JP2009084071A - 炭化ケイ素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素単結晶の製造方法 Download PDF

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憲一郎 奥野
Takayuki Maruyama
隆之 丸山
Yoshinori Kobayashi
由則 小林
Takuya Kadohara
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Abstract

【課題】得られる炭化ケイ素単結晶における質の劣化を防止し、品質を改善することができる炭化ケイ素単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】反応容器10内の第一端部に昇華用原料40を収容し、反応容器10内の昇華用原料40に略対向する第二端部に炭化ケイ素単結晶の種結晶50を配置して、昇華させた昇華用原料40を種結晶50上に再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法である。種結晶50として、昇華用原料40に略対向する成長面側に加工変質層を有しない炭化ケイ素単結晶を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は炭化ケイ素単結晶の製造方法(以下、単に「製造方法」とも称する)に関し、詳しくは、特に半導体デバイス等に適した炭化ケイ素単結晶の製造方法および製造装置に関する。
炭化ケイ素単結晶は、ケイ素に比してバンドギャップが大きく、絶縁破壊特性や耐熱性、耐放射線性等に優れることから、小型で高出力の半導体等の電子デバイス材料として、また、光学的特性に優れることから、光学デバイス材料としても、注目されてきている。
しかし、かかる炭化ケイ素単結晶を製造する際には、得られる炭化ケイ素単結晶中に、成長方向に貫通する直径数μm程度のピンホール欠陥(マイクロパイプ欠陥)が50〜200個/cm程度含まれてしまうという問題があり、これを解消するために、これまでに種々検討が行われてきている。
マイクロパイプ欠陥の低減を目的とした炭化ケイ素単結晶の製造方法としては、例えば、図1に示すような炭化ケイ素単結晶の製造装置1を用いる方法がある(例えば、特許文献1参照)。図示する製造装置1は、昇華用原料40を収容可能な反応容器本体12、および、この反応容器本体12に対し着脱可能であって、反応容器本体12に装着された際に昇華用原料40に対向する面の略中央に炭化ケイ素単結晶の種結晶50を配置することが可能な蓋体11を備える反応容器10と、反応容器10を石英管30の内部に固定させる支持棒31と、石英管30の外周であって反応容器10が位置する部分に螺旋状に巻回された状態で配置された誘導加熱コイル20〜22とを備えている。
図示する製造装置1においては、誘導加熱コイル20〜22に電流を通電して反応容器本体12を加熱すると、その熱で昇華用原料40が加熱され、昇華用原料40は、所定の温度にまで加熱されることで昇華する。一方で、種結晶50が配置された蓋体11側は昇華用原料40側よりも温度が低いため、昇華した昇華用原料40が再結晶化し得る環境にある。そのため、装置内で昇華した昇華用原料40は、蓋体11側で種結晶50上に炭化ケイ素として再結晶化し、これにより炭化ケイ素単結晶が成長することになる。
このような炭化ケイ素単結晶の製造方法における種結晶50としては、従来、図3に示すように、結晶成長により得られた炭化ケイ素単結晶ウェハ100から、スライス、研磨等の加工を経て得られた炭化ケイ素単結晶51を用いることが一般的であった。
国際特許公開WO 02/053813
しかしながら、従来種結晶として用いられている研磨加工された炭化ケイ素単結晶ウェハ51は、種結晶における成長面側がスライス、研磨により加工されてなるものであるため、成長面側に形成された加工変質層51Aの影響により、得られる炭化ケイ素単結晶において質の劣化が生ずるという問題があった。
そこで本発明の目的は、上記問題を解消して、得られる炭化ケイ素単結晶における質の劣化を防止し、品質を改善することができる炭化ケイ素単結晶の製造方法を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記構成とすることにより上記課題を解決することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法は、反応容器内の第一端部に昇華用原料を収容し、該反応容器内の昇華用原料に略対向する第二端部に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置して、昇華させた前記昇華用原料を前記種結晶上に再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法において、
