JP4293109B2 - 炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素単結晶の製造方法に関するものである。
炭化珪素単結晶は、高耐圧、高電子移動度という特徴を有するため、パワーデバイス用半導体基板として期待されている。炭化珪素単結晶には、一般に昇華法(改良レーリー法)と呼ばれる単結晶成長方法が用いられる。改良レーリー法は、黒鉛製坩堝内に炭化珪素原料を挿入するとともに、この原料部と対向するように種結晶を配置し、原料部を2200〜2400℃に加熱して昇華ガスを発生させ、原料部より数十〜数百℃低温にした種結晶に再結晶化させることで炭化珪素単結晶を成長させるものである。この改良レーリー法では、炭化珪素単結晶の成長に伴って炭化珪素原料が減少するため、結晶を長く成長させる量に限界がある。たとえ、成長途中に原料を追加する手段をとったとしても、SiCが昇華する際にSi/C比が1を超える比で昇華するため、成長中に原料を追加すると坩堝内の昇華ガスの濃度が揺らぎ、結晶を連続的に高品質に作製することの障害となってしまう。
一方、CVDによって炭化珪素をエピタキシャル成長させる技術が、特許文献1に開示されている。図10はこの技術を用いた製造装置の概略断面図である。図10に示すように、円筒形状のケース100の中央付近に円筒形状のサセプタ101を配置している。このサセプタ101は高純度の黒鉛等からなる。サセプタ101の上端面には種結晶(炭化珪素単結晶基板)102が配置されている。ケース100の外部におけるサセプタ101の外周に相当する位置には、サセプタ101内の気体を加熱するための加熱手段103が配置されている。サセプタ101の周囲は断熱材である多孔質の黒鉛104により充填されている。そして、サセプタ101の下端において、この断熱材104によって漏斗状の通路105が形成されている。ケース100の下端には、炭化珪素単結晶の成長に必要なSiやCを含有する混合ガスを供給する混合ガス導入管106が配置されている。また、サセプタ101の上端面には混合ガスが排気される通路107が形成されており、ケース100の上部にはケース100の外部に繋がるガス通路108が形成されている。このような構成の製造装置では、混合ガス導入管106から供給された混合ガスが断熱材104により形成された通路105を通ってサセプタ101内に移動し、混合ガスが加熱手段103により加熱されて種結晶102から炭化珪素単結晶がエピタキシャル成長される。そして、残留した混合ガスは、サセプタ101の上端面の通路107を通り、ケース100の上部に形成された通路108を通って排気される。また、炭化珪素単結晶のエピタキシャル成長の際、従来CVDテクニックと異なり、サセプタ、基板温度が昇華テクニックによってブール体を成長させるため通常使用されている温度にまで上げられる。このことにより、種結晶102上で成長される目的物の、水素またはその他のエッチングガスによるエッチングは、これら高温度において相当増進し、そして多結晶域、すなわち比較的低品質域は単結晶域、すなわち高品質領域、よりも急速にエッチングされ、その結果として、高品質な結晶が成長できるとしている。
ところが、このCVDによる炭化珪素単結晶の製造では、サセプタ101をバルクの結晶成長ができる高温まで加熱する際、種結晶表面では、必要とされる原料分圧は種結晶の温度によって異なるため、必要な原料分圧のSi、Cを含むガスを計算して導入する。しかしこの方法ではガス流量の設定の不故意な変動、例えばガス流量変化による結晶表面の温度変化、昇温の過渡時における温度分布の変化により、昇温過程で種結晶表面の温度に合わせて最適な原料供給をし、欠陥を発生させずに昇温することは極めて困難である。別の方法として不活性ガスを使用して結晶成長をさせないように加熱する方法があるが、実際には不活性ガスにアルゴン、ヘリウム等を使用しても種結晶からの昇華がSi,Cで異なる比で生じるため、種結晶表面のSi抜けによる炭化が生じ、その上には高品質な結晶を作製することができない。またサセプタ内に原料ガス、キャリアガスを温度制御とは連動せずに導入することで、サセプタ内にガス投入に伴う温度低下が生じ成長条件が外れ、結晶欠陥が導入されてしまう。一旦結晶表面に結晶欠陥が生じるとその上の結晶はエピタキシャル成長の原理から高品質に形成することができない。
特表平11−508531号公報
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、新規な手法にて高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる炭化珪素単結晶の製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、炭化珪素種結晶への原料となるガスの供給により炭化珪素種結晶から結晶が成長するようにして成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する第1工程と、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料となるガスに加えて炭化珪素種結晶に対し供給したエッチングガスにより少なくとも炭化珪素種結晶から成長した結晶を除去して炭化珪素種結晶の清浄面を露出させる第2工程と、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料となるガスに加えて供給しているエッチングガスを徐々に減量していき炭化珪素種結晶の清浄面から結晶成長を開始させる第3工程と、を有することを特徴としている。