JP2008222453A - 結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】III族窒化物結晶の成長速度を高速化できる結晶製造装置を提供する。
【解決手段】坩堝10は、NaとGaとを含む混合融液270を保持する。支持装置40は、種結晶5が混合融液270中に浸漬されるように一方端に種結晶5を保持する。加熱装置50,60は、坩堝10および反応容器20を900℃に加熱し、加熱装置300は、種結晶5周辺の混合融液270の温度を1050℃に加熱する。圧力調整器120は、反応容器20の窒素ガス圧が1.01MPaになるようにガス供給管90およびバルブ110を介して窒素ガスを反応容器20へ供給する。ガスボンベ220、流量計210およびガス供給管200は、種結晶5の温度が1000℃に設定されるように窒素ガスを配管180へ供給する。
【選択図】図1

Description

この発明は、III族窒化物結晶を製造する結晶製造装置に関するものである。
現在、紫外、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN(III族窒化物半導体)系デバイスは、その殆どがサファイアおよびシリコンカーバイド(SiC)を基板とし、その基板上にMOCVD法(有機金属化学気相成長法)およびMBE法(分子線結晶成長法)等を用いて作製されている。
このように、サファイアおよびシリコンカーバイドを基板として用いた場合、熱膨張係数および格子定数が基板とIII族窒化物半導体とでそれぞれ大きく異なっているため、III族窒化物半導体内に多くの結晶欠陥が含まれることとなる。この結晶欠陥は、デバイス特性を低下させ、たとえば、発光デバイスにおいては、寿命が短い、動作電力が大きい、等の欠点に直接関係する。
また、サファイア基板は、絶縁体であるため、従来の発光デバイスのように基板側から電極を取り出すことが不可能であった。これにより、III族窒化物半導体側から電極を取り出すことが必要となる。その結果、デバイスの面積が大きくなり、高コスト化を招くという不都合があった。そして、デバイスの面積が大きくなると、サファイア基板とIII族窒化物半導体という異種材料の組み合わせに伴う基板の反りという新たな問題が発生する。
さらに、サファイア基板上に作製されたIII族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)において必要とされる共振器端面を得ることは、容易ではない。このため、現在は、ドライエッチング、またはサファイア基板を厚さ100μm以下まで研磨した後に劈開に近い形に分離し、共振器端面の形成を行なっている。したがって、従来のLDのように、共振器端面の形成とチップ分離とを単一工程で行なうことが困難であり、工程の複雑化によるコスト高を招いていた。
これらの問題を解決するため、サファイア基板上にIII族窒化物半導体を選択的に横方向に成長させるなどの工夫をし、結晶欠陥を低減させることが提案された。これにより、結晶欠陥を低減させることが可能となったが、サファイア基板の絶縁性および上述した劈開の困難性に関する問題は、依然として残っている。
こうした問題を解決するためには、基板上に結晶成長する材料と同一である窒化ガリウム(GaN)基板が最適である。そのため、気相成長および融液成長等により、バルクGaNを結晶成長させる方法が、各種、提案されている。しかし、未だ高品質かつ実用的な大きさを有するGaN基板は、実現されていない。
GaN基板を実現する1つの方法として、ナトリウム(Na)をフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている(特許文献1)。この方法は、アジ化ナトリウム(NaN)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法:内径=7.5mm、長さ=100mm)にNaNおよび金属Gaを窒素雰囲気中で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶が成長するものである。
この方法は、600〜800℃と比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm程度と比較的低く、実用的な成長条件であることが特徴である。
そして、最近では、アルカリ金属とIII族金属との混合融液と、窒素を含むV族原料とを反応させることにより、高品質なIII族窒化物結晶が実現されている(特許文献2)。
米国特許第5868837号明細書 特開2001−58900号公報
しかし、GaN結晶を結晶成長する従来の結晶製造装置においては、GaN結晶の成長速度が遅いという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、III族窒化物結晶の成長速度を高速化できる結晶製造装置を提供することである。
この発明によれば、結晶製造装置は、反応容器と、ガス供給装置と、第1および第2の加熱装置と、保持手段とを備える。反応容器は、アルカリ金属とIII族金属とを含む混合融液を保持する。ガス供給装置は、反応容器内へ窒素原料ガスを外部から供給する。第1の加熱装置は、反応容器の外部から混合融液をIII族窒化物結晶の成長が可能な第1の温度に加熱する。保持手段は、種結晶を混合融液の表面または混合融液中に保持する。第2の加熱装置は、混合融液のうち種結晶の周辺領域を第1の温度よりも高い第2の温度に加熱する。
好ましくは、第2の加熱装置は、混合融液中に設けられる。
好ましくは、結晶製造装置は、対流発生手段をさらに備える。対流発生手段は、混合融液が第1および第2の加熱装置によって加熱されたときに、混合融液中に対流を発生させる。
好ましくは、反応容器は、本体容器と、埋込部材とを含む。本体容器は、混合融液に対して第1の濡れ性を有する第1の材質からなる。埋込部材は、本体容器の内壁に埋め込まれ、混合融液に対して第1の濡れ性よりも悪い第2の濡れ性を有する第2の材質からなる。
好ましくは、第1の材質は、ボロンナイトライドであり、第2の材質は、タングステンである。
好ましくは、結晶製造装置は、冷却手段をさらに備える。冷却手段は、種結晶を第2の温度よりも低い第3の温度に冷却する。
好ましくは、結晶製造装置は、移動手段をさらに備える。移動手段は、III族窒化物結晶の成長とともに、III族窒化物結晶の成長端が混合融液の表面または混合融液中に保持されるように保持手段を移動させる。
この発明による結晶製造装置においては、種結晶周辺の混合融液の温度が種結晶周辺以外の混合融液の温度(=結晶成長温度)よりも高い温度に設定されてIII族窒化物結晶が製造される。
したがって、この発明によれば、III族窒化物結晶の成長速度を速くできる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による結晶製造装置の概略断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による結晶製造装置100は、坩堝10と、反応容器20と、ベローズ30と、支持装置40と、加熱装置50,60,300と、温度センサー51,61,71,81と、加熱/冷却器70,80と、ガス供給管90,200と、バルブ110,150と、圧力調整器120と、ガスボンベ130,220と、排気管140と、真空ポンプ160と、圧力センサー170と、配管180と、熱電対190と、流量計210と、振動印加装置230と、上下機構240と、振動検出装置250と、温度制御装置260と、アルカリ金属融液280,290とを備える。
