JP4787692B2 - 結晶成長装置 - Google Patents

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Description

この発明は、III族窒化物結晶結晶成長装置に関するものである。
現在、紫外、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN(III族窒化物半導体)系デバイスは、その殆どがサファイアおよびシリコンカーバイド(SiC)を基板とし、その基板上にMOCVD法(有機金属化学気相成長法)およびMBE法(分子線結晶成長法)等を用いて作製されている。
このように、サファイアおよびシリコンカーバイドを基板として用いた場合、熱膨張係数および格子定数が基板とIII族窒化物半導体とでそれぞれ大きく異なっているため、III族窒化物半導体内に多くの結晶欠陥が含まれることとなる。この結晶欠陥は、デバイス特性を低下させ、たとえば、発光デバイスにおいては、寿命が短い、動作電力が大きい、等の欠点に直接関係する。
また、サファイア基板は、絶縁体であるため、従来の発光デバイスのように基板側から電極を取り出すことが不可能であった。これにより、III族窒化物半導体側から電極を取り出すことが必要となる。その結果、デバイスの面積が大きくなり、高コスト化を招くという不都合があった。そして、デバイスの面積が大きくなると、サファイア基板とIII族窒化物半導体という異種材料の組み合わせに伴う基板の反りという新たな問題が発生する。
さらに、サファイア基板上に作製されたIII族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)において必要とされる共振器端面を得ることは、容易ではない。このため、現在は、ドライエッチング、またはサファイア基板を厚さ100μm以下まで研磨した後に劈開に近い形に分離し、共振器端面の形成を行なっている。したがって、従来のLDのように、共振器端面の形成とチップ分離とを単一工程で行なうことが困難であり、工程の複雑化によるコスト高を招いていた。
これらの問題を解決するため、サファイア基板上にIII族窒化物半導体を選択的に横方向に成長させるなどの工夫をし、結晶欠陥を低減させることが提案された。これにより、結晶欠陥を低減させることが可能となったが、サファイア基板の絶縁性および上述した劈開の困難性に関する問題は、依然として残っている。
こうした問題を解決するためには、基板上に結晶成長する材料と同一である窒化ガリウム(GaN)基板が最適である。そのため、気相成長および融液成長等により、バルクGaNを結晶成長させる方法が、各種、提案されている。しかし、未だ高品質かつ実用的な大きさを有するGaN基板は、実現されていない。
GaN基板を実現する1つの方法として、ナトリウム(Na)をフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている(特許文献1)。この方法は、アジ化ナトリウム(NaN)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法:内径=7.5mm、長さ=100mm)にNaNおよび金属Gaを窒素雰囲気中で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶が成長するものである。
この方法は、600〜800℃と比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm程度と比較的低く、実用的な成長条件であることが特徴である。
そして、最近では、アルカリ金属とIII族金属との混合融液と、窒素を含むV族原料とを反応させることにより、高品質なIII族窒化物結晶が実現されている(特許文献2)。
こうした成長温度、圧力条件下で大型の結晶を成長させる場合には、反応容器を大型にする必要があり、そのために耐圧容器中に加熱装置と反応容器を入れた装置構成が必要となり、特許文献3にその構成が開示されている。特許文献3では耐圧容器と反応容器を配管でつなぐことで、同一の圧力を実現し、反応容器の肉厚を薄くすることを実現している。すなわち、耐圧容器と反応容器は、空間的につながった構造となっている。
米国特許第5868837号明細書 特開2001−58900号公報 特開2003−313099号公報
しかし、GaN結晶を結晶成長する従来の結晶成長装置においては、GaN結晶の結晶成長の進行に伴って反応容器内へ窒素ガスが補充されるが、このときに耐圧容器の雰囲気が反応容器内に入ってしまい、反応容器内の水分および酸素を除去することが困難であるという問題がある。耐圧容器内には、ヒーターや断熱材等様々な部材があり、水分や酸素がこれら部材に吸着する。結晶成長の際の加熱に伴い、これら部材に吸着していた水分や酸素がガスとして脱離し、反応容器内に入ってしまい、結晶成長に悪影響を与える。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、反応容器内の水分量および/または酸素量を低減してIII族窒化物結晶を結晶成長する結晶成長装置を提供することである。
この発明によれば、結晶成長装置は、アルカリ金属とIII族金属とを含む混合融液を保持する坩堝を内部に含む反応容器と、前記反応容器と加熱装置とを内部に含む外部反応容器と、を備え、前記反応容器内の空間と前記外部反応容器内の空間とが、水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減するガス精製器を介して連結されているIII族窒化物結晶の結晶成長装置である
好ましくは、結晶成長装置は、一方端が前記ガス精製器の出口に連結され他方端が前記反応容器に連結された第1の配管と、一方端が前記ガス精製器の入口に連結され他方端が前記外部反応容器内の空間に接する第2の配管と、少なくとも窒素原料ガスを前記外部反応容器内へ供給するガス供給装置と、をさらに備え、前記窒素原料ガスが前記外部反応容器から前記ガス精製器を介して前記反応容器へ供給される。
好ましくは、結晶成長装置は、前記窒素原料ガスに含まれる水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減する他のガス精製器と、一方端が前記反応容器に連結され他方端が他のガス精製器の出口に連結される第3の配管と、一方端が前記他のガス精製器の入口に連結され他方端が前記ガス供給装置から前記窒素原料ガスを受ける第4の配管と、を更に備える。
好ましくは、外部反応容器は、大気圧よりも高い耐圧を有する。ガス供給装置は、反応容器内および外部反応容器内の圧力が大気圧よりも高く、かつ、外部反応容器の耐圧よりも低い所定の圧力になるように窒素原料ガスを反応容器内および外部反応容器内へ供給する。
好ましくは、ガス精製器および他のガス精製器の各々は、容器部材と、ガス精製部材とを含む。容器部材は、所定の圧力を耐圧として有する。ガス精製部材は、容器部材内に配設され、所定の圧力よりも低い圧力を耐圧として有するとともに水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減する。
好ましくは、ガス精製器および他のガス精製器の各々は、入口部材と、触媒部材と、出口部材と、第1および第2の連結部材とを含む。入口部材は、窒素原料ガスを受ける。触媒部材は、水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減する。出口部材は、触媒部材によって水分および/または酸素の含有量が低減された窒素原料ガスを出力する。第1の連結部材は、入口部材と触媒部材とを連結し、所定の圧力を耐圧として有する。第2の連結部材は、触媒部材と出口部材とを連結し、所定の圧力を耐圧として有する。
この発明においては、アルカリ金属とIII族金属とを含む混合融液に接する容器空間へ水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減した窒素原料ガスを供給しながらIII族窒化物結晶を結晶成長する。
