JP2000053493A - 単結晶の製造方法および単結晶製造装置 - Google Patents

単結晶の製造方法および単結晶製造装置

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JP2000053493A
JP2000053493A JP10230281A JP23028198A JP2000053493A JP 2000053493 A JP2000053493 A JP 2000053493A JP 10230281 A JP10230281 A JP 10230281A JP 23028198 A JP23028198 A JP 23028198A JP 2000053493 A JP2000053493 A JP 2000053493A
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Yasuo Kito
泰男 木藤
Naohiro Sugiyama
尚宏 杉山
Atsuhito Okamoto
篤人 岡本
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Denso Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大口径の単結晶基板上に、マイクロパイプ欠
陥の密度を大幅に低減させた単結晶を成長させることが
でき、高品質でしかも大口径の単結晶を得ることができ
る単結晶の製造方法および製造装置を提供する。 【解決手段】 るつぼ2内に、種結晶となる炭化珪素単
結晶基板4と、原料となる炭化珪素多結晶板とを、表面
が略平行となるようにかつ近接させて配置する。、これ
らの間に形成される空間に、アルゴンガスを一方の端か
ら流すと、原料の昇華ガスが、炭化珪素単結晶基板4の
表面に沿ってこれと略平行に流れ、欠陥密度の小さい単
結晶6が成長する。また、炭化珪素単結晶基板4の面内
に温度分布が存在しないので、大口径にわたって均一な
成長が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華法によって炭
化珪素等の単結晶を製造する方法および単結晶製造装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素等の単結晶を製造する方法の一
つに、昇華法(改良レーリー法)がある。昇華法は、黒
鉛製のるつぼの上部に種結晶を、下部に原料粉末を配置
して上下方向に温度勾配を設け、高温にした原料から低
温にした種結晶への物質移動により単結晶を成長させる
方法である。
【0003】また、昇華法の改良として、特開平9−4
8688号公報には、マイクロパイプ欠陥の発生を防止
するために、原料ガスの流れを制御する方法が提案され
ている。この方法を図4に示す装置を用いて説明する
と、図中、黒鉛製のるつぼ2内には、底部に炭化珪素原
料粉末8が収容してあり、上部側面には、種結晶となる
炭化珪素単結晶基板4が固定されている。炭化珪素単結
晶基板4は、るつぼ2の上面に設けたガス抜き用の開口
24と原料粉末8を結ぶ直線上にあり、図示しない加熱
装置で原料粉末8を加熱すると、原料の昇華ガスが、炭
化珪素単結晶基板4の表面に沿って略平行に流れる。こ
のように、昇華ガスが炭化珪素単結晶基板4の表面と略
平行な流れとなるようにすることで、マイクロパイプ欠
陥のない単結晶6を成長させることが可能である。
【0004】また、マテリアルズ サイエンス フォー
ラム ボリューム264−268(1998)第143
−146頁〔Materials Science Forum Vols.264-268
(1998)pp.143-146〕には、近接昇華法と呼ばれる方法
が開示されている。この方法は、密閉容器内に、種結晶
となる炭化珪素単結晶基板と原料となる炭化珪素多結晶
板を近接して配置し、原料を加熱昇華させたガスを、そ
の直上に位置する炭化珪素単結晶基板上で再結晶化さ
せ、単結晶を成長させるもので、効率のよい単結晶の成
長が可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、炭化珪素単
結晶を半導体装置の基板等に用いる場合には、高品質で
かつ大口径であることが要求される。しかしながら、前
者の方法では、欠陥密度の低減には効果があるが、昇華
ガスの流れの方向(図4の上下方向)に温度勾配が存在
