JP3535923B2 - エチレン系共重合体ゴムおよびその製造方法並びに該共重合体ゴムが含まれた加硫可能なゴム組成物 - Google Patents

エチレン系共重合体ゴムおよびその製造方法並びに該共重合体ゴムが含まれた加硫可能なゴム組成物

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JP3535923B2 JP20121995A JP20121995A JP3535923B2 JP 3535923 B2 JP3535923 B2 JP 3535923B2 JP 20121995 A JP20121995 A JP 20121995A JP 20121995 A JP20121995 A JP 20121995A JP 3535923 B2 JP3535923 B2 JP 3535923B2
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崎 雅 昭 川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、エチレン系共重合体ゴム
およびその製造方法並びに該共重合体ゴムが含まれた加
硫可能なゴム組成物に関し、さらに詳しくは耐候性、耐
熱性、耐オゾン性に優れ、しかも加硫速度が速く、加工
性に優れたエチレン系共重合体ゴムに関する。また本発
明は、上記のようなエチレン系共重合体ゴムの製造方法
並びに該共重合体ゴムが含まれた加硫可能なゴム組成物
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】不飽和性エチレン系共重合体は、
加硫可能なポリマーであって、耐候性、耐オゾン性、耐
熱老化性などに優れており、自動車用部品、電気絶縁材
料、建築土木資材、工業用ゴム材料等のゴム製品として
用いられており、またポリプロピレン、ポリスチレン等
へのプラスチックブレンド用材料(改質材)として広く
用いられている。
【0003】このような不飽和性エチレン系共重合体と
しては、従来エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-
ノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシク
ロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4-
ヘキサジエン共重合体などが知られている。これらのう
ちでもエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボ
ルネン共重合体は、他の不飽和性エチレン系共重合体に
比べ、加硫速度が速く特に広く用いられている。
【0004】しかしながらこれら従来の不飽和性エチレ
ン系共重合体には、加硫速度のさらなる向上が望まれて
いるのが実情である。すなわち不飽和性エチレン系共重
合体は、たとえばエチレン・プロピレン・5-エチリデン
-2-ノルボルネン共重合体であっても天然ゴム、スチレ
ン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、ニトリルゴムなどのジエン系ゴムに比べると加硫速
度が遅く、またこれらのジエン系ゴムに比べると、加硫
速度を広い範囲で自由に制御することができないという
問題点があった。
【0005】また、もし不飽和性エチレン系共重合体の
加硫速度を速めようと、加硫温度を極端に高くし、ある
いは加硫剤を多量に使用すると、加硫工程のコストアッ
プにつながり、特に上記のように加硫温度を極端に高く
すると得られる加硫ゴムは品質の劣ったものとなり、ま
た、加硫剤を多量に使用すると得られる加硫ゴムの表面
に加硫剤がブルーミングしてくることがあり衛生上も外
観上も好ましくないという問題点があった。
【0006】ところで、不飽和性エチレン系共重合体の
押出成形によりスポンジを製造する場合、不飽和性エチ
レン系共重合体の加硫速度と発泡剤の分解速度とのバラ
ンスをとることにより、その発泡倍率、発泡状態を制御
している。
【0007】このようなスポンジ成形において、例え
ば、発泡剤の分解速度よりも加硫速度が速いと得られる
成形物の表面肌は比較的きれいに仕上がるが、発泡倍率
は低くなってしまう。逆に発泡剤の分解速度よりも加硫
速度が遅いと発泡剤から発生した気体が抜け、得られる
成形物の表面肌が悪くなったり、発泡倍率が不充分にな
ってしまう。
【0008】このため、従来では、表面肌が良好で、し
かも発泡倍率の高い成形物としてのスポンジゴムを得る
には、加硫速度と発泡剤の分解速度のバランスを厳密に
調整する必要があった。
【0009】なお、不飽和性エチレン系共重合体の押出
成形によるスポンジ製造法の内でも、広く採用されてい
る熱風槽での加硫法によれば、熱伝達が不飽和性エチレ
ン系共重合体の表面から内部へと進行するため、押出さ
れるスポンジの表面で比較的速やかに加硫が行われ、発
泡倍率と表面肌とのバランスがある程度保持されたスポ
ンジが得られるが、充分ではなかった。
【0010】このため、加硫速度が速く、しかも特にス
ポンジ成形において加硫速度と発泡剤の分解速度とのバ
ランスが取りやすく、加硫すると機械的特性などに優れ
るようなエチレン系共重合ゴムの出現が望まれていた。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、耐候性、耐熱
性、耐オゾン性に優れ、しかも加硫速度が速く、特にス
ポンジ成形において加硫速度と発泡剤の分解速度とのバ
ランスが取りやすく、加工性に優れ、加硫すると機械的
強度に優れるようなエチレン系共重合体ゴムを提供する
ことを目的としている。本発明は上記のような特性のエ
チレン系共重合体ゴムの製造方法並びに該不飽和性エチ
レン系共重合体ゴムを含有する加硫可能なゴム組成物を
提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】本発明に係るエチレン系共重合体ゴム
は、(i)エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα−オレフ
ィンと、(iii)1分子中に1個のビニル基を有する、少
なくとも1種の直鎖状または分岐状非共役トリエンまた
はテトラエン(併せてポリエンとも言う)と、(iv)1分
子中に重合可能な二重結合を1個有する非共役ジエン
と、のランダム共重合体であって、(a)エチレンから導
かれる単位(i)と、炭素数3〜20のα-オレフィンから
導かれる単位(ii)とを、95/5〜40/60〔(i)/
(ii)〕のモル比で含有し、(b)1分子中に1個のビニル
基を有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐状非共
役トリエンまたはテトラエンから導かれる単位(iii)を
0.1〜10モル%の量で含有し、(c)1分子中に重合
可能な二重結合を1個有する非共役ジエンから導かれる
単位(iv)を0.1〜10モル%の量で含有し、(d)13
5℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、0.1
〜10dl/gの範囲にあることを特徴としている。
【0013】本発明の好ましい態様においては、上記(i
ii)非共役トリエンまたはテトラエンは、ビニル基に隣
接した炭素原子に、1個の直鎖状または分岐状炭化水素
基と、2個の水素原子と、が結合したものであることが
望ましい。
【0014】本発明の特に好ましい態様においては、上
記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記式[H
−1]で表され、上記(iii)非共役トリエンまたはテト
ラエンから誘導される構成単位が下記式[H−2]で表
されることが望ましい。
【0015】
【化11】
【0016】[式[H−1]中、pとqとは0または1
であり(但しpとqは同時に0ではない)、fは0〜5
の整数であり(但しpとqが1の場合fは0ではな
い)、gは1〜6の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,
6およびR7は水素原子または炭素数1〜5のアルキル
基であり、R8は炭素数1〜5のアルキル基であり、R9
は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または −(C
2n−CR10=CR1112で表される基(ここで、n
は1〜5の整数であり、R10,R11は水素原子または炭
素数1〜5のアルキル基であり、R12は炭素数1〜5の
アルキル基である)である(但し、pとqが1の場合、
9は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であ
る)。]
【0017】
【化12】
【0018】[式[H−2]中、p、q、f、g、R1
〜R9は、上記式[H−1]の場合と同じ意味であ
る。] また、本発明のさらに好ましい態様の1つにおいては、
上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記式
[Ia]で表され、上記(iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンから誘導される構成単位が下記式[IIa]で
表されることが望ましい。
【0019】
【化13】
【0020】[式[Ia]中、fは0〜5の整数であ
り、gは1〜6の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R
6およびR7は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基
であり、R8は炭素数1〜5のアルキル基であり、R9
水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または −(CH
2n−CR10=CR1112で表される基(ここで、nは
1〜5の整数であり、R10,R11は水素原子または炭素
数1〜5のアルキル基であり、R12は炭素数1〜5のア
ルキル基である)である。]
【0021】
【化14】
【0022】[式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、
上記式[Ia]の場合と同じ意味である。] この内でも、上記式[Ia]および式[IIa]におい
て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることが望
ましい。
【0023】本発明の別の好ましい態様においては、上
記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンが下記式[I
b]で表され、上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
エンから誘導される構成単位が下記式[IIb]で表さ
れることが望ましい。
【0024】
【化15】
【0025】[式[Ib]中、fは0〜5の整数であ
り、gは1〜6の整数であり、R1,R2,R5,R6,R7
水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
は炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、
炭素数1〜5のアルキル基または−(CH2n−CR10
=CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
る)である。]
【0026】
【化16】
【0027】[式[IIb]中、f、g、R1〜R9は式
[Ib]の場合と同じ意味である。] より好ましくは、上記(iii)非共役テトラエンが下記式
[Ib']で表され、上記(iii)非共役テトラエンから誘
導される構成単位が下記式[IIb']で表されること
が望ましい。
【0028】
【化17】
【0029】[式[Ib']中、fは0〜5の整数であ
り、gは1〜6の整数であり、R1,R2,R5,R6および
7は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であ
り、R8は炭素数1〜5のアルキル基であり、nは1〜
5の整数であり、R10,R11は水素原子または炭素数1
〜5のアルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキ
ル基である。]
【0030】
【化18】
【0031】[式[IIb']中、f、g、R1、R2
5〜R8、n、R10〜R12は式[Ib']の場合と同じ
である。] 本発明のさらに好ましい態様においては、上記式[I
b]、式[IIb]、式[Ib']および式[IIb']
において、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であること
が望ましい。
【0032】その内でも、上記(iii)非共役トリエンま
たはテトラエンが下記式[Ic]で表され、上記(iii)
非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単
位が下記式[IIc]で表されることが望ましい。
【0033】
【化19】
【0034】[式[Ic]中、fは0〜5の整数であ
り、gは1〜6の整数であり、R1,R2,R5,R6および
7は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であ
り、R8は炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素
原子または炭素数1〜5のアルキル基である。]
【0035】
【化20】
【0036】[式[IIc]中、f、g、R1、R2、R
5〜R9は、式[Ic]の場合と同じ意味である。] 本発明おいては、上記式[Ic]および式[IIc]中
のR1,R2,R5,R6が全て水素原子であることが望まし
い。
【0037】本発明の特に好ましい態様においては、上
記(iii)非共役トリエンまたはテトラエン中の全ての炭
素−炭素二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水
素原子の総数が、9〜33個、さらには12〜33個、
特に14〜33個であることが望ましい。
【0038】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムの製
造方法は、(i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20のα−
オレフィンと、(iii) 1分子中に1個のビニル基を有す
る、少なくとも1種の直鎖状または分岐状非共役トリエ
ンまたはテトラエンと、(iv)1分子中に重合可能な二重
結合を1個有する非共役ジエンとを、遷移金属化合物
(イ)と、有機アルミニウム化合物および/またはイオン
化イオン性化合物(ロ)とから形成される触媒の存在下に
共重合させて、(i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20の
α−オレフィンと、(iii)1分子中に1個のビニル基を
有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐状非共役ト
リエンまたはテトラエンと、(iv)1分子中に重合可能な
二重結合を1個有する非共役ジエンとの、ランダム共重
合体であり、(a)エチレンから導かれる単位(i)と、炭素
数3〜20のα-オレフィンから導かれる単位(ii)と
を、95/5〜40/60〔(i)/(ii)〕のモル比で含
有し、(b)1分子中に1個のビニル基を有する、少なく
とも1種の直鎖状または分岐状非共役トリエンまたはテ
トラエンから導かれる単位(iii)を0.1〜10モル%
の量で含有し、(c)1分子中に重合可能な二重結合を1
個有する非共役ジエンから導かれる単位(iv)を0.1〜
10モル%の量で含有し、(d)135℃デカリン中で測
定される極限粘度[η]が、0.1〜10dl/gであ
るエチレン系共重合体ゴムを製造することを特徴として
いる。
【0039】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムの好
ましい製造方法においては、上記(iii)非共役トリエン
またはテトラエンが、ビニル基に隣接した炭素原子に1
個のビニル基以外の直鎖状または分岐状炭化水素基と、
2個の水素原子が結合したものであり、上記(iii)非共
役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成単位
が、ポリマー主鎖に隣接した炭素原子に、1個の直鎖状
または分岐状炭化水素基と、2個の水素原子とが結合し
たものであることが望ましい。
【0040】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムのさ
らに好ましい製造方法においては、上記(iii)非共役ト
リエンまたはテトラエンが上記式[H−1]で表され、
上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
れる構成単位が上記式[H−2]で表されることが望ま
しい。
【0041】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムのよ
り好ましい製造方法の1つにおいては、上記(iii)非共
役トリエンまたはテトラエンが上記式[Ia]で表さ
れ、上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘
導される構成単位が上記式[IIa]で表されることが
望ましく、さらには、上記式[Ia]および式[II
a]において、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であ
ることが望ましい。
【0042】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムの別
のより好ましい製造方法においては、上記(iii)非共役
トリエンまたはテトラエンが上記式[Ib]で表され、
上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
れる構成単位が上記式[IIb]で表されることが望ま
しく、さらには、上記(iii)非共役テトラエンが上記
式[Ib']で表され、上記(iii)非共役テトラエンか
ら誘導される構成単位が上記式[IIb']で表される
ことが望ましく、特に、上記式[Ib]、式[II
b]、式[Ib']および式[IIb']において、R1,
2,R5,R6が全て水素原子であることが望ましい。
【0043】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムの好
ましい製造方法においては、上記(iii)非共役トリエン
またはテトラエンが上記式[Ic]で表され、上記(ii
i)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導される構成
単位が上記式[IIc]で表されることが望ましく、さ
らには、上記式[Ic]および式[IIc]において、
1,R2,R5,R6が全て水素原子であることが望まし
い。
【0044】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムの好
ましい製造方法においては、上記(iii)非共役トリエン
またはテトラエン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接
する炭素原子に直接結合した水素原子の総数が、9〜3
3個、さらには12〜33個、特に14〜33個である
ことが望ましい。
【0045】本発明に係るゴム組成物は、上記記載のエ
チレン系共重合体ゴムと、下記(a)、(b)、(c)の内の少
なくとも1種以上の成分と、を含むことを特徴してい
る。 (a)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して3
00重量部以下の量の補強剤、(b)該エチレン系共重合
体ゴム100重量部に対して200重量部以下の量の軟
化剤、(c)加硫剤。
【0046】上記のような本発明に係るエチレン系共重
合体ゴムは、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れしかも
加硫速度が速く、特にスポンジ成形においては加硫速度
と発泡剤の分解速度とのバランスを取りやすく、加工性
に優れ、加硫すると機械的強度に優れている。
【0047】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るエチレン系共
重合体ゴムおよびその製造方法並びに該共重合体ゴムが
含まれた加硫可能なゴム組成物について具体的に説明す
る。[エチレン系共重合体ゴム] 本発明に係るエチレン系共
重合体ゴムは、(i) エチレンと、(ii)炭素数3〜20の
α−オレフィンと、(iii) 1分子中に1個のビニル基を
有する、少なくとも1種の直鎖状または分岐状非共役ト
リエンまたはテトラエン(両者を併せて「ポリエン」と
も言う)と、(iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個
有する非共役ジエンと、のランダム共重合体である。
【0048】[α-オレフィン(ii)]このような(ii)炭
素数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メ
チル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペ
ンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、
4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、
4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサ
デセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げら
れ、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテンが用いられる。これらのα-オレフィ
ンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0049】[非共役トリエンまたはテトラエン(ii
i)]本発明においては、上記(iii) 非共役トリエンまた
はテトラエン(非共役ポリエン)は、炭化水素化合物で
ある。この炭化水素化合物1個当たりの総炭素数(2種
以上の炭化水素化合物の場合にはその平均炭素数で示
す)は、通常特に限定されないが、好ましくは9〜30
個、さらに好ましくは10〜25個、特に好ましくは1
0〜22個であることが望ましい。炭素数がこれらの範
囲にある化合物は、精製などの取扱いが容易であるので
有利である。なお、「トリエン」とは、1分子中に3個
の炭素−炭素二重結合(C=C)を有する化合物を意味
し、また「テトラエン」とは1分子中に4個の炭素−炭
素二重結合を有する化合物(炭化水素化合物)を意味す
る。従ってこの炭素−炭素二重結合には、当然、ビニル
基(CH2=CH−)の炭素−炭素二重結合も含まれ
る。
【0050】この(iii)非共役トリエンまたはテトラエ
ンは、1個の分子中にただ1個のビニル基(CH2=C
H−)を有している。本発明におけるこの(iii)非共役
トリエンまたはテトラエンには、ビニル基を含めて3個
(トリエンの場合)あるいは4個(テトラエンの場合)
の炭素−炭素二重結合(C=C)が含まれているが、こ
の非共役トリエンまたはテトラエン1分子中に含まれる
全ての炭素−炭素二重結合に隣接した炭素原子に直接結
合している水素原子の総数は、通常特に限定されない
が、好ましくは9〜33個、好ましくは12〜33個、
さらに好ましくは14〜33個であることが望ましい。
水素原子の総数がこのような範囲にあると、加硫速度の
速い共重合体が得られるので好ましい。
【0051】本発明においては、このような非共役トリ
エンまたはテトラエンの内でも、該非共役トリエンまた
はテトラエン中のビニル基にはメチレン基(−CH
2−)が隣接しているものであることが好ましい。
【0052】なお、この水素原子数は、用いられる非共
役トリエンまたはテトラエンが2種以上の場合にはこれ
らの水素原子数の平均で示す。ここで、この「水素原子
数の数え方」について、さらに具体的に詳説すると、下
記化合物では、炭素−炭素二重結合は、1−2炭素(:
ビニル基のもの)、4−5炭素、12−14炭素、16
−17炭素に存在し、炭素−炭素二重結合に隣接する炭
素は、付番3、6、7、11、13、15、18となる
(付番8、9、10、19の炭素はこれに含まれな
い)。従って炭素−炭素二重結合に隣接する炭素に結合
している水素原子数の合計は、付番:3番に2個、6番
に3個、7番に2個、11番に2個、13番に3個、1
5番に2個、18番に2個であるから、16個となる。
【0053】
【化21】
【0054】また、下記の化合物(5-エチリデン−2
−ノルボルネン)を例に採って説明すると、この化合物
では、下記式に示すように炭素−炭素二重結合は、2−
3炭素と、5−8炭素に存在し、炭素−炭素二重結合に
隣接する炭素は、付番1、4、6、9となる(付番7の
炭素はこれに含まれない)。従って炭素−炭素二重結合
に隣接する炭素に結合している水素原子数の合計は、付
番:1番に1個、4番に1個、6番に2個、9番に3個
であるから、7個となる。
【0055】
【化22】
【0056】本発明では、このような直鎖状または分岐
状の非共役トリエンまたはテトラエンは、少なくとも1
種以上用いられる。このような(iii)非共役トリエンま
たはテトラエンは、好ましくは下記式[H−1]で表さ
れる。
【0057】
【化23】
【0058】[式[H−1]中、pとqとは0または1
であり(但しpとqは同時に0ではない)、fは0〜5
の整数であり(但しpとqが1の場合fは0でない)、
gは1〜6の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6
よびR7は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基で
あり、R8は炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水
素原子、炭素数1〜5のアルキル基または −(C
2n−CR10=CR1112で表される基(ここで、n
は1〜5の整数であり、R10,R11は水素原子または炭
素数1〜5のアルキル基であり、R12は炭素数1〜5の
アルキル基である)である。ただし、pとqとが共に1
の場合、R9は水素原子または炭素数1〜5のアルキル
基である。] このような式[H−1]で表される非共役トリエンまた
はテトラエンの内で、好ましくは下記式[Ia]および
式[Ib]で表される非共役トリエンまたはテトラエン
(非共役ポリエンともいう)などが挙げられる。また、
非共役ポリエン[Ib]の内では、式[Ib']の非共
役テトラエンおよび式[Ic]の非共役トリエンがより
好ましい。
【0059】以下、これらの好ましい(iii)非共役トリ
エンまたはテトラエンについて順次詳細に説明する。非共役トリエンまたはテトラエン[Ia] 上記の化合物[H−1]の内で好ましい(iii)非共役ト
リエンまたはテトラエンは、下記式[Ia]で表される
直鎖状トリエンまたはテトラエン(直鎖状ポリエンとも
いう)である。
【0060】
【化24】
【0061】すなわちこの非共役トリエンまたはテトラ
エン[Ia]は、前記式[H−1]において、pが0で
あり、qが1であり、fは0〜5の整数であり、gは1
〜6の整数であり、その他は上記[H−1]と同様であ
る。
【0062】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ia]の内で、上記R1,R2,R 3,R4,R5,R6は水
素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水
素原子または炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好
ましくはR1,R2,R5,R6は水素原子であることが望ま
しい。
【0063】しかもR7は水素原子または炭素数1〜5
のアルキル基、好ましくは水素原子または炭素数1〜3
のアルキル基であることが望ましい。しかもR8は炭素
数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基であることが望
ましい。
【0064】さらにR9は水素原子、炭素数1〜5のア
ルキル基(好ましくは1〜3のアルキル基)または −
(CH2n−CR10=CR1112で表される基[ここ
で、nは1〜5好ましくは1〜3の整数であり、R10
11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、好ま
しくは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基であ
り、R12は炭素数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基
である]であることが望ましい。
【0065】上記式[Ia]において、炭素数1〜5の
アルキル基としては、具体的に、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル
基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基などが挙げ
られる。
【0066】このような(iii) 直鎖状トリエンまたはテ
トラエンとしては、具体的に下記のような化合物が挙げ
られ、好ましくは、6,10-ジメチル-1,5,9-ウンデカトリ
エン(DMUT)、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(DMD
T)、および化合物番号(17)、(26)、(58)、
(78)が用いられる。
【0067】
【化25】
【0068】
【化26】
【0069】
【化27】
【0070】
【化28】
【0071】
【化29】
【0072】
【化30】
【0073】
【化31】
【0074】
【化32】
【0075】
【化33】
【0076】
【化34】
【0077】
【化35】
