JP2003137694A - 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法

Info

Publication number
JP2003137694A
JP2003137694A JP2001329162A JP2001329162A JP2003137694A JP 2003137694 A JP2003137694 A JP 2003137694A JP 2001329162 A JP2001329162 A JP 2001329162A JP 2001329162 A JP2001329162 A JP 2001329162A JP 2003137694 A JP2003137694 A JP 2003137694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
crystal
silicon carbide
carbide single
seed crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001329162A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Otani
昇 大谷
Masakazu Katsuno
正和 勝野
Tatsuo Fujimoto
辰雄 藤本
Hirokatsu Yashiro
弘克 矢代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001329162A priority Critical patent/JP2003137694A/ja
Publication of JP2003137694A publication Critical patent/JP2003137694A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低欠陥大口径の単結晶炭化珪素インゴットと
その製造方法を提供する。 【解決手段】 種結晶を用いた昇華再結晶法により炭化
珪素単結晶を成長させる際に、種結晶の厚さを0.6m
m以上3.0mm以下とし、高品質な炭化珪素単結晶イ
ンゴットを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化珪素単結晶育
成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方
法に係わり、特に、青色発光ダイオードや電子デバイス
などの基板ウエハとなる良質で大型の単結晶インゴット
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素(SiC)は耐熱性及び機械的
強度に優れ、放射線に強いなどの物理的、化学的性質か
ら耐環境性半導体材料として注目されている。また近
年、青色から紫外にかけての短波長光デバイス、高周波
高耐圧電子デバイス等の基板ウエハとしてSiC単結晶
ウエハの需要が高まっている。しかしながら、大面積を
有する高品質のSiC単結晶を、工業的規模で安定に供
給し得る結晶成長技術は、いまだ確立されていない。そ
れゆえ、SiCは、上述のような多くの利点及び可能性
を有する半導体材料にもかかわらず、その実用化が阻ま
れていた。
【0003】従来、研究室程度の規模では、例えば昇華
再結晶法(レーリー法)でSiC単結晶を成長させ、半
導体素子の作製が可能なサイズのSiC単結晶を得てい
た。しかしながら、この方法では、得られた単結晶の面
積が小さく、その寸法及び形状を高精度に制御すること
は困難である。また、SiCが有する結晶多形及び不純
物キャリア濃度の制御も容易ではない。また、化学気相
成長法(CVD法)を用いて珪素(Si)などの異種基
板上にヘテロエピタキシャル成長させることにより立方
晶のSiC単結晶を成長させることも行われている。こ
の方法では、大面積の単結晶は得られるが、基板との格
子不整合が約20%もあること等により多くの欠陥(〜
107cm-2)を含むSiC単結晶しか成長させること
ができず、高品質のSiC単結晶を得ることは容易でな
い。
【0004】これらの問題点を解決するために、SiC
単結晶{0001}ウエハを種結晶として用いて昇華再
結晶を行う改良型のレーリー法が提案されている(Yu.
