JPH0971616A - エチレン系共重合体ゴム、該共重合体ゴムが含まれた加硫可能なゴム組成物並びに該ゴムの製造方法 - Google Patents

エチレン系共重合体ゴム、該共重合体ゴムが含まれた加硫可能なゴム組成物並びに該ゴムの製造方法

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JPH0971616A
JPH0971616A JP15800296A JP15800296A JPH0971616A JP H0971616 A JPH0971616 A JP H0971616A JP 15800296 A JP15800296 A JP 15800296A JP 15800296 A JP15800296 A JP 15800296A JP H0971616 A JPH0971616 A JP H0971616A
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carbon atoms
carbon
ethylene
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JP15800296A
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Inventor
Masaaki Kawasaki
崎 雅 昭 川
Toshiyuki Tsutsui
井 俊 之 筒
Tetsuo Tojo
條 哲 夫 東
Takashi Shirata
田 孝 白
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(a) エチレンと、(b) 炭素数3〜20のα
-オレフィンと、(c)炭素・炭素二重 結合のうちメタロ
セン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭
素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンと、の
ランダム共重合体ゴムであって、単位(a)と(b)とを、9
0/10〜40/60〔(a)/(b)〕のモル比で、単位
(c)を0.1〜10モル%の量で、単位(d)を0.1〜3
モル%の量で含有し、135℃のデカリン中で測定され
る極限粘度[η]が、0.1〜10dl/gの範囲にあ
り、13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTααに
対する強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下である
エチレン系共重合体ゴムおよびその製造方法。 【効果】押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加
硫後の強度などの機械的特性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、エチレン系共重合体ゴム
および該共重合体ゴムが含まれた加硫可能なゴム組成物
並びに該ゴムの製造方法に関し、さらに詳しくは押出成
形性、耐熱老化性、低温柔軟性に優れ、しかも加硫速度
が速く、機械的物性に優れた新規なエチレン系共重合体
ゴム、ゴム組成物並びに該ゴムの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、エチレン・プロピレン
・ポリエン共重合体ゴムは、耐候性、耐オゾン性、耐熱
老化性などに優れており、自動車工業材料、電線用材
料、建築・土木資材、工業用材料などに広く用いられて
いる。
【0003】このような用途に用いられるエチレン・プ
ロピレン・ポリエン共重合体ゴムとしては、例えば、成
形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度に優れて
いることが望まれている。
【0004】このようなエチレン・プロピレン・ポリエ
ン共重合体ゴムとしてはエチレン・プロピレン・5-エチ
リデン-2-ノルボルネン(ENB)共重合体ゴム、エチ
レン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体ゴ
ム、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエン共重合体
ゴムなどが知られている。これらのうちでもエチレン・
プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴ
ムは、他の不飽和性エチレン系共重合体ゴムに比べ、加
硫速度が速い。
【0005】しかしながらこのエチレン・プロピレン・
5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴムには、押出
成形性に劣るという問題点がある。このため、押出成形
性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度などの機械
的特性に優れたエチレン系共重合体ゴムの出現が望まれ
ている。
【0006】なお、本願出願人は、特開平5-2628
27号公報(特願平4-275871号)において、エ
チレンとα-オレフィンと7-メチル-1,6-オクタジエ
ン(MOD)とからなるランダム共重合ゴムであって、(i)
エチレン/α-オレフィン(モル比)が40/60〜9
0/10、(ii)MOD含量が0.4〜25モル%、(ii
i)135℃デカリン中での極限粘度[η]が0.1dl
/g<[η]<8dl/g、(iv)強度比D(Tαβ/T
αα)が0.5以下、(v)B値1.00〜1.50、(v
i)Tgが−53℃である3元系のエチレン・α-オレフ
ィン・ジエン共重合ゴムを提案した。
【0007】この3元系の共重合ゴムは、シクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子を含む第IVB族遷移金属
(ジルコニウム化合物)および有機アルミニウムオキシ
化合物からなる遷移金属系触媒の存在下に得られてお
り、複数種のオレフィンを高活性で共重合させており、
狭い組成分布と優れた低温柔軟性を有するものであっ
た。
【0008】しかしながら、この3元系の共重合ゴムに
おいても、加硫強度等の機械的物性、押出成形性、加硫
速度のバランス、低温における柔軟性、耐熱老化性の点
などで更なる改良の余地があった。
【0009】また、本願出願人は、特開昭63-840
8号公報において、エチレンと、炭素数3〜10のα-
オレフィンおよびポリエンの5-エチリデン-2-ノルボル
ネン(ENB)および5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)を
ランダム共重合して得られるエチレン共重合体ゴムであ
り、(a)エチレン/α-オレフィン(モル比)が50/5
0〜95/5、(b)ENBおよびVNBの含有モル比率
(ENB/VNB)が1/1〜45/1、(c)ヨウ素価が2〜5
0、(d)135℃デカリリン中で測定した極限粘度
