JP2016172674A - 炭化珪素単結晶及びそれを用いた電力制御用デバイス基板 - Google Patents

炭化珪素単結晶及びそれを用いた電力制御用デバイス基板 Download PDF

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真裕 青嶌
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康一 武井
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Kuniharu Fujii
邦治 藤井
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Kazuhisa Kurashige
和央 蔵重
武志 三谷
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武志 三谷
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直佳 小松
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Abstract

【課題】取り扱い性に優れ、電力制御用デバイス基板等に好適に用いることができる炭化珪素単結晶を提供すること。
【解決手段】クロム濃度が1.0×1015atoms/cm以上1.0×1018atoms/cm以下であり、且つ、アルミニウム濃度が1.0×1018atoms/cm以上1.0×1020atoms/cm以下である、炭化珪素単結晶。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素単結晶及びそれを用いた電力制御用デバイス基板に関するものである。
電力制御用デバイスに利用される半導体材料として、炭化珪素(SiC:シリコンカーバイド)が注目されている。SiCは、シリコン(Si)に比べてバンドギャップが広く、絶縁破壊電界が大きいため、高耐圧を必要とするパワーデバイス材料として、優れた物性値を有している。現在、デバイス基板用の炭化珪素単結晶(SiC単結晶)として、原料に昇華ガスを用いた昇華法により作製された結晶が使用されている。しかし、昇華法で作製された結晶には多くの欠陥が含有されており、これらの欠陥によりデバイス動作時の特性劣化が引き起こされることが知られている。一方、溶液からSiC単結晶を作製する溶液成長法は、熱平衡に近い条件での結晶成長が可能であるため、昇華法に比べて高品質な結晶の成長が可能であることから注目を集めている。
しかし、溶液成長法で大面積のSiC単結晶を高品質で、かつ高い成長速度で得るには、いまだに種々の技術課題が残っている。特に、SiC単結晶の高品質化に関する技術課題として、SiC単結晶の成長の際に、SiC単結晶内にインクルージョンが発生するという課題が存在する。
インクルージョンとは、SiC単結晶成長に使用するSi−C溶液の、成長結晶中への巻き込みである。成長結晶にインクルージョンが発生する場合、インクルージョンとして、例えば、Si−C溶液に用いる溶媒中に含まれ得るCr及びNi等の溶媒成分を検出することができる。インクルージョンの発生は、単結晶にとってはマクロな欠陥であり、デバイス材料としては許容できない欠陥である。そこで、特許文献1では、溶液成長法によりSiC単結晶を製造する際に、結晶成長面の界面直下の中央部におけるSi−C溶液の温度より、結晶成長面の界面直下の外周部におけるSi−C溶液の温度を低くするようにSi−C溶液の温度を制御し、且つ結晶成長面の界面直下の中央部から外周部にSi−C溶液を流動させることで、インクルージョンの発生を抑制した高品質なSiC単結晶のインゴットを提供する方法を開示している。
特開2014−19614号公報
SiC単結晶内にインクルージョン等の不純物が存在すると、結晶欠陥の原因となるため高品質な結晶が得られない。したがって、電力制御用デバイス基板に使用するSiC単結晶には、不純物濃度が低いことが求められていた。特に、薄く加工したSiCウエハは、単結晶の品質が低い場合、割れやすく取り扱い性が良くないという問題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、取り扱い性に優れ、電力制御用デバイス基板等に好適に用いることができる炭化珪素単結晶及びそれを用いた電力制御用デバイス基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、クロム濃度が1.0×1015atoms/cm以上1.0×1018atoms/cm以下であり、且つ、アルミニウム濃度が1.0×1018atoms/cm以上1.0×1020atoms/cm以下である、炭化珪素単結晶を提供する。