M. Tairov and V.F. Tsvetkov, Journal of Crystal Gr
owth, vol. 52 (1981) pp. 146-150)。この方法では、
種結晶を用いているため結晶の核形成過程が制御でき、
また不活性ガスにより雰囲気圧力を100Paから15
kPa程度に制御することにより結晶の成長速度等を再
現性良くコントロールできる。改良レーリー法の原理を
図1を用いて説明する。種結晶となるSiC単結晶と原
料となるSiC結晶粉末は蓋付き坩堝(通常、黒鉛製あ
るいはタンタル等の高融点金属製)の中に収納され、ア
ルゴン等の不活性ガス雰囲気中(133Pa〜13.3
kPa)、摂氏2000〜2400度に加熱される。こ
の際、原料粉末に比べ種結晶がやや低温になるように温
度勾配が設定される。原料は昇華後、濃度勾配(温度勾
配により形成される)により種結晶方向へ拡散、輸送さ
れる。単結晶成長は、種結晶に到着した原料ガスが種結
晶上で再結晶化することにより実現される。この際、結
晶の抵抗率は、不活性ガスからなる雰囲気中に不純物ガ
スを添加する、あるいはSiC原料粉末中に不純物元素
あるいはその化合物を混合することにより、制御可能で
ある。SiC単結晶中の置換型不純物として代表的なも
のに、窒素(n型)、ホウ素、アルミニウム(p型)が
ある。改良レーリー法を用いれば、SiC単結晶の結晶
多形(6H型、4H型、15R型等)及び形状、キャリ
ア型及び濃度を制御しながら、SiC単結晶を成長させ
ることができる。
【0005】従来、種結晶として、デバイス作製に使用
される0.3mm程度の厚さのSiC単結晶ウエハが用
いられていた。SiC単結晶の最終製品形態であるこの
0.3mm厚のSiC単結晶ウエハは安定且つ多量に入
手可能であり、表面品質などが優れているなどの利点が
ある。
【0006】現在、上記の改良レーリー法で作製したS
iC単結晶から口径2インチ(50mm)から3インチ
(75mm)のSiC単結晶ウエハが切り出され、エピ
タキシャル薄膜成長、デバイス作製に供されている。し
かしながらこれらの結晶には、ボイド状のマクロ欠陥あ
るいは微少な多結晶粒がしばしば観測される。これらボ
イド欠陥並びに微少多結晶粒は成長結晶中の種結晶近傍
に多く存在し、さらにマイクロパイプ等の結晶欠陥の原
因となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の技術で作られたSiC単結晶にはボイド状のマクロ欠
陥あるいは微少多結晶粒が存在している。これらの欠陥
は、R.A. Stein, Physica B, vol. 185 (1993) pp. 211
-216に記載されているように、種結晶の分解現象に起因
していると考えられている。また、この種結晶の分解現
象の原因としては、種結晶と坩堝蓋部の不均一な接触、
種結晶中の熱歪等が考えられている。種結晶と坩堝蓋部
の間には微少な隙間が出来やすく、また種結晶中には温
度分布に伴なった熱歪が生じ易い。このような状況下で
は種結晶の分解が起こり易く、その結果、その上に成長
した単結晶中にはボイド欠陥あるいは微少多結晶粒が発
生し易くなる。これらの欠陥は、種結晶近傍に発生し、
さらにその後の成長においてもマイクロパイプ等の結晶
欠陥の原因となる。
【0008】これらボイド欠陥あるいは微少多結晶粒
は、成長結晶をウエハ状に加工した際には、ウエハ中の
結晶欠陥となる。また、これらの欠陥に起因して発生し
たマイクロパイプ等の結晶欠陥もウエハの品質を劣化さ
せる。すなわち、改良レーリー法によるSiC単結晶製
造において、種結晶近傍に発生するのボイド欠陥あるい
は微少多結晶粒は、SiC単結晶ウエハの高品質化にと
って極めて重要な問題である。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、ボイド欠陥あるいは微少多結晶粒、及びこれら
に起因して発生する結晶欠陥の少ない良質の大口径イン
ゴットを再現性良く製造し得る種結晶とSiC単結晶イ
ンゴット及びその製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種結晶の
分解現象について鋭意観察・解析を行った結果、分解が
生じても成長結晶に影響を及ぼし難い種結晶の形状を見
出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、
(1)口径が40mm以上、厚さが0.6mm以上3.