[η]が0.7〜6.0dl/g、(e)Q値(Mw/M
n)が6より大であるエチレン・α-オレフィン・ポリ
エンランダム共重合ゴムについて提案した。
【0010】この共重合ゴムは、炭化水素溶媒中で、可
溶性バナジウム化合物および有機アルミニウム化合物の
存在下に、上記各成分をランダム共重合して得られてお
り、従来のものに比して、押出成形性、加硫速度、加硫
強度のバランスが良好であり、形状保持性も良好であっ
た。しかしながら加硫強度、低温における柔軟性、耐熱
老化性などの点で更なる改良の余地があった。このため
押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度な
どの機械的特性、低温における柔軟性、耐熱老化性に優
れたエチレン系共重合体ゴムの出現が望まれている。ま
た、エチレンと炭素数3以上のα-オレフィンと1分子
中に重合可能な二重結合を1個のみ有する非共役ポリエ
ンと、1分子中に重合可能な二重結合を2個有する非共
役ポリエンとを、高活性で、かつα-オレフィンを高い
転化率で重合させることができるような共重合体(ゴ
ム)の製造方法の出現が望まれている。
【0011】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、押出成形性に
優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度などの機械的特
性、低温における柔軟性、耐熱老化性に優れたエチレン
系共重合体ゴム、該共重合体ゴムを含有するゴム組成物
並びに該ゴムの製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【発明の概要】本発明に係る不飽和性エチレン系共重合
体ゴムは、(a) エチレンと、(b) 炭素数3〜20のα-
オレフィンと、(c) 炭素・炭素二重 結合のうちメタロ
セン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭
素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンと、の
ランダム共重合体ゴムであって、(i) エチレンから導か
れる単位(a)と、炭素数3〜20のα-オレフィンから導
かれる単位(b)とを、90/10〜40/60〔(a)/
(b)〕のモル比で含有し、(ii) 炭素・炭素二重結合の
うち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分
子内に1個のみ存在する非共役ポリエンから導かれる単
位(c)を0.1〜10モル%の量で含有し、(iii) 炭素
・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素
二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンか
ら導かれる単位(d)を0.1〜3モル%の量で含有し、
(iv) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
が、0.1〜10dl/gの範囲にあり、(v) 13C−N
MRスペクトルにおけるTαβのTααに対する強度比
D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であることを特徴と
している。
【0013】本発明の好ましい態様においては、該エチ
レン系共重合体ゴムは、(vi)13C−NMRスペクトルお
よび下記の式から算出して求めたB値が1.0〜2.0
であることが望ましい。
【0014】 B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ]) (式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エ
チレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフ
ィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[POE
は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)
連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合
である。)。
【0015】また、本発明のエチレン系共重合体ゴム
は、上記(iv)で測定される極限粘度[η]と、これと同
一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含
量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の
極限粘度[η]blankとの比で定義されるgη*値(=
[η]/[η]Blank)が0.9以下であることが望ま
しい。
【0016】また本発明のエチレン系共重合体ゴムは、
上記(iv)で測定される極限粘度[η]と、このエチレン
系共重合体ゴムのゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ(GPC:140℃、o-ジクロロベンゼン溶媒)を測
定することにより求められる、エチレン含量が70モル
%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体換算の極限粘度
[η]blank’との比g’(=[η]/[η]blank’)
が0.9以下であることが好ましい。
【0017】また、上記(b)α-オレフィンの炭素数が4
以上であることが好ましく、DSCで求めたガラス転移
温度Tgが−45℃以下、さらに好ましくは−50℃以
下、特に好ましくは−55℃以下であることが好まし
い。
【0018】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムの製
造方法では、(a) エチレンと、(b)炭素数3〜20のα-
オレフィンと、(c) 炭素・炭素二重 結合のうちメタロ
セン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭
素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンとを、
メタロセン系触媒の存在下にランダム共重合することに
より、上記のようなエチレン系共重合体ゴムを製造して
いる。
【0019】このメタロセン系触媒は、下記式[III]
または[IV]で示されるメタロセン化合物を含むことが
好ましい。
【0020】
【化4】
【0021】[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金
属であり、R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原
子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜2
0の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含
