JP5910295B2 - モータ駆動系の異常検出装置 - Google Patents

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本発明は、モータ駆動系の異常を検出する装置に関する。
車両のステアリングシャフトやラック軸に電動モータの駆動力を付与することにより運転者のステアリング操作を補助する、いわゆる電動パワーステアリング装置が周知である。この種の電動パワーステアリング装置では、何らかの異常が発生したとき、電動モータの駆動を停止することがあるが、この場合、運転者は人力のみで転舵輪を転舵する必要がある。このような状況では、運転者のステアリング操作に連動して電動モータが回転するため、電動モータが発電機として機能する。このとき、電動モータに接続された駆動回路の電気抵抗により電動モータに負荷トルクが発生するため、この負荷トルクがステアリング操作の妨げとなる。
そこで、特許文献1に記載のモータ制御装置では、電動モータと駆動回路とを接続する給電線の途中に相開放スイッチが設けられている。この相開放スイッチは通常、オン状態となっており、電動モータと駆動回路とが給電線を介して電気的に接続されている。そして、このモータ制御装置は、何らかの異常により電動モータの駆動を停止する場合、相開放スイッチをオフし、電動モータと駆動回路との電気的な接続を遮断する。これにより、電動モータに発生する負荷トルクが抑制されるため、人力によるステアリング操作の負荷を低減することができる。
特開2005−199746号公報
ところで、このようなモータ制御装置では、相開放スイッチがオフ状態(開状態)で固定される、いわゆるオープン異常が発生すると、駆動回路と電動モータとの接続が遮断されたままとなる。このような異常が発生すると、電動モータを適切に駆動させることができなくなる。また、駆動回路と電動モータとを接続する給電線が断線した場合にも、同様に電動モータを適切に駆動させることができなくなる。よって、こうした電動モータの給電系に生じる異常を検出することのできる装置が求められている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動モータの給電系の異常を検出することのできるモータ駆動系の異常検出装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電源に接続された上側スイッチング素子及び接地された下側スイッチング素子の直列回路からなる3つのアームと、同3つのアームの中点と電動モータとを接続する各相給電線とを有し、前記各スイッチング素子のスイッチングにより生成される三相交流電流を前記各相給電線を介して電動モータに供給する駆動回路と、FETからなり、寄生ダイオードの向きが前記アームから前記電動モータへの通電を許容する方向となるように前記各相給電線にそれぞれ設けられた相開放スイッチと、前記3つのアームの中点の電圧をそれぞれ検出する電圧検出部とを備え、前記3つのアームにおいて特定の一相に対応する上側スイッチング素子のみをオンさせ、それ以外の全ての上側スイッチング素子及び下側スイッチング素子をオフさせて且つ、全ての相開放スイッチをオンさせた状態で前記電圧検出部により前記3つのアームの中点電圧を検出し、前記特定の一相以外の二相に対応するアームのそれぞれの中点電圧のいずれか一方が前記電源の電源電圧と異なる電圧である場合、前記電源電圧と異なる電圧を示す相に対応する相開放スイッチにオープン異常が生じたと判定することを要旨とする。
各相アームにおいて特定の一相に対応する上側スイッチング素子のみをオンさせるとともに、それ以外の上側スイッチング素子及び下側スイッチング素子をオフさせた場合、特定相のアームの中点には電源が電気的に接続された状態となる。よって、特定相のアームの中点電圧は電源電圧となる。また、各相の相開放スイッチの全てが正常である場合、それらをオンさせれば、各相アームの中点は各相給電線及びモータを介して互いに電気的に接続される。したがって、特定相以外の二相のアームの中点電圧も電源電圧となる。これに対し、特定相以外の二相の相開放スイッチのいずれかにオープン異常が発生した場合、各相の相開放スイッチをオンさせても、オープン異常が発生した相のアームの中点と特定相のアームの中点との電気的な接続が遮断された状態となる。したがって、オープン異常が発生した相に対応するアームの中点電圧は電源電圧と異なる電圧となる。よって、上記構成によれば、特定相以外の二相の相開放スイッチに発生するオープン異常を検出することができる。
