JP6501494B2 - 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法及び製造装置 - Google Patents

炭化珪素単結晶インゴットの製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、種結晶を用いた昇華再結晶法によって炭化珪素単結晶を成長させる炭化珪素単結晶インゴットの製造方法及び製造装置に関する。
高熱伝導率を持ち、バンドギャップの大きい炭化珪素単結晶は、高温で用いられる電子材料や、高耐圧の求められる電子材料の基板として有用な材料である。
そして、このような炭化珪素単結晶の作製法の一つとして、昇華再結晶法(レーリー法)が知られている。この昇華再結晶法は、2000℃を超える高温において原料の炭化珪素粉末を昇華させ、生成したその昇華ガス(原料ガス)を低温部に再結晶化させることにより、炭化珪素単結晶を製造する方法である。また、このレーリー法において、炭化珪素単結晶からなる種結晶を用いて炭化珪素単結晶を製造する方法は、特に改良レーリー法と呼ばれ(非特許文献1)、バルク状の炭化珪素単結晶インゴットの製造に利用されている。
この改良レーリー法においては、種結晶を用いているために結晶の核形成過程を最適化することができ、また、不活性ガスによる雰囲気圧力を10Paから15kPa程度にすることにより、炭化珪素単結晶の成長速度等の再現性を良くすることができる。このため、一般に、原料と結晶との間で適切な温度差を設け、種結晶の上に炭化珪素単結晶を成長させることが行われている。また、得られた炭化珪素単結晶(炭化珪素単結晶インゴット)については、電子材料の基板としての規格の形状にするために、研削、切断、研磨といった加工が施されて利用されている。
ここで、図6を用いて、改良レーリー法の原理を説明する。炭化珪素原料3として炭化珪素結晶粉末〔通常、アチソン(Acheson)法で作製された炭化珪素結晶粉末を洗浄・前処理したものが使用される。〕が用いられ、また、種結晶2としては炭化珪素単結晶が用いられる。前記炭化珪素原料粉末からなる原料3は黒鉛製の坩堝1内の下部、原料装填部に装填され、また、前記炭化珪素単結晶からなる種結晶2は坩堝1の蓋部材1aの内面側に支持(装着)される。アルゴン等の不活性ガス雰囲気中(10Pa〜15kPa)で原料3を昇華させるために、原料3は2400℃以上に加熱される。この際、坩堝1内には、原料3側に比べて種結晶2側がやや低温になるように、温度勾配が設定される。原料3は、加熱されて昇華した後、濃度勾配(温度勾配により形成される)により種結晶2方向へ拡散し、輸送される。炭化珪素単結晶の成長は、種結晶2に到着した原料ガスがこの種結晶2上で再結晶化し、単結晶インゴット4となることにより実現される。なお、図6中、符号5は断熱材である。
ところで、電子デバイスを作製するために使用される炭化珪素単結晶製の基板については、その口径を大きくする大口径化が求められており、また同時に、基板の製造時に1つのインゴットから多数の基板を製造して切断加工や研削加工等の生産性をより高めることができるように、結晶成長により得られるインゴットの長さを大きくする長尺化が求められている。
しかしながら、前記の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法においては、炭化珪素単結晶の結晶を成長させる際に、原料を黒鉛製の坩堝の中に装填して加熱する方法が用いられているため、原料を結晶成長の途中で追加することが困難である。そこで、大口径かつ長尺の炭化珪素単結晶インゴットを作製するためには、小口径の結晶成長に比べて、坩堝の原料装填部に原料粉末を多量に装填する必要がある。しかるに、原料の装填量を増大させるためには、原料装填部の深さを深くすることや、坩堝の径を大きくすることが必要になり、しかも、このように多量に装填した原料を結晶成長の際に効率的に利用するためには、原料装填部内の原料全体の温度を昇華温度まで効率良く加熱することが必要である。
そして、坩堝を加熱する方法としては、一般に、坩堝の側壁部側方にこの側壁部を取り囲むように高周波誘導加熱手段の誘導加熱コイルを配設し、高周波誘導加熱により黒鉛製の坩堝を発熱させ、この発熱した坩堝を介して坩堝内の炭化珪素原料を加熱し、坩堝内に前述の温度勾配を形成することが行われている。また、この高周波誘導加熱では、誘導される高周波電流が高周波の浸透深さに依存しているため、坩堝の形状によって規定された発熱分布を持ち、坩堝側面の表面近傍で強い発熱が生じ、この熱は熱伝導若しくは熱輻射により原料部分に伝達され、これによって原料部分が加熱される。上記のように高周波誘導加熱を行った場合、坩堝の側面に誘導電流が誘起されるが、特に、坩堝のような外形が円柱形状(以下、「外形円柱状」という。)の被加熱物を誘導加熱した場合には、外形円柱状の上端と下端に近い側壁部の側面が強く誘導加熱される。これに伴い、坩堝の上端部側面や、下端の底壁部側面での発熱が他の側面部分に比べて大きくなるという特徴がある。
