JP5404742B2 - 定着方法及び定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式における現像剤で形成されたトナー像を記録媒体上に定着させる定着方法及び定着装置に関する。
一般に、銀塩写真は、画像光沢度が高く、また、画像光沢均一性や色再現性に優れ画質が優れていることはよく知られている。また、印刷においては、単位時間あたりの印刷枚数が多く、高い生産性が特徴である。
一方、電子写真においては、近年のデジタル化によって画質も着実に向上してきている。しかし、高い画像光沢度と高い生産性を両立するには至っておらず、高い画像光沢度と高い生産性とを両立した電子写真法によるフルカラー画像形成方法が待望されている。また、高い画像光沢度と高い生産性とを両立しながら、記録媒体搬送速度の比較的速い条件下に、銀塩写真に迫る画像光沢均一性と、画像光沢度と記録媒体光沢度の揃った違和感のない画像を、安定して連続的に得ることができる画像形成方法が求められるようになってきている。
電子写真法によって高い画像光沢度と高い生産性とを両立したフルカラー画像形成方法として、現像器を複数台直列に配設し、単色画像とフルカラー画像を同速度で出力可能な高速機が上市されている。しかし、画像光沢度の高い画像が求められる時には、記録媒体搬送速度を低下させるなどして、画像光沢度を高めることが行われ、結果、生産性が低下してしまっていた。
一般に記録媒体搬送速度の比較的速い複写機の定着工程に着目すると、記録媒体の定着器通過時間が相対的に短くなるため、記録媒体に加えられる熱量は減少する。記録媒体に加えられる熱量の減少は、画像光沢度低下に直結する。従って、生産性を損なわず光沢度の高い画像を得るためには、より多くの熱量を加えられるようにする必要がある。
記録媒体搬送速度の比較的速い条件下に、画像光沢度の高い画像を得る方法として、定着ニップを広くして、記録媒体により多くの熱を加えることが行われる。例えば、図1に示したローラーニップ方式と称されるようなローラー定着器では、定着部材同士を強く当接させ、定着ニップを広くすることが行われる。
また、図2に示す定着ローラーと搬送定着ベルトを組み合わせたベルトニップ方式の定着装置((図2)では、搬送定着ベルトを組み合わせることによって、定着ローラーとのニップをより広くとり、高速化に対応しようとする技術である)がある。
記録媒体搬送速度の比較的速い条件下に、画像光沢度の高い画像を得る方法として、より多くの熱量を加えるという同様の考え方から、図3に示す複数個の定着器を配設させたものがある。
このような装置を記載した文献が知られている(例えば、特許文献1参照)に記載されている。同文献では、記録媒体搬送方向に直列に配置した複数の定着器で、使用個数を切換えながら定着を行い、記録媒体に加える熱量を変え、印刷画像の光沢を任意に調整することが記載されている。この方法は、印刷速度を低下させずに画像光沢を調整するものであるが、トナー物性については触れられておらず、トナー物性と光沢度との関係に関する考察は一切行われていない。
複数個の定着手段を有する定着装置を備え、複数の定着器の定着条件とトナー物性に言及した文献が知られている(例えば、特許文献2参照)。同文献では、カラートナーを透明な記録媒体上に熱圧定着する方法、特に、第1の定着で仮定着を行い、その後第2の定着で本定着を行う熱圧定着方法において、トナー軟化点と定着温度に関する提案がある。しかし、オーバーヘッドプロジェクター用シートのような透明な記録媒体に限定されていることや、また、第1定着と第2定着の記録媒体搬送速度が比較的低速の記録媒体搬送速度に限定されており、高速機での使用は想定されていない。したがって、記録媒体搬送速度の比較的速い条件下では、十分な透明性が得られないなどの問題が残る。また、定着器の設定温度には言及しているが、記録媒体上の温度を直接的に測定したものではない。オーバーヘッドプロジェクター用シートのような透明な媒体ではない紙のような記録媒体に定着した場合には、記録媒体の繊維による凹部に溶融したトナーが流れ込み、画像表面が凸凹となり、画像光沢度が低くなることがあった。また、定着強度が不足したり、混色性が不十分となり色再現性に劣るなどの課題があった。
以上のように、高い光沢度と高い生産性の両立を目指した検討は行われてきたが、トナー物性との関係に着目したものはほとんどなく、また、記録媒体搬送速度が比較的速い条件下に、光沢度均一性が高く、記録媒体光沢度と画像光沢度の差が少ない、違和感のない画像を得る方法についての研究はなされていない。
特開2000−221821号公報 特開平4−287078号公報
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した定着方法及び定着装置を提供するものである。
即ち、本発明の目的は、記録媒体搬送速度の比較的速い条件下であっても、光沢度が高く、記録媒体上へのトナー載り量に依存せず光沢度が均一である画像を得ることのできる定着方法及び定着装置を提供することにある。
更に、本発明の目的は、画像と記録媒体の光沢度の違和感が抑制された画像を、安定的に、また連続的に得ることのできる定着方法及び定着装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、前記記録媒体上に形成されたトナー像を、少なくとも二回以上定着器を通過させた際の記録媒体上温度と、トナーのフローテスター物性との関係を本発明規定の範囲に調整することによって、上記要求を満足出来ることを見いだし本発明に至った。
即ち、本発明は、記録媒体の片面にのみ形成された未定着トナー像を、定着手段により加熱加圧定着する定着方法において、前記記録媒体の搬送方向に直列に配列した少なくとも2台以上の定着器を通過することによって未定着トナー像の定着が行われるものであり、
前記未定着トナー像を形成するトナーが離型剤を含有するトナーであり、
記定着器のうち第一の定着器が、内部にヒーターを有する定着ローラーと、前記定着ローラーに圧接された搬送定着ベルトとで形成されるニップ部で定着を行うベルトニップ方式の定着器であり、
前記定着器のうち第二の定着器が、内部にヒーターを有する定着ローラーと、加圧ローラーとで形成されるニップ部で定着を行うローラーニップ方式の定着器であり、
前記第一の定着器において、前記記録媒体を、前記記録媒体の未定着トナー像を担持している側の面が前記定着ローラーと接するように、ニップ部を通過させ、
前記第一の定着器のニップ部を通過した記録媒体を、前記第二の定着器において、記録媒体のトナー像を担持している側の面が前記定着ローラーと接するように、ニップ部を通過させるものであり、
前記記録媒体が上記第一の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値をT1、上記第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値をT2、前記記録媒体の第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値をtとした場合、前記T1が130〜145℃、前記T2が150〜170℃、ΔT(=T2−t)が10〜60℃であり、前記トナーのフローテスターで測定される軟化温度をTs、フローテスターで測定される流出開始温度をTfbとした場合、下記式(1)及び式(2)
T1>Tfb 式(1)
T2>t>Ts 式(2)
を満足することを特徴とする定着方法に関する。
また、前記トナーのフローテスター1/2法溶融温度をT1/2とするとき、前記T2との関係が、式(3)を満足することを特徴とする定着方法に関する。
T2>T1/2 式(3)
前記トナーは、示差走査熱量計測定における吸熱曲線において、最大吸熱ピークの最大値が60〜140℃の範囲にあることを特徴とする定着方法に関する。
また、記録媒体上に形成された未定着トナー像を、定着手段により加熱加圧定着する定着装置において、前記記録媒体の搬送方向に直列に配列した少なくとも2台以上の定着器を通過することによって未定着トナー像の定着が行われるものであり、
該未定着トナー像を形成するトナーが離型剤を含有するトナーであり、
前記記録媒体が第一の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値をT1、第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値をT2、前記記録媒体の第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値をtとし、前記トナーのフローテスター軟化温度をTs、流出開始温度をTfbとする場合、下記式(1)及び式(2)を満足することを特徴とする定着装置に関する。
T1>Tfb 式(1)
T2>t>Ts 式(2)
また、前記トナーのフローテスター1/2法溶融温度をT1/2とするとき、前記T2との関係が、式(3)を満足することを特徴とする定着装置に関する。
T2>T1/2 式(3)
また、前記トナーは、示差走査熱量計測定における吸熱曲線において、最大吸熱ピークの最大値が60〜140℃の範囲にあることを特徴とする定着装置に関する。
本発明の定着方法及び定着装置を用いることで、記録媒体搬送速度の比較的速い条件下に、光沢度が高く、記録媒体上へのトナー載り量に依存せず光沢度が均一で、画像と記録媒体の光沢度の違和感が抑制された画像を、安定的に、また連続的に得ることができる。
本発明のローラーニップ方式と称する定着器の一例を示す模式図である。 本発明のベルトニップ方式と称する定着器の一例を示す模式図である。 本発明の2つ以上の定着器を記録媒体搬送方向に直列に配置した定着装置の一例を示す模式図である。 本発明の定着装置に、記録媒体を通過させたときの記録媒体上の温度推移を示す模式図である。 本発明のフローテスター昇温法における流動曲線と本発明で定義する軟化温度、流出開始温度、1/2法溶融温度を示す模式図である。 実施例で使用する定着装置の模式図である。 本発明に用いられる表面改質装置の一例を示す模式図である。 本発明に用いられる表面改質装置の分散ローターの一例を示す模式図である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明を適用した定着装置を説明するための概略図を図3に示した。
図3に図示した定着装置は、同一機能を有する3つの定着器をシート搬送方向に直列に配置したものである。ここで各定着器は、図示した矢印方向の記録媒体搬送方向上流側から第1の定着器、第2の定着器、第3の定着器である。この定着装置を用いて定着を行った場合、未定着トナー像を担持する記録媒体は、第一の定着器のニップ部に突入し、加熱加圧されながら、挟持搬送されて一次定着処理を受ける。続いて、第二の定着器のニップ部により加熱加圧されながら、挟持搬送されて2次定着処理受け、さらに、3次定着処理を受ける。3台の定着器を配設した定着装置を例示したが、本発明では、2つ以上の定着器を具備した定着装置を用いればよく、図3の定着装置で示した定着器の個数や種類に限定されるものではない。
本発明規定の定着器としては、加熱加圧定着方式の定着装置であれば何ら限定されるものではない。
図1にローラーニップ方式定着器の一例を示す。加圧ローラー1は、アルミ製の芯金2をフッ素樹脂などの耐熱性を有する離型性の良い樹脂表面層3で被覆した構成を有している。定着ローラー4は、内部にヒータを有する芯金5の上に、耐熱性を有した軟質のシリコーンゴム(又はシリコーンスポンジ)からなる下層6を形成し、更にこの上にPFAチューブ(又はFEPチューブ)を被覆した被覆層7から構成され、トナー離型性を向上させている。前記定着ローラー4の近くには、シリコーンオイルを定着ローラー4へ塗布するためのオイル供給ローラー8が配置されていてもよい。また、図1においては、前記定着ローラー4の近くには、定着ローラー4上に残留したトナーや紙粉を除去するためのクリーニング装置9が配置されている。
