JP2022019328A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータを適切に駆動することができるモータ制御装置を提供する。
【解決手段】駆動回路43の各スイッチング素子は、第1プリドライバ52及び第2プリドライバ62の両方に接続線100によって接続されている。接続線100は、第1プリドライバ52から延びる第1接続線101と、第2プリドライバ62から延びる第2接続線102と、第1接続線101及び第2接続線102が合流して駆動回路43の各スイッチング素子に接続されている合流接続線103とを有している。モータ制御装置では、第1制御系統に異常が生じていない場合あるいは第1制御系統に異常が生じている場合、第1プリドライバ52及び第2プリドライバ62のうち一方のプリドライバから駆動回路43の各スイッチング素子へモータ制御信号が入力される一方、他方のプリドライバから駆動回路43の各スイッチング素子へモータ制御信号が入力されない。
【選択図】図7
【解決手段】駆動回路43の各スイッチング素子は、第1プリドライバ52及び第2プリドライバ62の両方に接続線100によって接続されている。接続線100は、第1プリドライバ52から延びる第1接続線101と、第2プリドライバ62から延びる第2接続線102と、第1接続線101及び第2接続線102が合流して駆動回路43の各スイッチング素子に接続されている合流接続線103とを有している。モータ制御装置では、第1制御系統に異常が生じていない場合あるいは第1制御系統に異常が生じている場合、第1プリドライバ52及び第2プリドライバ62のうち一方のプリドライバから駆動回路43の各スイッチング素子へモータ制御信号が入力される一方、他方のプリドライバから駆動回路43の各スイッチング素子へモータ制御信号が入力されない。
【選択図】図7
Description
本発明は、モータ制御装置に関する。
特許文献1には、車両の操舵機構にモータのトルクを付与することにより運転者のステアリング操作を補助する操舵装置が開示されている。操舵装置は、モータの駆動を制御するモータ制御装置を備えている。モータ制御装置は、モータの駆動を制御するメインの制御系統及びサブの制御系統を備えている。メインの制御系統は、メインのマイコン及びメインのドライバを有している。サブの制御系統は、サブのマイコン及びサブのドライバを有している。メインの制御系統及びサブの制御系統は、同一の駆動回路に接続されている。各マイコンは、ステアリングホイールの操舵状態に応じてドライバに対する指令信号を生成する。各ドライバは、対応する系統のマイコンにより生成された指令信号に基づいて駆動回路に対するモータ制御信号を生成する。駆動回路は、モータの各相の給電経路に配置されるスイッチング素子のオンオフに基づいてモータに駆動電力を供給する。駆動回路の各スイッチング素子は、各ドライバにより生成されたモータ制御信号に基づいてオンオフする。
特許文献1のモータ制御装置は、メインのマイコンの演算結果とサブのマイコンの演算結果とが同じ場合にはメインの制御系統を動作させ、メインのマイコンの演算結果とサブのマイコンの演算結果とが異なる場合にはサブの制御系統を動作させている。
一のスイッチング素子に設けられる1つの入力端子に対して、メインのドライバ及びサブのドライバが接続されることがある。この場合、各ドライバと一のスイッチング素子とを接続する接続線は、一のスイッチング素子からメインのドライバへと接続される途中で、サブのドライバにも接続されることになる。メインのドライバからのモータ制御信号及びサブのドライバからのモータ制御信号は、一のスイッチング素子への接続線にともに出力されて、当該接続線を通じて、一のスイッチング素子にともに入力される。同じ接続線にこれらのモータ制御信号が出力された場合には、一方のモータ制御信号が他方のモータ制御信号に影響されて、一方のモータ制御信号の状態が他方のモータ制御信号の状態へと変化するおそれがある。このため、駆動回路からモータに駆動電力が適切に供給できなくなり、モータを適切に駆動できなくなるおそれがあった。
本発明の目的は、モータを適切に駆動することのできるモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するモータ制御装置は、モータトルクの発生源であるモータの駆動を制御する第1制御系統及び第2制御系統を備えるモータ制御装置であって、複数のスイッチング素子を有し、前記第1制御系統は、第1指令信号を生成する第1制御部と、前記第1指令信号に基づいて前記各スイッチング素子のオンオフを規定する第1制御信号を生成する第1ドライバとを有し、前記第2制御系統は、第2指令信号を生成する第2制御部と、前記第2指令信号に基づいて前記各スイッチング素子のオンオフを規定する第2制御信号を生成する第2ドライバとを有し、前記各スイッチング素子は、前記第1ドライバ及び前記第2ドライバの両方に接続線によって接続されており、前記接続線は、前記第1ドライバから延びる第1接続線と、前記第2ドライバから延びる第2接続線と、前記第1接続線及び前記第2接続線が合流して接続されているとともに前記各スイッチング素子に接続されている合流接続線とを有しており、前記第1制御系統に異常が生じていない場合、前記第1ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第1制御信号が入力される一方、前記第2ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第2制御信号が入力されず、前記第1制御系統に異常が生じている場合、前記第2ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第2制御信号が入力される一方、前記第1ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第1制御信号が入力されない。
上記構成によれば、第1制御系統に異常が生じていない場合、第2ドライバから各スイッチング素子へ第2制御信号が入力されない。この場合、第1制御信号及び第2制御信号が、同一の接続線を通じて、各スイッチング素子にともに入力されることが抑えられている。このため、第1制御系統に異常が生じていない場合、第1制御信号の状態が第2制御信号の状態に影響されることに起因した、第1制御信号の状態から第2制御信号の状態への変化を抑えることができる。また、第1制御系統に異常が生じている場合、第1ドライバから各スイッチング素子へ第1制御信号が入力されない。この場合、第1制御信号及び第2制御信号が、同一の接続線を通じて、各スイッチング素子にともに入力されることが抑えられている。このため、第1制御系統に異常が生じている場合、第2制御信号の状態が第1制御信号の状態に影響されることに起因した、第2制御信号の状態から第1制御信号の状態への変化を抑えることができる。
上記のモータ制御装置において、前記複数のスイッチング素子は、前記第1制御系統及び前記第2制御系統の両方が接続されている単一の駆動回路を構成するスイッチング素子を含み、前記第1ドライバは、前記駆動回路を構成するスイッチング素子のオンオフを規定する第1モータ制御信号を生成する第1プリドライバを含み、前記第2ドライバは、前記駆動回路を構成するスイッチング素子のオンオフを規定する第2モータ制御信号を生成する第2プリドライバを含み、前記駆動回路を構成するスイッチング素子は、前記第1プリドライバ及び前記第2プリドライバの両方に前記接続線によって接続されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1モータ制御信号及び第2モータ制御信号は、途中で合流することになる接続線を介して駆動回路を構成する一のスイッチング素子に入力されることになる。しかし、各スイッチング素子に一方の制御信号が入力されるとともに他方の制御信号が入力されない上記前提構成を採用しているため、第1モータ制御信号及び第2モータ制御信号が各スイッチング素子にともに入力されることが抑えられている。このため、一方のモータ制御信号の状態が他方のモータ制御信号の状態に影響されることに起因した、一方のモータ制御信号の状態から他方のモータ制御信号の状態への変化を抑えることができる。
上記のモータ制御装置において、前記複数のスイッチング素子は、駆動回路から前記モータへの給電経路の途中に設けられている単一のモータリレーを含み、前記第1ドライバは、前記モータリレーのオンオフを規定する第1モータリレー制御信号を生成する第1モータリレードライバを含み、前記第2ドライバは、前記モータリレーのオンオフを規定する第2モータリレー制御信号を生成する第2モータリレードライバを含み、前記モータリレーは、前記第1モータリレードライバ及び前記第2モータリレードライバの両方に前記接続線によって接続されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1モータリレー制御信号及び第2モータリレー制御信号は、途中で合流することになる接続線を通じてモータリレーに入力されることになる。しかし、各スイッチング素子に一方の制御信号が入力されるとともに他方の制御信号が入力されない上記前提構成を採用しているため、第1モータリレー制御信号及び第2モータリレー制御信号がモータリレーにともに入力されることが抑えられている。このため、一方のモータリレー制御信号の状態が他方のモータリレー制御信号の状態に影響されることに起因した、一方のモータリレー制御信号の状態から他方のモータリレー制御信号の状態への変化を抑えることができる。
上記のモータ制御装置において、前記複数のスイッチング素子は、バッテリから駆動回路への給電経路の途中に設けられている単一の電源リレーを含み、前記第1ドライバは、前記電源リレーのオンオフを規定する第1電源リレー制御信号を生成する第1電源リレードライバを含み、前記第2ドライバは、前記電源リレーのオンオフを規定する第2電源リレー制御信号を生成する第2電源リレードライバを含み、前記電源リレーは、前記第1電源リレードライバ及び前記第2電源リレードライバの両方に前記接続線によって接続されていることが好ましい。
上記構成によれば、第1電源リレー制御信号及び第2電源リレー制御信号は、途中で合流することになる接続線を通じて電源リレーに入力されることになる。しかし、各スイッチング素子に一方の制御信号が入力されるとともに他方の制御信号が入力されない上記前提構成を採用しているため、第1電源リレー制御信号及び第2電源リレー制御信号が電源リレーにともに入力されることが抑えられている。このため、一方の電源リレー制御信号の状態が他方の電源リレー制御信号の状態に影響されることに起因した、一方の電源リレー制御信号の状態から他方の電源リレー制御信号の状態への変化を抑えることができる。
上記のモータ制御装置において、前記第2ドライバは、前記第1制御系統に異常が生じていない場合、前記第2制御信号を出力する出力端子をハイインピーダンス状態に設定することで、前記第2ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第2制御信号が入力されないようにしており、前記第1ドライバは、前記第1制御系統に異常が生じている場合、前記第1制御信号を出力する出力端子をハイインピーダンス状態に設定することで、前記第1ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第1制御信号が入力されないようにしていることが好ましい。
上記構成によれば、第1ドライバ及び第2ドライバのうち一方のドライバの出力端子は、ハイインピーダンス状態に設定される。この場合、当該ハイインピーダンス状態に設定された出力端子では、当該出力端子から出力される制御信号が接続線へ流れにくくなる。これにより、第1制御信号及び第2制御信号が、同一の接続線を通じて、一のスイッチング素子にともに入力されることを抑えることができる。このため、第1制御信号及び第2制御信号のうち一方の制御信号の状態が他方の制御信号の状態に影響を与えることを抑えることができる。
上記のモータ制御装置において、前記接続線における前記第1ドライバと接続される部分及び前記第2ドライバと接続される部分が合流する部分を合流部とするとき、前記接続線における前記第1ドライバと前記合流部との間の部分には、第1スイッチが設けられ、前記接続線における前記第2ドライバと前記合流部との間の部分には、第2スイッチが設けられ、前記第2ドライバは、前記第1制御系統に異常が生じていない場合、前記第2スイッチがオフされることで、前記第2ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第2制御信号が入力されないようにしており、前記第1ドライバは、前記第1制御系統に異常が生じている場合、前記第1スイッチがオフされることで、前記第1ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第1制御信号が入力されないようにしていることが好ましい。
上記構成によれば、第1スイッチ及び第2スイッチのうち一方のスイッチは、オフとされている。この場合、オフとされたスイッチが設けられている接続線では、当該接続線を通じて、一のスイッチング素子に制御信号が入力されることが抑えられる。これにより、第1制御信号及び第2制御信号が、一のスイッチング素子にともに入力されることを抑えることができる。このため、第1制御信号及び第2制御信号のうち一方の制御信号の状態が他方の制御信号の状態に影響を与えることを抑えることができる。
上記のモータ制御装置において、前記モータは、操舵装置にモータトルクを付与するものであることが好ましい。
本発明のモータ制御装置によれば、モータを適切に駆動することができる。
<第1実施形態>
電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)のモータ制御装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
電動パワーステアリング装置(以下、「EPS」という。)のモータ制御装置の第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、EPS1は、運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15を転舵させる操舵機構2、運転者のステアリング操作を補助するアシスト機構3、及びアシスト機構3を制御するモータ制御装置40を備えている。
