JP2010100447A - 炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成長効率がよく、より高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができ、より実用的な炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】昇華用原料微粉末5をキャリアガス3と共に坩堝内に供給する供給口13(14,15)と、昇華用原料微粉末5を加熱し昇華したガスを炭化ケイ素種結晶2上に供給する流路を備えた坩堝本体11と、キャリアガス3の排出口16と、を備える坩堝10と、坩堝10内部の排出口16側に配置され、炭化ケイ素種結晶2を設置する炭化ケイ素種結晶配置部12と、坩堝10の外周に配置され、該坩堝10を加熱して昇華用原料微粉末5を昇華させる誘導加熱コイル(加熱手段)32と、を備えた炭化ケイ素単結晶の製造装置において、坩堝本体11の昇華用原料微粉末5の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法に係り、特に、成長効率がよく、より高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができ、より実用的な炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法に関する。
炭化ケイ素は、ケイ素に比し、バンドギャップが大きく、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れることから、小型で高出力の半導体等の電子デバイス材料として注目されている。また、炭化ケイ素は、光学的特性に優れた他の化合物半導体との接合性に優れることから、光学デバイス材料としても注目されてきている。かかる炭化ケイ素の結晶の中でも、炭化ケイ素単結晶は、炭化ケイ素多結晶に比し、ウエハ等のデバイスに応用した際にウエハ内特性の均一性等に特に優れるという利点がある。
炭化ケイ素単結晶の製造方法として昇華法が用いられている。例えば、改良レーリー法においては、黒鉛坩堝の中に原料粉と種結晶を対抗する位置に配置し、2000[℃]以上の高温に加熱し、さらに13332[Pa]以下に減圧することで原料粉を昇華させ種結晶上に炭化ケイ素を再結晶化させる。結晶成長において重要なパラメータとなるのは、成長する結晶の温度、原料ガス(昇華ガス:Si、SiC、SiC等)の供給量、並びに成長雰囲気の圧力等であるが、成長中の坩堝内の様子を観察する方法はなく、成長結晶の温度は、成長結晶にできるだけ近い位置での黒鉛坩堝外面の温度を測定することにより推測するしかない。また、原料ガスの供給量や雰囲気圧は、原料粉に近い位置での黒鉛坩堝外面の温度と坩堝の外の雰囲気圧から類推するしかない。
坩堝は準閉止状態であるため、昇華ガスが坩堝外に漏洩することはほとんど無く、同時に坩堝内外で圧力やガス成分に顕著な差が生じており、坩堝内の環境が分からなくなっている。コンピュータによるシミュレーション等を活用することにより、ブラックボックスとなった坩堝内の様子を推定できるようになってきているが、十分な精度が得られるには至っていない。
また、黒鉛坩堝内に原料粉を封入して加熱するのだが、原料粉充填部の温度を均一にすることは難しく、現実には原料粉充填部に温度分布が生じている。そのため、高温な部位からの昇華が速く、成長初期には原料ガスの供給量が多く、高温部の原料が減っていくにつれて原料ガスの供給量が減少していくという問題点があった。そのため、均一な速度での結晶成長が難しいために均一な結晶を成長することが困難であった。また、原料粉充填部の比較的低温な部位に再結晶化してしまい原料が効率よく種結晶に輸送できない恐れがあり、収率向上の妨げとなっていた。
このような課題を改良する手段として、例えば特開2001−233697号公報「炭化珪素単結晶」には、炭化ケイ素単結晶を備える坩堝内に、二酸化ケイ素超微粒子および炭素微粒子をキャリアガスと共に供給して、炭化ケイ素種結晶上に炭化ケイ素単結晶を成長させる方法が提案されている。
また、特開2002−154899号公報「炭化珪素単結晶の製造方法及び製造装置」には、炭化ケイ素種結晶を備える坩堝内にシランガスとプロパンガスを供給して、炭化ケイ素種結晶上に炭化ケイ素単結晶を成長させ得る方法が提案されている。
特開2001−233697号公報 特開2002−154899号公報
総じて昇華法の改良レーリー法においては、結晶の成長温度や坩堝内部の圧力を間接的に見積もることしかできず、原料の供給量(昇華量)を成長プロセス全体を通じて一定にするのが難しく、また、成長プロセスを通して昇華ガスの成分を一定にするのが難しいという課題がある。
このような課題を改良するべく提案された特許文献1に開示された技術においては、比較的に原料の供給量や加熱雰囲気を制御し易いという利点もあるが、原料内に酸素が含まれており、炭化ケイ素単結晶内に不純物が取り込まれる可能性があった。また、原料内の酸素と黒鉛製の坩堝とが反応してしまい、激しく坩堝が損傷するおそれがある。
