JP2010076954A - SiC単結晶製造方法、SiC単結晶製造用反応容器、SiC単結晶製造装置 - Google Patents

SiC単結晶製造方法、SiC単結晶製造用反応容器、SiC単結晶製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】欠陥の少ないSiC単結晶が得られるSiC単結晶製造方法、SiC単結晶製造用反応容器、およびSiC単結晶製造装置を提供する。
【解決手段】開口部が形成され、内部に固体原料Rmが装入される坩堝本体12と、坩堝本体12の開口部を密閉するとともに、内側の面にSiC種結晶Scが装着される蓋部11と、前記SiC種結晶Scに向かって水素または水素含有ガスを噴きつける水素供給孔32とを備えるSiC単結晶製造用反応容器、および前記SiC単結晶製造用反応容器(円柱状の坩堝10)と加熱手段20,21とを備えるSiC単結晶製造装置において、坩堝10内においてSiC種結晶Sc上に水素または水素含有ガスを噴き付けて前記SiC種結晶Scを水素エッチングし、次いで、固体原料Rmを加熱、昇華させ、前記水素エッチングされたSiC種結晶上にSiC単結晶をバルク成長させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、SiC単結晶製造方法、SiC単結晶製造用反応容器、SiC単結晶製造装置に係り、特に、欠陥の少ないSiC単結晶が得られるSiC単結晶製造方法、前記SiC単結晶製造方法を好適に実施できるSiC単結晶製造用反応容器、および前記SiC単結晶製造用反応容器を備えるSiC単結晶製造装置に関する。
SiCは、Siに比較して熱伝導性が高く、耐熱性に優れ、バンドギャップおよび飽和ドリフト速度が大きいことから、パワー素子にSiCを用いれば高速動作が可能でオン損失の少ないパワー素子が得られることが期待されている。
通常は、SiCのウェハー上にn層およびp層を所定の順序でエピタキシャル成長させ、イオン注入によって伝導度制御を行ってから、酸化膜形成、および電極コンタクト形成を行うことにより、SiCからパワー素子が製造される。
したがって、ウェハーを切り出すのに充分な大きさの高品質な単結晶を形成する方法が求められてきた。
SiC単結晶の単結晶を製造する方法は、従来、いくつか提案されているが、これらの方法は、何れも、充分な直径のSiC単結晶を得るのが極めて困難であること、および得られるSiC単結晶中に多結晶や異なる結晶形のSiCが混入したり、中空パイプ状の結晶欠陥であるマイクロパイプが多数生じたりすることが問題であった。
そこで、このような問題を解決したSiC単結晶の製造装置として、たとえば、SiCの粗結晶のような固体原料を収容する上面が開口した黒鉛製の反応容器本体と前記反応容器本体の開口部を覆蓋するとともに種結晶が配置される同じく黒鉛製の蓋部と、前記反応容器本体と蓋部とから構成される反応容器を加熱する誘導加熱コイルとを備える製造装置が提案された(特許文献1)。
前記製造装置においては、反応容器本体に収容された固体原料が昇華し、蓋部に配置された単結晶の周りにSiCが再結晶して中央部に単結晶が、周囲に多結晶が成長する。
しかしながら、得られるSiC単結晶の品質が使用するSiC種結晶の表面状態に大きく左右されることは広く知られている。SiC種結晶の表面に存在する汚れや不純物が、得られるSiC単結晶の品質の劣化の原因になることは勿論であるが、SiC種結晶の表面に存在する加工変質層や各種加工傷もSiC単結晶の品質の劣化の原因になる。たとえば、SiC単結晶内に存在する三角欠陥は研磨傷に由来すると考えられている。
そこで、SiC単結晶の品質を向上させる上で、SiC種結晶における加工変質層や加工傷の除去が近年注目を集めている。
SiC種結晶から加工変質層や加工傷を除去する方法としては種々のものが提案されているが、代表的なものとしてはCMP(化学機械研磨)や水素エッチングなどがある。
しかしながら、特許文献1に記載の反応容器を用いた製造方法のように、準閉鎖系でSiC粗原料を昇華させてSiC種結晶の上にSiC単結晶を析出させるSiC単結晶の製造方法においてSiC種結晶の前処理にCMPを適用する場合、反応容器の蓋部に装着された状態のSiC種結晶にCMPを施すことは殆ど不可能であること、したがってSiC種結晶を、CMPを施した後、前記蓋部に装着する必要があり、蓋部に装着する際にSiC種結晶に不純物や汚れが付着する可能性がある。