操舵機構2は、運転者により操作されるステアリングホイール10及びステアリングホイール10と一体回転するステアリング軸11を備えている。ステアリング軸11は、ステアリングホイール10と連結されたコラム軸11a、コラム軸11aの下端部に連結された中間軸11b、及び中間軸11bの下端部に連結されたピニオン軸11cを有している。ピニオン軸11cの下端部は、ラックアンドピニオン機構13を介してラック軸12に連結されている。ステアリング軸11の回転運動は、ラックアンドピニオン機構13を介してラック軸12の軸方向の往復直線運動に変換される。ラック軸12の往復直線運動は、ラック軸12の両端にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して左右の転舵輪15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15の転舵角が変化し、車両の進行方向が変更される。
アシスト機構3は、回転軸21を有するモータ20と、減速機構22とを備えている。モータ20は、ステアリング軸11にモータトルクを付与する。モータ20としては、例えばU相、V相、及びW相の三相の巻線を有するブラシレスモータが採用されている。モータ20は、モータ制御装置40から駆動電力が供給されることにより回転する。モータ20の回転軸21は、減速機構22を介してコラム軸11aに連結されている。減速機構22はモータ20の回転を減速し、当該減速した回転力をコラム軸11aに伝達する。すなわち、ステアリング軸11にモータ20のモータトルクが付与されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
図2に示すように、モータ20は、回転軸21を中心に回転するロータ23、及びロータの外周に配置されるステータ24を備えている。ロータ23には、その表面に永久磁石が固定されている。永久磁石は、ロータ23の周方向に異なる極性が交互に並んで配置されている。こうした永久磁石は、モータ20が回転する際に磁界を形成する。ステータ24には、U相モータコイル25u、V相モータコイル25v、及びW相モータコイル25wが円環状に配置されている。U相モータコイル25u、V相モータコイル25v、及びW相モータコイル25wは、スター結線により接続されている。モータ20には、モータ20の駆動を制御するモータ制御装置40が接続されている。
図1に示すように、モータ制御装置40は、車両に設けられた各種のセンサの検出結果に基づいてモータ20を制御する。各種のセンサとしては、例えばトルクセンサ31、回転角センサ32、及び車速センサ33が設けられている。トルクセンサ31は、コラム軸11aに設けられている。トルクセンサ31は、運転者のステアリング操作に伴いステアリング軸11に付与される操舵トルクτを検出する。回転角センサ32は、モータ20に設けられている。回転角センサ32は、モータ20の回転軸21の回転角θを検出する。車速センサ33は、車両の走行速度である車速Vを検出する。モータ制御装置40は、各センサの出力値に基づいて、操舵機構2に対して付与するモータ20の目標となる目標モータトルクを設定し、モータ20の実際のモータトルクが目標モータトルクとなるように、モータ20に供給される電流を制御する。
モータ制御装置40には、車両の駆動源を始動させるための始動スイッチ34が接続されている。モータ制御装置40には、始動スイッチ34のオンオフ状態を示す始動信号Ssが入力される。始動スイッチ34としては、例えばイグニッションスイッチが採用されている。
モータ制御装置40の構成について説明する。
モータ制御装置40は、第1モータ制御信号Sm1を含む各種の第1制御信号を生成する第1制御系統41と、第2モータ制御信号Sm2を含む各種の第2制御信号を生成する第2制御系統42と、第1制御信号及び第2制御信号に基づいてモータ20に駆動電力を供給する駆動回路43とを備えている。本実施形態のモータ制御装置40は、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2制御系統42により生成された第2制御信号を用いず、第1制御系統41により生成された第1制御信号を用いてモータ20に駆動電力を供給する通常時の制御を実行する。また、本実施形態のモータ制御装置40は、第1制御系統41に異常が生じている場合、第1制御系統41により生成された第1制御信号を用いず、第2制御系統42により生成された第2制御信号を用いてモータ20に駆動電力を供給するバックアップ時の制御を実行する。すなわち、第1制御系統41に異常が生じているか否かで、モータ20に駆動電力を供給する制御を実行する制御系統が第1制御系統41と第2制御系統42との間で切り替えられている。
モータ制御装置40は、第1モータ制御信号Sm1を含む各種の第1制御信号を生成する第1制御系統41と、第2モータ制御信号Sm2を含む各種の第2制御信号を生成する第2制御系統42と、第1制御信号及び第2制御信号に基づいてモータ20に駆動電力を供給する駆動回路43とを備えている。本実施形態のモータ制御装置40は、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2制御系統42により生成された第2制御信号を用いず、第1制御系統41により生成された第1制御信号を用いてモータ20に駆動電力を供給する通常時の制御を実行する。また、本実施形態のモータ制御装置40は、第1制御系統41に異常が生じている場合、第1制御系統41により生成された第1制御信号を用いず、第2制御系統42により生成された第2制御信号を用いてモータ20に駆動電力を供給するバックアップ時の制御を実行する。すなわち、第1制御系統41に異常が生じているか否かで、モータ20に駆動電力を供給する制御を実行する制御系統が第1制御系統41と第2制御系統42との間で切り替えられている。
駆動回路43は、上側スイッチング素子43a~43c、及び下側スイッチング素子43d~43fを有している。上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fとしては、MOS-FET(電界効果トランジスタ:metal-oxide-semiconductor field-effect-transistor)が採用されている。上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fは、相毎にスイッチングアームを構成している。U相スイッチングアーム43uは、上側スイッチング素子43a及び下側スイッチング素子43dが直列に接続されることにより構成されている。V相スイッチングアーム43vは、上側スイッチング素子43b及び下側スイッチング素子43eが直列に接続されることにより構成されている。W相スイッチングアーム43wは、上側スイッチング素子43c及び下側スイッチング素子43fが直列に接続されることにより構成されている。U相スイッチングアーム43u、V相スイッチングアーム43v、及びW相スイッチングアーム43wは、それぞれ並列に接続されている。駆動回路43は、各スイッチングアームを並列に3つ接続することにより構成されている周知のPWMインバータである。
上側スイッチング素子43aと下側スイッチング素子43dとの間の配線は、U相動力線44uを介してU相モータコイル25uに接続されている。上側スイッチング素子43bと下側スイッチング素子43eとの間の配線は、V相動力線44vを介してV相モータコイル25vに接続されている。上側スイッチング素子43cと下側スイッチング素子43fとの間の配線は、W相動力線44wを介してW相モータコイル25wに接続されている。U相動力線44u、V相動力線44v、及びW相動力線44wは、駆動回路43からモータ20への給電経路である。
上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fは、それぞれゲート電極を有している。各スイッチング素子のゲート電極は、それぞれ第1制御系統41及び第2制御系統42に接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、各スイッチング素子のゲート電極に対して第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2を出力することによって、上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fのオンオフを制御する。第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2は、各スイッチング素子のゲート電極にハイレベルあるいはローレベルの電圧を印加することで各スイッチング素子のオンオフを規定する電圧信号である。各スイッチング素子は、各相のスイッチングアームにおける高電位側から低電位側への通電を規制する寄生ダイオードが設けられている。
上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fは、各ゲート電極に印加される電圧に応じてオンオフし、U相モータコイル25u、V相モータコイル25v、及びW相モータコイル25wへの通電パターンが切り替わる。これにより、バッテリ45の直流電圧が三相の駆動電力に変換されて、モータ20へと供給される。
モータ制御装置40は、U相モータコイル25uに通電されるU相の電流値Iuを検出するためのU相電流センサ46uと、V相モータコイル25vに通電されるV相の電流値Ivを検出するためのV相電流センサ46vと、W相モータコイル25wに通電されるW相の電流値Iwを検出するためのW相電流センサ46wとを備えている。U相電流センサ46u、V相電流センサ46v、及びW相電流センサ46wは、シャント抵抗の端子間電圧に基づき電流値の検出を行う周知の構成を有している。
U相電流センサ46uは、U相スイッチングアーム43uにおける下側スイッチング素子43dよりも低電位側の部分に設けられている。U相電流センサ46uは、検出信号Suを検出する。V相電流センサ46vは、V相スイッチングアーム43vにおける下側スイッチング素子43eよりも低電位側の部分に設けられている。V相電流センサ46vは、検出信号Svを検出する。W相電流センサ46wは、W相スイッチングアーム43wにおける下側スイッチング素子43fよりも低電位側の部分に設けられている。W相電流センサ46wは、検出信号Swを検出する。U相電流センサ46u、V相電流センサ46v、及びW相電流センサ46wは、第1制御部51に接続されている。
モータ制御装置40は、U相動力線44uに設けられているU相モータリレー47uと、V相動力線44vに設けられているV相モータリレー47vと、W相動力線44wに設けられているW相モータリレー47wとを備えている。U相モータリレー47u、V相モータリレー47v、及びW相モータリレー47wとしては、MOS-FETが採用されている。U相モータリレー47u、V相モータリレー47v、及びW相モータリレー47wは、それぞれゲート電極を有している。各モータリレーのゲート電極は、それぞれ第1制御系統41及び第2制御系統42に接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、各モータリレーのゲート電極に対して第1モータリレー制御信号Sl1及び第2モータリレー制御信号Sl2を出力することによって、各モータリレーのオンオフを制御する。第1モータリレー制御信号Sl1及び第2モータリレー制御信号Sl2は、各モータリレーのゲート電極にハイレベルあるいはローレベルの電圧を印加することで各モータリレーのオンオフを規定する電圧信号である。各モータリレーは、例えば駆動回路43に異常が生じていない場合に、オン、すなわち各相動力線が導通された状態に切り替えられる。一方、各モータリレーは、例えば駆動回路43に駆動電力の供給を継続できない異常が生じている場合に、オフ、すなわち各相動力線が遮断された状態に切り替えられる。各モータリレーには、駆動回路43からモータ20への通電を規制する寄生ダイオードが設けられている。
モータ制御装置40は、バッテリ45と駆動回路43との間の配線に設けられている電源リレー48a,48bを備えている。電源リレー48a及び電源リレー48bは、互いに直列に接続されている。電源リレー48a,48bとしては、MOS-FETが採用されている。電源リレー48a,48bは、それぞれゲート電極を有している。各電源リレーのゲート電極は、それぞれ第1制御系統41及び第2制御系統42に接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、各電源リレーのゲート電極に対して第1電源リレー制御信号Sb1及び第2電源リレー制御信号Sb2を出力することによって、各電源リレーのオンオフを制御する。第1電源リレー制御信号Sb1及び第2電源リレー制御信号Sb2は、各電源リレーのゲート電極にハイレベルあるいはローレベルの電圧を印加することで各電源リレーのオンオフを規定する電圧信号である。各電源リレーは、例えば駆動回路43に異常が生じていない場合に、オン、すなわちバッテリ45と駆動回路43との間の配線が導通された状態に切り替えられる。一方、各電源リレーは、例えば駆動回路43に駆動電力の供給を継続できない異常が生じている場合に、オフ、すなわちバッテリ45と駆動回路43との間の配線が遮断された状態に切り替えられる。電源リレー48aには、バッテリ45から駆動回路43への通電を規制する寄生ダイオードが設けられている。また、電源リレー48bには、駆動回路43からバッテリ45への逆流した通電を規制する寄生ダイオードが設けられている。
第1制御系統41及び第2制御系統42の構成について説明する。
第1制御系統41及び第2制御系統42は、互いに同じ駆動回路43に接続されている。また、第1制御系統41及び第2制御系統42は、互いに同じU相電流センサ46u、V相電流センサ46v、及びW相電流センサ46wに接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、互いに同じU相モータリレー47u、V相モータリレー47v、及びW相モータリレー47wに接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、互いに同じ電源リレー48a,48bに接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、始動スイッチ34が接続されている。また、第1制御系統41及び第2制御系統42は、所定のサンプリング周期で検出信号Su,Sv,Swを取得する。また、第1制御系統41及び第2制御系統42は、所定のサンプリング周期でトルクセンサ31により検出された操舵トルクτ、回転角センサ32により検出された回転角θ、車速センサ33により検出された車速V、及び始動信号Ssを取得する。