0mm以下である炭化珪素単結晶育成用種結晶、(2)
口径が40mm以上、厚さが0.8mm以上3.0mm
以下である炭化珪素単結晶育成用種結晶、(3)口径が
40mm以上、厚さが0.8mm以上1.5mm以下で
ある炭化珪素単結晶育成用種結晶、(4)昇華再結晶法
により種結晶上に炭化珪素単結晶を成長させる工程を包
含する炭化珪素単結晶の製造方法であって、前記種結晶
として(1)〜(3)のいずれか一項に記載の種結晶を
用いることを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法、
(5)(4)記載の製造方法により得られた炭化珪素単
結晶よりなる炭化珪素単結晶インゴットであって、該イ
ンゴットの口径が50mm以上であることを特徴とする
炭化珪素単結晶インゴット、(6)(5)に記載の炭化
珪素単結晶インゴットを切断、研磨してなる炭化珪素単
結晶基板、(7)(6)に記載の炭化珪素単結晶基板に
エピタキシャル成長してなる炭化珪素単結晶エピタキシ
ャルウエハ、である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では、種結晶の厚さを、
0.6mm以上3.0mm以下、好ましくは0.8mm
以上3.0mm以下、より好ましくは0.8mm以上
1.5mm以下とすることにより、ボイド欠陥あるいは
微少多結晶粒の発生を防止し、良質の大口径のSiC単
結晶インゴットを得ることができる。
【0012】本発明者らは、数多くの実験から、従来の
薄いSiC単結晶ウエハを種結晶として用いる方法で
は、昇温中に生じる種結晶の分解が成長結晶の品質を大
幅に劣化させることを見出した。本発明は、このような
状況を鑑み、発明したものである。
【0013】図2を用いて、本発明の効果を説明する。
図2は、改良レーリー法(図1)における種結晶と坩堝
蓋部(通常、黒鉛製あるいはタンタル等の高融点金属
製)を拡大したものである。まず図2(a)は、従来の
薄いSiC単結晶ウエハを種結晶として用いた場合の種
結晶の分解とその後の結晶成長の様子を表わしたもので
ある。種結晶は、昇温中に坩堝蓋部との不均一な熱的接
触、あるいは種結晶中に発生する熱歪等により、一部劣
化(分解)する。一般に、この分解は種結晶の裏面から
起こるが、種結晶が薄い場合には、分解が種結晶表面に
到達することがしばしば起こる。分解が種結晶表面に到
達した場合には、その上に成長する単結晶中には、ボイ
ド欠陥、微小多結晶粒等の結晶性の乱れがその近傍に生
じ易い。またこのような結晶性の乱れは、さらにマイク
ロパイプ等の結晶欠陥の発生を引き起こし、その後成長
する結晶部位の結晶品質も大幅に劣化させる。一方、種
結晶ウエハが厚い場合には、図2(b)に示したよう
に、昇温中に種結晶の分解が起こっても、分解が種結晶
表面まで到達することはなく、その後の結晶成長におい
て、ボイド欠陥あるいは微小多結晶粒の発生、及びそれ
に伴うマイクロパイプ等の結晶欠陥の発生は起こらな
い。
【0014】本発明者らは、数多くの実験から、種結晶
の厚さが0.6mm以上、好ましくは0.8mm以上の
場合には、昇温中の種結晶の分解が種結晶表面に到達す
ることはなく、結果として種結晶分解の影響を全く受け
ずに結晶成長が可能であることを見出した。
【0015】種結晶ウエハは厚くなるほど、一つのイン
ゴットから取り出せる枚数が減少し、1枚当たりのコス
トが増加し好ましくない。従って、種結晶ウエハの厚さ
としては、3.0mm以下、より好ましくは1.5mm
以下とするのがよい。種結晶の厚さは、成長毎に常に同
じ厚さであることが、再現性のある結晶成長を実現する
上で好ましく、実際には1mm程度の厚さで種結晶ウエ
ハの厚さを管理することが望ましい。また、改良レーリ
ー法では、成長する結晶の口径はほぼ種結晶の口径と同
じになる。従って、工業的に有用な口径50mm以上の
基板を取り出せる口径50mm以上のSiC単結晶イン
ゴットを得るには、種結晶の口径としては最低でも40
mm以上が必要となる。
【0016】このような厚みのある種結晶を用いて、昇
華再結晶法による単結晶成長を行うことにより、多少の
種結晶の分解が発生しても、その影響は種結晶の結晶成
長面に及ばず、成長結晶の品質は劣化することがなく、
高品質のSiC単結晶インゴットを製造することができ
る。
【0017】本発明の製造方法で作製されたSiC単結
晶インゴットは、50mm以上の大口径を有し、且つS
iC単結晶基板の品質低下をもたらすボイド欠陥あるい
は微小多結晶粒の発生、及びそれに伴うマイクロパイプ
等の結晶欠陥が極めて少ないという特徴を有する。
【0018】このようにして製造したSiC単結晶イン
ゴットを切断、研磨してなるSiC単結晶基板は、50
mm以上の口径を有しているので、この基板を用いて各
種デバイスを製造する際、工業的に確立されている従来
の半導体(Si、GaAs等)ウエハ用の製造ラインを
使用することができ、量産に適している。また、このよ
うな結晶欠陥が極めて少ないSiC単結晶基板、及びそ
の上にCVD法等によりエピタキシャル薄膜を成長して
なるSiC単結晶エピタキシャルウエハは、結晶欠陥に
