JP4733485B2 - 炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法、炭化珪素単結晶成長用種結晶、炭化珪素単結晶の製造方法、および炭化珪素単結晶 - Google Patents

炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法、炭化珪素単結晶成長用種結晶、炭化珪素単結晶の製造方法、および炭化珪素単結晶 Download PDF

Info

Publication number
JP4733485B2
JP4733485B2 JP2005269311A JP2005269311A JP4733485B2 JP 4733485 B2 JP4733485 B2 JP 4733485B2 JP 2005269311 A JP2005269311 A JP 2005269311A JP 2005269311 A JP2005269311 A JP 2005269311A JP 4733485 B2 JP4733485 B2 JP 4733485B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
single crystal
growth
crystal
carbide single
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005269311A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006117512A (ja
Inventor
泰之 坂口
直樹 小柳
典子 村瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP2005269311A priority Critical patent/JP4733485B2/ja
Publication of JP2006117512A publication Critical patent/JP2006117512A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4733485B2 publication Critical patent/JP4733485B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、炭化珪素(SiC)単結晶とその製造方法および炭化珪素単結晶に関し、特に、転位などの欠陥が少なく、品質が良好でかつ安価な炭化珪素単結晶の製造方法とその方法によって成長した炭化珪素単結晶に関するものである。なお、本文における欠陥は、結晶欠陥(または格子欠陥)のことを言う。
半導体材料として期待されている炭化珪素単結晶は、炭化珪素粉末を原料とする昇華法で通常作製される。昇華法においては、原料の炭化珪素粉末と種結晶基板とを対向させて黒鉛製の成長ルツボ内部に配置し、不活性ガス雰囲気中で1800〜2400℃に炭化珪素原料を加熱する。加熱して発生した炭化珪素の昇華ガスは、結晶成長に適した温度域に保持された種結晶基板上に到達し、単結晶として析出する。
昇華法において、炭化珪素原料からの昇華ガスの成分としては、Si、Si2C、SiC2、SiC等が生成しており、これらの昇華ガスの一部が種結晶基板上に析出して、炭化珪素単結晶が成長する。この昇華法は改良Lely法とも呼ばれ、基板となる種結晶上に単結晶を析出させることで、結晶方位を規定して大型のウエーハを得る上で極めて優れた方法である。反面、この昇華法によって得られた炭化珪素単結晶には、1)種結晶から引き継がれる転位やマイクロパイプが多数含まれる、2)結晶成長中発生したと考えられる転位をはじめとする欠陥が多数存在する、といった問題が存在していた。
この原因として、昇華法のみによって良質の種結晶を得ることが極めて困難なこと、及び成長環境に大きな温度勾配が存在し、その結果結晶中に大きな熱応力が発生することが考えられる。さらに、炭化珪素原料の昇華によって供給される昇華ガスの成分は、原料の炭化珪素粉末の昇華および分解過程、あるいは気相中における昇華ガス成分の相互の反応や成長ルツボ内壁の黒鉛との接触反応等のさまざまな要因により変動する。すなわち、炭化珪素原料を加熱すると、蒸気圧の高い珪素はガス化しやすく、炭素は逆に残留分として残る傾向がある。このため時間の経過とともに、炭化珪素原料中の珪素成分が炭素成分より先に減少し、昇華ガス中の元素比Si/Cは時間と共に減少する。これも、昇華ガスの成分の変動要因のひとつである。その他、昇華法にあっては結晶の成長に伴い成長界面がルツボ内を移動するため温度環境、原料である昇華ガス濃度等が経時的に変化することも、均質な結晶成長には問題となる。
昇華法を繰り返す従来の炭化珪素単結晶の成長では、均質かつ転位をはじめとする欠陥密度の低い結晶を得ることは困難であり、実際に得られた結晶中には多数の転位、マイクロパイプが存在していた。続く成長の種結晶は、この結晶インゴットから切り出されるため、種結晶にも格子欠陥は多数含まれることになる。この様に多くの格子欠陥を含む種結晶から成長した結晶には、種結晶に存在した転位等を引き継いだ転位、マイクロパイプが存在するのみならず、成長に伴い先に述べた不適正な結晶成長条件や成長条件の変動による新たに発生する欠陥も含まれることになる。即ち、従来の昇華法から得られた種結晶を用いて繰り返す結晶成長からは種結晶の結晶性を大幅に上回る結晶を得ることは極めて困難である。
勿論、従来から欠陥を低減させるために、成長速度を低く抑えて結晶欠陥発生率を低下させる、あるいは昇華ガス組成の変動があまり大きくならないように成長継続時間を短くすると言った結晶性向上のための対策が行われていた。しかしこれらでは、昇華法で得られた炭化珪素単結晶の品質や安定性が十分とは言えない。
また、昇華ガス成分の変動を抑制する方法として、珪素原料および炭素原料を別々に配設し、珪素原料から発生するガス成分と炭素原料を反応させて炭化珪素を形成し、この炭化珪素を昇華させて炭化珪素単結晶を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしこの方法でも、昇華と共にガス組成が変化するという昇華法の本質的な欠点は避けられない。また単結晶の製造工程が二段階となり、製造時間が比較的長時間になる。
一方、良質な種結晶を得る方法としては、転位やマイクロパイプの伝搬方向の特異性に着目し、成長方位を変化させることによりマイクロパイプの伝播を防止しようとする方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしこの方法は、ほとんど直交する方向にインゴットを切断することによって種結晶を得るため、大口径の種結晶を得るためにはその口径以上の長さのインゴットを成長させる必要がある。先に述べたように、昇華法にあっては成長に伴い温度環境やガス組成が変動し易いため、長尺なインゴットに均一な完全性を得ることは困難である。
特開平6−316499号公報 特許第3532978号
上記のように、昇華法を繰り返してインゴットを成長することによって、結晶性の良い炭化珪素単結晶を成長させる有効な方法は確立されていない。