図2に示す如きベルトニップ方式定着器を用いても良い。ベルトニップ方式定着器は、定着ローラー4と搬送定着ベルト10とが広い定着ニップ部を形成しているものであり、前記ベルト10を介して圧力ロール12を定着ローラー4に圧接させることに加えて、ベルトを定着ローラーに圧接させることよって広いニップ部を形成している。図2においては、搬送定着ベルトは、支持ロール13と、駆動ロール14とに巻装されている。
更に、フィルム定着方式の定着器を用いても良い。フィルム定着方式の定着器では、フィルムと加圧部材とが形成するニップ部において、フィルムの背面側に加熱部材を設け、加圧部材によりフィルムを介して加熱部材に押圧することで、転写材上に形成された未定着トナー画像が定着される。
本発明は、記録媒体上に形成された未定着トナー像を、定着手段により加熱加圧定着する定着方法において、前記記録媒体上に形成されたトナー像を定着するために、前記記録媒体の搬送方向に直列に配列した少なくとも2台以上の定着器を通過することによって未定着トナー像の定着が行われるものであり、前記記録媒体が第一の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値をT1、第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値をT2、前記記録媒体の第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値をt、前記トナーのフローテスター軟化温度をTs、流出開始温度をTfbとした場合、下記式(1)及び式(2)を満足することを特徴とする定着方法である。
T1>Tfb 式(1)
T2>t>Ts 式(2)
本発明の定着方法では、記録媒体搬送速度の速い条件下であっても、光沢度が高く、記
録媒体上へのトナー載り量に依存せず光沢度が均一な画像が得られる。また、記録媒体として光沢度の高いものを用いた場合であっても、画像と記録媒体の光沢度の違和感が抑制された画像を、安定的に、また連続的に得ることができる。
前記記録媒体上温度とは、記録媒体(坪量157(g/m2)コート紙)の表面(被加
熱面)に高速応答性熱電対(SE80117(先端部線径50μm)、安立計器株式会社製、)を、記録媒体が最初に定着器に突入する端部より50mm下流の位置に貼付し、2以上の定着器を連続的に通過させ、記録した温度である。図4に、本発明で定義している定着器通過前後の記録媒体上温度の最大値と定着器突出から突入までの間の記録媒体上温度の最小値、また、図3に示した定着装置に前記記録媒体を通過させた時の記録媒体上の温度推移を模式的に示した。
先ず、2つ以上の定着器を用いることによって、画像の光沢度を高めることができるということに関して説明する。
前記トナーが離型剤を含有する場合に、第一定着器通過時にTfb以上にまで加熱することで、ミクロ的には、離型剤の再凝集が起こり、離型剤分散径が大きくなり、トナー画像最表面へと離型剤の染み出しが生じる。そして、トナー画像最表面に染み出した離型剤の効果によって、第二定着器通過時に定着部材からの記録媒体の離型性が向上する。結果として、定着部材からの分離が円滑に行われ、分離時に画像表面の平滑性が乱されることなく、光沢度の低下や光沢ムラのない、面内光沢度の揃った画像を得ることができるものと考えられる。また、この記録部材からの離型性の高さが、オフセットや巻きつきの発生をも効果的に防止することができるものと推測する。
本発明の定着方法によって、光沢度が高い画像が得られる理由に関して、更に説明する。
一般的に、定着画像は、定着部材の表面性をそのまま反映するため、平滑な定着部材を用いれば、その影響を受け、光沢度が高くなる。しかしながら、溶融状態におけるトナー画像の離型性が十分でなく、記録媒体と定着部材との分離が良好に行われない場合には、分離時に定着画像表面が乱されてしまい、光沢度が低下してしまう。
1つの定着器のみを用いて定着を行う画像形成方法では、定着時、トナー表面への離型剤の染み出しが十分に起こる前に記録媒体と定着部材の分離が行われるため、定着画像表面が乱されてしまいやすく、高い光沢度を得ることが困難であった。そこで、本発明においては、定着を二段階で行うこととした。一段階目の定着で、離型剤をある程度トナー粒子表面に染み出させておいて、二段階目の定着で更に熱をかけて、トナー粒子表面への離型剤の染み出しを十分に行い、溶融状態におけるトナー画像の離型性を十分に高める。この状態で記録媒体と定着部材とを分離することによって、平滑に形成された定着画像の表面を乱すことなく、光沢度の高い画像を得ることができるようになる。
第一の定着器を通過する前後の記録媒体上温度の最大値T1が、トナー流出開始温度Tfb以下の場合は、定着画像のこすり試験で画像濃度低下が起こることがある。これは、第一定着器通過時の溶融状態にあるトナーの流動性が不足し、記録媒体との接着力が弱くなったためと推察される。第1の定着器通過時にトナーがTfbを超えて加熱された場合には、記録媒体へのトナーの定着が確実に行われ、安定した画像が得られる。
第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値T2が、第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値t以下の場合には、第二定着器通過によって、加えられえる熱量が少ないため、光沢度のコントロールが困難となり、トナー載り量の差が大きい画像において、光沢度ムラが顕著となり、また定着強度も劣ったものとなる。第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値T2が、第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値tより高い場合には、第二定着器
通過によって、第一の定着器通過後、一旦低下した記録材温度がTsより高い温度に再度加熱されることで、画像表面のトナー面の平滑性が整えられ、比較的高速の記録媒体搬送速度においても高い光沢度が得られたと考えられる。
第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値tが、トナーの軟化温度Ts以下の場合には、所望の光沢度を得ることが困難となってしまう。その理由は以下のように推測される。第一の定着器を通過する際に、離型剤がトナー粒子内からトナー表面に染み出してしまっているため、第一の定着器を突出した後の記録材上のトナー粒子は、トナー粒子内部における離型剤の含有量が減ってしまう。これによって、離型剤による結着樹脂の可塑効果が低くなってしまい、第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値tが、トナーの軟化温度Ts以下になってしまうと、第二の定着器を通しても十分な溶解を行うことが困難となり、高い光沢度が得られにくいものと思われる。また、最小値tがトナーの軟化温度Ts以下の場合には、第二定着器へ円滑に突入せず、紙詰まり等の記録媒体の搬送不良が発生することがある。これは、第一定着器通過後の温度低下が大きいこと意味し、軟化温度を下回るとトナーの熱収縮が大きくなり、記録媒体のカールが発生しやすくなったためと推測される。
また、本発明の定着方法は、前記トナーのフローテスター1/2法溶融温度をT1/2とするとき、第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値T2が、T2>T1/2のとき、光沢度が高く、光沢ムラが抑制され、混色度合いの高い、色再現性に優れた画像となる。前記T2がT1/2以下であり、かつT2がtを超える場合には、光沢度の均一性は高いが、T2がT1/2以下であるために溶融状態での流動性が不足し、トナー2次色で混色がやや不十分となり、色再現性が若干劣ったものとなる。尚、前記T2がT1/2以下であり、かつT2がt以下の場合に関しては、上述した通りである。
本発明においては、第一の定着器が、ベルトニップ定着方式の定着器であることが好ましい。ベルトニップ定着方式の定着器は、ニップ幅を広く取ることが可能であり、当接圧を低くすることができる。そのため、未定着状態にあるトナー画像を乱しにくく、そのままの状態で定着可能であり、高画質な画像が得られやすい。加熱体と加圧体間の総荷重(kgf)を加熱体と加圧体の総圧接部の幅(ニップ幅)で割った線圧が、10kgf/m
m以下であることが好ましい。
本発明においては、上述した如く、記録媒体搬送速度が速い場合であっても対応できるため、プロセススピードが300mm/sec以上であるような画像形成装置に特に好適に適用できる。
また、本発明の定着方法は、オフセット防止用オイル塗布機構を有さない定着器を用いた場合であっても、良好な定着を行うことが可能であり、高画質で高光沢度を有する画像を得ることができる。
更に、本発明の定着方法は、均一な光沢度に対する要求が強いフルカラー画像を形成するようなフルカラー画像形成方法に適用された場合、特に顕著な効果を発揮する。
また、本発明の定着方法においては、示差走査熱量計測定における吸熱曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が60〜140℃の範囲にあることが好ましく、70〜120℃の範囲に吸熱曲線の最大ピークがあることがより好ましい。このような最大吸熱ピークのピーク温度は、離型剤をトナーに含有させることによって達成することができる。最大吸熱ピークのピーク温度が60℃未満である場合は、高温環境に放置した際に離型剤がトナー表面に溶け出しやすくなり、トナーの耐ブロッキング性が悪くなることがある。また、高速現像を行う場合にトナーが現像スリーブやキャリアにスペントしやすくなることがある。逆に最大吸熱ピークのピーク温度が140℃を超える場合は、トナー定着溶融時に離型剤が迅速に溶融トナー表面に移行できないため、離型性に劣るようになる。そのために、高温オフセットが発生し易くなり、定着性が低下してしまう。また、低温定着がで
きなくなり、高速現像に適応できなくなる場合がある。トナーの最大吸熱ピーク温度を60〜140℃とするためには、60〜140℃の範囲に最大吸熱ピークを有する離型剤をトナーに含有させればよい。
離型剤としては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。さらにベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。特に好ましく用いられる離型剤としては、分子鎖が短く、かつ立体障害が少なくモビリティに優れるパラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスである。これらの離型剤は、結着樹脂100質量部に対して、1.0〜10.0質量部添加することが好ましく、3.0〜7.0質量部であることがより好ましい。
第一の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値T1は、160℃以下であることが好ましく、110〜160℃であることがより好ましく、さらに好ましくは130〜145℃である。T1が160℃を超える場合、記録媒体のカールが発生しやすく、第2定着への円滑に突入せず、紙詰まり等の記録媒体の搬送不良が発生することがある。
また、第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値T2は、190℃以下であることが好ましく、140〜190℃であることがより好ましく、さらに好ましくは150〜170℃である。この場合、本発明範囲の時、オフセットや巻きつきが発生せず、光沢度均一性が高い画像となる。T2が190℃を超える場合、記録媒体と定着部材との分離性が悪化し、定着部材への巻きつきが発生することがある。
第二の定着器通過前後の記録媒体上温度の最大値T2と第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値tとの差(ΔT)は10〜60℃であることが好ましく、30〜60℃であることが、記録媒体上の面内光沢度の均一性をあげる上でより好ましい。ΔTが10℃未満の場合、光沢度が不足した画像となる場合がある。また、ΔTが60℃を超える場合、光沢度は高いが、オフセットや巻きつきが発生しやすくなる。