前記種結晶として、前記昇華用原料に略対向する成長面側に加工変質層を有しない炭化ケイ素単結晶を用いることを特徴とするものである。
本発明において好適には、前記種結晶として、成長後の炭化ケイ素単結晶から切り出した成長面側端部を用いる。また、前記第一端部および第二端部に、それぞれ独立した加熱手段を備えることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、得られる炭化ケイ素単結晶における質の劣化を防止し、品質を改善することができる炭化ケイ素単結晶の製造方法を実現することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の炭化ケイ素単結晶の製造方法においては、図1に示すような構成の炭化ケイ素単結晶の製造装置1を用いることができる。図示する製造装置1は、前述したように、反応容器10内の第一端部となる反応容器本体12内に昇華用原料40を収容し、この昇華用原料40に略対向する第二端部となる蓋体11に炭化ケイ素単結晶の種結晶50を配置して、昇華させた昇華用原料40を種結晶上に再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させるものである。なお、以下において、反応容器10内の昇華用原料40が収容される第一端部を「昇華用原料収容部」、反応容器10内の種結晶が配置される第二端部を「種結晶配置部」ともそれぞれ称する。
本発明においては、かかる製造装置を用いて炭化ケイ素単結晶を製造するに際し、種結晶50として、昇華用原料40に略対向する成長面側に加工変質層を有しない炭化ケイ素単結晶を用いる。従来のような加工ウェハではなく、加工変質層のない炭化ケイ素単結晶を種結晶としたことで、結晶成長初期における欠陥の発生率を低減することができ、特に、繰り返し結晶製造に伴う炭化ケイ素単結晶の質の劣化を効果的に防止することが可能となる。
かかる成長面側に加工変質層を有しない炭化ケイ素単結晶としては、具体的には例えば、図2に示すような、成長後の炭化ケイ素単結晶ウェハ100から切り出した成長面側端部52を用いることができる。このような炭化ケイ素単結晶の成長面側端部52を直接種結晶として使用するものとすることで、成長面側に加工変質層が存在することがなく、したがって炭化ケイ素単結晶の質の劣化を生ずることがない。
本発明の製造方法においては、種結晶として成長面側に加工変質層を有しないものを用いる以外の点については特に制限されるものではなく、常法に従い適宜実施することができるが、好適には例えば、以下のとおりである。
(炭化ケイ素単結晶の製造装置)
反応容器10に用いる坩堝としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。図示する反応容器10の内部は筒形状となるが、この場合の筒形状の軸としては、直線状であっても曲線状であってもよく、また、筒形状の軸方向に垂直な断面形状としては、円形であっても多角形であってもよい。反応容器10の好適形状としては、軸が直線状であって、軸方向に垂直な断面形状が円形である円筒状のものが挙げられる。
反応容器10の第一端部(昇華用原料収容部)をなす反応容器本体12の形状については、昇華用原料を収容することができる機能を有する限り特に制限はなく、公知のものを用いることができ、平面形状であってもよいし、均熱化を促すための構造(例えば、凸部等)を適宜設けてもよい。
また、反応容器10の第二端部(種結晶配置部)をなす蓋体11は、第一端部に対し着脱可能に設計されており、これにより、第二端部(種結晶配置部)に装着された蓋体11を脱離するだけで、成長した炭化ケイ素単結晶を容易に反応容器10から分離することができるものである。ここで、反応容器本体12と蓋体11とは、嵌合、螺合等のいずれにより着脱自在に設計されていてもよいが、螺合によるものが好ましい。
なお、第二端部(種結晶配置部)をなす蓋体11は、2以上の部材で形成することもでき、特には、第二端部の中心部とその外周部とを別の部材で形成することが、温度差もしくは温度勾配を形成できる点で好ましい。より好適には、蓋体11を、炭化ケイ素単結晶の成長が行われる領域に隣接する内側領域と、その外周に位置する外周領域とで別の部材により形成して、内側領域を構成する部材については、少なくとも一部が反応容器の外部に露出するような構成とする。
この場合、第二端部をその外側から加熱すると、外側領域については容易に加熱されるものの、内側領域については、外側領域との接触抵抗により加熱され難くなる。そのため、外側領域と内側領域との間で温度差が生じ、内側領域の方が外側領域よりも若干温度が低く維持されることとなり、内側領域において炭化ケイ素が再結晶し易くなる。また、内側領域を形成する部材の一部が反応容器10の外部に露出しているので、内側領域は反応容器10の外部に熱を放熱し易いことから、この点からも、内側領域において炭化ケイ素の再結晶を生じ易くすることができる。
