JP4631071B2 - 窒化ガリウム結晶の結晶成長装置および窒化ガリウム結晶の製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム結晶の結晶成長装置および窒化ガリウム結晶の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、窒化ガリウム結晶の結晶成長装置および窒化ガリウム結晶の製造方法に関するものである。
現在、紫外、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN(III族窒化物半導体)系デバイスは、その殆どがサファイアおよびシリコンカーバイド(SiC)を基板とし、その基板上にMOCVD法(有機金属化学気相成長法)およびMBE法(分子線結晶成長法)等を用いて作製されている。
このように、サファイアおよびシリコンカーバイドを基板として用いた場合、熱膨張係数および格子定数が基板とIII族窒化物半導体とでそれぞれ大きく異なっているため、III族窒化物半導体内に多くの結晶欠陥が含まれることとなる。この結晶欠陥は、デバイス特性を低下させ、たとえば、発光デバイスにおいては、寿命が短い、動作電力が大きい、等の欠点に直接関係する。
また、サファイア基板は、絶縁体であるため、従来の発光デバイスのように基板側から電極を取り出すことが不可能であった。これにより、III族窒化物半導体側から電極を取り出すことが必要となる。その結果、デバイスの面積が大きくなり、高コスト化を招くという不都合があった。そして、デバイスの面積が大きくなると、サファイア基板とIII族窒化物半導体という異種材料の組み合わせに伴う基板の反りという新たな問題が発生する。
さらに、サファイア基板上に作製されたIII族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)において必要とされる共振器端面を得ることは、容易ではない。このため、現在は、ドライエッチング、またはサファイア基板を厚さ100μm以下まで研磨した後に劈開に近い形に分離し、共振器端面の形成を行なっている。したがって、従来のLDのように、共振器端面の形成とチップ分離とを単一工程で行なうことが困難であり、工程の複雑化によるコスト高を招いていた。
これらの問題を解決するため、サファイア基板上にIII族窒化物半導体を選択的に横方向に成長させるなどの工夫をし、結晶欠陥を低減させることが提案された。これにより、結晶欠陥を低減させることが可能となったが、サファイア基板の絶縁性および上述した劈開の困難性に関する問題は、依然として残っている。
こうした問題を解決するためには、基板上に結晶成長する材料と同一である窒化ガリウム(GaN)基板が最適である。そのため、気相成長および融液成長等により、バルクGaNを結晶成長させる方法が、各種、提案されている。しかし、未だ高品質かつ実用的な大きさを有するGaN基板は、実現されていない。
GaN基板を実現する1つの方法として、ナトリウム(Na)をフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている(特許文献1)。この方法は、アジ化ナトリウム(NaN)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法:内径=7.5mm、長さ=100mm)にNaNおよび金属Gaを窒素雰囲気中で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶が成長するものである。
この方法は、600〜800℃と比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm程度と比較的低く、実用的な成長条件であることが特徴である。
そして、最近では、アルカリ金属とIII族金属との混合融液と、窒素を含むV族原料とを反応させることにより、高品質なIII族窒化物結晶が実現されている(特許文献2)。
米国特許第5868837号明細書 特開2001−58900号公報
しかし、フラックスを用いて窒化ガリウム結晶を結晶成長させる従来の方法では、Naをフラックスとして用いているため、反応容器内を1MPa(=10気圧)以上に加圧しなければ窒化ガリウム結晶を製造することが困難であるという問題がある。そして、この1MPaの圧力は、窒化ガリウム結晶を製造する設備が大掛かりな設備になるか簡易な設備になるかの基準となる基準圧力である。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、基準圧力よりも低い圧力下で窒化ガリウム結晶を結晶成長する結晶成長装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、基準圧力よりも低い圧力下で窒化ガリウム結晶を製造する製造方法を提供することである。
の発明によれば、製造方法は、ビスマスとガリウムとを含む混合融液を保持する坩堝と坩堝が内部に配置された反応容器とを備える結晶成長装置を用いて窒化ガリウム結晶を製造する製造方法であって、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中でビスマスとガリウムとを坩堝に入れる第1の工程と、窒素元素と水素元素とを含む窒素原料ガスを反応容器および坩堝に供給して略大気圧下で窒化ガリウム結晶を結晶成長させる第2の工程と、結晶成長された窒化ガリウム結晶を熱処理する第3の工程とを備え、第3の工程は、窒化ガリウム結晶を結晶成長するときの温度と同じ温度で窒化ガリウム結晶を熱処理する
好ましくは、第2の工程は、反応容器内の圧力を略大気圧に保持して窒素原料ガスを反応容器および坩堝に供給する第1のサブ工程と、坩堝を結晶成長温度に加熱する第2のサブ工程と、所定の時間、坩堝の温度を結晶成長温度に保持する第3のサブ工程とを含む。
好ましくは、第2の工程は、反応容器内の圧力を略大気圧に保持して窒素原料ガスを反応容器および坩堝に供給する第1のサブ工程と、坩堝を結晶成長温度に加熱する第2のサブ工程と、混合融液が坩堝に濡れながら窒化ガリウム結晶が結晶成長する第3のサブ工程とを含む。
好ましくは、第1のサブ工程は、窒素原料ガスを混合融液に接する容器空間へ供給する。
好ましくは、窒素原料ガスは、アンモニアガスである。
好ましくは、窒素原料ガスは、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスである。
さらに、この発明によれば、製造方法は、窒化ガリウム結晶からなる坩堝と坩堝が内部に配置された反応容器とを備える結晶成長装置を用いて窒化ガリウム結晶を製造する製造方法であって、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中でリチウムとガリウムとを坩堝に入れる第1の工程と、反応容器内の圧力が大気圧よりも高く、かつ、1MPaより低くなるように窒素原料ガスを反応容器および坩堝に供給する第2の工程と、坩堝を結晶溶解温度に加熱する第3の工程と、第3の工程の後、坩堝の温度を結晶溶解温度から徐々に降温する第4の工程とを備える。
好ましくは、第2の工程は、窒素原料ガスを反応容器内に封止する。
好ましくは、第4の工程は、窒化ガリウム結晶の結晶成長時間にわたって坩堝の温度を降温する。
好ましくは、第4の工程は、一定の割合で坩堝の温度を降温する。
