JP5146418B2 - 炭化珪素単結晶製造用坩堝及び炭化珪素単結晶の製造方法 - Google Patents

炭化珪素単結晶製造用坩堝及び炭化珪素単結晶の製造方法 Download PDF

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本発明は、電子材料の基板に利用される炭化珪素単結晶基板を作製するのに好適な炭化珪素単結晶製造用坩堝、及びこの坩堝を用いた炭化珪素単結晶の製造方法に関する。
高熱伝導率を持ち、バンドギャップの大きい炭化珪素単結晶は、高温で用いられる電子材料や、高耐圧の求められる電子材料の基板として有用な材料である。
そして、このような炭化珪素単結晶の作製法の一つに昇華再結晶法(レーリー法)がある。昇華再結晶法は、2000℃を超える高温において炭化珪素粉末を昇華させ、その昇華ガスを低温部に再結晶化させることにより、炭化珪素結晶を製造する方法である。また、このレーリー法において、炭化珪素単結晶からなる種結晶を用いて、炭化珪素単結晶を製造する方法は、特に改良レーリー法と呼ばれ(非特許文献1)、バルク状の炭化珪素単結晶の製造に利用されている。改良レーリー法では、種結晶を用いているため結晶の核形成過程が制御でき、また不活性ガスによる雰囲気圧力を10Paから15kPa程度に制御することにより、結晶の成長速度等を再現性良くコントロールできる。一般に、原料と結晶の温度差を適切に制御して、炭化珪素単結晶の成長が行われている。得られた炭化珪素単結晶は基板としての規格の形状にするために、研削、切断、研磨といった加工が施され、電子材料の基板として利用される。
図1を用いて、改良レーリー法の原理を説明する。種結晶となる炭化珪素単結晶と、原料となる炭化珪素結晶粉末〔通常、アチソン(Acheson)法で作製された炭化珪素結晶粉末を洗浄・前処理したものが使用される。〕とが、坩堝の中に収納される。坩堝内では、前記炭化珪素種結晶は坩堝蓋部に支持(装着)され、炭化珪素原料粉末は坩堝容器内に収容されている。アルゴン等の不活性ガス雰囲気中(10Pa〜15kPa)で、原料を昇華させるために、原料は2400℃以上に加熱される。この際、原料粉末に比べて種結晶がやや低温になるように温度勾配が設定される。原料は加熱により昇華して昇華ガスとなり、この生成した昇華ガスが原料と種結晶との間の温度勾配により形成される濃度勾配により種結晶方向へと拡散し、輸送される。単結晶成長は、種結晶に到着した原料ガス(昇華ガス)が種結晶上で再結晶化することにより実現される。
ところで、このような改良レーリー法で製造された炭化珪素単結晶中には、中空の穴を持つマイクロパイプと呼ばれる欠陥や、中空ではないものの、らせん転位や刃状転位、積層欠陥と呼ばれる欠陥が存在している。マイクロパイプと呼ばれる欠陥は、らせん転位が集積したものと考えられており、切断、研磨した基板では光学顕微鏡で観察される。一方の、らせん転位や刃状転位、積層欠陥と呼ばれる欠陥は450℃程度に加熱した溶融KOHを用いてエッチングすることでエッチピットとして観察される(非特許文献2)。これらの欠陥が炭化珪素単結晶基板中に存在すると、この基板上に電子デバイスを作成した際に、電子回路の不良として悪影響を及ぼし、電子デバイスの歩留まりを低下させる。
これらの欠陥には、種結晶に存在する欠陥が結晶中に伝播して生じたものと、結晶成長中、特に、結晶成長の初期に種結晶と成長結晶の界面で転位が発生し、この転移が成長した結晶中に伝播して生じたものがあると考えられている。そして、後者の欠陥については、種結晶の支持の方法により、結晶成長が開始する時点で種結晶に応力がかかった状態にある場合には、成長する結晶と支持されている種結晶との間の応力や歪状態の違いに起因して、成長する結晶と種結晶の間に格子の不整合が発生し、種結晶と結晶成長界面で転位が発生し、得られた結晶の品質が劣化する。
ところで、結晶成長を行う際に種結晶を坩堝上部に支持するための方法としては、カーボン粉末や高分子材料等の接着剤を用いて化学的に坩堝蓋部に支持する方法が用いられている。そして、従来においても、このような接着剤を均一に塗布し坩堝蓋部に種結晶を密着させることで、接着剤の不均一性に起因するマクロ欠陥の発生を抑制する方法が報告されている(特許文献1、特許文献2)。
特開2008-19166号公報 特開2008-110913号公報
Yu. M. Tairov and V. F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth, 52 (1981) pp.146 J. Takahashi, M. Kanaya and Y. Fujiwara: J. Cryst. Growth 135 (1994)pp.61 J. Drowart, G.De Maria and Mark G.Inghram: J. Chem. Phys. 29(1958)pp1015
しかしながら、上述のように接着剤の不均一性を無くして種結晶を坩堝の蓋部に密着性良く貼り付けた場合においても、種結晶と接着剤、更には坩堝蓋部の材料(黒鉛等)との熱膨張係数の違いにより、結晶成長温度まで昇温した際に、種結晶に歪や応力が発生する。この歪や応力に起因して、成長した結晶に転位が発生し、成長した結晶に欠陥が生じ易いという問題がある。