このようにして原料装填部内の原料が加熱されると、原料内部の高温部から昇華ガスが発生し、結晶成長が生じるが、原料内部には不可避的に温度分布が生じ、原料内部の高温部で昇華した原料ガスの一部は原料内部の低温部で再結晶化を起こし、結晶成長に寄与しない場合がある。そして、この低温部の温度を高温化しその部分にある原料を昇華させるためには、誘導電流の電流値を大きくして坩堝の側壁部の温度をより高温に加熱する必要があるが、一方で、坩堝の側壁部の温度を高温にすると、坩堝全体が高温になり、種結晶と接している部分の坩堝の温度も高温になり、種結晶や成長中の単結晶の温度も高くなって、温度勾配に基づいた結晶成長の駆動力が小さくなり、結晶成長が途中で停止する結晶成長停止の問題が発生する。
そこで、従来においても、坩堝の原料装填部内に装填された原料を加熱する方法について幾つかの提案がされている。
例えば、特許文献1においては、坩堝内の底壁部にこの底壁部と密着する断熱層を設け、これによって坩堝の底壁部での温度低下を防止し、原料の下部における再結晶を抑制し、効率的に原料を加熱する方法が開示されている。また、特許文献2においては、原料を加熱する部分の坩堝の側壁の形状を制御し、原料内部の温度分布を均一化する方法が開示されている。
また、特許文献3においては、坩堝の底壁部の外側に底壁部側加熱コイルを設置し、坩堝内に装填された原料を坩堝の底壁部側からも加熱できるようにした方法が開示されている。更に、特許文献4においては、坩堝の側壁部の下方に坩堝の底壁部を超えて延びる側壁部分を延設し、この側壁部分での発熱により原料下部の発熱を増大させ、断熱材に形成された測温孔部分での温度の低下を抑制する方法が開示されている。更にまた、特許文献5においては、原料を装填する坩堝の底部の電気伝導率を側部(側壁部)よりも高くして底部での発熱を増大させ、これによって原料の底部に接する部分での温度を高くし、原料を残さず昇華させる方法が開示されている。
特開2010-76,990号公報 特開2007-230,846号公報 特開2013-216,549号公報 特開2012-206,876号公報 特開2012-171,832号公報
Yu. M. Tairov and V. F. Tsvetkov, Journal of Crystal Growth, 52 (1981) pp.146
しかしながら、特許文献1の方法では、高周波誘導加熱により発熱する部分は依然として坩堝の側壁部に限られ、原料の中心部分の温度が低下するという問題が残り、大口径化のために口径を増大させた坩堝の中心部の原料を効率良く加熱する目的のためには採用し難いという問題がある。また、特許文献2の方法では、坩堝の側壁部での発熱分布が変化することに伴い、成長している結晶部分近傍での発熱分布も変化する。結晶成長は等温線に沿って進むと考えられるので、発熱分布が変化することにより、成長する結晶の成長面形状も影響を受け、原料部分での均温化と成長結晶部分での温度の最適化とを両立させることが必要になるが、この最適化に時間がかかる、若しくは、最適化ができないという問題がある。
また、特許文献3の方法では、坩堝の底壁部を直接加熱することができるが、装置の構造が複雑になると同時に、坩堝の側壁部側を加熱する側壁部側加熱コイルと坩堝の底壁部側を加熱する底壁部側加熱コイルとの間に相互作用があり、それぞれの誘導加熱コイルに流す電流の最適化が難しくなり、最適化に時間がかかる、若しくは最適化ができないという問題がある。更に、特許文献4の方法では、坩堝の側壁部に近い部分での発熱を増大させているため、依然として、原料の温度がその中心部より外周部で高くなるという問題は残り、この原料の外周部と中心部との間の温度差に起因して、原料の中心部で再結晶化の問題が発生し、装填した原料を有効に昇華させることができないという問題がある。
更にまた、特許文献5の方法では、誘導電流は坩堝の側部(側壁部)を流れるために原料の中心部に近い部分を効果的に加熱することはできず、また、坩堝の底部と原料との配置は結晶成長中に変化することがないため、原料の底部に接する部分での温度を上げるためには系全体の温度を上げる必要がある。そして、系全体の温度を上げた場合には、成長している結晶部分の温度が高くなり、成長した結晶が高温になって結晶自身が昇華する場合があり、その部分に欠陥が発生し、良質の結晶が得られない場合がある。このため、この特許文献5の方法を用いても、中心部近傍の原料を有効に加熱することは難しく、多量の昇華ガスを必要とするインゴットの大口径化、長尺化には不向きである。
