JP2013189355A - 炭化珪素単結晶の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ルツボ内における炭化珪素単結晶の成長条件の変化を抑制することで、安定的に炭化珪素単結晶を成長させることができる炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】昇華法による直径が100mmより大きくかつ最大高さが20mm以上の炭化珪素単結晶の製造方法であって、以下の工程を有する。炭化珪素から成る種基板3と炭化珪素原料7とが準備される。炭化珪素原料7を昇華させることによって、種基板3の成長面8上に炭化珪素単結晶が成長される。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、種基板3の側壁5に対向する位置に設けられた第1のカーボン部材1が0.1mm/時間以下の速度でエッチングされる。
【選択図】図1
【解決手段】昇華法による直径が100mmより大きくかつ最大高さが20mm以上の炭化珪素単結晶の製造方法であって、以下の工程を有する。炭化珪素から成る種基板3と炭化珪素原料7とが準備される。炭化珪素原料7を昇華させることによって、種基板3の成長面8上に炭化珪素単結晶が成長される。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、種基板3の側壁5に対向する位置に設けられた第1のカーボン部材1が0.1mm/時間以下の速度でエッチングされる。
【選択図】図1
Description
この発明は、炭化珪素単結晶の製造方法および製造装置に関し、より特定的には種基板の成長面上に炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法および製造装置に関する。
近年、半導体装置の製造用に炭化珪素基板が用いられ始めている。炭化珪素は珪素に比べて大きなバンドギャップを有する。そのため、炭化珪素基板を用いた半導体装置は、耐圧が高く、オン抵抗が低く、また高温環境下での特性の劣化が小さいといった利点を有する。
上記のような炭化珪素基板を製造する方法として、たとえば特開平5−58774号公報(特許文献1)には、昇華法によって炭化珪素単結晶基板を製造する方法が記載されている。当該方法によれば、炭素から成るルツボ内に配置された炭化珪素原料を高温で昇華させて、炭化珪素原料とは反対側に配置された種基板上に昇華ガスを再結晶させることにより炭化珪素単結晶が成長される。
しかしながら、特開平5−58774号公報に記載の方法で炭化珪素単結晶を成長させると、ルツボの側面部がエッチングされてしまう。ルツボの側面部がエッチングされると、ルツボ内における炭化珪素単結晶の成長条件が変化してしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、その目的は、ルツボ内における炭化珪素単結晶の成長条件の変化を抑制することで、安定的に炭化珪素単結晶を成長させることができる炭化珪素単結晶の製造方法および製造装置を提供することである。
ルツボの側面部がエッチングされる理由の一つとして以下のことが考えられる。炭化珪素原料が昇華すると、ルツボ内の種基板の周囲に炭化珪素ガス、珪素ガスおよび炭素ガスが発生する。炭化珪素ガスが種基板上で再結晶化を始めると、種基板の周囲では相対的に珪素ガスが多くなり炭素ガスが少なくなる。すると、種基板の周囲における雰囲気ガスの平衡状態を保つために、種基板の周囲に存在する炭素から成るルツボの側面部がエッチングされる。
発明者らは鋭意研究の結果、ルツボの側面部のエッチングは、種基板上に成長する炭化珪素単結晶が大口径化する程、顕著になることを見出した。
そこで、本発明に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は、昇華法による直径が100mmより大きくかつ最大高さが20mm以上の炭化珪素単結晶の製造方法であって、以下の工程を有する。炭化珪素から成る種基板と炭化珪素原料が準備される。炭化珪素原料を昇華させることによって種基板の成長面上に炭化珪素単結晶が成長される。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、種基板の側壁に対向する位置に設けられた第1のカーボン部材は0.1mm/時間以下の速度でエッチングされる。
本発明に係る炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、種基板の側壁に対向する位置に設けられた第1のカーボン部材は0.1mm/時間以下の速度でエッチングされる。カーボン部材がエッチングされる速度が小さいので、ルツボ内の炭化珪素単結晶の成長条件の変化が小さい。それゆえ、安定的に炭化珪素単結晶を成長させることができる。
