JPH10101495A - SiC単結晶の製造方法 - Google Patents
SiC単結晶の製造方法Info
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- JPH10101495A JPH10101495A JP8258200A JP25820096A JPH10101495A JP H10101495 A JPH10101495 A JP H10101495A JP 8258200 A JP8258200 A JP 8258200A JP 25820096 A JP25820096 A JP 25820096A JP H10101495 A JPH10101495 A JP H10101495A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 欠陥密度の少ない、高品質なSiCバルク単
結晶を効率よく作製し、これから高品質なSiC基板を
製造し得る。 【解決手段】 グラファイト製るつぼ12の底部にSi
C原料粉末14を入れ、内面にSiC種結晶15が配置
された蓋13によりるつぼ12の上部を閉止し、るつぼ
12の底部をSiCの昇華温度(2200℃)以上24
00℃以下の温度で加熱し、蓋13より下方であってる
つぼ12の底部より上方のるつぼ中間部12bを240
0℃以上2800℃以下の温度で加熱し、種結晶15の
温度をSiCの昇華温度(2200℃)以下に維持する
ことにより、種結晶15にSiC単結晶16を育成す
る。
結晶を効率よく作製し、これから高品質なSiC基板を
製造し得る。 【解決手段】 グラファイト製るつぼ12の底部にSi
C原料粉末14を入れ、内面にSiC種結晶15が配置
された蓋13によりるつぼ12の上部を閉止し、るつぼ
12の底部をSiCの昇華温度(2200℃)以上24
00℃以下の温度で加熱し、蓋13より下方であってる
つぼ12の底部より上方のるつぼ中間部12bを240
0℃以上2800℃以下の温度で加熱し、種結晶15の
温度をSiCの昇華温度(2200℃)以下に維持する
ことにより、種結晶15にSiC単結晶16を育成す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波加熱でSi
C原料粉末を昇華し種結晶にSiC単結晶を育成する方
法に関するものである。
C原料粉末を昇華し種結晶にSiC単結晶を育成する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SiC(炭化珪素)はSi(珪素)やG
aAs(ガリウム砒素)と比べて禁制帯幅、熱伝導度、
飽和ドリフト速度が大きいことから、高周波、高パワ
ー、高温トランジスタとしての応用が期待されている。
SiCには立方晶(3C)、六方晶(4H、6H)、菱
面体晶(15R)などの多くの多形が確認されている。
このうち、立方晶は主にヘテロエピタキシャル成長で薄
膜作製が試みられ、SiC単結晶の育成には、主に六方
晶が対象とされてきた。
aAs(ガリウム砒素)と比べて禁制帯幅、熱伝導度、
飽和ドリフト速度が大きいことから、高周波、高パワ
ー、高温トランジスタとしての応用が期待されている。
SiCには立方晶(3C)、六方晶(4H、6H)、菱
面体晶(15R)などの多くの多形が確認されている。
このうち、立方晶は主にヘテロエピタキシャル成長で薄
膜作製が試みられ、SiC単結晶の育成には、主に六方
晶が対象とされてきた。
【0003】この六方晶であるSiC単結晶の製造装置
として、高周波加熱方式の改良レーリー法と呼ばれる昇
華法に基づく装置が知られている。この昇華法は液相エ
ピタキシャル成長(liquid phase epitaxy; LPE)法
や化学的気相成長(chemicalvapor deposition; CV
D)法と比べてSiC単結晶の成長速度が速い特長があ
る。図4に示すように、この昇華法に基づく製造装置で
は、石英管1の内部に有底円筒状のグラファイト製るつ
ぼ2が設けられ、るつぼ2の上部は蓋3で閉止される。