するため、大口径の単結晶を成長させることは困難であ
った。つまり、炭化珪素単結晶基板4をるつぼ2の側面
に配置しているため、炭化珪素単結晶基板4を大口径と
した時、炭化珪素単結晶基板4の面内に温度分布が生
じ、均一な結晶成長が妨げられる。また、後者の方法で
は、種結晶の成長面内に温度勾配が存在せず、大口径の
種結晶上に単結晶を成長できる可能性があるが、マイク
ロパイプ欠陥の発生を抑制する効果はなく、欠陥密度を
十分低減することができなかった。
【0006】しかして、本発明の目的は、大口径の単結
晶基板上に、マイクロパイプ欠陥の密度を大幅に低減さ
せた単結晶を成長させることができ、高品質でしかも大
口径の単結晶を得ることができる単結晶の製造方法およ
び製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記実情に鑑み
てなされたものであり、請求項1の方法では、容器内
に、種結晶と製造しようとする単結晶の原料とを対向さ
せて配置し、上記原料の昇華ガスを上記種結晶に供給し
て単結晶を成長させる単結晶の製造方法において、上記
種結晶の表面と上記原料の表面とが略平行となるように
かつ近接させて配置する。そして、上記原料を加熱昇華
させて生成した上記昇華ガスが、上記種結晶の表面に沿
ってこれと略平行に流れるように、上記昇華ガスの流れ
を形成することを特徴とする。
【0008】上記方法によれば、上記種結晶の表面と上
記原料の表面を略平行に、かつ近接させて配置したの
で、上記種結晶の表面の温度をほぼ均一にすることがで
きる。さらに、上記種結晶の表面に沿ってこれと略平行
に上記昇華ガスが流れるようにすれば、マイクロパイプ
欠陥の発生を抑制して、欠陥密度の小さい単結晶を成長
させることができる。また、上記種結晶の表面と上記原
料の表面が近接しているので、上記昇華ガスの流れが形
成されやすく、上記昇華ガスが上記種結晶の表面に到達
しやすいので、単結晶の成長速度が向上する。よって、
大口径の種結晶に、マイクロパイプ欠陥の密度が大幅に
低減した単結晶を、効率よく成長させることが可能であ
る。
【0009】請求項2の方法のように、上記種結晶とし
て、例えば、炭化珪素単結晶基板が用いられる。この
時、上記原料としては、例えば、炭化珪素多結晶板が使
用でき、取り扱いが容易で、位置決めや上記容器内への
設置が容易にできる利点がある。
【0010】請求項3の方法のように、上記原料の表面
の面積を、上記種結晶の表面の面積よりも大きくするこ
とが好ましく、上記原料の昇華ガスが上記種結晶の表面
の全面に均一に供給されるようにすることができる。
【0011】請求項4の方法のように、上記種結晶の表
面と上記原料の表面との間に、一方向から不活性ガスを
流すことで、上記種結晶の表面に沿ってこれと略平行に
流れる上記昇華ガスの流れを形成することができる。あ
るいは上記種結晶の表面と上記原料の表面との間に存在
する上記昇華ガスを、一方向から排気することによって
も、同様の上記昇華ガスの流れを形成することができ
る。
【0012】本発明の方法を実施するための装置とし
て、請求項5の単結晶の製造装置は、製造しようとする
単結晶の原料を収容し、不活性ガス雰囲気中で加熱する
ことにより上記原料の昇華ガスを発生させる容器と、該
容器内に、上記原料の表面と略平行となるようにかつ近
接させて配置された種結晶と、上記昇華ガスが上記種結
晶の表面に沿ってこれと略平行に流れるように、上記昇
華ガスの流れを形成する手段とを備えている。上記装置
を用いることで、上記昇華ガスの流れを形成する手段に
より、上記種結晶の表面に沿って略平行に上記昇華ガス
を流し、大口径の種結晶上に、マイクロパイプ欠陥の密
度を大幅に低減させた単結晶を成長させることが可能で
ある。
【0013】請求項6の装置では、上記昇華ガスの流れ
を形成する手段を、上記種結晶の表面と上記原料の表面
との間に存在する上記昇華ガスを、外部へ排気するため
に上記容器壁に形成した開口と、該開口から上記昇華ガ
スを外部へ排気するための排気手段とで構成する。上記
排気手段により、上記開口から上記昇華ガスを外部へ排
気することにより、上記種結晶の表面に沿って略平行に
上記昇華ガスの流れを形成することができる。
【0014】請求項7の方法では、上記種結晶の配置位
置を、上記原料に対して、昇華ガスの排気方向にずらし
た位置とする。このようにすると、上記種結晶が上記原
