JP2001151822A - エチレン系共重合体ゴム、その製造方法およびゴム組成物 - Google Patents

エチレン系共重合体ゴム、その製造方法およびゴム組成物

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JP2001151822A
JP2001151822A JP33170699A JP33170699A JP2001151822A JP 2001151822 A JP2001151822 A JP 2001151822A JP 33170699 A JP33170699 A JP 33170699A JP 33170699 A JP33170699 A JP 33170699A JP 2001151822 A JP2001151822 A JP 2001151822A
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ethylene
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rubber
carbon atoms
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Kotaro Ichino
光太郎 市野
Masaaki Kawasaki
川崎  雅昭
Keiji Okada
圭司 岡田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優
れ、しかも加硫速度が速く、スコーチ安定性に優れたエ
チレン系共重合体ゴムを提供すること。また、スポンジ
成形において加硫速度と発泡剤の分解速度とのバランス
が取りやすく、加工性に優れ、加硫すると機械的強度に
優れた共重合体ゴムを提供すること。 【解決手段】 エチレン、α−オレフィン、一般
式(1)で表されるトリエン化合物および非共役ジエン
を構造単位として含有するランダム共重合体であって、
この共重合体は、エチレン/α−オレフィン構成比が9
5/5〜40/60(モル比)、トリエン化合物および
非共役ジエンの含有量がそれぞれ0.1〜10モル%で
あって、極限粘度[η]が、0.1〜10である。 【化1】 式中、R1およびR2は各々水素原子、メチル基またはエ
チル基であって、R3およびR4は各々メチル基またはエ
チル基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、エチレン系共重合体ゴ
ム、その製造方法、およびそのゴムを含む組成物に関す
る。さらに詳しくは耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優
れ、しかも加硫速度が速く、加工性に優れたエチレン系
共重合体ゴム、そのゴムの製造方法、およびそのゴムを
含む加硫可能なゴム組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】不飽和エチレン系共重合体は、加
硫可能なポリマーであって、耐候性、耐オゾン性、耐熱
老化性などに優れており、自動車用部品、電気絶縁部
材、建築土木資材、工業用ゴム部材等のゴム材料として
用いられており、またポリプロピレン、ポリスチレン等
へのプラスチックブレンド用材料(改質材)としても広
く用いられている。
【0003】このような不飽和エチレン系共重合体とし
ては、従来エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2
−ノルボルネン(ENB)共重合体、エチレン・プロピ
レン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロ
ピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体などが知られて
いる。これらのうちでもエチレン・プロピレン・5−エ
チリデン−2−ノルボルネン共重合体は、他の不飽和エ
チレン系共重合体に比べ、加硫速度が速いことから広く
用いられている。
【0004】しかしながら、これら従来の不飽和エチレ
ン系共重合体は、加硫速度の一層の向上が望まれてい
る。不飽和エチレン系共重合体の中でも加硫速度が速い
と云われているエチレン・プロピレン・5−エチリデン
−2−ノルボルネン共重合体でも、天然ゴム、スチレン
・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、
ニトリルゴム等の通常のジエン系ゴムに比べると加硫速
度が遅い。従って、ゴム業界が希望する加硫時間を短縮
し、あるいは加硫温度を低くし、その結果加硫時の消費
エネルギー量を低減して、加硫ゴムを生産性よく製造す
ることが難しいとされている。
【0005】加硫可能な重合体は一般的な性質として、
加硫速度が速いものはスコーチ安定性に劣る傾向にあ
る。その理由は、加硫速度が速い重合体では、配合ゴム
の貯蔵工程または加硫工程以前の加工工程などで、時に
は加硫工程以外の工程においても、加硫速度が遅い重合
体に比べて架橋反応が進行しやすく、早期加硫するため
である。このように高速加硫性とスコーチ安定性とは相
反する特性であり、両者の特性を兼ね備えた重合体を得
るのは難しいと考えられてきた。
【0006】例えば、エチレン・プロピレン・ENB共
重合体において、ENBの含有量を増加させてヨウ素価
を大きくすると、この共重合体の加硫速度は速くなる
が、スコーチ安定性が低下して加工工程などにおける取
扱性が悪くなる。具体的には、吐出量の減少、モーター
負荷の増大、シリンダーやダイの詰まり等、粘度上昇速
度が速くなる等のトラブルが発生しやすくなる。一方ヨ
ウ素価を小さくすると、この共重合体のスコーチ安定性
はよくなり取扱性は改善されるが、加硫速度が遅くなる
ため加硫ゴムの生産性が低下する。
【0007】また、不飽和エチレン系共重合体の加硫速
度を速めるために、加硫温度を極端に高くし、あるいは
加硫剤を多量に使用すると、加硫工程のコストアップに
つながるだけでなく、特に加硫温度を極端に高くすると
得られる加硫ゴムの品質は低下し、また、加硫剤を多量
に使用すると得られる加硫ゴムの表面に加硫剤がブルー
ミングしてくることがあって、衛生上も外観上も好まし
いものではない。
【0008】ところで、不飽和エチレン系共重合体の押
出成形によりスポンジを製造する場合、不飽和エチレン
系共重合体の加硫速度と発泡剤の分解速度とのバランス
をとることにより、その発泡倍率や発泡状態を制御する
ことが行われている。
【0009】このようなスポンジ成形において、例え
ば、発泡剤の分解速度よりも加硫速度が速いと、得られ
る成形物の表面肌は比較的きれいに仕上がるが、発泡倍
率の低いものになってしまう。逆に発泡剤の分解速度よ
りも加硫速度が遅いと、発泡剤から発生した気体が抜け
出てしまうので、得られる成形物の表面肌が悪くなった
り、目的の発泡倍率に到達しない。
【0010】このため従来では、表面肌が良好で、しか
も発泡倍率の高いスポンジゴムを成形するためには、加
硫速度と発泡剤の分解速度のバランスを厳密に調整する
必要があった。
【0011】押出成形法による不飽和エチレン系共重合
体のスポンジ製造方法において、熱風槽での加硫法が広
く採用されているが、この方法によると熱伝達が押出成
形体の表面から内部へと進行するため、押出されるスポ
ンジの表面で比較的に速やかに加硫が起こり、発泡倍率
と表面肌とのバランスがある程度保持されたスポンジが
得られるが、なお十分とは云えなかった。
【0012】このような状況から、加硫速度が速く、ス
コーチ安定性に優れ、さらにスポンジ成形においては加
硫速度と発泡剤の分解速度とのバランスが取りやすく、
加硫すると機械的特性などに優れているエチレン系共重
合体ゴムの出現が望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、耐候
性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、しかも加硫速度が速
く、スコーチ安定性に優れたエチレン系共重合体ゴムの
提供を目的としている。また本発明は、スポンジ成形に
おいて加硫速度と発泡剤の分解速度とのバランスが取り
やすく、加工性に優れ、加硫すると機械的強度に優れた
エチレン系共重合体ゴムの提供を目的としている。本発
明はさらに、前記の特性を有するエチレン系共重合体ゴ
ムの製造方法、およびそのエチレン系共重合体ゴムを含
有する加硫可能なゴム組成物の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、次に
示す(i)〜(iv)のモノマーを構造単位として含有
するランダム共重合体であって、(i)エチレン、(i
i)炭素数3〜20のα−オレフィン、(iii)一般式
(1)で表されるトリエン化合物、
【化5】 [式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原
子、メチル基またはエチル基であって、R3およびR4
それぞれ独立してメチル基またはエチル基である。] (iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非
共役ジエン、
【0015】この共重合体は、(a)エチレンから導か
れる単位(i)と、炭素数3〜20のα−オレフィンか
ら導かれる単位(ii)との構成比〔(i)/(ii)〕
が、モル比で表して95/5〜40/60の範囲にあ
り、(b)トリエン化合物から導かれる構造単位が、
0.1〜10モル%の範囲で含有され、(c)非共役ジ
エンから導かれる構造単位が、0.1〜10モル%の範
囲で含有され、(d)135℃、デカリン中で測定され
る極限粘度[η]が、0.1〜10(dl/g)の範囲
にある、このようなエチレン系共重合体ゴムに関する。
【0016】本発明の好ましい態様においては、一般式
(1)で示されるトリエン化合物のR3およびR4が、共
にメチル基であることが望ましく、特に4,8−ジメチ
ル−1,4,8−デカトリエンが好適である。また、α
−オレフィンが、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ンおよび1−オクテンからなる群から選ばれる少なくと
も1種のα−オレフィンであることが望ましい。さら
に、非共役ジエンとしては、脂肪族や脂環族のジエン化
合物が使用できるが、特に5−エチリデン−2−ノルボ
ルネンが好ましい。
【0017】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムの製
造方法は、次に示す(i)〜(iv)のモノマーを遷移
金属化合物(イ)と、有機アルミニウム化合物および/
またはイオン化イオン性化合物(ロ)とから形成される
触媒の存在下にランダム共重合させ、(i)エチレン、
(ii)炭素数3〜20のα−オレフィン、(iii)一般
式(1)で表されるトリエン化合物、
【化6】 [式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原
子、メチル基またはエチル基であって、R3およびR4
それぞれ独立してメチル基またはエチル基である。] (iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非
共役ジエン、
【0018】得られた共重合体が、(a)エチレンから
導かれる単位(i)と、炭素数3〜20のα−オレフィ
ンから導かれる単位(ii)との構成比〔(i)/(i
i)〕が、モル比で表して95/5〜40/60の範囲
にあり、(b)トリエン化合物から導かれる構造単位
が、0.1〜10モル%の範囲で含有され、(c)非共
役ジエンから導かれる構造単位が、0.1〜10モル%
の範囲で含有され、(d)135℃、デカリン中で測定
される極限粘度[η]が、0.1〜10(dl/g)の
範囲にある、このような製造方法に関する。
【0019】さらに、本発明に係るエチレン系共重合体
ゴム組成物は、前記のエチレン系共重合体ゴムに、補強
材、軟化剤、加硫剤、発泡剤、他のゴム状体等を配合し
た加硫可能な組成物である。
【0020】このような本発明に係るエチレン系共重合
体ゴムは、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、しかも
加硫速度が速く、スコーチ安定性に優れ、特にスポンジ
成形においては加硫速度と発泡剤の分解速度とのバラン
スを取りやすく、加工性に優れ、加硫すると機械的強度
に優れている。
【0021】
【発明の具体的な説明】次に、本発明に係るエチレン系
共重合体ゴム、その製造方法、およびその共重合体ゴム
を含むゴム組成物について具体的に説明する。
【0022】[エチレン系共重合体ゴム]本発明に係る
エチレン系共重合体ゴムは、次のモノマー、すなわち
(i)エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα−オレフ
ィンと、(iii)一般式(1)で示されるトリエン化合
物と、(iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有
する非共役ジエンとを構造単位として構成されたランダ
ム共重合体である。
【0023】[α−オレフィン(ii)]炭素数3〜20
のα−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−
1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル
−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、
4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘ
キセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンなど
があげられる。これらの中ではプロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセンおよび1−オクテンなどの炭素数3〜
8のα−オレフィンが好ましい。
【0024】[トリエン化合物(iii)]本発明で使用
されるトリエン化合物は、一般式(1)で表される。
【化7】
【0025】ここで、R1およびR2はそれぞれ独立して
水素原子、メチル基またはエチル基であって、R3およ
びR4はそれぞれ独立してメチル基またはエチル基であ
る。特に、R3およびR4が共にメチル基であることが好
ましい。このようなトリエン化合物をモノマー原料とし
て用いて得られるエチレン系共重合体ゴムは、加硫速度
およびスコーチ特性のバランスに優れている。
【0026】トリエン化合物の好ましい具体例として、
次に示す化合物(3)〜(6)を挙げることができる。
【化8】