第1制御系統41及び第2制御系統42は、互いに同じ駆動回路43に接続されている。また、第1制御系統41及び第2制御系統42は、互いに同じU相電流センサ46u、V相電流センサ46v、及びW相電流センサ46wに接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、互いに同じU相モータリレー47u、V相モータリレー47v、及びW相モータリレー47wに接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、互いに同じ電源リレー48a,48bに接続されている。第1制御系統41及び第2制御系統42は、始動スイッチ34が接続されている。また、第1制御系統41及び第2制御系統42は、所定のサンプリング周期で検出信号Su,Sv,Swを取得する。また、第1制御系統41及び第2制御系統42は、所定のサンプリング周期でトルクセンサ31により検出された操舵トルクτ、回転角センサ32により検出された回転角θ、車速センサ33により検出された車速V、及び始動信号Ssを取得する。
第1制御系統41は、第1制御部51と、第1プリドライバ52と、第1モータリレードライバ53と、第1電源リレードライバ54とを有している。特許請求の範囲に記載した第1ドライバは、第1プリドライバ52、第1モータリレードライバ53、及び第1電源リレードライバ54に相当する。
第2制御系統42は、第2制御部61と、第2プリドライバ62と、第2モータリレードライバ63と、第2電源リレードライバ64とを有している。特許請求の範囲に記載した第2ドライバは、第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64に相当する。なお、第1制御部51、第1プリドライバ52、第1モータリレードライバ53、及び第1電源リレードライバ54は、それぞれ第2制御部61、第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64と同一構成である。本実施形態において、同一構成とは、同一の設計思想のなかで同一の機能及び性能を有するものである。以下の説明では、同一構成のものについては、一方についてのみ説明し、他方についてはその詳細な説明を省略する。
第1制御部51としては、例えばマイコンが採用される。第1制御部51は、図示しない中央処理装置(CPU)やメモリを備えており、所定の演算周期毎にメモリに記憶されたプログラムをCPUが実行する。これにより、各種の処理が実行される。
図3に示すように、第1制御部51は、電流指令値演算部71と、三相駆動制御部72と、二相駆動制御部73と、PWM演算部74と、電流値演算部75と、異常判定部76とを備えている。これは、第2制御部61についても同様である。
電流値演算部75は、所定のサンプリング周期で検出信号Su,Sv,Swを取得し、検出信号Su,Sv,Swに基づいて各相の電流値Iu,Iv,Iwを演算する。
電流指令値演算部71は、操舵トルクτ及び車速Vを取得する。電流指令値演算部71は、操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、モータ20の目標となる目標モータトルク、すなわち、目標のアシスト力に対応したアシスト指令値を演算する。具体的には、電流指令値演算部71は、操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きなアシスト指令値を演算する。そして、電流指令値演算部71は、当該アシスト指令値に基づいて、d/q軸上のq軸電流指令値Iq*を演算する。q軸電流指令値Iq*は、q軸上の電流指令値を示している。
電流指令値演算部71は、操舵トルクτ及び車速Vを取得する。電流指令値演算部71は、操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、モータ20の目標となる目標モータトルク、すなわち、目標のアシスト力に対応したアシスト指令値を演算する。具体的には、電流指令値演算部71は、操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きなアシスト指令値を演算する。そして、電流指令値演算部71は、当該アシスト指令値に基づいて、d/q軸上のq軸電流指令値Iq*を演算する。q軸電流指令値Iq*は、q軸上の電流指令値を示している。
三相駆動制御部72は、q軸電流指令値Iq*、各相の電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角θを取得する。三相駆動制御部72は、各相の電流値Iu,Iv,Iwを、回転角θに基づいてd/q座標上のd軸電流指令値及びq軸電流指令値に変換する。三相駆動制御部72は、d軸電流値をd軸電流指令値に追従させるべく、d軸電流指令値からd軸電流値を減算した偏差に所定のフィードバックゲインを乗算することにより、d軸電圧指令値を演算する。なお、本実施形態では、d軸上の電流指令値を示すd軸電流指令値は、基本的にゼロに設定されている。また、三相駆動制御部72は、q軸電流値をq軸電流指令値Iq*に追従させるべく、q軸電流指令値Iq*からq軸電流値を減算した偏差に所定のフィードバックゲインを乗算することにより、q軸電圧指令値を演算する。三相駆動制御部72は、d軸電圧指令値、q軸電圧指令値、及び回転角θに基づいて、三相駆動を実行するための各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。三相駆動は、三相の駆動電力を供給することにより、モータ20の駆動を制御するものである。
二相駆動制御部73は、q軸電流指令値Iq*、各相の電流値Iu,Iv,Iw、回転角θ、及び異常判定部76により演算された判定信号Sjを取得する。二相駆動制御部73は、q軸電流指令値Iq*、各相の電流値Iu,Iv,Iw、回転角θ、及び判定信号Sjに基づいて、二相駆動を実行するための各相の電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する。二相駆動は、三相のうち一相についてスイッチング素子を通じてモータ20に対して駆動電力を供給できない状況で、当該一相を除く二相に対して駆動電力を供給することにより、モータ20の駆動を制御するものである。ここで、通電不良な状況が生じている相を通電不良相という。
二相駆動制御部73は、判定信号Sjに含まれる通電不良相の情報に基づいて通電不良相を把握する。二相駆動制御部73は、通電不良相以外の残り二相のうち一相を制御相とする。二相駆動制御部73は、q軸電流指令値Iq*及び回転角θに基づいて、通電不良相以外の残る二相のうちの一相の相電流指令値を演算する。二相駆動制御部73は、通電不良相に対応する所定の回転角を漸近線として、正割曲線または余割曲線状に変化する相電流指令値を演算する。二相駆動制御部73は、制御相の電流値を相電流指令値に追従させるべく、相電流指令値から制御相の電流値を減算した偏差に所定のフィードバックゲインを乗算することにより、当該制御相についての相電圧指令値を演算する。二相駆動制御部73は、当該相電圧指令値に基づいて、各相の電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を演算する。
PWM演算部74は、三相駆動制御部72により演算された電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*及び二相駆動制御部73により演算された電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を取得する。また、PWM演算部74は、異常判定部76により演算された判定信号Sjを取得する。PWM演算部74は、三相駆動を実行する場合、三相駆動制御部72により演算された各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を用いて、各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwを演算する。デューティ指令値Du,Dv,Dwは、各相のデューティ比を示す指令値である。また、PWM演算部74は、二相駆動を実行する場合、二相駆動制御部73により演算された各相の電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を用いて、各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwを演算する。PWM演算部74は、各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwに示されるデューティ比と、三角波との比較に基づいて、各相のPWM信号αu,αv,αwを演算する。三角波は、ハイレベル及びローレベルの変化を繰り返す搬送波である。PWM演算部74は、三角波の値よりもデューティ指令値に示されるデューティ比が大きい場合には、対応する相のスイッチングアームの上側スイッチング素子をオフさせるとともに、対応する相のスイッチングアームの下側スイッチング素子をオンさせるためのPWM信号αu,αv,αwを生成する。また、PWM演算部74は、三角波の値よりもデューティ指令値に示されるデューティ比が小さい場合には、対応する相のスイッチングアームの上側スイッチング素子をオンさせるとともに、対応する相のスイッチングアームの下側スイッチング素子をオフさせるためのPWM信号αu,αv,αwを生成する。PWM演算部74は、生成したPWM信号αu,αv,αwを第1プリドライバ52に対して出力する。
異常判定部76は、各相の電流値Iu,Iv,Iw、回転角θ、操舵トルクτ、及び各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwを取得する。異常判定部76は、各相の電流値Iu,Iv,Iw、回転角θの変化量である回転角速度、及び各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwに基づいて、各スイッチング素子のオープン故障や、各動力線の断線等に起因する通電不良相が生じているか否かを判定する。この通電不良相が生じているか否かの判定は、例えば、X相の相電流値の絶対値が電流閾値以下かつ回転角速度の絶対値が角速度閾値以下である場合に、当該X相に該当するデューティ指令値Dxが所定範囲にないか否かに基づいて行われる。電流閾値は、電流が流れていないと考えられる程度の値に設定されており、具体的には「0」近傍の値に設定されている。角速度閾値は、モータ20の最高回転速度に応じた値に設定されている。所定範囲は、上限側閾値と下限側閾値との間の範囲である。上限側閾値は、通常制御においてデューティ指令値Dxが上限値に張り付いていると判定することのできる値に設定されており、デューティ指令値Dxの上限値に対応して設定されている。下限側閾値は、通常制御においてデューティ指令値Dxが下限値に張り付いていると判定することのできる値に設定されており、デューティ指令値Dxの下限値に対応して設定されている。なお、「X」は、U、V、及びW相のいずれか一相のことである。
異常判定部76は、X相の相電流値の絶対値が電流閾値以下かつ回転角速度の絶対値が角速度閾値以下である場合に、当該X相に該当するデューティ指令値Dxが所定範囲にない場合、当該X相が通電不良相であると判定する。異常判定部76は、通電不良相が生じているか否かの判定結果に基づいて、判定信号Sjを生成する。判定信号Sjは、三相駆動を実行する通常モード、モータ20の駆動を停止する停止モード、二相駆動を実行する二相駆動モード等の制御モードを示している。異常判定部76は、通電不良相がない場合、通常モードを示す判定信号Sjを生成する。異常判定部76は、通電不良相が一相である場合、二相駆動モードを示す判定信号Sjを生成する。なお、二相駆動モードを示す判定信号Sjには、三相のうちスイッチング素子を通じてモータ20に対して駆動電力を供給できない一相についての情報が含まれている。異常判定部76は、通電不良相が二相以上である場合や、通電不良相を確定できていない場合や、モータ20の機械的な故障等が生じた場合、停止モードを示す判定信号Sjを生成する。
PWM演算部74は、判定信号Sjを取得する。PWM演算部74は、判定信号Sjが通常モードを示すものである場合、三相駆動制御部72により演算された各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を用いて各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwを演算し、各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwに基づいてPWM信号αu,αv,αwを生成する。これにより、三相駆動は実行される。
PWM演算部74は、判定信号Sjが二相駆動モードを示すものである場合、二相駆動制御部73により演算された各相の電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を用いて各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwを演算し、各相のデューティ指令値Du,Dv,Dwに基づいてPWM信号αu,αv,αwを生成する。これにより、二相駆動は実行される。このため、例えば、各スイッチング素子のうちいずれか一つがオープン故障したことに起因して、三相のうち一相についてスイッチング素子を通じてモータ20に対して駆動電力を供給できない状況が発生したとしても、当該一相を除く残り二相でモータ20に対する駆動電力の供給を継続することができる。
PWM演算部74は、判定信号Sjが停止モードを示すものである場合、三相駆動制御部72により演算された各相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*及び二相駆動制御部73により演算された各相の電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を用いず、モータ20に対する駆動電力の供給を停止するためのPWM信号αu,αv,αwを生成する。これにより、モータ20の駆動は停止される。なお、モータ20に対する駆動電力の供給を停止するためのPWM信号αu,αv,αwは、U、V、W相の全ての相について、上側スイッチング素子をオフさせるものである。
