JP4514339B2 - 炭化珪素単結晶の成長方法及び装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶の成長方法及び装置 Download PDF

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伸幸 永戸
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    • C30B29/36Carbides

Description

関連出願との関係
本出願は1999年1月11日に出願された米国仮出願第60/115497号の優先権の利益を主張するものである。
技術分野
本発明は炭化珪素単結晶の成長方法及び装置に関し、特に種結晶上に高品質で結晶口径の大きな炭化珪素単結晶を成長する方法及び装置に関する。炭化珪素は熱的、化学的に非常に安定であり、かつエネルギーバンドギャップが広い特徴を持つ半導体材料であり、高温下でも使用可能な耐環境素子材料、耐放射線素子材料、電力制御用パワー素子材料、短波長発光素子材料等に利用できる。
背景技術
炭化珪素単結晶を製造する方法として、通常、昇華法が用いられている(特表平3−501118号公報)。昇華法では、黒鉛製ルツボ内に炭化珪素原料粉末と炭化珪素単結晶である種結晶基板とを対向させて配置し、そのルツボを不活性ガス雰囲気中で1800〜2400℃に加熱し、加熱により炭化珪素原料粉末を分解させた後ガス化させることにより発生させた昇華化学種を、結晶成長に適した温度域に保持された種結晶基板表面に到達させることによって単結晶をエピタキシャルに成長させる。
単結晶から素子を作製する際の単結晶の有効利用等の利点から、炭化珪素単結晶は欠陥の少ないものが望まれている。
従来の方法で作成された結晶内部には、通常、欠陥が多数存在することがある。欠陥生成原因の一つは次ぎのように考えられる。特開平9−110584号公報およびphys.stat.sol(b)vol.202,177−200(1997)に記載のように、種結晶の裏面とその保持部材の間に隙間があると種結晶の裏面の隙間より結晶成分の昇華が起こり(以下「裏面昇華」という。)、その結果種結晶および成長した結晶の欠陥の原因となる。この欠陥生成を防止するために種結晶と保持部材の密着性を向上させるべく高分子接着材により接着したあとに加熱炭化する方法がとられている(たとえば特開平9−110584号公報)。しかし、高分子材料は本質的に炭化時に気体発生や体積収縮があるため十分に緻密な炭化層を形成できず隙間が発生し、欠陥抑制が十分にできないのが現状である。またMater.Sci.Engineering B57,228−233(1999)に記載のように、タンタル部材を成長容器内に設置することにより裏面昇華を防止する試みがなされているが、珪素と炭素以外の物質を成長容器内で用いると、それらが結晶中に不所望な不純物として取り込まれ、結晶の品質を低下させる要因になる可能性となっている。
そのため、結晶欠陥の原因となる裏面昇華を抑制して、欠陥の少ない不所望な不純物の少ない高品質の炭化珪素単結晶、その製造方法およびその製造装置が望まれている。
結晶欠陥生成のもう一つの原因は次ぎのように考えられる。長時間結晶成長を続けていると、ルツボ上部内壁から成長してくる多結晶により種結晶上に成長した単結晶周辺が覆われることによりその単結晶に歪みが発生して欠陥の原因となる。また、これらの多結晶は単結晶の口径拡大の阻害要因となる。ルツボ上部内壁から成長してくる多結晶により種結晶上に成長した単結晶周辺が覆われるのを抑えて結晶を製造したり単結晶を大口径に製造するために、現状では、(1)真空Vol.30(1987)に記載のように、黒鉛ルツボの蓋部に種結晶基板を張り付け、種結晶基板周辺部からルツボ内壁を離し、結晶が拡大したときに内壁に接触しないようにして、結晶口径拡大阻害要因を除去する方法、(2)結晶口径拡大のために、種結晶基板から0.1〜2.0mmの位置に種よりわずかに小さい開口部を有する仕切板をルツボ内に取り付ける方法(特開平2−30699号公報)が用いられている。また、種結晶基板に対しての付加的な冷却により、反応容器中の種結晶基板と炭化珪素原料粉との勾配を制御する方法(特公昭63−57400号公報)があるが、結晶口径の拡大については記述されていない。
しかしながら、これらの方法を採用しても、結局、多結晶の成長の速度が速いために単結晶に追いついた時点で結晶の拡大が停止してしまうために限界があった。更に成長を継続させるためには、覆っている多結晶部を切断などにより除去することが必要となり、作業工程が増え、結晶の生産効率が低くなってしまうという問題点もあった。さらに単結晶が多結晶に覆われると、単結晶が大口径に成長できないという問題もあった。また、成長容器上部内壁と種結晶の距離を離す方法では、製造条件によっては種結晶が昇華してしまうという問題が発生することもあった。
本発明はこれらの状況を鑑みてなされたもので、欠陥が少ない品質の大口径の炭化珪素単結晶、その製造方法およびその製造装置を提供することを目的としている。
発明の開示
上記目的を達成するために本発明は下記を提供する。
(1)成長容器内に炭化珪素種結晶を保持し、
炭化珪素種結晶の第1の表面側に炭化珪素形成ガス供給部を設け、
炭化珪素形成ガス供給部から炭化珪素形成ガスを炭化珪素種結晶の第1の表面に供給し、かつ、炭化珪素種結晶の第1の表面が第1の温度を有し、炭化珪素形成ガス供給部が前記第1の温度より高い第2の温度を有し、よって、炭化珪素種結晶の第1の表面上に炭化珪素単結晶が成長し、
その際、炭化珪素種結晶が第1の表面と反対側に第2の表面を有し、炭化珪素種結晶の第2の表面の外側近傍において、炭化珪素種結晶の第1の表面から第2の表面に向かう方向の温度勾配がゼロ又は正の値を持つようにする、
ことを含む炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶を成長する方法。
(2)炭化珪素種結晶の前記第2の表面に隣接して、炭化珪素種結晶を保持する保持部材が存在する、(1)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(3)前記温度勾配がゼロ又は正の値を持つ領域が、炭化珪素種結晶の前記第2の表面を起点として、炭化珪素種結晶の第1の表面から第2の表面に向かう方向において、少なくとも1mmの長さを有する、(1)又は(2)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(4)前記温度勾配が0〜20℃/cmの範囲内である、(1)〜(3)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(5)炭化珪素種結晶の第1の表面が第1の温度を有し、炭化珪素種結晶の周囲の成長容器の壁面の温度が前記第1の温度より高い第3の温度を有する、(1)〜(4)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(6)前記第3の温度が前記第1の温度より10〜400℃高い、(5)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(7)前記炭化珪素形成ガス供給部において、炭化珪素粉末を加熱して炭化珪素が昇華される、(1)〜(6)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(8)前記炭化珪素形成ガス供給部において、珪素原料からの蒸発ガスを加熱された炭素中を通して炭化珪素形成ガスが形成される、(1)〜(6)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(9)前記第1の温度が1500〜2500℃の範囲内の温度である、(5)〜(8)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(10)縦型の成長容器を用い、成長容器の炭化珪素種結晶の上方及び下方に選択的に加熱手段を配置し、又は成長容器の炭化珪素種結晶の上方及び下方にそれらの間の炭化珪素種結晶付近より高温に加熱する加熱手段を配置して、よって、炭化珪素形成ガス供給部を炭化珪素種結晶の第1の表面より高温にし、かつ前記温度勾配をゼロ又は正の値にすると共に、任意に、炭化珪素種結晶の周囲の成長容器の壁面の温度を炭化珪素種結晶の第1の表面より高い温度にする、請求項1記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(11)前記第1の温度が1900〜2300℃であり、前記温度勾配が0〜20℃/cmの範囲内であり、炭化珪素種結晶の第2の表面に向った成長容器の壁面の温度が前記第1の温度より高い第3の温度を有し、前記第3の温度が前記第1の温度より50〜300℃高い温度である、(1)〜(10)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(12)炭化珪素種結晶上に成長する炭化珪素単結晶が、成長結晶の厚み方向と垂直な方向の幅が拡大しながら成長する、(1)〜(11)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(13)炭化珪素種結晶上に成長する炭化珪素単結晶が、成長結晶の厚み方向と垂直な方向の幅が実質的に同一で成長する、(1)〜(12)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(14)炭化珪素種結晶上に成長する炭化珪素単結晶が、成長結晶の厚み方向と垂直な方向の幅が拡大しながら成長した後、その幅が実質的に同一で成長する、(1)〜(12)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(15)成長容器内に炭化珪素種結晶を保持し、
