JP4426238B2 - Iii族窒化物の結晶製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、III族窒化物の結晶製造方法に関する。
現在、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN系(III族窒化物)デバイスは、その殆どがサファイアあるいはSiC基板上に、MO−CVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製されている。サファイアやSiCを基板として用いた場合の問題点としては、III族窒化物との熱膨張係数差や格子定数差が大きいことに起因する結晶欠陥が多くなることが挙げられる。このために、デバイス特性が悪く、例えば発光デバイスの寿命を長くすることが困難であったり、動作電力が大きくなったりするという欠点につながっている。
更に、サファイア基板の場合には絶縁性であるために、従来の発光デバイスのように基板側からの電極取り出しが不可能であり、結晶成長した窒化物半導体表面側からの電極取り出しが必要となる。その結果、デバイス面積が大きくなり、高コストにつながるという問題点がある。また、サファイア基板上に作製したIII族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)で必要とされる共振器端面を劈開で得ることが容易ではない。このため、現在はドライエッチングによる共振器端面形成や、あるいはサファイア基板を100μm以下の厚さまで研磨した後に、劈開に近い形での共振器端面形成を行っている。この場合にも、従来のLDのような共振器端面とチップ分離を単一工程で容易に行うことが不可能であり、工程の複雑化ひいてはコスト高につながる。
これらの問題を解決するために、サファイア基板上にIII族窒化物半導体膜を選択横方向成長やその他の工夫を行うことで、結晶欠陥を低減させることが提案されている。この手法では、サファイア基板上にGaN膜を選択横方向成長しない場合に比較して、結晶欠陥を低減させることが可能となっているが、サファイア基板を用いることに依る、絶縁性と劈開に関する前述の問題は依然として残っている。更には、工程が複雑化すること、及びサファイア基板とGaN薄膜という異種材料の組み合わせに伴う基板の反りという問題が生じる。これらは高コスト化につながっている。
こうした問題を解決するためには、基板上に結晶成長する材料と同一であるGaN基板が最も適切である。そのため、気相成長,融液成長等によりバルクGaNの結晶成長の研究がなされている。しかし、未だ高品質で且つ実用的な大きさを有するGaN基板は実現されていない。
GaN基板を実現する一つの手法として、非特許文献1では、Naをフラックスとして用いたGaN結晶製造方法が提案されている。この方法はアジ化ナトリウム(NaN)と金属Gaを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶が成長するものである(従来技術1)。
この従来技術1の場合には、600〜800℃と比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm程度と比較的圧力が低く、実用的な成長条件であることが特徴である。しかし、この方法の問題点としては、得られる結晶の大きさが1mmに満たない程度に小さい点である。
これまで本願の発明者らは、上述した従来技術1を改善するために、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液からIII族窒化物を結晶成長させる種々の発明を案出している。
例えば特許文献1には、III族窒化物結晶の大きさを大きくするために、III族窒化物結晶の結晶成長時に、窒素原料ガスとIII族金属を追加補充する方法が示されている。すなわち、この方法では、図6に示すように、反応容器101内に成長容器102を設置し、III族金属供給管103と窒素供給管108を設け、III族金属供給管103と窒素供給管108に外部から圧力をかけ、フラックスの収容された反応容器102にIII族金属104と窒素原料を追加補給するようになっている(従来技術2)。
また、例えば特許文献2には、融液中のアルカリ金属が蒸発し窒素導入管に凝集して窒素導入管を塞ぐのを防止する方法が示されている。すなわち、この方法では、図7に示すように、融液表面209より上部の温度を融液温度よりも高くして、アルカリ金属が窒素供給管204内に凝集しないようにしたり、窒素供給管204を加熱して窒素供給管204に凝集させないようにしている(従来技術3)。
Chemistry of Materials Vol.9 (1997) 413−416 特開2001−058900号公報 特開2002−128586号公報
従来技術1では、反応容器が完全に閉じた系であり、外部から原料を補充する事ができない。そのため、結晶成長中に原料が枯渇し、結晶成長が停止するので、得られる結晶の大きさは1mm程度と小さい。この程度の大きさではデバイスを実用化するには小さすぎる。
これに対し、従来技術2,従来技術3では、原料の追加補給を結晶成長の途中で行うので、大型結晶を作製する事が可能であるが、従来技術2では、成長容器102内のアルカリ金属が蒸発し、低温部に気相輸送されて、そこに凝集するため、温度の低いIII族金属供給管103や窒素導入管108に付着し、供給管を詰まらせてしまう場合があった。