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】これらのトリエン化合物の中では、式
(3)で示した4,8−ジメチル−1,4,8−デカト
リエン(以下、DMDTと略記することがある)が好ま
しい。
【0031】前記の一般式(1)で示されるトリエン化
合物は、通常立体異性構造(トランス体、シス体)を有
しているが、モノマーとして用いるトリエン化合物は、
トランス体単独またはシス体単独のいずれでもよく、ま
たトランス体およびシス体の混合物であってもよい。
【0032】これらトリエン化合物は、一般式(7)で
表される共役ジエン構造を有するトリエン化合物(以
下、共役ジエン構造含有トリエン化合物という)とエチ
レンとを反応させることにより製造することができる。
【0033】
【化12】
【0034】一般式(7)において、R1、R2、R3
よびR4は、それぞれ一般式(1)で説明したR1
2、R3およびR4と同じである。
【0035】共役ジエン構造を含有するトリエン化合物
の具体的な例として、次に示す化合物(8)〜(11)
を挙げることができる。
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】前記式(7)で示される共役ジエン構造含
有トリエン化合物とエチレンとの反応は、温度が通常3
0〜200℃、好ましくは50〜150℃、エチレン圧
が通常0.5〜100kgf/cm2(ゲージ圧)、好
ましくは2〜70kgf/cm2(ゲージ圧)、反応時
間が通常0.5〜30時間の条件で行われる。また反応
雰囲気は、エチレン単独の雰囲気でもよく、あるいはエ
チレンと共に窒素やアルゴン等の不活性ガスを含む雰囲
気でもよい。反応溶媒は特に用いる必要はないが、使用
する場合には、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ノナン、デカン、ウンデカン、トリデカン、トルエン、
キシレン等の炭化水素系溶媒が使用できる。
【0040】この合成反応は、通常触媒の存在下で進め
られ、触媒の例としては、遷移金属のチオシアン酸塩、
この塩の遷移金属の配位子となり得る有機化合物、およ
び有機アルミニウム化合物からなる触媒を使用すること
ができる。
【0041】遷移金属のチオシアン酸塩としては、具体
的には鉄、ルテニウム等の鉄族;コバルト、ロジウム、
イリジウム等のコバルト族;およびニッケル、パラジウ
ム等のニッケル族からなる群から選ばれる遷移金属のチ
オシアン酸塩が挙げられる。
【0042】配位子となり得る有機化合物としては、例
えばトリ−o−トリルホスフィン、トリエチルホスフィ
ン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、
トリフェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エ
タン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパ
ン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ト
リフェニルホスファイト、トリフェニルホスフィンオキ
サイド、トリフェニルホスフェート等の含リン化合物な
どが挙げられる。
【0043】有機アルミニウム化合物としては、例えば
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム、塩化ジメチルアルミニウ
ム、塩化ジエチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニ
ウム、ジエチルアルミニウムエトキシドなどが挙げられ
る。
【0044】[非共役ジエン(iv)]本発明で使用さ
れる非共役ジエンとしては、炭素・炭素二重結合のうち
重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ
存在する非共役ジエンが用いられる。なお、ここで重合
可能な炭素・炭素二重結合とは、エチレン系重合体ゴム
を製造する際に使用されるメタロセン系触媒のような立
体規則性重合触媒によって重合可能な二重結合を意味す
る。
【0045】この非共役ジエンには、例えば両末端がビ
ニル基(CH2=CH−)である鎖状ポリエンは含まれ
ない。非共役ジエン分子中の炭素・炭素二重結合は、そ
の内1個の炭素・炭素二重結合のみは、分子末端にビニ
ル基として存在し、他の炭素・炭素二重結合(C=C)
は、主鎖および側鎖を含む分子鎖中に内部オレフィン構
造の形で存在していることが好ましい。このような非共
役ジエン化合物の具体例として、次に記載する脂肪族ジ
エン、脂環族ジエンなどが挙げられ、それらは1種を単
独で用いてもよいし、または2種以上を組合わせて用い
ることもできる。
【0046】脂肪族系の非共役ジエンとしては、次の例
を挙げることができる。 (1) 1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエ
ン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、
1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−
デカジエン、1,13− テトラデカジエン、1,5,
9−デカトリエン、
【0047】(2) 3−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジ
エン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジ
メチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−
1,5−ヘキサジエン、
【0048】(3) 5−メチル−1,4−ヘプタジエ
ン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−
1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジ
エン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル
−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタ
ジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4
−エチル−1,6−ヘプタジエン、
【0049】(4) 4−メチル−1,4−オクタジエ
ン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−
1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジ
エン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル
−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタ
ジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチ
ル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オク
タジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プ
ロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−
オクタジエン、
【0050】(5) 4−メチル−1,4−ノナジエ
ン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−
1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエ
ン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−
1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエ
ン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−
1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエ
ン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−
1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエ
ン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−
1,7−ノナジエン、
【0051】(6) 5−メチル−1,4−デカジエ
ン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−
1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエ
ン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−
1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエ
ン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−
1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエ
ン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−
1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエ
ン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−
1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエ
ン、8−エチル−1,8−デカジエン、 (7) 6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メ
チル−1,8−ウンデカジエン。
【0052】脂環族ジエン化合物の例としては、1個の
炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分
と、内部オレフィン結合(炭素・炭素二重結合)を有す
る鎖状部分とから構成されるジエンが挙げられる。
【0053】例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン(ENB)、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、
5−ブチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられ、5
−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましく
用いられる。その他の脂環族ジエンとしては、具体的に
は、例えば、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、
2−エチル−2,5−ノルボルナジエンなどが挙げられ
る。
【0054】本発明においては、これらの非共役ジエン
の内では、脂環族ジエン化合物が好ましく、中でも5−
エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が特に好まし
く用いられる。
【0055】[エチレン系共重合体ゴムの構造]本発明
に係るエチレン系共重合体ゴムは、前述した(i)エチ
レン、(ii)α−オレフィン、(iii)トリエン化合
物、および(iv)非共役ジエンの各モノマーから誘導
される構造単位が、それぞれランダムに配列し結合して
いる。トリエン化合物は、共重合体分子鎖中に次に示す
一般式(2)の結合様式で含有されている。
【化17】
【0056】従って、このエチレン系共重合体ゴムは、
トリエン化合物に起因する分岐構造と、非共役ジエンに
起因する鎖状または環状の分岐構造とを有するととも
に、主鎖は、実質的に線状構造になっている。この共重
合体が実質的に線状構造を有しており、かつ実質的にゲ
ル状架橋重合体を含有しないことは、この共重合体が有
機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことから確
認することができる。例えば、共重合体の極限粘度
[η]を測定する際に、この共重合体は135℃、デカ
リン溶媒中に完全に溶解することから確認することがで
きる。
【0057】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、
(i)エチレンから誘導される構造単位(エチレン単
位)と、(ii)炭素数3〜20のα−オレフィンから
誘導される構造単位(α−オレフィン単位)とを、モル
比((i)/(ii))で表して95/5〜40/6
0、好ましくは85/15〜50/50、さらに好まし
くは82/18〜55/45の割合で含有している。エ
チレン単位とα−オレフィン単位とが前記の割合で存在
していると、共重合体はゴム的な性状を示し、またその
低温特性が良好になる。
【0058】なお、エチレン単位とα−オレフィン単位
とが前記の存在比率を満たす限りそれらの含有量は特に
限定されないが、エチレン単位とα−オレフィン単位の
合計量を100モル%としたとき、(i)エチレンから
誘導される構造単位を、通常40〜95モル%、好まし
くは50〜85モル%、さらに好ましくは55〜82モ
ル%の割合で、(ii)炭素数3〜20のα−オレフィ
ンから誘導される構造単位を、通常5〜60モル%、好
ましくは15〜50モル%、さらに好ましくは18〜4
5モル%の割合で含有していることが望ましい。
【0059】エチレン系共重合体ゴム中のトリエン化合
物に由来する構造単位は、0.1〜10モル%、好まし
くは0.2〜8モル%、さらに好ましくは0.3〜5モ
ル%の割合で含有している。また、非共役ジエン化合物
から誘導される構造単位は、0.1〜10モル%、好ま
しくは0.2〜8モル%、さらに好ましくは0.3〜5
モル%の割合で含有している。
【0060】なお、トリエン化合物(iii)と非共役ジ
エン化合物(iv)とのモル比((iii)成分/(i
v)成分)が、20/1〜1/20、好ましくは10/
1〜1/10、さらに好ましくは5/1〜1/5となる
ことが望ましい。また、トリエン化合物および非共役ジ
エンに由来する構造単位の合計量が、全構造単位の0.
