JP5287018B2 - 非共役環状ポリエン系共重合体を含むゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規かつ有用な非共役環状ポリエン系共重合体とジエン系ゴムとを含むゴム組成物に関する。
従来、自動車のタイヤトレッド用ゴム材料としては、一般にスチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)と天然ゴムとのゴム組成物が使用されている。しかし、最近の省エネルギー化に伴う自動車の低燃費化および耐摩耗性に加えて、安全性の面から高い制動性能を有するタイヤが要望されており、従来のスチレン・ブタジエン共重合ゴムと天然ゴムとのブレンド物ではこれらの性能を満たすことができないという問題点がある。
タイヤの耐摩耗性および自動車の制動性能を向上させるとともに、転動抵抗を低減することができるゴム組成物として、特開昭56−93738号には、ポリブタジエンゴムとハロゲン含有ポリイソブチレン・イソプレンゴムとをブレンドしたタイヤトレッド用の原料ゴムが記載されている。
しかし上記ブレンド物においても、耐摩耗性、制動性能および転がり抵抗の低減はまだ十分ではない。
特開昭56−93738号
本発明の課題は、タイヤ用ゴム材料の原料として好適に使用することができる新規かつ有用な非共役環状ポリエン系共重合体を含み、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができるゴム組成物を提供することである。
本発明は次の非共役環状ポリエン系共重合体を含むゴム組成物である。
(1) (A)α−オレフィン(A1)に由来する構造単位、および非共役環状ポリエン(A2)に由来する構造単位を含むランダム共重合体であって、
α−オレフィン(A1)に由来する構造単位の含有量が93〜70モル%、非共役環状ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量が7〜30モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜20dl/g、ガラス転移温度(Tg)が40℃以下、ヨウ素価が64〜104である非共役環状ポリエン系共重合体と、
(B)ジエン系ゴムと
を重量比で、非共役環状ポリエン系共重合体(A)/ジエン系ゴム(B)=40/60〜5/95の割合で含む
ゴム組成物。
(2) α−オレフィン(A1)に由来する構造単位が少なくともエチレンに由来する構造単位を含み、エチレンに由来する構造単位/炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構造単位のモル比が100/0〜1/99である上記(1)記載のゴム組成物。
(3) α−オレフィン(A1)に由来する構造単位が少なくともエチレンに由来する構造単位を含み、エチレンに由来する構造単位/炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構造単位のモル比が100/0〜50/50である上記(1)記載のゴム組成物。
(4) 非共役環状ポリエン(A2)が下記式(1−1)で表される非共役環状ポリエンである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のゴム組成物。
Figure 0005287018

〔式(1−1)中、mは0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、炭化水素基は二重結合を有していてもよく、またR〜Rは互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつこの単環または多環は二重結合を有していてもよく、またRとRとで、またはRとRとでアルキリデン基を形成していてもよく、またRとRとが、またはRとRとが互いに結合して二重結合を形成していてもよい。ただし、R〜Rが互いに結合して形成される単環または多環が二重結合を有さない場合、RとRとで、またはRとRとでアルキリデン基が形成されない場合、ならびにRとRとが、またはRとRとが互いに結合して二重結合が形成されない場合は、R〜Rの少なくとも1つは二重結合を1個以上有する不飽和の炭化水素基である。
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体は、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位、および非共役環状ポリエン(A2)に由来する構造単位を含むランダム共重合体であって、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位の含有量が93〜70モル%、好ましくは93〜75モル%、さらに好ましくは93〜80モル%であり、非共役環状ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量が7〜30モル%、好ましくは7〜25モル%、さらに好ましくは7〜20モル%であり、135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜20dl/g、好ましくは0.1〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜5dl/g、ガラス転移温度(Tg)が40℃以下、好ましくは−30〜+20℃、さらに好ましくは−30〜+15℃、最も好ましくは−30〜+10℃、ヨウ素価が35〜150、好ましくは35〜130、さらに好ましくは35〜120の非共役環状ポリエン系共重合体である。
また本発明の非共役環状ポリエン系共重合体は、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位、および非共役環状ポリエン(A2)のほかに、非共役鎖状ポリエン(A3)に由来する構造単位を含むランダム共重合体であってもよい。この場合、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位の含有量が97.9〜55モル%、好ましくは97〜70モル%、さらに好ましくは97〜80モル%であり、非共役環状ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量が2〜30モル%、好ましくは2.5〜25モル%、さらに好ましくは2.5〜15モル%、非共役鎖状ポリエン(A3)に由来する構造単位の含有量が0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%、さらに好ましくは0.5〜5モル%であり、135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜20dl/g、好ましくは0.1〜10dl/g、さらに好ましくは0.5〜5dl/g、ガラス転移温度(Tg)が40℃以下、好ましくは−30〜+20℃、さらに好ましくは−30〜+15℃、最も好ましくは−30〜+10℃、ヨウ素価が5〜150、好ましくは10〜130、さらに好ましくは10〜120の非共役環状ポリエン系共重合体である。
上記ガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定によって、温度分散測定時の減衰率のピークから求めることができる。
非共役鎖状ポリエン(A3)としては下記式(2−1)で表される非共役鎖状ポリエンがあげられる。
Figure 0005287018
〔式(2−1)中、pおよびqは0または1(ただしpとqとは同時に0ではない)、fは0〜5の整数(ただしpとqの両方が1の場合fは0ではない)、gは1〜6の整数、R 、R 、R 、R 、R 、R およびR はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、R は炭素数1〜3のアルキル基、R は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または−(CH )n−CR 10 =C(R 11 )R 12 で表される基(ここでnは1〜5の整数、R 10 およびR 11 はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、R 12 は炭素数1〜3のアルキル基である)である(ただしpとqの両方が1の場合、R は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である)。〕
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体はα−オレフィン(A1)に由来する構造単位および非共役環状ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量、ガラス転移温度(Tg)、ならびにヨウ素価が上記範囲にあるので、これらの共重合体を単独でまたは後述のジエン系ゴム(B)と組み合せて使用することにより、路面とのグリップ性の向上による制動性の向上と、安定走行時の転がり抵抗の低減による燃費の向上とを両立させることが可能であり、これにより優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができ、また上記好ましい範囲、さらに好ましい範囲の含有量になる程、これらの性能のバランスにより優れたタイヤを得ることができる。
