JP6883409B2 - SiC単結晶成長方法、SiC単結晶成長装置及びSiC単結晶インゴット - Google Patents

SiC単結晶成長方法、SiC単結晶成長装置及びSiC単結晶インゴット Download PDF

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本発明は、SiC単結晶成長方法、SiC単結晶成長装置及びSiC単結晶インゴットに関する。
炭化珪素(SiC)は、特徴的な特性を有する。例えば、シリコン(Si)と比べて、絶縁破壊電界は1桁大きく、バンドギャップは3倍大きく、熱伝導率は3倍程度高い。そのため炭化珪素(SiC)は、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。
近年、SiCエピタキシャルウェハの高品質化に伴い、SiC単結晶インゴットの高品質化が求められている。SiC単結晶インゴットは、SiC単結晶を結晶成長させて得られる。結晶成長過程で、欠陥が混入しないようにする試みが検討されている。
欠陥は、結晶成長の初期に発生しやすい。炭素や不純物はシリコンより昇華しやすく、結晶成長初期においてガス雰囲気が安定しないためである。例えば、カーボン等が、局所的に析出すると、欠陥の原因となる。
そこで、特許文献1及び特許文献2には、結晶成長面を水素ガスでエッチングし、清浄化することで、高品質な炭化ケイ素単結晶を製造できることが記載されている。
また特許文献3には、坩堝内における種結晶の位置を変化させることで、種結晶の成長面をエッチングする方法が記載されている。
特開2006−111510号公報 特開2010−76954号公報 特許第4391047号公報
しかしながら、特許文献1及び2の方法では、坩堝内に水素ガスを導入する必要がある。そのため、水素ガスを導入するための配管を設ける等の必要があり、設備が大掛かりになる。また過剰な水素ガスは、炭素等で構成される坩堝の劣化の原因となりうる。
また特許文献3の方法は、種結晶を大きく移動させる。そのため、坩堝内の原料ガスの流れが乱され、欠陥が混入する原因となりうる。また単結晶を大きく動かす必要や、温度を精密に制御する必要があり、実用的ではない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、欠陥の少ないSiC単結晶を得ることができるSiC単結晶成長方法及びSiC単結晶成長装置を提供することを目的とする。またSiC単結晶成長装置及びSiC単結晶成長方法によって得られる特徴あるSiC単結晶インゴットを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、加熱時の単結晶の温度を、結晶成長面と反対の裏面側で制御するという新たな方法を見出した。
すなわち、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様にかかるSiC単結晶成長方法は、SiC単結晶が結晶成長する成長面に対する裏面における、Arより熱伝達性の高い熱伝達物質の接触状態を、結晶成長の過程において変化させる。
(2)上記態様にかかるSiC単結晶成長方法において、前記SiC単結晶の裏面と前記熱伝達物質との間に空間を形成し、前記SiC単結晶と前記熱伝達物質とを非接触にする工程と、昇温中又は昇温後において、前記SiC単結晶と前記熱伝達物質とを接触させる工程と、を有してもよい。
(3)上記態様にかかるSiC単結晶成長方法において、前記非接触にする工程において、前記熱伝達物質と前記単結晶とを0.5mm以上離してもよい。
(4)本発明の一態様にかかるSiC単結晶成長装置は、原料を収納できる坩堝と、前記坩堝内において前記原料が設置される原料設置部と対向して配置され、内部に空間を有する単結晶設置部と、前記空間内を摺動できる熱伝達部と、を備え、前記熱伝達部は、前記単結晶設置部に設置される単結晶と接触する接触状態と、前記単結晶と非接触の非接触状態とを、前記空間内を摺動することにより切り替え可能である。