本発明は、かかる観点に鑑みて創案させたものであり、炭化珪素単結晶の成長中に坩堝内に装填した炭化珪素原料を効率良く昇華させ、大口径かつ長尺の炭化珪素単結晶インゴットを製造するのに適した炭化珪素単結晶インゴットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、高周波誘導加熱を用いて、大口径かつ長尺の炭化珪素単結晶インゴットを製造する場合に、黒鉛製の坩堝内に装填した炭化珪素原料(坩堝内原料)を効率良く昇華させることができる方法について鋭意検討した。その結果、坩堝の底壁部の中央部分をその外面側から加熱することにより、坩堝内原料の中央部を効率良く昇華させ、大口径かつ長尺の炭化珪素単結晶インゴットを製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
〔1〕 炭化珪素原料を黒鉛製の坩堝の下部に装填し、坩堝の下部を高周波誘導加熱手段で加熱し、前記炭化珪素原料を間接的に加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝の上部に対向配置した炭化珪素の種結晶上に炭化珪素を再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させて炭化珪素単結晶インゴットを製造する方法において、
前記坩堝の底壁部には、その底壁部中央部分の外面側に、坩堝の底壁部の外径よりも小さい直径の加熱補助部を介して、坩堝の底壁部の外径以上の直径を有する熱部材が設けられており、
前記坩堝内に装填された炭化珪素原料(坩堝内原料)の中央部を、前記加熱補助部を介して下方側から加熱することを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
〔2〕 前記発熱部材を高周波誘導加熱手段で加熱することを特徴とする前記〔1〕に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
〔3〕 前記坩堝の底壁部の外径(Db)に対して、前記加熱補助部の直径(Dc)の加熱部比率(Dc/Db)が、0.3以上0.8以下であることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
〔4〕 前記熱部材の直径が前記坩堝の底壁部の直径よりも大きいことを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
〔5〕 前記熱部材の電気抵抗が前記坩堝の電気抵抗とは異なることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
〔6〕 種結晶を上部に配置し、炭化珪素原料を下部に装填する黒鉛製の坩堝と、前記坩堝を加熱する高周波誘導加熱手段とを有し、
前記坩堝内に装填された炭化珪素原料(坩堝内原料)を高周波誘導加熱手段により加熱し、炭化珪素を昇華させて前記種結晶上に再結晶させることにより、炭化珪素単結晶インゴットを製造する装置において、
前記坩堝の底壁部には、その底壁部中央部分の外面側に、坩堝の底壁部の外径よりも小さい直径の加熱補助部と坩堝の底壁部の外径以上の直径を有する熱部材とを設け、
前記加熱補助部は前記坩堝の底壁部と前記発熱部材との間に位置し、
前記発熱部材を取り囲むように前記高周波誘導加熱手段の誘導加熱コイルを配置したことを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造装置
7〕 前記坩堝の底壁部の外径(Db)に対して、前記加熱補助部の直径(Dc)の加熱部比率(Dc/Db)が、0.3以上0.8以下であることを特徴とする前記〔6〕に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造装置。
〔8〕 前記熱部材の直径が前記坩堝の底壁部の直径よりも大きいことを特徴とする前記〔6〕又は〔7〕に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造装置
〔9〕 前記熱部材の電気抵抗が前記坩堝の電気抵抗とは異なることを特徴とする前記〔6〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造装置
本発明の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法によれば、大口径かつ長尺の炭化珪素単結晶インゴットを成長させる際に、坩堝内原料について、その中心部の温度を外周部の温度と比較して、同じ、若しくは、より高くして加熱することが可能であり、従来、低温である原料中心部での原料の再結晶化を防ぎ、装填した原料を有効に昇華させること、すなわち炭化珪素原料の結晶化率〔=(成長した炭化珪素単結晶インゴットの重量)/(装填した炭化珪素原料の重量)〕を高くすることができる。
このことにより、結晶成長面に昇華ガスが効率的かつ安定的に供給されるようになり、結晶成長中に昇華ガスの供給が変動することに起因する欠陥の発生を抑制することができ、高品質の炭化珪素インゴットを製造することができ、また、この高品質の炭化珪素単結晶インゴットを用いて電子材料用の炭化珪素単結晶基板を製造すれば、炭化珪素原料に対して製造される基板の歩留まりが向上し、炭化珪素単結晶基板のコスト低減を図ることができる。