るつぼ2の底部にSiC原料粉末4を入れ、蓋3の内面
にSiC種結晶5を配置してるつぼ2を閉止した後、石
英管1の内部にArガスを流しながら、石英管1の外周
面のコイル7に高周波電流を流すことにより、るつぼ2
の底部をSiCの昇華温度より高い2400℃程度に、
また種結晶5を2200℃程度にそれぞれ加熱すると、
底部のSiC原料粉末4が昇華して気体となり種結晶5
に到達し、そこで所定の方位で六方晶のSiC単結晶6
が育成される。
として、高周波加熱方式の改良レーリー法と呼ばれる昇
華法に基づく装置が知られている。この昇華法は液相エ
ピタキシャル成長(liquid phase epitaxy; LPE)法
や化学的気相成長(chemicalvapor deposition; CV
D)法と比べてSiC単結晶の成長速度が速い特長があ
る。図4に示すように、この昇華法に基づく製造装置で
は、石英管1の内部に有底円筒状のグラファイト製るつ
ぼ2が設けられ、るつぼ2の上部は蓋3で閉止される。
るつぼ2の底部にSiC原料粉末4を入れ、蓋3の内面
にSiC種結晶5を配置してるつぼ2を閉止した後、石
英管1の内部にArガスを流しながら、石英管1の外周
面のコイル7に高周波電流を流すことにより、るつぼ2
の底部をSiCの昇華温度より高い2400℃程度に、
また種結晶5を2200℃程度にそれぞれ加熱すると、
底部のSiC原料粉末4が昇華して気体となり種結晶5
に到達し、そこで所定の方位で六方晶のSiC単結晶6
が育成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の昇
華法は成長速度が他の方法と比べて速いものの、得られ
たバルク状のSiC単結晶の内部には、育成方向にマイ
クロパイプと呼ばれる直径数十μm〜数百μm程度の欠
陥や螺旋転位等の欠陥が多数発生する。この欠陥は、S
iC原料粉末の昇華時に発生するSi、Si2C、Si
C2、C等の気体のうち、Si2C及びSiC2が分子ク
ラスタ(分子団)となって、種結晶に到達し、種結晶表
面上で十分にマイグレーションしないためと考えられて
いる。そのため、従来の方法で育成されたバルク単結晶
をスライシングしてウェーハにし、このウェーハからS
iC基板を作製してトランジスタ等のデバイスを作製し
た場合には、上記欠陥に起因してパターンエラー、MO
S耐圧の低下及びリーク電流の増加などが見られ、大き
な問題となっていた。本発明の目的は、欠陥密度の少な
い、高品質なSiCバルク単結晶を効率よく作製し、こ
れから高品質なSiC基板を製造し得るSiC単結晶の
製造方法を提供することにある。
華法は成長速度が他の方法と比べて速いものの、得られ
たバルク状のSiC単結晶の内部には、育成方向にマイ
クロパイプと呼ばれる直径数十μm〜数百μm程度の欠
陥や螺旋転位等の欠陥が多数発生する。この欠陥は、S
iC原料粉末の昇華時に発生するSi、Si2C、Si
C2、C等の気体のうち、Si2C及びSiC2が分子ク
ラスタ(分子団)となって、種結晶に到達し、種結晶表
面上で十分にマイグレーションしないためと考えられて
いる。そのため、従来の方法で育成されたバルク単結晶
をスライシングしてウェーハにし、このウェーハからS
iC基板を作製してトランジスタ等のデバイスを作製し
た場合には、上記欠陥に起因してパターンエラー、MO
S耐圧の低下及びリーク電流の増加などが見られ、大き
な問題となっていた。本発明の目的は、欠陥密度の少な
い、高品質なSiCバルク単結晶を効率よく作製し、こ
れから高品質なSiC基板を製造し得るSiC単結晶の
製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すようにグラファイト製るつぼ12の底部にS
iC原料粉末14を入れ、内面にSiC種結晶15が配
置された蓋13によりるつぼ12の上部を閉止し、るつ
ぼ12をSiCの昇華温度以上融点未満の温度で加熱し
種結晶15の温度をSiCの昇華温度以下に維持して種
結晶15にSiC単結晶16を育成するSiC単結晶の
