直胴部との境界)におけるケイ素(Si)の濃度は7×1017cm-3以下、より好ましくは5.5×1017cm-3以下、さらに好ましくは4.0×1017cm-3以下であってもよい。このように、特に上述したSi含有GaAsについて単結晶を形成する場合に、本発明による製造方法を適用すれば特に欠陥の発生を抑制する効果が顕著である。なお、ここでケイ素を添加物として含有しない砒化ガリウムとは、ケイ素を故意に添加していないことを意味しており、不可避不純物としてケイ素が含有されている場合であっても、積極的に添加物としてケイ素を添加していないものは含まれる。
(実施例1)
本発明の効果を確認するために、以下のようにGaAsの単結晶を様々な条件で製造する実験を行なった。
(実験条件)
(a)3インチ径の砒化ガリウム結晶成長
本発明の装置を用いて、ケイ素を含む3インチ径の砒化ガリウム結晶の成長を行った。先端に種結晶収容部を有する、熱分解窒化ホウ素(pBN)製ルツボを使用した。このルツボに、種結晶、予備合成を行った砒化ガリウム(GaAs)原料、封止剤として酸化ホウ素(B)、ドーパントとしてケイ素(Si)を収容し、石英製のアンプルに真空封入を行った。そしてこの石英製アンプルを、不透明石英製の台座に載せた。台座に用いた不透明石英と同じ材質の厚さ2mmの試験片を作成し、レーザフラッシュ法により室温での熱伝導率測定を行った結果、1.4W/(m・K)の値を得た(なお、ここで説明する実験条件での結果については、後述する表1の実験4を参照)。また、厚さ4mmの試験片を作成して分光光度計を用いて光透過率の測定を行った結果、波長1600〜2400nmの波長領域で光透過率は10%以下であり、砒化ガリウム結晶(融点1238℃)の成長温度で支配的となる波長領域の光をほとんど透過しないことを確認した。また、石英アンプルが固着するのを防止するため、台座傾斜部は研削加工によってRa=3.5に調整し、さらに大気中で1200℃、72時間の熱処理を行って、表面を結晶化する処理を行った。
そして台座、石英アンプル、ルツボの外周を囲むように配置したヒータに通電して加熱し、砒化ガリウム原料と酸化ホウ素を溶融状態にしたのち、台座に設けた昇降装置を用いて、台座、石英アンプル、ルツボを下降させてヒータの低温側に引き抜き、種結晶から尾部に向かって溶融原料を一方向に凝固させ、ケイ素を含有する砒化ガリウム単結晶を成長させた。結晶成長終了後、室温まで冷却して石英アンプルを台座から取り外し、切断開放して結晶を取り出した。結晶の直径は、肩部で77mmであった。
得られた単結晶について、肩部でのケイ素濃度を測定した。ケイ素濃度は、結晶肩部で長さ方向に垂直に切り出したウェハの中央およびウェハの端部付近とその中間から10mm角のチップを計3個作製してSIMS分析を行い、3点の平均値を求めた。
また、単結晶について、肩部での転位密度を測定した。転位密度は、単結晶の肩部から得られたウエハをKOH(水酸化カリウム)でエッチングしたのち、ノマルスキー顕微鏡を用いて5mmピッチで半径方向にエッチピットの個数を測定して転位密度の平均値を求めた。
また、単結晶について、肩部での散乱体の個数を測定した。具体的には、肩部からウエハを採取して研磨を行い、表面異物検査装置(KLA−Tencor社製Surfscan6220)を用いてウエハ全面の散乱体の個数を測定した。
また、上述した3インチ径の単結晶と同様の工程により、肩部の直径が85mmの砒化ガリウム単結晶も形成し、同様の測定を行なった。
(b)4インチ径の砒化ガリウム結晶成長
上述した3インチ径の砒化ガリウム結晶成長と基本的に同様の方法により、4インチ径の砒化ガリウム単結晶を形成し、また同様の項目について同様の方法を用いて測定を行なった。ただし、台座傾斜部は研削加工後にサンドブラスト処理を行ってRa=7.0に調整した。また、台座傾斜部については、表面の結晶化処理の後、最後に、粒径10μmのアルミナ粉末を塗布した。そして、結晶成長終了後、室温まで冷却して石英アンプルを台座から取り外し、切断開放して結晶を取り出した。結晶の直径は、肩部で102mmであった。
また、上述した4インチ径の単結晶と同様の工程により、肩部の直径が110mmの砒化ガリウム単結晶も形成し、同様の測定を行なった。
(c)6インチ径の砒化ガリウム結晶成長
