JP2006193384A - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 種結晶の外周部の消失を防止しつつ種結晶の清浄面を露出させて当該清浄面から結晶成長を開始させることができる炭化珪素単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】 反応容器6内での台座部の表面に炭化珪素種結晶7が接合されている。反応容器6内にモノシランとプロパンとを含む混合ガスが導入される。種結晶7に至るガス流路において下流ほど低い温度勾配を有する温度雰囲気下で、混合ガスが種結晶7に送られて炭化珪素単結晶20が成長する。種結晶7の外周部近傍かつ種結晶7より高温側に、種結晶7とは空間を隔てて固形炭化珪素31が配置され、エッチングガスを種結晶7に対し供給して種結晶7の外周部に比べて高温の固形炭化珪素31から昇華したSiC成分ガスを炭化珪素種結晶7の外周部に供給しながらエッチングガスにより種結晶7の清浄面を露出させた後に、種結晶7の清浄面から結晶成長を開始させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化珪素単結晶の製造方法に関するものである。
炭化珪素単結晶は、高耐圧、高電子移動度という特徴を有するため、パワーデバイス用半導体基板として期待されている。炭化珪素単結晶には、一般に昇華法(改良レーリー法)と呼ばれる単結晶成長方法が用いられる。改良レーリー法は、黒鉛製坩堝内に炭化珪素原料を挿入するとともに、この原料部と対向するように種結晶を配置し、原料部を2200〜2400℃に加熱して昇華ガスを発生させ、原料部より数十〜数百℃低温にした種結晶に再結晶化させることで炭化珪素単結晶を成長させるものである。この改良レーリー法では、炭化珪素単結晶の成長に伴って炭化珪素原料が減少するため、結晶を長く成長させる量に限界がある。たとえ、成長途中に原料を追加する手段をとったとしても、SiCが昇華する際にSi/C比が1を超える比で昇華するため、成長中に原料を追加すると坩堝内の昇華ガスの濃度が揺らぎ、結晶を連続的に高品質に作製することの障害となってしまう。
一方、CVDによって炭化珪素をエピタキシャル成長させる技術が、特許文献1に開示されている。図16はこの技術を用いた製造装置の概略断面図である。図16に示すように、円筒形状のケース100内の中央付近に円筒形状のサセプタ101が配置されている。このサセプタ101は高純度の黒鉛等からなる。サセプタ101の上端面には種結晶(炭化珪素単結晶基板)102が配置されている。ケース100の外部におけるサセプタ101の外周に相当する位置には、サセプタ101内の気体を加熱するための加熱手段103が配置されている。サセプタ101の周囲は断熱材である多孔質の黒鉛104により充填されている。そして、サセプタ101の下端において、この断熱材104によって漏斗状の通路105が形成されている。ケース100の下端には、炭化珪素単結晶の成長に必要なSiやCを含有する混合ガスを供給する混合ガス導入管106が配置されている。また、サセプタ101の上端面には混合ガスが排気される通路107が形成されており、ケース100の上部にはケース100の外部に繋がるガス通路108が形成されている。このような構成の製造装置では、混合ガス導入管106から供給された混合ガスが断熱材104により形成された通路105を通ってサセプタ101内に移動し、混合ガスが加熱手段103により加熱されて種結晶102から炭化珪素単結晶がエピタキシャル成長される。そして、残留した混合ガスは、サセプタ101の上端面の通路107を通り、ケース100の上部に形成された通路108を通って排気される。また、炭化珪素単結晶のエピタキシャル成長の際、原料ガスにエッチングガスの水素を混ぜて正の成長が生じるように原料を供給することで欠陥の多い部分はエッチングされ、その結果として、高品質な結晶が成長できるとしている。
特表平11−508531号公報
ところが、このエッチングガスと原料ガスの混合ガスを種結晶に供給する技術を使って昇温過程や成長初期においてエッチングガスを導入して種結晶をクリーニングしてから(エッチングガスにより種結晶表面をエッチングして清浄面とした状態で)結晶成長を開始させようとすると、以下の問題がある。
炭化珪素種結晶102がサセプタ101の上端面に配置されており、図17(a)の状態からエッチングガスを導入することにより高温の水素またはその他のエッチングガスにより図17(b)に示すように種結晶102がサイドエッチングされ種結晶外周部が消失して口径が小さくなってしまう。よって、図17(b)の状態から原料ガスを導入したときに、図17(c)に示すように、成長結晶も口径が小さいものしか得られない。
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、種結晶の外周部の消失を防止しつつ種結晶の清浄面を露出させて当該清浄面から結晶成長を開始させることができる炭化珪素単結晶の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、炭化珪素種結晶の外周部近傍かつ炭化珪素種結晶より高温側に、炭化珪素種結晶とは空間を隔てて固形炭化珪素を配置しておき、エッチングガスを炭化珪素種結晶に対し供給して炭化珪素種結晶の外周部に比べて高温の固形炭化珪素から昇華したSiC成分ガスを炭化珪素種結晶の外周部に供給しながらエッチングガスにより炭化珪素種結晶の清浄面を露出させた後に、炭化珪素種結晶の清浄面から結晶成長を開始させるようにしたことを特徴としている。