請求項2に記載の発明は、電源に接続された上側スイッチング素子及び接地された下側スイッチング素子の直列回路からなる3つのアームと、同3つのアームの中点と電動モータとを接続する各相給電線とを有し、前記各スイッチング素子のスイッチングにより生成される三相交流電流を前記各相給電線を介して電動モータに供給する駆動回路と、FETからなり、寄生ダイオードの向きが前記アームから前記電動モータへの通電を許容する方向となるように前記各相給電線にそれぞれ設けられた相開放スイッチと、前記3つのアームの中点の電圧をそれぞれ検出する電圧検出部とを備え、前記3つのアームにおいて特定の一相に対応する上側スイッチング素子のみをオンさせ、それ以外の全ての上側スイッチング素子及び下側スイッチング素子をオフさせて且つ、全ての相開放スイッチをオンさせた状態で前記電圧検出部により前記3つのアームの中点電圧を検出し、前記特定の一相以外の二相のアームのそれぞれの中点電圧が前記電源電圧と異なる場合、前記特定の一相に対応する給電線に断線異常が生じたと判定することを要旨とする。
各相アームにおいて特定の一相に対応する上側スイッチング素子のみをオンさせるとともに、それ以外の上側スイッチング素子及び下側スイッチング素子をオフさせた場合、特定相のアームの中点には電源が電気的に接続された状態となる。このとき、特定相の給電線に断線異常が発生している場合、各相の相開放スイッチをオンさせても、特定相のアームの中点とそれ以外の二相のアームの中点との電気的な接続が遮断された状態となる。したがって、二相のアームの中点電圧は電源電圧と異なる電圧となる。よって、上記構成によれば、特定相の給電線に発生する断線異常を検出することができる。
本発明のモータ駆動系の異常検出装置によれば、電動モータの給電系の異常を検出することができる。
本発明のモータ駆動系の異常検出装置を適用した車両の電動パワーステアリング装置の一実施形態についてその概要を模式的に示す図。 実施形態の電動パワーステアリング装置についてそのモータ制御装置の構成を示すブロック図。 実施形態のモータ制御装置による相開放FETのオープン異常の検出原理を示す図。 実施形態のモータ制御装置による相開放FETのオープン異常の検出原理を示す図。 実施形態のモータ制御装置による相開放FETのオープン異常の検出原理を示す図。 実施形態のモータ制御装置による相開放FETのオープン異常の検出原理を示す図。 (a),(b)は、実施形態のモータ制御装置による相開放FETのオープン異常の検出方法を示す図表。 実施形態のモータ制御装置による相開放FETのオープン異常を検出する処理の手順を示すフローチャート。 実施形態のモータ制御装置による相開放FETのオープン異常の検出方法の他の例を示す図表。 本発明のモータ駆動系の異常検出装置を適用したモータ制御装置の他の例について電動モータの給電線の断線異常の検出原理を示す図。 (a)〜(c)は、他の例のモータ制御装置による給電線の断線異常の検出方法を示す図表。
以下、本発明を車両の電動パワーステアリング装置に適用した一実施形態について図1〜図8を参照して説明する。はじめに、車両の電動パワーステアリング装置の概要について図1を参照して説明する。
図1に示すように、この電動パワーステアリング装置は、運転者により操作されるステアリングホイール1、及びステアリングホイール1の回転軸となるステアリングシャフト2を備えている。ステアリングシャフト2は、ステアリングホイール1の中心に連結されたコラムシャフト3、コラムシャフト3の下端部に連結されたインターミディエイトシャフト4、及びインターミディエイトシャフト4の下端部に連結されたピニオンシャフト5からなる。ピニオンシャフト5の下端部には、ラックアンドピニオン機構6を介してラック軸7が連結されている。この電動パワーステアリング装置では、運転者によるステアリングホイール1の操作に伴いステアリングシャフト2が回転すると、その回転運動がラックアンドピニオン機構6を介してラック軸7の軸方向の往復直線運動に変換される。このラック軸7の往復直線運動がその両端に連結されたタイロッド8を介して転舵輪9に伝達されることにより、転舵輪9の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
この電動パワーステアリング装置は、運転者のステアリング操作を補助する機構として、コラムシャフト3にアシスト力を付与する電動モータ10を備えている。電動モータ10は三相交流モータからなる。この電動パワーステアリング装置は、電動モータ10の回転をギア機構11を介してコラムシャフト3に伝達することでモータトルクをステアリングシャフト2に付与し、ステアリング操作を補助する。