坩堝10は、略円柱形状を有し、ボロンナイトライド(BN)またはSUS316Lからなる。反応容器20は、坩堝10と所定の間隔を隔てて坩堝10の周囲に配置される。そして、反応容器20は、本体部21と、蓋部22と、融液溜め部23とからなる。本体部21、蓋部22および融液溜め部23の各々は、SUS316Lからなり、本体部21と蓋部22との間は、メタルオーリングによってシールされる。また、融液溜め部23は、本体部21の底面に設けられる。
ベローズ30は、重力方向DR1において、坩堝10の上側で反応容器20に連結される。支持装置40は、中空の筒形状からなり、一部がベローズ30を介して反応容器20内の空間24内へ挿入される。
加熱装置50は、反応容器20の外周面20Aを囲むように配置される。加熱装置60は、反応容器20の底面20Bに対向して配置される。温度センサー51,61は、それぞれ、加熱装置50,60に近接して配置される。
加熱/冷却器70は、融液溜め部23の周囲を囲むように配置され、加熱/冷却器80は、ガス供給管90のうち、融液凝集部90Aの周囲を囲むように配置される。温度センサー71,81は、それぞれ、加熱/冷却器70,80に近接して配置される。
ガス供給管90は、ガス供給管91,92からなる。ガス供給管91は、融液凝集部90Aを有し、一方端がベローズ30に連結され、他方端がバルブ110に連結される。ガス供給管92は、一方端がバルブ110に連結され、他方端が圧力調整器120を介してガスボンベ130に連結される。バルブ110は、ガス供給管90に装着され、ガス供給管91とガス供給管92とを連結する。
圧力調整器120は、ガスボンベ130の近傍でガス供給管90(ガス供給管92)に装着される。ガスボンベ130は、ガス供給管90(ガス供給管92)に連結される。
排気管140は、一方端がバルブ150を介して反応容器20に連結され、他方端が真空ポンプ160に連結される。バルブ150は、反応容器20の近傍で排気管140に装着される。真空ポンプ160は、排気管140の他方端に連結される。
圧力センサー170は、反応容器20に取り付けられる。配管180および熱電対190は、支持装置40の内部に挿入される。ガス供給管200は、一方端が配管180に連結され、他方端が流量計210を介してガスボンベ220に連結される。流量計210は、ガスボンベ220の近傍でガス供給管200に装着される。ガスボンベ220は、ガス供給管200の他方端に連結される。上下機構240は、ベローズ30の上側において支持装置40に取り付けられる。
アルカリ金属融液280は、金属ナトリウム(金属Na)融液からなり、融液溜め部23に保持される。アルカリ金属融液290は、金属Na融液からなり、ガス供給管90の融液凝集部90Aに保持される。加熱装置300は、混合融液270中に浸漬され、種結晶5の周辺に配置される。
坩堝10は、金属Naと金属Gaとを含む混合融液270を保持する。反応容器20は、坩堝10の周囲を覆う。融液溜め部23は、アルカリ金属融液280を溜める。ベローズ30は、支持装置40を保持するとともに、反応容器20の内部と外部とを遮断する。また、ベローズ30は、支持装置40の重力方向DR1への移動に伴って重力方向DR1に伸縮する。支持装置40は、反応容器20内に挿入された一方端に種結晶5を保持するとともに、種結晶5から結晶成長されたGaN結晶を支持する。
加熱装置50は、ヒーターと、電流源とからなる。そして、加熱装置50は、温度制御装置260からの制御信号CTL1に応じて電流源によってヒーターに電流を流し、反応容器20の外周面20Aから坩堝10および反応容器20を900℃に加熱する。温度センサー51は、加熱装置50のヒーターの温度T1を検出し、その検出した温度T1を温度制御装置260へ出力する。
加熱装置60も、ヒーターと、電流源とからなる。そして、加熱装置60は、温度制御装置260からの制御信号CTL2に応じて電流源によってヒーターに電流を流し、反応容器20の底面20Bから坩堝10,11および反応容器20を900℃に加熱する。温度センサー61は、加熱装置60のヒーターの温度T2を検出し、その検出した温度T2を温度制御装置260へ出力する。
加熱/冷却器70は、加熱部と冷却部とからなる。加熱部は、ヒーターと、電流源とからなり、電流源によってヒーターに電流を流すことによって融液溜め部23を加熱する。また、冷却部は、融液溜め部23に冷風を吹きつけることによって融液溜め部23を冷却する。加熱/冷却器70は、温度制御装置260からの制御信号CTL3に応じて、融液溜め部23の温度を蒸発抑制温度に加熱し、または融液溜め部23の温度を凝集温度に冷却する。ここで、蒸発抑制温度は、混合融液270から蒸発するアルカリ金属(金属Na)の蒸気圧PNa−Gaがアルカリ金属融液280から蒸発するアルカリ金属(金属Na)の蒸気圧PNaに略一致する温度である。また、凝集温度は、アルカリ金属蒸気(金属Na蒸気)が金属融液として溜まる温度である。
温度センサー71は、加熱/冷却器70の加熱部または冷却部の温度T3を検出し、その検出した温度T3を温度制御装置260へ出力する。
加熱/冷却器80は、加熱/冷却器70と同じ構造からなる。そして、加熱/冷却器80は、温度制御装置260からの制御信号CTL4に応じて、融液凝集部90Aの温度を凝集温度に設定し、または融液凝集部90Aの温度を蒸発促進温度に加熱する。ここで、蒸発促進温度は、アルカリ金属が気相輸送によって他の部分へ移動する温度である。
温度センサー81は、加熱/冷却器80の加熱部または冷却部の温度T4を検出し、その検出した温度T4を温度制御装置260へ出力する。
ガス供給管90は、ガスボンベ130から圧力調整器120を介して供給された窒素ガスをアルカリ金属融液290を介して反応容器20内へ供給する。バルブ110は、ガス供給管90内の窒素ガスを反応容器20内へ供給し、または窒素ガスの反応容器20内への供給を停止する。また、バルブ110は、ガス供給管90をガス供給管91,92に分離し、またはガス供給管91,92を連結する。圧力調整器120は、ガスボンベ130からの窒素ガスを所定の圧力にしてガス供給管90に供給する。
ガスボンベ130は、窒素ガスを保持する。排気管140は、反応容器20内の気体を真空ポンプ160へ通過させる。バルブ150は、反応容器20内と排気管140とを空間的に繋げ、または反応容器20内と排気管140とを空間的に遮断する。真空ポンプ160は、排気管140およびバルブ150を介して反応容器20内の真空引きを行なう。
圧力センサー170は、反応容器20内の圧力を検出する。配管180は、ガス供給管200から供給された窒素ガスを一方端から支持装置40内へ放出して種結晶5またはGaN結晶を冷却する。熱電対190は、種結晶5またはGaN結晶の温度T5を検出し、その検出した温度T5を温度制御装置260へ出力する。なお、支持装置40内に放出された窒素ガスは、支持装置40の図示されていない開口部を介して結晶製造装置100外へ放出される。
ガス供給管200は、ガスボンベ220から流量計210を介して供給された窒素ガスを配管180へ供給する。流量計210は、温度制御装置260からの制御信号CTL5に応じて、ガスボンベ220から供給された窒素ガスの流量を調整してガス供給管200へ供給する。ガスボンベ220は、窒素ガスを保持する。