上述した3インチ径の砒化ガリウム結晶成長と基本的に同様の方法により、6インチ径の砒化ガリウム単結晶を形成し、また同様の項目について同様の方法を用いて測定を行なった。ただし、台座傾斜部は研削加工後にサンドブラスト処理を行ってRa=9.5に調整した。また、台座傾斜部については、表面の結晶化処理の後、最後に、粒径20μmのSiC粉末を塗布した。そして、結晶成長終了後、室温まで冷却して石英アンプルを台座から取り外し、切断開放して結晶を取り出した。結晶の直径は、肩部で152mmであった。
また、上述した6インチ径の単結晶と同様の工程により、肩部の直径が160mmの砒化ガリウム単結晶も形成し、同様の測定を行なった。
(結果)
(a)3インチ径の砒化ガリウム結晶
実験の結果を表1、表2に示す。
Figure 0005858097
Figure 0005858097
表1および表2には、台座の“熱伝導率”と“光の透過率”、“肩部のケイ素濃度”と“転位密度”、胴部の“リネージの有無”、“結晶胴部の長さと直径の比”の関係が示されている。なお、表1、表2における結晶胴部の長さとは、図11に示した単結晶40の肩部41から尾部43までの長さである。表1および表2からわかるように、本発明に従った実験2〜実験8、実験12、実験13により得られた単結晶ではリネージの発生は無く、また肩部での散乱体個数も極めて少なくなっていた。また、肩部の直径が85mmの単結晶についても、同様に本発明の効果を確認することができた。
(b)4インチ径の砒化ガリウム結晶
実験の結果を表2、表3に示す。
Figure 0005858097
表2および表3からわかるように、本発明に従った実験16〜実験19により得られた単結晶ではリネージの発生は無く、また肩部での散乱体個数も極めて少なくなっていた。また、肩部の直径が110mmの単結晶についても、同様に本発明の効果を確認することができた。なお、表中において転位密度がゼロと表示された実験については、転位密度の平均値が0.5cm−2未満であった場合を意味している。
(c)6インチ径の砒化ガリウム結晶
実験の結果を表3に示す。
表3からわかるように、本発明に従った実験23〜実験26により得られた単結晶ではリネージの発生は無く、また肩部での散乱体個数も極めて少なくなっていた。また、肩部の直径が160mmの単結晶についても、同様に本発明の効果を確認することができた。
(実施例2)
本発明の効果を確認するため、異なる熱膨張係数を有する台座を準備し、当該台座を用いて単結晶の製造を行ない、その耐久性を確認した。試験に用いた台座の材質や耐久性の調査結果を表4に示す。
Figure 0005858097
表4には、台座の熱膨張係数と、石英アンプルまたは台座の破損発生本数とが示されている。台座には、透明石英、さらに石英よりも熱膨張係数の大きい材料として、石英とアルミナの混合物を使用した。石英とアルミナの混合物の熱膨張係数の調整は、アルミナの含有比率を調整することによって行った。また、石英よりも熱膨張係数の小さい材料として多孔質シリカを使用した。多孔質シリカの熱膨張係数の調整は、気孔率を調整することによって行った。表4から分かるように、石英の熱膨張係数の±50%以内に熱膨張係数が入っている台座2〜4については、台座の破損は無かった。
なお、台座傾斜部に凹凸を形成してRaで0.5以上9.5以下にしたもの、固着防止処理層を形成したもの、離型剤を配置したもの、などでは、100本以上の単結晶製造においても、石英アンプルや台座が破損するという問題は全く発生せず、単結晶品質の再現性は極めて良好であった。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、特に縦型ボート法を用いて単結晶を製造する場合に特に有効に適用される。
1 単結晶製造装置、2,52 台座、3 アンプル、4 ルツボ、5 ヒータ、7 矢印、11 凹部、12 傾斜部、13 凹凸形状部、14 表面、15 単結晶、16 溶融材料、17 固液界面、19 固着防止処理層、20 離型剤、21,31 小径部、22,32 拡径部、23,33 直胴部、25 ベース体、26 石英部材、40 単結晶、41 肩部、42 胴部中央、43 尾部。

Claims (8)

  1. 原料容器中に保持された原料を加熱溶解した後、一方向から凝固させることにより単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
    原料容器と、
    底面を有し、小径部と、前記小径部の上に連なり傾斜した側壁を有する拡径部とを含み、前記原料容器を内部に保持する石英アンプルと、
    前記石英アンプルの底面に直接接触する上部表面を有し、前記石英アンプルの前記小径部および前記拡径部を支持する台座と、