ここで、内側領域を形成する部材の上記他端の反応容器10外部への露出形態としては、特に制限はなく、内側領域を底面とし反応容器10の外側に向けて連続的または不連続的にその径が変化する形状、すなわち、大きくなるかまたは小さくなる形状などが挙げられる。このような形状としては、具体的には、内側領域を底面とする柱形状や錘台形状が挙げられる。柱形状としては、例えば、円柱状、角柱状等が挙げられ、中でも円柱状が好ましく、錘台形状としては、例えば、円錐台状、角錐台状、逆円錐台状、逆角錐台状等が挙げられ、逆円錐台状が好ましい。
第一端部(昇華用原料収容部)と第二端部(種結晶配置部)との位置関係としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、昇華用原料収容部が下端部であり、種結晶配置部が上端部である形態、すなわち、昇華用原料収容部と種結晶配置部とが重力方向に位置していることが好ましい。この場合、昇華用原料の昇華が円滑に行われ、また、炭化ケイ素単結晶の成長が、下方に向かって、すなわち重力方向に向かって余計な負荷がかからない状態で行われることになり、好ましい。
さらに、反応容器10の外部に露出する部分には、目的に応じて、ねじ切り、測温用凹部等が設けられていてもよい。かかる測温用凹部は、第一端部側および第二端部側の少なくとも一方の部分に設けることができる。
反応容器10の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐久性、耐熱性、伝熱性等に優れた材料で形成されていることが好ましく、さらに、不純物の発生による多結晶や多型の混入等が少なく、昇華用原料の昇華および再結晶の制御が容易である等の点から、黒鉛製であることが特に好ましい。特には、第二端部を構成する蓋体11の少なくとも内表面を、ガラス状カーボンまたはアモルファスカーボンからなるものとすることが好ましく、これにより、少なくとも蓋体11の内表面における炭化ケイ素の再結晶化を防止することができる。
また、反応容器10は、断熱材等で囲まれていることが好ましい。但し、反応容器10における第一端部(昇華用原料収容部)および第二端部(種結晶配置部)の略中央部については、測温用窓を形成するために、断熱材等で覆わないことが好適である。この際、第一端部(昇華用原料収容部)の略中央に測温用窓が設けられている場合には、さらに、断熱材粉等の落下を防ぐための黒鉛製カバー部材等を配置することが好ましい。
さらに、反応容器10は石英管内に配置することが好ましく、これにより、昇華用原料の昇華および再結晶化のための加熱エネルギーの損失を少なくすることができる。なお、石英管は、高純度品が容易に入手可能であり、高純度品であると金属不純物の混入が少ない点で有利である。
第一端部および第二端部のそれぞれを加熱するための加熱手段としては、加熱手段の精密制御、独立制御等の点から、それぞれ別個の加熱手段を用いて行うことが好ましい。この場合、図示するように、第一端部(昇華用原料収容部)に配置されて昇華用原料を昇華可能とするための昇華雰囲気を形成する第一加熱手段(第一誘導加熱コイル)20と、第二端部(種結晶配置部)に配置されて昇華された昇華用原料を再結晶可能とするための再結晶雰囲気を形成する第二加熱手段(第二誘導加熱コイル)21との、2つの加熱手段を設けることが好適である。
この場合、第一加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘導加熱手段、抵抗加熱手段などが挙げられるが、温度制御が容易な点で誘導加熱手段が好ましく、誘導加熱手段の中でも、誘導加熱可能なコイルであることが好ましい。第一加熱手段が誘導加熱可能なコイルである場合、その巻回された巻数としては特に制限はなく、第二加熱手段との距離、反応容器の材料等により、加熱効率や温度効率が最適となるように決定することができる。また、第二加熱手段についても、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、誘導加熱手段、抵抗加熱手段などが挙げられるが、温度制御が容易な点で誘導加熱手段が好ましく、中でも、誘導加熱可能なコイルが好適である。第二加熱手段が誘導加熱可能なコイルである場合、その巻回される巻数としては、特に制限はなく、第一加熱手段との距離、反応容器の材料等により、加熱効率や温度効率が最適となるように決定することができる。
また、本発明においては、炭化ケイ素単結晶の効率的な成長を行う目的で、第一加熱手段と第二加熱手段との間の干渉を防止するための干渉防止手段を用いることが好ましい。干渉防止手段としては、特に制限はなく、第一加熱手段および第二加熱手段の種類等に応じて適宜選択することができるが、例えば、干渉防止コイル、干渉防止板などが挙げられ、図1に示すように、第一加熱手段および第二加熱手段が誘導加熱可能なコイル20,21である場合には、干渉防止コイル22を好適に用いることができる。