起因したデバイス製造歩留りの低下が極めて少ないとい
う特徴を有する。
【0019】
【実施例】以下に、本発明を実施例で詳細に説明する。
【0020】図3は、本発明で用いる製造装置の例であ
り、種結晶を用いた改良型レーリー法によってSiC単
結晶を成長させる装置の一例である。まず、この単結晶
成長装置について簡単に説明する。結晶成長は、種結晶
として用いたSiC単結晶1の上にSiC結晶粉末原料
2を昇華再結晶化させることにより行われる。種結晶の
SiC単結晶1は、坩堝(黒鉛製)3の黒鉛製坩堝蓋4
の内面に取り付けられる。SiC結晶粉末原料2は、坩
堝3の内部に充填されている。このような坩堝3は、二
重石英管5の内部に、黒鉛の支持棒6により設置され
る。坩堝3の周囲には、熱シールドのための黒鉛製フェ
ルト7が設置されている。二重石英管5は、真空排気装
置11により高真空排気(10-3Pa以下)することが
でき、かつ内部雰囲気を高純度Arガス配管9によって
供給されるArガスにより、高純度Arガス用マスフロ
ーコントローラ10で圧力制御することができる。ま
た、二重石英管5の外周には、ワークコイル8が設置さ
れており、高周波電流を流すことにより坩堝3を加熱
し、原料及び種結晶を所望の温度に加熱することができ
る。坩堝温度の計測は、坩堝上部及び下部を覆うフェル
トの中央部に直径2〜4mmの光路を設け坩堝上部及び
下部からの光を取りだし、二色温度計を用いて行う。坩
堝下部の温度を原料温度、坩堝上部の温度を種温度とす
る。
【0021】(実施例)まず、種結晶として、口径50
mmの(0001)面を有した六方晶系のSiC単結晶
ウエハを用意した。この種結晶の厚さは1.0mmで、
ダイヤモンド砥粒を用いた機械的研磨により両面を鏡面
研磨した。次に黒鉛製坩堝蓋裏面に種結晶1を装着し
た。
【0022】次に、このようにして種結晶を固定した黒
鉛製坩堝蓋4で坩堝3(黒鉛製)を閉じた後、黒鉛製フ
ェルト7で被覆した。坩堝3の内部には、SiC結晶粉
末原料2が充填されている。これらを支持棒(黒鉛製)
6の上に乗せ、二重石英管5の内部に設置した。そし
て、石英管の内部を真空排気した後、ワークコイルに電
流を流し原料温度を摂氏2000度まで上げた。その
後、雰囲気ガスとして高純度Arガス配管9によりAr
ガスを流入させ、高純度Arガス用マスフローコントロ
ーラ10により石英管内圧力を約80kPaに保ちなが
ら、原料温度を目標温度である摂氏2400度まで上昇
させた。成長圧力である1.3kPaには約30分かけ
て減圧し、その後約20時間成長を続けた。この際の坩
堝内の温度勾配は摂氏15度/cmで、成長速度は約
0.7mm/時であった。得られた単結晶の口径は5
1.5mmで、高さは14mm程度であった。
【0023】こうして得られたSiC単結晶をX線回折
及びラマン散乱により分析したところ、六方晶系のSi
C単結晶が成長したことを確認できた。また、ボイド欠
陥あるいは微小多結晶粒を評価する目的で、製造したS
iC単結晶インゴットを切断、研磨して、厚さ0.3m
m、口径51mmのSiC単結晶{0001}面基板を
9枚作製した。基板の面方位は(0001)面から<1
1−20>方向に3.5度オフとした。これらの基板全
てを光学顕微鏡で観察したところ、種結晶の分解が原因
と思われるボイド欠陥あるいは微小多結晶粒、またこれ
らの欠陥が原因となって発生するマイクロパイプ等の結
晶欠陥は、全く観測されなかった。
【0024】さらに、この51mm口径のSiC単結晶
基板(種結晶側から4枚目のもの)を基板として用い
て、SiCのエピタキシャル成長を行い、SiC単結晶
エピタキシャルウエハを得た。SiCエピタキシャル薄
膜の成長条件は、成長温度摂氏1500度、シラン(S
iH4)、プロパン(C38)、水素(H2)の流量が、
それぞれ5.0×10-93/sec、3.3×10-9
3/sec、5.0×10-53/secであった。成
長圧力は大気圧とした。成長時間は2時間で、膜厚とし
ては約5mm成長した。
【0025】エピタキシャル薄膜成長後、ノマルスキー
光学顕微鏡により、得られたSiCエピタキシャルウエ
ハの表面モフォロジーを観察したところ、ウエハ全面に
渡って非常に平坦で、ピット等の表面欠陥の非常に少な
い良好な表面モフォロジーを有するSiCエピタキシャ
ル薄膜が成長されているのが分かった。
【0026】(比較例)比較例として、薄い種結晶ウエ
ハを用いて、成長実験を行った。まず、種結晶として、
口径50mmの(0001)面を有した六方晶系のSi
C単結晶ウエハを用意した。この種結晶1の厚さは0.
3mmとし、上記本発明の実施例と同じく両面をダイヤ
モンド砥粒を用いて鏡面研磨した。
【0027】この種結晶を用いて、実施例と同様の手順
で成長実験を行い、口径51.5mmのSiC単結晶を
得た。成長速度は約0.6mm/時で、高さは12mm
程度であった。
【0028】得られたSiC単結晶をX線回折及びラマ
ン散乱により分析し、六方晶系のSiC単結晶が成長で
きたことを確認した。また、ボイド欠陥あるいは微小多
結晶粒を評価する目的で、成長した単結晶インゴットを