SiC種結晶に水素エッチングを行う方法としては、たとえば、種結晶を用いた昇華再結晶法によりSiC単結晶を成長させる際に、雰囲気ガスとして不活性ガス中に1ppm〜90%の水素ガスを含有させる方法が提案された(特許文献2)。
特開2004−352590号公報 特開平8−208380号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法も準閉鎖系でしかもSiCの昇華再結晶と同時に水素エッチングを実施するから、水素ガスの濃度や水素エッチング温度などの条件の制御が極めて困難である。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、欠陥の少ないSiC単結晶が得られるSiC単結晶製造方法、前記SiC単結晶製造方法を好適に実施できるSiC単結晶製造用反応容器、および前記SiC単結晶製造用反応容器を備えるSiC単結晶製造装置の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、反応容器内に挿入された固体原料を加熱昇華させ、前記反応容器の内壁上に装着されたSiC種結晶上にSiC単結晶を析出させるSiC単結晶製造方法であって、反応容器内においてSiC種結晶上に水素または水素含有ガスを噴き付けて前記SiC種結晶を水素エッチングし、次いで、固体原料を加熱、昇華させ、前記水素エッチングされたSiC種結晶上にSiC単結晶をバルク成長させることを特徴とするSiC単結晶製造方法に関する。
前記SiC単結晶製造方法においては、SiC種結晶を先ず水素エッチングし、次いで昇華再結晶によってSiC種結晶の周囲にSiC単結晶を析出させている。したがって、水素エッチングとSiCの昇華再結晶とを分離して行っているから、両者の条件を夫々独立に制御でき、水素エッチングおよび昇華再結晶の何れも最適な条件で行える。しかも、水素エッチングに引き続いて昇華再結晶を実施でき、更に、何れの操作も準密閉系で実施できる。
故に、SiC種結晶表面の加工変質層や加工傷を水素エッチングで充分に除去してから昇華再結晶を行うことにより、前記加工変質層や加工傷に由来するSiC単結晶内の欠陥の発生を効果的に防止できる。
請求項2に記載の発明は、SiC単結晶をバルク成長させるバルク成長温度よりも低い温度で前記SiC種結晶を水素エッチングし、次いで、前記反応容器内部を、不活性ガスで置換し、SiC単結晶をバルク成長させるバルク成長圧力よりも高い圧力に加圧しつつ、前記バルク成長温度まで昇温し、バルク成長温度に達したら雰囲気圧力をバルク成長圧力まで低下させてSiC単結晶のバルク成長を行う請求項1に記載のSiC単結晶製造方法に関する。
前記SiC単結晶製造方法においては、水素エッチング終了後、反応容器内部を不活性ガスに置換してから昇温、昇圧しているから、昇温、昇圧時にはSiC種結晶が水素エッチングされることはない。そして、反応容器内部を昇温、昇圧後、バルク成長圧力まで減圧してバルク成長、即ち昇華再結晶を開始させている。
したがって、前記SiC単結晶製造方法によれば、水素エッチングとバルク成長とを完全に分離させて行うことができるから、水素エッチングとバルク成長との条件をより最適化できる。
請求項3に記載の発明は、開口部が形成され、内部に固体原料が装入される反応容器本体と、前記反応容器本体の開口部を密閉するとともに、内側の面にSiC種結晶が装着される蓋部と、前記種結晶に向かって水素または水素含有ガスを噴きつける水素供給流路とを備えてなることを特徴とするSiC単結晶製造用反応容器に関する。
前記SiC単結晶製造用反応容器によれば、水素エッチングの際に、前記水素供給流路からSiC種結晶に水素または水素含有ガスを吹き付けることにより、前記SiC種結晶の表面を集中的に水素エッチングしてSiC種結晶表面の加工変質層や加工傷を効果的に除去できる。
請求項4に記載の発明は、前記水素供給流路における開口部近傍には、開口部に向かって拡大する拡大部が形成されてなる請求項3に記載のSiC単結晶製造用反応容器に関する。
前記SiC単結晶製造用反応容器においては、前記水素供給流路における開口部近傍に拡大部が設けられている故に、水素エッチングにおいてSiC種結晶の表面に広く水素または水素含有ガスを当てることができる。