炭化珪素種結晶の第1の表面側に炭化珪素形成ガス供給部を設け、
炭化珪素形成ガス供給部から炭化珪素形成ガスを炭化珪素種結晶の第1の表面に供給し、かつ、炭化珪素種結晶の第1の表面が第1の温度を有し、炭化珪素形成ガス供給部が前記第1の温度より高い第2の温度を有し、よって、炭化珪素種結晶の第1の表面上に炭化珪素単結晶を成長させ、
その際、炭化珪素種結晶の第1の表面が第1の温度を有し、炭化珪素種結晶の周囲の成長容器の壁面の温度が前記第1の温度より高い第3の温度を有する、
ことを含む炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶を成長する方法。
(16)成長容器の容器壁から成長容器内に突出してその先端部で炭化珪素種結晶を保持する保持部材を設け、前記保持部材は前記容器壁を貫通しており、かつ、前記保持部材は前記周囲容器壁より放熱性が高いことにより、前記第3温度が前記第1の温度より高い、(15)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(17)前記保持部材にその放熱方向の熱伝導度が他の方向より高い熱伝導度異方性のある炭素材料を用いて、前記保持部材を前記周囲容器壁より放熱性を高くする、(15)又は(16)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(18)前記第3の温度が前記第1の温度より10〜400℃高い、(15)〜(17)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(19)成長容器内に炭化珪素種結晶を保持し、
炭化珪素種結晶の第1の表面側に炭化珪素形成ガス供給部を設け、
炭化珪素形成ガス供給部から炭化珪素形成ガスを炭化珪素種結晶の第1の表面に供給し、かつ、炭化珪素種結晶の第1の表面が第1の温度を有し、炭化珪素形成ガス供給部が前記第1の温度より高い第2の温度を有し、よって、炭化珪素種結晶の第1の表面上に炭化珪素単結晶を成長させ、
その際、炭化珪素種結晶の前記第1の表面と反対側の第2の表面に対向する成長容器の第1の容器壁から成長容器内に突出してその先端部で炭化珪素種結晶を保持する保持部材を設け、前記保持部材は前記第1の容器壁を貫通しており、かつ、前記保持部材は前記容器壁より放熱性が高い、
ことを含む炭化珪素単結晶の成長方法。
(20)前記保持部材にその放熱方向の熱伝導度が他の方向より高い熱伝導度異方性のある炭素材料を用いて、前記保持部材を前記第1の容器壁より放熱性を高くする、(19)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(21)前記第1の容器壁に、その放熱方向の熱伝導度が他の方向より低い熱伝導度異方性のある炭素材料を用いる、(19)又は(20)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(22)前記保持部材及び前記第1の容器壁に用いた熱伝導度異方性のある前記炭素材料がいずれもパイログラファトカーボンである、(19)〜(21)記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
(23)成長容器と、
成長容器内に第1の表面とそれと反対側に第2の表面を有する炭化珪素種結晶を保持する手段と、
炭化珪素種結晶の第1の表面側に設けられ、炭化珪素種結晶の第1の表面に炭化珪素形成ガスを供給する炭化珪素形成ガス供給部と、
炭化珪素形成ガス供給部を加熱して炭化珪素形成ガス供給部を第2の温度にする第1の加熱手段と、第2の温度は炭化珪素種結晶の第1の表面の第1の温度より高い、
成長容器の炭化珪素種結晶の第2の表面側の部位を加熱する第2の加熱手段と、炭化珪素種結晶の第1の表面の外側近傍において、炭化珪素種結晶の第1の表面から第2の表面に向かう方向の温度勾配がゼロ又は正の値を持つ、
を具備する、炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶を成長する装置。
(24)前記炭化珪素形成ガス供給部において、炭化珪素粉末を加熱して炭化珪素を昇華させて炭化珪素形成ガスを形成する、(23)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(25)前記炭化珪素形成ガス供給部において、珪素原料からの蒸発ガスを加熱された炭素中を通して炭化珪素形成ガスを形成する、(23)又は(24)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(26)前記温度勾配を0〜20℃/cmの範囲内とする、(23)〜(25)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(27)炭化珪素種結晶の第1の表面が第1の温度を有し、炭化珪素種結晶の周囲の成長容器の壁面の温度を前記第1の温度より高い第3の温度とする、(23)〜(26)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(28)前記第3の温度を前記第1の温度より10〜400℃高くする、(23)〜(27)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(29)成長容器と、
成長容器内に第1の表面とそれと反対側に第2の表面を有する炭化珪素種結晶を保持する手段と、
炭化珪素種結晶の第1の表面側に設けられ、炭化珪素種結晶の第1の表面に炭化珪素形成ガスを供給する炭化珪素形成ガス供給部と、
炭化珪素形成ガス供給部を加熱して炭化珪素形成ガス供給部を第2の温度にする第1の加熱手段と、第2の温度は炭化珪素種結晶の第1の表面の第1の温度より高い、
ここに、炭化珪素種結晶の周囲の成長容器の壁面の温度は炭化珪素種結晶の第1の表面の温度より高い温度である、
を具備する、炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶を成長する装置。
(30)前記炭化珪素種結晶保持手段の放熱性を、前記炭化珪素種結晶保持手段が貫通する成長容器の容器壁よりも放熱性が高い部材で構成し、よって、炭化珪素種結晶の第2の表面と対向する成長容器の壁面の温度を炭化珪素種結晶の第1の表面の温度より高い温度にする、(29)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(31)前記炭化珪素種結晶保持手段がその放熱方向の熱伝導性が他の方向より高い熱伝導異方性を有する炭素材料で形成されている、(29)又は(30)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(32)炭化珪素種結晶の周囲の成長容器の壁面の温度が炭化珪素種結晶の第1の表面の温度より10〜400℃高い温度である、(29)〜(31)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(33)成長容器と、
成長容器内に第1の表面とそれと反対側に第2の表面を有する炭化珪素種結晶を保持する手段と、
炭化珪素種結晶の第1の表面側に設けられ、炭化珪素種結晶の第1の表面に炭化珪素形成ガスを供給する炭化珪素形成ガス供給部と、
炭化珪素形成ガス供給部を加熱して炭化珪素形成ガス供給部を第2の温度にする第1の加熱手段と、第2の温度は炭化珪素種結晶の第1の表面の第1の温度より高い、
