JP2012046424A - 炭化ケイ素単結晶 - Google Patents

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隆之 丸山
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Abstract

【課題】 絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れ、電子・光学デバイス等に好適で、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の欠陥のない高品質な炭化ケイ素単結晶の提供。
【解決手段】 昇華させた昇華用原料を炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させて、炭化ケイ素単結晶を、その全成長過程を通して、その成長面の全面を凸形状に保持したまま成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、前記種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子デバイス、光学デバイス等として特に好適な炭化ケイ素単結晶、並びに、該炭化ケイ素単結晶を効率よく製造し得る方法及び装置に関する。
炭化ケイ素は、ケイ素に比し、バンドギャップが大きく、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れることから、小型で高出力の半導体等の電子デバイス材料として、また、光学的特性に優れることから、光学デバイス材料として注目されてきている。かかる炭化ケイ素の結晶の中でも、炭化ケイ素単結晶は、炭化ケイ素多結晶に比し、ウエハ等のデバイスに応用した際にウエハ内特性の均一性等に特に優れるという利点がある。
前記炭化ケイ素単結晶を製造する方法は、従来、いくつか提供されてはいるものの、いずれも得られる炭化ケイ素単結晶に、多結晶や多型の混入や中空パイプ状の結晶欠陥(いわゆるマイクロパイプ)が生じてしまうという問題があった。
そこで、かかる問題を解消した炭化ケイ素単結晶の製造方法として、例えば、図8に示すような炭化ケイ素単結晶の製造装置を用いる方法が一般に知られるに至っている。この炭化ケイ素単結晶の製造装置80は、昇華用原料40を収容可能な容器本体12、及び容器本体12に対し着脱可能であり、容器本体12に装着された際に容器本体12内に収容された昇華用原料40に対向する面の略中央に炭化ケイ素単結晶の種結晶50を配置可能な蓋体11を備えた黒鉛製坩堝10と、黒鉛製坩堝10を石英管30の内部に固定させる支持棒31と、石英管30の外周であって黒鉛製坩堝10が位置する部分に略等間隔にかつ螺旋状に環巻された状態で配置された誘導加熱コイル25とを備える。炭化ケイ素単結晶の製造装置80において、誘導加熱コイル25に電流を通電させこれを加熱させると、その熱で昇華用原料40が加熱される。昇華用原料40は、所定の温度にまで加熱されると昇華する。昇華した昇華用原料40は、再結晶化温度にまで冷却されない限り再結晶しない。ここで、蓋体11側は、昇華用原料40側よりも温度が低く、昇華した昇華用原料40が再結晶し得る雰囲気にあるため、炭化ケイ素単結晶の種結晶50上に炭化ケイ素が再結晶化し、炭化ケイ素の結晶が成長する。
このとき、炭化ケイ素単結晶の種結晶50上には炭化ケイ素単結晶60が再結晶し成長し、炭化ケイ素単結晶の種結晶50の外周縁部には炭化ケイ素多結晶70が再結晶し成長する。最終的には、図8に示す通り、蓋体11側に陥没した凹部71が輪状に形成され、この凹部71付近乃至蓋体11の外周縁部側は、異物である多結晶や多型が混入しこれらが多量に存在する状態にある。そして、蓋体11における、容器本体12内部と対向する側の全表面は炭化ケイ素の結晶で覆われ、蓋体11の外周縁部に炭化ケイ素多結晶70が容器本体12の内部周側面に接触した状態で成長する。この状態において、室温にまで冷却を行うと、炭化ケイ素多結晶70側から炭化ケイ素単結晶60側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加され、図9に示すような、炭化ケイ素単結晶60に割れ等の破損が生じてしまったり、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の欠陥が生じてしまうことがあった。大口径の炭化ケイ素単結晶の製造が要求されている近時においては、これは克服しなければならない重大な問題となっている。
したがって、かかる割れ等の破損がなく、また、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の欠陥のない高品質な炭化ケイ素単結晶、並びに、このような高品質な炭化ケイ素単結晶を大口径に効率よく、しかも容易に製造し得る方法及び装置は未だ提供されてなく、これら提供が要望されているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、前記要望に応え、以下の目的を達成することを課題とする。
本発明は、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れ、半導体ウエハ等の電子デバイス、発光ダイオード等の光学デバイスなどに特に好適であり、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の欠陥のない高品質な炭化ケイ素単結晶、並びに、該高品質な炭化ケイ素単結晶を効率よく、かつ割れ等の破損がない状態で大口径にしかも容易に製造し得る方法及び装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 昇華させた昇華用原料を再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法であって、
前記炭化ケイ素単結晶を、その全成長過程を通して、その成長面の全面を凸形状に保持したまま成長させることを特徴とする炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<2> 炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶を略山形に成長させる前記<1>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<3> 反応容器内に昇華用原料を収容し、該反応容器内の該昇華用原料に略対向する端部に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、
炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶の成長が、該端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部を除く領域でのみ行われる前記<1>又は<2>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<4> 昇華させた昇華用原料を再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法であって、
反応容器内に前記昇華用原料を収容し、該反応容器内の該昇華用原料に略対向する端部に前記炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、
前記炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶を、該端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部を除く領域でのみ成長させることを特徴とする炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<5> 炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶が、炭化ケイ素単結晶のみからなる前記<2>から<4>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<6> 反応容器内の一端部側に昇華用原料を収容し、該反応容器内の他端部側に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、
前記一端部側に配置した第一加熱手段により、該昇華用原料を昇華可能となるように昇華雰囲気を形成し、
前記他端部側に配置した第二加熱手段により、前記第一加熱手段により昇華された前記昇華用原料が前記炭化ケイ素単結晶の種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成し、該昇華用原料を前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させる前記<1>から<5>いずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<7> 反応容器内において、再結晶雰囲気の温度が昇華雰囲気の温度よりも30〜300℃低い前記<6>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<8> 第一加熱手段及び第二加熱手段が誘導加熱可能なコイルである前記<6>又は<7>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<9> 第一加熱手段における誘導加熱電流の電流値が、第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値よりも大きい前記<8>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<10> 第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値の大きさを、成長する炭化ケイ素単結晶の径が大きくなるにつれて、連続的又は段階的に小さくする前記<8>又は<9>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<11> 反応容器内の、昇華用原料を収容した一端部側の温度をTとし、炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置した他端部側の温度をTとし、該他端部側における、反応容器の内周側面部との隣接部の温度Tとした時、T−T及びT−Tが連続的又は段階的に大きくなる前記<6>から<10>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<12> 第一加熱手段と第二加熱手段との間に、誘導電流を通電可能であり、該誘導電流を通電することにより該第一加熱手段と該第二加熱手段との間における干渉を防止する干渉防止手段が配置される前記<8>から<11>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<13> 干渉防止手段が、冷却水を流通可能なコイルである前記<12>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<14> 一端部が下端部であり、他端部が上端部である前記<6>から<13>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<15> 反応容器が、石英管内に配置された坩堝である前記<6>から<14>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<16> 炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域と、該領域の外周に位置し反応容器の内周側面部と隣接する領域とが、別の部材で形成されており、かつ該炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域を形成する部材における、一端が反応容器の内部に露出し、他端が反応容器の外部に露出している前記<6>から<15>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<17> 他端部における、該反応容器の内周側面部との隣接部の表面が、ガラス状カーボンである前記<6>から<16>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<18> 昇華用原料が、高純度のアルコキシシラン及びアルコキシシラン重合体から選択される少なくとも1種をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度の有機化合物を炭素源とし、これらを均一に混合して得た混合物を非酸化性雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末である前記<1>から<17>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<19> ケイ素源がテトラアルコキシシラン重合体であり、炭素源がフェノール樹脂である前記<18>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<20> 炭化ケイ素粉末の不純物元素の各含有量が0.5ppm以下である前記<18>又は<19>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