請求項5に記載の発明は、前記水素供給流路における開口部の直径は、蓋部に装着されるSiC種結晶の直径の1/2以上である請求項4に記載のSiC単結晶製造用反応容器に関する。
前記SiC単結晶製造用反応容器においては、水素エッチングにおいてSiC種結晶のほぼ全面に水素または水素含有ガスを当てることができる。
請求項6に記載の発明は、前記拡大部が円錐状である請求項4または5に記載のSiC単結晶製造用反応容器に関する。
前記SiC単結晶製造用反応容器においては、水素エッチングにおいてSiC種結晶の表面に特に効果的に水素または水素含有ガスを当てることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6の何れか1項に記載のSiC単結晶製造用反応容器と、前記SiC単結晶製造用反応容器を加熱する加熱手段とを備えてなることを特徴とするSiC単結晶製造装置に関する。
請求項8に記載の発明は、前記加熱手段が誘導コイルである請求項7に記載のSiC単結晶製造装置に関する。
以上説明したように本発明によれば、欠陥の少ないSiC単結晶が得られるSiC単結晶製造方法、前記SiC単結晶製造方法を好適に実施できるSiC単結晶製造用反応容器、および前記SiC単結晶製造用反応容器を備えるSiC単結晶製造装置が提供される。
1.実施形態1
実施形態1に係る単結晶製造装置1は、本発明のSiC単結晶製造装置の一例であって、図1に示すように、本発明の反応容器に相当する円柱状の坩堝10と、坩堝10を収容する石英管30と、石英管30の内側において坩堝10を下方から支持する支持棒31と、石英管30に巻回され、坩堝10の底面近傍を加熱する第1誘導加熱コイル20と、同じく石英管30に巻回され、坩堝10の頂面近傍を加熱する第2誘導加熱コイル21と、第1誘導加熱コイル20と第2誘導加熱コイル21との間に配設された干渉防止コイル22とを備える。第1誘導加熱コイル20および第2誘導加熱コイル21は本発明における加熱手段に相当する。
坩堝10は、本発明の反応器本体に相当し、図1に示すように、固体原料Rmが装入される有底円筒状の坩堝本体12と、坩堝本体12の上面開口部を覆蓋するとともにSiC種結晶Scが装着される蓋部11とを備える。蓋部11は、坩堝本体12の上面開口部に螺合して坩堝本体12を密閉するように形成されている。蓋部11の内壁面における中央部にはSiC種結晶Scを装着するための種結晶装着台11Aが形成されている。
蓋部11および坩堝本体12は、何れも黒鉛で形成されていることが好ましい。
支持棒31の内部には、水素または水素含有ガスを供給する水素供給孔32が軸線に沿って穿設されている。水素供給孔32の末端には円錐状の拡大部33が形成されている。支持棒31もまた、坩堝本体12および蓋部11と同様に黒鉛から形成され地得ることが好ましい。また、水素供給孔32から供給される水素含有ガスとしては、水素とアルゴンガスのような不活性ガスとの混合ガスが挙げられる。
第1誘導加熱コイル20、第2誘導加熱コイル21、および干渉防止コイル22は、何れも導体管、たとえば銅管をコイル状に巻回し、内部に水を流して冷却できるように形成されているが、ムクの導体をコイル状に巻回したものであってもよい。
坩堝10は、熱絶縁層40で被覆されている。熱絶縁層40はたとえば黒鉛フェルトなどによって形成されている。熱絶縁層40の上面における中央部には蓋部11の温度を測定するための温度測定孔41が穿設されている。
坩堝10の内径は成長しようとする結晶の直径に依存するが、成長する結晶の直径+20〜30mm程度が好ましく、高さは150〜200mm程度が好ましい。水素供給孔32の内径は1〜2mmの範囲が好ましく、支持棒31の先端から種結晶装着台11A迄の距離は15〜35mmが好ましく、拡大部33の開き角θは60〜90℃の範囲が好ましい。また、拡大部33の直径は、SiC種結晶SCの直径の1/2以上が好ましい。しかし、坩堝の内径、高さ、水素供給孔32の内径、開口部33から種結晶装着台11A迄の距離、拡大部33の開き角等は、前記範囲には限定されず、製造しようとするSiC単結晶の直径および高さ、並びに昇華条件等に応じて任意に設定できる。
以下、単結晶製造装置1を用いてSiC単結晶を製造する手順について説明する。
先ず、坩堝本体12の内部に固体原料を装入する。
