JP2007161529A - 製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】GaN結晶を安定して製造する製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、Arガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを相互の反応を防止して坩堝内に設置する第1の工程と、坩堝を内部に含む内部反応容器を内部反応容器の内部空間を外部と遮断しながら結晶成長装置に設置するとともに、窒素ガスのガス供給源と内部反応容器とを連結する第2の工程と、内部反応容器の内部空間を外部と遮断しながらガス供給源と内部反応容器との間をパージする第3の工程と、内部反応容器内の第1の圧力と外部反応容器内の第2の圧力との圧力差を第1の基準値以下に保持しながら内部反応容器内および外部反応容器内に窒素原料ガスを充填する第4の工程と、混合融液中における金属Naと金属Gaとの混合比を略一定に保持してGaN結晶を結晶成長する第5の工程とを備える。
【選択図】図11

Description

この発明は、GaN結晶を製造する製造方法に関するものである。
現在、紫外、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN(III族窒化物半導体)系デバイスは、その殆どがサファイアおよびシリコンカーバイド(SiC)を基板とし、その基板上にMOCVD法(有機金属化学気相成長法)およびMBE法(分子線結晶成長法)等を用いて作製されている。
このように、サファイアおよびシリコンカーバイドを基板として用いた場合、熱膨張係数および格子定数が基板とIII族窒化物半導体とでそれぞれ大きく異なっているため、III族窒化物半導体内に多くの結晶欠陥が含まれることとなる。この結晶欠陥は、デバイス特性を低下させ、たとえば、発光デバイスにおいては、寿命が短い、動作電力が大きい、等の欠点に直接関係する。
また、サファイア基板は、絶縁体であるため、従来の発光デバイスのように基板側から電極を取り出すことが不可能であった。これにより、III族窒化物半導体側から電極を取り出すことが必要となる。その結果、デバイスの面積が大きくなり、高コスト化を招くという不都合があった。そして、デバイスの面積が大きくなると、サファイア基板とIII族窒化物半導体という異種材料の組み合わせに伴う基板の反りという新たな問題が発生する。
さらに、サファイア基板上に作製されたIII族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)において必要とされる共振器端面を得ることは、容易ではない。このため、現在は、ドライエッチング、またはサファイア基板を厚さ100μm以下まで研磨した後に劈開に近い形に分離し、共振器端面の形成を行なっている。したがって、従来のLDのように、共振器端面の形成とチップ分離とを単一工程で行なうことが困難であり、工程の複雑化によるコスト高を招いていた。
これらの問題を解決するため、サファイア基板上にIII族窒化物半導体を選択的に横方向に成長させるなどの工夫をし、結晶欠陥を低減させることが提案された。これにより、結晶欠陥を低減させることが可能となったが、サファイア基板の絶縁性および上述した劈開の困難性に関する問題は、依然として残っている。
こうした問題を解決するためには、基板上に結晶成長する材料と同一である窒化ガリウム(GaN)基板が最適である。そのため、気相成長および融液成長等により、バルクGaNを結晶成長させる方法が、各種、提案されている。しかし、未だ高品質かつ実用的な大きさを有するGaN基板は、実現されていない。
GaN基板を実現する1つの方法として、ナトリウム(Na)をフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている(特許文献1)。この方法は、アジ化ナトリウム(NaN)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法:内径=7.5mm、長さ=100mm)にNaNおよび金属Gaを窒素雰囲気中で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶が成長するものである。
この方法は、600〜800℃と比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm程度と比較的低く、実用的な成長条件であることが特徴である。
そして、最近では、アルカリ金属とIII族金属との混合融液と、窒素を含むV族原料とを反応させることにより、高品質なIII族窒化物結晶が実現されている(特許文献2)。
米国特許第5868837号明細書 特開2001−58900号公報
しかし、金属Naと金属Gaとの混合融液と、窒素を含む窒素原料とを反応させてGaN結晶を結晶成長させる結晶成長装置は、混合融液を保持する内部反応容器と、内部反応容器の周囲を覆う外部反応容器とを備え、内部反応容器内および外部反応容器内を大気圧よりも高い圧力に加圧した加圧状態でGaN結晶を結晶成長させるため、内部反応容器内の圧力と外部反応容器内の圧力との圧力差が大きくなると、内部反応容器内の状態が変化し、III族窒化物結晶を安定して結晶成長させることが困難であるという問題がある。
すなわち、内部反応容器内の圧力が外部反応容器内の圧力よりも高い場合、内部反応容器内の空間に存在する窒素原料ガスおよび金属Na蒸気が外部反応容器へ漏れて内部反応容器内の圧力が低下するため、窒素原料ガスが混合融液中に安定して取り込まれず、GaN結晶を安定して結晶成長させることが困難である。
また、外部反応容器内の圧力が内部反応容器内の圧力よりも高い場合、外部反応容器から内部反応容器へ不純物等が混入する可能性があるため、高純度のGaN結晶を安定して結晶成長させることが困難である。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、GaN結晶を安定して製造する製造方法を提供することである。
この発明によれば、製造方法は、金属Naと金属Gaとを含む混合融液を保持する坩堝と坩堝を覆う内部反応容器と内部反応容器を覆う外部反応容器とを備える結晶成長装置を用いてGaN結晶を製造する製造方法であって、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを相互の反応を防止して坩堝内に入れる第1の工程と、坩堝を内部に含む内部反応容器を内部反応容器の内部空間を外部と遮断しながら結晶成長装置に設置するとともに、窒素原料ガスのガス供給源と内部反応容器とを連結する第2の工程と、内部反応容器の内部空間を外部と遮断しながらガス供給源と内部反応容器との間をパージする第3の工程と、内部反応容器内の第1の圧力と外部反応容器内の第2の圧力との圧力差を第1の基準値以下に保持しながら内部反応容器内および外部反応容器内に窒素原料ガスを充填する第4の工程と、混合融液中における金属Naと金属Gaとの混合比を略一定に保持してGaN結晶を結晶成長する第5の工程とを備える。
好ましくは、第4の工程は、第1の圧力と第2の圧力とを略同一に保持しながら内部反応容器内および外部反応容器内に窒素原料ガスを充填する。
好ましくは、結晶成長装置は、一方端が内部反応容器に連結され、他方端がガス供給源に連結された配管と、配管内に保持された金属Na融液と、配管内に設置され、金属Na融液を少なくとも配管内に保持するともに、ガス供給源から供給された窒素原料ガスを金属Na融液を介して混合融液に接する容器空間へ供給する抑制/導入部材とをさらに備える。そして、製造方法は、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naを配管内に入れる第6の工程をさらに備え、第2から第5の工程は、第1および第6の工程の後に実行される。
好ましくは、第5の工程は、内部反応容器側から抑制/導入部材に印加される第3の圧力とガス供給源側から抑制/導入部材に印加される第4の圧力との圧力差を第2の基準値以下に保持しながら坩堝および内部反応容器を結晶成長温度に加熱するとともに、容器空間の圧力を結晶成長圧力に設定する第1のサブ工程と、結晶成長温度および結晶成長圧力を保持する第2のサブ工程とを含む。
好ましくは、第5の工程は、第3の圧力と第4の圧力との圧力差を第2の基準値以下に保持しながら容器空間の圧力が結晶成長圧力に略保持されるように窒素原料ガスを抑制/導入部材および金属Na融液を介して容器空間へ補充する第3のサブ工程をさらに含む。
好ましくは、第2の基準値は、内部反応容器の耐圧および抑制/導入部材の耐圧のうちの小さい耐圧である。
好ましくは、結晶成長装置は、一方端が内部反応容器に連結され、他方端がガス供給源に連結された配管と、配管内に保持された金属Na融液と、配管内に設置され、金属Na融液を少なくとも配管内に保持するともに、ガス供給源から供給された窒素原料ガスを金属Na融液を介して混合融液に接する容器空間へ供給する逆流防止弁とをさらに備える。そして、製造方法は、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naを配管内に入れる第6の工程をさらに備え、第2から第5の工程は、第1および第6の工程の後に実行される。
好ましくは、第5の工程は、坩堝および内部反応容器を結晶成長温度に加熱するとともに、容器空間の圧力を結晶成長圧力に設定する第1のサブ工程と、結晶成長温度および結晶成長圧力を保持する第2のサブ工程とを含む。
好ましくは、第5の工程は、容器空間の圧力が結晶成長圧力に略保持されるように窒素原料ガスを逆流防止弁および金属Na融液を介して容器空間へ補充する第3のサブ工程をさらに含む。
好ましくは、第5の工程は、金属Na融液から蒸発する金属Naの第1の蒸気圧が混合融液から蒸発する金属Naの第2の蒸気圧に略一致する温度に抑制/導入部材または逆流防止弁の温度を設定する第4のサブ工程をさらに含む。
好ましくは、第5の工程は、第1および第2のサブ工程の後、GaN結晶からなる種結晶を混合融液と容器空間との界面に接触させ、または混合融液中に浸漬する第5のサブ工程をさらに含む。
好ましくは、第5の工程は、種結晶の温度を混合融液の温度よりも低い温度に設定する第6のサブ工程をさらに含む。
好ましくは、第6のサブ工程は、種結晶からのGaN結晶の結晶成長の進行とともに混合融液の温度と種結晶の温度との温度差を大きくする。
好ましくは、製造方法は、第5の工程の後、第3の圧力と第4の圧力との圧力差を第2の基準値以下に保持しながら坩堝および内部反応容器の温度を結晶成長温度から所定の温度まで降温する第7の工程をさらに備える。
好ましくは、製造方法は、坩堝および内部反応容器の温度が結晶成長温度から所定の温度に降温されるまでの間、抑制/導入部材または逆流防止弁の温度を所定の温度に略保持する第8の工程をさらに備える。
好ましくは、結晶成長装置は、容器空間と外部反応容器内の空間とを連通する連通弁をさらに備える。そして、製造方法は、降温時に、坩堝および内部反応容器の温度が所定の温度になると、連通弁を開ける第9の工程をさらに備える。
好ましくは、製造方法は、第9の工程の後、坩堝および内部反応容器を自然冷却する第10の工程をさらに備える。
好ましくは、第10の工程は、さらに、抑制/導入部材または逆流防止弁を自然冷却する。
この発明においては、内部反応容器内の第1の圧力と、外部反応容器内の第2の圧力との圧力差を第1の基準値以下に保持しながら窒素ガスを内部反応容器および外部反応容器に充填し、混合融液中における金属Naと金属Gaとの混合比を略一定に保持しながらGaN結晶を結晶成長する。その結果、内部反応容器内から外部反応容器内への窒素ガスおよび金属Na蒸気の流出および外部反応容器内から内部反応容器内への気体の流入を抑制し、混合融液に接する容器空間の雰囲気を略一定にしてGaN結晶の結晶成長が行なわれる。
したがって、この発明によれば、GaN結晶を安定して製造できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による結晶成長装置の概略断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1による結晶成長装置100は、坩堝10と、内部反応容器20と、配管30,260と、ベローズ40と、支持装置50と、抑制/導入部材60と、加熱装置70,80,220と、温度センサー71,81,221と、ガス供給管90,91,110,150,160,161,320と、バルブ120〜123,180,190,200,400〜403と、圧力調整器130,170と、ガスボンベ140,340と、排気管390〜393と、真空ポンプ230と、圧力センサー240,360,370と、金属融液250と、熱電対270と、上下機構280と、振動印加装置290と、外部反応容器300と、振動検出装置310と、流量計330と、温度制御装置350と、制御装置380とを備える。