また本発明の非共役環状ポリエン系共重合体は極限粘度〔η〕が前記範囲にあるので、機械強度および加工性に優れており、また上記好ましい範囲、さらに好ましい範囲の値になる程、これらの性能により優れたものとなる。
また本発明の非共役環状ポリエン系共重合体をタイヤ用ゴム材料の原料として用いる場合、結晶化度は低い方が好ましい。
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体を構成するα−オレフィン(A1)としては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜20、好ましくは2〜15のα−オレフィンがあげられる。α−オレフィン(A1)は一種単独で使用することもできるし、二種以上を組み合せて使用することもできる。
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体はα−オレフィン(A1)に由来する構造単位として少なくともエチレンに由来する構造単位を含み、エチレンに由来する構造単位/炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構造単位のモル比が100/0〜1/99、好ましくは100/0〜50/50、さらに好ましくは95/5〜50/50であるのが望ましい。
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体を構成する非共役環状ポリエン(A2)としては、非共役不飽和結合を2個以上有する環状化合物が制限なく使用できるが、前記式(1−1)で表される非共役環状ポリエンが好ましい。
前記式(1−1)で表される非共役環状ポリエン(A2)において、R〜Rで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などがあげられる。
また前記式(1−1)においてR〜Rで示される炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基および二重結合を1個以上有する不飽和の炭化水素基などがあげられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基などがあげられる。ハロゲン化アルキル基としては、上記のようなアルキル基を形成している水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基があげられる。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などがあげられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基およびナフチル基などがあげられる。不飽和の炭化水素基としては、ビニル基およびアリル基などがあげられる。
また前記式(1−1)において、RとRとが、RとRとが、RとRとが、RとRとが、RとRとが、あるいはRとRとがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環が二重結合を有していてもよい。
また前記式(1−1)において、RとRとで、またはRとRとでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素数1〜20のアルキリデン基であり、具体的な例としてはメチレン基(CH=)、エチリデン基(CHCH=)、プロピリデン基(CHCHCH=)およびイソプロピリデン基((CH)C=)などをあげることができる。
前記式(1−1)で表される非共役環状ポリエン(A2)の具体的なものとしては、RとRとで、またはRとRとでアルキリデン基を形成したアルキリデン基を有するアルキリデン基含有非共役環状ポリエン(A2−1)、R〜Rが互いに結合して1個以上の二重結合を有する単環または多環を形成した多環式非共役環状ポリエン(A2−2)、R〜Rの少なくとも1つが二重結合を1個以上有する1価の不飽和炭化水素基である不飽和炭化水素基含有非共役環状ポリエン(A2−3)、RとRとが、またはRとRとが互いに結合して二重結合を形成しており、橋頭炭素原子同士または縮合環の共有炭素原子同士を結ぶ線を対称軸とした場合に環が左右対称性を有する環対称性非共役環状ポリエン(A2−4)などがあげられる。
前記アルキリデン基含有非共役環状ポリエン(A2−1)の具体的なものとしては、式(1−2)
Figure 0005287018
〔式(1−2)中、sは0〜2の整数、R17はアルキリデン基、R18およびR19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、R18とR19とでアルキリデン基を形成していてもよい。〕
で表されるアルキリデン基含有非共役環状ポリエンがあげられる。
前記式(1−2)のR17で示されるアルキリデン基の具体的なものとしては、メチレ基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基などの炭素数1〜20のアルキリデン基があげられる。
前記式(1−2)のsは0が好ましい。R18およびR19で示されるハロゲン原子としては、前記と同じものがあげられる。また炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基などがあげられる。
前記式(1−2)で表されるアルキリデン基含有非共役環状ポリエン(A2−1)の具体的なものとしては、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネンおよび下記の化合物などがあげられる。これらの中では5−エチリデン−2−ノルボルネンが好ましい。
Figure 0005287018
前記多環式非共役環状ポリエン(A2−2)の具体的なものとしては、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ジメチルジシクロペンタジエンおよび下記のものなどがあげられる。
Figure 0005287018
前記不飽和炭化水素基含有非共役環状ポリエン(A2−3)の具体的なものとしては、5−ビニル−2−ノルボルネンおよび下記のものなどがあげられる。
Figure 0005287018
前記環対称性非共役環状ポリエン(A2−4)の具体的なものとしては、次の化合物などがあげられる。
Figure 0005287018
前記式(1−1)で表される非共役環状ポリエン(A2)としては、mが0の非共役環状ポリエンが好ましく、特に前記式(1−1)においてmが0のアルキリデン基含有非共役環状ポリエン(A2−1)、すなわち前記式(1−2)においてsが0のアルキリデン基含有非共役環状ポリエン(A2−1)、または前記式(1−1)においてmが0の多環式非共役環状ポリエン(A2−2)が好ましい。その中でも最も好ましいものは前記式(1−2)においてsが0のアルキリデン基含有非共役環状ポリエン(A2−1)であり、具体的には5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が最も好ましい。
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体を構成する非共役鎖状ポリエン(A3)は、1分子内に非共役の不飽和結合を2個以上有する化合物であり、非共役ジエン、非共役トリエンまたは非共役テトエラエンなどが使用できる。非共役鎖状ポリエン(A3)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
非共役鎖状ポリエン(A3)としては、前記式(2−1)で示される非共役トリエンまたはテトラエン(A3−1)、その中でも下記式(2−2)で示される非共役トリエン(A3−2)が、制動性と燃費特性とのバランス、加硫特性、加硫時の取り扱い性(スコーチ安定性)などの点で好ましい。
Figure 0005287018
〔式(2−2)中、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基またはエチル基である。ただし、RとRとが同時に水素原子になることはない。〕
なお、前記式(2−2)で示される非共役トリエン(A3−2)は、前記式(2−1)で示される非共役トリエンまたはテトラエン(A3−1)においてfが0、gが2、pが0、qが1、RおよびRが水素原子である非共役トリエンである。さらに前記式(2−2)で示される非共役トリエン(A3−2)の中でも、RおよびRがどちらもメチル基である化合物が好ましく、このような非共役トリエン(A3−2)をモノマー原料として用いて得られる本発明の非共役環状ポリエン系共重合体は、後述のゴム組成物からタイヤを製造した場合に、制動性および燃費性能がどちらも特に優れた性能を有した状態で両立している。
非共役鎖状ポリエン(A3)の具体的なものとしては、1,4−ヘキサジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、6,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、6,7−ジメチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−メチル−1,6−デカジエン等があげられる。