かかる干渉防止コイルは、誘導電流を通電することにより、第一加熱手段と第二加熱手段との間における干渉を防止する機能を有するものが好ましく、図示するように、第一加熱手段と第二加熱手段との間に配置することで、これら第一加熱手段および第二加熱手段による誘導加熱を同時に行った際に、干渉防止コイルに誘電電流が流れ、干渉防止コイルが両者間における干渉を極小化して防止することができるものである。
干渉防止コイルは、それ自身に流れる誘導電流により加熱されないように設計することが好ましく、それ自体冷却可能であることがより好ましく、水等の冷却媒体を流通可能であると特に好ましい。これにより、干渉防止コイルに第一加熱手段および第二加熱手段による誘導電流が流れた場合でも、干渉防止コイルが加熱されて破損したり、周辺部品が不具合を起こすなどの問題を防止することができる。また、干渉防止コイルの巻回される巻数としては、特に制限はなく、第一加熱手段および第二加熱手段の種類、これらに通電される電流の量等により決定すればよいが、一重程度であっても十分である。
図示する炭化ケイ素単結晶の製造装置においては、第一誘導加熱コイル20により昇華雰囲気を形成して昇華用原料40を昇華させ、昇華された昇華用原料40が種結晶50近傍でのみ再結晶可能となるように第二誘導加熱コイル21により再結晶雰囲気を形成して、昇華用原料40を種結晶50上に再結晶させる。このため、成長する炭化ケイ素単結晶は、その全成長過程において、その成長面の全面がその成長方向に向かって凸形状を維持し、蓋体11側に陥没した凹部が輪状に形成されることがなく、また、反応容器本体12内の周側面部13に接触した状態で炭化ケイ素多結晶が成長することもない。このため、成長した炭化ケイ素単結晶を室温まで冷却した際に、炭化ケイ素多結晶側から炭化ケイ素単結晶側に熱膨張差に基づく応力が集中して印加されることがなく、得られる炭化ケイ素単結晶に割れ等の破損が生ずることがない。その結果、割れ等の破損がなく、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥が存在しない高品質の炭化ケイ素単結晶を、効率よくかつ確実に製造することができるものである。
(昇華用原料)
昇華用原料40としては、炭化ケイ素である限り、結晶の多型、使用量、純度、その製造方法等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。昇華用原料40の結晶の多型としては、例えば、4H,6H,15R,3Cなどが挙げられ、これらの中でも6Hなどが好適に挙げられる。これらは、1種を単独で使用することが好ましいが、2種以上を併用してもよい。
昇華用原料40の純度としては、製造する炭化ケイ素単結晶中への多結晶や多型の混入を可能な限り防止する観点からは、高純度であることが好ましく、好適には、不純物元素の各含有量を0.5ppm以下とする。ここで、不純物元素の含有量は、化学的な分析による不純物含有量であり、参考値としての意味を有するに過ぎず、実用的には、不純物元素が炭化ケイ素単結晶中に均一に分布しているか局所的に偏在しているかによっても、評価が異なってくる。なお、ここで、「不純物元素」とは、1989年IUPAC無機化学命名法改訂版の周期律表における1族から17族元素に属しかつ原子番号3以上(但し、炭素原子、酸素原子およびケイ素原子を除く)である元素をいう。また、成長する炭化ケイ素単結晶にn型あるいはp型の導電性を付与する目的で、故意にそれぞれ窒素、アルミニウムなどのドーパント元素を添加した場合は、それらも除くこととする。
昇華用原料40の使用量は、製造する炭化ケイ素単結晶の大きさや反応容器の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
昇華用原料40としての炭化ケイ素粉末は、例えば、ケイ素源としてのケイ素化合物の少なくとも1種と、炭素源としての加熱により炭素を生ずる有機化合物の少なくとも1種と、重合触媒または架橋触媒とを、溶媒中で溶解し乾燥して得られた粉末を非酸化性雰囲気下で焼成することにより得られる。
ケイ素化合物としては、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、液状のものと固体のものとを併用することができるが、少なくとも1種は液状のものから選択する。
液状のケイ素化合物としては、アルコキシシランおよびアルコシシシラン重合体が好適に用いられる。このうちアルコキシシランとしては、例えば、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブトキシシラン等が挙げられ、これらの中でもハンドリングの点でエトキシシランが好ましい。また、アルコキシシランとしては、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのいずれであってもよいが、テトラアルコキシシランが好適である。アルコキシシラン重合体としては、重合度が2〜15程度の低分子量重合体(オリゴマー)およびケイ酸ポリマーが挙げられ、具体的には例えば、テトラエトキシシランオリゴマーが挙げられる。
