JP5435310B2 - 回転電機制御装置、および、これを用いた操舵制御システム - Google Patents
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Description
また、請求項1に記載の発明では、制御手段は、回転電機の駆動を停止させる制御をするとき、少なくとも1つの相の巻線に流す目標電流値が非ゼロの所定の値に算出されるよう目標電流値算出手段を制御することによって、少なくとも1つの相のPWM信号のパルス変化のタイミングと、他の相のPWM信号のパルス変化のタイミングとが異なるようにPWM信号が生成されるようPWM信号生成手段を制御する。ここで、非ゼロの所定の値とは、ゼロではない所定の値であって、回転電機の駆動に影響を与えない程度の小さな値である。
本発明は、PWM信号生成手段によってパルス変化のタイミングの異なるPWM信号を生成するにあたり、目標電流値算出手段の具体的な制御の仕方を例示するものである。少なくとも1つの相の巻線に、回転電機の駆動に影響を与えない程度の小さな電流を流すことにより、PWM信号生成手段により生成されるPWM信号のパルス変化のタイミングをずらすことができ、電圧印加手段により巻線に印加される電圧の印加タイミングをずらすことができる。したがって、回転電機の駆動停止時に回転電機制御装置または回転電機から発生するラジオノイズを低減することができる。
(第1実施形態)
回転電機制御装置21は、インバータ30および制御IC40等を備えている。
スイッチング素子34〜36とグランドとの間には、シャント抵抗37が設けられている。シャント抵抗37の両端に印加される電圧を検出することにより、モータ10の各相に流れる電流を検出可能である。
マイコン41は、回転角センサ15、トルクセンサ5、シャント抵抗37、CANからの車速情報等に基づき、モータ10が車速に応じてステアリング4の操舵をアシストするトルクを出力するよう、モータ10の巻線11、12、13に流すq軸電流に関し目標電流値を算出する。ここで、マイコン41は、特許請求の範囲における「目標電流値算出手段」として機能する。
本実施形態では、マイコン41は、モータ10の駆動を停止させる制御をするとき、まず、目標電流値算出手段として機能することで、全ての各相の巻線(11、12、13)に流す目標電流値が非ゼロの所定の値となるよう算出する。ここで、非ゼロの所定の値とは、ゼロではない所定の値であって、モータ10の駆動に影響を与えない程度の小さな値である。すなわち、当該所定の値の電流は、モータ10の出力トルクに寄与しない程度の小さな電流である。
比較例の回転電機制御装置は、物理的な構成は、本実施形態と同様である。比較例では、マイコン41は、モータ10の駆動を停止させる制御をするとき、各相の巻線(11、12、13)に流す目標電流値がゼロとなるよう算出する。
例えば、U相に対応するインバータ30のスイッチング素子31またはスイッチング素子34にオフ故障等の異常が生じた場合、あるいは、モータ10のU相に対応する巻線11に断線等の異常が生じた場合、回転電機制御装置21は、他の2相(V相、W相)によりモータ10の駆動を継続する。すなわち、このとき、モータ10は2相駆動となる。
そして、マイコン41は、PWM信号生成手段として機能することで、算出した各相毎の目標電流値に基づき、各相毎にPWM信号を生成する。ここで、各相の目標電流値が非ゼロの値のため、マイコン41が生成するパルス状のPWM信号(V相、W相)は、それぞれ、立ち上がりのタイミング、および、立ち下がりのタイミングが異なるように生成される。なお、PWM信号のデューティー比は約50%である。
本発明の第2実施形態による回転電機制御装置について、図5に基づいて説明する。第2実施形態は、2つの系統の巻線組を有するモータを制御対象とする点で、第1実施形態と異なる。
マイコン41は、回転角センサ15、トルクセンサ5、シャント抵抗37、67、CANからの車速情報等に基づき、モータ50が車速に応じてステアリング4の操舵をアシストするトルクを出力するよう、モータ50の巻線11、12、13、51、52、53に流すq軸電流に関し目標電流値を算出する。ここで、マイコン41は、特許請求の範囲における「目標電流値算出手段」として機能する。
本実施形態では、マイコン41は、モータ50の駆動を停止させる制御をするとき、まず、目標電流値算出手段として機能することで、全ての各相の巻線(11、12、13、51、52、53)に流す目標電流値が非ゼロの所定の値となるよう算出する。ここで、非ゼロの所定の値とは、ゼロではない所定の値であって、モータ50の駆動に影響を与えない程度の小さな値である。すなわち、当該所定の値の電流は、モータ50の出力トルクに寄与しない程度の小さな電流である。
本発明の第3実施形態による回転電機制御装置について説明する。第3実施形態は、物理的な構成は第2実施形態と同様であるものの、モータ50の駆動を停止させるときの制御の仕方が第2実施形態と異なる。
本実施形態の回転電機制御装置が駆動対象とするモータ50は、例えば第1巻線組101および第2巻線組102の物理定数が等しいとし、機械的損失等により、2系統の合計でq軸電流として5A(アンペア)以上の電流が流されると、発生したトルクにより、停止していたモータ50が駆動し始めるものとする。ただし、ここで2つの巻線組の物理定数を等しいとしたのは説明を簡単にするためであって、実際は異なってもよい。