さらに、この発明によれば、製造方法は、反応容器と反応容器内に配置された坩堝とを備える結晶成長装置を用いて窒化ガリウム結晶を製造する製造方法であって、窒化ガリウム結晶からなる結晶坩堝を作製する第1の工程と、作製された結晶坩堝を坩堝として用いて略大気圧から1MPaまでの間の圧力下で窒化ガリウム結晶を結晶成長させる第2の工程とを備える。
好ましくは、第1の工程は、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中でビスマスとガリウムとを坩堝に入れる第1のサブ工程と、窒素元素と水素元素とを含む窒素原料ガスを反応容器および坩堝に供給して略大気圧下で結晶坩堝を作製する第2のサブ工程とを含む。
好ましくは、第1の工程は、作製された結晶坩堝を熱処理する第3のサブ工程をさらに含み、第3のサブ工程は、結晶坩堝を作製するときの温度と同じ温度で前記結晶坩堝を熱処理する
好ましくは、第2のサブ工程は、反応容器内の圧力を略大気圧に保持して窒素原料ガスを反応容器および坩堝に供給する工程Aと、坩堝を結晶成長温度に加熱する工程Bと、所定の時間、坩堝の温度を結晶成長温度に保持する工程Cとを含む。
好ましくは、工程Aは、窒素原料ガスを混合融液に接する容器空間へ供給する。
好ましくは、窒素原料ガスは、アンモニアガスである。
好ましくは、窒素原料ガスは、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスである。
好ましくは、第2の工程は、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中でリチウムとガリウムとを結晶坩堝に入れる第4のサブ工程と、反応容器内の圧力が大気圧よりも高く、かつ、1MPaより低くなるように窒素原料ガスを反応容器および坩堝に供給する第5のサブ工程と、坩堝を結晶溶解温度に加熱する第6のサブ工程と、第5のサブ工程の後、坩堝の温度を結晶溶解温度から徐々に降温する第7のサブ工程とを含む。
好ましくは、第5のサブ工程は、窒素原料ガスを反応容器内に封止する。
好ましくは、第7のサブ工程は、窒化ガリウム結晶の結晶成長時間にわたって結晶坩堝の温度を降温する。
好ましくは、第7のサブ工程は、一定の割合で坩堝の温度を降温する。
さらに、この発明によれば、結晶成長装置は、坩堝と、反応容器と、ガス供給装置と、加熱装置と、熱処理装置とを備える。坩堝は、ビスマスとガリウムとを含む混合融液を保持する。反応容器は、坩堝が内部に配置される。ガス供給装置は、窒素元素と水素元素とを含む窒素原料ガスを反応容器内に供給する。加熱装置は、混合融液を結晶成長温度に加熱する。熱処理装置は、結晶成長された窒化ガリウム結晶を熱処理する。
好ましくは、ガス供給装置は、混合融液に接する容器空間へ窒素原料ガスを供給する。
好ましくは、ガス供給装置は、アンモニアガスを容器空間へ供給する。
好ましくは、ガス供給装置は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを容器空間へ供給する。
好ましくは、熱処理装置は、窒化ガリウム結晶の結晶成長温度と同じ温度で窒化ガリウム結晶を熱処理する。
さらに、この発明によれば、結晶成長装置は、坩堝と、反応容器と、ガス供給装置と、温度制御装置とを備える。坩堝は、窒化ガリウム結晶からなり、リチウムとガリウムとを含む混合融液を保持する。反応容器は、坩堝が内部に配置される。ガス供給装置は、反応容器内の圧力が大気圧よりも高く、かつ、1MPaよりも低い圧力になるように窒素原料ガスを供給する。温度制御装置は、混合融液の温度を結晶溶解温度に加熱するとともに、混合融液の温度を結晶溶解温度から徐々に降温する。
好ましくは、温度制御装置は、窒化ガリウム結晶の結晶成長時間にわたって混合融液の温度を降温する。
好ましくは、温度制御装置は、一定の割合で混合融液の温度を降温する。
この発明においては、水素元素と窒素元素とを含む窒素原料ガスをBiとGaとを含む混合融液に供給して略大気圧下で坩堝形状を有する窒化ガリウム結晶を結晶成長する。
また、この発明によれば、LiとGaとを含む混合融液を窒化ガリウム結晶からなる坩堝によって保持し、大気圧よりも高く、かつ、1MPaよりも低い圧力下で坩堝を構成する窒化ガリウム結晶を溶かしながら窒化ガリウム結晶を結晶成長する。
さらに、この発明によれば、水素元素と窒素元素とを含む窒素原料ガスをBiとGaとを含む混合融液に供給して略大気圧下で坩堝形状を有する窒化ガリウム結晶を結晶成長するとともに、その結晶成長した窒化ガリウム結晶からなる坩堝によってLiとGaとを含む混合融液を保持し、大気圧よりも高く、かつ、1MPaよりも低い圧力下で坩堝を構成する窒化ガリウム結晶を溶かしながら窒化ガリウム結晶を結晶成長する。
したがって、この発明によれば、1MPaよりも低い圧力下で窒化ガリウム結晶を製造できる。

本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による結晶成長装置の概略断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による結晶成長装置1000は、結晶育成装置100と、熱処理装置200とを備える。
結晶育成装置100は、坩堝10と、反応容器20と、封止部材30,40と、加熱装置50と、ガス供給管60,80,120と、バルブ70,180,190,200と、流量計90と、ガスボンベ110,140と、圧力調整器130と、圧力センサー150と、排気管160,170と、真空ポンプ210とを含む。
坩堝10は、略円形形状の断面形状を有し、ボロンナイトライドからなる。そして、坩堝10は、反応容器20内に配置される。反応容器20は、略円形形状の断面形状を有し、SUS316Lからなる。
封止部材30は、反応容器20の一方端に取り付けられ、封止部材40は、反応容器20の他方端に取り付けられる。加熱装置50は、リング形状の断面形状を有し、反応容器20の外周面21に対向して配置される。
ガス供給管60は、一方端61が坩堝10の上側に位置し、他方端が封止部材30を介してバルブ70に連結される。そして、ガス供給管60の一方端61は、ガスを坩堝10内の容器空間11に供給する形状からなる。
バルブ70は、ガス供給管60の他方端に取り付けられる。ガス供給管80は、一方端がバルブ70に連結され、他方端が流量計90を介してガスボンベ110に連結される。そして、ガス供給管80の一方端は、ネジ機構によりバルブ70に連結/取り外し可能になっている。流量計90は、ガスボンベ110の近傍でガス供給管80に装着される。
ガスボンベ110は、ガス供給管80の他方端に連結される。ガス供給管120は、一方端がガス供給管80に連結され、他方端が圧力調整器130を介してガスボンベ140に連結される。圧力調整器130は、ガスボンベ140の近傍でガス供給管120に装着される。ガスボンベ140は、ガス供給管120に連結される。
圧力センサー150は、反応容器20に取り付けられる。排気管160は、一方端がバルブ180に連結される。そして、排気管160の一方端は、ネジ機構によりバルブ180に連結/取り外し可能になっている。排気管170は、一方端が排気管160に連結され、他方端がバルブ200を介して真空ポンプ210に連結される。
バルブ180は、封止部材40の近傍で排気管160に装着される。バルブ190は、排気管160と排気管170との連結部よりも外部空間側で排気管160に装着される。バルブ200は、真空ポンプ210の近傍で排気管170に装着される。真空ポンプ210は、排気管170の他方端に連結される。