振動印加装置230は、たとえば、圧電素子からなり、所定の周波数を有する振動を支持装置40に印加する。上下機構240は、振動検出装置250からの振動検出信号BDSに応じて、後述する方法によって、種結晶5が空間24と混合融液270との気液界面2に接するように、または種結晶5が混合融液270中に浸漬されるように支持装置40を上下する。
振動検出装置250は、たとえば、加速度ピックアップからなり、支持装置40の振動を検出するとともに、支持装置40の振動を示す振動検出信号BDSを上下機構240へ出力する。
温度制御装置260は、温度T1〜T6をそれぞれ温度センサー51,61,71,81、熱電対190および加熱装置300から受け、その受けた温度T1〜T6に基づいてそれぞれ制御信号CTL1〜CTL6を生成する。より具体的には、温度制御装置260は、温度センサー51からの温度T1に基づいて、坩堝10および反応容器20を900℃に加熱するための制御信号CTL1を生成し、温度センサー61からの温度T2に基づいて、坩堝10および反応容器20を900℃に加熱するための制御信号CTL2を生成する。また、温度制御装置260は、温度センサー71からの温度T3に基づいて、融液溜め部23の温度を蒸発抑制温度Tevcに制御するための制御信号CTL3を生成し、または融液溜め部23の温度を凝集温度Tcohに制御するための制御信号CTL3を生成する。さらに、温度制御装置260は、温度センサー81からの温度T4に基づいて、融液凝集部90Aの温度を凝集温度Tcohに制御するための制御信号CTL4を生成し、または融液凝集部90Aの温度を蒸発促進温度Tevに制御するための制御信号CTL4を生成する。さらに、温度制御装置260は、熱電対190からの温度T5に基づいて、種結晶5またはGaN結晶の温度T5を種結晶5周辺の混合融液の温度よりも低い温度に設定する流量からなる窒素ガスを流すための制御信号CTL5を生成する。さらに、温度制御装置260は、加熱装置300からの温度T6に基づいて、混合融液270のうち、種結晶5の周辺領域を1050℃に加熱するための制御信号CTL6を生成する。
そして、温度制御装置260は、その生成した制御信号CTL1,CTL2をそれぞれ加熱装置50,60へ出力し、制御信号CTL3,CTL4をそれぞれ加熱/冷却器70,80へ出力し、制御信号CTL5を流量計210へ出力し、制御信号CTL6を加熱装置300へ出力する。
加熱装置300は、混合融液270のうち、種結晶5の周辺領域の温度T6を検出し、その検出した温度T6を温度制御装置260へ出力するとともに、温度制御装置260からの制御信号CTL6に応じて、混合融液270のうち種結晶5の周辺領域を1050℃に加熱する。
図2は、図1に示す支持装置40、配管180および熱電対190の拡大図である。図2を参照して、支持装置40は、筒状部材41からなる。筒状部材41は、略円形の断面形状を有する。
配管180は、略円形の断面形状を有し、筒状部材41の内部に配置される。この場合、配管180の底面180Aは、筒状部材41の底面41Bに対向するように配置される。そして、配管180の底面180Aには、複数の空孔181が形成されている。配管180内へ供給された窒素ガスは、複数の空孔181を介して筒状部材41の底面41Bに吹き付けられる。
熱電対190は、一方端190Aが筒状部材41の底面41Bに接するように筒状部材41の内部に配置される。そして、種結晶5は、筒状部材41の底面41Bに取り付けられる(図2の(a)参照)。
種結晶5を含むGaN結晶6は、筒状部材41の底面41Bに結晶成長する(図2の(b)参照)。
したがって、GaN結晶6と筒状部材41との間の熱伝導率が高くなる。その結果、熱電対190によってGaN結晶6の温度T5を検出できるとともに、配管180から筒状部材41の底面41Bに吹き付けられた窒素ガスによってGaN結晶6を容易に冷却できる。
図3は、図1に示す坩堝10の構成を示す概略断面図である。図3を参照して、坩堝10は、本体容器11と、埋込部材12〜14とを含む。本体容器11は、BNからなり、埋込部材12〜14は、タングステン(W)からなる。そして、埋込部材12〜14は、重力方向DR1において相互に所定の間隔を有するように本体容器11の内壁に埋め込まれる。
本体容器11がBNからなり、埋込部材12〜14がWからなる結果、本体容器11は、混合融液270に対して第1の濡れ性を有し、埋込部材12〜14は、混合融液270に対して第1の濡れ性よりも悪い第2の濡れ性を有する。
図4は、図1に示す加熱装置300の構成を示す概略図である。図4を参照して、加熱装置300は、加熱部301と、支持部302と、ヒーター303と、熱電対304と、導線3050とを含む。
支持部302は、一方端が加熱部301に連結され、他方端が反応容器20の蓋部22に固定される。これによって、支持部302は、加熱部301を支持する。
ヒーター303は、加熱部301に内蔵される。熱電対304は、一方の支持部302内に配置され、加熱部301の温度T6を検出し、その検出した温度T6を温度制御装置260へ出力する。導線305は、一方端がヒーター303に接続され、他方端が電流源(図示せず)に接続される。
加熱装置300は、温度制御装置260から制御信号CTL6を受けると、電流源および導線305によって電流をヒーター303に流す。これによって、加熱装置300は、混合融液270のうち、種結晶5の周辺領域を1050℃に加熱する。
図5は、図1に示す上下機構240の構成を示す概略図である。図5を参照して、上下機構240は、凹凸部材241と、歯車242と、軸部材243と、モータ244と、制御部245とを含む。
凹凸部材241は、略三角形状の断面形状からなり、筒状部材41の外周面41Aに固定される。歯車242は、軸部材243の一方端に固定され、凹凸部材241と噛み合う。軸部材243は、その一方端が歯車242に連結され、他方端がモータ244のシャフト(図示せず)に連結される。
モータ244は、制御部245からの制御に従って歯車242を矢印246または247の方向へ回転させる。制御部245は、振動検出装置250からの振動検出信号BDSに基づいて、歯車242を矢印246または247の方向へ回転させるようにモータ244を制御する。
歯車242が矢印246の方向へ回転すれば、支持装置40は、重力方向DR1において上方向へ移動し、歯車242が矢印247の方向へ回転すれば、支持装置40は、重力方向DR1において下方向へ移動する。
したがって、歯車242を矢印246または247の方向へ回転させることは、支持装置40を重力方向DR1において上下させることに相当する。凹凸部材241の重力方向DR1の長さは、支持装置40が種結晶5またはGaN結晶6を上下させる距離に相当する長さである。
図6は、振動検出信号BDSのタイミングチャートである。図6を参照して、振動検出装置250によって検出される振動検出信号BDSは、種結晶5またはGaN結晶6が混合融液270に接していないとき、信号成分SS1からなり、種結晶5またはGaN結晶6が混合融液270に接しているとき、信号成分SS2からなり、種結晶5またはGaN結晶6が混合融液270に浸漬されているとき、信号成分SS3からなる。
