JP4053336B2 - Iii族窒化物結晶製造方法およびiii族窒化物結晶製造装置 - Google Patents

Iii族窒化物結晶製造方法およびiii族窒化物結晶製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用青紫色光源,紫外光源(LDやLED),電子写真用青紫色光源,III族窒化物電子デバイスなどに利用可能なIII族窒化物結晶製造方法およびIII族窒化物結晶製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN系(III族窒化物)デバイスは、その殆どがサファイア基板あるいはSiC基板上に、MO−CVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製されている。サファイアやSiCを基板として用いる場合には、III族窒化物との熱膨張係数差や格子定数差が大きいことに起因する結晶欠陥が多くなる。このために、デバイス特性が悪く、例えば発光デバイスの寿命を長くすることが困難であったり、動作電力が大きくなったりするという問題がある。
【0003】
更に、サファイア基板の場合には絶縁性であるために、従来の発光デバイスのように基板側からの電極取り出しが不可能であり、結晶成長したIII族窒化物半導体表面側からの電極取り出しが必要となる。その結果、デバイス面積が大きくなり、高コストにつながるという問題がある。また、サファイア基板上に作製したIII族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)で必要とされる共振器端面を劈開で得ることが容易ではない。このため、現在はドライエッチングによる共振器端面形成や、あるいはサファイア基板を100μm以下の厚さまで研磨した後に、劈開に近い形での共振器端面形成を行っているが、この場合にも、従来のLDのような共振器端面とチップ分離を単一工程で容易に行うことが不可能であり、工程の複雑化ひいてはコスト高につながる。
【0004】
これらの問題を解決するために、サファイア基板上にIII族窒化物半導体膜を選択横方向成長やその他の工夫を行うことで、結晶欠陥を低減させることが提案されている。この手法では、サファイア基板上にGaN膜を選択横方向成長しない場合に比較して、結晶欠陥を低減させることが可能となるが、サファイア基板を用いることによる、絶縁性と劈開に関する前述の問題は依然として残っている。更には、工程が複雑化すること、及びサファイア基板とGaN薄膜という異種材料の組み合わせに伴う基板の反りという問題が生じる。これらは高コスト化につながっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような問題を解決するためには、基板としては、基板上に結晶成長するIII族窒化物材料(ここでは、GaNとする)と同一であるGaN基板が最も適切である。そのため、気相成長,融液成長等によりバルクGaNの結晶成長の研究がなされている。しかし、未だ高品質で且つ実用的な大きさを有するGaN基板は実現していない。
【0006】
GaN基板を実現する一つの手法として、文献「Chemistry of Materials Vol.9 (1997) p.413-416」(以下、従来技術という)には、Naをフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている。この方法は、アジ化ナトリウム(NaN3)と金属Gaを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶を成長させるものである。
【0007】
この従来技術の場合には、600〜800℃と比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm2程度と比較的圧力が低く、実用的な成長条件であることが特徴である。しかし、この従来技術の方法では、得られる結晶の大きさが1mmに満たない程度に小さいという問題がある。
【0008】
上述の従来技術の問題を解決するために、本願出願人は、III族原料および/またはV族原料を外部より反応容器内に供給する発明を数多く案出し、特許出願している。
【0009】
しかしながら、いずれのIII族窒化物結晶成長方法およびIII族窒化物結晶成長装置も、III族金属とアルカリ金属の混合融液の液面(気液界面)を積極的に変化させてIII族窒化物結晶を成長させるようにはなっていない。
【0010】
本発明は、混合融液の液面(気液界面)の変動を積極的に利用することで、III族窒化物結晶の結晶成長速度を高め、実用的な結晶サイズのIII族窒化物結晶を低コストで成長させることの可能なIII族窒化物結晶成長方法およびIII族窒化物結晶成長装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶製造方法であって、混合融液の表面近傍である気液界面付近でIII族窒化物結晶を成長させ、結晶成長の進行とともに、III族窒化物結晶に対する混合融液表面の相対的位置を低下させることを特徴としている。