よって、昇温が終了し高品質成長が開始できる条件となってから、エッチングガスにより種結晶の清浄面が露出するまでエッチングすることにより、昇温過程に起因する成長初期に発生する結晶欠陥による不具合を解消して高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
ここで、請求項2に記載のように、請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、第1工程において、炭化珪素種結晶の表面を清浄面とした状態で、原料となるガスの供給により炭化珪素種結晶から結晶が成長するようにするとよい。
請求項3に記載の炭化珪素単結晶の製造方法は、原料となるガスに加えて炭化珪素種結晶に対し供給したエッチングガスにより炭化珪素種結晶の表面をエッチングして清浄面を露出させながら成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する第1工程と、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料となるガスに加えて供給しているエッチングガスを徐々に減量していき炭化珪素種結晶の清浄面から結晶成長を開始させる第2工程と、を有することを特徴としている。よって、昇温時に原料となるガスに加えエッチングガスを供給して種結晶の表面をエッチングして清浄面を露出させるので、高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
請求項4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、エッチングガスを徐々に減量する際におけるエッチングガスの流量を、雰囲気温度の変化が5℃/分以下になるように、徐々に変化させることにより、エッチングから成長に転じた際に最適な成長条件を外すことなく、高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。
請求項5に記載の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、請求項1,2,4のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、第2工程においてエッチングガスにより少なくとも炭化珪素種結晶から成長した結晶を除去して炭化珪素種結晶の清浄面を露出させる際に、炭化珪素種結晶の厚さ、および、炭化珪素種結晶から成長した結晶の厚さの少なくとも一方をX線を用いて測定しながらエッチング量を制御することにより、過度のエッチングによる種結晶の消失や、エッチングガスの供給不足によるエッチング量不足を防止することが可能で、再現性よく成長初期の品質を高品質とすることができる。
請求項6に記載の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、請求項3または4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、第1工程においてエッチングガスにより炭化珪素種結晶の表面をエッチングして清浄面を露出させながら成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する際に、炭化珪素種結晶の厚さをX線を用いて測定しながらエッチング量を制御することにより、過度のエッチングによる種結晶の消失や、エッチングガスの供給不足によるエッチング量不足を防止することが可能で、再現性よく成長初期の品質を高品質とすることができる。
請求項7に記載の炭化珪素単結晶の製造方法によれば、請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法において、加熱される空間における、炭化珪素種結晶へのエッチングガスの供給通路に、エッチングガスが接して流れる蓄熱部材を設け、蓄熱部材により、エッチングガスの減量時に雰囲気温度を変化しにくくすることにより、エッチングガスの流量変化による温度変化で結晶欠陥が生じにくくなり、そのため、高品質な炭化珪素単結晶を成長させる上で好ましいものとなる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1には、本実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面を示す。
図1において、本装置には真空容器1が備えられ、円筒形をなす容器本体2が立設した状態で配設されている。つまり、容器本体2の両端開口部が上下に位置する状態で固定されている。容器本体2は、例えば石英からなる。容器本体2の上面開口部は上部蓋材(フランジ)3にて塞がれるとともに、容器本体2の下面開口部は下部蓋材(フランジ)4にて塞がれている。