種結晶5またはGaN結晶6が混合融液270に接していないとき、支持装置40は、振動印加装置230により印加された振動によって大きく振動するので、振動検出信号BDSは、振幅が相対的に大きい信号成分SS1からなる。一方、種結晶5またはGaN結晶6が混合融液270に接しているとき、支持装置40は、振動印加装置230から振動が印加されても、混合融液270の粘性によって大きく振動できないので、振動検出信号BDSは、振幅が相対的に小さい信号成分SS2からなる。また、種結晶5またはGaN結晶6が混合融液270に浸漬されているとき、支持装置40は、振動印加装置230から振動が印加されても、混合融液270の粘性によってさらに振動し難くなるので、振動検出信号BDSは、振幅が信号成分SS2よりも小さい信号成分SS3からなる。
再び、図5を参照して、制御部245は、振動検出装置250から振動検出信号BDSを受けると、振動検出信号BDSの信号成分を検出する。そして、制御部245は、その検出した信号成分が信号成分SS1からなるとき、振動検出信号BDSの信号成分が信号成分SS2またはSS3になるまで、支持装置40を重力方向DR1において降下させるようにモータ244を制御する。
より具体的には、制御部245は、歯車242を矢印247の方向へ回転させるようにモータ244を制御し、モータ244は、制御部245からの制御に従って歯車242を軸部材243を介して矢印247の方向へ回転させる。これによって、支持装置40は、重力方向DR1において下方向へ移動する。
そして、制御部245は、振動検出装置250から受ける振動検出信号BDSの信号成分が信号成分SS1から信号成分SS2またはSS3へ切換わると、歯車242の回転を停止するようにモータ244を制御し、モータ244は、制御部245からの制御に従って歯車242の回転を停止させる。これによって、支持装置40は、移動を停止し、種結晶5またはGaN結晶6を気液界面2に保持し、または種結晶5またはGaN結晶6を混合融液270中に保持する。
一方、制御部245は、信号成分SS2またはSS3からなる振動検出信号BDSを振動検出装置250から受けたとき、支持装置40の移動を停止するようにモータ244を制御する。
このように、上下機構240は、振動検出装置250が検出する振動検出信号BDSに基づいて、種結晶5またはGaN結晶6が混合融液270に接するように、または種結晶5またはGaN結晶6が混合融液270に浸漬されるように支持装置40を重力方向DR1に移動させる。
図7は、図1に示す坩堝10、反応容器20、融液溜め部23および融液凝集部90Aの温度のタイミングチャートである。また、図8は、図7に示すタイミングt1,t3間における坩堝10、反応容器20、融液溜め部23および融液凝集部90A内の状態変化を示す模式図である。さらに、図9は、図7に示すタイミングt3における坩堝10および反応容器20内の状態を示す模式図である。さらに、図10は、GaN結晶6の温度と窒素ガスの流量との関係を示す図である。
なお、図7において、直線k1は、坩堝10および反応容器20の温度を示し、曲線k2は、混合融液270のうち種結晶5の周辺領域の温度を示し、曲線k3および直線k4は、種結晶5またはGaN結晶6の温度を示し、曲線k5は、融液溜め部23の温度を示し、曲線k6は、融液凝集部90Aの温度を示す。
図7を参照して、加熱装置50,60は、タイミングt5までの期間において、直線k1に従って温度が上昇し、かつ、900℃に保持されるように坩堝10および反応容器20を加熱する。また、加熱/冷却器70は、タイミングt5までの期間において、曲線k5に従って温度が上昇し、かつ、蒸発抑制温度Tevcに保持されるように融液溜め部23を加熱する。さらに、加熱/冷却器80は、タイミングt5までの期間において、曲線k6に従って温度が上昇し、かつ、凝集温度Tcohに保持されるように融液凝集部90Aを加熱する。さらに、加熱装置300は、タイミングt5までの期間において、曲線k2に従って温度が上昇し、かつ、1050℃に保持されるように混合融液270のうち種結晶5の周辺領域を加熱する。
加熱装置50,60が坩堝10および反応容器20を加熱し始めたとき、坩堝10内には、金属Na7および金属Ga8が存在し、加熱/冷却部70が融液溜め部23を加熱し始め、かつ、加熱/冷却部80が融液凝集部90Aを加熱し始めたとき、融液溜め部23には、金属Na7が存在し、融液凝集部90Aには、金属Na7は存在しない(図8の(a)参照)。
そして、坩堝10および反応容器20の温度がタイミングt1において98℃に達すると、坩堝10中の金属Na7は溶け、約30℃で既に溶けている金属Ga8と混ざり合う。その後、GaとNaとの金属間化合物が生成され、この金属間化合物は、560℃以上の温度において坩堝10中で混合融液270となる。そして、坩堝10および反応容器20の温度は、タイミングt3において900℃に達する。
また、融液溜め部23の温度がタイミングt2において98℃に達すると、融液溜め部23内の金属Na7は溶け、アルカリ金属融液280が融液溜め部23に生成される。その後、融液溜め部23の温度は、タイミングt3において蒸発抑制温度Tevcに達する。さらに、融液凝集部90Aの温度は、タイミングt3において凝集温度Tcohに達する。
そうすると、坩堝10および反応容器20が900℃に加熱され、融液溜め部23が蒸発抑制温度Tevcに加熱される過程において、アルカリ金属融液280から蒸発する金属Naの蒸気圧PNaは、徐々に高くなり、混合融液270から蒸発する金属Naの蒸気圧PNa−Gaも徐々に高くなる。そして、混合融液270および/またはアルカリ金属融液280から蒸発した金属Naは、坩堝10、反応容器20および融液溜め部23の温度よりも低温である凝集温度Tcohに保持された融液凝集部90Aに凝集される。その結果、融液凝集部90Aには、アルカリ金属融液290が生成される。
そして、タイミングt3において、混合融液270から蒸発するアルカリ金属の蒸気圧PNa−Gaは、アルカリ金属融液280から蒸発するアルカリ金属の蒸気圧PNaに略一致する(図8の(b)参照)。その結果、混合融液270およびアルカリ金属融液280からの金属Naの蒸発による混合融液270中の金属Naと金属Gaとの混合比の変動が抑制される。
このとき、融液凝集部90Aの温度が金属Naの融点以上で、かつ、Naの実質的蒸発が生じない温度であれば、ガス供給管90内においてバルブ110側への金属Naの拡散を無視でき、混合融液270中の金属Naと金属Gaとの混合比の変動を一層抑制できる。ここで言うNaの実質的蒸発が生じない温度とは、たとえば、200〜300℃である。200℃におけるNaの蒸気圧は、約1.8×10−2Paであり、300℃におけるNaの蒸気圧は、約1.8Paであり、これ以上の温度であっても、多少の蒸発による拡散はあるが、混合融液270中の金属Naと金属Gaとの混合比の変動を抑制できる。したがって、凝集温度Tcohは、好ましくは、200〜300℃の範囲に設定される。
窒素ガス4は、圧力調整器120によって圧力調整され、ガス供給管90を介して空間24内に充填されている(図9参照)。
また、加熱装置300は、坩堝10および反応容器20の温度が900℃に達するタイミングt3までの間に、混合融液270のうち種結晶5の周辺領域を1050℃に加熱する。
さらに、坩堝10および反応容器20の温度が900℃に達するタイミングt3で、上下機構240は、振動検出装置250からの振動検出信号BDSに基づいて、上述した方法によって支持装置40を上下し、種結晶5を混合融液270に接触させる。