前記式(2−1)で示される非共役トリエンまたはテトラエン(A3−1)としては、具体的には下記化合物などがあげられる(ただし、前記式(2−2)に含まれる化合物は除く)。
Figure 0005287018
Figure 0005287018
Figure 0005287018
上記非共役トリエンまたはテトラエン(A3−1)の中では、第1番目に例示した4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(以下、EMNDと略記する場合がある。)が制動性と燃費性能の点で好ましい。
前記式(2−2)で示される非共役トリエン(A3−2)としては、具体的には下記化合物などがあげられる。
Figure 0005287018
上記非共役トリエン(A3−2)の中では、第1番目に例示した4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(以下、DMDTと略記する場合がある。)が好ましい。
前記式(2−1)および式(2−2)で示される非共役ポリエンは、通常幾何異性構造(トランス体、シス体)を有しているが、本発明でモノマーとして用いる非共役ポリエン(A3)はトランス体およびシス体の混合物であってもよく、またトランス体単独またはシス体単独であってもよい。
前記式(2−1)で示される非共役トリエンまたはテトラエン(A3−1)は、公知の方法で製造することができる。例えば、pが0でqが1の非共役トリエンまたはテトラエンは、まずビニル基含有ハロゲン化物(例えばハロゲン化アリル、ハロゲン化ビニル)と金属Mgとを反応させてグリニヤール試薬(アリル−MgXまたはビニル−MgX)を製造する。次に、このグリニヤール試薬と、非共役二重結合含有鎖状炭化水素のハロゲン化物(例えばハロゲン化ゲラニル)とを反応させると、遊離基反応により、前記式(2−1)で示される非共役トリエンまたはテトラエン(A3−1)が得られる。またpが1でqが0の非共役トリエンまたはテトラエンは、エチレンと下記式(2−3)または(2−4)で表される共役ジエン化合物とを反応させることにより製造することができる。これらの製造方法は、本願出願人が出願した特開平9−235327号(対応USPNo.5744566)などに詳細に記載されている。
Figure 0005287018
〔式(2−3)および(2−4)中、f、g、R、RおよびR〜Rは前記式(2−1)と同じである。〕
前記式(2−2)で示される非共役トリエン(A3−2)は、式(2−5)
Figure 0005287018
〔式(2−5)中、R、R、R、RおよびRはそれぞれ前記式(2−2)のものと同じである。〕
で示される共役ジエン構造を有するトリエン化合物(以下、共役ジエン構造含有トリエン化合物という)とエチレンとを反応させることにより製造することができる。
前記式(2−5)で示される共役ジエン構造含有トリエン化合物とエチレンとの反応は、温度が通常30〜200℃、好ましくは50〜150℃、エチレン圧が通常0.05〜9.8MPa(0.5〜100kgf/cm、ゲージ圧)、好ましくは0.2〜6.9MPa(2〜70kgf/cm、ゲージ圧)、反応時間が通常0.5〜30時間の条件で行うのが望ましい。また反応雰囲気は、エチレン単独の雰囲気でもよく、あるいはエチレンと共に窒素やアルゴン等の不活性ガスを含む雰囲気でもよい。反応溶媒は特に用いる必要はないが、用いてもよい。反応溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、トリデカン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒を好ましく用いることができる。
前記式(2−5)で示される共役ジエン構造含有トリエン化合物とエチレンとの反応は、通常触媒の存在下に行われる。触媒としては、遷移金属のチオシアン酸塩、この塩の遷移金属の配位子となり得る有機化合物、および有機アルミニウム化合物からなる触媒などを使用することができる。
前記遷移金属のチオシアン酸塩としては、具体的には鉄、ルテニウム等の周期表(1〜18族で示される周期表)の8族;コバルト、ロジウム、イリジウム等の9族;およびニッケル、パラジウム等の10族からなる群から選ばれる遷移金属のチオシアン酸塩をあげることができる。
前記配位子となり得る有機化合物としては、例えばトリ−o−トリルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、トリフェニルホスファイト、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフェート等の含リン化合物などをあげることができる。
前記有機アルミニウム化合物としては、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシドなどをあげることができる。
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体は、α−オレフィン(A1)および前記式(1−1)で表される非共役環状ポリエンなどの非共役環状ポリエン(A2)、またはα−オレフィン(A1)、前記式(1−1)で表される非共役環状ポリエンなどの非共役環状ポリエン(A2)および前記式(2−1)で表される非共役鎖状ポリエンなどの非共役鎖状ポリエン(A3)を、触媒の存在下に共重合させることにより製造することができる。上記触媒としては、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)などの遷移金属化合物(C)と、有機アルミニウム化合物もしくは有機アルミニウムオキシ化合物(D)および/またはイオン化イオン性化合物(E)とからなる触媒などが使用できる。
触媒の具体的なものとしては、
(1)可溶性バナジウム化合物(c−1)と、有機アルミニウム化合物(d−1)とからなるバナジウム系触媒、および
(2)1〜18族で示される周期表(以下同じ)の4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物(c−2)と、有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)および/またはイオン化イオン性化合物(e−1)とからなるメタロセン系触媒などがあげられる。
前記バナジウム系触媒を形成する可溶性バナジウム化合物(c−1)としては、下記式(3)または(4)で表されるバナジウム化合物などがあげられる。
VO(OR) …(3)
V(OR) …(4)
〔式(3)および(4)中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子である。a、b、cおよびdはそれぞれ0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4を満たす。〕
上記可溶性バナジウム化合物(c−1)としては、電子供与体を接触させて得られる可溶性バナジウム化合物の電子供与体付加物を用いることもできる。
バナジウム系触媒を形成する有機アルミニウム化合物(d−1)としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が使用できる。このような化合物としては、例えば式(5)
(R)Al(OR)…(5)
〔式(5)中、RおよびRは炭素原子を通常1〜15個、好ましくは1〜4個含む炭化水素基であり、これらは互いに同一でも異なってもよい。Xはハロゲン原子である。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかもm+n+p+q=3である。〕
で表される有機アルミニウム化合物などをあげることができる。
前記メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物(c−2)は、周期表4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的には下記式(7)で表される。
MLx …(7)
〔式(7)中、Mは周期表4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属Mの原子価、Lは配位子である。〕
式(7)において、Mで示される遷移金属の具体的なものとしては、ジルコニウム、チタンおよびハフニウムなどがあげられる。
式(7)において、Lは遷移金属に配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、i-、sec-またはt-ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などがあげられる。
上記シクロペンタジエニル骨格を有する基は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
式(7)で表される化合物が配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Rはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、またはハロゲン原子もしくはアルキル基で置換されたアリール基である。)などがあげられる。