また、この電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイール1の操作量や車両の状態量を検出するための各種センサを備えている。例えばコラムシャフト3には、ステアリングシャフト2に作用するトルク(操舵トルク)τを検出するトルクセンサ12が設けられている。電動モータ10には、その回転角θを検出する回転角センサ13が内蔵されている。車両には、その走行速度Vを検出する車速センサ14が設けられている。これらのセンサの出力はモータ制御装置15に取り込まれている。モータ制御装置15は、各センサの出力に基づいて電動モータ10の駆動を制御する。
図2に示すように、モータ制御装置15は、車載バッテリなどの電源(電源電圧「+Vcc」)から供給される直流電流を三相(U相、V相、W相)の交流電流に変換する駆動回路20、及び駆動回路20をPWM(パルス幅変調)駆動するマイコン21を備えている。
駆動回路20は、各相に対応する3つのアームAu〜Awの並列回路からなる。各相アームAu〜Awは、それぞれ対をなすFET(電界効果型トランジスタ)22a,23aの直列回路、FET22b,23bの直列回路、FET22c,23cの直列回路からなる。各相アームAu〜Awの上側FET22a〜22cは電源に接続されており、下側FET23a〜23cは接地されている。各FET22a〜22c,23a〜23cは、寄生ダイオードDのアノード側が低電位となり、カソード側が高電位となるように配置されている。各相アームAu〜Awの上側FET22a〜22c及び下側FET23a〜23cの中点Pu〜Pwには、各相給電線Wu〜Wwを介して電動モータ10の各相コイルLu〜Lwが接続されている。この駆動回路20は、マイコン21からの駆動信号により各FET22a〜22c,23a〜23cがスイッチングされることで、電源からの直流電流を三相交流電流に変換する。変換された三相交流電流は、各相給電線Wu〜Wwを介して電動モータ10の各相コイルLu〜Lwに供給される。
各相給電線Wu〜Wwには、各相アームAu〜Awと電動モータ10とを接続及び遮断する相開放FET(相開放スイッチ)24u〜24wが設けられている。相開放FET24u〜24wは、寄生ダイオードDの向きが各相アームAu〜Awから電動モータ10への通電を許容する方向となるように配置されている。相開放FET24u〜24wのゲート端子には、チャージポンプなどからなる昇圧回路25u〜25wがそれぞれ接続されている。各昇圧回路25u〜25wは、マイコン21からの指令に基づき電源電圧「+Vcc」を昇圧して相開放FET24u〜24wのゲート端子に印加したり、ゲート端子の電圧を下げたりする。これにより、各相開放FET24u〜24wがオン/オフ駆動する。
ところで、相開放FET24u〜24wがオン状態であるときに昇圧回路25u〜25wに何らかの異常が生じると、相開放FET24u〜24wのゲート・ソース間に電荷が蓄積されたままになることがある。この場合、相開放FET24u〜24wをオフすることができなくなるため、異常状態のまま電動モータ10への給電が継続されるおそれがある。そこで、相開放FET24u〜24wのゲート・ソース間には抵抗R1がそれぞれ設けられている。これにより、各相開放FET24u〜24wのゲート端子に蓄積された電荷が抵抗R1を通じて開放される。よって、相開放FET24u〜24wをオフすることができるため、異常状態のまま電動モータ10への給電が継続されることを回避することができる。
また、相開放FET24u〜24wのゲート・ソース間には、ゲート端子を過電圧から保護すべく、互いに背中合わせに直列接続された2つのツェナーダイオードZD1,ZD2がそれぞれ設けられている。
各相給電線Wu〜Wwにおいて相開放FET24u〜24wと電動モータ10との間には、プルアップ抵抗R2がそれぞれ接続されている。また、各相給電線Wu〜Wwにおいて各相アームAu〜Awの中点Pu〜Pwと相開放FET24u〜24wとの間には、電動モータ10に供給される各相電流値Iu〜Iwを検出するための電流センサ26u〜26wがそれぞれ設けられている。各電流センサ26u〜26wの出力はマイコン21に取り込まれている。
