JP2016214038A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転電動機で発生する漏れ電流を小さくする駆動装置を提供する。【解決手段】制御部20は、回転電動機30の駆動を停止させる場合、デューティー比が50%のPWM信号をU相のPWM信号として生成し、U相のPWM信号のトグルタイミングに対して、V相及びW相のPWM信号のトグルタイミングを回転電動機30の漏れ電流の半周期分ずつずらす。【選択図】図1

Description

本発明は回転電動機を駆動する駆動装置に関するものである。
一般的に、回転電動機の各相の巻線に対して、デューティー比が50%、且つ、同一位相の電圧を印加すると、回転電動機に供給される電流がゼロとなり、回転電動機は停止する。しかしながら、この場合、各相の巻線への電圧の印加タイミングが1つに重なるので、回転電動機においてスパイク状のコモンモード電流が発生し、ラジオノイズが発生して他の機器に悪影響を与えるという問題がある。ここで、スパイク状のコモンモード電流は回転電動機からグラウンドに漏れ出る電流なので漏れ電流とも称される。
そこで、特許文献1は、回転電動機の駆動を停止させる場合、1つの相のPWM信号のパルス変化のタイミングと、他の相のPWM信号のパルス変化のタイミングとをずらすことで、漏れ電流の発生を低減する技術を開示する。
特許5435310号公報
しかしながら、特許文献1では、具体的にどのくらいの時間、パルス変化のタイミングをずらせばよいかが全く記載されていない。そのため、各相の漏れ電流の重なりはある程度抑制できるが、全体の漏れ電流を1の相に対応する漏れ電流よりも小さくすることはできない。
そこでは、本発明は、回転電動機で発生する漏れ電流を従来の技術よりも小さくできる駆動装置を提供すること目的とする。
本発明の一態様による駆動装置は、回転電動機を駆動する駆動装置であって、
複数の相に対応する複数のスイッチング素子を備え、前記回転電動機の駆動信号を生成するインバータと、
複数の相に対応するPWM信号を生成し、対応するスイッチング素子に入力する制御部とを備え、
前記制御部は、前記回転電動機の駆動を停止させる場合、いずれか1の相に対応するPWM信号のトグルタイミングに対して、残りの相に対応するPWM信号のトグルタイミングを、前記回転電動機の漏れ電流の半周期分ずらす。
この構成によれば、回転電動機の駆動を停止させる場合、いずれか1の相に対応するPWM信号のトグルタイミングに対して、残りの1又は複数の相に対応するPWM信号のトグルタイミングが、回転電動機の漏れ電流の半周期分ずつずらされる。ここで、回転電動機の漏れ電流は減衰振動する特性を持っている。そのため、1の相に対応するPWM信号に対して残りの相に対応するPWM信号のトグルタイミングが漏れ電流の半周期分ずつずらされると、各相に対応する漏れ電流は相殺されるように重なり合う。これにより、漏れ電流の大きさが1の相に対応する漏れ電流よりも小さくなり、従来よりも漏れ電流を抑制できる。
また、上記駆動装置において、前記漏れ電流の半周期を予め記憶するメモリーを更に備え、
前記制御部は、前記メモリーに記憶された前記漏れ電流の半周期を用いて前記トグルタイミングをずらしてもよい。
回転電動機で発生する漏れ電流は、回転電動機の浮游容量、浮游インダクタンス、及び浮游抵抗から構成されるRLC直列共振回路で事前に計算できる。よって、回転電動機の浮游容量、浮游インダクタンス、及び浮游抵抗が事前に分かれば、漏れ電流の半周期を事前に求めておくことができる。そこで、本構成では、事前に得られた漏れ電流の半周期をメモリーに記憶させておき、その半周期を用いてPWM信号のトグルタイミングをずらしている。そのため、漏れ電流の半周期を検知せずにPWM信号のトグルタイミングをずらすことができる。
また、上記駆動装置において、前記漏れ電流を計測する計測部を更に備え、
前記制御部は、前記計測された漏れ電流から前記半周期を検知し、前記検知した半周期を用いて前記トグルタイミングをずらしてもよい。