また、特許文献2に開示された技術においても、比較的に原料の供給量や加熱雰囲気を制御し易いという利点もあるが、シランガスとプロパンガスの化学反応を経由するため収率が悪いという問題があった。
以上のように、炭化ケイ素の単結晶成長において一般的に用いられている改良レーリー法では、坩堝を使っているために温度、圧力およびガス成分といった環境の制御が難しいという課題があり、所定環境(温度、圧力およびガス成分)で、且つ所定速度で単結晶成長させ得る、より実用的な炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法が望まれていた。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、成長効率がよく、より高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができ、より実用的な炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造装置は、昇華用原料微粉末をキャリアガスと共に坩堝内に供給する供給口と、前記昇華用原料微粉末を加熱し昇華したガスを炭化ケイ素種結晶上に供給する流路を備えた坩堝本体と、前記キャリアガスの排出口と、を備える坩堝と、前記坩堝内部の前記排出口側に配置され、前記炭化ケイ素種結晶を設置する炭化ケイ素種結晶配置部と、前記坩堝の外周に配置され、該坩堝を加熱して前記昇華用原料微粉末を昇華させる加熱手段と、を備えた炭化ケイ素単結晶の製造装置において、前記坩堝本体の前記昇華用原料微粉末の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いることを特徴とする。また、炭化ケイ素種結晶配置部は、前記坩堝の長手方向軸を中心に回転することを特徴とする。
また、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、昇華用原料微粉末をキャリアガスと共に炭化ケイ素種結晶を設置した坩堝内に供給する第1の工程と、前記昇華用原料微粉末を加熱して昇華させる第2の工程と、昇華したガスを前記炭化ケイ素種結晶上に供給して該炭化ケイ素種結晶上に炭化ケイ素単結晶を成長させる第3の工程と、を備えた炭化ケイ素単結晶の製造方法において、前記坩堝の前記昇華用原料微粉末の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いることを特徴とする。また、前記炭化ケイ素種結晶を結晶成長方向軸を中心に回転させつつ前記炭化ケイ素種結晶上に炭化ケイ素単結晶を成長させることを特徴とする。
上記特徴の本発明の炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法によれば、従来の密閉型構造の炉に対して供給口を備えた一部開放型構造の炉であるので、例えば放射温度計等により炭化ケイ素種結晶や成長結晶の表面温度を測定することができ、炉内の昇華雰囲気を的確に把握して高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができる。また、昇華用原料微粉末の供給量を調整することにより昇華ガスの供給量を容易に調整することができ、炭化ケイ素単結晶の成長速度を一定に制御することができる。また、昇華用原料微粉末を連続供給できる構造であるため、炭化ケイ素単結晶の長尺化を図ることができる。
また、炭化ケイ素種結晶配置部を坩堝の長手方向軸を中心に回転させることにより、炭化ケイ素種結晶や成長結晶の表面に対して均一に昇華ガスを供給することができ、高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができる。さらに、坩堝本体の昇華用原料微粉末の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いることにより、昇華ガスの坩堝内壁の黒鉛との接触反応による昇華ガスの炭素対ケイ素成分比の変化を抑制することができ、結果として結晶欠陥の発生や単結晶の結晶性低下を抑制し、より高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができる。
以下、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法の実施例について、〔実施例1〕、〔実施例2〕の順に図面を参照して詳細に説明する。
〔実施例1〕
図1は本発明の実施例1に係る炭化ケイ素単結晶の製造装置の構成図である。
同図において、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置1は、昇華用原料微粉末5をキャリアガス3と共に坩堝10内に供給する供給口13、昇華用原料微粉末5から昇華したガスを炭化ケイ素種結晶配置部12に設置された炭化ケイ素種結晶2上に供給する流路を備えた坩堝本体(黒鉛円筒)11、並びにキャリアガス排出口16を備える坩堝10と、該坩堝10内部のキャリアガス排出口16側に配置され、炭化ケイ素種結晶2を設置して坩堝10の長手方向軸を中心に回転する炭化ケイ素種結晶配置部12と、坩堝10の外周に配置され、坩堝本体11の流路の昇華用原料微粉末5を加熱して昇華させる誘導加熱コイル(特許請求の範囲にいう加熱手段)32と、を備えて構成されている。