【0013】
また、請求項記載の発明は、請求項記載のIII族窒化物結晶製造方法において、混合融液に含まれるアルカリ金属を蒸発させることによって、混合融液表面の相対的位置を低下させることを特徴としている。
【0014】
また、請求項記載の発明は、請求項記載のIII族窒化物結晶製造方法において、混合融液が保持されている領域から混合融液を移動させることにより、混合融液表面の相対的位置を低下させることを特徴としている。
【0017】
また、請求項記載の発明は、反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶製造装置であって、混合融液の表面近傍である気液界面付近でIII族窒化物を成長させ、結晶成長の進行とともに、混合融液表面の相対的位置を低下させる機構を有していることを特徴としている。
【0018】
また、請求項記載の発明は、請求項記載のIII族窒化物結晶製造装置において、混合融液を保持する混合融液保持容器に、混合融液に含まれているアルカリ金属を蒸発させる機構が設けられていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項記載の発明は、請求項記載のIII族窒化物結晶製造装置において、混合融液を保持する混合融液保持容器内から混合融液保持容器の外に混合融液を移動させる機構が設けられていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本願の発明者は、III族窒化物結晶をフラックス法で結晶成長させるとき、混合融液(III族金属(例えばGa)とアルカリ金属(例えばNa)との混合融液)の表面近傍が、混合融液に溶解する窒素(N)の濃度が最も高く、これにより、III族窒化物の結晶成長速度も大きいことに着目して、本発明を完成させた。
【0022】
すなわち、本発明は、混合融液の液面(気液界面)の変動を積極的に利用することで、III族窒化物結晶の結晶成長速度を高め、実用的な結晶サイズのIII族窒化物結晶を低コストで成長させることの可能なIII族窒化物結晶成長方法およびIII族窒化物結晶成長装置を提供することを意図している。
【0023】
図1は本発明に係るIII族窒化物結晶製造装置の一構成例を示す図である。図1を参照すると、このIII族窒化物結晶成長装置では、反応容器101内に、アルカリ金属(以下の例では、Na)と少なくともIII族金属を含む物質(以下の例では、Ga)との混合融液103を保持する混合融液保持容器102が設置されている。
【0024】
なお、アルカリ金属は、外部から供給されても良いし、あるいは、最初から反応容器101内に存在していても良い。
【0025】
また、混合融液保持容器102の上には蓋109があり、混合融液保持容器102と蓋109との間には、気体が出入できる程度の僅かな隙間がある。
【0026】
また、図1のIII族窒化物結晶成長装置では、混合融液保持容器102の蓋109に、混合融液103に含まれているアルカリ金属(Na)の蒸気を逃すための孔113が設けられている。すなわち、この孔113は、混合融液保持容器102から混合融液103に含まれているアルカリ金属を蒸発させる機構として機能するようになっている。
【0027】
また、図1のIII族窒化物結晶製造装置では、混合融液保持容器102の蓋109には、III族窒化物結晶110が先端部に成長する治具119が設けられている。
【0028】
また、反応容器101は、例えばステンレスで形成されている。また、混合融液保持容器102および蓋109は、例えば、BN(窒化ホウ素)、あるいは、AlN、あるいは、パイロリティックBNで形成されていても良いし、タングステン(W)やステンレススチール(SUS)やニッケル(Ni)等の金属で形成されていても良い。また、治具119の先端部は、III族窒化物結晶の核発生が生じ易いBNやAINあるいはSUS等で良いが、種結晶を先端に設ける場合には、核発生が生じ難いWを用いることも可能である。
【0029】
また、反応容器101には、III族窒化物(GaN)を結晶成長可能な温度に反応容器101内を制御するための加熱装置106が設けられている。すなわち、加熱装置106による温度制御機能によって、反応容器101内を結晶成長可能な温度に上げること、及び、結晶成長が停止する温度に下げること、及び、それらの温度に任意の時間保持することが可能となっている。
【0030】
また、図1のIII族窒化物結晶製造装置には、反応容器101内に少なくとも窒素を含む物質(例えば、窒素ガスやアンモニアガス)を供給するための供給管104が設けられている。なお、ここで言う窒素とは、窒素分子あるいは窒素を含む化合物から生成された窒素分子や原子状窒素、および窒素を含む原子団および分子団のことであり、本発明において、窒素とは、このようなものであるとする。