【0078】これらは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。上記(iii)直鎖状トリエンまたはテ
トラエンは、例えば、従来公知の方法によって調製する
ことができる。
【0079】例えば、ビニル基含有ハロゲン化物(例:
ハロゲン化アリル、ハロゲン化ビニル)と金属Mgとを
反応させてグリニヤール試薬(アリル−MgXまたはビ
ニル−MgX)を調製する。次いで、このグリニヤール
試薬と、非共役二重結合含有直鎖状炭化水素のハロゲン
化物(例:ハロゲン化ゲラニル)とを反応させると遊離
基反応により、上記のような(iii)直鎖状ポリエンを製
造することができる。非共役トリエンまたはテトラエン[Ib] 上記化合物[H−1]の内で好ましい(iii)非共役トリ
エンまたはテトラエンは、下記式[Ib]で表される分
岐状トリエンまたはテトラエン(分岐状ポリエンともい
う)である。
【0080】
【化36】
【0081】すなわちこの非共役トリエンまたはテトラ
エン[Ib]は、前記式[H−1]において、pが1で
あり、qが0であり、fは0〜5の整数であり、gは1
〜6の整数であり、その他は上記式[H−1]と同様で
ある。
【0082】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ib]の内で、上記R1,R2,R 5,R6,R7は水素原
子または炭素数1〜5のアルキル基、好ましくは水素原
子または炭素数1〜3のアルキル基であり、特に好まし
くはR1,R2,R5,R6は全て水素原子であることが望ま
しい。
【0083】しかもR8は炭素数1〜5好ましくは1〜
3のアルキル基であることが望ましい。しかもR9は水
素原子、炭素数1〜5のアルキル基(好ましくは1〜3
のアルキル基)、または−(CH2n−CR10=CR11
12で表される基[ここで、nは1〜5好ましくは1〜
3の整数であり、R10は水素原子または炭素数1〜5好
ましくは1〜3のアルキル基であり、R11は水素原子ま
たは炭素数1〜5好ましくは1〜3のアルキル基である
ことが望ましい。
【0084】R12は炭素数1〜5好ましくは1〜3のア
ルキル基である]であることが望ましい。これらのうち
でR9としては、最も好ましくは上記炭素数のアルキル
基であることが望ましい。
【0085】このような非共役トリエンまたはテトラエ
ン[Ib]の内でも、式[Ic]で表される非共役とり
えんにまたは式[Ib']で表される非共役テトラエン
が好ましく用いられ、特にそのうち、R1,R2,R5
6が共に水素原子である式[Ib]のもの、すなわち
下記式[Ib−1]で表される非共役トリエン(分岐状
トリエン)または非共役テトラエン[Ib’](分岐状
テトラエン)が好ましく用いられ、さらに好ましくは、
下記式[Ib−1]で示される非共役トリエンが望まし
く用いられる。
【0086】
【化37】
【0087】[式[Ib−1]中、f、g、R7、R8
いずれも上記式[Ib]の場合と同じであり、R9が水
素原子または炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキ
ル基のものである。これらのf、g、R7、R8の内で好
ましいものも上記[Ib]と同じである。] このような(iii)分岐状ポリエン[Ib−1]として
は、具体的に下記(1)〜(24)に例示するような化
合物が挙げられ、好ましくは、(5)、(6)、
(9)、(11)、(14)、(19)、(20)が用
いられる。 (1):4-エチリデン-1,6-オクタジエン、(2):7-
メチル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、(3):7-メ
チル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、(4):7-エチル
--4-エチリデン-1,6-ノナジエン、(5):6,7-ジメチ
ル-4-エチリデン-1,6-オクタジエン、(6):6,7-ジメ
チル-4-エチリデン-1,6-ノナジエン、(7):4-エチリ
デン-1,6-デカジエン、(8):7-メチル-4-エチリデン
-1,6-デカジエン、(9):7-メチル-6-プロピル-4-エ
チリデン-1,6-オクタジエン、(10):4-エチリデン-
1,7-ノナジエン、(11):8-メチル-4-エチリデン-1,
7-ノナジエン(EMN)、(12):4-エチリデン-1,7
-ウンデカジエン、(13):8-メチル-4-エチリデン-
1,7-ウンデカジエン、(14):7,8-ジメチル-4-エチ
リデン-1,7-ノナジエン、(15):7,8-ジメチル-4-エ
チリデン-1,7-デカジエン、(16):7,8-ジメチル-4-
エチリデン-1,7-ウンデカジエン、(17):8-メチル-
7-エチル-4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン、(1
8):7,8-ジエチル-4-エチリデン-1,7-デカジエン、
(19):9-メチル-4-エチリデン-1,8-デカジエン、
(20):8,9-ジメチル-4-エチリデン-1,8-デカジエ
ン、(21):10-メチル-4-エチリデン-1,9-ウンデカ
ジエン、(22):9,10-ジメチル-4-エチリデン-1,9-
ウンデカジエン、(23):11-メチル-4-エチリデン-
1,10-ドデカジエン、(24):10,11-ジメチル-4-エチ
リデン-1,10-ドデカジエン。
【0088】上記化合物(1)〜(24)の化学式をま
とめて以下に示す。
【0089】
【化38】
【0090】
【化39】
【0091】
【化40】
【0092】
【化41】
【0093】これらは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。本発明で用いられる上記した分岐状
トリエンまたはテトラエン[Ib−1]は、トランス体
およびシス体の混合物であってもよく、トランス体単独
またはシス体単独であってもよい。
【0094】上記(iii)分岐状トリエン[Ib]は、本
願出願人の出願に係る特願平6-154952号明細書
に記載の方法によって調製することができる。すなわ
ち、例えば下記[I-a]で示される共役ジエンを有する
化合物とエチレンとを、遷移金属化合物および有機アル
ミニウム化合物からなる触媒の存在下に反応させること
により製造することができる。
【0095】
【化42】
【0096】(式[I-a]中、fは0〜5の整数であ
り、gは1〜6の整数であり、R9は炭素数1〜5のア
ルキル基であり、R7およびR8はそれぞれ独立して水素
原子または炭素数1〜5のアルキル基である。)。
【0097】このような式[Ib−1]で示される分岐
状ポリエンの詳細な調製法については後述する。 (iii)非共役ポリエン[Ib]の内で、さらに好ましい
ものは、下記式[Ib’]で表される。
【0098】
【化43】
【0099】[式[Ib’]中において、f、g、n、
7〜R12は前記[Ib]の場合と同様であり、好まし
いものも前記[Ib]と同様である。] すなわち、この非共役テトラエン(分岐状テトラエン)
は、前記式[Ib]において、特に、R9が前記「−
(CH2n−CR10=CR1112」で表される化合物
(ここで、n、R10、R11、R12は前記[Ib]の場合
と同様である)である。
【0100】このような式[Ib’]で表される非共役
テトラエン[Ib’]としては、具体的には、例えば下
記付番(1)〜(154)に示すようなものが挙げら
れ、好ましくは、4-エチリデン-8,12-ジメチル-
1,7,11-トリデカトリエン(EDT、化合物番号
47)が用いられる。
【0101】
【化44】
【0102】
【化45】
【0103】
【化46】
【0104】
【化47】
【0105】
【化48】
【0106】
【化49】
【0107】
【化50】
【0108】
【化51】
【0109】
【化52】
【0110】
【化53】
【0111】
【化54】
【0112】
【化55】
【0113】
【化56】
【0114】
【化57】
【0115】
【化58】
【0116】
【化59】
【0117】
【化60】
【0118】
【化61】
【0119】
【化62】
【0120】
【化63】
【0121】本発明においては、このような非共役ポリ
エンを1種または2種以上組み合わせて用いることがで
き、例えば、分岐状の非共役トリエン[Ic]、好まし
くは[Ib−1]と、分岐状の非共役テトラエン[I
b’]とを組み合わせて用いてもよく、前記直鎖状の非
共役トリエンまたはテトラエン[Ia]と、分岐状ポリ
エン[Ib]とを組み合わせて用いてもよい。
【0122】このような分岐状テトラエン[Ib’]の
構造は、質量分析、赤外線吸収スペクトル、プロトンN
MRスペクトル等を測定することにより決定することが
できる。このような分岐状テトラエン[Ib’]は、通
常、立体異性構造(トランス体とシス体)を有する。本
発明においては、上記立体異性体の混合物であってもよ
く、また、いずれかの幾何異性体単独であってもよい。
【0123】このような分岐状テトラエン[Ib’]の
合成法については、前記[Ib−1]の場合と同様であ
り、後述する。[非共役ジエン(iv)] 本発明においては、非共役ジエン
としては、炭素・炭素二重結合のうち重合可能な炭素・
炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ジ
エンが用いられる。なお、ここで重合可能な炭素・炭素
二重結合とは、通常では、後述するような触媒(例:メ
タロセン系触媒)によって重合可能なことを意味する。
【0124】この非共役ジエン(iv)には、例えば両末端
がビニル基(CH2=CH−)である鎖状ポリエンは含
まれない。このような非共役ジエン(iv)において2個以
上の炭素・炭素二重結合が存在する場合には、1個の炭
素・炭素二重結合のみは、分子末端ににビニル基として
存在し、他の炭素・炭素二重結合(C=C)は、分子鎖
(主鎖、側鎖を含む)中に内部オレフィン構造の形で存
在していることが好ましい。このような非共役ジエン(i
v)としては、下記のような脂肪族ジエン、脂環族ジエン
などが挙げられる。
【0125】脂肪族系の非共役ジエンとしては、具体的
には、例えば、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、
1,6-ヘプタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエ
ン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,13- テトラデ
カジエン、1,5,9-デカトリエン、3-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘ
キサジエン、4-エチル-1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,
5-ヘキサジエン、3,3-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、3,4
-ジメチル-1,5-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘプタジ
エン、5-エチル-1,4-ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプ
タジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、5-エチル-1,5-
ヘプタジエン、3-メチル-1,6-ヘプタジエン、4-メチル-
1,6-ヘプタジエン、4,4-ジメチル-1,6-ヘプタジエン、4
-エチル-1,6-ヘプタジエン、4-メチル-1,4-オクタジエ
ン、5-メチル-1,4-オクタジエン、4-エチル-1,4-オクタ
ジエン、5-エチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,5-オ
クタジエン、6-メチル-1,5-オクタジエン、5-エチル-1,
5-オクタジエン、6-エチル-1,5-オクタジエン、6-メチ
ル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-
エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエ
ン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、4-メチル-1,4-ノナジ
エン、5-メチル-1,4-ノナジエン、4-エチル-1,4-ノナジ
エン、5-エチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,5-ノナジ
エン、6-メチル-1,5-ノナジエン、5-エチル-1,5-ノナジ
エン、6-エチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,6-ノナジ
エン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジ
エン、7-エチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,7-ノナジ
エン、8-メチル-1,7-ノナジエン、7-エチル-1,7-ノナジ
エン、5-メチル-1,4-デカジエン、5-エチル-1,4-デカジ
エン、5-メチル-1,5-デカジエン、6-メチル-1,5-デカジ
エン、5-エチル-1,5-デカジエン、6-エチル-1,5-デカジ
エン、6-メチル-1,6-デカジエン、6-エチル-1,6-デカジ
エン、7-メチル-1,6-デカジエン、7-エチル-1,6-デカジ
エン、7-メチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,7-デカジ
エン、7-エチル-1,7-デカジエン、8-エチル-1,7-デカジ
エン、8-メチル-1,8-デカジエン、9-メチル-1,8-デカジ
エン、8-エチル-1,8-デカジエン、6-メチル-1,6-ウンデ
カジエン、9-メチル-1,8-ウンデカジエンなどが挙げら
れる。本発明においては、これらの脂肪族ジエンを1種
または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0126】上記脂環族ジエンとしては、1個の炭素・
炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、内部
オレフィン結合(炭素・炭素二重結合)を有する鎖状部
分とから構成されるジエンが挙げられる。
【0127】このような脂環族ジエンとしては、具体的
には、例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネン(EN
B)、5-プロピリデン-2-ノルボルネン、5-ブチリデン-
2-ノルボルネンなどが挙げられ、5-エチリデン-2-ノル
ボルネン(ENB)が好ましく用いられる。
【0128】その他の脂環族ジエンとしては、具体的に
は、例えば、2-メチル-2,5-ノルボルナジエン、2-エチ
ル-2,5-ノルボルナジエンなどが挙げられる。本発明に
おいては、これらの非共役ジエン(iv)を1種または2種
以上組合わせて用いることができる。
【0129】本発明においては、これらの非共役ジエン
(iv)の内では、脂環族ジエンが好ましく、さらには、上
記の5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)が好まし
く用いられる。
【0130】[エチレン系共重合体ゴム]本発明に係る
エチレン系共重合体ゴムは、上記のような(i) エチレ
ン、(ii)α−オレフィン、(iii) 非共役トリエンまたは
テトラエン(ポリエン)の単量体、および(iv)1分子中
に重合可能な二重結合を1個有する非共役ジエンから誘
導される各構成単位が、それぞれランダムに配列して結
合し、(iii)非共役トリエンまたはテトラエン(ポリエ
ン)に起因する分岐構造と、(iv)非共役ジエンに起因す
る分岐(環)構造とを有するとともに、主鎖は、実質的
に線状構造となっている。この共重合体が実質的に線状
構造を有しており実質的にゲル状架橋重合体を含有しな
いことは、該共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実
質的に含まないことにより確認することができる。たと
えば極限粘度[η]を測定する際に、該共重合体が13
5℃、デカリンに完全に溶解することにより確認するこ
とができる。成分単位量 本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、(i)エチレン
から誘導される構成単位(エチレン単位)と、(ii)炭素
数3〜20のα−オレフィンから誘導される構成単位
(α-オレフィン単位)とを、モル比((i)/(ii))で9
5/5〜40/60、好ましくは85/15〜50/5
0、さらに好ましくは82/18〜55/45の量で含
有している。
【0131】本発明においては、(i)成分/(ii)成分
(モル比)が95/5を超えると樹脂状となる傾向があ
り、40/60未満では低温特性が低下する傾向があ
る。なお、本発明に係るエチレン系共重合体ゴムにおい
ては、上記(i)エチレンから誘導される構成単位量と、
上記(ii)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導され
る構成単位量とは、上記(i)成分/(ii)成分(モル比)
を満たす限り特に限定されないが、本発明に係るエチレ
ン系共重合体ゴムでは、エチレン単位とα-オレフィン
単位の合計を100モル%とするとき、(i)エチレンか
ら誘導される構成単位を、通常95〜40モル%、好ま
しくは85〜50モル%、さらに好ましくは82〜55
モル%の量で、(ii)炭素数3〜20のα−オレフィンか
ら誘導される構成単位を、通常5〜60モル%、好まし
くは15〜50モル%、さらに好ましくは18〜45モ
ル%の量で含有していることが望ましい。
【0132】また本発明に係るエチレン系共重合体ゴム
中には、(iii)1分子中に1個のビニル基を有する、少
なくとも1種の直鎖状または分岐状非共役トリエンまた
はテトラエンから誘導される構成単位を0.1〜10モ
ル%、好ましくは0.2〜8モル%、さらに好ましくは
0.3〜5モル%の量で含有している。
【0133】また、本発明に係るエチレン系共重合体ゴ
ム中には、(iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有
する非共役ジエンから誘導される構成単位を0.1〜1
0モル%、好ましくは0.2〜8モル%、さらに好まし
くは0.3〜5モル%の量で含有している。
【0134】この(iii)成分単位量と(iv)成分単位量と
の和が0.2モル%未満では、硫黄加硫が困難になる傾
向があり、10モル%を超えると耐環境老化性が悪くな
る傾向がある。
【0135】なお、本発明に係るエチレン系共重合体ゴ
ムにおいては、上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
エン成分と(iv)非共役ジエン成分とのモル比((iii)成
分/(iv)成分)が、20/1〜1/20、好ましくは1
0/1〜1/10、さらに好ましくは5/1〜1/5と
なることが望ましい。極限粘度[η] 本発明おいては、エチレン系共重合体ゴムの135℃デ
カリン中 で測定される極限粘度[η]は、0.1〜10
dl/g、好ましくは0.5〜5dl/g、さらに好ま
しくは0.8〜4dl/gの範囲にある。
【0136】この極限粘度が0.1dl/g未満では、
加硫後の強度に劣る傾向があり、10dl/gを超える
と加工性が悪くなる傾向がある。ヨウ素価 本発明においては、エチレン系共重合体ゴムのヨウ素価
は、0.5〜50、好ましくは1〜40特に好ましくは
5〜35であることが望ましい。上記のようなヨウ素価
のエチレン系共重合体ゴムは、加硫速度が速く、高速加
硫が可能である。
【0137】上記のような本発明に係るエチレン系共重
合体ゴムは、押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しか
も加硫ゴムでは加硫強度等の機械的特性に優れている。
本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、未加硫のまま
用いられてもよく、また後述するような加硫方法により
加硫して加硫状態で用いられてもよいが、加硫状態で用
いられるとその特性が一層発揮される。
【0138】また本発明に係るエチレン系共重合体ゴム
は、単独で加硫されて用いられてもよく、また他のゴム
材料と共加硫されて用いられてもよい。このエチレン系
共重合体ゴムは、加硫速度が速いため加硫剤を多量に用
いなくても従来のエチレン系共重合体ゴムに比べて短い
時間であるいは低温で加硫することができ、加硫ゴムを
生産性よく製造することができる。
【0139】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、
特に、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレン
ゴムなどのジエン系ゴムとの共加硫性に優れており、エ
チレン系共重合体ゴムとジエン系ゴムとの共加硫物は、
ジエン系ゴムが本来有する優れた機械的特性、耐摩耗
性、耐動的疲労性、耐油性を有するとともに耐候性、耐
オゾン性、耐熱老化性などにも優れている。
【0140】このような本発明に係るエチレン系共重合
体ゴムにおいて(iii)非共役トリエンまたはテトラエン
が前記式[H−1]で表される場合には、エチレン系共
重合体ゴム中においては(iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンから誘導される構成単位は、実質的に下記式
[H−2]で表される構造を有している。
【0141】
【化64】
【0142】[式[H−2]中、p、q、f、g、R1
〜R9は、上記式[H−1]の場合と同じ意味であ
る。] 特に、このような(iii)非共役トリエンまたはテトラエ
ンが前記式[Ia]で表される場合には、エチレン系共
重合体ゴム中においては(iii)非共役トリエンまたはテ
トラエンから誘導される構成単位は、実質的に下記式
[IIa]で表される構造を有している。
【0143】
【化65】
【0144】[式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、
上記式[Ia]の場合と同じ意味である。] また、このような(iii)非共役トリエンまたはテトラエ
ンが前記式[Ib]で表される場合には、エチレン系共
重合体ゴム中においては[B](iii)非共役トリエンま
たはテトラエンから誘導される構成単位は、実質的に下
記式[IIb]で表される構造を有している。
【0145】
【化66】
【0146】[式[IIb]中、f、g、R1、R2、R
5〜R9は、上記式[Ib]の場合と同じ意味である。] なお非共役トリエンまたはテトラエン(非共役ポリエ
ン)から誘導される構成単位が上記各構造を有している
ことは、その共重合体の13C−NMRスペクトルを測定
することによって確認することができる。
【0147】上記のような本発明に係るエチレン系共重
合体ゴムは、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れるとと
もに加硫速度が速い。本発明に係るエチレン系共重合体
ゴムは、未加硫のまま用いられてもよく、また後述する
ような加硫方法により加硫して加硫状態で用いられても
よいが、加硫状態で用いられるとその特性が一層発揮さ
れる。
【0148】このようなエチレン系共重合体ゴムは、樹
脂改質剤として、また各種ゴム製品として特に好ましく
用いられる。具体的には、本発明に係るエチレン系共重
合体ゴムを樹脂改質剤として、たとえばポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリスチレンなどに添
加すると、その耐衝撃性、耐ストレスクラック性が飛躍
的に向上する。
【0149】また本発明に係るエチレン系共重合体ゴム
は、単独で加硫されて用いられてもよく、また他のゴム
材料と共加硫されて用いられてもよい。本発明の共重合
体ゴムは、また、スポンジ成形においては、加硫速度と
発泡剤の分解速度のバランスが取りやすいため、得られ
た製品は機械的特性に優れるという特徴を有する。
【0150】このエチレン系共重合体ゴムは、加硫速度
が速いため加硫剤を多量に用いなくても従来のエチレン
系共重合体ゴムに比べて短い時間であるいは低温で加硫
することができ、加硫ゴムを生産性よく製造することが
できる。
【0151】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、
特に、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレン
ゴムなどのジエン系ゴムとの共加硫性に優れており、エ
チレン系共重合体ゴムとジエン系ゴムとの共加硫物は、
ジエン系ゴムが本来有する優れた機械的特性、耐摩耗
性、耐動的疲労性、耐油性を有するとともに耐候性、耐
オゾン性、耐熱老化性などにも優れている。
【0152】具体的には、たとえば本発明に係るエチレ
ン系共重合体ゴムと天然ゴムとの共加硫物は、強度、耐
候性、耐オゾン性および動的特性に優れている。本発明
に係るエチレン系共重合体ゴムとニトリルゴムとの共加
硫物は、耐候性、耐オゾン性および耐油性に優れてい
る。
【0153】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムとブ
タジエンゴムとの共加硫物は、耐候性、耐オゾン性およ
び耐摩耗性に優れている。 [エチレン系共重合体ゴムの製造]上記のような本発明
に係るエチレン系共重合体ゴムは、(i) エチレンと、(i
i) 炭素数3〜20のα−オレフィンと、(iii) 上記非
共役トリエンまたはテトラエン{好ましくは上記式[H
−1]さらに好ましくは[Ia]、[Ib]、より好ま
しくは[Ia]、[Ib−1]、または[Ib’]で表
される、非共役トリエンまたはテトラエン}と、(iv)
上記非共役ジエンとを、触媒の存在下に共重合させて得
られる。
【0154】このような触媒としては、バナジウム
(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)な
どの遷移金属化合物(イ)と、有機アルミニウム化合物
(有機アルミニウムオキシ化合物)および/またはイオ
ン化イオン性化合物(ロ)と、からなる触媒が使用でき
る。
【0155】本発明では、これらの内、[a]可溶性バ
ナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触
媒、あるいは[b]周期律表第IVb族から選ばれる遷移
金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化
合物および/またはイオン化イオン性化合物と、からな
る触媒が特に好ましく用いられる。
【0156】このような触媒[a]を形成する可溶性バ
ナジウム化合物は、具体的には、下記一般式で表され
る。 VO(OR)ab または V(OR)cd 式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、a、b、c、dはそれぞれ0≦a≦3、0≦b≦
3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c
+d≦4を満たす。
【0157】上記式で表される可溶性バナジウム化合物
としては、具体的には、VOCl3、VO(OCH3)C
2、VO(OC25)Cl2、VO(OC251.5
1.5 、VO(OC252Cl、VO(O-n-C37
Cl2、VO(O-iso-C37)Cl2、VO(O-n-C4
9)Cl2、VO(O-iso-C49)Cl2、VO(O-s
ec-C49)Cl2、VO(O-t-C49)Cl2、VO
(OC253、VOBr2、VCl4、VOCl2VO
(O-n-C493、VOCl3・2OC817OHなどが
挙げられる。
【0158】これらは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられる。また上記可溶性バナジウム化合物
は、以下に示すような電子供与体を接触させて得られ
る、これらの可溶性バナジウム化合物の電子供与体付加
物として用いることもできる。
【0159】このような電子供与体としては、アルコー
ル類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボ
ン酸類、有機酸ハライド類、有機酸または無機酸のエス
テル類、エーテル類、ジエーテル類、酸アミド類、酸無
水物類、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、ア
ンモニア類、アミン類、ニトリル類、ピリジン類、イソ
シアネート類などの含窒素電子供与体を挙げることがで
きる。
【0160】より具体的には、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカ
ノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコー
ル、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、
クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロ
ピルベンジルアルコールなどの炭素数1〜18のアルコ
ール類、トリクロロメタノール、トリクロロエタノー
ル、トリクロロヘキサノールなどの炭素数1〜18のハ
ロゲン含有アルコール類、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、
ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなど
のアルキル基を有してもよい炭素数6〜20のフェノー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキ
ノンなどの炭素数3〜15のケトン類、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベン
ズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなど
の炭素数2〜15のアルデヒド類、ギ酸メチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オ
クチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪
酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル
酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、
シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フ
ェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイ
ル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチ
ル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香
酸エチル、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ク
マリン、フタリド、炭酸エチルなどの炭素数2〜18の
有機酸エステル類、アセチルクロリド、ベンゾイルクロ
リド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭
素数2〜15の酸ハライド類、メチルエーテル、エチル
エーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ア
ミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフ
ェニルエーテルなどの炭素数2〜20のエーテル類、無
水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物、
ケイ酸エチル、ジフェニルジメトキシシランなどのアル
コキシシラン、酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-
ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの
酸アミド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、トリベンジルアミン、テトラメチルエ
チレンジアミンなどのアミン類、アセトニトリル、ベン
ゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類、ピリジ
ン、メチルピリジン、エチルピリジン、ジメチルピリジ
ンなどのピリジン類などが挙げられる。
【0161】可溶性バナジウム化合物の電子供与体付加
物を調製する際には、これら電子供与体を単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で
触媒[a]を形成する際に用いられる有機アルミニウム
化合物は、下記式[III]で表される。
【0162】R1 nAlX3-n …[III] 式中、R1 は炭素数1〜15、好ましくは1〜4の炭化
水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であ
り、nは1〜3である。
【0163】このような炭素数1〜15の炭化水素基と
しては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリ−ル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などが挙
げられる。
【0164】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には以下のような化合物が挙げられる。トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニム、一般式
(i-C49xAly(C510z [式中、x、y、z
は正の数であり、z≧2xである。]で表わされるイソ
プレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム、
トリイソプロペニルアルミニウムなどのトリアルケニル
アルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウム
クロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチ
ルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウム
ハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチル
アウミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキル
アルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピル
アルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミ
ドなどのアルキルアルミニウムジハライド、ジエチルア
ルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドな
どのジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニ
ウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなど
のアルキルアルミニウムジヒドリドなどが挙げられる。
【0165】また有機アルミニウム化合物として、下記
式[IV]で表される化合物を挙げることもできる。 R1 nAlY3-n …[IV] 式中、R1 は上記式[III]と同様であり、Yは−OR
10基、−OSiR11 3基、−OAlR12 2基、−NR13 2
基、−SiR14 3基または−N(R15)AlR16 2基であ
る。R10、R11、R12およびR16はメチル基、エチル
基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基などであり、R13は水素、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリ
ル基などであり、R14およびR15はメチル基、エチル基
などである。nは1〜2である。
【0166】このような式[IV]で表される有機アルミ
ニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合
物が挙げられる。但し、Meはメチル基、Etはエチル
基、Buはブチル基であり、R116は[IV]と同様であ
る。 (1) R1 nAl(OR103-nで表される化合物、たと
えば、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアル
ミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキ
シドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド、エチ
ルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウム
セスキブトキシドおよびR1 2.5Al(OR20.5などで
表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化され
たアルキルアルミニウム、エチルアルミニウムエトキシ
クロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチ
ルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコ
キシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムが
挙げられる。 (2) R1 nAl(OSi R11 33-nで表される化合物、
たとえば、 Et2Al(OSi Me3) (iso-Bu)2Al(OSi Me3) (iso-Bu)2Al(OSi Et3)など、 (3) R1 nAl(OAlR12 23-nで表される化合物、
たとえば、 Et2AlOAlEt2 (iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2など、 (4) R1 nAl(NR13 23-nで表される化合物、たと
えば、 Me2AlNEt2 Et2AlNHMe Me2AlNHEt Et2AlN(Si Me32 (iso-Bu)2AlN(SiMe32など、 (5) R1 nAl(Si R14 33-nで表される化合物、た
とえば、 (iso-Bu)2AlSi Me3など、 (6) R1 nAl[N(R13)AlR16 23-nで表される
化合物、たとえば Et2AlN(Me)AlEt2 、 (iso-Bu)2AlN(Et)Al(iso-Bu)2 など。
【0167】これらの中では、とくにアルキルアルミニ
ウムハライド、アルキルアルミニウムジハライドまたは
これらの組み合わせが好ましい。なお本発明で用いられ
る有機アルミニウム化合物は、アルミニウム以外の金属
の有機化合物成分を少量含有していてもよい。
【0168】次に、本発明で用いられる[b]メタロセ
ン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン
化イオン性化合物とからなる触媒について説明する。こ
のような周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタ
ロセン化合物は、具体的には、次式[V]で表される。
【0169】MLx …[V] 式[V]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属であり、具体的にジルコニウム、チタンまたはハフニ
ウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0170】Lは遷移金属に配位する配位子であり、こ
れらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。
【0171】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、
i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシ
ルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエ
ニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチル
シクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジ
エニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチ
ルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシク
ロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニ
ル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチル
ベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基な
どのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジ
エニル基、さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロ
インデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0172】これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基などで置換されていてもよい。これらのうち
では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ま
しい。
【0173】式[V]で示される化合物が配位子Lとし
てシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有す
る場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格
を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキ
レン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの
置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン
基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基
などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよ
い。
【0174】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO
3 a )、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Ra
はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、
アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で置換
されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0175】炭素数1〜12の炭化水素基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのア
ルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの
シクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリー
ル基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基が
挙げられる。
【0176】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブ
トキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基
などが挙げられる。
【0177】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どが挙げられ、スルホン酸含有基(−SO3a )とし
ては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、
トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンス
ルホナト基などが挙げられる。
【0178】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。上記式で表されるメタロセン
化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、
より具体的には下記式[VI]で表される。
【0179】 R2 k3 l4 m5 nM …[VI] 式[VI]中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペ
ンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3
4 およびR5 は、それぞれ独立にシクロペンタジエニ
ル骨格を有する基または上記一般式[V]中のシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと同様であ
る。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4であ
る。
【0180】以下に、Mがジルコニウムであり、かつシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2
個含むメタロセン化合物を例示する。 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリ
ドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロペンタジエニ
ル)メチルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムフェノキシモノクロリド、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(n-プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イソプロピルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(t-
ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(sec-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イソブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ヘキ
シルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジブ
ロミド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
メチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメ
トキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムエトキシクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナ
ト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメ
タンスルホナト)、ビス(エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(ブ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(ヘキシルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンス
ルホナト)、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1-メチル-3-エチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1-メチル-3-プロピルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1-メチル-3-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-エチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メ
チル-3-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(1-メチル-3-ブチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-
ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(1-メチル-3-オクチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル-3-ブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチル
ベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチルシクロヘキシルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを例示
することができる。
【0181】上記の1,3−位置換シクロペンタジエニ
ル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換え
た化合物を本発明で用いることもできる。また上記式
[VI]において、R2 、R3 、R4 およびR5 の少な
くとも2個、例えばR2およびR3 がシクロペンタジエ
ニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも
2個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン
基または置換シリレン基などを介して結合されているブ
リッジタイプのメタロセン化合物を例示することもでき
る。このときR4 およびR5 はそれぞれ独立に式[V]
中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLと同様である。
【0182】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(p-クロルベンゼンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジク ロリド、ジ
フェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0183】さらに、下記式[A]で示される特開平4
-268307号公報に記載のメタロセン化合物が挙げ
られる。メタロセンが式[A]:
【0184】
【化67】
【0185】[式[A]中、M1は周期律表の第IVb
族の金属であり、具体的には、例えば、チタニウム、ジ
ルコニウム、ハフニウムを挙げることができる。R1
よびR2は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素
原子、炭素原子数1〜10好ましくは1〜3のアルキル
基、炭素原子数1〜10好ましくは1〜3のアルコキシ
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリールオ
キシ基、炭素原子数2〜10好ましくは2〜4のアルケ
ニル基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜10のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜1
2のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40好ましく
は8〜12のアリールアルケニル基、またはハロゲン原
子好ましくは塩素原子である。
【0186】R3およびR4は、互いに同じでも異なって
いても良く、水素原子、ハロゲン原子好ましくは弗素原
子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されていても
よい炭素原子数1〜10好ましくは1〜4のアルキル
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、−NR10 2、−SR10、−OSiR10 3、−SiR10
3または−PR10 2基であり、その際R10はハロゲン原子
好ましくは塩素原子、または、炭素原子数1〜10好ま
しくは1〜3のアルキル基、または炭素原子数6〜10
好ましくは6〜8のアリール基である。
【0187】R3およびR4は特に水素原子であることが
好ましい。R5およびR6は互いに同じでも異なっていて
もよく、好ましくは同じであり、R5およびR6は水素原
子でないという条件のもとでR3およびR4について記載
した意味を有する。R5およびR6は、好ましくはハロゲ
ン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基またはト
リフルオロメチル基等が挙げられ、メチル基が好まし
い。
【0188】R7は、下記:
【0189】
【化68】
【0190】=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO 2、=NR11、=
CO、=PR11または=P(O)R11であり、その際R
11、R1 2およびR13は互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10好ましく
は1〜4のアルキル基さらに好ましくはメチル基、炭素
原子数1〜10のフルオロアルキル基好ましくはCF3
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基好ましく
はペンタフルオロフェニル基、炭素原子数1〜10好ま
しくは1〜4のアルコキシ基特に好ましくはメトキシ
基、炭素原子数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル
基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜10のアリール
アルキル基、炭素原子数8〜40好ましくは8〜12の
アリールアルケニル基、または炭素原子数7〜40好ま
しくは7〜12のアルキルアリール基であり、また「R
11とR12」または「R11とR13」とは、それぞれそれら
が結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。
【0191】M2は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ま
しくは珪素またはゲルマニウムである。R7は、=CR
1112、=SiR1112、=GeR1112、−O−、−
S−、=SO、=PR11または=P(O)R11であるこ
とが好ましい。
【0192】R8およびR9は互いに同じであっても異な
っていてもよく、R11について記載したと同じ意味を有
する。mおよびnは互いに同じであっても異なっていて
もよく、0、1または2、好ましくは0または1であ
り、m+nは0、1または2、好ましくは0または1で
ある。
【0193】上記条件を充たす特に好ましいメタロセン
を下記(i)〜(iii)に示す。
【0194】
【化69】
【0195】[上記式(i)、(ii)及び(iii)中、M1
ZrまたはHfであり、R1およびR2はメチル基または
塩素原子であり、R5およびR6はメチル基、エチル基ま
たはトリフルオロメチル基であり、R8、R9、R10およ
びR12が上記の意味を有する。] このような式(i)、(ii)及び(iii)で示される化合
物の内でも、下記の化合物が特に好ましい。
【0196】rac-エチレン(2-メチル-1-インデニ
ル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジメチルシ
リレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジ
クロライド、rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-
インデニル)2-ジルコニウム-ジメチル、rac-エチレ
ン-(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジメ
チル、rac-フェニル(メチル)シリレン-(2ーメチ
ル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、r
ac-ジフェニル-シリリン-(2ーメチル-1-インデニ
ル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-メチルエチ
レン-(2ーメチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジ
クロライド、rac-ジメチルシリレン-(2ーエチル-1
-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド。このよう
なメタロセンの製造方法については、従来より公知の方
法にて製造することができる(例:特開平4-2683
07号公報参照)。
【0197】本発明では、下記式[B]で示される遷移
金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもでき
る。
【0198】
【化70】
【0199】式[B]中、Mは周期律表第IVb族の遷移
金属原子を示し、具体的には 、チタニウム、ジルコニ
ウム、ハフニウムである。R1 およびR2 は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭
化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケ
イ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基ま
たはリン含有基を示し、具体的には、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子;メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、
ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマ
ンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロ
ヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、フェニルエ
チル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基、フ
ェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニ
ル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、
ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナン
トリルなどのアリール基などの炭素数1から20の炭化
水素基;前記炭化水素基にハロゲン原子が置換したハロ
ゲン化炭化水素基;メチルシリル、フェニルシリルなど
のモノ炭化水素置換シリル、ジメチルシリル、ジフェニ
ルシリルなどのジ炭化水素置換シリル、トリメチルシリ
ル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシク
ロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェ
ニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリ
ル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリ
ル、トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリ
ルのシリルエーテル、トリメチルシリルメチルなどのケ
イ素置換アルキル基、トリメチルシリルフェニルなどの
ケイ素置換アリール基、などのケイ素含有基;ヒドロオ
キシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシな
どのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジ
メチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリロ−キシ基、
フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールア
ルコキシ基などの酸素含有基;前記酸素含有基の酸素が
イオウに置換した置換基などのイオウ含有基;アミノ
基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシル
アミノなどのアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフ
ェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メ
チルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアル
キルアリールアミノ基などの窒素含有基;ジメチルフォ
スフィノ、ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ
基などのリン含有基である。
【0200】これらのうちR1 は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素数1
〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水
素、炭化水素基が好ましく、特に水素あるいは、メチ
ル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であ
ることが好ましい。
【0201】R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭
化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示
し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水
素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4 とR5
5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが結合して
いる炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成し
ていてもよい。
【0202】また芳香族環を形成する基以外の基は、炭
化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場
合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよ
い。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素
原子であることが好ましい。
【0203】ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基として、具
体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なく
とも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含
む、Mに配位する配位子としては以下に示すようなもの
が挙げられる。
【0204】
【化71】
【0205】これらのうち上記式(1)で示されるもの
が好ましい。前記芳香族環はハロゲン原子、炭素数1〜
20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水
素基で置換されていてもよい。
【0206】前記芳香族環に置換するハロゲン原子、炭
素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン
化炭化水素基としては、前記R1 およびR2 と同様の基
が例示できる。
【0207】X1 およびX2 は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基また
はイオウ含有基を示し、具体的には、前記R1 およびR
2 と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基が例示できる。
【0208】イオウ含有基としては、前記R1 、R2
同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメ
タンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジ
ルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメ
チルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼン
スルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペ
ンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネ
ート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が例
示できる。
【0209】Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素
基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価の
スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−
SO2 −、−NR7 −、−P(R7)−、−P(O)
(R7)−、−BR7 −または−AlR7 −[ただし、
7は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化
水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基]を示
し、具体的には、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エ
チレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、
1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シク
ロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレ
ン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレ
ン基などの炭素数1から20の2価の炭化水素基;クロ
ロメチレンなどの上記炭素数1から20の2価の炭化水
素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;メチルシ
リレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-
プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ
(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレ
ン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ
(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレ
ン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、
テトラメチル-1,2-ジシリレン、テトラフェニル-1,2-
ジシリレンなどのアルキルジシリレン、アルキルアリー
ルジシリレン、アリールジシリレン基などの2価のケイ
素含有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニ
ウムに置換した2価のゲルマニウム含有基;上記2価の
ケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有
基置換基などであり、R7 は、前記R1 、R2 と同様の
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0210】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリ
レン、アリールシリレンであることが好ましい。
【0211】以下に上記式[B]で表される遷移金属化
合物の具体的な例を示す。
【0212】
【化72】
【0213】
【化73】
【0214】
【化74】
【0215】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。前
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重
合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用
いることもできる。
【0216】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば下記の反応ルートで、通常の有機
合成手法を用いて合成することができる。
【0217】
【化75】
【0218】本発明で用いられるこの遷移金属化合物
は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特
開平4−268307号公報に記載されている方法によ
り合成することができる。
【0219】本発明においては、また下記式[C]で示
される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いるこ
ともできる。
【0220】
【化76】
【0221】式[C]中、M、R1、R2、 R3
4 、R5 およびR6としては、前記式[B]の場合と
同様なものが挙げられる。R3 、R4 、R5 およびR6
のうち、R3 を含む2個の基が、アルキル基であること
が好ましく、R3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル
基であることが好ましい。このアルキル基は、2級また
は3級アルキル基であることが好ましい。また、このア
ルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されて
いてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R
1 、R2 で例示した置換基が挙げられる。
【0222】R3 、R4 、R5 およびR6 で示される基
のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが
好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチ
ル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブ
チル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ド
デシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなど
の鎖状アルキル基および環状アルキル基;ベンジル、フ
ェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチルなどの
アリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3重結
合を含んでいてもよい。
【0223】またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ば
れる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環ある
いは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子として、
具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。
【0224】X1 、X2、YおよびR7としては、前記式
[B]の場合と同様のものが挙げられる。以下に上記式
[C]で示されるメタロセン化合物(遷移金属化合物)
の具体的な例を示す。
【0225】rac-ジメチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロ リド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジ クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジ ク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,5,6-トリメチル
-1- インデニル)ジルコニウムジ クロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2,4,5,6-テトラメチル-1- インデニ
ル)ジルコニウ ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,4,5,6,7-ペンタメチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチ
ル-4-n- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(4-i-プロ
ピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ ウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- メチル-6
-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-5- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i-
プロピル)-1-インデニル)ジ ルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピ
ル)-7-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- ブチル
-7- メチル-1- インデニル) ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-sec- ブチル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(sec- ブチ
ル)-1-インデニル)ジ ルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス(2-メチル-4-tert-ブチル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2-メチル-4- シクロヘキシル-7- メチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス(2-メチル-4- ベンジル-7- メチル-1
- インデニル) ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニルエチル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニルジクロルメチル
-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- クロロメチル-
7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- トリメチルシリ
ルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- トリ
メチルシロキシメチル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジ(i- プロピル) シリレン-ビ
ス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(n- ブチル) シリレン
-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ( シクロヘキシル)
シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4- ジ(i- プロピル)-1-イ
ンデニル)ジ ルコニウムジクロリド、rac-ジ(p- トリ
ル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-
クロロフェニル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、r
ac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7-
メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウム-ビス(メタンス
ルホナト)、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム-ビ
ス(p-フェニルスルフィナト)、rac-ジメチルシリレン
-ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-エチル-4-i- プロピル-6- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-6- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド。
【0226】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。上
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられる
が、R型またはS型を用いることもできる。
【0227】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば前記と同様の反応ルートで、通常
の有機合成手法を用いて合成することができる。また上
記の式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化
合物)は、これらインデン誘導体から既知の方法、たと
えば特開平4−268307号公報に記載の方法により
合成することができる。
【0228】本発明では、また下記の式[D]で示され
る遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いこともで
きる。
【0229】
【化77】
【0230】式[D]中、M、R1、X1 、X2およびY
としては、前記式[B]あるいは前記式[C]の場合と
同様のものが挙げられる。このうち、R1としては、炭
化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、
プロピル、ブチルの炭素数1〜4の炭化水素基であるこ
とが好ましい。
【0231】また、X1 、X2としては、ハロゲン原
子、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好まし
い。R2 は、炭素数6〜16のアリール基を示し、具体
的には、フェニル、α-ナフチル、β-ナフチル、アント
ラセニル、フェナントリル、ピレニル、アセナフチル、
フェナレニル、アセアントリレニルなどである。これら
のうちフェニル、ナフチルであることが好ましい。これ
らのアリール基は、前記R1 と同様のハロゲン原子、炭
素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン
化炭化水素基で置換されていてもよい。
【0232】以下に上記式[D]で示される遷移金属化
合物(メタロセン化合物)の具体的な例を示す。 rac-ジメチルシリレン-ビス(4-フェニル-1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロ リド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4−フェニル-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチ
ル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-
(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アン
トラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(2-アントラセ
ニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(9-アントラセニル)
-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-メチル-4-(9-フェナントリル)-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス(2-メチル-4-(p-フルオロフェニル)-1-イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス(2-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)-1-イ
ンデ ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス(2-メチル-4-(p-クロロフェニル)-1-インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-(m-クロロフェニル)-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4-(o-クロロフェニル)-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-
メチル-4-(o,p-ジクロロフェニル) フェニル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-(p-ブロモフェニル)-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4-(p-トリル)-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-
4-(m-トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(o-トリ
ル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェ
ニル)-1-インデニル) ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-エチルフェニル)
-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-メチル-4-(p-i-プロピルフェニル)-1
-インデニ ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-メチル-4-(p-ベンジルフェニル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-メチル-4-(p-ビフェニル)-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビ
ス(2-メチル-4-(m-ビフェニル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4-(p-トリメチルシリルフェニル)-1-イ ンデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4-(m-トリメチルシリルフェニル)-1-イ ン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン-ビス(2-エチル−4-フェニル-1- インデニル)ジルコ
ニウ ムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-
エチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウ ムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-フェニル-4-フェ
ニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス(2-n-プロピル-4- フェニル-1- イ
ンデニル)ジルコ ニウムジクロリド、rac-ジエチルシリ
レン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジ-(i-プロピル)シリレン-
ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジ-(n-ブチル)シリレン-ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジ ルコニウム
ジクロリド、rac-ジシクロヘキシルシリレン-ビス(2-
メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-
4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-
1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-ト
リル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフ
ェニル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イ
ンデ ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチレン-ビ
ス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-エチレン-ビス(2-メチル-4- フェ
ニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルゲルミル-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルスズ-ビ
ス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-
4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジメチル、rac-ジメチルシリ
レン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジル
コニウムメチルクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
クロリドSO2Me、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリ
ドOSO2Meなど。
【0233】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。こ
のような式[D]で示される遷移金属化合物は、Journa
l of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨ
ーロッパ特許出願公開第0,320,762 号明細書および実施
例に準じて、たとえば下記のようにして製造することが
できる。
【0234】
【化78】
【0235】このような遷移金属化合物[D]は、通常
ラセミ体として用いられるが、R体またはS体を用いる
こともできる。また本発明では、下記式[E−1]で示
されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0236】LaMX2 ・・・・[E−1] (Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属で
あり、La は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、そ
れぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケ
イ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル
基またはゲルミル基である。) このような式[E−1]で示される化合物のうちでも、