なお、供給口13としては、キャリアガス供給口14および昇華用原料微粉末供給口15を備えており、キャリアガス供給口14は、当該炭化ケイ素単結晶の製造装置1の長手方向端部に設けられ、また、昇華用原料微粉末供給口15は、キャリアガス供給口14からやや下流の坩堝本体11の側部に設けられている。また、キャリアガス排出口16は、当該炭化ケイ素単結晶の製造装置1においてキャリアガス供給口14とは反対の長手方向端部に設けられている。
また、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置1では、坩堝10に係わる治具として、坩堝10と誘導加熱コイル32の間に、坩堝10の外側から誘導加熱コイル32に向かって順に、断熱材(カーボン断熱材)30、石英菅21、水菅(冷却水菅)22および石英菅23を備えている。また、該炭化ケイ素単結晶の製造装置1の長手方向の両端部にそれぞれフランジ24,25を備えている。なお、本発明は坩堝本体11の材料および加工に特徴があるが、これらについては後述する。
さらに、炭化ケイ素種結晶配置部12は、図示しない駆動手段を作動させることで坩堝10の長手方向中心軸(炭化ケイ素単結晶の結晶成長方向軸)を中心に回転させる。なお、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置1は横型構造であることから、炭化ケイ素種結晶配置部12に炭化ケイ素種結晶2を設置する際、炭化ケイ素種結晶2を固定するために接着剤等の固定手段を用いる必要がある。接着剤としては、例えば樹脂、炭水化物または耐熱性微粒子等を用いる。
また、坩堝本体11の流路延長上で当該炭化ケイ素単結晶の製造装置1の長手方向端部付近には、炭化ケイ素種結晶2や成長結晶の表面温度を測定する放射温度計34が設置されている。
本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置1では、以上のような構造により、昇華用原料微粉末供給口15から投入された昇華用原料微粉末5は、キャリアガス供給口14から供給されるキャリアガス3の流れに沿って坩堝本体15の内部を流動する。その際、昇華用原料微粉末5は誘導加熱コイル32により加熱されて昇華し、該昇華ガスは炭化ケイ素種結晶2上に供給されて炭化ケイ素単結晶として成長することとなる。なお、キャリアガス3は、キャリアガス排出口16から当該炭化ケイ素単結晶の製造装置1の外部に排出される。
次に、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置1による炭化ケイ素単結晶の製造方法について説明する。まず、炭化ケイ素種結晶2を坩堝10内の炭化ケイ素種結晶配置部12に設置し、誘導加熱コイル32により坩堝10を高温に加熱して、供給口13から昇華用原料微粉末5をキャリアガス3に乗せて投入する。すると、坩堝本体11の流路で昇華用原料微粉末5が昇華し、昇華ガスとなって炭化ケイ素種結晶2の表面に輸送され、炭化ケイ素種結晶2を坩堝本体11よりもやや低温に維持することによって炭化ケイ素種結晶2の表面に結晶を成長させる。
すなわち、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、(イ)昇華用原料微粉末5をキャリアガス3と共に炭化ケイ素種結晶2を設置した坩堝10内に供給する第1の工程と、(ロ)昇華用原料微粉末5を加熱して昇華させる第2の工程と、(ハ)昇華したガスを炭化ケイ素種結晶2上に供給して該炭化ケイ素種結晶2上に炭化ケイ素単結晶を成長させる第3の工程と、を含む。以下、各工程について詳細に説明する。
(イ)炭化ケイ素単結晶の製造装置1において、まず、キャリアガス3をキャリアガス供給口14から、また、昇華用原料微粉末5を昇華用原料微粉末供給口15から、それぞれ坩堝10内に供給する。
ここで、キャリアガス3としては、昇華用原料微粉末5の昇華に影響を与えない不活性ガス、例えばアルゴンガスや窒素ガスを用いるのが望ましい。ここではアルゴンガスを用いることとする。キャリアガス3の供給量は、昇華用原料微粉末5の供給量が1〜5[g/時間]となるように供給するのが望ましく、より適切には1〜2[g/時間]となるように供給するのが特に好ましい。
また、昇華用原料微粉末5としては、炭化ケイ素微粉末、或いはケイ素微粉末を添加した炭化ケイ素微粉末を用いる。炭化ケイ素微粉末を加熱昇華させた場合、珪素のみが昇華し炭素が残る傾向があるが、昇華用原料微粉末5にケイ素微粉末を添加することでケイ素ガスの分圧が上がり、炭化ケイ素微粉末からケイ素のみが昇華することを防止できるからである。