切断、研磨して、厚さ0.3mm、口径51mmのSi
C単結晶{0001}面基板を、同一インゴットからの
7枚作製した。基板の面方位は(0001)面から<1
1−20>方向に3.5度オフとした。これらの基板を
光学顕微鏡で観察したところ、種結晶側から1枚目の基
板に種結晶の分解が原因と思われるボイド欠陥と微小多
結晶粒が観測された。これらの欠陥は、特に基板の周辺
部に顕著に発生していた。また、これらの欠陥が原因と
なって発生したマイクロパイプ欠陥が、2枚目以降の全
ての基板において周辺部に多量に発生していた。
【0029】さらに、この51mm口径のSiC単結晶
基板(種結晶側から4枚目のもの)を基板として用い
て、SiCのエピタキシャル成長を行い、SiC単結晶
エピタキシャルウエハを得た。SiCエピタキシャル薄
膜の成長条件は、実施例と同じ条件とした。成長時間は
2時間で、膜厚としては約5mm成長した。
【0030】エピタキシャル薄膜成長後、ノマルスキー
光学顕微鏡により、得られたSiCエピタキシャルウエ
ハの表面モフォロジーを観察したところ、ボイド欠陥、
微小多結晶粒が原因となって発生したマイクロパイプ欠
陥が多量に存在する箇所上に成長したエピタキシャル薄
膜表面には、ピット等の表面欠陥が多く観察され膜質が
劣化しているのが分かった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の種結晶に
よれば、種結晶を用いた改良型レーリー法において、ボ
イド欠陥あるいは微小多結晶粒、またこれらの欠陥が原
因となって発生するマイクロパイプ等の結晶欠陥が少な
い良質のSiC単結晶を再現性良く成長させることがで
きる。このような結晶から切り出したSiC単結晶基板
を用いれば、光学的特性の優れた青色発光素子、電気的
特性の優れた高耐圧・耐環境性電子デバイスを製作する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 改良レーリー法の原理を説明する図である。
【図2】 本発明の効果を説明する図であって(a)は
種結晶ウエハが薄い場合の種結晶の分解およびSiC単
結晶成長の様子であり、(b)は種結晶ウエハが厚い場
合の種結晶の分解およびSiC単結晶成長の様子であ
る。
【図3】 本発明の製造方法に用いられる単結晶成長装
置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 種結晶(SiC単結晶) 2 SiC結晶粉末原料 3 坩堝(黒鉛あるいはタンタル等の高融点金属) 4 黒鉛製坩堝蓋 5 二重石英管 6 支持棒 7 黒鉛製フェルト(断熱材) 8 ワークコイル 9 高純度Arガス配管 10 高純度Arガス用マスフローコントローラ 11 真空排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 辰雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 矢代 弘克 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4G077 AA02 AB09 BE08 DA18 ED04 SA01 TK04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 口径が40mm以上、厚さが0.6mm
    以上3.0mm以下である炭化珪素単結晶育成用種結
    晶。
  2. 【請求項2】 口径が40mm以上、厚さが0.8mm
    以上3.0mm以下である炭化珪素単結晶育成用種結
    晶。
  3. 【請求項3】 口径が40mm以上、厚さが0.8mm
    以上1.5mm以下である炭化珪素単結晶育成用種結
    晶。
  4. 【請求項4】 昇華再結晶法により種結晶上に炭化珪素
    単結晶を成長させる工程を包含する炭化珪素単結晶の製
    造方法であって、前記種結晶として請求項1〜3のいず
    れか一項に記載の種結晶を用いることを特徴とする炭化
    珪素単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の製造方法により得られ
    た炭化珪素単結晶よりなる炭化珪素単結晶インゴットで
    あって、該インゴットの口径が50mm以上であること
    を特徴とする炭化珪素単結晶インゴット。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の炭化珪素単結晶インゴ
    ットを切断、研磨してなる炭化珪素単結晶基板。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の炭化珪素単結晶基板に
    エピタキシャル成長してなる炭化珪素単結晶エピタキシ
    ャルウエハ。