そして、混合融液270のうち種結晶5の周辺領域の温度が1050℃程度の高温状態では、空間24内の窒素ガス4は、混合融液270の温度が900℃である場合よりも、金属Naを媒介として混合融液270中に多く取り込まれる。この場合、混合融液270中の窒素濃度またはGa(x,yは実数)の濃度は、空間24と混合融液270との気液界面2付近において最も高いため、GaN結晶6が種結晶5から結晶成長する。なお、この発明においては、Gaを「III族窒化物」と言い、Gaの濃度を「III族窒化物濃度」と言う。
窒素ガスを配管180内へ供給しない場合、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5は、種結晶5周辺の混合融液270の温度と同じ1050℃であるが、この発明においては、種結晶5またはGaN結晶6付近の混合融液270中の窒素またはIII族窒化物の過飽和度を上げるために、配管180内へ窒素ガスを供給して種結晶5またはGaN結晶6を冷却し、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5を混合融液270の温度よりも低くする。
より具体的には、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5は、タイミングt3以降、曲線k3に従って1050℃よりも低い温度Ts1に設定される。この温度Ts1は、例えば、1000℃である。種結晶5またはGaN結晶6の温度T5を温度Ts1に設定する方法について説明する。
温度制御装置260は、加熱装置300の熱電対304から受けた温度T6が1050+α℃(=混合融液270のうち種結晶5の周辺領域を1050℃に設定したときの加熱装置300に含まれるヒーター303の温度)に達すると、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5を温度Ts1に設定する流量からなる窒素ガスを流すための制御信号CTL5を生成して流量計210へ出力する。
そうすると、流量計210は、制御信号CTL5に応じて、温度T5を温度Ts1に設定する流量からなる窒素ガスをガスボンベ220からガス供給管200を介して配管180内へ流す。種結晶5またはGaN結晶6の温度は、窒素ガスの流量に略比例して1050℃から低下し、窒素ガスの流量が流量fr1(sccm)になると、GaN結晶6の温度T5は、温度Ts1に設定される(図10参照)。
したがって、流量計210は、流量fr1からなる窒素ガスを配管180内へ流す。そして、配管180内へ供給された窒素ガスは、配管180の複数の空孔181から筒状部材41の底面41Bに吹き付けられる。
これによって、種結晶5またはGaN結晶6は、筒状部材41の底面41Bを介して冷却され、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5は、タイミングt4で温度Ts1に低下し、その後、タイミングt5まで温度Ts1に保持される。
加熱装置50,60のヒーターの温度T1,T2は、混合融液270の温度と所定の温度差αを有するため、温度制御装置260は、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5が1050℃から低下し始めると、温度センサー51,61からそれぞれ受けた温度T1,T2が900+α℃に設定されるように制御信号CTL1,2によってそれぞれ加熱装置50,60を制御する。
なお、この発明においては、好ましくは、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5は、タイミングt3以降、直線k4に従って低下するように制御される。すなわち、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5は、タイミングt3からタイミングt5までの間で1050℃から温度Ts2(<Ts1)まで低下される。この場合、流量計210は、温度制御装置260からの制御信号CTL5に基づいて、直線k7に従って配管180内へ流す窒素ガスの流量を0から流量fr2(>fr1)まで増加する。窒素ガスの流量が流量fr2になると、種結晶5またはGaN結晶6の温度T5は、温度Ts1よりも低い温度Ts2に設定される。そして、温度Ts2は、たとえば、980℃である。
このように、混合融液270の温度(=1050℃)と種結晶5またはGaN結晶6の温度T5との差を徐々に大きくすることによって、種結晶5またはGaN結晶6付近の混合融液270中の窒素またはIII族窒化物の過飽和度が徐々に大きくなり、種結晶5またはGaN結晶6の結晶成長を少なくとも継続できる。
図11は、図7に示すタイミングt3〜タイミングt5間における反応容器20内の状態を示す概念図である。図7に示すタイミングt3においては、混合融液270が生成され、その生成された混合融液270は、BNからなる本体容器11およびWからなる埋込部材12〜14の両方に接する。即ち、混合融液270は、濡れ性が異なる2つの材質(BNおよびW)に接する。そうすると、混合融液270の表面張力が不均質になり、対流15が混合融液270中に発生する。この対流14は、「マランゴニ対流」と呼ばれる。
一度、マランゴニ対流が発生すると、準安定的な対流が持続し、これによって、混合融液270中の窒素濃度が均一化され、窒素の局所的な過飽和度の上昇が抑制され、雑結晶の発生が抑制される。
したがって、この発明においては、濡れ性が異なる2つの材質で坩堝を作製するという構成を採用することによって、混合融液270中にマランゴニ対流を発生させ、雑結晶の発生を抑制できる。
なお、結晶製造装置100においては、混合融液270のうち、種結晶5の周辺領域は、加熱装置300によって1050℃に加熱されているので、混合融液270の重力方向DR1において熱分布が生じ、この熱分布によっても対流が発生する。
図12は、GaN結晶を成長させる場合の窒素ガス圧と混合融液温度との関係を示す図である。図12において、横軸は、混合融液温度を表し、縦軸は、窒素ガス圧を表す。また、領域REG1は、GaN結晶が溶解する領域であり、領域REG2は、坩堝10の混合融液270に接する底面および側面において多くの核が自発的に発生し、c軸(<0001>)方向に成長した柱状形状のGaN結晶が製造される領域であり、領域REG3は、GaN結晶が種結晶から結晶成長する領域である。
この発明においては、領域REG2に含まれる温度および圧力を用いてGaN結晶を結晶成長し、または領域REG3に含まれる温度および圧力を用いて種結晶5からGaN結晶6を結晶成長させる。
再び、図7を参照して、GaN結晶6の結晶成長がタイミングt5で終了すると、加熱装置50,60は、坩堝10,11および反応容器20の加熱を停止し、加熱装置300は、混合融液270の加熱を停止し、坩堝10および反応容器20の温度は、曲線k1,k2に従って900℃(または1050℃)から低下し、GaN結晶6の温度T5は、温度Ts1(または温度Ts2)から低下する。
一方、加熱/冷却器70は、曲線k5に従って融液溜め部23を冷却し、融液溜め部23の温度は、タイミングt6からタイミングt7までの間、凝集温度Tcohに保持される。また、加熱/冷却器80は、曲線k6に従って融液凝集部90Aを加熱し、融液凝集部90Aは、タイミングt6からタイミングt7までの間、蒸発促進温度Tevに保持される。ここで、蒸発促進温度Tevは、アルカリ金属融液290が気相輸送によって融液凝集部90Aから他の部分へ移動する温度である。