2〜10モル%の範囲内にあることが望ましく、その範
囲内であれば加硫性および耐環境老化性が共に良好であ
る。
【0061】この共重合体ゴムのヨウ素価は、0.5〜
50、好ましくは1〜40、特に好ましくは5〜35で
あることが望ましい。ヨウ素価が前記の範囲内にある
と、加硫速度が速く、高速加硫が可能になる。
【0062】また、共重合体ゴムの極限粘度[η]は、
135℃、デカリン中で測定した値が、0.1〜10
(dl/g)、好ましくは0.5〜5(dl/g)、さ
らに好ましくは0.8〜4(dl/g)の範囲にある。
極限粘度がこの範囲内にあると、加工性が良好であると
共に、加硫後の機械的強度も高い。
【0063】このような構造と物性とを持ったエチレン
系共重合体ゴムは、押出成形性に優れ、加硫速度が速
く、しかも加硫ゴムではその強度等の機械的特性に優れ
ている。さらにエチレン系共重合体ゴムはスコーチ安定
性に優れているので、加工時の取扱安定性にも優れてお
り、例えば押出機で加工する場合、押出機中で加硫が進
行して粘度が上昇することに起因する吐出量の減少、モ
ーター負荷の増大、またはシリンダーやダイの詰まり等
によるトラブルが回避できる。従って、このエチレン系
共重合体ゴムは、未加硫の状態で利用することもできる
し、加硫状態で使用することもできる。
【0064】[エチレン系共重合体ゴムの製造方法]本
発明に係るエチレン系共重合体ゴムの製造方法は、次に
示す(i)〜(iv)のモノマーを遷移金属化合物
(イ)と、有機アルミニウム化合物および/またはイオ
ン化イオン性化合物(ロ)とから形成される触媒の存在
下にランダム共重合させ、(i)エチレン、(ii)炭素
数3〜20のα−オレフィン、(iii)一般式(1)で
表されるトリエン化合物、
【化18】 [式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原
子、メチル基またはエチル基であって、R3およびR4
それぞれ独立してメチル基またはエチル基である。] (iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非
共役ジエン、
【0065】そして得られた共重合体が、(a)エチレ
ンから導かれる単位(i)と、炭素数3〜20のα−オ
レフィンから導かれる単位(ii)との構成比〔(i)/
(ii)〕が、モル比で表して95/5〜40/60の
範囲にあり、(b)トリエン化合物に由来する構造単位
が、0.1〜10モル%の範囲で含有され、(c)非共
役ジエンから導かれる構造単位が、0.1〜10モル%
の範囲で含有され、(d)135℃、デカリン中で測定
される極限粘度[η]が、0.1〜10(dl/g)の
範囲にある、このようなエチレン系共重合体ゴムの製造
方法である。
【0066】重合触媒としては、バナジウム(V)、ジ
ルコニウム(Zr)、チタン(Ti)などの遷移金属の
化合物と、有機アルミニウム化合物および/またはイオ
ン化イオン性化合物とからなる触媒が使用できる。ここ
で、有機アルミニウム化合物の中には有機アルミニウム
オキシ化合物も含まれる。
【0067】重合触媒の具体的な例としては、(1)固
体状チタン触媒成分と、有機アルミニウム化合物とから
なるチタン系触媒、(2)可溶性バナジウム化合物と、
有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒、
(3)周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタ
ロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および
/またはイオン化イオン性化合物とからなるメタロセン
系触媒、および(4)これら触媒の改良型等々を挙げる
ことができる。
【0068】<チタン系重合触媒>まず、チタン系重合
触媒の一例について、その概要を次に説明する。チタン
系触媒を構成する固体チタン触媒成分は、チタン化合
物、マグネシウム化合物、および電子供与体を接触させ
ることにより調製される。
【0069】チタン化合物としては3価または4価のチ
タン化合物が用いられるが、4価のチタン化合物の方が
好ましい。4価のチタン化合物としては、Ti(OR)
j( 4-j )(Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、0≦j
≦4)で表されるチタン化合物をあげることができ、こ
れらの中ではハロゲン含有チタン化合物が好ましく、さ
らにテトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チ
タンがよい。
【0070】固体チタン触媒成分の調製に用いるマグネ
シウム化合物は、還元性を有するマグネシウム化合物で
あってもよいし、還元性を有しないマグネシウム化合物
であってもよい。還元性を有するマグネシウム化合物と
しては、マグネシウム・炭素結合およびマグネシウム・
水素結合を有するマグネシウム化合物などをあげること
ができる。還元性を有しないマグネシウム化合物として
は、前記の還元性を有するマグネシウム化合物から誘導
した化合物、あるいは触媒成分の調製時に誘導した化合
物などが使用できる。またこれらのマグネシウム化合物
と他の金属との錯化合物、複化合物または他の金属化合
物との混合物を使用することもできる。これらマグネシ
ウム化合物は2種以上組み合せた混合物であってもよ
い。マグネシウム化合物としては還元性を有しないマグ
ネシウム化合物が好ましく、さらにハロゲン含有マグネ
シウム化合物が好ましく、特に塩化マグネシウム、アル
コキシ塩化マグネシウムおよびアリロキシ塩化マグネシ
ウムが好ましい。
【0071】固体チタン触媒成分の調製に用いられる電
子供与体としては、有機カルボン酸エステルおよび多価
カルボン酸エステルなどがあげられる。固体チタン触媒
成分は、前記したチタン化合物、マグネシウム化合物
(もしくは金属マグネシウム)、および電子供与体を接
触させることにより製造することができる。なおこの際
に、ケイ素、リン、アルミニウムなどの他の反応試薬の
存在下に行ってもよい。
【0072】チタン系触媒を形成する有機アルミニウム
化合物としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素
結合を有する化合物が使用できる。そのような化合物の
例として、次式で表される有機アルミニウム化合物があ
る。 (R1mAl(OR2npq 〔式中、R1およびR2は、炭素原子数1〜15、好まし
くは1〜4の炭化水素基であり、これらは互いに同一で
あっても異なっていてもよい。Xは、ハロゲン原子であ
る。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<
3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかもm+n
+p+q=3である。〕
【0073】また、次式で表される第I属金属とアルミ
ニウムとの錯アルキル化物などを使用することもでき
る。 (M1)Al(R14 〔式中、M1は、Li、NaまたはKであり、R1は前式
に示したR1と同じである。〕
【0074】チタン系触媒の調製には、必要によりさら
に電子供与体を用いることができ、そのような電子供与
体の例としては、次に示す有機ケイ素化合物が挙げられ
る。 RnSi(OR’)4-n SiR12 m(OR33-m
【0075】この式において、RおよびR’は炭化水素
基、nは0<n<4を満たす数である。また、R1はシ
クロペンチル基、またはアルキル基を有するシクロペン
チル基、R2はアルキル基、シクロペンチル基、または
アルキル基を有するシクロペンチル基、R3は炭化水素
基、mは0≦m≦2を満たす数である。R1のアルキル
基を有するシクロペンチル基としては、2−メチルシク
ロペンチル基、3−メチルシクロペンチル基、2−エチ
ルシクロペンチル基、2,3−ジメチルシクロペンチル
基などをあげることができる。
【0076】チタン系触媒を形成する触媒成分にはα−
オレフィンが予備重合されていてもよく、その量はオレ
フィン重合用触媒1g当り、0.1〜500g、好まし
くは0.3〜300g、特に好ましくは1〜100gが
望ましい。予備重合は、不活性炭化水素媒体にα−オレ
フィンおよび触媒成分を加え、温和な条件下に行うこと
が好ましい。α−オレフィンは、エチレン系共重合体ゴ
ムの製造で使用されるα−オレフィンと同一であって
も、異なってもよい。
【0077】<バナジウム系重合触媒>次に、バナジウ
ム系触媒を形成する可溶性バナジウム化合物としては、
次式で表されるバナジウム化合物などがあげられる。な
お、可溶性バナジウム化合物としては、電子供与体を接
触させて得られる可溶性バナジウム化合物の電子供与体
付加物を用いることもできる。 VO(OR)ab V(OR)cd 式中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子である。a、
b、cおよびdはそれぞれ0≦a≦3、0≦b≦3、2
≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦
4を満たす数である。
【0078】バナジウム系触媒を形成する有機アルミニ
ウム化合物としては、前記チタン系触媒を形成する有機
アルミニウム化合物と同様の化合物を用いることができ
る。
【0079】<メタロセン系重合触媒>メタロセン系触
媒を形成するメタロセン化合物は、周期律表第IVB族
から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体
的な例としては次式で表される化合物が挙げられる。 MLx ここで、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属、xは遷移金属Mの原子価、Lは配位子である。
【0080】Mで示される遷移金属の例としては、ジル
コニウム、チタンおよびハフニウムなどがある。Lは遷
移金属に配位する配位子であって、そのうち少なくとも
1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配
位子であって、置換基を有していてもよい。
【0081】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシ
クロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、
n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジ
エニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプ
ロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペ
ンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル
基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタ
ジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7−テ
トラヒドロインデニル基、フルオレニル基などがあげら
れる。このシクロペンタジエニル骨格を有する基の水素
は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置
換されていてもよい。
【0082】前記のメタロセン化合物が、配位子Lとし
てシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有す
る場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格
を有する基同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレ
ン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換
アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、
ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の
置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0083】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配
位子)Lとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO
3Ra)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Ra
はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、
アリール基、またはハロゲン原子もしくはアルキル基で
置換されたアリール基である。)などがあげられる。
【0084】前記の炭素数1〜12の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基および
アラルキル基などがあげられる。より具体的には、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基およびドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル
基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル
基等のアラルキル基などがあげられる。
【0085】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、n−プロポキシ基などがあげられる。アリーロ
キシ基としては、フェノキシ基などがあげられる。スル
ホン酸含有基(−SO3Ra)としては、メタンスルホ
ナト基、p−トルエンスルホナト基、トリフルオロメタ
ンスルホナト基、p−クロルベンゼンスルホナト基など
があげられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素があげられる。
【0086】[1]メタロセン化合物の例−1 前記式で表されるメタロセン化合物が、例えば遷移金属
の原子価が4である場合、より具体的には次式で表され
る。 R2 k3 l4 m5 nM ここで、Mは遷移金属、R2はシクロペンタジエニル骨
格を有する基(配位子)、R3、R4およびR5はそれぞ
れ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかまたは有
しない基(配位子)である。kは1以上の整数、k+l
+m+n=4である。
【0087】Mがジルコニウムであり、かつシクロペン
タジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメ
タロセン化合物の例を次に挙げる。ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド。前記の化合物の中で、1,3
−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シク
ロペンタジエニル基に置換えた化合物も用いることがで
きる。
【0088】またメタロセン化合物の別の例としては、
前記式において、R2、R3、R4およびR5の少なくとも
2個、例えばR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格
を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基
はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または
置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタ
イプのメタロセン化合物を使用することもできる。この
ときR4およびR5は、それぞれ独立に、前述したシクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同
様である。
【0089】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル
−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル
シリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリドなどがあげられる。
【0090】[2]メタロセン化合物の例−2 また別のメタロセン化合物の例としては、次式で表され
る特開平4−268307号公報記載のメタロセン化合
物があげられる。
【化19】
【0091】ここで、M1は周期律表の第IVB族の金
属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフ
ニウムをあげることができる。R1およびR2は、水素原
子;炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;
炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基;炭
素数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基;炭素数
6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ基;炭素
数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基;炭素数
7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基;
炭素数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリー
ル基;炭素数8〜40、好ましくは8〜12のアリール
アルケニル基;またはハロゲン原子、好ましくは塩素原
子である。R1およびR2は互いに同じでも異なっていて
もよい。
【0092】R3およびR4は、水素原子;ハロゲン原
子、好ましくはフッ素原子、塩素原子または臭素原子;
ハロゲン化されていてもよい炭素数1〜10、好ましく
は1〜4のアルキル基;炭素数6〜10、好ましくは6
〜8のアリール基;−N(R102、−SR10、−OS
i(R103、−Si(R103または−P(R102
である。ここで、R10はハロゲン原子、好ましくは塩素
原子;炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル
基;または炭素数6〜10、好ましくは6〜8のアリー
ル基である。R3およびR4は、特に水素原子であること
が好ましく、また互いに同じであっても異なっていても
よい。
【0093】R5およびR6は、水素原子を除くR3およ
びR4と同じであって、互いに同じでも異なっていても
よく、好ましくは同じである。R5およびR6は、好まし
くはハロゲン化されていてもよい炭素数1〜4のアルキ
ル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基およびイソブチル基またはトリ
フルオロメチル基等があげられ、特にメチル基が好まし
い。
【0094】前記の式において、R7は次の群から選ば
れる。
【化20】 =BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn−、−O−、
−S−、=SO、=SO 2、=NR11、=CO、=PR
11、および=P(O)R11である。M2はケイ素、ゲル
マニウムまたは錫、好ましくはケイ素またはゲルマニウ
ムである。
【0095】ここで、R11、R12およびR13は水素原
子;ハロゲン原子;炭素数1〜10、好ましくは1〜4
のアルキル基、さらに好ましくはメチル基;炭素数1〜
10のフルオロアルキル基、好ましくはCF3基;炭素
数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基;炭素数6
〜10のフルオロアリール基、好ましくはペンタフルオ
ロフェニル基;炭素数1〜10、好ましくは1〜4のア
ルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基;炭素数2〜1
0、好ましくは2〜4のアルケニル基;炭素数7〜4
0、好ましくは7〜10のアリールアルキル基;炭素数
8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル
基;または炭素数7〜40、好ましくは7〜12のアル
キルアリール基である。「R11とR12」または「R11
13」とは、それぞれそれらが結合する原子と一緒にな
って環を形成してもよい。R11、R12およびR13は互い
に同じでも異なっていてもよい。
【0096】また、R7は、=CR1112、=SiR11
12、=GeR1112、−O−、−S−、=SO、=P
11または=P(O)R11であることが好ましい。
【0097】R8およびR9としては、R11と同じものが
あげられ、互いに同じであっても異なっていてもよい。
mおよびnはそれぞれ0、1または2、好ましくは0ま
たは1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0
または1である。mおよびnは互いに同じであっても異
なっていてもよい。
【0098】前式で表されるメタロセン化合物の例とし
ては、次の化合物があげられる。rac−エチレン(2
−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロ
ライド、rac−ジメチルシリレン(2−メチル−1−
インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライド。これら
のメタロセン化合物は、例えば、特開平4−26830
7号公報に記載の方法で製造することができる。
【0099】[3]メタロセン化合物の例−3 また、メタロセン化合物としては、次式で表されるメタ
ロセン化合物を用いることもできる。
【化21】
【0100】Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子
を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニ
ウムなどである。R1およびR2は、それぞれ独立に、水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、
炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有
基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン
含有基を示す。
【0101】R1およびR2の具体例は次の通りである。 (1) フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原
子; (2) メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ア
イコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル
基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアル
ケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピ
ルなどのアリールアルキル基、フェニル、トリル、ジメ
チルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、
プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフ
チル、アントラセニル、フェナントリルなどのアリール
基などの炭素数1〜20の炭化水素基; (3) 前記炭化水素基にハロゲン原子が置換した炭素
数1〜20のハロゲン化炭化水素基;
【0102】(4) メチルシリル、フェニルシリルな
どのモノ炭化水素置換シリル、ジメチルシリル、ジフェ
ニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル、トリメチルシ
リル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシ
クロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフ
ェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシ
リル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリ
ル、 (5) トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換
シリルのシリルエーテル (6) トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アル
キル基、トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換ア
リール基、などのケイ素含有基; (7) ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチ
ルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどの
アリロ−キシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ
などのアリールアルコキシ基などの酸素含有基;
【0103】(8) 前記酸素含有基の酸素がイオウに
置換したイオウ含有基; (9) アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ
シクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニ
ルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフ
チルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミ
ノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素含有
基; (10) ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフ
ィノなどのフォスフィノ基などのリン含有基などであ
る。
【0104】これらのうちR1は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭素
数1〜3のアルキル基であることが好ましい。またR2
は水素または炭化水素基が好ましく、特に水素、あるい
はメチル、エチルまたはプロピルの炭素数1〜3のアル
キル基であることが好ましい。
【0105】R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立
に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。こ
れらの中では水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水
素基であることが好ましい。R3とR4、R4とR5、R5
とR6のうち少なくとも1組は、それらが結合している
炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成してい
てもよい。また芳香族環を形成する基以外の基は、炭化
水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場合
には、これらが互いに結合して環状になっていてもよ
い。なおR6が芳香族基以外の置換基である場合、水素
原子であることが好ましい。
【0106】R3、R4、R5およびR6において、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20
のハロゲン化炭化水素基としては、前記R1およびR2
同様のものがあげられる。
【0107】X1およびX2は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素
数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基または
イオウ含有基を示す。ハロゲン原子、炭素数1〜20の
炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、
酸素含有基の具体的なものとしては、前記R1およびR2
と同様のものが例示できる。
【0108】またイオウ含有基としては、前記R1、R2
と同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロ
メタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベン
ジルスルフォネート、p−トルエンスルフォネート、ト
リメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベン
ゼンスルフォネート、p−クロルベンゼンスルフォネー
ト、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスル
フォネート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフ
ィネート、ベンゼンスルフィネート、p−トルエンスル
フィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペン
タフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネー
ト基が例示できる。
【0109】Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素
基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価の
スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−
SO2−、−NR7−、−P(R 7)−、−P(O)
(R7)−、−BR7−または−AlR7−(ただし、R7
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
【0110】Yの具体例を次に示す。 (1) メチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレ
ン、ジメチル−1,2−エチレン、1,3−トリメチレ
ン、1,4−テトラメチレン、1,2−シクロヘキシレ
ン、1,4−シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジ
フェニルメチレン、ジフェニル−1,2−エチレンなど
のアリールアルキレン基などの炭素数1〜20の2価の
炭化水素基; (2) クロロメチレンなどの上記炭素数1〜20の2
価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素
基;
【0111】(3) メチルシリレン、ジメチルシリレ
ン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、
ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シ
リレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレ
ン、ジ(p−トリル)シリレン、ジ(p−クロロフェニ
ル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキルアリー
ルシリレン、アリールシリレン基、テトラメチル−1,
2−ジシリレン、テトラフェニル−1,2−ジシリレン
などのアルキルジシリレン、アルキルアリールジシリレ
ン、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有基; (4) 前記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウ
ムに置換した2価のゲルマニウム含有基; (5) 前記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換
した2価のスズ含有基などである。
【0112】これらの中では2価のケイ素含有基、2価
のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基であることが
好ましく、さらに2価のケイ素含有基であることが好ま
しく、このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリー
ルシリレン、アリールシリレンであることが好ましい。
【0113】前記の式において、R3とR4、R4とR5
5とR6のうち少なくとも1組が互いに結合して形成す
る単環の芳香族環を含み、Mに配位する配位子として
は、次式で表されるものなどがあげられる。
【0114】
【化22】 〔式中、Yは前式に示したものと同じである。〕
【0115】[4]メタロセン化合物の例−4 メタロセン化合物としては、また次式で表される遷移金
属化合物を用いることもできる。
【化23】 ここで、M、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、前
記式[3]で使用されたものと同じである。
【0116】R3、R4、R5およびR6のうち、R3を含
む2個の基がアルキル基であることが好ましく、R3
5、またはR3とR6がアルキル基であることが好まし
い。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であ
ることが好ましい。またこのアルキル基は、ハロゲン原
子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原
子、ケイ素含有基としては、R1、R2で例示した置換基
があげられる。
【0117】R3、R4、R5およびR6のうち、アルキル
基以外の基は、水素原子であることが好ましい。炭素数
1〜20の炭化水素基としては、メチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ド
デシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなど
の鎖状アルキル基および環状アルキル基;ベンジル、フ
ェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチルなどの
アリールアルキル基などがあげられ、2重結合、3重結
合を含んでいてもよい。
【0118】またR3、R4、R5およびR6は、これらか
ら選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単
環あるいは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子と
しては、前記R1およびR2と同様のものがあげられる。
1、X2およびYとしては、前記と同様のものがあげら
れる。
【0119】前記式で表されるメタロセン化合物の具体
的な例を次に示す。rac−ジメチルシリレン−ビス
(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,
7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,6−
トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド。
【0120】これらの化合物において、ジルコニウム金
属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換えた遷移
金属化合物を用いることもできる。遷移金属化合物は、
通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用
いることもできる。
【0121】[5]メタロセン化合物の例−5 メタロセン化合物として、次のような化合物を使用する
こともできる。
【化24】
【0122】式中、M、R1、X1、X2およびYは、前
記の式で説明したと同じ原子または基が挙げられる。R
1としては炭化水素基であることが好ましく、特にメチ
ル、エチル、プロピルまたはブチルの炭素数1〜4のア
ルキル基であることが好ましい。X1およびX2として
は、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基である
ことが好ましい。
【0123】R2は、炭素数6〜16のアリール基を示
し、具体的には、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチ
ル、アントラセニル、フェナントリル、ピレニル、アセ
ナフチル、フェナレニル(ペリナフテニル)、アセアン
トリレニルなどである。これらのうちフェニル、ナフチ
ルであることが好ましい。これらのアリール基は、前記
1と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換
されていてもよい。
【0124】このような遷移金属化合物(メタロセン化
合物)の具体的な例を示す。rac−ジメチルシリレン
−ビス(4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メ
チル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチ
ル−4−(α−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2
−メチル−4−(β−ナフチル)−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビ
ス(2−メチル−4−(1−アントラセニル)−1−イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドなど。またこれら化
合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属また
はハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いるこ
ともできる。
【0125】[6]メタロセン化合物の例−6 またメタロセン化合物として、次式で表される化合物を
用いることもできる。 LaMX2 ここで、Mは周期率表第IV族またはランタニド系列の
金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、
金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与している基であ
る。Xはそれぞれ独立に水素、ハロゲンまたは炭素数2
0以下の炭素、ケイ素またはゲルマニウムを含有する炭
化水素基、シリル基またはゲルミル基である。
【0126】この化合物の中では、次式で示される化合
物が好ましい。
【化25】
【0127】Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニ
ウム、Xは前式で説明したものと同様である。CpはM
にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペ
ンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素また
は周期率表第IVA族の元素(例えばケイ素、ゲルマニ
ウムまたは錫)、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを
含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成していても
よい。
【0128】このような式で表される化合物としては、
(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5
−シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、
((t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロ
ペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)チタンジク
ロリドなどがあげられる。またこのメタロセン化合物に
おいて、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置換
えた化合物をあげることもできる。
【0129】前記の式で表されるメタロセン化合物とし
ては、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくと
も2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有す
るジルコノセン化合物が好ましく用いられる。
【0130】[7]メタロセン化合物の例−7 またメタロセン化合物としては、次式で表される周期律
表第IVB族の遷移金属化合物を使用することもでき
る。
【化26】
【0131】Mは周期律表第IVB族の遷移金属原子で
あり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまたはハ
フニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
【0132】R1は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、そのうち少なくとも1個以上が炭素数11〜20の
アリール基、炭素数12〜40のアリールアルキル基、
炭素数13〜40のアリールアルケニル基、炭素数12
〜40のアルキルアリール基またはケイ素含有基である
か、あるいはR1で示される基のうち隣接する少なくと
も2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単
数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成してい
る。この場合、R1により形成される環はR1が結合する
炭素原子を含んで全体として炭素数が4〜20である。
【0133】R1で示される基のうち隣接する少なくと
も2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単
数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成した例と
しては、縮合したフェニル基、縮合したシクロヘキシル
基、縮合したシクロペンタジエニル基、縮合したジヒド
ロシクロペンタジエニル基、縮合したインデニル基、縮
合したテトラヒドロインデニル基、縮合したフルオレニ
ル基、縮合したテトラヒドロフルオレニル基、縮合した
オクタヒドロフルオレニル基などがあげられる。なお、
これらの基は、鎖状アルキル基、環状アルキル基、ハロ
ゲン原子、ハロゲン置換アルキル基、アリール基、ケイ
素含有基、酸素含有基、窒素含有基またはリン含有基で
置換されていてもよい。
【0134】アリール基、アリールアルキル基、アリー
ルアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、
脂肪族環を形成しているR1以外のR1は、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基またはケイ素
含有基である。
【0135】炭素数11〜20のアリール基としては、
ビフェニリル、アントリル、フェナントリルなどがあげ
られる。炭素数12〜40のアリールアルキル基として
は、フェナントリルメチル、フェナントリルエチル、フ
ェナントリルプロピルなどがあげられる。炭素数13〜
40のアリールアルケニル基としては、ビニルフェナン
トリルなどがあげられる。炭素数12〜40のアルキル
アリール基としては、メチルフェナントリル、エチルフ
ェナントリル、プロピルフェナントリルなどがあげられ
る。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素などがあげられる。炭素数1〜10のアルキル基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、
シクロヘキシル、オクチル、ノニルなどがあげられる。
なお、上記のようなアルキル基、アリール基、アリール
アルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール
基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0136】ケイ素含有基としては、メチルシリル、フ
ェニルシリル、ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジフ
ェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、
トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリ
フェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフ
ェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリル
などの基があげられる。
【0137】R2は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜10の
アルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、
炭素数8〜40のアリールアルケニル基、炭素数7〜4
0のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、
イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0138】また、R2で示される基のうち隣接する少
なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子ととも
に、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成し
ていてもよい。この場合、R2により形成される環はR2
が結合する炭素原子を含んで全体として炭素数が4〜2
0であり、芳香族環、脂肪族環を形成しているR2以外
のR2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の
アルキル基またはケイ素含有基である。
【0139】なお、R2で示される2個の基が、単数ま
たは複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成され
る基にはフルオレニル基が次式のような構造になる態様
も含まれる
【化27】
【0140】炭素数1〜10のアルキル基およびハロゲ
ン原子としては、前記と同様の基および原子が例示でき
る。炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル、
ビフェニリル、α−またはβ−ナフチル、アントリル、
フェナントリルなどがあげられる。炭素数7〜40のア
リールアルキル基としては、ベンジル、フェニルエチ
ル、フェニルプロピル、フェナントリルメチル、フェナ
ントリルエチル、フェナントリルプロピルなどがあげら
れる。炭素数8〜40のアリールアルケニル基として
は、スチリル、ビニルフェナントリルなどがあげられ
る。
【0141】炭素数7〜40のアルキルアリール基とし
ては、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニ
ル、エチルフェニル、プロピルフェニル、メチルナフチ
ル、メチルフェナントリル、エチルフェナントリル、プ
ロピルフェナントリルなどがあげられる。炭素数2〜1
0のアルケニル基としては、ビニル、プロペニル、シク
ロヘキセニルなどがあげられる。ケイ素含有基として
は、前記と同様の基があげられる。酸素含有基として
は、ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチル
フェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのア
リロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシなど
のアリールアルコキシ基などがあげられる。
【0142】イオウ含有基としては、前記酸素含有基の
酸素がイオウに置換した置換基、およびメチルスルホネ
ート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルス
ルフォネート、ベンジルスルフォネート、p−トルエン
スルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、
トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p−クロルベ
ンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフ
ォネートなどのスルフォネート基、メチルスルフィネー
ト、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネー
ト、p−トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼン
スルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネー
トなどのスルフィネート基があげられる。
【0143】窒素含有基としては、アミノ基、メチルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどの
アルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミ
ノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニ
ルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリー
ルアミノ基などがあげられる。リン含有基としては、ジ
メチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどがあ
げられる。
【0144】これらのうちR2は、水素原子またはアル
キル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチ
ル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であ
ることが好ましい。このような置換基としてR2を有す
るフルオレニル基としては、2,7−ジアルキル−フル
オレニル基が好適な例としてあげられ、この場合の2,
7−ジアルキルのアルキル基としては、炭素数1〜5の
アルキル基があげられる。また、R1とR2は、互いに同
一でも異なっていてもよい。
【0145】R3およびR4は、互いに同一でも異なって
いてもよく、前記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭
素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数7〜40の
アリールアルキル基、炭素数8〜40のアリールアルケ
ニル基、炭素数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素
含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基または
リン含有基である。これらのうち、R3およびR4は、少
なくとも一方が炭素数1〜3のアルキル基であることが
好ましい。
【0146】X1およびX2は、互いに同一でも異なって
いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20
の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素
基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、ま
たはX1とX2とから形成された共役ジエン残基であり、
具体的には、ハロゲン原子、酸素含有基、イオウ含有基
および窒素含有基としては、前記と同様の原子または基
を例示することができる。
【0147】炭素数1〜20の炭化水素基としては、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘ
キシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノ
ルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基;ビニル、
プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベ
ンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリ
ールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニ
ル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフ
ェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、ア
ントリル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニ
ル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニ
ル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリル
などのアリール基などがあげられる。炭素数1〜20の
ハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素数1〜20の
炭化水素基にハロゲンが置換した基があげられる。
【0148】X1とX2とから形成された共役ジエン残基
としては、η4−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジ
エン、η4−1,3−ブタジエン、η4−1,4−ジベ
ンジル−1,3−ブタジエン、η4−1−フェニル−
1,3−ペンタジエン、η4−3−メチル−1,3−ペ
ンタジエン、η4−1,4−ビス(トリメチルシリル)
−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、
η4−2,4−ヘキサジエン、イソプレンなどがあげら
れる。X1とX2とから形成された共役ジエン残基として
は、1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、1−
フェニル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジフェニル
ブタジエンの残基が好ましく、これらの残基はさらに炭
素数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。こ
れらのうち、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基またはイオウ含有基であることが好ましい。
【0149】Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素
基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価の
スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−
SO2−、−NR5−、−P(R 5)−、−P(O)
(R5)−、−BR5−または−AlR5−〔ただし、R5
は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基〕を示す。
具体的には、
【0150】(1) メチレン、ジメチルメチレン、
1,2−エチレン、ジメチル−1,2−エチレン、1,
3−トリメチレン、1,4−テトラメチレン、1,2−
シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキシレンなどのア
ルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル−1,2
−エチレンなどのアリールアルキレン基などの炭素数1
〜20の2価の炭化水素基; (2) クロロメチレンなどの上記炭素数1〜20の2
価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素
基;
【0151】(3) メチルシリレン、ジメチルシリレ
ン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、
ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シ
リレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレ
ン、ジ(p−トリル)シリレン、ジ(p−クロロフェニ
ル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキルアリー
ルシリレン、アリールシリレン基、テトラメチル−1,
2−ジシリレン、テトラフェニル−1,2−ジシリレン
などのアルキルジシリレン、アルキルアリールジシリレ
ン、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有基;
【0152】(4) 前記2価のケイ素含有基のケイ素
をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基; (5) 前記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換
した2価のスズ含有基などがあげられる。
【0153】これらの2価の基のうちでも、−Y−の最
短連結部が1個または2個の原子で構成されているもの
が好ましい。また、R5は、前記と同様のハロゲン原
子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基である。
【0154】これらのうちYは、炭素数1〜5の2価の
炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニ
ウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基
であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキ
ルアリールシリレンまたはアリールシリレンであること
が特に好ましい。
【0155】[8]メタロセン化合物の例−8 またメタロセン化合物としては、次式で表される遷移金
属化合物を用いることもできる。
【化28】
【0156】式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウムまた
はハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
【0157】R6は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜10の
アルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有
基、窒素含有基またはリン含有基である。具体的には、
ハロゲン原子および炭素数1〜10のアルキル基として
は、前記したR1と同様のものをあげることができ、ケ
イ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基お
よびリン含有基としては、前記したR2と同様のものを
あげることができる。
【0158】炭素数6〜10のアリール基としては、フ
ェニル、α−またはβ−ナフチルなどがあげられる。炭
素数2〜10のアルケニル基としては、ビニル、プロペ
ニル、シクロヘキセニルなどがあげられる。
【0159】なお、前記のようなアルキル基およびアル
ケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。こ
れらのうちR6は、アルキル基、アリール基または水素
原子であることが好ましく、特にメチル、エチル、n−
プロピル、i−プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基、
フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなどのアリール
基または水素原子であることが好ましい。
【0160】R7は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜10の
アルケニル基、炭素数7〜40のアリールアルキル基、
炭素数8〜40のアリールアルケニル基、炭素数7〜4
0のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、
イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、具
体的には、前記式におけるR2と同様のものをあげるこ
とができる。
【0161】なお、前記のようなアルキル基、アリール
基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアル
ケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲンが置換して
いてもよい。これらのうちR7は、水素原子またはアル
キル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチ
ル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルの炭素数1〜4の炭化水素基であ
ることが好ましい。また、前記R6とR7は、互いに同
一でも異なっていてもよい。
【0162】R8およびR9は、いずれか一方が炭素数1
〜5のアルキル基であり、他方は前記式におけるR2
同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアル
キル基、炭素数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有
基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン
含有基である。炭素数1〜5のアルキル基としては、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどがあげ
られる。これらのうち、R8およびR9は、いずれか一方
がメチル、エチル、プロピルなどの炭素数1〜3のアル
キル基であり、他方は水素原子であることが好ましい。
【0163】X1およびX2は、互いに同一でも異なって
いてもよく、前記式におけるX1およびX2と同様の水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イ
オウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とか
ら形成された共役ジエン残基である。これらのうち、ハ
ロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基であるこ
とが好ましい。
【0164】Yは、前記式におけるYと同様の炭素数1
〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の2価のハ
ロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO
−、−S−、−SO−、−SO 2−、−NR5−、−P
(R5)−、−P(O)(R5)−、−BR5−または
−AlR5−〔ただし、R5は水素原子、ハロゲン原子、
炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基〕を示す。
【0165】これらのうちYは、炭素数1〜5の2価の
炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニ
ウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基
であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキ
ルアリールシリレンまたはアリールシリレンであること
が特に好ましい。
【0166】以に説明したメタロセン化合物は、単独で
あるいは2種以上組み合せて用いられる。またメタロセ
ン化合物は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに
希釈して用いてもよい。さらにメタロセン化合物は、粒
子状担体化合物と接触させて用いることもできる。
【0167】メタロセン化合物を担持させる担体化合物
としては、SiO2、Al23、B23、MgO、Zr
2、CaO、TiO2、ZnO、SnO2、BaO、お
よびThOなどの無機担体化合物;ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ4−メチル−1−
ペンテン、およびスチレン−ジビニルベンゼン共重合体
などの樹脂を用いることができる。これらの担体化合物
は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。
【0168】次にメタロセン系触媒を形成する際に用い
られる有機アルミニウムオキシ化合物およびイオン化イ
オン性化合物について説明する。有機アルミニウムオキ
シ化合物は、公知のアルミノオキサンであってもよく、
またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物で
あってもよい。
【0169】このような公知のアルミノオキサンは、具
体的には次式で表される。
【化29】
【0170】
【化30】
【0171】ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメ
チル基、エチル基、特に好ましくはメチル基であり、m
は2以上、好ましくは5〜40の整数である。
【0172】アルミノオキサンは式(OAl(R1))
で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式
(OAl(R2))で表されるアルキルオキシアルミニ
ウム単位[ここで、R1およびR2はRと同様の炭化水素
基を例示することができ、R1およびR2は相異なる基を
表す]からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位か
ら形成されていてもよい。なお有機アルミニウムオキシ
化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物
成分を含有していてもよい。
【0173】イオン化イオン性化合物(イオン性イオン
化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)とし
ては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物および
カルボラン化合物を例示することができる。
【0174】ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ
素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有
していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で表
される化合物があげられる。ルイス酸の具体的なものと
しては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、ト
リス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5
−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロ
メチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス
(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェ
ニル)ボロンなどがあげられる。
【0175】前記イオン性化合物としては、トリアルキ
ル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウ
ム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフ
ォニウム塩などがあげられる。イオン性化合物としての
トリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチル
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピル
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブ
チル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などがあ
げられる。イオン性化合物としてのジアルキルアンモニ
ウム塩としては、ジ(1−プロピル)アンモニウムテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシ
ルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などがあげら
れる。
【0176】前記イオン性化合物としては、トリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウム
テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどをあげ
ることもできる。
【0177】前記ボラン化合物としては、デカボラン
(9);ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナ
ボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デ
カボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕
ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸
塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などがあげ
られる。
【0178】前記カルボラン化合物としては、4−カル
バノナボラン(9)、1,3−ジカルバノナボラン
(8)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス
(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレー
ト)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオ
ンの塩などがあげられる。
【0179】このようなイオン化イオン性化合物は、単
独であるいは2種以上組み合せて用いられる。また有機
アルミニウムオキシ化合物およびイオン化イオン性化合
物は、前記担体化合物に担持させて用いることもでき
る。
【0180】またメタロセン系触媒を形成するに際して
は、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオ
ン化イオン性化合物とともに、前記した有機アルミニウ
ム化合物を用いてもよい。
【0181】本発明に係わるエチレン系共重合体ゴムの
製造方法では、前記チタン系触媒、バナジウム系触媒ま
たはメタロセン系触媒の存在下に、エチレン、α−オレ
フィン、トリエン化合物、非共役ジエン、および必要に
より共重合する他のモノマーを通常液相で共重合させ
る。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−
オレフィンを溶媒として用いてもよい。なお、ここで用
いる各モノマーは、前述した通りである。
【0182】共重合反応は、バッチ法あるいは連続法い
ずれの方法で行ってもよい。共重合をバッチ法で実施す
るに際しては、前記の触媒成分は次に説明する濃度下で
用いられる。
【0183】チタン系触媒が用いられる場合には、固体
状チタン触媒成分は、重合容積1リットル当たり、チタ
ン原子に換算して、通常約0.001〜約1.0ミリモ
ル、好ましくは約0.005〜0.5ミリモルの量で用
いられる。また有機アルミニウム化合物は、固体状チタ
ン触媒成分中のチタン原子1モルに対して、有機アルミ
ニウム化合物中の金属原子として通常約10〜500モ
ル、好ましくは20〜200モルとなるような量で用い
られる。電子供与体を使用する場合は、有機アルミニウ
ム化合物中の金属原子1モル当たり、通常約0.001
〜10モル、好ましくは0.01〜2モル、特に好まし
くは0.05〜1モルとなるような量で用いられる。
【0184】バナジウム系触媒が用いられる場合には、
重合系内の可溶性バナジウム化合物の濃度は、通常0.
01〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは
0.05〜3ミリモル/リットルである。可溶性バナジ
ウム化合物は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化
合物の濃度の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに
好ましくは1〜5倍の濃度で供給されることが望まし
い。また有機アルミニウム化合物は、重合系内のバナジ
ウム原子に対するアルミニウム原子のモル比(Al/
V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ましく
は3〜20の量で供給される。
【0185】可溶性バナジウム化合物および有機アルミ
ニウム化合物は、通常前記炭化水素溶媒および/または
液状のモノマーで希釈して供給される。この際、可溶性
バナジウム化合物は前記の濃度に希釈されることが望ま
しいが、有機アルミニウム化合物は重合系内における濃
度の例えば50倍以下の任意の濃度に調整して重合系内
に供給されることが望ましい。
【0186】またメタロセン系触媒が用いられる場合に
は、重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常0.0
0005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好
ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルで
ある。また有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内
のメタロセン化合物中の遷移金属に対するアルミニウム
原子のモル比(Al/遷移金属)で、1〜10000、
好ましくは10〜5000の量で供給される。
【0187】イオン化イオン性化合物は、重合系内のメ
タロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル
比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で表
して、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給さ
れる。また有機アルミニウム化合物が用いられる場合に
は、通常約0〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好
ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で
用いられる。
【0188】前記チタン系触媒の存在下に、(i) エ
チレン、(ii)α−オレフィン、(iii)トリエン化合
物、および(iv)非共役ジエンを共重合させる場合に
は、共重合反応は、通常温度が−20〜+150℃、好
ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜100℃
で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf/cm
2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MP
a(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下に行
われる。
【0189】前記バナジウム系触媒の存在下に共重合さ
せる場合には、共重合反応は、通常温度が−50〜+1
00℃、好ましくは−30〜+80℃、さらに好ましく
は−20〜+60℃で、圧力が0を超えて4.9MPa
(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0
を超えて2.0MPa(20kgf/cm2、ゲージ
圧)以下の条件下に行われる。
【0190】前記メタロセン触媒の存在下に共重合させ
る場合には、共重合反応は、通常温度が−20〜+15
0℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜
100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kg
f/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて
4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の
条件下に行われる。
【0191】共重合に際して、(i) エチレン、(i
i)α−オレフィン、(iii)トリエン化合物、および
(iv)非共役ジエンは、前記した特定組成のエチレン
系共重合体が得られるような量割合で重合系に供給され
る。また共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を
添加することもできる。
【0192】このようにして共重合させると、生成した
共重合体は通常これを含む重合液として得られるので、
常法により処理すると、本発明に係わるエチレン系共重
合ゴムが得られる。
【0193】共重合反応は、前記した各種の触媒系で行
うことができるが、それらの中でもメタロセン系触媒の
使用が好ましい。メタロセン系触媒はそれ自身高い重合
活性を有し、また得られるエチレン系共重合体ゴムの分
子量分布および組成分布が狭く、さらにトリエン化合物
の転化率も高い。
【0194】[ゴ ム 組 成 物]本発明に係わるエ
チレン系共重合体ゴムは、それに各種の添加剤や配合剤
等を混合し、ゴム組成物の形で各種用途に使用すること
ができる。添加剤ないし配合剤としては、例えば、加硫
剤、架橋剤、補強剤、無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤
や耐光安定剤などの安定剤、加工助剤、発泡剤や発泡助
剤などの発泡系を構成する化合物、可塑剤、着色剤、難
燃剤、他のゴム配合剤など種々の薬剤を挙げることがで
きる。それらの成分は、用途に応じてその種類および配
合量が適宜選択されるが、特に加硫剤、架橋剤、補強
剤、無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤、発泡剤の使用が
好ましい。次に、それら添加剤ないし配合剤について説
明する。
【0195】補強剤としては、具体的に、SRF、GP
F、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、F
T、MTなどのカーボンブラック、これらカーボンブラ
ックをシランカップリング剤などで表面処理したもの、
シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ
酸などが挙げられる。補強剤を配合したゴム組成物から
は、引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械的性質が
向上した加硫可能なゴムが得られる。
【0196】無機充填剤としては、具体的に、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなど
が挙げられる。無機充填剤を配合すると、加硫ゴムの他
の物性を損なうことなく硬度を高くすることができ、ま
たコストを引き下げることができる。
【0197】本発明に係るゴム組成物では、補強剤およ
び/または無機充填剤を、エチレン系共重合体ゴム10
0重量部に対して、通常300重量部以下、好ましくは
10〜300重量部、さらに好ましくは10〜200重
量部の量割合で含有することができる。
【0198】軟化剤としては、従来ゴムに配合されてい
る軟化剤が広く用られ、具体的に、(1) プロセスオ
イル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アス
ファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、(2) コー
ルタール、コールタールピッチなどのコールタール系軟
化剤、(3) ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油
などの脂肪油系軟化剤、(4) トール油、サブ、蜜ロ
ウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、(5)
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸
および脂肪酸塩、(6) 石油樹脂、アタクチックポリ
プロピレン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物
質などが用いられる。
【0199】これらの内でも石油系軟化剤が好ましく、
特にプロセスオイルが好ましい。軟化剤を配合したゴム
組成物は、前記の軟化剤を、エチレン系共重合体ゴム1
00重量部に対して通常200重量部以下、好ましくは
10〜200重量部、さらに好ましくは10〜150重
量部、特に好ましくは10〜100重量部の量割合で含
有することができる。
【0200】酸化防止剤を配合すると、ゴム組成物の材
料寿命を長くすることができる。この酸化防止剤として
は、具体的に、(1) フェニルナフチルアミン、4,
4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジア
ミンなどの芳香族第二アミン系安定剤、(2) 2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス
−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンな
どのフェノール系安定剤、(3) ビス[2−メチル−
4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5
−t−ブチルフェニル]スルフィドなどのチオエーテル
系安定剤、(4) 2−メルカプトベンゾイミダゾール
などのベンゾイミダゾール系安定剤(5) ジブチルジ
チオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩
系安定剤、(6) 2,2,4−トリメチル−1,2−
ジヒドロキノリンの重合物などのキノリン系安定剤な
どが挙げられる。
【0201】このような酸化防止剤は、単独で用いて
も、あるいは2種以上併用することもでき、またエチレ
ン系共重合体ゴム100重量部に対して、5重量部以
下、好ましくは3重量部以下の量で適宜用いることがで
きる。
【0202】加工助剤としては、一般的に加工助剤とし
てゴムに配合されるものを広く使用することができる。
具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン
酸、ラウリン酸などの酸、これら高級脂肪酸の塩たとえ
ばステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウムまたはエステル類などが挙げられる。こ
れらの加工助剤は、エチレン系共重合体ゴム100重量
部に対して、10重量部以下好ましくは5重量部以下の
量で適宜用いることができる。
【0203】また、本発明に係るゴム組成物を加熱によ
り加硫する場合には、ゴム組成物中に通常加硫剤、加硫
促進剤、加硫助剤などの加硫系を構成する化合物を配合
する。加硫剤としては、イオウ、イオウ系化合物および
有機過酸化物などを用いることができる。イオウの形態
は特に限定されず、たとえば粉末イオウ、沈降イオウ、
コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどを
用いることができる。イオウ系化合物としては、具体的
には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、モ
ルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィ
ド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチ
オカルバミン酸セレンなどが挙げられる。
【0204】また有機過酸化物としては、具体的には、
(1) ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキ
サイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン
−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパー
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)−ヘキサン、α,α’−ビス(t
−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t
−ブチルヒドロパーオキサイドなどのアルキルパーオキ
サイド類、(2) t−ブチルパーオキシアセテート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパー
オキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、
t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタ
レートなどのパーオキシエステル類、(3) ジシクロ
ヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド
類が挙げられる。これらは2種以上組合わせて用いても
よい。
【0205】これらの過酸化物の中では、1分半減期温
度が130℃〜200℃である有機過酸化物が好まし
く、具体的にジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパー
オキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチ
ルヒドロパーオキサイドなどの使用が好ましい。
【0206】加硫剤がイオウまたはイオウ系化合物であ
るときには、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対
して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量
部の量で用いることができる。また加硫剤が有機過酸化
物であるときには、エチレン系共重合体ゴム100グラ
ムに対して、0.0003〜0.05モル、好ましくは
0.001〜0.03モルの量で用いることができる。
本発明では、イオウ系および過酸化物系の加硫剤のうち
でも、イオウまたはイオウ系化合物、特にイオウを用い
ると優れた特性のゴム組成物を得ることができるため好
ましい。
【0207】加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を
用いる場合には、加硫促進剤を併用することが好まし
い。加硫促進剤の具体例としては、次に示す化合物を挙
げることができるが、それらは、エチレン系共重合体ゴ
ム100重量部に対して、0.1〜20重量部、好まし
くは0.2〜10重量部の量で用いることが望ましい。
【0208】(1) N−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジ
エチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、
N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物、(2)
2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−