また、従来技術3では、融液表面209より上部の温度を融液温度よりも高くしたり、窒素供給管204を加熱したりして、窒素供給管204内でのアルカリ金属の凝集を抑制しているが、さらに低温部である圧力調整機構部205にはわずかながらアルカリ金属の凝集があった。そのため、長時間結晶成長を行なうと、融液が保持された容器201内のアルカリ金属が無くなってしまい、さらに大型の結晶を成長することができなくなる場合があった。
本発明は、これらの問題点を解決し、従来以上の大きさの高品質なIII族窒化物結晶を成長させることが可能なIII族窒化物の結晶製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、溶液保持容器内に保持された、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液から、III族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物の結晶製造方法において、前記融液に対して気相から窒素原料ガスを供給するガス導入管を前記溶液保持容器の開口部より上側に配置し、結晶成長中に溶液保持容器から蒸発したアルカリ金属を前記ガス導入管部分で温度が下がるよう温度分布を持たせて液体状態で凝集し、凝集したアルカリ金属で隔てられたガス供給側の空間と溶液保持容器側の空間の圧力差によってアルカリ金属が溶液保持容器内に戻されて結晶成長が行なわれる事を特徴としている。
また、請求項記載の発明は、請求項記載のIII族窒化物の結晶製造方法において、凝集したアルカリ金属で隔てられた窒素原料供給側の空間と溶液保持容器側の空間との圧力差によって、凝集したアルカリ金属と窒素原料ガスが溶液保持容器内に導入されて、結晶成長が行なわれる事を特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、溶液保持容器内に保持された、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液から、III族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物の結晶製造方法において、前記融液表面をIII族窒化物結晶で覆った後に、前記融液表面を覆ったIII族窒化物結晶の一部を前記融液中に溶解して、再析出させることにより結晶成長させる事を特徴としている。
求項1記載の発明によれば、溶液保持容器内に保持された、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液から、III族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物の結晶製造方法において、前記融液に対して気相から窒素原料ガスを供給するガス導入管を前記溶液保持容器の開口部より上側に配置し、結晶成長中に溶液保持容器から蒸発したアルカリ金属を前記ガス導入管部分で温度が下がるよう温度分布を持たせて液体状態で凝集し、凝集したアルカリ金属で隔てられたガス供給側の空間と溶液保持容器側の空間の圧力差によってアルカリ金属が溶液保持容器内に戻されて結晶成長が行なわれるので、アルカリ金属が枯渇することなく、III族窒化物の結晶成長を継続する事ができ、その結果、従来以上に実用的な大きさの高品質のIII族窒化物結晶を成長することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、請求項記載のIII族窒化物の結晶製造方法において、凝集したアルカリ金属で隔てられた窒素原料供給側の空間と溶液保持容器側の空間との圧力差によって、凝集したアルカリ金属と窒素原料ガスが溶液保持容器内に導入されて、結晶成長が行なわれるので、アルカリ金属が枯渇することなく、かつIII族窒化物の生成に消費された窒素が補給され、これにより、III族窒化物の結晶成長を継続する事ができ、その結果、従来以上に実用的な大きさの高品質のIII族窒化物結晶を成長することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、溶液保持容器内に保持された、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液から、III族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物の結晶製造方法において、前記融液表面をIII族窒化物結晶で覆った後に、前記融液表面を覆ったIII族窒化物結晶の一部を前記融液中に溶解して、再析出させることにより結晶成長させるので、融液を密閉することができ、その結果、アルカリ金属が枯渇することなく、III族窒化物の結晶成長を継続する事ができ、従来以上に実用的な大きさの高品質のIII族窒化物結晶を成長することができる。
また、本発明によれば、融液表面をIII族窒化物結晶で覆う工程と、それを溶解し、再度結晶成長する工程とを連続して行なうことができるため、原料III族窒化物を汚染することがなく、高純度の結晶を作製することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(第1の形態)
本発明の第1の形態は、溶液保持容器内に保持された、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液から、III族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物の結晶製造方法において、前記融液に対して気相から窒素原料ガスを供給するガス導入管を前記溶液保持容器の開口部より上側に配置し、結晶成長中に溶液保持容器から蒸発したアルカリ金属を前記ガス導入管部分で温度が下がるよう温度分布を持たせて液体状態で凝集し、凝集したアルカリ金属で隔てられたガス供給側の空間と溶液保持容器側の空間の圧力差によってアルカリ金属が溶液保持容器内に戻されて結晶成長が行なわれる事を特徴としている。