図1は、本発明の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法の実施例で用いる炭化珪素単結晶インゴットの製造装置の全体を示す説明図である。 図2は、図1の要部を説明するための説明図である。 図3は、本発明の実施例1で用いられた坩堝の底壁部中央部分を加熱するための構成を示す説明図である。 図4は、本発明の実施例2で用いられた坩堝の底壁部中央部分を加熱するための構成を示す説明図である。 図5は、本発明の実施例3で用いられた坩堝の底壁部中央部分を加熱するための構成を示す説明図である。 図6は、改良レーリー法の原理を説明するための説明図である。
以下、添付図面に示す炭化珪素単結晶インゴットの製造装置を用いて、本発明の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法の実施の形態を具体的に説明する。
図1は、炭化珪素単結晶インゴットの製造装置の全体を説明するためのものであり、この製造装置において、二重石英管13内には黒鉛製の坩堝1(以下、「坩堝」と略す。)とこの坩堝1を取り囲むように覆う黒鉛製の断熱材5とが配設されており、また、前記坩堝1には、その上部に黒鉛製の蓋部材1aが配設されている。更に、前記二重石英管13の外側には発熱部材として機能する前記坩堝1を発熱させる高周波誘導加熱手段の誘導加熱コイル17が設置されている。
なお、坩堝1内には、その下部(原料装填部)に炭化珪素結晶粉末からなる炭化珪素原料3(以下、「坩堝内原料」と略す。)が装填されており、また、その内部上方〔蓋部材(黒鉛製の坩堝蓋)1a〕には、炭化珪素単結晶からなる種結晶2が取り付けられている。また、図1において、符号6は切欠き孔、符号10は坩堝支持体、符号14は真空排気装置、符号15はArガス配管、符号16はArガス用マスフローコントローラをそれぞれ示し、前記誘導加熱コイル17には高周波電流を流すための図示外の高周波電源が取り付けられている。
この製造装置において、二重石英管13内部は、真空排気装置14により高真空排気(10-3Pa以下)することができ、かつArガス配管15とArガス用マスフローコントローラ16を用いて、内部雰囲気をArガスにより圧力制御することができるようになっている。そして、坩堝1の温度の計測は、坩堝1の上下部を覆う黒鉛製の断熱材5の中央部にそれぞれ光路を設け、坩堝1の上部(蓋部材1a)及び下部(底壁部)からの光を取り出し、二色温度計を用いて行い、坩堝1下部(底壁部)の温度を原料温度とし、坩堝1上部(蓋部材1a)の温度から種結晶2の温度を判断する。
種結晶2上に炭化珪素単結晶の結晶成長をさせるためには、坩堝1内部の上下方向に温度勾配を形成し、坩堝内原料3部分の温度を高くし、種結晶2の結晶成長部分の温度を相対的に低くして再結晶させる必要がある。つまり、坩堝1の中では坩堝内原料3から種結晶2に向かう熱の流れを形成する必要がある。
ここで、従来の方法では、坩堝1の側壁部で高周波誘導により発生した熱を、坩堝内原料3の内部へ伝達させ、次に種結晶2を経由させて系外へと放出させているが、坩堝内原料3では、その外周部(坩堝の側壁部近傍の部分)の温度が高く、中心部(坩堝の中心軸近傍の部分)に向かって温度が低下し、更に、種結晶2に向かって温度勾配が発生する。そして、このような高周波誘導加熱では、発熱部材である黒鉛製の坩堝1の側壁部は加熱され易いが、坩堝1内に装填された坩堝内原料3の中心部は、坩堝1の側壁部に近い外周部に比べて加熱され難く、坩堝1の底壁部1bの中央部分近傍を効果的に加熱することは難しい。
そこで、本発明においては、坩堝1の側壁部を高周波誘導加熱手段で加熱するだけでなく、坩堝1の底壁部1b中央部分をその外面側から加熱することにより、種結晶2上での結晶成長に必要な温度勾配を維持しつつ、従来は困難であった、坩堝1の底壁部1b中央部分に接する坩堝内原料3の中央部を効率的に昇華させることにその特徴がある。
そして、本発明において、前記坩堝1の底壁部1b中央部分をその外側から加熱する手段については、特に制限されるものではなく、坩堝1の底壁部1b中央部分を効率的に加熱できれば如何なる加熱手段でもよいが、設備の変更が最少で済む高周波誘導加熱手段であることが最も好ましい。そして、この高周波誘導加熱手段で坩堝1の底壁部1b中央部分をその外面側から加熱することができるように、坩堝1の底壁部1b中央部分の外面側には高周波誘導加熱で発熱する発熱部材20を接触させて配置し、この発熱部材20を高周波加熱することにより、坩堝1の底壁部1b中央部分をその外面側から加熱するのがよい。