また、固体のケイ素化合物としては、SiO、シリカゾル(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH基やアルコキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲル、微細シリカ、石英粉末)等の酸化ケイ素が挙げられる。
上記ケイ素化合物の中でも、均質性やハンドリング性が良好な点で、テトラエトキシシランのオリゴマー、テトラエトキシシランのオリゴマーと微粉末シリカとの混合物等が好ましい。また、ケイ素化合物は高純度であることが好ましく、初期における各不純物の含有量が20ppm以下、特には5ppm以下であることがより好ましい。
また、加熱により炭素を生じる有機化合物としては、1種を単独で用いてもよいし、2以上を併用してもよく、この場合、例えば、液状のものを単独で用いてもよいし、液状のものと固体のものとを併用してもよい。
加熱により炭素を生ずる有機化合物としては、残炭率が高く、かつ、触媒若しくは加熱により重合または架橋する有機化合物が好ましく、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等の樹脂のモノマーやプレポリマーが好適であり、その他、セルロース、蔗糖、ピッチ、タール等の液状物が挙げられる。これらの中でも高純度のものが好ましく、フェノール樹脂がより好ましく、レゾール型フェノール樹脂が特に好ましい。加熱により炭素を生ずる有機化合物の純度としては、目的に応じて適宜選択することができるが、高純度の炭化ケイ素粉末が必要な場合には、各金属を5ppm以上含有していない有機化合物を用いることが好ましい。
重合触媒および架橋触媒としては、加熱により炭素を生ずる有機化合物に応じて適宜選択できるが、加熱により炭素を生ずる有機化合物がフェノール樹脂やフラン樹脂の場合、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、マレイン酸、硫酸等の酸類が好ましく、マレイン酸が特に好ましい。
ケイ素化合物に含まれるケイ素と、加熱により炭素を生ずる有機化合物に含まれる炭素との比(以下、「C/Si比」と称する)は、両者の混合物を1000℃にて炭化して得られる炭化物中間体を、元素分析することにより定義される。化学量論的には、C/Si比が3.0の場合に得られた炭化ケイ素粉末中の遊離炭素が0%となるはずであるが、実際には同時に生成するSiOガスの揮散により、低C/Si比において遊離炭素が発生する。この得られた炭化ケイ素粉末中の遊離炭素量が適当な量となるように、あらかじめ配合比を決定しておくのが好ましい。通常、1気圧近傍で1600℃以上での焼成では、C/Si比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を抑制することができる。C/Si比が2.5を超えると、遊離炭素が顕著に増加する。但し、雰囲気の圧力を低圧または高圧で焼成する場合上記C/Si比の範囲に限定されるものではない。
なお、炭化ケイ素粉末は、例えば、ケイ素化合物と加熱により炭素を生ずる有機化合物との混合物を、硬化させることによっても得られる。硬化の方法としては、加熱により架橋させる方法、硬化触媒により硬化させる方法、電子線や放射線による方法などが挙げられる。この場合の硬化触媒としては、加熱により炭素を生ずる有機化合物の種類等に応じて適宜選択することができ、フェノール樹脂やフラン樹脂の場合には、トルエンスルホン酸、トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、塩酸、硫酸、マレイン酸等の酸類、ヘキサミン等のアミン酸などが好適に挙げられる。これらの硬化触媒を用いる場合、硬化触媒は溶媒に溶解されまたは分散される。触媒としては、低級アルコール(例えば、エチルアルコール等)、エチルエーテル、アセトンなどが挙げられる。
以上により得られる炭化ケイ素粉末は、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気中、800〜1000℃にて30〜120分間、焼成される。この焼成により炭化ケイ素粉末が炭化物になり、この炭化物を、アルゴン等の非酸化性雰囲気中1350〜2000℃で焼成することにより、炭化ケイ素粉末が生成される。焼成の温度および時間は、得ようとする炭化ケイ素粉末の粒径等に応じて適宜選択することができるが、炭化ケイ素粉末のより効果的な生成の点からは、焼成温度は1600〜1900℃が好適である。なお、不純物を除去し高純度の炭化ケイ素粉末を得る目的で、焼成の後に、例えば、2000〜2400℃で3〜8時間加熱処理を行うことも好適である。