ここに、前記炭化珪素種結晶保持手段は、成長容器の容器壁より成長容器内に突出しかつ容器壁を貫通しており、かつ炭化珪素種結晶の第1の表面と反対側の第2の表面と対向する成長容器の第1の容器壁よりも放熱性が高い部材で構成される、
を具備する、炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶を成長する装置。
(34)前記炭化珪素種結晶保持手段がその放熱方向の熱伝導性が他の方向より高い熱伝導異方性を有する炭素材料で形成されている、(33)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(35)前記炭化珪素種結晶保持手段が貫通する成長容器の容器壁がその放熱方向に他の方向より熱伝導性の熱伝導異方性を有する炭素材料で形成されている、(33)又は(34)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
(36)前記炭化珪素種結晶保持手段及び前記炭化珪素種結晶保持手段に隣接する成長容器の容器壁をそれぞれ形成する熱伝導異方性を有する炭素材料が、いずれもパイログラファイトカーボンである、(33)〜(35)記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
発明を実施するための最良の形態
本発明の第1の側面によれば、種結晶の裏面より、種結晶から遠ざかる方向の温度が高くなるような温度分布、またはこれらの温度が同じ温度になる様な温度分布、すなわち種結晶からその裏面から遠ざかる方向又は保持部材側への温度勾配がゼロまたは正の傾きを持つこと、すなわち温度勾配が負にならないようにすることにより、裏面昇華を防止し、欠陥の少ない結晶を得ることができる。
例えば昇華法による炭化珪素単結晶を作成するような温度、圧力条件では、炭化珪素は容易に分解、ガス化する状態にある。炭化珪素からは分解、ガス化によりSi,SiC,SiC等の珪素及び/又は炭素よりなるガス、即ち昇華化学種が発生する。温度が高いほどこれらの昇華化学種の蒸気圧は高くなる。従って温度に差があると、高温部の方が低温部より蒸気圧が高くなり、温度に従った昇華化学種の濃度差が生じ、その濃度差を駆動力に昇華化学種が高温部から低温部に移動し、過飽和となった低温部に炭化珪素が析出する。結果的に高温部から低温部の方向に炭化珪素が移送されたことになる。
本発明者らは、裏面昇華の大きな原因は、この温度差による炭化珪素の移送であることを見い出した。すなわち、従来の方法では例えばinst.phys.conf.ser.No142:chapterl 11−15(1996)に記載のように、種結晶裏面がその保持部材側より高温になるような温度勾配を有しているために、種結晶裏面から保持部材の方向に炭化珪素(昇華化学種として)が移送され、種結晶裏面には炭化珪素が移送された痕として空隙が生じる。生じた裏面の痕の底部と保持部材表面の間には空隙を介して更により大きな温度差があるために、移送が加速されて移送の痕が深さ方向に成長する。更に炭化珪素が移送され続けると、成長した結晶内部にまで空隙、孔が生じ、この孔がパイプ状欠陥になるのである。裏面昇華はパイプ状欠陥以外にも成長した結晶中に発生する面状欠陥の原因の一つにもなっている。
従って、本発明の第1の側面により、種結晶の裏面において、その裏面から遠ざかる方向、通常は保持部材が存在する側の温度を高くするか、少なくとも同一の温度とすることにより、裏面昇華を防止し、欠陥の少ない高品質の炭化珪素単結晶を得ることが可能にされる。
本発明の第1の側面の目的を達成するために必要な上記の温度勾配を有する領域の距離としては、種結晶の裏面からの炭化珪素の昇華、移送が起こらないようにすればよいので、その温度勾配を有する領域の温度勾配方向の長さが例えば1mmもあれば十分であるが、好ましくは5mm以上であり、実用的には加熱方法に依存するので1〜2cm以上である。
本発明の目的を達成するための上記の温度勾配の値は特に限定されず、加熱方法、手段などに依存するが、一般的には0〜20℃/cmの範囲内である。好ましくは2〜20℃/cm、より好ましくは5〜20℃である。ゼロ又は正の温度勾配をより確実にするためである。
種結晶の裏面は、通常、保持部材に接しているので、その場合には、本発明における上記の温度勾配は種結晶の裏面から保持部材側への温度勾配である。種結晶は保持部材に対して結合剤を用いて接着するが、機械的手段によって保持してもよい。種結晶の裏面が保持部材と接合している必要は必ずしもない。種結晶と保持部材の間に隙間や張り付け用の炭素層等が存在する場合は、隙間や貼り付け用の炭素層等を保持部材の一部と見なして温度勾配を考えることにより空隙が有っても裏面昇華を抑えることができる。
本発明において用いる種結晶(あるいは「種結晶基板」ともいわれるが本明細書では「種結晶」という。)は、成長させたい結晶と同じ結晶構造のものを用いることが望ましい。成長結晶面は、どのような面方位でも利用できる。例えば、C軸垂直面({0001}
Figure 0004514339
どを用いることができる。種結晶の基板表面を研磨して、平坦化して用いれば、成長単結晶の品質を向上できるので望ましい。種結晶の寸法は特に限定されないが、一般的に0.1〜5mmの厚さのものが用いられる。形状は円板状が一般的であるが、限定されるわけではない。
大口径で高品質の炭化珪素単結晶が世の中で望まれている。結晶成長を開始するには、炭化珪素砥粒を作成するアチソン法で副生する炭化珪素単結晶片等を一般に種結晶として使用するが、これらは大きさが1センチ角程度の小さいものしか得られず、実用となる5センチ程度以上の口径の炭化珪素単結晶を得るためには、種結晶を拡大しなければならない。本発明は種結晶を拡大する工程に適用することができる。口径拡大工程においては、所望の口径になるまで口径の拡大は続けられるが、所望の口径になる前に口径の拡大が停止した場合は、一度成長を止め、結晶を切断し新たにルツボ内に設置して再度結晶口径の拡大を行うという手順を繰り返さなければならない。また、所望の口径拡大が達成できた後は、一度結晶成長を止め、結晶を切断した後再設置またはそのまま引き続き結晶成長を行い結晶を長尺化し、大口径で長尺の単結晶インゴットを得ることも可能である。長尺化の工程に本発明を適用すると裏面昇華が抑制され、多結晶による応力も抑制されるので、高品質の結晶が作成できる。
本発明に用いる炭化珪素形成ガスは、SiとCを含み、種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させうるガスであればよいが、好適には、Si,SiC,SiCの如く、Si及び/又はCのみを構成元素とし、かつSiとCの両方を含むガス又はこれらの混合物である。ガス又はガス混合物の平均組成がSiCの化学量論比であることは必須ではないが、それに近いことが好ましい。従って、炭化珪素を加熱し昇華させて発生されるガス、あるいは珪素を加熱して発生させた蒸気を加熱された炭素中を通して形成されるガスが特に好適に使用される。珪素原料が融解、気化し、炭素原料と反応し、ガスが発生する温度以上に加熱された炭素原料上に、珪素原料を供給して発生させたガスを用いることもできる。
種結晶の温度、特に結晶成長面の温度は、1500〜2500℃の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは1700〜2300℃の範囲内、さらに好ましくは1900〜2300℃の範囲内である。このとき、炭化珪素形成ガス供給部は、種結晶の結晶成長表面の温度より高い温度、好ましくは5〜400℃高い温度、より好ましくは10〜200℃高い温度とする。炭化珪素形成ガス供給部と種結晶表面に温度差があることにより、炭化珪素形成ガスの飽和蒸気圧の差が生じ、炭化珪素供給部の高濃度の炭化珪素形成ガスが種結晶表面付近に移動してきて種結晶表面に炭化珪素結晶として析出(結晶成長)する。また、その結果として、上記の温度差が、炭化珪素単結晶の成長に用いる容器(本明細書において、単に「成長容器」という。)内の炭化珪素形成ガスの移動、及び成長容器内で炭化珪素形成ガスの発生の駆動力となる。従って、炭化珪素形成ガス供給部及び種結晶の上記温度及び温度差は、このような炭化珪素形成ガスの発生、移動、析出を最適するように選択されるものである。