次に、本発明に用いられるトナーについて詳しく説明する。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有したものであり、本発明に係るトナーの結着樹脂としては、種々の樹脂を用いることができる。具体的には、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂等を用いることができる。結着樹脂として、少なくともポリエステルユニットを有する樹脂が好ましく用いられる。
本発明のトナーに好ましく用いられる結着樹脂は、(a)ポリエステル樹脂、又は(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、又は(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又は(d)ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、及びもしくは(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、及び(f)ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物のいずれかから選択される樹脂である。
なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示
し、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示す。モノマー中に多価カルボン酸成分とビニル基を有するモノマー、または多価アルコール成分とビニル基を有するモノマーに由来するユニットについては「ポリエステルユニット」成分とする。
結着樹脂として、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂を用いる場合、さらに良好な離型剤分散性と、低温定着性、耐オフセット性の向上が期待できる。本発明に用いられる「ハイブリッド樹脂」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。例えば、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものである。好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形成するものである。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される分子量分布が、メインピークを分子量3500〜35000の領域に有しており、好ましくは、分子量5000〜20000の領域に有しており、Mw/Mnが5.0以上であることが好ましい。
メインピークが3500未満である場合には、トナーの耐高温オフセット性が不十分となる。一方、メインピークが、分子量35000を超えると十分な低温定着性が得られなくなり、高速機での適用が難しくなる。また、Mw/Mnが5.0未満である場合には、シャープメルトとなり、高いグロスは得られやすくなるが、耐高温オフセット性が得られなくなる。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合は、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。ハイブリッド樹脂におけるポリエステルユニットを形成するモノマーとしても同様である。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトローラー、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセローラー、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチローラーエタン、トリメチローラープロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジ
カルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換された琥珀酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
それらの中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有するので好ましい。
Figure 0005404742
〔式中、Rはエチレン、プロピレン基であり、x,yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。〕
また、非線形状ポリエステル樹脂を形成するための三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸および、これらの無水物やエステル化合物が挙げられる。三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9mol%が好ましい。
ビニル系重合体及びハイブリッド樹脂におけるビニル系重合体ユニットを生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーにおいて、ビニル系重合体及びハイブリッド樹脂におけるビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明のビニル系重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートが挙げられる
ハイブリッド樹脂を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸エステル類もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(5)に示す製造方法を挙げることができる。
(1)ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行い、ハイブリッド樹脂を製造する。
(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂は、ビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂を製造する方法である。ハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。
(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユ
ニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによってハイブリッド樹脂を製造する。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
(5)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
上記(1)〜(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
本発明においては、必要に応じて種々の添加剤をトナー中に含有させてもよい。これら添加剤としては、例えば着色剤、荷電制御剤、離型剤、流動化剤等がある。
本発明に用いられるトナーの着色剤としては、公知の顔料及び染料を単独で、又は併せて用いることができる。例えば染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等が挙げられる。
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
また、フルカラー画像形成用トナーとして使用する場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209、238、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等を用いることができる。
係る顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してもよい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27、C.I.ディスパースバイオレット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料が挙げられる。
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、16、17;C.I.アシッドブルー6;C.I.アシッドブルー45又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等を用いることができる。
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、74、83、93、97、155、180、185、C.I.バットイエロー1、3、20等を用いることができる。
黒色の顔料として、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラックが用いられ、また、マグネタイト、フェライト等の磁性粉を用いることができる。更には、上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン/黒色着色剤を用いて黒色に調色して用いることもできる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して1〜15質量部であることが好ましく、3〜12質量部であることがより好ましく、4〜10質量部であることがさらに好ましい。着色剤の含有量が15質量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間の肌色に代表されるような中間色の再現性も低下し易くなり、さらにはトナーの帯電性の安定性が低下し、また低温定着性も得られにくくなる。着色剤の含有量が1質量部より少ない場合には、着色力が低くなり、濃度を出すためにトナーを多く使用しなければならなくなり、低温定着性に劣る場合がある。また、着色剤として磁性粉を用いる場合には、結着樹脂100質量部に対して50〜150質量部であることが好ましい。
本発明に用いることができるトナーには、公知の荷電制御剤を含有させることもできる。荷電制御剤としては、例えば、有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体等が挙げられる。その他には、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類等のカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体等も挙げられる。また、荷電制御剤として、ビスフェノール類、カリックスアレーン等のフェノール誘導体等も用いることができる。本発明では、芳香族カルボン酸の金属化合物を用いることが、帯電の立ち上がりを良好にする上で好ましい。
荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対する含有量が0.1〜10質量部であることが好ましく、0.2〜5質量部であることがより好ましい。0.1質量部より少ないと高温高湿から低温低湿までの環境でのトナーの帯電量の変化が大きくなる場合がある。10質量部より多いとトナーの低温定着性に劣る場合がある。