本発明の結晶製造方法では、アルカリ金属とIII族金属と窒素とが溶解した融液中で、III族金属と窒素とが反応し、III族金属と窒素とからなるIII族窒化物が結晶成長する。
ところで、この第1の形態では、溶液保持容器へガスを導入するためのガス導入管に溶液保持容器から蒸発したアルカリ金属が液体状態で凝集する。
そして、ガス導入管が凝集したアルカリ金属でふさがれると、ガス供給管内部は凝集したアルカリ金属で隔てられたガス供給側の空間と溶液保持容器側の空間に分断される。このとき、ガス供給側の空間の圧力を溶液保持容器側の空間の圧力よりも大きくすると、その圧力差によって、アルカリ金属が溶液保持容器へ戻される。
このようにして、溶液保持容器から蒸発したアルカリ金属は、再び溶液保持容器内に戻され、溶液保持容器内にはアルカリ金属が保持されるので、結晶成長を継続することができる。
なお、本発明において、ガス供給管から供給されるガスは、結晶成長を阻害するものでなければ使用することができ、特に限定されるものではない。例えば、Arガスのような不活性ガスや、窒素ガス等が使用できる。
また、本発明において、III族窒化物とは、ガリウム、アルミニウム、インジウム、ボロンから選ばれる一種類あるいは複数の種類のIII族金属と窒素との化合物を意味する。
また、アルカリ金属としては、通常、Na(ナトリウム)やK(カリウム)が使用されるが、その他のアルカリ金属を使用する事もできる。
また、III族金属の原料は、特に限定されるものではなく、III族金属単体、III族窒化物、III族元素を構成元素とする物質、その他、適宜使用することができる。
また、窒素の原料は、特に限定されるものではなく、窒素を構成元素に含む物質が使用できる。
また、窒素化合物を融液中に溶解させてもよいし、気体として気相から融液中に溶解させても良い。
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、第1の形態のIII族窒化物の結晶製造方法において、凝集したアルカリ金属で隔てられた窒素原料供給側の空間と溶液保持容器側の空間との圧力差によって、凝集したアルカリ金属と窒素原料ガスが溶液保持容器内に導入され、結晶成長が行われる事を特徴としている。
この第2の形態では、ガス導入管から供給するガスとして、窒素原料ガスを使用している。
このため、溶液保持容器から蒸発したアルカリ金属を再び溶液保持容器に戻すことができるとともに、結晶成長中に消費された窒素原料を補充することができる。
また、窒素原料ガス供給側の空間に常に所定の圧力をかけておくことで、結晶成長によって溶液保持容器側の圧力が下がると、圧力差が生じ、自動的にアルカリ金属と窒素原料が溶液保持容器側に導入されるようにすることができる。
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、溶液保持容器内に保持された、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液から、III族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物の結晶製造方法において、前記融液表面をIII族窒化物結晶で覆った後に、前記融液表面を覆ったIII族窒化物結晶の一部を前記融液中に溶解して、再析出させることにより結晶成長させる事を特徴としている。
ここで、融液表面をIII族窒化物結晶で覆う方法は、特に限定されるものではない。例えば、融液表面の窒素圧力を急激に変動させたり、温度を急激に下げたりすることで、融液表面に多数の核を発生させ、微結晶を多数結晶成長し、それらを合体させてIII族窒化物結晶で融液表面を覆うことができる。
なお、本発明中において、III族窒化物とは、ガリウム、アルミニウム、インジウム、ボロンから選ばれる一種類あるいは複数の種類のIII族金属と窒素との化合物を意味する。
また、アルカリ金属としては、通常、Na(ナトリウム)やK(カリウム)が使用されるが、その他のアルカリ金属を使用する事もできる。
また、III族金属の原料は、特に限定されるものではなく、III族金属単体、III族窒化物、III族元素を構成元素とする物質、その他、適宜使用することができる。
また、窒素の原料は、特に限定されるものではなく、窒素を構成元素に含む物質が使用できる。
また、窒素化合物を融液中に溶解させてもよいし、気体として気相から融液中に溶解させても良い。
融液表面を覆ったIII族窒化物結晶は、融液保持温度における溶解度でアルカリ金属融液中に溶解する。このとき、溶液保持容器内に原料保持部よりも低温の部分を設ける事で、低温部にIII族窒化物を再析出して結晶成長することができる。また、融液を冷却することにより、III族窒化物を再析出させ結晶成長を行なうことができる。
前述した方法は一例であり、その他の方法においても、この第3の形態の結晶製造方法は適用可能であり、特に限定されるものではない。
(参考例1)
この参考例1では、アルカリ金属としてNa(ナトリウム)を使用し、III族金属の原料として金属Ga(ガリウム)を使用し、窒素原料として窒素ガスを使用し、III族窒化物としてGaNを結晶成長する。ここで、Na,Gaはあらかじめ混合融液として溶液保持容器中に保持し、窒素は結晶成長中に気相から融液中に溶解して供給し、GaNを結晶成長する。