この炭化珪素単結晶の製造方法によれば、エッチングガスを炭化珪素種結晶に対し供給して炭化珪素種結晶の清浄面を露出させる際に、炭化珪素種結晶の外周部に比べて高温の固形炭化珪素から昇華したSiC成分ガスを炭化珪素種結晶の外周部に供給することにより、炭化珪素種結晶の外周部のエッチングによる消失を防止することができる。これにより、種結晶の外周部の消失を防止しつつ種結晶の清浄面を露出させて当該清浄面から結晶成長を開始させることが可能となる。
請求項2に記載のように、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、反応容器内において炭化珪素単結晶が成長する領域を取り囲むように配置したリング材に、前記固形炭化珪素を固着すると、リング材を台座として用いることにより、固形炭化珪素を容易に配置することができる。
請求項3に記載のように、請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記リング材は、前記反応容器に対し着脱可能となっていると、固形炭化珪素を更に容易に配置することができる。
請求項4に記載の発明は、炭化珪素種結晶の外周面に、当該炭化珪素種結晶よりも熱伝導率が低いシート材を密着した状態で配置しておき、エッチングガスを炭化珪素種結晶に対し供給してエッチングガスにより炭化珪素種結晶の清浄面を露出させた後に、炭化珪素種結晶の清浄面から結晶成長を開始させるようにしたことを特徴としている。
この炭化珪素単結晶の製造方法によれば、エッチングガスを炭化珪素種結晶に対し供給して炭化珪素種結晶の清浄面を露出させる際にシート材により炭化珪素種結晶の外周部をエッチングガスから保護してエッチングによる消失を防止することができる。よって、種結晶の外周部の消失を防止しつつ種結晶の清浄面を露出させて当該清浄面から結晶成長を開始させることができる。さらに、シート材が断熱材として機能し、シート材の外周面は炭化珪素種結晶の中央部よりも高温となり、種結晶の清浄面からの結晶成長時にシート材の外周面への炭化珪素の析出による多結晶炭化珪素の発生を抑制できる。
請求項5に記載のように、請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記シート材は内部に空隙を有するものであると、炭化珪素種結晶よりも熱伝導率が低いシート材として、より断熱効果が期待できる。
具体的には、請求項6に記載のように、請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、内部に空隙を有するシート材は、カーボン製非多孔質膜を複数積層して構成したものであったり、請求項7に記載のように、内部に空隙を有するシート材は、カーボン製多孔質材料よりなるものであったり、請求項8に記載のように、内部に空隙を有するシート材は、カーボン製繊維質材料よりなるものであってもよい。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、エッチングガスにより炭化珪素種結晶の清浄面を露出させる処理は、成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温した後において前記昇温時に炭化珪素種結晶から成長した結晶を少なくとも除去するために行うものである。
よって、昇温が終了し高品質成長が開始できる条件となってからエッチングガスにより種結晶の清浄面が露出するまでエッチングすることにより昇温過程に起因する成長初期に発生する結晶欠陥による不具合を解消することができ、かつ、ここでの初期成長層をエッチング除去する際の種結晶外周部の消失を防止することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、前記エッチングガスにより炭化珪素種結晶の清浄面を露出させる処理は、成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する工程で行うものである。
よって、昇温時にエッチングガスを供給して種結晶の表面をエッチングして清浄面を露出させて成長を開始させることができ、かつ、ここでの種結晶表面をエッチングする際の種結晶外周部の消失を防止することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1には、本実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面を示す。
図1において、本装置には真空容器1が備えられ、円筒形をなす容器本体2が立設した状態で配設されている。つまり、容器本体2の両端開口部が上下に位置する状態で固定されている。容器本体2は、例えば石英からなる。容器本体2の上面開口部は上部蓋材(フランジ)3にて塞がれるとともに、容器本体2の下面開口部は下部蓋材(フランジ)4にて塞がれている。
真空容器1の内部には、円筒状をなす断熱材5が容器本体2の内壁に沿うように配置されている。断熱材5の内方には、円筒状をなす反応容器6が断熱材5の内壁に沿うように配置されている。この反応容器6の内部空間が反応室(結晶成長室)となる。反応容器6の上面は塞がれるとともに下面は開口している。反応容器6内の上部、詳しくは、図2に示すように、反応容器6内での天井面には台座部6aが突出するようにして一体的に形成され、台座部6aの下面には炭化珪素種結晶(炭化珪素単結晶基板)7が下向きにして接合されている。台座部6aと炭化珪素種結晶7とは同じ径であり、かつ、台座部6aの外縁と種結晶7の外縁を一致させた状態で種結晶7が台座部6aに接合されている。図1での断熱材5と反応容器6に関して、反応容器6の側面および上面において断熱材5が所定の間隔をおいて離間して配置されている。
