JPH10139589A - 単結晶の製造方法 - Google Patents
単結晶の製造方法Info
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- JPH10139589A JPH10139589A JP8321052A JP32105296A JPH10139589A JP H10139589 A JPH10139589 A JP H10139589A JP 8321052 A JP8321052 A JP 8321052A JP 32105296 A JP32105296 A JP 32105296A JP H10139589 A JPH10139589 A JP H10139589A
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Abstract
のSi/C比の変動を抑制し、欠陥の少ない高品質な単
結晶を製造する方法を提供する。 【解決手段】 黒鉛製ルツボ1内に配した種結晶3に原
料ガスを供給し、該種結晶3上にSiC単結晶を成長さ
せるにあたり、種結晶3の成長表面31と原料粉末2の
間に形成される単結晶成長空間を取り囲むように、予め
内表面をSiC多結晶5で被覆した筒状部材4を配置
し、その状態で単結晶を成長させる。種結晶3の近傍
に、予めSiC多結晶5を配置しておくことで、ルツボ
1の側壁に多結晶が堆積することに起因する温度変動、
原料ガスの組成比の変動や不純物の混入が防止でき、欠
陥の少ない高品質な単結晶を製造することができる。
Description
いは化学反応による方法(CVD(化学的気相蒸着)
等)等を用いて原料ガスを種結晶に供給することによ
り、種結晶上に炭化珪素等の単結晶を成長させる方法に
関するものである。
素(SiC)単結晶の製造方法として、昇華再結晶法が
広く採用されている。昇華再結晶法では、反応容器とし
て、通常、図5に示す黒鉛製ルツボ1が用いられ、該ル
ツボ1の底部にSiC原料粉末2を、原料粉末2に対向
するルツボ1の蓋体12に種結晶3を固定して加熱し、
原料粉末2の昇華ガスを種結晶3上で再結晶させること
により単結晶を成長させている。
種としては、Si、SiC2 、Si2 C等が挙げられ
る。これらの気相種は平衡蒸気圧がそれぞれ異なり、ま
た、成長温度によってもその割合が変化する。従って、
欠陥が少ない均質な高品質単結晶を得ようとした場合、
単結晶成長中の温度変動、Si/C比の揺らぎや、ルツ
ボ1表面が荒らされることによる黒鉛微粒子の混入を防
いだ安定した条件下で結晶成長を行うことが重要であ
る。
のルツボ1中で単結晶を成長させると、単結晶成長中
に、(i)種結晶3近傍の上記ルツボ1側壁にSiC多
結晶が堆積すること、および(ii)SiまたはSiを
含む気相種とルツボ材料である炭素(C)が反応するこ
とから、温度分布やSi/C比が変動しやすく、これを
起因とするSi液滴の生成、黒鉛微粒子や金属不純物の
単結晶への混入を避けることが困難であった。これら混
入物は各種欠陥を誘発する原因となり、欠陥の少ない高
品質な単結晶の製造を困難にしていた。
例としては、タンタル製ルツボを使用してSiC単結晶
を成長させた例が報告されている。(A.O.Kons
tantinov and P.A.Ivanov,I
nst.Phys.Conf.Ser.No137(1
994)37−40)。しかしながら、この場合も、容
器側壁へ多結晶が堆積することを防止することはでき
ず、また、Cを含む気相種が反応容器のタンタルと反応
して炭化タンタルとなり、Si/C比の変動の原因とな
ることが予想される。しかも、タンタルは黒鉛に比較し
て非常に高価であるため、製造コストが大幅に増加する
不具合がある。
−237999号公報には、黒鉛製ルツボ内に設置した