そこで、本発明者らは、このような種結晶、接着剤、及び坩堝蓋部の材料(黒鉛等)の間における熱膨張係数の違いに起因して種結晶に発生する歪や応力の問題を解消し、転位欠陥の少ない炭化珪素単結晶を得ることについて種々検討を行い、その検討過程で、以下の点、すなわち、昇華再結晶法を用いた炭化珪素の結晶成長を行う際には、アルゴン(Ar)等の不活性ガス雰囲気中で、坩堝容器部に収容された炭化珪素原料を2500℃程度の温度に加熱するが、このときの坩堝内部の結晶成長空間における昇華ガスの圧力は、約4×103〜1×104Pa程度と見積もられ(非特許文献3)、また、坩堝外部の不活性ガス雰囲気は、圧力制御装置を用いて1×103Pa程度に制御されるので、坩堝内部の結晶成長空間と坩堝外部の間には数千Pa程度の圧力差が生じること、また、種結晶にかかる重力は、例えば種結晶の厚さを0.5mmとすると、約15kg/s2/m=15Pa程度と見積もることができ、前記の坩堝内部の結晶成長空間と坩堝外部の間の圧力差に比べると十分に小さく、前記圧力差で種結晶を容易に保持できるほか、結晶成長後の炭化珪素単結晶をも問題なく保持できることに着目し、更に検討を行った。
本発明者らは、かかる検討の結果、坩堝の内部と外部との間を貫通すると共に、結晶成長時には種結晶が吸着して閉塞される貫通孔を設けた坩堝蓋を使用し、坩堝内部の結晶成長空間と坩堝外部の圧力差を利用して種結晶を坩堝蓋部に吸着させ支持することにより、結晶成長時に坩堝蓋部の材料と炭化珪素種結晶との間の熱膨張差に起因した応力や歪の発生を抑制できることを見出し、更に、このように応力や歪の無い種結晶の上に、昇華再結晶法により炭化珪素単結晶を成長させることで、転位欠陥の少ない炭化珪素単結晶を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明では、種結晶を用いた改良型レーリー法を用いて炭化珪素単結晶を作製する場合において、種結晶と種結晶を支持する坩堝蓋部の材料の熱膨張差に起因した歪や応力の無い状態で種結晶を坩堝に支持することを可能とし、転位欠陥の発生の少ない高品質の炭化珪素単結晶を得ることを可能とする、炭化珪素単結晶製造用坩堝及び炭化珪素単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本願の第1の発明は、炭化珪素原料を収容する坩堝容器部と炭化珪素種結晶が取り付けられる坩堝蓋部とを有し、前記坩堝容器内の炭化珪素原料を昇華させて前記坩堝蓋に取り付けられた種結晶上に炭化珪素の昇華ガスを供給し、この種結晶上で炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造用坩堝であって、前記坩堝蓋部には、坩堝の内部と外部との間を貫通すると共に、結晶成長時には前記種結晶が吸着して閉塞される貫通孔が形成されており、前記坩堝容器部及び/又は坩堝蓋部には、坩堝蓋部の種結晶接触面の下方位置に、坩堝内外部間の圧力制御により種結晶を前記坩堝蓋部に吸着させることが可能な種結晶接触面からの隙間Dを維持して種結晶を支持する種結晶支持手段が設けられていることを特徴とする炭化珪素単結晶製造用坩堝である。前記坩堝を用いることで、炭化珪素原料を加熱してその昇華ガスが発生した後に坩堝内外部間に生じた圧力差で種結晶を坩堝蓋部に固定することができ、種結晶に対して結晶成長前に熱膨張差に基づく応力が作用するのを防止できるので、結晶性の良い炭化珪素単結晶が得られる。
本願の第2の発明は、前記坩堝蓋部の種結晶接触面に形成された貫通孔は、その開口部の大きさが円形状に換算して直径3mm以下1μm以上であることを特徴とする前記第1の発明の炭化珪素単結晶製造用坩堝である。前記坩堝を用いることで、結晶性のより良い炭化珪素単結晶が得られる。
本願の第3の発明は、前記坩堝蓋部の種結晶接触面に形成された貫通孔は、その開口部の面積の合計が種結晶接触面の面積の5%以上70%以下であることを特徴とする前記第1又は第2の発明の炭化珪素単結晶製造用坩堝である。前記坩堝を用いることで、結晶性のより良い炭化珪素単結晶が得られる。
本願の第4の発明は、前記坩堝蓋部が多数のガス透過性気孔を有する多孔質黒鉛材で形成されており、前記貫通孔がこれらガス透過性気孔で構成されていることを特徴とする前記第1〜第3のいずれか1の発明の炭化珪素単結晶製造用坩堝である。前記坩堝を用いることで、結晶性の更により良い炭化珪素単結晶が得られる。
本願の第5の発明は、前記坩堝蓋部の種結晶接触面と種結晶との間の隙間Dが0.2〜2mmの大きさである前記第1〜4のいずれかの発明の炭化珪素単結晶製造用坩堝である。前記坩堝を用いることで、より確実に種結晶に対して結晶成長前に熱膨張差に基づく応力が作用するのを防止できる。
本願の第6の発明は、炭化珪素原料と炭化珪素種結晶を同一の坩堝内に配置し、前記原料を加熱して昇華させ、生成した炭化珪素の昇華ガスを前記種結晶上で再結晶させることにより、炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、前記坩堝として前記第1〜第5のいずれかの発明に係る坩堝を用い、原料を加熱して炭化珪素の昇華ガスが発生した後に、坩堝外部の圧力を坩堝内部の圧力より低くして坩堝内外部間に圧力差を形成し、この坩堝内外部間の圧力差により前記種結晶を坩堝蓋部に固定することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法である。この製造方法により、結晶成長中の転位欠陥の発生を抑制し、種結晶と種結晶支持部材の熱膨張差に起因した歪や応力の少ない種結晶上に結晶成長を行うことができ、結晶性の良い炭化珪素単結晶が得られる。