各相アームAu〜Awの中点Pu〜Pwには、電動モータ10に供給される各相電圧を検出するための各相電圧検出部27u〜27wが接続されている。各相電圧検出部27u〜27wは分圧抵抗R3,R4の直列回路からなる。各相電圧検出部27u〜27wは、各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwを分圧抵抗R3,R4により分圧してマイコン21に出力する。マイコン21は、各相電圧検出部27u〜27wの出力電圧に基づいて各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vw、すなわち電動モータ10の各相電圧を検出する。
マイコン21には、トルクセンサ12、回転角センサ13、及び車速センサ14の出力も取り込まれている。マイコン21は、各センサ12〜14,26u〜26wにより検出される操舵トルクτ、電動モータ10の回転角θ、車速V、及び電動モータ10の各相電流値Iu〜Iwに基づいてパワーアシスト制御を実行する。詳しくは、マイコン21は、操舵トルクτ及び車速Vに基づいて目標アシスト力を設定し、目標アシスト力から電流指令値を演算する。また、マイコン21は、電動モータ10の回転角θを利用することにより各相電流値Iu〜Iwをd/q座標系における電流値(実電流値)に変換する。そして、マイコン21は、実電流値と電流指令値との偏差に基づいて電流フィードバック制御を実行することによりd/q座標系における電圧指令値を演算し、演算した電圧指令値を電動モータ10の回転角θを利用して各相の電圧指令値に変換する。マイコン21は、変換した各相の電圧指令値からゲート駆動信号を生成し、生成したゲート駆動信号を各FET22a〜22c,23a〜23cに付与する。これにより、駆動回路20がPWM駆動し、電動モータ10の駆動が制御される。
また、マイコン21は、正常時、昇圧回路25u〜25wを介して全ての相開放FET24u〜24wをオンさせる。これにより、駆動回路20及び電動モータ10は電気的に接続された状態となり、パワーアシスト制御の実行が可能となる。一方、マイコン21は、何らかの異常によりパワーアシスト制御を停止する場合、昇圧回路25u〜25wを介して全ての相開放FET24u〜24wをオフさせる。これにより、駆動回路20及び電動モータ10の電気的な接続が遮断され、電動モータ10に発生する負荷トルクが抑制される。よって、運転者の人力によるステアリング操作の負荷が低減される。
さらに、マイコン21は、相開放FET24u〜24wのオープン異常を検出する際には、各相アームAu〜Aw及び相開放FET24u〜24wを選択的にオン/オフさせつつ、各相電圧検出部27u〜27wを通じて各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwを検出する。そして、検出した各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwに基づいて相開放FET24u〜24wにオープン異常が発生しているか否かを判定する。
次に、相開放FET24u〜24wのオープン異常の検出原理を説明する。
図3に示すように、各相アームAu〜AwにおいてU相の上側FET22aのみをオンさせ、それ以外の上側FET22b,22c及び下側FET23a〜23cをオフさせるとともに、全ての相開放FET24u〜24wをオンさせたとする。このとき、二点鎖線で示すように、U相アームAuの中点Puには電源電圧「+Vcc」が印加される。また、相開放FET24u〜24wの全てが正常であれば、二点鎖線で示すように、各相アームAu〜Awのそれぞれの中点Pu〜Pwは各相給電線Wu〜Ww及び各相コイルLu〜Lwを介して互いに電気的に接続される。したがって、V相アームAv及びW相アームAwのそれぞれの中点Pu〜Pwにも電源電圧「+Vcc」が印加される。よってこの場合、各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwは全て電源電圧「+Vcc」となる。
これに対し、図4に示すように、U相の相開放FET24uにのみオープン異常が発生した場合、二点鎖線で示すように、U相の相開放FET24uの寄生ダイオードDの存在により、各相アームAu〜Awのそれぞれの中点Pu〜Pwは各相給電線Wu〜Ww及び各相コイルLu〜Lwを介して互いに電気的に接続される。したがって、V相アームAv及びW相アームAwのそれぞれの中点Pu〜Pwには電源電圧「+Vcc」が印加される。よってこの場合、各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwは全て電源電圧「+Vcc」となる。