具体的に、下記式[E−2]で示される化合物が好まし
い。
【0237】
【化79】
【0238】Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウ
ムであり、Xは、上記と同様である。CpはMにπ結合
しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエ
ニル基またはその誘導体である。
【0239】Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期率表
第IVA族の元素であり、Yは窒素、リン、酸素またはイ
オウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成して
もよい。
【0240】このような式[E−2]で示される化合物
としては、具体的に、(ジメチル(t−ブチルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、((t−ブチルアミド)(テトラメ
チル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2−エタンジイ
ル)チタンジクロリド、(ジベンジル(t−ブチルアミ
ド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラ
ン)チタンジクロリド、(ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
ジベンジルチタン、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジメ
チルチタン、((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5
-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジベンジ
ルチタン、((メチルアミド)(テトラメチル-η5-シ
クロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジネオペン
チルチタン、((フェニルホスフィド)(テトラメチル
5-シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニルチ
タン、(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル
5-シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタ
ジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、
(ジメチル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-
η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタ
ン、((テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,
2-エタンジイル)ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラ
メチル-シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレー
ト(2-))ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラメチル-
シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2-))
ジメチルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フル
オレン-9-イル)シクロヘキサノレート(2-))ジメチル
チタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フルオレン-9-
イル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジルジルチタ
ンなどが挙げられる。
【0241】本発明では、上記のようなメタロセン化合
物は、2種以上組合わせて用いることもできる。上記説
明においては、メタロセン化合物としてチタン化合物に
ついて例示したが、チタンを、ジルコニウムまたはハフ
ニウムに置換えた化合物を例示することもできる。
【0242】これらの化合物は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、上
記メタロセン化合物[E−1]および[E−2]として
は、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも
2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有する
ジルコノセン化合物が好ましく用いられる。なお前記の
メタロセン化合物[VI]では、中心の金属原子がチタ
ンであることが好ましい。
【0243】これらメタロセン化合物は、炭化水素ある
いはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。また
上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担体化合物と
接触させて用いることもできる。
【0244】担体化合物としては、Si O2 、Al2
3 、B23 、MgO、ZrO2 、CaO、TiO2 、Zn
O、Zn2O、SnO2 、BaO、ThOなどの無機担体化
合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテ
ン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベン
ゼン共重合体などの樹脂を用いることができる。これら
の担体化合物は、二種以上組み合わせて用いることもで
きる。
【0245】次に、本発明で触媒[b](周期律表第IV
族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と有機アル
ミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物と
からなる触媒)を形成する際に用いられる有機アルミニ
ウムオキシ化合物およびイオン化イオン性化合物につい
て説明する。
【0246】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであってもよ
く、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物であってもよい。
【0247】このような従来公知のアルミノオキサン
は、具体的には、下記一般式で表される。
【0248】
【化80】
【0249】(上記一般式において、Rはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基、エチル基、とくに好ましくは
メチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整
数である。) ここで、このアルミノオキサンは式(OAl(R1))で
表わされるアルキルオキシアルミニウム単位および式
(OAl(R2))で表わされるアルキルオキシアルミニ
ウム単位[ここで、R1 およびR2 はRと同様の炭化水
素基を例示することができ、R1 およびR2 は相異なる
基を表わす]からなる混合アルキルオキシアルミニウム
単位から形成されていてもよい。
【0250】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造され、通常、芳香族炭化
水素溶媒の溶液として回収される。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などを懸濁した芳香族炭化水素溶
媒に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウ
ム化合物を添加して反応させて芳香族炭化水素溶媒の溶
液として回収する方法。 (2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなど
の有機アルミニウム化合物に直接水(水、氷または水蒸
気)を作用させて芳香族炭化水素溶媒の溶液として回収
する方法。
【0251】これらの方法のうちでは、(1) の方法を採
用するのが好ましい。アルミノオキサンの溶液を製造す
る際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、前
述したような有機アルミニウム化合物が挙げられ、具体
的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニ
ウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルア
ルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリte
rt- ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、
トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウ
ム、トリデシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアル
ミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリ
アルキルアルミニウム、一般式(i-C49xAl
y(C510z [式中、x、y、zは正の数であり、z
≧2xである。]で表わされるイソプレニルアルミニウ
ムなどのアルケニルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロ
リドなどのジアルキルアルミニウムハライド、ジエチル
アルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウム
ハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライ
ド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコ
キシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジア
ルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0252】これらのうちでは、トリアルキルアルミニ
ウムが特に好ましい。上記のような有機アルミニウム化
合物は、単独であるいは組合せて用いられる。
【0253】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、たとえば、アルミノオキ
サンの溶液と、水または活性水素含有化合物とを接触さ
せる方法、あるいは上記のような有機アルミニウム化合
物と水とを接触させる方法などによって得ることができ
る。
【0254】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物では、該化合物を赤外分光法
(IR)によって解析して、1220cm-1付近におけ
る吸光度(D1220)と、1260cm-1付近における吸
光度(D1260)との比(D12 60/D1220)が、0.09
以下、好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.04
〜0.07の範囲にあることが望ましい。
【0255】上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、下記式で表されるアルキルオキ
シアルミニウム単位を有すると推定される。
【0256】
【化81】
【0257】式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素基
である。このような炭化水素基として、具体的には、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチ
ル基などを例示することができる。これらの中でメチル
基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0258】このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物は、上記式で表わされるアルキルオキシアル
ミニウム単位の他に、下記式で表わされるオキシアルミ
ニウム単位を含有していてよい。
【0259】
【化82】
【0260】式中、R8 は炭素数1〜12の炭化水素
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の
アリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素原子であ
る。また該R8 および上記式中のR7 は互いに異なる基
を表わす。
【0261】オキシアルミニウム単位を含有する場合に
は、アルキルオキシアルミニウム単位を30モル%以
上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モ
ル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニウム単位
を有する有機アルミニウムオキシ化合物が望ましい。
【0262】なお本発明で用いられる有機アルミニウム
オキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機
化合物成分を含有していてもよい。イオン化イオン性化
合物としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合
物およびカルボラン化合物を例示することができる。
【0263】ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ
素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有
していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示
される化合物が挙げられ、たとえばトリフルオロボロ
ン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニ
ル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロ
ン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリ
ル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
【0264】イオン性化合物としては、トリアルキル置
換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジ
アルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム
塩などを挙げることができる。
【0265】具体的に、トリアルキル置換アンモニウム
塩としては、たとえばトリエチルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテ
トラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテト
ラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ
(o-トリル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアン
モニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリ
ブチルアンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホ
ウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロ
メチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウ
ムテトラ(o-トリル)ホウ素などが挙げられる。
【0266】N,N-ジアルキルアニリニウム塩としては、
たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)
ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)
ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ
(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0267】ジアルキルアンモニウム塩としては、たと
えばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
【0268】さらにイオン性化合物として、トリフェニ
ルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げること
もできる。
【0269】さらに、ボラン化合物としては、下記のよ
うな化合物を挙げることもできる。即ち、具体的には、
ボラン化合物としては、デカボラン(14);ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔ト
リ(n-ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス
〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビ
ス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボ
レート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ドデカ
クロロドデカボレートなどのアニオンの塩;およびトリ
(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドド
デカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブ
チル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカ
ボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオ
ンの塩などが挙げられる。
【0270】また、カルボラン化合物としては、4-カル
バノナボラン(14)、1,3-ジカルバノナボラン(1
3)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイド
ライド-1-フェニル-1,3-ジカルバノナボラン、ドデカハ
イドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボラン、ウンデ
カハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカルバノナボラ
ン、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,7-ジカル
バウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド-7,8
-ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ドデカハイド
ライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボラン、トリ
(n-ブチル)アンモニウム1-カルバデカボレート、トリ
(n-ブチル)アンモニウム1-カルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム1-カルバドデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム1-トリメチルシリル
-1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウ
ムブロモ-1-カルバドデカボレート、トリ(n-ブチル)
アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、トリ(n-
ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカボレー
ト(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-ジカル
バウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ
(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8-メチ
ル-7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)
アンモニウムウンデカハイドライド-8-エチル-7,9-ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-8-ブチル-7,9-ジカルバウンデカ
ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイ
ドライド-8-アリル-7,9-ジカルバウンデカボレート、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-9-
トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカボレート、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-4,6
-ジブロモ-7-カルバウンデカボレートなどのアニオンの
塩;およびトリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハ
イドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバルト酸塩
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカ
ハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩
(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカ
ハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバル
ト酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウ
ンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)
ニッケル酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレ
ート)銅酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボレ
ート)金酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビ
ス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウン
デカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n-ブチル)アンモ
ニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカ
ルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n-ブ
チル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライ
ド-7,8-ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(II
I)、トリス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウ
ンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)クロ
ム酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕
ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレー
ト)マンガン酸塩(IV) 、ビス〔トリ(n-ブチル)アン
モニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウン
デカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n-ブ
チル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド-7-
カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金
属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0271】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
2種以上組合わせて用いてもよい。本発明においては、
有機アルミニウムオキシ化合物または上記イオン化イオ
ン性化合物は、上述した担体化合物に担持させて用いる
こともできる。
【0272】また触媒[b]を形成するに際しては、有
機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化
合物とともに前述した有機アルミニウム化合物を用いて
もよい。
【0273】本発明では、上記のような触媒[a](可
溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とから
なる触媒)または触媒[b](周期律表第IV族から選ば
れる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオ
キシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触
媒)の存在下に(i) エチレン、(ii)α−オレフィンおよ
び(iii)上記非共役トリエンまたはテトラエン(非共役
ポリエン)を、通常液相で共重合させる。この際、一般
に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレン等のα-オ
レフィンを溶媒として用いてもよい。
【0274】このような炭化水素溶媒としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油などの脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導
体、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシ
クロヘキサンなどの脂環族炭化水素およびそのハロゲン
誘導体、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素およびクロロベンゼンなどのハロゲン誘導体など
が用いられる。これら溶媒は組み合わせて用いてもよ
い。
【0275】(i) エチレンと(ii)α−オレフィンと(ii
i)上記非共役ポリエンと(iv)上記非共役ポリエンとは、
バッチ法、あるいは連続法いずれの方法で共重合されて
もよい。共重合を連続法で実施するに際しては、上記触
媒は以下のような濃度で用いられる。
【0276】本発明において上記触媒[a]、すなわち
可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とか
らなる触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性バ
ナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモル
/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリ
モル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物
は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度
の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは
1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。また有機
アルミニウム化合物は、重合系内のバナジウム原子に対
するアルミニウム原子の比(Al /V)で、2以上、好
ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜20の量で供
給される。
【0277】可溶性バナジウム化合物および有機アルミ
ニウム化合物は、通常、上述の炭化水素溶媒および/ま
たは液状の共重合用原料モノマーで希釈して供給され
る。この際、該可溶性バナジウム化合物は上述した濃度
に希釈されることが望ましいが、有機アルミニウム化合
物は重合系内における濃度のたとえば50倍以下の任意
の濃度に調整して重合系内に供給されることが望まし
い。
【0278】またメタロセン化合物(イ)と、有機アルミ
ニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化
合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物ともい
う。)(ロ)と、からなる触媒[b]が用いられる場合に
は、重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.