本発明に係る炭化珪素単結晶製造用坩堝は、坩堝内部と外部の圧力差を利用して種結晶を坩堝蓋部に支持するための貫通孔を有するものであり、前記貫通孔は、前記種結晶より小さいものであることが必要である。即ち、圧力差を利用して(吸引して)坩堝蓋部に種結晶を固定するには、漏れによって種結晶が落ちないように、前記貫通孔の開口部のサイズが種結晶のサイズよりも小さいものにして、種結晶が坩堝蓋部に接触した際に開口部が種結晶で覆われて塞がるようにする必要がある。
また、坩堝蓋部に設けられる貫通孔の開口部の直径が大きくなるほど、貫通孔部分にある種結晶が圧力差により坩堝外部に向かって吸引され、種結晶に歪が発生する場合がある。より良い効果を得るためには、坩堝蓋部に設けられた開口部の大きさが円形状に換算して直径3mm以下であることが有効である。すなわち、本発明において開口部の大きさは、種結晶が接触する坩堝蓋部面における貫通孔の開口部が円形である場合には、その直径で表され、また、開口部の形状が円形ではない場合には、その開口部の面積を同じ面積の円に換算したときの直径で表される。また、貫通孔が複数ある場合には、最大の貫通孔の開口部の直径が3mm以下であると、より良い効果が得られる。貫通孔の開口部の直径は、上記理由により、ガスが通過できれば小さいほど良いが、1μm未満では種結晶に対する吸引力が弱くなる場合がある。十分な吸引力と種結晶の歪抑制効果とを考慮すると、貫通孔の開口部の直径は、1μm以上が好ましく、より好ましくは50μm以上である。
更に、種結晶が接触する坩堝蓋部面における貫通孔の開口部の面積の合計が種結晶の接触部の面積(種結晶が坩堝蓋部に接触する種結晶接触面)に比べて小さい場合(5%未満)には、種結晶を坩堝蓋部に吸着する力が弱くなる場合がある。一方で、貫通孔の開口部の面積の合計が種結晶の面積(即ち、種結晶接触面の面積)の70%を超えると、坩堝蓋部の機械的な強度が不足する場合があり、坩堝内部(結晶成長空間)と坩堝外部に圧力差をつけた場合に、坩堝が破損する場合がある。よって、貫通孔の開口部の面積の合計は種結晶の面積の5%以上70%以下である場合により良い効果が得られる。
そして、本願の第5の発明における種結晶支持手段については、坩堝蓋部の種結晶接触面の下方位置にこの種結晶接触面から隙間Dを維持して種結晶を支持できる手段であればよく、例えば、坩堝蓋部により閉塞される坩堝容器部の開口縁部内面側に、その内周方向に連続する段差部を設けたり、開口部内方に向けて突出すると共に内周方向に連続する突縁部を設けたり、あるいは、その内周方向の間欠的な又は部分的な位置から開口部内方に向けて突出する複数の突起部を設け、これら段差部、突縁部、あるいは複数の突起部を種結晶支持手段として種結晶の周縁部をその下方から支持するようにしてもよく、また、坩堝蓋部の周縁部下面側の複数箇所に種結晶支持手段として略々L字状の複数の鉤状吊り具を取り付け、この鉤状吊り具を種結晶の周縁部に係止して種結晶を上方から支持するようにしてもよい。
本発明によれば、種結晶を支持する坩堝蓋部の材料と炭化珪素種結晶の熱膨張係数の違いに起因した歪や応力の無い状態で、種結晶を坩堝蓋部に支持することが可能となる。このことにより、昇華再結晶法による炭化珪素単結晶の製造において、種結晶に誘起された歪や応力に起因した種結晶と成長結晶の格子の不整合を減らすことができ、転位欠陥の少ない炭化珪素単結晶を得ることが可能となる。また、欠陥を少なくすることで、異種ポリタイプの発生の起点を減らすことができ、ポリタイプの安定した成長を行うことが可能となり、インゴットの製造歩留まり、及びインゴットから得られる炭化珪素単結晶基板の製造歩留まりを大幅に改善することができる。
図1は、改良レーリー法の原理を説明するための説明図である。
図2は、本発明の実施例1に係る炭化珪素単結晶製造用坩堝における炭化珪素原料加熱前(結晶成長前)の状態を示す断面説明図である。
図3は、図2の上面図である。
図4は、図2の炭化珪素単結晶製造用坩堝における炭化珪素原料加熱中(結晶成長中)の状態を示す断面説明図である。
図5は、本発明の実施例2に係る炭化珪素単結晶製造用坩堝における炭化珪素原料加熱前(結晶成長前)の状態を示す断面説明図である。
図6は、図5の炭化珪素単結晶製造用坩堝における炭化珪素原料加熱中(結晶成長中)の状態を示す断面説明図である。
図7は、本発明の実施例3に係る炭化珪素単結晶製造用坩堝における炭化珪素原料加熱前(結晶成長前)の状態を示す断面説明図である。
図8は、図7の炭化珪素単結晶製造用坩堝における炭化珪素原料加熱中(結晶成長中)の状態を示す断面説明図である。
図9は、本発明の実施例1〜3のいずれかに記載の炭化珪素単結晶製造用坩堝を用いた炭化珪素単結晶製造装置を示す断面説明図である。
以下、添付図面に示す実施例、試験例、及び比較試験例に基づいて、本発明を実施するための形態を説明する。
[実施例1]
図2及び図3に、本発明の実施例1に係る炭化珪素単結晶製造用坩堝の構造が模式的に示されている。本発明では、この図2及び図3に示すように、炭化珪素原料を収容する坩堝容器部と、貫通孔を設けた坩堝蓋部とを少なくとも有する坩堝を用いて炭化珪素結晶の成長が行われる。
この実施例1の坩堝においては、坩堝容器部1は、炭化珪素原料4が収容される底部1aと結晶成長空間8を形成する空間部1bとに分割され、これら底部1aと空間部1bとがネジ加工されたネジ接続部等の接続部7で着脱可能に接続されており、また、前記空間部1bの開口縁部、すなわち坩堝容器部1の開口縁部の内面側にはその内周方向全周に亘って段差部(種結晶支持手段)9が形成されている。