また、本発明において、前記発熱部材20については、その機能が達成されれば特に材質が限定されるものではないが、昇華再結晶法を行うために必要な高温で機能する材料であって、成長する炭化珪素単結晶の不純物とならない材料であることから、黒鉛材料で形成されることが望ましい。この発熱部材20として坩堝1とは異なる電気抵抗の黒鉛材料を用いることは、誘導電流により引き起こされる発熱部材20の周縁部での発熱を制御することができ、特に坩堝1より低い電気抵抗率の発熱部材20を用いて発熱部材20の周縁部での発熱をより高くすることは有効である。
本発明において、坩堝1の底壁部1b中央部分を加熱するための発熱部材20については、底壁部1b中央部分のみを効果的に加熱するために、好ましくは、図2に示すように、坩堝1の底壁部1bと発熱部材20との間に加熱補助部21を設け、高周波誘導加熱により発熱部材20で発生した熱が、この加熱補助部21を経由して底壁部1b中央部分に効果的に伝達されると共に、底壁部1bの周縁部にはできるだけ伝達されないようにするのが望ましい。このような構成にすることで、従来加熱され易かった坩堝内原料3の外周部下部に伝達される熱を可及的に抑制し、この坩堝内原料3の外周部での高温化を抑制すると同時に、発熱部材20の周縁部での発熱を坩堝1の底壁部1b中央部分に効率的に伝達し、坩堝内原料3の中心部に多くの熱が流れるような加熱状態を形成することができ、結晶成長に必要な温度勾配を維持しつつ、坩堝内原料3の外周部から中心部にかけての温度をより均一化し、有効に原料ガスを昇華させることができる。
そして、上記の加熱補助部21については、坩堝1の底壁部1b及び発熱部材20と別体に形成してこれら坩堝1の底壁部1b及び発熱部材20の間に配設してもよく、また、坩堝1の底壁部1bと一体に形成したり、発熱部材20と一体に形成したり、あるいは、厚さ方向に2分割してその一方を坩堝1の底壁部1bと一体に形成すると共に他方を発熱部材20と一体に形成してもよい。また、この加熱補助部21については、坩堝1の底壁部1b及び/又は発熱部材20と同じ材料で形成することができるほか、耐熱性及び熱伝導性に優れた別の材料で形成してもよく、特に熱伝導性に優れた材料で形成することは、発熱用部材20で発生した熱を底壁部1b中央部分に効果的に伝達し、坩堝内原料3の中心部に効率的に伝導する上で有効である。
また、前記坩堝1の底壁部1bと発熱部材20との間において発熱部材20の外周面側に形成される空隙部には、図2に示すように、発熱部材20で発生した熱が坩堝1の底壁部1bの周縁部を介して坩堝内原料3の外周部底壁部側に直接伝達しないように、坩堝1の底壁部1bの周縁部下面と発熱部材20の周縁部上面との間に、前記加熱補助部21の外周面を取り囲むように断熱材5bを設置し、これらの間を熱的に分離すると共に、発熱部材20で発生した熱が坩堝内原料3の中心部底壁部側に集中的に伝達するような構造とすることが更に好ましい。そして、坩堝1の底壁部1bと発熱部材20との間に配設される加熱補助部21については、その厚さTにより前記断熱材5bの厚さが決まるので、この断熱材5bにより坩堝1の底壁部1b周縁部下面と発熱部材20の周縁部上面との間を効果的に断熱するため、好ましくは10mm以上、より好ましくは20mm以上60mm以下の範囲の大きさにするのがよい。
更に、本発明において、前記坩堝1内に装填された坩堝内原料3の中央部をその下方から加熱するために、坩堝1の底壁部1bの外面側に配置された前記発熱部材20が接触する底壁部1bの中央部分の大きさ(坩堝内原料の加熱部比率)については、この底壁部1b中央部分の外面側形状が円形状であるとして、坩堝1の底壁部1bの外径(すなわち、坩堝1の外径)(Db)に対して前記底壁部1b中央部分の直径(Dc)の加熱部比率(Dc/Db)が0.3以上0.8以下であるのがよい。この坩堝内原料3の加熱部比率(Dc/Db)が0.3よりも小さい場合には、坩堝内原料3の中心部に十分な熱を伝達することができず、坩堝1の側壁部での発熱の寄与が坩堝1の底壁部1b中央部分を通して供給される熱に比べて大きくなり、反対に、この加熱部比率(Dc/Db)が0.8よりも大きい場合には、底壁部1b中央部分以外の部分にも熱が供給されるため、坩堝内原料3の中心部のみに熱を供給することができず、従来と同様に坩堝内原料3の外周部底壁部側の温度が高くなり、坩堝内原料3の中心部の温度が外周部の温度に比べて低くなり、本発明の効果が得られなくなる場合がある。
高周波誘導加熱においては、発熱部材20の周縁部において誘導電流が最も多く流れ、発熱が大きくなる。このことから、発熱部材20の直径を大きくし、誘導加熱コイルの径に近づけるほど発熱が大きくなる。発熱部材20の発熱を増やし、その熱を坩堝内原料3の中心部に伝達する効果をより発現させるためには、発熱部材20の直径を坩堝1に比べてより大きくすることが有効である。しかしながら、この発熱部材20の直径を大きくした場合には、誘導加熱コイルの径を大きくすることが必要になり、装置の大型化が必要になる。このため、装置の大型化を抑制しつつ本発明の効果を高めるために、発熱部材20の直径については、坩堝1の直径の1倍以上1.5倍以下の範囲に設定することが好ましい。