種結晶近傍に珪素や炭化珪素粉末を充填した状態で結晶
成長を行うことが記載されている。また、特開平5−3
06199号公報には、炭化珪素焼結体を生成させ昇華
させる焼結・昇華帯と、単結晶を成長させる結晶成長帯
を備えた単結晶製造装置を用いることで、黒鉛製ルツボ
を使用することなく高品質な炭化珪素を昇華法で製造す
ることが記載されている。
i/C比の変動を若干緩和することはできるものの、い
ずれも種結晶近傍の反応容器側壁に堆積するSiC多結
晶の生成を抑制することは難しい。こうしたSiC多結
晶の堆積は、成長温度の揺らぎ、Si/C比の変動につ
ながり、欠陥の少ない高品質な単結晶を製造すること
は、依然として困難であった。
晶成長中の温度分布の変動、原料ガス中のSi/C比の
変動を抑制し、欠陥の少ない高品質な単結晶を製造する
方法を提供することにある。
に鑑みて鋭意検討を行い、反応容器内に配した種結晶に
製造しようとする単結晶の原料ガスを供給し、該種結晶
上に単結晶を成長させる単結晶の製造方法において、上
記種結晶の成長表面と原料供給部の間に形成される単結
晶成長空間を取り囲むように、製造しようとする単結晶
と同種の多結晶、焼結体または反応焼結体を配置し、そ
の状態で単結晶を成長させることにより、上記課題を解
決できることを見出した(請求項1)。
する空間の周囲に、製造しようとする単結晶と同種の多
結晶、焼結体または反応焼結体を配置したので、反応容
器の側壁に多結晶が堆積することに起因する温度変動を
減少することができる。また、反応容器の構成元素と原
料ガスとの反応が抑制でき、それに起因する原料ガスの
組成比の揺らぎや、単結晶への不純物の混入が防止でき
る。よって、反応容器の材質によらず、欠陥の少ない高
品質な単結晶を製造することが可能であり、高価な反応
容器を用いる必要がないので低コストにできる。
置するには、具体的には、上記反応容器または上記反応
容器内に上記単結晶成長空間を取り囲むように設置され
る筒状部材の、単結晶成長過程において原料ガスが結晶
化して多結晶の堆積が見込まれる表面を、予め製造しよ
うとする単結晶と同種の多結晶、焼結体または反応焼結
体で被覆すればよい。
多結晶、焼結体または反応焼結体で被覆する方法として
は、昇華再結晶法またはCVD法を採用することができ
る。ここで、昇華再結晶法を用いる場合には、上記反応
容器内に、予め単結晶の成長条件と同じ条件で原料ガス
を供給して、上記反応容器または上記筒状部材の、単結
晶成長過程において原料ガスが結晶化して多結晶の堆積
が見込まれる表面に上記多結晶、焼結体または反応焼結
体を堆積させる。これにより上記表面が多結晶、焼結体
または反応焼結体で被覆されるので、しかる後に、上記
反応容器内に上記種結晶を設置して単結晶を成長させれ
ばよい。
配置することによる上記効果を得るために、上記反応容
器または上記筒状部材の被覆厚さは、1μm ないし5mm
とすることが望ましい。
iC)単結晶の製造を例にとって詳細に説明する。図1
は、本発明で単結晶の製造に使用する装置の概略図で、
図中、1は反応容器たる黒鉛製ルツボであり、該ルツボ
1は容器体11と蓋体12からなっている。上記ルツボ
1の容器体11底部にはSiC原料粉末2が収容してあ
り、この原料粉末2に対向する蓋体12の裏面中央部に
は、種結晶3が配置されている。上記種結晶3は、アチ
ソン法や予め昇華再結晶法等により製造された単結晶で
あり、上記蓋体12と一体に設けた黒鉛製の台座13の
形状に合わせて、例えば円板状に加工し、台座13に接
着剤等を用いて接合してある。
華再結晶法でSiC単結晶を製造するに際し、上記種結
晶3の成長表面31(その上に単結晶が成長する表面)
と原料供給部である原料粉末2との間に形成される単結
晶成長空間を取り囲むように、製造しようとする単結晶
と同種の多結晶、すなわちSiC多結晶を配置し、その