タイミングt6からタイミングt7までの間、融液溜め部23の温度は、凝集温度Tcohに保持され、融液凝集部90Aの温度は、蒸発促進温度Tevに保持される結果、アルカリ金属融液290は、蒸発して融液溜め部23へ気相輸送される。そして、タイミングt7においては、融液凝集部90Aには、アルカリ金属融液290は存在しない。なお、アルカリ金属融液290が融液凝集部90Aから融液溜め部23へ気相輸送される場合、バルブ110は閉じられているため、アルカリ金属融液290から蒸発した金属Naの蒸気が圧力調整器120側へ拡散することはない。
タイミングt7において、アルカリ金属融液290の融液凝集部90Aから融液溜め部23への気相輸送が終了すると、加熱/冷却器70は、融液溜め部23を冷却し、加熱/冷却器80は、融液凝集部90Aを冷却する。これによって、坩堝10、反応容器20、融液溜め部23および融液凝集部90Aは、タイミングt7以降、室温へ向かって冷却される。
図13は、GaN結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。図13を参照して、一連の動作が開始されると、バルブ110によってガス供給管90をガス供給管91,92に分離し、Arガスが充填されたグローブボックス内へ坩堝10、反応容器20およびガス供給管91を入れる。そして、Arガス雰囲気中で金属Naを反応容器20の融液溜め部23に入れる(ステップS1)。なお、Arガスは、水分量が1ppm以下であり、かつ、酸素量が1ppm以下であるArガスである(以下、同じ)。
その後、Arガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れる(ステップS2)。この場合、金属Naおよび金属Gaを5:5の混合比で坩堝10に入れる。そうすると、金属Naおよび金属Gaを入れた坩堝10を反応容器20内に設置する。
引続いて、グローブボックスから坩堝10、反応容器20およびガス供給管91を取り出し、坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内にArガスを充填した状態で坩堝10、反応容器20およびガス供給管91を結晶製造装置100に設定する。
そして、ガス供給管92をバルブ110に連結し、バルブ110を閉じた状態でバルブ150を開け、真空ポンプ160によって坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内に充填されたArガスを排気する。真空ポンプ160によって坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きした後、バルブ150を閉じ、バルブ110を開けて窒素ガスをガスボンベ130からガス供給管90を介して坩堝10および反応容器20内へ充填する。この場合、圧力調整器120によって坩堝10および反応容器20内の圧力が0.1MPa程度になるように坩堝10および反応容器20内へ窒素ガスを供給する。
そして、圧力センサー170によって検出した反応容器20内の圧力が0.1MPa程度になると、バルブ110を閉じ、バルブ150を開けて真空ポンプ160によって坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内に充填された窒素ガスを排気する。この場合も、真空ポンプ160によって坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きする。
そして、この坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内の真空引きと坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内への窒素ガスの充填とを数回繰り返し行なう。
その後、真空ポンプ160によって坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内を所定の圧力まで真空引きした後、バルブ150を閉じ、バルブ110を開けて圧力調整器120によって坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内の圧力が1.01MPaになるように坩堝10、反応容器20およびガス供給管91内へ窒素ガスを充填する(ステップS3)。
その後、加熱装置50,60によって坩堝10および反応容器20を900℃に加熱し(ステップS4)、加熱装置300によって混合融液270のうち種結晶5の周辺領域を1050℃に加熱する(ステップS5)。
そして、加熱/冷却器70によって、アルカリ金属融液280から蒸発する金属Naの蒸気圧PNaが混合融液270から蒸発する金属Naの蒸気圧PNa−Gaに略一致する蒸発抑制温度Tevcにアルカリ金属融液280の温度を制御する(ステップS6)。また、加熱/冷却器80によって、窒素ガスを供給するガス供給管90のうち、坩堝10および反応容器20の空間24に近い領域(=融液凝集部90A)の温度を凝集温度Tcohに制御する(ステップS7)。
この場合、融液溜め部23に保持された金属Naは、融点が約98℃であるので、融液溜め部23が蒸発抑制温度Tevcに加熱される過程で溶融され、アルカリ金属融液280になる。そして、気液界面1が発生する(図1参照)。気液界面1は、アルカリ金属融液280と反応容器20内の空間24との界面に位置する。
また、坩堝10および反応容器20が900℃に加熱される過程で、坩堝10内の金属Naおよび金属Gaも液体になり、金属Naと金属Gaとの混合融液270が坩堝10内に発生する。
融液溜め部23の温度が蒸発抑制温度Tevcに近づき、かつ、坩堝10の温度が900℃に近づくに従って、アルカリ金属融液280から蒸発する金属Naの蒸気圧PNaおよび混合融液270から蒸発する金属Naの蒸気圧PNa−Gaは、徐々に高くなり、反応容器20内の空間24に存在する金属Na蒸気が増加する。空間24に存在する金属Na蒸気の一部は、坩堝10および反応容器20の温度よりも低温である融液凝集部90Aへ拡散し、融液凝集部90Aでアルカリ金属融液290として凝集する。そして、蒸気圧PNaが蒸気圧PNa−Gaに略一致する。
その後、上下機構240は、上述した方法によって、種結晶5を混合融液270に浸漬させる(ステップS8)。そして、種結晶5周辺の混合融液270の温度が1050℃程度の高温状態では、空間24内の窒素ガスが金属Naを媒介として混合融液270中へ取り込まれていることから、GaN結晶6の種結晶5からの結晶成長が開始される。このときの坩堝10および反応容器20の温度および反応容器20内の窒素ガス圧力は、図12に示す領域REG3に存在する温度および圧力である。
その後、所定の時間(数時間)、坩堝10および反応容器20の温度が900℃(種結晶5周辺の混合融液270の温度が1050℃)に保持され、融液溜め部23のアルカリ金属融液280の温度が蒸発抑制温度Tevcに保持され、融液凝集部90Aの温度が凝集温度Tcohに保持される(ステップS9)。
GaN結晶の結晶成長が開始されると、GaN結晶の温度T5が上述した方法によって種結晶5周辺の混合融液270の温度(=1050℃)よりも低い温度Ts1またはTs2に設定される(ステップS10)。