また、前記坩堝容器部1の開口部を閉塞する坩堝蓋部2には、その坩堝内部側から坩堝外部側に貫通する多数の貫通孔3が設けられており、また、この坩堝蓋部2は、ネジ加工されたネジ接続部等の接続部6によって、坩堝容器部1の開口縁部内面側に、前記段差部9の上面から所定の間隔を置いて、着脱可能に取り付けられるようになっている。
そして、この実施例1の坩堝を用いて炭化珪素単結晶を製造する際には、先ず、図2に示すように、坩堝容器部1の底部1a内に炭化珪素原料4を収容し、また、この坩堝容器部1の開口縁部内面側に形成された段差部9の上面に種結晶5を載置し、更にこの坩堝容器部1の開口縁部内面側には、種結晶5の上方から隙間Dを維持して接続部6により坩堝蓋部2を取り付け、この状態で炭化珪素単結晶の製造装置にセットする。
この実施例1の坩堝を用いて炭化珪素単結晶を製造する場合、結晶成長時には、図4に示すように、種結晶5は、結晶成長空間8と坩堝外部の圧力差により、坩堝蓋部2に吸着され、支持されるが、結晶成長が始まる前の温度が低い状況では、炭化珪素の昇華ガスが発生しないため、結晶成長空間8と坩堝外部との間で坩堝蓋部2の貫通孔3等を通じてガスの交換が行われ、これら結晶成長空間8と坩堝外部との間に圧力差が無いために、図2に示すように隙間Dが維持され、種結晶5は、坩堝蓋部2に吸着・支持されていない。このため、結晶成長が始まる前には種結晶5は坩堝蓋部2に接触・吸着せずに、熱膨張差に起因した応力を受けない状態に保たれる。
その後、昇華ガスが発生し、結晶成長が行われるような高い温度に達した際には、坩堝外部の圧力を坩堝内部(結晶成長空間8)の圧力に対して低くなるように制御することで、この坩堝内外部間の圧力差により種結晶5が坩堝蓋部2に吸着される。その結果、熱膨張差に起因した応力や歪の無い状態で種結晶5を坩堝蓋部2の内側部分に支持することができる。このように、坩堝を加熱後に、坩堝外部の圧力を坩堝内部(結晶成長空間8)の圧力より低い圧力として、前記種結晶5を坩堝蓋部2に固定することにより、転位欠陥のより少ない炭化珪素単結晶を得ることができる。
ここで、結晶成長が始まる前の種結晶5と坩堝蓋部2との間の隙間Dの大きさについては、坩堝外部の圧力制御によって種結晶5を坩堝蓋部2に吸着させることができる距離であればよく、特に制限されるものではないが、0.2mm以上2mm以下の範囲がより好ましい。隙間Dが0.2mm未満では、配置状況によっては種結晶5の一部が坩堝蓋部2に接触する場合があり、また、隙間Dが2mmを超えると、種結晶5の大きさ(重さ)にもよるが、坩堝外部の圧力を低くして坩堝内部(結晶成長空間8)との間の圧力差を大きくしても種結晶5が坩堝蓋部2まで持ち上がり難くなり、吸引力が弱くなって、結果として持ち上がらなかったり、坩堝蓋部2に固定されるまで時間がかかる場合がある。
また、この実施例1の場合のように、多数の貫通孔3を機械的に作製する場合には、図3のように、同じ径を持つ多数の貫通孔3を坩堝蓋部2に格子状に設けることは、種結晶5を坩堝蓋部2に均一に支持するために、より有効である。このとき、貫通孔3の数を1.5個/cm2以上の密度とすること、及び貫通孔3を等間隔に配列することは、種結晶5を坩堝蓋部2に更に均一に支持するために有効である。貫通孔3の密度が高くなるほど、種結晶5をより均一に支持できるものであるが、貫通孔3の径が同じで密度を高くすると開口部の占める面積が大きくなるので坩堝蓋部2の強度が不十分になる場合がある。貫通孔3の径を小さくすれば、貫通孔3の密度を高くしても坩堝蓋部2の強度低下を抑制できるが、貫通孔3の数が50.0個/cm2の密度を超えると坩堝蓋部2の強度が小さくなりすぎたり、強度を確保できる小さな孔径の貫通孔3を加工するのが困難であったりする場合がある。
[実施例2]
更に、本発明者らは、前記実施例1の坩堝と同等の効果を持ち、更に種結晶を均一に支持する方法として、図5及び図6に示すように、坩堝蓋部2を、貫通孔として機能する多数のガス透過性気孔(図示せず)を有する多孔質黒鉛材で形成することにより、より良好な炭化珪素単結晶が得られることを見出した。すなわち、前記多孔質黒鉛材の坩堝蓋部2で、いわゆる真空チャックのようにして種結晶5を坩堝蓋部2に吸引吸着して支持すると、結晶成長時に、坩堝蓋部2の黒鉛材と炭化珪素単結晶からなる種結晶5との熱膨張差に起因した応力が種結晶5に発生するのを抑制できる。また、種結晶5を坩堝蓋部2に支持するための力が種結晶5の面内で均一に分散されるため、種結晶5内部に不均一な応力が発生することを抑制できる。このように歪の無い種結晶5の上に、炭化珪素単結晶を昇華再結晶法にて成長させることで、より転位欠陥の少ない炭化珪素単結晶を得ることができる。
なお、図5及び図6において、坩堝蓋部2及び段差部9の形状以外については、前記実施例1の場合と同様である。
この実施例2において、坩堝蓋部2については、その材質がガスを透過する多孔質黒鉛材料であれば、本発明の効果が得られるが、より好ましくは、多孔質黒鉛材料の気孔率が10体積%以上90体積%以下、より好ましくは30体積%以上70体積%以下の範囲である。10体積%未満では、種結晶の固定力が十分得られない場合がある。また、90体積%を超えると、坩堝蓋部2として使用するには強度が不足する場合がある。また、多孔質黒鉛材料の好ましい細孔径は、1μm以上であり、特に好ましくは50μm以上500μm以下である。
