JP5313115B2 - 平版印刷版の製版方法、平版印刷版原版用現像液、及び、平版印刷版原版現像用補充液 - Google Patents

平版印刷版の製版方法、平版印刷版原版用現像液、及び、平版印刷版原版現像用補充液 Download PDF

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Description

本発明は、平版印刷版の製版方法、平版印刷版原版用現像液、及び、平版印刷版原版現像用補充液に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と印刷インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(感光層、画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液又は有機溶剤によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
このように従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な画像記録層を現像液などによって溶解除去する工程が必要であるが、環境及び安全上、より中性域に近い現像液での処理や少ない廃液が課題として挙げられている。特に、近年、地球環境への配慮から湿式処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっており、上記課題の解決の要請は一層強くなってきている。
一方、近年、画像情報をコンピュータで電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が注目されてきている。従って、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
上述のように、現像液の低アルカリ化、処理工程の簡素化は、地球環境への配慮と省スペース、低ランニングコストへの適合化との両面から、従来にも増して強く望まれるようになってきている。しかし前述のように、従来の現像処理工程はpH11以上のアルカリ水溶液で現像した後、水洗浴にてアルカリ剤を流し、その後、親水性樹脂を主とするガム液で処理するという3つの工程からなっており、そのため自動現像機自体も大きくスペースを取ってしまい、さらに現像廃液、水洗廃液、ガム廃液処理の問題等、環境及びランニングコスト面での課題を残している。
これに対して、例えば、特許文献1には、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩を有するpH8.5〜11.5、導電率3〜30mS/cmの現像液で処理する現像方法が提案されている。
特許文献2の実施例にはpH11.9〜12.1の水溶性高分子化合物を含有する現像液による処理が記載されている。また、特許文献3にはpH3〜9の水溶性高分子化合物を含有する現像液による処理が記載されている。
一方、特許文献4には、ハロゲン化銀の感光性を利用し、重合性化合物又は架橋性ポリマーを含む感光材料を画像状に硬化させた後、未硬化部分を除去して硬化部分からなる画像を形成する画像形成方法において、感光層中でハロゲン化銀を分散するために用いるゼラチン量を規定し、かつ未硬化部分を除去するために用いるアルカリ性溶出液にタンパク分解酵素を含ませることが記載されている。
特開平11−65126号公報 欧州特許出願公開第1868036号明細書 特表2007−538279号公報 特開平9−281707号公報
特許文献1に記載の発明は、水洗及びガム液処理工程を必要としており、環境及びランニングコスト面の課題解決には至らない。さらに、特許文献1のようにpHを下げた現像液で処理を行うと、多量の現像処理を行った際、現像液中にエチレン性不飽和化合物に由来するカスが発生しやすくなるという問題、及び、現像性が低下してしまうという問題がある。
特許文献2に記載の発明では、得られた印刷版は、pH12のアルカリが版面に付着したままの状態であり、作業者に対して安全面で問題があるうえに、印刷版作成後に印刷までの経時が長くなると画像部が次第に溶解して着肉性や耐刷性の低下を招く。また、廃液処理及び環境ランニングコストの課題は解決されていない。
特許文献3に記載の処理液は塩基成分を含まないため、感光層のポリマーを親水性にして現像可能とする必要があり、従って耐刷性が著しく低下するという問題がある。
特許文献4に記載の発明は、ハロゲン化銀、還元剤及び重合性化合物を含む感光材料を画像露光し、ハロゲン化銀を熱現像して、これにより画像状に重合性化合物を重合させてポリマー像を形成する方法である。また、アルカリ性溶出液に添加されるタンパク分解酵素は、感光層中のゼラチンを分解することを目的としている。特許文献4に記載の発明は、重金属であるハロゲン化銀を含む感光層を使用し、強アルカリの現像液で現像することから、現像廃液、水洗廃液の処理等、環境及びランニングコストの面での課題を残している。さらに、特許文献4に記載されたタンパク分解酵素は、エチレン性不飽和化合物などの加水分解を示唆するものではない。
従って本発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服した平版印刷版の製版方法を提供することであり、具体的には、優れた現像性を有し、耐刷性、耐汚れ性など良好な印刷性能を有する平版印刷版を作製し、さらに、エチレン性不飽和化合物などに起因する現像カスの発生を抑制可能であり、優れた処理能力を有する平版印刷版の製版方法並びに平版印刷版原版用現像液及び平版印刷版原版現像用補充液を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<16>及び<23>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<15>、<17>〜<22>、及び、<24>〜<30>と共に以下に記載する。
<1>(A)支持体上に、(i)バインダーポリマーと、(ii)エチレン性不飽和化合物と、(iii)ラジカル重合開始剤と、を含有する感光層を有する平版印刷版原版を作製する工程、(B)前記平版印刷版原版を露光する露光工程、及び、(C)前記平版印刷版原版の非露光部の感光層を除去する現像工程を有し、前記(C)現像工程が、酵素を含有する現像液により行われることを特徴とする平版印刷版の製版方法、
<2>前記(C)現像工程が、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行う工程である、<1>に記載の製版方法、
<3> 前記酵素が、前記(ii)エチレン性不飽和化合物を分解可能な酵素である、<1>又は<2>に記載の製版方法、
<4> 前記酵素が、エステル結合、アミド結合、3級アミノ基、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合よりなる群から選択される少なくとも1つを加水分解する酵素である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の製版方法、
<5> 前記酵素が、エステル結合を加水分解する酵素である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の製版方法、
<6> 前記酵素が、EC3群から選択される酵素である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の製版方法、
<7> 前記酵素が、EC3.1群又はEC3.4群から選択される酵素である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の製版方法、
<8> 前記酵素が、EC3.1.1.3(トリアシルグリセロールリパーゼ)、EC3.4.11.1(ロイシンアミノペプチダーゼ)、EC3.4.21.62(サブチリシン)、EC3.4.21.63(オルリジン)、EC3.4.22.2(パパイン)、EC3.4.22.32(stem bromelain)、EC3.4.23.18(aspergillo pepsin I)、EC3.4.24.25(ビブリオリシン)、EC3.4.24.27(テルモリシン)、及び、EC3.4.24.28(バシロリシン)よりなる群から選択される酵素である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載の製版方法、
<9> 前記酵素の至適pHがアルカリ性である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載の製版方法、
<10> 前記現像液のpHが6.5以上11以下である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載の製版方法、
<11> 前記(ii)エチレン性不飽和化合物が、エステル結合、アミド結合、3級アミノ基、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合よりなる群から選択される少なくとも1種を有する、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の製版方法、
<12> 前記現像液が、さらに界面活性剤を含有する、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の製版方法、
<13> 前記現像液が、さらに水溶性高分子化合物を含有する、<1>〜<12>のいずれか1つに記載の平版印刷版の製版方法、
<14> 前記現像工程を1液で行う、<1>〜<13>のいずれか1つに記載の製版方法、
<15> (a)酵素、及び、(b)界面活性剤を含有することを特徴とする、平版印刷版原版用現像液、
<16> 前記酵素が、EC3群から選択される、<15>に記載の平版印刷版原版用現像液、
<17> 前記酵素が、EC3.1群又はEC3.4群から選択される、<15>又は<16>に記載の平版印刷版原版用現像液、
<18> 前記酵素が、EC3.1.1.3(トリアシルグリセロールリパーゼ)、EC3.4.11.1(ロイシンアミノペプチダーゼ)、EC3.4.21.62(サブチリシン)、EC3.4.21.63(オルリジン)、EC3.4.22.2(パパイン)、EC3.4.22.32(stem bromelain)、EC3.4.23.18(aspergillo pepsin I)、EC3.4.24.25(ビブリオリシン)、EC3.4.24.27(テルモリシン)、及び、EC3.4.24.28(バシロリシン)よりなる群から選択される、<15>〜<17>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版用現像液、
<19> 前記酵素の至適pHがアルカリ性である、<15>〜<18>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版用現像液、
<20> 前記現像液のpHが6.5以上11以下である、<15>〜<19>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版用現像液、
<21> 前記現像液が、さらに水溶性高分子化合物を含有する、<15>〜<20>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版用現像液、
<22> 前記現像液が緩衝能を有する、<15>〜<21>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版用現像液、
<23> 酵素を含有することを特徴とする平版印刷版原版現像用補充液、
<24> 前記平版印刷版原版が、支持体上に(i)バインダーポリマー、(ii)エチレン性不飽和化合物、及び(iii)ラジカル重合開始剤を含有する光重合性感光層を有する、<23>に記載の平版印刷版原版現像用補充液、
<25> 前記酵素が、前記(ii)エチレン性不飽和化合物を分解する酵素である、<23>又は<24>に記載の平版印刷版原版現像用補充液、
<26> 前記酵素が、エステル結合、アミド結合、3級アミノ基、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合よりなる群から選択される少なくとも1つを加水分解する酵素である、<23>〜<25>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版の現像用補充液、
<27> pHが6.5〜11である、<23>〜<26>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版の現像用補充液、
<28> 前記補充液が、さらに界面活性剤を含有する、<23>〜<27>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版現像用補充液、
<29> 前記補充液が、さらにpH緩衝剤を含有する、<23>〜<28>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版現像用補充液、
<30> 前記酵素の至適pHがアルカリ性である、<23>〜<29>のいずれか1つに記載の平版印刷版原版現像用補充液。
本発明によれば、優れた現像性を有し、耐刷性、耐汚れ性など良好な印刷性能を有する平版印刷版を作製し、さらに、エチレン性不飽和化合物などに起因する現像カスの発生を抑制可能であり、優れた処理能力を有する平版印刷版の製版方法並びに平版印刷版原版用現像液及び平版印刷版原版現像用補充液を提供することができた。
本発明の平版印刷版原版の処理方法に用いられる自動現像処理機の構造を示す説明図である。 本発明の平版印刷版原版の処理方法に用いられる他の自動現像処理機の構造を示す説明図である。
本発明の平版印刷版の製版方法は、(A)支持体上に、(i)バインダーポリマーと、(ii)エチレン性不飽和化合物と、(iii)ラジカル重合開始剤と、を含有する感光層を有する平版印刷版原版を作製する工程、(B)前記平版印刷版原版を露光する露光工程、及び、(C)前記平版印刷版原版の非露光部の感光層を除去する現像工程を有し、前記(C)現像工程が、酵素を含有する現像液により行われることを特徴とする。
また、本発明の平版印刷版原版用現像液(以下、単に「現像液」ともいう。)は、(a)酵素、及び、(b)界面活性剤を含有することを特徴とする。
さらに、本発明において、平版印刷版原版現像用補充液(以下、単に「補充液」ともいう。)は、酵素を含有することを特徴とする。
本発明の作用機構は明確ではないが、以下のことが推測される。平版印刷版原版の感光層に使用されるエチレン性不飽和化合物は、平版印刷版原版の現像性、現像カス分散性、感度、及び、作製される平版印刷版の耐刷性に大きく関与している。エチレン性不飽和化合物の親水性を上げると、現像性、現像カス分散性は向上するが、感度、耐刷性は低下してしまう。これは、画像部への現像液浸透性の向上及びバインダーポリマーとの相溶性に起因すると推測される。
従来、エチレン性不飽和化合物としては、耐刷性の観点から疎水的な(メタ)アクリロイル化合物が好適に用いられていた。これらのエチレン性不飽和化合物は、塩基性が高い現像液(例えばpH=12程度など)では、エチレン性不飽和化合物のエステル連結部等が一部例えば加水分解し、親水的になるため、現像処理時に現像カスの発生が少ないと考えられる。一方、低アルカリ現像系においては、疎水的なエチレン性不飽和化合物では、この加水分解反応等が進行しにくいため、分散可溶化できず現像カスとなりやすいものと推測される。
本発明では、酵素(好ましくは加水分解酵素)が導入された現像液にて処理することにより、現像液中にてエチレン性不飽和化合物が加水分解等され、親水性が向上するため、現像カスの発生を抑制できたものと推測される。さらに、エステル基を加水分解する場合には、極性変換(疎水性から親水性への極性変換)を利用しているため、画像部への現像液浸透が起こりにくくなっており、感度、耐刷性を維持したまま、現像カスの発生を抑制できたものと推測される。
なお、以下の説明において、特に断りのない限り、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
(平版印刷版原版)
本発明に用いられる平版印刷版原版、特に光重合性平版印刷版原版について、その構成を順次説明する。
本発明において、平版印刷版原版は、支持体上に(i)バインダーポリマーと、(ii)エチレン性不飽和化合物と、(iii)ラジカル重合開始剤と、を含有する感光層を有する。該感光層は、光重合性感光層であることが好ましい。また、感光層と支持体の間に下塗り層を有していてもよく、また、支持体の感光層を形成する面とは反対面に、バックコート層を有していてもよい。
本発明において、平版印刷版原版は、ネガ型平版印刷版原版であり、また、酵素を含有する現像液で好適に現像される。
<支持体>
本発明において、平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状の親水性支持体であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、アルミニウム、亜鉛、銅等の金属がラミネートされ若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又は、アルミニウム若しくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素としては、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等が挙げられる。合金中の異元素の含有量は10重量%以下であることが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは、0.1〜0.6mmであることが好ましく、0.15〜0.4mmであることがより好ましく、0.2〜0.3mmであることがさらに好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すことが好ましい。表面処理により、親水性の向上及び感光層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。これらの処理としては、特開2007−206217号公報の段落番号〔0241〕〜〔0245〕に記載された方法を好ましく用いることができる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、さらに、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80重量%溶液、液温度5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であることが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2であることが好ましく、1.5〜4.0g/m2であることがより好ましい。上記範囲であると、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
前記支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでもよいが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号公報や特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、及び、親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。もちろんこれら拡大処理、封孔処理は、これらに記載のものに限られるものではなく、従来公知のいずれの方法も行うことができる。
封孔処理としては、蒸気封孔の他、フッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナトリウムによる処理など無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、塩化リチウムを添加した蒸気封孔、熱水による封孔処理でも可能である。
中でも、無機フッ素化合物を含有する水溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処理及び熱水による封孔処理が好ましい。
平版印刷版原版においては、非画像部の親水性を向上させ印刷汚れを防止するために、支持体表面の親水化処理を行ったり、支持体と感光層との間に下塗り層を設けることも好適である。下塗り層については後述する。
支持体表面の親水化処理としては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液に浸漬処理又は電解処理するアルカリ金属シリケート処理法、フッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、ポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
アルカリ金属シリケート処理法は、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の各明細書に記載されており、この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理し、又は、電解処理する。また、フッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法は、特公昭36−22063号公報に記載されており、ポリビニルホスホン酸で処理する方法は、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の各明細書に記載されている。
これらの中でも、ポリビニルホスホン酸水溶液に浸漬処理する方法が好ましく用いられる。
支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが好ましい。
親水層としては、特開2001−199175号公報に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属よりなる群から選択された少なくとも1つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号公報に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネート又はアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、本発明において、支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側又は反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けることが好ましい。帯電防止層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号公報に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであることが好ましい。上記範囲であると、感光層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であることが好ましい。上記範囲であると、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