また、トナーに添加することのできる離型剤の種類は、上記の通りである。そして離型剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、2〜8質量部であることがより好ましい。前記含有量が1質量部より少ないと、オイルレス定着時にうまく離型性を発揮できなかったり、低温定着性を満足できなかったりすることがある。10質量部を超えると、トナー表面へ離型剤が滲み出しやすくなり、現像性が悪化したり、耐スペント性が悪化する場合がある。本発明で用いられるワックスは、GPC測定による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が好ましくは200〜2000、より好ましくはMn350〜1000であり、重量平均分子量(Mw)が好ましくは200〜2500、より好ましくは350〜1200であることが良い。ワックスが上記範囲の分子量分布を持つことにより、トナーに好ましい熱特性をもたせることができる。すなわち、上記範囲よりMn又はMwが小さくなると、熱的影響を過度に受けやすく、耐ブロ
ッキング性,現像性に劣るようになり、上記範囲よりMn又はMwが大きくなると、外部からの熱を効果的に利用できず、優れた定着性,耐オフセット性を得ることができにくい。Mw/Mnが2より大きくなると、分子量分布が広いために溶融挙動が熱に対してシャープでなくなり、良好な定着性と耐オフセット性を共に満足する領域が得られ難くなる。
本発明に用いられるトナーには、流動性や現像性を制御する流動化剤として、公知の外添剤を添加することができる。外添剤としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム等の各種無機酸化微粒子、必要に応じて疎水化処理した微粒子、ビニル系重合体、ステアリン酸亜鉛、樹脂微粒子等が使用できる。外添剤の添加量は、トナー粒子に対して0.02〜5質量%の範囲が好ましい。
さらには、帯電特性、流動性及び転写性向上の観点から酸化チタンの添加が好ましく、さらには、シリカと酸化チタンを併用することが好ましい。
酸化チタンを用いた場合には、トナーの帯電特性を損ねることなく、トナーの流動性を向上させることができる。一方、シリカのみを添加した場合には、シリカのネガ性が強いため、酸化チタンとシリカを併用した場合に比べ、表面チャージアップを生じやすくなる。
また、本発明に用いられる外添剤の一次粒径は、10〜200nmであることが好ましい。この場合、優れた流動性付与効果と、耐久時におけるキャリアへのトナーの付着に起因する帯電能劣化防止効果とが得られる。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
次に、本発明で用いることのできるトナーを製造する方法について説明する。本発明に使用できるトナー製造方法については、特に限定されず、従来公知の各種製造方法が用いられる。
トナーの製造方法としては、材料選択の幅が広く、フローテスター物性を制御しやすいという観点から、溶融混練粉砕法による製造方法が好適である。詳細には、結着樹脂、着色剤及び任意の材料を溶融混練し、得られた混練物を冷却して粉砕し、必要に応じて粉砕物の球形化処理や分級処理を行ってトナー粒子を得、これに必要に応じて前記流動化剤を混ぜることによってトナーを製造することが好ましい。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、一軸又は二軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型二軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製二軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
そして一般的には上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザー
ミル等で粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター等で粉砕される。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機等の篩分機を用いて分級して分級品を得る。
また、本発明おいては、分級及び表面改質処理を同時に行うことができる、図7に示した表面改質装置を用いて、トナー粒子を処理することが好ましい。
図7に示す表面改質装置は、ケーシング85と、冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(不図示)と、所定の粒径以下の微粒子を分ける分級手段である分級ローター71と、粒子に機械的な衝撃を与えて前記粒子の表面を処理する表面処理手段である分散ローター76と、分散ローター76の外周に対して所定の間隔を有して周設されるライナ74と、分級ローター71で分けられた粒子のうちの所定の粒径を含む粒子を分散ローター76に案内する案内手段であるガイドリング79と分級ローター71で分けられた粒子のうちの所定の粒径以下の微粒子を装置の外に排出する排出手段である微粉回収用排出口72と、分散ローター76で表面を処理された粒子を分級ローター71に送る粒子循環手段である冷風導入口75と、被処理粒子をケーシング85内に導入するための原料供給口73と、表面を処理された粒子をケーシング85内から排出するための開閉自在な粉体排出口77及び排出弁78とを有する。
分級ローター71は、円筒状のローターであり、ケーシング85内の上側一端部に設けられている。微粉回収用排出口72は、分級ローター71の内側の粒子を排出するように、ケーシング85の一端部に設けられている。原料供給口73は、ケーシング85の周面の中央部に設けられている。冷風導入口75は、ケーシング85の周面の他端面側に設けられている。粉体排出口77は、ケーシング85の周面で原料供給口73に対向する位置に設けられている。排出弁78は、粉体排出口77を自在に開閉する弁である。
冷風導入口75と、原料供給口73及び粉体排出口77との間には、分散ローター76及びライナ74が設けられている。ライナ74は、ケーシング85の内周面に沿って周設されている。分散ローター76は、図8に示すように、円盤と、この円盤の周縁に、円盤の法線に沿って配置される複数の角型ディスク80とを有する。分散ローター76は、ケーシング85の下側上面に設けられており、かつライナ74と角型ディスク80との間に所定の間隔が形成される位置に設けられている。ケーシング85の中央部にはガイドリング9が設けられている。ガイドリング79は、円筒体であり、分級ローター71の外周面の一部に被さる位置から、かつ分級ローター76の近傍まで延出するように設けられている。ガイドリング79は、ケーシング85内に、ガイドリング79の外周面とケーシング85の内周面とに挟まれた空間である第一の空間81と、ガイドリング79の内側の空間である第二の空間82とを形成する。
なお、分散ローター76は、角型ディスク80の代わりに円柱状のピンを有していても良い。ライナ74は、本実施の形態では角型ディスク80に対向する表面に多数の溝が設けられているものとするが、表面に溝を有さないものであっても良い。また、分級ローター71の設置方向は、図7に示したように縦型でも構わないし、横型でも構わない。また、分級ローター71の個数は、図7に示したように単体でも構わないし、複数でも構わない。
また、必要に応じて、例えば奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムを用いて更に表面改質及び球形化処理を行ってもよい。このような場合では必要に応じて風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機を用いても良い。更に、外添剤を外添処理する方法としては、分級された
トナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
また、本発明に使用可能なトナーを製造する他の方法としては、懸濁重合方法を用いて直接トナー粒子を生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合方法、又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法を用いトナー粒子を製造する方法等が挙げられる。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in situ重合法、コアセルベーション法などの製造方法も使用することができる。
懸濁重合法を用いてトナー粒子を生成する場合には、重合開始剤として、2,2’−アゾヒス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。
重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には単量体に対し0.5〜20質量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。重合度を制御するための公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
トナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、分散剤として無機系酸化物を用いることができる。無機系酸化物としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が挙げられる。有機系化合物としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。これらは水相に分散させて使用される。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用することが好ましい。
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることも出来る。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に好ましい分散剤を得ることが出来る。また、これら分散剤の微細化のための0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン型、アニオン型又はカチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンダデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
トナーの製造方法に直接重合方法を用いる場合においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造することが可能である。単量体中に低軟化物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー、ホモジナイザー等により分散させる。好ましくは単量体組
成物からなる液滴を所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、更に、耐久特性向上の目的で、未反応の重合性単量体及び副生成物を除去するために反応後半又は反応終了後に、一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄及びろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体組成物100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
次に、得られたトナー粒子に無機微粒子及び必要に応じて他の外添剤を外添する。外添処理する方法としては、分級されたトナー粒子と外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の、粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合することにより本発明のトナーを得ることができる。