[実施例3]
更に、上記の坩堝蓋部の材料は、通常、黒鉛等の炭素材料であるが、高融点材料、黒鉛コート高融点材料、高融点材料コート黒鉛等の黒鉛以外の材料を部分的に使用してもよく、例えば図7及び図8に示すように、坩堝蓋部2の種結晶5が接触する部分のみを、実施例2の場合と同様に、貫通孔として機能する多数のガス透過性気孔(図示せず)を有する多孔質黒鉛材で形成して種結晶接触部2aとし、また、種結晶5が接触しない坩堝蓋部2の周縁部を非多孔質黒鉛材で形成して種結晶非接触部2bとすることにより、坩堝内部(結晶成長空間8)と坩堝外部との間の圧力差を効率良く吸着力として利用できるようになり、より効率良く種結晶5を吸引固定でき、良好な炭化珪素単結晶が得られる。
この実施例3においても、図7及び図8において、坩堝蓋部2及び段差部9の形状以外については、前記実施例1の場合と同様であり、また、多孔質黒鉛材料の気孔率は好ましくは10体積%以上90体積%以下、より好ましくは30体積%以上70体積%以下の範囲であるのがよい。
[実施例4]
次に、上記の各実施例1〜3に係る炭化珪素単結晶製造用坩堝を用いて行われる炭化珪素単結晶の製造方法の一例を説明する。
先ず、この実施例4で用いる炭化珪素単結晶製造装置の全体について、図9を用いて簡単に説明する。結晶成長は、炭化珪素結晶粉末(原料)4を昇華させ、種結晶5として用いた炭化珪素単結晶上で再結晶化させることにより行われる。二重石英管10内部は、真空排気装置11により高真空排気(10-3Pa以下)することができ、かつArガス配管12とArガス用マスフローコントローラ13を用いて、内部雰囲気をArガスにより圧力制御することができる。また、二重石英管10の外周には、ワークコイル14が設置されており、高周波電流を流すことにより黒鉛製坩堝1を加熱し、原料4及び種結晶5を所望の温度に加熱することができる。坩堝温度の計測は、坩堝上下部を覆う熱シールドのための黒鉛製断熱材15の中央部に直径2〜4mmの光路を設け、坩堝上部及び下部からの光を取り出し、二色温度計を用いて行う。坩堝下部の温度を原料温度、坩堝上部の温度を種温度とする。
炭化珪素単結晶製造装置を用いた結晶成長は次のようにして行われる。種結晶5が取り付けられる坩堝蓋部2と、原料4が収容される坩堝容器部1からなる黒鉛製坩堝は、二重石英管10の内部に、黒鉛の支持棒16により設置され、その後に、二重石英管10の内部を真空排気し、ワークコイル14に電流を流し、原料温度を2000℃まで上げる。その後、雰囲気ガスとしてArガスを、Arガス配管12とArガス用マスフローコントローラ13を介して、二重石英管10の内部に流入させ、二重石英管内圧力を約80kPaに保ちながら、原料温度を目標温度である2500℃まで上昇させる。成長圧力である1.3kPaには30分かけて減圧し、その後、結晶成長を開始させる。所定の成長時間の間、原料温度を目標温度に保持し、その後、4時間かけてワークコイル14に流す電流の値を零(0)とする。
この実施例4においては、炭化珪素原料4を坩堝容器部1に挿入する。炭化珪素の種結晶5は、図2、図5及び図7に示したように、坩堝蓋部2の種結晶接触面と隙間Dを維持して(接触させずに)設置される。坩堝容器部1に坩堝蓋部2を取り付けて、炭化珪素原料4と種結晶5を同一の坩堝内に配置する。炭化珪素原料4が昇華しない温度で、坩堝内部(結晶成長空間8)のガスを坩堝蓋部2の貫通孔3等を通じてガス交換を行う。この時は、坩堝内部と坩堝外部は同じ圧力であり、種結晶5はまだ坩堝蓋部2に固定されていない。
この状態で、坩堝を加熱し、坩堝容器部1内の炭化珪素原料4から炭化珪素昇華ガスが発生する状態まで昇温し、その後に坩堝外部の圧力を坩堝内部(結晶成長空間8)の圧力より低い圧力にして種結晶5を坩堝蓋部2に吸引して固定する。なお、この方法は、坩堝を加熱後に、種結晶5を坩堝蓋部2の種結晶接触面に吸着させて固定する方法であるが、坩堝を加熱する前に、坩堝外部の圧力を坩堝内部の圧力より低い圧力にして種結晶5を坩堝蓋部2に吸引して固定してもよい。
上記のように種結晶5を坩堝蓋部2に固定して、坩堝容器部1に収容された炭化珪素原料4から発生する昇華ガスを前記種結晶5上で炭化珪素結晶として再結晶させることにより、種結晶5上に炭化珪素結晶を成長させる。所定時間の間、炭化珪素結晶を成長させた後、坩堝の温度を下げて結晶成長を終了させることにより、炭化珪素単結晶が得られる。
上記の炭化珪素単結晶製造用坩堝やそれを用いた炭化珪素単結晶の製造方法で作製した炭化珪素単結晶インゴットは、単一ポリタイプからなる転位欠陥の少ない高品質のインゴットとなる。また、このインゴットを研削、切断、研磨して作製した炭化珪素単結晶基板は、電子材料用の基板として有用である。
[試験例1]
次に、図2〜図4に示す実施例1の炭化珪素単結晶製造用坩堝を使用し、また、図9に示す炭化珪素単結晶の製造装置を使用して、上記実施例4に示す方法により、炭化珪素単結晶の製造を行った。この試験例1で用いた坩堝は、その坩堝蓋部2の直径が90mmであって、その坩堝容器部1の底部1aや空間部1bの外形が120mmであり、種結晶5としてはその径が80mmのものを用いた。坩堝蓋部2には、種結晶5が接触する直径80mmの種結晶接触面に、開口部の直径が1mmの大きさの多数の貫通孔3が一辺を2mmの間隔とする正方格子状に形成されている。このとき、種結晶5が接触する坩堝蓋部2の種結晶接触面における開口部の面積の合計は種結晶5の面積(坩堝蓋部2の種結晶接触面の面積)の20%であった。また、坩堝の空間部1bの内径は77mmとした。図2に示す種結晶5と坩堝蓋部2との間の隙間Dは0.5mmとした。