(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾ
ール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)
ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィドなど
のチアゾール系化合物、(3) ジフェニルグアニジ
ン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニ
ジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグア
ニジンフタレートなどのグアニジン化合物、
【0209】(4) アセトアルデヒド−アニリン反応
物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレ
ンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアル
デヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物、
(5) 2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリ
ン系化合物、(6) チオカルバニリド、ジエチルチオ
ユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、
ジオルソトリルチオユリアなどのチオユリア系化合物、
(7) テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラ
メチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチ
ルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスル
フィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジ
ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)
などのチウラム系化合物、
【0210】(8) ジメチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチル
ジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバ
ミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチ
オカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テ
ルルなどのジチオ酸塩系化合物、(9) ジブチルキサ
ントゲン酸亜鉛などのザンテート系化合物、(10)
亜鉛華などが挙げられる。
【0211】また加硫剤として有機過酸化物を用いる場
合には、多官能性モノマー等の加硫助剤を有機過酸化物
1モルに対して0.5〜2モル、好ましくはほぼ等モル
の量で併用することが好ましい。
【0212】加硫助剤としては、具体的には、(1)
イオウ、(2) p−キノンジオキシムなどのキノンジ
オキシム系化合物、(3) トリメチロールプロパント
リアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ートなどの(メタ)アクリレート系化合物、(4) ジ
アリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどのアリ
ル系化合物、(5) m−フェニレンビスマレイミドな
どのマレイミド系化合物、(6) ジビニルベンゼンな
どが挙げられる。
【0213】ゴム組成物を発泡成形する場合には、発泡
剤、発泡助剤などが配合される。発泡剤としては、一般
的にゴムを発泡成形する際に用いられる発泡剤を広く使
用することができる。具体例として次の化合物を挙げる
ことができる。 (1) 重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ア
ンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムな
どの無機発泡剤 (2) N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテ
レフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレン
テトラミンなどのニトロソ化合物 (3) アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベ
ンゼン、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ化
合物
【0214】(4) ベンゼンスルホニルヒドラジド、
トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホ
ン−3,3’−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニ
ルヒドラジド化合物 (5)カルシウムアジド、4,4−ジフェニルジスルホ
ニルアジド、p−トルエンスルホルニルアジドなどのア
ジド化合物
【0215】これらのうちでは、ニトロソ化合物、アゾ
化合物、アジド化合物が好ましい。発泡剤は、エチレン
系共重合体ゴム100重量部に対して、0.5〜30重
量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いることがで
きる。このような量割合で発泡剤を含有するゴム組成物
からは、見かけ比重0.03〜0.8g/cm3の発泡
体を製造することができる。
【0216】また発泡剤とともに発泡助剤を用いること
もでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低
下、分解促進、気泡の均一化などに効果がある。このよ
うな発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステア
リン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体
などが挙げられる。発泡助剤は、エチレン系共重合体ゴ
ム100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ま
しくは0.1〜5重量部の量で用いることができる。
【0217】本発明に係るゴム組成物は、また本発明の
目的を損なわない範囲で、他のゴム状体と共に用いるこ
とができる。そのような他のゴムの例としては、天然ゴ
ム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン
系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエ
ン系ゴムを挙げることができる。
【0218】また、エチレン・α−オレフィン系共重合
ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン・プロピレ
ンランダム共重合体(EPR)、エチレン・α−オレフ
ィン・ポリエン共重合体、例えばエチレン・プロピレン
・ジエン共重合体(EPDM)などを用いることができ
る。
【0219】エチレン系共重合体ゴムに加えて前述した
ゴム材料が混合されて用いられると、共加硫されて良好
な物性を有するゴム状体が得られる。エチレン系共重合
体ゴムとジエン系ゴムとの共加硫物は、ジエン系ゴムが
本来有する優れた機械的特性、耐摩耗性、耐動的疲労
性、耐油性を有するとともに耐候性、耐オゾン性、耐熱
老化性などにも優れている。天然ゴムとの共加硫物は、
強度、耐候性、耐オゾン性および動的特性に優れてい
る。ニトリルゴムとの共加硫物は、耐候性、耐オゾン性
および耐油性に優れている。ブタジエンゴムとの共加硫
物は、耐候性、耐オゾン性および耐摩耗性に優れてい
る。
【0220】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エ
チレン系共重合体ゴムおよび前記した添加剤ないし配合
剤を均一に混合することによって得ることができる。た
とえばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミック
スのようなインターナルミキサー類を用いて、エチレン
系共重合体ゴムおよび他の成分を、80〜170℃の温
度で3〜10分間混練した後、必要に応じて加硫剤、加
硫促進剤または加硫助剤などを加えて、オープンロール
などのロ−ル類あるいはニーダーを用いて、ロール温度
40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しするこ
とにより調製することができる。このようにして通常リ
ボン状またはシート状のゴム組成物(配合ゴム)が得ら
れる。前記のインターナルミキサー類での混練温度が低
い場合には、加硫剤、加硫促進剤、発泡剤などを同時に
混練することもできる。
【0221】[加 硫 ゴ ム]このエチレン系共重合
体ゴムは、加硫速度が速いため加硫剤を多量に用いなく
ても従来のエチレン系共重合体ゴムに比べて短い時間で
あるいは低温で加硫することができ、加硫ゴムを生産性
よく製造することができる。
【0222】本発明に係るゴム組成物は、加硫剤を使用
して加熱する方法、あるいは加硫剤を用いずに電子線を
照射する方法により加硫して各種用途に利用することが
できる。この組成物において、エチレン系共重合体ゴム
とともに目的に応じて他の成分を適宜含有することがで
きるが、エチレン系共重合体ゴムを、全ゴム組成物中2
0重量%以上、好ましくは25重量%以上の量で含有し
ていることが望ましい。ゴム組成物中におけるエチレン
系共重合体ゴムの含有量がこの範囲にあると、ゴム組成
物としての良好な物性が発現する。
【0223】ゴム組成物の加硫物(加硫ゴム)は、未加
硫のゴム組成物を、通常、押出成形機、カレンダーロー
ル、プレス、インジェクション成形機、トランスファー
成形機など種々の成形機を用いて所望形状に予備成形
し、成形と同時にまたは成形後に成形物を加硫槽内に導
入して加熱するか、あるいは電子線を照射することによ
り加硫して得ることができる。
【0224】ゴム組成物を加熱により加硫する場合に
は、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電
磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱形
態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜3
0分間加熱することが好ましい。
【0225】加硫剤を使用せずに電子線照射により加硫
する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1〜1
0MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギーを
有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad、好
ましくは0.5〜10Mradになるように照射すれば
よい。
【0226】成形および加硫に際しては、金型を用いて
もよいし、また金型を用いなくてもよい。金型を用いな
い場合には、ゴム組成物は通常連続的に成形しかつ加硫
される。
【0227】このように成形および加硫された加硫ゴム
は、ウェザーストリップ、ドアーグラスランチャンネ
ル、窓枠、ラジエータホース、ブレーキ部品、ワイパー
ブレード、ブレーキキャップ、天井材、エアバッグカバ
ー、インストゥルメントパネル、トリム、コントロール
ノブ、シートベルトカバー等の自動車工業部品;タイヤ
トレッド、タイヤサイドウォール、エンジンマウント等
の自動車用防振ゴム;ゴムロール、ベルト、パッキン、
ホース等の工業用ゴム製品;アノードキャップ、グロメ
ット、電線等の電気絶縁材;築用ガスケット、土木用シ
ート、ルーフィングシート等の土木建材用品;その他に
ゴム引布、導電性ゴム、高硬度ゴム、表皮シートなどの
用途に用いることができる。
【0228】また発泡剤を含有するゴム配合物を加熱発
泡させ、かつ加硫して得られる加硫発泡体は、断熱材、
クッション材、シーリング材などの用途に用いることが
できる。本発明に係わるエチレン系共重合体ゴムはスコ
ーチ安定性に優れているので、発泡成形時の発泡倍率が
安定し、発泡体を生産性よく製造することができる。す
なわち、発泡体の発泡倍率は、原料樹脂の初期粘度と、
成形中の粘度の上昇速度と、発泡剤の分解速度との微妙
なバランスで決まり、粘度の上昇速度が大きいほど短時
間に粘度が大きく変化するので発泡倍率の制御が難しく
なるが、エチレン系共重合体ゴムはスコーチ安定性に優
れているので発泡成形中の粘度上昇が小さく、このため
安定した発泡倍率の発泡体を効率よく製造することがで
きる。共重合体ゴムは、前述した通り、加硫速度と発泡
剤の分解速度のバランスが取りやすいため、得られた製
品は機械的特性に優れるという特徴を有する。
【0229】本発明の組成物からなる成形品がシートま
たはフィルム形状である場合、その層に、他のゴムまた
は樹脂からなる他の層を1層以上積層して複合化された
積層体としてもよい。他の層の原料としては、前記共役
ジエン系ゴム、エチレン・α−オレフィン系共重合ゴ
ム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどが
あげられる。
【0230】また本発明のエチレン系共重合体ゴムは、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオ
レフィン樹脂やポリスチレン等の熱可塑性樹脂と未加硫
状態でブレンドして使用することもできる。すなわち、
樹脂改質剤として利用することができる。この場合のブ
レンド割合は、エチレン系共重合体ゴムおよび樹脂の合
計量に対して、エチレン系共重合体ゴムの含有量が10
重量%以上、好ましくは20重量%以上になる配合割合
が望ましい。エチレン系共重合体ゴムがこのように利用
されると、熱可塑性樹脂の耐衝撃性や耐ストレスクラッ
ク性が向上する。ブレンドを行う際、さらにブチルゴ
ム、プロピレン系の柔軟成分、オイル、スチレン・エチ
レン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEB
S)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロ
ック共重合体(SEPS)などをさらに加えることもで
きる。
【0231】前記のエチレン系共重合体ゴムとポリオレ
フィン樹脂等の熱可塑性樹脂とのブレンド体は、引き続
きエチレン系共重合体ゴム成分を架橋すると、架橋ゴム
を含む樹脂組成物にすることができ、新たに熱可塑性エ
ラストマー的な良好な物性を発現させることができる。
架橋剤としては、過酸化物、イオウ化合物、フェノール
樹脂、キノイド化合物などが使用できる。架橋方法とし
ては、押出機などを用いて、混練と同時に架橋を行う動
的架橋方法が好ましい。
【0232】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はそれらの実施例によって何等限
定されるものではない。
【0233】まず、実施例で用いたエチレン系共重合体
のトリエン成分について、その合成方法を次に記す。 (トリエンの合成例) 《4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DM
DT)》の合成 1500mlのステンレス製オートクレーブ中に、窒素
雰囲気下、2,6−ジメチル−1,3,6−オクタトリ
エン257g(1.89モル)、トルエン500ml、
チオシアン酸コバルト6.18g(35.2ミリモ
ル)、トリ−o−トリルホスフィン21.4g(70.