坩堝10は、ビスマス(Bi)とガリウム(Ga)とを含む混合融液220を保持する。反応容器20は、坩堝10を内部に保持する。封止部材30は、反応容器20の一方端を封止し、封止部材40は、反応容器20の他方端を封止する。加熱装置50は、坩堝10および反応容器20を加熱する。
ガス供給管60は、バルブ70を介してガス供給管80から供給されたアンモニアガス(NHガス)を一方端61から坩堝10内の容器空間11へ供給する。バルブ70は、ガス供給管60とガス供給管80とを空間的に繋げ、またはガス供給管60とガス供給管80とを空間的に遮断する。
ガス供給管80は、流量計90を介してガスボンベ110から供給されたアンモニアガスまたはガス供給管120および圧力調整器130を介してガスボンベ140から供給された窒素ガスをバルブ70を介してガス供給管60に供給する。流量計90は、ガスボンベ110から供給されたアンモニアガスの流量を所定の流量に設定し、その設定した所定の流量からなるアンモニアガスをガス供給管80に供給する。
ガスボンベ110は、アンモニアガスを保持し、その保持したアンモニアガスをガス供給管80に供給する。ガス供給管120は、圧力調整器130を介してガスボンベ140から供給された窒素ガスをガス供給管80に供給する。圧力調整器130は、ガスボンベ140からの窒素ガスの圧力を所定の圧力に調整してガス供給管120に供給する。ガスボンベ140は、窒素ガスを保持し、その保持した窒素ガスを圧力調整器130に供給する。圧力センサー150は、反応容器20内の容器空間22の圧力を検出する。
排気管160は、バルブ180,190を介して反応容器20内のアンモニアガスを外部へ排気し、またはバルブ180,200および排気管170を介して反応容器20内のアンモニアガスを真空ポンプ210へ排気する。排気管170は、排気管160からのアンモニアガスをバルブ200を介して真空ポンプ210へ排気する。
バルブ180は、反応容器20内と排気管160とを空間的に繋げ、または反応容器20内と排気管160とを空間的に遮断する。バルブ190は、排気管160と外部空間とを空間的に繋げ、または排気管160と外部空間とを空間的に遮断する。バルブ200は、排気管170と真空ポンプ210とを空間的に繋げ、または排気管170と真空ポンプ210とを空間的に遮断する。真空ポンプ210は、バルブ180,200および排気管160,170を介して反応容器20内の真空引きを行なう。
熱処理装置300は、熱処理容器310と、加熱装置320と、ガス供給管330と、流量計340と、ガスボンベ350と、排気管360とを含む。熱処理容器310は、SUS316Lからなる。加熱装置320は、熱処理容器310に対向して配置される。ガス供給管330は、一方端が熱処理容器310に連結され、他方端が流量計340を介してガスボンベ350に連結される。
流量計340は、ガスボンベ350の近傍でガス供給管330に装着される。ガスボンベ350は、ガス供給管330の他方端に連結される。排気管360は、一方端が熱処理容器310内の容器空間に連通するように熱処理容器310に固定される。
熱処理容器310は、熱処理の対象物を内部に保持する。加熱装置320は、熱処理容器310を加熱する。ガス供給管330は、流量計340を介してガスボンベ350から供給された窒素ガスを熱処理容器310へ供給する。
流量計340は、ガスボンベ350から供給された窒素ガスの流量を所定の流量に設定し、その設定した所定の流量からなる窒素ガスをガス供給管330に供給する。ガスボンベ350は、窒素ガスを保持し、その保持した窒素ガスをガス供給管330に供給する。排気管360は、熱処理容器310内の窒素ガスを外部へ排気する。
図2は、坩堝10および反応容器20の温度の実施の形態1におけるタイミングチャートである。また、図3は、図2に示す2つのタイミングt1,t3間における坩堝10および反応容器20内の状態を示す模式図である。さらに、図4は、図2に示すタイミングt3における坩堝10および反応容器20内の状態を示す模式図である。なお、図2において、直線k1は、坩堝10および反応容器20の温度を示す。
図2を参照して、加熱装置50は、直線k1に従って温度が上昇し、かつ、900℃に保持されるように坩堝10および反応容器20を加熱する。加熱装置50が坩堝10および反応容器20を加熱し始めると、坩堝10および反応容器20の温度は、上昇し始め、タイミングt1において272℃に達し、タイミングt2で900℃に達する。そうすると、Gaの融点は、38℃であり、Biの融点は、272℃であるので、坩堝10内に保持されたBiおよびGaは溶け、混合融液220になる。
また、加熱装置50が坩堝10および反応容器20を加熱し始めると、流量計90は、ガスボンベ110からのアンモニアガスをガス供給管60,80を介して坩堝10の容器空間11へ供給する。この場合、反応容器20内の圧力は、略大気圧である。坩堝10内の容器空間11に供給されたアンモニアガス1は、反応容器20内の容器空間22へ拡散し、排気管160を介して外部へ排気される(図3参照)。
そして、坩堝10および反応容器20の温度が900℃に達すると、容器空間11内のアンモニアガス1は、混合融液220中のGaと反応し、窒化ガリウム結晶(GaN結晶)が成長し始める。
その後、混合融液220が坩堝10の内壁に濡れながら拡がり、GaN結晶が成長する。数時間が経過すると、混合融液220中のGaは、アンモニアとほぼ100%反応し、混合融液220は、ビスマスからなる金属融液221になり、坩堝形状のGaN結晶230が坩堝10内で生成される(図4参照)。
図5は、GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。図5を参照して、一連の動作が開始されると、Arガスが充填されたグローブボックス内へ坩堝10および反応容器20を入れる。この場合、バルブ70は、閉じた状態でガス供給管80から切り離され、バルブ180は、閉じた状態で排気管160から切り離される。
そして、封止部材30を反応容器20から取り外し、Arガス雰囲気中でBiおよびGaを坩堝10に入れる(ステップS1)。この場合、3gのGaを坩堝10内に入れ、モル比率が18mol%になる量のBiを坩堝10内に入れる。なお、Arガスは、水分量が10ppm以下であり、かつ、酸素量が10ppm以下であるArガスである(以下、同じ)。
その後、Arガス雰囲気中で反応容器20に封止部材30,40を取り付けて反応容器20内を封止部材30,40およびバルブ70,150によって封止し、その封止した反応容器20を結晶育成装置100に設置する。
そして、ガス供給管80をバルブ70に連結し、排気管160をバルブ180に連結する。その後、アンモニアガスを坩堝10および反応容器20に供給して略大気圧下でGaN結晶を結晶成長する(ステップS2)。
GaN結晶が結晶成長すると、GaN結晶を熱処理装置300の熱処理容器310に入れ、窒素ガスをガスボンベ350から流量計340を介して熱処理容器310内に供給しながらGaN結晶を熱処理する(ステップS3)。この場合の熱処理条件は、たとえば、900℃、3時間である。このように、GaN結晶の熱処理は、結晶成長温度(=900℃)と同じ温度によって行なわれる。これにより、GaN結晶の製造が終了する。