状態で単結晶を成長させる。あるいは、SiC多結晶の
代わりにSiC焼結体またはSiC反応焼結体を配置す
ることもできる。
体例として、図1に示す方法では、上記種結晶3の下方
に形成される単結晶成長空間を取り囲むように、予め内
表面をSiC多結晶5で被覆した筒状部材4を設置して
いる。該筒状部材4は、上端面の開口部内に上記種結晶
3が位置するように上記ルツボ1内壁に固定され、その
上端面および側面内表面、すなわち単結晶成長過程にお
いて原料ガスが結晶化して多結晶の堆積が見込まれる表
面をSiC多結晶5で被覆している。なお、上記筒状部
材4は下端が開口しており、原料粉末2の昇華ガスは、
この下端開口より単結晶成長空間内に導入され、上記成
長表面31上に到達するようになしてある。
被覆した筒状部材4を設置することで、上記種結晶3の
周囲および下方の、単結晶成長過程において原料ガスが
結晶化して多結晶の堆積が見込まれる領域をSiC多結
晶5で覆い、単結晶成長中の多結晶の堆積による不具合
を解消するものである。ここで、単結晶成長過程におい
て原料ガスが結晶化して多結晶の堆積が見込まれる領域
を保護し、十分な効果を得るために、筒状部材4の大き
さを以下のように設定するのがよい。
結晶3の直径をS、筒状部材4上端面(内表面)の幅を
W、筒状部材4側面(内表面)の高さをHとしたとき
に、下記(1)式、 θ=tan-1〔H/(W+S)〕・・・(1) で定義される角度θが、20°≦θ≦80°、好ましく
は30°≦θ≦60°となるように、上記幅W、高さH
を設定する。ここで、角度θが上記範囲より小さいと、
SiまたはSiを含む気相種とルツボ材料である黒鉛が
反応してしまい、Si/C比に影響を与えて良好な成長
は望めない。また、角度θが上記範囲より大きいと、S
iC多結晶で被覆する領域が増加し、製造コストが上昇
する。好ましくは、角度θが、30°≦θ≦60°の範
囲となるようにするのがよい。
W≦5S、好ましくは0≦W≦2Sとなるようにするこ
とが望ましい。幅Wが0であると、成長結晶の径の拡大
が望めない。さらには周囲に配置されるSiC多結晶5
と成長結晶がぶつかり、その結果接触箇所にストレスが
堆積して成長結晶中に割れや歪みを生じさせるおそれが
ある。また、幅Wが上記範囲より大きい場合、SiC多
結晶5で被覆する領域が増加し、コスト高となるため、
製造上好ましくない。
示すように傾斜している場合、その高さHは、筒状部材
4の上端面(内表面)より下端面に向けて下ろした垂線
の高さとなる。
被覆する方法としては、昇華再結晶法またはCVD法
等、公知の方法のいずれを採用してもよい。被覆方法と
して昇華再結晶法を用いる場合には、上記るつぼ1内に
筒状部材4を設置し、種結晶3を設置しない状態で、実
際の単結晶の成長条件と同じ条件で原料ガスを供給し
て、実際の単結晶製造時に多結晶の堆積が見込まれる上
記筒状部材4の表面に、多結晶5を堆積させることがで
きる。この場合、実際の単結晶製造時には、上記ルツボ
1内に再度十分な量の原料粉末2を充填して、また、蓋
体12を種結晶3の取付けられたものに取り換えること
により種結晶3上に単結晶を成長させる。
がSiC多結晶5で被覆されている必要はなく、少なく
とも上記(1)式で表される角度θが上記範囲となるよ
うにすればよい。また内表面以外の表面がSiC多結晶
5で被覆されていてもよい。
し5mmとすることが望ましい。被覆厚さが上記範囲より
小さいと、成長のための温度、雰囲気圧等の設定(成長
の初期)段階において、予め被覆したSiC多結晶が昇
華してしまい、SiC多結晶で被覆した上記筒状部材4
を設置する効果が望めない。また、被覆厚さが上記範囲
より大きいと、被覆に用いるSiC多結晶の量が増加
し、コスト高となるため望ましくない。
を設置する代わりに、図3(a)に示すように、ルツボ