4ミリモル)、および濃度1モル/リットルのトリエチ
ルアルミニウム/トルエン溶液200ml(トリエチル
アルミニウム200ミリモル)を加えて密閉した。
【0234】次にオートクレーブにエチレンボンベを直
結してエチレンを導入し、オートクレーブ内を10kg
f/cm2(ゲージ圧)まで加圧した。次に120℃に
加熱して、消費されたエチレンを間欠的に追加しなが
ら、合計5時間反応を行った。反応終了後にオートクレ
ーブを冷却してから開放し、得られた反応混合物を50
0mlの水中に注いで、有機相と水相とに分離した。分
離された有機相を、80段の蒸留塔で精製蒸留し、目的
物である4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン
108gを得た(収率36%)。
【0235】ここで得られた4,8−ジメチル−1,
4,8−デカトリエンの分析結果を次に示す。 (1)沸点:91℃/20mmHg (2)質量スペクトル:m/z 164(M+分子イオ
ンピーク)、149、135、123、108、95、
79、67、55、41 (3)1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3) 吸収ピークを下記に示す。 ppm(δ) 1.55 (3H,doublet) 1.65 (6H,doublet) 2.05 (4H,multiplet) 2.75 (2H,doublet) 4.95 (2H,multiplet) 5.2 (2H,multiplet) 5.7 (1H,multiplet)
【0236】(実施例1) [エチレン・プロピレン・4,8−ジメチル−1,4,
8−デカトリエン(DMDT)・5−エチリデン−2−
ノルボルネン(ENB)の四元共重合体(ゴム)の製
造]攪拌翼を備えた重合器を用いて、エチレンとプロピ
レンと前記の4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリ
エン(DMDTと記す)を主に含むDMDT混合物と5
−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)との四元共
重合反応を行った。
【0237】十分に窒素置換した容量15リットルの攪
拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でDMDT1
95ml、ヘプタン6.4l、ENB100mlを挿入
した。このオートクレーブに、攪拌翼を回し、かつ氷冷
しながらプロピレンを0.5MPaになるように導入し
た。次にオートクレーブを40℃まで加熱し、更に、全
圧が0.8MPaとなるようにエチレンで加圧した。次
に、別の反応器にトリフェニルカルベニウム(テトラキ
スペンタフルオロフェニル)ボレート(旭硝子社製)の
トルエン溶液(濃度0.02mmol/ml)15m
l、トリイソブチルアルミニウム(東ソー・アクゾ社
製)のヘプタン溶液(濃度0.25mmol/ml)1
5ml、公知の方法により合成した[ジメチル(t−ブ
チルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエ
ニル)シラン]チタンジクロリド(アルドリッチ製)の
トルエン溶液(0.001mmol/ml)15mlを
加え、この混合溶液を15分間攪拌した後、窒素でオー
トクレーブに圧入し重合を開始した。
【0238】その後、60分間、オートクレーブを内温
70℃になるように温度調製し、かつ圧力が0.8MP
aとなるように直接的にエチレンの供給を行った。重合
開始60分後、オートクレーブにポンプでメタノール5
0mlを挿入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧
まで脱圧した。反応溶液に20リットルのメタノールを
攪拌しながら注いだ。
【0239】次いで、得られた溶媒を含むゴム鞠状の重
合体に、重合体約100g当たり、安定剤「Irgan
ox1010」(チバガイギー製)30mgおよび「M
ark329k」(旭電化製)60mgを混合した後、
130℃、600torrで13時間乾燥した。エチレ
ン・プロピレン・DMDT・ENB共重合体150gを
得た。
【0240】この共重合体の組成および性状は、次の通
りであった。 エチレン/プロピレン/DMDT/ENB(モル比)=
65.4/30.9/1.9/1.8 極限粘度[η]=2.7(dl/g) ヨウ素価IV =39であった。
【0241】(実施例2)実施例1において、原料、反
応条件などを表1に示すように変えた以外は、実施例1
と同様に共重合反応をおこない、4元共重合体を得た。
【0242】
【表1】
【0243】* チタン系触媒 :[ジメチル(t−ブ
チルアミド)(テトラキス−η5−シクロペンタジエニ
ル)シラン]チタンジクロリッド * ホウ素系助触媒:トリフェニルカルベニウム(テト
ラキスペンタフルオロフェニル)ボレート * アルミニウム触媒:トリイソブチルアルミニウム * DMDT :4,8−ジメチル−1,4,8
−デカトリエン * ENB :5−エチリデン−2−ノルボル
ネン
【0244】(比較例1)VO(OC25)Cl2
(C251.5AlCl1.5触媒を用いて、エチレン・プ
ロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン(EN
B)共重合体を製造した。この共重合体中のエチレン含
量は70モル%であり、ヨウ素価は12であり、極限粘
度[η]は2.1(dl/g)であった。
【0245】(実施例3〜4)実施例1〜2で得たエチ
レン・プロピレン・DMDT・ENB四元共重合体を用
い、次の配合処方に従って1.7リットルのバンバリー
ミキサーを使用して混練し、ゴム組成物を得た。
【0246】 エチレン・プロピレン・DMDT・ENB四元共重合体:100重量部 亜鉛華1号 :5重量部 ステアリン酸 :1重量部 カーボンブラック[N330,商品名:シースト3,東海カーボン(株)製 ] :80重量部 パラフィン系オイル[商品名:「サンレックス 2280」(株)日本サン 石油製)] :50重量部
【0247】次いで、6インチロール(F/B=50/
50℃)を用い、前記の組成物にさらに次の配合剤を加
えて混練し、配合ゴム(ゴム組成物)を得た。 加硫促進剤A(テトラメチルチウラムジスルフィド) [商品名:ノクセラーTT,大内新興化学(株)製] :1.0重量部 加硫促進剤B(2−メルカプトベンゾチアゾール) [商品名:ノクセラーM,大内新興化学(株)製] :0.5重量部 硫黄 :1.5重量部
【0248】この配合ゴムの125℃におけるスコーチ
タイム(t5)を測定し、表2に記した。なお、スコー
チタイムは、ムーニー粘度計SMV−202((株)島
津製作所製)を用いて、125℃でムーニー粘度の変化
を測定し、t5(分)を求め、この値をスコーチタイム
の目安とした。このt5が長いほどスコーチ安定性がよ
いことを示している。
【0249】また、この配合ゴムの160℃での加硫速
度(tc(90)(分))を測定して、その結果を表2
に併せて記した。なお、加硫速度は、JSRキュラスト
メーター3号(日本合成ゴム(株)社製)を用いて測定
し、加硫曲線から得られるトルクの最低値MLと最高値
MHとの差をME(ME=MH−ML)とし、90%M
E値に到達するに要する時間:tc(90)(分)をも
って、加硫速度の評価とした。
【0250】次に、前記した配合組成の未加硫配合ゴム
を、160℃の温度でtc(90)(分)+5分の条件
下でプレス成形して加硫させ、その加硫ゴムの物性を測
定して、表2に併せて記した。加硫物性は、JIS K
6251、およびJIS K 6253に準拠して測
定し、加硫ゴムの100%モジュラス(M100)、引張
破断点応力(TB)、引張破断点伸び(EB)、および硬
度(HA、ショアーA 準拠)として示した。
【0251】(比較例2)比較例1で得たエチレン・プ
ロピレン・ENB共重合体を用い、実施例3と同様にし
てバンバリミキサーによる混合、引き続くロールによる
混合を行って未加硫ゴムを製造し、その物性を表2に記
した。更に、その未加硫ゴムを実施例3と同じ条件で加
硫させ、その加硫ゴムについても物性測定を行って表2
に併せて記した。
【0252】
【表2】
【0253】
【発明の効果】本発明によると、耐候性、耐熱性、耐オ
ゾン性、加工性に優れ、特に加硫速度が速く、スコーチ
安定性に良好なエチレン系共重合体ゴムが提供される。
この共重合体ゴムを発泡成形に供すると、加硫速度と発
泡剤の分解速度とのバランスが取りやすく、加硫後の機
械的特性に優れた架橋発泡体が得られる。
【0254】このような共重合体ゴムは、立体規則性重
合触媒を用いて容易に製造することができ、また、その
共重合体ゴムに補強材、軟化剤、架橋剤、発泡剤等の各
種の配合剤を加えると、加硫ゴムや架橋発泡ゴムの製造
に適したゴム組成物にすることができる。また、このエ
チレン系共重合体ゴムは、樹脂改質剤としても利用する
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 岡田 圭司 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AC012 AC062 AC072 AC082 AC092 AE052 AG002 BA012 BB051 BB132 BB151 BB171 BK002 DA036 DE216 DE226 DE236 DJ016 DJ046 EA016 EF056 EG046 EP026 EQ026 ES006 ET006 EV286 FB096 FD016 FD022 FD026 FD070 FD140 FD150 FD326 GL00 GM00 GN00 GQ01 4J028 AB01A AC01A AC04A AC05A AC06A AC07A AC10A AC30A AC33A AC36A AC39A BA01A BA01B BA02A BB01A BB01B BB02A BC24A BC24B BC25B BC27A BC27B BC34A CB64C CB65C CB87C CB94C EB02 EB03 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB10 EB11 EB18 EC06 EC07 GA04 GA23 4J100 AA01Q AA02P AA03Q AA04Q AA08Q AA15Q AA16Q AA17Q AA19Q AA21Q AS21R AU21S CA06 FA10 JA28 JA67

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次に示す(i)〜(iv)のモノマーを構
    造単位として含有するランダム共重合体であって、 (i)エチレン、 (ii)炭素数3〜20のα−オレフィン、 (iii)一般式(1)で表されるトリエン化合物、 【化1】 [式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原
    子、メチル基またはエチル基であって、R3およびR4
    それぞれ独立してメチル基またはエチル基である。] (iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非
    共役ジエン、この共重合体は、 (a)エチレンから導かれる単位(i)と、炭素数3〜
    20のα−オレフィンから導かれる単位(ii)との構成
    比〔(i)/(ii)〕が、モル比で表して95/5〜
    40/60の範囲にあり、 (b)トリエン化合物から導かれる構造単位が、0.1
    〜10モル%の範囲で含有され、 (c)非共役ジエンから導かれる構造単位が、0.1〜
    10モル%の範囲で含有され、 (d)135℃、デカリン中で測定される極限粘度
    [η]が、0.1〜10(dl/g)の範囲にあること
    を特徴とするエチレン系共重合体ゴム。
  2. 【請求項2】前記の一般式(1)で表されるトリエン化
    合物が、次に示す一般式(2)の結合様式で共重合体中
    に含有されていることを特徴とする請求項1に記載のエ
    チレン系共重合体ゴム 【化2】 [式(2)中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原
    子、メチル基またはエチル基であって、R3およびR4
    それぞれ独立してメチル基またはエチル基である。]
  3. 【請求項3】前記の一般式(1)で示されるトリエン化
    合物において、R3およびR4が共にメチル基であること
    を特徴とする請求項1または2に記載のエチレン系共重
    合体ゴム。
  4. 【請求項4】前記の一般式(1)で示されるトリエン化
    合物が、次式(3)で表される化合物であることを特徴
    とする請求項1または2に記載のエチレン系共重合体ゴ
    ム。 【化3】
  5. 【請求項5】前記のα−オレフィンが、プロピレン、1
    −ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンからなる群
    から選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエチレ
    ン系共重合体ゴム。
  6. 【請求項6】前記の非共役ジエンが、それの持つ炭素・
    炭素二重結合の内の1個が分子末端に位置するビニル基
    であって、他の二重結合が内部オレフィンの構造で結合
    した化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載のエチレン系共重合体ゴム。
  7. 【請求項7】前記の非共役ジエンが、脂環族ジエン化合
    物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のエチレン系共重合体ゴム。
  8. 【請求項8】前記の非共役ジエンが、5−エチリデン−
    2−ノルボルネンであることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載のエチレン系共重合体ゴム。
  9. 【請求項9】前記のトリエン化合物および非共役ジエン
    から導かれる構造単位の合計量が、全構造単位の0.2
    〜10モル%であることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載のエチレン系共重合体ゴム。
  10. 【請求項10】前記の共重合体のヨウ素価が、0.5〜
    50であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに
    記載のエチレン系共重合体ゴム。
  11. 【請求項11】次に示す(i)〜(iv)のモノマーを
    遷移金属化合物(イ)と、有機アルミニウム化合物およ
    び/またはイオン化イオン性化合物(ロ)とから形成さ
    れる触媒の存在下にランダム共重合させ、 (i)エチレン、 (ii)炭素数3〜20のα−オレフィン、 (iii)一般式(1)で表されるトリエン化合物、 【化4】 [式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原
    子、メチル基またはエチル基であって、R3およびR4
    それぞれ独立してメチル基またはエチル基である。] (iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非
    共役ジエン、得られた共重合体が、 (a)エチレンから導かれる単位(i)と、炭素数3〜
    20のα−オレフィンから導かれる単位(ii)との構成
    比〔(i)/(ii)〕が、モル比で表して95/5〜
    40/60の範囲にあり、 (b)トリエン化合物から導かれる構造単位が、0.1
    〜10モル%の範囲で含有され、 (c)非共役ジエンから導かれる構造単位が、0.1〜
    10モル%の範囲で含有され、 (d)135℃、デカリン中で測定される極限粘度
    [η]が、0.1〜10(dl/g)の範囲にあること
    を特徴とするエチレン系共重合体ゴムの製造方法。
  12. 【請求項12】前記の触媒が、メタロセン系立体規則性
    重合触媒であることを特徴とする請求項11に記載のエ
    チレン系共重合体ゴムの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1〜10のいずれかに記載のエチ
    レン系共重合体ゴム100重量部に対して補強材が30
    0重量部以下の量割合で配合されていることを特徴とす
    るゴム組成物。
  14. 【請求項14】請求項1〜10のいずれかに記載のエチ
    レン系共重合体ゴム100重量部に対して軟化剤が20
    0重量部以下の量割合で配合されていることを特徴とす
    るゴム組成物。
  15. 【請求項15】請求項1〜10のいずれかに記載のエチ
    レン系共重合体ゴムに加硫剤および/または発泡剤が配
    合されていることを特徴とするゴム組成物。
  16. 【請求項16】請求項1〜10のいずれかに記載のエチ
    レン系共重合体ゴムに他のゴム状体が配合されているこ
    とを特徴とするゴム組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348087A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Mitsui Chemicals Inc 防振ゴム用組成物及び防振ゴム製品
JP2006348095A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Mitsui Chemicals Inc 防振ゴム用組成物及び防振ゴム製品
JP2007153953A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Mitsui Chemicals Inc 注入スポンジ用ゴム組成物、及びスポンジゴム製品
WO2022091599A1 (ja) * 2020-10-27 2022-05-05 デンカ株式会社 発泡ゴム組成物、発泡体及び成形品

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