したがって、この発明によれば、反応容器内の水分および/または酸素の量を低減してIII族窒化物結晶を結晶成長できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による結晶成長装置の概略断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による結晶成長装置100は、坩堝10と、反応容器20と、配管30〜32,200と、ベローズ40と、支持装置50と、融液保持部材60と、加熱装置70,80と、温度センサー71,81と、ガス供給管90,110,250,350と、バルブ120,160,330,360,380と、圧力調整器130と、ガスボンベ140,270と、排気管150,370と、真空ポンプ170と、圧力センサー180,340と、金属融液190と、熱電対210と、上下機構220と、振動印加装置230と、振動検出装置240と、流量計260と、温度制御装置280と、外部反応容器300と、ガス精製器310とを備える。
坩堝10は、略円柱形状を有し、ボロンナイトライド(BN)またはSUS316Lからなる。反応容器20は、坩堝10と所定の間隔を隔てて坩堝10の周囲に配置される。すなわち、反応容器20は、坩堝10を内部に含む。そして、反応容器20は、本体部21と、蓋部22とからなる。本体部21および蓋部22の各々は、SUS316Lからなり、本体部21と蓋部22との間は、メタルオーリングによってシールされる。
配管30は、重力方向DR1において、一方端が坩堝10の下側で反応容器20に連結され、他方端がガス供給管110に接続される。配管31は、略L字形状に曲げられ、一方端が配管30に連結され、他方端がガス精製器310の出口に連結される。配管32は、一方端がガス精製器310の入口に連結され、他方端が外部反応容器300内の空間に接する。
ベローズ40は、重力方向DR1において、坩堝10の上側で反応容器20に連結される。支持装置50は、中空の筒形状からなり、一部がベローズ40を介して反応容器20の空間23内へ挿入される。
融液保持部材60は、たとえば、金属およびセラミック等からなり、反応容器20と配管30との連結部よりも下側の配管30内に保持される。
加熱装置70は、反応容器20の外周面20Aを囲むように配置される。加熱装置80は、反応容器20の底面20Bに対向して配置される。温度センサー71,81は、それぞれ、加熱装置70,80に近接して配置される。
ガス供給管90は、一方端がバルブ120を介して反応容器20に連結され、他方端が圧力調整器130を介してガスボンベ140に連結される。ガス供給管110は、一方端が配管30に連結され、他方端がガス供給管90に連結される。
バルブ120は、反応容器20の近傍でガス供給管90に装着される。圧力調整器130は、ガスボンベ140の近傍でガス供給管90に装着される。ガスボンベ140は、ガス供給管90に連結される。
排気管150は、一方端がバルブ160を介して反応容器20に連結され、他方端が真空ポンプ170に連結される。バルブ160は、反応容器20の近傍で排気管150に装着される。真空ポンプ170は、排気管150に連結される。
圧力センサー180は、反応容器20に取り付けられる。金属融液190は、金属ナトリウム(金属Na)融液からなり、融液保持部材60によって配管30内に保持される。
配管200および熱電対210は、支持装置50の内部に挿入される。上下機構220は、ベローズ40の上側において支持装置50に取り付けられる。ガス供給管250は、一方端が配管200に連結され、他方端が流量計260を介してガスボンベ270に連結される。流量計260は、ガスボンベ270の近傍でガス供給管250に装着される。ガスボンベ270は、ガス供給管250に連結される。
外部反応容器300は、反応容器20、配管30,32、ベローズ40、支持装置50、加熱装置70,80およびガス精製器310の周囲に配置される。すなわち、外部反応容器300は、反応容器20、配管30,32、ベローズ40、支持装置50、加熱装置70,80およびガス精製器310を内部に含む。
ガス精製器310は、配管31の他方端と配管32の一方端とに連結される。バルブ330は、配管30の近傍においてガス供給管110に装着される。圧力センサー340は、外部反応容器300に取り付けられる。
ガス供給管350は、一方端がバルブ360を介して外部反応容器300に連結され、他方端がガス供給管90に連結される。バルブ360は、外部反応容器300の近傍においてガス供給管350に装着される。
排気管370は、その一方端がバルブ380を介して外部反応容器300に連結され、他方端が排気管150に連結される。バルブ380は、外部反応容器300の近傍において排気管370に装着される。
坩堝10は、金属Naと、金属ガリウム(金属Ga)とを含む混合融液290を保持する。反応容器20は、坩堝10の周囲を覆う。配管30は、金属融液190を保持する。配管31は、配管32およびガス精製器310を介して外部反応容器300内の空間から供給された窒素ガス(Nガス)を配管30内へ導く。
配管32は、外部反応容器300内の窒素ガスをガス精製器310へ導く。ベローズ40は、支持装置50を保持するとともに、反応容器20の内部と外部とを遮断する。また、ベローズ40は、支持装置50の重力方向DR1への移動に伴って重力方向DR1に伸縮する。支持装置50は、反応容器20内に挿入された一方端にGaN結晶からなる種結晶5を支持する。
融液保持部材60は、配管30の内壁との間に数十μmの孔が形成されるように外周面に凹凸構造を有し、ガス供給管110から供給された窒素ガスまたはガス精製器310を通過した窒素ガスを金属融液190の方向へ通過させ、窒素ガスを金属融液190を介して空間23内へ供給する。また、融液保持部材60は、金属融液190の表面張力により金属融液190を配管30内に保持する。
加熱装置70は、ヒーターと、電流源とからなる。そして、加熱装置70は、温度制御装置280からの制御信号CTL1に応じて電流源によってヒーターに電流を流し、反応容器20の外周面20Aから坩堝10および反応容器20を結晶成長温度に加熱する。温度センサー71は、加熱装置70のヒーターの温度T1を検出し、その検出した温度T1を温度制御装置280へ出力する。
加熱装置80も、ヒーターと、電流源とからなる。そして、加熱装置80は、温度制御装置280からの制御信号CTL2に応じて電流源によってヒーターに電流を流し、反応容器20の底面20Bから坩堝10および反応容器20を結晶成長温度に加熱する。温度センサー81は、加熱装置80のヒーターの温度T2を検出し、その検出した温度T2を温度制御装置280へ出力する。
ガス供給管90は、ガスボンベ140から圧力調整器130を介して供給された窒素ガスをバルブ120を介して反応容器20内へ供給する。ガス供給管110は、ガスボンベ140から圧力調整器130を介して供給された窒素ガスを配管30内へ供給する。
バルブ120は、ガス供給管90内の窒素ガスを反応容器20内へ供給し、または窒素ガスの反応容器20内への供給を停止する。圧力調整器130は、ガスボンベ140からの窒素ガスを所定の圧力にしてガス供給管90,110,350に供給する。
ガスボンベ140は、窒素ガスを保持する。排気管150は、反応容器20内の気体を真空ポンプ170へ通過させる。バルブ160は、反応容器20内と排気管150とを空間的に繋げ、または反応容器20内と排気管150とを空間的に遮断する。真空ポンプ170は、排気管150およびバルブ160を介して反応容器20内の真空引きを行なう。
圧力センサー180は、加熱装置70によって加熱されていない反応容器20内の圧力を検出する。窒素ガスは、融液保持部材60と金属融液190とを介して空間23へ供給される。
配管200は、ガス供給管250から供給された窒素ガスを一方端から支持装置50内へ放出して種結晶5を冷却する。熱電対210は、種結晶5の温度T3を検出し、その検出した温度T3を温度制御装置280へ出力する。
上下機構220は、振動検出装置240からの振動検出信号BDSに応じて、後述する方法によって、種結晶5が空間23と混合融液290との気液界面3に接するように支持装置50を上下する。