図6は、図5に示すステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図6を参照して、図5に示すステップS1が終了すると、バルブ70を閉じた状態でバルブ180,200を開け、真空ポンプ210によって反応容器20内に充填されたArガスを排気する。
そして、真空ポンプ210によって反応容器20内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きすると、バルブ180,200を閉じ、バルブ70を開けてガス供給管120,80,60および圧力調整器130を介してガスボンベ140から窒素ガスを反応容器20内に供給する。その後、圧力センサー150によって検出した圧力が0.1MPa(=大気圧)になると、バルブ70を閉じ、バルブ180,200を開けて真空ポンプ210によって反応容器20内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きする。
この反応容器20内の真空引きと反応容器20内への窒素ガスの充填とを数回繰り返し行なった後、反応容器20内が所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きされると、バルブ180,200を閉じ、圧力調整器130の圧力を絞ってガスボンベ140からの窒素ガスの供給を停止し、バルブ70を開けてガス供給管60,80および流量計90を介してガスボンベ110からアンモニアガスを反応容器20内に供給する。
そして、反応容器20内の圧力が0.1MPa(大気圧)になると、バルブ180,190を開け、流量計90によってアンモニアガスの流量を100cc/minに設定する。すなわち、反応容器20内の圧力を略大気圧に保持してアンモニアガスを坩堝10および反応容器20に供給する(ステップS21)。
その後、加熱装置50は、坩堝10を結晶成長温度(=900℃)に加熱する(ステップS22)。そして、坩堝10の温度が272℃以上に昇温されると、混合融液220が坩堝10内で生成される。
坩堝10が結晶成長温度に加熱されると、所定の時間(=数時間)、坩堝10の温度を結晶成長温度に保持する(ステップS23)。これによって、混合融液220が坩堝10の内壁に濡れながら拡がり、坩堝形状からなるGaN結晶230が坩堝10内で作製される。
その後、坩堝10の温度を降温する(ステップS24)。これによって、図5に示すステップS2の詳細な動作が終了する。
上述したように、ステップS23では、所定の時間、坩堝10の温度を結晶成長温度に保持することにより、混合融液220が坩堝10の内壁に濡れながらGaN結晶230が結晶成長するので、ステップS23は、混合融液220が坩堝10の内壁に濡れながらGaN結晶230が結晶成長する工程を構成する。
図7は、図5および図6に示すフローチャートに従って作製したGaN結晶の斜視図である。図7を参照して、GaN結晶230は、底部231と、側壁部232と、縁部233とからなる。底部231は、略円形であり、坩堝10の内径に略等しい外径を有する。側壁部232は、底部231の周囲に接し、底部231に略垂直に配置される。
縁部233は、底部231と反対側の側壁部232の端部に側壁部302の周囲を囲むように形成される。縁部233の内径は、側壁部232の内径に一致し、縁部233の外径は、側壁部232の外径よりも大きい。そして、GaN結晶230は、空洞部234を有する。このように、GaN結晶230は、略坩堝形状からなる外形を有する。
GaN結晶230のX線回折を測定した結果、(110)に配向したGaNのピークと、(110)に配向したBiのピークが観測された。したがって、上述した方法によって作製したGaNは、結晶であり、Biを含む。
GaN結晶230中に含まれるBiは、GaN結晶230を熱処理装置300によって900℃、3時間の熱処理を行なうことによって除かれる。すなわち、GaN結晶230の結晶成長温度(900℃)と同じ温度によってGaN結晶230を熱処理することによってBiをGaN結晶230から除くことができる。
したがって、この発明によるGaN結晶は、Biを含まないGaN結晶またはBiを含むGaN結晶からなる。
その結果、この発明による製造方法は、図5に示すフローチャートのステップS1,S2からなり、または図5に示すフローチャートのステップS1〜S3からなる。
上述したように、実施の形態1においては、BiとGaとを含む混合融液220にアンモニアガスを供給して略大気圧下でGaN結晶を結晶成長させる。このように、窒素原料にアンモニアガスを用いることによって、略大気圧下でGaN結晶を結晶成長させることができる。したがって、1MPa(=10気圧)よりも低い圧力下でGaN結晶を製造できる。
また、BiとGaとを含む混合融液220を用いてGaN結晶を結晶成長させる場合、GaとNHとは、ほぼ100%反応するので、GaN結晶を結晶成長させる時間を数時間に短縮できる。
さらに、BiとGaとを含む混合融液220にアンモニアガスを供給して略大気圧下でGaN結晶を結晶成長させた場合、混合融液220は、坩堝10の内壁に濡れながら拡がるので、坩堝形状を有するGaN結晶を製造できる。
なお、上記においては、窒素原料ガスとしてアンモニアガス(NHガス)を用いると説明したが、この発明においては、これに限らず、窒素原料ガスとして水素ガス(H)と窒素ガス(N)との混合ガスを用いてもよく、一般的には、窒素原料ガスとして水素元素と窒素元素とを含むガスを用いればよい。
そして、窒素原料ガスとして水素ガス(H)と窒素ガス(N)との混合ガスを用いる場合、ガスボンベ110は、水素ベースの窒素ガスを保持する。
また、上記においては、坩堝10は、ボロンナイトライドからなると説明したが、この発明においては、これに限らず、坩堝10は、アルミナ(Al)からなっていてもよい。
さらに、上記においては、GaN結晶230は、坩堝形状からなると説明したが、これは、GaN結晶230を坩堝10内で結晶成長させたからであり、GaN結晶230は、一般に、結晶成長に用いられる容器の形状に依存した形状からなる。
したがって、略平板状の容器を用いてGaN結晶230を結晶成長させた場合、GaN結晶230は、略平板形状からなる。そして、この平板形状のGaN結晶230は、Biを含み、このGaN結晶230のX線回折のスペクトルは、(110)に配向したGaNのピークと、(110)に配向したBiのピークを示す。また、この平板形状のGaN結晶230は、熱処理装置300を用いた900℃、3時間の熱処理によってBiを含まなくなる。
なお、ガス供給管60,80、バルブ70、流量計90およびガスボンベ110は、「ガス供給装置」を構成する。
[実施の形態2]
図8は、実施の形態2による結晶成長装置の概略断面図である。図8を参照して、実施の形態2による結晶成長装置1100は、結晶育成装置100Aからなる。結晶育成装置100Aは、図1に示す結晶育成装置100の坩堝10、ガス供給管60、流量計90およびガスボンベ110をそれぞれ坩堝240、ガス供給管250、圧力調整器260およびガスボンベ270に代え、温度センサー280および制御装置290を追加したものであり、その他は、結晶育成装置100と同じである。
結晶育成装置100Aにおいては、圧力センサー150は、検出した反応容器20内の圧力Prを制御装置290へ出力する。