反応容器6の材料としては、例えば高温(2400℃程度)に耐え得る高純度の黒鉛を用いることができる。このような高純度の黒鉛を用いることにより、加熱された反応容器6から不純物が発生して結晶成長中に結晶内に不純物が取り込まれることを低減することができる。
前述の下部蓋材(フランジ)4の中央部には、下方に突出する形で凹部8が形成されている。凹部8の内方が、真空容器1内で発生した異物を溜めるための貯留室R1となっている。凹部8の底面部には混合ガス導入管9が形成され、この混合ガス導入管9は上下方向に延びている。混合ガス導入管9の上端側は真空容器1の内部に延設され、さらに混合ガス導入管9の上端から混合ガス導入管10が上方に延びている。この混合ガス導入管9,10を通して真空容器1の外部から真空容器1の内部に混合ガスが導入される。この混合ガスは、原料となるガスと、キャリアガスと、エッチングガスとを混合したものであり、これらのガスの混合比は調整できるようになっている。具体的には、原料となるガスとして、モノシラン(Siを含有するガス)とプロパン(Cを含有するガス)を用いている。また、キャリアガスとして、アルゴンガスまたはヘリウムガスを用いている。さらに、エッチングガスとして水素ガスを用いている。
混合ガス導入管10の上端には有底円筒材11が連結支持されている。有底円筒材11は反応容器6の内部において反応容器6の内壁に沿うように配置されている。混合ガス導入管10の内部と有底円筒材11の内部とは連通しており、混合ガス導入管9,10に導入されたガスは有底円筒材11の内部に導かれる。有底円筒材11の上面は開口しており、有底円筒材11を通過したガスは炭化珪素種結晶7に向かう。さらに、このガス流は、反応容器6の天井面で反転して反応容器6の側壁に沿って下方に向かい、反応容器6の下面の透孔Sを通して反応容器6の外部に抜ける。
このようにして、反応容器6の下方から反応容器6内の炭化珪素種結晶7に向かって混合ガス導入管9,10および有底円筒材11が延設され、炭化珪素種結晶7の表面に混合ガス(モノシランとプロパンとキャリアガスとエッチングガス)を供給することができるようになっている。
また、有底円筒材11の内部における、ガス導入管10の真上のガス通路には蓄熱部材12が有底円筒材11の側壁と底面に離間した状態で配置されている。混合ガス導入管10から有底円筒材11の内部に導かれたガスはこの蓄熱部材12に当たり(接触し)、その後に上方の種結晶7に向かう。温度変化防止部材としての蓄熱部材12は、ガス導入管9,10により導入されたガス(原料ガス、キャリアガス、エッチングガス)の流量が変化したときに導入ガスが一定温度を保ちやすくして雰囲気温度の変化(急激な反応容器6内の温度変化)を抑制して結晶欠陥を生じなくするためのものである。蓄熱部材12は熱容量が大きいことが好ましく、有底円筒材11内に入る最大の大きさが好ましい。
なお、下部蓋材(フランジ)4と凹部8と混合ガス導入管9とは一体化されており、例えばステンレス鋼板材(SUS材)よりなる。
前述の凹部8の側面部には排気管13が接続され、排気管13は貯留室R1と連通している。排気管13にはパーティクルコレクタ14を介して排気ポンプ15が接続されている。排気ポンプ15により真空容器1内のガスが真空容器1の外部に排出される。このとき、パーティクルコレクタ14により、ガス中のパーティクル等の異物が捕捉される。
一方、前述の上部蓋材(フランジ)3の中央部には、不活性ガス導入管16が形成されている。不活性ガス導入管16の下端は、真空容器1内において断熱材5での切り欠き部5aまで延設されている。この不活性ガス導入管16から不活性ガス(例えばアルゴンガス)が導入され、真空容器1内において反応容器6の上面から側面を通り下方に移動する。つまり、不活性ガス導入管16により上部蓋材3の中央付近から不活性ガスが下方向に流れ、反応容器6の周囲を通って反応容器6の下方に向かって流れる。このように真空容器1内において反応容器6の上方から反応容器6に対し不活性ガスを導入して反応容器6内のガス(異物)を透孔Sを通して真空容器1の外部に向かわせる気流が作られる。上部蓋材(フランジ)3と不活性ガス導入管16は一体化されており、例えばステンレス鋼板材(SUS材)よりなる。
真空容器1の容器本体2での外周部には、加熱手段としての加熱コイル(RFコイル)17が巻回されている。加熱コイル17は上側コイル17aと下側コイル17bからなり、上側コイル17aにて反応容器6の上部を加熱し、また、下側コイル17bにて反応容器6の下部を加熱することができる。また、各コイル17a,17bに印加する交流電流の周波数は異なっており、反応容器6の上部と下部をそれぞれ独立に温度制御できるようになっている。詳しくは、加熱コイル17(上側コイル17a、下側コイル17b)は、反応容器6の下部に比べ上部ほど低い温度勾配を有する温度雰囲気にする。
反応容器6内に導入されたガスは反応容器6内で加熱され、炭化珪素種結晶7においてガスのうち一部が結晶化し、未反応ガスは反応容器6の下側へ流れる。