この構成によれば、計測された漏れ電流から漏れ電流の半周期が検知されているので、漏れ電流の半周期を正確に求めることができる。また、漏れ電流が動的に変動する場合であっても漏れ電流の半周期を正確に検知できる。
また、上記駆動装置において、前記インバータは三相インバータであってもよい。
この構成によれば、三相インバータを用いて回転電動機を制御する態様を採用した場合において、漏れ電流を従来の技術よりも抑制できる。
本発明によれば、1の相に対応するPWM信号に対して残りの相に対応するPWM信号のトグルタイミングが漏れ電流の半周期分ずつずらされているので、各相に対応する漏れ電流は相殺されるように重なり合う。これにより、漏れ電流の大きさが1の相の漏れ電流よりも小さくなり、従来よりも漏れ電流を抑制できる。
本発明の実施の形態1における駆動装置の回路図である。 本発明の比較例の駆動装置が回転電動機を停止させる際に、巻線に印加されるパルス電圧の波形を示したグラフである。 図2に示すパルス電圧を巻線に印加したときに測定された漏れ電流の波形を示すグラフである。 巻線にデューティー比50%、且つ、同一位相のパルス電圧を印加した場合に発生するコモンモード電流を説明する回路図である。 本発明の実施の形態1において、巻線に印加されるパルス電圧の波形の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態1における漏れ電流の波形を示すグラフである。 回転電動機の漏れ電流を計算するためのRLC直列共振回路の回路図である。 本発明の比較例において、巻線に印加されるパルス電圧の波形を示すグラフである。 本発明の比較例における漏れ電流の波形を示すグラフである。 本発明の実施の形態2における駆動装置の回路図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における駆動装置1の回路図である。駆動装置1は、回転電動機30を駆動する駆動装置であり、インバータ10、制御部20、及びメモリー40を備える。
インバータ10は、複数の相に対応する複数のスイッチング素子101〜106を備え、回転電動機30の駆動信号を生成する。
図1の例では、インバータ10は、三相インバータで構成されている。具体的には、インバータ10は、6つのスイッチング素子101〜106を備える。以下、スイッチング素子101〜106は区別されない場合、スイッチング素子100と記載される。スイッチング素子100は、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)で構成されている。但し、これは一例であり、IGBT以外の例えば、MOSFET(metal−oxide−semiconductor field−effect transistor)、バイポーラトランジスタがスイッチング素子100として採用されてもよい。
スイッチング素子101、102、103はコレクタが第1ラインLn1に接続されており、インバータ10の上アームを構成する。スイッチング素子104、105、106はエミッタが第2ラインLn2に接続されており、インバータ10の下アームを構成する。
第1ラインLn1は電源部11の正極により第1電圧(例えば、E)が付与され、第2ラインLn2は電源部11の負極により第2電圧(例えば、0)が付与されている。
スイッチング素子101、104はU相のスイッチング素子100を構成する。スイッチング素子101のエミッタ及びスイッチング素子104のコレクタは接続点PU及び駆動ラインLUを介して回転電動機30に接続されている。駆動ラインLUはスイッチング素子101、104のスイッチング動作により生成されたU相のパルス電圧(駆動信号の一例)を回転電動機30に出力する。
スイッチング素子102、105はV相のスイッチング素子100を構成する。スイッチング素子102のエミッタ及びスイッチング素子105のコレクタは接続点PV及び駆動ラインLVを介して回転電動機30に接続されている。駆動ラインLVはスイッチング素子102、105のスイッチング動作により生成されたV相のパルス電圧(駆動信号の一例)を回転電動機30に出力する。