以上により得られた炭化ケイ素粉末は、大きさが不均一であるため、解粉、分級等を行うことにより所望の粒度とすることができる。本発明において、炭化ケイ素粉末の平均粒径としては、10〜700μmが好ましく、100〜400μmがより好ましい。平均粒径が10μm未満であると、炭化ケイ素単結晶を成長させるための炭化ケイ素の昇華温度、すなわち、1800℃〜2700℃で速やかに焼結を起こしてしまうため、昇華表面積が小さくなり、炭化ケイ素単結晶の成長が遅くなることがあり、また、炭化ケイ素粉末を反応容器10内へ収容する際や、成長速度調整のために再結晶雰囲気の圧力を変化させる際に、炭化ケイ素粉末が飛散し易くなる。一方、平均粒径が500μmを超えると、炭化ケイ素粉末自身の比表面積が小さくなるため、やはり炭化ケイ素単結晶の成長が遅くなることがある。
炭化ケイ素粉末としては、前述したように、4H,6H,15R,3C、これらの混合物等のいずれであってもよいが、成長させる単結晶と同一の多型が好ましく、高純度のものであることが好ましい。
なお、炭化ケイ素粉末を用いて成長させた炭化ケイ素単結晶にn型又はp型の導電性を付与する目的で、窒素またはアルミニウムなどをそれぞれ導入することができ、窒素またはアルミニウムを炭化ケイ素粉末の製造時に導入する場合には、まず、前述のケイ素源、炭素源、重合または架橋触媒とともに、窒素源またはアルミニウム源からなる有機物質を均一に混合すればよい。このとき、例えば、フェノール樹脂等の炭素源と、ヘキサメチレンテトラミン等の窒素源からなる有機物質と、マレイン酸等の重合または架橋触媒とを、エタノール等の溶媒に溶解する際に、テトラエトキシシランのオリゴマー等のケイ素源と十分に混合することが好ましい。
上記窒素源からなる有機物質としては、加熱により窒素を発生する物質が好ましく、例えば、高分子化合物(具体的には、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂等)、有機アミン(具体的には、ヘキサメチレンテトラミン、アンモニア、トリエチルアミン等およびこれらの化合物、塩類)の各種アミン類が挙げられる。これらの中でも、ヘキサメチレンテトラミンが好ましい。また、ヘキサミンを触媒として合成され、その合成工程に由来する窒素を樹脂1gに対して2.0mmol以上含有するフェノール樹脂も、窒素源からなる有機物質として好適に用いることができる。これらの窒素源からなる有機物質は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、アルミニウム源からなる有機物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
窒素源からなる有機物質の添加量としては、ケイ素源と炭素源とを同時に添加する場合には、ケイ素源1g当たり窒素を1mmol以上含有することが好ましく、ケイ素源1gに対して80〜1000μgが好ましい。
炭化ケイ素単結晶の製造において使用できるより具体的な昇華用原料としては、例えば、(1)高純度のアルコキシシランおよび/または高純度のアルコキシシランの重合体をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度の有機化合物を炭素源として、これらを均一に混合して得た混合物を非酸化性雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末、(2)高純度のメトキシシラン、高純度のエトキシシラン、高純度のプロポキシシラン、高純度のブトキシシランおよび重合度が2〜15のそれらの重合体からなる群から選択される少なくとも1種をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度の有機化合物を炭素源として、これらを均一に混合して得た混合物を非酸化性雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末、(3)高純度のモノアルコキシシラン、高純度のジアルコキシシラン、高純度のトリアルコキシシラン、高純度のテトラアルコキシシランおよび重合度が2〜15のそれらの重合体からなる群から選択される少なくとも1種をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純度の有機化合物を炭素源として、これらを均一に混合して得た混合物を非酸化性雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末、(4)ケイ素源をテトラアルコキシシラン重合体とし、炭素源をフェノール樹脂としてこれらを均一に混合して得た混合物を非酸化性雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末、である。
(炭化ケイ素単結晶の成長)