GaN結晶の成長が進行すると、空間24内の窒素ガスが消費され、空間24内の窒素ガスが減少する。そうすると、空間24内の圧力P1がガス供給管90内の圧力P2よりも低くなり(P1<P2)、空間24内とガス供給管90内との間に差圧が発生し、ガス供給管91内の窒素ガスは、アルカリ金属融液290(=金属Na融液)を介して空間24内へ供給される。すなわち、窒素ガスが坩堝10および反応容器20の空間24へ補給される(ステップS11)。このとき、アルカリ金属融液290がガス供給管91の軸方向の断面全面を塞いで存在(バルブ110側と反応容器20側を仕切るように存在)していても、アルカリ金属融液290が液体であるために、窒素ガスの差圧によってアルカリ金属融液290を押しのけるようにして、窒素ガスが反応容器20内の空間24に導入されることとなる。
また、GaN結晶6の結晶成長が開始されると、上述したマランゴニ対流が発生し、上述した機構によって雑結晶の発生が抑制される。
その後、GaN結晶6が混合融液270に接触するように、上述した方法によってGaN結晶6を移動させる(ステップS12)。これによって、大きなサイズを有するGaN結晶6が成長する。
そして、所定の時間が経過すると、坩堝10および反応容器20の温度が降温されて(ステップS13)、GaN結晶の製造が終了する。
なお、ステップS13の後、融液溜め部23の温度は、凝集温度Tcohに保持され、融液凝集部90Aの温度は、蒸発促進温度Tevに保持される。その結果、アルカリ金属融液290は、気相輸送によって融液凝集部90Aから融液溜め部23へ移動される。そして、図13に示すフローチャートに従って、次回のGaN結晶の製造が行なわれる。
このように、ガス供給管90内の融液凝集部90Aに溜まったアルカリ金属融液290が反応容器20内の融液溜め部23へ移動された状態で次回のGaN結晶を製造するための原料の仕込みが行なわれる。
上述したように、この発明においては、種結晶5の周辺領域を混合融液270の温度(=900℃)よりも高い1050℃に設定してGaN結晶を製造するので、GaN結晶の成長速度を速くできる。
また、この発明においては、GaN結晶の製造中、種結晶5の温度を1050℃よりも低い温度Ts1に設定するので、種結晶5周辺の混合融液270中における窒素の過飽和度が高く設定されるので、GaN結晶の成長速度を速くできる。
さらに、この発明においては、濡れ性が異なる2つの材質(BNおよびW)からなる坩堝10によって混合融液270を保持してGaN結晶を製造するので、GaN結晶の製造中、混合融液270の表面張力が不均質になり、対流15(マランゴニ対流)が混合融液270中に発生する。その結果、混合融液270中の窒素濃度が均一化され、窒素の局所的な過飽和度の上昇が抑制される。したがって、この発明によれば、雑結晶の発生を抑制できる。
さらに、この発明においては、アルカリ金属融液280から蒸発する金属Naの蒸気圧PNaを混合融液270から蒸発する金属Naの蒸気圧PNa−Gaに略一致させてGaN結晶が製造される。そして、蒸気圧PNaを蒸気圧PNa−Gaに略一致させることは、加熱/冷却器70が融液溜め部23を蒸発抑制温度Tevcに加熱することによって実現される。
したがって、混合融液270中における金属Naと金属Gaとの混合比の変動が抑制される。その結果、金属Naと金属Gaとの混合比の変動を抑制してGaN結晶を製造できる。
さらに、窒素ガスを反応容器20内へ供給するガス供給管90の融液凝集部90Aは、アルカリ金属蒸気がアルカリ金属融液として溜まる凝集温度Tcohに保持されてGaN結晶が製造される。そして、融液凝集部90Aの温度を凝集温度Tcohに保持することは、加熱/冷却器80が融液凝集部90Aを凝集温度Tcohに制御(加熱/冷却)することによって実現される。
したがって、金属Na蒸気が反応容器20内の空間24からガス供給管90内へ拡散しても、その拡散した金属Naは、アルカリ金属融液290として融液凝集部90Aに溜まる。そして、反応容器20内の空間24に存在する金属Naの外部への拡散が抑制される。その結果、混合融液270中における金属Naと金属Gaとの混合比の変動が抑制され、金属Naと金属Gaとの混合比の変動を抑制してGaN結晶を製造できる。
なお、上記においては、ガス供給管90内の融液凝集部90Aに金属Naを仕込まずにアルカリ金属融液280,290をそれぞれ融液溜め部23および融液凝集部90Aに保持してGaN結晶を結晶成長させると説明したが、この発明においては、これに限らず、融液溜め部23および融液凝集部90Aの両方に金属Naを仕込んでアルカリ金属融液280,290をそれぞれ融液溜め部23および融液凝集部90Aに保持するようにしてもよい。
また、上記においては、混合融液270に対する濡れ性が異なる2つの材質(BNおよびW)を用いてマランゴニ対流を生じさせ、混合融液270中における雑結晶の発生を抑制することについて説明したが、この発明においては、これに限らず、この発明による結晶製造装置は、混合融液270中において対流を生じさせることによって雑結晶の発生を抑制してGaN結晶を製造するものであればよい。
さらに、混合融液270に対する濡れ性が異なる材質としてBNとWとを用いたが、この発明においては、これに限らず、これら以外の材質を用いて混合融液270中においてマランゴニ対流を生じさせてもよい。
さらに、この発明による結晶製造装置は、上述した2つのアルカリ金属融液280,290の少なくとも一方のアルカリ金属融液の温度をアルカリ金属から蒸発するアルカリ金属の蒸気圧が混合融液から蒸発するアルカリ金属の蒸気圧に略一致する蒸発抑制温度に制御してGaN結晶を製造するものに限らず、一般的には、アルカリ金属とIII族金属とを含む混合融液からのアルカリ金属の蒸発を抑制するように第1のアルカリ金属融液の温度および/または第2のアルカリ金属融液の温度を制御する制御手段を備えていればよい。
さらに、上述した実施の形態においては、結晶成長中の種結晶5周辺の混合融液270の温度は、1050℃であり、種結晶5周辺以外の混合融液270の温度は、900℃であると説明したが、この発明においては、これに限らず、種結晶5周辺の混合融液270の温度および種結晶5周辺以外の混合融液270の温度はは、図12に示す領域REG2,REG3に含まれる温度であればよい。また、窒素ガス圧力は、図12に示す領域REG2,REG3に含まれる圧力であればよい。
さらに、この発明による結晶製造装置は、結晶製造装置100から振動印加装置230、上下機構240および振動検出装置250を削除したものであってもよい。この場合、GaN結晶6は、上下方向へ移動されないが、坩堝10内に入れられた金属Naおよび金属Gaが融けた状態で支持装置40の底面41Bが混合融液270に接触するように支持装置40がセットされる。したがって、種結晶5からGaN結晶6が結晶成長する。その結果、大きいサイズのGaN結晶を製造できる。
さらに、この発明による結晶製造装置は、結晶製造装置100から配管180、熱電対190、ガス供給管200、流量計210およびガスボンベ220を削除したものであってもよい。この場合、GaN結晶6の温度T5は、GaN結晶の結晶成長中、混合融液270の温度よりも低温に制御されないが、GaN結晶6は、支持装置40によって混合融液270に接触されるので、GaN結晶6は、混合融液270中の金属Naと金属Gaとの混合比の変動が抑制された状態で種結晶5から成長する。その結果、大きなサイズのGaN結晶を製造できる。