具体的には、昇華用原料微粉末5は、炭化ケイ素(SiC)微粉末およびケイ素(Si)微粉末からなり、炭化ケイ素微粉末とケイ素微粉末の重量比は、炭化ケイ素微粉末:ケイ素微粉末=1:0.2〜1:1であることが望ましい。ケイ素微粉末の重量が上記下限値よりも低いとケイ素ガスの分圧を上げることが困難となり、また上記上限値よりも高いとケイ素が十分に昇華しなくなる恐れがあるからである。また、より適切には炭化ケイ素微粉末とケイ素微粉末の重量比を、炭化ケイ素微粉末:ケイ素微粉末=1:0.5〜1:0.8となるように供給するのが特に好ましい。
(ロ)次に、誘導加熱コイル32を作動させ、昇華用原料微粉末5を加熱して昇華させる。ここで、加熱温度は、昇華用原料微粉末5が昇華する温度であれば特に制限はないが、2200〜2500[℃]とするのが望ましい。加熱温度が上記下限値よりも低いと昇華用原料微粉末5が昇華しづらく、加熱温度が上記上限値よりも高いと経済的でなく、また装置を傷めやすくなるからである。また、より適切には加熱温度を2300〜2400[℃]とするのが特に好ましい。
(ハ)次に、加熱により昇華した昇華ガスを炭化ケイ素種結晶2上に供給し、該炭化ケイ素種結晶2上に炭化ケイ素単結晶を成長させる。ここで、炭化ケイ素種結晶2としては、特に制限なく、使用目的に応じて適宜定まり、例えば6Hのレーリー結晶や6Hのアチソン結晶等、種々の炭化ケイ素種結晶を用いることができる。ここでは、例えば6Hのレーリー結晶(結晶厚:0.9[mm]、直径20[mm])を用いる。
なお、炭化ケイ素単結晶を成長させる際に、炭化ケイ素種結晶配置部12を坩堝10の長手方向中心軸(炭化ケイ素単結晶の結晶成長方向軸)を中心に回転させつつ、炭化ケイ素種結晶2上に炭化ケイ素単結晶を成長させるのが望ましい。昇華ガスが均一に炭化ケイ素種結晶2上に供給されることで、高品質な炭化ケイ素単結晶を成長させることができるからである。
次に、昇華用原料微粉末5について説明する。上述のように、昇華用原料微粉末5としては、炭化ケイ素微粉末、或いはケイ素微粉末を添加した炭化ケイ素微粉末を用いる。昇華用原料としての炭化ケイ素微粉末は、炭化ケイ素である限り、結晶の多型、使用量、純度、およびその製造方法等については特に制限はなく、使用目的に応じて適宜選択することができる。
ここで、昇華用原料の結晶の多型としては、例えば、4H,6H,15R,3C等が挙げられ、これらの中でも昇華温度が低く、比較的低温の環境で成長を行うことができる3Cや、研磨剤等として比較的安価に入手可能な6H等が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用することが好ましいが、2種以上を併用しても良い。また、昇華用原料の使用量としては、製造する炭化ケイ素単結晶の大きさ、坩堝10の大きさ等に応じて適宜選択することができる。さらに、昇華用原料の純度としては、製造する炭化ケイ素単結晶中への多結晶や多型の混入を可能な限り防止する観点から、純度が高いことが好ましく、具体的には不純物元素の各含有量が0.5[ppm]以下であることが望ましい。
昇華用原料としての炭化ケイ素微粉末は、例えば、ケイ素源として、ケイ素化合物の少なくとも1種と、炭素源として、加熱により炭素を生ずる有機化合物の少なくとも1種と、重合触媒または架橋触媒とを溶媒中で溶解して得られた粉末を非酸化性雰囲気下で焼成することにより得られる。
ケイ素源としてのケイ素化合物は、液状のものと固体のものとを併用することができるが、少なくとも1種は液状のものから選択する。液状のものとしては、アルコキシシランおよびアルコシシシラン重合体が好適に用いられる。また、固体のものとしては、SiO、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲル、微細シリカ、石英粉末)等の酸化ケイ素が挙げられる。なお、ケイ素化合物は、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。また、ケイ素化合物は、高純度であることが望ましく、初期における各不純物の含有量が20[ppm]以下であるのが好ましく、より適切には5[ppm]以下であるのが好ましい。
また、炭素源として、加熱により炭素を生ずる有機化合物は、液状のものを単独で用いても良いし、液状のものと固体のものとを併用しても良い。また、加熱により炭素を生ずる有機化合物は、残炭率が高く、且つ触媒若しくは加熱により重合または架橋する有機化合物が望ましく、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリミノイド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等の樹脂のモノマーやプレポリマーが好ましく、その他、セルロース、蔗糖、ピッチ、タール等の液状物が挙げられる。これらの中でも、高純度のものが望ましく、フェノール樹脂がより好ましく、レゾール型フェノール樹脂が特に好ましい。なお、加熱により炭素を生ずる有機化合物は、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。また、加熱により炭素を生ずる有機化合物の純度としては、目的に応じて適宜選択することができるが、高純度の炭化ケイ素微粉末が必要な場合には、各金属を5[ppm]以上含有していない有機化合物を用いることが好ましい。