固体原料としては、粉末状のSiC粗結晶が使用される。前記SiC粗結晶としては種々の結晶多形(ポリタイプ)のものが使用できる。具体的には、4H、6H、15R、3Cなどが挙げられるが、4Hおよび6Hが好適である。但し、異なる結晶型のSiCが混在していてもよい。SiC粗結晶の平均粒径は10〜700μm程度が好ましく、200〜400μm程度が特に好ましい。SiC粗結晶の平均粒径が前記範囲内であれば、後述する昇華温度で速やかに焼結を起して表面積が縮小したり、粗結晶自体の被表面積が過小に過ぎたりして充分な単結晶成長速度が得られないという問題が生じない上、水素エッチング処理中にガス流によって粉体が吹き飛ばされ、投入結晶の表面へ付着するリスクが少ない。
このようなSiC粗結晶としてはたとえばアチソン法によって珪砂とコークスとから合成されるものが使用される。
他には、加熱により珪素を生じる珪素源化合物と加熱により黒鉛化する炭素源化合物とを混合し、または必要に応じて重縮合させた後、非酸化性雰囲気下で加熱、分解することによって得られるSiC粉末も使用される。
珪素源化合物としては、酸化珪素、シリカゾル、二酸化珪素などの無機珪素化合物、またはモノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランなどのアルコキシシラン類およびそれらの重合体などの有機珪素化合物が使用される。珪素源化合物としては、エトキシシランやテトラエトキシシラン、テトラエトキシシランオリゴマー、テトラエトキシシランオリゴマー−微粉末シリカなどが好ましい。
そして、炭素源化合物としては、非酸化性雰囲気で加熱することによって架橋して黒鉛化し易い化合物が挙げられる。具体的には、各種フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ピッチ、タールなどが挙げられる。中でも各種フェノール樹脂が好ましく、特にレゾール型フェノール樹脂が好ましい。
このようにして得られたSiC粉末を事前に昇華し、粉砕してから原料として用いてもよい。この場合、エッチングガスによる粉体の飛散のリスクは更に少ない。
坩堝本体12に固体原料を装入したら、蓋部11の種結晶装着台11AにSiC種結晶Scを装着し、前記種結晶Scを装着した側の面が内側になるように、蓋部11を坩堝本体12の開口部に螺合させて坩堝本体12の開口部に固定する。
坩堝本体12が密閉されたら、支持棒31の水素供給孔32を通してSiC種結晶Scに水素または水素含有ガスを噴きつけながら坩堝10の内部を水素エッチング温度である1400〜1600℃まで昇温し、SiC種結晶Scを0.5〜1時間水素エッチング処理する。このときの水素供給量は5〜10リットル/分程度が好適である。
水素エッチングが終了したら、坩堝10内部をアルゴンガスなどの不活性ガスに置換しつつ、100kPaまで昇圧し、同時にバルク成長温度である2100〜2400℃まで昇温する。坩堝10の内部がバルク成長温度に達したら、内部の圧力を0.2〜1kPaまで減圧する。これにより、SiC種結晶Scの表面にSiCの単結晶がバルク成長する。
なお、バルク成長時に、坩堝10の下方の温度を上方の温度よりも低く設定することにより、バルク成長開始後暫くして水素供給孔32は、昇華した固体原料が再結晶して生じたSiC結晶によって塞がれるから、固体原料が加熱されて発生した昇華ガスが水素供給孔32を通して外部に散逸することによって昇華ガスの組成が変化してSiC単結晶の品質に影響を及ぼすことは少ないと考えられる。
単結晶製造装置1においては、坩堝10が全体として円柱状であるから、形状が単純であり、坩堝本体12および蓋部11の何れも作成が容易である。また、固体原料Rmは坩堝本体12の底部、換言すれば坩堝10の底部に挿入されるから、固体原料Rmから発生した昇華ガスは坩堝10内を上昇して蓋部11に装着されたSiC種結晶Scの表面でSiC単結晶として析出する。したがって、昇華が円滑に進行する。また、SiC結晶は下方に向かって、即ち重力方向に沿って析出するから、単結晶内部に重力による余分な負荷が加わらない点でも好ましい。
また、SiC種結晶Scを水素エッチングすることにより、SiC種結晶Sc表面の加工変質層や加工傷が除去されるから、水素エッチングに引き続いて行われるバルク成長において加工変質層や加工傷に起因する三角欠陥などの欠陥の発生を減らすことができる。