配位子Lの炭素数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基などがあげられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基およびドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等のアラルキル基などがあげられる。
配位子Lのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基などがあげられる。アリーロキシ基としては、フェノキシ基などがあげられる。スルホン酸含有基(−SO)としては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンスルホナト基などがあげられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。
前記式(7)で表されるメタロセン化合物は、例えば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記式(8)で表される。
M …(8)
〔式(8)中、Mは式(7)の遷移金属、Rはシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)、R、RおよびRはそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかまたは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数、k+l+m+n=4である。〕
以下に、Mがジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物(c−2)を例示する。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
上記の1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換えた化合物を本発明で用いることもできる。
またメタロセン化合物(c−2)としては、前記式(8)において、R、R、RおよびRの少なくとも2個、例えばRおよびRがシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときRおよびRはそれぞれ独立に式(7)中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物(c−2)としては、
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロリド、
rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどがあげられる。
また上記化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
またメタロセン化合物(c−2)として、下記式(9)で表される化合物を用いることもできる。
MX …(9)
〔式(9)中、Mは周期表4族またはランタニド系列の金属である。Lは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。Xはそれぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケイ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。〕
式(9)で表される化合物の中では、下記式(10)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005287018
式(10)中、Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウム、Xは式(9)と同様である。CpはMにπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表4族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
このような式(10)で表される化合物としては、
(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリド、
((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)チタンジクロリドなどがあげられる。
また上記メタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物をあげることもできる。
式(9)または(10)で表されるメタロセン化合物(c−2)としては、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有するジルコノセン化合物が好ましく用いられる。
次にメタロセン系触媒を形成する際に用いられる有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)およびイオン化イオン性化合物(e−1)について説明する。
有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)は、公知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)であってもよい。
このような公知のアルミノオキサンは、具体的には下記式(11)または(12)で表される。
Figure 0005287018
〔式(11)および(12)において、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数である。〕
式(11)または(12)において、アルミノオキサンは式(OAl(R))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl(R))で表されるアルキルオキシアルミニウム単位[ここで、RおよびRはRと同様の炭化水素基を例示することができ、RおよびRは相異なる基を表す]からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。
なお有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
イオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)(e−1)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。
上記ルイス酸としては、BR(Rはフッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で表される化合物があげられる。ルイス酸の具体的なものとしては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどがあげられる。
前記イオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などがあげられる。イオン性化合物としてのトリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などがあげられる。イオン性化合物としてのジアルキルアンモニウム塩としては、ジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などがあげられる。
前記イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどをあげることもできる。
前記ボラン化合物としては、デカボラン(9);ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などがあげられる。
前記カルボラン化合物としては、4-カルバノナボラン(9)、1,3-ジカルバノナボラン(8)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などがあげられる。
上記のようなイオン化イオン性化合物(e−1)は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。
またメタロセン系触媒を形成するに際しては、有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)またはイオン化イオン性化合物(e−1)とともに、前記有機アルミニウム化合物(d−1)を用いてもよい。
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体を製造するには、前記バナジウム系触媒またはメタロセン系触媒の存在下に、α−オレフィン(A1)および非共役環状ポリエン(A2)、またはα−オレフィン(A1)および非共役環状ポリエン(A2)および非共役環状ポリエン(A3)を、通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、モノマーを溶媒として用いてもよい。
共重合はバッチ法または連続法いずれの方法で行ってもよい。共重合をバッチ法で実施するに際しては、前記触媒は以下のような濃度で用いられる。