坩堝240は、実施の形態1における結晶成長装置1000を用いて作製したGaN結晶230からなる。ガス供給管250は、一方端が封止部材30を介してバルブ70に連結される。圧力調整器260は、ガスボンベ270の近傍でガス供給管80に装着される。ガスボンベ270は、ガス供給管80の他方端に連結される。温度センサー280は、反応容器20と加熱装置50との間に配置される。
坩堝240は、リチウム(Li)とGaとを含む混合融液220Aを保持する。ガス供給管250は、ガス供給管80、バルブ70および圧力調整器260を介してガスボンベ270から供給された窒素ガスを反応容器20内に供給する。圧力調整器260は、ガスボンベ270からの窒素ガスの圧力を調整してガス供給管80に供給する。ガスボンベ270は、窒素ガスを保持し、その保持した窒素ガスをガス供給管80に供給する。
温度センサー280は、反応容器20の温度T1を検出し、その検出した温度T1を制御装置290へ出力する。制御装置290は、圧力センサー150から圧力Prを受け、温度センサー280から温度T1を受ける。そして、制御装置290は、圧力Prおよび温度T1に基づいて、坩堝240および反応容器20の温度を制御するための制御信号CTLを生成して加熱装置50へ出力する。
より具体的には、制御装置290は、圧力Prが0.303MPaに達すると、坩堝240および反応容器20を加熱し始めるための制御信号CTL1(制御信号CTLの一種)を生成して加熱装置50へ出力する。また、制御装置290は、温度センサー280からの温度T1が結晶溶解温度(=800℃)に昇温されると、坩堝240および反応容器20の温度を結晶溶解温度(=800℃)に一定時間保持するための制御信号CTL2(制御信号CTLの一種)を生成して加熱装置へ出力する。さらに、制御装置290は、一定時間が経過すると、反応容器20および坩堝240の温度を800℃から700℃まで1℃/時間の割合で降温するための制御信号CTL3(制御信号CTLの一種)を生成して加熱装置50に出力する。
なお、結晶育成装置100Aにおいては、加熱装置50は、制御装置290からの制御信号CTLに基づいて坩堝240および反応容器20を加熱する。
図9は、坩堝10および反応容器20の温度の実施の形態2におけるタイミングチャートである。また、図10は、図9に示す2つのタイミングt4,t7間における坩堝240および反応容器20内の状態を示す模式図である。さらに、図11は、図9に示すタイミングt7における坩堝240および反応容器20内の状態を示す模式図である。なお、図9において、直線k2は、坩堝240および反応容器20の温度を示す。
図9を参照して、加熱装置50は、直線k2に従って温度が上昇し、かつ、800℃に一定時間保持され、さらに、800℃から700℃まで徐々に降温されるように坩堝240および反応容器20を加熱する。加熱装置50が坩堝240および反応容器20を加熱し始めると、坩堝240および反応容器20の温度は、上昇し始め、タイミングt4において180℃に達し、タイミングt5で800℃に達する。そうすると、Gaの融点は、38℃であり、Liの融点は、180℃であるので、坩堝240内に保持されたLiおよびGaは溶け、混合融液220Aになる。
また、加熱装置50が坩堝240および反応容器20を加熱し始めると、圧力調整器260は、反応容器20内の圧力Prが0.303MPaになるように、バルブ180が閉じられた状態でガスボンベ270からの窒素ガスをガス供給管80,250およびバルブ70を介して反応容器20に充填する。そして、反応容器20内の圧力Prが0.303MPaになると、バルブ70が閉じられる。したがって、坩堝240および反応容器20が180℃以上に加熱されるタイミングt4以降、窒素ガス3が反応容器20内に閉じ込められた状態となる。
そして、タイミングt5以降、坩堝240および反応容器20の温度は、一定時間、800℃に保持され、タイミングt5からタイミングt6までの間、坩堝240を構成するGaN結晶は、混合融液220A中の窒素濃度またはGa(x,yは実数)の濃度が飽和濃度または過飽和になるまで溶解される。その後、タイミングt6以降、坩堝240および反応容器20の温度は、1℃/時間の割合で徐々に降温され、タイミングt7で700℃になる。坩堝240および反応容器20の温度が800℃から700℃に降温される間、混合融液220Aに溶解しているGaのうち、過飽和となったGaがGaN結晶として坩堝240内で結晶成長する(図10参照)。
なお、以下においては、Gaを「III族窒化物」と言い、Gaの濃度を「III族窒化物濃度」と言う。
このように、混合融液220AがLiを含む場合、坩堝240を構成するGaN結晶が溶け、窒素4が坩堝240の底面および側面から混合融液220A中へ溶ける。この場合、反応容器20内の窒素圧力が混合融液220A中の窒素の平衡蒸気圧よりも低いと、混合融液220A中の窒素4は、容器空間22へ抜ける。この窒素4の容器空間22への抜けを防止するために、この発明においては、反応容器20内の圧力Prを0.303MPaに加圧している。
混合融液220A中の窒素濃度またはIII族窒化物濃度は、坩堝240の底面または側面の近傍で過飽和になり易く、GaN結晶が坩堝240の底面または側面から成長し始める。
その後、100時間が経過すると、GaN結晶400が坩堝240内で生成される(図11参照)。
上述したように、実施の形態2においては、大気圧よりも高く、かつ、1MPaよりも低い圧力下でGaN結晶の結晶成長が行なわれるが、この1MPaよりも低い圧力は、GaN結晶を量産する設備を簡易な設備にできる圧力である。1MPa以上の圧力下でGaN結晶を量産する場合、高圧ガス保安法に基づく設備が必要であり、GaN結晶を量産する設備が大掛かりになるが、実施の形態2によるGaN結晶の製造方法によれば、1MPaよりも低い圧力下でGaN結晶を量産できるので、GaN結晶を量産する設備を簡易な設備にできる。
したがって、この1MPaの圧力は、大掛かりな設備が必要であるか不要であるかの基準となる圧力であるので、「基準圧力」を構成する。
図12は、GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。図12を参照して、一連の動作が開始されると、Arガスが充填されたグローブボックス内へ坩堝240および反応容器20を入れる。この場合、バルブ70は、閉じた状態でガス供給管80から切り離され、バルブ180は、閉じた状態で排気管160から切り離される。
そして、封止部材30を反応容器20から取り外し、Arガス雰囲気中でLiおよびGaを坩堝240に入れる(ステップS11)。この場合、LiとGaとを1:1のモル比率で坩堝240に入れる。
その後、Arガス雰囲気中で反応容器20に封止部材30,40を取り付けて反応容器20内を封止部材30,40およびバルブ70,180によって封止し、その封止した反応容器20を結晶育成装置100Aに設置する。
そして、ガス供給管80をバルブ70に連結し、排気管160をバルブ180に連結する。その後、バルブ70を閉じた状態でバルブ180,200を開け、真空ポンプ210によって反応容器20内に充填されたArガスを排気する。