<21> 前記<1>から<20>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造されることを特徴とする炭化ケイ素単結晶である。
<22> 非破壊で光学的に画像検出した中空パイプ状の結晶欠陥が100個/cm以下である前記<21>に記載の炭化ケイ素単結晶である。
<23> 不純物元素の総含有量が10ppm以下である前記<21>又は<22>に記載の炭化ケイ素単結晶である。
<24> 昇華させた昇華用原料を再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造装置であって、
昇華用原料を収容可能な容器本体と、該容器本体に対し着脱可能であり、該容器本体に装着された際に該容器本体内に臨む面に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置可能な蓋体とを備えた坩堝と、
前記坩堝における、前記昇華用原料が収容された部分の外周に環巻された状態で配置され、該昇華用原料を昇華可能となるように昇華雰囲気を形成する第一誘導加熱コイルと、
前記坩堝における、前記種結晶が配置された部分の外周に環巻された状態で配置され、前記第一誘導加熱コイルにより昇華された前記昇華用原料が前記炭化ケイ素単結晶の種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成し、該昇華用原料を前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させる第二誘導加熱コイルと、
を少なくとも備えたことを特徴とする炭化ケイ素単結晶の製造装置である。
前記<1>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、昇華させた昇華用原料を再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法であって、前記炭化ケイ素単結晶を、その全成長過程を通して、その成長面の全面を凸形状に保持したまま成長させる。この炭化ケイ素単結晶の製造方法においては、成長する炭化ケイ素単結晶における成長面の全面において、その成長方向と反対方向に前記陥没した凹部が輪状に形成されることがない。このため、従来における前記諸問題、即ち、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在しない高品質の炭化ケイ素単結晶が製造される。
前記<2>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<1>において、炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶を略山形に成長させるので、成長する炭化ケイ素単結晶において、その成長方向と反対方向に前記陥没した凹部が全く存在しない。このため、従来における前記諸問題、即ち、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在しない高品質の炭化ケイ素単結晶が製造される。
前記<3>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<1>又は<2>において、反応容器内に前記昇華用原料を収容し、該反応容器内の該昇華用原料に略対向する端部に前記炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、前記炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶の成長が、該端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部を除く領域でのみ行われる。このため、成長する炭化ケイ素単結晶において、その成長方向と反対方向に前記陥没した凹部が輪状に形成されることがなく、また、炭化ケイ素多結晶が、前記端部における、該反応容器内の周側面部に接触した状態で成長することもない。このため、成長した炭化ケイ素単結晶を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶側から炭化ケイ素単結晶側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶に割れ等の欠陥が生じてしまうことがない。その結果、従来における前記諸問題、即ち、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在しない高品質の炭化ケイ素単結晶が効率よくかつ確実に製造される。
前記<4>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、昇華させた昇華用原料を再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法であって、反応容器内に前記昇華用原料を収容し、該反応容器内の該昇華用原料に略対向する端部に前記炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、前記炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶を、該端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部を除く領域でのみ成長させる。このため、前記炭化ケイ素多結晶が、前記端部における、該反応容器内の周側面部に接触した状態で成長することがない。成長した炭化ケイ素単結晶を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶側から炭化ケイ素単結晶側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶に割れ等の欠陥が生じてしまうことがない。その結果、従来における前記諸問題、即ち、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在しない高品質の炭化ケイ素単結晶が製造される。
前記<5>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<2>から<4>のいずれかにおいて、前記炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶が、炭化ケイ素単結晶のみからなる。このため、大きな径の炭化ケイ素単結晶が得られ、該炭化ケイ素単結晶を炭化ケイ素多結晶等から分離等する必要がない。
前記<6>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<1>から<5>のいずれかにおいて、前記反応容器内の一端部側に前記昇華用原料を収容し、該反応容器内の他端部側に前記炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、前記一端部側に配置した第一加熱手段により、該昇華用原料を昇華可能となるように昇華雰囲気を形成し、前記他端部側に配置した第二加熱手段により、前記第一加熱手段により昇華された前記昇華用原料が炭化ケイ素単結晶の種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成し、該昇華用原料を前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させる。
この炭化ケイ素単結晶の製造方法においては、前記昇華用原料を昇華可能となるように昇華雰囲気を形成するための加熱を前記第一加熱手段で行い、前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上でのみ再結晶化を可能とする再結晶雰囲気の形成を前記第二加熱手段で行うことにより、前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上乃至その近傍でのみ選択的に再結晶化を行うことができ、前記炭化ケイ素多結晶が、前記端部における、該反応容器内の周側面部に接触した状態で成長することがない。成長した炭化ケイ素単結晶を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶側から炭化ケイ素単結晶側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶に割れ等の欠陥が生じてしまうことがない。その結果、従来における前記諸問題、即ち、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在しない高品質の炭化ケイ素単結晶が製造される。
前記<7>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法においては、前記<6>において、前記反応容器内において、再結晶雰囲気の温度が前記昇華雰囲気の温度よりも30〜300℃低い。このため、前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上乃至その近傍で容易にかつ円滑に再結晶化が行なわれる。
前記<8>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<6>又は<7>において、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段が誘導加熱可能なコイルである。このため、該コイルによる誘導加熱により、前記昇華雰囲気の形成のための前記第一加熱手段の温度制御、及び前記再結晶雰囲気の形成のための前記第二加熱手段の温度制御が容易にかつ確実に行われる。
前記<9>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<6>から<8>のいずれかにおいて、第一加熱手段における誘導加熱電流の電流値が、第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値よりも大きい。このため、前記昇華雰囲気の温度よりも前記種結晶上近傍での再結晶雰囲気の温度の方が低く維持され、再結晶化が容易に行われる。
前記<10>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<6>から<9>のいずれかにおいて、前記第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値を、成長する炭化ケイ素単結晶の径が大きくなるにつれて、連続的又は段階的に小さくする。このため、前記炭化ケイ素単結晶が成長するにつれて前記第二加熱手段による加熱量が小さく制御されるので、成長を続ける前記炭化ケイ素単結晶の近傍でしか再結晶が行われず、該炭化ケイ素単結晶の周囲に多結晶が生ずることがない。