製造方法において、るつぼ12の底部をSiCの昇華温
度以上2400℃以下の温度で加熱し、蓋13より下方
であってるつぼ12の底部より上方のるつぼ中間部12
bを2400℃以上2800℃以下の温度で加熱するこ
とを特徴とするSiC単結晶の製造方法である。るつぼ
中間部12bの温度を2400℃以上2800℃以下に
設定することにより、SiC原料粉末の昇華時に発生す
るSi2C及びSiC2等の分子クラスタが中間部12b
を通過するときに、熱分解されて原子状になり、この状
態で種結晶に到達する。この結果、種結晶表面上でマイ
グレーションが促進され、マイクロパイプ等の欠陥密度
が低減する。
図1に示すようにグラファイト製るつぼ12の底部にS
iC原料粉末14を入れ、内面にSiC種結晶15が配
置された蓋13によりるつぼ12の上部を閉止し、るつ
ぼ12をSiCの昇華温度以上融点未満の温度で加熱し
種結晶15の温度をSiCの昇華温度以下に維持して種
結晶15にSiC単結晶16を育成するSiC単結晶の
製造方法において、るつぼ12の底部をSiCの昇華温
度以上2400℃以下の温度で加熱し、蓋13より下方
であってるつぼ12の底部より上方のるつぼ中間部12
bを2400℃以上2800℃以下の温度で加熱するこ
とを特徴とするSiC単結晶の製造方法である。るつぼ
中間部12bの温度を2400℃以上2800℃以下に
設定することにより、SiC原料粉末の昇華時に発生す
るSi2C及びSiC2等の分子クラスタが中間部12b
を通過するときに、熱分解されて原子状になり、この状
態で種結晶に到達する。この結果、種結晶表面上でマイ
グレーションが促進され、マイクロパイプ等の欠陥密度
が低減する。
【0006】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、図2及び図3に示すように蓋13より下方
であってるつぼ12の底部より上方のるつぼ中間部12
bに上下方向に複数の貫通孔20aが形成されたグラフ
ァイト製の整流体20が配置され、SiC原料粉末14
が昇華した気体が貫通孔20aを通ってSiC種結晶1
5に達するSiC単結晶の製造方法である。整流体20
の配置により、貫通孔20aを通過する気体はより効率
よく加熱されるとともに気体は整流され、通過する分子
クラスタはより一層熱分解されて原子状になり、この状
態で種結晶に到達する。
明であって、図2及び図3に示すように蓋13より下方
であってるつぼ12の底部より上方のるつぼ中間部12
bに上下方向に複数の貫通孔20aが形成されたグラフ
ァイト製の整流体20が配置され、SiC原料粉末14
が昇華した気体が貫通孔20aを通ってSiC種結晶1
5に達するSiC単結晶の製造方法である。整流体20
の配置により、貫通孔20aを通過する気体はより効率
よく加熱されるとともに気体は整流され、通過する分子
クラスタはより一層熱分解されて原子状になり、この状
態で種結晶に到達する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のSiC単結晶の昇
華法に基づく製造装置の実施の形態を図面に基づいて説
明する。図1に示すように、この製造装置では、石英管
11の内部に有底円筒状のグラファイト製るつぼ12が
設けられ、るつぼ12の上部は蓋13で閉止される。石
英管11の下部にはキャリヤガスであるArガスの流入
管11aが、また上部にはArガスの流出管11bがそ
れぞれ接続される。蓋13の周縁には複数個の切欠き1
3aが設けられ、蓋13によりるつぼ12を閉止したと
きに、切欠き13aを介してるつぼ12内部とるつぼを
囲む石英管11内部とは連通するようになっている。る
つぼ12の底部にはSiC原料粉末14が入れられ、蓋
13の内面にはSiC種結晶15が配置される。
華法に基づく製造装置の実施の形態を図面に基づいて説
明する。図1に示すように、この製造装置では、石英管
11の内部に有底円筒状のグラファイト製るつぼ12が
設けられ、るつぼ12の上部は蓋13で閉止される。石
英管11の下部にはキャリヤガスであるArガスの流入