<感光層>
本発明で使用する平版印刷版原版の感光層(以下、画像形成層ともいう)は、基本成分として、(i)バインダーポリマー、(ii)エチレン性不飽和化合物、及び、(iii)ラジカル重合開始剤を含有する。
(i)バインダーポリマー
本発明で使用されるバインダーポリマーについて説明する。
バインダーポリマーとしては、感光層成分を支持体上に担持可能であり、現像液により除去可能であるものが用いられる。前記バインダーポリマーは、感光層の皮膜形成剤として機能するポリマーであり、線状有機高分子重合体を含有させることが好ましい。このような「線状有機高分子重合体」としては、公知のものを使用することができる。
このようなバインダーポリマーの例としては、(メタ)アクリル系重合体、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂よりなる群から選ばれた高分子であることが好ましい。中でも、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系樹脂などのビニル(共)重合体、ポリウレタン樹脂がより好ましく、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂がさらに好ましい。ここで「(メタ)アクリル系重合体」とは、(メタ)アクリル酸及び/又はその誘導体(例えば、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アリルエステル、など)、(メタ)アクリルアミド、及び、(メタ)アクリルアミド誘導体など)を(共)重合成分として少なくとも1種有する(メタ)アクリル系ポリマーのことをいう。「ポリウレタン樹脂」とは、イソシアネート基を複数(好ましくは2つ)有する化合物とヒドロキシ基を複数(好ましくは2つ)有する化合物の縮合反応により生成されるポリマーのことをいう。
本発明におけるバインダーポリマーの好適な一例としては、酸基を含有する繰り返し単位を有する共重合体が挙げられる。酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、スルホンアミド基等が挙げられるが、カルボン酸基が特に好ましい。特に、(メタ)アクリル酸を重合モノマーとして有するポリマー又は下記式(I)で表される繰り返し単位を有するポリマーが好ましく用いられる。
Figure 0005313115
(式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は単結合又はn+1価の連結基を表す。Aは酸素原子又は−NR3−を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。nは1〜5の整数を表す。)
式(I)におけるR2で表される連結基は、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びハロゲン原子から構成されるもので、その原子数は好ましくは1〜80である。具体的には、アルキレン、置換アルキレン、アリーレン、置換アリーレンなどが挙げられ、これらの2価の基がアミド結合やエステル結合で複数連結された構造を有していてもよい。R2としては、単結合、アルキレン、置換アルキレンであることが好ましく、単結合、炭素数1〜5のアルキレン、炭素数1〜5の置換アルキレンであることが特に好ましく、単結合、炭素数1〜3のアルキレン、炭素数1〜3の置換アルキレンであることが最も好ましい。
置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
3は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基が特に好ましく、水素原子又はメチル基が最も好ましい。nは1〜3であることが好ましく、1又は2であることが特に好ましく、1であることが最も好ましい。
バインダーポリマーの全共重合成分に占めるカルボン酸基を有する共重合成分の割合(モル%)は、現像性の観点から、1〜70%が好ましい。現像性と耐刷性の両立を考慮すると、1〜50%がより好ましく、1〜30%が特に好ましい。
さらに、バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を持たせることができる。
バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基をバインダーポリマー(高分子)の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。反応性の観点から、側鎖中に架橋性基を有するバインダーポリマーが好ましく用いられる。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に感光層中で起こるラジカル重合反応の過程で高分子バインダーを架橋させる基のことである。このような機能の基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基、オニウム塩構造等が挙げられる。中でも、エチレン性不飽和結合基が好ましく、エチレン性不飽和結合基としては、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基が好ましい。
エチレン性不飽和結合基としては、下記式(1’)〜(3’)で表される官能基が特に好ましい。
Figure 0005313115
前記式(1’)において、Rl〜R3はそれぞれ独立に、一価の有機基を表す。
1として好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは、炭素数1〜6)などが挙げられ、中でも、水素原子又はメチル基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
また、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
Xは、酸素原子、硫黄原子、又は、N(R12)を表し、R12は、水素原子、又は、一価の有機基を表す。ここで、R12は、置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6、特に好ましくは炭素数1〜4)などが挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基、又は、イソプロピル基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数2〜6)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数2〜6)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、アリーロキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、アルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素す1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、アリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10、さらに好ましくは炭素数2〜6)、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、アリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)などが挙げられる。
Figure 0005313115
前記式(2’)において、R4〜R8はそれぞれ独立に、一価の有機基を表す。
4〜R8は、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基(それぞれのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基がより好ましい。
導入し得る置換基としては、式(1’)と同様のものが例示される。
また、Yは、酸素原子、硫黄原子、又はN(R12)を表す。R12は、式(1’)のR12の場合と同義であり、好ましい例も同様である。
Figure 0005313115
前記式(3’)において、R9〜R11はそれぞれ独立に、一価の有機基を表す。
9として好ましくは、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)などが挙げられ、中でも、水素原子又はメチル基が、ラジカル反応性が高いことからより好ましい。
10及びR11はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ジアルキルアミノ基(それぞれのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルキルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールアミノ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)などが挙げられ、中でも、水素原子、カルボキシル基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基が、ラジカル反応性が高いことから好ましい。
ここで、導入し得る置換基としては、式(1’)と同様のものが例示される。
また、Zは、酸素原子、硫黄原子、N(R13)、又は、置換基を有してもよいフェニレン基を表す。
13としては、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられ、中でも、メチル基、エチル基、イソプロピル基がラジカル反応性が高いことから好ましい。
上記の中でも、側鎖に架橋性基を有する(メタ)アクリル系重合体及びウレタン樹脂がより好ましい。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接に又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。又は、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、0.01〜10.0mmolであることが好ましく、0.05〜7.0mmolであることがより好ましく、0.1〜5.5mmolであることがさらに好ましく、0.1〜2.0mmolであることが特に好ましい。
また、平版印刷版の製版工程において感光層の非画像部が良好に除去されるよう、用いられるバインダーポリマーは現像処理の態様に対応して適宜選択される。下記に詳細を記す。
本発明に用いられるバインダーポリマーは、上記酸基を有する重合単位、架橋性基を有する重合単位の他に、(メタ)アクリル酸アルキル又はアラルキルエステルの重合単位を有していてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、メチル基がより好ましい。(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
バインダーポリマーは、重量平均分子量が5,000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1,000以上であるのが好ましく、2,000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。バインダーポリマーの含有量は、良好な画像部の強度と画像形成性の観点から、感光層の全固形分に対して、5〜75重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましく、10〜60重量%がさらに好ましい。
また、重合性化合物及びバインダーポリマーの合計含有量は、感光層の全固形分に対して、80重量%以下であることが好ましい。80重量%を超えると、感度の低下、現像性の低下を引き起こす場合がある。より好ましくは35〜75重量%である。
(i−1)アルカリ可溶性バインダーポリマー
現像処理がアルカリ現像液を用いて行われる態様においては、バインダーポリマーはアルカリ現像液に溶解する必要があるため、アルカリ水に可溶性である有機高分子重合体が好ましく使用され、pH7.5〜13、より好ましくはpH7.5〜11.0のアルカリ水に可溶性である有機高分子重合体がより好ましく使用される。
アルカリ水に可溶性であるために、アルカリ可溶性基を有することが好ましい。アルカリ可溶性は酸基であることが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基などが挙げられる。これらのうち、皮膜性・耐刷性・現像性の両立という観点から、カルボキシル基を有するバインダーポリマーが特に好ましい。
カルボキシル基を含有するバインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル酸をモノマー単位として有するバインダーポリマーが特に好ましい。(メタ)アクリル酸をモノマー単位として有するバインダーポリマーは、さらに、(メタ)アクリル酸アルキルエステルをモノマー単位として有するバインダーポリマーであることが好ましく、また、前記アルキルエステルのアルキル基は、炭素数1〜5のアルキルであることが好ましい。
さらに、アルカリ可溶性バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、上記のように架橋性を持たせることができる。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよいし、高分子反応によって導入してもよい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは、重量平均分子量が5,000以上であることが好ましく、1万〜30万であることがより好ましく、また、数平均分子量が1,000以上であることが好ましく、2,000〜25万であることがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であることが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーは、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
アルカリ可溶性バインダーポリマーの含有量は、感光層の全固形分に対して、5〜90重量%であることが好ましく、10〜70重量%であることがより好ましく、10〜60重量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。なお、2種以上のバインダーポリマーを併用する場合には、総量として上記の含有量とすることが好ましい。
(i−2)親水性基を有するバインダーポリマー
前記感光層に使用可能なバインダーポリマーとしては、現像液に対する現像性を向上させるために、親水性基を有するバインダーポリマー(親水性基含有バインダーポリマー)を用いてもよい。特に酸性〜弱アルカリ性(pH2〜10)の現像液を用いる場合には、この親水性基を有するバインダーポリマーが好ましく用いられる。
親水基としては、一価又は二価以上の親水性基から選ばれ、例えば、ヒドロキシ基、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ基、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、アミノ基を酸で中和した塩、第四級アンモニウム基、スルホニウム基、ヨードニウム基、ホスホニウム基、アミド基、エーテル基、又は、カルボン酸、スルホン酸、リン酸などの酸基を中和した塩が好ましく、特に第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、アミノ基を酸で中和した塩、第四級アンモニウム基、アミド基、ヒドロキシ基、−CH2CH2O−繰り返し単位、又は、−CH2CH2NH−繰り返し単位が好ましく、第三級アミノ基、酸基をアミノ基含有化合物で中和した塩、アミノ基を酸で中和した塩、第四級アンモニウム基が最も好ましい。
親水基含有バインダーポリマーは、共重合体であることが好ましく、共重合体の全共重合成分に占める前記のような親水性基を有する共重合成分の割合は、現像性の観点から、共重合体を構成する全モノマー単位に対して、1〜70重量%であることが好ましく、現像性と耐刷性との両立を考慮すると、1〜50重量%であることがより好ましく、1〜30重量%であることがさらに好ましい。
親水基含有バインダーポリマーは、前記のような架橋性基を有することが好ましい。
親水基含有バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、親水基含有バインダーポリマー1g当たり、0.01〜10.0mmolであることが好ましく、0.05〜5.0mmolであることがより好ましく、0.1〜2.0mmolであることがさらに好ましい。
さらに耐刷性向上という観点から、架橋性基は親水性基の近傍にあることが好ましく、親水性基と架橋性基が同一の単量体単位(モノマー単位)上にあってもよい。
親水基含有バインダーポリマーは、前記親水性基を有するユニット、架橋性基を有するユニット、親水性基及び架橋性基を有するユニットの他に、(メタ)アクリル酸アルキル又はアラルキルエステルのユニットを有することが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、メチル基がより好ましい。(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
親水基含有バインダーポリマーは、重量平均分子量が5,000以上であることが好ましく、1万〜30万であることがより好ましく、また、数平均分子量が1,000以上であることが好ましく、2,000〜25万であることがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であることが好ましい。
親水基含有バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよい。
親水基含有バインダーポリマーは、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
親水基含有バインダーポリマーの含有量は、良好な画像部の強度と画像形成性の観点から、感光層の全固形分に対して、5〜75重量%が好ましく、10〜70重量%がより好ましく、10〜60重量%がさらに好ましい。また、2種以上の親水基含有バインダーポリマーを併用する場合、親水基含有バインダーポリマーの総量として上記の含有量とすることが好ましい。
また、エチレン性不飽和化合物(重合性化合物)及びバインダーポリマーの合計含有量は、感光層の全固形分に対して、80重量%以下であることが好ましく、35〜75重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、感度及び現像性に優れる。
以下に、親水基含有バインダーポリマーを構成する単量体単位(モノマー単位)の具体例、及び、親水基含有バインダーポリマーの具体例を示すが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、下記表中の重量平均分子量(Mw、下記表中では、単に「分子量」とも記載している。)は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したものである。また、下記化学式中、TsO-は、p−CH364SO3 -の略記である。
Figure 0005313115
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(ii)エチレン性不飽和化合物
本発明において、感光層に使用されるエチレン性不飽和化合物(以下、「付加重合性化合物」ともいう。)は、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシ基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類若しくはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類又はエポキシ類との付加反応物、及び、前記求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル類若しくはアミド類と、単官能若しくは多官能のカルボン酸と、の脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能又は多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル又はアミド類と、単官能又は多官能のアルコール類、アミン類、チオール類と、の置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
本発明においては、分子内にエステル結合又はアミド結合を有するエチレン性不飽和化合物が好ましく用いられ、アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有することがより好ましい。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドであるモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
本発明においてはさらに、分子内に3級アミノ基、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合からなる官能基群から選択される少なくとも1種の官能基を有するエチレン性不飽和化合物が好ましく用いられる。エチレン性不飽和化合物がこれらの官能基を分子内に有すると、水素結合による凝集性の向上効果により、高強度な硬化膜が形成可能となるため、耐刷性の向上が可能となり、本発明の酵素を含有する現像液で処理することにより、処理液中の現像カスも減少させることができる。
これらの中でも特にウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合からなる官能基群から選択される少なくとも1種の官能基を有するエチレン性不飽和化合物がさらに好ましく用いられる。感度・耐刷性・現像性・現像カスの観点から最も好ましく用いられるのは、ウレタン結合を有するエチレン性不飽和化合物である。
ウレタン結合を有するエチレン性不飽和化合物は、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造される。そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている、1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(ii)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有する化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (ii)