振動印加装置230は、たとえば、圧電素子からなり、所定の周波数を有する振動を支持装置50に印加する。振動検出装置240は、たとえば、加速度ピックアップからなり、支持装置50の振動を検出するとともに、支持装置50の振動を示す振動検出信号BDSを上下機構220へ出力する。
ガス供給管250は、ガスボンベ270から流量計260を介して供給された窒素ガスを配管200へ供給する。流量計260は、温度制御装置280からの制御信号CTL3に応じて、ガスボンベ270から供給される窒素ガスの流量を調整してガス供給管250へ供給する。ガスボンベ270は、窒素ガスを保持する。
温度制御装置280は、温度T1,T2,T3をそれぞれ温度センサー71,81および熱電対210から受け、その受けた温度T1,T2,T3に基づいて制御信号CTL1〜CTL3を生成する。そして、温度制御装置280は、その生成した制御信号CTL1,CTL2をそれぞれ加熱装置70,80へ出力し、制御信号CTL3を流量計260へ出力する。
外部反応容器300は、反応容器20、配管30,32,200、ベローズ40、支持装置50、加熱装置70,80、熱電対210、上下機構220およびガス精製器310を覆う。
ガス精製器310は、配管32から供給された窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減し、その低減した窒素ガスを配管31に供給する。バルブ330は、ガス供給管110内の窒素ガスを配管30内へ供給し、または窒素ガスの配管30内への供給を停止する。
圧力センサー340は、外部反応容器300内の圧力を検出する。ガス供給管350は、ガス供給管90および圧力調整器130を介して供給された窒素ガスをバルブ360を介して外部反応容器300内へ供給する。バルブ360は、窒素ガスを外部反応容器300内へ供給し、または窒素ガスの外部反応容器300内への窒素ガスの供給を停止する。
排気管370は、外部反応容器300内の気体を真空ポンプ170へ通過させる。バルブ380は、外部反応容器300内と排気管370とを空間的に繋げ、または外部反応容器300内と排気管370とを空間的に遮断する。
図2は、図1に示す融液保持部材60の斜視図である。図2を参照して、融液保持部材60は、栓61と、凸部62とを含む。栓61は、略円柱形状からなる。凸部62は、略半円形の断面形状を有し、栓61の外周面に栓61の長さ方向DR2に沿って形成される。
図3は、融液保持部材60の配管30への取付状態を示す平面図である。図3を参照して、凸部62は、栓61の円周方向に複数個形成され、複数の凸部62は、数十μmの間隔dで形成される。また、凸部62は、数十μmの高さHを有する。融液保持部材60の複数の凸部62は、配管30の内壁30Aに接する。これにより、融液保持部材60は、配管30の内壁30Aに嵌合する。
凸部62が数十μmの高さHを有し、数十μmの間隔dで栓61の外周面に配置される結果、融液保持部材60が配管30の内壁30Aに嵌合した状態では、融液保持部材60と配管30の内壁30Aとの間に、直径が略数十μmである空隙63が複数個形成される。
この空隙63は、栓61の長さ方向DR2に窒素ガスを通過させるとともに、金属融液190を金属融液190の表面張力によって保持し、金属融液190が栓61の長さ方向DR2に通過するのを阻止する。
図4は、図1に示す支持装置50、配管200および熱電対210の拡大図である。図4を参照して、支持装置50は、筒状部材51と、固定部材52,53とを含む。筒状部材51は、略円形の断面形状を有する。固定部材52は、略L字形状の断面形状を有し、筒状部材51の一方端511側において筒状部材51の外周面51Aおよび底面51Bに固定される。また、固定部材53は、略L字形状の断面形状を有し、筒状部材51の一方端511側において固定部材52と対称に配置されるように筒状部材51の外周面51Aおよび底面51Bに固定される。その結果、筒状部材51および固定部材52,53によって囲まれた領域には、空間部54が形成される。
配管200は、略円形の断面形状を有し、筒状部材51の内部に配置される。この場合、配管200の底面200Aは、筒状部材51の底面51Bに対向するように配置される。そして、配管200の底面200Aには、複数の空孔201が形成される。配管200内へ供給された窒素ガスは、複数の空孔201を介して筒状部材51の底面51Bに吹き付けられる。
熱電対210は、一方端210Aが筒状部材51の底面51Bに接するように筒状部材51の内部に配置される(図4の(a)参照)。
そして、種結晶5は、空間部54に嵌合する形状を有し、空間部54に嵌合することにより支持装置50によって支持される。この場合、種結晶5は、筒状部材51の底面51Bに接する(図4の(b)参照)。
したがって、種結晶5と筒状部材51との間の熱伝導率が高くなる。その結果、熱電対210によって種結晶5の温度を検出できるとともに、配管200から筒状部材51の底面51Bに吹き付けられた窒素ガスによって種結晶5を容易に冷却できる。
図5は、図1に示す上下機構220の構成を示す概略図である。図5を参照して、上下機構220は、凹凸部材221と、歯車222と、軸部材223と、モータ224と、制御部225とを含む。
凹凸部材221は、略三角形状の断面形状からなり、筒状部材51の外周面51Aに固定される。歯車222は、軸部材223の一方端に固定され、凹凸部材221と噛み合う。軸部材223は、その一方端が歯車222に連結され、他方端がモータ224のシャフト(図示せず)に連結される。
モータ224は、制御部225からの制御に従って歯車222を矢印226または227の方向へ回転させる。制御部225は、振動検出装置240からの振動検出信号BDSに基づいて、歯車222を矢印226または227の方向へ回転させるようにモータ224を制御する。
歯車222が矢印226の方向へ回転すれば、支持装置50は、重力方向DR1において上方向へ移動し、歯車222が矢印227の方向へ回転すれば、支持装置50は、重力方向DR1において下方向へ移動する。
したがって、歯車222を矢印226または227の方向へ回転させることは、支持装置50を重力方向DR1において上下させることに相当する。
図6は、振動検出信号BDSのタイミングチャートである。図6を参照して、振動検出装置240によって検出される振動検出信号BDSは、種結晶5が混合融液290に接していないとき、信号成分SS1からなり、種結晶5が混合融液290に接しているとき、信号成分SS2からなる。
種結晶5が混合融液290に接していないとき、種結晶5は、振動印加装置230により印加された振動によって大きく振動するので、振動検出信号BDSは、振幅が相対的に大きい信号成分SS1からなる。一方、種結晶5が混合融液290に接しているとき、種結晶5は、振動印加装置230から振動が印加されても、混合融液290の粘性によって大きく振動できないので、信号検出信号BDSは、振幅が相対的に小さい信号成分SS2からなる。
再び、図5を参照して、制御部225は、振動検出装置240から振動検出信号BDSを受けると、振動検出信号BDSの信号成分を検出する。そして、制御部225は、その検出した信号成分が信号成分SS1からなるとき、振動検出信号BDSの信号成分が信号成分SS2になるまで、支持装置50を重力方向DR1において降下させるようにモータ224を制御する。
より具体的には、制御部225は、歯車222を矢印227の方向へ回転させるようにモータ224を制御し、モータ224は、制御部225からの制御に従って歯車222を軸部材223を介して矢印227の方向へ回転させる。これによって、支持装置50は、重力方向DR1において下方向へ移動する。
そして、制御部225は、振動検出装置240から受ける振動検出信号BDSの信号成分が信号成分SS1から信号成分SS2へ切換わると、歯車222の回転を停止するようにモータ224を制御し、モータ224は、制御部225からの制御に従って歯車222の回転を停止させる。これによって、支持装置50は、移動を停止し、種結晶5を気液界面3に保持する。
一方、制御部225は、信号成分SS2からなる振動検出信号BDSを振動検出装置240から受けたとき、支持装置50の移動を停止するようにモータ224を制御する。