炭化ケイ素単結晶の成長は、反応容器の第二端部に配置された炭化ケイ素単結晶の種結晶上で行われる。前述したように、炭化ケイ素単結晶を種結晶上に再結晶化して成長させるためには、昇華用原料を昇華する温度よりも高い温度にし、昇華した昇華用原料が種結晶近傍でのみ再結晶可能となるような再結晶雰囲気を形成することが必要となるが、特には、種結晶が配置される面の径方向において、中心部(内側領域の中心)に近づくほど温度が低くなるような温度分布となる雰囲気を形成することが好ましい。
再結晶雰囲気の形成は、前述した第二加熱手段により行うことができ、この第二加熱手段により、第一加熱手段により昇華された昇華用原料が炭化ケイ素単結晶の種結晶近傍でのみ再結晶可能となるように再結晶雰囲気を形成して、昇華用原料を炭化ケイ素単結晶の種結晶上に再結晶させる。
ここで、第二加熱手段に通電する誘導加熱電流の量は、第一加熱手段に通電する誘導加熱電流の量との関係で適宜決定することができ、両者の関係としては、第一加熱手段における誘導加熱電流の電流値が、第二加熱手段における誘導加熱電流の電流値よりも大きくなるように設定することが好ましい。この場合、昇華用原料が昇華する雰囲気の温度よりも種結晶上近傍での再結晶雰囲気の温度の方が低く維持され、再結晶化が容易に行われる点で有利である。
本発明において、第二加熱手段は第一加熱手段とは独立にその制御を行うことができるので、炭化ケイ素単結晶の成長速度に応じて第二加熱手段の加熱量を適宜調節することにより、炭化ケイ素単結晶の全成長過程を通して好ましい成長速度を維持することができる。
第二加熱手段により形成される再結晶雰囲気の温度としては、第一加熱手段により形成される前記昇華雰囲気の温度より30〜300℃低いことが好ましく、30〜150℃低いことがより好ましい。また、第二加熱手段により形成される再結晶雰囲気の圧力としては、1〜100Torr(133〜13300Pa)が好ましく、1〜10Torr(133〜1330Pa)がより好ましいが、この圧力条件にする場合には、減圧にしたまま加熱するのではなく、設定温度にまで加熱してから減圧を行い、上記所定の範囲内になるよう圧力条件を調整することが好ましい。なお、再結晶雰囲気は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気にしておくことが好適である。
本発明においては、大径の炭化ケイ素単結晶を得る観点からは、第一端部側の温度をT、第二端部側の中心部の温度をT、第二端部側の内周側面部との隣接部の温度をTとしたとき、T−TおよびT−Tが連続的に大きくなるように制御することもできる。
成長する炭化ケイ素単結晶の形状としては、その成長面の全面がその成長方向側に凸形状であることが好ましく、第一端部(昇華用原料収容部)と第二端部とが対向している場合には、昇華用原料(第一端部)側に向かって、その成長面の全面が凸形状であることが好ましい。この場合、多結晶や多型の混入が多く熱膨張差による応力が集中し易いと考えられるところの第二端部側に陥没した凹部が存在しなくなるため好ましい。なお、成長する炭化ケイ素単結晶の形状としては、その成長面の全面がその成長方向とは反対側に凹形状となっている部分を含まない限り、全体が凸形状となっていなくてもよく、平坦な箇所が一部に含まれていてもよい。
また、炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶の形状としては、昇華用原料(第一端部)側に向かって略山形をなすことが好ましく、より好適には、その径が漸次小さくなる略山形である。すなわち、炭化ケイ素単結晶を含む炭化ケイ素の結晶を、その全成長過程を通して、昇華用原料側に近づくほど径が漸次小さくなる略山形を保持したまま成長させることが好ましいといえる。なお、略山形である炭化ケイ素の結晶における裾野部分、すなわち、外周部分においては、炭化ケイ素多結晶や多型が混入することがあるが、この混入は、種結晶の厚み、大きさ、形状と、種結晶保持部およびその周辺の形状等と、第二加熱手段による加熱量との条件の組み合わせにより、その発生を防止することができる。
本発明においては、以上の製造工程により、高品質な炭化ケイ素単結晶を効率よく、かつ、割れ等の破損がない状態で容易に製造することができる。
(炭化ケイ素単結晶)
上記により得られる炭化ケイ素単結晶は、非破壊で光学的に画像検出した結晶欠陥(パイプ欠陥)が、好適には100個/cm以下であり、より好適には50個/cm以下であり、特に好適には10個/cm以下である。炭化ケイ素単結晶における不純物元素の総含有量としては、10ppm以下であるのが好ましい。かかる炭化ケイ素単結晶は、多結晶や多型の混入やマイクロパイプ等の結晶欠陥がなく、極めて高品質であるので、絶縁破壊特性、耐熱性、耐放射線性等に優れ、パワーデバイス、発光ダイオード等の光学デバイスなどに特に好適に用いられる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<従来例および実施例>