図1は参考例1に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、参考例1の結晶製造装置は、ステンレス製の閉じた形状の反応容器11内に、アルカリ金属とIII族金属を含む融液25を保持し結晶成長を行なうための溶液保持容器12が設けられている。この溶液保持容器12は、反応容器11から取り外すことができる。また、溶液保持容器12の材質はBNである。
また、反応容器11の内部空間23に窒素原料となる窒素(N)ガスを充満させ、かつ反応容器11内の窒素(N)圧力を調整することを可能にするガス供給管14が反応容器11を貫通して装着されている。
ここで、窒素ガスの圧力は、圧力調整器16で調整する事ができる。また、反応容器11内の全圧力は、圧力計22でモニターされる。
また、反応容器11の外側には、ヒーター13が設置されている。
また、溶液保持容器12の下には、溶液保持容器12を保持する溶液保持容器保持台17が設けられている。この台17と反応容器11の内壁との間には、わずかな隙間が空いており、この隙間を通して窒素やArガスが反応容器11内に充満する。また、台17の上部は下部よりも外形が小さく、台17の上部は下部よりも反応容器との隙間が大きくなる形状をなしており、この部分に、アルカリ金属としてのNa(ナトリウム)が凝縮するようになっている。
この隙間は、溶液保持容器12内に仕込んだNa(ナトリウム)の体積よりも小さく、全ての隙間がNa(ナトリウム)で埋まっても溶液保持容器12内のNa(ナトリウム)がなくなることはないようになっている。
また、凝集したNa(ナトリウム)は液体であるが、台17の下部の外形が上部より大きいので段差がつき、反応容器11下部のガス導入管14へ流れ落ちる事はない。
また、この装置の温度分布は、図1に示したように、溶液保持容器保持台17の部分で急激に温度が下がるようにしてある。
また、反応容器11は、バルブ21の部分で結晶製造装置から取り外すことが可能であり、反応容器11の部分のみをグローブボックスに入れて作業することができる。
次に、図1の結晶製造装置を使用した実施例1におけるGaNの成長方法を説明する。
まず、反応容器11をバルブ21の部分で結晶製造装置から分離し、Ar雰囲気のグローブボックスに入れる。
次いで、BN製の溶液保持容器12に、III族金属原料としてGaを、また、アルカリ金属としてナトリウム(Na)を入れる。融液25中のNaの比率はNa/(Na+Ga)=0.7とした。
次いで、溶液保持容器12を溶液保持容器保持台17に置き、反応容器11内に設置する。
次いで、反応容器11を密閉し、バルブ21を閉じ、反応容器11内部を外部雰囲気と遮断する。
次いで、反応容器11をグローブボックスから出し、結晶製造装置に組み込む。すなわち、反応容器11をヒーター13がある所定の位置に設置し、バルブ21の部分で窒素ガス供給ライン14に接続する。
次いで、バルブ15,21を開け、反応容器11内に窒素ガス(N)を入れる。このとき、圧力調整器16で窒素圧力を3.3 MPaにした。この圧力は、この実施例1で使用した装置において、結晶成長温度(775℃)に昇温したときに、反応容器11内の全圧が4MPaになる圧力である。
次いで、バルブ15を閉じる。すなわち、反応容器11は密閉される。
次いで、ヒーター13に通電し、融液を室温(27℃)から結晶成長温度まで1時間で昇温する。結晶成長温度は775℃とした。
昇温に追随して密閉された反応容器11内の圧力は上昇し、結晶成長温度775℃に達した時の反応容器11内の全圧は4MPaになった。この状態で400時間保持した後、室温まで降温する。
結晶成長終了後、反応容器11を開けると、溶液保持容器12内から蒸発したナトリウム27は溶液保持容器保持台17の上部側面に凝集していたが、溶液保持容器12内のナトリウムは大部分が残っており、溶液保持容器12の内壁に無色透明なGaN28が成長していた。
(実施例1)
実施例は、第の形態に関わるものである。
この実施例では、アルカリ金属としてNa(ナトリウム)を使用し、III族金属の原料として金属Ga(ガリウム)を使用し、窒素原料として窒素ガスを使用し、III族窒化物としてGaNを結晶成長する。ここで、Na,Gaはあらかじめ混合融液として溶液保持容器中に保持し、窒素は結晶成長中に気相から融液中に溶解して供給し、GaNを結晶成長する。
図2は実施例に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。図2を参照すると、実施例結晶製造装置は、ステンレス製の閉じた形状の反応容器31内に、アルカリ金属とIII族金属を含む融液41を保持し結晶成長を行なうための溶液保持容器32が設けられている。この溶液保持容器32は、反応容器31から取り外すことができる。また、溶液保持容器32の材質はBNである。
また、反応容器31の外側には、ヒーター40が設置されている。
この実施例の装置は、溶液保持容器32の上部開口部にガス供給管34を配置し、ガス供給管34のところで急激に温度が下がる温度分布を持たせている。このような構成にすることにより、溶液保持容器32から蒸発したアルカリ金属としてのNa(ナトリウム)はガス供給管34に凝集する。そして、反応容器31内にガスを導入する事により、ガス供給管34に凝集したNa(ナトリウム)を融液保持容器32内に再び戻すことができる。
また、ガス供給管34は、バルブ35,37を切り替えることで、窒素(N)ガスとArガスを供給する事ができるようになっている。
ここで、窒素ガスの圧力は圧力調整器36で、また、Arガスの圧力は圧力調整器38で調整する事ができる。また、反応容器31内の全圧力は圧力計33でモニターされる。