(5)本発明の一態様にかかるSiC単結晶インゴットは、SiC単結晶と、前記SiC単結晶上に結晶成長した結晶成長領域とを有し、前記SiC単結晶の中央部が、端部よりも凹んでいる。
本実施形態にかかるSiC単結晶成長装置及びSiC単結晶成長方法によれば、高品質なSiC単結晶インゴットを容易にえることができる。
本実施形態にかかるSiC単結晶成長装置の断面模式図である。 本実施形態にかかるSiC単結晶成長方法における結晶成長状態を模式的に示した図である。 本実施形態にかかるSiC単結晶成長方法における結晶成長状態の別の態様を模式的に示した図である。 本実施形態にかかるSiC単結晶インゴットの断面図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本実施形態の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本実施形態はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
「SiC単結晶成長装置」
図1は、本実施形態にかかるSiC単結晶成長装置の断面模式図である。図1に示すSiC単結晶成長装置10は、坩堝1と、単結晶設置部2と、熱伝達部3と、を備える。図1では、理解を容易にするために、単結晶設置部2に単結晶Sを設置し、坩堝1内に原料Gを収納した状態を図示している。また単結晶設置部2と設置された原料Gとの間には、単結晶設置部2から設置された原料Gに向かって拡径する公知のテーパーガイド4を有してもよい。
以下、坩堝1内において原料設置部と単結晶設置部2とを結ぶ方向であって、原料Gから単結晶Sに向かって原料ガスが昇華する方向をz方向と言うことがある。
坩堝1は、原料Gを収納する。原料Gを収納できれば、その形状は特に問わない。図1において、坩堝1の底部は原料設置部であり、原料Gを収納する。
坩堝1を構成する材料は、SiC単結晶を作製する際に使用される公知のものを用いることができる。例えば、耐熱性を有するカーボン、炭化タンタル(TaC)等を用いる。
単結晶設置部2は、坩堝1内で、設置される原料Gと対向する位置に配置される。原料Gと対向する位置に単結晶設置部2が設置されていることで、原料Gから昇華した原料ガスを効率的に単結晶設置部2に設置される単結晶Sへ供給できる。
また単結晶設置部2は、内部に空間を有する。「内部に空間を有する」とは、単結晶設置部2自体の内部に空洞を有していてもよいし、図1に示すように筒状の単結晶設置部2と坩堝1の内壁と、設置される単結晶Sとで空間を形成してもよい。
熱伝達部3は、単結晶設置部2内に形成された空間内を摺動する。摺動方向は、z方向である。熱伝達部3の摺動方法は特に問わない。図1に示すように、熱伝達部3の一部を坩堝1から突出させ、その部分を利用して機械的に摺動させてもよい。
熱伝達部3は、空間内をz方向に摺動し、単結晶Sに対して熱伝達部3が接触した接触状態と、単結晶Sに対して熱伝達部3が非接触の非接触状態と、を切り替える。
熱伝達部3は、アルゴン(Ar)より熱伝達性の高い熱伝達物質を含む。また熱伝達部3は、SiC単結晶を製造する際の高温に対して耐熱性を有する必要がある。そのため、熱伝達物質として、例えば、炭化ケイ素(SiC)、カーボン、炭化タンタル(TaC)等を用いることができる。
「SiC単結晶成長方法」
本実施形態にかかるSiC単結晶成長方法は、SiC単結晶が結晶成長する成長面に対する裏面における、Arより熱伝達性の高い熱伝達物質の接触状態を、結晶成長の過程において変化させながら行う方法である。
以下、上述のSiC単結晶成長装置10の動作を説明すると共に、本実施形態にかかるSiC単結晶成長方法について具体的に説明する。
まず、坩堝1内の原料設置部に原料Gを設置し、単結晶設置部2に結晶成長の核となる単結晶(種結晶)を設置する。原料Gは、焼結したSiC粉末原料を用いることができ、単結晶はSiC単結晶である。坩堝内に充填する雰囲気ガスとしては不活性ガスであるArを用いることができる。
坩堝1を加熱すると、原料Gから原料ガスが昇華する。昇華した原料ガスは、テーパーガイド4に沿って、単結晶Sへ供給される。