坩堝10は、略円柱形状を有し、ボロンナイトライド(BN)またはSUS316Lからなる。内部反応容器20は、坩堝10と所定の間隔を隔てて坩堝10の周囲に配置される。そして、内部反応容器20は、本体部21と、蓋部22とからなる。本体部21および蓋部22の各々は、SUS316Lからなり、本体部21と蓋部22との間は、メタルオーリングによってシールされる。したがって、内部反応容器20内の空間23に存在する窒素ガスおよび金属Na蒸気が本体部21と蓋部22との間から外部反応容器300内へ漏洩することがない。
配管30は、重力方向DR1において、坩堝10の下側で内部反応容器20に連結される。ベローズ40は、重力方向DR1において、坩堝10の上側で内部反応容器20に連結される。支持装置50は、中空の筒状形状からなり、一部がベローズ40を介して内部反応容器20の空間23内へ挿入される。
抑制/導入部材60は、たとえば、金属およびセラミック等からなり、内部反応容器20と配管30との連結部よりも下側の配管30内に保持される。
加熱装置70は、内部反応容器20の外周面20Aを囲むように配置される。加熱装置80は、内部反応容器20の底面20Bに対向して配置される。温度センサー71,81は、それぞれ、加熱装置70,80に近接して配置される。
ガス供給管90は、一方端がバルブ120を介して内部反応容器20に連結され、他方端が圧力調整器130を介してガスボンベ140に連結される。ガス供給管91は、一方端がガス供給管90に連結され、他方端が開口になっている。ガス供給管110は、一方端が配管30に連結され、他方端がガス供給管90に連結される。
バルブ120は、内部反応容器20の近傍でガス供給管90に装着される。バルブ121は、ガス供給管91の他方端側に装着される。バルブ122は、配管30の近傍でガス供給管110に装着される。バルブ123は、ガス供給管90とガス供給管110との連結部の近傍でガス供給管90に装着される。
圧力調整器130は、ガスボンベ140の近傍でガス供給管90に装着される。ガスボンベ140は、ガス供給管90に連結される。
ガス供給管150は、一方端がバルブ180を介して外部反応容器300に連結され、他方端が開口になっている。ガス供給管160は、一方端がガス供給管150に連結され、他方端が圧力調整器130とガスボンベ140との間でガス供給管90に連結される。ガス供給管161は、一方端がバルブ180よりも高圧側でガス供給管150に連結され、他方端がバルブ123と圧力調整器130との間でガス供給管90に連結される。
圧力調整器170は、ガス供給管160に装着される。バルブ180は、外部反応容器300の近傍でガス供給管150に装着される。バルブ190は、ガス供給管161に装着される。バルブ200は、ガス供給管150の他方端側に装着される。
加熱装置220は、抑制/導入部材60の周囲に配置される。温度センサー221は、加熱装置220に近接して配置される。真空ポンプ230は、排気管390に連結される。圧力センサー240は、内部反応容器20に取り付けられる。金属融液250は、金属ナトリウム(金属Na)融液からなり、配管30内に保持される。
配管260および熱電対270は、支持装置50の内部に挿入される。上下機構280は、ベローズ40の上側において支持装置50に取り付けられる。外部反応容器300は、内部反応容器20、配管30、ベローズ40、支持装置50、加熱装置70,80、配管260、熱電対270および上下機構280を内部に含む。ガス供給管320は、一方端が配管260に連結され、他方端が流量計330を介してガスボンベ340に連結される。流量計330は、ガスボンベ340の近傍でガス供給管320に装着される。ガスボンベ340は、ガス供給管320に連結される。
圧力センサー360は、抑制/導入部材60の近傍で配管30に取り付けられる。圧力センサー370は、外部反応容器300に取り付けられる。
排気管390は、一方端がガス供給管90に連結され、他方端が排気管391〜393に連結される。排気管391は、一方端が排気管390,392,393に連結され、他方端が真空ポンプ230に連結される。排気管392は、一方端がバルブ400を介して外部反応容器300に連結され、他方端が排気管390,391,393に連結される。排気管393は、一方端が排気管390〜392に連結され、他方端が開口になっている。
バルブ400は、外部反応容器300の近傍において排気管392に装着される。バルブ401は、排気管390と排気管391〜393との連結部の近傍で排気管390に装着される。バルブ402は、排気管391と排気管390,392,393との連結部の近傍で排気管391に装着される。バルブ403は、排気管393に装着される。
坩堝10は、金属Naと、金属ガリウム(金属Ga)とを含む混合融液410を保持する。内部反応容器20は、坩堝10の周囲を覆う。配管30は、ガス供給管90,110を介してガスボンベ140から供給された窒素ガス(Nガス)を抑制/導入部材60に導くとともに、金属融液250を保持する。
ベローズ40は、支持装置50を保持するとともに、内部反応容器20の内部と外部とを遮断する。また、ベローズ40は、支持装置50の重力方向DR1への移動に伴って重力方向DR1に伸縮する。支持装置50は、内部反応容器20内に挿入された一方端にGaN結晶からなる種結晶5を支持する。
抑制/導入部材60は、配管30の内壁との間に数十μmの孔が形成されるように外周面に凹凸構造を有し、配管30内の窒素ガスを金属融液250の方向へ通過させ、窒素ガスを金属融液250を介して空間23へ供給する。また、抑制/導入部材60は、金属融液250の表面張力により金属融液250を配管30内に保持する。
加熱装置70は、ヒーターと、電流源とからなる。そして、加熱装置70は、制御装置380からの制御信号CTL1に応じて電流源によってヒーターに電流を流し、内部反応容器20の外周面20Aから坩堝10および内部反応容器20を結晶成長温度に加熱する。温度センサー71は、加熱装置70のヒーターの温度T1を検出し、その検出した温度T1を制御装置380へ出力する。
加熱装置80も、ヒーターと、電流源とからなる。そして、加熱装置80は、制御装置380からの制御信号CTL2に応じて電流源によってヒーターに電流を流し、内部反応容器20の底面20Bから坩堝10および内部反応容器20を結晶成長温度に加熱する。温度センサー81は、加熱装置80のヒーターの温度T2を検出し、その検出した温度T2を制御装置380へ出力する。
ガス供給管90は、ガスボンベ140から圧力調整器130を介して供給された窒素ガスをバルブ120を介して内部反応容器20内へ供給する。ガス供給管110は、ガスボンベ140からガス供給管90、圧力調整器130およびバルブ123を介して供給された窒素ガスをバルブ122を介して配管30内へ供給する。
バルブ120は、制御装置380からの制御信号CTL4に応じて、ガス供給管90内の窒素ガスを内部反応容器20内へ供給し、または窒素ガスの内部反応容器20内への供給を停止する。そして、バルブ120は、内部反応容器20内の空間23の圧力を配管30内の空間31の圧力と略一致させるためのバルブとしても機能する。
バルブ121は、制御装置380からの制御信号CTL5に応じて、内部反応容器20内の気体を外部へ放出し、または内部反応容器20内の気体の外部への放出を停止する。バルブ122は、制御装置380からの制御信号CTL6に応じて、ガス供給管110内の窒素ガスを配管30の空間31へ供給し、または窒素ガスの空間31への供給を停止する。
圧力調整器130は、ガスボンベ140からの窒素ガスを所定の圧力にしてガス供給管90,110,161および排気管390に供給する。ガスボンベ140は、窒素ガスを保持する。ガス供給管150は、ガスボンベ140から圧力調整器170を介して供給された窒素ガスをバルブ180を介して外部反応容器300へ供給する。
ガス供給管160は、ガスボンベ140からの窒素ガスを圧力調整器170を介してガス供給管150に供給する。ガス供給管161は、窒素ガスをバルブ190を介してガス供給管90とガス供給管150との間でやり取りする。
圧力調整器170は、ガスボンベ140からの窒素ガスを所定の圧力にしてガス供給管150に供給する。また、圧力調整器170は、制御装置380からの制御信号CTL7に応じて、外部反応容器300内の圧力を所定の圧力に加圧する。
バルブ180は、制御装置380からの制御信号CTL8に応じて、ガス供給管150内の窒素ガスを外部反応容器300内へ供給し、または窒素ガスの外部反応容器300内への供給を停止する。
バルブ190は、制御装置380からの制御信号CTL9に応じて、ガス供給管90とガス供給管150とを連結または遮断する。すなわち、バルブ190は、内部反応容器20へ窒素ガスを供給するガス供給管90と、外部反応容器300へ窒素ガスを供給するガス供給管150とを直接連結するバイパスバルブとして機能する。
バルブ200は、制御装置380からの制御信号CTL10に応じて、外部反応容器300内の窒素ガスを外部へ放出し、または外部反応容器300内の窒素ガスの外部への放出を停止する。
加熱装置220は、ヒーターと、電流源とからなる。そして、加熱装置220は、制御装置380からの制御信号CTL11に応じて電流源によってヒーターに電流を流し、抑制/導入部材60を所定の温度に加熱する。温度センサー221は、加熱装置220のヒーターの温度T4を検出し、その検出した温度T4を制御装置380へ出力する。
真空ポンプ230は、ガス供給管90、排気管390,391およびバルブ120,401,402を介して内部反応容器20内の真空引きを行なうとともに、排気管391,392およびバルブ400,402を介して外部反応容器300内の真空引きを行なう。
圧力センサー240は、加熱装置70によって加熱されていない内部反応容器20内の圧力を検出する。金属融液250は、抑制/導入部材60を介して導入された窒素ガスを空間23へ供給する。
配管260は、ガス供給管320から供給された窒素ガスを一方端から支持装置50内へ放出して種結晶5を冷却する。熱電対270は、種結晶5の温度T3を検出し、その検出した温度T3を温度制御装置350へ出力する。
上下機構280は、振動検出装置310からの振動検出信号BDSに応じて、後述する方法によって、種結晶5が空間23と混合融液410との気液界面3に接するように支持装置50を上下する。
振動印加装置290は、たとえば、圧電素子からなり、所定の周波数を有する振動を支持装置50に印加する。外部反応容器300は、内部反応容器20、配管30、ベローズ40、支持装置50、加熱装置70,80、配管260、熱電対270および上下機構280を覆う。振動検出装置310は、たとえば、加速度ピックアップからなり、支持装置50の振動を検出するとともに、支持装置50の振動を示す振動検出信号BDSを上下機構280へ出力する。
ガス供給管320は、ガスボンベ340から流量計330を介して供給された窒素ガスを配管260へ供給する。流量計330は、温度制御装置350からの制御信号CTL3に応じて、ガスボンベ340から供給された窒素ガスの流量を調整してガス供給管320へ供給する。ガスボンベ340は、窒素ガスを保持する。
温度制御装置350は、温度T1,T2,T3をそれぞれ温度センサー71,81および熱電対270から受け、その受けた温度T1,T2,T3に基づいて、種結晶5を冷却するための制御信号CTL3を生成する。
加熱装置70,80のヒーターの温度T1,T2は、混合融液410の温度と所定の温度差αを有するため、混合融液410の温度が800℃であるとき、加熱装置70,80のヒーターの温度T1,T2は、800+α℃である。一方、種結晶5の温度T3は、上述したように混合融液410の温度と等しい。
したがって、温度制御装置350は、温度センサー71,81から受けた温度T1,T2が800+α℃に達し、熱電対270から受けた温度T3が800℃に達すると、種結晶5を冷却するための制御信号CTL3を生成する。そして、温度制御装置350は、その生成した制御信号CTL3を流量計330へ出力する。
圧力センサー360は、坩堝10および内部反応容器20が結晶成長温度に加熱されたときの金属融液250の静水圧Psを検出し、その検出した静水圧Psを制御装置380へ出力する。圧力センサー370は、外部反応容器300内の圧力Poutを検出し、その検出した圧力Poutを制御装置380へ出力する。
制御装置380は、圧力センサー360から静水圧Psを受け、圧力センサー370から圧力Poutを受ける。そして、制御装置380は、静水圧Psに基づいて、内部反応容器20内の圧力Pinを検出する。より具体的には、内部反応容器20内の空間23の圧力Pinが相対的に高くなれば、金属融液250の静水圧Psは、圧力Pinに比例して相対的に高くなる。また、内部反応容器20内の空間23の圧力Pinが相対的に低くなれば、金属融液250の静水圧Psは、圧力Pinに比例して相対的に低くなる。
このように、静水圧Psは、空間23内の圧力Pinに比例する。したがって、制御装置380は、静水圧Psと圧力Pinとの比例係数を保持しており、その保持している比例係数を静水圧Psに乗算することにより、静水圧Psを圧力Pinに変換する。