スイッチング素子103、106はW相のスイッチング素子100を構成する。スイッチング素子103のエミッタ及びスイッチング素子106のコレクタは接続点PW及び駆動ラインLWを介して回転電動機30に接続されている。駆動ラインLWはスイッチング素子103、106のスイッチング動作により生成されたW相のパルス電圧(駆動信号の一例)を回転電動機30に出力する。
スイッチング素子100は、エミッタ及びコレクタ間に還流ダイオードが接続され、双方向スイッチとして機能する。
制御部20は、例えば、CPU、ASIC、或いはFPGA等で構成され、U相に対応するPWM信号を生成し、スイッチング素子101、104のゲートに入力し、V相に対応するPWM信号を生成し、スイッチング素子102、105のゲートに入力し、W相に対応するPWM信号を生成し、スイッチング素子103、106のゲートに入力する。
具体的には、制御部20は、変調波信号とキャリア信号とを比較して、PWM信号を生成する。変調波信号としては、回転電動機30の駆動時には、例えば、正弦波信号が採用できる。また、変調波信号としては、回転電動機30の停止時には、回転電動機30の巻線L1、L2、L3に流れる電流を0にするレベルを持つ直流信号、具体的には、デューティー比が50%のPWM信号を生成できるレベルを持つ直流信号が採用できる。キャリア信号としては、変調波信号よりも周波数が高い高周波の三角波信号が採用できる。
そして、制御部20は、回転電動機30の駆動を停止させる場合、デューティー比が50%のPWM信号をU相のPWM信号として生成し、生成したU相のPWM信号のトグルタイミングに対して、V相及びW相のPWM信号のトグルタイミングを回転電動機30の漏れ電流の半周期分ずつずらす。ここでは、U相を基準として、V相及びW相のトグルタイミングがずらされる例を示すが、本発明はこれに限定されず、V相又はW相を基準にして、残りの相のトグルタイミングがずらされてもよい。トグルタイミングとは、PWM信号の立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングとのことを指す。
本実施の形態では、制御部20は、メモリー40に予め記憶された漏れ電流の半周期を用いて、U相のPWM信号に対してV、W相のPWM信号のトグルタイミングをずらす。
メモリー40は、例えば、不揮発性の書き換え可能な記憶素子で構成され、漏れ電流の半周期を予め記憶する。
電源部11は、例えば、ダイオードブリッジ及び平滑コンデンサで構成され、交流電源から供給された交流電圧を整流及び平滑化し、直流電圧を生成する。ここで、電源部11が生成する直流電圧のレベルはEとされる。
回転電動機30は、例えば、三相モーターで構成され、U、V、W相のそれぞれに対応する抵抗R1、R2、R3及び巻線L1、L2、L3を備える。巻線L1、L2、L3の一端は中性点PLで接続されている。巻線L1、L2、L3のインダクタンスはLであり、抵抗R1、R2、R3の抵抗値はRである。抵抗R1及び巻線L1は駆動ラインLUに接続され、抵抗R2及び巻線L2は駆動ラインLVに接続され、抵抗R3及び巻線L3は駆動ラインLWに接続されている。
図2は、本発明の比較例の駆動装置が回転電動機30を停止させる際に、巻線L1、L2、L3に印加されるパルス電圧の波形を示したグラフであり、縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示している。
回転電動機30を停止させるためには、巻線L1、L2、L3に流れる電流をゼロにする必要がある。そこで、比較例の駆動装置では、巻線L1、L2、L3にデューティー比が50%、且つ、同一位相のパルス電圧が印加されている。図2において、タイミングT1はパルス電圧の立ち上がりのトグルタイミングを示し、タイミングT2はパルス電圧の立ち下がりのトグルタイミングを示している。なお、電源部11は、Eの直流電圧を生成するため、U、V、W相のパルス電圧の波高値はEとなる。