単結晶Sは、原料ガスが再結晶化することで成長する。結晶成長初期は、欠陥が生じやすい。例えば、SiC粉末原料に含まれる不純物は、シリコンより昇華しやすい。結晶成長初期における原料ガスは、カーボンリッチな状態であり、成長表面からシリコンが抜けて、表面が炭化することがある。成長表面のカーボンは、SiC単結晶の成長の様相を変え、欠陥を生み出す。そのため、結晶成長初期における欠陥の発生を制御することが求められる。
本実施形態では、結晶成長初期に発生する欠陥を単結晶Sの結晶成長面と反対側の裏面側から制御する。以下、図2を基に具体的に説明する。
図2は、本実施形態にかかるSiC単結晶成長方法における結晶成長状態を模式的に示した図である。図2(a)は、熱伝達物質を含む熱伝達部3と、単結晶Sの結晶成長面Saと反対側の裏面Sbと、が接触していない非接触状態であり、図2(b)は、熱伝達物質を含む熱伝達部3と、単結晶Sの結晶成長面Saと反対側の裏面Sbと、が接触した接触状態である。図2において、原料ガスgの流れと、熱の流れt1、t2、t3を矢印で図示する。
図2(a)に示す非接触状態は、熱伝達部3と単結晶Sとの間に空間Kが形成されている。空間K内は、原料ガスを含むArが充満しているため、熱伝達部3が接触している場合と比較して熱伝達率が低い。そのため、単結晶Sに蓄積された熱を効率的に逃がすことができず、単結晶Sは高温になる。単結晶Sが高温になると、単結晶Sの結晶成長面Saにおいて原料ガスgが再結晶化することができなくなると共に、その一部が昇華する。
これは単結晶S側の視点から見ると、単結晶Sの結晶成長面Saがエッチングされたと換言できる。結晶成長初期の結晶成長面Saをエッチングすると、結晶成長初期に発生する欠陥を除去することができ、得られる単結晶が高品質化する。このことは、例えば、先行文献1及び2等の水素を用いたエッチングにおいても確認されている。
非接触状態において、単結晶Sの裏面Sbと熱伝達部3との距離は、0.5mm以上離すことが好ましい。0.5mm以上離すことで、熱の流れt2を十分抑制し、結晶成長面Saをエッチングすることができる。0.1mm程度の距離の場合、熱の流れt2が十分抑制されず、中央付近のエッチングが不十分になる場合がある。単結晶Sの裏面Sbと熱伝達部3との距離の上限は装置の構成により決めることができるが、駆動しやすい構造とするために100mm以下とすることが好ましい。さらに単結晶Sの裏面Sbと熱伝達部3との距離は、摺動距離を短くするために、10mm以下とすることがより好ましい。
エッチングされたエッチング面Sa’の形状は、対向する原料Gに対して中央部が凹んだ凹面となる。単結晶Sは、単結晶設置部2と外周側で接触している。接触面を介して熱が流れるため、単結晶S内において中央側から外周側に向けた熱の流れt1が生まれる。一方で、単結晶Sの中央部において熱伝達部3に向けた熱の流れt2は抑制されている。その結果、単結晶S内で比較すると、中央部が高温で外周部が低温になる。つまり、単結晶Sの中央部のエッチングが進み、エッチング面Sa’は凹面となる。
一方で、非接触状態が続くと単結晶Sは結晶成長が進まない。そこで、図2(b)に示すように、熱伝達部3を単結晶Sに向けて摺動し、単結晶Sの裏面Sbと熱伝達部3とを接触させる。
単結晶Sと熱伝達部3とが接触すると、単結晶Sから熱伝達部3へ向けた熱の流れt3が生まれる。熱が熱伝達部3に流れることにより、単結晶Sは原料ガスgが再結晶化できる程度に冷却される。そして、単結晶Sのエッチング面Sa’に単結晶が結晶成長する。
単結晶Sに供給される原料ガスgの一部は、単結晶Sとテーパーガイド4との間を介して、対向する原料Gと反対側の後方側に流れる。そのため、単結晶Sの結晶成長は、単結晶Sの中央部が外周部よりも早くなる。このことは、通常単結晶Sを結晶成長させると、原料Gに向けて凸な結晶が得られることからも分かる。
上述のように、非接触状態でエッチングされたエッチング面Sa’は、対向する原料Gに対して凹面である。単結晶Sの結晶成長は、単結晶Sの中央部が外周部よりも早いため、エッチング面Sa’の凹面形状を緩和するように結晶成長が進む。その結果、結晶成長を進めた後に得られる最終的な外周面Scが過剰に凸になることが抑制される。すなわち、単結晶S内に生じる歪を緩和し、欠陥等の発生を抑制できる。