このようにして、反応容器6内での台座部6aの表面に炭化珪素種結晶7を接合し、反応容器6内に、少なくともSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入して、炭化珪素種結晶7に至るガス流路において下流ほど低い温度勾配を有する温度雰囲気下で、混合ガスを炭化珪素種結晶7に送って炭化珪素種結晶7から炭化珪素単結晶20を成長させることができるようになっている。
加熱コイル17よりも外側においてX線源18とカメラ19が対向するように配置され、X線源18から反応容器6内での上部(主に、種結晶7の配置箇所およびその下方)に対しX線が照射されるとともにカメラ19にてX線による像が捉えられる。これにより、炭化珪素種結晶7の厚さと炭化珪素種結晶7から成長する結晶の厚さを測定することができるようになっている。
図2に示すように、反応容器6内において炭化珪素種結晶7の下方の単結晶20が成長する領域を取り囲むようにカーボン製リング材30が配置され、このリング材30の下面に固形炭化珪素31が固着されている。固形炭化珪素31は、炭化珪素種結晶7の外周部近傍かつ種結晶7より高温側(混合ガスの上流側)に、炭化珪素種結晶7とは空間を隔てて配置されている。固形炭化珪素31として炭化珪素固形原料(粉体状)や炭化珪素多結晶を用いる。
ここで、リング材30は、反応容器6に対し着脱可能となっている。詳しくは、図3に示すように、反応容器6は円筒状をなす下側部材25と有蓋筒状をなす上側部材26よりなり、下側部材25の上部外周面にはネジ部25aが形成されるとともに上側部材26の下部内周面にはネジ部26aが形成されている。そして、リング材30を下側部材25と上側部材26との間に配置した状態で下側部材25のネジ部25aと上側部材26のネジ部26aを螺合することにより、図2に示すようにリング材30を下側部材25と上側部材26との間に挟持することができるようになっている。
このようにして、炭化珪素単結晶20が成長する領域の周囲には、固形炭化珪素31を固着したカーボン材質のリング材30が配置されており、固形炭化珪素31およびリング材30の配置位置については図2での上側部材26におけるネジ部26aよりも上の部位の長さ(L寸法)を適宜なものを用いることにより簡便に位置調整(図2でのL寸法の調整)が可能である。また、カーボン製リング材30を用いているので同リング材30を種結晶形状に合わせた形状に変更可能である(カーボン製であるので各種の形状に整形しやすい)。
次に、炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
図4は、種結晶温度(成長雰囲気温度)、水素流量、キャリアガス流量、原料ガス流量についての時間的変化を示すタイムチャートである。この図4を用いて炭化珪素単結晶の製造方法について説明していく。
真空容器1内での反応容器6内に炭化珪素種結晶7を配置する。そして、図4のt1〜t5に示す期間において、各コイル17a,17bにて反応容器6を加熱して種結晶温度(成長雰囲気温度)を2300℃にする。この昇温過程において、t2のタイミングにてガス導入管9,10から真空容器1(反応容器6)内に、キャリアガスとしてのアルゴンまたはヘリウムを導入してパージを行う。パージの際には、反応容器6内がキャリアガスで一定圧力下となるように制御され、このキャリアガス(不活性ガス)により種結晶7の表面が清浄される。
また、図4での昇温過程において、種結晶温度(成長雰囲気温度)が1800℃を超えたあたりから、種結晶7からのSiC昇華ガスの発生に伴いSiの過剰な抜けによる種結晶表面の炭化が生じ始める。そのため、清浄面を確保すべく、1800℃以下の温度でのt3のタイミングで水素ガスの供給を開始する。また、t4のタイミングで原料ガス(モノシランとプロパン)の供給を開始する。
この状態で(水素および原料ガスを供給しつつ)、種結晶表面にSiCが成長する条件下で、インゴットを作製する結晶成長温度(2300℃)まで加熱を行う。つまり、図5(a)に示すように種結晶7への原料ガス(モノシランとプロパン)の供給により種結晶7から結晶21が成長するようにして成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する。即ち、昇温時の最適成長条件にすることなく炭化珪素種結晶7には結晶21が形成される。図5(a)での結晶21には結晶欠陥が発生している。
図4において、インゴットが結晶成長できる温度である2300℃に達した後(t5後)は、t5〜t6の期間において、高品質なSiCが成長する原料ガス(モノシランとプロパン)の流量および比率を設定する。
その後(図4のt6のタイミングで)、雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料ガス(モノシランとプロパン)を供給し、かつ、エッチングガスの水素の流量を増加して当該水素にて、図5(b)に示すように、昇温過程で種結晶表面に成長した結晶21をエッチング除去して炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる。つまり、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつSiを含有するガスとCを含有するガスに加えて炭化珪素種結晶7に対し供給したエッチングガスにより少なくとも炭化珪素種結晶7から成長した結晶21を除去して炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる。このとき、X線源18とカメラ19を用いて、結晶21の厚さと種結晶7の厚さを測定してエッチング量を確認しながら種結晶7の表面が露出するまでエッチングを行う。