加えて、本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は、4〜10μmであることが好ましく、5〜9μmであることがより好ましい。
トナーの重量平均粒径が10μmより大きい場合は、高画質化に寄与し得る微粒子が少ないことを意味し、高い画像濃度が得られ易く、トナーの流動性に優れるというメリットがあるものの、感光ドラム上の微細な静電荷像上には忠実に付着しづらく、ハイライト部の再現性が低下し、さらに解像性も低下する。また、必要以上にトナーが静電荷像に乗りすぎが起こり、トナー消費量の増大を招きやすい傾向にもある。
逆にトナーの重量平均粒径が4μmより小さい時には、トナーの単位質量あたりの帯電量が高くなり、画像濃度の低下、特に低温低湿下での画像濃度の低下が顕著となる。これでは、特にグラフィック画像の如き画像面積比率の高い用途には不向きである。
さらに4μmより小さい時には、キャリアなどの帯電付与部材との接触帯電がスムーズに行われにくく、充分に帯電し得ないトナーが増大し、非画像部への飛び散りによるカブリが目立つ様になる。これに対処すべくキャリアの比表面積を稼ぐためにキャリアの小径化が考えられるが、重量平均粒径が4μm未満のトナーでは、トナー凝集が起こり易く、キャリアとの均一混合が短時間では達成されにくく、連続画出し時においては、カブリが生じてしまう傾向にある。
本発明は、現像剤として、トナーのみからなる(キャリアを含まない)一成分系現像剤及びトナーとキャリアとからなる二成分系現像剤のいずれも用いることができる。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法においては、磁性のキャリアコア表面を樹脂で被覆した被覆キャリアを用いることが好ましい。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着せしめる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いることができる。上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1〜30質量%(好ましくは0.5〜20質量%)が好ましい。本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜
13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
特に、マンガン、マグネシウム及び鉄成分を主成分として形成されるMn−Mg−Feの3元素の磁性フェライト粒子がキャリアとして好ましい。このような磁性キャリアは、樹脂で被覆されていることが好ましく、樹脂としてはシリコーン樹脂が好ましい。特に、含窒素シリコーン樹脂または、含窒素シランカップリング剤とシリコーン樹脂とが反応することにより生成した変性シリコーン樹脂が、本発明トナーへのマイナスの摩擦電荷の付与性、環境安定性、キャリアの表面の汚染に対する抑制の点で好ましい。
磁性キャリアは、個数平均粒径(D1)が15〜60μm(より好ましくは、25〜50μm)がトナーの重量平均粒径との関係で好ましい。磁性キャリアを構成する磁性粒子を上記の個数平均粒径を有するように調製する方法としては、例えば、篩を用いることによる分級によって行うことが可能である。特に、精度良く分級を行うために、適当な目開きの篩を用いて複数回くり返してふるうことが好ましい。また、篩の開口の形状をメッキ等によって制御したものを使うことも有効な手段である。
以下に本発明に関わる物性の分析・測定方法について述べる。
<トナーの軟化点、流出開始温度、1/2法溶融温度の測定方法>
定荷重押出し式細管式レオメーター、所謂フローテスターにより測定されるものを指す。具体的な測定方法を以下に示す。フローテスターCFT−500D(島津製作所)を用いて1cm3の試料を、試料を50℃にて5分間保温した後、4℃/minの速度で昇温
させながら、荷重10kg/cm2でダイの細孔0.5mmから押し出すようにし測定し
た。図4に、フローテスターのトナー測定時に得られる流動曲線を、横軸に温度、縦軸にピストンストロークをとり模式的に示した。図中に、本発明で定義する軟化温度Ts、流出開始温度Tfb、流出開始温度と流出終了温度の中点である1/2法溶融温度T1/2を示した。
<トナー及びワックスのDSCにおける最大吸熱ピークの測定>
トナー及びワックスの最大吸熱ピークは、示差熱分析測定装置(DSC測定装置)、DSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて測定することができる。
温度曲線:昇温I (30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
降温I (200℃〜30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
測定方法としては、5〜20mg、好ましくは10mgの測定試料を精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下(23℃60%RH)で測定を行う。トナー及びワックスの最大吸熱ピークは、昇温IIの過程で、樹脂Tgの吸熱ピーク以上の領域のベースラインからの高さが一番高いものとする。樹脂Tgの吸熱ピークが別の吸熱ピークと重なり判別し難い場合、その重なるピークの極大ピークから高さが一番高いものを本発明における最大吸熱ピークとする。
<結着樹脂のGPC測定による分子量分布>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒と
してテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6
×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリ
スチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組
み合わせを挙げることができる。
<ワックスの分子量分布>
(GPC測定条件)
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
・カラム:GMH−HT30cm2連(東ソ−社製)
・温度:135℃
・溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
・流速:1.0ml/min.
・試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用した。更に、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出した。
<トナーの平均円形度測定>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100型」(シスメックス社製)を用いて測定を行い、以下のようにして算出する。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、下式によって定義される。トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
Figure 0005404742
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、測定粒子数をmとすると、次式から算出される。
Figure 0005404742
なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出に当たって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.40〜1.00を0.01ごとに等分割したクラスに分け、その分割点の中心値と測定粒子数を用いて平均円形度の算出を行う。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26〜27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナー粒子の平均円形度を求める。
さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)によりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な補足を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状を測定する必要がある場合には、より正確に形状に関する情報が得られるFPIA−2100の方が有用である。
<トナーの粒度分布の測定>
測定装置としては、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、約1%NaCl水溶液を用いる。電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて調製された電解液や、例えば、ISOTON(登録商標)−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として、界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン塩酸)を、0.1〜5mlを加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記測定装置により、試料の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、試料の体積分布と個数分布とを算出する。得られたこれらの分布から、試料の重量平均粒径(D4)を求める。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32〜40
.30μmの13チャンネルを用いる。
<光沢度計による画像光沢度の測定>
光沢度の測定に関しては、VG−10型光沢度計(日本電色製)を用いて、60度方向の反射光量を測定することによって行った。ベタ画像の光沢度を、それぞれ5ヶ所(両端部、中心、端部と中心との中間点)測定し、平均の値をそれぞれの光沢度とした。測定としては、まず定電圧装置により6Vにセットする。次いで投光角度,受光角度をそれぞれ60°に合わせる。0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に前記試料画像を置き、さらに下に白色紙3枚を重ねて測定を行い、標示部に示される数値を%単位で読みとる。この時S,S/10切替SWはSに合わせ、角度,感度切替SWは45−60に合わせる。
<画像濃度の測定>
本発明において画像濃度の測定法としては、X−Rite社製のスペクトロデンシトメーター504で測定する。測定画像を任意に5回測定して、平均の値を画像濃度とした。
<無機微粒子の個数平均一次粒径の測定>
無機微粒子の平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製 S−4700)により10万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を必要に応じて更に拡大して行い、それぞれの粒子について50個以上の粒子について定規、ノギス等を用い、その個数平均粒径一次粒径を測定する。その際、微粒子の組成判別は、指定した特定の元素のみを上記装置のX線マイクロアナライザーにより検出することにより行う。
<無機微粒子のBET比表面積の測定>
BET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出する。その際、試料を5時間真空引きを行う。
以下に、具体的製造例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
樹脂A製造例(ハイブリッド樹脂)