また、図5に示すように、V相の相開放FET24vにのみオープン異常が発生した場合、二点鎖線で示すように、U相アームAu及びV相アームAvのそれぞれの中点Pu,Pv間の接続が遮断される。このとき、V相アームAvの中点Pvには、図2に示すように、抵抗R1を介して昇圧回路25vからの電圧が印加される。よってこの場合、V相アームAvの中点電圧Vvは電源電圧「+Vcc」と異なる電圧となる。
さらに、図6に示すように、W相の相開放FET24wにのみオープン異常が発生した場合、二点鎖線で示すように、U相アームAu及びW相アームAwのそれぞれの中点Pu,Pw間の接続が遮断される。よってこの場合、W相アームAwの中点電圧Vwのみが電源電圧「+Vcc」と異なる電圧となる。
以上をまとめると、各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwは、オープン異常が発生した相開放FETの位置に応じて図7(a)に示すように変化する。図7に示すように、正常な時の測定結果、及びU相の相開放FET24uにオープン異常が発生した時の測定結果は同一であるため、それらを判別することはできない。これに対し、V相及びW相の相開放FET24v,24wのオープン異常は各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwに基づいて以下の(a1),(a2)に示すように判定することができる。
(a1)V相アームAvの中点電圧Vvが電源電圧「+Vcc」と異なる場合。この場合、V相の相開放FET24vがオープン異常であると判定することができる。
(a2)W相アームAwの中点電圧Vwが電源電圧「+Vcc」と異なる場合。この場合、W相の相開放FET24wがオープン異常であると判定することができる。
一方、各相アームAu〜AwにおいてV相の上側FET22bのみをオンさせ、それ以外の上側FET22a,22c及び下側FET23a〜23cをオフさせるとともに、全ての相開放FET24u〜24wをオンさせたとする。この場合、図示を割愛するが、各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwは、オープン異常が発生した相開放FETの位置に応じて図7(b)に示すように変化する。図7(b)に示すように、正常時の測定結果、及びV相の相開放FET24vにオープン異常が発生した時の測定結果は同一であるため、それらを判別することはできない。これに対し、U相及びW相の相開放FET24u,24wのオープン異常は各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwに基づいて以下の(b1),(b2)に示すように判定することができる。
(b1)U相アームAuの中点電圧Vuのみが電源電圧「+Vcc」と異なる場合。この場合、u相の相開放FET24uがオープン異常であると判定することができる。
(b2)W相アームAwの中点電圧Vwのみが電源電圧「+Vcc」と異なる場合。この場合、W相の相開放FET24wがオープン異常であると判定することができる。
次に、図8を参照して、こうした原理に基づきマイコン21により実行される相開放FET24u〜24wのオープン異常の検出処理についてその作用とともに詳述する。
図8に示すように、この処理では、マイコン21は、まず、U相の上側FET22aをオンするとともに(ステップS1)、それ以外の上側FET22b,22c及び下側FET23a〜23cをオフする(ステップS2)。また、マイコン21は、全ての相開放FET24u〜24wをオンする(ステップS3)。そして、マイコン21は、各相電圧検出部27u〜27wを通じて各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwを検出し(ステップS4)、V相アームAvの中点電圧Vv及びW相アームAwの中点電圧Vwのいずれか一方が電源電圧「+Vcc」と異なるか否かを判断する(ステップS5)。マイコン21は、V相アームAvの中点電圧Vv及びW相アームAwの中点電圧Vwのいずれか一方が電源電圧「+Vcc」と異なる場合(ステップS5:NO)、上記(a1),(a2)の判定手法を用いてV相の相開放FET24v及びW相の相開放FET24wのいずれにオープン異常が発生したかを判定する(ステップS6)。