真空容器1の内部には、円筒状をなす断熱材5が容器本体2の内壁に沿うように配置されている。断熱材5の内方には、円筒状をなす反応容器6が断熱材5の内壁に沿うように配置されている。この反応容器6の内部空間が反応室(結晶成長室)となる。反応容器6の上面は塞がれるとともに下面は開口している。反応容器6内の上部、詳しくは、反応容器6内での天井面には、炭化珪素種結晶(炭化珪素単結晶基板)7が下向きにして配置されている。断熱材5と反応容器6に関して、反応容器6の側面および上面において断熱材5が所定の間隔をおいて離間して配置されている。
反応容器6の材料としては、例えば高温(2400℃程度)に耐え得る高純度の黒鉛を用いることができる。このような高純度の黒鉛を用いることにより、加熱された反応容器6から不純物が発生して結晶成長中に結晶内に不純物が取り込まれることを低減することができる。
前述の下部蓋材(フランジ)4の中央部には、下方に突出する形で凹部8が形成されている。凹部8の内方が、真空容器1内で発生した異物を溜めるための貯留室R1となっている。凹部8の底面部には混合ガス導入管9が形成され、この混合ガス導入管9は上下方向に延びている。混合ガス導入管9の上端側は真空容器1の内部に延設され、さらに混合ガス導入管9の上端から混合ガス導入管10が上方に延びている。この混合ガス導入管9,10を通して真空容器1の外部から真空容器1の内部に混合ガスが導入される。この混合ガスは、原料となるガスと、キャリアガスと、エッチングガスとを混合したものであり、これらのガスの混合比は調整できるようになっている。具体的には、原料となるガスとして、モノシラン(Siを含有するガス)とプロパン(Cを含有するガス)を用いている。また、キャリアガスとして、アルゴンガスまたはヘリウムガスを用いている。さらに、エッチングガスとして水素ガスを用いている。
混合ガス導入管10の上端には有底円筒材11が連結支持されている。有底円筒材11は反応容器6の内部において反応容器6の内壁に沿うように配置されている。混合ガス導入管10の内部と有底円筒材11の内部とは連通しており、混合ガス導入管9,10に導入されたガスは有底円筒材11の内部に導かれる。有底円筒材11の上面は開口しており、有底円筒材11を通過したガスは炭化珪素種結晶7に向かう。さらに、このガス流は、反応容器6の天井面で反転して反応容器6の側壁に沿って下方に向かい、反応容器6の下面の透孔6aを通して反応容器6の外部に抜ける。
このようにして、反応容器6の下方から反応容器6内の炭化珪素種結晶7に向かって混合ガス導入管9,10および有底円筒材11が延設され、炭化珪素種結晶7の表面に混合ガス(モノシランとプロパンとキャリアガスとエッチングガス)を供給することができるようになっている。
また、有底円筒材11の内部における、ガス導入管10の真上のガス通路には蓄熱部材12が有底円筒材11の側壁と底面に離間した状態で配置されている。混合ガス導入管10から有底円筒材11の内部に導かれたガスはこの蓄熱部材12に当たり(接触し)、その後に上方の種結晶7に向かう。温度変化防止部材としての蓄熱部材12は、ガス導入管9,10により導入されたガス(原料ガス、キャリアガス、エッチングガス)の流量が変化したときに導入ガスが一定温度を保ちやすくして雰囲気温度の変化(急激な反応容器6内の温度変化)を抑制して結晶欠陥を生じなくするためのものである。蓄熱部材12は熱容量が大きいことが好ましく、有底円筒材11内に入る最大の大きさが好ましい。
なお、下部蓋材(フランジ)4と凹部8と混合ガス導入管9とは一体化されており、例えばステンレス鋼板材(SUS材)よりなる。
前述の凹部8の側面部には排気管13が接続され、排気管13は貯留室R1と連通している。排気管13にはパーティクルコレクタ14を介して排気ポンプ15が接続されている。排気ポンプ15により真空容器1内のガスが真空容器1の外部に排出される。このとき、パーティクルコレクタ14により、ガス中のパーティクル等の異物が捕捉される。
一方、前述の上部蓋材(フランジ)3の中央部には、不活性ガス導入管16が形成されている。不活性ガス導入管16の下端は、真空容器1内において断熱材5での切り欠き部5aまで延設されている。この不活性ガス導入管16から不活性ガス(例えばアルゴンガス)が導入され、真空容器1内において反応容器6の上面から側面を通り下方に移動する。つまり、不活性ガス導入管16により上部蓋材3の中央付近から不活性ガスが下方向に流れ、反応容器6の周囲を通って反応容器6の下方に向かって流れる。このように真空容器1内において反応容器6の上方から反応容器6に対し不活性ガスを導入して反応容器6内のガス(異物)を透孔6aを通して真空容器1の外部に向かわせる気流が作られる。上部蓋材(フランジ)3と不活性ガス導入管16は一体化されており、例えばステンレス鋼板材(SUS材)よりなる。