ビニル系重合体として、スチレン1.9mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.15mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れた。また、ポリエステルモノマーとしてポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、重合開始剤を5時間かけて滴下した。次いで220℃に昇温を行い、4時間反応させてハイブリッド樹脂を得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量測定の結果を表1に示す。なお、表1において、Mwは重量平均分子量であり、Mnは数平均分子量であり、Mpはメインピーク分子量である。
樹脂B製造例(スチレンアクリル樹脂製造例)
・スチレン 70質量部・アクリル酸n−ブチル 25質量部・マレイン酸モノブチル 5質量部・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し120℃に昇温させた後3.0時間かけて滴下した。更にキシレン還流後下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、スチレン−アクリル樹脂を得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量測定の結果を表1に示す。
樹脂C製造例(ポリエステル樹脂製造例)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、テレフタル酸1.7mol、無水トリメリット酸1.1mol、フマル酸2.4mol及び酸化ジブチル錫0.1gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、200℃で6時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。ハイブリッド樹脂製造例と同様にGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005404742
<トナー製造例1>
・樹脂A(ハイブリッド樹脂) 100質量部・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部・ノルマルパラフィンワックス(最大吸熱ピーク:70℃,Mn:380,Mw:420)
5質量部・3,5−ジ−ターシャリブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 3質量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合し、二軸押出し混練機でバレル温度120℃にて溶融混練した。冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級と機械式衝撃力を用いる表面改質処理とを同時に行う装置にて分級および球形化し、重量平均粒径が5.5μmのトナー粒子(分級品)を得た。得られたトナー粒子(分級品)100質量部に、疎水性シリカ(BET:200m2/g)1.0質
量部、イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET:80m2/g)を1.0質量部添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(
株)製)で混合して、重量平均粒径5.5mのトナー1を得た。
トナー1のフローテスター物性を測定したところ、軟化温度Tsが71℃、流出開始温度Tfbが105℃、1/2法溶融温度T1/2が131℃であった。フローテスター物性値を、表2に示す。
<トナー製造例2>
トナー製造例1において、離型剤として最大吸熱ピークが61℃のノルマルパラフィンワックス(Mn:280,Mw:360)を使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー2を得た。トナー2のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例3>
トナー製造例1において、離型剤として最大吸熱ピークが137℃のポリプロピレンワックス(Mn:1000,Mw:5100)を使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー3を得た。トナー3のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例4>
トナー製造例1において、離型剤として最大吸熱ピークが58℃のノルマルパラフィンワックス(Mn:220,Mw:320)を使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナ4を得た。トナー4のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例5>
トナー製造例1において、離型剤として最大吸熱ピークが141℃のポリプロピレンワックス(Mn:1000,Mw:6000)を使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー5を得た。トナー5のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例6>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3をC.I.ピグメントイエロー74にした以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー6を得た。トナー6のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例7>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3をC.I.ピグメントレッド122にした以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー7を得た。トナー7のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例8>
トナー製造例1において、C.I.ピグメントブルー15:3をカーボンブラックにした以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー8を得た。トナー8のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例9>
トナー製造例8において、樹脂Aに替えて樹脂Bを使用し、離型剤として最大吸熱ピークが101℃のポリエチレンワックス(Mn:1600,Mw:2500)を使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー9を得た。トナー9のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例10>
トナー製造例5において、樹脂Aに替えて樹脂Cを使用した以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー10を得た。トナー10のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例11>
高速撹拌装置TK−ホモミキサー(特殊機化工業社製)を備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、イオン交換水710部と0.1mol/リットル−Na3PO4水溶液450部を添加し、高速撹拌装置の回転数を10000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1.0mol/リットル−CaCl2水溶液68部を徐々に添加し、微小な難水
溶性分散在Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
一方、
・スチレン 165部・n−ブチルアクリレート 35部・ジビニルベンゼン 0.5部・C.I.ピグメントブルー15:3 14部・樹脂C(ポリエステル樹脂) 10部・3,5−ジ−ターシャリブチルサリチル酸のアルミニウム化合物 2部・脂肪族炭化水素系エステルワックス(最大吸熱ピーク:68℃,Mn:1050,Mw:1200) 20部
上記原材料をアトライター(三井金属社製)を用い3時間分散させた後、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を添加して得られた重合性単量体組成物を、上記水系分散媒体中に投入し、高速撹拌装置の回転数を10000rpmに維持して造粒を行った。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ70℃で2時間反応させた後、90℃で10時間重合させた。
反応終了後、懸濁液を冷却し、希塩酸を加えて難水溶性分散剤を溶解し、濾過、水洗、乾燥させた後、風力分級で所望の粒度に分級し、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対して、トナー製造例1と同様に外添混合して、トナー11を得た。トナー11のフローテスター物性を表2に示す。
<トナー製造例12>
・樹脂粒子分散液1の調製
スチレン 370gn−ブチルアクリレート 30gアクリル酸 6gドデカンチオール 24g四臭化炭素 4g
以上を混合、溶解したものを、非イオン性界面活性剤6g及びアニオン性界面活性剤10gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒径が150nm、Tgが62℃、重量平均分子量(Mw)が12,000である樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液1を調製した。
・樹脂粒子分散液2の調製
スチレン 280gn−ブチルアクリレート 120gアクリル酸 8g
以上を混合、溶解したものを、非イオン性界面活性剤6g及びアニオン性界面活性剤12gをイオン交換水550gに溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム3gを溶解したイオン交換水50gを投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、平均粒径が110nm、ガラス転移点が55℃、重量平均分子量(Mw)が550,000である樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液2を調製した。
・離型剤粒子分散液1の調製
ポリエチレンワックス(最大吸熱ピーク:98℃, Mn:1050,Mw:2100)
50gアニオン性界面活性剤 5gイオン交換水 200g
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー等を用いて分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が570nmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液1を調製した。
・着色剤粒子分散液1の調製
C.I.ピグメントブルー15:3 20gアニオン性界面活性剤 2gイオン交換水 78g
以上を混合し、超音波洗浄機を用いて発振周波数26kHzで10分間分散を行って着色剤粒子分散液(アニオン性)1を調製した。
・混合液の調製
樹脂粒子分散液1 180g樹脂粒子分散液2 80g着色剤粒子分散液1 30g離型剤粒子分散液1 50g
以上を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー等を用いて混合し、分散して混合液を調製した。
・凝集粒子の形成