料よりも下流側に位置するので、昇華ガスが上記種結晶
の成長面にまんべんなく供給されるため、上記種結晶を
有効に使える。
【0015】請求項8の方法では、上記種結晶の表面と
上記原料の表面との距離を0.1〜20mmとする。距
離が20mmよりも大きいと、昇華ガスが上記種結晶に
達する拡散距離が長くなって上記種結晶に到達しにくく
なる。また、距離が0.1mmよりも小さいと、成長に
より上記原料と上記種結晶がくっついてしまう可能性が
高い。
【0016】請求項9の装置では、上記請求項6の装置
において、上記種結晶の表面と上記原料の表面との距離
を0.5〜5mmとする。距離を0.5〜5mmとする
ことで、良好な成長速度が得られる。
【0017】請求項10の装置では、上記昇華ガスの流
れを形成する手段が、上記昇華ガスを外部へ排気するた
めに上記容器壁に形成した排気用開口と、上記種結晶を
はさんで対向する位置の該容器壁に形成した導入用開口
と、外部から該導入用開口に不活性ガスを導入するため
の手段とからなる。上記排気用開口と上記導入用開口と
を設けることにより、上記種結晶の結晶成長表面上にお
ける昇華ガスの流速を速めることができ、マイクロパイ
プ欠陥をいっそう生じにくくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に基づいて炭化珪素
単結晶を成長させた第1の実施の形態について説明す
る。図1(a)は、本発明で使用する単結晶製造装置1
の全体概略図で、石英二重管よりなる真空容器11内に
は、単結晶を製造するための容器を構成する黒鉛製のる
つぼ2が収容されている。真空容器11の左側面には、
不活性ガス、例えばアルゴンガスを導入するためのガス
導入口12が、右側面には、真空ポンプに接続し、系内
のガスを排気するための排気口13が設けられ、系内を
所定の雰囲気および圧力に保持できるようになしてあ
る。るつぼ2は偏平な円筒状で、ガス導入口12および
排気口13に対向する位置に、それぞれ開口21、22
を有し、これら開口21、22の形成部を除く外周囲
を、断熱材23で覆って外部と熱遮蔽している。真空容
器11の外周側には、るつぼ2を誘導加熱するための誘
導コイル14が配設され、また、るつぼ2および断熱材
23に設けた測定穴15を通して放射温度計16によ
り、るつぼ2内の温度を測定できるようにしてある。
【0019】るつぼ2内には、底面中央部に黒鉛製の台
座3が設けられ、台座3の上面に種結晶となる炭化珪素
単結晶基板4が接合固定されている。台座3は矩形で、
図1(b)に示すように、対向する2辺より上方へ突出
する一対の壁部3a、3bを有し、この一対の壁部3
a、3bの上端に、原料となる炭化珪素多結晶板5が固
定されて、炭化珪素単結晶基板4と略平行に、所定間隔
をおいて近接している。図1(a)の台座3は、図1
(b)のA−A線断面図で、台座3の、壁部3a、3b
を形成しない他の2辺の上方は、開口部31、32とな
っており、それぞれ、るつぼ2の開口21、22と対向
している。このように、真空容器11のガス導入口12
および排気口13、るつぼ2の開口21、22、台座3
の開口部31、32を、同一直線上ないしその近傍に位
置するように設け、ガス導入口21からアルゴンガスを
導入し、排気口13から真空ポンプで排気することで、
図1(a)に矢印で示すように、炭化珪素単結晶基板4
と炭化珪素多結晶板5の間の空間に、開口部31から開
口部32へ向かうガス流れが形成される。このガス流れ
により、炭化珪素多結晶板4を加熱昇華させた昇華ガス
を、炭化珪素単結晶基板5の表面に沿ってこれと略平行
に流れるようにすることができる。
【0020】ここで、種結晶となる炭化珪素単結晶基板
4は、例えばアチソン法による単結晶やアチソン結晶か
ら成長させた昇華法単結晶、またはCVD法で成長させ
た単結晶等からなり、これを例えばウエハ状に加工して
台座3に接合する。原料となる炭化珪素多結晶板5は、
例えばCVD法で成長させた多結晶を、ウエハ状に加工
したものが用いられる。炭化珪素単結晶基板4の表面
と、炭化珪素多結晶板5の表面との距離は、両者の温度
差、炭化珪素多結晶板5の温度等によっても異なるが、
通常、0.1mm〜20mm、好ましくは0.5mm〜
5mm程度とする。炭化珪素多結晶板5の径は、炭化珪
素単結晶基板4と同じかそれ以上とし、好ましくは炭化
珪素単結晶基板4より大径とすることで、炭化珪素単結