真空容器1の容器本体2での外周部には、加熱手段としての加熱コイル(RFコイル)17が巻回されている。加熱コイル17は上側コイル17aと下側コイル17bからなり、上側コイル17aにて反応容器6の上部を加熱し、また、下側コイル17bにて反応容器6の下部を加熱することができる。また、各コイル17a,17bに印加する交流電流の周波数は異なっており、反応容器6の上部と下部をそれぞれ独立に温度制御できるようになっている。詳しくは、加熱コイル17(上側コイル17a、下側コイル17b)は、反応容器6での透孔6aの形成部分を、炭化珪素種結晶7に比べ高温に加熱する。
反応容器6内に導入されたガスは反応容器6内で加熱され、炭化珪素種結晶7においてガスのうち一部が結晶化し、未反応ガスは反応容器6の下側へ流れる。
加熱コイル17よりも外側においてX線源18とカメラ19が対向するように配置され、X線源18から反応容器6内での上部(主に、種結晶7の配置箇所およびその下方)に対しX線が照射されるとともにカメラ19にてX線による像が捉えられる。これにより、炭化珪素種結晶7の厚さと炭化珪素種結晶7から成長する結晶の厚さを測定することができるようになっている。
次に、炭化珪素単結晶の製造方法について説明する。
図2は、種結晶温度(成長雰囲気温度)、水素流量、キャリアガス流量、原料ガス流量についての時間的変化を示すタイムチャートである。この図2を用いて炭化珪素単結晶の製造方法について説明していく。SiCの結晶成長温度は2000℃以上である。
真空容器1内に種結晶7を配置する。そして、図2のt1〜t5に示す期間において、各コイル17a,17bにて反応容器6を加熱して種結晶温度(成長雰囲気温度)を2300℃にする。この昇温過程において、t2のタイミングにてガス導入管9,10から真空容器1(反応容器6)内に、キャリアガスとしてのアルゴンまたはヘリウムを導入してパージを行う。パージの際には、反応容器6内がキャリアガスで一定圧力下となるように制御され、このキャリアガス(不活性ガス)により種結晶7の表面が清浄される。このようにして種結晶7の表面が清浄された状態で加熱されることになる。
なお、図2ではパージはキャリアガスとしてのアルゴンまたはヘリウムを導入して行ったが、これに代わり、図3に示すように、t2のタイミングで水素を導入して行ってもよい(水素ガスにより種結晶7の表面を清浄にしてもよい)。
また、図2での昇温過程において、反応容器6内の温度(成長雰囲気温度)が1800℃を超えたあたりから、種結晶7からのSiC昇華ガスの発生に伴いSiの過剰な抜けによる種結晶表面の炭化が生じ始める。そのため、清浄面を確保すべく、1800℃以下の温度でのt3のタイミングで水素ガスの供給を開始する。また、t4のタイミングで原料ガス(モノシランとプロパン)の供給を開始する。これによって、数十μm/時のエッチングに対して種結晶7がエッチングされ消失するのが防止されるとともに、種結晶表面を保護することができる。このようにして、エッチングガスにより炭化珪素種結晶7の表面を清浄面とした状態で炭化珪素種結晶7から結晶成長を行うことができることとなる。
この状態で(水素および原料ガスを供給しつつ)、種結晶表面にSiCを成長させながらインゴットを作製する結晶成長温度(2300℃)まで加熱を行う。つまり、図4(a)に示すように原料ガスの供給によって種結晶7の表面に結晶(炭化珪素単結晶)21を成長させながら反応容器6内を結晶成長温度にまで昇温する。図4(a)での結晶21には結晶欠陥が発生している。
図2において、インゴットが結晶成長できる温度である2300℃に達した後(t5後)は、t5〜t6の期間において、高品質なSiCが成長する原料ガス(モノシランとプロパン)の流量および比率を設定する。
その後(図2のt6のタイミングで)、雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料ガス(モノシランとプロパン)を供給し、かつ、エッチングガスの水素の流量を増加して当該水素にて、図4(b)に示すように、昇温過程で種結晶表面に成長した結晶21をエッチングして取り除く。詳しくは、X線源18とカメラ19を用いて、結晶21の厚さと種結晶7の厚さを測定してエッチング量を確認しながら種結晶7の表面が露出するまでエッチングを行う。このとき、必要に応じて、例えばエッチングガスの流量をコントロールする。
種結晶7の表面、即ち、清浄面が露出すると(図2のt7のタイミング)、エッチングガスの水素を雰囲気温度が変化しないようにゆっくりと減量、あるいは、雰囲気温度の変化が最小になるように減量していき、これを図2のt8のタイミングまで行う。つまり、図2のt7〜t8の期間(エッチングガス減量期間)において、雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつエッチングガスを徐々に減量してエッチングから成長に転じさせ、エッチングガスにより露出させた種結晶7の表面から図4(c)に示すように結晶成長を開始させる。このとき、種結晶7上に高品質条件で結晶成長が開始される。
なお、エッチングガスの水素は結晶成長が生じる程度に減量すればよく、必ずしもゼロにする必要はない。また、エッチング工程の温度は昇華が増進する2100℃以上が好ましく、昇華にアシストされた水素エッチングにより比較的短時間でエッチングして表面をクリーニングすることができる。