そうすると、制御装置380は、圧力Pinと圧力Poutとの圧力差の絶対値|Pin−Pout|を演算し、その演算した絶対値|Pin−Pout|が所定値Cよりも小さいか否かを判定する。なお、所定値Cは、たとえば、0.1MPaに設定される。そして、この所定値Cは、結晶成長装置100が異常であると判定される値である。
絶対値|Pin−Pout|が所定値Cよりも小さいとき、制御装置380は、制御信号CTL6,CTL8,CTL10によってそれぞれバルブ122,180,200を制御せず、圧力センサー360,370からそれぞれ静水圧Psおよび圧力Poutを引き続いて受ける。
一方、|Pin−Pout|が所定値C以上であるとき、制御装置380は、圧力Pinが圧力Poutよりも高いか否かをさらに判定する。そして、制御装置380は、圧力Pinが圧力Poutよりも高いとき、バルブ122を閉じるための制御信号CTL6を生成し、その生成した制御信号CTL6をバルブ122へ出力するとともに、バルブ180を開けるための制御信号CTL8と、圧力Poutが圧力Pinに略一致するように外部反応容器300内を加圧するための制御信号CTL7とを生成し、その生成した制御信号CTL8,CTL7をそれぞれバルブ180および圧力調整器170へ出力する。
また、制御装置380は、圧力Pinが圧力Poutよりも低いとき、バルブ180を開けるための制御信号CTL8と、バルブ200を開けるための制御信号CTL10とを生成し、その生成した制御信号CTL8,CTL10をそれぞれバルブ180,200へ出力する。
さらに、制御装置380は、温度センサー71,81からそれぞれ受けた温度T1,T2が結晶成長温度から所定の温度に降温され、温度センサー221から受けた温度T4に略一致すると、バルブ121を開けるための制御信号CTL5を生成してバルブ121へ出力する。
排気管390は、ガス供給管90を介して供給された内部反応容器20内の気体を排気管391へ通過させる。排気管391は、排気管390または392からの気体を真空ポンプ230へ通過させる。排気管392は、外部反応容器300内の気体を排気管391へ通過させる。排気管393は、排気管390,391,392内の気体を外部へ放出する。
バルブ400は、外部反応容器300内と排気管392とを空間的に繋げ、または外部反応容器300内と排気管392とを空間的に遮断する。バルブ401は、排気管390内の気体を排気管391〜393へ供給するとともに、排気管390内の気体の排気管391〜393への供給を停止する。
バルブ402は、排気管390,392内の気体を真空ポンプ230へ供給するとともに、排気管390,393内の気体の真空ポンプ230への供給を停止する。また、バルブ402は、バルブ402と真空ポンプ230との間の排気管391内の気体を排気管393へ供給するとともに、バルブ402と真空ポンプ230との間の排気管391内の気体の排気管393への供給を停止する。
バルブ403は、排気管393内の気体を外部へ放出するとともに、排気管393内の気体の外部への放出を停止する。
図2は、図1に示す抑制/導入部材60の斜視図である。図2を参照して、抑制/導入部材60は、栓61と、凸部62とを含む。栓61は、略円柱形状からなる。凸部62は、略半円形の断面形状を有し、栓61の外周面に栓61の長さ方向DR2に沿って形成される。
図3は、抑制/導入部材60の配管30への取付状態を示す平面図である。図3を参照して、凸部62は、栓61の円周方向に複数個形成され、複数の凸部62は、数十μmの間隔dで形成される。また、凸部62は、数十μmの高さHを有する。抑制/導入部材60の複数の凸部62は、配管30の内壁30Aに接する。これにより、抑制/導入部材60は、配管30の内壁30Aに嵌合する。
凸部62が数十μmの高さHを有し、数十μmの間隔dで栓61の外周面に配置される結果、抑制/導入部材60が配管30の内壁30Aに嵌合した状態では、抑制/導入部材60と配管30の内壁30Aとの間に、直径が略数十μmである空隙63が複数個形成される。
この空隙63は、栓61の長さ方向DR2に窒素ガスを通過させるとともに、金属融液250を金属融液250の表面張力によって保持し、金属融液250が栓61の長さ方向DR2に通過するのを阻止する。
図4は、図1に示す支持装置50、配管260および熱電対270の拡大図である。図4を参照して、支持装置50は、筒状部材51と、固定部材52,53とを含む。筒状部材51は、略円形の断面形状を有する。固定部材52は、略L字形状の断面形状を有し、筒状部材51の一方端511側において筒状部材51の外周面51Aおよび底面51Bに固定される。また、固定部材53は、略L字形状の断面形状を有し、筒状部材51の一方端511側において固定部材52と対称に配置されるように筒状部材51の外周面51Aおよび底面51Bに固定される。その結果、筒状部材51および固定部材52,53によって囲まれた領域には、空間部54が形成される。
配管260は、略円形の断面形状を有し、筒状部材51の内部に配置される。この場合、配管260の底面260Aは、筒状部材51の底面51Bに対向するように配置される。そして、配管260の底面260Aには、複数の空孔261が形成される。配管260内へ供給された窒素ガスは、複数の空孔261を介して筒状部材51の底面51Bに吹き付けられる。
熱電対270は、一方端270Aが筒状部材51の底面51Bに接するように筒状部材51の内部に配置される(図4の(a)参照)。
そして、種結晶5は、空間部54に嵌合する形状を有し、空間部54に嵌合することにより支持装置50によって支持される。この場合、種結晶5は、筒状部材51の底面51Bに接する(図4の(b)参照)。
したがって、種結晶5と筒状部材51との間の熱伝導率が高くなる。その結果、熱電対270によって種結晶5の温度を検出できるとともに、配管260から筒状部材51の底面51Bに吹き付けられた窒素ガスによって種結晶5を容易に冷却できる。
図5は、図1に示す上下機構280の構成を示す概略図である。図5を参照して、上下機構280は、凹凸部材281と、歯車282と、軸部材283と、モータ284と、制御部285とを含む。
凹凸部材281は、略三角形状の断面形状からなり、筒状部材51の外周面51Aに固定される。歯車282は、軸部材283の一方端に固定され、凹凸部材281と噛み合う。軸部材283は、その一方端が歯車282に連結され、他方端がモータ284のシャフト(図示せず)に連結される。
モータ284は、制御部285からの制御に従って歯車282を矢印286または287の方向へ回転させる。制御部285は、振動検出装置310からの振動検出信号BDSに基づいて、歯車282を矢印286または287の方向へ回転させるようにモータ284を制御する。
歯車282が矢印286の方向へ回転すれば、支持装置50は、重力方向DR1において上方向へ移動し、歯車282が矢印287の方向へ回転すれば、支持装置50は、重力方向DR1において下方向へ移動する。
したがって、歯車282を矢印286または287の方向へ回転させることは、支持装置50を重力方向DR1において上下させることに相当する。
図6は、振動検出信号BDSのタイミングチャートである。図6を参照して、振動検出装置240によって検出される振動検出信号BDSは、種結晶5が混合融液410に接していないとき、信号成分SS1からなり、種結晶5が混合融液410に接しているとき、信号成分SS2からなり、種結晶5が混合融液410中に浸漬されているとき、信号成分SS3からなる。
種結晶5が混合融液410に接していないとき、種結晶5は、振動印加装置290により印加された振動によって大きく振動するので、振動検出信号BDSは、振幅が相対的に大きい信号成分SS1からなる。一方、種結晶5が混合融液410に接しているとき、種結晶5は、振動印加装置290から振動が印加されても、混合融液410の粘性によって大きく振動できないので、振動検出信号BDSは、振幅が相対的に小さい信号成分SS2からなる。また、種結晶5が混合融液410中に浸漬されているとき、種結晶5は、混合融液410の粘性によってさらに振動し難くなるので、振動検出信号BDSは、振幅が信号成分SS2よりも小さい信号成分SS3からなる。
再び、図5を参照して、制御部285は、振動検出装置310から振動検出信号BDSを受けると、振動検出信号BDSの信号成分を検出する。そして、制御部285は、その検出した信号成分が信号成分SS1からなるとき、振動検出信号BDSの信号成分が信号成分SS2になるまで、支持装置50を重力方向DR1において降下させるようにモータ284を制御する。
より具体的には、制御部285は、歯車282を矢印287の方向へ回転させるようにモータ284を制御し、モータ284は、制御部285からの制御に従って歯車282を軸部材283を介して矢印287の方向へ回転させる。これによって、支持装置50は、重力方向DR1において下方向へ移動する。
そして、制御部285は、振動検出装置310から受ける振動検出信号BDSの信号成分が信号成分SS1から信号成分SS2へ切換わると、歯車282の回転を停止するようにモータ284を制御し、モータ284は、制御部285からの制御に従って歯車282の回転を停止させる。これによって、支持装置50は、移動を停止し、種結晶5を気液界面3に保持する。
一方、制御部285は、信号成分SS2からなる振動検出信号BDSを振動検出装置310から受けたとき、支持装置50の移動を停止するようにモータ284を制御する。
このように、上下機構280は、振動検出装置310が検出する振動検出信号BDSに基づいて、種結晶5が混合融液410に接するように支持装置50を重力方向DR1に移動させる。
図7は、坩堝10、内部反応容器20および抑制/導入部材60の温度のタイミングチャートである。また、図8は、図7に示す2つのタイミングt1,t3間における坩堝10および内部反応容器20内の状態を示す模式図である。さらに、図9は、種結晶5の温度と窒素ガスの流量との関係を示す図である。
なお、図7において、曲線k1は、坩堝10および内部反応容器20の温度を示し、曲線k2は、抑制/導入部材60の温度を示し、曲線k3および曲線k4は、種結晶5の温度を示す。
図7を参照して、加熱装置70,80は、曲線k1に従って温度が上昇し、かつ、800℃に保持されるように坩堝10および内部反応容器20を加熱する。加熱装置70,80が坩堝10および内部反応容器20を加熱し始めると、坩堝10および内部反応容器20の温度は、上昇し始め、タイミングt1において98℃に達し、タイミングt3で800℃に達する。
また、加熱装置220は、曲線k2に従って温度が上昇し、かつ、200℃に保持されるように抑制/導入部材60を加熱する。加熱装置220が抑制/導入部材60を加熱し始めると、抑制/導入部材60の温度は、上昇し始め、タイミングt2において98℃に達し、タイミングt3で200℃に達する。
そうすると、配管30内に保持された金属Naは溶け、金属融液250(=金属Na融液)になる。そして、空間23内の窒素ガス4は、金属融液250(=金属Na融液)および抑制/導入部材60を介して配管30内の空間31へ拡散することができず、空間23内に閉じ込められる(図8参照)。
また、坩堝10および内部反応容器20の温度が98℃に達するタイミングt1から800℃に達するタイミングt3までの間に、上下機構280は、振動検出装置310からの振動検出信号BDSに基づいて、上述した方法によって支持装置50を上下し、種結晶5を混合融液410に接触させる。
そして、坩堝10および内部反応容器20の温度が800℃に達し、かつ、抑制/導入部材60の温度が200℃に達すると、金属融液250から蒸発する金属Naの蒸気圧が混合融液410から蒸発する金属Naの蒸気圧に略一致するとともに、空間23内の窒素ガス4は、混合融液410中の金属Naを媒介として混合融液410中に取り込まれる。この場合、混合融液410中の窒素濃度またはGa(x,yは実数)の濃度は、空間23と混合融液410との気液界面3付近において最も高いため、GaN結晶が気液界面3に接した種結晶5から成長し始める。なお、以下においては、Gaを「III族窒化物」と言い、Gaの濃度を「III族窒化物濃度」という。そして、この発明においては、「III族」とは、IUPAC(国際純正化学連合)方式の元素周期表におけるIIIB族を言う。
窒素ガスを配管260内へ供給しない場合、種結晶5の温度T3は、混合融液410の温度と同じ800℃であるが、この発明においては、種結晶5付近の混合融液410中の窒素またはIII族窒化物の過飽和度を上げるために、配管260内へ窒素ガスを供給して種結晶5を冷却し、種結晶5の温度T3を混合融液410の温度よりも低くする。
より具体的には、種結晶5の温度T3は、タイミングt3以降、曲線k3に従って800℃よりも低い温度Ts1に設定される。この温度Ts1は、例えば、790℃である。種結晶5の温度T3を温度Ts1に設定する方法について説明する。
温度制御装置350は、温度センサー71,81からそれぞれ受けた温度T1,T2が800+α℃に達し、かつ、熱電対270から受けた温度T3が800℃に達すると、種結晶5の温度T3を温度Ts1に設定する流量からなる窒素ガスを流すための制御信号CTL3を生成して流量計330へ出力する。