図2に示すように、第1プリドライバ52は、第1制御部51により生成されたPWM信号αu,αv,αwを取得する。第1プリドライバ52は、PWM信号αu,αv,αwに基づいて、各スイッチング素子のオンオフを制御するための第1モータ制御信号Sm1を生成する。第1プリドライバ52は、接続線100によって駆動回路43の各スイッチング素子に接続されている。第1プリドライバ52は、生成した第1モータ制御信号Sm1を接続線100に対して出力する。
第1プリドライバ52は、第1切替スイッチ52aに接続されている。第1切替スイッチ52aは、例えば第1プリドライバ52とバッテリ45との間に設けられている。第1プリドライバ52は、第1切替スイッチ52aがオンである場合に電力が供給されることで動作し、第1切替スイッチ52aがオフである場合に電力が供給されないことで動作を停止する。
第1モータリレードライバ53は、第1制御部51により生成された判定信号Sjを取得する。第1モータリレードライバ53は、通常モードを示す判定信号Sjを取得した場合、各モータリレーをオンとする第1モータリレー制御信号Sl1を生成する。第1モータリレードライバ53は、二相駆動モードを示す判定信号Sjを取得した場合、通電不良相のモータリレーをオフとするとともに通電不良相以外の二相のモータリレーをオンとする第1モータリレー制御信号Sl1を生成する。第1モータリレードライバ53は、停止モードを示す判定信号Sjを取得した場合、各モータリレーをオフとする第1モータリレー制御信号Sl1を生成する。第1モータリレードライバ53は、接続線110によって各モータリレーに接続されている。第1モータリレードライバ53は、生成した第1モータリレー制御信号Sl1を接続線110に対して出力する。
第1モータリレードライバ53は、第1切替スイッチ53aに接続されている。第1切替スイッチ53aは、例えば第1モータリレードライバ53とバッテリ45との間に設けられている。第1モータリレードライバ53は、第1切替スイッチ53aがオンである場合に電力が供給されることで動作し、第1切替スイッチ53aがオフである場合に電力が供給されないことで動作を停止する。
第1電源リレードライバ54は、第1制御部51により生成された判定信号Sjを取得する。第1電源リレードライバ54は、通常モードを示す判定信号Sjあるいは二相駆動モードを示す判定信号Sjを取得した場合、各電源リレーをオンとする第1電源リレー制御信号Sb1を生成する。第1電源リレードライバ54は、停止モードを示す判定信号Sjを取得した場合、各電源リレーをオフとする第1電源リレー制御信号Sb1を生成する。第1電源リレードライバ54は、接続線120によって各電源リレーに接続されている。第1電源リレードライバ54は、生成した第1電源リレー制御信号Sb1を接続線120に対して出力する。
第1電源リレードライバ54は、第1切替スイッチ54aに接続されている。第1切替スイッチ54aは、例えば第1電源リレードライバ54とバッテリ45との間に設けられている。第1電源リレードライバ54は、第1切替スイッチ54aがオンである場合に電力が供給されることで動作し、第1切替スイッチ54aがオフである場合に電力が供給されないことで動作を停止する。
第1切替スイッチ52a,53a,54aは、第1制御部51に接続されている。なお、図2では、第1切替スイッチ52a,53a,54aと第1制御部51との間の接続線は省略している。第1制御部51は、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第1切替スイッチ52a,53a,54aをオンとし、第1制御系統41に異常が生じている場合、第1切替スイッチ52a,53a,54aをオフとしている。ところで、第1制御系統41のなかでも第1制御部51に異常が生じている場合には、第1制御部51が第1切替スイッチ52a,53a,54aをオフとすることができないことも想定される。そこで、本実施形態の第1切替スイッチ52a,53a,54aは、第1制御部51に異常が生じている場合に、自らをオフとするように設定されている。第1切替スイッチ52a,53a,54aは、例えば、第1制御部51との間の接続線を通じて第1制御部51からの信号を得ることができない場合に、第1制御部51に異常が生じていることを把握する。
第1プリドライバ52、第1モータリレードライバ53、及び第1電源リレードライバ54は、始動スイッチ34がオフからオンに切り替えられたとき、イニシャルチェックによって検査される。イニシャルチェックでは、第1モータリレードライバ53、及び第1電源リレードライバ54が正常に動作するかどうかを検査している。当該イニシャルチェックは、例えば、第1制御部51が実行する。
第2プリドライバ62は、第2制御部61により生成されたPWM信号αu,αv,αwを取得する。第2プリドライバ62は、PWM信号αu,αv,αwに基づいて、各スイッチング素子のオンオフを制御するための第2モータ制御信号Sm2を生成する。第2プリドライバ62は、接続線100によって駆動回路43の各スイッチング素子に接続されている。第2プリドライバ62は、生成した第2モータ制御信号Sm2を接続線100に対して出力する。第2プリドライバ62のイニシャルチェックについては、第1プリドライバ52のイニシャルチェックと同様である。また、第2プリドライバ62に接続される第2切替スイッチ62aについては、第1プリドライバ52に接続される第1切替スイッチ52aと同様である。
第2モータリレードライバ63は、第2制御部61により生成された判定信号Sjを取得する。第2モータリレードライバ63は、第1モータリレードライバ53と同様に、判定信号Sjに応じて第2モータリレー制御信号Sl2を生成する。第2モータリレードライバ63は、接続線110によって各モータリレーに接続されている。第2モータリレードライバ63は、生成した第2モータリレー制御信号Sl2を接続線110に対して出力する。第2モータリレードライバ63のイニシャルチェックについては、第1モータリレードライバ53のイニシャルチェックと同様である。また、第2モータリレードライバ63に接続される第2切替スイッチ63aについては、第1モータリレードライバ53に接続される第1切替スイッチ53aと同様である。
第2電源リレードライバ64は、第2制御部61により生成された判定信号Sjを取得する。第2電源リレードライバ64は、第1電源リレードライバ54と同様に、判定信号Sjに応じて第2電源リレー制御信号Sb2を生成する。第2電源リレードライバ64は、接続線120によって各電源リレーに接続されている。第2電源リレードライバ64は、生成した第2電源リレー制御信号Sb2を接続線120に対して出力する。第2電源リレードライバ64のイニシャルチェックについては、第1電源リレードライバ54のイニシャルチェックと同様である。また、第2電源リレードライバ64に接続される第2切替スイッチ64aについては、第1電源リレードライバ54に接続される第1切替スイッチ54aと同様である。
第2切替スイッチ62a,63a,64aは、第2制御部61に接続されている。なお、図2では、第2切替スイッチ62a,63a,64aと第2制御部61との間の接続線は省略している。第2制御部61は、第1制御系統41に異常が生じている場合、第2切替スイッチ62a,63a,64aをオンとし、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2切替スイッチ62a,63a,64aをオフとしている。
特許請求の範囲で記載した第1指令信号は、第1制御部51のPWM演算部74により生成されたPWM信号αu,αv,αw、及び第1制御部51の異常判定部76により生成された判定信号Sjに相当する。また、特許請求の範囲で記載した第2指令信号は、第2制御部61のPWM演算部74により生成されたPWM信号αu,αv,αw、及び第2制御部61の異常判定部76により生成された判定信号Sjに相当する。特許請求の範囲に記載した第1制御信号は、第1モータ制御信号Sm1、第1モータリレー制御信号Sl1、及び第1電源リレー制御信号Sb1に相当する。また、特許請求の範囲に記載した第2制御信号は、第2モータ制御信号Sm2、第2モータリレー制御信号Sl2、及び第2電源リレー制御信号Sb2に相当する。
第1制御部51と第2制御部61とは、マイコン間通信を行うための通信ラインによって接続されている。第1制御部51と第2制御部61とは、例えばq軸電流指令値Iq*等の演算結果を相手方の制御部に送信するとともに、相手方のq軸電流指令値Iq*を受信している。また、第1制御部51と第2制御部61とは、自らの制御系統の構成要素の異常についての情報を相手方の制御部に送信するとともに、相手方の制御系統の構成要素の異常についての情報を受信している。第1制御部51及び第2制御部61の両方は、通常時でもバックアップ時でも、q軸電流指令値Iq*や各制御信号等の演算を実行している。これにより、第1制御部51及び第2制御部61は、互いの制御系統の状態を把握することができる。
各ドライバと各スイッチング素子との接続態様について説明する。
図4に示すように、上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fは、それぞれ、第1プリドライバ52及び第2プリドライバ62の両方に同一の接続線100によって接続されている。接続線100は、第1プリドライバ52から延びる第1接続線101と、第2プリドライバ62から延びる第2接続線102と、各スイッチング素子から延びる合流接続線103とを有している。合流接続線103は、一端が第1接続線101及び第2接続線102が合流した合流部P1に接続されているとともに、他端が各スイッチング素子に接続されている。駆動回路43には6つのスイッチング素子があることに対応して、第1プリドライバ52からは6つの第1接続線101が延び、第2プリドライバ62からは6つの第2接続線102が延びている。第1プリドライバ52により生成された第1モータ制御信号Sm1は、第1接続線101に対して出力される。また、第2プリドライバ62により生成された第2モータ制御信号Sm2は、第2接続線102に対して出力される。
図4に示すように、上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fは、それぞれ、第1プリドライバ52及び第2プリドライバ62の両方に同一の接続線100によって接続されている。接続線100は、第1プリドライバ52から延びる第1接続線101と、第2プリドライバ62から延びる第2接続線102と、各スイッチング素子から延びる合流接続線103とを有している。合流接続線103は、一端が第1接続線101及び第2接続線102が合流した合流部P1に接続されているとともに、他端が各スイッチング素子に接続されている。駆動回路43には6つのスイッチング素子があることに対応して、第1プリドライバ52からは6つの第1接続線101が延び、第2プリドライバ62からは6つの第2接続線102が延びている。第1プリドライバ52により生成された第1モータ制御信号Sm1は、第1接続線101に対して出力される。また、第2プリドライバ62により生成された第2モータ制御信号Sm2は、第2接続線102に対して出力される。
図5に示すように、U相モータリレー47u、V相モータリレー47v、及びW相モータリレー47wは、それぞれ、第1モータリレードライバ53及び第2モータリレードライバ63の両方に同一の接続線110によって接続されている。接続線110は、第1モータリレードライバ53から延びる第1接続線111と、第2モータリレードライバ63から延びる第2接続線112と、各モータリレーから延びる合流接続線113とを有している。合流接続線113は、一端が第1接続線111及び第2接続線112が合流した合流部P2に接続されているとともに、他端が各モータリレーに接続されている。各モータリレーは、U、V、及びW相の三相の動力線があることに対応して、第1モータリレードライバ53からは3つの第1接続線111が延び、第2モータリレードライバ63からは3つの第2接続線112が延びている。第1モータリレードライバ53により生成された第1モータリレー制御信号Sl1は、第1接続線111に対して出力される。また、第2モータリレードライバ63により生成された第2モータリレー制御信号Sl2は、第2接続線112に対して出力される。
図6に示すように、電源リレー48a,48bは、それぞれ、第1電源リレードライバ54及び第2電源リレードライバ64の両方に同一の接続線120によって接続されている。接続線120は、第1電源リレードライバ54から延びる第1接続線121と、第2電源リレードライバ64から延びる第2接続線122と、各電源リレーから延びる合流接続線123とを有している。合流接続線123は、一端が第1接続線121及び第2接続線122が合流した合流部P3に接続されているとともに、他端が各電源リレーに接続されている。互いに反対向きの寄生ダイオードを有する電源リレー48a,48bが設けられることに対応して、第1電源リレードライバ54からは2つの第1接続線121が延び、第2電源リレードライバ64からは2つの第2接続線122が延びている。第1電源リレードライバ54により生成された第1電源リレー制御信号Sb1は、第1接続線121に対して出力される。第2電源リレードライバ64により生成された第2電源リレー制御信号Sb2は、第2接続線122に対して出力される。
本実施形態の第1プリドライバ52、第1モータリレードライバ53、第1電源リレードライバ54、第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64は、各切替スイッチを通じて電力が供給されないことで動作しない場合、各制御信号を出力する出力端子がハイインピーダンス状態に設定される。なお、本実施形態の各ドライバは、各切替スイッチを通じて電力が供給されることで動作する場合、各制御信号を出力する出力端子がハイレベルあるいはローレベルの制御信号を出力できる状態に設定される。ハイインピーダンス状態は、例えば、各ドライバの出力端子を高抵抗とすることで実現される。これにより、ハイインピーダンス状態に設定された出力端子を有するドライバについては、各接続線から切り離された状態とされる。