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
前記式(ii)で示される化合物と反応させるイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートなどが挙げられるが、特に2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと反応させた反応物が感度向上の観点から好ましく用いられる。
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号の各号公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号の各号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号の各号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、の各号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号の各号公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。具体的には、NKオリゴ U−4HA、U−4H、U−6HA、U−6ELH、U−108A、U−1084A、U−200AX、U−122A、U−340A、U−324A、UA−100(新中村化学工業(株)製)、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I(共栄社化学(株)製)、アートレジン UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、SH−380G、SH−500、SH−9832(根上工業(株)製)、PLEX6661−O(独・Degussa社製)等を挙げることができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物や疎水性の高い化合物は、感光スピードや膜強度に優れる反面、現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましくない場合がある。また、感光層中の他の成分(例えば、バインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させ得ることがある。また、支持体や後述の保護層(オーバーコート層)等との密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。感光層中の付加重合性化合物の配合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多すぎる場合には、好ましくない相分離が生じたり、感光層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、感光層成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液からの析出が生じる等の問題を生じ得る。
これらの観点から、付加重合性化合物は、記録層中の不揮発性成分(固形分)に対して、好ましくは5〜90重量%、より好ましくは20〜75重量%、さらに好ましくは25〜75重量%、特に好ましくは30〜60重量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。その他、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施し得る。
(iii)ラジカル重合開始剤
本発明において、平版印刷版原版における感光層は、ラジカル重合開始剤(以下、「重合開始剤」又は「開始剤化合物」ともいう。)を含有する。
開始剤化合物は、増感色素の電子励起状態に起因する電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用をうけて、化学変化を生じ、ラジカル、酸及び塩基から選択される少なくとも1種を生成する化合物である。以下、このようにして生じたラジカル、酸、塩基を単に活性種と呼ぶ。開始剤化合物が存在しない場合には、実用上十分な感度が得られず、開始剤化合物のみを単独で用いた場合にも、実用上十分な感度が得られない場合がある。増感色素と開始剤化合物を併用する一つの態様として、これらを、適切な化学的方法(増感色素と開始剤化合物との化学結合による連結等)によって単一の化合物として利用することも可能である。
通常これらの開始剤化合物の多くは、次の(1)〜(3)に代表される初期化学プロセスを経て、活性種を生成するものと考えられる。すなわち、(1)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物への電子移動反応に基づく、開始剤化合物の還元的分解、(2)開始剤化合物から増感色素の電子励起状態への電子移動に基づく、開始剤化合物の酸化的分解、(3)増感色素の電子励起状態から開始剤化合物へのエネルギー移動に基づく、開始剤化合物の電子励起状態からの分解である。個々の開始剤化合物が(1)〜(3)のどのタイプに属するかに関しては、曖昧な場合も多いが、本発明における増感色素は、これらいずれのタイプの開始剤化合物と組み合わせても非常に高い増感効果を示す。
開始剤化合物としては、当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、鉄アレーン錯体が挙げられる。中でも、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、オニウム塩、トリハロメチル化合物及びメタロセン化合物よりなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましく、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が特に好ましい。
また、前記重合開始剤は、2種以上を適宜併用することもできる。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号の各公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物は、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素と併用して用いられることが特に好ましい。
本発明において好適に用いられるオニウム塩(本発明においては、酸発生剤としてではなく、イオン性の重合開始剤として機能する。)は、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩である。特にジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が好ましく用いられる。オニウム塩は、下記式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩であることが好ましい。
Figure 0005313115
式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
式(RI−I)中、Z11 -は1価の陰イオンを表し、具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン及びスルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI−II)中、Ar21及びAr22はそれぞれ独立に、置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
式(RI−II)中、Z21 -は1価の陰イオンを表す。具体的には、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI−III)中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に、置換基を1〜6個有していてもよい炭素数20以下のアリール基、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表す。中でも反応性、安定性の面から好ましいのは、アリール基である。
置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
式(RI−III)中、Z31 -は1価の陰イオンを表す。具体例としては、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンが挙げられる。中でも安定性、反応性の面から、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。また、特開2002−148790号公報、又は、特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオンがより好ましく挙げられ、特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが特に好ましく挙げられる。
オニウム塩は、750〜1,400nmに極大吸収を有する赤外線吸収剤と併用して用いられることが特に好ましい。
その他の重合開始剤としては、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報の段落〔0071〕〜〔0129〕、特開2007−206217号公報、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報に記載の重合開始剤を好ましく用いることができる。
感光層における重合開始剤は、1種単独、又は、2種以上の併用によって好適に用いられる。
感光層中の重合開始剤の使用量は、感光層全固形分の総重量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜15重量%であることがより好ましく、1.0〜10重量%であることがさらに好ましい。
〔増感色素〕
感光層には、増感色素を含有させることが好ましい。増感色素は、画像露光時の光を吸収して励起状態となり、重合開始剤に電子移動、エネルギー移動又は発熱などでエネルギーを供与し、重合開始機能を向上させるものであれば特に限定せず用いることができる。
増感色素としては、例えば、300〜450nmに極大吸収を有する増感色素や、500〜600nmに極大吸収を有する増感色素、750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素(赤外線吸収剤)が好ましく、これらを添加することで、各々、当業界で通常用いられている405nmのバイオレットレーザー、532nmのグリーンレーザー、830nmのIRレーザーに対応した高感度な平版印刷版原版を提供することができる。
まず、350〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素について説明する。
この様な増感色素としては、例えば、メロシアニン色素類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類等を挙げることができる。
360nm〜450nmの波長域に吸収極大を持つ増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素は下記式(IX)で表される色素である。
Figure 0005313115
(式(IX)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又はN−(R3)を表し、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、AとR1及びR2とR3とはそれぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。)
式(IX)についてさらに詳しく説明する。
式(IX)におけるR1、R2及びR3はそれぞれ独立に、一価の非金属原子団であり、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルケニル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換の芳香族複素環残基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキルチオ基、ヒドロキシ基、又は、ハロゲン原子であることが好ましい。
次に、式(IX)におけるAについて説明する。
Aは置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環の具体例としては、式(IX)中のR1、R2及びR3で記載したもの(アリール基、芳香族複素環残基等)と同様のものが挙げられる。
このような増感色素の具体例としては、特開2007−58170号公報の段落0047〜0053に記載の化合物が好ましく用いられる。
さらに、下記式(V)〜(VII)で示される増感色素も用いることができる。
Figure 0005313115
Figure 0005313115
式(V)中、R1〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。ただし、R1〜R10の少なくとも一つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
式(VI)中、R15〜R32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。ただし、R15〜R24の少なくとも一つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
Figure 0005313115
式(VII)中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、−NR45基又は−OR6基を表し、R4、R5及びR6は各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、k、m及びnはそれぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
また、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−206217号公報、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報に記載の増感色素も好ましく用いることができる。
増感色素の好ましい添加量は、感光層の全固形分100重量部に対し、0.05〜30重量部であることが好ましく、0.1〜20重量部であることがより好ましく、0.2〜10重量部であることがさらに好ましい。
続いて、本発明にて好適に用いられる750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素(赤外線吸収剤)について詳述する。
ここに使用される増感色素は、赤外線レーザーの照射(露光)に対し高感度で電子励起状態となり、かかる電子励起状態に係る電子移動、エネルギー移動、発熱(光熱変換機能)などが、感光層中に併存する重合開始剤に作用して、前記重合開始剤に化学変化を生起させてラジカルや酸、塩基等の活性種を生成させるものと推定されている。いずれせよ、750〜1,400nmに極大吸収を有する増感色素(赤外線吸収剤)を添加することは、750nm〜1,400nmの波長を有する赤外線レーザー光での直接描画される製版に特に好適であり、従来の平版印刷版原版に比べ、高い画像形成性を発現することができる。
赤外線吸収剤は、750nm〜1,400nmの波長に吸収極大を有する染料又は顔料であることが好ましく、染料であることがより好ましい。
染料としては、市販の染料、及び、例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
これらの染料のうち、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が好ましく挙げられ、シアニン色素やインドレニンシアニン色素がより好ましく挙げられ、下記式(a)で表されるシアニン色素が特に好ましく挙げられる。
Figure 0005313115
式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を表し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを表す。
a -は、後述するZa -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、及び、ハロゲン原子よりなる群から選択される置換基を表す。
Figure 0005313115
1及びR2はそれぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を表す。感光層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、また、R1とR2とが互いに結合して5員環又は6員環を形成していることも好ましい。
Ar1及びAr2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。
1及びY2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を表す。
3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を表す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。
5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を表す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。
また、Za -は、対アニオンを表す。ただし、式(a)で表されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa -は必要ない。好ましいZa -は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、又は、スルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、又は、アリールスルホン酸イオンである。なお、対イオンとして、ハロゲン化物イオンを含有してないものが特に好ましい。
式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号〔0017〕〜〔0019〕に記載されたものを挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
顔料としては、市販の顔料、及び、カラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものは、カーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は、0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、0.1μm〜1μmの範囲にあることが特に好ましい。この好ましい粒径の範囲において、感光層中における顔料の優れた分散安定性が得られ、均一な感光層が得られる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設け、そこへ添加してもよい。
これらの赤外線吸収剤の添加量は、感光層中における均一性や感光層の耐久性の観点から、感光層を構成する全固形分に対し、0.01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましく、また、染料の場合は、0.5〜10重量%であることがより好ましく、顔料の場合は、0.1〜10重量%であることがより好ましい。
〔マイクロカプセル〕
本発明においては、上記の感光層構成成分及び後述のその他の構成成分を感光層に含有させる方法として、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の一部をマイクロカプセルに内包させて感光層に添加することができる。その場合、各構成成分はマイクロカプセル内、及び、外に、任意の比率で含有させることが可能である。
感光層構成成分をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。
例えば、マイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書に記載されたコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報に記載された界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書に記載されたポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に記載されたイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書に記載された尿素−ホルムアルデヒド系又は尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書に記載されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報に記載されたモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書に記載されたスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書に記載された電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、又は、これらの混合物が好ましく、ポリウレア又はポリウレタンが特に好ましい。また、マイクロカプセル壁に、上記の非水溶性高分子に導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入してもよい。
前記マイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましく、0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。上記範囲であると、良好な解像度と経時安定性が得られる。
〔着色剤〕
感光層には、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。また、着色剤は、前述のように増感色素としての働きを有するものもある。