そうすると、流量計330は、制御信号CTL3に応じて、温度T3を温度Ts1に設定する流量からなる窒素ガスをガスボンベ340からガス供給管320を介して配管260内へ流す。種結晶5の温度は、窒素ガスの流量に略比例して800℃から低下し、窒素ガスの流量が流量fr1(sccm)になると、種結晶5の温度T3は、温度Ts1に設定される(図9参照)。
したがって、流量計330は、流量fr1からなる窒素ガスを配管260内へ流す。そして、配管260内へ供給された窒素ガスは、配管260の複数の空孔261から筒状部材51の底面51Bに吹き付けられる。
これによって、種結晶5は、筒状部材51の底面51Bを介して冷却され、種結晶5の温度T3は、タイミングt4で温度Ts1に低下し、その後、タイミングt5まで温度Ts1に保持される。
なお、この発明においては、好ましくは、種結晶5の温度T3は、タイミングt3以降、曲線k4に従って低下するように制御される。すなわち、種結晶5の温度T3は、タイミングt3からタイミングt5までの間で800℃から温度Ts2(<Ts1)まで低下される。この場合、流量計330は、温度制御装置350からの制御信号CTL3に基づいて、直線k5に従って配管260内へ流す窒素ガスの流量を0から流量fr2まで増加する。窒素ガスの流量が流量fr2になると、種結晶5の温度T3は、温度Ts1よりも低い温度Ts2に設定される。そして、温度Ts2は、たとえば、750℃である。
このように、混合融液410の温度(=800℃)と種結晶5の温度T3との差を徐々に大きくすることによって、種結晶5付近の混合融液410中の窒素またはIII族窒化物の過飽和度を少なくとも保持することができ、GaN結晶の結晶成長を継続することが可能となる。その結果、GaN結晶のサイズを拡大できる。
結晶成長装置100においてGaN結晶を結晶成長させる場合、種結晶5は、結晶成長装置100において種結晶5を用いずに結晶成長させたGaN結晶からなる。図10は、GaN結晶を成長させる場合の窒素ガス圧と結晶成長温度との関係を示す図である。図10において、横軸は、結晶成長温度を表し、縦軸は、窒素ガス圧を表す。図10において、領域REG1は、GaN結晶を溶解する領域であり、領域REG2は、核の発生を抑制してGaN結晶が種結晶から成長する領域であり、領域REG3は、坩堝10中の混合融液410に接する底面および側面において多くの核が発生し、c軸(<0001>)方向に成長した柱状形状のGaN結晶が製造される領域であり、領域REG4は、坩堝10中の混合融液410に接する底面および側面において多くの核が発生し、板状形状のGaN結晶が製造される領域である。
種結晶5を作製する場合、領域REG3内における窒素ガス圧および結晶成長温度を用いてGaN結晶を成長させる。この場合、坩堝10内の底面および側壁に多くの核が発生し、c軸方向に成長した柱状形状のGaN結晶が製造される。
そして、結晶成長させた多くのGaN結晶の中から図4に示す形状のGaN結晶を切り出して種結晶5を作製する。したがって、種結晶5の突出部5A(図4の(b)参照)は、c軸(<0001>)方向に成長したGaN結晶からなる。
作製した種結晶5は、上述した方法によって支持装置50の空間部54に嵌合され、支持装置50に固定される。
タイミングt5でGaN結晶の結晶成長が終了すると、坩堝10および内部反応容器20の温度は、曲線k1に従って800℃から降温され、タイミングt6で200℃に達し、さらに、タイミングt6以降、自然冷却される。また、抑制/導入部材60の温度は、曲線k2に従ってタイミングt6まで200℃に保持され、タイミングt6以降、自然冷却される。さらに、種結晶5の温度は、タイミングt5以降、窒素ガスによる冷却が停止され、坩堝10および内部反応容器20とともに曲線k1に従って降温される。
図11は、GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。図11を参照して、一連の動作が開始されると、Arガスが充填されたグローブボックス内へ坩堝10、内部反応容器20および配管30を入れる。この場合、バルブ120〜122が閉じられており、ガス供給管90,110は、それぞれバルブ120,122から切り離されている。
そして、Arガス雰囲気中で金属Naを配管30内に入れ(ステップS1)、坩堝10を内部反応容器20内に設置する。
その後、Arガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを相互の反応を防止して坩堝10に入れる(ステップS2)。より具体的には、少なくとも金属Naを固化した状態で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れる。このように、少なくとも金属Naを固化した状態で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れることによって、金属Gaと金属Naとの金属間化合物が生成されるのを防止して金属Naおよび金属Gaを坩堝10内へ入れることができる。
なお、金属Naおよび金属Gaを坩堝10内へ入れるとき、金属Naと金属Gaとのモル比率は、たとえば、5:5である。また、Arガスは、水分量が10ppm以下であり、かつ、酸素量が10ppm以下であるArガスである(以下、同じ)。
そして、Arガス雰囲気中で種結晶5を坩堝10内の金属Naおよび金属Gaの上側に設置する(ステップS3)。より具体的には、種結晶5を支持装置50の一方端511側に形成された空間部54へ嵌合することによって(図4の(b)参照)、種結晶5を坩堝10内の金属Naおよび金属Gaの上側に設置する。
引続いて、坩堝10および内部反応容器20内にArガスを充填し、内部反応容器20の内部空間を外部と遮断した状態で坩堝10を内部に含む内部反応容器20を外部反応容器300内に固定することにより坩堝10および内部反応容器20を結晶成長装置100に設定し、ガス供給管90,110をそれぞれバルブ120,122に連結することにより窒素ガスのガス供給源(ガスボンベ140)と内部反応容器20とを連結する(ステップS4)。
そして、バルブ120,122,400,403を閉じた状態でバルブ401,402を開け、真空ポンプ230によってガス供給管90,110および排気管390内の気体を排気する。
真空ポンプ230によってガス供給管90,110および排気管390内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きした後、バルブ401,402を閉じ、バルブ123を開けて窒素ガスをガスボンベ140から圧力調整器130を介してガス供給管90,110および排気管390内へ充填する。この場合、圧力調整器130によってガス供給管90,110および排気管390内の圧力が0.1MPa程度になるようにガス供給管90,110および排気管390内へ窒素ガスを供給する。
そして、圧力調整器130の指示圧力が0.1MPa程度になると、バルブ123を閉じ、バルブ401,402を開けて真空ポンプ230によってガス供給管90,110および排気管390内に充填された窒素ガスを排気する。この場合も、真空ポンプ230によってガス供給管90,110および排気管390内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きする。
そして、このガス供給管90,110および排気管390内の真空引きとガス供給管90,110および排気管390内への窒素ガスの充填とを数回繰り返し行なう。
その後、真空ポンプ230によってガス供給管90,110および排気管390内を所定の圧力まで真空引きした後、バルブ401,402を閉じ、バルブ123を開けて圧力調整器130,170によってガス供給管90,110および排気管390内の圧力が0.101MPa程度になるようにガス供給管90,110および排気管390内へ窒素ガスを充填する。すなわち、内部反応容器20の内部空間を外部と遮断しながらガス供給源(ガスボンベ140)と内部反応容器20との間(=ガス供給管90,110)をパージする(ステップS5)。
そして、バルブ180,401,403を閉じた状態でバルブ400,402を開けて真空ポンプ230によって外部反応容器300内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きする。そして、圧力センサー370が検出した圧力Poutが0.133Pa以下になると、バルブ400を閉じ、バルブ180を開けて窒素ガスをガスボンベ140から圧力調整器170を介して外部反応容器300内へ充填する。
この場合、圧力調整器170によって外部反応容器300内の圧力が0.1MPa程度になるように外部反応容器300内へ窒素ガスを供給する。
そして、圧力調整器170の指示圧力が0.1MPa程度になると、バルブ180を閉じ、バルブ400を開けて真空ポンプ230によって外部反応容器300内に充填された窒素ガスを排気する。この場合も、真空ポンプ230によって外部反応容器300内を所定の圧力(0.133Pa以下)まで真空引きする。
そして、この外部反応容器300内の真空引きと外部反応容器300内への窒素ガスの充填とを数回繰り返し行なう。
その後、真空ポンプ230によって外部反応容器300内を所定の圧力まで真空引きした後、バルブ400を閉じ、バルブ180を開けて圧力調整器170によってガス供給管150,160および外部反応容器300内の圧力が0.101MPa程度になるようにガス供給管150,160および外部反応容器300内へ窒素ガスを充填する。
そうすると、バルブ120,122を開け、内部反応容器20の圧力と外部反応容器300内の圧力との圧力差を基準値Pstd1(たとえば、0.101MPa=1気圧(ベローズ40の耐圧))以下に保持しながら内部反応容器20および外部反応容器300の空間に窒素ガスを大気圧よりも高い圧力(たとえば、0.505MPa)まで充填する(ステップS6)。なお、内部反応容器20の圧力と外部反応容器300内の圧力とを等しくするには、バルブ190を開けて内部反応容器20および外部反応容器300の空間に窒素ガスを大気圧よりも高い圧力(たとえば、0.505MPa)まで充填するようにしてもよい。
この場合、配管30の金属Naは、固体であるので、窒素ガスが通る隙間があり、窒素ガスは、抑制/導入部材60を介して配管30の空間31からも内部反応容器20内の空間23へ供給される。
その後、混合融液410中における金属Naと金属Gaとの混合比を略一定に保持してGaN結晶を結晶成長する(ステップS7)。
GaN結晶の結晶成長が終了すると、内部反応容器20側から抑制/導入部材60に印加される圧力Pracと、ガス供給源(ガスボンベ140)側から抑制/導入部材60に印加される圧力Psurとの圧力差を基準値Pstd2以下に保持しながら坩堝10および内部反応容器20の温度を曲線k1に従って800℃から所定の温度(200℃)まで降温する(ステップS8)。なお、基準値Pstd2は、金属融液250が抑制/導入部材60を介して空間31へ流出しないときの圧力Pracと圧力Psurとの圧力差に設定される。
そして、坩堝10および内部反応容器20の温度が所定の温度(200℃)に降温されるまでの間、抑制/導入部材の温度を所定の温度(200℃)に保持する(ステップS9)。
その後、坩堝10および内部反応容器20の温度が所定の温度(200℃)に降温されると、内部反応容器20内の空間と外部反応容器300内の空間とを連通する連通弁(=バルブ121)を開ける(ステップS10)。これにより、内部反応容器20内の圧力と外部反応容器300内の圧力とが等しくなる。
そして、坩堝10および内部反応容器20を自然冷却し(ステップS11)、一連の動作は終了する。
図12は、図11に示すステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図11に示すステップS6が終了すると、内部反応容器20側から抑制/導入部材60に印加される圧力Pracと、ガス供給源(ガスボンベ140)側から抑制/導入部材60に印加される圧力Psurとの圧力差を基準値Pstd2以下に保持しながら坩堝10および内部反応容器20を加熱装置70,80によって800℃に加熱し、混合融液410に接する容器空間(=空間23)の圧力を所定の圧力(たとえば、1.01MPa)に設定する(ステップS71)。
そして、抑制/導入部材60を加熱装置220によって所定の温度(200℃)に加熱する(ステップS72)。これによって、金属融液250から蒸発する金属Naの蒸気圧が混合融液410から蒸発する金属Naの蒸気圧に略一致し、混合融液410中における金属Naと金属Gaとの混合比が略一定に保持される。
この場合、配管30内に保持された金属Naは、融点が約98℃であるので、抑制/導入部材60が200℃に加熱される過程で溶融され、金属融液250になる。そして、2つの気液界面1,2が発生する(図1参照)。気液界面1は、金属融液250と内部反応容器20内の空間23との界面に位置し、気液界面2は、金属融液250と抑制/導入部材60との界面に位置する。
また、抑制/導入部材60の温度が200℃に昇温された時点で気液界面2における金属融液250(=金属Na融液)の蒸気圧は、1.8×10−2Paであり、金属融液250(=金属Na融液)は、抑制/導入部材60の空隙63を介して殆ど蒸発しない。その結果、金属融液250(=金属Na融液)は、殆ど減少しない。