従来は、上述したように単結晶内の不純物量を低減することで結晶品質の向上が図られていた。これに対し、上記本発明の炭化珪素単結晶によれば、クロム濃度及びアルミニウム濃度を上記範囲内とすることにより、従来よりも不純物量が多いにも関わらず、単結晶の転位密度を低減することができ、薄く加工した場合であっても割れが発生しにくく、優れた取り扱い性を有することができる。そのため、上記本発明の炭化珪素単結晶は、電力制御用デバイス基板等に好適に用いることができる。従来よりも不純物量が多いにも関わらず本発明の炭化珪素単結晶が優れた取り扱い性を有する理由については明らかではないが、本発明者らは、クロム濃度及びアルミニウム濃度を上記範囲内とすることで、結晶の脆性及び靭性の改善効果が生じたためであると推察する。
本発明の炭化珪素単結晶は、窒素濃度が1.0×1016atoms/cm以上1.0×1020atoms/cm以下であってもよい。炭化珪素単結晶が窒素を含む場合において、窒素濃度が上記範囲内であれば、結晶の強度低下を抑制することができる。
本発明の炭化珪素単結晶は、クロム及びアルミニウムを除く金属元素の濃度の総量が1.0×1018atoms/cm以下であることが好ましい。クロム及びアルミニウムを除く金属元素の濃度の総量が上記範囲内であることにより、クロム及びアルミニウムを除く金属元素が結晶の強度に与える影響を、無視できるほど小さいものとすることができる。
本発明はまた、上記本発明の炭化珪素単結晶を用いて製造された電力制御用デバイス基板を提供する。かかる電力制御用デバイス基板は、上記本発明の炭化珪素単結晶を用いて製造されているため、薄く加工されていても割れが発生しにくく、優れた取り扱い性を有するものとなる。
本発明によれば、取り扱い性に優れ、電力制御用デバイス基板等に好適に用いることができる炭化珪素単結晶及びそれを用いた電力制御用デバイス基板を提供することができる。
本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法で用いる結晶成長装置の全体構造を示す要部断面図である。 本実施形態に係る炭化珪素単結晶の製造方法で用いる結晶成長装置の全体構造を示す要部断面図である。 転位密度測定をする際の、炭化珪素単結晶の模式図である。 3点曲げ試験の模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、本実施形態における圧力単位はゲージ圧である。
[SiC単結晶の製造]
まず、本実施形態に係るSiC単結晶を製造するための製造方法について説明する。SiC単結晶の製造方法は、結晶育成準備を行う準備工程、表面研磨したSiC種結晶表面に残留している加工変質層を除去するメルトバック工程、及び、SiC単結晶を育成する成長工程を備える。SiC単結晶の製造にあたっては、図1及び図2に示すSiC単結晶成長装置を用いることができる。
(結晶成長装置の概要)
図1及び図2は、本実施形態に係るSiC単結晶の製造方法で用いる結晶成長装置の全体構造を示す要部断面図であり、それぞれ上記成長工程における結晶成長装置の状態を示している。
図1に示すSiC単結晶成長装置は、原料溶液2が充填された黒鉛製原料容器1(炭素源)及びそれを支持する黒鉛製容器支持体8を備え、黒鉛製種結晶支持体4の下方端面に保持されたSiC種結晶3を原料溶液2に浸漬し、黒鉛製ヒーター6で加熱することによって、SiC成長結晶5を形成する装置である。これらは、保温のために、断熱構造材7で覆われており、さらに全体が、不活性ガス導入口9及びガス排気口10を備える密閉容器本体11に収容されている。さらに、密閉容器本体11の外部には、黒鉛製原料容器1等の温度を測定するための放射温度計12、並びに、電極15に接続された直流電圧印加電源14及び電流計13が備えられている。
本実施形態においては、炭素源として黒鉛製原料容器1を用いているが、他の材料からなる容器を用いてもよい。他の材料とは、成長工程における加熱に耐え得る非消耗性の材料であれば特に制限されず、原料溶液2に炭素を供給できる黒鉛以外の材料でもよく、原料溶液2に炭素を供給しない材料であってもよい。原料溶液2に炭素を供給しない材料からなる容器を用いる場合には、固体の炭素源を容器中に投入する、又は気体の炭素源を原料溶液2に吹き込む若しくは雰囲気ガスに混入させることによって、原料溶液2に炭素を供給することができる。固体の炭素源としては、ブロック状、棒状、顆粒状、粉体状等の黒鉛、金属の炭化物、SiCなどを用いることができる。また、気体の炭素源としては、CH等の炭化水素ガスを用いることができる。