JP2001329162A 2001-10-26 2001-10-26 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法 Pending JP2003137694A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001329162A JP2003137694A (ja) 2001-10-26 2001-10-26 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001329162A JP2003137694A (ja) 2001-10-26 2001-10-26 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003137694A true JP2003137694A (ja) 2003-05-14

Family

ID=19145104

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001329162A Pending JP2003137694A (ja) 2001-10-26 2001-10-26 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003137694A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005017986A1 (ja) * 2003-08-19 2005-02-24 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 炭化珪素エピタキシャルウエハ、同ウエハの製造方法及び同ウエハ上に作製された半導体装置
JP2006290635A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Nippon Steel Corp 炭化珪素単結晶の製造方法及び炭化珪素単結晶インゴット
JP2007535800A (ja) * 2003-10-16 2007-12-06 クリー インコーポレイテッド ブール成長された炭化ケイ素ドリフト層を使用してパワー半導体デバイスを形成する方法、およびそれによって形成されるパワー半導体デバイス
JP2008235767A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Univ Of Fukui 半導体素子及びその製造方法
WO2010001709A1 (ja) * 2008-07-04 2010-01-07 昭和電工株式会社 炭化珪素単結晶成長用種結晶およびその製造方法並びに炭化珪素単結晶およびその製造方法
JP2011116653A (ja) * 2004-06-25 2011-06-16 Cree Inc 100ミリメートル高純度半絶縁単結晶炭化珪素ウエハ
US9059118B2 (en) 2002-06-24 2015-06-16 Cree, Inc. Method for producing semi-insulating resistivity in high purity silicon carbide crystals

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9200381B2 (en) 2002-06-24 2015-12-01 Cree, Inc. Producing high quality bulk silicon carbide single crystal by managing thermal stresses at a seed interface
US9790619B2 (en) 2002-06-24 2017-10-17 Cree, Inc. Method of producing high quality silicon carbide crystal in a seeded growth system
US9059118B2 (en) 2002-06-24 2015-06-16 Cree, Inc. Method for producing semi-insulating resistivity in high purity silicon carbide crystals
WO2005017986A1 (ja) * 2003-08-19 2005-02-24 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology 炭化珪素エピタキシャルウエハ、同ウエハの製造方法及び同ウエハ上に作製された半導体装置
US7635868B2 (en) 2003-08-19 2009-12-22 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Silicon carbide epitaxial wafer, method for producing such wafer, and semiconductor device formed on such wafer
JP2007535800A (ja) * 2003-10-16 2007-12-06 クリー インコーポレイテッド ブール成長された炭化ケイ素ドリフト層を使用してパワー半導体デバイスを形成する方法、およびそれによって形成されるパワー半導体デバイス