このように、上下機構220は、振動検出装置240が検出する振動検出信号BDSに基づいて、種結晶5が混合融液290に接するように支持装置50を重力方向DR1に移動させる。
図7は、図1に示すガス精製器310の構成を示す断面図である。図7を参照して、ガス精製器310は、0.1MPa程度の圧力に耐え得るガス精製部材311からなる。ガス精製部材311は、入口311Aおよび出口311Bを有する。入口311Aは、配管32に連結され、出口311Bは、配管31に連結される。
入口311Aは、窒素ガスをガス精製部材311の内部へ取り入れる。ガス精製部材311は、窒素ガスに含まれる水分および/または酸素の含有量を1ppm(=基準値)以下に低減し、水分および/または酸素の含有量が低減された窒素ガスを出口311Bから出力する。
図8は、坩堝10および反応容器20の温度のタイミングチャートである。また、図9は、図8に示す2つのタイミングt1,t2間における坩堝10および反応容器20内の状態を示す模式図である。さらに、図10は、種結晶5の温度と窒素ガスの流量との関係を示す図である。
なお、図8において、直線k1は、坩堝10および反応容器20の温度を示し、曲線k2および直線k3は、種結晶5の温度を示す。
図8を参照して、加熱装置70,80は、直線k1に従って温度が上昇し、かつ、800℃に保持されるように坩堝10および反応容器20を加熱する。加熱装置70,80が坩堝10および反応容器20を加熱し始めると、坩堝10および反応容器20の温度は、上昇し始め、タイミングt1において98℃に達し、タイミングt2で800℃に達する。
そうすると、坩堝10と反応容器20との間に保持された金属Naは溶け、金属融液190(=金属Na融液)になり、配管30内に液体として落ちる。そして、空間23内の窒素ガス4は、金属融液190(=金属Na融液)および融液保持部材60を介して配管30内の空間30Bへ拡散することができず、空間23内に閉じ込められる(図9参照)。
また、坩堝10および反応容器20の温度が98℃に達するタイミングt1から800℃に達するタイミングt2までの間に、上下機構220は、振動検出装置240からの振動検出信号BDSに基づいて、上述した方法によって支持装置50を上下し、種結晶5を混合融液290に接触させる。
さらに、加熱装置70,80が坩堝10および反応容器20を加熱し始めると、圧力調整器130は、ガスボンベ140からの窒素ガスをガス供給管90,110,350およびバルブ330,360を介して配管30および外部反応容器300へ供給する。そして、ガス精製器310は、配管32を介して外部反応容器300から受けた窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減し、水分および/または酸素の含有量を低減した窒素ガスを配管31を介して配管30の空間30Bへ供給する。そうすると、融液保持部材60は、ガス精製器310から供給された窒素ガス、またはガス供給管110から供給された窒素ガスを金属Na(タイミングt1以降は金属融液190)を介して空間23へ供給する。
そして、坩堝10および反応容器20の温度が800℃に達すると、空間23内の窒素ガス4は、金属Naを介して混合融液290中に取り込まれる。この場合、混合融液290中の窒素濃度またはGa(x,yは実数)の濃度は、空間23と混合融液290との気液界面3付近において最も高いため、GaN結晶が気液界面3に接した種結晶5から成長し始める。なお、この発明においては、Gaを「III族窒化物」と言い、Gaの濃度を「III族窒化物濃度」と言う。
窒素ガスを配管200内へ供給しない場合、種結晶5の温度T3は、混合融液290の温度と同じ800℃であるが、この発明においては、種結晶5付近の混合融液290中の窒素またはIII族窒化物の過飽和度を上げるために、配管200内へ窒素ガスを供給して種結晶5を冷却し、種結晶5の温度T3を混合融液290の温度よりも低くする。
より具体的には、種結晶5の温度T3は、タイミングt2以降、曲線k2に従って800℃よりも低い温度Ts1に設定される。この温度Ts1は、例えば、790℃である。種結晶5の温度T3を温度Ts1に設定する方法について説明する。
温度制御装置280は、温度センサー71,81および熱電対210からそれぞれ受けた温度T1,T2,T3が800+α℃(=坩堝10および反応容器20を800℃に設定したときの加熱装置70,80に含まれるヒーターの温度)に達すると、種結晶5の温度T3を温度Ts1に設定する流量からなる窒素ガスを流すための制御信号CTL3を生成して流量計260へ出力する。
そうすると、流量計260は、制御信号CTL3に応じて、温度T3を温度Ts1に設定する流量からなる窒素ガスをガスボンベ270からガス供給管250を介して配管200内へ流す。種結晶5の温度は、窒素ガスの流量に略比例して800℃から低下し、窒素ガスの流量が流量fr1(sccm)になると、種結晶5の温度T3は、温度Ts1に設定される(図10参照)。
したがって、流量計260は、流量fr1からなる窒素ガスを配管200内へ流す。そして、配管200内へ供給された窒素ガスは、配管200の複数の空孔201から筒状部材51の底面51Bに吹き付けられる。
これによって、種結晶5は、筒状部材51の底面51Bを介して冷却され、種結晶5の温度T3は、タイミングt3で温度Ts1に低下し、その後、タイミングt4まで温度Ts1に保持される。
加熱装置70,80のヒーターの温度T1,T2は、混合融液290の温度と所定の温度差αを有するため、温度制御装置280は、種結晶5の温度T3が800℃から低下し始めると、温度センサー71,81からそれぞれ受けた温度T1,T2が800+α℃に設定されるように制御信号CTL1,2によってそれぞれ加熱装置70,80を制御する。
なお、この発明においては、好ましくは、種結晶5の温度T3は、タイミングt2以降、直線k3に従って低下するように制御される。すなわち、種結晶5の温度T3は、タイミングt2からタイミングt4までの間で800℃から温度Ts2(<Ts1)まで低下される。この場合、流量計260は、温度制御装置280からの制御信号CTL3に基づいて、直線k4に従って配管200内へ流す窒素ガスの流量を0から流量fr2まで増加する。窒素ガスの流量が流量fr2になると、種結晶5の温度T3は、温度Ts1よりも低い温度Ts2に設定される。そして、温度Ts2は、たとえば、750℃である。
このように、混合融液290の温度(=800℃)と種結晶5の温度T3との差を徐々に大きくすることによって、種結晶5付近の混合融液290中の窒素またはIII族窒化物の過飽和度が徐々に大きくなり、GaN結晶の結晶成長を少なくとも継続できる。
結晶成長装置100においてGaN結晶を結晶成長させる場合、種結晶5は、結晶成長装置100において種結晶5を用いずに結晶成長させたGaN結晶からなる。図11は、GaN結晶を成長させる場合の窒素ガス圧と結晶成長温度との関係を示す図である。なお、図11に示す温度Tは、絶対温度である。図11において、横軸は、結晶成長温度を表し、縦軸は、窒素ガス圧を表す。図11において、領域REGは、坩堝10中の混合融液290に接する底面および側面において多くの核が発生し、c軸(<0001>)方向に成長した柱状形状のGaN結晶が製造される領域である。
したがって、種結晶5を作製する場合、領域REG内における窒素ガス圧および結晶成長温度を用いてGaN結晶を成長させる。この場合、坩堝10内の底面および側壁に多くの核が発生し、c軸方向に成長した柱状形状のGaN結晶が製造される。
そして、結晶成長させた多くのGaN結晶の中から図4に示す形状のGaN結晶を切り出して種結晶5を作製する。したがって、種結晶5の突出部5A(図4の(b)参照)は、c軸(<0001>)方向に成長したGaN結晶からなる。
作製した種結晶5は、上述した方法によって支持装置50の空間部54に嵌合され、支持装置50に固定される。