上記の炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第1のカーボン部材は0.05mm/時間以下の速度でエッチングされる。これにより、より安定的に炭化珪素単結晶を成長させることができる。
上記の炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、炭化珪素単結晶の最大高さが50mm以上である。これにより、最大高さが50mm以上の炭化珪素単結晶を得ることができる。
上記の炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、炭化珪素単結晶を成長させる工程の前に、種基板と炭化珪素原料との間に第2のカーボン部材を配置する工程をさらに有している。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第1のカーボン部材のエッチング速度は第2のカーボン部材のエッチング速度よりも遅い。
上記の炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、第1のカーボン部材のエッチング速度は、第2のカーボン部材のエッチング速度よりも遅いので、第1のカーボン部材であるルツボの側面部のエッチングを抑制することができる。
上記の炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、種基板の成長面から第2のカーボン部材までの距離は、種基板の成長面の中心から第1のカーボン部材までの距離よりも短い。これにより、第2のカーボン部材が第1のカーボン部材よりも優先的にエッチングされるので、第1のカーボン部材であるルツボの側面部のエッチングを抑制することができる。
上記の炭化珪素半導体装置の製造方法において好ましくは、第2のカーボン部材には、炭化珪素原料から昇華した炭化珪素ガスが炭化珪素原料側から種基板側へ流通するための流通路が形成されている。流通路は、種基板の成長面に対向する位置に設けられている。これにより、昇華した炭化珪素ガスが流通路を通って種基板側へ移動することができる。
本発明に係る炭化珪素半導体装置の製造装置は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面を有する種基板を用いて炭化珪素単結晶を製造するための炭化珪素単結晶の製造装置であって、ルツボと、第2のカーボン部材とを有している。ルツボは、種基板の側壁に対向する位置に配置された第1のカーボン部材から成る側面部を有し、炭化珪素原料を収容するためのものである。第2のカーボン部材は、種基板と炭化珪素原料との間に配置されている。第2のカーボン部材は、炭化珪素原料から昇華した炭化珪素ガスが炭化珪素原料側から種基板側へ流通するための流通路を形成している。流通路は、種基板の成長面に対向する位置に設けられている。種基板の成長面から第2のカーボン部材までの距離は、種基板の成長面の中心から種基板の側壁に対向する位置に配置された第1のカーボン部材までの距離よりも短い。
本発明に係る炭化珪素半導体装置の製造装置によれば、種基板の成長面から第2のカーボン部材までの距離は、種基板の成長面の中心から種基板の側壁に対向する位置に配置された第1のカーボン部材までの距離よりも短い。これにより、第2のカーボン部材が第1のカーボン部材よりも優先的にエッチングされるので、第1のカーボン部材であるルツボの側面部のエッチングを抑制することができる。
本発明によれば、ルツボ内における炭化珪素単結晶の成長条件の変化を抑制することで、安定的に炭化珪素単結晶を成長させることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。また角度の記載には、全方位角を360度とする系を用いている。
(実施の形態1)
図1を参照して、本実施の形態の炭化珪素単結晶の製造装置10は、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させるための製造装置10であって、ルツボ14と、種基板保持部4と、種基板3と、第2のカーボン部材2とを主に有している。ルツボ14には炭化珪素原料7が収容されている。ルツボ14は、炭素部材から成る。炭素部材とはたとえばグラファイトである。ルツボ14は、第1のカーボン部材1から成る側面部と底部13とを有している。
図1を参照して、本実施の形態の炭化珪素単結晶の製造装置10は、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させるための製造装置10であって、ルツボ14と、種基板保持部4と、種基板3と、第2のカーボン部材2とを主に有している。ルツボ14には炭化珪素原料7が収容されている。ルツボ14は、炭素部材から成る。炭素部材とはたとえばグラファイトである。ルツボ14は、第1のカーボン部材1から成る側面部と底部13とを有している。