図3は、図2に示すパルス電圧を巻線L1、L2、L3に印加したときに測定された漏れ電流Imの波形を示すグラフであり、縦軸は電流を示し、横軸は時間を示している。回転電動機30からの漏れ電流Imは一般的に図3に示すように減衰振動波形になる。
比較例では、回転電動機30の停止時において、図2に示すように巻線L1、L2、L3に印加されるパルス電圧は、タイミングT1において一斉に立ち上がり、タイミングT2において一斉に立ち下がっている。
そのため、タイミングT1においては、U、V、W相の漏れ電流同士が重なり合って、図3に示すように、過大なオーバーシュートを持つスパイク状の漏れ電流Imが発生する。これにより、ラジオノイズが放射され、他の電気機器に悪影響を及ぼす。また、タイミングT2においてもタイミングT1と同様に各相の漏れ電流同士が重なり合ってスパイク状の漏れ電流Imが発生する。
図4は、巻線L1、L2、L3にデューティー比50%、且つ、同一位相のパルス電圧を印加した場合に発生するコモンモード電流を説明する回路図である。なお、図4において、図1と同じものには同一の符号を付して、説明を省略する。
巻線L1、L2、L3にデューティー比50%、且つ、同一位相のパルス電圧を印加すると、コモンモード電圧V2は最大と最小とを繰り返し、コモンモード電流は最大になる。以下にその考え方を示す。
コモンモード電圧V2は中性点PL及びグラウンド間の電圧に相当する。コモンモード電圧V2が大きく変化するほど、コモンモード電流は増大する。ここで、U、V、W相の電圧(接続点PU、PV、PWの電圧)をそれぞれ、Vu,Vv,Vw、電流をiu,iv,iwとすると、各相の電圧電流方程式は次のように表される。
Vu−V2=R・iu+L・(diu/dt)
Vv−V2=R・iv+L・(div/dt)
Vw−V2=R・iw+L・(diw/dt)
iu+iv+iw=0なので、これらの式を足し合わせると、コモンモード電圧V2は下式で表される。
V2=(Vu+Vv+Vw)/3
上式に示されるように、コモンモード電圧V2が最大になるのは、Vu=Vv=Vw=Eの時であり、V2=Eの時である。この時、上アームを構成するスイッチング素子101、102、103が全てオン、下アームを構成するスイッチング素子104、105、106が全てオフにされる。
また、コモンモード電圧V2が最小となるのは、Vu=Vv=Vw=0の時であり、V2=0の時である。この時、上アームを構成するスイッチング素子101、102、103が全てオフ、下アームを構成するスイッチング素子104、105、106が全てオンにされる。
そのため、U、V、W相の上アームのスイッチング素子100と下アームのスイッチング素子100とが相補的にオン・オフを繰り返すと、コモンモード電圧V2は最大と最小とを繰り返すことになる。したがって、各相の巻線Lに対してデューティー比50%、且つ、同一位相のパルス電圧を印加すると、コモンモード電圧V2は最大と最小とを繰り返し、コモンモード電流が最大になる。
比較例の駆動装置では、回転電動機30の停止時には、図2に示されるように、巻線L1、L2、L3には、デューティー比50%、且つ、同一位相のパルス電圧が印加される。そのため、回転電動機30の停止時には、コモンモード電圧V2は最大と最小とを繰り返すので、コモンモード電流が最大になる。コモンモード電流は漏れ電流Imに相当するので、比較例の駆動装置において、回転電動機30の停止時には、過大な漏れ電流Imが発生する。
なお、詳細は以下の参考文献に記載されている。
小笠原 悟司,藤田 英明,赤木 泰文:「電圧形PWMインバータが発生する高周波漏れ電流のモデリングと理論解析」,電気学会論文誌D,115巻,1号,pp.77−84 平成7年1月
図5は、本発明の実施の形態1において、巻線L1、L2、L3に印加されるパルス電圧の波形の一例を示すグラフであり、縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示す。