また、坩堝1内部の温度勾配は熱の流れの方向と同じである。従って、発熱部材20で発生した熱は、坩堝1の中心部に流れ、坩堝内原料3を通り、生成した炭化珪素単結晶インゴット4、種結晶2を通り、坩堝1の蓋部材1aから系外に放出される。このとき、坩堝内原料3から炭化珪素単結晶インゴット4、種結晶2の向きに坩堝1内部の温度勾配が形成される。詳細に見ると、坩堝1の側壁部での誘導電流による発熱は、坩堝内原料3を通り、炭化珪素単結晶インゴット4、種結晶2の向きに流れており、坩堝内原料3の部分では坩堝内原料3の外周部からその中心部に向かって温度が低下する温度勾配を形成する熱の流れがある。この熱の流れを制御し、坩堝内原料3内部の径方向の温度勾配を小さくするために、坩堝1で発生した熱が、坩堝1の側壁部に配置された断熱材5を通じて、系外に放出される熱量を増大させることが有効である。このことから、本発明においては、坩堝1の側壁部を覆う断熱材5の厚さが前記発熱部材20の側面を覆う断熱材の厚さの0.6倍以上1倍以下であることが望ましい。
本発明の製造方法で成長高さが40mm以上200mm以下の炭化珪素単結晶インゴットを製造した場合には、坩堝1内に装填した坩堝内原料3を有効に利用することができ、また、結晶成長中の結晶成長速度の変動が小さくなって高品質の炭化珪素単結晶を得ることができる。このため、電子材料用の炭化珪素単結晶を効率良く作製することが可能な炭化珪素単結晶インゴットをより安価に製造することができる。
〔実施例1〕
図3に示すように、黒鉛製の坩堝1の底壁部1bには、その中央部分の下面側に加工を施し、坩堝内原料3が坩堝1の底壁部1b中央部分を介して下方側から加熱される坩堝内原料3の加熱部比率〔坩堝1の底壁部1b中央部分の直径(Dc)/坩堝1の底壁部1bの外径(Db)〕が0.5であって厚さが15mmである加熱補助部21を形成した。また、前記坩堝1と同じ黒鉛材料を用い、坩堝1の直径の1.2倍の直径を有する発熱部材20を形成し、前記加熱補助部21の下面とこの発熱部材20の中央部上面とが接触するように配置して密着させた。また、断熱材5については、その外形が坩堝1と発熱部材20の側部において同じ径となるように形成すると共に、坩堝1の底壁部1bと発熱部材20との間において加熱補助部21の外周面側に形成される空隙部内には断熱材5bを充填した。
この実施例1の製造装置において、坩堝1の容器内下部には、アチソン法により作製された炭化珪素結晶粉末からなる炭化珪素原料3.0kgを装填し、坩堝内原料3とした。また、坩堝1の蓋部材1aには、種結晶2として口径105mmの(0001)面を有する4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを配置した。
このようにして準備された坩堝1等からなる部材を、図1に示すように、二重石英管13の内部に設置し、前記手順で常法に従って炭化珪素単結晶の結晶成長を行った。すなわち、原料温度を目標温度である2300℃まで上昇させた後、二重石英管13内のArの圧力を成長圧力1.3kPaまで30分かけて減圧し、炭化珪素単結晶の成長を開始させ、加熱を140時間継続して炭化珪素単結晶を成長させた。
その結果、成長速度は約0.5mm/時であって、炭化珪素単結晶の口径が105mm程度であり、かつ、高さが70mm程度の単結晶インゴットが得られた。坩堝1内の炭化珪素原料の残渣を観察したところ、坩堝内原料3の中心部近傍においても原料が効率良く昇華したことが認められ、高周波誘導加熱の際に坩堝内原料3に対する加熱温度を効果的に制御することができ、結果として中心部近傍の炭化珪素原料も効率良く加熱できたことが判明した。また、得られた単結晶インゴットの重量は1.9kg程度であり、結晶化率は65%であった。
更に、得られた炭化珪素単結晶インゴットについて、X線回折及びラマン散乱により分析したところ、4Hの単一ポリタイプからなるインゴットであり、また、マイクロパイプ等の結晶欠陥が少ない極めて高品質であることが確認された。
このインゴットから切り出された炭化珪素単結晶基板は、電子デバイスを作製するための基板として有用である。
〔実施例2〕
実施例2においては、上記実施例1の場合とは異なり、図4に示すように、黒鉛製の坩堝1の底壁部1bには加工を施すことなく、黒鉛材料で形成された発熱部材20側に加工を施し、坩堝内原料3の加熱部比率〔坩堝1の底壁部1b中央部分の直径(Dc)/坩堝1の底壁部1bの外径(Db)〕が0.4であって厚さが30mmである加熱補助部21を形成した。そして、この発熱部材20については、坩堝1より電気抵抗率の低い黒鉛材料を用いて、坩堝1の直径の1.3倍の大きさに形成し、その加熱補助部21の上面が坩堝1の底壁部1b中央部分の下面に接するように配設し密着させた。また、断熱材5については、その外形が坩堝1と発熱部材20の側部において同じ径となるように形成すると共に、坩堝1の底壁部1bと発熱部材20との間において加熱補助部21の外周面側に形成される空隙部内には断熱材5bを充填した。