原料溶液2としては、Si融液にCr及びAlを溶解した溶液(すなわち、Si−Cr−Al溶液)を用いる。原料溶液2の組成をSiCrAl(x、y及びzの単位はmol%(at%))で表すと、yは10<y<60を満たすことが好ましく、20<y<50を満たすことがより好ましく、35<y<45を満たすことがさらに好ましく、また、zは0.5<z<10を満たすことが好ましく、0.5<z<7を満たすことがより好ましい。y及びzをこのような範囲にすることにより、Si−Cr−Al溶液を用いた際の、良好な結晶性の維持を好適に行うことができ、また、結晶中に含まれるクロム及びアルミニウムの濃度を適切な範囲に制御することができる。
原料溶液2の調製に用いられる原材料(各原子源)としては、それぞれ例えば下記のものが挙げられる(各元素の炭化物、各元素のシリサイド等を使用できる)。
Si源:Si、SiC、クロムシリサイド、アルミシリサイド。
Cr源:金属Cr、炭化クロム、クロムシリサイド。
Al源:金属Al、炭化アルミ、アルミシリサイド。
ここで、原料溶液2中の各原子の含有量は次のようにして算出できる。例えば、原料溶液2の組成がSiCrAlである場合において、Si源、Cr源及びAl源としてそれぞれSi、金属Cr及び金属Alを用いたときを考える。このとき、各原料の質量から算出したSi、Cr及びAlのモル数をそれぞれMSi、MCr及びMAlとし、これらの各モル数を、MSi、MCr及びMAlの合計モル数により割ることにより、x、y及びzがそれぞれ算出される。
SiC種結晶3としては、例えば昇華法により作製されたものであり、表面研磨されているウエハを利用することができる。SiC種結晶3の形状は、円盤形状、六角形平板形状、四角形平板形状等の板状でも、立方体状でもよいが、板状が好ましい。また、その大きさは、例えば円盤形状であれば、直径0.1cm以上が好ましく、0.5cm以上がより好ましく、1cm以上がさらに好ましい。直径の好ましい上限は特に制限されるものでなく、結晶成長装置の容量に合わせて調整すればよく、例えば10cmでも構わない。
SiC種結晶3の結晶構造は、目的とするSiC成長結晶の種類に合わせて適宜選択でき、例えば2H型、3C型、4H型、6H型等を用いることができる。例えば、2H型のSiC成長結晶を得ようとする場合には、2H型のSiC種結晶3を用いることが好ましい。なお、本実施形態においては、SiC種結晶3として、気相法等で作製された4H型のSiC種結晶3(4H−SiC単結晶ウエハ)を用いることが好ましい。
SiC単結晶はSiとCとが層状に積層した構造であるため、SiC種結晶3は、結晶表面にCが並んだC面が露出しているものと、Siが並んだSi面が露出しているものとが存在する。本実施形態において、どちらのSiC種結晶3も使用可能であるが、C面から結晶育成を開始することで、より表面モフォロジーの良好な結晶を作製することができる。
また、本実施形態において、SiC種結晶3の成長面としては、(0001)面(オンアクシス(on−axis)面)及び(0001)面から傾いた面(オフアクシス(off−axis)面)のいずれを用いてもよい。なお、将来的にSiCデバイスを作製する際、SiC単結晶から作製した基板の上に、SiCエピタキシャル膜を形成し、さらにエピタキシャル膜のキャリア密度等を調整して素子化する。このエピタキシャル膜の製膜時には、オフ基板が使用されることから、オフアクシス面を用いることが好ましい。これによりエピタキシャル製膜の際に歩留まりを良好にすることができる。
黒鉛製ヒーター6には、抵抗加熱方式の加熱装置を用いることができる。抵抗加熱方式で黒鉛製原料容器1を加熱する方法の別の実施態様として、黒鉛製原料容器1と直流電圧印加電源14とを電気的に接続し、黒鉛製原料容器1に直接、電流を供給して抵抗熱を発生させる方式が考えられる。ただしこの場合、黒鉛製原料容器1を介して原料溶液2に大電流が流れ、その電流により原料溶液2の対流が阻害される懸念がある。したがって、図1及び図2に示すように、黒鉛製原料容器1の周囲に配置した黒鉛製ヒーター6により加熱することが好ましい。
また、黒鉛製ヒーター6の熱により、黒鉛製種結晶支持体4が過剰に加熱され、黒鉛製種結晶支持体4のSiC種結晶3を保持している面、及びSiC種結晶3の温度が原料溶液2の温度よりも高くなることを抑制する観点から、図1及び図2に示すように、黒鉛製ヒーター6の内面と黒鉛製種結晶支持体4が対向する領域では、それらの間に黒鉛製原料容器1を介在させることが好ましい。
(準備工程)
図2を適宜参照しながら、本実施形態のSiC単結晶の製造方法について説明する。
まず、黒鉛製原料容器1に原料溶液2の原料を充填し、黒鉛製種結晶支持体4の下方端面に保持されたSiC種結晶3を、原料溶液2の液面から上方に離して配置する。次いで、密閉容器本体11内を真空引きした後、真空排気を続けながら昇温する。ここでの真空度及び温度は、特に制限されないが、原料及び断熱構造材に含まれる不純物を除去できる程度、例えば、それぞれ−100kPa以下及び1050℃程度である。