図5において、Δtは漏れ電流Imの半周期を示す。図5の例では、U相はデューティー比が50%とされている。V相はU相に対して立ち上がりのトグルタイミングが2・Δt遅延している。W相はU相に対して立ち上がりのトグルタイミングがΔt遅延している。V相はU相に対して立ち下がりのトグルタイミングが2・Δt進んでいる。W相はU相に対して立ち下がりのトグルタイミングがΔt進んでいる。なお、図5の例では、Δt=1μsである。このように、実施の形態1では、巻線L1、L2、L3に印加されるパルス電圧は半周期Δtずつずらされている。
図6は、本発明の実施の形態1における漏れ電流Imの波形を示すグラフであり、縦軸は電流、横軸は時間を示している。図6に示す漏れ電流Imにおいて、1つ目のオーバーシュートのピークPk1の電流値は、図3に示す漏れ電流Imの1つ目のオーバーシュートのピークPk1の電流値のおよそ3分の1であった。
比較例では、巻線L1、L2、L3に印加されるパルス電圧の位相が揃っているので、各相に対応する漏れ電流Imu、Imv、Imw(図略)も位相が揃う。これにより、比較例では漏れ電流Imu、Imv、Imwのオーバーシュートが強め合い、漏れ電流ImのピークPkの電流値は大きくなる。これに対し、実施の形態1では、パルス電圧の立ち上がり又は立ち下がりのトグルタイミングがずれているので、各相に対応する漏れ電流Imu、Imv、Imwの位相がずれる。これにより、実施の形態1では、漏れ電流Imu、Imv、Imwは強め合わず、漏れ電流ImのピークPkの電流値は比較例よりも小さくなる。
また、図6に示す漏れ電流Imにおいて、2つ目のオーバーシュートのピークPk2の電流値は4.5Aであり、ピークPk1の電流値(=6.3A)よりも小さくなっている。これは、主に、W相の巻線L3に印加されるパルス電圧がU相の巻線L1に印加されるパルス電圧に対して立ち上がりのトグルタイミングが半周期Δt遅延しているので、W相に対応する漏れ電流Imwの1つ目のオーバーシュートが、U相に対応する漏れ電流Imuのアンダーシュートによって相殺されるからである。
また、図6に示す漏れ電流Imにおいて、3つ目のオーバーシュートのピークPk3の電流値は5Aであり、ピークPk1の電流値(=6.3A)よりも小さくなっている。これは、主に、V相の巻線L2に印加されるパルス電圧がW相の巻線L3に印加されるパルス電圧に対して立ち上がりのトグルタイミングが半周期Δt遅延しているので、V相に対応する漏れ電流Imvの1つ目のオーバーシュートが、W相に対応する漏れ電流Imwのアンダーシュートによって相殺されるからである。なお、ピークPk3の電流値がピークPk2の電流値よりも若干大きくなっているのは、U相に対応する漏れ電流Imuの2つ目のオーバーシュートがV相に対応する漏れ電流Imvの1つ目のオーバーシュートと重なっているからである。
このように、実施の形態1では、巻線L1、L2、L3に印加されるパルス電圧のトグルタイミングが半周期Δtずれているので、漏れ電流Imを各相に対応する漏れ電流Imu、Imv、Imwよりも抑制できる。
なお、図5に示すパルス電圧を生成するにあたり、制御部20は、まず、デューティー比が50%のPWM信号をU相のスイッチング素子101のPWM信号として生成する。そして、制御部20は、スイッチング素子101のPWM信号に対して立ち上がりのトグルタイミングが半周期Δt遅延し、且つ、立ち下がりのトグルタイミングが半周期Δt進んだPWM信号をW相のスイッチング素子103のPWM信号として生成し、スイッチング素子101のPWM信号に対して立ち上がりのトグルタイミングが2・Δt遅延し、且つ、立ち下がりのトグルタイミングが2・Δt進んだPWM信号をV相のスイッチング素子102のPWM信号として生成すればよい。更に、制御部20は、スイッチング素子101、102、103のPWM信号をそれぞれ反転させたPWM信号を、スイッチング素子104、105、106のPWM信号として生成すればよい。