本発明は、エピタキシャル成長によって得られた高品位の薄膜結晶を種として用い、インゴットを成長するに当たっては温度環境や雰囲気ガス組成に独自の制御を行うことによって、結晶欠陥の少ない大口径の炭化珪素単結晶を安定性よく成長させる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、
(1)炭化珪素基板表面に、被覆膜と、炭化珪素基板表面が露出した窓部とを交互に列状に複数配設し、上記被覆膜は、炭化珪素基板と異なる薄膜であって<11−20>方向に垂直な直線に平行に設け、上記窓部は幅dが1〜10μmで、隣り合う窓部同士の間隔Dが10〜500μmであり、上記窓部に露出した炭化珪素基板表面を種として炭化珪素からなる単結晶エピタキシャル膜を成長させ、被覆膜の上面では当該上面に沿って基板表面に平行な方向に連続して成長させ、その被覆膜上面において、隣り合う窓部から成長してきた炭化珪素エピタキシャル膜と接合させて一体化させ、その一体化した単結晶エピタキシャル膜を炭化珪素単結晶成長用種結晶とする、ことを特徴とする炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法である。
(2)上記窓部は、<11−20>方向に垂直な直線に平行に設ける、請求項1に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法である。
(3)上記単結晶エピタキシャル膜は、成長温度が1500〜2000℃でかつ成長速度が100μm/h以下の条件下で成長させる、請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法である。
(4)上記炭化珪素基板の表面の結晶方位は、(0001)面、(000−1)面またはそれらの面から90°以内で傾いている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法である。
(5)上記炭化珪素基板の表面の結晶方位は、(0001)面から<11−20>方向に0°〜4°傾いている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法である。
(6)上記炭化珪素基板は、4H−SiC単結晶である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法である。
(7)請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法によって製造した炭化珪素単結晶成長用種結晶である。
(8)請求項7に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶を種とし、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させ製造する、ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法である。
(9)上記昇華法による炭化珪素単結晶の成長は、温度勾配が35K/cm以下の条件下で行われる、請求項8に記載の炭化珪素単結晶の製造方法である。
(10)上記昇華法による炭化珪素単結晶の成長は、珪素(Si)ガスが主たる雰囲気ガスの条件下で行われる、請求項8または9に記載の炭化珪素単結晶の製造方法である。
(11)請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法によって製造した炭化珪素単結晶である
本発明による炭化珪素単結晶の製造方法によれば、得られる炭化珪素単結晶内の結晶欠陥を低減することができる。
また、本発明は、MPD,EPDをそれぞれ、0/cm2,1/cm2のレベルの炭化珪素単結晶を得ることができる。
本発明は、(1)高品位の薄膜結晶を得る工程と、(2)該結晶を種として用い、結晶欠陥の少ない大口径の炭化珪素単結晶を安定性よく成長させる工程に分かれる。以下それぞれの方法について説明する。
[種結晶を得る方法]
種結晶として薄膜結晶を得る方法は特に限定されないが、エピタキシャル成長によって高品位の薄膜結晶を得る方法が好ましく、例えば<1>横方向成長を用いる方法と、<2>低温・低速成長による方法とが採用可能である。
まず、<1>横方向成長による方法を述べる。
図1にその工程を模式的に示す。まず、炭化珪素基板1の表面上に、幅dの窓部を持つ被覆膜2をスパッタ法等を用いて形成する。加工後の基板を上から見た概念図が図2であり、窓部4には基板のSiC表面が現れている。次にこの窓部を持つ基板上に炭化珪素エピタキシャル膜を形成する。エピタキシャル成長法は通常用いられているCVD法の他、近接法、液層法等、いずれも採用可能である。この方法で作成した結晶3は、隣接する窓部のSiCを種として成長しさらに被覆膜2の上を互いに横方向に成長してつながり、互いに継ぎ目無く一体化する(図1の(d))。
被覆膜2の材質及びその形成法としては、引き続くエピタキシャル工程に耐え得るものであれば特に規定はなく、CVD、スパッタ、蒸着、FCVA(Filtered Cathodic Vaccuum Arc)法等が使用可能である。実施例では、スパッタ・カーボンを用いたが、CVDによるDLC(Diamond Like Carbon)FCVA−カーボンでも可能で、また材質も金属炭化物等高温で安定性がある膜であればよい。膜厚は保護膜の成膜速度と引き続くエピタキシャル工程のエピタキシャル成長速度によるが、10〜1000nm程度が妥当である。窓部の幅dとその間隔Dについては、下記[作用]に示す通り欠陥の減少効果に大きな影響を与える。d/Dは小さいほど、欠陥の減少効果が大きいが、dにはパターニング工程上の限界があり、一方Dを大きくしすぎると、引き続くエピタキシャル工程の横方向成長で、横方向膜の接続が困難になる。エピタキシャル成長条件に応じて、Dは10〜500μm、窓部の幅dは1〜10μmで、適宜選択すればよい。続く、エピタキシャル成長工程にも特定の制限はない。本特許の実施例にあっては、SiCで一般に用いられているCVD法を用いたが、近接法や液相エピタキシャル法等でも実施することができる。また、エピタキシャル膜厚も、基板表面をくまなく覆うことができれば、特に指定はない。
[作用]
同法により得られた、エピタキシャル基板の断面を図3に示す。基板として用いたSiC単結晶ウエーハ内には、転位やマイクロパイプ等の欠陥5が高密度で存在している。被覆膜2により、これら欠陥5の多くは表面で覆われる。仮に窓部の幅をd、窓部の周期をDとするなら、窓部のSiC部分に現れる欠陥の割合はd/Dとなる。次工程のエピタキシャル成長では、窓部のSiCのみが種となり成長するため、基板から引き継がれる欠陥の密度もまた、基板のd/Dとなる。
上記には横方向成長を1回行う例について説明したが、窓部をずらして、パターンを形成し、横方向成長を繰り返すことにより、実質的に転位密度0/cm2のエピタキシャル基板を得ることが原理的に可能である。(図4)