図12は、GaN結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。図12を参照して、一連の動作が開始されると、Arガスが充填されたグローブボックス内へ坩堝10および反応容器20を入れる。そして、Arガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れる(ステップS1)。この場合、金属Naおよび金属Gaを5:5のモル比率で坩堝10に入れる。なお、Arガスは、水分量が1ppm以下であり、かつ、酸素量が1ppm以下であるArガスである(以下、同じ)。
その後、Arガス雰囲気中で金属Naを坩堝10と反応容器20との間に入れる(ステップS2)。そして、Arガス雰囲気中で種結晶5を坩堝10内の金属Naおよび金属Gaの上側に設置する(ステップS3)。より具体的には、種結晶5を支持装置50の一方端511側に形成された空間部54へ嵌合することによって(図4の(b)参照)、種結晶5を坩堝10内の金属Naおよび金属Gaの上側に設置する。
引続いて、坩堝10および反応容器20内にArガスを充填した状態で坩堝10および反応容器20を結晶成長装置100に設定する。
そして、バルブ160,380を開け、真空ポンプ170によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内に充填されたArガスを排気する。真空ポンプ170によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きした後、バルブ160,380を閉じ、バルブ120,330,360を開けて窒素ガスをガスボンベ140からガス供給管90,110,350を介して坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内へ充填する。この場合、圧力調整器130によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内の圧力が0.1MPa程度になるように坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内へ窒素ガスを供給する。
そして、圧力センサー180によって検出した反応容器20内の圧力および圧力センサー340によって検出した外部反応容器300内の圧力が0.1MPa程度になると、バルブ120,330,360を閉じ、バルブ160,380を開けて真空ポンプ170によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内に充填された窒素ガスを排気する。この場合も、真空ポンプ170によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きする。
そして、この坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内の真空引きと坩堝10、反応容器20および外部反応容器300への窒素ガスの充填とを数回繰り返し行なう。
その後、真空ポンプ170によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内を所定の圧力まで真空引きした後、バルブ160,380を閉じ、バルブ330,360(バルブ120は閉じたまま)を開けて圧力調整器130によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内の圧力が1.01〜5.05MPaの範囲になるように坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内へ窒素ガスを充填する。この場合、ガス精製器310は、上述したように、外部反応容器300内の窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減して配管31を介して配管30の空間30Bへ供給し、融液保持部材60は、配管30の空間30B内の窒素ガスを金属融液190を介して反応容器20内の空間23へ供給する。すなわち、窒素ガスを外部反応容器300内へ所定の圧力まで充填するとともに、窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を低減し、その低減した窒素ガスを反応容器20の空間へ所定の圧力まで充填する(ステップS4)。
その後、加熱装置70,80によって坩堝10および反応容器20を800℃に加熱する(ステップS5)。この場合、坩堝10と反応容器20との間に保持された金属Naは、融点が約98℃であるので、坩堝10および反応容器20が800℃に加熱される過程で溶融され、金属融液190になる。そして、2つの気液界面1,2が発生する(図1参照)。気液界面1は、金属融液190と反応容器20内の空間23との界面に位置し、気液界面2は、金属融液190と融液保持部材60との界面に位置する。
気液界面1が配管30内に存在するのは、次の理由による。金属融液190および混合融液290の温度が同じである場合、金属融液190から蒸発する金属Naの蒸気圧PNaは、混合融液290から蒸発する金属Naの蒸気圧PNa−Gaよりも高い。そうすると、金属Naが金属融液190から混合融液290へ移動し、蒸気圧PNaが蒸気圧PNa−Gaに略等しくなった時点で金属Naの金属融液190から混合融液290への移動が停止される。
そして、蒸気圧PNaが蒸気圧PNa−Gaに略等しくなるのは、金属融液190の温度が混合融液290の温度よりも低い場合である。したがって、混合融液290の温度が800℃である場合、金属融液190の気液界面1は、800℃よりも低い配管30内に位置することになる。その結果、金属融液190は、融液保持部材60によって配管30内に保持される。
また、坩堝10および反応容器20の温度が800℃に昇温された時点で、融液保持部材60の温度は、150℃である。したがって、気液界面2における金属融液190(=金属Na融液)の蒸気圧は、7.6×10−4Paであり、金属融液190(=金属Na融液)は、融液保持部材60の空隙63を介して殆ど蒸発しない。その結果、金属融液190(=金属Na融液)は、殆ど減少しない。
融液保持部材60の温度が300℃または400℃に昇温されても、金属融液190(=金属Na融液)の蒸気圧は、それぞれ、1.8Paおよび47.5Paであり、この程度の蒸気圧では、金属融液190(=金属Na融液)の減少を殆ど無視できる。
このように、結晶成長装置100においては、融液保持部材60の温度は、金属融液190(=金属Na融液)が蒸発によって実質的に減少しない温度に設定される。
さらに、坩堝10および反応容器20が800℃に加熱される過程で、坩堝10内の金属Naおよび金属Gaも液体になり、金属Naと金属Gaとの混合融液290が坩堝10内に発生する。そして、上下機構220は、上述した方法によって、種結晶5を混合融液290に接触させる(ステップS6)。
さらに、坩堝10および反応容器20の温度が800℃に昇温されると、空間23内の窒素ガスが金属Naを介して混合融液290中へ取り込まれ、種結晶5からGaN結晶が成長し始める。
その後、坩堝10および反応容器20の温度が、所定の時間(数十時間〜数百時間)、800℃に保持され(ステップS7)、種結晶5の温度T3が上述した方法によって混合融液290の温度(=800℃)よりも低い温度Ts1またはTs2に設定される(ステップS8)。
そして、GaN結晶の成長が進行すると、空間23内の窒素ガスが消費され、空間23内の窒素ガスが減少する。そうすると、空間23内の圧力P1が配管30の空間30B内の圧力P2よりも低くなり(P1<P2)、空間23内と空間30B内との間に差圧が発生し、空間30B内の窒素ガスは、融液保持部材60および金属融液190(=金属Na融液)を介して空間23内へ順次供給される。この場合、融液保持部材60および金属融液190を介して空間23へ供給される窒素ガスには、ガス精製器310によって水分および/または酸素の含有量を低減されて配管30の空間30B内へ供給された窒素ガスも含まれる。したがって、空間23内の窒素ガスが消費されると、窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減し、水分および/または酸素の含有量を低減した窒素ガスを反応容器20の空間23へ補給する(ステップS9)。