具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び、特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。
着色剤としては、顔料を用いることも好ましい。
顔料としては、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料が好適に用いることができ、フタロシアニン系顔料が最も好ましく用いられる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、感光層全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合が好ましい。
〔その他の感光層成分〕
前記感光層には、さらに、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、現像性の促進及び塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための着色剤や焼き出し剤、感光層の製造中又は保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪誘導体、画像部の硬化皮膜強度向上のための無機粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上のための共増感剤や連鎖移動剤、可塑性向上のための可塑剤等を添加することができる。これらの化合物はいずれも公知のものを使用でき、例えば、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−206217号公報の段落番号〔0161〕〜〔0215〕に記載の化合物、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報に記載の化合物を使用することができる。
連鎖移動剤として作用する化合物としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらの化合物は、低活性のラジカル種に水素供与して、ラジカルを生成するか、又は、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成することができる。
前記感光層には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類、等)を連鎖移動剤として好ましく用いることができる。
チオール化合物の具体例は、例えば、特開2008−276155号公報の段落番号〔0212〕〜〔0216〕に記載されている。
中でも、下記式(S)で表されるチオール化合物が特に好適に使用される。連鎖移動剤として式(S)で表されるチオール化合物を用いることによって、感光層から蒸発や他の層への拡散による感度減少を回避し、保存安定性に優れ、さらには高感度で高耐刷の平版印刷版原版が得られる。
Figure 0005313115
式(S)中、Rは水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、又は、置換基を有してもよいアリール基を表し、AはN=C−N部分と共に炭素原子を有する5員環又は6員環のヘテロ環を形成する原子団を表し、Aはさらに置換基を有してもよい。
本発明において、平版印刷版原版の構成中に、ゼラチンを含有しないことが好ましく、特に、感光層中にゼラチンを含有しないことが好ましい。感光層中にゼラチンを含有すると、着肉性が悪化することがあるため、ゼラチンを含有しないことが好ましい。
<感光層の形成>
前記感光層は、必要な前記各成分を溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。
ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。
塗布液の固形分濃度は、1〜50重量%であることが好ましい。
前記感光層は、同一又は異なる上記各成分を、同一又は異なる溶剤に、分散又は溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また、塗布、乾燥後に得られる支持体上の感光層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/m2が好ましい。上記範囲であると、良好な感度と感光層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
<保護層>
本発明において、平版印刷版原版には、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、感光層上に保護層(酸素遮断層)を設けることが好ましい。
前記保護層は、25℃、1気圧下における酸素透過性Aが1.0≦A≦20(mL/m2・day)であることが好ましい。酸素透過性Aが1.0(mL/m2・day)以上であると、製造時・生保存時における不要な重合反応を抑制でき、また画像露光時に、不要なカブリ、画線の太りが生じたりという問題を生じることを抑制できる。また、酸素透過性Aが20(mL/m2・day)以下であると、感度に優れる。酸素透過性Aは、1.5≦A≦12(mL/m2・day)であることがより好ましく、2.0≦A≦10.0(mL/m2・day)であることがさらに好ましい。
また、保護層に望まれる特性としては、上記酸素透過性以外に、さらに、露光に用いる光の透過は実質阻害せず、感光層との密着性に優れ、かつ、露光後の現像工程で容易に除去できることが好ましい。この様な保護層に関する工夫が従来なされており、米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
保護層に使用できる材料としては、例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドなどのような水溶性ポリマーが挙げられ、これらは単独又は混合して使用できる。これらのうち、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的に最も良好な結果を与えるので好ましい。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、及び、アセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していてもよい。ポリビニルアルコールはポリ酢酸ビニルを加水分解することにより得られる。
ポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100モル%加水分解され、重合繰り返し単位が300から2,400の範囲のものを挙げることができる。
具体的には、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。これらは単独又は混合して使用できる。
好ましい態様としてはポリビニルアルコールの保護層中の含有率が、20〜95重量%であることが好ましく、30〜90重量%であることがより好ましい。
また、公知の変性ポリビニルアルコールも好ましく用いることができる。例えば、カルボキシル基、スルホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性部位、アミノ基、アンモニウム基等のカチオンで変性されたカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位等種々の親水性変性部位をランダムに有す各種重合度のポリビニルアルコール、前記のアニオン変性部位、前記のカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位、さらにはアルコキシル変性部位、スルフィド変性部位、ビニルアルコールと各種有機酸とのエステル変性部位、前記アニオン変性部位とアルコール類等とのエステル変性部位、エポキシ変性部位等種々の変性部位をポリマー鎖末端に有す各種重合度のポリビニルアルコール等が挙げられる。
これらの中でも、カルボキシル基又はスルホ基を有する酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
ポリビニルアルコールと混合して使用する成分としては、ポリビニルピロリドン又はその変性物が、酸素遮断性、現像除去性といった観点から好ましく、保護層中の含有率が、3.5〜80重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましく、15〜30重量%であることがさらに好ましい。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用)、塗布量等は、酸素遮断性・現像除去性の他、カブリ性や密着性・耐傷性を考慮して選択される。一般には使用するPVAの加水分解率が高い程(保護層中の未置換ビニルアルコール単位含率が高い程)、膜厚が厚い程酸素遮断性が高くなり、感度の点で有利である。
前記ポリビニルアルコール(PVA)等の(共)重合体の分子量は、2,000〜1,000万の範囲のものが好ましく使用でき、2万〜300万の範囲のものがより好ましく使用できる。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等を、(共)重合体(バインダー)に対して、数重量%相当量添加して可撓性を付与することができ、また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を、(共)重合体(バインダー)に対して、数重量%添加することができる。
また、画像部との密着性や、耐傷性も、版の取り扱い上極めて重要である。すなわち、水溶性ポリマーからなる親水性の層を親油性の感光層に積層すると、接着力不足による膜剥離が発生しやすく、剥離部分が酸素の重合阻害により膜硬化不良などの欠陥を引き起こす。これに対し、これら2層間の接着性を改良すべく種々の提案がなされている。例えば米国特許出願番号第292,501号、米国特許出願番号第44,563号には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルジョン又は水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体などを20〜60重量%混合し、感光層の上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明における保護層に対しては、これらの公知の技術をいずれも適用することができる。このような保護層の塗布方法については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書、特公昭55−49729号公報に詳しく記載されている。
さらに、平版印刷版原版における保護層には、酸素遮断性や感光層表面保護性を向上させる目的で、無機質の層状化合物を含有させることも好ましい。
ここで無機質の層状化合物とは、薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記式
A(B,C)2-5410(OH,F,O)2
(式中、AはK、Na、Caのいずれかを表し、B及びCはFe(II)、Fe(III)、Mn、Al、Mg、Vのいずれかを表し、DはSi又はAlを表す。)
で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、3MgO・4SiO・H2Oで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。
本発明においては、前記無機質の層状化合物の中でも、合成の無機質の層状化合物であるフッ素系の膨潤性合成雲母が特に有用である。
無機質の層状化合物のアスペクト比は、20以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましく、200以上であることがさらに好ましい。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、例えば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
無機質の層状化合物の粒子径は、その平均長径が、0.3〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜5μmであることがさらに好ましい。また、前記粒子の平均の厚さは、0.1μm以下であることが好ましく、0.05μm以下であることがより好ましく、0.01μm以下であることがさらに好ましい。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズとしては、厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μm程度であることが好ましい。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止し得るため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、重量比で5/1〜1/100であることが好ましい。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計量が上記の重量比であることが好ましい。
保護層に用いる無機質層状化合物の分散方法は、特開2007−171406号公報、特開2007−206216号公報、特開2007−206217号公報、特開2007−225701号公報、特開2007−225702号公報、特開2007−316582号公報、特開2007−328243号公報等に記載の方法が用いられる。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.05〜10g/m2の範囲であることが好ましく、無機質の層状化合物を含有する場合には、0.1〜0.5g/m2の範囲であることがさらに好ましく、無機質の層状化合物を含有しない場合には、0.5〜5g/m2の範囲であることがさらに好ましい。
<下塗り層>
本発明において、平版印刷版原版は、支持体上に重合性基を含有する化合物の下塗り層を有することが好ましい。下塗り層が用いられるときは、感光層は下塗り層の上に設けられる。下塗り層は、露光部においては支持体と感光層との密着性を強化し、また、未露光部においては、感光層の支持体からの剥離を生じやすくさせるため、現像性が向上する。
下塗り層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物などが好適に挙げられる。特に好ましい化合物として、メタクリル基、アリル基などの重合性基とスルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、リン酸エステルなどの支持体吸着性基(酸基)を有する化合物が好ましく挙げられる。重合性基と支持体吸着性基に加えてエチレンオキシド基などの親水性付与基を有する化合物も好適な化合物として挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2であることが好ましく、1〜30mg/m2であることがより好ましい。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後又は下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。
バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
(平版印刷版の製版方法)
次に、上記平版印刷版原版を用いた、本発明の平版印刷版の製版方法について詳細に説明する。
本発明の平版印刷版の製造方法は、上記の平版印刷版原版を露光(以下、「画像露光」ともいう。)する露光工程、及び、酵素を含有する現像液の存在下で非露光部の感光層を除去する現像工程を含むことを特徴とする。
また、必要に応じ、前記露光工程と現像工程との間、及び/又は、現像工程の後に、平版印刷版原版を全面露光及び/又は加熱する工程を設けてもよい。
<露光工程>
平版印刷版原版の露光は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通して露光する方法、デジタルデータによるレーザー光走査する方法等で行われる。中でも、前記露光工程においては、レーザーにより画像露光することが好ましい。
露光光源の波長は、特に制限はなく、重合開始剤や増感色素にあわせ、適宜選択することができるが、300nm〜450nm(より好ましくは、350nm〜450nm)、又は、750nm〜1,400nm(より好ましくは、760nm〜1,200nm)であることが好ましい。
露光光源の波長が300nm〜450nmの場合は、この領域に吸収極大を有する増感色素を感光層に有する平版印刷版原版が用いられ、750nm〜1,400nmの場合は、この領域に吸収を有する増感色素である赤外線吸収剤を含有する平版印刷版原版が用いられる。
300nm〜450nm(好ましくは、350nm〜450nm)の光を発する入手可能なレーザー光源としては以下のものを利用することができる。
ガスレーザーとして、Arイオンレーザー(364nm、351nm、10mW〜1W)、Krイオンレーザー(356nm、351nm、10mW〜1W)、He−Cdレーザー(441nm、325nm、1mW〜100mW)、固体レーザーとして、Nd:YAG(YVO4)とSHG結晶×2回の組み合わせ(355nm、5mW〜1W)、Cr:LiSAFとSHG結晶の組み合わせ(430nm、10mW)、半導体レーザー系として、KNbO3リング共振器(430nm、30mW)、導波型波長変換素子とAlGaAs、InGaAs半導体の組み合わせ(380nm〜450nm、5mW〜100mW)、導波型波長変換素子とAlGaInP、AlGaAs半導体の組み合わせ(300nm〜350nm、5mW〜100mW)、AlGaInN(350nm〜450nm、5mW〜30mW)、その他、パルスレーザーとしてN2レーザー(337nm、パルス0.1〜10mJ)、XeF(351nm、パルス10〜250mJ)。この中で半導体レーザーが好適であり、特に、AlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm、5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
走査露光方式の平版印刷版原版露光装置に関しては、露光機構としては内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式のいずれでもよく、光源としては上記光源の中で連続発振可能なものが好ましく利用できる。
また、本発明に使用可能な他の露光光源としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、可視及び紫外の各種レーザーランプ、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等も挙げられる。
750nm〜1,400nm(好ましくは760nm〜1,200nm)の光を発する入手可能なレーザー光源としては、特に限定されないが、波長750nm〜1,400nm(好ましくは、760nm〜1,200nm)の赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適に挙げられる。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等の何れでもよい。赤外線レーザーの出力は、100mW以上であるのが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。1画素あたりの露光時間は、20μ秒以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2であるのが好ましい。光源としてAlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー5〜30mW)が波長特性、コストの面で好適である。
<現像工程>
次に、現像工程について詳述する。
従来の平版印刷版原版を用いた現像工程においては、強アルカリ現像を行うのに対して、本発明において、平版印刷版原版は弱アルカリ現像も可能である。
すなわち、本発明において、現像工程としては、(1)アルカリ現像液(pHが11より高い)にて現像する方法、(2)pHが2〜11の現像液にて現像する方法が挙げられる。
さらに、本発明において、前記現像工程が、非露光部の感光層の除去及びガム引き処理を1液で行う工程であることが好ましい。また、本発明の平版印刷版原版が保護層を有する場合は、前記現像工程が、保護層の除去、非露光部の感光層の除去及びガム引き処理を1液で行う工程であることが好ましい。本発明において「ガム引き処理」とは水溶性高分子化合物及び/又は界面活性剤を有する水溶液にて版面を親水化処理することを意味する。
また、前記現像工程における現像液に、水溶性高分子化合物を添加することもできる。
従来の(1)のアルカリ現像液を用いた現像工程においては、前水洗工程により保護層を除去し、次いでアルカリ現像を行い、後水洗工程でアルカリを除去し、ガム引き工程でガム処理を行い、乾燥工程で乾燥することが必要となる。これに対して、(2)のpH2〜11の現像液にて現像する方法では、現像液中に界面活性剤及び/又は水溶性高分子化合物を含有させることにより、現像とガム液処理を同時に行うことができる。よって後水洗工程は特に必要とせず、一液で現像とガム液処理を行ったのち、乾燥工程を行うことができる。さらに、前水洗工程も特に必要とせず、保護層の除去も現像、ガム液処理と同時に行うこともできる。現像及びガム処理の後に、スクイズローラを用いて余剰の現像液を除去した後、乾燥を行うことが好ましい。(2)の現像方法は、機上現像の場合に印刷時に生ずる保護層/感光層に由来の現像カスへの対応から開放されるという利点がある。
本発明においては、上述の通り、pHが2〜11の現像液にて現像する方法が好適に用いられる。
すなわち本発明の平版印刷版原版の処理方法においては、pH2〜11の現像液にて保護層及び非露光部の感光層を一括除去した後、直ちに印刷機にセットして印刷することができる。本発明における平版印刷版原版の現像は、常法に従って、0〜60℃、好ましくは15〜40℃程度の温度で、例えば、画像露光した平版印刷版原版を現像液に浸漬してブラシで擦る方法、スプレーにより現像液を吹き付けてブラシで擦る方法等により行われる。
本発明における現像処理は、現像液の供給手段及び擦り部材を備えた自動現像処理機により好適に実施することができる。擦り部材として、回転ブラシロールを用いる自動処理機が特に好ましい。さらに自動現像処理機は現像処理手段の後に、スクイズローラ等の余剰の現像液を除去する手段や、温風装置等の乾燥手段を備えていることが好ましい。