また、反応容器31は、バルブ39の部分で結晶製造装置から取り外すことが可能であり、反応容器31の部分のみをグローブボックスに入れて作業することができる。
次に、図2の結晶製造装置を使用した実施例におけるGaNの成長方法を説明する。
まず、反応容器31をバルブ39の部分で結晶製造装置から分離し、Ar雰囲気のグローブボックスに入れる。
次いで、BN製の溶液保持容器32に、III族金属原料としてGaを、また、アルカリ金属としてナトリウム(Na)を入れる。融液41中のNaの比率はNa/(Na+Ga)=0.7とした。
次いで、溶液保持容器32を反応容器31内に設置する。
次いで、反応容器31を密閉し、バルブ39を閉じ、反応容器31内部を外部雰囲気と遮断する。
次いで、反応容器31をグローブボックスから出し、結晶製造装置に組み込む。すなわち、反応容器31をヒーター40がある所定の位置に設置し、バルブ39の部分で窒素とアルゴンのガス供給ライン34に接続する。
次いで、バルブ37,39を開け、反応容器31内にArガスを入れる。このとき、圧力調整器38でAr圧力を3.3MPaにした。
この圧力は、この実施例2で使用した装置において、結晶成長温度(775℃)に昇温したときに、反応容器31内の全圧が4MPaになる圧力である。次いで、バルブ37を閉じる。
次いで、バルブ35を開け、反応容器31内に窒素(N)ガスを入れる。このとき、圧力調整器36で窒素圧力を6.6MPaにした。すなわち、反応容器31内の窒素の分圧は3.3MPaである。次いで、バルブ35を閉じる。
次いで、ヒーター40に通電し、融液を室温(27℃)から結晶成長温度まで1時間で昇温する。結晶成長温度は775℃とした。
昇温に追随して密閉された反応容器31内の圧力は上昇し、結晶成長温度775℃に達した時の反応容器31内の全圧は8MPaになった。すなわち、窒素とArの分圧はそれぞれ4MPaとなった。
次いで、Arガスの圧力調整装置38でArガス圧を8MPaとしてバルブ37を開け、775℃で400時間保持して結晶成長させる。この間、溶液保持容器32内のナトリウムは蒸発し、ガス供給管34内に液体として凝集する。
この実施例では、20時間ごとに圧力調整装置38でArガスを加圧して反応容器31にArガスを導入した。このとき、ガス供給管34内に凝集した液体ナトリウム42は反応容器31側に押し出され、溶液保持容器32内に戻される。
400時間後、室温まで降温する。
結晶成長終了後、反応容器31を開けると、ガス供給管34内には溶液保持容器32内から蒸発したナトリウムがわずかに付着していたが、ほとんどは溶液保持容器32内に保持されており、溶液保持容器32の内壁に無色透明なGaN43が成長していた。
(実施例2)
実施例は、第2の形態に関わるものである。
この実施例では、アルカリ金属としてNa(ナトリウム)を使用し、III族金属の原料として金属Ga(ガリウム)を使用し、窒素原料として窒素ガスを使用し、III族窒化物としてGaNを結晶成長する。ここで、Na,Gaはあらかじめ混合融液として溶液保持容器中に保持し、窒素は結晶成長中に気相から融液中に溶解して供給し、GaNを結晶成長する。
実施例結晶製造装置は、実施例で使用した装置と同様である。
以下に、実施例におけるGaNの成長方法を説明する。
まず、反応容器31をバルブ39の部分で結晶製造装置から分離し、Ar雰囲気のグローブボックスに入れる。
次いで、BN製の溶液保持容器32に、III族金属原料としてGaを、また、アルカリ金属としてナトリウム(Na)を入れる。融液41中のNaの比率はNa/(Na+Ga)=0.7とした。
次いで、溶液保持容器32を反応容器31内に設置する。
次いで、反応容器31を密閉し、バルブ39を閉じ、反応容器31内部を外部雰囲気と遮断する。
次いで、反応容器31をグローブボックスから出し、結晶製造装置に組み込む。すなわち、反応容器31をヒーター40がある所定の位置に設置し、バルブ39の部分で窒素とアルゴンのガス供給ライン34に接続する。
次いで、バルブ35を開け、反応容器31内に窒素(N)ガスを入れる。このとき、圧力調整器36で窒素圧力を6.6MPaにした。次いで、バルブ35を閉じる。
次いで、ヒーター40に通電し、融液を室温(27℃)から結晶成長温度まで1時間で昇温する。結晶成長温度は775℃とした。
昇温に追随して密閉された反応容器31内の圧力は上昇し、結晶成長温度775℃に達した時の反応容器31内の圧力は8MPaになった。
次いで、窒素の圧力調整器36で窒素圧を8MPaとしてバルブ35を開け、775℃で400時間保持して結晶成長させる。この間、溶液保持容器32内のナトリウムは蒸発し、ガス供給管34内に液体として凝集する。
GaNの成長によって窒素が原料として消費されると、反応容器31内の圧力が低下し、凝集した液体ナトリウム42の反応容器31側とガス供給側で圧力差が生じるので、液体ナトリウム42は反応容器31側に押し出され、溶液保持容器32内に戻される。このとき、窒素ガスも反応容器31内に導入され、消費された窒素ガス分が補充される。
400時間後、室温まで降温する。
結晶成長終了後、反応容器31を開けると、ガス供給管34内には溶液保持容器32内から蒸発したナトリウムがわずかに付着していたが、ほとんどは溶液保持容器32内に保持されており、溶液保持容器32の内壁に無色透明なGaN43が成長していた。
(参考例2)
この参考例2では、結晶成長中に溶液保持容器の開口部にGaNを形成して溶液保持容器を密閉し、ナトリウムの蒸発を抑制し、アルカリ金属としてNa(ナトリウム)を使用し、III族金属の原料として金属Ga(ガリウム)を使用し、窒素原料として窒素ガスを使用し、III族窒化物としてGaNを結晶成長する。ここで、Na,Gaはあらかじめ混合融液として溶液保持容器中に保持し、窒素は気相から融液中に溶解して供給し、GaNを結晶成長する。