この実施例2の製造装置において、坩堝1の容器内下部には、アチソン法により作製された炭化珪素結晶粉末からなる炭化珪素原料6.1kgを装填し、坩堝内原料3とした。また、坩堝1の蓋部材1aには、種結晶2として口径155mmの(0001)面を有する4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを配置した。
このようにして準備された坩堝1等からなる部材を、図1に示すように、二重石英管13の内部に設置し、前記手順で常法に従って炭化珪素単結晶の結晶成長を行った。すなわち、原料温度を目標温度である2300℃まで上昇させた後、二重石英管13内のArの圧力を成長圧力1.3kPaまで30分かけて減圧し、炭化珪素単結晶の成長を開始させ、加熱を140時間継続して炭化珪素単結晶を成長させた。
その結果、成長速度は約0.5mm/時であって、結晶の口径が155mm程度であり、かつ、高さが70mm程度の炭化珪素単結晶インゴットが得られた。坩堝1内の炭化珪素原料の残渣を観察したところ、坩堝内原料3の中心部近傍においても炭化珪素原料が効率良く昇華したことが認められ、高周波誘導加熱の際に坩堝内原料3に対する加熱温度を効果的に制御することができ、結果として中心部近傍の炭化珪素原料も効率良く加熱できたことが判明した。また、得られた単結晶インゴットの重量は4.2kg程度であり、結晶化率は70%であった。
更に、得られた炭化珪素単結晶インゴットについて、X線回折及びラマン散乱により分析したところ、4Hの単一ポリタイプからなるインゴットであり、また、マイクロパイプ等の結晶欠陥が少ない極めて高品質であることが確認された。
このインゴットから切り出された炭化珪素単結晶基板は、電子デバイスを作製するための基板として有用である。
〔実施例3〕
実施例3においては、上記実施例1の場合とは異なり、図5に示すように、黒鉛製の坩堝1の底壁部1bにはその中央部分の下面側に加工を施して坩堝1より熱伝導率の高い黒鉛材料製の加熱補助部21の一部を形成し、また、坩堝1と同じ黒鉛材料で形成された発熱部材20側に加工を施して坩堝1より熱伝導率の高い黒鉛材料製の加熱補助部21の一部を形成し、これら坩堝1の底壁部1b中央部分の下面側に形成された加熱補助部21の一部と発熱部材20側に形成された加熱補助部21の一部とが接するように配置して密着させ、坩堝1の底壁部1bと発熱部材20との間に坩堝1より熱伝導率の高い加熱補助部21が形成されるようにした。ここで、前記加熱補助部21については、その坩堝内原料3の加熱部比率〔坩堝1の底壁部1b中央部分の直径(Dc)/坩堝1の底壁部1bの外径(Db)〕が0.7であって厚さが40mmであるように形成し、また、前記発熱部材20については、その直径が坩堝1の直径の1.1倍の大きさに形成し、更に、断熱材5については、その厚さが坩堝1の側壁部と発熱部材20の側部とにおいて同じ厚さとなるように形成すると共に、坩堝1の底壁部1bと発熱部材20との間において加熱補助部21の外周面側に形成される空隙部内には断熱材5bを充填した。
この実施例3の製造装置において、坩堝1の容器内下部には、アチソン法により作製された炭化珪素結晶粉末からなる炭化珪素原料8.8kgを装填し、坩堝内原料3とした。また、坩堝1の蓋部材1aには、種結晶2として口径155mmの(0001)面を有する4Hポリタイプの炭化珪素単結晶ウェハを配置した。
このようにして準備された坩堝1等からなる部材を、図1に示すように、二重石英管13の内部に設置し、前記手順で常法に従って炭化珪素単結晶の結晶成長を行った。すなわち、原料温度を目標温度である2300℃まで上昇させた後、二重石英管13内のArの圧力を成長圧力1.3kPaまで30分かけて減圧し、結晶の成長を開始させ、加熱を220時間継続して結晶を成長させた。
その結果、成長速度は約0.5mm/時であって、結晶の口径が155mm程度であり、かつ、高さが110mm程度の炭化珪素単結晶インゴットが得られた。坩堝1内の炭化珪素原料の残渣を観察したところ、坩堝内原料3の中心部近傍においても炭化珪素原料が効率良く昇華したことが認められ、高周波誘導加熱の際に坩堝内原料3に対する加熱温度を効果的に制御することができ、結果として中心部近傍の炭化珪素原料も効率良く加熱できたことが判明した。また、得られた単結晶インゴットの重量は6.6kg程度であり、結晶化率は75%であった。
更に、得られた炭化珪素単結晶インゴットについて、X線回折及びラマン散乱により分析したところ、4Hの単一ポリタイプからなるインゴットであり、また、マイクロパイプ等の結晶欠陥が少ない極めて高品質であることが確認された。
このインゴットから切り出された炭化珪素単結晶基板は、電子デバイスを作製するための基板として有用である。