また、基板1の面方位については、特に規定しないが、欠陥の伝播方向が結晶異方性を持つ場合、特定の伝播方向から傾いた面上にエピタキシャル成長することは有効である。仮に伝搬方向に直交する面c(0001)に対し、エピタキシャル成長面c'がθの角度をなすとすると、c面(0001)上の伝播欠陥密度がn[/cm2]の場合、c'面に対する伝搬欠陥密度はn・cosθ[/cm2]となる。なお、結晶成長の都合により反対の極性面(000−1)を用いる場合があるが、この場合も効果は変わらない。
次に、<2>低温・低速成長による方法について説明する。
SiC成長におけるマイクロパイプ等の伝搬や発生については、結晶内での昇華や熱応力が重要な要因であることが報告されている。これらの原因は、成長結晶内での温度分布の存在であり、それによって生じる結晶内の温度勾配場が昇華によってマイクロパイプを、熱応力によって転位を発生または伝搬させるものと考えられる。従って、結晶内の温度勾配を小さくすることが欠陥密度の低減に有効であることは、従来から言われていた。また、一般に結晶成長において、成長速度を低速にすることによって、結晶性が向上することは従来から言われてきた。本発明においては、SiC種結晶を得る目的の薄膜成長条件として、1500〜2000℃の低温域で、かつ成長速度を100μm/h以下の低速で行うことにより、欠陥の低減に著しい効果を与えることを提示する。従来は、生産性等の考慮により、低速成長の可能性は除去されてきたが、本発明においては種結晶を得る目的の薄膜成長を行うため、これらの条件の有効性を主張できるものである。
従って、エピタキシャル方法にも特定の制限はない。本特許の実施例にあっては、SiCで一般に用いられているCVD法を用いたが、近接法や液相エピタキシャル法等でも実施することができる。また、エピタキシャル膜厚も、特に指定はなく、エピタキシャル方法や工程能力等に応じて適宜選択することができる。
[大口径の炭化珪素単結晶の成長方法]
該薄膜結晶を種として用い、結晶欠陥の少ない大口径の炭化珪素単結晶を安定性よく成長させる方法として、本特許は、<3>特定のルツボ内温度勾配による昇華法と、<4>成長ルツボを取り囲む雰囲気ガスを珪素(Si)ガスから構成する昇華法を採用することが好ましい。
まず、<3>特定のルツボ内温度勾配による昇華法について述べる。
図5に代表的な昇華法成長の図を示す。図5をもとに本発明の一実施形態を説明する。図5において、7は成長ルツボである。成長ルツボ7は、蓋板8及びシード台9を有する。蓋板8はシード台9を兼ねる場合がある。成長ルツボ7の材質は、黒鉛とすることが好ましい。蓋板8およびシード台9の材質も、黒鉛が好ましい。黒鉛材質に高純度が要求される場合は、ハロゲンガスによる精製処理を行った黒鉛を用いるのが好ましい。成長ルツボ7内の下部は、結晶成長時に充分な量の炭化珪素原料16を貯留できる大きさを有する。
本発明では、図5に示す炭化珪素単結晶の製造装置を用いて、次のように炭化珪素の結晶成長を行う。まず、シード台9の下側の面に薄膜炭化珪素単結晶からなる種結晶基板10を装着する。装着には機械的な結合方法、接着による接合方法などを用いることができる。装着する種結晶基板10としては、先に述べた方法による高品位薄膜結晶を有するものである。基板の結晶面の方向は、一般に(0001)面が用いられる。結晶面の方向を(0001)面からずらして加工した種結晶基板も使用することができる。また、成長ルツボ7内の下部には、十分な量の粉末の炭化珪素原料16を設置する。半導体用途の高い比抵抗の炭化珪素単結晶を得るには、炭化珪素原料16としては、純度8ナインのような高純度のものを用いるのが好ましい。本発明の炭化珪素単結晶の成長により、下側を向いた種結晶基板10の表面上に炭化珪素単結晶11が成長する。
成長ルツボ7の外側には、成長ルツボ7を加熱する加熱装置として、高周波誘導コイル12を設置する。この加熱装置は、成長ルツボ7内の炭化珪素原料16を、昇華ガスが発生する例えば1900℃以上の温度に加熱する装置である。なお、加熱装置は抵抗加熱方式のものでもよい。成長ルツボ7は、高温状態を維持するために、例えば炭素繊維製の断熱材13で覆われる。炭化珪素原料16が設置されている部分を高温部とし、種結晶基板10が設置されている部分を低温部として、成長ルツボ7に所望の温度分布を実現するためには、例えば、高周波誘導コイル12による加熱方式では、高周波誘導コイル12を上下に分割して設け、各高周波誘導コイルに流す電流を独立に制御する方法を用いることができる。あるいは高周波誘導コイル12のコイルの巻き回し密度を上下方向で調節する方法も使用可能である。なお、成長ルツボ7と高周波誘導コイル12の間には絶縁体37が配置されている。成長ルツボ7の温度については、例えば成長ルツボ7の底面および蓋板を覆っている断熱材13にそれぞれ測温穴14を設けて、その測温穴14を通し放射温度計15を用いて、成長ルツボ7の表面の温度を測ることができる。その測温結果をもとに、高周波誘導コイル12の位置や高周波誘導コイル12に流す電流を調整して、成長ルツボ7の温度分布を所望の状態にすることができる。ここで、成長ルツボ7の上部および下部の測定温度をそれぞれTt、Tb、同成長ルツボ7の高さをhとした時、ルツボ内の温度勾配を、(Tb−Tt)/h と定義する。
良質の炭化珪素単結晶の成長中は、先に定義したルツボ内温度勾配を35K/cm以下に制御することが好ましい。
種結晶上に炭化珪素単結晶の昇華法による成長では、ルツボ内温度勾配は勿論正である必要があるが、この温度勾配は、成長結晶内に熱応力を発生させ、先の値を超えた場合、成長結晶には臨界剪断応力を超える熱応力が作用する。この結果、成長結晶内には熱応力により転位等の欠陥が多数発生することになり、良質の種結晶の結晶性を維持することが難しい。本発明のルツボ内温度勾配を維持することにより、種結晶の結晶性を維持した単結晶インゴットを得ることができる。
図6は、本発明に係る炭化珪素単結晶の製造装置の別の一例を示す。図6は、図5に示した炭化珪素単結晶の製造装置の成長ルツボ7において、蓋板8とシード台9の間に空間を有し、さらに成長ルツボ7を外ルツボ6の内部に設置したものである。このような配置を用いることにより、本発明の要件である成長ルツボ7内温度勾配35K/cm以下をより容易に達成することができるが、本発明においては成長ルツボ7内の構造は後の実施例に示すように本質的に違いを与えない。
次に、<4>成長ルツボ7を取り囲む雰囲気ガスを珪素(Si)ガスから構成する昇華法について説明する。
図7に本発明に係る炭化珪素単結晶の製造装置の一例を示す。図7をもとに本発明の一実施形態を説明する。図7において、6は外ルツボ、7は成長ルツボである。成長ルツボ7は、外ルツボ6内に設置されている。また成長ルツボ7は、蓋板8及びシード台9を有する。蓋板8はシード台9を兼ねる場合がある。成長ルツボ7の材質は、黒鉛とする。外ルツボ6、蓋板8およびシード台9の材質も、黒鉛が好ましい。黒鉛材質に高純度が要求される場合は、ハロゲンガスによる精製処理を行った黒鉛を用いるのが好ましい。成長ルツボ7内の下部は、結晶成長時に充分な量の炭化珪素原料16を貯留できる大きさを有する。