上記混合液に凝集剤としてのカチオン性界面活性剤を1.5g添加し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱した。50℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると重量平均粒径が約6.1μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
・融合
その後、ここにアニオン製界面活性剤3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら105℃まで加熱し、3時間保持した。そして、冷却後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄し、更に乾燥して、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子に対し、トナー製造例1と同様に外添混合して、トナー12を得た。トナー12のフローテスター物性を表2に示す。
<実施例1>
シリコーン樹脂で表面被覆したCu−Znフェライトキャリア粒子(個数平均粒径:50μm、79.6kA/m下での磁化の強さ:60Am/kg、比重:5.0g/cm
)とトナー1とをトナー濃度が8質量%となるように加え、ターブラーミキサーにより混合して現像剤を用意した。
続いて、ベルトニップ方式の定着器(図2)とローラーニップ方式の定着器(図1)を、定着器ニップ間を500mm離して配置した外部定着装置(図6中の定着装置A)を用意した。第一定着器のニップ幅が35mm、線圧3.5kgf/mm、第二定着器のニップ幅が10mm、線圧10.0kgf/mmとなるよう調整し、各定着器を温調した。また、使用した加熱体、加圧体の表面の10点平均粗さRzは、いずれも1μm以下であった。尚、各定着器には、オフセット防止用オイルの塗布機構は設けなかった。350mm・sec−1の記録媒体搬送速度で、記録媒体を前記定着装置に通過させたとき、前記記録媒体が第一の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値T1が140℃、第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値T2が152℃、前記記録媒体の第一定着器
突出から第二定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値tが121℃となった。表3に記録媒体上温度T1、T2、tを示す。
次に、カラー複写機CLC1000(キヤノン製)の定着ユニットを取り外した改造機で、単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、記録媒体上のトナー載り量を、ベタ画像出力時に、1.3mg/cmになるよう現像コントラストを調整し、先端余白を5mmとして、そこから画像面積比率が25%となる部分まで、A4サイズ紙(CLC推奨紙であるSK80、光沢度50)上に未定着ベタ画像を作成した。表3に示した条件に調整した定着装置Aに未定着画像を通過させ、定着画像を得た。この際、目視によりオフセット性と分離性を評価した。また、得られた定着画像を用いて、光沢度、定着強度を測定した。
評価を実施したところ、オフセットや定着部材への巻きつきもなく、光沢度の高い、こすり試験による濃度低下のない、がさつき感のないなめらかな画像が、連続して得られた。評価結果を表4に示す。
評価項目と評価基準を下記に示す。
a.光沢度
上述の如くにして得られた定着画像を用いて光沢度を測定した。測定箇所としては、紙の進行方向における先端の画像部の中央、紙の進行方向における後端の画像部の中央、中心部、両端部と中心部とのそれぞれの中間点の計5ヶ所を測定した。
A:20%以上
B:15%以上 20%未満
C:10%以上 15%未満
D:10%未満
b.定着強度
上述の如くにして得られた定着画像を用いて、以下の手順で定着強度を評価した。先ず、中心部の画像濃度を測定する。次に、画像濃度を測定した部分に対し、4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけてシルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃
度を再度測定する。摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を測定した。
A:濃度低下率1%未満
B:濃度低下率5%未満
C:濃度低下率10%未満
D:濃度低下率10%以上
c.耐オフセット性
上述の如くにして得られた定着画像を担持する転写紙を用いて、定着装置Aを通過させた際のオフセットの程度を、非画像部の汚れを目視で確認することにより、以下のように評価した。
A:全くオフセットが発生しない。
B:ごく軽微に発生するが実用上問題無いレベル。
C:オフセットが発生。
D:オフセットが著しく発生。
d.分離性
カラー複写機CLC1000(キヤノン製)の定着ユニットを取り外した改造機で、単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、紙上のトナー載り量を1.3
mg/cm2になるよう現像コントラストを調整し、先端余白1mmでA4紙(CLC推
奨紙であるSK80)上に画像面積比率100%の未定着画像を作成した。表3に示した条件に調整した定着装置Aを通過させ、分離性(巻きつき性)を評価した。
A:全く問題無く分離できる。
B:分離できるが、やや巻付きそうな気配がある(分離時に、定着画像が斜め上方に排紙される)。
C:若干の巻付きが発生する。
D:巻付きが発生する。
e.カール及び搬送不良
カラー複写機CLC1000(キヤノン製)の定着ユニットを取り外した改造機で、単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、紙上のトナー載り量を1.3mg/cm2になるよう現像コントラストを調整し、先端余白5mmでA4紙(CLC推
奨紙であるSK80)上に画像面積比率100%の未定着画像を10部作成した。表3に示した条件に調整した定着装置Aを順番に通過させ、搬送不良が起こる回数をカウントした。
A:全く問題無く定着装置を通過した。
B:第一定着通過後、軽微なカールが認められるが、第2定着を問題なく通過した。
C:第一定着通過後、カールが発生し、10%以下の割合で第二定着器に記録媒体が突入できなかった。
D:第一定着通過後、カールが発生し、10%を超える割合で第二定着器に記録媒体が突入できなかった。
f.光沢度均一性
以下の手順で光沢度均一性を評価した。
カラー複写機CLC1000(キヤノン製)の定着ユニットを取り外した改造機で、単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、コート紙(CANON、GLOSSY BrochurePaper:坪量148g/m2、記録媒体上光沢度:50
)上に、単位面積当たりのトナー載り量が0.05〜0.6mg/cm2の間でほぼ等間
隔となるように17階調に設定し、各載り量でのベタ画像(1cm×29cm)をA4の横方向に並べた画像を出力した。表3に示した条件に調整した定着装置Aに未定着画像を通過させ、各階調の光沢度を測定し、画像光沢度均一性を評価した。尚、各定着器には、オフセット防止用オイルの塗布機構は設けなかった。
光沢度の測定は、上記画像光沢度の測定と同様に、VG−10型光沢度計(日本電色製)を用いて、60度方向の反射光量を測定した。各載り量毎の帯部画像の光沢度を測定し、光沢度が最大となった帯の光沢度をGmax、同様に光沢度が最小となった帯の光沢度をGminとしたとき、光沢度均一性をGmaxとGminの差ΔGで評価した。光沢度均一性の評価基準を以下示した。
A:10未満
B:10以上〜20未満
C:20以上〜30未満
D:30以上
<実施例2>
定着装置として、図6に示す定着装置Cを使用し、記録媒体上温度が表3に示す温度になるよう定着装置の温度を調整し実施例1と同様に評価を行った。外部定着装置Cは、ベルトニップ方式の定着器(図2)と2台のローラーニップ方式の定着器(図1)を定着器ニップ間を500mm離して配置し、第一定着器のニップが35mm、第2定着器のニッ
プが10mm、第3定着器のニップが10mmとなるよう調整したものである。各定着器には、オフセット防止用オイルの塗布機構は設けなかった。各定着器を温調して、500mm・sec-1の記録媒体搬送速度で未定着画像を前記定着装置に通過させたとき、前記記録媒体が第一の定着器を通過する前後の記録媒体上温度の最大値T1が145℃、第二の定着器を通過する前後の記録媒体上温度の最大値T2が155℃、第三の定着器を通過する前後の記録媒体上温度の最大値T3が150℃、前記記録媒体の第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値tが120℃となった。表3に記録媒体上温度T1、T2、T3、tを示した。
オフセットや定着部材への巻きつきもなく、光沢度の高い、こすり試験による濃度低下のない画像が連続して得られた。また、載り量によらず光沢度の差が少なく、画像光沢均一性の高い画像となった。また、記録媒体光沢度と画像光沢度の差の極めて少ない、光沢度の揃った画像となった。評価結果は表4に示した。
参考例3>
記録媒体上温度が表3の参考例3に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度、光沢度均一性と定着強度で実施例1より極僅かに劣ったものとなったが、実用上問題ない画像が得られた。評価結果を表4に示す。
参考例4>
定着装置Aのベルトニップ方式の定着器(図2)とローラーニップ方式の定着器(図1)を、定着器ニップ間を1000mm離して配置し、記録媒体上温度が表3の参考例4に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。定着強度や光沢度均一性で、実施例1より極僅かに劣ったものとなったが、実用上問題ない画像が得られた。また、極軽微なカールが認められたものの、記録媒体の搬送性には障害は認められなかった。評価結果を表4に示す。
参考例5>
記録媒体上温度が表3の参考例5に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整し
た以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度と光沢度均一性で、実施例1より極僅かに劣ったものとなったが、実用上問題ない画像が得られた。評価結果を表4に示す。
参考例6>
記録媒体上温度が表3の参考例6に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度と光沢度均一性で、実施例1より極僅かに劣ったものとなったが、実用上問題ない画像が得られた。評価結果を表4に示す。
<実施例7>
トナーとして、トナー2を使用し、記録媒体上温度が表3の実施例7に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。軽微なオフセットが認められたが、実用上問題のレベルであった。得られた画像の光沢度やその他評価項目において問題はなかった。評価結果を表4に示す。
<実施例8>
トナーとして、トナー3を使用し、記録媒体上温度が表3の実施例8に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度が実施例1と比較して、極僅かに低く、極軽微なオフセットが認められたが、実用上問題のない程度であり、画像も実用上問題のないものであった。評価結果を表4に示す。
<実施例9>
トナーとして、トナー4を使用し、記録媒体上温度が表3の実施例9に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。オフセットと分離性で実施例1より僅かに程度が悪いが、実用上問題のないレベルであり、画像の光沢度、光沢度均一性とも問題はなかった。評価結果を表4に示す。