〔比較例1〕
実施例1と比較するために、坩堝1の底壁部1b中央部分の加工や、発熱部材20の使用を行わずに、従来と同じ製造装置を用いて、実施例1と同じ操業条件にて炭化珪素単結晶インゴットの製造を行った。
その結果、結晶の口径が105mm程度であり、かつ、高さが20mm程度のインゴットが得られた。坩堝1内の炭化珪素原料の残渣を観察したところ、坩堝内原料3の中心部で炭化珪素原料の再結晶が観察された。これは、坩堝内原料3の中心部の炭化珪素原料が有効に加熱されなかったために、坩堝内原料3の外周部で昇華した原料ガスが結晶成長に利用されずに、坩堝内原料3の中心部で再結晶化したものと考えられる。
この坩堝内原料3の中心部での昇華ガスの再結晶のため、結晶成長の途中で原料ガスの供給が途絶え、成長した結晶の成長面が昇華し、成長面が炭化した。そのため、インゴットの結晶化率は19%と低い値であった。また、得られた炭化珪素単結晶インゴットは、インゴット高さが低く、電子デバイス作製時における基板切出しの歩留まりが低いだけでなく、装填した原料に対してインゴットの重量が小さく、上記各実施例1〜3の場合と比較して炭化珪素原料を有効に利用できなかった。
1…坩堝、1a…坩堝の蓋部材、1b…坩堝の底壁部、2…種結晶、3…炭化珪素原料、4…炭化珪素単結晶インゴット、5…断熱材、6…切欠き孔、10…坩堝支持体、13…二重石英管、14…真空排気装置、15…Arガス配管、16…Arガス用マスフローコントローラ、17…誘導加熱コイル、20…発熱部材、21…加熱補助部。

Claims (9)

  1. 炭化珪素原料を黒鉛製の坩堝の下部に装填し、坩堝の下部を高周波誘導加熱手段で加熱し、前記炭化珪素原料を間接的に加熱して昇華ガスを発生させ、坩堝の上部に対向配置した炭化珪素の種結晶上に炭化珪素を再結晶させる昇華再結晶法により、炭化珪素単結晶を成長させて炭化珪素単結晶インゴットを製造する方法において、
    前記坩堝の底壁部には、その底壁部中央部分の外面側に、坩堝の底壁部の外径よりも小さい直径の加熱補助部を介して、坩堝の底壁部の外径以上の直径を有する熱部材が設けられており、
    前記坩堝内に装填された炭化珪素原料(坩堝内原料)の中央部を、前記加熱補助部を介して下方側から加熱することを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  2. 前記発熱部材を高周波誘導加熱手段で加熱することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  3. 前記坩堝の底壁部の外径(Db)に対して、前記加熱補助部の直径(Dc)の加熱部比率(Dc/Db)が、0.3以上0.8以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  4. 前記熱部材の直径が前記坩堝の底壁部の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  5. 前記熱部材の電気抵抗が前記坩堝の電気抵抗とは異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造方法。
  6. 種結晶を上部に配置し、炭化珪素原料を下部に装填する黒鉛製の坩堝と、前記坩堝を加熱する高周波誘導加熱手段とを有し、
    前記坩堝内に装填された炭化珪素原料(坩堝内原料)を前記高周波誘導加熱手段により加熱し、炭化珪素を昇華させて前記種結晶上に再結晶させることにより、炭化珪素単結晶インゴットを製造する装置において、
    前記坩堝の底壁部には、その底壁部中央部分の外面側に、坩堝の底壁部の外径よりも小さい直径の加熱補助部と坩堝の底壁部の外径以上の直径を有する熱部材とを設け、
    前記加熱補助部は前記坩堝の底壁部と前記発熱部材との間に位置し、
    前記発熱部材を取り囲むように前記高周波誘導加熱手段の誘導加熱コイルを配置したことを特徴とする炭化珪素単結晶インゴットの製造装置。
  7. 前記坩堝の底壁部の外径(Db)に対して、前記加熱補助部の直径(Dc)の加熱部比率(Dc/Db)が、0.3以上0.8以下であることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造装置。
  8. 前記熱部材の直径が前記坩堝の底壁部の直径よりも大きいことを特徴とする請求項6又は7に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造装置
  9. 前記熱部材の電気抵抗が前記坩堝の電気抵抗とは異なることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の炭化珪素単結晶インゴットの製造装置
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