ルツボ14の炭化珪素原料7が収容されている側と反対側には種基板保持部4が設けられている。種基板3は種基板保持部4によって保持されている。種基板3は、炭化珪素単結晶が成長するための成長面8と、成長面8の周囲を覆う側壁5とを有している。種基板3の側壁5に対向する位置には、ルツボ14の側面部を成す第1のカーボン部材1が配置されている。
第2のカーボン部材2は、炭素部材から形成されており、種基板3と炭化珪素原料7との間に配置されている。炭素部材とはたとえばグラファイトである。第2のカーボン部材2は、たとえば網状である。
また、第2のカーボン部材2は、炭化珪素原料7から昇華した炭化珪素ガスが炭化珪素原料7側から種基板3側へ流通するための流通路6を形成している。流通路6は、種基板3の成長面8に対向する位置に設けられている。種基板3の成長面8から第2のカーボン部材2までの距離L2は、種基板3の成長面8の中心11から種基板3の側壁5に対向する位置に配置された第1のカーボン部材1までの距離L1よりも短い。本実施の形態において、種基板3の成長面8から第2のカーボン部材2までの距離L2は50mmである。
また、第2のカーボン部材2は、炭化珪素原料7から昇華した炭化珪素ガスが炭化珪素原料7側から種基板3側へ流通するための流通路6を形成している。流通路6は、種基板3の成長面8に対向する位置に設けられている。種基板3の成長面8から第2のカーボン部材2までの距離L2は、種基板3の成長面8の中心11から種基板3の側壁5に対向する位置に配置された第1のカーボン部材1までの距離L1よりも短い。本実施の形態において、種基板3の成長面8から第2のカーボン部材2までの距離L2は50mmである。
図2を参照して、第2のカーボン部材2の構成について説明する。図2は、図1における第2のカーボン部材2を種基板3から炭化珪素原料7の方向に観察した平面図である。
図2に示すように、第2のカーボン部材2には、昇華した炭化珪素ガスが炭化珪素原料7側から種基板3側へ流通するための流通路6が形成されている。流通路6はたとえば円形であって、図中、上下方向、左右方向、斜め方向に一定の間隔をあけて複数個形成されている。本実施の形態においては、流通路6の直径bは11mmであり、ピッチaは15mmである。また、第2のカーボン部材2の直径Dは170mmであり、第2のカーボン部材2に形成されている流通路6の個数は91個である。
なお、流通路6は、種基板3の成長面8に対向する位置に設けられていればよく、流通路6の形状、大きさ、個数、配置などは特に限定されない。たとえば流通路6の形状は、四角形や六角形などの多角形であってもよく、また楕円のような形状であってもよい。また、流通路6の個数は、複数であってもよく、一つであってもよい。さらに、流通路6の配置は、周期性や対称性を有していてもよく、ランダムであってもよい。流通路6の配置は、たとえば3回対称や6回対称であってもよい。
次に、本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
図4を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は、昇華法による直径が100mmより大きく、かつ最大高さが20mm以上の炭化珪素単結晶の製造方法であって、主に、種基板準備工程(S10)と、炭化珪素単結晶成長工程(S20)とを有している。
図4を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法は、昇華法による直径が100mmより大きく、かつ最大高さが20mm以上の炭化珪素単結晶の製造方法であって、主に、種基板準備工程(S10)と、炭化珪素単結晶成長工程(S20)とを有している。
まず、種基板準備工程(S10)によって、炭化珪素から成る種基板3が準備される。種基板3は、炭化珪素単結晶から成る。種基板3の成長面8はたとえば{0001}面である。成長面8は、{0001}面から、たとえば8°以内程度のオフ角だけ傾斜した面であってもよい。また、当該工程によって炭化珪素原料7が準備される。
次に、炭化珪素単結晶成長工程(S20)によって、種基板3の成長面8上に炭化珪素単結晶が成長される。炭化珪素単結晶の成長は昇華法により行われる。ルツボ14に収容された炭化珪素原料7を昇華させることにより、種基板3の成長面8上で昇華ガスが再結晶化することにより、炭化珪素単結晶が成長面8上に成長する。なお、本実施の形態の炭化珪素単結晶を成長させる工程において、種基板3の側壁5に対向する位置に設けられた第1のカーボン部材1は、0.1mm/時間以下の速度でエッチングされる。第1のカーボン部材1とは、たとえばルツボ14の側面部のことである。好ましくは、炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第1のカーボン部材1が0.05mm/時間以下の速度でエッチングされる。また、本実施の形態の炭化珪素単結晶を成長させる工程において、種基板3の成長面8上に成長する炭化珪素単結晶の最大高さHは20mm以上である。好ましくは、炭化珪素単結晶の最大高さHは50mm以上である。