坩堝容器部1の底部1aの内部にアチソン法により作製された炭化珪素結晶粉末(原料)4を収容した。種結晶5として、口径80mmの(0001)面を有する4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを用意し、図2のように配置した。尚、種結晶5には、4Hの単一ポリタイプの炭化珪素単結晶基板を用いた。ここで用いた種結晶5はそのエッチピットの密度が18000個/cm2の欠陥密度であった。坩堝各部は、ネジ加工を施してネジ接続し、組み上げた。この坩堝を、成長装置の支持台の上に載せ、50時間結晶成長を行った。ここで、種結晶5の坩堝蓋部2への支持は、原料温度が2500℃に達して上述の圧力調整する際に、同時に、種結晶5を坩堝蓋部2へ吸引固定して行った。
得られた炭化珪素単結晶の直径は78mm程度で高さは30mm程度であった。成長速度は約0.6mm/時であった。得られた炭化珪素単結晶をX線回折及びラマン散乱を用いて分析したところ、4Hの単一ポリタイプからなる欠陥の少ない高品質の炭化珪素単結晶であることが確認された。
こうして得られたインゴットを基板に加工するために、研削、切断、研磨加工を行い、直径が76.2mmで<11-20>方向に4度オフを付けた基板を作製した。研磨加工後に溶融KOHによるエッチングを行ったところ、エッチピットの密度が7000個/cm2の欠陥密度であることが分かった。
[試験例2]
また、図5及び図6に示す実施例2の炭化珪素単結晶製造用坩堝を使用し、また、図9に示す炭化珪素単結晶の製造装置を使用して、上記実施例4に示す方法により、炭化珪素単結晶の製造を行った。坩堝蓋部2の直径が110mmであって、その坩堝容器部1の底部1aや空間部1bの外形が150mmであった。坩堝蓋部2には、坩堝容器部1の空間部1bや底部1aの黒鉛材料に比べて気孔率の高い多孔質黒鉛材 (気孔率:40%、最大細孔径:300μm)を用いた。坩堝容器部1については、空間部1bの種結晶5に最も近い部分の内径は種結晶5よりも3mm小さい74mmとし、また、空間部1bの径の最大部分は102mmとし、拡大部分は種結晶5の面となす角度が45°となるようにして、拡大部の高さは14mmとした。図5に示す種結晶5と坩堝蓋部2の隙間Dは0.5mmとした。
坩堝容器部1の底部1aの内部にアチソン法により作製された炭化珪素結晶粉末(原料)4を収容した。種結晶5として、口径77mmの(0001)面を有する4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを用意し、図5のように配置した。尚、種結晶5には、4Hの単一ポリタイプの炭化珪素単結晶基板を用いた。ここで用いた種結晶5はそのエッチピットの密度が18000個/cm2の欠陥密度であった。坩堝各部は、ネジ加工を施してネジ接続し、組み上げた。この坩堝を、成長装置の支持台の上に載せ、60時間結晶成長を行った。ここで、種結晶5の坩堝蓋部2への支持は、原料温度が2500℃に達して上述の圧力調整する際に、同時に、種結晶5を坩堝蓋部2へ吸引固定して行った。
得られた炭化珪素単結晶の直径は102mm程度で高さは40mm程度であった。成長速度は約0.7mm/時であった。得られた炭化珪素単結晶をX線回折及びラマン散乱を用いて分析したところ、4Hの単一ポリタイプからなる欠陥の少ない高品質の炭化珪素単結晶であることが確認された。
こうして得られたインゴットを基板に加工するために、研削、切断、研磨加工を行い、直径が100.0mmで<11-20>方向に4度オフを付けた基板を作製した。研磨加工後に溶融KOHによるエッチングを行ったところ、エッチピットの密度が6000個/cm2の欠陥密度であることが分かった。
[試験例3]
また、図7及び図8に示す実施例3の炭化珪素単結晶製造用坩堝を使用し、また、図9に示す炭化珪素単結晶の製造装置を使用して、上記実施例4に示す方法により、上記試験例2と同様にして炭化珪素単結晶の製造を行った。この試験例3の場合にも、試験例2の場合と同じ結果が得られた。また、本試験例3の坩堝蓋部2の場合には、特に、試験例2の場合に比べて種結晶5を吸引固定するのが容易(短時間)であった。
[試験例4]
貫通孔3の開口部の直径が大きい場合について実施した。坩堝蓋部2の貫通孔3以外の部分は、試験例1で用いた実施例1と同様の構造を持つ坩堝を黒鉛材料で作製した。この試験例4においては、試験例1の場合とは異なり、坩堝蓋部2には、種結晶5を支持する直径80mmの種結晶接触面に、開口部の直径が6mmの大きさの多数の貫通孔3が一辺を10mmの間隔とする正方格子状に形成されている。このとき、種結晶5が接触する坩堝蓋部2の種結晶接触面に形成された貫通孔3の開口部の面積の合計は種結晶接触面の面積の28%であった。
坩堝容器部1の底部1aの内部にアチソン法により作製された炭化珪素結晶原料粉末(原料)4を収容した。種結晶5として口径80mmの(0001)面を有した4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを用意し、図2のように配置した。尚、種結晶5には、4Hの単一ポリタイプの炭化珪素単結晶基板を用いた。ここで用いた種結晶はそのエッチピットの密度が18000個/cm2の欠陥密度であった。坩堝各部は、ネジ加工を施してネジ接続し、組み上げた。この坩堝を、成長装置の支持台の上に載せ、50時間結晶成長を行った。ここで、種結晶5の坩堝蓋部2への支持は、原料温度が2500℃に達して上述の圧力調整する際に、同時に、種結晶5を坩堝蓋部2へ吸引固定して行った。