図4(c)に示す成長工程は、図4(b)に示すように結晶欠陥の有る結晶21をエッチング除去して欠陥のない種結晶7から成長が行われ、高品質初期成長層作製工程となる。その後、図4(c)の炭化珪素単結晶20を目的のインゴット長まで成長させた後、原料供給を止め、冷却して結晶を取り出す。
このようにして、昇温過程もしくは成長初期の過程において、原料ガス投入に伴う温度変化、良質結晶成長条件からのズレから生ずる成長初期における結晶欠陥の影響を受けず高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。即ち、種結晶上には、原料ガス投入時の温度変化や昇温時の成長条件の変化に伴う品質劣化の影響を受けずに、高品質な炭化珪素単結晶を成長させることができる。
エッチングガスの流量変化速度は結晶欠陥の発生に影響し、その関係を図5に示す。図5において横軸に成長雰囲気温度(成長室温度)の変化をとり、縦軸に結晶欠陥密度をとっている。この図5から、エッチングガスの流量変化速度は成長雰囲気温度(反応室温度)の変化が毎分5℃以下となるようにすることが好ましいことが分かる。詳しくは、エッチングガス流量の変化速度自体は装置の能力、大きさにより異なるため、最適値はそれぞれの装置により設定するとよい。
図2においては昇温過程においてエッチングガス(水素)を供給してエッチングガスにより種結晶7の表面を清浄面とした状態で、原料ガスの供給により種結晶7から結晶21が成長するようにした。これに代わり、昇温過程においてはエッチングガス(水素)を供給せずに昇温後の図2のt6のタイミングでエッチングガス(水素)の供給を開始してもよい。この場合においては、昇温後の図2のt6から開始するエッチングは、結晶21を除去し、更に種結晶7の表面を所定量除去して清浄面を露出させるようにする。
以上のように、本実施形態は以下の特徴を有する。
結晶成長温度雰囲気下において原料ガス(モノシランとプロパン)を炭化珪素種結晶7に供給して炭化珪素種結晶7から炭化珪素単結晶20を成長させる場合、次の第1〜第3工程を経るようにする。まず、第1工程として、炭化珪素種結晶7への原料ガスの供給により炭化珪素種結晶7から結晶21が成長するようにして成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する。そして、第2工程として、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料ガスに加えて炭化珪素種結晶7に対し供給したエッチングガスにより少なくとも炭化珪素種結晶7から成長した結晶21を除去して炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる。さらに、第3工程として、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料ガスに加えて供給しているエッチングガスを徐々に減量していき炭化珪素種結晶7の清浄面から結晶成長を開始させる。
よって、第1工程において、昇温時の最適成長条件にすることなく炭化珪素種結晶7には結晶21が形成される。また、その後の第2工程において、昇温が終了し高品質成長が開始できる条件となってから、原料ガスに加えて供給したエッチングガスにて種結晶の清浄面が露出するまでエッチングする。さらに、その後の第3工程において、種結晶の清浄面を露出させた後にエッチングガスを徐々に減じる。この結果、種結晶7は原料ガスの供給時の温度変化や昇温時の成長条件の変化に伴う品質劣化の影響を受けず高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。即ち、昇温過程に起因する成長初期に発生する結晶欠陥による不具合を解消して高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。
また、第1工程において、炭化珪素種結晶7の表面を清浄面とした状態で、原料ガスの供給により炭化珪素種結晶7から結晶21が成長するようにした(図2,3の場合)。よって、種結晶7のエッチング量をゼロとすることも可能である。
また、エッチングガスを徐々に減量する際におけるエッチングガスの流量を、雰囲気温度の変化が5℃/分以下になるように、徐々に変化させる。これにより、ガス流量の変化に伴う温度変化が5℃/分以下になるように、流量減量速度を制御しているため、エッチングから成長に転じた際に最適な成長条件を外すことなく、高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる。
また、第2工程においてエッチングガスにより少なくとも炭化珪素種結晶7から成長した結晶21を除去して炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる際に、X線源18とカメラ19により、炭化珪素種結晶7の厚さ、および、炭化珪素種結晶7から成長した結晶21の厚さをX線を用いて測定しながらエッチング量を制御するようにした。これにより、種結晶7の厚さと成長した結晶21の厚さを測定しながらエッチングを行うため、過度のエッチングによる種結晶7の消失や、エッチングガスの供給不足によるエッチング量不足を防止することが可能で、再現性よく成長初期の品質を高品質とすることができる。なお、炭化珪素種結晶7の厚さおよび結晶21の厚さをX線を用いて測定しながらエッチング量を制御したが、炭化珪素種結晶7の厚さのみ、あるいは、結晶21の厚さのみをX線を用いて測定しながらエッチング量を制御してもよい。つまり、炭化珪素種結晶7の厚さ、および、炭化珪素種結晶7から成長した結晶21の厚さの少なくとも一方をX線を用いて測定しながらエッチング量を制御すればよい。