その後、成長雰囲気ガスを導入し、密閉容器本体11内の圧力を例えば5kPa程度、成長雰囲気ガス流量を例えば10L/min程度とし、昇温する。成長雰囲気ガスは、特に制限はないが、SiC結晶及び溶液の酸化を防止するために、He、Ne、Ar等の不活性ガスであることが好ましい。または、該不活性ガスにN、H、CH等のガスを混合したものを成長雰囲気ガスとして用いてもよい。また、ここでの昇温によって、黒鉛製原料容器1内の溶液2の原料が融解し溶液化することが好ましく、例えば1800℃程度まで昇温する。
さらに、電極−装置(容器支持体)間の電流経路16のように、電極15と黒鉛製原料容器1の間に一定の電圧をかけて電流を流し、その電流が例えば0.2mA程度まで低下しきるまで上記の温度を保持し続ける。
以上の工程によって、原料及び断熱構造材に含まれる不純物を除去することができる。
(メルトバック工程)
上記準備工程に続いて、密閉容器本体11内の圧力を成長圧力まで昇圧し、例えば1950℃程度まで昇温する。なお、不活性ガス雰囲気であれば加圧雰囲気及び減圧雰囲気のいずれの雰囲気でも構わない。ただし、減圧雰囲気では原料溶液2から特にAlの蒸発が起こるため、Alの消耗が激しく、長時間安定して育成することができないため好ましくない。原料溶液2の蒸発を抑制する観点から、0.1MPa以上であることが好ましく、例えば0.8MPa程度であることがより好ましい。
次いで、黒鉛製種結晶支持体4及びSiC種結晶3を、原料溶液2表面に向けてゆっくり降下させ、SiC種結晶3の下方表面が原料溶液2に接触するところで降下を停止し、すぐにその位置から上昇させる。この一連の操作において、SiC種結晶3は原料溶液2に浸漬するが、黒鉛製種結晶支持体4は原料溶液2に浸漬しない位置で保持する。
黒鉛製種結晶支持体4が原料溶液2に浸漬していると、以下のような弊害が生じる可能性がある。すなわち、結晶成長時に、表面張力により原料溶液2が黒鉛製種結晶支持体4の側面に這い上がり、メニスカスを形成する。そしてメニスカスが形成された領域では、原料溶液2の体積が小さくなるので、原料溶液2の温度が局所的に急激に冷やされて結晶が形成される。黒鉛製種結晶支持体4の側面に結晶が形成されると、それがSiC成長結晶5上に回り込み、結晶成長を阻害する。また、この現象により形成される結晶は多結晶となる可能性があり好ましくない。
したがって、黒鉛製種結晶支持体4が原料溶液2に浸漬しないように、上述のとおり、SiC種結晶3を原料溶液2に接触させた後に上昇させることが好ましいが、上昇させる距離は、結晶成長時にSiC種結晶3及びSiC成長結晶5に形成されるメニスカスの高さが、5mm以下となるような距離であることが好ましく、3mm以下となるような距離であることがより好ましく、1mm以下となるような距離であることがさらに好ましい。上昇させる距離が上記の範囲内であることによって、上述の弊害を防止しやすくなる。
その後、育成温度まで昇温させることで、SiC種結晶3の表面を含む一部が溶融される。育成温度Tは、状態図における液相線がliquid相とliquid+SiC相の境界となっている温度において適宜設定すればよいが、1800〜2200℃であることが好ましく、1900〜2100℃であることがより好ましい。なお、本実施形態における育成温度は、黒鉛製原料容器1底部の下方表面の温度を意味し、放射温度計12により測定される。なお、所望の育成温度において結晶育成を行うには、原料溶液2中の炭素濃度が飽和濃度に達していることが必須である。したがって、所望の育成温度に達した後、結晶育成を開始するまでには、原料溶液2中の炭素濃度が飽和濃度に達するまで待つことが好ましい。
なお、SiC種結晶3を原料溶液2に接触させた後、結晶育成を開始する前に、エッチバック工程を設けることが好ましい。これは、結晶成長開始時に種結晶の成長面が汚染されていると、成長した結晶の品質が著しく低下するためである。これにより、表面研磨したSiC種結晶3の表面に残留している加工変質層を除去することができる。
(成長工程)
溶液成長法では、種結晶近傍が原料溶液に比べて温度が低くなるように温度勾配を形成することで過飽和状態を作り出し結晶成長させる方法(温度勾配法)が、長時間安定に結晶成長を行えるため一般的である。本実施形態においても温度勾配法により実施することが好ましい。なお、別の方法として、種結晶を浸漬した溶液全体の温度を下げることで過飽和状態を形成し、結晶成長を行う方法(徐冷法)も挙げられる。徐冷法では加熱と冷却とを繰り返し行うことで結晶成長させるが、成長中に温度が変化して育成条件が安定しないため、高品質結晶の作製には好ましくない。