また、重合触媒または架橋触媒としては、加熱により炭素を生ずる有機化合物に応じて適宜選択できるが、加熱により炭素を生ずる有機化合物がフェノール樹脂やフラン樹脂の場合、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、マレイン酸、硫酸等の酸類が好ましく、マレイン酸が特に好ましい。
ところで、加熱により炭素を生ずる有機化合物に含まれる炭素と、ケイ素化合物に含まれるケイ素との比(以下、「C/Si比」と略記する)は、両者の混合物を1000[℃]にて炭化して得られる炭化物中間体を元素分析することにより定義される。化学量論的には、C/Si比が3.0の時に得られた炭化ケイ素微粉末中の遊離炭素が0[%]となるはずであるが、実際には、同時に生成するSiOガスの揮散により低C/Si比において遊離炭素が発生する。この得られた炭化ケイ素微粉末中の遊離炭素量が適当な量となるように予め配合比を決定しておくのが望ましい。通常、1気圧近傍で1600[℃]以上の焼成では、C/Si比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を抑制することができる。また、C/Si比が2.5を超えると、遊離炭素が顕著に増加する。ただし、雰囲気の圧力を低圧または高圧で焼成する場合は、純粋な炭化ケイ素微粉末を得るためのC/Si比は変動するので、この場合は必ずしもC/Si比の範囲に限定するものではない。
なお、炭化ケイ素微粉末は、例えば、ケイ素化合物と加熱により生ずる有機化合物との混合物を硬化することによっても得られる。硬化の方法としては、加熱により架橋する方法、硬化触媒により硬化する方法、或いは電子線や放射線による方法等が挙げられる。ここで、硬化触媒としては、加熱により炭素を生ずる有機化合物の種類等に応じて適宜選択することができ、フェノール樹脂やフラン樹脂の場合には、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、塩酸、硫酸、マレイン酸等の酸類、またはヘキサミン等のアミン酸などが挙げられる。これらの硬化触媒を用いる場合、硬化触媒は溶媒に溶解するか、或いは分散する。なお、触媒としては、低級アルコール(例えばエチルアルコール等)、エチルエーテル、アセトン等が挙げられる。
次に、炭化ケイ素微粉末の生成について説明する。炭化ケイ素微粉末は、窒素またはアルゴン等の非酸化性雰囲気中、800〜1000[℃]にて30〜120[分]間焼成される。この焼成により炭化ケイ素微粉末が炭化物になり、該炭化物をアルゴン等の非酸化性雰囲気中、1350〜2000[℃]で焼成することにより、炭化ケイ素微粉末が生成される。ここで、焼成の温度と時間は、得ようとする炭化ケイ素微粉末の粒径等に応じて適宜選択することができ、炭化ケイ素微粉末をより効果的に生成する点で、上記温度を1600〜1900[℃]とするのが好ましい。これにより、80%以上3Cを含有した原料粉末を得ることができる。なお、焼成の後に不純物を除去し、高純度の炭化ケイ素微粉末を得る目的で、例えば、温度2000〜2400[℃]で3〜8[時間]加熱処理を行うことにより、80%以上6Hを含有した原料粉末を得ることができる。
以上により得られた炭化ケイ素微粉末は、大きさが不均一であるため、解粉、分級等を行うことにより所望の粒度にすることができる。炭化ケイ素微粉末の平均粒径としては、昇華を促進するために可能な限り細かいことが好ましく、1[μm]以下の微粉末であることが特に好ましい。
炭化ケイ素微粉末としては、4H,6H,15R,3C、或いはこれらの混合物等の何れであっても良いが、原料微粉末が未昇華で種結晶上に到達することを防ぐために、昇華速度の低い3Cが好ましい。
また、炭化ケイ素微粉末を用いて成長させた炭化ケイ素単結晶にn型またはp型の導電性を付与する目的で、それぞれ窒素またはアルミニウム等を導入することができる。窒素またはアルミニウム等を炭化ケイ素微粉末の製造時に導入する場合には、まずケイ素源と、炭素源と、窒素源またはアルミニウム源からなる有機物質と、重合または架橋触媒とを均一に混合すればよい。例えば、フェノール樹脂等の炭素源と、ヘキサメチレンテトラミン等の窒素源からなる有機物質と、マレイン酸等の重合または架橋触媒とを、エタノール等の溶媒に溶解する際に、テトラエトキシシランのオリゴマー等のケイ素源と十分に混合することが好ましい。
次に、本発明の特徴である坩堝本体11について説明する。坩堝本体11には黒鉛部材を使用し、坩堝本体11の昇華用原料微粉末5の昇華ガスが触れる部位、即ち、昇華ガスを炭化ケイ素種結晶配置部12に設置された炭化ケイ素種結晶2上に供給する流路の内壁(図1中、A,B)をタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングしたものを用いる。