また、ガスの導入口から炭化珪素単結晶20の間における、加熱される空間での炭化珪素種結晶7へのエッチングガスの供給通路に、エッチングガスが接して流れる蓄熱部材12を設け、蓄熱部材12により、エッチングガスの減量時に雰囲気温度を変化しにくくした。これにより、エッチングガスの流量変化による温度変化で結晶欠陥が生じにくくなり、そのため、高品質な炭化珪素単結晶を成長させる上で好ましいものとなる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図6は、図2に代わる本実施形態におけるタイムチャートである。
図2においては昇温過程後の一定温度に達した後においてエッチバックしたが、図6の本実施形態においては昇温過程(一定温度に達するまでの期間)においてエッチバックしている。
詳しく説明する。
昇温過程(t1〜t5の期間)において、t2のタイミングでキャリアガスとしてのアルゴンまたはヘリウムを流して(キャリアガスの供給を開始して)パージを行う。さらに、昇温過程において、雰囲気温度が1800℃になる前のt3のタイミングでエッチングガスとしての水素ガスの供給を開始する。また、t4のタイミングで原料ガス(モノシランとプロパン)の供給を開始する。昇温過程において、エッチングガスとしての水素ガスにより種結晶7の表面がゆっくりとエッチングされる。詳しくは、図7(a)に示すように種結晶7に対し原料ガスに加えて水素を供給することにより、図7(b)に示すように、種結晶7の成長面をエッチングする。このとき、X線源18とカメラ19により炭化珪素種結晶7の厚さを測定しながらエッチング量を制御する(例えばエッチングガスの流量をコントロールする)。
このように、図6のt1〜t5の期間(昇温期間)において、反応容器6内に少なくともモノシランとプロパンとに加え、種結晶7の清浄面を露出させるエッチングガスを導入しながら反応容器6内を結晶成長温度にまで昇温する。その結果、結晶成長温度に到達した時には種結晶表面が清浄な状態で露出している。
そして、図6のt5でのインゴットが作製できる温度に達した後は、t5〜t6の期間において雰囲気温度を維持した状態で、高品質なSiCが成長する原料ガスの流量および比率を設定する。
その後、図6のt7のタイミングで雰囲気温度の変化が最小になるように制御しながらエッチングガスとしての水素ガスを、ゆっくりと減量していく。ここで、エッチングガスとしての水素ガスは結晶成長が生じる程度に減量すればよく、必ずしもゼロにする必要はない。このエッチングガスとしての水素ガスの減量により種結晶7上に高品質条件で結晶成長が開始されることになる。
このように、図6のt7〜t8の期間(エッチングガス減量期間)において、成長雰囲気温度の変化が最小になるように制御して雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつエッチングガスを徐々に減量し、エッチングから成長に転じさせ、エッチングガスにより露出させた種結晶7の清浄面から図7(c)に示すように結晶成長を開始させる。このとき、図7(b)に示すように、表面をエッチングして清浄面を露出させた種結晶7から成長が行われる。そして、図7(c)の炭化珪素単結晶20を目的のインゴット長まで成長させた後、原料供給を止め冷却して結晶を取り出す。これにより、第1の実施の形態のように昇温後に種結晶7の清浄面が露出するまでエッチングする必要が無くなり、昇温後直ちにエッチングガスを減量することで結晶成長を開始することができる。
このプロセスを踏むことによって、昇温過程において、原料ガスの投入に伴う温度変化、良質結晶成長条件からのズレから生じる結晶欠陥の影響を受けず高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる。即ち、種結晶上には、原料ガス投入時の温度変化や昇温時の成長条件の変化に伴う品質劣化の影響を受けずに、高品質な炭化珪素単結晶を成長させることができる。
また、本例においても図6のt7〜t8の期間においてエッチングガスを徐々に減量する際におけるエッチングガスの流量を、雰囲気温度の変化が5℃/分以下になるように、徐々に変化させるようにするとよい。
なお、図6ではパージはキャリアガスとしてのアルゴンまたはヘリウムを導入して行ったが、これに代わり、図8に示すように、t2のタイミングで水素を導入して行ってもよい(水素ガスにより種結晶7の表面を清浄にしてもよい)。
以上のように、本実施形態は以下の特徴を有する。