図3は参考例2に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。図3を参照すると、参考例2結晶製造装置は、ステンレス製の閉じた形状の反応容器51内に、アルカリ金属とIII族金属を含む融液63を保持し結晶成長を行なうための溶液保持容器52が設けられている。この溶液保持容器52は反応容器51から取り外すことができる。
また、溶液保持容器52の内壁上部には段差が形成されており、この段差に蓋65が載置されるようになっている。
なお、図3の溶液保持容器52と蓋65の材質はBNである。
また、反応容器51の内部空間67に窒素原料となる窒素(N)ガスを充満させ、かつ反応容器51内の窒素(N)圧力を調整することを可能にするガス供給管54が反応容器51を貫通して装着されている。ここで、窒素ガスの圧力は圧力調整器56で調整する事ができる。
また、ガス供給管54はバルブ58で分岐し、Arガスを導入することができる。ここで、Arガスの圧力は圧力調整器59で調整する事ができる。
また、反応容器51内の全圧力は圧力計62でモニターされる。
また、反応容器51の外側にはヒーター53が設置されている。
反応容器51はバルブ61の部分で結晶製造装置から取り外すことが可能であり、反応容器51の部分のみをグローブボックスに入れて作業することができる。
次に、図3の結晶製造装置を使用した参考例2におけるGaNの成長方法を説明する。
まず、反応容器51をバルブ61の部分で結晶製造装置から分離し、Ar雰囲気のグローブボックスに入れる。
次いで、BN製の溶液保持容器52に、III族金属原料としてGaを、また、アルカリ金属としてナトリウム(Na)を入れる。融液63中のNaの比率はNa/(Na+Ga)=0.7とした。
次いで、溶液保持容器52に蓋65を入れ、その上に、Gaとナトリウムを載せた。Gaとナトリウムの混合融液はBNと濡れ性が悪いため、蓋65と溶液保持容器52との間の隙間が完全にIII族窒化物66で埋められるまで、溶液保持容器52内に窒素が導入され続ける。
次いで、溶液保持容器52を反応容器51内に設置する。
次いで、反応容器51を密閉し、バルブ61を閉じ、反応容器51内部を外部雰囲気と遮断する。
次いで、反応容器51をグローブボックスから出し、結晶製造装置に組み込む。
すなわち、反応容器51をヒーター53がある所定の位置に設置し、バルブ61の部分で窒素とアルゴンのガス供給ライン54に接続する。
次いで、バルブ58,61を開け、反応容器51内にArガスを入れる。Arガスは、反応容器51内の全圧を高めることで、溶液保持容器52と蓋65との隙間がGaNでふさがれるまでの間のナトリウムの蒸発量を減らすために入れる。Arガスの圧力は、圧力調整器59で3.3MPaに調整した。
この圧力は、本実施例で使用した装置において、結晶成長温度(775℃)に昇温したときに、反応容器51内の全圧が4MPaになる圧力である。次いで、バルブ58を閉じる。
次いで、バルブ55を開け、反応容器51内に窒素ガスを入れる。このとき、圧力調整器56で窒素圧力を6.6MPaにした。すなわち、反応容器51内の窒素の分圧は3.3MPaである。次いで、バルブ55を閉じる。
次いで、ヒーター53に通電し、融液63を室温(27℃)から結晶成長温度まで1時間で昇温する。結晶成長温度は775℃とした。
昇温に追随して密閉された反応容器51内の圧力は上昇し、結晶成長温度775℃に達した時の反応容器51内の全圧は8MPaになった。すなわち窒素とArの分圧はそれぞれ4MPaとなった。
775℃で400時間保持して結晶成長を行なう。
この間、溶液保持容器52と蓋65との隙間にもIII族窒化物66が結晶成長し、やがて隙間を埋める。隙間が完全に埋まると溶液保持容器52内のナトリウムが蒸発して溶液保持容器52外に出ることがなくなる。
400時間後、室温まで降温する。
結晶成長終了後、反応容器51を開けると、溶液保持容器52内から蒸発したナトリウムがわずかに付着していたが、ほとんどは溶液保持容器52内に保持されており、溶液保持容器52の内壁に無色透明なGaN64が成長していた。
(実施例3)
実施例は、第の形態に関わるものである。
この実施例では、アルカリ金属としてNa(ナトリウム)を使用し、III族金属の原料として金属Ga(ガリウム)を使用し、窒素原料として窒素ガスを使用し、融液表面にGaNの微結晶集合体を形成し融液表面を覆った後に、さらに加熱保持して、融液表面に形成されたGaN微結晶集合体の一部を融液中に溶解してGaNの飽和融液を形成し、その後、徐冷して、GaNを再析出させ結晶成長する。
図4は実施例に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。図4を参照すると、実施例結晶製造装置は、参考例2結晶製造装置とほぼ同一であるが、溶液保持容器70の段差と蓋がないことが異なっている。
次に、図4の結晶製造装置を使用した実施例5におけるGaNの成長方法を説明する。
まず、反応容器51をバルブ61の部分で結晶製造装置から分離し、Ar雰囲気のグローブボックスに入れる。
次いで、BN製の溶液保持容器70に、III族金属原料としてGaを、また、アルカリ金属としてナトリウム(Na)を入れる。融液63中のNaの比率はNa/(Na+Ga)=0.7とした。
次いで、溶液保持容器70を反応容器51内に設置する。
次いで、反応容器51を密閉し、バルブ61を閉じ、反応容器51内部を外部雰囲気と遮断する。