さらに、この発明による結晶製造装置は、結晶製造装置100から配管180、熱電対190、ガス供給管200、流量計210、ガスボンベ220、振動印加装置230、上下機構240および振動検出装置250を削除したものであってもよい。この場合、GaN結晶6は、上下方向へ移動されず、GaN結晶6の温度T5は、混合融液270の温度よりも低い温度に制御されないが、坩堝10内に入れられた金属Naおよび金属Gaが融けた状態で混合融液270に接触するようにGaN結晶6が支持装置40によって支持される。したがって、GaN結晶6は、混合融液270中の金属Naと金属Gaとの混合比の変動が抑制された状態で種結晶5から成長する。その結果、大きいサイズのGaN結晶を製造できる。
さらに、上記においては、Arガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、Arガス雰囲気中で金属Naを融液溜め部23および/または融液凝集部90Aに入れると説明したが、この発明においては、これに限らず、He、NeおよびKr等のArガス以外のガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、金属Naを融液溜め部23および/または融液凝集部90Aに入れてもよく、一般的には、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、金属Naを融液溜め部23および/または融液凝集部90Aに入れればよい。そして、この場合、不活性ガスまたは窒素ガスは、水分量が1ppm以下であり、かつ、酸素量が1ppm以下である。
さらに、金属Gaと混合する金属は、Naであると説明したが、この発明においては、これに限らず、リチウム(Li)およびカリウム(K)等のアルカリ金属、またはマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属を金属Gaと混合して混合融液270を生成してもよい。そして、これらのアルカリ金属が溶けたものは、アルカリ金属融液を構成し、これらのアルカリ土類金属が溶けたものは、アルカリ土類金属融液を構成する。
さらに、窒素ガスに代えて、アジ化ナトリウムおよびアンモニア等の窒素を構成元素に含む化合物を用いてもよい。そして、これらの化合物は、窒素原料ガスを構成する。
さらに、Gaに代えて、ボロン(B)、アルミニウム(Al)およびインジウム(In)等のIII族金属を用いてもよい。
したがって、この発明による結晶製造装置は、一般的には、アルカリ金属またはアルカリ土類金属とIII族金属(ボロンを含む)との混合融液を用いてIII族窒化物結晶を製造するものであればよい。
そして、この発明による結晶製造装置を用いて製造したIII族窒化物結晶は、発光ダイオード、半導体レーザ、フォトダイオードおよびトランジスタ等のIII族窒化物半導体デバイスの作製に用いられる。
なお、ガス供給管90、圧力調整器120およびガスボンベ130は、「ガス供給装置」を構成する。
また、坩堝10は、「対流発生手段」を構成し、加熱装置50,60,300は、「対流発生手段」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、III族窒化物結晶の成長速度を高速化できる結晶製造装置に適用される。
この発明の実施の形態による結晶製造装置の概略断面図である。 図1に示す支持装置、配管および熱電対の拡大図である。 図1に示す坩堝の構成を示す概略断面図である。 図1に示す加熱装置の構成を示す概略図である。 図1に示す上下機構の構成を示す概略図である。 振動検出信号のタイミングチャートである。 図1に示す坩堝、反応容器、融液溜め部および融液凝集部の温度のタイミングチャートである。 図7に示すタイミングt1,t3間における坩堝、反応容器、融液溜め部および融液凝集部内の状態変化を示す模式図である。 図7に示すタイミングt3における坩堝および反応容器内の状態を示す模式図である。 GaN結晶の温度と窒素ガスの流量との関係を示す図である。 図7に示すタイミングt3〜タイミングt5間における反応容器内の状態を示す概念図である。 GaN結晶を成長させる場合の窒素ガス圧と混合融液温度との関係を示す図である。 GaN結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1,2 気液界面、4 窒素ガス、5 種結晶、10 坩堝、11 本体容器、12〜14 埋込部材、15 対流、20 反応容器、20A,41A 外周面、20B,41B,180A 底面、21 本体部、22 蓋部、23 融液溜め部、24 空間、30 ベローズ、40 支持装置、41 筒状部材、50,60,300 加熱装置、51,61,71,81 温度センサー、70,80 加熱/冷却器、90,91,92,200 ガス供給管、90A 融液凝集部、100 結晶製造装置、110,150 バルブ、120 圧力調整器、130,220 ガスボンベ、140 排気管、160 真空ポンプ、170 圧力センサー、180 配管、181 空孔、190,304 熱電対、190A,411 一方端、210 流量計、230 振動印加装置、240 上下機構、241 凹凸部材、242 歯車、243 軸部材、244 モータ、245 制御部、246,247 矢印、250 振動検出装置、260,260A, 温度制御装置、270 混合融液、280,290 アルカリ金属融液、301 加熱部、302 支持部、303 ヒーター、305 導線。

Claims (7)

  1. アルカリ金属とIII族金属とを含む混合融液を保持する反応容器と、
    前記反応容器内へ窒素原料ガスを外部から供給するガス供給装置と、
    前記反応容器の外部から前記混合融液をIII族窒化物結晶の成長が可能な第1の温度に加熱する第1の加熱装置と、
    種結晶を前記混合融液の表面または前記混合融液中に保持する保持手段と、
    前記混合融液のうち前記種結晶の周辺領域を前記第1の温度よりも高い第2の温度に加熱する第2の加熱装置とを備える結晶製造装置。
  2. 前記第2の加熱装置は、前記混合融液中に設けられる、請求項1に記載の結晶製造装置。
  3. 前記混合融液が前記第1および第2の加熱装置によって加熱されたときに、前記混合融液中に対流を発生させる対流発生手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の結晶製造装置。
  4. 前記反応容器は、
    前記混合融液に対して第1の濡れ性を有する第1の材質からなる本体容器と、
    前記本体容器の内壁に埋め込まれ、前記混合融液に対して前記第1の濡れ性よりも悪い第2の濡れ性を有する第2の材質からなる埋込部材とを含む、請求項1または請求項2に記載の結晶製造装置。
  5. 前記第1の材質は、ボロンナイトライドであり、
    前記第2の材質は、タングステンである、請求項4に記載の結晶製造装置。
  6. 前記種結晶を前記第2の温度よりも低い第3の温度に冷却する冷却手段をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の結晶製造装置。
  7. 前記III族窒化物結晶の成長とともに、前記III族窒化物結晶の成長端が前記混合融液の表面または前記混合融液中に保持されるように前記保持手段を移動させる移動手段をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の結晶製造装置。
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