このエッチバック工程において、炭化珪素種結晶7の周囲には空間を隔てて固形炭化珪素31が配置してあり、かつ固形炭化珪素31は種結晶7の外周部に比べて高温になっており、この固形炭化珪素31から昇華したSiC成分ガスが炭化珪素種結晶7の外周部に供給される。このために、エッチング工程おいても、炭化珪素種結晶7の外周部がエッチングにより消失することなく(口径が小さくなることなく)種結晶7の下面をエッチングすることができる。また同時に種結晶7の外周部の昇華による消失も防止することができる。また、種結晶7の外周部が消失しないために種結晶7の外周部に結晶欠陥も発生しない。
種結晶7の表面、即ち、清浄面が露出すると(図4のt7のタイミング)、エッチングガスの水素を雰囲気温度が変化しないようにゆっくりと減量、あるいは、雰囲気温度の変化が最小になるように減量していき、これを図4のt8のタイミングまで行う。つまり、図4のt7〜t8の期間(エッチングガス減量期間)において、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつモノシランとプロパンに加えて供給しているエッチングガスを徐々に減量していきエッチングから成長に転じさせ、エッチングガスにより露出させた種結晶7の表面(清浄面)から図5(c)に示すように結晶成長を開始させる。このとき、種結晶7上に高品質条件で結晶成長が開始される。このようにして、種結晶7の清浄面を露出させた後にエッチングガスを徐々に減じることにより、種結晶7は原料ガスの供給時の温度変化や昇温時の成長条件の変化に伴う品質劣化の影響を受けず高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。
なお、エッチングガスの水素は結晶成長が生じる程度に減量すればよく、必ずしもゼロにする必要はない。また、エッチング工程の温度は昇華が増進する2100℃以上が好ましく、昇華にアシストされた水素エッチングにより比較的短時間でエッチングして表面をクリーニングすることができる。
図5(c)に示す成長工程は、図5(b)に示すように結晶欠陥の有る結晶21をエッチング除去して欠陥のない種結晶7から成長が行われ、高品質初期成長層作製工程となる。種結晶7の清浄面から結晶を成長させる時に種結晶7の外周部は消失していないため多結晶が発生しない。よって、成長結晶の口径拡大が阻害されることもない。
その後、図6に示すように、炭化珪素単結晶20を目的のインゴット長まで成長させた後、原料供給を止め、冷却して結晶を取り出す。
なお、図4においては昇温過程においてエッチングガス(水素)を供給してエッチングガスにより種結晶7の表面を清浄面とした状態で、原料ガスの供給により種結晶7から結晶21が成長するようにした。これに代わり、昇温過程においてはエッチングガス(水素)を供給せずに昇温後の図4のt6のタイミングでエッチングガス(水素)の供給を開始してもよい。この場合においては、昇温後の図4のt6から開始するエッチングは、結晶21を除去し、更に種結晶7の表面を所定量除去して清浄面を露出させるようにする。
以上のように、本実施形態は以下の特徴を有する。
炭化珪素単結晶の製造方法として、炭化珪素種結晶7の外周部近傍かつ炭化珪素種結晶7より高温側に、炭化珪素種結晶7とは空間を隔てて固形炭化珪素31を配置しておく。そして、エッチングガスを炭化珪素種結晶7に対し供給して炭化珪素種結晶7の外周部に比べて高温の固形炭化珪素31から昇華したSiC成分ガスを炭化珪素種結晶7の外周部に供給しながらエッチングガスにより炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる。その後に、炭化珪素種結晶7の清浄面から結晶成長を開始させる。
よって、エッチングガスを炭化珪素種結晶7に対し供給して炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる際に、炭化珪素種結晶7の外周部に比べて高温の固形炭化珪素31から昇華したSiC成分ガスを炭化珪素種結晶7の外周部に供給することにより、炭化珪素種結晶7の外周部のエッチングによる消失を防止することができる。これにより種結晶7の外周部の消失を防止しつつ種結晶7の清浄面を露出させて当該清浄面から結晶成長を開始させることができる。また、種結晶7の外周部がエッチングされないので炭化珪素種結晶7の外周部に結晶欠陥も発生させない。さらに、種結晶7の清浄面からの結晶成長時に炭化珪素種結晶7の外周部に多結晶を発生させなくでき、種結晶外周部での多結晶の形成による成長結晶の口径拡大が阻害されるのを回避することができる。これによって、結晶を良好に成長させることができる。
特に、本実施形態では、エッチングガスにより炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる処理は、成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温した後において昇温時に炭化珪素種結晶7から成長した結晶21を少なくとも除去すべく行った。これにより、昇温が終了し高品質成長が開始できる条件となってからエッチングガスにより種結晶7の清浄面が露出するまでエッチングすることにより、昇温過程に起因する成長初期に発生する結晶欠陥による不具合を解消することができ、かつ、ここでの初期成長層をエッチング除去する際の種結晶外周部の消失を防止することができる。