さらに、坩堝10および内部反応容器20が800℃に加熱される過程で、坩堝10内の金属Naおよび金属Gaも液体になり、金属Naと金属Gaとの混合融液410が坩堝10内に発生する。そして、上下機構280は、上述した方法によって、種結晶5を混合融液410に接触させる(ステップS73)。
そして、坩堝10および内部反応容器20の温度が800℃に昇温されると、空間23内の窒素ガスが混合融液410中の金属Naを媒介として混合融液410中へ取り込まれ、種結晶5からGaN結晶が成長し始める。
その後、所定の時間(数十時間〜数百時間)、坩堝10および内部反応容器20の温度を800℃に保持するとともに、容器空間(=空間23)の圧力を所定の圧力(=1.01MPa)に保持する(ステップS74)。
そして、上述した方法によって、種結晶5の温度T3を混合融液410の温度(=800℃)よりも低い温度Ts1またはTs2に設定する(ステップS75)。
その後、GaN結晶の結晶成長が進行すると、空間23内の窒素ガスが消費され、空間23内の窒素ガスが減少する。そうすると、空間23内の圧力P1が配管30内の空間31の圧力P2よりも低くなり(P1<P2)、空間23内と空間31内との間に差圧が発生し、空間31の窒素ガスは、抑制/導入部材60および金属融液250(=金属Na融液)を介して空間23内へ順次供給される。すなわち、内部反応容器20側から抑制/導入部材60に印加される圧力Pracと、ガス供給源(ガスボンベ140)側から抑制/導入部材60に印加される圧力Psurとの圧力差を基準値Pstd2以下に保持しながら、容器空間(=空間23)の圧力が略所定の圧力(1.01MPa)に保持されるように窒素ガスを容器空間(=空間23)へ補充する(ステップS76)。
また、GaN結晶の結晶成長が進行すると、混合融液410中の金属Gaが減少し、空間23と混合融液410との気液界面3が低下する。したがって、種結晶5が混合融液410に接触するように、上述した方法によって種結晶5を降下させる(ステップS77)。その後、一連の動作は、図11に示すステップS8へ移行する。
上述したように、この発明の実施に形態1によるGaN結晶の製造方法においては、内部反応容器20の圧力と外部反応容器300内の圧力との圧力差を基準値Pstd1以下に保持しながら内部反応容器20および外部反応容器300の空間に窒素ガスを大気圧よりも高い圧力まで充填する(ステップS6参照)。
また、内部反応容器20側から抑制/導入部材60に印加される圧力Pracと、ガス供給源(ガスボンベ140)側から抑制/導入部材60に印加される圧力Psurとの圧力差を基準値Pstd2以下に保持しながら坩堝10および内部反応容器20を加熱装置70,80によって800℃に加熱し、混合融液410に接する容器空間(=空間23)の圧力を所定の圧力(たとえば、1.01MPa)に設定する(ステップS71参照)。
そして、基準値Pstd1は、内部反応容器20の耐圧およびベローズ40の耐圧のうち、低い方の耐圧に設定され、基準値Pstd2は、金属融液250が抑制/導入部材60と配管30との間の空隙63を介して空間31へ流出しない圧力に設定される。
したがって、坩堝10および内部反応容器20が800℃に加熱され、空間23内の圧力が所定の圧力(=1.01MPa)に保持されている期間(すなわち、GaN結晶の結晶成長中)、空間23から空間31および外部反応容器300内への窒素ガスおよび金属Na蒸気の流出または外部反応容器300内の空間から空間23への気体の流入がなく、内部反応容器20内は、安定した状態に保持される。その結果、GaN結晶を安定して製造できる。
また、実施の形態1によるGaN結晶の製造方法においては、坩堝10および内部反応容器20が800℃に加熱されると、抑制/導入部材60を所定の温度(200℃)に加熱し、混合融液410中における金属Naと金属Gaとの混合比が略一定に保持されるので、GaN結晶を安定して製造できる。
さらに、実施の形態1によるGaN結晶の製造方法においては、種結晶5を混合融液410に接触させてGaN結晶を結晶成長するので、種結晶5以外の部分における核発生が抑制され、GaN結晶が種結晶5から優先的に成長する。その結果、大きなサイズのGaN結晶を成長させることができる。このGaN結晶は、c軸(<0001>)方向に成長した柱状形状を有し、欠陥フリーの結晶である。
さらに、実施の形態1によるGaN結晶の製造方法においては、種結晶5の温度T3を結晶成長温度(=800℃)よりも低くしてGaN結晶を結晶成長させるので、種結晶5付近の混合融液410中における窒素またはIII族窒化物の過飽和度を高くでき、GaN結晶を種結晶5からさらに優先的に結晶成長させることができるとともに、GaN結晶の成長速度を向上できる。
さらに、GaN結晶の成長とともに、種結晶5が混合融液410に接触するように上下機構280によって種結晶5を降下させるので、GaN結晶が種結晶5から優先的に成長する状態を保持できる。その結果、大きなサイズのGaN結晶を成長できる。
なお、図12に示すフローチャートにおいては、坩堝10および内部反応容器20が800℃に加熱されると、種結晶5を金属Naおよび金属Gaとの混合融液410に接触させると説明したが(ステップS71,S73参照)、この発明においては、これに限らず、坩堝10および内部反応容器20が800℃に加熱されると(ステップS71参照)、ステップS73において、種結晶5を金属Naおよび金属Gaとを含む混合融液410中に保持するようにしてもよい。つまり、坩堝10および内部反応容器20が800℃に加熱されると、種結晶5を混合融液410に浸漬して種結晶5からGaN結晶を結晶成長させるようにしてもよい。
そして、種結晶5を混合融液410に接触させる動作は、振動印加装置290によって支持装置50に振動を印加し、支持装置50の振動を示す振動検出信号BDSを検出するステップAと、検出された振動検出信号BDSが、種結晶5が混合融液410に接したときの振動検出信号(振動検出信号BDSの成分SS2)になるように支持装置50を上下機構280によって移動させるステップBとからなる。
また、種結晶5を混合融液410中に保持する動作は、振動印加装置290によって支持装置50に振動を印加し、支持装置50の振動を示す振動検出信号BDSを検出するステップAと、検出された振動検出信号BDSが、種結晶5が混合融液410中に浸漬されたときの振動検出信号(振動検出信号BDSの成分SS3)になるように支持装置50を上下機構280によって移動させるステップCとからなる。
ステップBおよびステップCにおいて、支持装置50を上下機構280によって移動させるとしているのは、坩堝10の容積と、坩堝10に入れられた金属Naおよび金属Gaの全体量との関係によって、坩堝10内で生成された混合融液410の液面(=界面3)の位置が変動し、坩堝10内で混合融液410が生成された時点で、種結晶5が混合融液410に浸漬されていることもあれば、種結晶5が空間23に保持されていることもあるので、種結晶5を混合融液410に接触または種結晶5を混合融液410に浸漬するには、種結晶5を重力方向DR1において上下動させる必要があるからである。
また、図12に示すフローチャートのステップS77においては、種結晶5が混合融液410に接触するように種結晶5を降下させると説明したが、この発明においては、図12に示すフローチャートのステップS77は、一般的には、GaN結晶の結晶成長中、種結晶5から結晶成長したGaN結晶が混合融液410に接するように支持装置50を上下機構280によって移動させるステップDからなる。
GaN結晶の結晶成長とともに、混合融液410中のGaが消費されて混合融液410の液面(=界面3)が低下するが、この液面(=界面3)が低下する速度と、GaN結晶の結晶成長速度との関係によって種結晶5から結晶成長したGaN結晶を上方向へ移動させる場合もあれば、種結晶5から結晶成長したGaN結晶を下方向へ移動させる場合もあるからである。
すなわち、液面(=界面3)の低下速度がGaN結晶の結晶成長速度よりも速い場合、種結晶5から結晶成長したGaN結晶を下方向へ移動させてGaN結晶を混合融液410の液面(=界面3)に接触させる。一方、液面(=界面3)の低下速度がGaN結晶の結晶成長速度よりも遅い場合、種結晶5から結晶成長したGaN結晶を上方向へ移動させてGaN結晶を混合融液410の液面(=界面3)に接触させる。
このように、液面(=界面3)の低下速度とGaN結晶の結晶成長速度との関係によって、種結晶5から結晶成長したGaN結晶を重力方向DR1において上下動させる必要があるので、ステップDにおいては、「上下機構280によって支持装置50を移動させる」としたものである。
そして、ステップDにおいて、種結晶5から結晶成長したGaN結晶を混合融液410に接触させる動作は、上述したステップAおよびステップBからなる。
さらに、上記においては、支持装置50に振動を与え、支持装置50の振動を検出して種結晶5または種結晶5から成長したGaN結晶が混合融液410に接触するように制御したが、この発明においては、これに限らず、音波を気液界面3に向けて発し、音波が気液界面3との間で往復する時間を測定して気液界面3の位置を検出するようにしてもよい。
また、熱電対を内部反応容器20から坩堝10内に挿入し、熱電対によって検出した温度が変化するときの内部反応容器20内に挿入された熱電対の長さから気液界面3の位置を検出するようにしてもよい。
さらに、基準値Pstd2は、金属融液250が抑制/導入部材60を介して空間31へ流出しないときの圧力Pracと圧力Psurとの圧力差に設定されると説明したが、この発明においては、基準値Pstd2は、一般的には、金属融液250が抑制/導入部材60を介して空間31へ流出しないときの圧力Pracと圧力Psurとの圧力差と、ベローズ40の耐圧とのうち、小さい方に設定される。
[実施の形態2]
図13は、実施の形態2による結晶成長装置の概略断面図である。図13を参照して、実施の形態2による結晶成長装置100Aは、図1に示す結晶成長装置100の配管260、熱電対270、ガス供給管320、流量計330、ガスボンベ340および温度制御装置350を削除したものであり、その他は、結晶成長装置100と同じである。すなわち、結晶成長装置100Aは、種結晶5を冷却する機能を結晶成長装置100から削除したものに相当する。
したがって、結晶成長装置100Aにおいては、種結晶5の温度を混合融液410の温度と同じ温度に設定してGaN結晶の結晶成長が行なわれる。
結晶成長装置100AにおけるGaN結晶の結晶成長は、図11に示すフローチャートに従って行なわれる。この場合、ステップS7の詳細な動作は、図12に示すフローチャートと異なるフローチャートに従って実行される。
図14は、図11に示すステップS7の詳細な動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。図14に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートからステップS75を削除したものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
すなわち、種結晶5の温度を混合融液410の温度に略一致させてGaN結晶の結晶成長が行なわれる。
上述したように、実施の形態2においては、種結晶5の温度を混合融液410の温度に略一致させてGaN結晶の結晶成長が行なわれるが、実施の形態1と同じように、上述したステップS6、ステップS71およびステップS72が実行されるので、GaN結晶を安定して製造できる。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態3]
図15は、実施の形態3による結晶成長装置の概略断面図である。図15を参照して、実施の形態3による結晶成長装置100Bは、図1に示す結晶成長装置100の上下機構280、振動印加装置290および振動検出装置310を削除したものであり、その他は、結晶成長装置100と同じである。すなわち、結晶成長装置100Bは、支持装置50を上下動させる機能を結晶成長装置100から削除したものに相当する。
したがって、結晶成長装置100Bにおいては、種結晶5を一定位置に保持したままGaN結晶の結晶成長が行なわれる。
結晶成長装置100BにおけるGaN結晶の結晶成長は、図11に示すフローチャートに従って行なわれる。この場合、ステップS7の詳細な動作は、図12に示すフローチャートと異なるフローチャートに従って実行される。
図16は、図11に示すステップS7の詳細な動作を説明するための実施の形態3におけるフローチャートである。図16に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートからステップS77を削除したものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