可溶性バナジウム化合物(c−1)と有機アルミニウム化合物(d−1)とからなるバナジウム系触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性バナジウム化合物の濃度は、通常0.01〜5ミリモル/liter(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリモル/literである。可溶性バナジウム化合物(c−1)は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。また有機アルミニウム化合物(d−1)は、重合系内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子のモル比(Al/V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜20の量で供給される。
可溶性バナジウム化合物(c−1)および有機アルミニウム化合物(d−1)は、通常前記炭化水素溶媒および/または液状のモノマーで希釈されて供給される。この際、可溶性バナジウム化合物(c−1)は上記濃度に希釈されることが望ましいが、有機アルミニウム化合物(d−1)は重合系内における濃度の例えば50倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されることが望ましい。
またメタロセン化合物(c−2)と、有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)またはイオン化イオン性化合物(e−1)とからなるメタロセン系触媒が用いられる場合には、重合系内のメタロセン化合物(c−2)の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/liter(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/literである。また有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)は、重合系内のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
イオン化イオン性化合物(e−1)の場合は、重合系内のメタロセン化合物(c−2)に対するイオン化イオン性化合物(e−1)のモル比(イオン化イオン性化合物(e−1)/メタロセン化合物(c−2))で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
また有機アルミニウム化合物(d−1)が用いられる場合には、通常約0〜5ミリモル/liter(重合容積)、好ましくは約0〜2ミリモル/literとなるような量で用いられる。
前記バナジウム系触媒の存在下に共重合を行う場合には、共重合反応は、通常温度が−50〜+100℃、好ましくは−30〜+80℃、さらに好ましくは−20〜+60℃で、圧力が0を超えて4.9MPa(50kgf/cm、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて2.0MPa(20kgf/cm、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
前記メタロセン触媒の存在下に共重合を行う場合には、共重合反応は、通常温度が−20〜+150℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
共重合に際して、α−オレフィン(A1)および非共役環状ポリエン(A2)、またはα−オレフィン(A1)および非共役環状ポリエン(A2)および非共役環状ポリエン(A3)は、前記特定組成の非共役環状ポリエン系共重合体が得られるような量で重合系に供給される。また共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
上記のようにして共重合を行うと、本発明の非共役環状ポリエン系共重合体は通常これを含む重合液として得られる。この重合液は、常法により処理され、非共役環状ポリエン系共重合体が得られる。
本発明のゴム組成物は非共役環状ポリエン系共重合体(以下、非共役環状ポリエン(A)と表記する)とジエン系ゴム(B)とを含むゴム組成物であり、これらの成分の含有割合は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)/ジエン系ゴム(B)の重量比で40/60〜5/95である。両成分の含有割合が上記範囲にあるので、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができるほか、耐候性の改良、減衰率のコントロール等で優れた特徴が発揮されるゴム組成物を得ることができ、また上記好ましい範囲、さらに好ましい範囲の含有割合になる程、制動性と燃費性能とのバランスにより優れ、また耐候性の改良、減衰率のコントロール等でより優れたゴム組成物を得ることができる。
本発明で用いる上記ジエン系ゴム(B)としては、主鎖に二重結合を有する公知のジエン系ゴムが制限なく使用できるが、共役ジエン化合物を主モノマーとする重合体または共重合体ゴムが好ましい。ジエン系ゴム(B)には天然ゴム(NR)、水添ゴムも含まれる。ジエン系ゴム(B)としては、ヨウ素価が100以上、好ましくは200以上、さらに好ましくは250以上のものが望ましい。
ジエン系ゴム(B)の具体的なものとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ニトリルゴム、水添ニトリルゴムなどがあげられる。これらの中では天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)が好ましく、特にスチレン・ブタジエンゴム(SBR)が好ましい。ジエン系ゴム(B)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
天然ゴム(NR)としては、グリーンブック(天然ゴム各種等級品の国際品質包装基準)により規格化された天然ゴムを用いることができる。
イソプレンゴム(IR)としては、比重が0.91〜0.94、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が30〜120のものが好ましく用いられる。
スチレン・ブタジエンゴム(SBR)としては、比重が0.91〜0.98、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が20〜120のものが好ましく用いられる。
ブタジエンゴム(BR)としては、比重が0.90〜0.95、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕が20〜120のものが好ましく用いられる。
本発明のゴム組成物は、加硫可能なゴム組成物であり、未加硫のままで用いることもできるが、加硫物として用いると、より一層優れた特性を発現させることができる。加硫は、加硫剤(F)を使用して加熱する方法、あるいは加硫剤(F)を用いずに電子線を照射する方法などにより行うことができる。
本発明のゴム組成物を加熱により加硫する場合には、ゴム組成物中に加硫剤(F)、加硫促進剤、加硫助剤などの加硫系を構成する化合物を配合することができる。
上記加硫剤(F)としては、イオウ、イオウ系化合物および有機過酸化物などを用いることができる。
イオウの形態は特に限定されず、例えば粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどを用いるこができる。
前記イオウ系化合物としては、具体的には塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどがあげられる。
前記有機過酸化物としては、具体的にはジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルペルオキシド、ジ-t-アミルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)-ヘキサン、α,α'-ビス(t-ブチルペルオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、t-ブチルヒドロペルオキシド等のアルキルペルオキシド類;t-ブチルペルオキシアセテート、t-ブチルペルオキシイソブチレート、t-ブチルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシマレイン酸、t-ブチルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−t-ブチルペルオキシフタレート等のペルオキシエステル類;ジシクロヘキサノンペルオキシド等のケトンペルオキシド類などがあげられる。これらは2種以上組み合せて用いてもよい。
これらの中では、1分半減期温度が130〜200℃である有機過酸化物が好ましく、具体的にはジクミルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルペルオキシド、ジ-t-アミルペルオキシドおよびt-ブチルヒドロペルオキシドなどが好ましい。