本発明では、図7に示す炭化珪素単結晶の製造装置を用いて、次のように炭化珪素の結晶成長を行う。まず、シード台9の下側の面に炭化珪素単結晶からなる種結晶基板10を装着する。装着には機械的な結合方法、接着による接合方法などを用いることができる。装着する種結晶基板10としては、先に述べた方法による高品位薄膜結晶を有するものである。基板の結晶面の方向は、一般に(0001)面が用いられる。結晶面の方向を(0001)面からずらして加工した種結晶基板も使用することができる。また、成長ルツボ7内の下部には、十分な量の粉末の炭化珪素原料16を設置する。半導体用途の高い比抵抗の炭化珪素単結晶を得るには、炭化珪素原料16としては、純度8ナインのような高純度のものを用いるのが好ましい。本発明の炭化珪素単結晶の成長により、下側を向いた種結晶基板10の表面上に炭化珪素単結晶11が成長する。
外ルツボ6の外側には、外ルツボ6および成長ルツボ7を加熱する加熱装置として、高周波誘導コイル12を設置する。この加熱装置は、成長ルツボ7内の炭化珪素原料16を、昇華ガスが発生する例えば1900℃以上の温度に加熱する装置である。なお、加熱装置は抵抗加熱方式のものでもよい。外ルツボ6は、高温状態を維持するために、例えば炭素繊維製の断熱材13で覆われる。炭化珪素原料16が設置されている部分を高温部とし、種結晶基板10が設置されている部分を低温部として、成長ルツボ7に所望の温度分布を実現するためには、例えば、高周波誘導コイルによる加熱方式では、高周波誘導コイル12を上下に分割して設け、各高周波誘導コイルに流す電流を独立に制御する方法を用いることができる。あるいは高周波誘導コイル12のコイルの巻き回し密度を上下方向で調節する方法も使用可能である。外ルツボ6の温度については、例えば外ルツボ6の底面および蓋板を覆っている断熱材13にそれぞれ測温穴14を設けて、その測温穴14を通し放射温度計15を用いて、外ルツボ6の表面の温度を測ることができる。その測温結果をもとに、高周波誘導コイル12の位置や高周波誘導コイル7に流す電流を調整して、成長ルツボ7の温度分布を所望の状態にすることができる。
本発明では、炭化珪素単結晶の成長の間、成長ルツボ7を取り囲む雰囲気ガスを珪素(Si)ガスを主成分とすることが好ましい。ここで成長ルツボ7を外ルツボ6内に設置し、成長ルツボ7と外ルツボ6の間に外部から珪素原料を継続的に供給し、該珪素原料を継続的に蒸発させると、炭化珪素単結晶の成長の間、成長ルツボ7を取り囲む雰囲気ガスを珪素ガスから構成することができる。図6で26は、外部から珪素原料27を継続的に供給するための原料容器であり、28は押し出し式定量供給装置、29は振動機である。外部からの珪素原料の供給は次のようにして行う。
原料容器26に、珪素原料27を入れておく。珪素原料27は後述する定量供給装置28を用いることができる形態とする。原料容器26の材質は、所定の形状に加工でき珪素原料27に不純物の混入がないものであれば良く、例えば黒鉛を用いることができる。図7では、この原料容器26に押し出し式定量供給装置28を取り付ける。定量供給装置28は、珪素原料27を成長ルツボ7と外ルツボ6との間に定量供給、すなわち所定の量の珪素原料を所定の時間で供給する目的で設けられている。
本発明において、外部からの珪素原料27の供給量は、外ルツボ6内の成長ルツボ7を取り囲む珪素ガスの蒸気圧が、成長ルツボ7内の昇華ガス中の珪素ガスの蒸気圧より高い状態、すなわち珪素ガスが過剰な状態を継続的に維持できる量とするのが好ましい。例えば、成長ルツボ7内の炭化珪素原料の温度が2100℃の場合、炭素−炭化珪素混合系における珪素の平衡蒸気圧は、およそ61Pa以上であるから、成長ルツボ7を取り囲む珪素ガスの蒸気圧がそれより高い状態を維持するように、外部から珪素原料を継続的に供給する。
珪素原料が外ルツボ6内で蒸発気化した珪素ガスが、成長チャンバーを経て単結晶成長装置の外部へ廃棄されるより早い速度で、珪素原料を外ルツボ6内に供給することにより、珪素ガスが過剰な状態が維持できることになる。現実には、珪素ガスが単結晶成長装置の外部へ廃棄される速度は、成長チャンバー内の保持圧力、珪素ガスの拡散速度及びルツボの形状等により変化するため、成長装置毎に適正な珪素供給量を実験的に決定する必要がある。
定量供給装置は、珪素原料を上記の供給量で供給できれば構造を限定する必要はなく、スクリューフィーダー、定量押し出し装置、振動供給装置等のいずれも用いることができる。図7のように、原料容器を振動させるための振動機29を装着した定量供給装置を設置しておくと、供給を円滑に行わせることができるため好ましい。
原料容器26から外ルツボ6内に珪素原料27を供給するために、その間を黒鉛製の導入管36で接続する。石英ガラスや炭化珪素からなる導入管も温度条件により使用可能で、さらに十分温度が低い部分にはステンレス等の金属からなる導入管も使用できる。また導入管はこれらの複合材でも構成できる。また高周波誘導コイルからの放電がある場合、それを防ぐために絶縁体(例えばセラミックあるいは石英ガラス)で保護するのが好ましい。
これらの成長ルツボ7を内蔵した外ルツボ6、高周波誘導コイル12、導入管36等は、雰囲気の制御が可能な成長チャンバー56内に設置する。成長チャンバー56は、ガスの出口側に排気装置57が接続されており、またガスの入り口側にガス精製機59を経たガス導入ライン58が接続されている。ガス導入ライン58の途中にはマスフローコントローラー60が設置されている。アルゴン(Ar)等の不活性ガスが、成長チャンバー内の雰囲気ガスとして、炭化珪素単結晶の成長中、ガス導入ライン58から成長チャンバーに供給され、排気装置57を経て排出される。マスフローコントローラー60と排気装置57を調節することにより、成長チャンバー56内へのガス導入量と成長チャンバー56からの排気量をコントロールし、成長チャンバー56内の圧力を所定の値に制御することができる。
図7に示したように、外ルツボ6内に供給された珪素原料は、蒸発気化し、外ルツボ6と成長ルツボ7の間の空間を満たす。一般的な昇華法による炭化珪素の成長温度である1900℃以上では、珪素の平衡蒸気圧は2.7×104Pa以上である。外ルツボ6と成長ルツボ7の間で過剰に生成した珪素ガスは、導入管36を通って成長チャンバー56内に放出される。黒鉛製の成長ルツボ7は、2000℃近い高温ではガスに対する気密性は無いため、外ルツボ6内に残った珪素ガスは、成長ルツボ7の黒鉛の壁を透過して成長ルツボ7内へと拡散し、成長ルツボ7内の珪素ガスの分圧を維持しまたは高める。
成長チャンバー56内の圧力と外ルツボ6内の圧力は、導入管36で結ばれていているため等しくなる。また、外ルツボ6内の成長ルツボ7を取り囲む雰囲気ガスは、外部から供給される珪素原料の蒸発により、珪素ガスから構成される。また、外ルツボ6内の珪素ガスは、成長ルツボ7の黒鉛の壁を透過して成長ルツボ7内へと拡散する。従って、成長ルツボ7の黒鉛材の厚さと成長ルツボ7の温度分布が同一なら、成長ルツボ7内の珪素ガスの分圧は、成長チャンバー56の圧力によって制御することが可能である。則ち、成長チャンバー内の圧力を高くすると、成長ルツボ7内の珪素ガスの分圧も高くなる。ただし、外ルツボ6と成長ルツボ7の珪素蒸気圧が成長チャンバーの保持圧力と等しくなるのに十分な珪素原料が、外部から継続的に供給される必要がある。