上述のように、本実施形態にかかるSiC単結晶成長方法によれば、単結晶の結晶成長面をエッチングするか、単結晶の結晶成長面に結晶を成長させるかを自由に制御することができる。また、本実施形態にかかるSiC単結晶成長方法は、結晶成長の制御をSiC単結晶の結晶成長面に対する裏面側で制御するという新たな方法である。裏面側で制御するため、SiC単結晶の結晶成長への影響も少ない。
また、本実施形態にかかるSiC単結晶成長装置は、水素等を導入するための配管設備等を整える必要が無い。そのため、本実施形態にかかるSiC単結晶成長装置によれば、簡便な設備で結晶成長状態を制御することができる。さらに、熱伝達部を摺動させるだけで、エッチング状態と結晶成長状態をスイッチングさせることができ、SiC単結晶の結晶成長状態をより精密に制御できる。
ここまで、図1に示すように、熱伝達部3を単結晶Sに対して摺動させることで、単結晶Sと熱伝達部3(熱伝達物質)の接触状態を変化させる場合を例に説明した。SiC単結晶成長方法は、当該方法に限られず、単結晶Sと熱伝達物質との接触、非接触の状態を別の手段で制御してもよい。
図3は、本実施形態にかかるSiC単結晶成長方法における結晶成長状態の別の態様を模式的に示した図である。図3において、図2と同一の構成については、同一の符号を付している。
例えば、図3に示すように、単結晶設置部2の一部に開口部2Aを設け、開口部2Aを介して原料ガスgが空間K内に流入できるようにする(図3(a)参照)。開口部2Aを介して空間Kに流入した原料ガスgは、空間K内に多結晶Aを成長させる。その結果、空間Kが徐々に埋まっていき、多結晶Aを介して、熱伝達状態を変化させることができる。
なお、図3に示す場合は、接触状態と非接触状態をスイッチングすることは難しく、状態変化は1回のみとなる。しかしながら、状態変化が1回のみであっても、結晶成長初期のエッチングは可能であり、SiC単結晶内の高品質化に寄与する。
(SiC単結晶インゴット)
図4は、本実施形態にかかるSiC単結晶インゴットの断面図である。図4に示すSiCインゴットIは、SiC単結晶(単結晶)Sと、SiC単結晶(単結晶)S上に結晶成長した結晶成長領域Sgとを有する。
図4におけるSiCインゴットIにおいて、SiC単結晶Sと、結晶成長領域Sgとは窒素濃度が異なり、明確な界面が確認できる。またSiC単結晶Sと結晶成長領域Sgとの窒素濃度等が近似している場合も、UV照射しながらSiCインゴットの断面を見ることで、わずかな濃度差を強調してSiC単結晶Sの形状を確認できる。
図4に示すように、単結晶Sの中央部は、端部よりも凹んでいる。これは、本来の単結晶Sの結晶成長面Saがエッチングにより後退し、エッチング面Sa’となったためである。
上述のように、中央部が端部よりも凹んだ単結晶Sの形状は、上述のSiC単結晶成長方法におけるエッチングによる独特のものである。
例えば、水素ガスエッチングの場合、単結晶Sに対して水素ガスが均一に供給されるため、結晶成長面Saにおけるエッチング速度はほぼ均一である。すなわち、中央部が窪んだ形状にはならない。またエッチングを行わずに得られた種結晶も、フラット形状か、上述のように中央部が端部より突出した形状となる。さらに、加工により当該形状を得ようとしても、中央部が凹むように加工することは極めて難しい。
そのため、当該特徴を有する単結晶は、上述の単結晶成長装置又は単結晶成長方法によって作製されたものと推定される。
本実施形態にかかるSiCインゴットIは、結晶成長を進めた後に得られる最終的な外周面Scが過剰に凸になりにくい。すなわち、歪が少なく、高品質なSiCインゴットとなる。また過剰に凸になっていないため、ウェハ上に加工した際の取れ効率が高くすることができる。