前記<11>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<6>から<10>のいずれかにおいて、前記反応容器内の、昇華用原料を収容した一端部側の温度をTとし、炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置した他端部側の温度をTとし、該他端部側における、反応容器の内周側面部との隣接部の温度Tとした時、T−T及びT−Tが連続的又は段階的に大きくなる。T−Tが連続的又は段階的に大きくなると、経時的に、炭化ケイ素単結晶が前記一端部側に向かって成長を続けても、該炭化ケイ素単結晶の結晶成長先端側は常に再結晶が起こり易い状態に維持される。一方、T−Tが連続的又は段階的に大きくなると、経時的に、炭化ケイ素単結晶が前記他端部側における外周方向に向かって成長を続けても、該炭化ケイ素単結晶の結晶成長外周端側は常に再結晶が起こり易い状態に維持される。その結果、炭化ケイ素多結晶の生成が効果的に抑制され、該炭化ケイ素単結晶は、その径を拡大しながらその厚みを増す方向に成長を続け、最終的には、炭化ケイ素多結晶等の混入がない状態で大径の炭化ケイ素単結晶が得られる。
前記<12>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<8>から<11>のいずれかにおいて、前記第一加熱手段と前記第二加熱手段との間に、誘導電流を通電可能であり、該誘導電流を通電することにより該第一加熱手段と該第二加熱手段との間における干渉を防止する干渉防止手段が配置される。このため、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段による誘導加熱を同時に行った際に、該干渉防止手段に誘導電流が流れ、該干渉防止手段が両者間における干渉を極小化し防止する。
前記<13>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<12>において、前記干渉防止手段が、冷却可能なコイルである。該コイルに誘導電流が流れ加熱されたとしても該コイルは冷却されるため、該コイルが前記反応容器を加熱することがない。このため、前記反応容器の温度制御が容易である。
前記<14>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<6>から<13>のいずれかにおいて、前記一端部が下端部であり、前記他端部が上端部である。このため、前記昇華用原料が前記反応容器内の下方に収容され、該昇華用原料の昇華が円滑に行われ、また、前記炭化ケイ素単結晶は、下方に向かって、即ち重力方向に向かって余分な負荷がかからない状態で成長する。
前記<15>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<6>から<14>のいずれかにおいて、前記反応容器が、石英管内に配置された坩堝である。このため、該石英管内の密閉系で前記昇華用原料の昇華と再結晶、前記炭化ケイ素単結晶の成長が行われるので、これらの制御が容易である。
前記<16>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<6>から<15>のいずれかにおいて、前記炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域と、該領域の外周に位置し前記反応容器の内周側面部と隣接する領域とが、別の部材で形成されており、かつ該炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域を形成する部材における、一端が反応容器の内部に露出し、他端が反応容器の外部に露出している。前記炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域(内側領域)と、該領域の外周に位置し前記反応容器の内周側面部と隣接する領域(外側領域)とが、別の部材で形成されているため、前記第二加熱手段により加熱を行った場合には、該第二加熱手段側に位置する前記外側領域は容易に加熱されるものの、前記内側領域は、該外側領域との接触抵抗の差により容易に加熱されることはない。このため、前記第二加熱手段で加熱を行ったとしても、前記外側領域と前記内側領域との間で温度差が生じ、前記内側領域の方が前記外側領域よりも加熱され難いため、温度が低く維持され、前記炭化ケイ素の再結晶が容易に行われる。また、前記内側領域を形成する部材における前記反応容器の内部と反対側が、該反応容器の外部に露出し、該反応容器外部に熱を放熱し易いため、前記第二加熱手段により加熱を行った場合、前記内側領域は前記外側領域に比べて加熱され難く、前記外側領域と前記内側領域との間で温度差が生じ、前記内側領域の方が前記外側領域よりも温度が低く維持され、前記炭化ケイ素の再結晶が容易に行われる。その結果、前記外側領域では炭化ケイ素単結晶が成長し難く、該内側領域でのみ選択的に炭化ケイ素単結晶が再結晶化し成長する。
前記<17>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<6>から<16>のいずれかにおいて、前記他端部における、該反応容器の内周側面部との隣接部の表面が、ガラス状カーボンである。このため、前記他端部における、該反応容器の内周側面部との隣接部は、該隣接部以外の領域よりも再結晶化が起こり難い。その結果、前記他端部における、前記隣接部では炭化ケイ素の結晶が成長せず、該隣接部以外の領域でのみ選択的に炭化ケイ素単結晶が再結晶化し成長する。
前記<18>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<1>から<17>のいずれかにおいて、前記昇華用原料が、高純度のアルコキシシラン及びアルコキシシラン重合体から選択される少なくとも1種をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度の有機化合物を炭素源とし、これらを均一に混合して得た混合物を非酸化性雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末である。該昇華用原料は高純度炭化ケイ素粉末であるので、炭化ケイ素単結晶を成長させる際に、炭化ケイ素単結晶中への多結晶や多型の混入がなく、円滑に炭化ケイ素単結晶が成長し、得られた炭化ケイ素単結晶中にマイクロパイプ等の欠陥も生じない。
前記<19>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<18>において、前記ケイ素源がテトラアルコキシシラン重合体であり、前記炭素源がフェノール樹脂である。このため、前記昇華用原料が、低コストで容易に得られる。
前記<20>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、前記<18>又は<19>において、前記炭化ケイ素粉末の不純物元素の各含有量が0.5ppm以下である。このため、前記昇華用原料は極めて高純度であり、前記炭化ケイ素単結晶中への多結晶や多型の混入、結晶欠陥の発生が効果的に抑制される。
前記<21>に記載の炭化ケイ素単結晶は、前記<1>から<20>のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造される。このため、得られる炭化ケイ素単結晶は、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在せず、極めて高品質であり、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れ、半導体ウエハ等の電子デバイス、発光ダイオード等の光学デバイスなどに特に好適である。
前記<22>に記載の炭化ケイ素単結晶は、前記<21>において、非破壊で光学的に画像検出した中空パイプ状の結晶欠陥が100個/cm以下である。このため、該炭化ケイ素単結晶は、極めて高品質であり、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に特に優れ、半導体ウエハ等の電子デバイス、発光ダイオード等の光学デバイスなどに特に好適である。
前記<23>に記載の炭化ケイ素単結晶は、前記<21>又は<22>において、前記不純物元素の総含有量が10ppm以下である。このため、該炭化ケイ素単結晶は、極めて高品質である。
前記<24>に記載の炭化ケイ素単結晶の製造装置は、昇華させた昇華用原料を再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造装置である。
この炭化ケイ素単結晶の製造装置は、容器本体と蓋体とを備えた坩堝と、第一誘導加熱コイルと、第二誘導加熱コイルとを少なくとも備えてなる。
前記坩堝における、前記容器本体が前記昇華用原料を収容する。前記蓋体は、前記容器本体に対し着脱可能である。該蓋体が前記容器本体に装着された際に該容器本体内に臨む面に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置する。前記第一誘導加熱コイルは、前記坩堝における、前記昇華用原料が収容された部分の外周に環巻された状態で配置されており、これが該昇華用原料を昇華可能となるように昇華雰囲気を形成し、該昇華用原料を昇華させる。そして、前記第二誘導加熱コイルは、前記坩堝における、前記種結晶が配置された部分の外周に環巻された状態で配置されており、これが、前記第一誘導加熱コイルにより昇華された前記昇華用原料が前記炭化ケイ素単結晶の種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成し、該昇華用原料を前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させる。このため、炭化ケイ素単結晶は、その全成長過程を通して、その成長面の全面が凸形状に保持されたまま成長し、その成長方向と反対方向に陥没した凹部が輪状に形成されることがなく、また、炭化ケイ素多結晶が、前記容器本体内の周側面部に接触した状態で成長することもない。このため、成長した炭化ケイ素単結晶を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶側から炭化ケイ素単結晶側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶に割れ等の欠陥が生じてしまうことがない。その結果、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在しない高品質の炭化ケイ素単結晶が効率よくかつ確実に製造される。
本発明によると、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れ、半導体ウエハ等の電子デバイス、発光ダイオード等の光学デバイスなどに特に好適であり、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の欠陥のない高品質な炭化ケイ素単結晶、並びに、該高品質な炭化ケイ素単結晶を効率よく、かつ割れ等の破損がない状態で大口径にしかも容易に製造し得る方法及び装置を提供することができる。
図1は、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法における初期状態を説明するための概略図である。 図2は、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法により炭化ケイ素単結晶を製造している状態を説明するための概略図である。 図3は、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造された本発明の炭化ケイ素単結晶の概略図である。 図4は、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法に用いた坩堝の一例を示す概略説明図である。 図5は、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法に用いた坩堝の他の例を示す概略説明図である。 図6は、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造された本発明の炭化ケイ素単結晶の概略図である。 図7は、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造された本発明の炭化ケイ素単結晶の概略図である。 図8は、従来の炭化ケイ素単結晶の製造方法により炭化ケイ素単結晶を製造している状態を説明するための概略図である。 図9は、従来の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造された炭化ケイ素単結晶の概略図である。