また、マイコン21は、ステップS6を完了した場合、あるいはステップS5でV相アームAvの中点電圧Vv及びW相アームAwの中点電圧Vwの双方が電源電圧「+Vcc」であると判断した場合には(ステップS5:NO)、ステップS7以降の処理を実行する。すなわち、マイコン21は、U相の上側FET22aをオフするとともに(ステップS7)、V相の上側FET22bをオンする(ステップS8)。そして、マイコン21は、各相電圧検出部27u〜27wを通じて各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwを検出し(ステップS9)、U相アームAuの中点電圧Vuが電源電圧「+Vcc」と異なるか否かを判断する(ステップS10)。マイコン21は、U相アームAuの中点電圧Vuが電源電圧「+Vcc」と異なる場合(ステップS10:YES)、U相の相開放FET24uにオープン異常が発生したと判定し(ステップS11)、一連の処理を終了する。
また、マイコン21は、U相アームAuの中点電圧Vuが電源電圧「+Vcc」である場合(ステップS10:NO)、この一連の処理を終了する。
このような構成によれば、相開放FET24u〜24wのいずれにオープン異常が発生したかを判定することができる。
ところで、相開放FET24u〜24wのオープン異常を検出する方法としては次のような方法も考えられる。まず、図2において各相アームAu〜Awの上側FET22a〜22c及び下側FET23a〜23cを全てオフさせるとともに、全ての相開放FET24u〜24wをオンさせる。そしてこの状態で各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwを検出する。このとき、例えばU相の相開放FET24uにオープン異常が発生している場合、U相アームAuの中点Puには抵抗R1を介して昇圧回路25uからの電圧が印加される。よって、U相アームAuの中点電圧Vuが昇圧回路25uからの印加電圧であるか否かを判断することで、U相の相開放FET24uにオープン異常が発生しているか否かを判定することができる。しかしながら、昇圧回路25uがチャージポンプからなる場合、その出力電圧が不安定であるため、U相の相開放FET24uにオープン異常が発生したとき、U相アームAuの中点電圧Vuは一定値にならない。このため、U相の相開放FET24uにオープン異常が発生しているか否かを判定することは難しい。
この点、本実施形態では、各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwが電源電圧か否かを判断するだけで相開放FET24u〜24wにオープン異常が発生しているか否かを判定することができる。このため、オープン異常をより高い精度で検出することができる。
以上説明したように、本実施形態のモータ駆動系の異常検出装置によれば、以下のような効果が得られる。
(1)マイコン21では、各相アームAu〜AwにおいてU相の上側FET22aのみをオンさせるとともに、それ以外の全ての上側FET22b,22c及び下側FET23a〜23cをオフさせて且つ、全ての相開放FET24u〜24wをオフさせることとした。また、この状態で各相電圧検出部27u〜27wを通じて各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwを検出することとした。そして、マイコン21では、V相アームAvの中点電圧Vv及びW相アームAwの中点電圧Vwのいずれか一方が電源電圧と異なる電圧である場合、電源電圧と異なる電圧を示す相に対応する相開放FETにオープン異常が発生したと判定することとした。これにより、V相及びW相の相開放FET24v,24wに発生するオープン異常を検出することができる。
(2)マイコン21では、各相アームAu〜AwにおいてV相の上側FET22bのみをオンさせるとともに、それ以外の全ての上側FET22a,22c及び下側FET23a〜23cをオフさせて且つ、全ての相開放FET24u〜24wをオフさせることとした。また、この状態で各相電圧検出部27u〜27wを通じて各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwを検出することとした。そして、マイコン21では、U相アームAuの中点電圧Vuが電源電圧と異なる電圧である場合、U相に対応する相開放FET24uにオープン異常が発生したと判定することとした。これにより、U相の相開放FET24uに発生するオープン異常を検出することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・各相アームAu〜AwにおいてW相の上側FET22cのみをオンさせ、それ以外の上側FET22a,22b及び下側FET23a〜23cをオフさせるとともに、全ての相開放FET24u〜24wをオンさせたとする。この場合、各相アームAu〜Awの中点電圧Vu〜Vwは、オープン異常が発生した相開放FETの位置に応じて図9に示すように変化する。これを利用すれば、上記実施形態に準じた手法により、各相アームAu〜Awのいずれにオープン異常が発生したかを判定することができる。