00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、
好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットル
である。また有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系
内の遷移金属であるメタロセン化合物に対するアルミニ
ウム原子の比(Al/遷移金属)で、1〜10000、
好ましくは10〜5000の量で供給される。
【0279】イオン化イオン性化合物の場合は、重合系
内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物
のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合
物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給
される。
【0280】また有機アルミニウム化合物が用いられる
場合には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合度
積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるよ
うな量で用いられる。
【0281】本発明において、(i) エチレンと(ii)α−
オレフィンと(iii)上記非共役ポリエンと(iv)非共役ジ
エンとを可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化
合物とからなる触媒[a]の存在下に共重合させる場合
には、共重合反応は、通常、温度が−50℃〜100
℃、好ましくは−30℃〜80℃、さらに好ましくは−
20℃〜60℃で、圧力が0を超えて〜50Kg/cm2
好ましくは0を超えて〜20Kg/cm2 の条件下に行われ
る。
【0282】また本発明において、(i) エチレンと(ii)
α−オレフィンと(iii)上記非共役ポリエンと(iv)非共
役ジエンとを、メタロセン化合物(イ)と、有機アルミニ
ウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合
物(ロ)と、からなる触媒[b]の存在下に共重合させる
場合には、共重合反応は、通常、温度が−20℃〜15
0℃、好ましくは0℃〜120℃、さらに好ましくは0
℃〜100℃で、圧力が0を超えて〜80Kg/cm2 、好
ましくは0を超えて〜50Kg/cm2 の条件下に行なわれ
る。
【0283】また反応時間(共重合が連続法で実施され
る場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度など
の条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ま
しくは10分〜3時間である。
【0284】本発明では、(i) エチレン、(ii)α−オレ
フィン、(iii)上記非共役ポリエンおよび(iv)非共役ジ
エンは、上述のような特定組成のエチレン系共重合体ゴ
ムが得られるような量で重合系に供給される。さらに共
重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いること
もできる。
【0285】本発明では、周期律表第IVB族から選ばれ
る遷移金属のメタロセン化合物(イ)と、有機アルミウニ
ウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合
物(ロ)と、からなる触媒[b]の存在下に製造すること
が特に好ましい。
【0286】上記のようにして(i) エチレン、(ii)α−
オレフィン、(iii)上記非共役ポリエンおよび(iv)非共
役ジエンを共重合させると、エチレン系共重合体ゴムは
通常これを含む重合液として得られる。この重合液は、
常法により処理され、エチレン系共重合体ゴムが得られ
る。
【0287】[エチレン系共重合体ゴムのグラフト変性
物]本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、該エチレ
ン系共重合体ゴムに極性モノマーをグラフト重合させる
ことにより、変性して用いることができる。
【0288】本発明のグラフト変性されたエチレン系共
重合体ゴム(グラフト変性エチレン系共重合体ゴムとも
いう)は、ラジカル開始剤の存在下あるいは不存在下
に、上記のようなエチレン系共重合体ゴムと、後述する
ような極性モノマーとを反応させることにより得ること
ができる。
【0289】極性モノマーとしては、水酸基含有エチレ
ン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合
物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビ
ニル化合物、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、ビ
ニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
【0290】具体的には、水酸基含有エチレン性不飽和
化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ
-3-フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3-ク
ロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタン
モノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキ
シ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エス
テル;10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オー
ル、2-メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メ
タ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、
グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、ア
リロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール、グリセ
リンモノアルコールなどが挙げられる。
【0291】アミノ基含有エチレン性不飽和化合物は、
エチレン性二重結合とアミノ基を有する化合物であり、
このような化合物としては、次式で表わされるアミノ基
または置換アミノ基を少なくとも1種類有するビニル系
単量体を挙げることができる。
【0292】
【化83】
【0293】式中、R1は水素原子、メチル基またはエ
チル基であり、R2は、水素原子、炭素数1〜12、好
ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12、
好ましくは6〜8のシクロアルキル基である。なお上記
のアルキル基、シクロアルキル基は、さらに置換基を有
してもよい。
【0294】このようなアミノ基含有エチレン性不飽和
化合物としては、具体的には、(メタ)アクリル酸アミ
ノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル
およびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどの
アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘
導体類;N-ビニルジエチルアミンおよびN-アセチルビニ
ルアミンなどのビニルアミン系誘導体類;アリルアミ
ン、メタクリルアミン、N-メチルアクリルアミン、N,N-
ジメチルアクリルアミン、およびN,N-ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミンなどのアリルアミン系誘導体;ア
クリルアミドおよびN-メチルアクリルアミドなどのアク
リルアミド系誘導体;p-アミノスチレンなどのアミノス
チレン類;6-アミノヘキシルコハク酸イミド、2-アミノ
エチルコハク酸イミドなどが用いられる。
【0295】エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物
は、1分子中に重合可能な不飽和結合およびエポキシ基
を少なくとも1個以上有するモノマーであり、このよう
なエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、具
体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートなど、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエ
ステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、
クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラ
ヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イ
タコン酸のモノおよびグリシジルエステル、ブテントリ
カルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シトラ
コン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エンド-シ
ス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸
(ナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、
エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-メチ
ル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のモノお
よびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよ
びジグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよび
ジアルキルグリシジルエステル(モノグリシジルエステ
ルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p-スチレン
カルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリルグリ
シジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、
スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-ブテ
ン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキシ-1
-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、5,6-
エポキシ-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキ
シドなどを例示することができる。
【0296】芳香族ビニル化合物としては、下記式で表
わされる化合物が挙げられる。
【0297】
【化84】
【0298】上記式において、R1およびR2は、それぞ
れ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル
基を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基およびイソプロピル基を挙げることができる。ま
た、R3は炭素原子数1〜3の炭化水素基またはハロゲ
ン原子を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基およびイソプロピル基並びに塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子などを挙げることができる。また、
nは通常は0〜5、好ましくは1〜5の整数を表す。
【0299】このような芳香族ビニル化合物の具体的な
例としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチル
スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-ク
ロロスチレン、m-クロロスチレンおよびp-クロロメチル
スチレン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン、5-エ
チル-2-ビニルピリジン、2-メチル-5-ビニルピリジン、
2-イソプロペニルピリジン、2-ビニルキノリン、3-ビニ
ルイソキノリン、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルピロ
リドンなどを挙げることができる。
【0300】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフ
タル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸などの不飽和カ
ルボン酸、またはこれらの酸無水物あるいはこれらの誘
導体(例えば酸ハライド、アミド、イミド、エステルな
ど)が挙げられる。具体的な化合物の例としては、塩化
マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン
酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン
酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタ
ル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-
ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノ
エチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを挙げる
ことができる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、
無水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプ
ロピルが好ましい。
【0301】ビニルエステル化合物の例としては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、イソ酪酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサ
ティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル、p-t-ブチル安息香酸ビニル、サ
リチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなど
を挙げることができる。
【0302】上記極性モノマーは、上記エチレン系共重
合体ゴム100重量部に対して、通常は、0.1〜10
0重量部、好ましくは0.5〜80重量部の量で使用さ
れる。
【0303】ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あ
るいはアゾ化合物などを挙げることができる。有機過酸
化物の具体的な例としては、ジクミルパーオキサイド、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t
-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス
(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチル
パーオキシ)バラレート、ベンゾイルパーオキサイド、t
-ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサ
イド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイドおよび2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
m-トルイルパーオキサイドなどを挙げることができる。
また、アゾ化合物としてはアゾイソブチロニトリル、ジ
メチルアゾイソブチロニトリルなどを挙げることができ
る。
【0304】このようなラジカル開始剤は、上記エチレ
ン系共重合体ゴム100重量部に対して、一般には、
0.001〜10重量部の量で使用されることが望まし
い。ラジカル開始剤は、そのままエチレン系共重合体ゴ
ムおよび極性モノマーと混合して使用することもできる
が、このラジカル開始剤を少量の有機溶媒に溶解して使
用することもできる。ここで使用される有機溶媒として
は、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に
限定することなく使用することができる。このような有
機溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレンな
どの芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナンおよびデカンなどの脂肪族炭化水
素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよ
びデカヒドロナフタレンのようなの脂環族炭化水素系溶
媒;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベ
ンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およ
びテトラクロルエチレンなどの塩素化炭化水素;メタノ
ール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノー
ル、n-ブタノール、sec-ブタノールおよびtert-ブタノ
ールなどのアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチル
ケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶
媒;酢酸エチルおよびジメチルフタレートなどのエステ
ル系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ-n
-アミルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキシ
アニソールのようなエーテル系溶媒を挙げることができ
る。
【0305】また本発明において、エチレン系共重合体
ゴムをグラフト変性するに際して、還元性物質を用いて
もよい。還元性物質は、得られるグラフト変性エチレン
系共重合体ゴムにおけるグラフト量を向上させる作用を
有する。
【0306】還元性物質としては、鉄(II)イオン、ク
ロムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、パラジ
ウムイオン、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジ
ンなどのほか、−SH、SO3H、−NHNH2、−CO
CH(OH)−などの基を含む化合物が挙げられる。
【0307】このような還元性物質としては、具体的に
は、塩化第一鉄、重クロム酸カリウム、塩化コバルト、
ナフテン酸コバルト、塩化パラジウム、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、ヒド
ラジン、エチルメルカプタン、ベンゼンスルホン酸、p-
トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0308】上記の還元性物質は、上記のエチレン系共
重合体ゴム100重量部に対して、通常は、0.001
〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の量で使用さ
れる。エチレン系共重合体ゴムのグラフト変性は、従来
公知の方法で行うことができ、例えばエチレン系共重合
体ゴムを有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよび
ラジカル開始剤などを溶液に加え、70〜200℃、好
ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15時間、
好ましくは1〜10時間反応させることにより行われ
る。
【0309】エチレン系共重合体ゴムをグラフト変性す
る際に用いられる有機溶媒は、エチレン系共重合体ゴム
を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく使
用することができる。
【0310】このような有機溶媒としては、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒
などが挙げられる。
【0311】また、押出機などを使用して、無溶媒で、
エチレン系共重合体ゴムと極性モノマーとを反応させ
て、グラフト変性エチレン系共重合体ゴムを製造するこ
とができる。反応温度は、通常エチレン系共重合体ゴム
の融点以上、具体的には120〜250℃の範囲であ
る。このような温度条件下における反応時間は、通常
0.5〜10分間である。
【0312】このようにして調製されたグラフト変性エ
チレン系共重合体ゴム中における極性モノマーから誘導
されるグラフト基のグラフト量は、通常は0.1〜50
重量%、好ましくは0.2〜30重量%の範囲内にあ
る。
【0313】このようにして得られた変性エチレン系共
重合体ゴムは、金属および極性樹脂との接着性に優れ
る。また、該変性エチレン系共重合体ゴムを極性樹脂と
ブレンドすることにより、その耐衝撃性、低温耐衝撃性
を改良することができる。
【0314】また変性エチレン系共重合体ゴム(変性エ
チレン系ランダム共重合体)を成型して得られた成形体
では、その成形体表面への印刷性、塗装性に優れてい
る。また、ポリオレフィンにガラス繊維、無機化合物な
どの充填剤と共に該変性エチレン系共重合体ゴム(変性
エチレン系ランダム共重合体)をブレンドすることによ
り、充填剤の分散性が改良された樹脂組成物を得ること
ができる。このようにすれば、充填剤を配合する場合の
利点が保持され、しかも機械強度が向上した樹脂組成物
を得ることができる。
【0315】[加硫可能なゴム組成物]上記のようなエ
チレン系共重合体ゴムを含有する本発明に係るゴム組成
物は、加硫可能なゴム組成物であり(以下、加硫可能な
ゴム組成物ともいう)、未加硫のままでも用いることも
できるが、加硫物として用いるとより一層優れた特性を
発現することができる。
【0316】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、加
硫剤を使用して加熱する方法、あるいは加硫剤を用いず
に電子線を照射する方法により加硫することができる。
本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エチレン系共重
合体ゴムとともに目的に応じて他の成分を適宜含有する
ことができるが、エチレン系共重合体ゴムを、全ゴム組
成物中20重量%以上好ましくは25重量%以上の量で
含有していることが望ましい。ゴム組成物中におけるエ
チレン系共重合体ゴムの含有量がこの範囲にある場合
に、ゴム組成物としての良好な物性が発現する。
【0317】また他の成分としては、たとえば補強剤、
無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤、耐光安定剤などの安
定剤、加工助剤、さらには発泡剤、発泡助剤などの発泡
系を構成する化合物、可塑剤、着色剤、難燃剤、他のゴ
ム配合剤などの種々の薬剤などを挙げることができる。
他の成分は、用途に応じてその種類、含有量が適宜選択
されるが、これらのうちでも特に補強剤、無機充填剤、
軟化剤などを用いることが好ましく、以下に、より具体
的に示す。
【0318】補強剤および無機充填剤 補強剤としては、具体的に、SRF、GPF、FEF、
MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの
カーボンブラック、これらカーボンブラックをシランカ
ップリング剤などで表面処理したもの、シリカ、活性化
炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸などが挙げら
れる。
【0319】無機充填剤としては、具体的に、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなど
が挙げられる。本発明に係るゴム組成物は、補強剤およ
び/または無機充填剤を、エチレン系共重合体ゴム10
0重量部に対して、通常300重量部以下、好ましくは
10〜300重量部、さらに好ましくは10〜200重
量部の量で含有することができる。
【0320】このような量の補強剤を含有するゴム組成
物からは、引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械的
性質が向上された加硫ゴムが得られる。また無機充填剤
を上記のような量で配合すると、加硫ゴムの他の物性を
損なうことなく硬度を高くすることができ、またコスト
を引き下げることができる。
【0321】軟化剤 軟化剤としては、従来ゴムに配合されている軟化剤が広
く用られ、具体的に、プロセスオイル、潤滑油、パラフ
ィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンな
どの石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ
などのコールタール系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナ
タネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サ
ブ、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸
および脂肪酸塩、石油樹脂、アタクチックポリプロピレ
ン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物質などが
用いられる。
【0322】これらのうちでも石油系軟化剤が好まし
く、特にプロセスオイルが好ましい。本発明に係るゴム
組成物は、上記のような軟化剤を、エチレン系共重合体
ゴム100重量部に対して通常200重量部以下、好ま
しくは10〜200重量部、さらに好ましくは10〜1
50重量部、特に好ましくは10〜100重量部の量で
含有することができる。
【0323】酸化防止剤 本発明に係るゴム組成物は、酸化防止剤を含有している
と材料寿命を長くすることができて好ましい。この酸化
防止剤としては、具体的に、フェニルナフチルアミン、
4,4'-(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミ
ン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンなどの
芳香族第二アミン系安定剤、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチル
フェノール、テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブ
チル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
などのフェノール系安定剤、ビス[2-メチル-4-(3-n-ア
ルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]
スルフィドなどのチオエーテル系安定剤、2-メルカプト
ベンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系安定
剤、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオ
カルバミン酸塩系安定剤、2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒ
ドロキノリンの重合物などのキノリン系安定剤などが挙
げられる。これらは2種以上併用することもできる。
【0324】このような酸化防止剤は、エチレン系共重
合体ゴム100重量部に対して、5重量部以下好ましく
は3重量部以下の量で適宜用いることができる。加工助剤 加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合
されるものを広く使用することができる。具体的には、
リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン
酸などの酸、これら高級脂肪酸の塩たとえばステアリン
酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ムまたはエステル類などが挙げられる。
【0325】加工助剤は、エチレン系共重合体ゴム10
0重量部に対して、10重量部以下好ましくは5重量部
以下の量で適宜用いることができる。加硫剤 また本発明に係るゴム組成物を加熱により加硫する場合
には、ゴム組成物中に通常加硫剤、加硫促進剤、加硫助
剤などの加硫系を構成する化合物を配合する。
【0326】加硫剤としては、イオウ、イオウ系化合物
および有機過酸化物などを用いることができる。イオウ
の形態は特に限定されず、たとえば粉末イオウ、沈降イ
オウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ
などを用いるこができる。
【0327】イオウ系化合物としては、具体的には、塩
化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、モルホリン
ジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テト
ラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバ
ミン酸セレンなどが挙げられる。
【0328】また有機過酸化物としては、具体的には、
ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイ
ド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-アミル
パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパー
オキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-
ブチルパーオキシ)-ヘキサン、α,α'-ビス(t-ブチ
ルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、t-ブチルヒ
ドロパーオキサイドなどのアルキルパーオキサイド類、
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイ
ソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチ
ルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシネオデカ
ノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t-ブ
チルパーオキシフタレートなどのパーオキシエステル
類、ジシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパ
ーオキサイド類が挙げられる。これらは2種以上組合わ
せて用いてもよい。
【0329】これらのうちでは、1分半減期温度が13
0℃〜200℃である有機過酸化物が好ましく、具体的
にジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイ
ド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-アミル
パーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどが
好ましい。
【0330】本発明では、上記のような各種加硫剤のう
ちでも、イオウまたはイオウ系化合物、特にイオウを用
いると優れた特性のゴム組成物を得ることができるため
好ましい。
【0331】加硫剤がイオウまたはイオウ系化合物であ
るときには、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対
して、0.1〜10重量部好ましくは0.5〜5重量部の
量で用いることができる。
【0332】また加硫剤が有機過酸化物であるときに
は、エチレン系共重合体ゴム100グラムに対して、
0.0003〜0.05モル好ましくは0.001〜0.0
3モルの量で用いることができる。
【0333】加硫促進剤 また加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を用いる場
合には、加硫促進剤を併用することが好ましい。
【0334】加硫促進剤としては、具体的に、N-シクロ
ヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CB
S)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾール
スルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物、2-
メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2-(2,4-ジニ
トロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-
ジエチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベ
ンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール系化合物、
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオ
ルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイ
ド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン
化合物、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルア
ルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミ
ン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミ
ンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物、2-メルカプ
トイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物、チオカル
バニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、
トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリアなど
のチオユリア系化合物、テトラメチルチウラムモノスル
フィド、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMT
D)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチ
ルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテト
ラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ
ィド(DPTT)などのチウラム系化合物、ジメチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェ
ニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカ
ルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチ
オカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系化合物、ジブ
チルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系化合物、亜
鉛華などが挙げられる。
【0335】上記のような加硫促進剤は、エチレン系共
重合体ゴム100重量部に対して、0.1〜20重量部
好ましくは0.2〜10重量部の量で用いることが望ま
しい。加硫助剤(多官能性モノマー) また加硫剤として有機過酸化物を用いる場合には、加硫
助剤(多官能性モノマー)を有機過酸化物1モルに対し
て0.5〜2モル好ましくはほぼ等モルの量で併用する
ことが好ましい。
【0336】加硫助剤としては、具体的には、イオウ、
p-キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系化合物、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレートなどの(メタ)アクリレ
ート系化合物、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌ
レートなどのアリル系化合物、m-フェニレンビスマレイ
ミドなどのマレイミド系化合物、ジビニルベンゼンなど
が挙げられる。
【0337】発泡剤 本発明に係るゴム組成物は、発泡剤、発泡助剤などの発
泡系を構成する化合物を含有する場合には、発泡成形す
ることができる。
【0338】発泡剤としては、一般的にゴムを発泡成形
する際に用いられる発泡剤を広く使用することができ、
具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウ
ムなどの無機発泡剤、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソ
テレフタルアミド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテ
トラミンなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシル
ニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカル
ボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキ
シビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニル
スルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニ
ルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4-ジフェニ
ルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジド
などのアジド化合物が挙げられる。
【0339】これらのうちでは、ニトロソ化合物、アゾ
化合物、アジド化合物が好ましい。発泡剤は、エチレン
系共重合体ゴム100重量部に対して、0.5〜30重
量部好ましくは1〜20重量部の量で用いることができ
る。このような量で発泡剤を含有するゴム組成物から
は、見かけ比重0.03〜0.8g/cm3 の発泡体を製造
することができる。
【0340】また発泡剤とともに発泡助剤を用いること
もでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低
下、分解促進、気泡の均一化などの効果がある。このよ
うな発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステア
リン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体
などが挙げられる。
【0341】発泡助剤は、エチレン系共重合体ゴム10
0重量部に対して0.01〜10重量部好ましくは0.1
〜5重量部の量で用いることができる。他のゴム 本発明に係るゴム組成物は、本発明の目的を損なわない
範囲で、公知の他のゴムを含んでいてもよい。
【0342】このような他のゴムとしては、天然ゴム
(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系
ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン- ブタジエン
ゴム(SBR)、アクリロニトリル- ブタジエンゴム
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエ
ン系ゴムを挙げることができる。
【0343】さらに従来公知のエチレン・α−オレフィ
ン系共重合ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン
・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記のエチ
レン系共重合体ゴム以外のエチレン・α-オレフィン・
ポリエン共重合体、例えばEPDMなどを用いることが
できる。
【0344】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エ
チレン系共重合体ゴムおよび上記のような他の成分か
ら、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製するこ
とができる。たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、
インターミックスのようなインターナルミキサー類を用
いて、エチレン系共重合体ゴムおよび他の成分を、80
〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、必要に応
じて加硫剤、加硫促進剤または加硫助剤などを加えて、
オープンロールなどのロ−ル類あるいはニーダーを用い
て、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した
後、分出しすることにより調製することができる。この
ようにして通常リボン状またはシート状のゴム組成物
(配合ゴム)が得られる。上記のインターナルミキサー
類での混練温度が低い場合には、加硫剤、加硫促進剤、
発泡剤などを同時に混練することもできる。
【0345】[加硫ゴム]本発明に係るゴム組成物の加
硫物(加硫ゴム)は、上記のような未加硫のゴム組成物
を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、イ
ンジェクション成形機、トランスファー成形機など種々
の成形法よって所望形状に予備成形し、成形と同時にま
たは成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは
電子線を照射することにより加硫して得ることができ
る。
【0346】上記ゴム組成物を加熱により加硫する場合
には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波
電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱
形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜
30分間加熱することが好ましい。
【0347】また加硫剤を使用せずに電子線照射により
加硫する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1
〜10MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギ
ーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mra
d、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射
すればよい。
【0348】成形・加硫に際しては、金型を用いてもよ
く、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合
には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。上
記のように成形・加硫された加硫ゴムは、ウェザースト
リップ、ドアーグラスランチャンネル、窓枠、ラジエー
タホース、ブレーキ部品、ワイパーブレードなどの自動
車工業部品、ゴムロール、ベルト、パッキン、ホースな
どの工業用ゴム製品、アノ−ドキャップ、グロメットな
どの電気絶縁材、建築用ガスケット、土木用シートなど
の土木建材用品、ゴム引布などの用途に用いることがで
きる。
【0349】また発泡剤を含有するゴム配合物を加熱発
泡させて得られる加硫発泡体は、断熱材、クッション
材、シーリング材などの用途に用いることができる。以
下に前記の分岐状ポリエン[Ib](分岐状トリエンま
たはテトラエン[Ib])の製造方法について詳説す
る。
【0350】分岐状ポリエン[Ib]の製造方法 本発明で用いられる上記式[H−1]で表されるポリエ
ンの内で、p=1、q=0である分岐状トリエンまたは
テトラエン[Ib]は、通常、エチレンと下記式[H−
1a]で示される共役ジエン化合物[H−1a]とを反応
させることにより合成される。
【0351】
【化85】
【0352】(式[H−1a]中、f、g、R1、R2
5〜R9は、前記式[H−1]の場合に同じ。) なおエチレンと上記式[H−1a]で示される共役ジエ
ン化合物との反応の際に副生することのある下記式[H
−1b]で示される鎖状ポリエンは、通常、蒸留によっ
て分離することができる。ただし、両者を分離すること
なく、重合に供することもできる。
【0353】
【化86】
【0354】(式[H−1b]中、f、g、R1、R2
5〜R9は、前記式[H−1a]の場合に同じ。) さらに具体的に説明すると、本発明で用いられる分岐状
ポリエン[Ib]は、例えば、下記式[I-a]で示され
る共役ジエンを有する化合物(以下共役ジエン化合物
[I-a]ともいう)とエチレンとを反応させることによ
り製造することができる。
【0355】
【化87】
【0356】(式中、fは0〜5の整数であり、gは1
〜6の整数であり、R7は炭素数1〜5のアルキル基で
あり、R8およびR9はそれぞれ独立して水素原子または
炭素数1〜5のアルキル基である。) 上記のような炭素数1〜5のアルキル基としては、メチ
ル基など前記式[Ib]の場合と同様な基が挙げられ
る。
【0357】このような式[I-a]で示される共役ジエ
ン化合物としては、具体的にたとえば、下記(1)〜
(24)に例示するような化合物が挙げられる。 (1):3-メチレン-1,5-ヘプタジエン、(2):6-メ
チル-3-メチレン-1,5-ヘプタジエン、(3):6-メチル
-3-メチレン-1,5-オクタジエン、(4):6-エチル-3-
メチレン-1,5-オクタジエン、(5):5,6-ジメチル-3-
メチレン-1,5-ヘプタジエン、(6):5,6-ジメチル-3-
メチレン-1,5-オクタジエン、(7):3-メチレン-1,5-
ノナジエン、(8):6-メチル-3-メチレン-1,5-ノナジ
エン、(9):6-メチル-5-プロピル-3-メチレン-1,5-
ヘプタジエン、(10):3-メチレン-1,6-オクタジエ
ン、(11):7-メチル-3-メチレン-1,6-オクタジエ
ン、(12):3-メチレン-1,6-デカジエン、(1
3):7-メチル-3-メチレン-1,6-デカジエン、(1
4):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-オクタジエン、
(15):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-ノナジエン、
(16):6,7-ジメチル-3-メチレン-1,6-デカジエン、
(17):7-メチル-6-エチル-3-メチレン-1,6-デカジ
エン、(18):6,7-ジエチル-3-メチレン-1,6-ノナジ
エン、(19):8-メチル-3-メチレン-1,7-ノナジエ
ン、(20):7,8-ジメチル-3-メチレン-1,7-ノナジエ
ン、(21):9-メチル-3-メチレン-1,8-デカジエン、
(22):8,9-ジメチル-3-メチレン-1,8-デカジエン、
(23):10-メチル-3-メチレン-1,9-ウンデカジエ
ン、(24):9,10-ジメチル-3-メチレン-1,9-ウンデ
カジエン。
【0358】上記反応によると、分岐状ポリエン[I
b]は、通常、トランス体とシス体との混合物として得
られるが、一方の立体異性体が単一物として得られるこ
ともある。分岐状ポリエン[Ib]の構造によっては、
蒸留によってトランス体とシス体とを分離することがで
きる。ただし、両者を分離することなく重合に供するこ
ともできる。
【0359】また上記反応によれば、分岐状ポリエンと
ともに一般式[I-b]で示される下記のような鎖状ポリ
エン化合物も副生することがある。
【0360】
【化88】
【0361】(式[I-b]中、f、g、R7、R8および
9は式[I-a]の場合に同じ。) この副生物は、通常、蒸留によって分離することができ
る。ただし、副生物を分離することなく、重合に供する
こともできる。
【0362】上記のような共役ジエン化合物[I-a]と
エチレンとの反応は、共役ジエンを有する化合物[I-
a]によっても異なるが、通常50〜200℃好ましく
70〜150℃の温度で、エチレン圧0.5〜100kg
/cm2、好ましくは1〜100kg/cm2さらに好ましくは
5〜70kg/cm2 の圧力下に、0.5〜30時間行われ
る。エチレンは、反応容器に連続して加えてもよく、ま
た、間欠的に加えてもよい。
【0363】この反応は、窒素、アルゴンなどの不活性
ガス雰囲気下で行ってもよい。また溶媒を使用しないで
この反応を行なうことができるが、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカ
ン、トリデカン、トルエン、キシレンなどの不活性な炭
化水素系溶媒の共存下にこの反応を行なうこともでき
る。
【0364】この反応は、通常触媒の存在下に行なわれ
る。特にこの反応を、遷移金属化合物と有機アルミニウ
ム化合物とからなる触媒の存在下に行なうと、分岐状ポ
リエン[Ib]が効率よく得られる。
【0365】このような遷移金属化合物としては、具体
的に、鉄、ルテニウムなどの鉄族、コバルト、ロジウ
ム、イリジウムなどのコバルト族、ニッケル、パラジウ
ムなどのニッケル族から選ばれる遷移金属の塩化物、臭
化物、アセチルアセトナート塩、1,1,1,5,5,5-ヘキサフ
ルオロアセチルアセトナート塩、ジピバロイルメタン塩
などが挙げられる。これらのうち、コバルト、鉄、ニッ
ケル、ロジウム、パラジウムの化合物(塩化物)が好ま
しく、特にコバルト化合物(塩化物)が好ましく、最も
好ましくは塩化コバルトを挙げることができる。
【0366】このような遷移金属化合物(たとえば遷移
金属塩化物)は、そのままでも触媒の調製のための反応
に用いることができるが、触媒の調製に際しては、この
遷移金属化合物に有機配位子が配位した遷移金属錯体と
して用いることが好ましい。すなわちこの遷移金属化合
物とともに遷移金属の配位子となりうる有機化合物(配
位化合物)を反応系に共存させるか、あるいは予め遷移
金属化合物と上記のような配位化合物とから遷移金属錯
体を形成して、触媒調製反応に使用するのが好ましい。
【0367】このような配位子となりうる化合物として
は、たとえば、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、
1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス
(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)ブタン、トリエチルホスフィン、トリ
ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、シクロオ
クタジエン、シクロオクタテトラエンなどが挙げられ
る。
【0368】また予め遷移金属化合物に有機配位子が配
位された錯体としては、[1,2-ビス(ジフェニルホスフ
ィノ)エタン]コバルト(II)クロリド、[1,2-ビス(ジ
フェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)クロリド、
ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)クロリド
などが好ましく用いられる。
【0369】また有機アルミニウム化合物としては、前
述したようなものを用いることができ、トリエチルアル
ミニウムが好ましく用いられる。有機アルミニウム化合
物は、そのまま用いてもよく、またトルエン溶液あるい
はヘキサン溶液にして用いることもできる。
【0370】上記の共役ジエンを有する化合物[I-a]
とエチレンとの反応においては、遷移金属化合物は、共
役ジエンを有する化合物[I-a]に対して、好ましくは
0.001〜10モル%の量で、特に好ましくは0.01
〜1モル%の量で用いられる。 また配位化合物は、遷
移金属化合物に対して、0〜20モル倍の量で用いられ
ることが好ましく、特に0.1〜5モル倍の量で用いら
れることが好ましい。
【0371】有機アルミニウム化合物は、遷移金属化合
物に対して、1〜200モル倍の量で用いられることが
好ましく、特に3〜100モル倍の量で用いられること
が好ましい。
【0372】本発明では、上記の共役ジエンを有する化
合物[I-a]とエチレンとを含む反応系において、上記
のような遷移金属化合物(または遷移金属錯体)と有機
アルミニウム化合物とをその場で反応させて調製しても
よいが、予め遷移金属化合物(または遷移金属錯体)と
有機アルミニウム化合物とを接触させて得られた反応生
成物を、触媒として用いることが好ましい。
【0373】すなわち、触媒は、例えば、不活性雰囲気
下、前記反応溶剤と同じ溶剤中、例えばデカン中で遷移
金属化合物と配位化合物とを室温で混合した後、これに
有機アルミニウム化合物を加え、室温で攪拌することに
よって調製することができる。
【0374】特に、上記式[H−1]において炭素炭素
二重結合が4個[換言すれば、式[H−1]においてR
9が−(CH2n-CR10=R1112のもの]である、本
発明で用いられる分岐状テトラエン[Ib’](分岐状
ポリエン[Ib’])は、例えば、上記エチレンと式
[I-a]で示される共役ジエン化合物との反応で、この
式[I-a]で示される共役ジエン化合物に代えて、例え
ば、下記式[I-aa]で示される共役ジエン化合物を用い
ればよい。
【0375】
【化89】
【0376】(式[I-aa]中、fは0〜5、gは1〜6
好ましくは1〜3の整数を示し、nは1〜5の整数を示
し、R7〜R11は、それぞれ独立して水素原子または炭
素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基を示し、R
12は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。) なお、この反応の際には、特にエチレンを通常0.5〜
100kg/cm2、好ましくは1〜50kg/cm2