【0031】
また、少なくとも窒素を含む物質は、容器107に収納されている。ここで、少なくとも窒素を含む物質として窒素ガスを用いるときには、容器107には窒素ガスが収納されている。
【0032】
また、少なくとも窒素を含む物質として窒素ガスを用いるときには、供給管104には、窒素ガスの圧力を調整するために圧力調整機構(例えば、圧力調整弁)105が設けられている。また、図1の装置には、反応容器101内の窒素ガスの圧力を検知する圧力センサー111と、混合融液保持容器102の温度を検知する温度センサー112とが設置され、反応容器101内の圧力が所定の圧力となるように、圧力センサー111は圧力調整機構105にフィードバックをかけるように構成されている。また、温度センサー112は、加熱装置106にフィードバックをかけるように構成されている。
【0033】
本発明の具体例では、少なくとも窒素を含む物質として、窒素ガスを用い、窒素ガスを、反応容器101外に設置されている容器107から供給管104を通して反応容器101内の空間108に供給することができる。この際、窒素ガスは、図1に示されているように、反応容器101の下側から供給されるようにしている。この窒素ガスの圧力は、圧力調整機構105によって調整することができる。
【0034】
図1の装置を用いてIII族窒化物(GaN)の結晶を成長させる場合、混合融液保持容器102の蓋109に設置されている治具119の先端部が混合融液103の気液界面付近に位置するよう、混合融液103の量を設定する。しかる後、反応容器101内の温度,圧力を所定の温度,所定の圧力に設定し、この状態を一定時間保持することで、混合融液保持容器102の蓋109に設置されている治具119の先端部にはIII族窒化物結晶としてGaN結晶110が成長する。
【0035】
このとき、図1の装置では、混合融液保持容器102の蓋109の設けられている孔113から、混合融液103に含まれているアルカリ金属(Na)の蒸気が逃げ、これにより、混合融液103の気液界面は、III族窒化物結晶(GaN)110が成長するにともなって、低下する。すなわち、図1の装置では、混合融液103に含まれるアルカリ金属を蒸発させることによって、混合融液表面の相対的位置を低下させることができる。これによって、III族窒化物結晶(GaN)110を治具119の先端部から下方に向けて継続的に成長させることができる。すなわち、窒素濃度が高く、結晶成長速度の大きい混合融液表面の位置を低下させることにより、III族窒化物結晶110の結晶成長速度を高め、実用的な結晶サイズのIII族窒化物結晶110を低コストで成長させることができる。
【0036】
また、図2は本発明に係るIII族窒化物結晶製造装置の他の構成例を示す図である。図2を参照すると、反応容器201内には、アルカリ金属(例えば、Na)と少なくともIII族金属を含む物質(例えば、Ga)との混合融液203を保持する混合融液保持容器202が設置されている。
【0037】
また、混合融液保持容器202の上には、蓋217があり、蓋217には、III族窒化物結晶220が先端部に成長する治具219が設けられている。
【0038】
ここで、混合融液保持容器202と蓋217との間には、気体が出入できる程度の僅かな隙間がある。
【0039】
また、反応容器201は、例えばステンレスで形成されている。また、混合融液保持容器202および蓋217は、例えば、BN(窒化ホウ素)、あるいは、AlN、あるいは、パイロリティックBNで形成されていても良いし、タングステン(W)で形成されていても良い。また、治具219は、例えば、BN(窒化ホウ素)、あるいは、AlN、あるいは、パイロリティックBNで形成されている。
【0040】
また、図2のIII族窒化物結晶成長装置には、反応容器201内に少なくとも窒素を含む物質(例えば、窒素ガスやアンモニアガス)を供給するための窒素供給管204が設けられている。なお、ここで言う窒素とは、窒素分子あるいは窒素を含む化合物から生成された窒素分子や原子状窒素、および窒素を含む原子団および分子団のことであり、本発明において、窒素とは、このようなものであるとする。
【0041】
また、窒素供給管204には、窒素ガスの圧力を調整するために圧力調整機構205が設けられている。なお、この圧力調整機構205は、圧力センサー及び圧力調整弁等から構成されている。
【0042】
また、反応容器201には、III族窒化物(例えばGaN)を結晶成長可能な温度に反応容器201内を制御するための第1の加熱装置206が設けられている。すなわち、第1の加熱装置206による温度制御機能によって、反応容器201内を結晶成長可能な温度に上げること、及び、結晶成長が停止する温度に下げること、及び、それらの温度に任意の時間保持することが可能となっている。