自動現像処理機としては、例えば、図1に示すような構造のものが挙げられる。この自動現像処理機は、平版印刷版原版4を現像する現像部6と、現像後の平版印刷版原版4を乾燥する乾燥部10とを備えている。現像部6の現像槽20内には、搬送方向上流側から順に、搬送ローラ22、ブラシローラ24、スクイズローラ26が備えられ、これらの間の適所にバックアップローラ28が備えられている。平版印刷版原版4は搬送ローラ22により搬送されながら現像液中を浸漬されてブラシローラ24を回転させることにより平版印刷版原版4の非画像部の除去を行って現像処理される。現像処理された平版印刷版原版4は搬送ローラ(搬出ローラ)により乾燥部10へ搬送される。
乾燥部10は、搬送方向上流側から順に、ガイドローラ36、一対の串ローラ38が設けられている。また、乾燥部10には図示しない温風供給手段、発熱手段等の乾燥手段が設けられている。乾燥部10には排出口が設けられ、乾燥手段により乾燥された平版印刷版原版4は排出口(不図示)から排出される。また、乾燥部10と現像部6との間の通路にはシャッター(不図示)が設けられ、平版印刷版原版4が通路を通過していないとき、通路はシャッターにより閉じられている。
〔現像液〕
本発明に用いられる現像液は、現像液中に酵素を含有することを特徴とする。
また、本発明において用いられる現像液は、水を主成分(水を60重量%以上含有)とする水溶液が好ましく、特に、界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性イオン系等)を含有する水溶液や、水溶性高分子化合物を含有する水溶液が好ましい。界面活性剤と水溶性高分子化合物の両方を含有する水溶液も好ましい。
また前記現像工程が、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行う方法であることも好ましい。現像液への酵素の供給は、補充組成物中に酵素を添加し補充を行うことにより実施することができる。あるいは、後述の酵素を含む現像用補充液を上記補充組成物として用いることができる。いずれにしても、現像液に酵素が有効に供給される手段を用いればよい。
本発明において、現像開始時の現像液が酵素を含有していてもよく、また、現像開始時には現像液は酵素を含有せず、補充液のみが酵素を含有し、補充液を供給された現像液が酵素を含有してもよく、特に限定されない。
−酵素−
本発明に用いられる酵素は、光重合性感光層を有する平版印刷版原版の現像処理における現像カスの発生を抑制する作用を示すものであれば、その種類については特に限定されず、八木達彦ら編「酵素ハンドブック(第3版)」(朝倉書店)に記載されているような群の酵素であれば任意に用いることができる。特に、モノマー(エチレン性不飽和化合物)を分解・可溶化させるという目的からは、国際生化学分子生物学連合(IUBMB)酵素委員会の酵素番号(EC番号)のEC3.群に属する加水分解酵素を用いることが好ましい。エチレン性不飽和化合物は多くの場合、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ハロゲン原子などから構成されることから、カルボン酸エステル結合を加水分解する酵素、リン酸エステルを加水分解する酵素、硫酸エステルを加水分解する酵素、エーテル結合を加水分解する酵素、チオエーテル構造を加水分解する酵素、ペプチド結合を加水分解する酵素、炭素−窒素結合を加水分解する酵素、炭素−炭素結合を加水分解する酵素、炭素-ハロゲン結合を加水分解する酵素等が好ましい酵素として挙げられ、より好ましくは、エステル結合、アミド結合、3級アミノ基、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合よりなる群から選択される少なくとも1つを加水分解する酵素である。
これらの中でも、特にEC3.1群(エステル加水分解酵素)、EC3.4群(ペプチド結合加水分解酵素)に属するものが好ましく、EC3.1.1.3(トリアシルグリセロールリパーゼ)、EC3.4.11.1(ロイシンアミノペプチダーゼ(leucyl aminopeptidase))、EC3.4.21.62(サブチリシン(subtilisin))、EC3.4.21.63(オルリジン(oryzin))、EC3.4.22.2(パパイン(papain))、EC3.4.22.32(stem bromelain)、EC3.4.23.18(aspergillo pepsin I)、EC3.4.24.25(ビブリオリシン)、EC3.4.24.27(テルモリシン(thermolysin))、及び、EC3.4.24.28(バシロリシン(bacillolysin))が好ましい。さらに、EC3.1.1.3、EC3.4.21.14、EC3.4.21.62、EC3.4.21.63が最も好ましい。
さらに、前述した通り、本発明において、現像液のpHは、現像性と環境の面から、2〜11が好ましく、5〜11がより好ましく、6.5〜11がさらに好ましく、7.5〜11.0が特に好ましく、8.0〜10.5が最も好ましい。
これらの観点から、酵素としては、アルカリ酵素が好ましく用いられる。ここでアルカリ酵素とは至適pH領域がアルカリ性にある酵素であり、至適pH領域を7.0〜11.0に有する酵素が好ましく、至適温度領域を20℃〜60℃に有する酵素が好ましく、30℃〜55℃に有する酵素がより好ましい。
具体的には、アルカリプロテアーゼ、アルカリリパーゼ等、アルカリ条件下において主にモノマーのエステル基を加水分解が可能な酵素が好ましい。アルカリプロテアーゼとしては、Bacillus subtilis、Aspergillus oryzae、Bacillus stearothermophilus、パパイヤラテックス、パパイヤ、Ananas comosus M、Pig pancreas、Bacillus licheniformis、Aspergillus melleus、Aspergillus sp.、Bacillus lentus、Bacillus sp.、Bacillus clausii、アルカリリパーゼとしては、Candida cylindracea、Humicola lanuginosa、Psudomonas、Mucor sp.,Chromobacterium viscosum、Rhizopus japonics、Aspergillus niger、Mucor javanicus、Penicillium camemberti、Rhizopus oryzae、Candida rugosa、Penicillium roqueforti、Rhizopus delemar、Psendomonas sp.、Aspergillus sp.、Rhizomucor miehei、Bacillus sp.、Alcaligenes sp.等の微生物起源のものがある。
より具体的な態様として、リパーゼPL、リパーゼQLM、リパーゼSL、リパーゼMY、リパーゼOF(以上、明糖産業(株)製)、ニューラーゼF3G、リパーゼA「アマノ」6、リパーゼAY「アマノ」30G、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼR「アマノ」、リパーゼAS「アマノ」、ウマミザイムG、パパインW−40、プロテアーゼA「アマノ」G、プロテアーゼN「アマノ」G、プロテアーゼNL「アマノ」、プロテアーゼP「アマノ」3G、プロテアーゼS「アマノ」G、プロメラインF、プロレザーFG−F、ペプチターゼR、サモアーゼPC10F、プロチンSD−AC10F、プロチンSD−AY10、プロチンSD−PC10F、プロチンSD−NY10、膵臓性消化酵素TA、プロザイム、プロザイム6、セミアルカリプロティナーゼ、リパーゼAYS「アマノ」、リパーゼPS「アマノ」SD、リパーゼAK「アマノ」、リパーゼPS「アマノ」IM、プロテアーゼN「アマノ」、プロテアーゼS「アマノ」、アシラーゼ「アマノ」、D−アミノアシラーゼ「アマノ」等(以上、天野エンザイム(株)製)や、アルカラーゼ、エスペラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ、リポラーゼ、ライペックス、NS44020、NS44120、NS44060、NS44114、NS44126、NS44160等(以上ノボザイムズジャパン社製)、アルカリ性プロテアーゼ(タケダ化学工業(株)製)、アロアーゼXA−10(ヤクルト薬品工業(株))、アルカリプロテアーゼGL、プロテックス 6L、ピュラフェクト、ピュラフェクト OX、プロペラーゼ、プロテックス OXG、プロテックス 40L(以上ジェネンコア協和(株))、スミチームMP(新日本化学工業(株))、ビオブラーゼ OP、ビオブラーゼ AL−15KG、ビオブラーゼ 30G、ビオブラーゼ APL−30、ビオブラーゼ XL−416F、ビオブラーゼ SP−20FG、ビオブラーゼ SP−4FG、プロテアーゼ CL−15(以上ナガセケムテックス(株))、オリエンターゼ(エイチビィアイ(株))、エンチロンSA(洛東化成工業(株))等が挙げられる。
これら酵素の導入方法としては、現像液中に直接投入しても、平版印刷版処理時に投入しても構わない。また、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行ってもよい。
用いられる酵素の添加量としては、現像液全量に対して0.01重量%〜20重量%が好ましく、0.1重量%〜10重量%がさらに好ましく、1重量%〜5重量%が最も好ましい。
前記現像工程における現像液のpHは特に限定されないが、pH緩衝能を有する現像液であることが好ましい。特にpH緩衝能を有する水溶液を用いることが好ましい。緩衝作用を発揮することにより、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できる。
−pH緩衝剤−
pH緩衝剤としては、pH緩衝作用を発揮する緩衝剤であれば、特に限定なく用いることができる。
緩衝液(緩衝剤)の具体的な態様としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない。
マレイン酸/トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液、リン酸二水素カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、2,4,6−トリメチルピリジン/塩酸緩衝液、トリエタノールアミン塩酸塩/水酸化ナトリウム緩衝液、5,5−ジエチルバルビツール酸ナトリウム/塩酸緩衝液、N−エチルモルホリン/塩酸緩衝液、ピロリン酸ナトリウム/塩酸緩衝液、Tris/塩酸緩衝液、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)/水酸化ナトリウム緩衝液、2−アミノ−2−メチルプロパン−1,3−ジオール/塩酸緩衝液、ジエタノールアミン/塩酸緩衝液、p−フェノールスルホン酸カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/塩酸緩衝液、アンモニア/塩化アンモニウム緩衝液、グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸水素二ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、水酸化ナトリウム/塩化カリウム緩衝液、クエン酸/リン酸水素二ナトリウム緩衝液、ピペラジン二塩酸塩/グリシルグリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸一水和物/リン酸二水素カリウム/ホウ酸/ジエチルバルビツール酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/クエン酸/リン酸ナトリウム12水和物緩衝液が挙げられる。
これらの中でも、現像性の観点から、5,5−ジエチルバルビツール酸ナトリウム/塩酸緩衝液、Tris/塩酸緩衝液、2−アミノ−2−メチルプロパン−1,3−ジオール/塩酸緩衝液、ジエタノールアミン/塩酸緩衝液、p−フェノールスルホン酸カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/塩酸緩衝液、アンモニア/塩化アンモニウム緩衝液、グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸水素二ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、水酸化ナトリウム/塩化カリウム緩衝液、ピペラジン二塩酸塩/グリシルグリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸一水和物/リン酸二水素カリウム/ホウ酸/ジエチルバルビツール酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/クエン酸/リン酸ナトリウム12水和物緩衝液が好ましく、p−フェノールスルホン酸カリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/水酸化ナトリウム緩衝液、アンモニア/塩化アンモニウム緩衝液、グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液、ホウ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸水素二ナトリウム/水酸化ナトリウム緩衝液、水酸化ナトリウム/塩化カリウム緩衝液、ピペラジン二塩酸塩/グリシルグリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、クエン酸一水和物/リン酸二水素カリウム/ホウ酸/ジエチルバルビツール酸/水酸化ナトリウム緩衝液、ホウ酸/クエン酸/リン酸ナトリウム12水和物緩衝液がより好ましい。
本発明におけるさらに好ましいアルカリ性、より好ましくは弱アルカリ性の緩衝剤としては、例えば、(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオン、及び、それらの併用などが挙げられる。すなわち、例えば、(a)炭酸イオン−炭酸水素イオンの組み合わせ、(b)ホウ酸イオン、又は、(c)水溶性のアミン化合物−そのアミン化合物のイオンの組み合わせなどが、現像液においてpH緩衝作用を発揮し、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できる。特に好ましくは、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの組み合わせである。
(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオンを現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩とを現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。
炭酸塩及び炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。これらは単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(b)ホウ酸イオンを現像液中に存在させるには、ホウ酸及び/又はホウ酸塩を現像液に加えた後、アルカリを用いて、あるいはアルカリと酸とを用いて、pHを調整することで、適量のホウ酸イオンを発生させる。
ここで用いるホウ酸及びホウ酸塩は、特に限定されないが、公知のホウ酸及びホウ酸塩を用いることができる。
ホウ酸としては、例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、中でもオルトホウ酸及び四ホウ酸が好ましい。ホウ酸は、1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
また、ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が挙げられ、オルトホウ酸塩、二ホウ酸塩、メタホウ酸塩、四ホウ酸塩、五ホウ酸塩、八ホウ酸塩などが挙げられ、中でもオルトホウ酸塩、四ホウ酸塩、特にアルカリ金属の四ホウ酸塩が好ましい。好ましい四ホウ酸塩として、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム及び四ホウ酸リチウムなどが挙げられ、中でも四ホウ酸ナトリウムが好ましい。ホウ酸塩は、1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
本発明で用いることができるホウ酸及び/又はホウ酸塩としては、オルトホウ酸、四ホウ酸及び/又は四ホウ酸ナトリウムが特に好ましい。現像液にホウ酸及びホウ酸塩を併用してもよい。
(c)水溶性のアミン化合物のイオンは、水溶性アミン化合物の水溶液において発生させることができ、水溶性アミン化合物の水溶液にさらにアルカリ又は酸を加えてもよく、また、もともとアミン化合物の塩になっている化合物を添加することにより水溶液中に含有させることができる。
水溶性のアミン化合物は、特に限定されないが、水溶性を促進する基を有している水溶性アミン化合物が好ましい。該水溶性を促進する基としてカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基などが挙げられる。水溶性のアミン化合物は、これらの基を複数有していてもよい。
アミン化合物の水溶性をカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基により促進する場合は、アミノ酸に該当する。アミノ酸は水溶液中で平衡状態にあり、酸基が例えばカルボン酸基であるとき、平衡状態は下記のように表される。本発明におけるアミノ酸とは、下記のBの状態をいい、アミノ酸のイオンとは、下記のCの状態を意味する。Cの状態におけるカウンターイオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。
〔アミノ酸の平衡状態(酸基がカルボン酸の場合)〕
Figure 0005313115
(例えば、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基などを表し、Rは連結基を表す。)
カルボン酸基やスルホン酸基、スルフィン酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例としては、グリシン、イミノ二酢酸、リシン、スレオニン、セリン、アスパラギン酸、パラヒドロキシフェニルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アラニン、アントラニル酸、トリプトフアン等のアミノ酸、スルファミン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、タウリン等の脂肪酸アミンスルホン酸、アミノエタンスルフィン酸等の脂肪酸アミンスルフィン酸などが例示できる。これらの中で、グリシン及びイミノ二酢酸が好ましい。
ホスホン酸基(ホスフィン酸基も含む)を持つ水溶性のアミン化合物の具体例としては、2−アミノエチルホスホン酸、1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、1−アミノ−1−フェニルメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ジメチルアミノエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミノペンタメチレンホスホン酸などが例示できる。特に2−アミノエチルホスホン酸が好ましい。
水溶性を促進する基として水酸基を持つ水溶性のアミン化合物は、アルキル基に水酸基を有するアルキルアミンを意味し(下記状態B’)、これらのイオンとは、アミノ基のアンモニウムイオンを意味する(下記状態A’)。
Figure 0005313115
(例えば、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基などを表す。ただし、R1、R2及びR3のうちの少なくとも1つは水酸基を有するアルキル基である。)
水酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどが例示できる。これらの中でも、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンが好ましい。アンモニウムイオンのカウンターイオンとしては塩化物イオンが好ましい。
pHの調整に用いることができるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、有機アルカリ剤、及び、それらの組み合わせなどを用いることができる。また、酸として、無機酸、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などを用いることができる。このようなアルカリ又は酸を添加することにより、pHを微調整することができる。
本発明で用いることができる(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含む現像液の場合、pHは、pH8.5〜10.8の範囲にあることが好ましい。pHが8.5以上であると非画像部の現像性を良好にすることができ、一方pHが10.8以下であれば、空気中の炭酸ガスの影響を受けにくく、炭酸ガスの影響による処理能力の低下を抑制できる。より好ましくはpH8.8〜10.2の範囲であり、特に好ましくはpH9.0〜10.0の範囲である。
pH緩衝剤として(a)炭酸イオンと炭酸水素イオンとの組み合わせを採用する場合、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの総量は、現像液の全重量に対して、0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに現像液の廃液処理時、中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
また、アルカリ濃度の微少な調整、非画像部感光層の溶解を補助する目的で、補足的にアルカリ剤、例えば有機アルカリ剤を併用してもよい。
有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらの他のアルカリ剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
pH緩衝剤として(b)ホウ酸イオンを採用する場合、ホウ酸イオンの総量は、現像液の全重量に対して、0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。ホウ酸塩の総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、一方5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、さらに現像液の廃液処理時の中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障を生じない。
pH緩衝剤として(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオンを採用する場合、水溶性のアミン化合物とそのアミン化合物のイオンとの総量は、現像液の全重量に対して0.01〜1mol/Lが好ましく、0.03〜0.7mol/Lがより好ましく、0.05〜0.5mol/Lが特に好ましい。pHが上記範囲であると、現像性、処理能力が低下せず、一方廃液処理が容易である。