上記のような各種加硫剤(F)の中でも、イオウまたはイオウ系化合物、特にイオウを用いると優れた特性のゴム組成物を得ることができるため好ましい。
加硫剤(F)がイオウまたはイオウ系化合物である場合は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量で用いることができる。
また加硫剤(F)が有機過酸化物である場合は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して0.05〜15重量部、好ましくは0.15〜5重量部の量で用いることができる。
加硫剤(F)としてイオウまたはイオウ化合物を用いる場合には、加硫促進剤を併用することが好ましい。
加硫促進剤としては、具体的にはN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2-(4'-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;2-メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;亜鉛華などがあげられる。
上記のような加硫促進剤は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の量で用いることが望ましい。
加硫剤(F)として有機過酸化物を用いる場合には、加硫助剤を有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル、好ましくはほぼ等モルの量で併用することが好ましい。
加硫助剤としては、具体的にはイオウ;p-キノンジオキシム等のキノンジオキシム系化合物に加えて、多官能性モノマー、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等の(メタ)アクリレート系化合物;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系化合物;m-フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系化合物;ジビニルベンゼンなどがあげられる。
本発明のゴム組成物には補強剤および軟化剤などの充填剤(G)を配合することもできる。
上記補強剤としては、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック;これらのカーボンブラックをシランカップリング剤などで表面処理した表面処理カーボンブラック;シリカ、活性化炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉タルク、タルク、微粉ケイ酸、クレー等の無機充填剤などがあげられる。
補強剤の配合量は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して300重量部以下、好ましくは10〜300重量部、さらに好ましくは10〜200重量部とするのが望ましい。
このような量の補強剤を含有するゴム組成物からは、引張強度、引裂強度および耐摩耗性などの機械的性質が向上された加硫ゴムが得られる。また加硫ゴムの他の物性を損なうことなく硬度を高くすることができ、さらにコストを引下げることができる。
前記軟化剤としては、従来ゴムに配合されている軟化剤が広く用られる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油、ファクチス、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質などがあげられる。これらの中では石油系軟化剤が好ましく、特にプロセスオイルが好ましい。
軟化剤の配合量は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して200重量部以下、好ましくは10〜200重量部、さらに好ましくは10〜150重量部とするのが望ましい。
本発明のゴム組成物には、上記成分の他にも、他の成分として発泡剤、発泡助剤等の発泡系を構成する化合物、酸化防止剤(安定剤)、加工助剤、可塑剤、着色剤、他のゴム配合剤など、種々の薬剤などを配合することができる。他の成分は、用途に応じてその種類、含有量が適宜選択される。
本発明のゴム組成物は、発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合物を含有する場合には、発泡成形することができる。
発泡剤としては、一般的にゴムを発泡成形する際に用いられる発泡剤を広く使用することができる。具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4-ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物などがあげられる。これらの中では、ニトロソ化合物、アゾ化合物、アジド化合物が好ましい。
発泡剤は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いることができる。このような量で発泡剤を含有するゴム組成物からは、見かけ比重0.03〜0.8g/cmの発泡体を製造することができる。
また発泡剤とともに発泡助剤を用いることもでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの効果がある。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸等の有機酸、尿素またはその誘導体などがあげられる。
発泡助剤は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の量で用いることができる。
本発明のゴム組成物は、酸化防止剤を含有していると材料寿命を長くすることができて好ましい。この酸化防止剤としては、具体的にはフェニルナフチルアミン、4,4'-(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェノール系安定剤;ビス[2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系安定剤;2-メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系安定剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系安定剤などがあげられる。これらは2種以上併用することもできる。
このような酸化防止剤は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して5重量部以下、好ましくは3重量部以下の量で用いることができる。
加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の酸、これら高級脂肪酸の塩、例えばステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類などがあげられる。
加工助剤は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して10重量部以下、好ましくは5重量部以下の量で用いることができる。
本発明のゴム組成物は、非共役環状ポリエン系共重合体(A)、ジエン系ゴム(B)および必要により配合する上記のような他の成分から、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製することができる。例えばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックス等のインターナルミキサー類を用いて、非共役環状ポリエン系共重合体(A)、ジエン系ゴム(B)および必要により配合する他の成分を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、加硫剤(F)および必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、発泡剤などを加えて、オープンロールなどのロール類あるいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。このようにして通常リボン状またはシート状のゴム組成物(配合ゴム)が得られる。上記のインターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、加硫剤(F)、加硫促進剤、発泡剤などを同時に混練することもできる。
本発明のゴム組成物の加硫物(加硫ゴム)は、上記のような未加硫のゴム組成物を、通常押出成形機、カレンダーロール、プレス、射出成形機またはトランスファー成形機などの成形機を用いた種々の成形法よって所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは電子線を照射することにより加硫して得ることができる。発泡体の場合は、発泡剤を配合した未加硫のゴム配合物を上記のような方法で加硫することにより、加硫とともに発泡が進行し、発泡体が得られる。
上記ゴム組成物を加熱により加硫する場合には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームまたはLCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜30分間加熱することが好ましい。