EP2336399B1 (en) * 2004-06-25 2018-08-08 Cree, Inc. Method of producing high quality silicon carbide single crystal in a seeded growth system
JP2011116653A (ja) * 2004-06-25 2011-06-16 Cree Inc 100ミリメートル高純度半絶縁単結晶炭化珪素ウエハ
JP2006290635A (ja) * 2005-04-05 2006-10-26 Nippon Steel Corp 炭化珪素単結晶の製造方法及び炭化珪素単結晶インゴット
JP4585359B2 (ja) * 2005-04-05 2010-11-24 新日本製鐵株式会社 炭化珪素単結晶の製造方法
JP2008235767A (ja) * 2007-03-23 2008-10-02 Univ Of Fukui 半導体素子及びその製造方法
JP2010013330A (ja) * 2008-07-04 2010-01-21 Showa Denko Kk 炭化珪素単結晶成長用種結晶およびその製造方法並びに炭化珪素単結晶およびその製造方法
WO2010001709A1 (ja) * 2008-07-04 2010-01-07 昭和電工株式会社 炭化珪素単結晶成長用種結晶およびその製造方法並びに炭化珪素単結晶およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101379941B1 (ko) 탄화규소 단결정 및 탄화규소 단결정 웨이퍼
JP4964672B2 (ja) 低抵抗率炭化珪素単結晶基板
JP4388538B2 (ja) 炭化珪素単結晶製造装置
JP5068423B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴット、炭化珪素単結晶ウェハ及びその製造方法
JP4585359B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP4603386B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP4818754B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法
JP2008001532A (ja) 炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法
JP2004099340A (ja) 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法
JP2006117512A (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法とその方法によって成長した炭化珪素単結晶、単結晶インゴットおよび炭化珪素単結晶ウエーハ
JP4523733B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法並びに炭化珪素単結晶育成用種結晶の装着方法
JP5031651B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法
JP4733882B2 (ja) 炭化珪素単結晶及びその製造方法並びに炭化珪素単結晶育成用炭化珪素結晶原料
JP3637157B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法およびそれに用いる種結晶
JP4460236B2 (ja) 炭化珪素単結晶ウェハ
JPH1067600A (ja) 単結晶炭化珪素インゴット及びその製造方法
JP4408247B2 (ja) 炭化珪素単結晶育成用種結晶と、それを用いた炭化珪素単結晶の製造方法
JP5131262B2 (ja) 炭化珪素単結晶及びその製造方法
JP4494856B2 (ja) 炭化珪素単結晶成長用種結晶とその製造方法及びそれを用いた結晶成長方法
JP2003137694A (ja) 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法
JP4224195B2 (ja) 炭化珪素単結晶育成用種結晶および炭化珪素単結晶の製造方法
JP3590464B2 (ja) 4h型単結晶炭化珪素の製造方法
JP2002274994A (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法及びその装置並びに炭化珪素単結晶インゴット
JP4850807B2 (ja) 炭化珪素単結晶育成用坩堝、及びこれを用いた炭化珪素単結晶の製造方法
JP4585137B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060425

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060905