坩堝本体11の流路の内壁をタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングすることによる効果を説明するために、まず、坩堝本体11にコーティング無しの黒鉛部材を使用した場合について考える。
炭化ケイ素の結晶成長では、昇華ガスのケイ素と炭素の比率(C/Si比)が成長の速度並びに得られる炭化ケイ素単結晶の品質に多大な影響を及ぼすことは、エピタキシャル成長の研究等により周知の事実である。本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法における成長法は、昇華用原料微粉末5の供給量を調整することにより昇華ガスの供給量を容易に調整することに特徴があり、結晶成長は坩堝本体11,即ち黒鉛円筒内で行われ、成長環境で黒鉛がむき出しとなった状態となっている。そのため、黒鉛円筒を形成する炭素原子が昇華ガスの成分であるケイ素ガスと反応して、昇華ガスのC/Si比を微妙に変化させる。単結晶が成長する炭化ケイ素種結晶2の表面近傍の領域における昇華ガスの成分の変動は、結晶欠陥が成長結晶に取り込まれ、また、多型混入や異方性の成長が生じて単結晶の結晶性が低下する要因となっていると考えられ、結果として高品質な結晶を成長させる妨げとなる。
また、黒鉛円筒の表面が僅かずつではあるが削れてくるため、坩堝本体11を形成する黒鉛部材の寿命を縮める結果ともなる。なお、図1において部位Bが最も黒鉛の損傷が激しいと考えられる部位である。
さらに、炭化ケイ素種結晶2よりも下流の領域(図1中、C)では、炭化ケイ素種結晶2よりも更に低温となるため、炭化ケイ素種結晶2上で消費(再結晶化)されずに残った昇華ガスが黒鉛部材の表面に再結晶化する。これが黒鉛部材の使用限度を左右するため、黒鉛部材表面への再結晶化は可能な限り防止したい。対処としては、原料である昇華用原料微粉末5を100[%]炭化ケイ素種結晶2上に再結晶化させるように、昇華用原料微粉末5の投入量を調整することが重要であるが、実際の成長では、炭素成分が多い環境や、或いはケイ素成分が多い環境を故意に形成することによって成長結晶の品質を上げる取り組みがなされており、原料を100[%]消費しきる分量や成分比によって限定されることは、高品質な結晶成長の妨げとなる。
そこで、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法では、成長環境を形成する黒鉛円筒の内面をタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングすることにより上記問題点を解決している。タンタルカーバイドまたはタンタル箔のコーティングにより、黒鉛円筒の炭素原子がケイ素ガスと反応して昇華ガスに混入することを防止でき、意図した昇華ガスのC/Si比を保つことができるようになる。また、タンタルカーバイドまたはタンタル箔には炭化ケイ素が析出し難いため、昇華ガスの成分比が変化する環境でも部材表面に再結晶化させることなく成長を行うことができ、坩堝本体11の長寿命化を図ることができる。
坩堝本体(黒鉛円筒)11へのコーティング有り無しの構成で、得られた炭化ケイ素単結晶について検証したところ、コーティング有りの構成では、コーティング無しの構成に比べてMP(マイクロパイプ)密度が約20[%]改善した。また、コーティング無しの構成では、黒鉛円筒の最も下流となる部位(図1中、C近傍)の黒鉛部材表面に炭化ケイ素が析出したが、コーティング有りの構成では、炭化ケイ素の析出を防止することができた。また、欠陥の発生を防止する目的で、C/Si比が2.5を超える原料成分での成長を試行したところ、コーティング無しの場合には成長結晶全体にわたってカーボンインクルージョンが発生したが、コーティング有りの場合には、カーボンインクルージョンの密度を1/10に低減することができた。
次に、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法により得られる炭化ケイ素単結晶について説明しておく。炭化ケイ素単結晶は被破壊で光学的に画像検出した結晶欠陥(パイプ欠陥)が100[個/cm]以下であることが望ましく、より適切には10[個/cm]以下であることが特に好ましい。なお、結晶欠陥は広く知られた公知の技術により検出することができる。
本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法により得られる炭化ケイ素単結晶は、マクロパイプ密度が10以下であり、良質な結晶が得られた。そのため、耐高電圧、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れた電子デバイス、特にパワーデバイスや発光ダイオード等に好適に用いられる。