上述の実施形態では、1つの巻線組を構成する3つ(3相)の巻線がY結線により接続された回転電機を制御対象とする例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、3つの巻線がデルタ結線により接続された回転電機を制御対象としてもよい。また、1つの巻線組が、2つ(2相)または4つ(4相)以上の巻線により構成された回転電機を制御対象としてもよい。
このように、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で他の種々の実施形態に適用可能である。
11、12、13、51、52、53 ・・・巻線
101 ・・・・・第1巻線組(巻線組)
102 ・・・・・第2巻線組(巻線組)
10、50 ・・・モータ(回転電機)
41 ・・・・・・マイコン(目標電流値算出手段、PWM信号生成手段、制御手段)
42、43 ・・・プリドライバ(電圧印加手段)
30、60 ・・・インバータ(電圧印加手段)
Claims (9)
- 複数相の巻線からなる巻線組を有する回転電機を制御する回転電機制御装置であって、
前記巻線に流す目標電流値を算出する目標電流値算出手段と、
前記目標電流値算出手段により算出した前記目標電流値に基づき、前記巻線毎にパルス状のPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
前記PWM信号生成手段により生成された前記PWM信号に基づき、前記巻線に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記目標電流値算出手段、前記PWM信号生成手段および前記電圧印加手段を制御することにより、前記回転電機の駆動を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記回転電機の駆動を停止させる制御をするとき、少なくとも1つの相の前記巻線に流す前記目標電流値が非ゼロの所定の値に算出されるよう前記目標電流値算出手段を制御することによって、少なくとも1つの相の前記PWM信号のパルス変化のタイミングと、他の相の前記PWM信号のパルス変化のタイミングとが異なるように前記PWM信号が生成されるよう前記PWM信号生成手段を制御することを特徴とする回転電機制御装置。 - 前記制御手段は、前記回転電機の駆動を停止させる制御をするとき、全ての各相の前記PWM信号のパルス変化のタイミングと、他の各相の前記PWM信号のパルス変化のタイミングとがいずれも異なるように前記PWM信号が生成されるよう前記PWM信号生成手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の回転電機制御装置。
- 前記パルス変化のタイミングは、前記PWM信号の立ち上がりのタイミング、および、前記PWM信号の立ち下がりのタイミングの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機制御装置。
- 前記制御手段は、前記回転電機の駆動を停止させる制御をするとき、全ての各相の前記巻線に流す前記目標電流値が非ゼロの所定の値に算出されるよう前記目標電流値算出手段を制御することによって、全ての各相の前記PWM信号のパルス変化のタイミングと、他の各相の前記PWM信号のパルス変化のタイミングとがいずれも異なるように前記PWM信号が生成されるよう前記PWM信号生成手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
- 前記制御手段は、前記回転電機の駆動を停止させる制御をするとき、少なくとも1つの相の前記巻線に印加する電圧の印加タイミングと、他の相の前記巻線に印加する電圧の印加タイミングとが異なるように電圧を印加するよう前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転電機制御装置。
- 前記制御手段は、前記回転電機の駆動を停止させる制御をするとき、全ての各相の前記巻線に印加する電圧の印加タイミングと、他の各相の前記巻線に印加する電圧の印加タイミングとがいずれも異なるように電圧を印加するよう前記電圧印加手段を制御することを特徴とする請求項5に記載の回転電機制御装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転電機制御装置と、
車両の操舵輪を転舵させる部材に取り付けられる前記回転電機と、
を備えた操舵制御システム。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転電機制御装置と、
車両の操舵輪とは異なる車輪を転舵させる部材に取り付けられる前記回転電機と、
を備えた操舵制御システム。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転電機制御装置と、
車両の操舵輪を転舵させる部材に取り付けられる第1の前記回転電機と、
前記操舵輪とは異なる車輪を転舵させる部材に取り付けられる第2の前記回転電機と、
を備えた操舵制御システム。
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