本実施の形態の製造方法は、炭化珪素単結晶を成長させる工程の前に、種基板3と炭化珪素原料7との間に第2のカーボン部材2が配置される。炭化珪素単結晶を成長させる工程において、第1のカーボン部材1のエッチング速度は第2のカーボン部材2のエッチング速度よりも遅い。好ましくは、種基板3の成長面8から第2のカーボン部材2までの距離は、種基板3の成長面8の中心11から第1のカーボン部材1までの距離よりも短い。また、好ましくは、第2のカーボン部材2には、昇華した炭化珪素ガスが炭化珪素原料7側から種基板3側へ流通するための流通路6が形成されている。流通路6は、種基板3の成長面8に対向する位置に設けられている。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、種基板3の側壁5に対向する位置に設けられた第1のカーボン部材1が0.1mm/時間以下の速度でエッチングされる。ルツボ14の側面部を成す第1のカーボン部材1がエッチングされる速度が小さいので、ルツボ14内の炭化珪素単結晶の成長条件の変化が小さい。それゆえ、安定的に炭化珪素単結晶を成長させることができる。
本実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、種基板3の側壁5に対向する位置に設けられた第1のカーボン部材1が0.1mm/時間以下の速度でエッチングされる。ルツボ14の側面部を成す第1のカーボン部材1がエッチングされる速度が小さいので、ルツボ14内の炭化珪素単結晶の成長条件の変化が小さい。それゆえ、安定的に炭化珪素単結晶を成長させることができる。
また、本実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法によれば、第1のカーボン部材1のエッチング速度は、第2のカーボン部材2のエッチング速度よりも遅いので、ルツボ14の側面部を成す第1のカーボン部材1のエッチングを抑制することができる。
さらに、本実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法および製造装置によれば、種基板3の成長面8から第2のカーボン部材2までの距離は、種基板3の成長面8の中心11から第1のカーボン部材1までの距離よりも短い。これにより、第2のカーボン部材2が第1のカーボン部材1よりも優先的にエッチングされるので、第1のカーボン部材1であるルツボ14の側面部のエッチングを抑制することができる。また、種基板3の側壁5だけではなく、種基板3の成長面8上でも炭素のエッチングが行われるために、成長面8内において炭化珪素単結晶の成長速度が均一になる。
さらに、本実施の形態に係る炭化珪素半導体装置の製造方法および製造装置によれば、第2のカーボン部材2には、昇華した炭化珪素ガスが炭化珪素原料7側から種基板3側へ流通するための流通路6が形成されており、流通路6は、種基板3の成長面8に対向する位置に設けられている。これにより、昇華した炭化珪素ガスが流通路6を通って種基板3側へ移動することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る炭化珪素単結晶の製造装置について、図3を参照して説明する。なお、実施の形態2に係る炭化珪素単結晶の製造装置は、第2の炭素部材の形状および配置において実施の形態1に係る炭化珪素単結晶の製造装置と異なっており、他の構成については実施の形態1に係る製造装置とほぼ同様である。
次に、実施の形態2に係る炭化珪素単結晶の製造装置について、図3を参照して説明する。なお、実施の形態2に係る炭化珪素単結晶の製造装置は、第2の炭素部材の形状および配置において実施の形態1に係る炭化珪素単結晶の製造装置と異なっており、他の構成については実施の形態1に係る製造装置とほぼ同様である。
本実施の形態2に係る第2のカーボン部材2は、炭素部材から成り、ルツボ14の底部13から種基板3の成長面8に向かって延在している。炭素部材とは、たとえばグラファイトである。第2のカーボン部材2の最高部の表面から種基板3の成長面8までの距離L2は、種基板3の中心11からルツボ14の一部である第1のカーボン部材1までの距離L1よりも短い。
本実施の形態において、第2のカーボン部材2は棒状である。第2のカーボン部材2の一方は炭化珪素原料7に埋まっており、他方は炭化珪素原料7に埋まっていない。