種結晶を用いる炭化珪素単結晶成長装置において、上記のような温度分布を実現するためには、一般的な縦型の成長容器で説明すると、成長容器の種結晶より下方に炭化珪素形成ガス供給部を配置し、かつ種結晶より上方と下方にそれぞれ別の加熱手段(発熱部)を配置して成長容器を加熱すれば、炭化珪素形成ガス供給部が種結晶より高温になると共に、種結晶の温度よりもその上方の温度が高温になることにより、種結晶の裏面から上方に向って温度勾配をゼロ又は正の値にすることが可能である。あるいは、成長容器の全体に加熱手段(発熱部)を配置してもよく、種結晶部と比べてその上下をより高温になるように加熱手段あるいは冷却手段を工夫すればよい。同様の構成を横型の成長容器でも用いることができる。
本発明の第1の側面に従う炭化珪素単結晶の成長方法及び装置を用いることにより裏面昇華が防止でき、また長時間結晶成長を続けても、種結晶基板から成長する単結晶の周辺が成長容器上部内壁から成長してくる多結晶に覆われることがないので、歪みや欠陥の少ない高品質で結晶口径の大きな炭化珪素単結晶を製造することが出来る。
本発明の第2の側面によれば、種結晶の表面温度より種結晶周辺部の成長容器の温度を相対的に高くすることにより、種結晶を設置していない種結晶周辺部の成長容器内壁に成長する多結晶の成長速度が抑制され、種結晶上に成長する単結晶が周辺から成長する多結晶に囲まれることを防止でき、その結果単結晶の歪みを抑えることができることも見い出された。
例えば、昇華法において原料炭化珪素から結晶への昇華化学種の移動速度の要因の一つは、原料炭化珪素近傍と種結晶基板表面近傍との間における昇華化学種の濃度差である。濃度差が発生する原因の一つは原料炭化珪素と種結晶表面との温度差である。すなわち、成長容器内壁の中の温度のより低い部分は他の部分より原料炭化珪素との温度差がより大きくなるため、昇華化学種のより大きな濃度差が発生し昇華化学種の供給速度がより大きくなる。その結果、成長容器内壁の中の温度のより低い部分は結晶の成長速度がより大きくなると考えられる。更に、成長容器上部内壁の各部位で温度分布があると、温度の高い方から低い方への物質移動も起こるため、より温度の低い部分はより成長速度が大きくなると考えられる。そこで、本発明によれば、種結晶部に成長する単結晶とその他の内壁に成長する多結晶とのそれらの部位に温度分布を付けることにより、それぞれの部位での結晶核の発生及び結晶成長速度を制御して、種結晶上に成長する単結晶が周辺から成長する多結晶により囲まれて、単結晶に歪みを生じることを防止するものである。
この方法によれば、多結晶による炭化珪素単結晶の口径拡大を阻害することがないので、拡大を効率的に行なうことができ、工程を簡単化できる利点がある。口径拡大後は、所望であれば、長尺の高品質の単結晶に成長させることもできる。
種結晶の周囲壁面における多結晶の成長を抑制するためには、種結晶の成長表面と比べて周囲容器壁の温度を10〜400℃以上高く、好ましくは50〜300℃高くする。ある程度の温度差がないと炭化珪素の析出、成長の速度を制御する効果がないが、温度差をあまり大きくしても効果は飽和する。
種結晶の周囲壁面のうちでも、実際には、種結晶の裏面側に存在する容器壁から成長する多結晶が問題である。特に、種結晶の裏面に対向(opposite又はparallel)する容器壁の温度が重要であり、その容器壁の温度を上記のように種結晶より10〜400℃以上高温にすることにより、種結晶の裏面側を含む周囲の容器壁からの多結晶の成長を防止、抑制することができる。成長容器の種結晶より炭化珪素形成ガス供給部側は、種結晶より高温にされており、常に周囲容器壁の温度が種結晶より高温である。種結晶の裏面側で一番低温になるのは一般的には種結晶の裏面に対向する容器壁なので、ここを種結晶より高温にすれば、種結晶の周囲の温度はどこも種結晶より高温にすることができるからである。
本発明の第1の側面で述べたように、種結晶に対して裏面側の温度勾配をゼロ又は正の値にする場合、一般的には、種結晶の温度よりも種結晶の裏面側の容器壁の温度が高温になるので、種結晶の裏面側の多結晶の成長を抑制する目的も達成される場合が多いが、本発明の第2の側面の目的を達成するためには、種結晶の特に結晶成長表面の温度と裏面側の容器壁面の温度との間に確実に温度差を設けることが必要である。この目的は成長容器の形状や加熱及び冷却手段を工夫して達成することができる。
炭化珪素形成ガス供給部と種結晶の裏面側を加熱する場合、種結晶の位置が最も低い温度になるようにすることが望ましい。
種結晶と比べて周囲の容器壁の温度を高くする方法は、上記の如く容器内を加熱する方法の調整によることができるが、そのほかに、種結晶からの放熱性を周囲容器壁からの放熱性より高くすることによっても達成可能である。すなわち、種結晶の保持部材に容器壁よりも熱伝導度の高い部材を用いれば、種結晶の冷却が進んで周囲容器壁よりも低い温度を実現することができる。
また、このように種結晶の保持部材の放熱性を高くする場合には、種結晶の温度が周囲の温度より必ずしも低くない場合でも、種結晶の温度が周囲容器壁の温度と近づくので、相対的に容器壁面への多結晶炭化珪素の析出成長を抑制する効果があり、炭化珪素単結晶の高品質化、大口径化に有用である。従って、このような放熱性の部材を用いる発明は、温度分布と関わりなく、独立した本発明の1側面をなす(第3の側面)。
本発明において用いられる成長容器は、原料を収容し加熱する部分、或いは珪素と炭素を収容し加熱して炭化珪素を反応成長する部分は、炭素材、通常黒鉛が好適に使用されるが、炭素材であれば結晶質から非晶質のものまであらゆるものが利用できる。また成長容器の種結晶を保持する部材及び周辺部材には炭素材であれば結晶質から非晶質のものまであらゆるものが利用できる。保持するには、種結晶を保持部材に張り付けたり機械的に結合する方法がある。
ここで、種結晶を保持する部材にその周辺部材より放熱性の高い部材を用いることで部分的に放熱性の異なる部分をつくり、内壁部に部分的に低温部をつくる場合を説明する。放熱性の異なる材料とは、等方性材質の場合はその材質自体が持つ熱伝導度が異なるものを示し、異方性材質の場合は、その材質自体が持つ熱伝導度が異なるものに加え、同一の材質でも異なる材料組織の方向を組み合わせたものも含む。ここで、放熱性の高い部分と低い部分の熱伝導度の比は、1.1以上1000以下が望ましい。より好ましくは、2以上500以下、更に好ましくは、5以上300以下が望ましい。1.1未満では十分な放熱性の差異が得られず十分な温度分布が制御できない。また、1000を越えると放熱性の差異が大きく温度差が大きくなりすぎて結晶に歪みが発生しやすくなる。放熱性の異なる材料を組み合わせたときに、材料間の隙間をできるだけ少なくし、成長ガスがリークするのを防止することが原料有効利用の点で望ましい。
異方性材料についてさらに説明すると、材料として熱伝導度の異方性を持つパイログラファイトカーボン(C軸垂直方向熱伝導度2000W/m−1−1、C軸平行熱伝導度9.5W/m−1−1(300K))を用いることが好ましい。この場合例えば、種結晶を保持した部材に、異方性材料を成長容器内部から外部への方向にC軸垂直方向を合わせて用いることにより、種結晶を保持する部分の熱伝導度を、その周辺部分に比べ相対的に大きくし、種結晶からの放熱を促進することで温度分布を制御できる。さらに、その周辺部材に異方性材料を成長容器内部から外部への方向にC軸を平行方向に合わせた方向に配置すると、種結晶を保持した部分の熱伝導度を、その周辺部分に比べより大きくすることができる。熱伝導性に異方性のある炭素材料として、「複合材料を知る辞典」(アグネ115(1982))に記載のような、炭素繊維−炭素複合材料、いわゆるCCコンポジットも用いることができる。
一方、熱伝導度異方性材料を配置した成長容器を用いて外部から内壁内温度を制御する場合は、少なくとも種結晶保持部材に熱伝導度に異方性のある炭素材を熱伝導度が大きい方位と放熱の方向を平行に配置した成長容器、例えば、熱伝導容易性に異方性を持った材料を成長容器内部から外部方向への熱伝導容易性が大きくなるよう、また成長容器内壁面方向への熱伝導容易性が小さくなるように配置した成長容器を用いることが出来る。もちろん成長容器全体に異方性を持った材料を用いる場合も含む。このような成長容器を用いることによって、成長容器に切り込みを入れたり、さらに外部からの付加的な冷却装置を設置する等による成長容器外壁からの局部的な制御によって、従来の等方性均質材料を用いる場合に比べて効率よく成長容器内の温度分布を局部的に制御できる。
ただし、本発明において成長容器に切り込みを入れたり、外部からの付加的な冷却を加えることを排斥するわけではない。
本発明の第2及び第3の側面に従う炭化珪素単結晶の成長方法及び装置を用いることにより、長時間結晶成長を続けても、種結晶から成長する単結晶の周辺が成長容器上部内壁から成長してくる多結晶に覆われることなく、歪みや欠陥の少ない高品質で結晶口径の大きな炭化珪素単結晶を効率よく製造することが出来る。