本実施形態では、第1制御系統41及び第2制御系統42のうちいずれか一方のドライバの出力端子がハイインピーダンス状態に設定される。このため、各プリドライバと各スイッチング素子とを接続する接続線100については、物理的には第1プリドライバ52及び第2プリドライバ62の両方が接続線100に接続されている一方、電気的にはいずれか一方のみが接続線100に接続されているとみなせる状態とされる。また、各モータリレードライバと各モータリレーとを接続する接続線110については、物理的には第1モータリレードライバ53及び第2モータリレードライバ63の両方が接続線110に接続されている一方、電気的にはいずれか一方のみが接続線110に接続されているとみなせる状態とされる。また、各電源リレードライバと各電源リレーとを接続する接続線120については、物理的には第1電源リレードライバ54及び第2電源リレードライバ64の両方が接続線120に接続されている一方、電気的にはいずれか一方のみが接続線120に接続されているとみなせる状態とされる。また、始動スイッチ34がオフされている場合等、全てのドライバが動作していないときには、全てのドライバの出力端子がハイインピーダンス状態となる。このような各接続線に全てのドライバが接続されていないとみなせる状態となる場合には、電磁誘導による誤作動等が生じやすくなる。この対策として、本実施形態では、各接続線に図示しないプルアップ抵抗あるいはプルダウン抵抗が設けられている。例えば、各接続線は、各ドライバと各スイッチング素子のゲート電極とを接続する第1部分と、各ドライバと各スイッチング素子のソース電極とを接続する第2部分とを有している。プルアップ抵抗あるいはプルダウン抵抗は、第1部分と第2部分とを接続する配線に設けられている。
第1制御系統41に異常が生じていない場合における各ドライバから各スイッチング素子への制御信号の入力態様を説明する。
図7に示すように、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2プリドライバ62の出力端子がハイインピーダンス状態(図中、「Hiz」という。)に設定されることで、第2プリドライバ62から第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力されない。一方、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第1プリドライバ52から第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1が出力される。これにより、第2プリドライバ62から駆動回路43の各スイッチング素子へ第2モータ制御信号Sm2が入力されないようにしている。また、第1プリドライバ52から駆動回路43の各スイッチング素子へ、第1接続線101及び合流接続線103を通じて、第1モータ制御信号Sm1が入力されるようにしている。
図7に示すように、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2プリドライバ62の出力端子がハイインピーダンス状態(図中、「Hiz」という。)に設定されることで、第2プリドライバ62から第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力されない。一方、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第1プリドライバ52から第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1が出力される。これにより、第2プリドライバ62から駆動回路43の各スイッチング素子へ第2モータ制御信号Sm2が入力されないようにしている。また、第1プリドライバ52から駆動回路43の各スイッチング素子へ、第1接続線101及び合流接続線103を通じて、第1モータ制御信号Sm1が入力されるようにしている。
第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2モータリレードライバ63の出力端子がハイインピーダンス状態に設定されることで、第2モータリレードライバ63から第2接続線112に第2モータリレー制御信号Sl2が出力されない。一方、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第1モータリレードライバ53から第1接続線111に第1モータリレー制御信号Sl1が出力される。これにより、第2モータリレードライバ63から各モータリレーへ第2モータリレー制御信号Sl2が入力されないようにしている。また、第1モータリレードライバ53から各モータリレーへ、第1接続線111及び合流接続線113を通じて、第1モータリレー制御信号Sl1が入力されるようにしている。
第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2電源リレードライバ64の出力端子がハイインピーダンス状態に設定されることで、第2電源リレードライバ64から第2接続線122に第2電源リレー制御信号Sb2が出力されない。一方、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第1電源リレードライバ54から第1接続線121に第1電源リレー制御信号Sb1が出力される。これにより、第2電源リレードライバ64から各電源リレーへ第2電源リレー制御信号Sb2が入力されないようにしている。また、第1電源リレードライバ54から各モータリレーへ、第1接続線121及び合流接続線123を通じて、第1電源リレー制御信号Sb1が入力されるようにしている。
第1制御系統41に異常が生じている場合における各ドライバから各スイッチング素子への制御信号の入力態様を説明する。
図8に示すように、第1制御系統41に異常が生じている場合、第1プリドライバ52の出力端子がハイインピーダンス状態に設定されることで、第1プリドライバ52から第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1が出力されない。一方、第1制御系統41に異常が生じている場合、第2プリドライバ62から第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力される。これにより、第1プリドライバ52から駆動回路43の各スイッチング素子へ第1モータ制御信号Sm1が入力されないようにしている。また、第2プリドライバ62から駆動回路43の各スイッチング素子へ、第2接続線102及び合流接続線103を通じて、第2モータ制御信号Sm2が入力されるようにしている。
図8に示すように、第1制御系統41に異常が生じている場合、第1プリドライバ52の出力端子がハイインピーダンス状態に設定されることで、第1プリドライバ52から第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1が出力されない。一方、第1制御系統41に異常が生じている場合、第2プリドライバ62から第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力される。これにより、第1プリドライバ52から駆動回路43の各スイッチング素子へ第1モータ制御信号Sm1が入力されないようにしている。また、第2プリドライバ62から駆動回路43の各スイッチング素子へ、第2接続線102及び合流接続線103を通じて、第2モータ制御信号Sm2が入力されるようにしている。
第1制御系統41に異常が生じている場合、第1モータリレードライバ53の出力端子がハイインピーダンス状態に設定されることで、第1モータリレードライバ53から第1接続線111に第1モータリレー制御信号Sl1が出力されない。一方、第1制御系統41に異常が生じている場合、第2モータリレードライバ63から第2接続線112に第2モータリレー制御信号Sl2が出力される。これにより、第1モータリレードライバ53から各モータリレーへ第1モータリレー制御信号Sl1が入力されないようにしている。また、第2モータリレードライバ63から各モータリレーへ、第2接続線112及び合流接続線113を通じて、第2モータリレー制御信号Sl2が入力されるようにしている。
第1制御系統41に異常が生じている場合、第1電源リレードライバ54の出力端子がハイインピーダンス状態に設定されることで、第1電源リレードライバ54から第1接続線121に第1電源リレー制御信号Sb1が出力されない。一方、第1制御系統41に異常が生じている場合、第2電源リレードライバ64から第2接続線122に第2電源リレー制御信号Sb2が出力される。これにより、第1電源リレードライバ54から各電源リレーへ第1電源リレー制御信号Sb1が入力されないようにしている。また、第2電源リレードライバ64から各電源リレーへ、第2接続線122及び合流接続線123を通じて、第2電源リレー制御信号Sb2が入力されるようにしている。
運転者のステアリング操作を補助するアシスト力の最大値について説明する。
図9(a)で示すように、モータ制御装置40が通常時の制御を実行した場合、第1制御信号を用いてモータ20に駆動電力を供給した結果として、運転者のステアリング操作が補助される。この場合、運転者のステアリング操作を補助するアシスト力の最大値を「100%」とする。モータ制御装置40は、通常時の制御中に、第1制御系統41に異常が生じた場合、バックアップ時の制御に移行するべく、制御系統の切り替えを実行する。この場合、第1制御系統41の異常を検出し、第1制御系統41の各ドライバの動作を停止し、第2制御系統42の各ドライバの動作を開始し、バックアップ時の制御を開始する。制御系統の切り替え中、バックアップ時の制御を開始するまでの間は、アシスト力の最大値は「0%」となる。モータ制御装置40がバックアップ時の制御を実行した場合、第2制御信号を用いてモータ20に駆動電力を供給した結果として、運転者のステアリング操作の補助が再開される。本実施形態では、バックアップ時の制御中において、運転者のステアリング操作を補助するアシスト力の最大値は「100%」である。すなわち、本実施形態では、通常時とバックアップ時とで、同様のアシスト力が出力できるように設定されている。
図9(a)で示すように、モータ制御装置40が通常時の制御を実行した場合、第1制御信号を用いてモータ20に駆動電力を供給した結果として、運転者のステアリング操作が補助される。この場合、運転者のステアリング操作を補助するアシスト力の最大値を「100%」とする。モータ制御装置40は、通常時の制御中に、第1制御系統41に異常が生じた場合、バックアップ時の制御に移行するべく、制御系統の切り替えを実行する。この場合、第1制御系統41の異常を検出し、第1制御系統41の各ドライバの動作を停止し、第2制御系統42の各ドライバの動作を開始し、バックアップ時の制御を開始する。制御系統の切り替え中、バックアップ時の制御を開始するまでの間は、アシスト力の最大値は「0%」となる。モータ制御装置40がバックアップ時の制御を実行した場合、第2制御信号を用いてモータ20に駆動電力を供給した結果として、運転者のステアリング操作の補助が再開される。本実施形態では、バックアップ時の制御中において、運転者のステアリング操作を補助するアシスト力の最大値は「100%」である。すなわち、本実施形態では、通常時とバックアップ時とで、同様のアシスト力が出力できるように設定されている。
第1実施形態の作用を説明する。
制御信号が入力される一のスイッチング素子に対して、制御信号を出力するドライバが複数接続されることがある。例えば、本実施形態では、駆動回路43の各スイッチング素子に対して、第1モータ制御信号Sm1を出力する第1プリドライバ52及び第2モータ制御信号Sm2を出力する第2プリドライバ62が同一の接続線100を通じて接続されている。この場合、第1プリドライバ52が第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1を出力し、第2プリドライバ62が第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2を出力することで、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2が同一の合流接続線103を通じて、駆動回路43の一スイッチング素子にともに入力される。ここで、一例として、第1モータ制御信号Sm1がハイレベルの電圧を印加する電圧信号であり、第2モータ制御信号Sm2がローレベルの電圧を印加する電圧信号とする。比較例として、第1モータ制御信号Sm1の第1接続線101への出力及び第2モータ制御信号Sm2の第2接続線102への出力がともになされた場合には、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2は合流接続線103にともに流れることになる。この場合、例えば、ハイレベルの第1モータ制御信号Sm1がローレベルの第2モータ制御信号Sm2に影響されて、ハイレベルの第1モータ制御信号Sm1がローレベルの第2モータ制御信号Sm2に近付くように変化するおそれがある。第1モータ制御信号Sm1に応じて駆動回路43の各スイッチング素子をオンオフさせることができないことから、モータ20に駆動電力を適切に供給できず、モータ20を適切に駆動できなくなるおそれがあった。これは、モータ制御信号に限らず、モータリレー制御信号及び電源リレー制御信号についても同様である。
制御信号が入力される一のスイッチング素子に対して、制御信号を出力するドライバが複数接続されることがある。例えば、本実施形態では、駆動回路43の各スイッチング素子に対して、第1モータ制御信号Sm1を出力する第1プリドライバ52及び第2モータ制御信号Sm2を出力する第2プリドライバ62が同一の接続線100を通じて接続されている。この場合、第1プリドライバ52が第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1を出力し、第2プリドライバ62が第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2を出力することで、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2が同一の合流接続線103を通じて、駆動回路43の一スイッチング素子にともに入力される。ここで、一例として、第1モータ制御信号Sm1がハイレベルの電圧を印加する電圧信号であり、第2モータ制御信号Sm2がローレベルの電圧を印加する電圧信号とする。比較例として、第1モータ制御信号Sm1の第1接続線101への出力及び第2モータ制御信号Sm2の第2接続線102への出力がともになされた場合には、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2は合流接続線103にともに流れることになる。この場合、例えば、ハイレベルの第1モータ制御信号Sm1がローレベルの第2モータ制御信号Sm2に影響されて、ハイレベルの第1モータ制御信号Sm1がローレベルの第2モータ制御信号Sm2に近付くように変化するおそれがある。第1モータ制御信号Sm1に応じて駆動回路43の各スイッチング素子をオンオフさせることができないことから、モータ20に駆動電力を適切に供給できず、モータ20を適切に駆動できなくなるおそれがあった。これは、モータ制御信号に限らず、モータリレー制御信号及び電源リレー制御信号についても同様である。