また、図5の例では、V相、W相のパルス電圧は、それぞれ、U相のパルス電圧に対してトグルタイミングが2・Δt、Δtずらされているが、これは一例であり、U相のパルス電圧に対してトグルタイミングがΔt、2・Δtずらされていてもよい。
図7は、回転電動機30の漏れ電流Imを計算するためのRLC直列共振回路300の回路図である。図7に示すように、漏れ電流Imは、電源部31、抵抗32、巻線33、及びコンデンサ34が直列接続されたRLC直列共振回路300に流れる電流によって表される。ここで、抵抗32、巻線33、コンデンサ34はそれぞれ回転電動機30の浮遊抵抗、浮遊インダクタンス、浮遊抵抗を表す。電源部31は、Eの直流電圧を生成する。
RLC直列共振回路300の共振周期TはT=2π√LCで表される。よって、漏れ電流Imの半周期Δt(=T/2)はΔt=π√LCで表すことができる。したがって、回転電動機30の浮遊抵抗、浮遊インダクタンス、及び浮遊抵抗の値がシミュレーションなどによって既知である場合、漏れ電流Imの半周期を事前に求めることができる。
そこで、実施の形態1では、漏れ電流Imの半周期であるΔt=π√LCを事前に求めておき、メモリー40に事前に記憶させている。そして、制御部20は、メモリー40に記憶された漏れ電流Imの半周期Δtを用いて、U、V、W相のPWM信号のトグルタイミングを半周期Δtずつずらしている。これにより、制御部20は、漏れ電流Imを計測して漏れ電流Imの半周期Δtを検知することなく、U、V、W相のPWM信号のトグルタイミングを半周期Δtずつずらすことができる。
図8は、本発明の比較例において、巻線L1、L2、L3に印加されるパルス電圧の波形を示すグラフであり、縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示す。図9は、本発明の比較例における漏れ電流Imの波形を示すグラフであり、縦軸は電流を示し、横軸は時間を示す。
図8に示すように比較例では、U相の巻線L1に印加されるパルス電圧に対して、V、W相の巻線L2、L3に印加されるパルス電圧は、立ち上がりのトグルタイミングがそれぞれ、20・Δt、10・Δt遅延されている。
そのため、図9に示すように、U、V、W相に対応する漏れ電流Imu、Imv、Imwは減衰振動波形を示すものの、相互に打ち消し合うタイミングで発生されていない。よって、比較例では、漏れ電流Imの大きさを各相に対応する漏れ電流Imu、Imv、Imvよりも小さくすることができなくなる。
また、上述の特許文献1では、U、V、W相のPWM信号のトグルタイミングをどの程度ずらすかが明示されていないので、例えば、図8に示されるタイミングで巻線L1、L2、L3にパルス電圧が印加された場合、漏れ電流Imu、Imv、Imwは相互に打ち消し合うことはできない。つまり、特許文献1では、U、V、W相のPWM信号の立ち上がり及び立ち下がりのトグルタイミングがずらされているので、U、V、W相のPWM信号の位相が揃っている場合よりも漏れ電流Imを小さくすることは可能であるが、U、V、W相に対応する漏れ電流Imu、Imv、Imwよりも漏れ電流Imを小さくすることはできない。以上により、駆動装置1は特許文献1よりも漏れ電流Imを小さくできる。
(実施の形態2)
実施の形態2の駆動装置は、漏れ電流Imを計測する点を特徴とする。図10は、本発明の実施の形態2における駆動装置1Aの回路図である。なお、本実施の形態において実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
駆動装置1Aにおいて、駆動装置1との相違点は、主に計測部50が設けられ、メモリー40が省かれている点にある。
計測部50は、漏れ電流ラインLmに接続された電流センサで構成され、回転電動機30の漏れ電流Imを計測する。ここで、漏れ電流ラインLmは、例えば、一端が回転電動機30の筐体に接続され、他端がコンデンサC1、C2の接続点PCに接続されており、漏れ電流Imを流す。