(炭化ケイ素単結晶の製造方法)
以下、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法について説明する。
本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、昇華させた昇華用原料を炭化ケイ素単結晶の種結晶上で再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法である。
本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法においては、以下の第一の態様から第三の態様が挙げられ、これらの中でも前記第三の態様は、前記第一の態様と前記第二の態様とをあわせた内容の好ましい態様である。
前記第一の態様においては、前記炭化ケイ素単結晶を、その全成長過程を通して、その成長面の全面を凸形状に保持したまま成長させる。
前記第二の態様においては、反応容器内に前記昇華用原料を収容し、該反応容器内の該昇華用原料に略対向する端部に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、前記炭化ケイ素単結晶を、該端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部を除く領域でのみ成長させる。
前記第三の態様においては、反応容器内に前記昇華用原料を収容し、該反応容器内の該昇華用原料に略対向する端部に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、前記炭化ケイ素単結晶を、その全成長過程を通して、その成長面の全面を凸形状に保持したまま、かつ前記端部における、前記反応容器内の周側面部との隣接部(外側部分)を除く領域(内側部分)でのみ成長させる。
−反応容器−
前記反応容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内部に前記昇華用原料を収容することができ、該昇華用原料に略対向する位置に前記炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置可能な端部を有していることが好ましい。
前記端部の形状としては、特に制限はないが、例えば、略平面形状であるのが好ましい。
前記昇華用原料が収容される部位としては特に制限はないが、前記炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置可能な端部に略対向する端部であるのが好ましい。この場合、前記反応容器の内部は筒形状となるが、該筒形状の軸としては、直線状であってもよいし、曲線状であってもよく、該筒形状の軸方向に垂直な断面形状としては、円形であってもよいし、多角形であってもよい。該円形状の好ましい例としては、その軸が直線状であり、かつ該軸方向に垂直な断面形状が円形であるものが好適に挙げられる。
前記反応容器の内部に2つの端部が存在する場合、一端部側に前記昇華用原料が収容され、他端部側に前記炭化ケイ素単結晶の種結晶が配置される。以下、前記一端部を「昇華用原料収容部」と称することがあり、前記他端部を「種結晶配置部」と称することがある。
前記一端部(昇華用原料収容部)の形状としては、特に制限はなく、平面形状であってもよいし、均熱化を促すための構造(例えば凸部等)を適宜設けてもよい。
前記反応容器においては、前記他端部(種結晶配置部)側が着脱可能に設計されているのが好ましい。この場合、該他端部(種結晶配置部)を脱離するだけで、成長した炭化ケイ素単結晶を容易に該反応容器から分離することができる点で有利である。
このような反応容器としては、例えば、昇華用原料を収容可能な容器本体と、該容器本体に対し着脱可能であり、該容器本体に装着された際に該容器本体内に収容された前記昇華用原料に対向する面の略中央に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置可能な蓋体とを備えた反応容器などが好適に挙げられる。
前記一端部(昇華用原料収容部)と前記他端部(種結晶配置部)との位置関係としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記一端部(昇華用原料収容部)が下端部であり、前記他端部(種結晶配置部)が上端部である態様、即ち、該一端部(昇華用原料収容部)と該他端部(種結晶配置部)とが重力方向に位置しているのが好ましい。この場合、前記昇華用原料の昇華が円滑に行われ、また、前記炭化ケイ素単結晶の成長が、下方に向かって、即ち重力方向に向かって余分な負荷がかからない状態で行われる点で好ましい。
なお、前記一端部(昇華用原料収容部)側には、例えば、前記昇華用原料の昇華を効率よく行う目的で、伝熱性に優れた材料で形成した部材を配置してもよい。
該部材としては、例えば、外周が前記反応容器内の周側面部と密接可能であり、内部が、前記他端部(種結晶配置部)に近づくにつれてその径が漸次増加するような逆錐形状乃至逆錐台形状である部材、などが好適に挙げられる。
なお、前記反応容器の外部に露出する部分には、目的に応じて、ねじ切り、測温用凹部等が設けられていてもよく、該測温用凹部は、前記一端部側及び前記他端部側の少なくとも一方の部分に設けられているのが好ましい。
前記反応容器の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐久性、耐熱性、伝熱性等に優れた材料で形成されているのが好ましく、これらに加えて更に不純物の発生による多結晶や多型の混入等が少なく、前記昇華用原料の昇華と再結晶の制御が容易である等の点で黒鉛製であるのが特に好ましい。
前記反応容器は、単独の部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよく、目的に応じて適宜選択することができるが、2以上の部材で形成されている場合としては、前記他端部(種結晶配置部)が2以上の部材で形成されているのが好ましく、前記他端部(種結晶配置部)の中心部とその外周部とが別の部材で形成されているのが、温度差乃至温度勾配を形成できる点でより好ましく、具体的には、該中心部としての、炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域(内側領域)と、該外周部としての、前記内側領域の外周に位置し反応容器の内周側面部と隣接する領域(外側領域)とが別の部材で形成され、かつ該内側領域を形成する部材における、一端が反応容器の内部に露出し、他端が反応容器の外部に露出しているのが特に好ましい。
この場合、前記他端部(種結晶配置部)をその外側から加熱した場合、前記外側領域は容易に加熱されるものの、前記内側領域は、該外側領域との接触抵抗により加熱され難くなるため、前記外側領域と前記内側領域との間で温度差が生じ、該内側領域の方が該外側領域よりも若干温度が低く維持されるため、該内側領域の方が該外側領域よりも炭化ケイ素が再結晶し易くすることができる。更に、前記内側領域を形成する部材における前記他端が前記反応容器の外部に露出しているので、該内側領域は前記反応容器の外部に熱を放熱し易いため、該内側領域の方が該外側領域よりも炭化ケイ素が再結晶を生じ易くさせることができる。
なお、前記内側領域を形成する部材における前記他端が前記反応容器の外部に露出している態様としては、特に制限はなく、該内側領域を底面とし前記反応容器の外部に向けて連続的又は不連続的にその径が変化する(大きくなる又は小さくなる)形状などが挙げられる。
このような形状としては、具体的には、前記内側領域を底面とする柱形状(円柱状、角柱状等が挙げられ、円柱状が好ましい)、前記内側領域を底面とする錐台形状(円錐台状、角錐台状、逆円錐台状、逆角錐台状等が挙げられ、逆円錐台状が好ましい)などが挙げられる。
前記反応容器は、前記他端部(種結晶配置部)における、前記炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域(内側領域)の外周に位置し反応容器の内周側面部と隣接する領域(外側領域)の表面が、ガラス状カーボン乃至アモルファスカーボンであるのが好ましい。この場合、前記外側領域の方が前記内側領域よりも再結晶化が起こり難い点で好ましい。
前記反応容器は、断熱材等で囲まれているのが好ましい。この場合、前記反応容器における前記一端部(昇華用原料収容部)及び前記他端部(種結晶配置部)の略中央は、測温用窓を形成する目的で、前記断熱材等が設けられていないのが好ましい。また、前記一端部(昇華用原料収容部)の略中央に前記測温用窓が設けられている場合には、前記断熱材粉等の落下を防ぐための黒鉛製カバー部材等が更に設けられているのが好ましい。
前記反応容器は、石英管内に配置されるのが好ましい。この場合、前記昇華用原料の昇華及び再結晶化のための加熱エネルギーの損失が少ない点で好ましい。
なお、前記石英管は高純度品が入手可能であり、高純度品を用いると金属不純物の混入が少ない点で有利である。
−昇華用原料−
前記昇華用原料としては、炭化ケイ素である限り、結晶の多型、使用量、純度、その製造方法等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記昇華用原料の結晶の多型としては、例えば、4H、6H、15R、3Cなどが挙げられ、これらの中でも6Hなどが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用されるのが好ましいが、2種以上併用されてもよい。
前記昇華用原料の使用量としては、製造する炭化ケイ素単結晶の大きさ、前記反応容器の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
前記昇華用原料の純度としては、製造する炭化ケイ素単結晶中への多結晶や多型の混入を可能な限り防止する観点からは、純度の高いことが好ましく、具体的には、不純物元素の各含有量が0.5ppm以下であるのが好ましい。
ここで、前記不純物元素の含有量は、化学的な分析による不純物含有量であり、参考値としての意味を有するに過ぎず、実用的には、前記不純物元素が前記炭化ケイ素単結晶中に均一に分布しているか、局所的に偏在しているかによっても、評価が異なってくる。なお、ここで「不純物元素」とは、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における1族から17族元素に属しかつ原子番号3以上(但し、炭素原子、酸素原子及びケイ素原子を除く)である元素をいう。また、成長する炭化ケイ素単結晶にn型あるいはp型の導電性を付与するため故意にそれぞれ窒素、アルミニウムなどのドーパント元素を添加した場合はそれらも除くこととする。
前記昇華用原料としての炭化ケイ素粉末は、例えば、ケイ素源として、ケイ素化合物の少なくとも1種と、炭素源として、加熱により炭素を生ずる有機化合物の少なくとも1種と、重合触媒又は架橋触媒とを溶媒中で溶解し乾燥して得られた粉末を非酸化性雰囲気下で焼成することにより得られる。
前記ケイ素化合物としては、液状のものと固体のものとを併用することができるが、少なくとも1種は液状のものから選択する。
前記液状のものとしては、アルコキシシラン及びアルコキシシラン重合体が好適に用いられる。
前記アルコキシシランとしては、例えば、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられ、これらの中でもハンドリングの点でエトキシシランが好ましい。