すなわち、種結晶5を一定の位置に保持したままGaN結晶の結晶成長が行なわれる。GaN結晶が種結晶5から結晶成長すると、混合融液410中の金属Gaが消費され、界面3の位置が低下するが、種結晶5から結晶成長したGaN結晶が混合融液410に浸漬されることによって界面3が上昇するので、種結晶5を一定の位置に保持していてもGaN結晶を種結晶5から連続して結晶成長できる。
上述したように、実施の形態3においては、種結晶5を一定の位置に保持したままGaN結晶の結晶成長が行なわれるが、実施の形態1と同じように、上述したステップS6、ステップS71およびステップS72が実行されるので、GaN結晶を安定して製造できる。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態4]
図17は、実施の形態4による結晶成長装置の概略断面図である。図17を参照して、実施の形態4による結晶成長装置100Cは、図1に示す結晶成長装置100の配管260、熱電対270、上下機構280、振動印加装置290、振動検出装置310、ガス供給管320、流量計330、ガスボンベ340および温度制御装置350を削除したものであり、その他は、結晶成長装置100と同じである。
すなわち、結晶成長装置100Cは、種結晶5を上下動させる機能と、種結晶5の温度を混合融液410の温度よりも低下させる機能とを結晶成長装置100から削除したものに相当する。
したがって、結晶成長装置100Cにおいては、種結晶5を支持装置50によって空間23と混合融液410との界面3に保持し、図10に示す領域REG2内の温度および窒素ガス圧力を用いて種結晶5からGaN結晶を結晶成長する。
図18は、GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態4におけるフローチャートである。図18に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS3をステップS3Aに代えたものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。ただし、図18に示すステップS7の詳細な動作は、図12に示すフローチャートと異なるフローチャートに従って実行される。
上述したステップS1,S2が順次実行されると、坩堝10中で混合融液410が生成されたとき種結晶5が混合融液410に接触する位置に種結晶5をArガス雰囲気中で設置する(ステップS3A)。
界面3の位置は、金属Naおよび金属Gaの全体量によって決定されるので、金属Naおよび金属Gaの全体量に対する界面3の位置を予め測定しておけば、ステップS2において坩堝10中へ入れられた金属Naおよび金属Gaの全体量に対応する界面3の位置に種結晶5を設置することができる。
ステップS3Aの後、上述したステップS4〜ステップS11が順次実行され、GaN結晶を製造する動作が終了する。
図19は、図18に示すステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図19に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートのステップS73,S75,S77を削除したものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
図19を参照して、上述したステップS71,S72が順次実行された後、ステップS74,S76が実行され、種結晶5の位置を一定の位置に固定し、かつ、種結晶5の温度を混合融液410の温度と同じ温度に設定して種結晶5からGaN結晶を結晶成長する。
上述したように、実施の形態4においては、種結晶5の位置を一定の位置に固定し、かつ、種結晶5の温度を混合融液410の温度と同じ温度に設定して種結晶5からGaN結晶を結晶成長する条件でGaN結晶の結晶成長が行なわれるが、実施の形態1と同じように、上述したステップS6、ステップS71およびステップS72が実行されるので、GaN結晶を安定して製造できる。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態5]
図20は、実施の形態5による結晶成長装置の概略断面図である。図20を参照して、実施の形態5による結晶成長装置100Dは、図1に示す結晶成長装置100のベローズ40、支持装置50、配管260、熱電対270、上下機構280、振動印加装置290、振動検出装置310、ガス供給管320、流量計330、ガスボンベ340および温度制御装置350を削除したものであり、その他は、結晶成長装置100と同じである。
すなわち、結晶成長装置100Dは、種結晶5を用いずにGaN結晶を結晶成長する結晶成長装置である。
したがって、結晶成長装置100Dにおいては、坩堝10の内壁および底面にGaN結晶が結晶成長する。そして、結晶成長装置100Dにおいては、図10に示す領域REG3またはREG4内の温度および窒素ガス圧力を用いて柱状形状または板状形状のGaN結晶が結晶成長される。
図21は、GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態5におけるフローチャートである。図21に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS3を削除したものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。この場合、図21に示すステップS7の詳細な動作は、図19に示すフローチャートと同じフローチャートに従って実行される。
上述したステップS1,S2が順次実行された後、上述したステップS4〜ステップS11が順次実行され、GaN結晶を製造する動作が終了する。
実施の形態5において、図19に示すフローチャートが実行される場合、容器空間(=空間23)の圧力は、たとえば、2.02MPaに設定され(ステップS71)、その設定された圧力が、所定の時間、保持される(ステップS74)。すなわち、図10に示す領域REG3内の温度および窒素ガス圧力を用いてGaN結晶が結晶成長される。これによって、柱状形状のGaN結晶が製造される。
また、実施の形態5において、図19に示すフローチャートが実行される場合、容器空間(=空間23)の圧力は、たとえば、5.05MPaに設定され、坩堝10および内部反応容器20の温度は、750℃に設定され(ステップS71)、その設定された圧力および温度が、所定の時間、保持される(ステップS74)。すなわち、図10に示す領域REG4内の温度および窒素ガス圧力を用いてGaN結晶が結晶成長される。これによって、板状形状のGaN結晶が製造される。
上述したように、実施の形態5においては、坩堝10の内壁および底面にGaN結晶が結晶成長する条件でGaN結晶の結晶成長が行なわれるが、実施の形態1と同じように、上述したステップS6、ステップS71およびステップS72が実行されるので、GaN結晶を安定して製造できる。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態6]
図22は、実施の形態6による結晶成長装置の概略断面図である。図22を参照して、結晶成長装置100Eは、図1に示す結晶成長装置100の抑制/導入部材60を逆流防止部材420に代えたものであり、その他は、結晶成長装置100と同じである。
逆流防止部材420は、抑制/導入部材60と同じように、金属融液250の表面張力によって金属融液250を配管30内に保持するとともに、配管30の空間31内の窒素ガスを金属融液250を介して空間23へ供給する。
図23は、図22に示す逆流防止部材420の斜視図である。図23の(a)は、逆流防止部材420の逆流防止弁423が内部反応容器20側へ移動した状態を示し、図23の(b)は、逆流防止弁423が配管30側へ移動した状態を示す。
図23の(a)を参照して、逆流防止部材420は、上板421と、低板422と、逆流防止弁423と、1対のガイド424とを含む。上板421および底板422の外周部は、配管30の内壁30Aに接して固定される。
底板422には、貫通孔425が形成されている。1対のガイド424は、貫通孔425の両側に設けられる。逆流防止弁423は、1対のガイド424に沿って重力方向DR1に摺動するように上板421と底板422との間に配置される。1対のガイド424の上面424Aは、上板421の底面421Aに接しており、逆流防止弁423の上面423Aが上板421の底面421Aに接する位置まで逆流防止弁423が1対のガイド424に沿って移動すると、貫通孔425が開いた状態となる。
逆流防止弁423の上面423Aが上板421の底面421Aに接する位置まで逆流防止弁423が移動するのは、配管30内の空間31の圧力が内部反応容器20内の空間23の圧力よりも高い場合であるので、貫通孔425が開いた状態では、配管30の空間31から内部反応容器20内の空間23へ窒素ガス11が拡散する。したがって、内部反応容器20の空間23内の金属Na蒸気は、この窒素ガス11の流れによって阻まれ、内部反応容器20から配管30の空間31への拡散が抑制される。
内部反応容器20内の空間23の圧力が配管30内の空間31の圧力よりも高くなると、逆流防止弁423は、底板422の方向へ移動し、貫通孔425が閉じた状態となる。また、内部反応容器20内の空間23の圧力が配管30内の空間31の圧力とほぼ等しいとき、逆流防止弁423は、自重によって底板422の方向へ移動し、貫通孔425が閉じた状態となる(図23の(b)参照)。
したがって、逆流防止弁423は、内部反応容器20内の空間23と配管30内の空間31との差圧および自重によって、貫通孔425を塞ぐ位置と貫通孔425を開ける位置との間を重力方向DR1へ移動する。
図24は、GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態6におけるフローチャートである。図24に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS7、ステップS8およびステップS9をそれぞれステップS7A、ステップS8AおよびステップS9Aに代えたものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。
図24を参照して、上述したステップS1〜ステップS6が実行されると、混合融液410中における金属Naと金属Gaとの混合比を略一定に保持してGaN結晶を結晶成長する(ステップS7A)。
そして、GaN結晶の結晶成長が終了すると、坩堝10および内部反応容器20の温度を曲線k1に従って800℃から所定の温度(200℃)まで降温する(ステップS8A)。この場合、図11に示すステップS8のように、「内部反応容器20側から逆流防止弁423に印加される圧力Pracと、ガス供給源(ガスボンベ140)側から逆流防止弁423に印加される圧力Psurとの圧力差を基準値Pstd2以下に保持する」必要はなく、圧力Pracと圧力Psurとの圧力差が基準値Pstd2以下になるように制御することなく、坩堝10および内部反応容器20の温度が800℃から所定の温度(200℃)まで降温される。
その後、坩堝10および内部反応容器20の温度が所定の温度(200℃)に降温されるまで、逆流防止弁423の温度を所定の温度(200℃)に保持する(ステップS9A)。
そして、上述したステップS10,S11が順次実行され、一連の動作が終了する。
図25は、図24に示すステップS7Aの詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図25に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートのステップS71およびステップS76をそれぞれステップS71AおよびステップS76Aに代えたものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
図25を参照して、図24に示すステップS6が終了すると、坩堝10および内部反応容器20を加熱装置70,80によって800℃に加熱し、混合融液410に接する容器空間(=空間23)の圧力を所定の圧力(たとえば、1.01MPa)に設定する(ステップS71A)。
この場合、図12に示すステップS71のように、「内部反応容器20側から逆流防止弁423に印加される圧力Pracと、ガス供給源(ガスボンベ140)側から逆流防止弁423に印加される圧力Psurとの圧力差を基準値Pstd2以下に保持する」必要はなく、圧力Pracと圧力Psurとの圧力差が基準値Pstd2以下になるように制御することなく、坩堝10および内部反応容器20が800℃に加熱され、混合融液410に接する容器空間(=空間23)の圧力が所定の圧力(たとえば、1.01MPa)に設定される。
その後、上述したステップS72〜ステップS75が順次実行されると、空間23内の圧力P1が配管30内の空間31の圧力P2よりも低くなり(P1<P2)、空間23内と空間31内との間に差圧が発生し、空間31の窒素ガスは、抑制/導入部材60および金属融液250(=金属Na融液)を介して空間23内へ順次供給される。すなわち、容器空間(=空間23)の圧力が略所定の圧力(1.01MPa)に保持されるように窒素ガスを容器空間(=空間23)へ補充する(ステップS76A)。