その後、種結晶5が混合融液290に接触するように、上述した方法によって種結晶5を降下させる(ステップS10)。これによって、大きなサイズのGaN結晶が成長する。
そして、所定の時間が経過すると、反応容器20および外部反応容器300の温度が降温されて(ステップS11)、GaN結晶の製造が終了する。
上述したように、この発明の実施の形態1においては、外部反応容器300内へ供給された窒素ガスの水分および/または酸素の含有量をガス精製器310によって基準値以下に低減して混合融液290に接する空間23へ供給または補給するので、外部反応容器300内の水分が反応容器20内の空間23へ取り込まれるのを抑制してGaN結晶を結晶成長できる。すなわち、外部反応容器300から反応容器20への水分および/酸素の混入を避けつつ、外部反応容器300の圧力と反応容器20の圧力とを同じにした状態で結晶成長を行なうことが可能となる。
また、ガス精製器310は、0.1MPa程度に加圧される外部反応容器300内に設置されるので、0.1MPa程度の圧力に耐え得るガス精製器を用いて外部反応容器300内の窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を低減して反応容器20内の空間23へ供給できる。
なお、ガスボンベ140、圧力調整器130、ガス供給管90,110、バルブ330、配管30、融液保持部材60および金属融液190は、「ガス供給装置」を構成する。
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2による結晶成長装置の概略断面図である。図13を参照して、実施の形態2による結晶成長装置100Aは、図1に示す結晶成長装置100の配管31,32を配管33,34に代え、ガス精製器310をガス精製器320に代えたものであり、その他は、結晶成長装置100と同じである。
配管33は、一方端が配管30に連結され、他方端がガス精製器320の出口に連結される。配管34は、一方端がガス精製器320の入口に連結され、他方端が外部反応容器300に連結される。ガス精製器320は、配管33の他方端と配管34の一方端との間に連結される。
配管33は、ガス精製器320からの窒素ガスを配管30の空間30B内へ供給する。配管34は、外部反応容器300内の窒素ガスをガス精製器320へ供給する。ガス精製器320は、配管34を介して供給された窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減して配管33へ供給する。
図14は、図13に示すガス精製器320の構成を示す断面図である。図14の(a)を参照して、ガス精製器320は、容器部材321と、ガス精製部材322とを含む。容器部材321は、入口321Aおよび出口321Bを有する。そして、容器部材321は、1〜10MPaの高圧に耐え得る。ガス精製部材322は、容器部材321内に配設され、入口322Aおよび出口322Bを有する。出口322Bは、容器部材321の出口311Bに連結されている。
入口321Aは、窒素ガスを容器部材321の内部へ取り入れる。そして、入口322Aは、容器部材321内へ取り入れられた窒素ガスをガス精製部材322内へ取り入れ、ガス精製部材322は、窒素ガスに含まれる水分および/または酸素の含有量を1ppm(=基準値)以下に低減し、水分および/または酸素の含有量が低減された窒素ガスを出口322B,321Bから出力する。
ガス精製器320は、ガス精製部材322の周囲に配置された容器部材321を備えるので、1〜10MPaの高圧がガス精製部材322に印加されても、ガス精製部材322の内外は、同じ圧力が印加されるため、ガス精製部材322が破損することはない。すなわち、ガス精製部材322が略大気圧程度の低圧用に作製されたガス精製部材であっても、ガス精製部材322が破損することはない。
ガス精製器320は、図14の(b)に示すガス精製器320Aから構成されていてもよい。図14の(b)を参照して、ガス精製器320Aは、入口部材323と、触媒部材324と、出口部材325と、連結部材326,327とを含む。
入口部材323は、VCR(登録商標)からなり、入口323Aを有する。出口部材325は、VCR(登録商標)からなり、出口325Aを有する。連結部材326は、入口部材323を触媒部材324に連結する。連結部材327は、出口部材325を触媒部材324に連結する。より具体的には、連結部材326,327は、触媒部材324が大気圧よりも高い圧力(1〜10MPa)に耐え得るように触媒部材324の一方端324Aおよび他方端324Bにそれぞれ入口部材323および出口部材325を溶接によって連結する。
これによって、触媒部材324は、1〜10MPaの高圧下においても劣化しない。
入口部材323は、窒素ガスを入口323Aから取り入れ、その取り入れた窒素ガスを連結部材326を介して触媒部材324へ導く。触媒部材324は、入口部材323からの窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を1ppm(=基準値)以下に低減し、水分および/または酸素の含有量が低減された窒素ガスを連結部材327を介して出口部材325へ導く。出口部材325は、触媒部材324からの窒素ガスを出口325Aから出力する。
このように、ガス精製器320,320Aの各々は、1〜10MPaの高圧下で使用されても、破損しない構造からなる。
結晶成長装置100AにおけるGaN結晶の製造は、図12に示すフローチャートに従って行なわれる。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態3]
図15は、実施の形態3による結晶成長装置の概略断面図である。図15を参照して、実施の形態3による結晶成長装置100Bは、図13に示す結晶成長装置100Aの配管30を配管35,36に代え、ガス精製器321を追加したものであり、その他は、結晶成長装置100Aと同じである。
配管35は、重力方向DR1において、一方端が坩堝10の下側で反応容器20に連結され、他方端がガス精製器321の出口に連結される。配管36は、一方端がガス精製器321の入口に連結され、他方端がガス供給管110に連結される。ガス精製器321は、図14に示すガス精製器320,320Aのいずれかからなり、配管35の他方端と配管36の一方端とに連結される。
なお、結晶成長装置100Bにおいては、配管33の一方端は、配管36に連結され、融液保持部材60は、ガス精製器321に接して配置される。
配管35は、金属融液190を保持する。配管36は、ガス供給管90,110、圧力調整器130およびバルブ330を介してガスボンベ140から供給された窒素ガスをガス精製器321に導く。ガス精製器321は、配管36から供給された窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減し、その低減した窒素ガスを融液保持部材60に供給する。
なお、結晶成長装置100Bにおいては、配管33は、ガス精製器320からの窒素ガスを配管36へ供給する。
結晶成長装置100BにおけるGaN結晶の製造は、図12に示すフローチャートに従って行なわれる。結晶成長装置100Bにおいては、融液保持部材60の直下にガス精製器321が設けられているので、ガス精製器321が設けられたことに伴う動作について、以下、説明する。
ステップS1〜S3が実行され、坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内の真空引きと坩堝10、反応容器20および外部反応容器300への窒素ガスの充填とが数回繰り返し行なわれると、真空ポンプ170によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内を所定の圧力まで真空引きした後、バルブ160,380を閉じ、バルブ330,360(バルブ120は閉じたまま)を開けて圧力調整器130によって坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内の圧力が1.01〜5.05MPaの範囲になるように坩堝10、反応容器20および外部反応容器300内へ窒素ガスを充填する。