前記アルコキシシランとしては、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのいずれであってもよいが、テトラアルコキシシランが好ましい。
前記アルコキシシラン重合体としては、重合度が2〜15程度の低分子量重合体(オリゴマー)及びケイ酸ポリマーが挙げられる。
前記固体のものとしては、SiO、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲル、微細シリカ、石英粉末)等の酸化ケイ素が挙げられる。
前記ケイ素化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ケイ素化合物の中でも、均質性やハンドリング性が良好な点でテトラエトキシシランのオリゴマー、テトラエトキシシランのオリゴマーと微粉末シリカとの混合物、等が好ましい。
前記ケイ素化合物は、高純度であるのが好ましく、初期における各不純物の含有量が20ppm以下であるのが好ましく、5ppm以下であるのがより好ましい。
前記加熱により炭素を生ずる有機化合物としては、液状のものを単独で用いてもよいし、液状のものと固体のものとを併用してもよい。
前記加熱により炭素を生ずる有機化合物としては、残炭率が高く、かつ触媒若しくは加熱により重合又は架橋する有機化合物が好ましく、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等の樹脂のモノマーやプレポリマーが好ましく、その他、セルロース、蔗糖、ピッチ、タール等の液状物が挙げられる。これらの中でも、高純度のものが好ましく、フェノール樹脂がより好ましく、レゾール型フェノール樹脂が特に好ましい。
前記加熱により炭素を生ずる有機化合物は、1種単独で用いてもよいし、2以上を併用してもよい。
前記加熱により炭素を生ずる有機化合物の純度としては、目的に応じて適宜選択することができるが、高純度の炭化ケイ素粉末が必要な場合には各金属を5ppm以上含有していない有機化合物を用いることが好ましい。
前記重合触媒及び架橋触媒としては、前記加熱により炭素を生ずる有機化合物に応じて適宜選択できるが、前記加熱により炭素を生ずる有機化合物がフェノール樹脂やフラン樹脂の場合、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、マレイン酸、硫酸等の酸類が好ましく、マレイン酸が特に好ましい。
前記加熱により炭素を生ずる有機化合物に含まれる炭素と、前記ケイ素化合物に含まれるケイ素との比(以下「C/Si比」と略記)は、両者の混合物を1000℃にて炭化して得られる炭化物中間体を、元素分析することにより定義される。化学量論的には、前記C/Si比が3.0の時に得られた炭化ケイ素粉末中の遊離炭素が0%となるはずであるが、実際には同時に生成するSiOガスの揮散により低C/Si比において遊離炭素が発生する。この得られた炭化ケイ素粉末中の遊離炭素量が適当な量となるように予め配合比を決定しておくのが好ましい。通常、1気圧近傍で1600℃以上での焼成では、前記C/Si比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を抑制することができる。前記C/Si比が2.5を超えると、前記遊離炭素が顕著に増加する。但し、雰囲気の圧力を低圧又は高圧で焼成する場合は、純粋な炭化ケイ素粉末を得るためのC/Si比は変動するので、この場合は必ずしも前記C/Si比の範囲に限定するものではない。
なお、前記炭化ケイ素粉末は、例えば、前記ケイ素化合物と前記加熱により炭素を生ずる有機化合物との混合物を硬化することによっても得られる。
前記硬化の方法としては、加熱により架橋する方法、硬化触媒により硬化する方法、電子線や放射線による方法、などが挙げられる。
前記硬化触媒としては、前記加熱により炭素を生ずる有機化合物の種類等に応じて適宜選択することができ、フェノール樹脂やフラン樹脂の場合には、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、塩酸、硫酸、マレイン酸等の酸類、ヘキサミン等のアミン類などが好適に挙げられる。これらの硬化触媒を用いる場合、該硬化触媒は溶媒に溶解し又は分散される。前記溶媒としては、低級アルコール(例えばエチルアルコール等)、エチルエーテル、アセトンなどが挙げられる。
以上により得られた炭化ケイ素粉末は、窒素又はアルゴン等の非酸化性雰囲気中、800〜1000℃にて30〜120分間、焼成される。
前記焼成により前記炭化ケイ素粉末が炭化物になり、該炭化物を、アルゴン等の非酸化性雰囲気中、1350〜2000℃で焼成することにより、炭化ケイ素粉末が生成される。
前記焼成の温度と時間とは、得ようとする炭化ケイ素粉末の粒径等に応じて適宜選択することができ、炭化ケイ素粉末のより効率的な生成の点で前記温度は1600〜1900℃が好ましい。
なお、前記焼成の後に、不純物を除去し高純度の炭化ケイ素粉末を得る目的で、例えば、2000〜2400℃で3〜8時間加熱処理を行うのが好ましい。
以上により得られた炭化ケイ素粉末は、大きさが不均一であるため、解粉、分級、等を行うことにより所望の粒度にすることができる。
前記炭化ケイ素粉末の平均粒径としては、10〜700μmが好ましく、100〜400μmがより好ましい。
前記平均粒径が10μm未満であると、炭化ケイ素単結晶を成長させるための炭化ケイ素の昇華温度(1800〜2700℃)で速やかに焼結を起こしてしまうため、昇華表面積が小さくなり、炭化ケイ素単結晶の成長が遅くなることがあり、また、炭化ケイ素粉末を前記反応容器内へ収容させる際や、成長速度調整のために再結晶雰囲気の圧力を変化させる際に、炭化ケイ素粉末が飛散し易くなる。一方、前記平均粒径が500μmを超えると、炭化ケイ素粉末自身の比表面積が小さくなるため、やはり炭化ケイ素単結晶の成長が遅くなることがある。
前記炭化ケイ素粉末としては、4H、6H、15R、3C、これらの混合物等のいずれであってもよい。なお、前記3Cの炭化ケイ素粉末のグレードとしては、特に制限はなく、一般に市販されているものでもよいが、高純度のものであることが好ましい。
なお、該炭化ケイ素粉末を用いて成長させた炭化ケイ素単結晶にn型又はp型の導電性を付与する目的で窒素又はアルミニウムなどをそれぞれ導入することができ、該窒素又はアルミニウムを前記炭化ケイ素粉末の製造時に導入する場合は、まず前記ケイ素源と、前記炭素源と、窒素源又はアルミニウム源からなる有機物質と、前記重合又は架橋触媒とを均一に混合すればよい。このとき、例えば、フェノール樹脂等の炭素源と、ヘキサメチレンテトラミン等の窒素源からなる有機物質と、マレイン酸等の重合又は架橋触媒とを、エタノール等の溶媒に溶解する際に、テトラエトキシシランのオリゴマー等のケイ素源と十分に混合することが好ましい。
前記窒素源からなる有機物質としては、加熱により窒素を発生する物質が好ましく、例えば、高分子化合物(具体的には、ポリイミド樹脂、及びナイロン樹脂等)、有機アミン(具体的には、ヘキサメチレンテトラミン、アンモニア、トリエチルアミン等、及びこれらの化合物、塩類)の各種アミン類が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンテトラミンが好ましい。また、ヘキサミンを触媒として合成され、その合成工程に由来する窒素を樹脂1gに対して2.0mmol以上含有するフェノール樹脂も、該窒素源からなる有機物質として好適に用いることができる。これらの窒素源からなる有機物質は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、前記アルミニウム源からなる有機物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記窒素源からなる有機物質の添加量としては、前記ケイ素源と前記炭素源とを同時に添加する場合には、前記ケイ素源1g当たり窒素が1mmol以上含有することが好ましく、前記ケイ素源1gに対して80〜1000μgが好ましい。
−昇華−
前記昇華用原料の昇華は、再結晶化を行うのに必要な加熱を行うための加熱手段とは別個の加熱手段を用いて行うのが、加熱手段の精密制御、独立制御、干渉防止等の点で好ましい。このような態様の場合、加熱手段の数は、2以上となるが、本発明においては2つが好ましい。
前記加熱手段が2つの好ましい態様の場合、前記昇華用原料を昇華可能とする昇華雰囲気を形成するための加熱手段が第一加熱手段であり、昇華された前記昇華用原料が前記炭化ケイ素単結晶の種結晶近傍でのみ再結晶可能とする前記再結晶雰囲気を形成するための加熱手段が第二加熱手段である。
前記第一加熱手段は、前記反応容器の一端部(昇華用原料収容部)側に配置され、前記昇華用原料を昇華可能とするように昇華雰囲気を形成し、前記昇華用原料を加熱して昇華させる。
前記第一加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘導加熱手段、抵抗加熱手段などが挙げられるが、温度制御が容易な点で誘導加熱手段が好ましく、該誘導加熱手段の中でも、誘導加熱可能なコイルであるのが好ましい。
前記第一加熱手段が誘導加熱可能なコイルである場合、その環巻された巻数としては、特に制限はなく、前記第二加熱手段との距離、前記反応容器の材料等により加熱効率や温度効率が最適となるように決定することができる。
−炭化ケイ素単結晶の成長−
前記炭化ケイ素単結晶の成長は、前記反応容器の前記他端部(種結晶配置部)に配置された炭化ケイ素単結晶の種結晶上で行われる。
前記炭化ケイ素単結晶の種結晶としては、その結晶の多型、大きさ等については、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結晶の多型としては、通常、得ようとする炭化ケイ素単結晶の多型と同じ多型が選択される。
前記炭化ケイ素単結晶を前記種結晶上に再結晶化し、成長させるには、前記昇華用原料が昇華する温度よりも低い温度にし、昇華した前記昇華用原料が前記種結晶近傍でのみ再結晶可能となるような再結晶雰囲気(換言すれば、前記種結晶が配置される面の径方向において、中心部(内側領域の中心)に近づくほど温度が低くなるような温度分布となる雰囲気)を形成するのが好ましい。
前記再結晶雰囲気の形成は、前記第二加熱手段により好適に行うことができる。このような第二加熱手段は、前記反応容器の他端部(種結晶配置部)側に配置され、前記第一加熱手段により昇華された前記昇華用原料が炭化ケイ素単結晶の種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成し、該昇華用原料を前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させる。
前記第二加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘導加熱手段、抵抗加熱手段などが挙げられるが、温度制御が容易な点で誘導加熱手段が好ましく、該誘導加熱手段の中でも、誘導加熱可能なコイルであるのが好ましい。
前記第二加熱手段が誘導加熱可能なコイルである場合、その環巻された巻数としては、特に制限はなく、前記第一加熱手段との距離、前記反応容器の材料等により加熱効率や温度効率が最適となるように決定することができる。
前記第二加熱手段に通電する誘導加熱電流の量は、前記第一加熱手段に通電する誘導加熱電流の量との関係で適宜決定することができ、両者の関係としては、前記第一加熱手段における誘導加熱電流の電流値が、前記第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値よりも大きくなるように設定するのが好ましい。この場合、前記昇華用原料が昇華する雰囲気の温度よりも前記種結晶上近傍での再結晶雰囲気の温度の方が低く維持され、再結晶化が容易に行われる点で有利である。
また、前記第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値としては、成長する炭化ケイ素単結晶の径が大きくなるにつれて、連続的又は段階的に小さくなるように制御するのが好ましい。この場合、前記炭化ケイ素単結晶が成長するにつれて前記第二加熱手段による加熱量が小さく制御されるので、成長を続ける前記炭化ケイ素単結晶の近傍でしか再結晶が行われず、該炭化ケイ素単結晶の周囲に多結晶が生ずることが効果的に抑制される点で有利である。