そして、真空ポンプ210によって反応容器20内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きすると、バルブ180,200を閉じ、バルブ70を開けてガス供給管80,250および圧力調整器260を介してガスボンベ270から窒素ガスを反応容器20内に供給する。この場合、圧力センサー150によって検出した圧力が0.1MPa(=大気圧)になると、バルブ70を閉じ、バルブ180,200を開けて真空ポンプ210によって反応容器20内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きする。
この反応容器20内の真空引きと反応容器20内への窒素ガスの充填とを数回繰り返し行なった後、反応容器20内が所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きされると、バルブ180,200を閉じ、バルブ70を開けてガス供給管20,250および圧力調整器260を介してガスボンベ270から窒素ガスを反応容器20内に供給する。そして、反応容器20内の圧力Prが0.303MPaになるまで、窒素が反応容器20に供給される。すなわち、反応容器20内の圧力Prが大気圧よりも高く、かつ、基準圧力(=1MPa)よりも低くなるように窒素ガスが反応容器20および坩堝240に供給される。そして、反応容器20内の圧力Prが0.303MPaになると、バルブ70が閉じられ、窒素ガスが反応容器20内に閉じ込められる。つまり、窒素ガスが反応容器20内に封止される(ステップS12)。
制御装置290は、反応容器20内の圧力Prが0.303MPaになると、反応容器20および坩堝240の加熱を開始するための制御信号CTL1を生成して加熱装置50へ出力する。
そうすると、加熱装置50は、制御装置290からの制御信号CTL1に応じて、反応容器20および坩堝240を坩堝240内壁のGaN結晶を溶解させる結晶溶解温度(=800℃)に加熱する(ステップS13)。そして、制御装置290は、温度センサー280からの温度T1が結晶溶解温度(=800℃)に昇温されと、坩堝240および反応容器20の温度を結晶溶解温度(=800℃)に一定時間保持するための制御信号CTL2を生成して加熱装置50へ出力する。
加熱装置50は、制御信号CTL2に応じて、反応容器20および坩堝240の温度を結晶溶解温度(=800℃)に一定時間保持する(ステップS14)。これにより、坩堝240を構成するGaN結晶が溶解し、混合融液220A中の窒素濃度またはGaの濃度が飽和濃度または過飽和になる。そして、一定時間が経過すると、制御装置290は、反応容器20および坩堝270の温度を800℃から700℃まで1℃/時間の割合で降温するための制御信号CTL3を生成して加熱装置50に出力する。
そうすると、加熱装置50は、制御信号CTL3に応じて、タイミングt6からタイミングt7までの間、1℃/時間の割合で反応容器20および坩堝240の温度を800℃から700℃まで降温する。すなわち、GaN結晶の結晶成長時間にわたって反応容器20および坩堝240の温度を結晶溶解温度から一定割合で降温する(ステップS15)。これにより、GaN結晶400が坩堝240中で製造される。
そして、ステップS15の後、反応容器20および坩堝240の温度が室温まで冷却され、GaN結晶の製造が終了する。
上述したように、ステップS14では、反応容器20および坩堝240の温度を800℃に一定時間保持して坩堝240を構成するGaN結晶を溶解するので、ステップS14は、坩堝240を構成するGaN結晶を溶解する工程を構成する。
また、ステップS15では、反応容器20および坩堝240の温度を800℃から700℃まで一定割合で降温してGaN結晶400を結晶成長させるので、ステップS15は、GaN結晶400を結晶成長させる工程を構成する。
図12に示すフローチャートに従って製造されたGaN結晶は、柱状形状を有するとともに、X線回折において、26arcsecの半値幅を有するロッキングカーブが得られた。この半値幅の小ささから、製造されたGaN結晶は、単結晶のGaN結晶として極めて高品質であることが判る。
上述したように、実施の形態2においては、GaN結晶からなる坩堝240にLiとGaとを含む混合融液220Aを入れてGaN結晶を結晶成長する。この場合、混合融液220Aは、Liを含むので、坩堝240を構成するGaN結晶が混合融液220A中に溶ける。そして、反応容器20内の容器空間22は、0.303MPaに加圧されているため、混合融液220A中へ溶けた窒素は、容器空間22へ抜けず、混合融液220A中に留まる。その状態が一定時間経過して、混合融液220A中の窒素濃度またはGaの濃度が飽和濃度になるまで、または混合融液220A中の窒素またはGaが過飽和になるまで坩堝240を構成するGaN結晶は、混合融液220A中へ溶け、さらに、その後、混合融液220Aの温度が低下することで混合融液220A中のGaが過飽和になり、GaN結晶の結晶成長が開始する。
このように、反応容器20内の圧力は、容器空間22に存在する窒素ガスを混合融液220A中へ溶け込ますために大気圧よりも高い圧力に設定されるのではなく、坩堝240から混合融液220A中へ溶け出た窒素4が容器空間22へ抜けるのを防止するために大気圧よりも高い圧力に設定されるので、反応容器20内の圧力が1MPaよりも低い0.303MPaであっても、坩堝240内でGaN結晶を結晶成長できる。
したがって、坩堝240から混合融液220A中へ溶け出た窒素4が容器空間22へ抜けるのを防止する目的だけであれば、窒素ガス3の代わりにArガス等の不活性ガスを用いてもよい。
反応容器20内に供給するガスとして窒素ガス3を用いた場合、坩堝240から混合融液220A中へ溶け出た窒素4が容器空間22へ抜けるのを防止するためと、混合融液220A中の窒素濃度またはIII族窒化物濃度を相対的に高くするためとに窒素ガス3を用いてよい。この場合、反応容器20内の圧力は、大気圧と1MPaの圧力との間において相対的に高い圧力(たとえば、0.505MPa)に設定される。
実施の形態2によれば、GaN結晶からなる坩堝240中に、GaN結晶を溶かすLiとGaとを含む混合融液220Aを入れて混合融液220A中から窒素が抜け出すのを防止する圧力下でGaN結晶を結晶成長するので、1MPaよりも低い圧力下でGaN結晶を結晶成長できる。
そして、実施の形態2によってGaN結晶を製造するには、坩堝形状からなるGaN結晶が必要であるので、実施の形態1によるGaN結晶230は、1MPaよりも低い圧力下でGaN結晶を結晶成長させるために必要不可欠なものである。
なお、ガス供給管80,250、バルブ70、圧力調整器290およびガスボンベ270は、「ガス供給装置」を構成する。
また、温度センサー280および制御装置290は、「温度制御装置」を構成する。
[実施の形態3]
図13は、実施の形態3による結晶成長装置の概略断面図である。図13を参照して、実施の形態3による結晶成長装置1200は、図1に示す結晶成長装置1000の結晶育成装置100を結晶育成装置100Bに代えたものであり、その他は、結晶成長装置1000と同じである。
結晶育成装置100Bは、図1に示す結晶育成装置100に温度センサー280および制御装置290を追加したものであり、その他は、結晶育成装置100と同じである。
温度センサー280および制御装置290については、実施の形態2において説明したとおりである。