また加硫剤(F)を使用せずに電子線照射により加硫する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1〜10MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射すればよい。
成形・加硫に際しては、金型を用いてもよく、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。
本発明のゴム組成物は、路面とのグリップ性の向上による制動性の向上と、安定走行時の転がり抵抗の低減による燃費の向上との両者を両立させることができ、このため本発明のゴム組成物を原料として用いることにより優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができる。また本発明のゴム組成物は、耐候性、耐オゾン性、ゴム弾性、機械強度、硬度などにも優れている。
本発明のゴム組成物はゴム製品の原料として幅広く利用することができるが、タイヤ用ゴム材料として好適に使用することができる。タイヤ用ゴム材料の具体的なものとしては、タイヤトレッド、タイヤサイドウォールなどの材料があげられる。これらの中では、タイヤトレッドの材料(原料)として用いるのが最も好ましく、この場合本発明のゴム組成物の特性が最も効果的に発揮され、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立し、さらに耐候性、耐オゾン性などにも優れたタイヤを得ることができる。
また本発明のタイヤ用ゴム材料は前記本発明のゴム組成物を含むものであり、本発明のゴム組成物だけからなっていてもよいし、他のゴムや添加剤などが含まれていてもよい。本発明のタイヤ用ゴム材料中の本発明のゴム組成物の含有量は3重量%以上、好ましくは5〜90重量%であるのが望ましい。本発明のタイヤ用ゴム材料は優れた制動性と優れた燃費性能とが両立しているほか、ゴム弾性、機械強度、耐候性、耐オゾン性、硬度などにも優れている。タイヤ用ゴム材料の具体的なものとしては、前記と同じものがあげられる。
本発明のタイヤトレッドは前記本発明のタイヤ用ゴム材料から得られるものであり、本発明のタイヤ用ゴム材料だけから得られるものであってもよいし、他のゴムや添加剤などが含まれていてもよい。本発明のタイヤトレッドの本発明のタイヤ用ゴム材料の含有量は3重量%以上、好ましくは5〜90重量%であるのが望ましい。本発明のゴム組成物またはタイヤ用ゴム材料を加硫して得られるタイヤトレッドは優れた制動性と優れた燃費性能とが両立し、さらに耐候性、耐オゾン性などにも優れている。
本発明のタイヤは前記本発明のタイヤトレッドを備えたタイヤである。本発明のタイヤは優れた制動性と優れた燃費性能とが両立し、さらに耐候性、耐オゾン性などにも優れている。
本発明の非共役環状ポリエン系共重合体は新規な共重合体であり、タイヤ用ゴム材料の原料などとして有用である。
本発明のゴム組成物は、特定の物性を有する非共役環状ポリエン系共重合体およびジエン系ゴムを特定の割合で含有しているので、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができる。
本発明のタイヤ用ゴム材料は上記ゴム組成物を含有しているので、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立しているほか、ゴム弾性、機械強度、耐候性、耐オゾン性、硬度などにも優れている。
本発明のタイヤトレッドは上記タイヤ用ゴム材料から得られるので、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立しているとともに、耐候性、耐オゾン性などにも優れている。
本発明のタイヤは上記タイヤトレッドを備えているので、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立しているとともに、耐候性、耐オゾン性などにも優れている。
次に本発明の実施例について説明する。
実施例1
〔非共役環状ポリエン系共重合体の合成〕
充分に窒素置換した2 literのステンレス(SUS)製オートクレーブに、不純物を除去したヘプタン970mlおよびENB 30mlを23℃で仕込み、このSUS製オートクレーブを50℃まで加熱し、50℃となったところで、全圧が0.78MPa(8kgf/cm、ゲージ圧)となるようエチレンで加圧した。次に1.0mmolのトリイソブチルアルミニウムを圧入した。続いて、予め23℃で調製したラセミ−イソプロピリデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド/メチルアルミノキサンのトルエン溶液(Zr濃度:0.001mmol/ml、Al濃度:0.5mmol/ml)5mlをオートクレーブに圧入した。なおメチルアルミノキサンは東ソーアクゾ(株)の製品を用いた。
ラセミ−イソプロピリデンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド/メチルアルミノキサンのトルエン溶液圧入後10分間、重合を行った。圧力はエチレン加圧により圧入直後の圧力を維持した。規定時間後オートクレーブにメタノール3mlを窒素で圧入し、重合を停止した。
この結果、エチレン含量87.6mol%、ENB含量12.4mol%、極限粘度〔η〕1.1dl/g、ヨウ素価80のエチレン・ENB共重合体が28g得られた。またこの共重合体の動的粘弾性測定から求めたTgは13℃であった。結果を表1に示す。
実施例2
ENBの仕込量を変更した以外は実施例1と同様に合成を行った。結果を表1に示す。
実施例3
〔非共役環状ポリエン系共重合体の合成〕
充分に窒素置換した2 literのステンレス(SUS)製オートクレーブに、不純物を除去したヘプタン950mlおよびENB 50mlを23℃で仕込み、このSUS製オートクレーブを80℃まで加熱し、80℃となったところで、水素を70Nml添加し、全圧が0.78MPa(8kgf/cm、ゲージ圧)となるようエチレンで加圧した。次に先ず0.35mmolのトリイソブチルアルミニウムを圧入した。続いて、0.002mmol/ml濃度の(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリドのヘキサン溶液1.5ml(0.003mmol)、および0.004mmol/ml濃度の(C)CB(C)のヘキサンスラリー5ml(0.02mmol)をそれぞれ個別に圧入した。
(C)CB(C)圧入後3分間、重合を行った。圧力はエチレン加圧により圧入直後の圧力を維持した。規定時間後オートクレーブにメタノール3mlを窒素で圧入し、重合を停止した。
この結果、エチレン含量88.2mol%、ENB含量11.8mol%、極限粘度〔η〕1.2dl/g、ヨウ素価76のエチレン・ENB共重合体が15g得られた。またこの共重合体の動的粘弾性測定から求めたTgは12℃であった。結果を表1に示す。
実施例4
〔非共役環状ポリエン系共重合体の合成〕
充分に窒素置換した2 literのステンレス(SUS)製オートクレーブに、不純物を除去したヘプタン990mlおよびENB 10mlを23℃で仕込み、このSUS製オートクレーブを30℃まで加熱し、30℃となったところで、水素を100Nml添加し、全圧が0.59MPa(6kgf/cm、ゲージ圧)となるようエチレンで加圧した。次に先ず1.0mmolのエチルアルミニウムセスキクロリドを圧入した。続いて、0.01mmol/mlのジクロロエトキシバナジウムオキシドのヘキサン溶液10ml(0.1mmol)を圧入した。
ジクロロエトキシバナジウムオキシドのヘキサン溶液圧入後2分間、重合を行った。圧力はエチレン加圧により圧入直後の圧力を維持した。規定時間後オートクレーブにメタノール10mlを窒素で圧入し、重合を停止した。
この結果、エチレン含量87.1mol%、ENB含量12.9mol%、極限粘度〔η〕1.3dl/g、ヨウ素価82のエチレン・ENB共重合体が7g得られた。またこの共重合体の動的粘弾性測定から求めたTgは14℃であった。結果を表1に示す。
実施例5
〔非共役環状ポリエン系共重合体の合成〕
充分に窒素置換した2 literのステンレス(SUS)製オートクレーブに、不純物を除去したヘプタン860mlおよびENB 40mlを23℃で仕込み、このSUS製オートクレーブを80℃まで加熱し、80℃となったところで、水素を20Nml添加し、続いてプロピレンを0.25MPa(2.5kgf/cm、ゲージ圧)まで供給し最後に全圧が0.59MPa(6kgf/cm、ゲージ圧)となるようエチレンで加圧した。次に先ず0.35mmolのトリイソブチルアルミニウムを圧入した。続いて、0.002mmol/ml濃度の(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリドのヘキサン溶液1.5ml(0.003mmol)、および0.004mmol/ml濃度の(C)CB(C)のトルエン溶液2.5ml(0.01mmol)をそれぞれ個別に圧入した。
(C)CB(C)圧入後10分間、重合を行った。圧力はエチレン加圧により圧入直後の圧力を維持した。規定時間後オートクレーブにメタノール3mlを窒素で圧入し、重合を停止した。