以下に本発明の実施形態の結晶成長装置の例を図面をもとに説明する。
図1〜図3を参照して本発明の第1の側面で用いる結晶成長装置について説明する。
これらの結晶成長装置に用いられる成長容器は、原料炭化珪素を収容し加熱する部分(図1)或いは珪素ガスと炭素が反応する部分(図2)である炭化珪素形成ガス供給部を構成する黒鉛ルツボ1と、種結晶2を保持する部分及び周辺部分である黒鉛製ルツボ蓋8とで構成される。原料炭化珪素4を収容し加熱する部分或いは珪素ガスと炭素が反応する部分は、黒鉛ルツボ以外でもその材質が炭素材であれば用いることができる。種結晶2を保持する部分及び周辺部分には黒鉛製ルツボ蓋以外でもその材質が炭素材であれば用いることができる。ここで炭素材は結晶質から非晶質のものまであらゆるものを用いることが出来る。種結晶を保持するには、種結晶を保持する部分に貼り付けたり機械的に結合する方法を用いることが出来る。
この成長容器は反応管6内に設置され、その反応管には不活性ガス導入口10とガス排出口9を設けアルゴン等の不活性ガスを導入排出できるようにし、またそれらのバランスにより反応管内の圧力も制御できるようにする。
本発明において用いる種結晶は、成長させたい結晶と同じ結晶構造のものを用いることが望ましい。成長結晶面は、どのような面方位でも利用できる。例えば、C軸垂直面({0001}面)、C軸
Figure 0004514339
ことができる。種結晶表面を研磨して、平坦化して用いれば、成長単結晶の品質を向上できるので望ましい。
この結晶成長装置には成長容器を加熱する加熱源として高周波誘導加熱方式の高周波コイル5を有する。加熱源は成長容器を加熱できるものであれば加熱方式は限定されず、他には抵抗加熱方式などを用いることができる。高周波誘導方式の場合は高周波コイルに通電することにより、誘導電流が成長容器に発生し、成長容器自体が発熱体となり加熱される。抵抗加熱式の場合には、発熱体に通電することにより発熱させ、伝熱、輻射等により成長容器を加熱する。
本発明の温度勾配を実現する方法を鋭意検討した結果、2つ以上の加熱部分を持つ加熱成長装置を用い、それらの加熱部分の間に種結晶を保持することが有効である。具体的には、高周波誘導加熱コイル5の位置を変化させ、裏面昇華の状態との関係を検討して、高周波誘導加熱コイル5間に種結晶2を設置することにより裏面昇華が抑制できることを確認した。一般に高周波誘導加熱、抵抗加熱では、それぞれ高周波誘導加熱コイル、発熱体の付近のみ局部的に加熱され、それらの周辺では温度が低いので、高周波誘導加熱コイル、発熱体を中心にU字型の温度分布を持つことになり、高周波誘導加熱コイルの位置を適正化することにより裏面昇華が抑制できる。また、裏面昇華が起こらない条件で、成長容器側面方向より、種結晶付近の断熱材の表面温度分布を測定すると、種結晶からその保持部材側への温度勾配が正の傾きを持つことを確認した。
2つ以上の加熱部を持つということは、高周波誘導加熱方式では誘導コイルを2つ以上持ち、それぞれを分離した状態で使用することが可能であることを意味し、抵抗加熱方式では発熱体を2つ以上持ち、それぞれを分離した状態で使用することが可能であることを意味する。これらの加熱部は固定式でも可動式でも使用できる。前述のように、種結晶裏面からその保持部材への温度勾配を正にするような位置に種結晶を設置する必要がある。一例として、2つ以上の加熱部を持つ結晶成長装置において、加熱部の間に種結晶を設置することが上記温度勾配を達成することに有効である。一般に加熱部に近い部分は温度が高いので、加熱部間は周辺に比べて温度が低くなっており、種結晶裏面から保持部材への温度勾配を正にし、かつ原料炭化珪素から種結晶表面への温度勾配を負にすることが可能である。また、この配置に種結晶を設置すれば、成長容器内部において種結晶の温度を周辺部と比較し相対的に低くすることができ、種結晶表面上に成長する単結晶の成長速度が周辺部に成長する多結晶の成長速度に比べて相対的に高くなり、単結晶が多結晶に覆われることがなくなり、効率的に結晶口径を拡大することができる。また、種結晶は、内壁側面から距離の離れている、成長容器上部内壁の中央部に設置することが望ましい。
上記のように種結晶の上下に誘導加熱コイルを配置する態様のほかに、種結晶を含む成長容器の全体に誘導加熱コイルを設置した場合でも、種結晶の部分とその両側で異なる温度が発生するように、各部位の誘導加熱コイルのパワーを調整したり、誘導加熱される部材(炭素など)の形状、位置などを調整することによっても、本発明の目的とする温度分布を実現することができる。
種結晶表面の温度は、具体的には1500〜2500℃の範囲が適し、1700〜2300℃が望ましい。種結晶温度が1500℃より低いか、または2500℃より高いと析出結晶は多型混入が起こりやすい。さらに好ましくは1900〜2300℃が望ましい。成長中に種結晶を回転させれば、温度、ガス組成他が均質化し、不所望な結晶の成長の抑制となる。
図1は昇華法を説明するが、種結晶2は炭化珪素原料粉4と接触しないようまたできるだけ炭化珪素原料粉4と近い距離に設置することが、反応ガスの移動の容易性、結晶成長面の清浄保持の点で望ましい。また、結晶が成長するに従い種結晶2又は炭化珪素原料4を移動させて種結晶2と炭化珪素原料粉4の距離を一定に保つことにより、成長条件が安定しより高品質な単結晶を成長させることができる。原料炭化珪素粉は、酸などで洗浄し、不純物をできるだけ除去したものを用いることが成長結晶の品質上望ましい。
本発明によれば、種結晶の裏面昇華と多結晶の生成を抑制する効果があるので、種結晶を設置するすべての炭化珪素単結晶製造方法に用いることが出来る。前述の昇華法以外の別の実施形態の例として、珪素原料ガスと炭素原料を反応させることにより炭化珪素単結晶を製造する方法(以下「珪素ガス炭素反応法」と呼ぶ。)について図2を参照して説明する。
珪素ガス炭素反応法についてはWO99/14405の実施形態に記載の方法等が用いることができる。例えば成長容器内に珪素原料11、炭素原料12(14)を別々に貯留しておき液体珪素を蒸発させて発生させた珪素ガスを移送し炭素層12(14)と反応させ発生したガスを種結晶2上に移送し炭化珪素単結晶3を析出成長させる方法、成長容器内に貯留された炭素層12(14)に成長容器外から珪素ガスを移送し炭素層と反応させ発生したガスを種結晶2上に移送し炭化珪素単結晶3を析出成長させる方法、成長容器内に貯留された炭素層12(14)に成長容器外から液体珪素を直接注入し発生したガスを種結晶2上に移送し炭化珪素単結晶3を析出成長させる方法等が用いることができる。
ここで用いる成長容器は炭素製又はSiとCのみよりなる材料製である。
また、加熱方法、温度制御方法、用いる種結晶およびその取り付けなど他の条件は前述した昇華法と同様な方法を用いることが出来る。
珪素ガス炭素反応法では、種結晶2は、炭素原料12(14)と接触しないよう、またできるだけ炭素原料12(14)と近い距離に設置することが反応ガスの移動、結晶成長面を清浄保持の点で望ましい。珪素ガス炭素反応法において、珪素原料は、結晶欠陥の抑制、価電子制御の容易さから高純度のものを用いることが望ましい。
珪素蒸気は加熱された炭素材12(14)に接触させる。炭素材の材質は無定形炭素から黒鉛まで各種のものを用いることができるが、高品位の炭化珪素を成長させるためには、高純度のものを用いることが望ましい。炭素材の高純度化は、高温焼成やハロゲン系ガスとの反応による不純物除去により達成できる。炭素材は珪素蒸気の接触反応を効率よく起こすために、ガスを通過できる構造であればどのような構造のものでも使用できる。例えば、多孔質の構造体または炭素粉末の充填層で構成することが可能である。多孔質炭素としては通常の炭素板に貫通孔を設けたものでもよいが、気孔率の高い炭素板が接触反応効率の点から好ましい。
接触反応効率をより良くするために炭素材は多段に配置することもでき、ガス流が直線的に通過することなく炭素材に衝突接触するように配置することが望ましい。たとえば、貫通孔を有する通常の炭素板または多孔質炭素板を用いた場合は各炭素板の貫通孔は互いに中心がずれた位置に配置されるのが好ましい。また、炭素粉末を用いた場合は、珪素気相分子と炭素との衝突接触面積を稼ぐために、目皿状の円板上に充填したものを複数段配置することが好ましい。
炭素原料も珪素原料同様消費分を連続的または間欠的に添加することができる。ルツボ内部の雰囲気純度を保つために、粉体を一度予備室に搬送し、予備室を真空引き後、成長雰囲気のガス(例えばアルゴンガス)に置換し、予備室内からルツボ内に炭素粉体を供給するとよい。連続的または間欠的な原料供給の方式は、炭素と珪素両方、珪素または炭素いづれか一方、いづれの方法でも利用可能である。また、炭素と珪素両方とも供給しない方式、即ちバッチ式も利用可能である。