図14は、坩堝10(または坩堝270)および反応容器20の温度の実施の形態3におけるタイミングチャートである。実施の形態3においては、坩堝10および反応容器20の温度が直線k1に従って900℃に昇温され、かつ、900℃に保持されて坩堝形状からなるGaN結晶230が結晶成長され、その後、GaN結晶230からなる坩堝240および反応容器20の温度が直線k2に従って800℃に昇温され、かつ、800℃に一定時間保持され、さらに、800℃から700℃まで徐々に降温されてGaN結晶400が結晶成長される。
なお、実施の形態3においては、GaN結晶230からなる坩堝240を「結晶坩堝」と言う。
図15は、GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態3におけるフローチャートである。図15を参照して、一連の動作が開始されると、GaN結晶からなる結晶坩堝を作製する(ステップS31)。その後、作製した結晶坩堝を用いてGaN結晶を結晶成長する(ステップS32)。これによって、一連の動作が終了する。
図16は、図15に示すステップS31の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図16に示すステップS311は、図5に示すステップS1と同じであり、図16に示すステップS312,S313は、それぞれ、図5に示すステップS2,S3におけるGaN結晶(窒化ガリウム結晶)を結晶坩堝に読み替えたものに等しい。
したがって、図15に示すステップS31の詳細な動作は、実質的に、図5に示すステップS1〜S3に従って実行される。そして、図16に示すステップS312の詳細な動作は、図6に示すステップS21〜S24に従って実行される。
また、図15に示すステップS32の詳細な動作は、図12に示すステップS11〜S15に従って実行される。
このように、実施の形態3においては、BiとGaとを含む混合融液220にアンモニアガスを供給して略大気圧下で坩堝形状のGaN結晶230を作製し、その作製したGaN結晶230からなる坩堝240によってLiとGaとを含む混合融液220Aを保持して0.303MPaの圧力下でGaN結晶400を結晶成長することを特徴とする。
この特徴によって略大気圧から1MPaまでの間の圧力下でGaN結晶を製造できる。
なお、上記においては、Arガス雰囲気中でBiおよびGaを坩堝10に入れ、Arガス雰囲気中でLiおよびGaを坩堝240に入れると説明したが、この発明においては、これに限らず、He、NeおよびKr等のArガス以外のガスまたは窒素ガス雰囲気中でBiおよびGaを坩堝10に入れ、LiおよびGaを坩堝240に入れてもよく、一般的には、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中でBiおよびGaを坩堝10に入れ、LiおよびGaを坩堝240に入れればよい。そして、この場合、不活性ガスまたは窒素ガスは、水分量が10ppm以下であり、かつ、酸素量が10ppm以下である。
そして、この発明による結晶成長装置または製造方法を用いて製造したGaN結晶は、発光ダイオード、半導体レーザ、フォトダイオードおよびトランジスタ等のGaN結晶を用いた半導体デバイスの作製に用いられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、基準圧力よりも低い圧力下で窒化ガリウム結晶を結晶成長する結晶成長装置に適用される。また、この発明は、基準圧力よりも低い圧力下で窒化ガリウム結晶を製造する製造方法に適用される。さらに、この発明は、1基準圧力よりも低い圧力下で窒化ガリウム結晶を結晶成長させるための坩堝形状からなる窒化ガリウム結晶に適用される。
この発明の実施の形態1による結晶成長装置の概略断面図である。 坩堝および反応容器の温度の実施の形態1におけるタイミングチャートである。 図2に示す2つのタイミングt1,t3間における坩堝および反応容器内の状態を示す模式図である。 図2に示すタイミングt3における坩堝および反応容器内の状態を示す模式図である。 GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。 図5に示すステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図5および図6に示すフローチャートに従って作製したGaN結晶の斜視図である。 実施の形態2による結晶成長装置の概略断面図である。 坩堝および反応容器の温度の実施の形態2におけるタイミングチャートである。 図9に示す2つのタイミングt4,t7間における坩堝および反応容器内の状態を示す模式図である。 図9に示すタイミングt7における坩堝および反応容器内の状態を示す模式図である。 GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。 実施の形態3による結晶成長装置の概略断面図である。 坩堝および反応容器の温度の実施の形態3におけるタイミングチャートである。 GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態3におけるフローチャートである。 図15に示すステップS31の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 アンモニアガス、2 気液界面、3 窒素ガス、4 窒素、10,240 坩堝、11,22 容器空間、20 反応容器、21 外周面、30,40 封止部材、50,320 加熱装置、60,80,250,330 ガス供給管、61 一方端、70,180,190,200 バルブ、90,340 流量計、100,100A,100B 結晶育成装置、110,140,270 ガスボンベ、130,260 圧力調整器、150 圧力センサー、160,170,360 排気管、210 真空ポンプ、220,220A 混合融液、221 金属融液、230,400 GaN結晶、231 底部、232 側壁部、233 縁部、234 空洞部、280 温度センサー、290 制御装置、300 熱処理装置、310 熱処理容器、1000,1100,1200 結晶成長装置。

Claims (29)

  1. ビスマスとガリウムとを含む混合融液を保持する坩堝と前記坩堝が内部に配置された反応容器とを備える結晶成長装置を用いて窒化ガリウム結晶を製造する製造方法であって、
    不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で前記ビスマスと前記ガリウムとを前記坩堝に入れる第1の工程と、
    窒素元素と水素元素とを含む窒素原料ガスを前記反応容器および前記坩堝に供給して略大気圧下で前記窒化ガリウム結晶を結晶成長させる第2の工程と
    前記結晶成長された窒化ガリウム結晶を熱処理する第3の工程とを備え
    前記第3の工程は、前記窒化ガリウム結晶を結晶成長するときの温度と同じ温度で前記窒化ガリウム結晶を熱処理する製造方法。
  2. 前記第2の工程は、
    前記反応容器内の圧力を前記略大気圧に保持して前記窒素原料ガスを前記反応容器および前記坩堝に供給する第1のサブ工程と、
    前記坩堝を結晶成長温度に加熱する第2のサブ工程と、
    所定の時間、前記坩堝の温度を前記結晶成長温度に保持する第3のサブ工程とを含む、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記第2の工程は、
    前記反応容器内の圧力を前記略大気圧に保持して前記窒素原料ガスを前記反応容器および前記坩堝に供給する第1のサブ工程と、
    前記坩堝を結晶成長温度に加熱する第2のサブ工程と、