第1工程として、原料ガス(モノシランとプロパン)に加えて炭化珪素種結晶7に対し供給したエッチングガスにより炭化珪素種結晶7の表面をエッチングして清浄面を露出させながら成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する。そして、第2工程として、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料ガスに加えて供給しているエッチングガスを徐々に減量していき炭化珪素種結晶7の清浄面から結晶成長を開始させる。よって、第1工程において、昇温時に原料ガスに加えエッチングガスを供給して種結晶7の表面をエッチングして清浄面を露出させるので、種結晶7は原料ガスの供給時の温度変化や昇温時の成長条件の変化に伴う品質劣化の影響を受けず高品質な炭化珪素単結晶を成長させることが可能となる(高品質な炭化珪素単結晶を製造することができる)。
また、第1工程においてエッチングガスにより炭化珪素種結晶7の表面をエッチングして清浄面を露出させながら成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する際に、X線源18とカメラ19により炭化珪素種結晶7の厚さをX線を用いて測定しながらエッチング量を制御するようにした。これにより、種結晶7の厚さを測定しながらエッチングを行うため、過度のエッチングによる種結晶7の消失や、エッチングガスの供給不足によるエッチング量不足をなくすることが可能で、再現性よく成長初期の品質を高品質とすることができる。
これまでの説明においては反応容器の外部から原料を供給するガス成長法について説明した。つまり、真空容器1の内部において反応容器6内に炭化珪素種結晶7を配置し、反応容器6内に、少なくともSiを含有するガスとCを含有するガスとを含む混合ガスを導入することにより炭化珪素種結晶7から炭化珪素単結晶20を成長させる場合に適用した。これに限らず昇華法に適用した場合も、成長初期の品質を高品質にできるという同様の結果を得ることが可能である。
昇華法に適用した場合の炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面を図9に示す。図9において、真空容器30内において黒鉛製坩堝31が配置され、有底円筒状の黒鉛製坩堝31の底部には固体原料(炭化珪素原料)32が配置されている。有底円筒状の黒鉛製坩堝31の上面開口部には黒鉛製蓋33が配置され、黒鉛製蓋33の下面には炭化珪素種結晶7が配置されている。真空容器30の上面からはメインポンプ34と補助ポンプ35により真空引きすることができるようになっている。真空容器30の外部においてRFコイル36が巻回され、このコイル36の通電により黒鉛製坩堝31内を加熱することができる。真空容器30の底面からアルゴンガスとエッチングガスとしての水素ガスを真空容器30内に供給することができるようになっている。
また、黒鉛製坩堝31の上面開口部において、黒鉛製蓋33の外周面と黒鉛製坩堝31の内周面との間は水素ガスの種結晶7への通路となっており、この部位には蓄熱部材37が配置されている。このようにして、加熱される空間における、炭化珪素種結晶7へのエッチングガスの供給通路に、エッチングガスが接して流れる蓄熱部材37を設け、蓄熱部材37により、エッチングガスの流量変化時に雰囲気温度を変化しにくくしている。
そして、結晶成長温度雰囲気下において固体原料32から昇華ガスを発生させ、このガス(原料となるガス)を炭化珪素種結晶7に供給して炭化珪素種結晶7から炭化珪素単結晶20を成長させる。このとき、第1の実施の形態で説明したように、炭化珪素種結晶7への固体原料32からの昇華ガスの供給により炭化珪素種結晶7から結晶21が成長するようにして成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する(第1工程)。そして、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ固体原料32からの昇華ガスに加えて炭化珪素種結晶7に対し供給したエッチングガスにより少なくとも炭化珪素種結晶7から成長した結晶21を除去して炭化珪素種結晶7の清浄面を露出させる(第2工程)。さらに、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ固体原料32からの昇華ガスに加えて供給しているエッチングガスを徐々に減量していき炭化珪素種結晶7の清浄面から結晶成長を開始させる(第3工程)。
あるいは、第2の実施の形態で説明したように、固体原料32からの昇華ガスに加えて炭化珪素種結晶7に対し供給したエッチングガスにより炭化珪素種結晶7の表面をエッチングして清浄面を露出させながら成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する(第1工程)。そして、成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ固体原料32からの昇華ガスに加えて供給しているエッチングガスを徐々に減量していき炭化珪素種結晶7の清浄面から結晶成長を開始させる(第2工程)。