この点、第1実施形態では、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2プリドライバ62から第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力されない。すなわち、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2プリドライバ62から駆動回路43の各スイッチング素子へ第2モータ制御信号Sm2が入力されない。このため、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2が、同一の接続線100を通じて、駆動回路43の各スイッチング素子にともに入力されることが抑えられている。これにより、第1制御系統41に異常が生じていない場合、第1モータ制御信号Sm1の状態が第2モータ制御信号Sm2の状態に影響されることに起因した、第1モータ制御信号Sm1の状態から第2モータ制御信号Sm2の状態への変化を抑えることができる。また、第1制御系統41に異常が生じている場合、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2が、同一の接続線100を通じて、駆動回路43の各スイッチング素子にともに入力されることが抑えられている。このため、第1制御系統41に異常が生じている場合、第2モータ制御信号Sm2の状態が第1モータ制御信号Sm1の状態に影響されることに起因した、第2モータ制御信号Sm2の状態から第1モータ制御信号Sm1の状態への変化を抑えることができる。これは、モータ制御信号に限らず、モータリレー制御信号及び電源リレー制御信号についても同様である。
第1実施形態の効果を説明する。
(1)各制御信号のうち一方の制御信号の状態が他方の制御信号の状態へ変化することが抑えられるため、モータ20に駆動電力を適切に供給できるようになり、モータ20を適切に駆動することができる。
(1)各制御信号のうち一方の制御信号の状態が他方の制御信号の状態へ変化することが抑えられるため、モータ20に駆動電力を適切に供給できるようになり、モータ20を適切に駆動することができる。
(2)第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2は、途中で合流することになる接続線100を介して駆動回路43の各スイッチング素子に入力されることになる。しかし、各スイッチング素子に一方の制御信号が入力されるとともに他方の制御信号が入力されない上記前提構成を採用しているため、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2が駆動回路43の各スイッチング素子に接続線100を通じてともに入力されることが抑えられている。このため、一方のモータ制御信号の状態が他方のモータ制御信号の状態に影響されることに起因した、一方のモータ制御信号の状態から他方のモータ制御信号の状態への変化を抑えることができる。
(3)第1モータリレー制御信号Sl1及び第2モータリレー制御信号Sl2は、途中で合流することになる接続線110を通じて各モータリレーに入力されることになる。しかし、各スイッチング素子に一方の制御信号が入力されるとともに他方の制御信号が入力されない上記前提構成を採用しているため、第1モータリレー制御信号Sl1及び第2モータリレー制御信号Sl2が各モータリレーにともに入力されることが抑えられている。このため、一方のモータリレー制御信号の状態が他方のモータリレー制御信号の状態に影響されることに起因した、一方のモータリレー制御信号の状態から他方のモータリレー制御信号の状態への変化を抑えることができる。
(4)第1電源リレー制御信号Sb1及び第2電源リレー制御信号Sb2は、途中で合流することになる接続線120を通じて各電源リレーに入力されることになる。しかし、各スイッチング素子に一方の制御信号が入力されるとともに他方の制御信号が入力されない上記前提構成を採用しているため、第1電源リレー制御信号Sb1及び第2電源リレー制御信号Sb2が各電源リレーにともに入力されることが抑えられている。このため、一方の電源リレー制御信号の状態が他方の電源リレー制御信号の状態に影響されることに起因した、一方の電源リレー制御信号の状態から他方の電源リレー制御信号の状態への変化を抑えることができる。
(5)第1プリドライバ52及び第2プリドライバ62のうち一方のプリドライバの出力端子は、ハイインピーダンス状態に設定される。この場合、当該ハイインピーダンス状態に設定された出力端子では、当該出力端子から出力される制御信号が接続線100へ流れにくくなる。これにより、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2が、同一の接続線100を通じて、駆動回路43の各スイッチング素子にともに入力されることを抑えることができる。このため、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2のうち一方のモータ制御信号の状態が他方のモータ制御信号の状態に影響を与えることを抑えることができる。これは、モータリレー制御信号及び電源リレー制御信号についても同様である。
(6)自動車向けの機能安全性規格としてISO26262が存在する。ISO26262の対象には、車載電子システムのみならず、その構成要素である電子機器、電子制御装置、及びソフトウェア等も含まれる。ISO26262では、電子制御されるシステムの機能に異常が発生したときの事象の評価結果から得られる過酷度、ハザードの発生頻度、及び回避可能性の3つの指標に基づき、ハザードを評価する指標であるASIL(Automotive Safety Integrity Level:自動車安全水準)を決定する。ASILには、ハザードの程度の低い方から順に、「QM(Quality Management)、A、B、C、D」の5つのランクが定められている。「QM」とは、機能安全を適用しなくてもよい通常の品質管理をいう。システムを設計する際には、システムがどのASILに相当するかを決定し、その決定したASILに応じた安全対策を施す必要がある。「QM<A<B<C<D」の順に高いレベルのASILに応じた安全対策が求められる。
一般にEPSの分野では、比較的に高いレベルのASILに応じた安全対策が求められる。これに対応するかたちで、EPSのモータ制御装置の構成要素を複数系統に冗長化する技術が多数提案されている。しかしながら、EPSのモータ制御装置の構成要素をすべて冗長化すると、モータ制御装置の構成要素の部品点数が増加してしまうため、モータ制御装置の製造コストが大きく増加するおそれがある。とりわけ、多数のスイッチング素子からなる駆動回路等は高価であることから、駆動回路の冗長化はモータ制御装置の製造コストの増加に対する影響が大きい。
この点、本実施形態のモータ制御装置40は、駆動回路43等については冗長しない一方、第1制御部51を含む第1制御系統41及び第2制御部61を含む第2制御系統42を冗長している。これにより、駆動回路も冗長化したモータ制御装置と比べて、安価に製造することが可能になる。したがって、本実施形態のモータ制御装置40をEPS1に適用する場合、高いレベルのASILを実現するための安全対策と、低い製造コストとを両立したモータ制御装置を提供することができる。
(7)本実施形態では、駆動回路43については冗長しないようにしている。しかし、様々な要因により駆動回路43の各スイッチング素子は故障することも考えられる。この点、本実施形態では、駆動回路43の各スイッチング素子がオープン故障する等して、三相のうち一相について通電不良な状況が生じたとしても、当該一相を除く二相に対して駆動電力を供給する二相駆動を実行することで、モータ20の駆動を継続できる。
(8)第1制御系統41に異常が生じていない場合、第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64は、電力が供給されないことで動作を停止している。第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64は、第1制御系統41に異常が生じて、バックアップ時の制御が実行される場合に、電力が供給されることで動作を開始する。この点、本実施形態では、始動スイッチ34がオフからオンに切り替えられたときのイニシャルチェック中に各ドライバが正常に動作するかどうかを検査していることから、第1制御系統41に異常が生じたときに第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64へと素早く切り替えて動作することが期待できる。このため、バックアップ時の制御を適切にかつ素早く実行できる。
<第2実施形態>
モータ制御装置の第2実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第1実施形態との違いを中心に説明する。
モータ制御装置の第2実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第1実施形態との違いを中心に説明する。
図10に示すように、第2実施形態では、各ドライバと各スイッチング素子との間の接続線にスイッチが設けられている。
第1プリドライバ52から延びる第1接続線101には、第1スイッチ101aが設けられている。第2プリドライバ62から延びる第2接続線102には、第2スイッチ102aが設けられている。第1スイッチ101aは、例えば第1制御部51に接続されている。第1制御部51は、第1スイッチ101aのオンオフを制御する。第2スイッチ102aは、例えば第2制御部61に接続されている。第2制御部61は、第2スイッチ102aのオンオフを制御する。第1スイッチ101aは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オン、すなわち第1接続線101が導通された状態に切り替える。一方、第2スイッチ102aは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オフ、すなわち第2接続線102が遮断された状態に切り替える。また、第1スイッチ101aは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オフ、すなわち第1接続線101が遮断された状態に切り替える。一方、第2スイッチ102aは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オン、すなわち第2接続線102が導通された状態に切り替える。
第1プリドライバ52から延びる第1接続線101には、第1スイッチ101aが設けられている。第2プリドライバ62から延びる第2接続線102には、第2スイッチ102aが設けられている。第1スイッチ101aは、例えば第1制御部51に接続されている。第1制御部51は、第1スイッチ101aのオンオフを制御する。第2スイッチ102aは、例えば第2制御部61に接続されている。第2制御部61は、第2スイッチ102aのオンオフを制御する。第1スイッチ101aは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オン、すなわち第1接続線101が導通された状態に切り替える。一方、第2スイッチ102aは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オフ、すなわち第2接続線102が遮断された状態に切り替える。また、第1スイッチ101aは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オフ、すなわち第1接続線101が遮断された状態に切り替える。一方、第2スイッチ102aは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オン、すなわち第2接続線102が導通された状態に切り替える。
第1モータリレードライバ53から延びる第1接続線111には、第1スイッチ111aが設けられている。第2モータリレードライバ63から延びる第2接続線112には、第2スイッチ112aが設けられている。第1スイッチ111aは、例えば第1制御部51に接続されている。第1制御部51は、第1スイッチ111aのオンオフを制御する。第2スイッチ112aは、例えば第2制御部61に接続されている。第2制御部61は、第2スイッチ112aのオンオフを制御する。第1スイッチ111aは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オン、すなわち第1接続線111が導通された状態に切り替える。一方、第2スイッチ112aは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オフ、すなわち第2接続線112が遮断された状態に切り替える。また、第1スイッチ111aは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オフ、すなわち第1接続線111が遮断された状態に切り替える。一方、第2スイッチ112aは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オン、すなわち第2接続線112が導通された状態に切り替える。
第1電源リレードライバ54から延びる第1接続線121には、第1スイッチ121aが設けられている。第2電源リレードライバ64から延びる第2接続線122には、第2スイッチ122aが設けられている。第1スイッチ121aは、例えば第1制御部51に接続されている。第1制御部51は、第1スイッチ121aのオンオフを制御する。第2スイッチ122aは、例えば第2制御部61に接続されている。第2制御部61は、第2スイッチ122aのオンオフを制御する。第1スイッチ121aは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オン、すなわち第1接続線121が導通された状態に切り替える。一方、第2スイッチ122aは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オフ、すなわち第2接続線122が遮断された状態に切り替える。また、第1スイッチ121aは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オフ、すなわち第1接続線121が遮断された状態に切り替える。一方、第2スイッチ122aは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オン、すなわち第2接続線122が導通された状態に切り替える。