なお、前記第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値としては、前記炭化ケイ素単結晶の種結晶の径が大きい場合には小さくなるように制御し、該径が小さい場合には大きくなるように制御するのが好ましい傾向がある。
本発明においては、前記第二加熱手段は、前記第一加熱手段とは独立にその制御を行うことができるので、炭化ケイ素単結晶の成長速度に応じて、該第二加熱手段の加熱量を適宜調節することにより、炭化ケイ素単結晶の全成長過程を通して好ましい成長速度を維持することができる。
前記第二加熱手段により形成される再結晶雰囲気の温度としては、前記第一加熱手段により形成される前記昇華雰囲気の温度よりも、30〜300℃低いのが好ましく、30〜150℃低いのがより好ましい。
前記第二加熱手段により形成される再結晶雰囲気の圧力としては、10〜100Torr(1330〜13300Pa)が好ましい。なお、この圧力条件にする場合には、常温においては減圧にせず、設定温度にまで加熱をしてから減圧を行い、前記所定の数値範囲内になるように圧力条件を調整するのが好ましい。
また、前記再結晶雰囲気は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気にしておくのが好ましい。
本発明においては、前記第一加熱手段により制御される、前記反応容器内の、昇華用原料を収容した一端部(昇華原料収容部)側の温度と、前記第二加熱手段により制御される、前記反応容器内の、前記炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置した他端部(種結晶配置部)側における中心部の温度及び該中心部の外側に位置し反応容器の内周側面部との隣接部の温度とを、以下のような関係で制御するのが、大径の炭化ケイ素単結晶を得る観点からは好ましい。即ち、昇華用原料を収容した一端部側の温度をTとし、炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置した他端部側の温度をTとし、該他端部側における、反応容器の内周側面部との隣接部の温度Tとした時、T−T及びT−Tが連続的又は段階的に大きくなるように制御するのが好ましい。
この場合、T−Tが連続的又は段階的に大きくなるので、経時的に、炭化ケイ素単結晶が前記一端部側に向かって成長を続けても、該炭化ケイ素単結晶の結晶成長先端側は常に再結晶が起こり易い状態に維持される。一方、T−Tが連続的又は段階的に大きくなるので、経時的に、炭化ケイ素単結晶が前記他端部側における外周方向に向かって成長を続けても、該炭化ケイ素単結晶の結晶成長外周端側は常に再結晶が起こり易い状態に維持される。その結果、炭化ケイ素多結晶の生成が効果的に抑制され、該炭化ケイ素単結晶は、その径を拡大しながらその厚みを増す方向に成長を続け、最終的には、炭化ケイ素多結晶等の混入がなく、大径の炭化ケイ素単結晶が得られる点で有利である。
本発明においては、前記炭化ケイ素単結晶は、前記第一の態様から第三の態様により再結晶し成長する。
前記第一の態様においては、前記炭化ケイ素単結晶を、その全成長過程を通して、その成長面の全面を凸形状に保持したまま成長させる。この場合、前記炭化ケイ素単結晶の成長面の全面において、前記他端部(種結晶配置部)側に陥没した凹部が輪状に形成されることがない。
前記第二の態様においては、前記炭化ケイ素単結晶の成長が、前記反応容器の前記端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部を除く領域(内側領域)でのみ行われる。この場合、炭化ケイ素多結晶が、前記他端部(種結晶配置部)における、該反応容器内の周側面部に、接触した状態で成長することがない。このため、成長した炭化ケイ素単結晶を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶側から炭化ケイ素単結晶側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶に割れ等の破損が生じてしまうことがない。
前記第三の態様においては、前記炭化ケイ素単結晶を、その全成長過程を通して、その成長面の全面を凸形状に保持したまま、かつ前記反応容器の前記端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部を除く領域(内側領域)でのみ行われる。
この場合、前記炭化ケイ素単結晶の成長面の全面において、前記反応容器の前記他端部(種結晶配置部)側に陥没した凹部が輪状に形成されることがなく、また、炭化ケイ素多結晶が、前記他端部(種結晶配置部)における、該反応容器内の周側面部に、接触した状態で成長することがない。このため、成長した炭化ケイ素単結晶を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶側から炭化ケイ素単結晶側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶に割れ等の破損が生じてしまうことがない。
成長する前記炭化ケイ素単結晶の形状としては、その成長面の全面がその成長方向側に凸形状であるのが好ましく、前記一端部(昇華用原料収容部)と前記他端部(種結晶配置部)とが対向している場合には、前記昇華用原料側、即ち前記一端部(昇華用原料収容部)側に向かってその成長面の全面が凸形状であるのが好ましい。
この場合、多結晶や多型の混入が多く、熱膨張差による応力が集中し易いと考えられるところの、前記他端部(種結晶配置部)側に陥没した凹部が存在しない点で好ましい。
なお、成長する前記炭化ケイ素単結晶の形状としては、その成長面の全面がその成長方向側と反対側に凹形状となっている部分を含まない限り、前記凸形状となっていなくても平坦な個所が一部に含まれていてもよい。
また、炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶の形状としては、前記昇華用原料側、即ち前記一端部側に向かって略山形であるのが好ましく、その径が漸次小さくなる略山形であるのがより好ましい。
なお、前記略山形である炭化ケイ素の結晶における裾野部分、即ち外周部分においては、炭化ケイ素多結晶や多型が混入することがあるが、この混入は、前記種結晶の厚み、大きさ、形状等と、前記第二加熱手段による加熱量との条件の組み合わせにより、その発生を防止することができる。該炭化ケイ素多結晶や多型の混入を防止すると、前記炭化ケイ素を含む炭化ケイ素の結晶が、炭化ケイ素単結晶のみからなるものとすることができるので好ましい。
なお、本発明においては、前記反応容器内の周側面部にリング状の板部材を前記他端部(種結晶配置部)と略平行に固定配置してもよい。この場合、前記炭化ケイ素単結晶を前記種結晶上に再結晶し成長させる際、前記種結晶上には前記炭化ケイ素単結晶のみを再結晶し成長させることができ、炭化ケイ素多結晶を発生させないか、あるいは前記リング状の板部材上に選択的に析出させることができる。なお、この場合、得られる炭化ケイ素単結晶の径は、前記リング状の板部材の分だけ制約を受ける。
本発明においては、前記炭化ケイ素単結晶の効率的な成長を行う目的で、前記第一加熱手段と前記第二加熱手段との間の干渉を防止するための干渉防止手段を用いることが好ましい。
前記干渉防止手段としては、特に制限はなく、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段の種類等に応じて適宜選択することができるが、例えば、干渉防止コイル、干渉防止板などが挙げられ、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段が前記誘導加熱可能なコイルである場合には、干渉防止コイルなどが好適に挙げられる。
前記干渉防止コイル(単に「コイル」と称することがある)は、誘導電流を通電可能であり、誘導電流を通電することにより、該第一加熱手段と該第二加熱手段との間における干渉を防止する機能を有するものが好ましい。
前記干渉防止コイルは、前記第一加熱手段と前記第二加熱手段との間に配置されるのが好ましい。この場合、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段による誘導加熱を同時に行った際に、該干渉防止コイルに誘導電流が流れ、該干渉防止コイルが両者間における干渉を極小化し防止することができる点で好ましい。
前記干渉防止コイルは、それ自身に流れる誘導電流により加熱されないように設計するのが好ましく、それ自身冷却可能であるのがより好ましく、水等の冷却媒体を流通可能なのが特に好ましい。この場合、該干渉防止コイルに前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段における誘導電流が流れたとしても、該干渉防止コイルが加熱されることがなく、このため前記反応容器を加熱することもない点で好ましい。
前記干渉防止コイルの環巻された巻数としては、特に制限はなく、前記第一加熱手段及び前記第二加熱手段の種類、これらに通電される電流の量等により異なり一概に規定することはできないが、一重程度であっても十分である。
以上、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法によると、高品質な本発明の炭化ケイ素単結晶を効率よく、かつ割れ等の破損がない状態で容易に製造することができる。
(炭化ケイ素単結晶)
本発明の炭化ケイ素単結晶は、前記本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造される。
本発明の炭化ケイ素単結晶は、非破壊で光学的に画像検出した結晶欠陥(パイプ欠陥)が100個/cm以下であるのが好ましく、50個/cm以下であるのがより好ましく、10個/cm以下であるのが特に好ましい。
前記結晶欠陥は、例えば、以下のようにして検出することができる。即ち、該炭化ケイ素単結晶に対し、反射照明に適当量の透過照明を加えた照明を当て、該炭化ケイ素単結晶の表面の結晶欠陥(パイプ欠陥)の開口部に顕微鏡焦点を合わせた際に、該パイプ欠陥の内部へと続く部分が該開口部の像よりも弱い影として該開口部につながって観察することができる条件下で、該炭化ケイ素単結晶の全面を走査して顕微鏡画像を得た後、該顕微鏡画像を画像処理することにより、該パイプ欠陥に特長的な形状のみを抽出してその数を計測することにより、該パイプ欠陥を検出することができる。
なお、上記の検出によると、前記炭化ケイ素単結晶の表面に付着した異物や研磨傷、空隙欠陥などの前記パイプ欠陥以外の欠陥が混在する中から、前記パイプ欠陥のみを非破壊で正確に検出することができ、しかも、例えば0.35μm程度の微小な前記パイプ欠陥までも正確に検出することができる。一方、従来から、溶融アルカリにより前記パイプ欠陥部分を選択的にエッチングし、拡大して検出する方法が行われているが、この方法の場合には、隣接する前記パイプ欠陥同士がエッチングにより互いに合一し、結果として前記パイプ欠陥の数が少なく検出されてしまうという問題がある。
前記炭化ケイ素単結晶における前記不純物元素の総含有量としては、10ppm以下であるのが好ましい。
本発明の炭化ケイ素単結晶は、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥がなく、極めて高品質であるので、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れ、半導体ウエハ等の電子デバイス、発光ダイオード等の光学デバイスなどに特に好適である。
(炭化ケイ素単結晶の製造装置)
本発明の炭化ケイ素単結晶の製造装置は、昇華させた前記昇華用原料を再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させ、本発明の炭化ケイ素単結晶を製造する。
前記炭化ケイ素単結晶の製造装置は、坩堝と、第一誘導加熱コイルと、第二誘導加熱コイルとを少なくとも備えてなり、必要に応じて適宜選択したその他の部材等を備えてなる。
前記坩堝としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、一般に容器本体と蓋体とを備える。