図1に示す炭化ケイ素単結晶の製造装置1を用いて、炭化ケイ素単結晶を製造した。まず、反応容器(黒鉛製坩堝)10内の第一端部をなす反応容器本体12に昇華用原料40を収容し、これに対向する第二端部をなす蓋体11の略中央に、炭化ケイ素単結晶の種結晶50を配置した。昇華用原料40としては、高純度のテトラエトキシシラン重合体をケイ素源とし、レゾール型フェノール樹脂を炭素源として、これらを均一に混合して得た混合物をアルゴン雰囲気下で加熱焼成して得られた炭化ケイ素粉末(6H(一部3Cを含む),平均粒径60μm)を用いた。
3つの誘導加熱コイル(第一誘導加熱コイル20、第二誘導加熱コイル21および干渉防止コイル22)により、坩堝内温度を調整した。第一誘導加熱コイル20に電流を通電して加熱し、その熱で昇華用原料40を約2112℃まで加熱した後、アルゴンガス雰囲気で圧力を1Torr(133.3Pa)に維持した。昇華用原料40は、所定の温度2112℃まで加熱されて昇華した。一方、蓋体11側については、第二誘導加熱コイル21により加熱して昇華用原料40側よりも低い温度2012℃とし、昇華した昇華用原料40が再結晶しうる雰囲気(圧力1Torr(133.3Pa))に維持したことにより、炭化ケイ素単結晶の種結晶50上近傍にのみ炭化ケイ素が再結晶化し、炭化ケイ素の結晶が成長した。
種結晶50として、従来例については、厚さ0.3〜1.0mm程度で直径50.8mmの、成長面が研磨加工された炭化ケイ素単結晶ウェハA(図3参照)を使用し、実施例については、厚さ1.0〜4.0mm程度で直径50.8mmの、成長後の炭化ケイ素単結晶から切り出した成長面側端部B(図2参照)を使用した。
その結果、従来例および実施例のいずれにおいても、炭化ケイ素単結晶の成長は、その全成長過程において昇華用原料40側に向かって凸形状が維持され、炭化ケイ素多結晶が発生することもなかった。
また、従来例および実施例で得られた炭化ケイ素単結晶におけるマイクロパイプ欠陥の検出を、以下のようにして行った。
まず、得られた炭化ケイ素単結晶を厚み0.4mmに切断し、鏡面研磨により表面粗さ0.4nmのウェハとして、アルカリ洗浄により表面の異物を極力除去した。このウェハに対し、反射照明に適当量の透過照明を加えた照明を当て、ウェハ表面のマイクロパイプの開口部に顕微鏡焦点を合わせた際に、マイクロパイプの内部へと続く部分が開口部の像よりも弱い影として開口部につながって観察することができる条件下で、ウェハの全面を走査して顕微鏡画像を得た後、顕微鏡画像を画像処理することにより、マイクロパイプに特徴的な形状のみを抽出して、その数を計測し、マイクロパイプ密度(MPD)を求めた。なお、この検出方法によれば、0.35μm程度の微小なマイクロパイプまでも非破壊で正確に検出可能である。その結果を、下記表1中に示す。なお、従来例で用いた種結晶AのMPD:12.0cm−2,実施例で用いた種結晶BのMPD:16.2cm−2であった。
Figure 2009084071
上記表1に示すように、種結晶として炭化ケイ素単結晶の成長面側端部を用いた実施例ではMPDの数が明らかに低減し、また、結晶の質についても、研磨加工された炭化ケイ素単結晶を用いた従来例に比して、改善が確認された。これは、種結晶表面の加工変質層の有無に起因するものと考えられ、これにより、本発明により質の劣化を防止し、さらに品質を改善することにより、高品質の炭化ケイ素単結晶が得られることが確認できた。
本発明の一実施の形態に係る炭化ケイ素単結晶の製造装置を示す概略説明図である。 本発明に使用可能な種結晶を示す説明図である。 従来の種結晶を示す説明図である。
符号の説明
1 炭化ケイ素単結晶の製造装置
10 黒鉛製坩堝
11 蓋体
10 反応容器
12 反応容器本体
13 周側面部
20 第一誘導加熱コイル(第一加熱手段)
21 第二誘導加熱コイル(第二加熱手段)
22 干渉防止コイル(干渉防止手段)
30 石英管
31 支持棒
40 昇華用原料
50 炭化ケイ素単結晶の種結晶

Claims (3)

  1. 反応容器内の第一端部に昇華用原料を収容し、該反応容器内の昇華用原料に略対向する第二端部に炭化ケイ素単結晶の種結晶を配置して、昇華させた前記昇華用原料を前記種結晶上に再結晶させて炭化ケイ素単結晶を成長させる炭化ケイ素単結晶の製造方法において、
    前記種結晶として、前記昇華用原料に略対向する成長面側に加工変質層を有しない炭化ケイ素単結晶を用いることを特徴とする炭化ケイ素単結晶の製造方法。
  2. 前記種結晶として、成長後の炭化ケイ素単結晶から切り出した成長面側端部を用いる請求項1記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法。
  3. 前記第一端部および第二端部に、それぞれ独立した加熱手段を備える請求項1または2記載の炭化ケイ素単結晶の製造方法。
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