有基、窒素含有基またはリン含有基であり、R13および
14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基であ
り、X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素
原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハ
ロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基で
あり、Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、
炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価の
スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−
SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)
(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。
(ただし、R7は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数
1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン
化炭化水素基である。)]、
【0022】
【化5】
【0023】[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金
属であり、R21は、互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていても
よい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜
10のアリール基または−NR2、−SR、−OSi
3、−SiR3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数
6〜10のアリール基)であり、R22〜R28は、上記の
21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそ
れらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環
を形成していてもよく、X3 およびX4 は、互いに同じ
でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、O
H基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1
〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール
基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子
数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリー
ル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基であ
り、Zは、
【0024】
【化6】
【0025】−Sn−、−O−、−S−、=SO、=S
2、=NR29、=CO、=PR29 または=P(O)R
29である。(ただし、R29およびR30は、互いに同じで
も異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素
原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフ
ルオロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、
炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数
1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケ
ニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭
素原子数8〜40のアリールアルケニル基または炭素原
子数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR
29とR30とは、それぞれそれらの結合する原子とともに
環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまた
はスズの原子である。)]。
【0026】本発明に係るゴム組成物は、上記記載のエ
チレン系共重合体ゴムと、下記(a)、(b)、(c)の内の少
なくとも1種以上の成分とが含まれている。 (a)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して3
00重量部以下の量の補強剤、(b)該エチレン系共重合
体ゴム100重量部に対して200重量部以下の量の軟
化剤、(c)加硫剤。
【0027】上記のような本発明に係るエチレン系共重
合体ゴムは、押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しか
も加硫後の強度(加硫強度)などの機械的特性に優れて
いる。
【0028】なお、本明細書中においては、エチレン系
共重合体ゴムの語は、特にその趣旨に反しない限り、未
加硫物、加硫物の両者を含む意味で用いる。また、該ゴ
ムをエチレン系共重合体、共重合体などともいう。
【0029】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るエチレン系共
重合体ゴムおよび該共重合体ゴムが含まれた加硫可能な
ゴム組成物並びに該ゴムの製造方法について具体的に説
明する。
【0030】[エチレン系共重合体ゴム] 本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、(a) エチレン
と、(b) 炭素数3〜20のα-オレフィンと、(c) 炭素
・炭素二重結合のうちメタロセン系触媒で重合可能な炭
素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共
役ポリエンと、(d)炭素・炭素二重結合のうち当該触媒
で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存
在する非共役ポリエンと、のランダム共重合体である。
【0031】このようなランダム共重合体ゴムを形成す
る際に用いられる(ii)炭素数3〜20のα−オレフィン
としては、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペン
テン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペ
ンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、
4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-
ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル
-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-
テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エ
イコセンなどが挙げられ、好ましくはプロピレン、1-ブ
テン、1-ヘキセン、1-オクテンが用いられ、さらに好ま
しくは、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなど炭素数
が4以上のα-オレフィンが望ましい。特にα-オレフィ
ンがこのような炭素数4以上のものであるエチレン系共
重合体ゴムでは、耐熱老化性、低温特性、圧縮永久歪が
良好な加硫物を付与しうる傾向がある。これらのα-オ
レフィンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用い
られていてもよい。
【0032】本発明においては、非共役ポリエンとして
は、炭素・炭素二重結合のうち後述するメタロセン系触
媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個
のみ存在する非共役ポリエン(c)と、炭素・炭素二重結
合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、
1分子内に2個存在する非共役ポリエン(d)とが用いら
れるが(以下、両者をまとめて単に「非共役ポリエン」
とも言う)、このうち、メタロセン触媒で重合可能な炭
素・炭素二重結合が1分子中に1個のみ存在する非共役
ポリエン(c)には、両末端がビニル基(CH2=CH−)
である鎖状ポリエンは含まれない。このような非共役ポ
リエン(c)において2個以上の炭素・炭素二重結合が存
在する場合には、1個の炭素・炭素二重結合のみは、分
子末端にビニル基として存在し、他の炭素・炭素二重結
合(C=C)は、分子鎖(主鎖、側鎖を含む)中に内部
オレフィン構造の形で存在していることが好ましい。こ
のような非共役ポリエン(c)としては、下記のような脂
肪族ポリエン、脂環族ポリエンなどが挙げられる。
【0033】脂肪族系の非共役ポリエン(c)としては、
具体的には、例えば、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘプタジ
エン、1,6-オクタジエン、1,7-ノナジエン、1,8-デカジ
エン、1,12- テトラデカジエン、3-メチル-1,4-ヘキサ
ジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘ
キサジエン、4-エチル-1,4-ヘキサジエン、3,3-ジメチ
ル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘプタジエン、5-
エチル-1,4-ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジエ
ン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、5-エチル-1,5-ヘプタ
ジエン、4-メチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,4-オ
クタジエン、4-エチル-1,4-オクタジエン、5-エチル-1,
4-オクタジエン、5-メチル-1,5-オクタジエン、6-メチ
ル-1,5-オクタジエン、5-エチル-1,5-オクタジエン、6-
エチル-1,5-オクタジエン、6-メチル-1,6-オクタジエ
ン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタ
ジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエン、6-ブチル-1,6-
オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-メチル-
1,4-ノナジエン、5-メチル-1,4-ノナジエン、4-エチル-
1,4-ノナジエン、5-エチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-
1,5-ノナジエン、6-メチル-1,5-ノナジエン、5-エチル-
1,5-ノナジエン、6-エチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-
1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-
1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-
1,7-ノナジエン、8-メチル-1,7-ノナジエン、7-エチル-
1,7-ノナジエン、5-メチル-1,4-デカジエン、5-エチル-
1,4-デカジエン、5-メチル-1,5-デカジエン、6-メチル-
1,5-デカジエン、5-エチル-1,5-デカジエン、6-エチル-
1,5-デカジエン、6-メチル-1,6-デカジエン、6-エチル-
1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、7-エチル-
1,6-デカジエン、7-メチル-1,7-デカジエン、8-メチル-
1,7-デカジエン、7-エチル-1,7-デカジエン、8-エチル-
1,7-デカジエン、8-メチル-1,8-デカジエン、9-メチル-
1,8-デカジエン、8-エチル-1,8-デカジエン、6-メチル-
1,6-ウンデカジエン、9-メチル-1,8-ウンデカジエンな
どが挙げられる。本発明においては、これらの脂肪族ポ
リエンを1種または2種以上組み合わせて用いることが
できる。好ましくは7-メチル-1,6-オクタジエンなどが
用いられる。
【0034】上記脂環族ポリエンとしては、1個の炭素
・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、内
部オレフィン結合(炭素・炭素二重結合)を有する鎖状
部分とから構成されるポリエンがあげられ、具体的に
は、例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネン(EN
B)、5-プロピリデン-2-ノルボルネン、5-ブチリデン-
2-ノルボルネンなどが挙げられ、5-エチリデン-2-ノル
ボルネン(ENB)が好ましく用いられる。
【0035】その他の脂環族ポリエンとしては、具体的
には、例えば、2-メチル-2,5-ノルボルナジエン、2-エ
チル-2,5-ノルボルナジエンなどが挙げられる。本発明
においては、これらの非共役ポリエン(c)を1種または
2種以上組合わせて用いることができる。