第1制御系統41のなかでも第1制御部51に異常が生じている場合には、第1制御部51が第1スイッチ101a,111a,121aをオフとすることができないことも想定される。そこで、本実施形態の第1スイッチ101a,111a,121aは、第1制御部51に異常が生じている場合に、自らをオフとするように設定されている。第1スイッチ101a,111a,121aは、例えば、第1制御部51との間の接続線を通じて第1制御部51からの信号を得ることができない場合に、第1制御部51に異常が生じていることを把握する。
図10では、第1制御系統41に異常が生じていない場合を図示している。この場合、第2プリドライバ62から駆動回路43の各スイッチング素子へ第2モータ制御信号Sm2が入力されないようにしているとともに、第1プリドライバ52から駆動回路43の各スイッチング素子へ第1モータ制御信号Sm1が入力されるようにしている。また、第2モータリレードライバ63から各モータリレーへ第2モータリレー制御信号Sl2が入力されないようにしているとともに、第1モータリレードライバ53から各モータリレーへ第1モータリレー制御信号Sl1が入力されるようにしている。また、第2電源リレードライバ64から各電源リレーへ第2電源リレー制御信号Sb2が入力されないようにしているとともに、第1電源リレードライバ54から各電源リレーへ第1電源リレー制御信号Sb1が入力されるようにしている。
第1制御系統41に異常が生じている場合、第1プリドライバ52から駆動回路43の各スイッチング素子へ第1モータ制御信号Sm1が入力されないようにしているとともに、第2プリドライバ62から駆動回路43の各スイッチング素子へ第2モータ制御信号Sm2が入力されるようにしている。また、第1モータリレードライバ53から各モータリレーへ第1モータリレー制御信号Sl1が入力されないようにしているとともに、第2モータリレードライバ63から各モータリレーへ第2モータリレー制御信号Sl2が入力されるようにしている。また、第1電源リレードライバ54から各電源リレーへ第1電源リレー制御信号Sb1が入力されないようにしているとともに、第2電源リレードライバ64から各電源リレーへ第2電源リレー制御信号Sb2が入力されるようにしている。
第2実施形態の効果を説明する。
(9)第1スイッチ101a及び第2スイッチ102aのうち一方のスイッチは、オフとされている。この場合、オフとされたスイッチが設けられている接続線では、当該接続線を通じて、駆動回路43の各スイッチング素子にモータ制御信号が入力されることが抑えられる。これにより、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2が、駆動回路43の各スイッチング素子にともに入力されることを抑えることができる。このため、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2のうち一方のモータ制御信号の状態が他方のモータ制御信号の状態に影響を与えることを抑えることができる。これは、モータリレー制御信号及び電源リレー制御信号についても同様である。
(9)第1スイッチ101a及び第2スイッチ102aのうち一方のスイッチは、オフとされている。この場合、オフとされたスイッチが設けられている接続線では、当該接続線を通じて、駆動回路43の各スイッチング素子にモータ制御信号が入力されることが抑えられる。これにより、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2が、駆動回路43の各スイッチング素子にともに入力されることを抑えることができる。このため、第1モータ制御信号Sm1及び第2モータ制御信号Sm2のうち一方のモータ制御信号の状態が他方のモータ制御信号の状態に影響を与えることを抑えることができる。これは、モータリレー制御信号及び電源リレー制御信号についても同様である。
<第3実施形態>
モータ制御装置の第3実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第2実施形態との違いを中心に説明する。
モータ制御装置の第3実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第2実施形態との違いを中心に説明する。
図11に示すように、第3実施形態では、第2実施形態で接続線に設けられた各スイッチが各ドライバの内部に設けられている。
第1プリドライバ52の内部には第1スイッチ52bが設けられている。第2プリドライバ62の内部には第2スイッチ62bが設けられている。第1スイッチ52bは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オン、すなわち第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1が出力される状態に切り替える。一方、第2スイッチ62bは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オフ、すなわち第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力されない状態に切り替える。また、第1スイッチ52bは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オフ、すなわち第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1が出力されない状態に切り替える。一方、第2スイッチ62bは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オン、すなわち第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力される状態に切り替える。
第1プリドライバ52の内部には第1スイッチ52bが設けられている。第2プリドライバ62の内部には第2スイッチ62bが設けられている。第1スイッチ52bは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オン、すなわち第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1が出力される状態に切り替える。一方、第2スイッチ62bは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オフ、すなわち第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力されない状態に切り替える。また、第1スイッチ52bは、第1制御系統41に異常が生じている場合に、オフ、すなわち第1接続線101に第1モータ制御信号Sm1が出力されない状態に切り替える。一方、第2スイッチ62bは、第1制御系統41に異常が生じていない場合に、オン、すなわち第2接続線102に第2モータ制御信号Sm2が出力される状態に切り替える。
第1制御系統41のなかでも第1制御部51に異常が生じている場合には、第1制御部51が第1スイッチ52bをオフとすることができないことも想定される。そこで、本実施形態の第1スイッチ52bは、第1制御部51に異常が生じている場合に、自らをオフとするように設定されている。第1スイッチ52bは、例えば、第1制御部51との間の接続線を通じて第1制御部51からの信号を得ることができない場合に、第1制御部51に異常が生じていることを把握する。
第1モータリレードライバ53の内部には第1スイッチ53bが設けられている。第2モータリレードライバ63の内部には第2スイッチ63bが設けられている。また、第1電源リレードライバ54の内部には第1スイッチ54bが設けられている。第2電源リレードライバ64の内部には第2スイッチ64bが設けられている。第1スイッチ53bの第1モータリレー制御信号Sl1の出力態様及び第1スイッチ54bの第1電源リレー制御信号Sb1の出力態様は、第1スイッチ52bの第1モータ制御信号Sm1の出力態様と同様である。また、第2スイッチ63bの第2モータリレー制御信号Sl2の出力態様及び第2スイッチ64bの第2電源リレー制御信号Sb2の出力態様は、第2スイッチ62bの第2モータ制御信号Sm2の出力態様と同様である。
第3実施形態の効果を説明する。
(10)第3実施形態は、第2実施形態と同様の効果を有する。また、第3実施形態では、各スイッチを各ドライバの内部に設けることから、第2実施形態と比べてモータ制御装置40の部品点数を少なくすることができる。
(10)第3実施形態は、第2実施形態と同様の効果を有する。また、第3実施形態では、各スイッチを各ドライバの内部に設けることから、第2実施形態と比べてモータ制御装置40の部品点数を少なくすることができる。
<第4実施形態>
モータ制御装置の第4実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第1~第3実施形態との違いを中心に説明する。
モータ制御装置の第4実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第1~第3実施形態との違いを中心に説明する。
例えば、第2制御部61の電流指令値演算部71が演算するq軸電流指令値Iq*の値は、第1制御部51の電流指令値演算部71が演算するq軸電流指令値Iq*の値よりも小さくなるよう設定されている。
図9(b)で示すように、本実施形態では、バックアップ時の制御中において、運転者のステアリング操作を補助するアシスト力の最大値は「30%」である。すなわち、本実施形態では、第1制御系統41の性能と第2制御系統42の性能とは同様であるものの、バックアップ時に出力されるアシスト力が通常時に出力されるアシスト力よりも小さくなるように設定されている。
第4実施形態の効果を説明する。
(11)バックアップ時に通常時よりも小さいアシスト力が出力されるように設定されていることから、ステアリングホイール10の操舵感は重くなる。このことから、第1制御系統41に異常が生じたことをステアリングホイール10の操舵感を通じて運転者に伝えることができるようになる。
(11)バックアップ時に通常時よりも小さいアシスト力が出力されるように設定されていることから、ステアリングホイール10の操舵感は重くなる。このことから、第1制御系統41に異常が生じたことをステアリングホイール10の操舵感を通じて運転者に伝えることができるようになる。
<第5実施形態>
モータ制御装置の第4実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第4実施形態との違いを中心に説明する。
モータ制御装置の第4実施形態を図面に従って説明する。ここでは、第4実施形態との違いを中心に説明する。
第5実施形態では、第2制御部61、第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64の性能は、第1制御部51、第1プリドライバ52、第1モータリレードライバ53、及び第1電源リレードライバ54の性能よりも低く設定されている。この場合の性能としては、例えば演算性能が挙げられる。このため、本実施形態では、第2制御系統42の性能が第1制御系統41の性能よりも低いことに対応して、バックアップ時に出力されるアシスト力が通常時に出力されるアシスト力よりも小さくなるように設定されている。ここでは、バックアップ時の制御中において、運転者のステアリング操作を補助するアシスト力の最大値を「30%」に設定している。第5実施形態の効果は第4実施形態と同様である。
上記実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fの一部、あるいは全ては、MOS-FET以外のスイッチング素子、例えば、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等であってもよい。これは、U相モータリレー47u、V相モータリレー47v、W相モータリレー47w、及び電源リレー48a,48bについても同様である。
・上側スイッチング素子43a~43c及び下側スイッチング素子43d~43fの一部、あるいは全ては、MOS-FET以外のスイッチング素子、例えば、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等であってもよい。これは、U相モータリレー47u、V相モータリレー47v、W相モータリレー47w、及び電源リレー48a,48bについても同様である。
・トルクセンサ31に異常が生じている場合、センサレス制御を実行することで、操舵トルクτを推定するようにしてもよい。これは、回転角センサ32についても同様である。
・第1制御系統41に接続されるトルクセンサと、第2制御系統42に接続されるトルクセンサとを別個のトルクセンサとしてもよい。これは、回転角センサ32についても同様である。
・バックアップ時のアシスト力の最大値は、通常時のアシスト力の最大値の半分に設定する等、適宜変更可能である。
・第1制御系統41の異常を検出した場合、第1制御系統41の各ドライバの動作を停止し、第2制御系統42の各ドライバの動作を開始し、第2制御系統42の切替時チェックを実行した後、バックアップ時の制御を開始するようにしてもよい。なお、第2制御系統42の切替時チェックでは、第2制御系統42の各ドライバが正常に動作するかどうかを検査している。第2制御系統42の切替時チェックを行う場合、第2制御系統42の切替時チェックを行わない場合と比べて、各ドライバが正常に動作するかどうかを検査していることから、より適切にバックアップ時の制御を実行できる。
・第1制御系統41の異常を検出した場合、第1制御系統41の各ドライバの動作を停止し、第2制御系統42の各ドライバの動作を開始し、第2制御系統42の切替時チェックを実行した後、バックアップ時の制御を開始するようにしてもよい。なお、第2制御系統42の切替時チェックでは、第2制御系統42の各ドライバが正常に動作するかどうかを検査している。第2制御系統42の切替時チェックを行う場合、第2制御系統42の切替時チェックを行わない場合と比べて、各ドライバが正常に動作するかどうかを検査していることから、より適切にバックアップ時の制御を実行できる。