炭化珪素単結晶の成長中に、成長ルツボ7中の珪素ガスの分圧を、炭化珪素原料からの昇華ガス中の珪素ガスの平衡蒸気圧より高く維持することは、炭化珪素単結晶の品質を向上する上で望ましい。そのため、成長チャンバー56内の圧力は、高めに設定するのが望ましい。ただし、炭化珪素単結晶を成長させる成長ルツボ7内の圧力の増加は、昇華ガスの拡散による炭化珪素の成長速度を低下させる。そのため、炭化珪素単結晶の結晶性と成長速度が最適になるように、成長チャンバー内の成長圧力を設定する必要がある。
炭化珪素単結晶の成長の際の成長チャンバー内の圧力は、高度の減圧から常圧より少し高い程度、即ち1.33〜1.33×105Paの範囲で行うことが可能である。
本発明の炭化珪素単結晶の成長では、炭化珪素単結晶の不純物ドーピングも必要に応じ実施できる。例えば、予め不純物がドープされた珪素原料を用いる、あるいは、ガスとしてドーピング元素を供給することで、炭化珪素単結晶の不純物ドーピングも可能である。
図8に、本発明に係る炭化珪素単結晶の製造装置の別の一例を示す。図8は、図7に示した炭化珪素単結晶の製造装置の成長ルツボ7において、蓋板8がシード台9を兼ねた場合の図である。本発明においては成長ルツボ7内の構造は後の実施例に示すように本質的に違いを与えない。
本発明において、成長ルツボを取り囲む雰囲気ガスとして珪素(Si)ガス供給する方法として、Si固体粒供給の方法を挙げたが、珪素ガスの供給が十分になされるなら、供給方法に指定はない。例えば、Siを含有する化合物シランやジシラン、ターシャリブチルシラン等、常温でガス状の物質、Siガス、溶融Si等の液相物質の供給も何ら本質的差異を与えない。
[作用]
本発明が、炭化珪素単結晶の結晶欠陥の発生を抑制する機構については、以下のように推定される。炭化珪素原料からの昇華ガス内では、炭化珪素(SiC)の他に未反応のSiやSi2C、SiC2等のガス成分が、ある平衡蒸気圧に達していると考えられる。しかし、黒鉛製の成長ルツボは、2000℃近い高温ではガスに対する気密性は無いため、成長ルツボの内外で蒸気圧に差があれば内部のガスはルツボの黒鉛壁を容易に透過する。通常の昇華法にあっては、成長ルツボの外部における昇華ガスの分圧はほぼ0であるため、成長ルツボ内部の昇華ガスは外部に漏れ出し、分圧は平衡蒸気圧より低下する傾向にある。
化合物半導体の結晶成長においては、結晶の構成元素の化学量論的組成(いわゆるストイキオメトリー)を一定に保つためには、その結晶成長時に乖離圧の高い構成元素の分圧を高く保つことが有効であることが知られている。仮に構成元素の分圧を等しくして結晶成長を行った場合、乖離圧の高い元素は結晶成長時に固体内への取り込まれ率が低くなり、結晶内で空孔の発生やそれに伴う微小な格子歪みが生じ、転位や積層欠陥を誘発する可能性が高い。
本発明の好ましい実施態様においては、成長ルツボを取り囲む雰囲気ガスを珪素ガスから構成したため、乖離圧の高い珪素について成長ルツボ壁を通した拡散は、通常の昇華法とは逆に成長ルツボ外から成長ルツボ内に拡散することになり、成長ルツボ内の珪素ガスの分圧が昇華ガス中の平衡圧と等しいかむしろ高くなる傾向を有する。このため、従来の昇華法による炭化珪素単結晶の成長に伴う結晶欠陥の発生を大幅に抑制することができる。
以下に実施例を述べるが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
[種結晶の高品位化]
本実施例1では、図1に示す横方向成長工程を用いて、炭化珪素種結晶の高品位化を実施した。まず、(0001)面を有する4H−SiC単結晶を直径50mm、厚さ0.8mmに加工した結晶基板上1に、スパッタ法により厚さ400nmの炭素膜2を形成する(工程(b))。次にフォトリソグラフィーによって<11−20>方向に幅d=2μm、間隔D=100μmで窓部4を形成する加工を行った(工程(c))。次にこの窓部7を持つ炭素膜をつけた単結晶基板上に、CVD法によって横方向成長を行って横方向成長結晶3を得た(工程(d))。CVD法の代表的な成長条件として、成長温度1600℃、圧力133hPa、C/Si=1.5,原料ガスとしてシラン及びプロパンを用い、キャリアガスは水素、キャリアガス流量に対する総原料ガス流量比を0.2%として、成長速度110μm/hを得た。
この方法で作製した炭化珪素エピタキシャルウエーハ表面は隣接する種部から伸びた横方向成長どうしが継ぎ目無く接続していた。さらに同横方向成長結晶3に溶融KOHによるエッチングを施して欠陥を観察したところ、代表的な値として、マイクロパイプ密度MPDは13/cm2、転位密度はEPDから121/cm2であった。
本実施例2では、面方位を傾けた基板を用い、実施例1に示した横方向成長を行い、炭化珪素種結晶の高品位化を実施した。(0001)面から<11−20>方向に4°傾けた表面を有する4H−SiC単結晶を結晶基板1として用いた。結晶基板の大きさや前処理、窓部の形成や横方向成長の手順は実施例1と同様である。
実施例1と同様に横方向成長結晶3に溶融KOHによるエッチングを施して欠陥を観察したところ、代表的な値として、マイクロパイプ密度MPDは3/cm2、転位密度はEPDから45/cm2であった。
本実施例3では、低温度成長で成長速度を低く抑えることにより、炭化珪素種結晶の高品位化を実施した。(0001)面から<11−20>方向に4°傾けた表面を有する4H−SiC単結晶を結晶基板1として用いた。結晶基板の大きさや前処理や窓部の形成の手順は実施例1と同様である。次にこの窓部7を持つ炭素膜をつけた単結晶基板上に、CVD法によって横方向成長を行って横方向成長結晶3を得た(工程(d))。CVD法における、代表的な成長条件として、成長温度1600℃、圧力60hPa、C/Si=1.5、原料ガスとしてシラン及びプロパンを用い、キャリアガスは水素、キャリアガス流量に対する総原料ガス流量比を0.1%として、成長速度15μm/hを得た。
この方法で作製した炭化珪素エピタキシャルウエーハ表面は隣接する種部から伸びた横方向成長どうしが継ぎ目無く接続していた。さらに同横方向成長結晶3に溶融KOHによるエッチングを施して欠陥を観察したところ、代表的な値として、マイクロパイプ密度MPDは0/cm2、転位密度はEPDから8/cm2であった。
従来の昇華法成長による炭化珪素基板の欠陥密度と、本発明の実施例1,2,3による横方向成長結晶の欠陥密度を比較したのが下の表1である。
Figure 0004733485
本実施例4では、実施例2で得た炭化珪素種結晶と図6に示す炭化珪素単結晶成長装置を用い、低温度勾配で、炭化珪素単結晶インゴットの成長を実施した。まず、実施例2と同様の方法で得た4H−SiC単結晶10を横方向結晶面が原料側を向くように、直径50mmに加工した種結晶基板を成長ルツボ7のシード台9(黒鉛製、厚さ9mm)の成長ルツボ7底側面の中央部に接着により取りつけた。成長ルツボ7は内径52mm高さ116mmの底のある円筒で、材質は黒鉛である。成長ルツボ7の底の下端から約52mmの高さまで炭化珪素粉末原料16(約172g)を入れた。さらにその上32mm上に種結晶の下端面が位置するようにシード台9を取り付けた。成長ルツボ7は外ルツボ6内の中央に置いた。外ルツボ6は内径75mm高さ157mmの底のある円筒で材質は黒鉛である。