本実施形態において、結晶成長のメカニズムは以下のように説明される。すなわち、SiC種結晶3近傍の原料溶液2の熱が、SiC種結晶3及び黒鉛製種結晶支持体4を介して外部に伝達されるので、SiC種結晶3近傍の原料溶液2の温度が低下する。このため、SiC種結晶3近傍の原料溶液2内には温度勾配が生じる。そして、温度が低い領域では、原料溶液2中の炭素が過飽和状態となるため、SiC種結晶3の表面にSiC成長結晶5が析出する。
ここで、本実施形態における温度勾配とは、より具体的には、黒鉛製原料容器1底部の下方表面(「点A」とする)における温度をT(℃)、融液表面(「点B」とする)における温度をT(℃)として、以下のように定義される。
温度勾配(℃/cm)=(T−T)/(点A−B間の距離(cm))
なお、上記T及びTは、放射温度計及び熱伝対(成長中は測定しておらず別実験を行い測定)によって測定することができる。
温度勾配は0.1〜10℃/cmであることが好ましく、0.1〜5℃/cmであることがより好ましく、0.1〜1℃/cmであることがさらに好ましい。温度勾配を上記範囲内にすることによって、結晶成長面を比較的高品質に保ちつつ長時間の結晶育成を行うことができる。温度勾配は、例えばヒーターの上下出力比を変えることによって制御することができる。
原料溶液2に浸漬したSiC種結晶3を、例えば50μm/h程度の速度で上方に引き上げながら、必要なSiC成長結晶5の厚さに応じた時間だけ、SiC種結晶3上にSiC成長結晶5を形成し、その後、SiC種結晶3を原料溶液2から切り離す。以上により、SiC単結晶が得られる。なお、溶液成長法では、一般に結晶育成時に種結晶及び坩堝を回転させながら行う。この回転の回転軸は、種結晶保持軸及びそれに平行な坩堝保持軸に対して平行な回転軸となっている。種結晶及び坩堝の回転方向は同じでもよいし逆になってもよい。また、その回転数は、例えば2〜70rpm程度の範囲で一定にしてもよく、周期的に変化させてもよい。
[SiC単結晶]
本実施形態のSiC単結晶は、インゴット状又はウエハ状のSiC単結晶である。インゴット状のSiC単結晶は、上述の製造法により得られる円柱状のSiC成長結晶5をSiC種結晶3から切り離すことにより得ることができる。SiC種結晶3からSiC成長結晶5を切り離す際には、例えばSiC種結晶3とSiC成長結晶5との界面からSiC成長結晶5側に約0.3mmの位置で切り離すことができる。また、ウエハ状のSiC単結晶は、得られるインゴット状のSiC単結晶を、所望の厚さにスライスすることにより得ることができる。
本実施形態のSiC単結晶の結晶構造は特に限定されず、例えば2H型、3C型、4H型、6H型等の結晶構造とすることができる。これらの中でも、電力制御用デバイス基板等に好適に用いることができることから、本実施形態のSiC単結晶は4H型のSiC単結晶であることが好ましい。
本実施形態のSiC単結晶において、クロム濃度(Cr濃度)は1.0×1015atoms/cm以上1.0×1018atoms/cm以下である。クロム濃度が1.0×1015atoms/cm以上であることにより、結晶を薄く加工した場合でも、割れが発生しにくい。一方、クロム濃度が1.0×1018atoms/cm以下であることにより、不純物量増加による結晶の強度低下を抑制することができる。上記効果をより十分に得る観点から、クロム濃度は3.0×1015atoms/cm以上であることが好ましく、9.0×1015atoms/cm以上であることがより好ましい。一方、上記効果をより十分に得る観点から、クロム濃度は3.0×1017atoms/cm以下であることが好ましく、1.0×1017atoms/cm以下であることがより好ましい。
本実施形態のSiC単結晶において、アルミニウム濃度(Al濃度)は1.0×1018atoms/cm以上1.0×1020atoms/cm以下である。アルミニウム濃度が1.0×1018atoms/cm以上であることにより、薄く加工した場合であっても割れが発生しにくく、優れた取り扱い性を有するSiC単結晶を得ることができる。一方、アルミニウム濃度が1.0×1020atoms/cm以下であることにより、過剰なアルミニウムの存在に起因して結晶欠陥が生じることを抑制することができ、転位密度が低く、薄く加工した場合であっても割れが発生しにくく、優れた取り扱い性を有するSiC単結晶を得ることができる。上記効果をより十分に得る観点から、アルミニウム濃度は2.0×1018atoms/cm以上であることが好ましく、4.0×1018atoms/cm以上であることがより好ましい。一方、上記効果をより十分に得る観点から、アルミニウム濃度は5.0×1019atoms/cm以下であることが好ましく、2.5×1019atoms/cm以下であることがより好ましい。