前記坩堝の材質としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、黒鉛製であるのが特に好ましい。
前記容器本体としては、前記昇華用原料を収容することができる機能を有する限り特に制限はなく、公知のものを採用することができる。
前記蓋体としては、前記容器本体に対し着脱可能であるのが好ましく、公知のものを採用することができる。前記容器本体と前記蓋体とは、嵌合、螺合等のいずれで着脱自在に設計されていてもよいが、螺合によるものが好ましい。
前記炭化ケイ素単結晶の製造装置においては、通常、前記蓋体が前記容器本体に装着された際に該容器本体内に収容された前記昇華用原料に対向する面の略中央に前記炭化ケイ素単結晶の種結晶が配置される。
前記第一誘導加熱コイルは、通電により加熱し、前記昇華用原料を昇華可能となるように昇華雰囲気を形成することができる限り特に制限はなく、誘導加熱可能なコイルなどが好適に挙げられる。
前記第一誘導加熱コイルは、前記坩堝における、前記昇華用原料が収容された部分の外周に環巻された状態で配置される。
前記第二誘導加熱コイルは、前記第一誘導加熱コイルにより昇華された前記昇華用原料が前記炭化ケイ素の種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成し、該昇華用原料を前記炭化ケイ素の種結晶上に再結晶させることができる限り特に制限はなく、誘導加熱可能なコイルなどが挙げられる。
前記第二誘導加熱コイルは、前記坩堝における、前記炭化ケイ素の種結晶が配置された部分の外周に環巻された状態で配置される。
前記炭化ケイ素単結晶の製造装置においては、前記第一誘導加熱コイルが前記昇華用原料を昇華可能となるように昇華雰囲気を形成し、前記昇華用原料を昇華させる。そして、前記第二誘導加熱コイルが、前記第一誘導加熱コイルにより昇華された前記昇華用原料が前記種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成し、該昇華用原料を前記種結晶上に再結晶させる。このため、成長する炭化ケイ素単結晶が、その全成長過程において、その成長面の全面がその成長方向に向かって凸形状が維持され、前記蓋体側に陥没した凹部が輪状に形成されることがなく、また、炭化ケイ素多結晶が、前記容器本体内の周側面部に接触した状態で成長することもない。このため、成長した炭化ケイ素単結晶を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶側から炭化ケイ素単結晶側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶に割れ等の破損が生じてしまうことがない。その結果、従来における前記諸問題、即ち、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在しない高品質の炭化ケイ素単結晶を効率よくかつ確実に製造することができる。
以上、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造装置によると、高品質な本発明の炭化ケイ素単結晶を効率よく、かつ割れ等の破損がない状態で容易に製造することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す炭化ケイ素単結晶の製造装置1を用いて炭化ケイ素単結晶を製造した。なお、炭化ケイ素単結晶の製造装置1を実施すると本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法をも実施することになる。
炭化ケイ素単結晶の製造装置1は、昇華用原料40を収容可能な容器本体12、及び容器本体12に対し螺合により着脱可能であり、容器本体12に装着された際に容器本体12内に収容された昇華用原料40に対向する面の略中央に炭化ケイ素単結晶の種結晶50を配置可能な蓋体11を備えた黒鉛製坩堝10と、黒鉛製坩堝10を石英管30の内部に固定させる支持棒31と、石英管30の外周であって黒鉛製坩堝10における昇華用原料40が収容された部分に配置された第一誘導加熱コイル21と、石英管30の外周であって黒鉛製坩堝10における蓋体11が位置する部分に配置された第二誘導加熱コイル20とを備える。なお、黒鉛製坩堝10は、断熱材(図示せず)で覆われている。
昇華用原料40は、上述した、高純度のテトラエトキシシラン重合体をケイ素源とし、レゾール型フェノール樹脂を炭素源とし、これらを均一に混合して得た混合物をアルゴン雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末(6H(一部3Cを含む)、平均粒径が200μm)であり、炭化ケイ素単結晶の種結晶50は、6Hのレーリー結晶である。
炭化ケイ素単結晶の製造装置1において、第一誘導加熱コイル21に電流を通電させこれを加熱した。その熱で昇華用原料40を加熱し(2500℃にまで加熱した後、アルゴンガス雰囲気で圧力を50Torr(6645Pa)に維持した)。昇華用原料40は、所定の温度(2500℃)にまで加熱されて昇華した。昇華した昇華用原料40は、再結晶化温度にまで冷却されない限り再結晶しない。ここで、蓋体11側は、第二誘導加熱コイル20により加熱されており、昇華用原料40側よりも温度が低く(種結晶の温度は2400℃)、昇華した昇華用原料40が再結晶し得る再結晶雰囲気(圧力は50Torr(6645Pa))に維持されているため、炭化ケイ素単結晶の種結晶50上近傍にのみ炭化ケイ素が再結晶し、炭化ケイ素の結晶が成長した。
このとき、図2に示す通り、炭化ケイ素単結晶の種結晶50上には炭化ケイ素単結晶60が再結晶し成長し、炭化ケイ素単結晶の種結晶50の外周縁部には炭化ケイ素多結晶70が再結晶し成長した。炭化ケイ素単結晶60の成長は、その全成長過程において昇華用原料40側に向かって凸形状が維持され、蓋体11側に陥没した凹部が輪状に形成されることがなく、また、炭化ケイ素多結晶70が、容器本体12内の周側面部13に接触した状態で成長することもなかった。
その結果、図3に示す通り、成長した炭化ケイ素単結晶60を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶70側から炭化ケイ素単結晶60側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶60に割れ等の破損が生じてしまうこともなかった。
得られた炭化ケイ素単結晶60について、評価したところ、多結晶や多型の結晶の混入がなく、マイクロパイプの結晶欠陥も4個/cmとほとんど存在せず極めて高品質であった。
なお、前記マイクロパイプの結晶欠陥の検出は、得られた炭化ケイ素単結晶60を厚み0.4mmに切断し、鏡面研磨により表面粗さ0.4nmのウエハとし、アルカリ洗浄により表面の異物を極力除去した後に、後述の通り検出した。即ち、アルカリ洗浄後の前記ウエハに対し、反射照明に適当量の透過照明を加えた照明を当て、前記ウエハ表面のマイクロパイプの開口部に顕微鏡焦点を合わせた際に、該マイクロパイプの内部へと続く部分が該開口部の像よりも弱い影として該開口部につながって観察することができる条件下で、前記ウエハの全面を走査して顕微鏡画像を得た後、該顕微鏡画像を画像処理することにより、該マイクロパイプに特長的な形状のみを抽出してその数を計測することにより、該マイクロパイプを検出した。なお、この検出では、0.35μm程度の微小なマイクロパイプまでも非破壊で正確に検出した。
(実施例2)
実施例1において、黒鉛製坩堝10を図4に示す黒鉛製坩堝10に変更した以外は実施例1と同様にした。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。図4に示す黒鉛製坩堝10は、蓋体11に内側領域形成部15が設けられている点でのみ、実施例1で使用した図1に示す黒鉛製坩堝10と相違する。内側領域形成部15は、図4に示す通り、炭化ケイ素単結晶の種結晶が配置される前記内側領域を底面とする円柱状であり、その一端が黒鉛製坩堝10の外部に露出している。内側領域形成部15の材料は、熱伝導度が117J/m/s/℃(W/m・K)であり、内側領域形成部15以外の蓋体11の材料は、熱伝導度が129J/m/s/℃(W/m・K)であった。
実施例2の場合、前記内側領域が前記外側領域とは別の部材(内側領域形成部15)で形成されているため、接触抵抗の差により加熱され難くなっており、また、内側領域形成部15の一端が外部に露出しているので熱を外部に放熱し易くなっているので、炭化ケイ素の再結晶が容易に行われた。
(実施例3)
実施例1において、黒鉛製坩堝10を図5に示す黒鉛製坩堝10に変更した以外は実施例1と同様にした。その結果、実施例1と同様の結果が得られた。図5に示す黒鉛製坩堝10は、蓋体11に内側領域形成部15が設けられている点でのみ、実施例1で使用した図1に示す黒鉛製坩堝10と相違する。内側領域形成部15は、図5に示す通り、炭化ケイ素単結晶の種結晶が配置される前記内側領域を底面とし前記外部に向けて不連続的に2段階その径が大きくなる階段状を底面とする形状であり、その一端が外部に露出している。内側領域形成部15の材料は、熱伝導度が117J/m/s/℃(W/m・K)であり、内側領域形成部15以外の蓋体11の材料は、熱伝導度が129J/m/s/℃(W/m・K)であった。
実施例3の場合、前記内側領域が前記外側領域とは別の部材で形成されているため、接触抵抗の差により加熱され難くなっており、また、内側領域形成部15の一端が外部に露出しているので熱を外部に放熱し易くなっているので、炭化ケイ素の再結晶が容易に行われた。
(実施例4)
実施例1において、以下の点が相違する以外は実施例1と同様にした。即ち、得られた炭化ケイ素粉末が、6H、平均粒径が300μmであり、炭化ケイ素単結晶の種結晶50は、実施例1で得られたバルクの炭化ケイ素単結晶を切断し、全面を鏡面研磨して得られた15Rのウエハ(直径40mm・厚み0.5mm)によるウエハである。
そして、第一誘導加熱コイル21に20kHzの電流を通電させこれを加熱し、第二誘導加熱コイル20に40kHzの電流を通電させこれを昇温し、加熱した。黒鉛製坩堝10の下部(昇華用原料40の収容部)を2312℃、黒鉛製坩堝10の上部(蓋体11における炭化ケイ素単結晶の種結晶50の配置部)を2290℃にそれぞれ加熱した。このとき、第一誘導加熱コイル21への供給電力は10.3kWであり、誘導加熱電流(LC回路への供給電流)は260Aであり、第二誘導加熱コイル20への供給電力は4.6kWであり、誘導加熱電流は98Aであった。圧力を常圧から1時間かけて20Torr(2658Pa)に減圧し、20時間維持したところ、図6に示すように、昇華用原料40側に向かって凸形状が維持された炭化ケイ素単結晶60が得られた。このとき、炭化ケイ素単結晶60における該凸形状の先端までの高さは12mmであり、炭化ケイ素単結晶60とその周囲に形成された炭化ケイ素多結晶とを含む炭化ケイ素の成長結晶の直径は87mmであった。炭化ケイ素単結晶60においては、蓋体11方向に陥没する凹部が輪状に形成されることがなかった。また、炭化ケイ素単結晶60は、黒鉛製坩堝10の容器本体12の周側面部13に接触した状態で成長することはなかった。更に、炭化ケイ素単結晶60は、その周囲に炭化ケイ素多結晶70が僅かしか発生していなかった。
(実施例5)
実施例4において、以下の点が相違する以外は実施例1と同様にした。即ち、炭化ケイ素単結晶の種結晶50の直径が20mm・厚み0.5mmであり、黒鉛製坩堝10の下部(昇華用原料40の収容部)を2349℃に加熱し、黒鉛製坩堝10の上部(蓋体11における炭化ケイ素単結晶の種結晶50の配置部)の加熱温度が2317℃であり、その際の第二誘導加熱コイル20への供給電力が5.5kWであり、誘導加熱電流が118Aであり、炭化ケイ素単結晶60とその周囲に形成された炭化ケイ素多結晶とを含む炭化ケイ素の成長結晶の直径は60mmであったこと以外は、実施例4と同様であり、実施例4と同様の良好な結果が得られた。
(実施例6)