この結果、エチレン含量49.6mol%、プロピレン含量43.4mol%、ENB含量7.0mol%、極限粘度〔η〕1.1dl/g、ヨウ素価64のエチレン・プロピレン・ENB共重合体が39.7g得られた。またこの共重合体の動的粘弾性測定から求めたTgは−18℃であった。結果を表2に示す。
実施例6
〔非共役環状ポリエン系共重合体の合成〕
充分に窒素置換した2 literのステンレス(SUS)製オートクレーブに、不純物を除去したヘプタン836.7ml、ENB50mlおよびジメチルデカトリエン(DMDT)13.3mlを23℃で仕込み、このSUS製オートクレーブを80℃まで加熱し、80℃となったところで、プロピレンを0.25MPa(2.5kgf/cm、ゲージ圧)まで供給し続いて全圧が0.59MPa(6kgf/cm、ゲージ圧)となるようエチレンで加圧した。次に先ず0.7mmolのトリイソブチルアルミニウムを圧入した。続いて、0.002mmol/ml濃度の(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリドのヘキサン溶液2.0ml(0.004mmol)、および0.004mmol/ml濃度の(C)CB(C)のトルエン溶液2.5ml(0.01mmol)をそれぞれ個別に圧入した。
(C)CB(C)圧入後30分間、重合を行った。圧力はエチレン加圧により圧入直後の圧力を維持した。規定時間後オートクレーブにメタノール3mlを窒素で圧入し、重合を停止した。
この結果、エチレン含量57.8mol%、プロピレン含量34.1mol%、ENB含量6.8mol%、DMDT含量1.3mol%、極限粘度〔η〕1.1dl/g、ヨウ素価73のエチレン・プロピレン・ENB・DMDT共重合体が17.0g得られた。結果を表2に示す。
Figure 0005287018
Figure 0005287018
表1および表2の注
*1 〔η〕:極限粘度〔η〕、135℃デカリン中で測定
*2 Tg:ゴム組成物から幅10mm、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状サンプルを成形し、このサンプルを用い、レオメトリック社製のRDSIIを使用して、周波数=10Hz、歪み=0.1%、昇温速度=2℃/分で動的粘弾性の測定を行い、減衰率(tanδ)のピーク温度をTgとした。
実施例7
表3に示す組成で各成分を用いて、オープンロール(前ロール/後ロール=60/60℃、16/18rpm)で混練し、未加硫の配合ゴムを得た。この未加硫の配合ゴムを160℃に加熱されたプレスにより20分間加熱して加硫シートを作製し、下記の試験を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005287018
*1 実施例1の共重合体:表1参照
*2 SBR:スチレン・ブタジエンゴム、ニッポール1502(商標)、日本ゼオン(株)製、ヨウ素価=357
*3 HAFカーボンブラック:HAF旭#70(商標)、旭カーボン社製
*4 ナフテン系オイル:サンセン4240(商標)、日本サン石油社製
*5 加硫促進剤CBZ:サンセラーCM(商標)、三新化学社製
*6 加硫促進剤DPG:サンセラーD(商標)、三新化学社製
比較例1
実施例7において非共役環状ポリエン系共重合体を用いないで、SBRを100重量部用いた以外は実施例7と同様に行った。結果を表4に示す。
Figure 0005287018
*1 T:破断点強度、JIS K6301
*2 E:破断点伸び、JIS K6301
*3 HS(JIS A):硬さ
*4 耐オゾン性:JIS K 6301に基づき40℃、オゾン濃度50pphm、24時間の条件で測定した。(i)亀裂の数、(ii)亀裂の大きさおよび深さを次の評価基準で判定し、(i)と(ii)とを組み合せて劣化状態を記録した。
(i)亀裂の数
A:亀裂少数
B:亀裂多数
C:亀裂無数
(ii)亀裂の大きさおよび深さ
1:肉眼で見えないものが10倍の拡大鏡では確認できるもの
2:肉眼で確認できるもの
3:亀裂が深く比較的大きいもの(1mm未満)
4:亀裂が深く大きいもの(1mm以上3mm未満)
5:3mm以上の亀裂または切断を起こしそうなもの
*5 tanδ:0℃におけるゴム組成物のtanδ(減衰率)をタイヤの制動性の指標とした。0℃におけるtanδが大きいほど制動性が良くなる。また50℃におけるゴム組成物のtanδ(減衰率)を車の燃費の指標とした。50℃におけるtanδが小さいほど燃費が良くなる。なお、tanδ(減衰率)はゴム組成物から幅10mm、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状のサンプル成形し、このサンプルを用いて、レオメトリック社製のRDS−IIにより、1Hz(6.28rad/sec)の条件で粘弾性の温度分散を測定した。
実施例8
表5に示す組成で各成分を用いて、オープンロール(前ロール/後ロール=60/60℃、16/18rpm)で混練し、未加硫の配合ゴムを得た。この未加硫の配合ゴムを160℃に加熱されたプレスにより20分間加熱して加硫シートを作製し、下記の試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 0005287018
*1 実施例5の共重合体:表1参照
*2 SBR:スチレン・ブタジエンゴム、ニッポール1502(商標)、日本ゼオン(株)製、ヨウ素価=357
*3 HAFカーボンブラック:HAF旭#70(商標)、旭カーボン社製
*4 加硫促進剤CBZ:サンセラーCM(商標)、三新化学社製
比較例2
実施例8において非共役環状ポリエン系共重合体を用いないで、SBRを100重量部用いた以外は実施例8と同様に行った。結果を表6に示す。
Figure 0005287018
*1 T:破断点強度、JIS K6301
*2 E:破断点伸び、JIS K6301
*3 HA(SHORE A):硬さ
*4 tanδ:0℃におけるゴム組成物のtanδ(減衰率)をタイヤの制動性の指標とした。0℃におけるtanδが大きいほど制動性が良くなる。また60℃におけるゴム組成物のtanδ(減衰率)を車の燃費の指標とした。60℃におけるtanδが小さいほど燃費が良くなる。なお、tanδ(減衰率)はゴム組成物から幅10mm、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状のサンプル成形し、このサンプルを用いて、レオメトリック社製のRDS−IIにより、歪み0.05%、周波数10Hzの条件で粘弾性の温度分散を測定した。

Claims (4)

  1. (A)α−オレフィン(A1)に由来する構造単位、および非共役環状ポリエン(A2)に由来する構造単位を含むランダム共重合体であって、
    α−オレフィン(A1)に由来する構造単位の含有量が93〜70モル%、非共役環状ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量が7〜30モル%、135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜20dl/g、ガラス転移温度(Tg)が40℃以下、ヨウ素価が64〜104である非共役環状ポリエン系共重合体と、
    (B)ジエン系ゴムと
    を重量比で、非共役環状ポリエン系共重合体(A)/ジエン系ゴム(B)=40/60〜5/95の割合で含む
    ゴム組成物。
  2. α−オレフィン(A1)に由来する構造単位が少なくともエチレンに由来する構造単位を含み、エチレンに由来する構造単位/炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構造単位のモル比が100/0〜1/99である請求項1記載のゴム組成物。
  3. α−オレフィン(A1)に由来する構造単位が少なくともエチレンに由来する構造単位を含み、エチレンに由来する構造単位/炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構造単位のモル比が100/0〜50/50である請求項1記載のゴム組成物。
  4. 非共役環状ポリエン(A2)が下記式(1−1)で表される非共役環状ポリエンである請求項1ないし3のいずれかに記載のゴム組成物。
    Figure 0005287018

    〔式(1−1)中、mは0〜2の整数であり、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、炭化水素基は二重結合を有していてもよく、またR〜Rは互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつこの単環または多環は二重結合を有していてもよく、またRとRとで、またはRとRとでアルキリデン基を形成していてもよく、またRとRとが、またはRとRとが互いに結合して二重結合を形成していてもよい。ただし、R〜Rが互いに結合して形成される単環または多環が二重結合を有さない場合、RとRとで、またはRとRとでアルキリデン基が形成されない場合、ならびにRとRとが、またはRとRとが互いに結合して二重結合が形成されない場合は、R〜Rの少なくとも1つは二重結合を1個以上有する不飽和の炭化水素基である。〕
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