また、反応容器6内において炭化珪素単結晶20が成長する領域を取り囲むように配置したリング材30に、固形炭化珪素31を固着したので、リング材30を台座として用いることにより、固形炭化珪素31を容易に配置することができる。
また、リング材30は、反応容器6に対し着脱可能となっているので、固形炭化珪素31を更に容易に配置することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図7は、図4に代わる本実施形態におけるタイムチャートである。
図4においては昇温過程後の一定温度に達した後においてエッチバックしたが、図7の本実施形態においては昇温過程(一定温度に達するまでの期間)においてエッチバックしている。
詳しく説明する。
昇温過程(t1〜t5の期間)において、t2のタイミングでキャリアガスとしてのアルゴンまたはヘリウムを流して(キャリアガスの供給を開始して)パージを行う。さらに、昇温過程において、雰囲気温度が1800℃になる前のt3のタイミングでエッチングガスとしての水素ガスの供給を開始する。また、t4のタイミングで原料ガス(モノシランとプロパン)の供給を開始する。昇温過程において、エッチングガスとしての水素ガスにより種結晶7の表面がゆっくりとエッチングされる。詳しくは、図8(a)に示すように種結晶7に対し原料ガスに加えて水素を供給することにより、図8(b)に示すように、種結晶7の成長面をエッチングする。
ここで、本実施形態においても第1の実施の形態で説明したように炭化珪素種結晶7の外周部近傍かつ種結晶7より高温側に、炭化珪素種結晶7とは空間を隔てて固形炭化珪素31を配置しておく。そして、図8(b)に示すようにエッチングガスを炭化珪素種結晶7に供給して炭化珪素種結晶7の外周部に比べて高温の固形炭化珪素31から昇華したSiC成分ガスを炭化珪素種結晶7の外周部に供給しながらエッチングガスにより種結晶7の清浄面を露出させる。これにより種結晶7の外周部の消失が防止される(口径が小さくならない)。
また、このエッチング工程においてX線源18とカメラ19により炭化珪素種結晶7の厚さを測定しながらエッチングを行う。
このように、図7のt1〜t5の期間(昇温期間)において、反応容器6内に少なくともモノシランとプロパンとに加え、種結晶7の清浄面を露出させるエッチングガスを導入しながら反応容器6内を結晶成長温度にまで昇温する。つまり、Siを含有するガスとCを含有するガスに加えて炭化珪素種結晶7に対し供給したエッチングガスにより炭化珪素種結晶7の表面をエッチングして清浄面を露出させながら成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する。その結果、結晶成長温度に到達した時には種結晶表面が清浄な状態で露出している。よって、昇温時にモノシランとプロパンに加えエッチングガスを供給して種結晶7の表面をエッチングして清浄面を露出させるので、種結晶7は原料ガスの供給時の温度変化や昇温時の成長条件の変化に伴う品質劣化の影響を受けず高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。
そして、図7のt5でのインゴットが作製できる温度に達した後は、t5〜t6の期間において雰囲気温度を維持した状態で、高品質なSiCが成長する原料ガスの流量および比率を設定する。
その後、図7のt7のタイミングで雰囲気温度の変化が最小になるように制御しながらエッチングガスとしての水素ガスを、ゆっくりと減量していく。ここで、エッチングガスとしての水素ガスは結晶成長が生じる程度に減量すればよく、必ずしもゼロにする必要はない。このエッチングガスとしての水素ガスの減量により種結晶7上に高品質条件で結晶成長が開始されることになる。
このように、図7のt7〜t8の期間(エッチングガス減量期間)において、成長雰囲気温度の変化が最小になるように制御して成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつモノシランとプロパンに加えて供給しているエッチングガスを徐々に減量していき、エッチングから成長に転じさせ、エッチングガスにより露出させた種結晶7の清浄面から図8(c)に示すように結晶成長を開始させる。このとき、図8(b)に示すように、表面をエッチングして清浄面を露出させた種結晶7から成長が行われる。種結晶7の清浄面から結晶を成長させる時に、種結晶7の外周部は消失していないため多結晶が発生しない。そして、図8(c)の炭化珪素単結晶20を目的のインゴット長まで成長させた後、原料供給を止め冷却して結晶を取り出す。これにより、第1の実施の形態のように昇温後に種結晶7の清浄面が露出するまでエッチングする必要が無くなり、昇温後直ちにエッチングガスを減量することで結晶成長を開始することができる。
以上のように、本実施形態では、エッチングガスにより炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる処理は、成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する工程で行う。よって、昇温時にエッチングガスを供給して種結晶7の表面をエッチングして清浄面を露出させて成長を開始させることができ、かつ、ここでの種結晶表面をエッチングする際の種結晶外周部の消失を防止することができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を、第1および第2の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図9に示すように、本実施形態では、第1,第2の実施形態で用いたリング材30および固形炭化珪素31は使用していない。それに代わり本実施形態では炭化珪素種結晶7の外周面に、炭化珪素種結晶7よりも熱伝導率が低いシート材40を密着した状態で配置している。その他の構成は第1,第2の実施形態と同じである。