・図10に示すように、各相アームAu〜AwにおいてU相の上側FET22aのみをオンさせ、それ以外の上側FET22b,22c及び下側FET23a〜23cをオフさせるとともに、全ての相開放FET24u〜24wをオンさせたとする。このとき、U相の給電線Wuが断線している場合、U相アームAu及びV相アームAvのそれぞれの中点Pu,Pv間の接続が遮断されるとともに、U相アームAu及びW相アームAwのそれぞれの中点Pu,Pw間の接続も遮断される。よってこの場合、V相アームAv及びW相アームAwのそれぞれの中点電圧Vv,Vwは電源電圧「+Vcc」と異なる電圧となる。これを利用し、図11(a)に示すように、V相アームAv及びW相アームAwのそれぞれの中点電圧Vv,Vwが電源電圧「+Vcc」と異なる場合、U相の給電線Wuに断線異常が発生したと判定してもよい。また、図11(b)に示すように、U相の上側FET22aに代えてV相の上側FET22bをオンさせることで、V相の給電線Wvの断線異常を判定することもできる。さらに、図11(c)に示すように、W相の上側FET22cをオンさせることで、W相の給電線Wwの断線異常を判定することもできる。
・上記実施形態では、各相アームAu〜Awの上側スイッチング素子及び下側スイッチング素子としてFETを用いたが、それ以外の適宜のスイッチング素子を用いてもよい。
・本発明は、電動パワーステアリング装置に限らず、適宜のモータ駆動系の異常検出装置に適用することができる。
Au〜Aw…各相アーム、D…寄生ダイオード、Pu〜Pw…中点、Wu〜Ww…各相給電線、10…電動モータ、20…駆動回路、21…マイコン、22a〜22c…上側FET(上側スイッチング素子)、23a〜23c…下側FET(上側スイッチング素子)、24u〜24w…相開放FET(相開放スイッチ)、27u〜27w…電圧検出部。

Claims (2)

  1. 電源に接続された上側スイッチング素子及び接地された下側スイッチング素子の直列回路からなる3つのアームと、同3つのアームの中点と電動モータとを接続する各相給電線とを有し、前記各スイッチング素子のスイッチングにより生成される三相交流電流を前記各相給電線を介して電動モータに供給する駆動回路と、
    FETからなり、寄生ダイオードの向きが前記アームから前記電動モータへの通電を許容する方向となるように前記各相給電線にそれぞれ設けられた相開放スイッチと、
    前記3つのアームの中点の電圧をそれぞれ検出する電圧検出部とを備え、
    前記3つのアームにおいて特定の一相に対応する上側スイッチング素子のみをオンさせ、それ以外の全ての上側スイッチング素子及び下側スイッチング素子をオフさせて且つ、全ての相開放スイッチをオンさせた状態で前記電圧検出部により前記3つのアームの中点電圧を検出し、前記特定の一相以外の二相に対応するアームのそれぞれの中点電圧のいずれか一方が前記電源の電源電圧と異なる電圧である場合、前記電源電圧と異なる電圧を示す相に対応する相開放スイッチにオープン異常が生じたと判定する
    ことを特徴とするモータ駆動系の異常検出装置。
  2. 電源に接続された上側スイッチング素子及び接地された下側スイッチング素子の直列回路からなる3つのアームと、同3つのアームの中点と電動モータとを接続する各相給電線とを有し、前記各スイッチング素子のスイッチングにより生成される三相交流電流を前記各相給電線を介して電動モータに供給する駆動回路と、
    FETからなり、寄生ダイオードの向きが前記アームから前記電動モータへの通電を許容する方向となるように前記各相給電線にそれぞれ設けられた相開放スイッチと、
    前記3つのアームの中点の電圧をそれぞれ検出する電圧検出部とを備え、
    前記3つのアームにおいて特定の一相に対応する上側スイッチング素子のみをオンさせ、それ以外の全ての上側スイッチング素子及び下側スイッチング素子をオフさせて且つ、全ての相開放スイッチをオンさせた状態で前記電圧検出部により前記3つのアームの中点電圧を検出し、前記特定の一相以外の二相のアームのそれぞれの中点電圧が前記電源の電源電圧と異なる場合、前記特定の一相に対応する給電線に断線異常が生じたと判定する
    ことを特徴とするモータ駆動系の異常検出装置。
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