また、図4では、成長中にドーピング量を調整することにより、結晶成長中の表面形状に対応するコントラストが見えている。結晶成長開始時は、非接触状態でエッチングされたため表面が凹面になっているが、結晶成長開始後は、凹面形状を緩和するように結晶成長が進み、徐々に凸形状に移行しているが、最終的な外周面の形状は過剰に凸になることが抑制されている。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
(実施例1)
オフセット角が4°のSiC単結晶を坩堝内の単結晶設置部に設置した。この際、単結晶設置部と設置された単結晶との間には、空隙が形成されていた。単結晶設置部と単結晶の間の空隙の幅は、1mmであった。
そして、SiC単結晶原料を坩堝内に封入し、坩堝の外周を2350℃まで加熱し、SiC単結晶原料を昇華させた。そして、100時間昇華を続け、SiC単結晶を2cm結晶成長させ、SiCインゴットを作製した。
得られたSiCインゴットを切断し、その断面を目視で確認した。その結果、単結晶設置部と単結晶の間の空隙が埋まっていることが確認できた。
また、得られたSiCインゴットの貫通欠陥密度(個/cm)は、エッチングにより強調された欠陥として顕微鏡を用いて測定した。測定した結果を表1に示す。
(比較例1)
比較例1は、単結晶設置部と単結晶の間に空隙を設けなかった点が実施例1と異なる。その他の条件は、実施例1と同じとした。
そして、SiC単結晶を2cm結晶成長させ、SiCインゴットを作製した。また、得られたSiCインゴットの貫通欠陥密度(個/cm)は、エッチングにより強調された欠陥として顕微鏡を用いて測定した。測定した結果を表1に示す。
Figure 0006883409
表1に示すように、実施例1は、貫通欠陥密度の値が比較例1と比較して大幅に低減された。単結晶設置部と設置された単結晶との間に空隙を設けることにより、結晶成長の初期にSiC単結晶の結晶成長面がエッチングされ、清浄化されたためと考えられる。
10…SiC単結晶成長装置、1…坩堝、2…単結晶設置部、2A…開口部、3…熱伝達部、4…テーパーガイド、S…単結晶、Sa…結晶成長面、Sa’…エッチング面、Sb…裏面、Sc…外周面、G…原料、g…原料ガス、K…空間、t1,t2,t3…熱の流れ、A…多結晶、I…SiCインゴット

Claims (8)

  1. SiC単結晶が結晶成長する成長面に対する裏面におけるArより熱伝達性の高い熱伝達物質の接触状態を、前記熱伝達物質を機械的に摺動させることで、結晶成長の過程において変化させるSiC単結晶成長方法。
  2. 前記SiC単結晶の裏面と前記熱伝達物質との間に空間を形成し、前記SiC単結晶と前記熱伝達物質とを非接触にする工程と、
    昇温中又は昇温後において、前記SiC単結晶と前記熱伝達物質とを接触させる工程と、を有する請求項1に記載のSiC単結晶成長方法。
  3. 前記非接触にする工程において、前記熱伝達物質と前記SiC単結晶とを0.5mm以上離す請求項2に記載のSiC単結晶成長方法。
  4. 前記非接触にする工程において、前記成長面をエッチングする請求項2又は3のいずれかに記載のSiC単結晶成長方法。
  5. 前記非接触にする工程において、前記成長面を中央部が凹んだ凹面とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のSiC単結晶成長方法。
  6. 原料を収納できる坩堝と、
    前記坩堝内において前記原料が設置される原料設置部と対向して配置され、内部に空間を有する単結晶設置部と、
    前記空間内を摺動できる熱伝達部と、を備え、
    前記熱伝達部は、前記単結晶設置部に設置される単結晶と接触する接触状態と、前記単結晶と非接触の非接触状態とを、前記空間内を機械的に摺動することにより切り替え可能である、SiC単結晶成長装置。
  7. 前記単結晶設置部が筒状であり、筒状の前記単結晶設置部に前記単結晶の周縁部が固定される請求項6に記載のSiC単結晶成長装置。
  8. SiC種結晶と、前記SiC種結晶上に結晶成長した結晶成長領域とを有し、
    前記SiC種結晶の中央部が、端部よりも凹んでいるSiC単結晶インゴット。
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