    前記原料容器を加熱するためのヒータと、を備え、
    前記台座において少なくとも前記石英アンプルと直接接触する前記上部表面を構成する材料の熱膨張係数が、前記石英アンプルを構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲に含まれる値となっている、単結晶製造装置。
  2. 前記台座において、前記石英アンプルと接触する部分の表面には固着防止層が形成されている、請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 前記台座は透明部材からなる、請求項1または請求項2に記載の単結晶製造装置。
  4. 前記台座において少なくとも前記石英アンプルと接触する部位を構成する材料が石英である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の単結晶製造装置。
  5. 前記台座は、上部表面にすり鉢状の傾斜部および前記傾斜部の内周側に位置する凹部を有し、前記傾斜部および前記凹部において前記石英アンプルと直接接触し、
    前記台座において少なくとも前記傾斜部および前記凹部を構成する材料の熱膨張係数が、前記石英アンプルを構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲に含まれる値となっている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の単結晶製造装置。
  6. 原料容器と、底面を有し、小径部と、前記小径部の上に連なり傾斜した側壁を有する拡径部とを含み、前記原料容器を内部に保持する石英アンプルと、前記石英アンプルの底面に直接接触する上部表面を有し、前記石英アンプルの前記小径部および前記拡径部を支持する台座と、前記原料容器を加熱するためのヒータとを備え、前記台座において少なくとも前記石英アンプルと直接接触する前記上部表面を構成する材料の熱膨張係数が、前記石英アンプルを構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲に含まれる値となっている単結晶製造装置を準備する工程と、
    前記原料容器に種結晶および単結晶の原料物質を挿入する工程と、
    前記ヒータにより前記原料容器を加熱することにより前記原料物質を溶融する工程と、
    溶融した前記原料物質を前記種結晶側から徐々に凝固させることにより単結晶を製造する工程とを備える、単結晶の製造方法。
  7. 原料容器と、底面を有し、小径部と、前記小径部の上に連なり傾斜した側壁を有する拡径部とを含み、前記原料容器を内部に保持する石英アンプルと、前記石英アンプルの底面に直接接触する上部表面を有し、前記石英アンプルの前記小径部および前記拡径部を支持する台座と、前記原料容器を加熱するためのヒータとを備え、前記台座において少なくとも前記石英アンプルと直接接触する前記上部表面を構成する材料の熱膨張係数が、前記石英アンプルを構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲に含まれる値となっている単結晶製造装置を準備する工程と、
    前記原料容器に種結晶および単結晶の原料物質を挿入する工程と、
    原料容器中に保持された原料を加熱溶解した後、一方向から凝固させることにより単結晶を製造する工程とを備え、
    前記単結晶はケイ素を添加物として含有しない砒化ガリウムまたはケイ素を含有する砒化ガリウムからなり、
    前記単結晶は、前記種結晶側から徐々に幅が広くなる単結晶拡径部と、前記単結晶拡径部に連なり幅の変化率が前記単結晶拡径部より小さくなっている直胴部とを含み、
    前記単結晶拡径部と前記直胴部の境界における前記ケイ素の濃度は7×1017cm-3以下である、単結晶の製造方法。
  8. 前記台座は、上部表面にすり鉢状の傾斜部および前記傾斜部の内周側に位置する凹部を有し、前記傾斜部および前記凹部において前記石英アンプルと直接接触し、
    前記台座において少なくとも前記傾斜部および前記凹部を構成する材料の熱膨張係数が、前記石英アンプルを構成する石英の熱膨張係数の±50%以内の範囲に含まれる値となっている、請求項6または請求項7に記載の単結晶の製造方法。
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