シート材40は、カーボン材質であり、また、柔軟性を有する。この状態からエッチングガスを炭化珪素種結晶7に供給する。なお、反応容器6は円筒材27と天板28からなり、天板28の下面には台座部6aが形成されている。
シート材40は内部に空隙を有するものであり、シート材40の熱伝導率は炭化珪素種結晶(炭化珪素単結晶基板)7の熱伝導率より低くなっている。詳しくは、図10(a)に示すように、内部に空隙を有するシート材40は、カーボン製非多孔質膜40aを複数積層して構成したものを用いる。この場合には、重ねたカーボン製非多孔質膜40aの間に空隙が形成される。あるいは、図10(b)に示すように、内部に空隙を有するシート材40は、カーボン製多孔質材料よりなるものを用いる。あるいは、図10(c)に示すように、内部に空隙を有するシート材40は、カーボン製繊維質材料よりなるものを用いる。
また、図9のシート材40は厚さが100μm程度であり、種結晶7の形状に合わせて密着できる柔軟性がある材料および厚さであればよい。
このシート材40の熱伝導率が炭化珪素種結晶(炭化珪素単結晶基板)7の熱伝導率より低くなっていることにより、その周辺の温度分布が図11に実線で示すようになる。図11において破線にてシート材40が無い場合の温度分布を示す。図11において種結晶7の熱は台座部6a側に逃げていく。また、種結晶7の中央部の温度T2は再結晶化最高温度Tmaxより低い。ここで、シート材40が無い場合(図11の破線)には、種結晶7の外周部の温度は種結晶7の中央部の温度T2よりも低く、かつ、再結晶化最高温度Tmaxよりも低い。よって、炭化珪素種結晶7の外周面に、炭化珪素種結晶7と熱伝導率が等しいシート材40’を設置しただけでは図12に示すようにシート材40’の外周面に多結晶炭化珪素41が析出する。図11の実線で示すごとくシート材40の熱伝導率が炭化珪素種結晶7の熱伝導率より低くなっている場合には、シート材40の外周面温度T1を再結晶化最高温度Tmaxよりも高くすることができる。
図4に示した製造工程におけるt6〜t7でのエッチバックにおいては、図5に代わる図13における(b)に示すように、シート材40により高温のエッチングガスから炭化珪素種結晶7の外周面を保護することができる。これにより種結晶外周部はエッチングされず口径が小さくならない。
また、図4に示した製造工程におけるt7〜t8でのエッチングガス減量による炭化珪素種結晶7の清浄面から結晶成長を開始させる際には次のようになる。
シート材40が種結晶外周面に密着して配置してあり、かつシート材40の熱伝導率は種結晶7の炭化珪素単結晶より低くなっている。これにより、図11に実線で示すように、そのシート材40の外周面温度T1は炭化珪素種結晶7の中央部の温度T2より高く、かつ、再結晶化最高温度Tmaxより高くなっている。このため、原料ガスは種結晶7の成長面(図11中の下面)の中央部で優先的に再結晶化し成長して高温のシート材40上では成長せず、シート材40の外周面での多結晶炭化珪素の付着を防止することができる。つまり、シート材40上では図12に示す多結晶炭化珪素41が析出せずに種結晶7からの結晶成長を妨げることを回避することができる。
このようにして、炭化珪素種結晶7の外周面に、炭化珪素種結晶7よりも熱伝導率が低いシート材40を密着した状態で配置しておき、エッチングガスを炭化珪素種結晶7に対し供給してエッチングガスにより炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させた後に、炭化珪素種結晶7の清浄面から結晶成長を開始させる。よって、エッチングガスを炭化珪素種結晶7に対し供給して種結晶7の清浄面を露出させる際にシート材40により炭化珪素種結晶7の外周部を高温のエッチングガスから保護してエッチングによる消失を防止することができる。その結果、種結晶の外周部の消失を防止しつつ種結晶の清浄面を露出させて当該清浄面から結晶成長を開始させることができる。さらに、シート材40が断熱材として機能し、シート材40の外周面は炭化珪素種結晶7の中央部よりも高温となり、種結晶の清浄面からの結晶成長時にシート材40の外周面への炭化珪素の析出による多結晶炭化珪素の発生を抑制できる。これら種結晶の外周部のエッチングの防止と多結晶の成長を抑制したため、結晶を良好に成長させることができる。
また、図7に示したように成長させる際において本実施形態では次のようになる。
図8に代わる図14における(b)に示すように、シート材40により炭化珪素種結晶7の外周面を保護することができる。また、図14(c)での種結晶7の清浄面からの結晶成長時に、シート材40の外周面への炭化珪素の析出による多結晶炭化珪素の発生を抑制できる。
なお、図15に示すように、固形炭化珪素31を配置するとともにシート材40を配置しておき、エッチングガスを炭化珪素種結晶7に対し供給するようにしてもよい。