    前記混合融液が前記坩堝に濡れながら前記窒化ガリウム結晶が結晶成長する第3のサブ工程とを含む、請求項に記載の製造方法。
  4. 前記第1のサブ工程は、前記窒素原料ガスを前記混合融液に接する容器空間へ供給する、請求項または請求項に記載の製造方法。
  5. 前記窒素原料ガスは、アンモニアガスである、請求項から請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記窒素原料ガスは、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスである、請求項から請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 窒化ガリウム結晶からなる坩堝と前記坩堝が内部に配置された反応容器とを備える結晶成長装置を用いて窒化ガリウム結晶を製造する製造方法であって、
    不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中でリチウムとガリウムとを前記坩堝に入れる第1の工程と、
    前記反応容器内の圧力が大気圧よりも高く、かつ、1MPaより低くなるように窒素原料ガスを前記反応容器および前記坩堝に供給する第2の工程と、
    前記坩堝を結晶溶解温度に加熱する第3の工程と、
    前記第3の工程の後、前記坩堝の温度を前記結晶溶解温度から徐々に降温する第4の工程とを備える製造方法。
  8. 前記第2の工程は、前記窒素原料ガスを前記反応容器内に封止する、請求項に記載の製造方法。
  9. 前記第4の工程は、前記窒化ガリウム結晶の結晶成長時間にわたって前記坩堝の温度を降温する、請求項または請求項に記載の製造方法。
  10. 前記第4の工程は、一定の割合で前記坩堝の温度を降温する、請求項から請求項のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 反応容器と前記反応容器内に配置された坩堝とを備える結晶成長装置を用いて窒化ガリウム結晶を製造する製造方法であって、
    窒化ガリウム結晶からなる結晶坩堝を作製する第1の工程と、
    前記作製された結晶坩堝を前記坩堝として用いて略大気圧から1MPaまでの間の圧力下で窒化ガリウム結晶を結晶成長させる第2の工程とを備える製造方法。
  12. 前記第1の工程は、
    不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中でビスマスとガリウムとを前記坩堝に入れる第1のサブ工程と、
    窒素元素と水素元素とを含む窒素原料ガスを前記反応容器および前記坩堝に供給して略大気圧下で前記結晶坩堝を作製する第2のサブ工程とを含む、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記第1の工程は、前記作製された結晶坩堝を熱処理する第3のサブ工程をさらに含
    前記第3のサブ工程は、前記結晶坩堝を作製するときの温度と同じ温度で前記結晶坩堝を熱処理する、請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記第2のサブ工程は、
    前記反応容器内の圧力を前記略大気圧に保持して前記窒素原料ガスを前記反応容器および前記坩堝に供給する工程Aと、
    前記坩堝を結晶成長温度に加熱する工程Bと、
    所定の時間、前記坩堝の温度を前記結晶成長温度に保持する工程Cとを含む、請求項12または請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記工程Aは、前記窒素原料ガスを前記混合融液に接する容器空間へ供給する、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記窒素原料ガスは、アンモニアガスである、請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 前記窒素原料ガスは、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスである、請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 前記第2の工程は、
    不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中でリチウムとガリウムとを前記結晶坩堝に入れる第4のサブ工程と、
    前記反応容器内の圧力が大気圧よりも高く、かつ、1MPaより低くなるように窒素原料ガスを前記反応容器および前記坩堝に供給する第5のサブ工程と、
    前記坩堝を結晶溶解温度に加熱する第6のサブ工程と、
    前記第5のサブ工程の後、前記坩堝の温度を前記結晶溶解温度から徐々に降温する第7のサブ工程とを含む、請求項11から請求項17のいずれか1項に記載の製造方法。
  19. 前記第5のサブ工程は、前記窒素原料ガスを前記反応容器内に封止する、請求項18に記載の製造方法。
  20. 前記第7のサブ工程は、前記窒化ガリウム結晶の結晶成長時間にわたって前記結晶坩堝の温度を降温する、請求項18または請求項19に記載の製造方法。
  21. 前記第7のサブ工程は、一定の割合で前記坩堝の温度を降温する、請求項18から請求項20のいずれか1項に記載の製造方法。
  22. ビスマスとガリウムとを含む混合融液を保持する坩堝と、
    前記坩堝が内部に配置された反応容器と、
    窒素元素と水素元素とを含む窒素原料ガスを前記反応容器内に供給するガス供給装置と、
    前記混合融液を結晶成長温度に加熱する加熱装置と
    結晶成長された窒化ガリウム結晶を熱処理する熱処理装置とを備える結晶成長装置。
  23. 前記ガス供給装置は、前記混合融液に接する容器空間へ前記窒素原料ガスを供給する、請求項22に記載の結晶成長装置。
  24. 前記ガス供給装置は、アンモニアガスを前記容器空間へ供給する、請求項23に記載の結晶成長装置。
  25. 前記ガス供給装置は、窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを前記容器空間へ供給する、請求項23に記載の結晶成長装置。
  26. 前記熱処理装置は、前記窒化ガリウム結晶の結晶成長温度と同じ温度で前記窒化ガリウム結晶を熱処理する、請求項22から請求項25のいずれか1項に記載の結晶成長装置。
  27. 窒化ガリウム結晶からなり、リチウムとガリウムとを含む混合融液を保持する坩堝と、
    前記坩堝が内部に配置された反応容器と、
    前記反応容器内の圧力が大気圧よりも高く、かつ、1MPaよりも低い圧力になるように窒素原料ガスを供給するガス供給装置と、
    前記混合融液の温度を結晶溶解温度に加熱するとともに、前記混合融液の温度を前記結晶溶解温度から徐々に降温する温度制御装置とを備える結晶成長装置。
  28. 前記温度制御装置は、前記窒化ガリウム結晶の結晶成長時間にわたって前記混合融液の温度を降温する、請求項27に記載の結晶成長装置。
  29. 前記温度制御装置は、一定の割合で前記混合融液の温度を降温する、請求項27または請求項28に記載の結晶成長装置。
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