本実施形態のSiC単結晶が窒素を含む場合、窒素濃度(N濃度)は1.0×1016atoms/cm以上1.0×1020atoms/cm以下であることが好ましい。窒素濃度が1.0×1020atoms/cm以下であることにより、4H型の結晶を安定して作製することができる傾向がある。窒素濃度は3.0×1016atoms/cm以上であることがより好ましく、9.0×1016atoms/cm以上であることがさらに好ましい。一方、上記効果をより十分に得る観点から、窒素濃度は7.0×1019atoms/cm以下であることがより好ましく、4.0×1019atoms/cm以下であることがさらに好ましい。なお、本実施形態のSiC単結晶は、窒素を含まなくてもよい。
本実施形態のSiC単結晶において、クロム及びアルミニウムを除く金属元素の濃度の総量は1.0×1018atoms/cm以下であることが好ましい。クロム及びアルミニウムを除く金属元素の濃度の総量が1.0×1018atoms/cm以下であることにより、結晶の強度が向上する傾向がある。上記効果をより十分に得る観点から、クロム及びアルミニウムを除く金属元素の濃度の総量は5.0×1017atoms/cm以下であることがより好ましく、2.5×1017atoms/cm以下であることがさらに好ましい。
SiC単結晶中のCr濃度、Al濃度、N濃度、並びに、Cr及びAlを除く金属元素の濃度は、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectroscopy ;SIMS)により測定することができる。
本実施形態のSiC単結晶において、Cr濃度、Al濃度、並びに、Cr及びAlを除く金属元素の濃度の制御は、上述のSiC単結晶の製造法において使用する原料溶液2において、Cr源、Al源、並びに、Cr及びAl以外の金属元素源の配合量を調整することにより行うことができる。なお、原料溶液2には、Cr及びAl以外の金属元素源を配合しないことが好ましく、上述のSiC単結晶の製造過程において、Cr及びAl以外の金属元素が極力混入しないようにすることが好ましい。また、本実施形態のSiC単結晶において、窒素濃度の制御は、雰囲気中に導入するガス量を調整することにより行うことができる。
本実施形態のSiC単結晶の直径は、0.1cm以上が好ましく、0.5cm以上がより好ましく、1cm以上がさらに好ましい。直径の好ましい上限は特に制限されるものでなく、例えば10cmとすることができる。
[SiC単結晶の転位密度評価(欠陥評価)]
本実施形態のSiC単結晶の転位密度測定方法を、図3を参照しながら説明する。
図3は、転位密度測定をする際の、SiC単結晶の模式図である。図3においては、SiC種結晶3上にSiC成長結晶5があり、SiC種結晶3及びSiC成長結晶5の(0001)面に対して微傾斜をつけて研磨された研磨面17が表されている。
図3のように研磨加工されたSiC種結晶3及びSiC成長結晶5を、溶融アルカリに浸漬することにより、研磨面上にエッチピットが形成される。溶融させるアルカリとしては、NaOH、KOH、KCl等のアルカリ金属の水酸化物又は塩を、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
形成されたエッチピットの形状から、転位の種類を判断し、各種転位密度を計測することができる。エッチピットについては、大別して、半球状の窪みとして現れるものと、流星状の窪みとして現れるものの2種類がある。前者が貫通転位、後者が基底面転位に該当する。また、結晶中の電子キャリア濃度が1×1018cm−3以下の場合に限り、半球状の窪みのうち一部が六角錐状の窪みとして現れるようになる。この場合には、半球状の窪みが貫通刃状転位、六角錐状の窪みが貫通螺旋転位と同定でき、貫通転位の種類を判別することが可能となる。なお、上記では、SiC種結晶3からSiC成長結晶5が切り離される前の状態での転位密度の評価方法について説明したが、もちろんSiC成長結晶5単独の場合でも同様にして転位密度を評価することができる。
[SiCウエハの取り扱い性評価]
SiCウエハの取り扱い性は、例えば3点曲げ試験による強度測定により評価することができる。強度の評価は、JIS規格(例えばJIS R1601の「ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法」)、又は、IPC規格(例えばIPC−TM−650 2.4.4)に定められる3点曲げ試験による評価が一般的である。これらの規格は厚さ0.8mm以上の材料に対応したものであるが、本実施形態のSiC単結晶については、これらの規格に準拠し、以下の条件により強度を測定することができる。