1の容器体11の上端縁を内方に屈曲してその端縁を種
結晶3の外周に近接する位置まで延出し、該延出部を含
む容器体11上端部11aの内表面をSiC多結晶5で
被覆してもよい。このとき、上端部11aを容器体11
と別部材で構成し、予めその内表面をSiC多結晶5で
被覆した後、容器体11に組み付けるようにすれば、必
要な部分のみ被覆することができ、コストが低減でき
る。このとき、上端部11a内表面の幅W、高さHが上
記角度θで規定される範囲となるようにすることはもち
ろんである。
(a)と同様の形状とした容器体11の上端部内壁の一
部11bのみを別部材としてもよく、図3(c)に示す
ように、筒状部材4´を両端開口の簡略な形状とし、そ
の上端面を蓋体12に張り付けてもよい。この構成で
は、種結晶3も蓋体12に張り付けている。これらの場
合も、別部材とする容器体11の一部11b、筒状部材
4´の内表面の幅W、高さHが上記角度θで規定される
範囲となるように構成する。このようにSiC多結晶5
で被覆する部分を分割型としておけば、目的とする部材
のみを被覆することができるので、被覆に要するコスト
を低減することができる。
多結晶5で被覆する代わりに、筒状部材4自体をSiC
焼結体またはSiC反応焼結体で構成することもでき
る。上記図3に示した構成のルツボ1を用いる場合も同
様で、上端部11a、容器体11の一部11b、筒状部
材4´自体を製造しようとする単結晶と同種の焼結体ま
たは反応焼結体とすることで、多結晶で被覆した部材を
配置するのと同様の効果が得られる。
には、上記ルツボ1内に、予めSiC多結晶5で被覆し
た上記筒状部材4および種結晶3を配置し、上記ルツボ
1を加熱装置内で所定温度に加熱する。これにより、原
料粉末2が昇華して、その昇華ガスが上記種結晶3表面
に到達し、再結晶することにより単結晶を成長させる。
晶3近傍のルツボ1表面または部材表面が露出した状態
であると、この表面にSiCの多結晶が堆積し、上述し
たSi/C比変動等の原因となるが、本発明では、上記
種結晶3の成長表面31下方の単結晶成長空間を取り囲
むように、予めSiC多結晶5で被覆した上記筒状部材
4を設置し、あるいはルツボ1表面を予めSiC多結晶
5で被覆しているので、SiC多結晶の堆積を抑制し、
これに起因する温度変動を減少することが可能となる。
また、ルツボ1のCとSiまたはSiを含む気相種との
反応を抑制でき、それに起因するSi/C比の揺らぎ
や、それに伴うSi液滴の生成や、単結晶中への黒鉛微
粒子の混入を防ぐことが可能になる。
結晶成長過程において、その成長初期の単結晶成長空間
(原料側から種結晶側へ)の温度勾配(種結晶側が低温
となる温度勾配)を、10℃/cm以下、好ましくは1〜
5℃/cmとすることが望ましい。温度勾配が10℃/cm
より大きいと、Si/C比、過飽和度の揺らぎが大きく
なり、Si液滴等を生じて良好な初期成長は望めない。
また、1℃/cmより小さいと、成長端面で局所的に未飽
和状態になり、部分的に種結晶が熱エッチングされると
いう不具合が生じるおそれがある。さらに、成長速度が
極端に遅いので製造上好ましくない。また、5℃/cm以
下では、Si/C比、過飽和度の揺らぎをより抑制して
良好な初期成長を実現できる。
が挙げられる。抵抗加熱方式の場合、例えば、図6に示
すように、独立に制御可能な2段式の発熱体(ヒータ)
6で温度勾配を設ける例(この例では2段式のヒータ6
の間に断熱材8を設けると更に温度勾配をつけやす
い)、あるいは1段式のヒータでは、反応容器(ルツ
ボ)に対するヒータの相対位置の設定またはルツボの形
状、材質の設定により温度勾配を設ける例がある。
ように、コイル(高周波コイル)7の単位長さ当たりの
巻き数の設定または反応容器(ルツボ)1の形状、材質
の設定またはルツボ1に対するコイル7の相対位置の設