得られた炭化珪素単結晶の直径は78mm程度で高さは30mm程度であった。成長速度は約0.6mm/時であった。得られた炭化珪素単結晶をX線回折及びラマン散乱を用いて分析したところ、4Hの単一ポリタイプからなる欠陥の少ない高品質の炭化珪素単結晶であることが確認された。
こうして得られたインゴットを基板に加工するために、研削、切断、研磨加工を行い、直径が76.2mmで<11-20>方向に4度オフを付けた基板を作製した。研磨加工後に溶融KOHによるエッチングを行ったところ、エッチピットの密度が10000個/cm2の欠陥密度であることが分かった。
[試験例5]
種結晶5が接触する坩堝蓋部2の種結晶接触面における開口部の面積の合計が種結晶5の面積に比べて小さい場合(10%未満)について実施した。坩堝蓋部2の貫通孔3以外の部分は、試験例1で用いた実施例1と同様の構造を持つ坩堝を黒鉛材料で作製した。坩堝蓋部2には、種結晶5を支持する直径80mmの種結晶接触面に開口部の直径が3mmの大きさの多数の貫通孔3が一辺を10mmの間隔とする正方格子状に形成されている。このとき、種結晶5が接触する坩堝蓋部2の種結晶接触面における開口部の面積の合計は種結晶接触面の面積の1%であった。
坩堝容器部1の底部1aの内部にアチソン法により作製された炭化珪素結晶原料粉末(原料)4を収容した。種結晶5として口径80mmの(0001)面を有した4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを用意し、図2のように配置した。尚、種結晶5には、4Hの単一ポリタイプの炭化珪素単結晶基板を用いた。ここで用いた種結晶はそのエッチピットの密度が18000個/cm2の欠陥密度であった。坩堝各部は、ネジ加工を施してネジ接続し、組み上げた。この坩堝を、成長装置の支持台の上に載せ、50時間結晶成長を行った。ここで、種結晶5の坩堝蓋部2への支持は、原料温度が2500℃に達して上述の圧力調整する際に、同時に、種結晶5を坩堝蓋部2へ吸引固定して行った。
得られた炭化珪素単結晶の直径は78mm程度で高さは30mm程度であった。成長速度は約0.6mm/時であった。得られた炭化珪素単結晶をX線回折及びラマン散乱を用いて分析したところ、4Hの単一ポリタイプからなる欠陥の少ない高品質の炭化珪素単結晶であることが確認された。
こうして得られたインゴットを基板に加工するために、研削、切断、研磨加工を行い、直径が76.2mmで<11-20>方向に4度オフを付けた基板を作製した。研磨加工後に溶融KOHによるエッチングを行ったところ、エッチピットの密度が15000個/cm2の欠陥密度であることが分かった。
[試験例6]
また、種結晶5の坩堝蓋部2への支持に関し、原料加熱前に、Arガス置換した後、種結晶5を坩堝蓋部2へ吸引固定させたこと以外は、上記試験例5と同様にして炭化珪素単結晶の製造を行った場合にも、前記と同条件で50時間結晶成長を行った。得られた炭化珪素単結晶は、4Hの単一ポリタイプからなる欠陥の比較的少ない炭化珪素単結晶であることが確認された。但し、エッチピットの密度は、前記炭化珪素単結晶よりは多く、17000個/cm2であった。
[試験例7]
貫通孔3の開口部の面積の合計が種結晶5の面積(坩堝蓋部2の種結晶接触面の面積)の70%を超える場合について実施した。坩堝蓋部2の貫通孔3以外の部分は、試験例1で用いた実施例1と同様の構造を持つ坩堝を黒鉛材料で作製した。坩堝蓋部2には、種結晶5を支持する直径80mmの種結晶接触面に開口部の直径が2.8mmの大きさの多数の貫通孔3が一辺を3mmの間隔とする正方格子状に形成されている。設計上は、貫通孔3の開口部の面積の合計が種結晶5面積(坩堝蓋部2の種結晶接触面の面積)の80%であった。但し、上記坩堝蓋部2では、開口部の間の距離が0.4mmしかないために、加工時に隣り合う開口部間の黒鉛が欠損する場合が観察され、坩堝製造歩留まりが低いものであった。
坩堝容器部1の底部1aの内部にアチソン法により作製された炭化珪素結晶原料粉末(原料)4を収容した。種結晶5として口径80mmの(0001)面を有した4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを用意し、図2のように配置した。尚、種結晶5には、4Hの単一ポリタイプの炭化珪素単結晶基板を用いた。ここで用いた種結晶はそのエッチピットの密度が18000個/cm2の欠陥密度であった。坩堝各部は、ネジ加工を施してネジ接続し、組み上げた。この坩堝を、成長装置の支持台の上に載せ、50時間結晶成長を行った。ここで、種結晶5の坩堝蓋部2への支持は、原料温度が2500℃に達して上述の圧力調整する際に、同時に、種結晶5を坩堝蓋部2へ吸引固定して行った。
得られた炭化珪素単結晶の直径は78mm程度で高さは30mm程度であった。成長速度は約0.6mm/時であった。得られた炭化珪素単結晶をX線回折及びラマン散乱を用いて分析したところ、4Hの単一ポリタイプからなる欠陥の少ない高品質の炭化珪素単結晶であることが確認された。