<実施例10>
トナーとして、トナー5を使用し、記録媒体上温度が表3の実施例10に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。オフセットと分離性で実施例1より僅かに程度が悪いが、実用上問題のないレベルであり、画像の光沢度は若干低めであったが、光沢度均一性とも問題はなかった。評価結果を表4に示す。
参考例11>
記録媒体上温度が表3の参考例11に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度、光沢度均一性と定着強度とも実施例1より劣ったものとなったが、実用上問題ない画像が得られた。軽微なカールが発生し搬送性は実施例1に対して僅かに劣ったものとなった。評価結果を表4に示す。
参考例12>
記録媒体上温度が表3の参考例12に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、光沢度と光沢度均一性で若干悪目だが、実用上問題ない画像が得られた。評価結果を表4に示した。
参考例13>
記録媒体上温度が表3の参考例13に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、分離性で若干劣ったが、実用上問題ない程度であった。画像の光沢度等は、問題のないものであった。評価結果を表4に示した。
参考例14>
記録媒体上温度が表3の参考例14に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、分離性で若干劣ったが、実用上問題ない程度であった。画像の光沢度等は、問題のないものであった。評価結果を表4に示した。
参考例15>
記録媒体上温度が表3の参考例15に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、オフセットと分離性で若干劣ったものとなったが、実用上問題ない程度であった。画像の光沢度等は、問題のないものであった。評価結果を表4に示した。
参考例16>
トナーとして、トナー6を使用し、記録媒体上温度が表3の参考例16に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、オフセットと分離性で若干劣ったものとなったが、実用上問題ない程度であった。画像の光沢度均一性がΔG15となり、実施例1と比較すると均一性が悪目となった。評価結果を表4に示した。
参考例17>
トナーとして、トナー7を使用し、記録媒体上温度が表3の参考例17に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、ΔGが11となり、画像の光沢度均一性で若干劣るが、実用上問題のないレベルとなった。評価結果を表4に示した。
参考例18>
トナーとして、トナー8を使用し、記録媒体上温度が表3の参考例18に示す温度になるよう定着装置Aの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、光沢度均一性で若干劣るが、実用上問題のないレベルとなった。評価結果を表4に示した。
参考例19>
トナーとして、トナー5を使用し、外部定着装置として2台のローラーニップ方式の定着器(図1)を、各定着器の定着ニップが10mmとなるよう調整し、また、定着器ニップ間の距離が500mmとなるよう配置した、図6に示す定着装置Bを使用し、記録媒体上温度が表3に示す温度になるよう定着装置の温度を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。尚、各定着器には、オフセット防止用オイルの塗布機構は設けなかった。実施例1と比較すると、画像の光沢度均一性で若干劣り、オフセット、分離性及びカールの程度が若干悪目であった。評価結果を表4に示した。
参考例20>
トナーとして、トナー9を使用し、参考例19と同じ定着装置Bを用意し、記録媒体上温度が表3の参考例20に示す温度になるよう定着装置Bの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、光沢度均一性で若干劣るが、オフセットが、実用上許容できるギリギリのレベルとなった。評価結果を表4に示した。
参考例21>
トナーとして、トナー10を使用し、参考例19と同じ定着装置Bを用意し、参考例21において、記録媒体上温度が表3の参考例21に示す温度になるよう定着装置Bの温度条件を調整した。それ以外は、実施例1と同様に評価を行った。実施例1と比較すると、光沢度は高いが、光沢度均一性で若干劣り、記録媒体光沢度に対して、Gmaxが高く、違和感のある画像となった。また、オフセット、分離性、搬送性でも課題があったものの、実用上なんとか許容できる範囲であった。評価結果を表4に示した。
参考例22>
トナーとして、トナー11を使用し、参考例19と同じ定着装置Bを用意し、記録媒体上温度が表3の参考例22に示す温度になるよう定着装置Bの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度、光沢度均一性は許容できるギリギリのレベルであった。定着強度や、オフセット、分離性、搬送性でも課題があったものの、実用上許容できるギリギリの範囲であった。評価結果を表4に示した。
参考例23>
トナーとして、トナー12を使用し、参考例19と同じ定着装置Bを用意し、記録媒体上温度が表3の参考例23に示す温度になるよう定着装置Bの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度、光沢度均一性は許容できるギリギリのレベルであった。定着強度や、オフセット、分離性、搬送性でも課題があったものの、実用上許容できるギリギリの範囲であった。評価結果を表4に示した。
<比較例1>
トナーとして、トナー12を使用し、外部定着装置として1台のローラーニップ方式の
定着器(図1)を配置した、図6に示す定着装置Dを使用し、記録媒体上温度が表3に示す温度になるよう定着装置の温度を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。尚、定着器には、オフセット防止用オイルの塗布機構は設けなかった。光沢度が不足し、トナー載り量によって光沢度の差が大きく、光沢度均一性が劣ったものとなった。また、記録媒体光沢度との差も大きく、違和感の大きい画像となった。その他、定着強度、オフセットや分離性なども劣ったものであった。評価結果を表4に示す。
<比較例2>
トナーとして、トナー12を使用し、参考例19と同じ定着装置Bを用意し、記録媒体上温度が表3の比較例2に示す温度になるよう定着装置Bの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度が不足し、トナー載り量によって光沢度の差が大きく、光沢度均一性が劣ったものとなった。また、記録媒体光沢度との差も大きく、違和感の大きい画像となった。その他、定着強度、オフセットや分離性なども劣ったものであった。評価結果を表4に示す。
<比較例3>
トナーとして、トナー12を使用し、参考例19の定着装置Bの2台のローラーニップ方式定着器(図1)を、定着器ニップ間を1000mm離して配置し、記録媒体上温度が
表3の比較例3に示す温度になるよう調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度が不足し、トナー載り量によって光沢度の差が大きく、光沢度均一性が劣ったものとなった。また、記録媒体光沢度との差も大きく、違和感の大きい画像となった。その他、定着強度、オフセットや分離性なども劣ったものであった。評価結果を表4に示す。
<比較例4>
トナーとして、トナー11を使用し、参考例19と同じ定着装置Bを用意し、記録媒体上温度が表3の比較例4に示す温度になるよう定着装置Bの温度条件を調整した以外は、実施例1と同様に評価を行った。光沢度が不足し、トナー載り量によって光沢度の差が大きく、光沢度均一性が劣ったものとなった。また、記録媒体光沢度との差も大きく、違和感の大きい画像となった。その他、定着強度、オフセットや分離性なども劣ったものであった。評価結果を表4に示す。
<比較例5>
トナーとして、トナー10を使用し、参考例19と同じ定着装置Bを用意し、各定着器にシリコーンオイル塗布機構を着けた定着装置Bを用い、記録媒体上温度が表3の比較例5に示す温度になるよう温度条件を調整した。実施例1と同様に評価を行った。光沢度は高いが、トナー載り量によって光沢度の差が大きく、光沢度均一性が劣ったものとなった。また、記録媒体光沢度との差が大きく、違和感の大きい画像となった。その他、定着強度、オフセットや分離性なども劣ったものであった。評価結果を表4に示す。
<実施例24>
実施例1で調製したシアントナーを含有する現像剤、参考例16で調製したイエロートナーを含有する現像剤、参考例17で調製したマゼンタトナーを含有する現像剤、参考例18で調製したブラックトナーを含有する現像剤を用いて、実施例1と同様の構成を有する装置を用いて、トナーの載り量が1.3mg/cm2であるフルカラー画像を形成した
。実施例1と同様に評価を実施したところ、オフセットや定着部材への巻きつきもなく、混色性に優れ、光沢度の高い、こすり試験による濃度低下のない、がさつき感のないなめらかな画像が得られた。
Figure 0005404742
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Claims (3)

  1. 記録媒体の片面にのみ形成された未定着トナー像を、定着手段により加熱加圧定着する定着方法において、前記記録媒体の搬送方向に直列に配列した少なくとも2台以上の定着器を通過することによって未定着トナー像の定着が行われるものであり、
    前記未定着トナー像を形成するトナーが離型剤を含有するトナーであり、
    記定着器のうち第一の定着器が、内部にヒーターを有する定着ローラーと、前記定着ローラーに圧接された搬送定着ベルトとで形成されるニップ部で定着を行うベルトニップ方式の定着器であり、
    前記定着器のうち第二の定着器が、内部にヒーターを有する定着ローラーと、加圧ローラーとで形成されるニップ部で定着を行うローラーニップ方式の定着器であり、
    前記第一の定着器において、前記記録媒体を、前記記録媒体の未定着トナー像を担持している側の面が前記定着ローラーと接するように、ニップ部を通過させ、
    前記第一の定着器のニップ部を通過した記録媒体を、前記第二の定着器において、記録媒体のトナー像を担持している側の面が前記定着ローラーと接するように、ニップ部を通過させるものであり、
    前記記録媒体が上記第一の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値をT1、上記第二の定着器を通過する際の記録媒体上温度の最大値をT2、前記記録媒体の第一の定着器突出から第二の定着器突入までの間の記録媒体上温度の最小値をtとした場合、前記T1が130〜145℃、前記T2が150〜170℃、ΔT(=T2−t)が10〜60℃であり、前記トナーのフローテスターで測定される軟化温度をTs、フローテスターで測定される流出開始温度をTfbとした場合、下記式(1)及び式(2)を満足することを特徴とする定着方法。
    T1>Tfb 式(1)
    T2>t>Ts 式(2)
  2. 前記トナーのフローテスター1/2法溶融温度をT1/2とするとき、前記T2との関係が、式(3)を満足することを特徴とする請求項1に記載の定着方法。
    T2>T1/2 式(3)
  3. 前記トナーは、示差走査熱量計測定における吸熱曲線において、最大吸熱ピークの最大値が60〜140℃の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の定着方法。
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