以上説明したように、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置では、昇華用原料微粉末5をキャリアガス3と共に坩堝内に供給する供給口13(14,15)と、昇華用原料微粉末5を加熱し昇華したガスを炭化ケイ素種結晶2上に供給する流路を備えた坩堝本体11と、キャリアガス3の排出口16と、を備える坩堝10と、坩堝10内部の排出口16側に配置され、炭化ケイ素種結晶2を設置する炭化ケイ素種結晶配置部12と、坩堝10の外周に配置され、該坩堝10を加熱して昇華用原料微粉末5を昇華させる誘導加熱コイル(加熱手段)32と、を備えた炭化ケイ素単結晶の製造装置において、坩堝本体11の昇華用原料微粉末5の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いる。また、炭化ケイ素種結晶配置部12は坩堝10の長手方向軸を中心に回転する。
また、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造方法では、昇華用原料微粉末5をキャリアガス3と共に炭化ケイ素種結晶2を設置した坩堝10内に供給する第1の工程と、昇華用原料微粉末5を加熱して昇華させる第2の工程と、昇華したガスを炭化ケイ素種結晶2上に供給して該炭化ケイ素種結晶2上に炭化ケイ素単結晶を成長させる第3の工程と、を備えた炭化ケイ素単結晶の製造方法において、坩堝10内の昇華用原料微粉末5の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いる。また、結晶成長方向軸を中心として炭化ケイ素種結晶2を回転させつつ炭化ケイ素種結晶2上に炭化ケイ素単結晶を成長させる。
このように、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法では、従来の密閉型構造の炉に対して供給口13を備えた一部開放型構造の炉であるので、例えば放射温度計34等により炭化ケイ素種結晶2や成長結晶の表面温度を測定することができ、炉内の昇華雰囲気を的確に把握して高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができる。また、昇華用原料微粉末5の供給量を調整することにより昇華ガスの供給量を容易に調整することができ、炭化ケイ素単結晶の成長速度を一定に制御することができる。また、昇華用原料微粉末5を連続供給できる構造であるため、炭化ケイ素単結晶の長尺化を図ることができる。
また、炭化ケイ素種結晶配置部12を坩堝の長手方向軸を中心に回転させることにより、炭化ケイ素種結晶2や成長結晶の表面に対して均一に昇華ガスを供給することができ、高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができる。さらに、坩堝10(坩堝本体11)内の昇華用原料微粉末5の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いることにより、昇華ガスの坩堝10(坩堝本体11)内壁の黒鉛との接触反応による昇華ガスの炭素対ケイ素成分比(C/Si比)の変化を抑制することができ、結果として結晶欠陥の発生や単結晶の結晶性低下を抑制し、より高品質の炭化ケイ素単結晶を得ることができる。
〔実施例2〕
次に、本発明の実施例2に係る炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法について説明する。図2は本発明の実施例2に係る炭化ケイ素単結晶の製造装置の構成図である。
同図において、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置101は、昇華用原料微粉末105をキャリアガス103と共に坩堝110内に供給する供給口、昇華用原料微粉末105から昇華したガスを炭化ケイ素種結晶配置部112に設置された炭化ケイ素種結晶102上に供給する流路を備えた坩堝本体(黒鉛円筒)111、並びにキャリアガス排出口116を備える坩堝110と、該坩堝110内部のキャリアガス排出口116側に配置され、炭化ケイ素種結晶102を設置して坩堝110の長手方向軸を中心に回転する炭化ケイ素種結晶配置部112と、坩堝110の外周に配置され、坩堝本体111の流路の昇華用原料微粉末105を加熱して昇華させる誘導加熱コイル(特許請求の範囲にいう加熱手段)132と、を備えて構成されている。
なお、供給口としては、キャリアガス供給口114および昇華用原料微粉末供給口115を備えており、キャリアガス供給口114は、当該炭化ケイ素単結晶の製造装置101の長手方向(上方)端部に設けられ、また、昇華用原料微粉末供給口115は、キャリアガス供給口114からやや下流の坩堝本体111の側部に設けられている。また、キャリアガス排出口116は、当該炭化ケイ素単結晶の製造装置101においてキャリアガス供給口114とは反対の長手方向(下方)端部に設けられている。
また、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置101では、坩堝110に係わる治具として、坩堝110と誘導加熱コイル132の間に、坩堝110の外側から誘導加熱コイル132に向かって順に、断熱材(カーボン断熱材)130、石英菅121、水菅(冷却水菅)122および石英菅123を備えている。また、該炭化ケイ素単結晶の製造装置2の長手方向の両端部にそれぞれフランジ124,125を備えている。