−界面活性剤−
本発明に用いることができる現像液は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤は、アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性のいずれを含有してもよい。
アニオン系界面活性剤としては、特に限定されず、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類、芳香族スルホン酸塩類、芳香族置換ポリオキシエチレンスルホン酸塩類等が挙げられる。これらの中でも、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、及び、アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
カチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、特に限定されず、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールエチレンオキサイド付加物、フェノールエチレンオキサイド付加物、ナフトールエチレンオキサイド付加物、芳香族化合物のポリエチレングリコール付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー等や、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、芳香族化合物のポリエチレングリコール付加物、ソルビトール及び/又はソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。さらに、芳香環とエチレンオキサイド鎖を有するものが好ましく、アルキル置換又は無置換のフェノールエチレンオキサイド付加物、アルキル置換又は無置換のナフトールエチレンオキサイド付加物がより好ましい。
また、水に対する安定な溶解性あるいは混濁性の観点から、ノニオン系界面活性剤としては、HLB(Hydorophile−Lipophile Balance)値が、6以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。また、アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物、フッ素系、シリコン系等の界面活性剤も同様に使用することができる。
両性界面活性剤は、界面活性剤の分野においてよく知られているように、アニオン性部位とカチオン性部位とを同一分子内に持つ化合物である。現像液に用いられる両性界面活性剤としては特に限定されないが、両性イオン系界面活性剤が例示でき、アルキルジメチルアミンオキシドなどのアミンオキシド系、アルキルベタインなどのベタイン系、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウムなどのアミノ酸系等が挙げられる。これらの具体例は、特開2008−203359号公報の段落番号〔0255〕〜〔0278〕、特開2008−276166号公報の段落番号〔0028〕〜〔0052〕等に記載されている。さらに好ましい態様としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、N−ラウリン酸アミドプロピルジメチルベタイン、N−ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。現像液に用いられる両性界面活性剤としては、置換基を有してもよいアルキルジメチルアミンオキシド、置換基を有してもよいアルキルカルボキシベタイン、置換基を有してもよいアルキルスルホベタイン等が好ましく用いられる。
本発明において、現像液に用いることができる両性界面活性剤としては、下記式<1>で表される化合物及び下記式<2>で表される化合物が好ましい。
Figure 0005313115
式<1>中、R8はアルキル基を表し、R9及びR10はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、R11はアルキレン基を表し、Aはカルボン酸イオン又はスルホン酸イオンを表す。
式<2>中、R18、R19及びR20はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。ただし、R18、R19及びR20の全てが、水素原子であることはない。
前記式<1>において、R8、R9又はR10におけるアルキル基、及び、R11におけるアルキレン基は、直鎖でも分枝鎖でもよく、また、鎖中に連結基を有していてもよく、さらに、置換基を有していてもよい。連結基としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合などのヘテロ原子を含むものが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシ基、エチレンオキサイド基、フェニル基、アミド基、ハロゲン原子などが好ましい。
式<1>で示される化合物において、R8〜R11の炭素数の総和は、8〜25であることが好ましく、11〜21であることがより好ましい。上記範囲であると、疎水部分が適度であり、水系の現像液への溶解性に優れる。
また、有機溶剤、例えば、アルコール等の溶解助剤を添加することにより、界面活性剤の水系の現像液への溶解性を上げることも可能である。
前記式<2>において、R18、R19又はR20におけるアルキル基は、直鎖でも分枝鎖でもよく、また、鎖中に連結基を有していてもよく、さらに、置換基を有していてもよい。連結基としては、エステル結合、アミド結合、エーテル結合などのヘテロ原子を含むものが好ましい。また、置換基としては、ヒドロキシ基、エチレンオキサイド基、フェニル基、アミド基、ハロゲン原子などが好ましい。
式<2>で示される化合物において、R18〜R20の炭素数の総和は、8〜22であることが好ましく、10〜20であることがより好ましい。上記範囲であると、疎水部分が適度であり、水系の現像液への溶解性に優れる。
両性界面活性剤の総炭素数は、感光層に用いる材料、とりわけバインダーの性質により影響を受けることがある。親水度の高いバインダーの場合、総炭素数は比較的小さいものが好ましく、用いるバインダーの親水度の低い場合には、総炭素数が大きいものが好ましい傾向にある。
現像液に用いることができる両性界面活性剤の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005313115
Figure 0005313115
Figure 0005313115
界面活性剤は、1種単独、又は、2種以上を組み合わせて使用することができる。
界面活性剤の現像液中における含有量は、0.01〜20重量%が好ましく、0.01〜10重量%がより好ましく、0.01〜5重量%がさらに好ましい。
本発明に用いることができる現像液には、上記の他に、湿潤剤、防腐剤、キレート剤、消泡剤、有機溶剤、無機酸、無機塩、水溶性樹脂などを含有させることができる。
湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。
湿潤剤の含有量は、現像液の全重量に対して、0.1〜5重量%であることが好ましい。
防腐剤としては、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、第四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。
防腐剤の添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、現像液に対して、0.01〜4重量%の範囲が好ましい。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類又はホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。
キレート剤は、現像液組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。
キレート剤の添加量は、現像液に対して、0.001〜1.0重量%が好適である。
消泡剤としては、一般的なシリコーン系の自己乳化タイプ、乳化タイプ、ノニオン系のHLBが5以下等の化合物を使用することができる。これらの中でも、シリコーン消泡剤が好ましい。
また、乳化分散型及び可溶化型等のいずれの消泡剤も使用できる。
消泡剤の含有量は、現像液に対して、0.001〜1.0重量%の範囲が好適である。
有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、“アイソパーE、H、G”(エクソン化学(株)製)、ガソリン、灯油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。
極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)等が挙げられる。
また、上記有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能である。現像液が有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、溶剤の濃度は40重量%未満が好ましい。
無機酸及び無機塩としては、リン酸、メタリン酸、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケルなどが挙げられる。
無機塩の含有量は、現像液の全重量に対して、0.01〜0.5重量%の量が好ましい。
本発明に用いることができる現像液は、水溶性高分子化合物(「水溶性樹脂」ともいう。)を含有していてもよい。
現像液に含有させることができる水溶性樹脂としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
また、水溶性樹脂の好ましい酸価は、0〜3.0meq/gである。
上記大豆多糖類は、公知のものが使用でき、例えば市販品として商品名ソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましく使用できるものは、10重量%水溶液の粘度が10〜100mPa/secの範囲にあるものである。
変性澱粉としては、例えば下記式(III)で示されるものがある。式(III)で示される澱粉としては、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等のいずれの澱粉も使用できる。これらの澱粉の変性は、酸又は酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、さらにアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で作ることができる。
Figure 0005313115
式(III)中、エーテル化度(置換度)は、グルコース単位当たり0.05〜1.2の範囲であり、nは3〜30の整数を表し、mは1〜3の整数を表す。
変性澱粉及びその誘導体の例として、ブリティッシュガム等の焙焼澱粉、酵素デキストリン及びシャーディンガーデキストリン等の酵素変性デキストリン、可溶化澱粉に示される酸化澱粉、変性アルファー化澱粉及び無変性アルファー化澱粉等のアルファー化澱粉、リン酸澱粉、脂肪澱粉、硫酸澱粉、硝酸澱粉、キサントゲン酸澱粉及びカルバミン酸澱粉等のエステル化澱粉、カルボキシアルキル澱粉、ヒドロキシアルキル澱粉、スルフォアルキル澱粉、シアノエチル澱粉、アリル澱粉、ベンジル澱粉、カルバミルエチル澱粉、ジアルキルアミノ澱粉等のエーテル化澱粉、メチロール架橋澱粉、ヒドロキシアルキル架橋澱粉、リン酸架橋澱粉、ジカルボン酸架橋澱粉等の架橋澱粉、澱粉ポリアクリロアミド共重合体、澱粉ポリアクリル酸共重合体、澱粉ポリ酢酸ビニル共重合体、澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、カオチン性澱粉ポリアクリル酸エステル共重合体、カオチン性澱粉ビニルポリマー共重合体、澱粉ポリスチレンマレイン酸共重合体、澱粉ポリエチレンオキサイド共重合体、澱粉ポリプロピレン共重合体等の澱粉グラフト重合体などがある。
水溶性樹脂の中でも好ましいものとして、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
水溶性樹脂は2種以上を併用することもできる。
水溶性樹脂の現像液中における含有量は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。
〔平版印刷版原版現像用補充液〕
また、現像工程において、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行う場合、酵素を含む該現像用補充液中、酵素の量は、補充液全量に対して1〜100重量%が好ましく、10〜90重量%がさらに好ましく、20〜80重量%が最も好ましい。
補充液のpHは特に限定されないが、酵素の活性を保持すること及び現像液中に供給されることから、6〜12が好ましく、6.5〜11がさらに好ましく、現像性と環境の面から、7〜10.5が最も好ましい。また、現像液中に供給される点及び酵素の活性を保持する点から、pH緩衝能を有する補充液であることが好ましい。緩衝作用を発揮することにより、補充液を長期間保存してもpHの変動を抑制できる。pH緩衝剤としては、現像液に関して記載のものを使用することができる。また、その添加量も前述と同様である。
本発明において、上記の補充液には、必要に応じて、湿潤剤、防腐剤、キレート剤、消泡剤、有機溶剤、無機酸、無機塩、水溶性樹脂などを含有させることができる。用いることができる界面活性剤、湿潤剤、防腐剤、キレート剤、消泡剤、有機溶剤、無機酸、無機塩、水溶性樹脂などの種類、添加量については、前述の現像液に導入されるこれら添加剤の種類、添加量と同様である。
本発明の平版印刷版の製版方法は、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行うことも好ましい。
酵素の供給形態、供給方法は特に限定されない。供給形態は、固体状であっても、液状であってもよい。酵素の活性、安定性等の観点から、水溶液として現像液に供給することが好ましい。
供給方法については、一般的に知られている補充組成物の補充方法、例えば、面積補充法、時間補充法、蒸発水分補充法、電導度補充法などを用いることができる。面積補充法とは、一定処理量ごとに補充組成物が供給される方法であり、具体的には処理量(面積)を測定する手段を設けておき、一定処理量(例えば、現像液1L当たり5m2の平版印刷版原版を処理する)ごとに補充装置が作動して、一定量の補充組成物が供給される方法である。時間補充法とは、一定時間間隔にて補充組成物が供給される方法であり、具体的には一定間隔(例えば、2時間、10日、スタートアップ時)ごとに補充装置が作動して、補充組成物が供給される方法である。蒸発水分補充法とは、処理浴の水分蒸発量を検知できる手段を設けておくか、処理浴の水分蒸発量をあらかじめ測定・予測しておき、一定水分蒸発量ごとに補充装置が作動して、補充組成物が供給される方法である。電導度補充法とは、処理浴の電導度を測定し、この電導度があらかじめ設定された電導度以下になったら補充装置が作動して、補充組成物が供給される方法である。本発明においては、上記補充組成物として酵素又は酵素を含む組成物を使用することにより、現像液に酵素を供給することができる。さらに、現像液中の酵素の活性を測定し、活性の程度に対応して酵素を供給する方法も用いられる。
補充組成物の供給に関しては、上述のように自動で供給を行う装置(補充装置)を用いることが好ましいが、作業者が直接供給してもよい。
本発明において好ましく用いられる方法の一つは、蒸発水分補充法である。蒸発水分補充法を実施するには、例えば、図2に示すような自動現像処理機を用いることができる。図2に示す自動現像処理機は、現像部及び乾燥部において図1に示す自動現処理機と基本的に同じ構造を有し、さらに蒸発水分補充を行うための装置を備えている。
すなわち、図2において、現像槽20には、現像槽20の液面レベルと略等しい位置に設けられ、現像液の流入を許容するオーバーフロー口51が設けられている。自動現像処理機は、オーバーフロー口51に連通する第1の循環用配管C1と、第1の循環用配管C1に接続され、現像液を収容可能な現像液タンク50と、現像液タンク50に収容された現像液を現像槽20側へ循環させる第2の循環用配管C2と、第2の循環用配管C2に沿って現像液を循環させるための供給ポンプ55とを備えている。また、第2の循環用配管C2の途中に、循環する現像液中に含まれる凝集物を捕集するためのフィルタ部を別途備えていてもよい。このとき供給ポンプ55は、図示しない版検出センサ及び時間計測部に基づいて、現像液の補充条件等が記憶された制御ROM及びRAM及び時間計測部を備えた制御装置によって制御される構成としてもよい。
さらに、現像液タンク50と現像槽20との間で現像液を常時循環していてもよい。例えば100ml/分〜1,000ml/分の量で常時循環していてもよい。
現像槽20に含まれる水の蒸発による減少を補充するため、補充用の水タンク71を備えている。水タンク71に貯留した水を、補充用配管C3と水補充ポンプ72とを介して現像槽20に供給される。水補充は自動現像処理機のスタート時に行ってもよく、所定の時間に自動的に行ってもよい。
現像液タンク50には、上限液レベル計52と、下限液レベル計53とが設けられている。上限液レベル計52は、現像液タンク50に収容された現像液がオーバーフローしないように液面の上限位置を検出する。下限液レベル計53は、現像液タンク50に収容された現像液が、蒸発などによって不足又は枯渇してしまうことを回避するため、現像液の下限位置を検出して液面未検出の場合に水タンク71から新たに水を補充することができる。
図2に示すような自動現像処理機を用いる場合、水タンク71に酵素水溶液を供給することにより現像液への酵素の供給を良好に行うことができる。
現像の温度は、好ましくは60℃以下、より好ましくは15〜40℃程度である。自動現像機を用いる現像処理においては、処理量に応じて現像液が疲労してくることがあるので、補充液又は新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。
現像工程が行われた後、自然乾燥にて現像液を乾燥させてもよいが、温風などによる乾燥工程を設けることが好ましい。
本発明の平版印刷版の製版方法においては、必要に応じ、露光から現像までの間に、平版印刷版原版全面を加熱してもよい。この様な加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じ得る。
加熱の条件はこれら効果のある範囲で適宜設定することができる。
加熱手段としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。例えば、版面到達温度が70℃〜150℃の範囲で、1秒〜5分間の間で保持することにより行うことができる。好ましくは80℃〜140℃で5秒〜1分間、より好ましくは90℃〜130℃で10秒〜30秒間である。この範囲であると上記の効果を効率よく得られ、また熱による印刷版の変形などの悪影響がない点で好ましい。
加熱処理に用いられる加熱処理手段は、露光工程に用いられるプレートセッタ及び現像工程に使用される現像装置とお互いに接続されて、自動的に連続処理されることが好ましい。具体的にはプレートセッタと、現像装置がコンベアなどの運搬手段によって結合されている製版ラインが挙げられる。プレートセッタと現像装置の間に加熱処理手段が入っていてもよく、加熱手段と現像装置は一体の装置となっていてもよい。
使用する平版印刷版原版が作業環境における周囲の光の影響を受け易い場合は、上記の製版ラインがフィルタ又はカバーなどで遮光されていることが好ましい。
また、現像後の印刷版に対して、紫外線光などの活性光線で全面露光を行い、画像部の硬化促進を行ってもよい。全面露光時の光源としては、例えば、カーボンアーク灯、水銀灯、ガリウム灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、タングステンランプ、各種レーザー光などが挙げられる。十分な耐刷性を得るため、露光量としては、10mJ/cm2以上が好ましく、100mJ/cm2以上がより好ましい。
全面露光時に同時に加熱を行ってもよく、加熱を行うことによりさらに耐刷性の向上が認められる。加熱装置としては、慣用の対流オーブン、IR照射装置、IRレーザー、マイクロ波装置、ウィスコンシンオーブン等を挙げることができる。
このとき版面温度は30℃〜150℃であることが好ましく、35℃〜130℃であることがより好ましく、40℃〜120℃であることがさらに好ましい。具体的には、特開2000−89478号公報に記載の方法を利用することができる。
さらに、画像強度・耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対し、全面後加熱もしくは全面露光を行う事も有効である。現像後の加熱には非常に強い条件を利用し、加熱温度は100℃〜500℃の範囲であることが好ましく、200℃〜500℃の範囲であることがより好ましい。上記範囲であると、十分な画像強化作用が得られ、また、支持体の劣化や画像部の熱分解といった問題が生じることを防ぐことができる。
このようにして得られた平版印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いることができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例で使用したバインダーポリマーB−1〜B−6、エチレン性不飽和化合物M−1〜M−5、M−7、M−8、重合開始剤I−1〜I−3、増感色素D−1〜D−5、連鎖移動剤S−1〜S−3、添加剤T−1、フッ素系界面活性剤(F−1)、エチルバイオレット(EV−1)を以下に示す。
Figure 0005313115
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(実施例1−1〜1−34、比較例1−1〜1−6)
<支持体の作製>
厚さ0.03mmのアルミニウム板(JIS A1050)を用いて以下の表面処理を行った。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1重量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、下記硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007重量%含む。)、液温50℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26重量%、アルミニウムイオン濃度6.5重量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度15重量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5重量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)陽極酸化処理