成長ルツボ7を減圧可能な成長チャンバー56内に設置した。成長チャンバー内を1.33×10-1Paまで減圧した後、アルゴンガスを大気圧まで導入し成長雰囲気の置換を行った。ついで外ルツボ6の下部温度Tbを約1500℃まで約30分で昇温し、ルツボ等に付着したガス等を除去する熱処理を行った。つぎに外ルツボ6の下部の温度Tbを約1900℃、外ルツボ6の上部の温度Ttを1650℃に保持して、成長チャンバー内にアルゴンを導入しながら、そのアルゴン雰囲気を266Paまで減圧して維持し、150時間結晶成長を行った。この成長時間の間、ルツボ内温度勾配(Tb−Tt)/h=14K/cmであった。
成長終了後、成長ルツボ7を開放した。成長ルツボ7のシード台9の種結晶基板上には単結晶が成長していた。成長した炭化珪素単結晶11は、直径が先端部で約50mmで、成長した長さは4.5mmであった。
該単結晶の成長方向に直交するウエーハを切り出し、研磨により磨きだし顕微鏡観察を行った。その結果、インクルージョンは皆無であった。またラマン分光測定によるピーク位置から、成長した結晶は4Hの炭化珪素で、他の多型の混入の全くない単結晶であることを確認した。同ウエーハに溶融KOHによるエッチングを施して欠陥を観察したところ、代表的な値として、マイクロパイプ密度MPDは0/cm2、転位密度はEPDから12/cm2であった。
本実施例5では、実施例2で得た炭化珪素種結晶と図6に示す炭化珪素単結晶成長装置を用い、通常の温度勾配で、炭化珪素単結晶インゴットの成長を実施した。実施例2と同様の方法で得た4H−SiC単結晶10を実施例4と同様にルツボ内に設置し、その成長ルツボ7を成長チャンバー56内に設置した。昇温開始までの手順も実施例4と同様である。
続いて外ルツボ6の下部温度Tbを約1500℃まで約30分で昇温し、ルツボ等に付着したガス等を除去する熱処理を行った。つぎに外ルツボ6の下部の温度Tbを約2350℃、外ルツボ6の上部の温度Ttを1650℃に保持して、成長チャンバー内にアルゴンを導入しながら、そのアルゴン雰囲気を266Paまで減圧して維持し、8時間結晶成長を行った。この成長時間の間、ルツボ内温度勾配(Tb−Tt)/h=38K/cmであった。
成長終了後、成長ルツボ7を開放した。成長ルツボ7のシード台9の種結晶基板上には単結晶が成長していた。成長した炭化珪素単結晶は、直径が先端部で約50mmで、成長した長さは8.5mmであった。
該単結晶の成長方向に直交するウエーハを切り出し、研磨により磨きだし、同ウエーハに溶融KOHによるエッチングを施して欠陥を観察したところ、代表的な値として、マイクロパイプ密度MPDは98/cm2、転位密度はEPDから1.3×104/cm2であった。
本実施例6では、実施例2で得た炭化珪素種結晶と図7に示す炭化珪素単結晶成長装置を用い、Siガスを含む雰囲気で、低温度勾配で、炭化珪素単結晶インゴットの成長を実施した。まず、実施例2と同様の方法で得た4H−SiC単結晶10を横方向結晶面が原料側を向くように、直径50mmに加工した種結晶基板を成長ルツボ7のシード台9(黒鉛製、厚さ9mm)の成長ルツボ7底側面の中央部に接着により取りつけた。成長ルツボ7は内径52mm高さ116mmの底のある円筒で、材質は黒鉛である。成長ルツボ7の底の下端から約52mmの高さまで炭化珪素粉末原料16(約172g)を入れた。さらにその上32mm上に種結晶の下端面が位置するようにシード台9を取り付けた。成長ルツボ7は外ルツボ6内の中央に置いた。外ルツボ6は内径75mm高さ157mmの底のある円筒で材質は黒鉛である。外ルツボ6の上蓋には珪素原料の導入管36が取り付けてあり、その内径は5mmである。珪素原料としては、半導体用の高純度球状ポリシリコン(純度8ナイン、平均粒径1.5mm)を100gを原料容器26に入れた。珪素原料は、原料容器26から振動型29の定量供給装置28を用いて黒鉛製の導入管を経由して外ルツボ6内に供給した。
成長ルツボ7と導入管36を減圧可能な成長チャンバー56内に設置した。成長チャンバー56内を1.33×10-1Paまで減圧した後、アルゴンガスを大気圧まで導入し成長雰囲気の置換を行った。ついで外ルツボ6の下部温度Tbを約1500℃まで約30分で昇温し、ルツボ等に付着したガス等を除去する熱処理を行った。つぎに外ルツボ6の下部の温度Tbを約1900℃、外ルツボ6の上部の温度Ttを1650℃に保持して、成長チャンバー内にアルゴンを導入しながら、そのアルゴン雰囲気を266Paまで減圧して維持し、その後珪素原料を0.12g/分の供給速度で継続的に供給しながら150時間結晶成長を行った。この成長時間の間、ルツボ内温度勾配(Tb−Tt)/h=14K/cmであった。
成長終了後、成長ルツボ7を開放した。成長ルツボ7のシード台9の種結晶基板上には単結晶が成長していた。成長した炭化珪素単結晶11は、直径が先端部で約50mmで、成長した長さは4.6mmであった。
該単結晶の成長方向に直交するウエーハを切り出し、研磨により磨きだし、同ウエーハに溶融KOHによるエッチングを施して欠陥を観察したところ、代表的な値として、マイクロパイプ密度MPDは0/cm2、転位密度はEPDから4/cm2であった。
[比較例1]
本比較例1では、従来の昇華法で得た炭化珪素種結晶と図6に示す炭化珪素単結晶成長装置を用い、低温度勾配で、炭化珪素単結晶インゴットの成長を実施した。種結晶が異なるのみで、その設置法、成長のプロセスは全て実施例4と同様とした。
成長終了後、成長ルツボ7を開放した。成長ルツボ7のシード台9の種結晶基板上には単結晶が成長していた。成長した炭化珪素単結晶11は、直径が先端部で約50mmで、成長した長さは4.2mmであった。
該単結晶の成長方向に直交するウエーハを切り出し、研磨により磨きだし、同ウエーハに溶融KOHによるエッチングを施して欠陥を観察したところ、代表的な値として、マイクロパイプ密度MPDは0/cm2、転位密度はEPDから9.2×104/cm2であった。
用いた種結晶の欠陥密度と、本発明の実施例4,5,6,比較例1から得られたインゴットの欠陥密度を比較したのが下の表2である。
Figure 0004733485
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することがなければ、種々の設計変更が可能であり、前記実施例に限定されないことはいうまでもない。
本発明に係る炭化珪素種結晶基板の製造方法の一例を示す図である。 本発明に係る炭化珪素種結晶基板の製造方法の別の一例を示す図である。 本発明に係る炭化珪素種結晶基板内の欠陥低下機構の一例を示す図である。 本発明に係る炭化珪素種結晶基板の製造方法の別の一例を示す図である。 本発明に係る炭化珪素単結晶の製造装置の一例を示す図である。 本発明に係る炭化珪素単結晶の製造装置の別の一例を示す図である。 本発明に係る炭化珪素単結晶の製造装置の別の一例を示す図である。 本発明に係る炭化珪素単結晶の製造装置の別の一例を示す図である。
符号の説明
1 炭化珪素基板
2 被覆膜
3 横方向成長結晶
4 窓部
5 欠陥
6 外ルツボ
7 成長ルツボ
8 蓋板
9 シード台
10 炭化珪素種結晶基板
11 成長した炭化珪素単結晶