【0043】
また、図2のIII族窒化物結晶成長装置には、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質(以下、III族原料と称す)とにより形成される混合融液210を反応容器201の外部から反応容器201に供給するために、反応容器201の外部には、混合融液210を収容する容器209が設けられている。具体的には、アルカリ金属としての例えばNaとIII族原料としての例えばGaとにより形成された混合融液210がこの容器209内に収容されている。
【0044】
そして、この容器209と反応容器201とは、図示しないが、反応容器201内の圧力と混合融液210を収容している容器209の圧力とが同一となるように構成されており、また、容器209と反応容器201とは、容器209に収容されている混合融液210を混合融液保持容器202内に送り込むために、供給管207により連通している。
【0045】
ここで、反応容器201内の圧力と混合融液210を収容している容器209の圧力とが同一であるということは、反応容器201内の気体の圧力と混合融液210を収容している容器209内の気体の圧力とが、同一であるということである。
【0046】
また、図2のIII族窒化物結晶成長装置では、混合融液210と混合融液保持容器202に保持されている混合融液203との相対的高さを制御する機構が設けられている。具体的に、混合融液210と混合融液保持容器202に保持されている混合融液203との相対的高さを制御する機構は、図2の例では、支柱213と、支柱213に支持され、容器209の高さを調整するための高さ調整ユニット212とにより構成されている。この機構によって、混合融液210を収容している容器209は、例えば、混合融液210を混合融液保持容器202内部に自重で送り込むことが可能なように、混合融液保持容器202よりも高く位置決めされる。
【0047】
また、図2のIII族窒化物結晶成長装置には、供給管207,容器209を加熱制御するための第2の加熱装置214が設けられている。この第2の加熱装置214によって、供給管207,容器209の温度を混合融液が液体状態で保持できる温度に設定することができ、この場合には、容器209から供給管207を通って反応容器201に送られるまでの混合融液210を、後述のように、液体状態に保持することができる。
【0048】
図2のIII族窒化物結晶製造装置では、混合融液保持容器202の蓋217に設置されている治具219の先端部が混合融液203の気液界面付近に位置するよう、混合融液203の量を設定する。しかる後、反応容器201内の温度および実効窒素分圧をIII族窒化物結晶が結晶成長する条件に設定することにより、III族窒化物の結晶成長を開始させることができる。
【0049】
具体的に、反応容器201内の窒素圧力を50気圧にし、反応容器201内の温度を結晶成長が開始する温度750℃まで昇温する。この成長条件を一定時間保持することで、III族窒化物結晶(例えば、GaN結晶)220が混合融液保持容器202の蓋217に設置されている治具219の先端部に成長する。
【0050】
このときに、反応容器201外にある混合融液210を収容している容器209の高さを高くすることで、混合融液210の自重により、反応容器201内に混合融液210を送り込むことができる。
【0051】
このように、III族窒化物結晶の成長が開始して以降、混合融液210を反応容器201内に送り込むことで、混合融液203の気液界面は上昇し、これにより、III族窒化物結晶(GaN)220を治具219の先端部から上方に向けて継続的に成長させることができる。
【0052】
このようにして、混合融液を反応容器201内に安定して供給して、混合融液203の気液界面を上昇させることで、窒素濃度が高く、結晶成長速度の大きい混合融液表面の位置が上昇し、その結果、III族窒化物結晶の結晶成長速度を高め、実用的な結晶サイズのIII族窒化物結晶を低コストで成長させることができる。
【0053】
このように、図2のIII族窒化物結晶成長装置では、混合融液203を保持する混合融液保持容器202内に混合融液保持容器202の外から混合融液210を追加導入する機構が設けられており、混合融液203が保持されている領域外から混合融液203が保持されている領域内に、混合融液210を移動させる(追加導入する)ことにより、混合融液表面の相対的位置を上昇させるようになっている。すなわち、結晶成長の進行とともに、III族窒化物結晶220に対する混合融液表面の相対的位置を上昇させるようになっている。これにより、III族窒化物結晶(GaN)220を治具219の先端部から上方に向けて継続的に成長させることができる。
【0054】