二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5重量%含む。)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
上記(a)〜(h)工程を全て実施したアルミニウム板を支持体1とした。支持体1の中心線平均粗さ(JIS B0601によるRa表示)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.52μmであった。
支持体1を、4g/Lのポリビニルホスホン酸を含有する40℃の水溶液に10秒間浸漬し、20℃の水道水で2秒間洗浄し、乾燥して支持体2を作製した。
<感光層及び保護層の形成>
上記の下塗り層を付与したアルミニウム支持体2上に、下記組成の感光層塗布液1〜7をバー塗布した後、80℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.1g/m2の感光層を形成し、この上に下記組成よりなる保護層塗布液1を、乾燥塗布量が1.25g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で間乾燥して保護層を形成し、平版印刷版原版1〜7を作製した。
〔感光層塗布液1〕
・バインダーポリマー(B−1) 0.52重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−1) 0.50重量部
・ラジカル重合開始剤(I−1) 0.10重量部
・増感色素(D−1) 0.08重量部
・連鎖移動剤(S−1) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料の分散物(P−1) 0.40重量部
(顔料:15重量部、分散剤としてアリルメタクリレート/メタクリル酸(80/20)共重合体(Mw=6万):10重量部、溶剤としてシクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15重量部/20重量部/40重量部)
・熱重合禁止剤(K−1) 0.01重量部
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.001重量部
(メガファックF780−F、大日本インキ化学工業(株)製、メチルイソブチルケトン30重量%溶液)
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04重量部
((株)ADEKA製、プルロニックL44)
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
〔感光層塗布液2〕
・バインダーポリマー(B−1) 0.52重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−4) 0.50重量部
・ラジカル重合開始剤(I−1) 0.10重量部
・増感色素(D−1) 0.08重量部
・連鎖移動剤(S−1) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料の分散物(P−1) 0.40重量部
・熱重合禁止剤(K−1) 0.01重量部
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.001重量部
・ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物 0.04重量部
((株)ADEKA製、プルロニックL44)
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
〔感光層塗布液3〕
・バインダーポリマー(B−3) 0.50重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−3) 0.60重量部
・ラジカル重合開始剤(I−1) 0.10重量部
・増感色素(D−3) 0.08重量部
・連鎖移動剤(S−2) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料の分散物(P−1) 0.40重量部
・熱重合禁止剤(K−1) 0.01重量部
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.001重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
〔感光層塗布液4〕
・バインダーポリマー(B−6) 0.52重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−1) 0.58重量部
・ラジカル重合開始剤(I−1) 0.10重量部
・増感色素(D−1) 0.08重量部
・連鎖移動剤(S−1) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料の分散物(P−1) 0.40重量部
・熱重合禁止(K−1) 0.01重量部
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.001重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
〔感光層塗布液5〕
・バインダーポリマー(B−1) 0.40重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−2) 0.75重量部
・ラジカル重合開始剤(I−1) 0.12重量部
・増感色素(D−2) 0.08重量部
・連鎖移動剤(S−3) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料の分散物(P−1) 0.40重量部
・熱重合禁止剤(K−1) 0.01重量部
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.001重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
〔感光層塗布液6〕
エチレン性不飽和化合物(M−1)の代わりにエチレン性不飽和化合物(M−7)を使用した以外は、感光層塗布液1と同様にした。
〔感光層塗布液7〕
エチレン性不飽和化合物(M−1)の代わりにエチレン性不飽和化合物(M−8)を使用した以外は、感光層塗布液1と同様にした。
〔保護層塗布液1〕
下記雲母分散液 0.6重量部
スルホン酸変性ポリビニルアルコール 0.8重量部
(ゴーセランCKS−50、日本合成化学(株)製(ケン化度:99モル%、平均重合度:300、変性度:約0.4モル%))
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1)) 0.001重量部
(分子量:7万)
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.002重量部
水 13重量部
〔雲母分散液〕
水368重量部に合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル(株)製、アスペクト比:1,000以上)32重量部を添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになる迄分散し、雲母分散液を得た。
<露光、現像及び印刷>
上記各平版印刷版原版を、FFEI製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー(発光波長405nm±10nm/出力30mW)を搭載)により画像露光した。画像描画は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、版面露光量0.05mJ/cm2で行った。
次いで、100℃、30秒間のプレヒートを行った後、下記組成の各現像液を用い、図1に示すような構造の自動現像処理機にて現像処理を実施した。
この自動現像処理機は、平版印刷版原版4を現像しかつガム処理も行う現像部6と、現像後の平版印刷版原版4を乾燥する乾燥部10とを備えている。現像部6の現像槽20内には、搬送方向上流側から順に、搬送ローラ22、ブラシローラ24、スクイズローラ26が備えられ、これらの間の適所にバックアップローラ28が備えられている。平版印刷版原版4は搬送ローラ22により搬送されながら現像液中を浸漬されてブラシローラ24を回転させることにより平版印刷版原版4の非画像部の除去を行って現像処理される。現像処理された平版印刷版原版4は搬送ローラ(搬出ローラ)により次の乾燥部10へ搬送される。
乾燥部10は、搬送方向上流側から順に、ガイドローラ36、一対の串ローラ38が設けられている。また、乾燥部10には図示しない温風供給手段、発熱手段等の乾燥手段が設けられている。乾燥部10には排出口が設けられ、乾燥手段により乾燥されたPS版4は排出口(不図示)から排出される。また、乾燥部10と現像部6との間の通路にはシャッター(不図示)が設けられ、平版印刷版原版4が通路を通過していないとき、通路はシャッターにより閉じられている。
自動現像処理機は、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシローラ24を1本有し、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させた。現像液の温度は30℃であった。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。現像処理後、乾燥部にて乾燥を行った。乾燥温度は80℃であった。
使用した現像液の組成を以下に示す。
〔現像液1−1;pH=9.80〕
・0.1M炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
(ポリオキシエチレンアリールエーテル、日本乳化剤(株))
・酵素(表記載の化合物) 5.00重量部
〔現像液1−2;pH=9.80〕
・0.1M炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・酵素(表記載の化合物) 5.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ぺノンJE66) 7.00重量部
〔現像液1−3;pH=9.80〕
・0.1M炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・エレミノールMON2 3.00重量部
(アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、三洋化成工業(株)製)
・酵素(表記載の化合物) 5.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ぺノンJE66) 7.00重量部
〔現像液1−4;pH=9.80〕
・0.1M炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・パイオニンC157K 3.00重量部
(N−ラウリルジメチルベタイン、竹本油脂(株)製)
・酵素(表記載の化合物) 5.00重量部
〔現像液1−5;pH=9.80〕
・0.2Mホウ酸水溶液 25.00重量部
・0.2M塩化カリウム水溶液 25.00重量部
・0.1M水酸化ナトリウム水溶液 40.60重量部
・水 9.40重量部
・酵素(表記載の化合物) 3.00重量部
・ニューコールB13 5.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ぺノンJE66) 7.00重量部
〔現像液1−6;pH=9.80〕
・0.05M炭酸水素ナトリウム水溶液 50.00重量部
・0.1M水酸化ナトリウム水溶液 7.60重量部
・水 42.4重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・酵素(表記載の化合物) 5.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ぺノンJE66) 7.00重量部
〔現像液1−7;pH=9.80〕
・0.20Mジエタノールアミン水溶液 25重量部
・0.20M塩酸水溶液 2.87重量部
・水 72.13重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・酵素(表記載の化合物) 5.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ぺノンJE66) 7.00重量部
〔現像液1−8;pH=7.0〕
・0.1Mトリエタノールアミン塩酸塩水溶液 50.0重量部
・0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液 5.1重量部
・水 44.9重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・酵素(表記載の化合物) 5.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ペノンJE66) 7.00重量部
〔現像液1−9;pH=11.9〕
・0.05Mのリン酸水素二ナトリウム水溶液 50.0重量部
・0.1M水酸化ナトリウム水溶液 23.0重量部
・水 27.0重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・酵素(表記載の化合物) 5.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ペノンJE66) 7.00重量部
〔比較現像液1−1;pH=9.80〕
・0.1M炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 5.00重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ぺノンJE66) 7.00重量部
〔比較現像液1−2;pH=12.0〕
・水酸化カリウム 0.20重量部
・水 93.00重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・アラビアガム(Mw=25万) 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学:ぺノンJE66) 7.00重量部
得られた平版印刷版を、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、毎時6,000枚の印刷速度で印刷を行った。
<評価>
得られた平版印刷版を用いて、現像性、耐刷性、耐汚れ性、現像カスを以下のように評価した。
〔現像性〕
上記の通り種々の搬送速度にて現像を行い、非画像部のシアン濃度をマクベス濃度計により測定した。非画像部のシアン濃度がアルミニウム基板のシアン濃度と同等になった搬送速度を求め、現像性とした。現像性評価は、比較例1−1を基準(1.0)として以下のように定義した相対現像性で表している。相対現像性の数値が大きい程、高現像性であり、性能が良好であることを示す。
相対現像性=(対象感材の搬送速度)/(基準感材の搬送速度)
〔耐刷性〕
印刷枚数を増やしていくと徐々に感光層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。同一露光量で露光した印刷版において、インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。耐刷性評価は、比較例1−1を基準(1.0)として以下のように定義した相対耐刷性で表している。相対耐刷性の数字が大きい程、耐刷性が高いことを表している。
相対耐刷性=(対象感材の耐刷性)/(基準感材の耐刷性)
〔耐汚れ性〕
上記の通り500枚印刷を行って、非画像部のインキ汚れが全くないものを『◎』、『◎』には劣るが実用上問題ないものを『〇』、汚れが一部でも見られ実用上問題あるものを『△』、汚れているものを『×』として表す。
〔エチレン性不飽和化合物 現像カスモデル実験〕
感光層及び保護層をテフロン(登録商標)シート上に塗布し、そこから0.4gをかきとり、現像液10mL中に分散させ(1L当り20m2の平版印刷版原版を現像処理した際に溶解する感光層と保護層の量)、30℃にて20日間保存した際の現像液中のモノマーの加水分解挙動を、現像液中に現れるエチレン性不飽和化合物の加水分解物(メタクリル酸ナトリウム)をHPLCにて測定することにより見積った。20日後、加水分解反応が80%以上起こっているものを『○』(エチレン性不飽和化合物カスなし)、加水分解反応が80%未満のものを『△』(エチレン性不飽和化合物カス少しあり)、全く加水分解反応が起こっていないものを『×』(エチレン性不飽和化合物カス多い)として表す。
Figure 0005313115
Figure 0005313115
表1に示すように、現像工程を本発明中の酵素を含有する現像液にて処理を行うことにより、現像液pHが低いにも関わらず、現像性、耐刷性を維持したまま、現像液中でエチレン性不飽和化合物の加水分解反応が進行し発生するエチレン性不飽和化合物に由来する現像カスを抑制することができた。さらに、強アルカリ現像と比較しても現像液の現像性カスを良化させることができた。また、用いるモノマーとしては、耐刷性の観点から、ウレタン骨格を有するモノマーが好ましいことが分かった。
(実施例1−35〜1−60、比較例1−7〜1−10)
<支持体の作製>
実施例1−1と同様の方法で、支持体2を作製した。
<感光層の形成>
下記感光層用塗布液8〜10を調製し、上記のように形成された支持体2上にワイヤーバーを用いて塗布した。乾燥は、温風式乾燥装置にて100℃で60秒間行った。乾燥後の被覆量は1.4g/m2であった。この後、平版印刷版原版1と同様の保護層塗布液1を、乾燥塗布量が1.25g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で間乾燥して保護層を形成し、平版印刷版原版8〜10を作製した。
〔感光層塗布液8〕
・バインダーポリマー(B−4) 0.25重量部
・バインダーポリマー(B−3) 0.20重量部
・バインダーポリマー(B−6) 0.15重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−5) 0.50重量部
・ラジカル重合開始剤(I−2) 0.07重量部
・ラジカル重合開始剤(I−3) 0.09重量部
・増感色素(D−4) 0.03重量部
・添加剤(T−1) 0.08重量部
・メルカプト化合物(S−1) 0.02重量部
・エチルバイオレット(EV−1) 0.02重量部
・熱重合禁止剤(K−1) 0.01重量部
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.008重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メタノール 2.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
〔感光層塗布液9〕
・バインダーポリマー(B−2) 0.55重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−4) 0.50重量部
・ラジカル重合開始剤(I−2) 0.12重量部
・増感色素(D−5) 0.03重量部
・添加剤(T−1) 0.08重量部
・メルカプト化合物(S−1) 0.02重量部
・エチルバイオレット(EV−1) 0.02重量部
・熱重合禁止剤(K−1) 0.01重量部
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.008重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メタノール 2.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
〔感光層塗布液10〕
・バインダーポリマー(B−5) 0.55重量部
・エチレン性不飽和化合物(M−1) 0.50重量部
・ラジカル重合開始剤(I−3) 0.12重量部
・増感色素(D−5) 0.05重量部
・添加剤(T−1) 0.08重量部
・メルカプト化合物(S−1) 0.02重量部
・エチルバイオレット(EV−1) 0.02重量部
・熱重合禁止剤(K−1) 0.01重量部
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.008重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メタノール 2.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
<保護層の形成>
実施例1−1と同様の方法で保護層を形成した。
<露光、現像及び印刷>
得られた平版印刷版原版を、露光、現像処理、乾燥の各工程順に処理した。
露光に用いた光源(セッター):赤外線半導体レーザー(Creo社製Trendsetter3244VX:水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載)にて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2,400dpi(50%平網画像)、版面エネルギー110mJ/cm2の条件で画像様露光を行った。次いで、30秒以内に100℃、30秒間のプレヒートを行った後、実施例1−1と同様に、前述した現像液を各々用い、図1に示す構造の自動現像処理装置にて現像処理を実施した。
得られた平版印刷版を、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、毎時6,000枚の印刷速度で印刷を行った。
<評価>
得られた平版印刷版を用い、実施例1−1と同様の方法で、現像性、耐刷性、汚れ性、現像カスを評価した。
Figure 0005313115
表3に示すように、現像工程を本発明中の酵素を含有する現像液にて処理を行うことにより、現像液pHが低いにも関わらず、現像性、耐刷性を維持したまま、現像液中でエチレン性不飽和化合物の加水分解反応が進行し発生するエチレン性不飽和化合物に由来する現像カスを抑制することができる。さらに、強アルカリ現像と比較しても現像液の現像性カスを良化させることができる。
(実施例1−61、比較例1−11)
<支持体3の作製>
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3重量%の塩酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸水溶液溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、さらに1%ポリビニルホスホン酸水溶液を用いて75℃で親水化処理を行って支持体3を作製した。その表面粗さを測定したところ、0.44μm(JIS B0601によるRa表示)であった。
<感光層の形成>