12 高周波誘導コイル
13 断熱材
14 測温穴
15 放射温度計
16 炭化珪素原料
26 原料容器
27 珪素原料
28 押し出し式定量供給装置
29 振動機
36 導入管
37 絶縁体
56 成長チャンバー
57 排気装置
58 ガス導入ライン
59 ガス精製機
60 マスフローコントローラー

Claims (11)

  1. 炭化珪素基板表面に、被覆膜と、炭化珪素基板表面が露出した窓部とを交互に列状に複数配設し、
    上記被覆膜は、炭化珪素基板と異なる薄膜であって<11−20>方向に垂直な直線に平行に設け、
    上記窓部は幅dが1〜10μmで、隣り合う窓部同士の間隔Dが10〜500μmであり、
    上記窓部に露出した炭化珪素基板表面を種として炭化珪素からなる単結晶エピタキシャル膜を成長させ、被覆膜の上面では当該上面に沿って基板表面に平行な方向に連続して成長させ、その被覆膜上面において、隣り合う窓部から成長してきた炭化珪素エピタキシャル膜と接合させて一体化させ、その一体化した単結晶エピタキシャル膜を炭化珪素単結晶成長用種結晶とする、
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法。
  2. 上記窓部は、<11−20>方向に垂直な直線に平行に設ける、請求項1に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法。
  3. 上記単結晶エピタキシャル膜は、成長温度が1500〜2000℃でかつ成長速度が100μm/h以下の条件下で成長させる、請求項1または2に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法。
  4. 上記炭化珪素基板の表面の結晶方位は、(0001)面、(000−1)面またはそれらの面から90°以内で傾いている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法。
  5. 上記炭化珪素基板の表面の結晶方位は、(0001)面から<11−20>方向に0°〜4°傾いている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法。
  6. 上記炭化珪素基板は、4H−SiC単結晶である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法によって製造した炭化珪素単結晶成長用種結晶。
  8. 請求項7に記載の炭化珪素単結晶成長用種結晶を種とし、昇華法により炭化珪素単結晶を成長させ製造する、
    ことを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
  9. 上記昇華法による炭化珪素単結晶の成長は、温度勾配が35K/cm以下の条件下で行われる、請求項8に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  10. 上記昇華法による炭化珪素単結晶の成長は、珪素(Si)ガスが主たる雰囲気ガスの条件下で行われる、請求項8または9に記載の炭化珪素単結晶の製造方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれか1項に記載の方法によって製造した炭化珪素単結晶
JP2005269311A 2004-09-24 2005-09-16 炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法、炭化珪素単結晶成長用種結晶、炭化珪素単結晶の製造方法、および炭化珪素単結晶 Active JP4733485B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005269311A JP4733485B2 (ja) 2004-09-24 2005-09-16 炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法、炭化珪素単結晶成長用種結晶、炭化珪素単結晶の製造方法、および炭化珪素単結晶

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004278025 2004-09-24
JP2004278025 2004-09-24
JP2005269311A JP4733485B2 (ja) 2004-09-24 2005-09-16 炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法、炭化珪素単結晶成長用種結晶、炭化珪素単結晶の製造方法、および炭化珪素単結晶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006117512A JP2006117512A (ja) 2006-05-11
JP4733485B2 true JP4733485B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=36535758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005269311A Active JP4733485B2 (ja) 2004-09-24 2005-09-16 炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法、炭化珪素単結晶成長用種結晶、炭化珪素単結晶の製造方法、および炭化珪素単結晶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4733485B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8980445B2 (en) 2006-07-06 2015-03-17 Cree, Inc. One hundred millimeter SiC crystal grown on off-axis seed
JP2008120615A (ja) * 2006-11-09 2008-05-29 Bridgestone Corp 炭化珪素単結晶の製造方法
EP2432020A4 (en) * 2009-05-11 2013-06-26 Sumitomo Electric Industries SEMICONDUCTOR DEVICE
JP5540349B2 (ja) * 2009-12-02 2014-07-02 学校法人関西学院 半導体ウエハの製造方法
JP2011243619A (ja) * 2010-05-14 2011-12-01 Sumitomo Electric Ind Ltd 炭化珪素基板の製造方法、半導体装置の製造方法、炭化珪素基板および半導体装置
DE102010029755B4 (de) * 2010-06-07 2023-09-21 Sicrystal Gmbh Herstellungsverfahren für einen SiC-Volumeneinkristall ohne Facette und einkristallines SiC-Substrat mit homogener Widerstandsverteilung