さらに、炭化ケイ素種結晶配置部112は、図示しない駆動手段を作動させることで坩堝110の長手方向中心軸(炭化ケイ素単結晶の結晶成長方向軸)を中心に回転させる。また、坩堝本体111の流路延長上で当該炭化ケイ素単結晶の製造装置101の長手方向端部付近には、炭化ケイ素種結晶102や成長結晶の表面温度を測定する放射温度計134が設置されている。
本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置は、横型である実施例1の構造を縦型の構造としたものであり、各構成要素の詳細については実施例1とほぼ同等である。また、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置101による炭化ケイ素単結晶の製造方法についても実施例1とほぼ同等である。したがって、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置および製造方法においても実施例1と同等の効果を奏することができる。
なお、実施例1の炭化ケイ素単結晶の製造装置1においては、横型構造であることから、炭化ケイ素種結晶配置部12に炭化ケイ素種結晶2を設置する際、炭化ケイ素種結晶2を固定するために接着剤等の固定手段を用いる必要があったが、本実施例の炭化ケイ素単結晶の製造装置101は縦型構造であることから、炭化ケイ素種結晶配置部112上の長手方向の中心軸(回転軸)に炭化ケイ素種結晶102を合わせて置くだけでよく、接着剤等の固定手段の使用や固定工程を省略することができる。また、キャリアガス103により炭化ケイ素種結晶102が動く恐れのある場合には、炭化ケイ素種結晶102と同形でややサイズの大きい溝を炭化ケイ素種結晶配置部112上に設け、その溝の中に種結晶102を配置することで種結晶を固定することができる。
〔変形例〕
なお、実施例1の炭化ケイ素単結晶の製造装置1においては、キャリアガス供給口14と放射温度計134による計測のための観察口を同じものとし、実施例2の炭化ケイ素単結晶の製造装置101においては別個のものとして、異なる構造を持たせているが、実施例1は実施例2と同様の構造に、また実施例2は実施例1と同様の構造に、それぞれ置き換えることも可能である。
本発明の実施例1に係る炭化ケイ素単結晶の製造装置の構成図である。 本発明の実施例2に係る炭化ケイ素単結晶の製造装置の構成図である。
符号の説明
1,101 炭化ケイ素単結晶の製造装置
2,102 炭化ケイ素種結晶
3,103 キャリアガス
5,105 昇華用原料微粉末
10,110 坩堝
11,111 坩堝本体
12,112 炭化ケイ素種結晶配置部
13 供給口
14,114 キャリアガス供給口
15,115 昇華用原料微粉末供給口
16,116 キャリアガス排出口
21,121 石英菅
22,122 水菅
23,123 石英菅
24,25,124,125 フランジ
32,132 誘導加熱コイル(加熱手段)
34,134 放射温度計

Claims (4)

  1. 昇華用原料微粉末をキャリアガスと共に坩堝内に供給する供給口と、前記昇華用原料微粉末を加熱し昇華したガスを炭化ケイ素種結晶上に供給する流路を備えた坩堝本体と、前記キャリアガスの排出口と、を備える坩堝と、
    前記坩堝内部の前記排出口側に配置され、前記炭化ケイ素種結晶を設置する炭化ケイ素種結晶配置部と、
    前記坩堝の外周に配置され、該坩堝を加熱して前記昇華用原料微粉末を昇華させる加熱手段と、を備えた炭化ケイ素単結晶の製造装置において、
    前記坩堝本体の前記昇華用原料微粉末の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いることを特徴とする炭化ケイ素単結晶の製造装置。
  2. 前記炭化ケイ素種結晶配置部は、前記坩堝の長手方向軸を中心に回転することを特徴とする請求項1に記載の炭化ケイ素単結晶の製造装置。
  3. 昇華用原料微粉末をキャリアガスと共に炭化ケイ素種結晶を設置した坩堝内に供給する第1の工程と、
    前記昇華用原料微粉末を加熱して昇華させる第2の工程と、
    昇華したガスを前記炭化ケイ素種結晶上に供給して該炭化ケイ素種結晶上に炭化ケイ素単結晶を成長させる第3の工程と、を備えた炭化ケイ素単結晶の製造方法において、
    前記坩堝の前記昇華用原料微粉末の昇華ガスが触れる部位にタンタルカーバイドまたはタンタル箔でコーティングした黒鉛部材を用いることを特徴とする炭化ケイ素単結晶の製造方法。
  4. 前記炭化ケイ素種結晶を結晶成長方向軸を中心に回転させつつ前記炭化ケイ素種結晶上に炭化ケイ素単結晶を成長させることを特徴とする請求項3に記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法。
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