まず、SiC種結晶on−axis基板のC面上にSiC単結晶を成長させる。成長したSiC単結晶をC面に平行に設定し、厚さ0.35±0.05μmのSiCウエハを作製する。このSiCウエハから3mm×10mmの試験片を10枚切り出し、3点曲げ試験を行い、曲げ強さと破断応力を測定する。3点曲げ試験の模式図を図4に示す。図4の(a)は側面図であり、図4の(b)は上面図である。3点曲げ試験は、例えばオートグラフ(株式会社島津製作所製、商品名:AG−1kNX)を用いて行うことができる。図4において、2支点(22,22)間距離Lは3.2mm、試料の厚さtは0.35mm±0.05mm、測定温度は20℃、試験速度vは0.03〜0.1mm/minとして測定し、10枚の試験片のうち、測定結果の最大値を示したものと最小値を示したものの2枚を除いた8枚の測定結果の平均値を算出する。算出された曲げ強さ及び破断応力が大きいほど、取り扱い性に優れていると判断することができる。
[電力制御用デバイス基板]
本実施形態の電力制御用デバイス基板は、上記本実施形態のSiC単結晶を用いて製造されたものである。本実施形態の電力制御用デバイス基板は、サイリスタ、GTOサイリスタ、バイポーラトランジスタ、MOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、静電誘導トランジスタ(SIT)等の電力制御用デバイスを構成する基板として好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[SiC単結晶の作製]
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
図1に示すSiC単結晶成長装置を用いて、SiC単結晶を育成した。
<準備工程>
原料溶液の初期組成がSi/Cr/Al=(60−z)/40/z(単位はat%)となるように、各原料を黒鉛製原料容器(円筒型るつぼ、内径50mm、外径70mm、高さ100mm)に充填した。なお、各実施例及び比較例におけるzの値、すなわちアルミニウム原子の割合(以下、「CAl」とも言う)は表1に示す通りとした。また、炭素は結晶成長中に黒鉛製原料容器から溶液内に供給した。この黒鉛製原料容器を結晶成長装置内に設置し、黒鉛製種結晶支持体の下方端面に存在する4H−SiC種結晶(円盤形状、直径22mm、厚さ0.5mm、成長面:(0001)面(オンアクシス面))のC面を溶液液面から14.5cm上方に保持した。この状態で、装置内を真空排気しながら所定の温度まで昇温した。
その後、成長雰囲気ガスとしてHeガスを装置内に導入した。この時点で黒鉛製原料容器内の溶液原料は融解し溶液化した。
<メルトバック工程>
準備工程の後、成長圧力である800kPaまで昇圧、育成温度よりも50℃低い温度まで昇温し、種結晶を溶液液面に向けてゆっくり下降させ、種結晶表面が溶液にちょうど接触するところで下降を停止し、すぐに、その種結晶位置から1mm上方に種結晶を移動させた。この種結晶位置で、育成温度である2050℃まで昇温させ、24時間保持することで、種結晶表面を含む種結晶の一部を溶融させた。なお、2050℃への昇温にともなう黒鉛製種結晶支持体の熱膨張を考慮すると、育成温度2050℃における種結晶表面と液面間の距離は0mm程度と見積もられる(メニスカス高さ:0mm)。
<成長工程>
メルトバック工程の後、種結晶を50μm/hの速度で上方に引き上げることで単結晶の育成を開始した。育成中は、種結晶近傍の温度勾配を0.38℃/cm、成長雰囲気ガス流量を0.5L/minとした。また、種結晶と原料容器は互いに逆方向に回転させており、種結晶の回転数を50rpm、原料容器の回転数を10rpmとした。上記条件で種結晶を原料溶液から引き上げ、4H−SiC単結晶を作製した。得られた単結晶の成長厚さは1.1mmであった。
(実施例8〜11及び比較例5)
原料溶液の初期組成をSi/Cr/Al=(50−z)/50/z(単位はat%)に変更し、各実施例及び比較例におけるzの値、すなわちCAlを表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、SiC単結晶を作製した。
(実施例12〜15及び比較例6)
成長雰囲気ガスをHeの代わりにHeとNの混合ガス(N/(He+N)=0.003)を用いたことと、各実施例及び比較例におけるzの値、すなわちCAlを表1に示す通りとしたこと以外は実施例1と同様にして、SiC単結晶を作製した。
(実施例16)
原料溶液の初期組成をSi/Cr/Al=86/10/4(単位はat%)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、SiC単結晶を作製した。
(比較例7)
原料溶液の初期組成をSi/Cr=80/20(単位はat%)とし、Alを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、SiC単結晶を作製した。
(比較例8)
原料溶液の初期組成をSi/Cr=90/10(単位はat%)とし、Alを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、SiC単結晶を作製した。