圧力下に反応容器に加えることが望ましい。その他の条
件はエチレンと上記式[I-a]で示される共役ジエン化
合物との反応の場合と同様である。
【0377】なお、エチレンとこの共役ジエン化合物
[I-aa]との反応で、分岐状ポリエン[Ib’]と共
に、下記式[I-bb]で示される鎖状ポリエン化合物が副
生することがある。この場合には、該副生物は前記と同
様にして分離除去すればよい。ただし、副生物を分離せ
ずに、重合に供することもできる。
【0378】
【化90】
【0379】(式[I-bb]中、f、g、n、R7〜R12
は上記式[I-aa]の場合に同じ。)
【0380】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性、耐熱性、耐オ
ゾン性に優れ、加工性に優れ、特に加硫速度が速く、加
硫速度と発泡剤の分解速度のバランスが取りやすく、加
硫後の機械的特性に優れているようなエチレン系共重合
体ゴムが得られる。
【0381】また本発明によれば、上記のような優れた
特性を有するエチレン系共重合体ゴムを含有するゴム組
成物が得られる。また本発明によればこのようなエチレ
ン系共重合体ゴムの製造方法が提供される。
【0382】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限
定されるものではない。
【0383】
【参考例1】 [触媒の調製]アルゴン雰囲気下、スターラー攪拌子を
入れた50mlフラスコ中に、無水塩化コバルト(II)4
3mg(0.33ミリモル)、1,2-ビス(ジフェニルホ
スフィノ)エタン263mg(0.66ミリモル)およ
び無水デカン23mlを入れ、25℃で2時間攪拌し
た。次いで25℃で、濃度1モル/リットルのトリエチ
ルアルミニウム/トルエン溶液 17ml(トリエチル
アルミニウム17ミリモル)を加えて2時間攪拌するこ
とにより触媒を調製した。
【0384】[4-エチリデン-8-メチル-1,7- ノナジエ
ン(EMN)の合成] [p=1,q=0,f=1,g=1、全ての炭素−炭素
二重結合に隣接する炭素原子に直接結合した水素原子の
総数:15個]
【0385】
【化91】
【0386】300mlステンレス(SUS316)製
オートクレーブ中に、アルゴン雰囲気下、7-メチル-3-
メチレン-1,6- オクタジエン(β−ミルセン)100g
(734ミリモル)と上記のように調製された触媒を全
量加えて密閉した。次いでオートクレーブにエチレンボ
ンベを直結して、エチレンを導入して、オートクレーブ
内を35kg/cm2 まで加圧した。次いで95℃に加熱し
て、消費されたエチレンを間欠的に5回追加して、合計
で15時間反応を行った。
【0387】反応終了後にオートクレーブを冷却してか
ら開放し、得られた反応混合物を100mlの水中に注
いで有機層と水層とに分離した。分離された有機層を、
エバポレータで低沸点物を除去した後、20段の精密減
圧蒸留を行った。
【0388】目的物であるEMNが83g得られた(収
率69%)。また反応副生物として、5,9-ジメチル-1,
4,8- デカトリエンが16g生成した(収率13%)。
上記で得られた4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン
(EMN)の分析結果を以下に示す。
【0389】 (i) 沸 点:103〜105℃/30mmHg (ii) GC−MS(ガスクロマトグラフィ−質量分
析): m/z 164(M+分子イオンピーク)、149、1
23、95、69、41、27 (iii) 赤外線吸収スペクトル(ニート、cm-1) 吸収ピーク:3080、2975、2925、285
0、1670、1640、1440、1380、123
5、1110、995、910、830 (iv) 1H−NMRスペクトル(溶媒:CDCl3 ) 吸収ピークを下記に示す。
【0390】
【表1】
【0391】
【実施例1】攪拌翼を備えた容量2リットルの重合器を
用いて、エチレンとプロピレンと参考例1で合成した4
-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン(EMN)
を主に含むEMN混合物(以下EMNと記す)と5-エ
チリデン-2-ノルボルネン(ENB)との四元共重合反
応を行った。
【0392】すなわち、まず重合器上部から重合器内
に、脱水精製されたトルエンを毎時0.6リットルの量
で、(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr:0.1ミリモ
ル/リットル)を毎時0.2リットルの量で、メチルア
ルミノキサン(MAO)のトルエン溶液(Al:50ミ
リモル/リットル)を毎時0.6リットルの量で、EM
NとENBとの混合トルエン溶液(EMNとENBの合
計:73.3ミリリットル/リットル、EMN(ホ゜リエン)
/ENB(シ゛エン)=10(体積比))を毎時0.6リット
ルの量で、それぞれ連続的に供給した。
【0393】また、重合器上部から重合器内に、エチレ
ンを毎時100リットルの量で、プロピレンを毎時14
0リットルの量で、それぞれ連続的に供給した。この共
重合反応は、15℃で、かつ反応混合物の平均滞留時間
が30分(すなわち重合スケール1リットル)となるよ
うに行った。
【0394】得られたポリマー溶液は、連続的に重合器
下部から抜き出し、メタノールをこれに少量添加するこ
とにより重合反応を停止させた。得られたポリマー溶液
を(上記重合反応を停止させるに必要なメタノール量に
比べて)大過剰のメタノール中に投入することにより、
ポリマーを析出させ、濾過により回収した。
【0395】次いで、ポリマーに安定剤[ポリマー約1
00g当たり30mgの「Irganox1010」
(チバガイギー製)および60mgの「Mark329
K」(旭電化製)]を混合した後、120℃で減圧下に
一晩乾燥した。
【0396】以上の操作で、エチレン・プロピレン・E
MN・ENB四元共重合体が毎時34gの量で得られ
た。得られた共重合体は、エチレン単位/プロピレン単
位(モル比)が70.5/29.5であり、該共重合体
中に、EMN単位が0.60モル%であり、ENB単位
が0.55モル%であり、EMN単位とENB単位との
モル比(EMN単位/ENB単位)が1.1であり、極
限粘度[η]が2.7dl/gであり、ヨウ素価が1
3.5であった。
【0397】次いで、上記エチレン・プロピレン・EM
N・ENB四元共重合体100重量部と、亜鉛華1号5
重量部と、ステアリン酸1重量部と、カーボンブラック
[N330,商品名:シースト3,東海カーボン(株)
製]80重量部およびオイル[商品名:「サンレックス 228
0」(株)日本サン石油製)]50重量部を1.7リットル
のバンバリーミキサーを用いて混練した。
【0398】次いで、6インチロール(F/B=50/
50℃)を用いて、加硫促進剤{加硫促進剤A[商品
名:ノクセラーTT,大内新興化学(株)製]1.0重
量部と、加硫促進剤B[商品名:ノクセラーM,大内新
興化学(株)製]0.5重量部}および硫黄1.5重量
部を、上記のように混練して得られた混練物に添加して
混練して、配合ゴム(ゴム組成物)を得た。
【0399】次いで、この配合ゴムの160℃での加硫
速度(T90(分))を測定したところ、加硫速度(T90
(分))は、6.0となった。なお、加硫速度は、JS
Rキュラストメーター3号(日本合成ゴム(株)社製)
を用いて測定し、加硫曲線から得られるトルクの最低値
MLと最高値MHとの差をME(ME=MH−ML)と
し、90%ME値に到達するに要する時間:T90(分)
を以て、加硫速度を評価した。
【0400】また、表2に示す配合組成の未加硫配合ゴ
ムを、160℃の温度でT90(分)+5分の条件下にプ
レス成形して、加硫ゴム物性を測定した。その結果、こ
の加硫ゴムの100%モジュラス(M100)は、32k
gf/cm2となり、引張破断点応力(TB)は142k
gf/cm2となり、引張破断点伸び(EB)は450%
となり、硬度(HS,JIS A 準拠)は66となっ
た。
【0401】なお、これらの加硫物性は、JIS K 6
301に準拠して測定した。なお、上記の配合ゴムの組
成を表2に、また、上記エチレン・プロピレン・EMN
・ENB四元共重合体の製造条件等を表3に、また加硫
ゴム組成物の物性測定結果を表4に併せて示す。
【0402】
【表2】
【0403】
【実施例2〜4】実施例1において、原料、反応条件な
どを表3に示すように変えた以外は、実施例1と同様に
共重合反応を実施した。
【0404】また得られた共重合体について、実施例1
と同様にゴム組成物を調製し、加硫物性を求めた。結果
を表4に示す。
【0405】
【比較例1】エチレン含量が70モル%であり、ヨウ素
価が12であり、極限粘度[η]が2.1dl/gのエ
チレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン
(ENB)共重合体をVO(OC25)Cl2/(C2
51.5AlCl1.5触媒を用いて公知の方法で合成し
た。
【0406】このエチレン・プロピレン・ENB共重合
体を用いて実施例1と同様にゴム組成物を調製し、加硫
し、実施例1と同様に各種物性を測定した。結果を表4
に併せて示す。
【0407】なお、表中の略号は以下のとおり。 MAO:メチルアルミノキサン、ENB:5-エチリデン
-2-ノルボルネン、MOD:7-メチル-1,6-オクタジエ
ン、EMN:4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン
(EMN)を主に含むEMN混合物。 ポリエン:炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒な
どの上記触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分
子内に1個のみ存在する非共役ポリエン(iii)。 ジエン:炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒など
の上記触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
内に1個存在する非共役ジエン(iv)。
【0408】Zr,メチルアルミノキサン(MAO)
は、重合系内の濃度を示す。
【0409】
【表3】
【0410】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 條 哲 夫 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−9592(JP,A) 特開 昭52−22083(JP,A) 特開 平9−71616(JP,A) 特公 昭44−12428(JP,B1) 特許3497925(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 C08F 6/00 - 246/00 C08L 1/00 - 101/14

Claims (29)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)エチレンと、 (ii)炭素数3〜20のα−オレフィンと、 (iii)1分子中に1個のビニル基を有する、少なくとも
    1種の直鎖状または分岐状非共役トリエンまたはテトラ
    エンと、 (iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非共役
    ジエンと、 のランダム共重合体であって、 (a)エチレンから導かれる単位(i)と、炭素数3〜20の
    α-オレフィンから導かれる単位(ii)とを、95/5〜
    40/60〔(i)/(ii)〕のモル比で含有し、 (b)1分子中に1個のビニル基を有する、少なくとも1
    種の直鎖状または分岐状非共役トリエンまたはテトラエ
    ンから導かれる単位(iii)を0.1〜10モル%の量で
    含有し、 (c)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非共役
    ジエンから導かれる単位(iv)を0.1〜10モル%の量
    で含有し、 (d)135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
    が、0.1〜10dl/gの範囲にあることを特徴とす
    るエチレン系共重合体ゴム。
  2. 【請求項2】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエ
    ンが、ビニル基に隣接した炭素原子に、1個の直鎖状ま
    たは分岐状炭化水素基と2個の水素原子とが結合したも
    のであることを特徴とする請求項1に記載のエチレン系
    共重合体ゴム。
  3. 【請求項3】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエ
    ンが下記式[H−1]で表され、上記(iii)非共役トリ
    エンまたはテトラエンから誘導される構成単位が下記式
    [H−2]で表されることを特徴とする請求項2に記載
    のエチレン系共重合体ゴム: 【化1】 [式[H−1]中、pとqとは0または1であり(但し
    pとqは同時に0ではない)、fは0〜5の整数であり
    (但しpとqが1の場合fは0ではない)、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
    素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
    素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
    =CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
    であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
    る)である(但し、pとqが1の場合、R9は水素原子
    または炭素数1〜5のアルキル基である)。] 【化2】 [式[H−2]中、p、q、f、g、R1〜R9は、上記
    式[H−1]の場合と同じ意味である。]
  4. 【請求項4】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエ
    ンが下記式[Ia]で表され、 上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
    れる構成単位が下記式[IIa]で表されることを特徴
    とする請求項3に記載のエチレン系共重合体ゴム: 【化3】 [式[Ia]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R3,R4,R5,R6およびR7は水
    素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R9は水素原子、炭
    素数1〜5のアルキル基または −(CH2n−CR10
    =CR1112で表される基(ここで、nは1〜5の整数
    であり、R10,R11は水素原子または炭素数1〜5のア
    ルキル基であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基であ
    る)である。] 【化4】 [式[IIa]中、f、g、R1〜R9は、上記式[I
    a]の場合と同じ意味である。]
  5. 【請求項5】上記式[Ia]および式[IIa]におい
    て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項4に記載のエチレン系共重合体ゴム。
  6. 【請求項6】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエ
    ンが下記式[Ib]で表され、上記(iii)非共役トリエ
    ンまたはテトラエンから誘導される構成単位が下記式
    [IIb]で表されることを特徴とする請求項3に記載
    のエチレン系共重合体ゴム: 【化5】 [式[Ib]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R5,R6,R7は水素原子または
    炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1〜5
    のアルキル基であり、R9は水素原子、炭素数1〜5の
    アルキル基または−(CH2n−CR10=CR1112
    表される基(ここで、nは1〜5の整数であり、R10,
    11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であ
    り、R12は炭素数1〜5のアルキル基である)であ
    る。] 【化6】 [式[IIb]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は式
    [Ib]の場合と同じ意味である。]
  7. 【請求項7】上記式[Ib]および式[IIb]におい
    て、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特徴
    とする請求項6に記載のエチレン系共重合体ゴム。
  8. 【請求項8】上記(iii)非共役テトラエンが下記式[I
    b']で表され、 上記(iii)非共役テトラエンから誘導される構成単位が
    下記式[IIb']で表されることを特徴とする請求項
    6に記載のエチレン系共重合体ゴム。 【化7】 [式[Ib']中、fは0〜5の整数であり、gは1〜
    6の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子
    または炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数
    1〜5のアルキル基であり、nは1〜5の整数であり、
    10,R11は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基
    であり、R12は炭素数1〜5のアルキル基である。] 【化8】 [式[IIb']中、f、g、R1、R2、R5〜R8
    n、R10〜R12は式[Ib']の場合と同じである。]
  9. 【請求項9】上記式[Ib']および式[IIb']にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項8に記載のエチレン系共重合体ゴム。
  10. 【請求項10】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エンが下記式[Ic]で表され、 上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
    れる構成単位が下記式[IIc]で表されることを特徴
    とする請求項6に記載のエチレン系共重合体ゴム: 【化9】 [式[Ic]中、fは0〜5の整数であり、gは1〜6
    の整数であり、R1,R2,R5,R6およびR7は水素原子ま
    たは炭素数1〜5のアルキル基であり、R8は炭素数1
    〜5のアルキル基であり、R9は水素原子または炭素数
    1〜5のアルキル基である。] 【化10】 [式[IIc]中、f、g、R1、R2、R5〜R9は、式
    [Ic]の場合と同じ意味である。]
  11. 【請求項11】上記式[Ic]および式[IIc]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項10に記載のエチレン系共重合体ゴム。
  12. 【請求項12】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子
    に直接結合した水素原子の総数が、9〜33個であるこ
    とを特徴とする請求項1〜11の何れかの項に記載のエ
    チレン系共重合体ゴム。
  13. 【請求項13】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子
    に直接結合した水素原子の総数が、12〜33個である
    ことを特徴とする請求項1〜11の何れかの項に記載の
    エチレン系共重合体ゴム。
  14. 【請求項14】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子
    に直接結合した水素原子の総数が、14〜33個である
    ことを特徴とする請求項1〜11の何れかの項に記載の
    エチレン系共重合体ゴム。
  15. 【請求項15】(i) エチレンと、 (ii)炭素数3〜20のα−オレフィンと、 (iii) 1分子中に1個のビニル基を有する、少なくとも
    1種の直鎖状または分岐状非共役トリエンまたはテトラ
    エンと、 (iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非共役
    ジエンとを、 遷移金属化合物(イ)と、有機アルミニウム化合物および
    /またはイオン化イオン性化合物(ロ)と、から形成され
    る触媒の存在下に共重合させて、 (i) エチレンと、 (ii)炭素数3〜20のα−オレフィンと、 (iii)1分子中に1個のビニル基を有する、少なくとも
    1種の直鎖状または分岐状非共役トリエンまたはテトラ
    エンと、 (iv)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非共役
    ジエンと、 のランダム共重合体であり、 (a)エチレンから導かれる単位(i)と、炭素数3〜20の
    α-オレフィンから導かれる単位(ii)とを、95/5〜
    40/60〔(i)/(ii)〕のモル比で含有し、 (b)1分子中に1個のビニル基を有する、少なくとも1
    種の直鎖状または分岐状非共役トリエンまたはテトラエ
    ンから導かれる単位(iii)を0.1〜10モル%の量で
    含有し、 (c)1分子中に重合可能な二重結合を1個有する非共役
    ジエンから導かれる単位(iv)を0.1〜10モル%の量
    で含有し、 (d)135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
    が、0.1〜10dl/gであるエチレン系共重合体ゴ
    ムを得ることを特徴とするエチレン系共重合体ゴムの製
    造方法。
  16. 【請求項16】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エンが、ビニル基に隣接した炭素原子に、1個のビニル
    基以外の直鎖状または分岐状炭化水素基と2個の水素原
    子とが結合したものであり、 上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
    れる構成単位が、ポリマー主鎖に隣接した炭素原子に、
    1個の直鎖状または分岐状炭化水素基と、2個の水素原
    子とが結合したものであることを特徴とする請求項15
    に記載のエチレン系共重合体ゴムの製造方法。
  17. 【請求項17】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エンが上記式[H−1]で表され、 上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
    れる構成単位が上記式[H−2]で表されることを特徴
    とする請求項16に記載のエチレン系共重合体ゴムの製
    造方法。
  18. 【請求項18】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エンが上記式[Ia]で表され、 上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
    れる構成単位が上記式[IIa]で表されることを特徴
    とする請求項16に記載のエチレン系共重合体ゴムの製
    造方法。
  19. 【請求項19】上記式[Ia]および式[IIa]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを
    特徴とする請求項18に記載のエチレン系共重合体ゴム
    の製造方法。
  20. 【請求項20】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エンが上記式[Ib]で表され、上記(iii)非共役トリ
    エンまたはテトラエンから誘導される構成単位が上記式
    [IIb]で表されることを特徴とする請求項16に記
    載のエチレン系共重合体ゴムの製造方法。
  21. 【請求項21】上記式[Ib]および式[IIb]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項20に記載のエチレン系共重合体ゴムの
    製造方法。
  22. 【請求項22】上記(iii)非共役テトラエンが上記式
    [Ib']で表され、 上記(iii)非共役テトラエンから誘導される構成単位が
    上記式[IIb']で表されることを特徴とする請求項
    16に記載のエチレン系共重合体ゴムの製造方法。
  23. 【請求項23】上記式[Ib']および式[IIb']に
    おいて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを
    特徴とする請求項22に記載のエチレン系共重合体ゴム
    の製造方法。
  24. 【請求項24】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エンが上記式[Ic]で表され、 上記(iii)非共役トリエンまたはテトラエンから誘導さ
    れる構成単位が上記式[IIc]で表されることを特徴
    とする請求項16に記載のエチレン系共重合体ゴムの製
    造方法。
  25. 【請求項25】上記式[Ic]および式[IIc]にお
    いて、R1,R2,R5,R6が全て水素原子であることを特
    徴とする請求項24に記載のエチレン系共重合体ゴムの
    製造方法。
  26. 【請求項26】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子
    に直接結合した水素原子の総数が、9〜33個であるこ
    とを特徴とする請求項15〜25の何れかの項に記載の
    エチレン系共重合体ゴムの製造方法。
  27. 【請求項27】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子
    に直接結合した水素原子の総数が、12〜33個である
    ことを特徴とする請求項15〜25の何れかの項に記載
    のエチレン系共重合体ゴムの製造方法。
  28. 【請求項28】上記(iii)非共役トリエンまたはテトラ
    エン中の全ての炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子
    に直接結合した水素原子の総数が、14〜33個である
    ことを特徴とする請求項15〜25の何れかの項に記載
    のエチレン系共重合体ゴムの製造方法。
  29. 【請求項29】請求項1〜14のいずれかに記載のエチ
    レン系共重合体ゴムと、 下記(a)、(b)、(c)の内の少なくとも1種以上の成分
    と、 が含まれていることを特徴とするゴム組成物: (a)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して3
    00重量部以下の量の補強剤、(b)該エチレン系共重合
    体ゴム100重量部に対して200重量部以下の量の軟
    化剤、(c)加硫剤。
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