管11aが、また上部にはArガスの流出管11bがそ
れぞれ接続される。蓋13の周縁には複数個の切欠き1
3aが設けられ、蓋13によりるつぼ12を閉止したと
きに、切欠き13aを介してるつぼ12内部とるつぼを
囲む石英管11内部とは連通するようになっている。る
つぼ12の底部にはSiC原料粉末14が入れられ、蓋
13の内面にはSiC種結晶15が配置される。
【0008】この石英管11を取り巻くようにその外周
面には高周波加熱の下部コイル17、中間部コイル18
及び上部コイル19が設けられる。下部コイル17はS
iC原料粉末14が入るるつぼ12の底部に相当する石
英管11を、また上部コイル19は種結晶15が配置さ
れる蓋13に相当する石英管11を、更に中間部コイル
18はその間の石英管11をそれぞれ取り巻くように設
けられる。3つのコイル17〜19はそれぞれ独立して
異なる高周波の磁束を作り出し、この磁束により誘導さ
れる電流によって、互いに異なる温度でるつぼ底部12
a、るつぼ中間部12b及びるつぼ上部12c(蓋)を
加熱するようになっている。即ち、下部コイル17はる
つぼ12をSiCの昇華温度(2200℃)以上240
0℃以下の温度で加熱し、上部コイル19は種結晶15
の温度をSiCの昇華温度(2200℃)以下に維持す
るように加熱し、中間部コイル18はるつぼ中間部12
bを2400℃以上2800℃以下の温度で加熱するよ
うになっている。このるつぼ中間部12bの加熱温度は
2500℃以上2700℃以下が好ましく、2550℃
以上2650℃以下が更に好ましい。るつぼ中間部12
bの加熱温度が2400℃未満では分子クラスタの熱分
解が不十分であり、2800℃を越えるとるつぼ12の
消耗が著しくまた不純物の混入量が増大する。
面には高周波加熱の下部コイル17、中間部コイル18
及び上部コイル19が設けられる。下部コイル17はS
iC原料粉末14が入るるつぼ12の底部に相当する石
英管11を、また上部コイル19は種結晶15が配置さ
れる蓋13に相当する石英管11を、更に中間部コイル
18はその間の石英管11をそれぞれ取り巻くように設
けられる。3つのコイル17〜19はそれぞれ独立して
異なる高周波の磁束を作り出し、この磁束により誘導さ
れる電流によって、互いに異なる温度でるつぼ底部12
a、るつぼ中間部12b及びるつぼ上部12c(蓋)を
加熱するようになっている。即ち、下部コイル17はる
つぼ12をSiCの昇華温度(2200℃)以上240
0℃以下の温度で加熱し、上部コイル19は種結晶15
の温度をSiCの昇華温度(2200℃)以下に維持す
るように加熱し、中間部コイル18はるつぼ中間部12
bを2400℃以上2800℃以下の温度で加熱するよ
うになっている。このるつぼ中間部12bの加熱温度は
2500℃以上2700℃以下が好ましく、2550℃
以上2650℃以下が更に好ましい。るつぼ中間部12
bの加熱温度が2400℃未満では分子クラスタの熱分
解が不十分であり、2800℃を越えるとるつぼ12の
消耗が著しくまた不純物の混入量が増大する。
【0009】このような構成の装置でSiC単結晶を製
造するには、るつぼ12の底部にSiC原料粉末14を
入れ、蓋13の内面にSiC種結晶15を配置してるつ
ぼ2を閉止した後、このるつぼ12を石英管11の中に
収容し、図示しない支持具で支持する。この状態で流入
管11aよりArガスを石英管11内に流入し、流出管
11bより排出しながら、コイル17〜19にそれぞれ
異なる高周波電流を流し、るつぼ底部12aを2200
〜2400℃の温度に、るつぼ中間部12bを2400
〜2800℃の温度に、またるつぼ上部12cを220
0℃以下の温度にそれぞれ加熱する。これにより、るつ
ぼ底部12aのSiC原料粉末14が昇華して気体とな
る。るつぼ中間部12bを気体が通過するときにSi2
C及びSiC2等の分子クラスタが熱分解されて原子状
になり、この状態で種結晶15に到達する。この結果、
種結晶表面上でマイグレーションが促進され、バルク単
結晶16が育成される。
造するには、るつぼ12の底部にSiC原料粉末14を