こうして得られたインゴットを基板に加工するために、研削、切断、研磨加工を行い、直径が76.2mmで<11-20>方向に4度オフを付けた基板を作製した。研磨加工後に溶融KOHによるエッチングを行ったところ、エッチピットの密度が9000個/cm2の欠陥密度であることが分かった。
[比較試験例1]
実施例1の炭化珪素製造用坩堝と比較するために、試験例1で用いた実施例1の坩堝蓋部2に代えて、実施例1の坩堝とは貫通孔3が無い点でのみ異なる坩堝を黒鉛材料で作製して使用した。坩堝の他の部分の構造は実施例1と同様とした。
試験例1と同様に、坩堝容器部1の底部1aの内部にアチソン法により作製された炭化珪素結晶粉末(原料)4を収容した。種結晶5として、口径80mmの(0001)面を有する4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを用意し、種結晶5を坩堝蓋部2に支持するために、カーボン系の接着材を用いて坩堝蓋部2に化学的に固定した。つまり、成長が始まる前から、図4に示すように種結晶5を坩堝蓋部2に接着した。尚、種結晶5には、4Hの単一ポリタイプの炭化珪素単結晶基板を用いた。ここで用いた種結晶はそのエッチピットの密度が18000個/cm2の欠陥密度であった。坩堝各部は、ネジ加工を施してネジ接続し、組み上げた。この坩堝を、成長装置の支持台の上に載せ、50時間結晶成長を行った。
得られた炭化珪素単結晶の直径は78mm程度で高さは30mm程度であった。成長速度は約0.6mm/時であった。得られた炭化珪素単結晶をX線回折及びラマン散乱を用いて分析したところ、4Hポリタイプのインゴットであった。この炭化珪素単結晶インゴットを研削、切断、研磨して炭化珪素単結晶基板を作製したところ、4Hの単一ポリタイプからなる炭化珪素単結晶の基板が作製できた。
研磨加工後に溶融KOHによるエッチングを行ったところ、エッチピットの密度が22000個/cm2程度の欠陥密度であり、欠陥密度が高かった。この基板に電子デバイスを作製しても、結晶の欠陥が多いため不良品が発生し、電子デバイスの歩留まりが低く、電子材料用の基板としては役に立たない。
以上のように、本発明の実施例1〜3に係る炭化珪素単結晶製造用坩堝を用いて、本発明の実施例4に係る製造方法で作製された炭化珪素単結晶は、欠陥の少ない高品質の炭化珪素単結晶基板にできるものである。よって、本発明によって得られる炭化珪素単結晶基板は、電子デバイスを作製するための基板として有用である。
1…坩堝容器部、1a…底部、1b…空間部、2…坩堝蓋部、2a…種結晶接触部、2b…種結晶非接触部、3…貫通孔、4…炭化珪素結晶粉末原料、5…種結晶(炭化珪素単結晶)、6…接続部、7…接続部、8…結晶成長空間、9…段差部、10…二重石英管、11…真空排気装置、12…Arガス配管、13…Arガス用マスフローコントローラ、14…ワークコイル、15…黒鉛製断熱材、16…支持棒。

Claims (6)

  1. 炭化珪素原料を収容する坩堝容器部と炭化珪素種結晶が取り付けられる坩堝蓋部とを有し、前記坩堝容器内の炭化珪素原料を昇華させて前記坩堝蓋に取り付けられた種結晶上に炭化珪素の昇華ガスを供給し、この種結晶上で炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶製造用坩堝であって、前記坩堝蓋部には、坩堝の内部と外部との間を貫通すると共に、結晶成長時には前記種結晶が吸着して閉塞される貫通孔が形成されており、前記坩堝容器部及び/又は坩堝蓋部には、坩堝蓋部の種結晶接触面の下方位置に、坩堝内外部間の圧力制御により種結晶を前記坩堝蓋部に吸着させることが可能な種結晶接触面からの隙間Dを維持して種結晶を支持する種結晶支持手段が設けられていることを特徴とする炭化珪素単結晶製造用坩堝。
  2. 前記坩堝蓋部の種結晶接触面に形成された貫通孔は、その開口部の大きさが円形状に換算して直径3mm以下1μm以上であることを特徴とする請求項1記載の炭化珪素単結晶製造用坩堝。
  3. 前記坩堝蓋部の種結晶接触面に形成された貫通孔は、その開口部の面積の合計が種結晶接触面の面積の5%以上70%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪素単結晶製造用坩堝。
  4. 前記坩堝蓋部が多数のガス透過性気孔を有する多孔質黒鉛材で形成されており、前記貫通孔がこれらガス透過性気孔で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶製造用坩堝。
  5. 前記坩堝蓋部の種結晶接触面と種結晶との間の隙間Dが0.2〜2mmの大きさである請求項1〜4のいずれかに記載の炭化珪素単結晶製造用坩堝。
  6. 炭化珪素原料と炭化珪素種結晶を同一の坩堝内に配置し、前記原料を加熱して昇華させ、生成した炭化珪素の昇華ガスを前記種結晶上で再結晶させることにより、炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶の製造方法であって、前記坩堝として請求項1〜のいずれか1項に記載の坩堝を用い、原料を加熱して炭化珪素の昇華ガスが発生した後に、坩堝外部の圧力を坩堝内部の圧力より低くして坩堝内外部間に圧力差を形成し、この坩堝内外部間の圧力差により前記種結晶を坩堝蓋部に固定することを特徴とする炭化珪素単結晶の製造方法。
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