この場合、ガス精製器320は、外部反応容器300内の窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減して配管36へ供給し、ガス精製器321は、配管36内の窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減して融液保持部材60を介して反応容器20内の空間23へ窒素ガスを供給する。すなわち、水分および/または酸素を含有している窒素ガスが外部反応容器300内に所定の圧力で充填されているとともに、窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を低減し、その低減した窒素ガスを反応容器20の空間へ所定の圧力まで充填する(ステップS4)。
その後、ステップS5〜S8が実行され、坩堝10および反応容器20の温度が、所定の時間(数十時間〜数百時間)、800℃に保持され、種結晶5の温度T3が混合融液290の温度(=800℃)よりも低い温度Ts1またはTs2に設定される。
そして、GaN結晶の成長が進行すると、空間23内の窒素ガスが消費され、空間23内の窒素ガスが減少する。そうすると、空間23内の圧力P1が配管36内の圧力P3よりも低くなり(P1<P3)、空間23内と配管36内との間に差圧が発生し、配管36の窒素ガスは、ガス精製器321、融液保持部材60および金属融液190(=金属Na融液)を介して空間23内へ順次供給される。すなわち、窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減し、水分および/または酸素の含有量を低減した窒素ガスを反応容器20の空間23へ補給する(ステップS9)。その後、上述したステップS10,S11が実行され、GaN結晶の製造が終了する。
結晶成長装置100Bを用いてGaN結晶の製造が行なわれる場合、図12に示すフローチャートにおいて、ステップS4は、大気圧よりも高い圧力下で水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減する工程Aと、水分および/または酸素の含有量を低減した窒素ガスを金属Naおよび金属Gaを含む坩堝10内へ充填する工程Bとからなる。
また、ステップS9は、大気圧よりも高い圧力下で水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減する工程Cと、水分および/または酸素の含有量を低減した窒素ガスを空間23へ補給する工程Dとからなる。
そして、工程A,Cの各々は、ガスボンベ140から供給された窒素ガスおよび外部反応容器300から供給された窒素ガスの水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減する。
図16は、この発明による融液保持部材の他の斜視図である。図16を参照して、融液保持部材440は、複数の貫通孔442が形成された栓441からなる。複数の貫通孔442は、栓441の長さ方向DR2に沿って形成される。そして、複数の貫通孔442の各々は、数十μmの直径を有する(図16の(a)参照)。
なお、融液保持部材440においては、貫通孔442は、少なくとも1個形成されていればよい。
また、融液保持部材450は、複数の貫通孔452が形成された栓451からなる。複数の貫通孔452は、栓451の長さ方向DR2に沿って形成される。そして、複数の貫通孔452の各々は、長さ方向DR2へ複数段に変化された直径r1,r2,r3を有する。直径r1,r2,r3の各々は、金属融液190を表面張力により保持可能な範囲で決定され、たとえば、数μm〜数十μmの範囲で決定される(図16の(b)参照)。
なお、融液保持部材450においては、貫通孔452は、少なくとも1個形成されていればよい。また、貫通孔452の直径は、少なくとも2個に変化されればよい。さらに、貫通孔452の直径は、長さ方向DR2へ連続的に変えられてもよい。
融液保持部材440または450は、結晶成長装置100,100A,100Bの融液保持部材60に代えて用いられる。
特に、融液保持部材450が融液保持部材60に代えて用いられた場合、結晶成長装置100,100A,100Bにおいて、融液保持部材450の温度制御を精密に行なわなくても、複数段に変えられた直径のいずれかによって金属融液190を金属融液190の表面張力により保持できるので、融液保持部材450の温度制御を精密に行なわなくても、大きさサイズを有するGaN結晶を製造できる。
融液保持部材440または450が用いられる場合、ガスボンベ140、圧力調整器130、ガス供給管90,110、配管30、融液保持部材440または450および金属融液190は、「ガス供給装置」を構成する。
さらに、この発明においては、融液保持部材60に代えてポーラスプラグまたは逆流防止弁を用いてもよい。ポーラスプラグは、ステンレスの粉末を焼結した焼結体からなり、数十μmの空孔が多数形成された構造を有する。したがって、ポーラスプラグは、上述した融液保持部材60と同じように金属融液190の表面張力によって金属融液190を保持可能である。
また、この発明における逆流防止弁は、低温部分に用いられるバネ式の逆流防止弁と、高温部分に用いられるピストン式の逆流防止弁との両方を含む。このピストン式の逆流防止弁とは、配管30内の圧力P2(配管36内の圧力P3)が空間23内の圧力P1よりも高いとき、圧力P2(またはP3)と圧力P1との差圧によってピストンが1対のガイドに沿って上方向へ移動して配管30(または配管36)の窒素ガスを金属融液190を介して空間23へ供給し、P1≧P2(またはP1≧P3)であるとき、自重によってピストンが反応容器20と配管30との連結部を塞ぐ形式の逆流防止弁である。したがって、この逆流防止弁は、高温部分においても使用できる。
上述した実施の形態1から実施の形態3においては、結晶成長温度は、800℃であると説明したが、この発明においては、これに限らず、結晶成長温度は、600℃以上であればよい。また、窒素ガス圧力も0.4MPa以上の加圧状態の本結晶成長方法で成長可能な圧力であればよい。すなわち、上限も本実施の形態の5.05MPaに限定されるものではなく、5.05MPa以上の圧力であってもよい。
また、この発明による結晶成長装置は、結晶成長装置100,100A,100Bから上下機構220、振動印加装置230および振動検出装置240を削除したものであってもよい。この場合、種結晶5は、上下方向へ移動されないが、坩堝10内に入れられた金属Naおよび金属Gaが融けた状態で混合融液290に接触するように支持装置50によって支持される。したがって、GaN結晶は、種結晶5から成長する。その結果、大きいサイズのGaN結晶を製造できる。
さらに、この発明による結晶成長装置は、結晶成長装置100,100A,100Bから熱電対210、配管200、ガス供給管250、流量計260およびガスボンベ270を削除したものであってもよい。この場合、種結晶5の温度T3は、GaN結晶の結晶成長中、混合融液290の温度よりも低温に制御されないが、種結晶5は、支持装置50によって混合融液290に接触されるので、GaN結晶は、種結晶5から成長する。その結果、大きなサイズのGaN結晶を製造できる。
さらに、この発明による結晶成長装置は、結晶成長装置100,100A,100Bから熱電対210、配管200、上下機構220、振動印加装置230、振動検出装置240、ガス供給管250、流量計260およびガスボンベ270を削除したものであってもよい。この場合、種結晶5は、上下方向へ移動されず、種結晶5の温度T3は、混合融液290の温度よりも低い温度に制御されないが、坩堝10内に入れられた金属Naおよび金属Gaが融けた状態で混合融液290に接触するように支持装置50によって支持される。したがって、GaN結晶は、種結晶5から成長する。その結果、大きいサイズのGaN結晶を製造できる。