第2のカーボン部材2の形状、大きさ、個数、配置などは特に限定されない。たとえば第2のカーボン部材2の断面形状は、四角形や六角形などの多角形であってもよく、また円や楕円のような形状であってもよい。また、第2のカーボン部材2の個数は、複数であってもよく、一つであってもよい。さらに、第2のカーボン部材2の配置は、周期性や対称性を有していてもよく、ランダムであってもよい。カーボン部材2の配置は、たとえば3回対称や6回対称であってもよい。
本実施の形態において、複数の第2のカーボン部材2によって、昇華した炭化珪素ガスが炭化珪素原料7側から種基板3側へ流通するための流通路6が形成されている。また、流通路6は、種基板3の成長面8に対向する位置に設けられている。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置の第2のカーボン部材2は、ルツボ14の底部13から炭化珪素原料7の間を通って種基板3の成長面8に向かって延在している。それゆえ、第2のカーボン部材2によって、炭化珪素原料7を効率的に加熱することができる。
本実施の形態に係る炭化珪素単結晶の製造装置の第2のカーボン部材2は、ルツボ14の底部13から炭化珪素原料7の間を通って種基板3の成長面8に向かって延在している。それゆえ、第2のカーボン部材2によって、炭化珪素原料7を効率的に加熱することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1のカーボン部材、2 第2のカーボン部材、3 種基板、4 種基板保持部、5 側壁、6 流通路、7 炭化珪素原料、8 成長面、10 炭化珪素単結晶の製造装置、11 中心、13 底部、14 ルツボ。
Claims (7)
- 昇華法による、直径が100mmより大きくかつ最大高さが20mm以上の炭化珪素単結晶の製造方法であって、
炭化珪素から成る種基板と、炭化珪素原料とを準備する工程と、
前記炭化珪素原料を昇華させることによって、前記種基板の成長面上に前記炭化珪素単結晶を成長させる工程とを備え、
前記炭化珪素単結晶を成長させる工程において、前記種基板の側壁に対向する位置に設けられた第1のカーボン部材は0.1mm/時間以下の速度でエッチングされる、炭化珪素単結晶の製造方法。 - 前記炭化珪素単結晶を成長させる工程において、前記第1のカーボン部材は0.05mm/時間以下の速度でエッチングされる、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
- 前記炭化珪素単結晶の最大高さが50mm以上である、請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
- 前記炭化珪素単結晶を成長させる工程の前に、前記種基板と前記炭化珪素原料との間に第2のカーボン部材を配置する工程をさらに備え、
前記炭化珪素単結晶を成長させる工程において、前記第1のカーボン部材のエッチング速度は前記第2のカーボン部材のエッチング速度よりも遅い、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。 - 前記種基板の前記成長面から前記第2のカーボン部材までの距離は、前記種基板の前記成長面の中心から前記第1のカーボン部材までの距離よりも短い、請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
- 前記第2のカーボン部材には、前記炭化珪素原料から昇華した炭化珪素ガスが前記炭化珪素原料側から前記種基板側へ流通するための流通路が形成されており、
前記流通路は、前記種基板の前記成長面に対向する位置に設けられている、請求項4または5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。 - 炭化珪素単結晶が成長するための成長面を有する種基板を用いて前記炭化珪素単結晶を製造するための炭化珪素単結晶の製造装置であって、
前記種基板の側壁に対向する位置に配置された第1のカーボン部材から成る側面部を有し、炭化珪素原料を収容するためのルツボと、
前記種基板と前記炭化珪素原料との間に配置された第2のカーボン部材とを備え、
前記第2のカーボン部材は、前記炭化珪素原料から昇華した炭化珪素ガスが前記炭化珪素原料側から前記種基板側へ流通するための流通路を形成しており、
前記流通路は、前記種基板の前記成長面に対向する位置に設けられており、
前記種基板の前記成長面から前記第2のカーボン部材までの距離は、前記種基板の前記成長面の中心から前記種基板の前記側壁に対向する位置に配置された前記第1のカーボン部材までの距離よりも短い、炭化珪素単結晶の製造装置。
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