この場合、図12に示すステップS76のように、「内部反応容器20側から逆流防止弁423に印加される圧力Pracと、ガス供給源(ガスボンベ140)側から逆流防止弁423に印加される圧力Psurとの圧力差を基準値Pstd2以下に保持する」必要はなく、圧力Pracと圧力Psurとの圧力差が基準値Pstd2以下になるように制御することなく、窒素ガスが空間31から空間23へ補充される。
そして、上述したステップS77が実行され、ステップS7Aの詳細な動作が終了する。
実施の形態5においては、内部反応容器20内の圧力と外部反応容器300内の圧力との圧力差が基準値Pstd1以下になるように内部反応容器20および外部反応容器300内へ窒素ガスが充填されてGaN結晶の結晶成長が行なわれるので、空間23から内部反応容器20外への窒素ガスおよび金属Na蒸気の流出がなくなり、かつ、内部反応容器20外から空間23への気体の流入もなくなる。その結果、GaN結晶を安定して製造できる。
なお、実施の形態6による結晶成長装置は、結晶成長装置100Eから種結晶5の温度を混合融液410の温度よりも低くする機能を削除したものであってもよく、結晶成長装置100Eから支持装置50を上下させる機能を削除したものであってもよく、結晶成長装置100Eから種結晶5の温度を混合融液410の温度よりも低くする機能と支持装置50を上下させる機能とを削除したものであってもよく、結晶成長装置100Eからベローズ40、支持装置50、配管260、熱電対270、上下機構280、振動印加装置290、振動検出装置310、ガス供給管320、流量計330、ガスボンベ340および温度制御装置350を削除したものであってもよい。
すなわち、実施の形態6による結晶成長装置は、結晶成長装置100から結晶成長装置100A,100B,100C,100Dへの変形と同じように、結晶成長装置100Eを変形したものであってもよい。
図26は、抑制/導入部材の他の斜視図である。また、図27は、図26に示す抑制/導入部材430の固定方法を説明するための断面図である。図26を参照して、抑制/導入部材430は、栓431と、複数の凸部432とからなる。栓431は、長さ方向DR3へ直径が変化する円柱形状からなる。複数の凸部432の各々は、略半球形状を有し、直径が数十μmである。そして、複数の凸部432は、栓431の外周面431Aにランダムに形成される。ただし、隣接する2つの凸部432の間隔は、数十μmに設定される。
図27を参照して、抑制/導入部材430は、支持部材433,434によって配管30内に固定される。より具体的には、抑制/導入部材430は、一方端が配管30の内壁30Aに固定された支持部材433と、一方端が配管30の内壁30Aに固定された支持部材434とによって挟まれることによって固定される。
この場合、抑制/導入部材430の凸部432は、配管30の内壁30Aに接していてもよく、接していなくてもよい。凸部432が配管30の内壁30Aに接しないように抑制/導入部材430が固定される場合、凸部432と配管30の内壁30Aとの間隔を金属融液250の表面張力によって金属融液250を保持可能な間隔に設定して抑制/導入部材430を支持部材433,434によって固定する。
配管30内に保持された金属Naは、抑制/導入部材430の加熱が開始される前、固体であるので、ガスボンベ140から供給された窒素ガスは、内部反応容器20内の空間23と配管30内の空間31との間を抑制/導入部材430を介して拡散可能である。
そして、抑制/導入部材430の加熱が開始され、抑制/導入部材430の温度が98℃以上に昇温されると、配管30内に保持された金属Naは、溶けて金属融液250になり、窒素ガスを空間23に閉じ込める。
また、抑制/導入部材430は、金属融液250が配管30の空間31へ流出しないように金属融液250の表面張力によって金属融液250を保持する。
さらに、金属融液250および抑制/導入部材430は、GaN結晶の結晶成長が進行すると、窒素ガスと、金属融液250および混合融液410から蒸発した金属Na蒸気とを空間23に閉じ込める。
その結果、金属Naが内部反応容器20の外部へ拡散するのを防止でき、混合融液410中における金属Naと金属Gaとの混合比を安定させることができる。そして、GaN結晶の結晶成長が進行するに伴って、空間23内の窒素ガスが減少すると、空間23内の圧力P1は、配管30の空間31内の圧力P2よりも低くなり、抑制/導入部材430は、空間31の窒素ガスを内部反応容器20の方向へ通過させ、金属融液250を介して空間23へ供給する。
上記においては、抑制/導入部材430は、凸部432を有すると説明したが、抑制/導入部材430は、凸部432を有していなくてもよい。この場合、栓431と配管30の内壁30Aとの間隔が数十μmになるように、抑制/導入部材30は、支持部材433,434によって固定される。
そして、抑制/導入部材430(凸部432を有する場合と凸部432を有さない場合とを含む。以下、同じ)と配管30の内壁30Aとの間隔は、抑制/導入部材430の温度に応じて決定されるようにしてもよい。この場合、抑制/導入部材430の温度が相対的に高い場合、抑制/導入部材430と配管30の内壁30Aとの間隔は、相対的に小さく設定される。また、抑制/導入部材430の温度が相対的に低い場合、抑制/導入部材430と配管30の内壁30Aとの間隔は、相対的に大きく設定される。
表面張力により金属融液250を保持可能な抑制/導入部材430と配管30の内壁30Aとの間隔は、抑制/導入部材430の温度によって変化する。したがって、抑制/導入部材430と配管30の内壁30Aとの間隔を抑制/導入部材430の温度に応じて変化させ、表面張力によって金属融液250を確実に保持できるようにしたものである。
図28は、抑制/導入部材のさらに他の斜視図である。図28を参照して、抑制/導入部材440は、複数の貫通孔442が形成された栓441からなる。複数の貫通孔442は、栓441の長さ方向DR2に沿って形成される。そして、複数の貫通孔442の各々は、数十μmの直径を有する(図28の(a)参照)。
なお、抑制/導入部材440においては、貫通孔442は、少なくとも1個形成されていればよい。
また、抑制/導入部材450は、複数の貫通孔452が形成された栓451からなる。複数の貫通孔452は、栓451の長さ方向DR2に沿って形成される。そして、複数の貫通孔452の各々は、長さ方向DR2へ複数段に変化された直径r1,r2,r3を有する。直径r1,r2,r3の各々は、金属融液250を表面張力により保持可能な範囲で決定され、たとえば、数μm〜数十μmの範囲で決定される(図28の(b)参照)。
なお、抑制/導入部材450においては、貫通孔452は、少なくとも1個形成されていればよい。また、貫通孔452の直径は、少なくとも2個に変化されればよい。さらに、貫通孔452の直径は、長さ方向DR2へ連続的に変えられてもよい。
抑制/導入部材430または440または450は、結晶成長装置100,100A,100B,100C,100Dの抑制/導入部材60に代えて用いられる。
特に、抑制/導入部材450が抑制/導入部材60に代えて用いられた場合、結晶成長装置100,100A,100B,100C,100Dにおいて、抑制/導入部材450の温度制御を精密に行なわなくても、複数段に変えられた直径のいずれかによって金属融液250を金属融液250の表面張力により保持できるので、抑制/導入部材450の温度制御を精密に行なわなくても、大きなサイズを有するGaN結晶を製造できる。
さらに、この発明においては、抑制/導入部材60に代えてポーラスプラグを用いてもよい。ポーラスプラグは、ステンレスの粉末を焼結した焼結体からなり、数十μmの空孔が多数形成された構造を有する。したがって、ポーラスプラグは、上述した抑制/導入部材60と同じように金属融液250の表面張力によって金属融液250を保持可能である。
図29は、逆流防止部材の他の概略断面図である。図29の(a)を参照して、逆流防止部材460は、本体部461と、ボール部材462とを備える。本体部461は、貫通孔4611,4613と、空洞部4612とを含む。
空洞部4612は、角形部4612Aと、球状部4612Bとからなる。角形部4612Aは、断面形状が略四角形であり、球状部4612Bは、断面形状が略半円形である。
貫通孔4611は、本体部461の一方端と空洞部4612の角形部4612Aとの間に設けられ、貫通孔4613は、空洞部4612の球状部4612Bと本体部461の他方端との間に設けられる。
ボール部材462は、角形部4612Aよりも小さい直径を有する球形状からなり、空洞部4612内に配置される。そして、ボール部材462は、貫通孔4611内の圧力と貫通孔4613内の圧力との差圧または自重によって空洞部4612内を上下し、下方へ移動した場合、球状部4612Bに嵌合する。
ボール部材462は、貫通孔4613内の圧力が貫通孔4611内の圧力よりも高いとき、貫通孔4611内の圧力と貫通孔4613内の圧力との差圧によって上方向へ移動する。この場合、逆流防止部材460は、貫通孔4613から流入した窒素ガスを空洞部4612を介して貫通孔4611へ通過させる。
また、ボール部材462は、貫通孔4611内の圧力が貫通孔4613内の圧力よりも高いとき、貫通孔4611内の圧力と貫通孔4613内の圧力との差圧によって下方向へ移動して球状部4612Bに嵌合し、貫通孔4613内の圧力が貫通孔4611内の圧力に略等しいとき、自重によって下方向へ移動して球状部4612Bに嵌合する。この場合、空洞部4612と貫通孔4613との間は、ボール部材462によって塞がれ、逆流防止部材460は、金属Na蒸気または金属融液が貫通孔4611から空洞部4612を介して貫通孔4613へ通過するのを阻止する。
図29の(b)を参照して、逆流防止部材470は、本体部471と、ロッド部材472とを備える。本体部471は、貫通孔4711,4713と、空洞部4712とを含む。
空洞部4712は、角形部4712A,4712Bからなる。角形部4712Aは、断面形状が略四角形であり、角形部4712Bは、断面形状が略三角形である。
貫通孔4711は、本体部471の一方端と空洞部4712の角形部4712Aとの間に設けられ、貫通孔4713は、空洞部4712の角形部4712Bと本体部471の他方端との間に設けられる。
ロッド部材472は、角形部4712Aよりも小さいサイズを有する五角形状からなり、空洞部4712内に配置される。そして、ロッド部材472は、貫通孔4711内の圧力と貫通孔4713内の圧力との差圧または自重によって空洞部4712内を上下し、下方へ移動した場合、角形部4712Bに嵌合する。
ロッド部材472は、貫通孔4713内の圧力が貫通孔4711内の圧力よりも高いとき、貫通孔4711内の圧力と貫通孔4713内の圧力との差圧によって上方向へ移動する。この場合、逆流防止部材470は、貫通孔4713から流入した窒素ガスを空洞部4712を介して貫通孔4711へ通過させる。
また、ロッド部材472は、貫通孔4711内の圧力が貫通孔4713内の圧力よりも高いとき、貫通孔4711内の圧力と貫通孔4713内の圧力との差圧によって下方向へ移動して角形部4712Bに嵌合し、貫通孔4713内の圧力が貫通孔4711内の圧力に略等しいとき、自重によって下方向へ移動して角形部4712Bに嵌合する。この場合、空洞部4712と貫通孔4713との間は、角形部4712Bによって塞がれ、逆流防止部材470は、金属Na蒸気または金属融液が貫通孔4711から空洞部4712を介して貫通孔4713へ通過するのを阻止する。
逆流防止部材460,470は、バネ機構を用いていないので、結晶成長温度程度の高温においても破損することがなく、信頼性が高い。
図29に示す逆流防止部材460,470の各々は、上述した逆流防止部材420に代えて結晶成長装置100Eに用いられる。
なお、上記においては、圧力センサー360が検出した混合融液410の静水圧Psに基づいて内部反応容器20内の圧力Pinを検出すると説明したが、これは、800℃の高温に加熱された内部反応容器20内の圧力Pinを直接検出できるような高温対応の圧力センサーが存在しないので、200℃程度の混合融液410の静水圧Psを検出し、その検出した静水圧Psが空間23内の圧力Pinに比例することを利用して圧力Pinを検出することにしたものである。したがって、800℃程度に加熱された空間23内の圧力Pinを直接検出可能な圧力センサーが開発されれば、空間23内の圧力Pinを直接検出するようにしてもよい。
また、上記においては、結晶成長温度は、800℃であると説明したが、この発明においては、これに限らず、結晶成長温度は、600℃以上であればよい。また、窒素ガス圧力も0.4MPa以上の加圧状態の本結晶成長方法で成長可能な圧力であればよい。すなわち、上限も本実施の形態の5.05MPaに限定されるものではなく、5.05MPa以上の圧力であってもよい。