なお、図2の構成例では、混合融液203を保持する混合融液保持容器202内に混合融液保持容器202の外から混合融液210を追加導入する構成となっているが、これとは反対に、混合融液203を保持する混合融液保持容器202内から混合融液保持容器202の外に混合融液を移動させる構成にすることも可能である。この場合には、図1の構成例と同様に、混合融液表面の相対的位置を低下させることができる。これによって、III族窒化物結晶(GaN)を治具の先端部から下方に向けて継続的に成長させることができる。そして、この場合にも、III族窒化物結晶の結晶成長速度を高め、実用的な結晶サイズのIII族窒化物結晶を低コストで成長させることができる。
【0055】
以上のように、本発明は、反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長装置およびIII族窒化物結晶製造方法であって、混合融液の表面近傍である気液界面付近でIII族窒化物を成長させ、結晶成長の進行とともに、混合融液表面の相対位置を低下させる機構を有していることを特徴としている。すなわち、混合融液の表面近傍である気液界面付近でIII族窒化物結晶を成長させ、結晶成長の進行とともに、III族窒化物結晶に対する混合融液表面の相対的位置を低下させることを特徴としている。
【0056】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項記載の発明によれば、反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるとき(III族窒化物結晶をフラックス法で結晶成長させるとき)、混合融液の表面近傍である気液界面付近でIII族窒化物結晶を成長させ、結晶成長の進行とともに、III族窒化物結晶に対する混合融液表面の相対的位置を低下させるようにしており、窒素濃度が高く、結晶成長速度の大きい混合融液の液面(気液界面)の変動を積極的に利用することで、III族窒化物結晶の結晶成長速度を高め、実用的な結晶サイズのIII族窒化物結晶を低コストで成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るIII族窒化物結晶成長装置の一構成例を示す図である。
【図2】 本発明に係るIII族窒化物結晶成長装置の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
101 反応容器
102 混合融液保持容器
103 混合融液
104 供給管
105 圧力調整弁
106 加熱装置
107 容器
108 反応容器内の空間
109 混合融液保持容器の蓋
110 III族窒化物(GaN)結晶
111 圧力センサー
112 温度センサー
113 混合融液保持容器の蓋の孔
119 治具
201 反応容器
202 混合融液保持容器
203 混合融液
204 窒素供給管
205 圧力調整機構
206 第1の加熱装置
207 供給管
208 反応容器内の空間
209 容器
210 混合融液
211 圧力調整管
220 III族窒化物(GaN)結晶
212 高さ調整ユニット
213 支柱
214 第2の加熱装置
215 供給管の先端部
217 蓋
219 治具

Claims (6)

  1. 反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶製造方法であって、混合融液の表面近傍である気液界面付近でIII族窒化物結晶を成長させ、結晶成長の進行とともに、III族窒化物結晶に対する混合融液表面の相対的位置を低下させることを特徴とするIII族窒化物結晶製造方法。
  2. 請求項記載のIII族窒化物結晶製造方法において、混合融液に含まれるアルカリ金属を蒸発させることによって、混合融液表面の相対的位置を低下させることを特徴とするIII族窒化物結晶製造方法。
  3. 請求項記載のIII族窒化物結晶製造方法において、混合融液が保持されている領域から混合融液を移動させることにより、混合融液表面の相対的位置を低下させることを特徴とするIII族窒化物結晶製造方法。
  4. 反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶製造装置であって、混合融液の表面近傍である気液界面付近でIII族窒化物を成長させ、結晶成長の進行とともに、混合融液表面の相対的位置を低下させる機構を有していることを特徴とするIII族窒化物結晶製造装置。
  5. 請求項記載のIII族窒化物結晶製造装置において、混合融液を保持する混合融液保持容器に、混合融液に含まれているアルカリ金属を蒸発させる機構が設けられていることを特徴とするIII族窒化物結晶製造装置。
  6. 請求項記載のIII族窒化物結晶製造装置において、混合融液を保持する混合融液保持容器内から混合融液保持容器の外に混合融液を移動させる機構が設けられていることを特徴とするIII族窒化物結晶製造装置。
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