また、図1〜5の態様では、成長容器の内径は種結晶の口径より実質的に大きくされている。これによって、種結晶2の表面に成長する炭化珪素単結晶は厚み方向と共に幅方向にも拡大しながら成長することができる。これによって、高品質大口径の炭化珪素単結晶を製造することが可能である。大口径化した後に、炭化珪素単結晶を口径を変えずに長さ方向のみに成長させることは、成長容器の形状、内径によって制御することができる。
図3に、種結晶の保持部材の放熱性をその周辺部材の放熱性より高くして、種結晶の周辺からの多結晶の成長を抑制した本発明の第2の側面の例を昇華法の場合について示す。
図3の装置はルツボ蓋8,8′を除いて図1と同様の装置である。蓋8,8′は蓋本体8と種結晶2の保持部材8′とからなる。保持部材8′に熱伝導度異方性を有するパイログラファイトカーボンを用い、そのC軸を水平方向にすることにより、種結晶2から保持部材8′を通してルツボの外側へ向う上下方向の熱伝導度が、C軸と垂直な方向よりも1000倍位高くすることができる。そこで、蓋本体8にパイログラファイトカーボンのC軸を上下方向にして用いると、ルツボ蓋8の上下方向の熱伝導度が保持部材8′のそれより1000分の1に小さくできる。その結果、ルツボ蓋8よりも種結晶2の方がより冷却されて、より低温になり、ひいてルツボ蓋8の表面への炭化珪素多結晶の析出成長が防止又は抑制される。ルツボ蓋8はパイログラファイトのほか無定形炭素材を用いても、保持部材8′との放熱性に有意な差を提供することができる。
図4に、図3と同様の種結晶の保持部材を用いた珪素ガス炭素反応法の装置を示すが、その構成は図2の装置本体及び図3の保持部材の例と同様である。
実施例
以下具体例により本発明を説明するが本発明は、これに限定されるものではない。
実施例1
昇華法で製造した場合である。図1に示す装置を用いて実施した。高周波加熱方式を用いた。図1は成長容器の原料を収納し加熱する部分として黒鉛ルツボ1を用いている。種結晶2(6H−SiC単結晶(0001)面、20mm径、厚さ1.0mm)はグラファイト製ルツボ蓋8上で砂糖を融解して接着し、500℃で炭化して貼り付け保持した。種結晶2の結晶成長表面は、ルツボ蓋8の内表面から4mmの距離に位置した。
黒鉛ルツボ1内に、炭化珪素原料粉4(昭和電工製GC−1、#100)を170g収容した。黒鉛ルツボ1は直径60mm、高さ100mmであった。この黒鉛ルツボ1を断熱材7で包み、高周波加熱コイル5内の反応管6内にセットした。高周波コイル5は上下に2つ設置し、それらの中間の位置に種結晶2が位置するように、ルツボをセットした。2つの高周波コイル5の間隔は50mmであったが、種結晶2の表面を上方の高周波コイル5の下端から25mmの位置に置いた。
反応管6内をガス排出口9より排気して0.01torr(1.33Pa)に減圧後、不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した後、再度ガス排出口9より排気し0.0005torr(0.065Pa)まで減圧し、反応管6内の空気を追い出した。不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した。それから、黒鉛ルツボ1を1500℃に昇温し30分間保持する熱処理を行った後、炭化珪素原料粉4の温度を2300℃、種結晶2の温度を2100℃に昇温し、その後ガス排出口9より排気し、アルゴン雰囲気圧を200torr(26.6kPa)に減圧した状態で、炭化珪素単結晶3の成長を行った。温度設定は黒鉛ルツボ1の外壁側の温度を放射温度計を用いて測定し制御した。ルツボ蓋8の外壁面の温度は2130℃であり、種結晶2の温度より30℃高温であることが確認された。温度勾配は平均で15℃/cmである。
成長終了後、ルツボ蓋8の内面を観察したが、種結晶に成長した単結晶の周辺を覆うような多結晶の成長は確認されなかった。
成長した結晶の長さ方向の成長厚みは4.3mm、径方向の成長量は4.1mmであった。ラマン分光測定によるピーク位置、X線回折のピークパターンより6H−SiCであり、他の多型の混入の全くない単結晶であることを確認した。また、成長した結晶を成長方向に平行に切断し、その断面を観察すると、パイプ状の欠陥は少なく、その密度は10個/cmであった。また、面状欠陥は成長単結晶中に観察されなかった。成長した結晶の純度をGDMS(glow discharge mass spectroscorpy)により測定したところ、炭素と珪素以外の元素は3ppm以下であった。
実施例2
珪素ガス炭素反応法で製造した場合である。図2に示す装置を用いて実施した。
図2は成長容器の原料を収納し加熱する部分として黒鉛ルツボ1を用いている。種結晶基板2(6H−SiC単結晶(0001)面、15mm径、厚さ1.0mm)を黒鉛製ルツボ蓋8上に砂糖を融解して接着し、500℃で炭化して貼り付け保持した。ルツボ蓋8の内表面と種結晶2の結晶成長表面との距離は4mmであった。
黒鉛ルツボ1内に図2の様に、珪素原料11(半導体グレードのSi粒)23gを収容した。黒鉛ルツボ1は外径32mm、高さ121mm、肉厚4mmである。黒鉛製ルツボ蓋8から約20mmのところに厚さ約2mmの炭素板14(3mmφ×21個の穴)を炭素粉12を支持するために設置し、その上に炭素粉12(ショーカライザーL 昭和電工製)を2.4g充填した。炭素板14は貫通孔13を有しているものを用いた。この黒鉛ルツボ1を断熱材7で包み、高周波加熱コイル5内の反応管6内にセットした。高周波加熱コイル5は図示のように3つ設置し、種結晶2が2つのコイルの間に位置し、かつ2つのコイルは炭素料12と珪素材料11の位置にあるようにルツボをセットした。種結晶2の結晶成長表面と炭素物層12の表面との距離は40mmであった。また、種結晶2の表面は最も上のコイルの下端から25mmの距離に位置した。
反応管6内をガス排出口9より排気し0.01torr(1.33Pa)に減圧後、不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した後、再度ガス排出口9より排気し0.0005torr(0.065Pa)まで減圧し、反応管6内の空気を追い出した。不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した。黒鉛ルツボ1を加熱しながら、ガス排出口9より排気し10torr(13.3Pa)まで減圧し、珪素原料11の温度を1800℃、炭素粉12の温度を2500℃、種結晶2の温度を2000℃に3時間保持しながら、炭化珪素単結晶3の成長を行った。温度設定は黒鉛ルツボ1の外壁側の温度を放射温度計を用いて測定し制御した。ルツボ蓋8の外壁面の温度は2130℃であり、種結晶の裏面側の平均の温度勾配は15℃/cmであった。
成長終了後のルツボ蓋8の内面を観察しても、種結晶に成長した単結晶の周辺を覆うような多結晶の成長は確認されなかった。
成長した結晶の長さ方向の成長量は4.8mm、径方向の成長量は4.2mmであった。ラマン分光測定によるピーク位置、X線回折のピークパターンより6H−SiCであり、他の多型の混入の全くない単結晶であることを確認した。また、成長した結晶を成長方向に平行に切断し、その断面を観察すると、パイプ状の欠陥は少なく、その密度は10個/cmであった。また、面状欠陥は成長単結晶中に観察されなかった。成長した結晶の純度をGDMS(glow discharge mass spectroscorpy)により測定したところ、炭素と珪素以外の元素は3ppm以下であった。
比較例1
昇華法で製造した場合である。種結晶2(6H−SiC単結晶(0001)面、20mm径、厚さ1.0mm)を黒鉛製ルツボ蓋8に張り付け保持した。
図6を参照すると、黒鉛ルツボ1内に、炭化珪素原料粉4(昭和電工製GC−1、#100)を170g収容した。黒鉛ルツボ1は直径60mm、高さ100mmであった。この黒鉛ルツボ1を断熱材7で包み、高周波加熱コイル5内の反応管6内にセットした。高周波加熱コイル5は1つであり、その上端と種結晶2の結晶成長表面とはほぼ同じ位置にした。