入れ、蓋13の内面にSiC種結晶15を配置してるつ
ぼ2を閉止した後、このるつぼ12を石英管11の中に
収容し、図示しない支持具で支持する。この状態で流入
管11aよりArガスを石英管11内に流入し、流出管
11bより排出しながら、コイル17〜19にそれぞれ
異なる高周波電流を流し、るつぼ底部12aを2200
〜2400℃の温度に、るつぼ中間部12bを2400
〜2800℃の温度に、またるつぼ上部12cを220
0℃以下の温度にそれぞれ加熱する。これにより、るつ
ぼ底部12aのSiC原料粉末14が昇華して気体とな
る。るつぼ中間部12bを気体が通過するときにSi2
C及びSiC2等の分子クラスタが熱分解されて原子状
になり、この状態で種結晶15に到達する。この結果、
種結晶表面上でマイグレーションが促進され、バルク単
結晶16が育成される。
【0010】図2及び図3に本発明の別の実施の形態を
示す。図2において、前記実施の形態と同一の構成部位
は図1と同一符号で示す。この実施の形態では、るつぼ
中間部12bにグラファイト製の整流体20が配置され
る。図3に詳しく示すように、整流体20は上下方向に
複数の貫通孔20aが形成される。貫通孔20aの直径
は数mm〜数cmである。この装置では、熱伝導度が高
い整流体20がコイル18で加熱されるので、貫通孔2
0aを通過する気体は前記実施の形態と比べて、より効
率よく加熱されるとともに気体は整流され、通過する分
子クラスタはより一層熱分解されて原子状になり、この
状態で種結晶に到達する。
示す。図2において、前記実施の形態と同一の構成部位
は図1と同一符号で示す。この実施の形態では、るつぼ
中間部12bにグラファイト製の整流体20が配置され
る。図3に詳しく示すように、整流体20は上下方向に
複数の貫通孔20aが形成される。貫通孔20aの直径
は数mm〜数cmである。この装置では、熱伝導度が高
い整流体20がコイル18で加熱されるので、貫通孔2
0aを通過する気体は前記実施の形態と比べて、より効
率よく加熱されるとともに気体は整流され、通過する分
子クラスタはより一層熱分解されて原子状になり、この
状態で種結晶に到達する。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに説明す
る。 <実施例1>図1に示す装置を用いて、次の条件でSi
Cバルク単結晶16を育成した。 SiC原料温度: 2400℃ るつぼ中間部温度: 2600℃ 種結晶温度: 2200℃ Ar圧力: 20Torr <実施例2>図2に示するつぼ中間部12bに整流体2
0を有する装置を用いて、次の条件でSiCバルク単結
晶16を育成した。 SiC原料温度: 2400℃ るつぼ中間部温度: 2600℃ 種結晶温度: 2200℃ Ar圧力: 20Torr <比較例1>図4に示す装置を用いて、次の条件でSi
Cバルク単結晶6を育成した。 SiC原料温度: 2400℃ 種結晶温度: 2200℃ Ar圧力: 20Torr <比較評価>実施例1、実施例2及び比較例1で得られ
たSiCバルク単結晶をスライシングしてウェーハに
し、このウェーハを顕微鏡観察して、マイクロパイプの
密度を調べた。その結果を表1に示す。
る。 <実施例1>図1に示す装置を用いて、次の条件でSi
Cバルク単結晶16を育成した。 SiC原料温度: 2400℃ るつぼ中間部温度: 2600℃ 種結晶温度: 2200℃ Ar圧力: 20Torr <実施例2>図2に示するつぼ中間部12bに整流体2
0を有する装置を用いて、次の条件でSiCバルク単結
晶16を育成した。 SiC原料温度: 2400℃ るつぼ中間部温度: 2600℃ 種結晶温度: 2200℃ Ar圧力: 20Torr <比較例1>図4に示す装置を用いて、次の条件でSi
Cバルク単結晶6を育成した。 SiC原料温度: 2400℃ 種結晶温度: 2200℃ Ar圧力: 20Torr <比較評価>実施例1、実施例2及び比較例1で得られ
たSiCバルク単結晶をスライシングしてウェーハに