第1の実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面図。 第1の実施形態における反応容器の上部における断面図。 反応容器の上部における分解図。 第1の実施形態における温度や流量の推移を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は結晶の状態を示す断面図。 結晶の状態を示す断面図。 第2の実施形態における温度や流量の推移を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は結晶の状態を示す断面図。 第3の実施形態における反応容器の上部における断面図。 (a)〜(c)はシート材の断面図。 反応容器の上部における温度分布図。 反応容器の上部における多結晶炭化珪素の析出状態を示す断面図。 (a)〜(c)は結晶の状態を示す断面図。 (a)〜(c)は結晶の状態を示す断面図。 別例の反応容器の上部における断面図。 背景技術を説明するための断面図。 (a)〜(c)は結晶の状態を示す断面図。
符号の説明
6…反応容器、6a…台座部、7…炭化珪素種結晶、20…炭化珪素単結晶、30…リング材、31…固形炭化珪素、40…シート材。

Claims (10)

  1. 反応容器(6)内での台座部(6a)の表面に炭化珪素種結晶(7)を接合し、前記反応容器(6)内に、少なくともSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入して、炭化珪素種結晶(7)に至るガス流路において下流ほど低い温度勾配を有する温度雰囲気下で、前記混合ガスを前記炭化珪素種結晶(7)に送って前記炭化珪素種結晶(7)から炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    炭化珪素種結晶(7)の外周部近傍かつ炭化珪素種結晶(7)より高温側に、炭化珪素種結晶(7)とは空間を隔てて固形炭化珪素(31)を配置しておき、エッチングガスを炭化珪素種結晶(7)に対し供給して炭化珪素種結晶(7)の外周部に比べて高温の固形炭化珪素(31)から昇華したSiC成分ガスを炭化珪素種結晶(7)の外周部に供給しながらエッチングガスにより炭化珪素種結晶(7)の清浄面を露出させた後に、炭化珪素種結晶(7)の清浄面から結晶成長を開始させるようにしたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 反応容器(6)内において炭化珪素単結晶(20)が成長する領域を取り囲むように配置したリング材(30)に、前記固形炭化珪素(31)を固着したことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 前記リング材(30)は、前記反応容器(6)に対し着脱可能となっていることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 反応容器(6)内での台座部(6a)の表面に炭化珪素種結晶(7)を接合し、前記反応容器(6)内に、少なくともSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入して、炭化珪素種結晶(7)に至るガス流路において下流ほど低い温度勾配を有する温度雰囲気下で、前記混合ガスを前記炭化珪素種結晶(7)に送って前記炭化珪素種結晶(7)から炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    炭化珪素種結晶(7)の外周面に、当該炭化珪素種結晶(7)よりも熱伝導率が低いシート材(40)を密着した状態で配置しておき、エッチングガスを炭化珪素種結晶(7)に対し供給してエッチングガスにより炭化珪素種結晶(7)の清浄面を露出させた後に、炭化珪素種結晶(7)の清浄面から結晶成長を開始させるようにしたことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記シート材(40)は内部に空隙を有するものであることを特徴とする請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 内部に空隙を有するシート材(40)は、カーボン製非多孔質膜(40a)を複数積層して構成したものであることを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 内部に空隙を有するシート材(40)は、カーボン製多孔質材料よりなることを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  8. 内部に空隙を有するシート材(40)は、カーボン製繊維質材料よりなることを特徴とする請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 前記エッチングガスにより炭化珪素種結晶(7)の清浄面を露出させる処理は、成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温した後において前記昇温時に炭化珪素種結晶(7)から成長した結晶(21)を少なくとも除去するために行うものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 前記エッチングガスにより炭化珪素種結晶(7)の清浄面を露出させる処理は、成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する工程で行うものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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