定により温度勾配を設ける例がある。なお、ルツボ1と
コイル7との間には石英二重管10が設けられ、その中
を冷却水が導入される。
式の場合でも、反応容器の構造により種結晶部を冷却し
て効果的に温度勾配をつけることも可能である。例え
ば、図8のように反応容器(ルツボ)1にザクリ構造9
を設けて、種結晶3の冷却効率を高める、あるいは図9
のように反応容器(ルツボ)1内に冷却ガス(例えばH
e)を導入し、種結晶3を冷却できるようにすることも
できる。以上、原料をルツボ下部に、種結晶を上部に配
置する例を説明したが、原料をルツボ上部に、種結晶を
下部に配置する例もある。
うことにより、成長初期に顕著である温度変動、Si/
C比の揺らぎに起因した、Si液滴の生成や積層の揺ら
ぎや黒鉛微粒子の混入を防止できる。そのため、主に成
長初期に発生する欠陥を防止して、欠陥の少ない高品質
な炭化珪素単結晶を再現性よく製造することができる。
単結晶を成長させる方法としては、前述の昇華再結晶法
の他にCVD法などの気相種同士の化学反応による方法
等にも適用可能である。
としては、SiC以外に、例えば、ZnSe、ZnS、
CdS、CdSe、AlN、GaN、BN等があり、昇
華再結晶法により成長できる単結晶であればいずれに適
用しても同様の効果が得られる。
器として用い、本発明方法に基づいてSiC単結晶の成
長実験を行った。まず、ルツボ1の容器体11内に配置
される筒状部材4の内表面を、予め、昇華法を用いてS
iC多結晶5で被覆した。この時、種結晶3の直径S=
10mm、筒状部材4の上端面(内表面)の幅W=20m
m、側面(内表面)の高さH=24mmとし、上記図2で
示した角度θ=38.7°の領域がSiC多結晶5で被
覆されるようにした。この筒状部材4および種結晶3を
ルツボ1内に配置し、SiC原料粉末2を充填して、不
活性雰囲気ガス減圧下:約1Torr、ルツボ温度:約
2300℃、成長初期の温度勾配4℃/cmの条件で、約
24時間加熱して、単結晶の成長を行った。その際、成
長速度を向上させるために、温度勾配を徐々に大きくし
た。成長量は約10mmであった。
行に切断、研磨を行って、断面顕微鏡観察を行った。断
面観察の結果、成長初期に多く発生する欠陥の発生が抑
えられ、成長開始から終了まで均質な単結晶が得られ
た。また筒状部材4の被覆方法としてCVD法を採用
し、それ以外は同様の条件で単結晶の成長実験を行った
ところ、成長初期の欠陥の発生が抑えられ、成長開始か
ら終了まで均質な単結晶が得られるという同様の結果が
得られた。さらに、筒状部材4を多結晶で被覆する代わ
りにこれをSiC焼結体、SiC反応焼結体で構成し、
同様な単結晶成長実験を行った場合にも、同様の効果が
認められた。
を用い、筒状部材4の内表面を、予め昇華法を用いてS
iC多結晶5で被覆した。この筒状部材4及び種結晶3
をルツボ1内に配置して、SiC原料粉末2を充填し
て、不活性ガス減圧下:約1Torr、ルツボ温度:約
2300℃、温度勾配:12℃/cm一定の条件で、約2
4時間加熱して、単結晶成長を行った。成長量は約12
mmであった。得られた単結晶の断面観察の結果、主に成
長初期に管状、クラック状欠陥が多く観察された。こう
した欠陥は成長後期にも伝播しており、均質な単結晶を
得る事が出来なかった。この原因は温度勾配が大き過ぎ
たために、特に成長初期に温度変動、Si/C比の揺ら
ぎに起因したSi液滴の生成や積層の揺らぎや黒鉛微粒
子の混入を防止する事が困難であったためと考えられ
る。
を用い、筒状部材4の大きさを変更して、上記図2にお
ける角度θが、θ=49.6°となる範囲が多結晶5で
被覆されるようにした。このとき、種結晶3の直径S=
10mm、筒状部材4の上端面(内表面)の幅W=7mm、
側面(内表面)の高さH=20mmとした。上記実施例1
と同様の条件で種結晶3上に単結晶を成長させる実験を