図1に示す構成を有し、坩堝10の内径が100mm、水素供給孔32の内径が1mm、開口部33から種結晶装着台11A迄の距離が30mm、拡大部33の開き角θが60度の単結晶製造装置1を用い、直径50mmのSiC種結晶上に以下に示す手順にしたがってSiC単結晶をバルク成長させた。
先ず、蓋部11の種結晶装着台11AにSiC種結晶Scを装着するとともに、坩堝本体12に固体原料として平均粒径200μmのアチソン法で得られたSiC粗結晶粉末を挿入した。
次いで、SiC種結晶を装着した蓋部11を坩堝本体12に螺合して坩堝10を準密閉状態にし、図2に示すように、雰囲気圧を100kPaに維持しつつアルゴンガスで置換し、この状態で加熱した。坩堝10内部の温度が1600℃に達したら、雰囲気圧を1kPaまで減圧し、水素供給孔32を通して10リットル/分の流量で水素ガスを供給してSiC種結晶Scを水素エッチングした。
1時間水素エッチングを行った後、水素ガスの供給を停止し、坩堝10の内部にアルゴンガスを挿入して雰囲気圧を100kPaに戻し、昇温した。坩堝10内部の温度が2200℃に達したら、坩堝10の内部を1kPaに減圧してバルク成長を開始させた。10時間経過後、雰囲気圧を100kPaに戻すとともに坩堝10を室温まで冷却してバルク成長を停止させた。
得られたSiC単結晶には15〜25個の三角欠陥が認められた。
これに対し、SiC種結晶Scを水素エッチングせずに同様の条件でバルク成長を行ったときは、得られたSiC単結晶中の三角欠陥の個数は35〜45個に増大した。
以上の結果から、バルク成長の前に水素エッチングを行うことにより、得られるSiC単結晶中の三角欠陥の個数を大幅に減少させることができることがわかる。
図1は、実施形態1に係る単結晶製造装置の構成を示す断面図である。 図2は、本願実施例でSiC単結晶を製造したときの坩堝内の温度、圧力、水素流量の変化を示すグラフである。
符号の説明
1 単結晶製造装置
10 坩堝
11 蓋部
11A 種結晶装着台
12 坩堝本体
20 誘導加熱コイル
21 誘導加熱コイル
22 干渉防止コイル
30 石英管
31 支持棒
32 水素供給孔
33 開口部
33 拡大部
40 熱絶縁層
41 温度測定孔

Claims (8)

  1. 反応容器内に挿入された固体原料を加熱昇華させ、前記反応容器の内壁上に装着されたSiC種結晶上にSiC単結晶を析出させるSiC単結晶製造方法であって、
    反応容器内においてSiC種結晶上に水素または水素含有ガスを噴き付けて前記SiC種結晶を水素エッチングし、
    次いで、固体原料を加熱、昇華させ、前記水素エッチングされたSiC種結晶上にSiC単結晶をバルク成長させる
    ことを特徴とするSiC単結晶製造方法。
  2. SiC単結晶をバルク成長させるバルク成長温度よりも低い温度で前記SiC種結晶を水素エッチングし、次いで、前記反応容器内部を、不活性ガスで置換し、SiC単結晶をバルク成長させるバルク成長圧力よりも高い圧力に加圧しつつ、前記バルク成長温度まで昇温し、バルク成長温度に達したら雰囲気圧力をバルク成長圧力まで低下させてSiC単結晶のバルク成長を行う請求項1に記載のSiC単結晶製造方法。
  3. 開口部が形成され、内部に固体原料が装入される反応容器本体と、
    前記反応容器本体の開口部を密閉するとともに、内側の面にSiC種結晶が装着される蓋部と、
    前記SiC種結晶に向かって水素または水素含有ガスを噴きつける水素供給流路と
    を備えてなることを特徴とするSiC単結晶製造用反応容器。
  4. 前記水素供給流路における開口部近傍には、開口部に向かって拡大する拡大部が形成されてなる請求項3に記載のSiC単結晶製造用反応容器。
  5. 前記水素供給流路における開口部の直径は、蓋部に装着されるSiC種結晶の直径の1/2以上である請求項4に記載のSiC単結晶製造用反応容器。
  6. 前記拡大部は円錐状である請求項4または5に記載のSiC単結晶製造用反応容器。
  7. 請求項3〜6の何れか1項に記載のSiC単結晶製造用反応容器と、前記SiC単結晶製造用反応容器を加熱する加熱手段とを備えてなることを特徴とするSiC単結晶製造装置。
  8. 前記加熱手段は誘導コイルである請求項7に記載のSiC単結晶製造装置。
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