US8912550B2 (en) 2011-12-22 2014-12-16 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Dislocations in SiC semiconductor substrate
JP5376477B2 (ja) * 2012-08-24 2013-12-25 学校法人関西学院 単結晶炭化ケイ素基板
JP5967280B2 (ja) * 2015-09-15 2016-08-10 住友電気工業株式会社 半導体基板
JP6008030B2 (ja) * 2015-09-15 2016-10-19 住友電気工業株式会社 半導体基板
JP5967281B2 (ja) * 2015-09-15 2016-08-10 住友電気工業株式会社 半導体基板
JP6132058B2 (ja) * 2016-07-01 2017-05-24 住友電気工業株式会社 半導体基板
JP6132059B2 (ja) * 2016-07-01 2017-05-24 住友電気工業株式会社 半導体基板
JP7463699B2 (ja) * 2019-11-11 2024-04-09 株式会社レゾナック SiCシード及びSiC単結晶インゴットの製造方法
WO2021215120A1 (ja) * 2020-04-22 2021-10-28 住友電気工業株式会社 炭化珪素単結晶および炭化珪素単結晶の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003176200A (ja) * 2001-12-12 2003-06-24 Nippon Steel Corp 炭化珪素単結晶育成用種結晶、炭化珪素単結晶インゴット、及びこれらの製造方法
JP2004099340A (ja) * 2002-09-05 2004-04-02 Nippon Steel Corp 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法
JP2004131376A (ja) * 2002-09-19 2004-04-30 Showa Denko Kk 炭化珪素単結晶、その製造方法および製造装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3662694B2 (ja) * 1996-12-19 2005-06-22 新日本製鐵株式会社 単結晶炭化珪素インゴットの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003176200A (ja) * 2001-12-12 2003-06-24 Nippon Steel Corp 炭化珪素単結晶育成用種結晶、炭化珪素単結晶インゴット、及びこれらの製造方法
JP2004099340A (ja) * 2002-09-05 2004-04-02 Nippon Steel Corp 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法
JP2004131376A (ja) * 2002-09-19 2004-04-30 Showa Denko Kk 炭化珪素単結晶、その製造方法および製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006117512A (ja) 2006-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4733485B2 (ja) 炭化珪素単結晶成長用種結晶の製造方法、炭化珪素単結晶成長用種結晶、炭化珪素単結晶の製造方法、および炭化珪素単結晶
US7361222B2 (en) Device and method for producing single crystals by vapor deposition
JP4512094B2 (ja) 気体透過性の坩堝壁面によるAlN単結晶の製造方法と装置
CN101553604B (zh) 碳化硅单晶的制造方法
JP4122548B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP5068423B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴット、炭化珪素単結晶ウェハ及びその製造方法
KR100773624B1 (ko) 탄화 규소 단결정으로 이루어지는 종결정 및 그를 이용한잉곳의 제조 방법
EP1026290A1 (en) Method and apparatus for producing silicon carbide single crystal
JP4819069B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP5418385B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法
JP4733882B2 (ja) 炭化珪素単結晶及びその製造方法並びに炭化珪素単結晶育成用炭化珪素結晶原料
EP1540048B1 (en) Silicon carbide single crystal and method and apparatus for producing the same
JP2005239496A (ja) 炭化珪素単結晶育成用炭化珪素原料と炭化珪素単結晶及びその製造方法
JP4494856B2 (ja) 炭化珪素単結晶成長用種結晶とその製造方法及びそれを用いた結晶成長方法
JP4197178B2 (ja) 単結晶の製造方法
JP4505202B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法および製造装置
JP3590464B2 (ja) 4h型単結晶炭化珪素の製造方法
JP5761264B2 (ja) SiC基板の製造方法
JP4157326B2 (ja) 4h型炭化珪素単結晶インゴット及びウエハ
Bickermann et al. Vapor transport growth of wide bandgap materials
JPH10139589A (ja) 単結晶の製造方法
JP2003137694A (ja) 炭化珪素単結晶育成用種結晶と炭化珪素単結晶インゴット及びその製造方法
JP2010270000A (ja) 炭化珪素単結晶育成用炭化珪素原料及びそれを用いた炭化珪素単結晶の製造方法
JP4160769B2 (ja) 炭化珪素単結晶インゴット及びウエハ
JP2020189779A (ja) 炭化珪素の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110422

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4733485

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350