さらに、この発明においては、結晶成長装置100,100A,100Bから熱電対210、配管200、上下機構220、振動印加装置230、振動検出装置240、ガス供給管250、流量計260およびガスボンベ270を削除した結晶成長装置を用いて、種結晶5を用いずにGaN結晶を結晶成長させてもよい。この場合、GaN結晶は、坩堝10の底面および側面から成長するが、上述したように、反応容器20内の空間23には、水分および/または酸素の含有量が基準値以下に低減された窒素ガスが供給されるので、反応容器20内の水分および/または酸素の含有量を低減してGaN結晶を結晶成長できる。
さらに、上記においては、Arガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、Arガス雰囲気中で金属Naを坩堝10および反応容器20間に入れると説明したが、この発明においては、これに限らず、He、NeおよびKr等のArガス以外のガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、金属Naを坩堝10および反応容器20間に入れてもよく、一般的には、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、金属Naを坩堝10および反応容器20間に入れればよい。そして、この場合、不活性ガスまたは窒素ガスは、水分量が1ppm以下であり、かつ、酸素量が1ppm以下である。
さらに、金属Gaと混合する金属は、Naであると説明したが、この発明においては、これに限らず、リチウム(Li)およびカリウム(K)等のアルカリ金属、またはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属を金属Gaと混合して混合融液290を生成してもよい。そして、これらのアルカリ金属が溶けたものは、アルカリ金属融液を構成し、これらのアルカリ土類金属が溶けたものは、アルカリ土類金属融液を構成する。
さらに、窒素ガスに代えて、アジ化ナトリウムおよびアンモニア等の窒素を構成元素に含む化合物を用いてもよい。そして、これらの化合物は、窒素原料ガスを構成する。
さらに、Gaに代えて、ボロン(B)、アルミニウム(Al)およびインジウム(In)等のIII族金属を用いてもよい。
したがって、この発明による結晶成長装置または製造方法は、一般的には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属とIII族金属(ボロンを含む)との混合融液を用いてIII族窒化物結晶を製造するものであればよい。
そして、この発明による結晶成長装置または製造方法を用いて製造したIII族窒化物結晶は、発光ダイオード、半導体レーザ、フォトダイオードおよびトランジスタ等のIII族窒化物半導体デバイスの作製に用いられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、反応容器内の水分量および/または酸素量を低減してIII族窒化物結晶を結晶成長する結晶成長装置に適用される。また、この発明は、反応容器内の水分量および/または酸素量を低減してIII族窒化物結晶を製造する製造方法に適用される。
この発明の実施の形態1による結晶成長装置の概略断面図である。 図1に示す融液保持部材の斜視図である。 融液保持部材の配管への取付状態を示す平面図である。 図1に示す支持装置、配管および熱電対の拡大図である。 図1に示す上下機構の構成を示す概略図である。 振動検出信号のタイミングチャートである。 図1に示すガス精製器の構成を示す断面図である。 坩堝および反応容器の温度のタイミングチャートである。 図8に示す2つのタイミングt1,t2間における坩堝および反応容器内の状態を示す模式図である。 種結晶の温度と窒素ガスの流量との関係を示す図である。 GaN結晶を成長させる場合の窒素ガス圧と結晶成長温度との関係を示す図である。 GaN結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2による結晶成長装置の概略断面図である。 図13に示すガス精製器の構成を示す断面図である。 実施の形態3による結晶成長装置の概略断面図である。 この発明による融液保持部材の他の斜視図である。
符号の説明
1〜3 気液界面、4 窒素ガス、5 種結晶、10 坩堝、20 反応容器、20A 外周面、20B 底面、21 本体部、22 蓋部、23,30B 空間、30〜36,200 配管、30A 内壁、40 ベローズ、50 支持装置、60,440,450 融液保持部材、61,441,451 栓、62 凸部、63 空隙、70,80 加熱装置、71,81 温度センサー、90,110,250,350 ガス供給管、100,100A,100B 結晶成長装置、120,160,330,360 バルブ、130 圧力調整器、140,270 ガスボンベ、150,370 排気管、170 真空ポンプ、180,340 圧力センサー、190 金属融液、201 空孔、210 熱電対、220 上下機構、230 振動印加装置、240 振動検出装置、280 温度制御装置、290 混合融液、300 外部反応容器、310,320,320A,321 ガス精製器、311,322 ガス精製部材、311A,321A,322A,323A 入口、311B,321B,322B,325A 出口、321 容器部材、323 入口部材、324 触媒部材、325 出口部材、326,327 連結部材。

Claims (6)

  1. アルカリ金属とIII族金属とを含む混合融液を保持する坩堝を内部に含む反応容器と、前記反応容器と加熱装置とを内部に含む外部反応容器と、を備え、
    前記反応容器内の空間と前記外部反応容器内の空間とが、水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減するガス精製器を介して連結されているIII族窒化物結晶の結晶成長装置。
  2. 一方端が前記ガス精製器の出口に連結され他方端が前記反応容器に連結された第1の配管と、一方端が前記ガス精製器の入口に連結され他方端が前記外部反応容器内の空間に接する第2の配管と、少なくとも窒素原料ガスを前記外部反応容器内へ供給するガス供給装置と、をさらに備え、
    前記窒素原料ガスが前記外部反応容器から前記ガス精製器を介して前記反応容器へ供給される請求項1に記載の結晶成長装置。
  3. 前記窒素原料ガスに含まれる水分および/または酸素の含有量を基準値以下に低減する他のガス精製器と、一方端が前記反応容器に連結され他方端が他のガス精製器の出口に連結される第3の配管と、一方端が前記他のガス精製器の入口に連結され他方端が前記ガス供給装置から前記窒素原料ガスを受ける第4の配管と、を更に備える請求項2に記載の結晶成長装置。
  4. 前記外部反応容器は、大気圧よりも高い耐圧を有し、
    前記ガス供給装置は、前記反応容器内および前記外部反応容器内の圧力が大気圧よりも高く、かつ、前記外部反応容器の耐圧よりも低い所定の圧力になるように前記窒素原料ガスを前記反応容器内および前記外部反応容器内へ供給する、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の結晶成長装置。
  5. 前記ガス精製器および前記他のガス精製器の各々は、
    前記所定の圧力を耐圧として有する容器部材と、
    前記容器部材内に配設され、前記所定の圧力よりも低い圧力を耐圧として有するとともに前記水分および/または酸素の含有量を前記基準値以下に低減するガス精製部材とを含む、請求項に記載の結晶成長装置。
  6. 前記ガス精製器および前記他のガス精製器の各々は、
    前記窒素原料ガスを受ける入口部材と、
    前記水分および/または酸素の含有量を前記基準値以下に低減する触媒部材と、
    前記触媒部材によって水分および/または酸素の含有量が低減された窒素原料ガスを出力する出口部材と、
    前記入口部材と前記触媒部材とを連結し、前記所定の圧力を耐圧として有する第1の連結部材と、
    前記触媒部材と前記出口部材とを連結し、前記所定の圧力を耐圧として有する第2の連結部材とを含む、請求項に記載の結晶成長装置。
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