さらに、上記においては、Arガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、Arガス雰囲気中で金属Naを坩堝10と内部反応容器20との間に入れると説明したが、この発明においては、これに限らず、He、NeおよびKr等のArガス以外のガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、金属Naを配管30内に入れてもよく、一般的には、不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で金属Naおよび金属Gaを坩堝10に入れ、金属Naを配管30内に入れればよい。そして、この場合、不活性ガスまたは窒素ガスは、水分量が10ppm以下であり、かつ、酸素量が10ppm以下である。
さらに、この発明においては、ベローズ40は、内部反応容器20に含まれるものとする。すなわち、ベローズ40は、内部反応容器20を構成するものとする。
さらに、窒素ガスに代えて、アジ化ナトリウムおよびアンモニア等の窒素を構成元素に含む化合物を用いてもよい。そして、これらの化合物は、窒素原料ガスを構成する。
そして、この発明による製造方法を用いて製造したGaN結晶は、発光ダイオード、半導体レーザ、フォトダイオードおよびトランジスタ等の半導体デバイスの作製に用いられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、GaN結晶を安定して製造する製造方法に適用される。
この発明の実施の形態1による結晶成長装置の概略断面図である。 図1に示す抑制/導入部材の斜視図である。 抑制/導入部材の配管への取付状態を示す平面図である。 図1に示す支持装置、配管および熱電対の拡大図である。 図1に示す上下機構の構成を示す概略図である。 振動検出信号のタイミングチャートである。 坩堝、内部反応容器および抑制/導入部材の温度のタイミングチャートである。 図7に示す2つのタイミングt1,t3間における坩堝および内部反応容器内の状態を示す模式図である。 種結晶の温度と窒素ガスの流量との関係を示す図である。 GaN結晶を成長させる場合の窒素ガス圧と結晶成長温度との関係を示す図である。 GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態1におけるフローチャートである。 図11に示すステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2による結晶成長装置の概略断面図である。 図11に示すステップS7の詳細な動作を説明するための実施の形態2におけるフローチャートである。 実施の形態3による結晶成長装置の概略断面図である。 図11に示すステップS7の詳細な動作を説明するための実施の形態3におけるフローチャートである。 実施の形態4による結晶成長装置の概略断面図である。 GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態4におけるフローチャートである。 図18に示すステップS7の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態5による結晶成長装置の概略断面図である。 GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態5におけるフローチャートである。 実施の形態6による結晶成長装置の概略断面図である。 図22に示す逆流防止部材の斜視図である。 GaN結晶の製造方法を説明するための実施の形態6におけるフローチャートである。 図24に示すステップS7Aの詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 抑制/導入部材の他の斜視図である。 図26に示す抑制/導入部材の固定方法を説明するための断面図である。 抑制/導入部材のさらに他の斜視図である。 逆流防止部材の他の概略断面図である。
符号の説明
1〜3 気液界面、4 窒素ガス、5 種結晶、10 坩堝、11 窒素ガス、20 内部反応容器、20A 外周面、20B,421A 底面、21 本体部、22 蓋部、23 空間、30,260 配管、30A 内壁、40 ベローズ、50 支持装置、60,430,440,450 抑制/導入部材、61,431,441,451 栓、62,432 凸部、63 空隙、70,80,220 加熱装置、71,81,221 温度センサー、90,91,110,150,160,161,320 ガス供給管、100,100A,100B,100C,100D,100E 結晶成長装置、120〜122,180,190,200,220,400 バルブ、130,170 圧力調整器、140,140A,340 ガスボンベ、210,390 排気管、230 真空ポンプ、240,360,370 圧力センサー、250 金属融液、261 空孔、270 熱電対、280 上下機構、281 凹凸部材、282 歯車、283 軸部材、284 モータ、285 制御部、286,287 矢印、290 振動印加装置、300 外部反応容器、310 振動検出装置、330 流量計、350 温度制御装置、380 制御装置、410,410A 混合融液,420,460,470 逆流防止部材、421 上板、422 底板、423 逆流防止弁、424 一対のガイド、424A 上面、425,4611,4613,4711,4713 貫通孔、461,471 本体部、462 ボール部材、472 ロッド部材、4612,4712 空洞部、4612A,4712A,4712B、角形部、4612B 球状部。

Claims (18)

  1. 金属Naと金属Gaとを含む混合融液を保持する坩堝と前記坩堝を覆う内部反応容器と前記内部反応容器を覆う外部反応容器とを備える結晶成長装置を用いてGaN結晶を製造する製造方法であって、
    不活性ガスまたは窒素ガス雰囲気中で前記金属Naおよび前記金属Gaを相互の反応を防止して前記坩堝内に入れる第1の工程と、
    前記坩堝を内部に含む前記内部反応容器を前記内部反応容器の内部空間を外部と遮断しながら前記結晶成長装置に設置するとともに、窒素原料ガスのガス供給源と前記内部反応容器とを連結する第2の工程と、
    前記内部反応容器の内部空間を外部と遮断しながら前記ガス供給源と前記内部反応容器との間をパージする第3の工程と、
    前記内部反応容器内の第1の圧力と前記外部反応容器内の第2の圧力との圧力差を第1の基準値以下に保持しながら前記内部反応容器内および前記外部反応容器内に前記窒素原料ガスを充填する第4の工程と、
    前記混合融液中における前記金属Naと前記金属Gaとの混合比を略一定に保持して前記GaN結晶を結晶成長する第5の工程とを備える製造方法。
  2. 前記第4の工程は、前記第1の圧力と前記第2の圧力とを略同一に保持しながら前記内部反応容器内および前記外部反応容器内に前記窒素原料ガスを充填する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記結晶成長装置は、
    一方端が前記内部反応容器に連結され、他方端が前記ガス供給源に連結された配管と、
    前記配管内に保持された金属Na融液と、
    前記配管内に設置され、前記金属Na融液を少なくとも前記配管内に保持するともに、前記ガス供給源から供給された前記窒素原料ガスを前記金属Na融液を介して前記混合融液に接する容器空間へ供給する抑制/導入部材とをさらに備え、
    前記製造方法は、
    前記不活性ガスまたは前記窒素ガス雰囲気中で前記金属Naを前記配管内に入れる第6の工程をさらに備え、
    前記第2から第5の工程は、前記第1および第6の工程の後に実行される、請求項1または請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記第5の工程は、
    前記内部反応容器側から前記抑制/導入部材に印加される第3の圧力と前記ガス供給源側から前記抑制/導入部材に印加される第4の圧力との圧力差を第2の基準値以下に保持しながら前記坩堝および前記内部反応容器を結晶成長温度に加熱するとともに、前記容器空間の圧力を結晶成長圧力に設定する第1のサブ工程と、
    前記結晶成長温度および前記結晶成長圧力を保持する第2のサブ工程とを含む、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記第5の工程は、
    前記第3の圧力と前記第4の圧力との圧力差を前記第2の基準値以下に保持しながら前記容器空間の圧力が前記結晶成長圧力に略保持されるように前記窒素原料ガスを前記抑制/導入部材および前記金属Na融液を介して前記容器空間へ補充する第3のサブ工程をさらに含む、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記第2の基準値は、前記内部反応容器の耐圧および前記抑制/導入部材の耐圧のうちの小さい耐圧である、請求項4または請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記結晶成長装置は、
    一方端が前記内部反応容器に連結され、他方端が前記ガス供給源に連結された配管と、
    前記配管内に保持された金属Na融液と、
    前記配管内に設置され、前記金属Na融液を少なくとも前記配管内に保持するともに、前記ガス供給源から供給された前記窒素原料ガスを前記金属Na融液を介して前記混合融液に接する容器空間へ供給する逆流防止弁とをさらに備え、
    前記製造方法は、
    前記不活性ガスまたは前記窒素ガス雰囲気中で前記金属Naを前記配管内に入れる第6の工程をさらに備え、
    前記第2から第5の工程は、前記第1および第6の工程の後に実行される、請求項1または請求項2に記載の製造方法。
  8. 前記第5の工程は、
    前記坩堝および前記内部反応容器を結晶成長温度に加熱するとともに、前記容器空間の圧力を結晶成長圧力に設定する第1のサブ工程と、
    前記結晶成長温度および前記結晶成長圧力を保持する第2のサブ工程とを含む、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記第5の工程は、
    前記容器空間の圧力が前記結晶成長圧力に略保持されるように前記窒素原料ガスを前記逆流防止弁および前記金属Na融液を介して前記容器空間へ補充する第3のサブ工程をさらに含む、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記第5の工程は、
    前記金属Na融液から蒸発する金属Naの第1の蒸気圧が前記混合融液から蒸発する金属Naの第2の蒸気圧に略一致する温度に前記抑制/導入部材または前記逆流防止弁の温度を設定する第4のサブ工程をさらに含む、請求項4、請求項5、請求項6および請求項8および請求項9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記第5の工程は、
    前記第1および第2のサブ工程の後、前記GaN結晶からなる種結晶を前記混合融液と前記容器空間との界面に接触させ、または前記混合融液中に浸漬する第5のサブ工程をさらに含む、請求項4、請求項5、請求項6、請求項8、請求項9および請求項10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記第5の工程は、
    前記種結晶の温度を前記混合融液の温度よりも低い温度に設定する第6のサブ工程をさらに含む、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記第6のサブ工程は、前記種結晶からの前記GaN結晶の結晶成長の進行とともに前記混合融液の温度と前記種結晶の温度との温度差を大きくする、請求項12に記載の製造方法。
  14. 前記第5の工程の後、前記第3の圧力と前記第4の圧力との圧力差を前記第2の基準値以下に保持しながら前記坩堝および前記内部反応容器の温度を前記結晶成長温度から所定の温度まで降温する第7の工程をさらに備える、請求項4、請求項5、請求項6および請求項8〜請求項13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記坩堝および前記内部反応容器の温度が前記結晶成長温度から前記所定の温度に降温されるまでの間、前記抑制/導入部材または前記逆流防止弁の温度を前記所定の温度に略保持する第8の工程をさらに備える、請求項14に記載の製造方法。
  16. 前記結晶成長装置は、前記容器空間と前記外部反応容器内の空間とを連通する連通弁をさらに備え、
    前記製造方法は、降温時に、前記坩堝および前記内部反応容器の温度が前記所定の温度になると、前記連通弁を開ける第9の工程をさらに備える、請求項14または請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記第9の工程の後、前記坩堝および前記内部反応容器を自然冷却する第10の工程をさらに備える、請求項16に記載の製造方法。
  18. 前記第10の工程は、さらに、前記抑制/導入部材または前記逆流防止弁を自然冷却する、請求項17に記載の製造方法。
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