コンデンサC1、C2は、共に同じ容量を持ち、接続点PCを介して接続され、電源部11と並列接続されている。回転電動機30の接地線は接続点PCに接続されており、接続点PCは仮想接地点とされる。
本実施の形態では、制御部20は、計測部50が計測した漏れ電流Imから漏れ電流の半周期Δtを検知し、検知した半周期Δtを用いて、V、W相のPWM信号をずらす。
計測部50が計測する漏れ電流Imは例えば図3で表される。そこで、制御部20は、漏れ電流Imの波形から漏れ電流Imの半周期Δtを検知すればよい。具体的には、制御部20は、漏れ電流Imのゼロクロスポイントを検知し、検知したゼロクロスポイントの間隔から半周期Δtを検知すればよい。
なお、制御部20は、半周期Δtを計測するにあたり、インバータ10を制御して、巻線L1、L2、L3にデューティー比が50%、且つ、同一位相のパルス電圧(図2参照)を印加すればよい。
図3の例では、半周期Δtは例えば1μsであった。この場合、制御部20は、図5に示すように、インバータ10を制御して、U相の巻線L1に印加されるパルス電圧に対して、V、W相のパルス電圧のトグルタイミングをそれぞれ、2μs、1μsずらせばよい。
このように、実施の形態2の駆動装置1Aによれば、計測された漏れ電流Imから漏れ電流Imの半周期Δtが検知されているので、漏れ電流Imの半周期Δtを正確に求めることができる。また、漏れ電流Imが動的に変動する場合であっても、漏れ電流Imの半周期Δtを正確に検知できる。
また、実施の形態1、2では、インバータ10として三相インバータが採用されたが、本発明はこれに限定されず、単相インバータが採用されてもよい。以下、単相インバータが図1に示すスイッチング素子101、102、104、105で構成されているものとする。この場合、制御部20は、回転電動機30を停止させる場合、デューティー比50%のPWM信号をスイッチング素子101のPWM信号として生成し、スイッチング素子101のPWM信号に対して立ち上がりのトグルタイミングが半周期Δt遅延し、且つ、立ち下がりのトグルタイミングが半周期Δt進んだPWM信号をスイッチング素子102のPWM信号として生成すればよい。また、スイッチング素子101、102のPWM信号をそれぞれ反転させたPWM信号をスイッチング素子104、105のPWM信号として生成すればよい。
1、1A 駆動装置
10 インバータ
11 電源部
20 制御部
30 回転電動機
40 メモリー
50 計測部
100、101、102、103、104、105、106 スイッチング素子

Claims (4)

  1. 回転電動機を駆動する駆動装置であって、
    複数の相に対応する複数のスイッチング素子を備え、前記回転電動機の駆動信号を生成するインバータと、
    複数の相に対応するPWM信号を生成し、対応するスイッチング素子に入力する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記回転電動機の駆動を停止させる場合、いずれか1の相に対応するPWM信号のトグルタイミングに対して、残りの相に対応するPWM信号のトグルタイミングを、前記回転電動機の漏れ電流の半周期分ずらす駆動装置。
  2. 前記漏れ電流の半周期を予め記憶するメモリーを更に備え、
    前記制御部は、前記メモリーに記憶された前記漏れ電流の半周期を用いて前記トグルタイミングをずらす請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記漏れ電流を計測する計測部を更に備え、
    前記制御部は、前記計測された漏れ電流から前記半周期を検知し、前記検知した半周期を用いて前記トグルタイミングをずらす請求項1に記載の駆動装置。
  4. 前記インバータは三相インバータである請求項1〜3のいずれか1に記載の駆動装置。
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