(比較例9)
原料溶液の初期組成をSi=100(単位はat%)とし、Cr及びAlを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、SiC単結晶を作製した。
(比較例10)
原料溶液の初期組成をSi/Cr=35/65(単位はat%)とし、Alを使用しなかったこと以外は実施例1と同様にして、SiC単結晶を作製した。
(比較例11)
原料溶液の初期組成をSi/Cr/Al/Mn=42/40/4/4(単位はat%)としたこと以外は実施例1と同様にして、SiC単結晶を作製した。
[SiC単結晶の評価]
上記のように結晶育成を行った場合の、得られたSiC単結晶の転位密度及び各元素の濃度を調べた。具体的には、以下のようにして測定を行った。
<転位密度の測定>
SiC単結晶の転位密度を調べる目的で、溶融アルカリエッチング法を用いて各種転位に対応したエッチピットの密度を測定した。試料については、図3に示すように(0001)成長面に対し微傾斜をつけて種結晶側から結晶トップに向かって研磨加工したものを用いた。溶融アルカリエッチング処理は、ニッケル製のるつぼにNaOH、KOH及びKClを、NaOH:KOH:KCl=1:1:1のモル比で入れ、500℃にて加熱溶融させた後、単結晶試料をこの融液に5〜10分間浸けることにより、研磨面上にエッチピットを形成させ、総転位密度(cm−2)を計測した。総転位密度が低いほど、単結晶の品質が優れている。結果を表1に示す。
<各元素濃度の測定>
SiC単結晶中のクロム(Cr)濃度、アルミニウム(Al)濃度、窒素(N)濃度、並びに、Cr及びAlを除く金属元素濃度を、二次イオン質量分析法により測定した。Cr濃度、Al濃度及びN濃度の測定結果を表1に示す。なお、比較例7〜10で得られたSiC単結晶のアルミニウム濃度及び比較例9で得られたSiC単結晶のクロム濃度は、検出限界未満(1×1015atoms/cm未満)であった。また、Cr及びAlを除く金属元素濃度の総量は、全ての実施例及び比較例1〜10において、1.0×1018atoms/cm以下であった。比較例11で得られたSiC単結晶については、Cr及びAlを除く金属元素濃度の総量は1.0×1019atoms/cmであった。
[SiCウエハの取り扱い性評価]
各実施例及び比較例で得られた4H−SiC単結晶から、成長方向を厚さ方向として、厚さ0.35±0.05μmのSiCウエハを作製した。このSiCウエハから3mm×10mmの試験片(板状材料)を10枚切り出し、3点曲げ試験を行い、破断応力を測定した。なお、試験片は3mmの辺が<11−20>方向と平行になるようにした。3点曲げ試験は、オートグラフ(株式会社島津製作所製、商品名:AG−1kNX)を用いて行った。3点曲げ試験の模式図を図4に示す。図4において、2支点(22,22)間距離Lは3.2mm、試験片21の厚さtは0.35mm±0.05mm、測定温度は20℃、試験速度vは0.05mm/minとし、支点(22,22)間中央を荷重発生点(線)23として破断応力の測定を行った。10枚の試験片のうち、測定結果の最大値を示したものと最小値を示したものの2枚を除いた8枚の測定結果の平均値を算出した。破断応力の平均値が300MPa以上のものを取り扱い性「A」、200MPa以上300MPa未満のものを取り扱い性「B」、200MPa未満のものを取り扱い性「C」として評価した。破断応力が大きいほど取り扱い性に優れている。結果を表1に示す。
Figure 2016172674
1…黒鉛製原料容器、2…原料溶液、3…炭化珪素(SiC)種結晶、4…黒鉛製種結晶支持体、5…炭化珪素(SiC)成長結晶、6…黒鉛製ヒーター、7…断熱構造材、8…黒鉛製容器支持体、9…不活性ガス導入口、10…ガス排気口、11…密閉容器本体、12…放射温度計、13…電流計、14…直流電圧印加電源、15…電極、16…電流経路、17…研磨面。

Claims (4)

  1. クロム濃度が1.0×1015atoms/cm以上1.0×1018atoms/cm以下であり、且つ、アルミニウム濃度が1.0×1018atoms/cm以上1.0×1020atoms/cm以下である、炭化珪素単結晶。
  2. 窒素濃度が1.0×1016atoms/cm以上1.0×1020atoms/cm以下である、請求項1に記載の炭化珪素単結晶。
  3. クロム及びアルミニウムを除く金属元素の濃度の総量が1.0×1018atoms/cm以下である、請求項1又は2に記載の炭化珪素単結晶。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の炭化珪素単結晶を用いて製造された電力制御用デバイス基板。
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