ガス排出口9より排気し反応管6内を0.01torr(1.33Pa)に減圧後、不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した後、再度ガス排出口9より排気し0.0005torr(0.065Pa)まで減圧し、反応管6内の空気を追い出した。不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した。そして、黒鉛ルツボ1を1500℃に昇温し30分間保持する熱処理を行った後、炭化珪素原料粉4の温度を2300℃、種結晶2の温度を2100℃に昇温し、その後ガス排出口9より排気し、アルゴン雰囲気圧を200torr(26.6kPa)に減圧した状態で、炭化珪素単結晶3の成長を行った。温度設定は黒鉛ルツボ1の外壁側の温度を放射温度計を用いて測定し制御した。ルツボ蓋8の外壁面の温度は2000℃であった。また、高周波加熱コイル8の位置から予想されるように、種結晶2の裏面側の温度勾配は負(平均で−50℃/cm)であった。
成長終了後、ルツボ蓋8を開けて観察すると、成長結晶した単結晶の周辺を覆うように多結晶が成長しており、これ以上の単結晶口径拡大のためには多結晶の切断が必要な状態であった。
成長した結晶の長さ方向の成長厚みは3.5mm、径方向の成長量は3.2mmであった。また、成長した結晶を成長方向に平行に切断し、その断面を観察すると、パイプ状の欠陥は非常に多く、その密度は1000個/cmであった。面状欠陥も多数観察された。
実施例3
昇華法で製造した場合である。図3に示す装置を用いて実施した。図3は成長容器の原料を収納し加熱する部分として黒鉛ルツボ1を用いている。種結晶2(6H−SiC単結晶(0001)面、10mm径、厚さ1.0mm)はパイログラファイトカーボン製ルツボ蓋8の保持部材8′に張り付け保持した。パイログラファイトカーボン製ルツボ蓋8は、図3に示したように熱伝導度の異なる方向性を組み合わせたものを用いた。種結晶2を張り付けた保持部材8′は、図3のようにパイログラファイトカーボンのC軸が水平方向になるようにして、黒鉛ルツボ1の内部から外部への熱伝導度が高い部材とした。一方、ルツボ蓋8の本体はパイログラファイトカーボンのC軸を上下方向にして、黒鉛ルツボ1の内部から外部への熱伝導度が低い部材とした。種結晶2の結晶成長表面とルツボ蓋8の本体の内面との距離は4mmであった。
黒鉛ルツボ1内に、炭化珪素原料粉4(昭和電工製GC−1、#100)を170g収容した。黒鉛ルツボ1は直径60mm、高さ100mmであった。この黒鉛ルツボ1を断熱材7で包み、高周波加熱コイル5内の反応管6内にセットした。種結晶2の結晶成長表面は高周波加熱コイル5の上端より20mm下方に位置した。
ガス排出口9より排気し反応管6内を0.01torr(1.33Pa)に減圧後、不活性ガス導入口10よりアルゴンカスを常圧まで充填した後、再度ガス排出口9より排気し0.0005torr(0.065Pa)まで減圧し、反応管6内の空気を追い出した。不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した。そして、黒鉛ルツボ1を1500℃に昇温し30分間保持する熱処理を行った後、炭化珪素原料粉4の温度を2300℃、種結晶2の温度を2100℃に昇温し、その後ガス排出口9より排気し、アルゴン雰囲気圧を200torr(26.6kPa)に減圧した状態で、炭化珪素単結晶3の成長を行った。温度設定は黒鉛ルツボ1の外壁側の温度を放射温度計を用いて測定し制御した。ルツボ蓋8の内壁側の温度は、中心の放熱性の高い部分8′は2100℃であり、その周囲の部分は2150〜2250℃、平均として2200℃であった。
種結晶に成長した単結晶の周辺を覆うような多結晶の成長は確認されなかった。
成長した結晶の長さ方向の成長厚みは4.5mm、径方向の成長量は7.0mmであった。ラマン分光測定によるピーク位置、X線回折のピークパターンより6H−SiCであり、他の多型の混入の全くない単結晶であることを確認した。実施例4
珪素ガス炭素反応法で製造した場合である。図4に示す装置を用いて実施した。
図4は成長容器の原料を収納し加熱する部分として黒鉛ルツボ1を用いている。種結晶基板2(6H−SiC単結晶(0001)面、7mm径、厚さ1.0.mm)をパイログラファイトカーホン製ルツボ蓋8に張り付け保持した。パイログラファイトカーボン(PGカーボン)製ルツボ蓋8は、図4に.PGカーボンのC軸方向で示したように熱伝導度の異なる方向性を持つ部材を組み合わせたものを用いた。種結晶2を張り付けた部材は、図2のように黒鉛ルツボ1内部から外部への熱伝導度が高い部材であった。
黒鉛ルツボ1内に図4の様に、珪素原料11(半導体グレードのSi粒)23gを収容した。黒鉛ルツボ1は外径32mm、高さ121mm、肉厚4mmである。パイログラファイトカーボン製ルツボ蓋8から約20mmのところに厚さ約2mmの炭素板14(3mmφ×21個の穴)を炭素粉12を支持するために設置し、その上に炭素粉12(ショーカライザーL 昭和電工製)を2.4g充填した。炭素板14は貫通孔13を有しているものを用いた。この黒鉛ルツボ1を断熱材7で包み、高周波加熱容器5内の反応管6内にセットした。
ガス排出口9より排気し反応管6内を0.01torrに減圧後、不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した後、再度ガス排出口9より排気し0.0005torrまで減圧し、反応管6内の空気を追い出した。不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した。そして、黒鉛ルツボ1を加熱しながら、ガス排出口9より排気し10torr(13.3Pa)まで減圧し、珪素原料11の温度を1800℃、炭素粉12の温度を2500℃、種結晶2の温度を2000℃に3時間保持しながら、炭化珪素単結晶3の成長を行った。温度設定は黒鉛ルツボ1の外壁側の温度を放射温度計を用いて測定し制御した。
種結晶に成長した単結晶の周辺を覆うような多結晶の成長は確認されなかった。
成長した結晶の長さ方向の成長量は5.0mm、径方向の成長量は7.8mmであった。ラマン分光測定によるピーク位置、X線回折のピークパターンより6H−SiCであり、他の多型の混入の全くない単結晶であることを確認した。
実施例5
昇華法で製造した場合である。黒鉛製ルツボ蓋15を変えた以外は、図3に示した装置を用いて実施した。種結晶2(6H−SiC単結晶(0001)面、10mm径、厚さ1.0mm)を黒鉛製ルツボ蓋15に張り付け保持した。黒鉛製ルツボ蓋15は、種結晶2を張り付けた保持部材8′は高熱伝導度の材料(120kcal/mhr℃)、蓋8の本体部材は低熱伝導度の材料(70kcal/mhr℃)を用い、これらの異なる熱伝導度を持つ材料を組み合わせたものを用いた。
黒鉛ルツボ1内に、炭化珪素原料粉4(昭和電工製GC−1、#100)を170g収容した。黒鉛ルツボ1は直径60mm、高さ100mmであった。この黒鉛ルツボ1を断熱材7で包み、高周波加熱容器5内の反応管6内にセットした。
ガス排出口9より排気し反応管6内を0.01torrに減圧後、不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した後、再度ガス排出口9より排気し0.0005torrまで減圧し、反応管6内の空気を追い出した。不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した。そして、黒鉛ルツボ1を1500℃に昇温し30分間保持する熱処理を行った後、炭化珪素原料粉4の温度を2300℃、種結晶2の温度を2200℃に昇温し、その後ガス排出口9より排気し、アルゴン雰囲気圧を200torrに減圧した状態で、炭化珪素単結晶3の成長を行った。温度設定は黒鉛ルツボ1の外壁側の温度を放射温度計を用いて測定し制御した。黒鉛ルツボ1の内壁側の温度は、中心の高熱伝導度材料の部分8′は2200℃、その周囲の部材は2240〜2280℃、平均で2260℃であった。
種結晶に成長した単結晶の周辺を覆うような多結晶の成長は確認されなかった。
成長した結晶の長さ方向の成長厚みは3.5mm、径方向の成長量は3.2mmであった。ラマン分光測定によるピーク位置、X線回折のピークパターンより6H−SiCであり、他の多型の混入の全くない単結晶であることを確認した。実施例6
昇華法で製造した場合である。図5に示した装置を用いて実施した。図5は成長容器の原料を収納し加熱する部分として黒鉛ルツボ1を用いている。パイログラファイトカーボン製ルツボ蓋16は、その全体を図5にC軸方向を示すように熱伝導度の異方性の大きい方向を黒鉛ルツボ1内部から外部への放熱の方向と合わせてあり、形状による温度制御のため放熱用切れ込み17を入れ、さらに外部からの温度制御として冷却装置(図示せず)を用いた。種結晶2(6H−SiC単結晶(0001)面、10mm径、厚さ1.0mm)をパイログラファイトカーボン製ルツボ蓋16に張り付け保持した。パイログラファイトカーボン製ルツボ蓋16は、図5のように単一な材料のものを用いた。