次いで、反応容器51をグローブボックスから出し、結晶製造装置に組み込む。すなわち、反応容器51をヒーター53がある所定の位置に設置し、バルブ61の部分で窒素とアルゴンのガス供給ライン54に接続する。
次いで、バルブ58,61を開け、反応容器51内にArガスを入れる。Arガスは、反応容器51内の全圧を高めることで、融液表面がGaNの微結晶で覆われるまでの間のナトリウムの蒸発量を減らすために入れる。Arガスの圧力は、圧力調整器59で3.3MPaに調整した。
この圧力は、この実施例で使用した装置において、結晶成長温度(775℃)に昇温したときに、反応容器51内の全圧が4MPaになる圧力である。次いで、バルブ58を閉じる。
次いで、ヒーター53に通電し、融液を室温(27℃)から結晶成長温度まで1時間で昇温する。結晶成長温度は775℃とした。
昇温に追随して密閉された反応容器51内の圧力は上昇し、結晶成長温度775℃に達した時の反応容器51内の全圧は4MPaになった。
次いで、バルブ55を開け、反応容器51内に窒素ガスを入れる。このとき、圧力調整器56で窒素圧力を数秒で8MPaにした。すなわち、反応容器51内の窒素の分圧は数秒で4MPaとなった。次いで、バルブ55を閉じる。窒素ガスの圧力を急激に増加することで、融液表面に結晶核が多数形成され、微結晶集合体71を形成することができる。
その後、775℃で100時間保持して、融液63の表面を微結晶集合体71で完全に覆う。
その後、融液を850℃に加熱し、100時間保持する。この間、GaN微結晶集合体71の一部が融液63中に溶解し、飽和融液を形成する。
その後、融液63を1℃/h(1時間に1℃)の冷却速度で700℃まで徐冷し、GaNを再析出して結晶成長を行う。
結晶成長終了後、反応容器51を開けると、溶液保持容器70内から蒸発したナトリウムがわずかに付着していたが、溶液保持容器70は微結晶集合体71で蓋をされており、ナトリウムのほとんどが溶液保持容器70内に保持されていた。そして、溶液保持容器70の内壁には、無色透明なGaN72が成長していた。
(参考例3)
参考例3では、結晶成長中に溶液保持容器の開口部にGaNを形成して溶液保持容器を密閉してナトリウムの蒸発を抑制し、アルカリ金属としてNa(ナトリウム)を使用し、III族窒化物の原料としてGaN(窒化ガリウム)を使用し、高温部で原料GaNをナトリウム融液中に溶解し、低温部に設置した種結晶にGaNを析出して結晶成長するようになっている。
図5は参考例3に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。図5を参照すると、参考例3の結晶製造装置は、ステンレス製の閉じた形状の反応容器81内に、アルカリ金属を含む融液99を保持し結晶成長を行うための溶液保持容器82が設けられている。
また、溶液保持容器82の内壁上部には段差が形成されており、この段差に蓋78が載置されるようになっている。
なお、図5の溶液保持容器82と蓋78の材質はBNである。
また、反応容器81と溶液保持容器82の内部空間85に窒素(N)ガスとアルゴン(Ar)ガスを充満させ、かつ反応容器81と溶液保持容器82内の窒素(N)圧力とアルゴン(Ar)ガス圧力を制御することを可能にするガス供給管89が反応容器81を貫通して装着されている。
ガス供給管89は窒素供給管94とアルゴン供給管97に分岐しており、それぞれバルブ92,95で分離することが可能となっている。また、それぞれの圧力を圧力調整器93,96で調整する事ができる。
また、反応容器81内の全圧力をモニターする為の圧力計91が設置されている。
また、溶液保持容器82は反応容器81から取り外すことができる。
また、反応容器81の外側には上部ヒーター83と下部ヒーター84が設置されている。
上部ヒーター83と下部ヒーター84は任意の温度に制御することが可能となっている。
また、溶液保持容器82内には融液の対流を抑制し,温度勾配をつけるためのバッファー86が設置されている。
なお、反応容器81の部分のみをグローブボックスに入れて作業することができる。
次に、図5の結晶製造装置を使用したGaNの成長方法を説明する。
まず、反応容器81をバルブ90の部分で結晶製造装置から分離し、Ar雰囲気のグローブボックスに入れる。
次いで、BN製の溶液保持容器82に、III族窒化物原料としてGaNを、また、アルカリ金属としてナトリウム(Na)を入れる。
次いで、溶液保持容器82内のナトリウムを融解し、溶液保持容器82にGaN種結晶88が吊るされた蓋78を入れ、GaN種結晶88を融液99内の所定の位置に保持する。
次いで、蓋78の上に、Gaとナトリウムを載せた。Gaとナトリウムの混合融液はBNと濡れ性が悪いため、混合融液のままでは蓋78と溶液保持容器82との間の隙間は完全には埋まらない。従って、この隙間が完全にIII族窒化物79で埋められるまで溶液保持容器82内にガスが導入され続け、溶液保持容器82の内部と外部の圧力はほぼ同一になる。
次いで、溶液保持容器82を反応容器81内に設置する。
次いで、反応容器81を密閉し、バルブ90を閉じ、反応容器81内部を外部雰囲気と遮断する。
一連の作業は高純度のArガス雰囲気のグローブボックス内で行うので、反応容器81内部はArガスが充填されている。
次いで、反応容器81をグローブボックスから出し、結晶製造装置に組み込む。
すなわち、反応容器81をヒーター83,84がある所定の位置に設置し、バルブ90の部分で窒素ガス供給ライン89に接続する。
次いで、バルブ90,95を開け、反応容器81内にArガスを入れる。Arガスは、反応容器81内の全圧を高めることで、溶液保持容器82と蓋78との隙間がGaNでふさがれるまでの間のナトリウムの蒸発量を減らすために入れる。Arガスの圧力は、圧力調整器96で3 MPaに調整した。