・第1制御系統41及び第2制御系統42は、U相電流センサ46u、V相電流センサ46v、及びW相電流センサ46wについて、その検出信号Su,Sv,Swの振幅を増幅する増幅器を有していてもよい。この場合、U相電流センサ46u、V相電流センサ46v、及びW相電流センサ46wは、それぞれ、第1制御系統41の増幅器及び第2制御系統42の増幅器の両方に同一の接続線によって接続されていてもよい。
・上記各実施形態では、各プリドライバ、各モータリレードライバ、各電源リレードライバについて、それぞれ、各スイッチング素子に一方の制御信号が入力されるとともに他方の制御信号が入力されない上記前提構成を採用していたが、これに限らない。例えば、各モータリレードライバについては、上記前提構成を採用しないようにしてもよく、各プリドライバ、各モータリレードライバ、及び各電源リレードライバのうちいずれか一つのドライバに上記前提構成を採用すればよい。
・上記各実施形態では、第1制御系統41及び第2制御系統42は、それぞれ、プリドライバ、モータリレードライバ、及び電源リレードライバを有していたが、これに限らない。例えば、モータ制御装置40は、モータリレーを備えず、第1制御系統41及び第2制御系統42は、それぞれ、モータリレードライバを有さないようにしてもよい。また、モータ制御装置40は、電源リレーを備えず、第1制御系統41及び第2制御系統42は、それぞれ、電源リレードライバを有さないようにしてもよい。
・上記各実施形態では、第1切替スイッチ52a,53a,54aは第1制御部51に接続されていたが、これに限らない。例えば、第1切替スイッチ52a,53a,54aは通信ラインを介して第2制御部61に接続されるようにしてもよい。第2制御部61は、第1制御系統41に異常が生じている場合、第1切替スイッチ52a,53a,54aをオフとし、第2切替スイッチ62a,63a,64aをオンとする。また、第1切替スイッチ52a,53a,54aは、第1制御部51及び第2制御部61の両方に接続されるようにしてもよい。なお、第1切替スイッチ52a,53a,54aが第2制御部61に接続されるのであれば、第1切替スイッチ52a,53a,54aは、第1制御部51に異常が生じている場合に自らをオフとする機能を有していなくてよい。これらは、第2切替スイッチ62a,63a,64aについても同様である。
・上記第2実施形態において、第1スイッチ101a,111a,121aは、通信ラインを介して第2制御部61に接続されるようにしてもよい。第2制御部61は、第1制御系統41に異常が生じている場合、第1スイッチ101a,111a,121aをオフとし、第2スイッチ102a,112a,122aをオンとする。また、第1スイッチ101a,111a,121aは、第1制御部51及び第2制御部61の両方に接続されるようにしてもよい。なお、第1スイッチ101a,111a,121aが第2制御部61に接続されるのであれば、第1スイッチ101a,111a,121aは、第1制御部51に異常が生じている場合に自らをオフとする機能を有していなくてよい。これらは、第2スイッチ102a,112a,122aについても同様である。また、これらは、第3実施形態の第1スイッチ52b,53b,54b及び第2スイッチ62b,63b,64bについても同様である。
・第1接続線101及び合流接続線103が同一の線材によって構成され、当該線材における第1接続線101と合流接続線103との間に他の線材である第2接続線102が合流するようにしてもよい。また、第2接続線102及び合流接続線103が同一の線材によって構成され、当該線材における第2接続線102と合流接続線103との間に他の線材である第1接続線101が合流するようにしてもよい。このように、接続線100の接続態様は適宜変更可能である。
・モータ制御装置40は、電源リレー48a,48bのうちいずれか一方のみを備えるようにしてもよい。
・第1切替スイッチ52a,53a,54a及び第2切替スイッチ62a,63a,64aは、MOS-FET及びプリドライバにより構成されてもよいし、機械式スイッチで構成されてもよい。
・第1切替スイッチ52a,53a,54a及び第2切替スイッチ62a,63a,64aは、MOS-FET及びプリドライバにより構成されてもよいし、機械式スイッチで構成されてもよい。
・モータ制御装置40は、制御系統を第1制御系統41及び第2制御系統42の2系統としていたが、制御系統を3系統以上としてもよい。
・第1プリドライバ52、第1モータリレードライバ53、第1電源リレードライバ54、第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64は、各切替スイッチを通じて電力が供給されることで動作している場合においても出力端子がハイインピーダンス状態に設定されるものであってもよい。例えば、各ドライバは、各切替スイッチを通じて電力が供給されることで動作していても、第1制御系統41に異常が生じている場合には、各ドライバの内部抵抗を大きくすることで出力端子をハイインピーダンス状態に設定するものであってもよい。
・第1プリドライバ52、第1モータリレードライバ53、第1電源リレードライバ54、第2プリドライバ62、第2モータリレードライバ63、及び第2電源リレードライバ64は、各切替スイッチを通じて電力が供給されることで動作している場合においても出力端子がハイインピーダンス状態に設定されるものであってもよい。例えば、各ドライバは、各切替スイッチを通じて電力が供給されることで動作していても、第1制御系統41に異常が生じている場合には、各ドライバの内部抵抗を大きくすることで出力端子をハイインピーダンス状態に設定するものであってもよい。
・q軸電流指令値Iq*等の指令値は操舵トルクτに基づいて演算されるのに限らず、操舵角等の他の操舵状態に基づいて演算されてもよい。
・二相駆動制御部73は、二相駆動を実行する場合、通電不良相以外の二相の両方についての相電流指令値を演算してもよい。この場合、二相駆動制御部73は、当該二相の相電流指令値を用いて相電圧指令値を演算する。
・二相駆動制御部73は、二相駆動を実行する場合、通電不良相以外の二相の両方についての相電流指令値を演算してもよい。この場合、二相駆動制御部73は、当該二相の相電流指令値を用いて相電圧指令値を演算する。
・モータ20によってステアリング軸11にアシスト力を付与するEPS1に具体化して示したが、これに限らない。例えば、ラック軸12に平行に配置された回転軸21を有するモータ20によってラック軸12にアシスト力を付与するEPS1に具体化したステアリング装置であってもよい。また、EPSに限らず、例えばステアバイワイヤ式のステアリング装置に具体化してもよい。すなわち、モータ20によって操舵機構2に動力を付与するステアリング装置であれば、どのようなものであってもよい。
・上記実施形態において、第1制御部51は、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、3)それらの組み合わせ、を含む処理回路によって構成することができる。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわち非一時的なコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。これは、第2制御部61についても同様である。
40…モータ制御装置
41,42…第1、第2制御系統
43…駆動回路
43a~43c…上側スイッチング素子
43c~43f…下側スイッチング素子
47u~47w…U相、V相、W相モータリレー
48a,48b…電源リレー
51,61…第1、第2制御部
52,62…第1、第2プリドライバ
53,63…第1、第2モータリレードライバ
54,64…第1、第2電源リレードライバ
100,110,120…接続線
101,111,121…第1接続線
102,112,122…第2接続線
103,113,123…合流接続線
41,42…第1、第2制御系統
43…駆動回路
43a~43c…上側スイッチング素子
43c~43f…下側スイッチング素子
47u~47w…U相、V相、W相モータリレー
48a,48b…電源リレー
51,61…第1、第2制御部
52,62…第1、第2プリドライバ
53,63…第1、第2モータリレードライバ
54,64…第1、第2電源リレードライバ
100,110,120…接続線
101,111,121…第1接続線
102,112,122…第2接続線
103,113,123…合流接続線
Claims (7)
- モータトルクの発生源であるモータの駆動を制御する第1制御系統及び第2制御系統を備えるモータ制御装置であって、
複数のスイッチング素子を有し、
前記第1制御系統は、第1指令信号を生成する第1制御部と、前記第1指令信号に基づいて前記各スイッチング素子のオンオフを規定する第1制御信号を生成する第1ドライバとを有し、
前記第2制御系統は、第2指令信号を生成する第2制御部と、前記第2指令信号に基づいて前記各スイッチング素子のオンオフを規定する第2制御信号を生成する第2ドライバとを有し、
前記各スイッチング素子は、前記第1ドライバ及び前記第2ドライバの両方に接続線によって接続されており、
前記接続線は、前記第1ドライバから延びる第1接続線と、前記第2ドライバから延びる第2接続線と、前記第1接続線及び前記第2接続線が合流して接続されているとともに前記各スイッチング素子に接続されている合流接続線とを有しており、
前記第1制御系統に異常が生じていない場合、前記第1ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第1制御信号が入力される一方、前記第2ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第2制御信号が入力されず、
前記第1制御系統に異常が生じている場合、前記第2ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第2制御信号が入力される一方、前記第1ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第1制御信号が入力されないモータ制御装置。 - 前記複数のスイッチング素子は、前記第1制御系統及び前記第2制御系統の両方が接続されている単一の駆動回路を構成するスイッチング素子を含み、
前記第1ドライバは、前記駆動回路を構成するスイッチング素子のオンオフを規定する第1モータ制御信号を生成する第1プリドライバを含み、
前記第2ドライバは、前記駆動回路を構成するスイッチング素子のオンオフを規定する第2モータ制御信号を生成する第2プリドライバを含み、
前記駆動回路を構成するスイッチング素子は、前記第1プリドライバ及び前記第2プリドライバの両方に前記接続線によって接続されている請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記複数のスイッチング素子は、駆動回路から前記モータへの給電経路の途中に設けられている単一のモータリレーを含み、
前記第1ドライバは、前記モータリレーのオンオフを規定する第1モータリレー制御信号を生成する第1モータリレードライバを含み、
前記第2ドライバは、前記モータリレーのオンオフを規定する第2モータリレー制御信号を生成する第2モータリレードライバを含み、
前記モータリレーは、前記第1モータリレードライバ及び前記第2モータリレードライバの両方に前記接続線によって接続されている請求項1または2に記載のモータ制御装置。 - 前記複数のスイッチング素子は、バッテリから駆動回路への給電経路の途中に設けられている単一の電源リレーを含み、
前記第1ドライバは、前記電源リレーのオンオフを規定する第1電源リレー制御信号を生成する第1電源リレードライバを含み、
前記第2ドライバは、前記電源リレーのオンオフを規定する第2電源リレー制御信号を生成する第2電源リレードライバを含み、
前記電源リレーは、前記第1電源リレードライバ及び前記第2電源リレードライバの両方に前記接続線によって接続されている請求項1~3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。 - 前記第2ドライバは、前記第1制御系統に異常が生じていない場合、前記第2制御信号を出力する出力端子をハイインピーダンス状態に設定することで、前記第2ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第2制御信号が入力されないようにしており、
前記第1ドライバは、前記第1制御系統に異常が生じている場合、前記第1制御信号を出力する出力端子をハイインピーダンス状態に設定することで、前記第1ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第1制御信号が入力されないようにしている請求項1~4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。 - 前記接続線における前記第1ドライバと接続される部分及び前記第2ドライバと接続される部分が合流する部分を合流部とするとき、
前記接続線における前記第1ドライバと前記合流部との間の部分には、第1スイッチが設けられ、
前記接続線における前記第2ドライバと前記合流部との間の部分には、第2スイッチが設けられ、
前記第2ドライバは、前記第1制御系統に異常が生じていない場合、前記第2スイッチがオフされることで、前記第2ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第2制御信号が入力されないようにしており、
前記第1ドライバは、前記第1制御系統に異常が生じている場合、前記第1スイッチがオフされることで、前記第1ドライバから前記各スイッチング素子へ前記第1制御信号が入力されないようにしている請求項1~4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。 - 前記モータは、操舵装置にモータトルクを付与するものである請求項1~6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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JP (1) | JP2022019328A (ja) |
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2020
- 2020-07-17 JP JP2020123103A patent/JP2022019328A/ja active Pending
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