黒鉛ルツボ1内に、炭化珪素原料粉4(昭和電工製GC−1、#100)を170g収容した。黒鉛ルツボ1は直径60mm、高さ100mmであった。この黒鉛ルツボ1を断熱材7で包み、高周波加熱容器5内の反応管6内にセットした。
ガス排出口9より排気し反応管6内を0.01torrに減圧後、不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した後、再度ガス排出口9より排気し0.0005torrまで減圧し、反応管6内の空気を追い出した。不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した。そして、黒鉛ルツボ1を1500℃に昇温し30分間保持する熱処理を行った後、炭化珪素原料粉4の温度を2300℃、種結晶基板2の温度を2200℃に昇温し、その後ガス排出口10より排気し、アルゴン雰囲気圧を200torrに減圧した状態で、炭化珪素単結晶3の成長を行った。温度設定は黒鉛ルツボ1の外壁側の温度を放射温度計を用いて測定し制御した。黒鉛ルツボ1の外壁面の温度は、切れ込み部17で2200℃、その周囲で2250〜2290℃、その平均で2270℃であった。
種結晶に成長した単結晶の周辺を覆うような多結晶の成長は確認されなかった。
成長した結晶の長さ方向の成長厚みは2.5mm、径方向の成長量は3.0mmであった。ラマン分光測定によるピーク位置、X線回折のピークパターンより6H−SiCであり、他の多型の混入の全くない単結晶であることを確認した。比較例2
昇華法で製造した場合である。均一な熱伝導性(熱伝導度100kcal/mhr℃)を持つ従来技術の黒鉛製の蓋を用いて、図4に示した装置を用いて実施した。種結晶2(6H−SiC単結晶(0001)面、10mm径、厚さ1.0mm)を黒鉛製の蓋に張り付け保持した。
蓋と同材質の黒鉛ルツボ1内に、炭化珪素原料粉4(昭和電工製GC−1、#100)を170g収容した。黒鉛ルツボ1は直径60mm、高さ100mmであった。この黒鉛ルツボ1を断熱材7で包み、高周波加熱容器5内の反応管6内にセットした。
ガス排出口9より排気し反応管6内を0.01torrに減圧後、不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した後、再度ガス排出口9より排気し0.0005torrまで減圧し、反応管6内の空気を追い出した。不活性ガス導入口10よりアルゴンガスを常圧まで充填した。そして、黒鉛ルツボ1を1500℃に昇温し30分間保持する熱処理を行った後、炭化珪素原料粉4の温度を2300℃、種結晶基板2の温度を2100℃に昇温し、その後ガス排出口9より排気し、アルゴン雰囲気圧を200torrに減圧した状態で、炭化珪素単結晶3の成長を行った。温度設定は黒鉛ルツボ1の外壁側の温度を放射温度計を用いて測定し制御した。黒鉛ルツボ1の内壁面の温度は中央部で2100℃、その周囲で2080〜2100℃、その平均で2090℃であった。
単結晶の周辺を多結晶が覆っており、これ以上単結晶の口径拡大をする場合は切断が必要な状態であった。成長した結晶の長さ方向の成長厚みは2.5mm、径方向の成長量は1.2mmであった。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1の側面による昇華法による炭化珪素単結晶の成長装置の断面図、
図2は、本発明の第1の側面による珪素ガス炭素反応法による炭化珪素単結晶の成長装置の断面図、
図3は、本発明の第2の側面による昇華法による炭化珪素単結晶の成長装置の断面図、
図4は、本発明の第2の側面による珪素ガス炭素反応法による炭化珪素単結晶の成長装置の断面図、
図5は、本発明の第2の側面による昇華法による炭化珪素単結晶の成長装置の別の例の断面図、
図6は、従来法による昇華法にもとづく炭化珪素単結晶の成長装置の断面図である。

Claims (12)

  1. 成長容器内に炭化珪素種結晶を保持し、
    炭化珪素種結晶の第1の表面側に炭化珪素形成ガス供給部を設け、
    炭化珪素形成ガス供給部から炭化珪素形成ガスを炭化珪素種結晶の第1の表面に供給し、かつ、炭化珪素種結晶の第1の表面が第1の温度を有し、炭化珪素形成ガス供給部が前記第1の温度より高い第2の温度を有し、よって、炭化珪素種結晶の第1の表面上に炭化珪素単結晶を成長させ、
    その際、炭化珪素種結晶の第1の表面が第1の温度を有し、成長容器の容器壁から成長容器内に突出してその先端部で炭化珪素種結晶を保持する保持部材を設け、保持部材は第1の容器壁を貫通しており、かつ、保持部材は周囲容器壁より放熱性が高いことにより、炭化珪素種結晶の周囲の成長容器の壁面の温度が前記第1の温度より高い第3の温度を有する、ことを含む炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶を成長する方法。
  2. 前記保持部材にその放熱方向の熱伝導度が他の方向より高い熱伝導度異方性のある炭素材料を用いて、前記保持部材を前記周囲容器壁より放熱性を高くする、請求項記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
  3. 前記第3の温度が前記第1の温度より10〜400℃高い、請求項記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
  4. 炭化珪素種結晶の前記第1の表面と反対側の第2の表面に対向する成長容器の第1の容器壁面から成長容器内に突出してその先端部で炭化珪素種結晶を保持する保持部材を設け、前記保持部材は前記第1の容器壁を貫通しており、かつ、前記保持部材は前記容器壁より放熱性が高い、請求項記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
  5. 前記第1の容器壁に、その放熱方向の熱伝導度が他の方向より低い熱伝導度異方性のある炭素材料を用いる、請求項記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
  6. 前記保持部材及び前記第1の容器壁に用いた熱伝導度異方性のある前記炭素材料がいずれもパイログラファトカーボンである、請求項記載の炭化珪素単結晶の成長方法。
  7. 成長容器と、
    成長容器の容器壁を貫通し、成長容器内に第1の表面とそれと反対側に第2の表面を有する炭化珪素種結晶を保持する手段と、
    炭化珪素種結晶の第1の表面側に設けられ、炭化珪素種結晶の第1の表面に炭化珪素形成ガスを供給する炭化珪素形成ガス供給部と、
    炭化珪素形成ガス供給部を加熱して炭化珪素形成ガス供給部を炭化珪素種結晶の第1の表面の第1の温度より高い第2の温度にする第1の加熱手段と、を具備し、
    ここに、炭化珪素種結晶保持手段は、炭化珪素種結晶保持手段が貫通する成長容器の容器壁よりも放熱性が高い部材で構成され、よって、炭化珪素種結晶の第2の表面と対向する成長容器の壁面の温度を炭化珪素種結晶の第1の表面の温度より高い温度にする、炭化珪素種結晶上に炭化珪素単結晶を成長する装置。
  8. 前記炭化珪素種結晶保持手段がその放熱方向の熱伝導性が他の方向より高い熱伝導異方性を有する炭素材料で形成されている、請求項記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
  9. 炭化珪素種結晶の周囲の成長容器の壁面の温度が炭化珪素種結晶の第1の表面の温度より10〜400℃高い温度である、請求項記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
  10. 前記炭化珪素種結晶保持手段は、成長容器の容器壁より成長容器内に突出しかつ容器壁を貫通しており、かつ炭化珪素種結晶の第1の表面と反対側の第2の表面と対向する成長容器の第1の容器壁面よりも放熱性が高い部材で構成される、請求項記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
  11. 前記炭化珪素種結晶保持手段が貫通する成長容器の容器壁がその放熱方向に他の方向より低い熱伝導性の熱伝導異方性を有する炭素材料で形成されている、請求項10記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
  12. 前記炭化珪素種結晶保持手段及び前記炭化珪素種結晶保持手段に隣接する成長容器の容器壁をそれぞれ形成する熱伝導異方性を有する炭素材料が、いずれもパイログラファイトカーボンである、請求項11記載の炭化珪素単結晶の成長装置。
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