晶基板4の全面に十分な量の昇華ガスを均一に供給する
ことができる。
【0021】また、台座3には、炭化珪素単結晶基板4
が設置される部分に断熱材33が配設され、炭化珪素単
結晶基板4の温度が、炭化珪素多結晶板5の温度より低
く保持されるようにしてある。炭化珪素多結晶板5の温
度は、炭化珪素が昇華可能な温度に設定され、通常、1
500℃〜2500℃の範囲、好ましくは、1800℃
〜2350℃の範囲に設定する。炭化珪素単結晶基板4
の温度は、炭化珪素多結晶板5の温度より低ければよい
が、好ましくは、1℃〜50℃程度低くなるようにする
のがよい。
【0022】上記図1(a)の装置を用いて単結晶を製
造する場合には、台座3に種結晶となる炭化珪素単結晶
基板4と、原料となる炭化珪素多結晶板5を固定して、
るつぼ2内に設置する。次いで、真空ポンプを作動させ
て排気口13から系内ガスを排気し、誘導コイル14に
高周波電源より電力を投入してるつぼ2を誘導加熱す
る。放射温度計16で測定される炭化珪素多結晶板5の
温度が、所定温度を越えたら、ガス導入口12からアル
ゴンガスを導入し、さらに温度上昇させて、炭化珪素多
結晶板5の温度が所定の温度範囲となるようにする。ガ
ス導入口12からのアルゴンガスの導入量と、排気口1
3からの排気量を調整し、真空容器2内が所定の真空
度、通常、5×10-3〜5×102 Torr程度となる
ようにすると、原料である炭化珪素多結晶板5が昇華を
開始し、昇華ガスが発生して、対向する炭化珪素単結晶
基板4に供給される。より好ましくは、1×10-1〜1
×102 Torrである。
【0023】ここで、本発明によれば、ガス導入口12
からアルゴンガスを導入し、排気口13から系内ガスを
排気することで、るつぼ2内に図の左方から右方へ向か
うガス流れが形成される。このガス流れにより、炭化珪
素単結晶基板8と炭化珪素多結晶板7の間の空間にも、
開口部31から開口部32へ向かうガス流れが形成さ
れ、炭化珪素多結晶板5の昇華ガスは、炭化珪素単結晶
基板4の表面に沿ってこれと略平行に流れる。そして、
相対的に低温となっている炭化珪素単結晶基板4上にマ
イクロパイプ欠陥密度の小さい炭化珪素単結晶6が成長
する。
【0024】本発明において、炭化珪素単結晶基板4の
表面に沿って昇華ガスの流れを形成することにより、マ
イクロパイプ欠陥の発生が抑制される理由は、以下のよ
うに考えられている。例えば、種結晶となる炭化珪素単
結晶基板4の面方位が(0001)面の場合、その表面
にらせん転位が存在し、らせん転位の変位方向(バーガ
ースペクトル)は(0001)面に対して垂直で、転位
により生じたらせん状の表面ステップが存在する。一般
に昇華法による結晶成長では、この表面ステップを成長
端として、らせん成長することが知られている。このう
ち、バーガースペクトルのおおきならせん転位は、成長
中にらせん転位の歪みエネルギーを緩和するために転位
線を中心とするパイプ状の空洞、すなわちマイクロパイ
プ欠陥を形成する。一方、本発明では、炭化珪素単結晶
基板4の表面と平行に昇華ガスが流れ、原料と炭化珪素
単結晶基板4の温度差によって昇華ガスが流れる通常の
昇華法とは、炭化珪素単結晶基板4の表面での昇華ガス
の流れが大きく異なったものとなる。そして、この昇華
ガスの流れの違いにより、成長モードが変化して、マイ
クロパイプ欠陥を伴うらせん成長とはならず、マイクロ
パイプ欠陥の発生が抑制されるものと推測される。
【0025】しかも、本発明では、炭化珪素単結晶基板
4の表面と炭化珪素多結晶板5の昇華ガスとを略平行
に、かつ近接させて配置したので、従来のように、昇華
ガスの流れの方向に温度勾配が存在せず、炭化珪素単結
晶基板4の表面の温度をほぼ均一にし、面内の温度分布
をなくすことができる。よって、大口径の炭化珪素単結
晶基板4を用いても、均一な単結晶成長が可能である。
また、炭化珪素単結晶基板4と炭化珪素多結晶板5が近
接しているので、昇華ガスの流れが形成されやすく、昇
華ガスが上記種結晶の表面に到達しやすいので、単結晶
の成長速度を高めることができる。従って、大口径の種
結晶に、マイクロパイプ欠陥の密度が大幅に低減した単
結晶を、効率よく成長させることが可能となる。
【0026】また、本発明では、原料として、炭化珪素
多結晶板5を使用しており、多結晶板は取り扱いが容易
で、台座3に固定するだけで位置決めが容易にできるの
で、有利である。また、炭化珪素多結晶板5を炭化珪素