この圧力は、この実施例6で使用した装置において、結晶成長温度に昇温したときに、反応容器81内の全圧が4MPaになる圧力である。次いで、バルブ95を閉じる。
次いで、バルブ92を開け、反応容器81内に窒素(N)ガスを入れる。このとき、圧力調器93で窒素圧力を6MPaにした。すなわち、反応容器81内の窒素の分圧は3MPaである。次いで、バルブ92を閉じる。
次いで、上部ヒーター83と下部ヒーター84に通電し、融液99を室温(27℃)から結晶成長温度まで1時間で昇温する。
下部ヒーター84は原料GaN87が溶融する温度とし、上部ヒーター83は原料GaN87がある部分よりも温度を下げ、種結晶GaN88が結晶成長する温度とする。この実施例6では原料GaN87のある部分を850℃、種結晶GaN88が結晶成長する部分を775℃とした。
昇温に追随して密閉された反応容器81内の圧力は上昇し、結晶成長温度に達した時の反応容器81内の全圧は8MPaになった。すなわち、窒素とArの分圧は、それぞれ4MPaとなった。
この状態で400時間保持し結晶成長を行った。この間、溶液保持容器82と蓋78との隙間にもIII族窒化物が結晶成長し、やがて隙間を埋める。
隙間が完全に埋まると、溶液保持容器82内のナトリウムが蒸発して溶液保持容器82外に出ることがなくなる。
400時間後、室温まで降温する。
結晶成長終了後、反応容器81を開けると、溶液保持容器82内から蒸発したナトリウムがわずかに付着していたが、ほとんどは溶液保持容器82内に保持されており、溶液保持容器82内の種結晶種結晶88は、約10mmの無色透明なGaNの単結晶98に結晶成長していた。
本発明は、光ディスク用青紫色光源、紫外光源(LD,LED)、電子写真用青紫色光源、III族窒化物電子デバイスに利用可能である。
参考例1に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。 実施例に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。 参考例2に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。 実施例3に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。 参考例3に係る結晶製造装置の構成例を示す図である。 従来の結晶製造装置の構成例を示す図である。 従来の結晶製造装置の構成例を示す図である。
11,31,51,81,101 反応容器
12,32,52,70,82 溶液保持容器
13,40,53 ヒーター
14,34,54,89 ガス供給管
15,21,35,37,39,55,58,61,90,92,95 バルブ
16,36,38,56,59,93,96 圧力調整器
17 溶液保持容器保持台
22,33,62,91 圧力計
23,67 内部空間
25,41,63,99 融液
27,42 ナトリウム
28,43,64,72 GaN結晶
65,78 蓋
66,79 III族窒化物
71 GaN微結晶集合体
83 上部ヒーター
84 下部ヒーター
86 バッファー
87 原料GaN
88 種結晶
94 窒素供給管
97 アルゴン供給管
98 種結晶に成長したGaN
102 成長容器
103 金属供給管
104 III族金属
105 穴
106 加圧装置
107 反応容器の内部空間
108 窒素供給管
109 圧力制御装置
110 下部ヒーター
111 側部ヒーター
201 第一の反応容器
202 混合融液
203 窒素ガス
204 窒素供給管
205 圧力調整機構
206 第1の加熱装置
207 第2の加熱装置
208 混合融液
209 混合融液表面
210 第3の加熱装置

Claims (3)

  1. 溶液保持容器内に保持された、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液から、III族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物の結晶製造方法において、
    前記融液に対して気相から窒素原料ガスを供給するガス導入管を前記溶液保持容器の開口部より上側に配置し、
    結晶成長中に溶液保持容器から蒸発したアルカリ金属を前記ガス導入管部分で温度が下がるよう温度分布を持たせて液体状態で凝集し、凝集したアルカリ金属で隔てられたガス供給側の空間と溶液保持容器側の空間の圧力差によってアルカリ金属が溶液保持容器内に戻されて結晶成長が行なわれる事を特徴とするIII族窒化物の結晶製造方法
  2. 請求項記載のIII族窒化物の結晶製造方法において、凝集したアルカリ金属で隔てられた窒素原料供給側の空間と溶液保持容器側の空間との圧力差によって、凝集したアルカリ金属と窒素原料ガスが溶液保持容器内に導入されて、結晶成長が行なわれる事を特徴とするIII族窒化物の結晶製造方法
  3. 溶液保持容器内に保持された、少なくともアルカリ金属とIII族金属と窒素が溶解した融液から、III族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物の結晶製造方法において、
    前記融液表面をIII族窒化物結晶で覆った後に、前記融液表面を覆ったIII族窒化物結晶の一部を前記融液中に溶解して、再析出させることにより結晶成長させる事を特徴とするIII族窒化物の結晶製造方法
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