行い、得られた単結晶の断面観察を行った。その結果、
成長初期に多く発生する欠陥の発生が抑えられ、成長開
始から終了まで均質な単結晶が得られた。また、被覆法
として昇華法、CVD法のいずれを用いた場合も、被覆
する代わりにSiC焼結体、SiC反応焼結体を用いた
場合も同様の効果が得られた。
黒鉛ルツボ1を用い、該ルツボ1内に筒状部材4および
SiC原料粉末2を配設した後、種結晶3を蓋体12に
貼付する前に、実施例1と同様の結晶成長条件で加熱を
行って、筒状部材4表面およびルツボ1内壁にSiC多
結晶を堆積させた。その後、SiC種結晶3を貼付し、
さらに原料粉末2を新品と交換して、上記実施例1と同
様の条件で種結晶3上に単結晶を成長させた。得られた
単結晶の断面観察の結果、成長初期に多く発生する欠陥
の発生が抑えられ、成長開始から終了まで均質な単結晶
が得られた。
1において、上記筒状部材4を配置することなく、上記
実施例1と同様の条件で種結晶3上に単結晶を成長させ
る実験を行った。成長量は約10mm/24時間と同程度
であったが、得られた単結晶を断面観察した結果、主に
成長初期に致命的な管状、クラック状欠陥が多く観察さ
れた。こうした欠陥は成長後期にも伝播しており、均質
な単結晶を得ることができなかった。この原因は、成長
初期に顕著である温度変動、Si/C比の揺らぎに起因
したSi液滴の生成や成長端面の局所的にSiCを含む
気相種の未飽和状態による炭化層形成や黒鉛微粒子の混
入を防止することが困難であったためと考えられる。こ
れに対して本発明方法によれば、主に成長初期に発生す
る致命的な欠陥を防止でき、従って、欠陥の少ない高品
質な炭化珪素単結晶を再現性よく製造することができ
る。
1において、上記筒状部材4を配置することなく、上記
実施例2と同様な条件で種結晶3上に単結晶を成長させ
る実験を行った。成長量は約12mm/24時間であっ
た。得られた単結晶の断面観察の結果、主に成長初期に
致命的な管状、クラック状欠陥が多く観察された。こう
した欠陥は成長後期にも伝播しており、均質な単結晶を
得る事が出来なかった。この原因は温度勾配が大き過ぎ
たために、特に成長初期に温度変動、Si/C比の揺ら
ぎに起因したSi液滴の生成や積層の揺らぎや黒鉛微粒
子の混入を防止する事が困難であったためと考えられ
る。これに対して本発明によれば、主に成長初期に発生
する致命的な欠陥を防止でき、従って、欠陥の少ない高
品質な炭化珪素単結晶を再現良く製造する事が出来る。
示す全体概略断面図である。
晶で被覆される領域を説明するための図である。
反応容器構造の他の例を示す全体概略断面図である。
構造を示す全体概略断面図である。
略断面図である。
他の例を示す全体概略断面図である。
他の例を示す全体概略断面図である。
他の例を示す全体概略断面図である。
他の例を示す全体概略断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 反応容器内に配した種結晶に製造しよう
とする単結晶の原料ガスを供給し、該種結晶上に単結晶
を成長させる単結晶の製造方法において、上記種結晶の
成長表面と原料供給部の間に形成される単結晶成長空間
を取り囲むように、製造しようとする単結晶と同種の多
結晶、焼結体または反応焼結体を配置し、その状態で単
結晶を成長させることを特徴とする単結晶の製造方法。
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JP32105296A JP3725268B2 (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 単結晶の製造方法 |
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