単結晶基板4よりも大きくすることで、昇華ガスを炭化
珪素単結晶基板4の全面に均一に供給し、より均一な単
結晶成長が可能である。ただし、多結晶板の代わりに、
炭化珪素の圧粉体もしくは焼結体を使用してもよい。
【0027】上記第1の実施の形態では、アルゴンガス
を導入しながら、排気を行って昇華ガスの流れを形成し
たが、アルゴンガスを導入せず、真空ポンプで排気口1
3から排気するだけでもよい。この時、炭化珪素単結晶
基板4上には、アルゴンガスは流れず、昇華ガスだけの
流れとなる。
【0028】なお、上記の実施の形態では、炭化珪素単
結晶基板4を炭化珪素多結晶板5の直下に配置したが、
炭化珪素単結晶基板4を昇華ガスの流れに対し下流側に
ややずらして設置することもできる。炭化珪素単結晶基
板4の表面に流れが形成されることにより、昇華ガス
が、流れの上流側に位置する炭化珪素単結晶基板4の十
分供給されないおそれがあるが、炭化珪素単結晶基板4
をずらして設置することで、これを防止するとができ
る。
【0029】また、炭化珪素単結晶基板4に供給される
昇華ガスの偏りをなくすために、図2に示す第2の実施
の形態のように、台座3上面に回転板71を配設し、こ
の回転板71上に炭化珪素単結晶基板4を設置してもよ
い。回転板71の下面には、るつぼ2および断熱材23
を貫通して延びる駆動軸72が固定され、図略の駆動装
置により回転自在となしてある。この回転板71ととも
に、炭化珪素単結晶基板4を回転させて、結晶成長を行
えば、炭化珪素単結晶基板4に供給される昇華ガスの偏
りをなくし、また、面内の温度をより均一として、均一
な単結晶成長を行うことができる。
【0030】さらに、図3(a)に示す第3の実施の形
態のように、誘導コイル14を真空容器11の下方にの
み配設し、るつぼ2の底面側に原料である炭化珪素多結
晶板5を、これに対向するるつぼ2の頂面に、種結晶と
なる炭化珪素単結晶基板4を設置して、誘導コイル14
により真空容器11を下方から誘導加熱する構成として
もよい。図3(b)はるつぼ2の拡大断面図で、図3
(b)のB−B線断面図が図3(a)のるつぼ2に相当
する。炭化珪素単結晶基板4はるつぼ2の頂面に設けた
台座3に固定され、炭化珪素多結晶板5と所定の距離範
囲で近接させる。上記構成によれば、誘導コイル14に
近い炭化珪素多結晶板5が加熱、昇華されやすくなり、
一方、炭化珪素単結晶基板4は、原料である炭化珪素多
結晶板5からの輻射熱により加熱されるが、るつぼ2の
誘導を受けて加熱される場所からは、距離が離れている
ため、炭化珪素多結晶板5より温度が低くなる。よっ
て、炭化珪素単結晶基板4と炭化珪素多結晶板5との温
度差を付けやすく、温度制御が容易になる。また、本実
施の形態では、炭化珪素単結晶基板4を、炭化珪素多結
晶板5に対して、やや下流側にずらして設置しており、
昇華ガスを炭化珪素多結晶板5の表面にまんべんなく供
給することができる。
【0031】また、上記の実施の形態では、台座3は黒
鉛製としてが、Ta、W、Mo、TaC等の高融点金属
を用いてもよい。なお、上記の実施の形態では、るつぼ
2は横型としたが、従来の縦型構成でも、炭化珪素単結
晶基板4と炭化珪素多結晶板5の間に昇華ガスの流れが
形成できれば、同様に成長できる。また、原料として、
炭化珪素多結晶板5の代わりに、従来用いられている炭
化珪素粉末を用いてももちろんよい。
【0032】なお、上記各実施の形態では、SiC単結
晶の製造について説明したが、本発明に基づいて製造可
能な単結晶はSiCに限られるものではなく、例えば、
ZnSe、ZnS、CdS、CdSe、AlN、Ga
N、BN等、昇華法等の気相法により成長可能な単結晶
のいずれに適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施の形態を示す
単結晶製造装置の全体概略断面図、図1(b)は図1
(a)の部分拡大断面図である。
【図2】図2は本発明の第2の実施の形態を示す単結晶
製造装置の部分拡大断面図である。
【図3】図3(a)は本発明の第3の実施の形態を示す
単結晶製造装置の全体概略断面図、図3(b)は図3
(a)の部分拡大断面図である。
【図4】図4は従来の単結晶製造装置の全体概略断面図
である。
【符号の説明】