実施形態における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面図。 第1の実施形態における温度や流量の推移を示すタイムチャート。 温度や流量の推移を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は結晶の状態を示す断面図。 温度変化と結晶欠陥密度の関係を示す図。 第2の実施形態における温度や流量の推移を示すタイムチャート。 (a)〜(c)は結晶の状態を示す断面図。 温度や流量の推移を示すタイムチャート。 昇華法に適用した場合における炭化珪素単結晶の製造装置の概略断面図。 背景技術を説明するための断面図。
符号の説明
1…真空容器、6…反応容器、7…炭化珪素種結晶、9…混合ガス導入管、10…混合ガス導入管、12…蓄熱部材、17…加熱コイル、18…X線源、19…カメラ、20…炭化珪素単結晶、21…結晶、30…真空容器、31…黒鉛製坩堝、37…蓄熱部材。

Claims (7)

  1. 結晶成長温度雰囲気下において原料となるガスを炭化珪素種結晶(7)に供給して当該炭化珪素種結晶(7)から炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    炭化珪素種結晶(7)への原料となるガスの供給により炭化珪素種結晶(7)から結晶(21)が成長するようにして成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する第1工程と、
    成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料となるガスに加えて炭化珪素種結晶(7)に対し供給したエッチングガスにより少なくとも炭化珪素種結晶(7)から成長した結晶(21)を除去して炭化珪素種結晶(7)の清浄面を露出させる第2工程と、
    成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料となるガスに加えて供給している前記エッチングガスを徐々に減量していき前記炭化珪素種結晶(7)の清浄面から結晶成長を開始させる第3工程と、
    を有することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  2. 前記第1工程において、炭化珪素種結晶(7)の表面を清浄面とした状態で、前記原料となるガスの供給により炭化珪素種結晶(7)から結晶(21)が成長するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  3. 結晶成長温度雰囲気下において原料となるガスを炭化珪素種結晶(7)に供給して当該炭化珪素種結晶(7)から炭化珪素単結晶(20)を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法において、
    原料となるガスに加えて炭化珪素種結晶(7)に対し供給したエッチングガスにより炭化珪素種結晶(7)の表面をエッチングして清浄面を露出させながら成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する第1工程と、
    成長雰囲気温度を結晶成長温度に保持しつつ原料となるガスに加えて供給している前記エッチングガスを徐々に減量していき前記炭化珪素種結晶(7)の清浄面から結晶成長を開始させる第2工程と、
    を有することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  4. 前記エッチングガスを徐々に減量する際におけるエッチングガスの流量を、雰囲気温度の変化が5℃/分以下になるように、徐々に変化させるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  5. 前記第2工程においてエッチングガスにより少なくとも炭化珪素種結晶(7)から成長した結晶(21)を除去して炭化珪素種結晶(7)の清浄面を露出させる際に、炭化珪素種結晶(7)の厚さ、および、炭化珪素種結晶(7)から成長した結晶(21)の厚さの少なくとも一方をX線を用いて測定しながらエッチング量を制御するようにしたことを特徴とする請求項1,2,4のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  6. 前記第1工程においてエッチングガスにより炭化珪素種結晶(7)の表面をエッチングして清浄面を露出させながら成長雰囲気温度を結晶成長温度にまで昇温する際に、炭化珪素種結晶(7)の厚さをX線を用いて測定しながらエッチング量を制御するようにしたことを特徴とする請求項3または4に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  7. 加熱される空間における、炭化珪素種結晶(7)へのエッチングガスの供給通路に、エッチングガスが接して流れる蓄熱部材(12,37)を設け、蓄熱部材(12,37)により、エッチングガスの減量時に雰囲気温度を変化しにくくしたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
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