し、このウェーハを顕微鏡観察して、マイクロパイプの
密度を調べた。その結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1から明らかなように、るつぼ中間部を
2600℃に加熱した実施例1及び実施例2で得られた
SiC単結晶では、るつぼ中間部を特別に高温にしなか
った比較例1で得られたSiC単結晶と比べて、マイク
ロパイプ密度がほぼ半減していた。特にるつぼ中間部に
整流体を設けた実施例2では、整流体を設けない実施例
1よりもマイクロパイプ密度が小さく優れていた。
2600℃に加熱した実施例1及び実施例2で得られた
SiC単結晶では、るつぼ中間部を特別に高温にしなか
った比較例1で得られたSiC単結晶と比べて、マイク
ロパイプ密度がほぼ半減していた。特にるつぼ中間部に
整流体を設けた実施例2では、整流体を設けない実施例
1よりもマイクロパイプ密度が小さく優れていた。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、る
つぼ中間部を2400〜2800℃に加熱することによ
り、昇華した気体のSi2C及びSiC2等の分子クラス
タを熱分解して原子状にするので、欠陥密度の少ない、
高品質なSiCバルク単結晶を他のLPE法やCVD法
と比べて効率よく作ることができ、この単結晶からSi
C基板を作製すれば、高品質のトランジスタ等のデバイ
スが得られる。またるつぼ中間部にグラファイト製の整
流体を設ければ、昇華した気体のSi2C及びSiC2等
の分子クラスタをより効率よく熱分解して原子状にする
ので、より効果的である。
つぼ中間部を2400〜2800℃に加熱することによ
り、昇華した気体のSi2C及びSiC2等の分子クラス
タを熱分解して原子状にするので、欠陥密度の少ない、
高品質なSiCバルク単結晶を他のLPE法やCVD法
と比べて効率よく作ることができ、この単結晶からSi
C基板を作製すれば、高品質のトランジスタ等のデバイ
スが得られる。またるつぼ中間部にグラファイト製の整
流体を設ければ、昇華した気体のSi2C及びSiC2等
の分子クラスタをより効率よく熱分解して原子状にする
ので、より効果的である。
【図1】本発明の実施の形態のSiC単結晶の製造装置
の構成図。
の構成図。
【図2】本発明の別の実施の形態のSiC単結晶の製造
装置の構成図。
装置の構成図。
【図3】その整流体の拡大斜視図。
【図4】従来のSiC単結晶の製造装置の構成図。
11 石英管 12 るつぼ 12a るつぼ底部 12b るつぼ中間部 12c るつぼ上部 13 蓋 14 SiC原料粉末 15 SiC種結晶 16 SiCバルク単結晶 17〜19 コイル 20 整流体 20a 貫通孔
Claims (2)
- 【請求項1】 グラファイト製るつぼ(12)の底部にSi
C原料粉末(14)を入れ、内面にSiC種結晶(15)が配置
された蓋(13)により前記るつぼ(12)の上部を閉止し、前
記るつぼ(12)をSiCの昇華温度以上融点未満の温度で
加熱し前記種結晶(15)の温度をSiCの昇華温度以下に
維持して前記種結晶(15)にSiC単結晶(16)を育成する
SiC単結晶の製造方法において、 前記るつぼ(12)の底部をSiCの昇華温度以上2400
℃以下の温度で加熱し、前記蓋(13)より下方であって前
記るつぼ(12)の底部より上方のるつぼ中間部(12b)を2
400℃以上2800℃以下の温度で加熱することを特
徴とするSiC単結晶の製造方法。 - 【請求項2】 蓋(13)より下方であってるつぼ(12)の底
部より上方のるつぼ中間部(12b)に上下方向に複数の貫
通孔(20a)が形成されたグラファイト製の整流体(20)が
配置され、 SiC原料粉末(14)が昇華した気体が前記貫通孔(20a)
を通ってSiC種結晶(15)に達する請求項1記載のSi
C単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
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