前記支持体3上に、下記組成の感光層塗布液12をバー塗布した後、90℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/m2の感光層を形成した。
〔感光層塗布液12〕
・下記バインダーポリマー(1)(重量平均分子量:5万) 0.04重量部
・下記バインダーポリマー(2)(重量平均分子量:8万) 0.30重量部
・下記重合性化合物(1) 0.17重量部
(PLEX6661−O、デグサジャパン製)
・下記重合性化合物(2) 0.51重量部
・下記増感色素(1) 0.03重量部
・下記増感色素(2) 0.015重量部
・下記増感色素(3) 0.015重量部
・下記重合開始剤(1) 0.13重量部
・連鎖移動剤:メルカプトベンゾチアゾール 0.01重量部
・ε−フタロシアニン顔料の分散物 0.40重量部
(顔料:15重量部、分散剤(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(重量平均分子量:6万、共重合モル比:83/17)):10重量部、シクロヘキサノン:15重量部)
・熱重合禁止剤 0.01重量部
(N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩)
・下記フッ素系界面活性剤(1) 0.001重量部
(重量平均分子量:1万)
・1−メトキシ−2−プロパノール 3.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
Figure 0005313115
Figure 0005313115
Figure 0005313115
Figure 0005313115
Figure 0005313115
Figure 0005313115
Figure 0005313115
Figure 0005313115
Figure 0005313115
<保護層の形成>
前記感光層上に、下記組成よりなる保護層塗布液2を、乾燥塗布量が1.2g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒で間乾燥して保護層を形成し、平版印刷版原版12を得た。
〔保護層塗布液2〕
・PVA−205 0.658重量部
(部分加水分解ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=86.5−89.5モル%、粘度=4.6−5.4mPa・s(20℃、4重量%水溶液中))
・PVA−105 0.142重量部
(完全加水分解ポリビニルアルコール、クラレ(株)製、鹸化度=98.0−99.0モル%、粘度=5.2−6.0mPa・s(20℃、4重量%水溶液中))
・ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1)) 0.001重量部
(分子量7万)
・界面活性剤 0.002重量部
(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)
・水 13重量部
<現像液1−10>
・水 88.6重量部
・ノニオン系界面活性剤(W−1) 2.4重量部
・ノニオン系界面活性剤(W−2) 2.4重量部
・ノニオン系界面活性剤 1.0重量部
(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)
・フェノキシプロパノール 1.0重量部
・オクタノール 0.6重量部
・N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン 1.0重量部
・トリエタノールアミン 0.5重量部
・グルコン酸ナトリウム 1.0重量部
・クエン酸3ナトリウム 0.5重量部
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05重量部
・ポリスチレンスルホン酸 1.0重量部
(Versa TL77(30%溶液)、Alco chemical社製)
・酵素(表に記載の化合物) 5.0重量部
上記組成の現像液に、リン酸を添加し、pHを7.0に調整した。
Figure 0005313115
Figure 0005313115
<評価>
得られた平版印刷版及び現像液を用い、実施例1−1と同様の方法で製版を行い、現像性、耐刷性、汚れ性、現像カスを評価した。なお、実施例1−61の現像性、耐刷性は、下記比較例1−11を基準とした。ここで、比較例1−11で使用した現像液は、酵素を添加しない以外は実施例1−61と同様である。結果を以下の表4に示す。
Figure 0005313115
(実施例2−1〜2−44、比較例2−1〜2−7)
<支持体の作製>
実施例1−1と同様の方法で支持体2を作製した。
<感光層の作製>
上記の感光層塗布液1〜7及び下記の感光層塗布液11を調製し、実施例1−1と同様の方法で、平版印刷版原版1〜7及び11を作製した。
〔感光層塗布液11〕
・バインダーポリマー 0.80重量部
(PVP/VA I−335、ISP(株)製、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体の50重量%イソプロパノール溶液)
・エチレン性不飽和化合物(M−2) 0.75重量部
・ラジカル重合開始剤(I−1) 0.12重量部
・増感色素(D−2) 0.08重量部
・連鎖移動剤(S−3) 0.07重量部
・ε−フタロシアニン顔料の分散物(P−1) 0.40重量部
・熱重合禁止剤(K−1) 0.01重量部
・フッ素系界面活性剤(F−1) 0.001重量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.5重量部
・メチルエチルケトン 8.0重量部
<露光、現像及び印刷>
上記各平版印刷版原版を、FFEI製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー(発光波長405nm±10nm/出力30mW)を搭載)により画像露光した。画像描画は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、版面露光量0.05mJ/cm2で行った。
次いで、100℃、30秒間のプレヒートを行った後、下記組成の各現像液を用い、図2に示すような構造の自動現像処理機にて現像処理を実施し平版印刷版を得た。
自動現像処理機は、ポリブチレンテレフタレート製の繊維(毛の直径200μm、毛の長さ17mm)を植え込んだ外径50mmのブラシローラ24を1本有し、搬送方向と同一方向に毎分200回転(ブラシの先端の周速0.52m/sec)させた。現像液の温度は30℃であった。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。現像処理後、乾燥部にて乾燥を行った。乾燥温度は80℃であった。
使用した現像液及び補充液の組成並びに酵素を以下に示す。現像液及び補充液に使用する界面活性剤は以下の通りである。
ニューコールB13:ポリオキシエチレンアリールエーテル
ソフタゾリンLPB−R:ラウリン酸アミドプロピルベタイン
ソフタゾリンLAO:ラウラミドプロピルアミンオキシド
エレミノールMON2:アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムと
アルキルジフェニルエーテルモノスルホン酸ナトリウムの混合物
パイオニンB−111:ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド
パイオニンC157K:N−ラウリルジメチルベタイン
(現像液2−1;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・ニューコールB13(日本乳化剤(株)製) 3.00重量部
(現像液2−2;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・ソフタゾリンLPB−R (川研ファインケミカル(株)製) 3.00重量部
・ソフタゾリンLAO(川研ファインケミカル(株)製) 1.00重量部
(現像液2−3;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・ニューコールB13 (日本乳化剤(株)製) 3.00重量部
・アラビアガム 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学(株):ぺノンJE66) 7.00重量部
(現像液2−4;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・エレミノールMON2(三洋化成工業(株)製) 3.00重量部
・アラビアガム 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学(株):ぺノンJE66) 7.00重量部
(現像液2−5;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・パイオニンB−111 (竹本油脂(株)製) 3.00重量部
・アラビアガム 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学(株):ぺノンJE66) 7.00重量部
(現像液2−6;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・パイオニンC157K(竹本油脂(株)製) 3.00重量部
(現像液2−7;pH=8.00)
・0.2M ホウ酸水溶液 25.00重量部
・0.2M 塩化カリウム水溶液 25.00重量部
・0.1M 水酸化ナトリウム水溶液 3.90重量部
・水 46.10重量部
・ニューコールB13 5.00重量部
(現像液2−8;pH=10.90)
・0.05M 炭酸水素ナトリウム水溶液 50.00重量部
・0.1M 水酸化ナトリウム水溶液 22.00重量部
・水 28.00重量部
・ニューコールB13(日本乳化剤(株)製) 3.00重量部
(現像液2−9;pH=9.80)
・0.20M ジエタノールアミン水溶液 25重量部
・0.20M 塩酸水溶液 2.87重量部
・水 72.13重量部
・ニューコールB13(日本乳化剤(株)製) 3.00重量部
・アラビアガム 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学(株)製:ぺノンJE66) 7.00重量部
(現像液2−10;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・酵素7 5.00重量部
・アラビアガム 2.50重量部
・ヒドロキシアルキル化澱粉(日澱化学(株)製:ぺノンJE66) 7.00重量部
(現像液2−11;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
(現像液2−12;pH=6.50)
・クエン酸三ナトリウム二水和物 1.00重量部
・ニューコールB13(日本乳化剤(株)製) 14.00重量部
・水 85.00重量部
・10重量%リン酸三ナトリウム水溶液 pH=6.5に調整
(補充液1;pH=7.00)
・水 10.00重量部
・酵素 90.00重量部
(補充液2;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・酵素 10.00重量部
(補充液3;pH=9.90)
・0.1M 炭酸ナトリウム10水和物水溶液 60.00重量部
・0.1M 炭酸水素ナトリウム水溶液 40.00重量部
・ニューコールB13 3.00重量部
・酵素 10.00重量部
得られた平版印刷版を、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、毎時6,000枚の印刷速度で印刷を行った。
<評価>
各平版印刷版原版について、現像性、耐刷性、耐汚れ性、現像カスを評価した。
なお、現像性、耐刷性、及び、耐汚れ性は、実施例1−1と同様に評価した。ただし、現像性及び耐刷性の評価は、比較例2−1を基準(1.0)とした。
〔現像カス(エチレン性不飽和化合物カス)〕
図2に示すような構造を有し、現像浴容量が5Lの自動現像処理機を用い、平版印刷版原版を一日20m2ずつ5日間処理した(20m2/Lの処理量に相当)。酵素を含む補充液の補充は以下の方法で行った。時間補充は、一日一回自動現像処理機の始動時に、現像液全量に対して酵素が1.0重量%となるよう補充液を現像液タンクに添加した。面積補充は、平版印刷版原版の処理量5m2/Lごとに、現像液全量に対して酵素が0.25重量%となるよう補充液を現像液タンクに添加した。蒸発水分補充は、補充用水タンクに水の替わりに補充液を入れて蒸発水分量に応じて自動的に行った。5日間処理後、現像液中のモノマーの加水分解挙動を、現像液中に現れるエチレン性不飽和化合物の加水分解物(メタクリル酸ナトリウム)量をHPLCにて測定することにより評価した。加水分解反応が70%以上起こっているものを『○』(エチレン性不飽和化合物カスなし)、加水分解反応が20%以上70%未満のものを『△』(エチレン性不飽和化合物カス少しあり)、加水分解反応が20%未満のものを『×』(エチレン性不飽和化合物カス多し)として評価した。
得られた結果を表5に示す。表5中、実施例2−44に使用の補充液1は、酵素7及び酵素13を各45.00重量部含有するものである。
Figure 0005313115
表5に示すように、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行うことにより、中性に近い現像液の使用にもかかわらず、現像性、耐刷性、耐汚れ性を維持したまま、現像液中で発生するエチレン性不飽和化合物に由来する現像カスを抑制することができる。また、耐刷性の観点から、ウレタン骨格を有するモノマーを用いることがより好ましい。
(実施例2−45〜2−78、比較例2−8〜2−11)
〔平版印刷版原版8〜10の作製〕
<感光層及び保護層の形成>
上述の各感光層塗布液8〜10を、平版印刷版原版2−1と同様のアルミニウム支持体上にワイヤーバーを用いて塗布し、温風式乾燥装置にて100℃で60秒間乾燥し、乾燥塗布量は1.4g/m2の感光層を形成し、この上に平版印刷版原版2−1と同様の保護層塗布液1を、乾燥塗布量が1.25g/m2となるようにバーを用いて塗布した後、125℃、70秒間乾燥して保護層を形成し、各平版印刷版原版8〜10を作製した。
<露光、現像及び印刷>
各平版印刷版原版を、プレートセッター(Creo社製Trendsetter3244VX:水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載)にて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2,400dpiの条件で画像様露光を行った。次いで、30秒以内に100℃、30秒間のプレヒートを行った後、前記各現像液及び補充液を用い、図2に示す構造の自動現像処理機にて実施例1と同様に現像処理を実施した。
得られた平版印刷版を、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、毎時6,000枚の印刷速度で印刷を行った。
<評価>
得られた平版印刷版を用い、実施例2−1と同様の方法で、現像性、耐刷性、耐汚れ性、現像カスを評価した。
得られた結果を表6に示す。
Figure 0005313115
表6に示すように、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行うことにより、中性に近い現像液の使用にもかかわらず、現像性、耐刷性、耐汚れ性を維持したまま、現像液中で発生するエチレン性不飽和化合物に由来する現像カスを抑制することができる。また、耐刷性の観点から、ウレタン骨格を有するモノマー用いることが好ましい。
(実施例2−79、比較例2−12)
<現像液2−13>
・水 88.6重量部
・ノニオン系界面活性剤(W−1) 2.4重量部
・ノニオン系界面活性剤(W−2) 2.4重量部
・ノニオン系界面活性剤 1.0重量部
(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)
・フェノキシプロパノール 1.0重量部
・オクタノール 0.6重量部
・N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン 1.0重量部
・トリエタノールアミン 0.5重量部
・グルコン酸ナトリウム 1.0重量部
・クエン酸3ナトリウム 0.5重量部
・エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05重量部
・ポリスチレンスルホン酸 1.0重量部
(Versa TL77(30%溶液)、Alco chemical社製)
上記組成の現像液に、リン酸を添加し、pHを7.0に調整した。
<評価>
平版印刷版原版12及び上記現像液2−13を用い、実施例2−1と同様の方法で、現像性、耐刷性、耐汚れ性、現像カスを評価した。なお、実施例2−13の現像性、耐刷性は、下記比較例2−12を基準とした。ここで、比較例2−12で使用した補充液は、酵素を添加しない以外は実施例2−13と同様である。
得られた結果を表7に示す。
Figure 0005313115
4 平版印刷版原版
6 現像部
10 乾燥部
16 搬送ローラ
20 現像槽
22 搬送ローラ
24 ブラシローラ
26 スクイズローラ
28 バックアップローラ
36 ガイドローラ
38 串ローラ
50 現像液タンク
51 オーバーフロー口
52 上限液レベル計
53 下限液レベル計
55 供給ポンプ
71 水タンク
72 水補充ポンプ
C1、C2 循環用配管
C3 補充用配管

Claims (23)

  1. (A)支持体上に、(i)バインダーポリマーと、(ii)エチレン性不飽和化合物と、(iii)ラジカル重合開始剤と、を含有する感光層を有する平版印刷版原版を作製する工程、
    (B)前記平版印刷版原版を露光する露光工程、及び、
    (C)前記平版印刷版原版の非露光部の感光層を除去する現像工程を有し、
    前記(C)現像工程が、酵素を含有する現像液により行われることを特徴とする
    平版印刷版の製版方法。
  2. 前記(C)現像工程が、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行う工程である、請求項1に記載の製版方法。
  3. 前記酵素が、前記(ii)エチレン性不飽和化合物を分解可能な酵素である、請求項1又は2に記載の製版方法。
  4. 前記酵素が、エステル結合、アミド結合、3級アミノ基、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合よりなる群から選択される少なくとも1つを加水分解する酵素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製版方法。
  5. 前記酵素が、エステル結合を加水分解する酵素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製版方法。
  6. 前記酵素が、EC3群から選択される酵素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製版方法。
  7. 前記酵素が、EC3.1群又はEC3.4群から選択される酵素である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製版方法。
  8. 前記酵素が、EC3.1.1.3(トリアシルグリセロールリパーゼ)、EC3.4.11.1(ロイシンアミノペプチダーゼ)、EC3.4.21.62(サブチリシン)、EC3.4.21.63(オルリジン)、EC3.4.22.2(パパイン)、EC3.4.22.32(stem bromelain)、EC3.4.23.18(aspergillo pepsin I)、EC3.4.24.25(ビブリオリシン)、EC3.4.24.27(テルモリシン)、及び、EC3.4.24.28(バシロリシン)よりなる群から選択される酵素である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製版方法。
  9. 前記酵素の至適pHがアルカリ性である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製版方法。
  10. 前記現像液のpHが6.5以上11以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製版方法。
  11. 前記(ii)エチレン性不飽和化合物が、エステル結合、アミド結合、3級アミノ基、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合よりなる群から選択される少なくとも1種を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の製版方法。
  12. 前記現像液が、さらに界面活性剤を含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の製版方法。
  13. 前記現像液が、さらに水溶性高分子化合物を含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の平版印刷版の製版方法。
  14. 前記現像工程を1液で行う、請求項1〜13のいずれか1項に記載の製版方法。
  15. (a)酵素、及び、(b)界面活性剤を含有することを特徴とする、平版印刷版原版用現像液。
  16. 前記酵素が、EC3群から選択される、請求項15に記載の平版印刷版原版用現像液。
  17. 前記酵素が、EC3.1群又はEC3.4群から選択される、請求項15又は16に記載の平版印刷版原版用現像液。
  18. 前記酵素が、EC3.1.1.3(トリアシルグリセロールリパーゼ)、EC3.4.11.1(ロイシンアミノペプチダーゼ)、EC3.4.21.62(サブチリシン)、EC3.4.21.63(オルリジン)、EC3.4.22.2(パパイン)、EC3.4.22.32(stem bromelain)、EC3.4.23.18(aspergillo pepsin I)、EC3.4.24.25(ビブリオリシン)、EC3.4.24.27(テルモリシン)、及び、EC3.4.24.28(バシロリシン)よりなる群から選択される、請求項15〜17のいずれか1項に記載の平版印刷版原版用現像液。
  19. 前記酵素の至適pHがアルカリ性である、請求項15〜18のいずれか1項に記載の平版印刷版原版用現像液。
  20. 前記現像液のpHが6.5以上11以下である、請求項15〜19のいずれか1項に記載の平版印刷版原版用現像液。
  21. 前記現像液が、さらに水溶性高分子化合物を含有する、請求項15〜20のいずれか1項に記載の平版印刷版原版用現像液。
  22. 前記現像液が緩衝能を有する、請求項15〜21のいずれか1項に記載の平版印刷版原版用現像液。
  23. 酵素を含有することを特徴とする平版印刷版原版現像用補充液。
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