実施例1において、以下の点が相違する以外は実施例1と同様にした。即ち、干渉防止コイル22を内部に水が流れ、冷却可能な干渉防止コイル22を用いた。得られた炭化ケイ素粉末が、6H、平均粒径が250μmであり、炭化ケイ素単結晶の種結晶50は、実施例4で得られたバルクの炭化ケイ素単結晶を切断し、全面を鏡面研磨して得られた直径25mm・厚み2mmのウエハ(6H)である。
そして、第一誘導加熱コイル21に20kHzの電流を通電させこれを加熱し、第二誘導加熱コイル20に40kHzの電流を通電させこれを加熱した。黒鉛製坩堝10の下部(昇華用原料40の収容部)及び上部(蓋体11における炭化ケイ素単結晶の種結晶50の配置部)を2510℃まで、それぞれ昇温し、1時間加熱した。そして、黒鉛製坩堝10の下部は同温度(T)を維持したまま、第二誘導加熱コイル20への供給電力を徐々に低下(5.8kW、120Aから4.2kW、90Aまで低下)させることにより、黒鉛製坩堝10の蓋体11における種結晶配置部の温度を20時間かけて2350℃(T)まで、蓋体11における種結晶配置部の外周部の温度は計算値の推定温度で2480℃(T)まで、それぞれ低下させた。このとき、同時に圧力を常圧から1時間かけて20Torr(2658Pa)に減圧したところ、図7に示すように、昇華用原料40側に向かって凸形状が維持された炭化ケイ素単結晶60が得られた。このとき、炭化ケイ素単結晶60における該凸形状の先端までの高さは18mmであった。炭化ケイ素単結晶60においては、蓋体11方向に陥没する凹部が輪状に形成されることがなかった。また、炭化ケイ素単結晶60は、黒鉛製坩堝10の容器本体12の周側面部13に接触した状態で成長することはなかった。更に、炭化ケイ素単結晶60は、その周囲に炭化ケイ素多結晶70が隣接して発生乃至成長することがなかった。
(実施例7)
実施例1において、以下の点が相違する以外は実施例1と同様にした。即ち、第二誘導加熱コイル20及び第一誘導加熱コイル21を図8に示す従来の炭化ケイ素単結晶の製造装置80における誘導加熱コイル25に代え、黒鉛製坩堝の蓋体11における、容器本体12の内部と対向する側の面(炭化ケイ素単結晶の成長が行われる面)の内、中心から半径60mmの円の外側領域のみに、X線回折にてガラス状乃至アモルファス状であると判断されるカーボン薄膜を、以下の方法により厚み1〜10μmの厚みに成膜した。蓋体11における前記外側領域だけを露出した状態で真空チャンバー内に設置し、ベンゼン雰囲気下、チャンバー内の圧力を0.23Paに調節した。その後、蓋体11を2.5kVの負電位に保ち、フィラメントとアノードとの対向部分に発生させたアーク放電プラズマでベンゼンを分解することによりプラズマ中で生じた正イオンを高速で、蓋体11における前記外側領域に衝突させることにより、成膜を行った。
実施例7では、蓋体11における容器本体12の内部と対向する側の面において、ガラス状カーボン乃至アモルファス状カーボンの成膜を行った部分には炭化ケイ素の結晶が成長せず、成膜を行わなかった中心部分(直径60mmの円形部分)のみに、昇華用原料40側に向かってその成長面の全面が凸形状に維持された炭化ケイ素単結晶60が成長していた。このため、炭化ケイ素単結晶60は、黒鉛製坩堝10の容器本体12の周側面部13に接触した状態で成長することはなく、室温まで冷却した際に、割れ等の破損が生ずることがなかった。
(比較例1)
図8に示す炭化ケイ素単結晶の製造装置80を用いた以外は、実施例1と同様にして炭化ケイ素単結晶を製造した。
具体的には、石英管30の外周であって黒鉛製坩堝10における蓋体11が位置する部分に配置された第一誘導加熱コイル21及び第二誘導加熱コイル20にを、石英管30の外周であって黒鉛製坩堝10が位置する部分に略等間隔に螺旋状に環巻された状態で配置された誘導加熱コイル25に代え、干渉防止コイル22を用いなかった以外は実施例1と同様にした。
比較例1では、図8に示す通り、蓋体11における、容器本体12内部と対向する側の全表面は炭化ケイ素の結晶で覆われ、蓋体11の外周縁部に炭化ケイ素多結晶70が容器本体12の内部周側面に接触した状態で成長した。この状態において、室温にまで冷却を行うと、炭化ケイ素多結晶70側から炭化ケイ素単結晶60側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加され、図9に示す通り、炭化ケイ素単結晶60に割れ等の欠陥が生じた。
1 炭化ケイ素単結晶の製造装置
10 黒鉛製坩堝
11 蓋体
12 容器本体
13 周側面部
15 内側領域形成部
20 第二誘導加熱コイル
21 第一誘導加熱コイル
22 干渉防止コイル
25 誘導加熱コイル
30 石英管
31 支持棒
40 昇華用原料
50 炭化ケイ素単結晶の種結晶
60 炭化ケイ素単結晶
70 炭化ケイ素多結晶
71 凹部
80 従来の炭化ケイ素単結晶の製造装置

Claims (21)

  1. 昇華させた昇華用原料を炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させて、炭化ケイ素単結晶を、その全成長過程を通して、その成長面の全面を凸形状に保持したまま成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、前記種結晶の直径よりも大きいことを特徴とする炭化ケイ素単結晶。
  2. 炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶を略山形に成長させる請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  3. 反応容器内に昇華用原料を収容し、該反応容器内の該昇華用原料に略対向する端部に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶の成長が、該端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部を除く領域でのみ行われる請求項1又は2に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  4. 炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶が、炭化ケイ素単結晶のみからなる請求項2から3のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  5. 反応容器内の一端部側に昇華用原料を収容し、該反応容器内の他端部側に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置し、前記一端部側に配置した第一加熱手段により、該昇華用原料を昇華可能となるように昇華雰囲気を形成し、前記他端部側に配置した第二加熱手段により、前記第一加熱手段により昇華された前記昇華用原料が前記炭化ケイ素単結晶の種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成し、該昇華用原料を前記炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させる請求項1から4いずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  6. 反応容器内において、再結晶雰囲気の温度が昇華雰囲気の温度よりも30〜300℃低い請求項5に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  7. 第一加熱手段及び第二加熱手段が誘導加熱可能なコイルである請求項5又は6に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  8. 第一加熱手段における誘導加熱電流の電流値が、第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値よりも大きい請求項7に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  9. 第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値を、成長する炭化ケイ素単結晶の径が大きくなるにつれて、連続的又は段階的に小さくする請求項7又は8に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  10. 反応容器内の、昇華用原料を収容した一端部側の温度をTとし、炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置した他端部側の温度をTとし、該他端部側における、反応容器の内周側面部との隣接部の温度Tとした時、T−T及びT−Tが連続的又は段階的に大きくなる請求項5から9のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  11. 第一加熱手段と第二加熱手段との間に、誘導電流を通電可能であり、該誘導電流を通電することにより該第一加熱手段と該第二加熱手段との間における干渉を防止する干渉防止手段が配置される請求項7から10のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  12. 干渉防止手段が、冷却水を流通可能なコイルである請求項11に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  13. 一端部が下端部であり、他端部が上端部である請求項5から12のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  14. 反応容器が、石英管内に配置された坩堝である請求項5から13のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  15. 他端部における、炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域と、該領域の外周に位置し反応容器の内周側面部と隣接する領域とが、別の部材で形成されており、かつ該炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域を形成する部材における、一端が反応容器の内部に露出し、他端が反応容器の外部に露出している請求項5から14のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  16. 他端部における、該反応容器内の周側面部との隣接部の表面が、ガラス状カーボンである請求項5から15のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  17. 昇華用原料が、高純度のアルコキシシラン及びアルコキシシラン重合体から選択される少なくとも1種をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度の有機化合物を炭素源とし、これらを均一に混合して得た混合物を非酸化性雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末である請求項1から16のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  18. ケイ素源がテトラアルコキシシラン重合体であり、炭素源がフェノール樹脂である請求項17に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  19. 炭化ケイ素粉末の不純物元素の各含有量が0.5ppm以下である請求項17又は18に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法により製造され、最大直径が、種結晶の直径よりも大きい炭化ケイ素単結晶。
  20. 非破壊で光学的に画像検出した中空パイプ状の結晶欠陥が100個/cm以下である請求項1から19のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶。
  21. 不純物元素の総含有量が10ppm以下である請求項1から20のいずれかに記載の炭化ケイ素単結晶。
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