1 単結晶製造装置 12 ガス導入口 13 排気口 14 誘導コイル 2 るつぼ 21、22 開口 3 台座 31、32 開口部 4 炭化珪素単結晶基板(種結晶) 5 炭化珪素多結晶板(原料) 6 炭化珪素単結晶(単結晶)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 尚宏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡本 篤人 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4G051 AA04 AA06 AA11 4G077 AA03 BE08 DA02 ED01 ED06 EG21

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に、種結晶と製造しようとする単
    結晶の原料とを対向させて配置し、上記原料の昇華ガス
    を上記種結晶に供給して単結晶を成長させる単結晶の製
    造方法において、上記種結晶の表面と上記原料の表面と
    が略平行となるようにかつ近接させて配置し、上記原料
    を加熱昇華させて生成した上記昇華ガスが、上記種結晶
    の表面に沿ってこれと略平行に流れるような上記昇華ガ
    スの流れを形成することを特徴とする単結晶の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記種結晶が炭化珪素単結晶基板であ
    り、上記原料が炭化珪素多結晶板である請求項1に記載
    の単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記原料の表面の面積を上記種結晶の表
    面の面積よりも大きくした請求項1または2に記載の単
    結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記種結晶の表面と上記原料の表面との
    間に、一方向から不活性ガスを流し、あるいは上記種結
    晶の表面と上記原料の表面との間に存在する上記昇華ガ
    スを、一方向から排気することにより上記昇華ガスの流
    れを形成する請求項1ないし3のいずれか記載の単結晶
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 製造しようとする単結晶の原料を収容
    し、不活性ガス雰囲気中で加熱することにより上記原料
    の昇華ガスを発生させる容器と、該容器内に、上記原料
    の表面と略平行となるようにかつ近接させて配置された
    種結晶と、上記昇華ガスが上記種結晶の表面に沿ってこ
    れと略平行に流れるように、上記昇華ガスの流れを形成
    する手段とを備え、上記昇華ガスの流れを形成する手段
    により、上記種結晶の表面に沿って略平行に上記昇華ガ
    スを流して、単結晶を成長させることを特徴とする単結
    晶製造装置。
  6. 【請求項6】 上記昇華ガスの流れを形成する手段が、
    上記種結晶の表面と上記原料の表面との間に存在する上
    記昇華ガスを、外部へ排気するために上記容器壁に形成
    した開口と、該開口から上記昇華ガスを外部へ排気する
    ための排気手段とからなる請求項5記載の単結晶製造装
    置。
  7. 【請求項7】 上記種結晶の配置位置が、上記原料に対
    して、昇華ガスの排気方向にずらした位置である請求項
    4に記載の単結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記種結晶の表面と上記原料の表面との
    距離が0.1〜20mmである請求項2ないし5のいず
    れか記載の単結晶の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記種結晶の表面と上記原料の表面との
    距離が0.5〜5mmである請求項6に記載の単結晶製
    造装置。
  10. 【請求項10】 上記昇華ガスの流れを形成する手段
    が、上記昇華ガスを外部へ排気するために上記容器壁に
    形成した排気用開口と、上記種結晶をはさんで対向する
    位置の該容器壁に形成した導入用開口と、外部から該導
    入用開口に不活性ガスを導入するための手段とからなる
    請求項9に記載の単結晶製造装置。
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