【0036】炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合
可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する
非共役ポリエン(d)としては、具体的には、例えば、5-
ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、5-アリル-2-ノルボ
ルネン等の5-アルケニル-2-ノルボルネン;2,5-ノルボ
ルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノル
ボルナジエン、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ
-3,8-ジエン等の脂環族ポリエン;1,7-オクタジエン、
1,9-デカジエン等のα,ω-ジエン等などが挙げられ
る。
【0037】これらの内では、5-アルケニル-2-ノルボ
ルネン、ジシクロペンタジエン、2,5-ノルボルナジエ
ン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエンが好ましく、特
に5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)が好ましく用い
られる。
【0038】本発明に係るエチレン系共重合体ゴム(単
に、共重合体、エチレン系共重合体ともいう)では、上
記のような(a)エチレン、(b)α−オレフィン、(c)炭素
・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素
二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエ
ン、および(d)炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重
合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在す
る非共役ポリエンのそれぞれの単量体((a)、(b)、
(c)、(d))から誘導される成分単位が、ランダムに配列
して結合し、非共役ポリエンに起因する分岐構造を有す
るとともに、主鎖は、実質的に線状構造となっている。
この共重合体(ゴム)が実質的に線状構造を有しており
実質的にゲル状架橋構造を有しないことは、該共重合体
が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことに
より確認することができる。たとえば極限粘度[η]を
測定する際に、該共重合体が135℃、デカリンに完全
に溶解することにより確認することができる。成分単位量 本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、(a)エチレン
から誘導される成分単位(エチレン単位)と、(b)炭素
数3〜20のα−オレフィンから誘導される成分単位
(α-オレフィン単位)とを、モル比((a)/(b))で9
0/10〜40/60、好ましくは85/15〜50/
50、さらに好ましくは82/18〜55/45の量で
含有している。
【0039】本発明においては、(a)成分/(b)成分(モ
ル比)が90/10を超えると樹脂状となる傾向があ
り、40/60未満では低温特性が低下する傾向があ
る。なお、本発明に係るエチレン系共重合体ゴムにおい
ては、上記(a)エチレンから誘導される成分単位量と、
上記(b)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導され
る成分単位量とは上記(a)成分/(b)成分(モル比)を満
たす限り特に限定されないが、本発明に係るエチレン系
共重合体ゴムでは、エチレン単位とα-オレフィン単位
の合計を100モル%とするとき、(a)エチレンから誘
導される成分単位を、通常90〜40モル%、好ましく
は85〜50モル%、さらに好ましくは82〜55モル
%の量で、(b)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘
導される成分単位を、通常10〜60モル%、好ましく
は15〜50モル%、さらに好ましくは18〜45モル
%の量で含有していることが望ましい。
【0040】また本発明に係るエチレン系共重合体ゴム
中には、(c)炭素・炭素二重結合のうち後述するような
メタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、
1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンから誘導さ
れる成分単位を0.1〜10モル%、好ましくは0.2
〜8モル%、さらに好ましくは0.5〜5モル%の量で
含有している。この(c)成分単位量が0.1モル%未満
では、硫黄加硫が困難になる傾向があり、10モル%を
超えると耐環境老化性が低下する傾向がある。
【0041】また、本発明に係るエチレン系共重合体ゴ
ム中には、(d)炭素・炭素二重結合のうち後述するよう
なメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合
が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンから誘導さ
れる成分単位を0.1〜3モル%、好ましくは0.2〜
2.5モル%、さらに好ましくは0.3〜2.0モル%
の量で含有している。この(d)成分単位量が0.1モル
%未満では、優れた押出加工性が発現しにくくなる傾向
があり、3モル%を超えるとゲル状架橋重合体が生成す
る傾向がある。
【0042】なお、本発明に係るエチレン系共重合体ゴ
ムにおいては、上記(c)成分と(c)成分とのモル比((c)
成分/(d)成分)が、1/3〜30/1、好ましくは1
/2〜20/1、さらに好ましくは1/1〜10/1と
なることが望ましい。上記範囲を外れると、加硫速度と
加工性のバランスが悪くなる傾向がある。
【0043】極限粘度[η] 本発明おいては、エチレン系共重合体ゴムの135℃デ
カリン中 で測定される極限粘度[η]は、0.1〜10
dl/g、好ましくは0.5〜5dl/g、さらに好ま
しくは0.8〜4dl/gの範囲にある。この極限粘度
が0.1dl/g未満では、加硫後の強度(加硫強度)
に劣る傾向があり、10dl/gを超えると加工性が低
下する傾向がある。
【0044】ヨウ素価(IV値) 本発明においては、エチレン系共重合体ゴムのヨウ素価
は、0.5〜50、好ましくは1〜40特に好ましくは
5〜35であることが望ましい。上記のようなヨウ素価
のエチレン系共重合体ゴムは、加硫速度が速く、高速加
硫が可能である。
【0045】D値(Tαβ/Tαα) 本発明においては、D値すなわち、エチレン系共重合体
ゴム(A)の13C−NMRスペクトルにおける、Tαα
に対するTαβの強度(面積)比D(Tαβ/Tαα)
は、0.5以下、特に0.3以下であることが望まし
い。
【0046】なお、このランダム共重合体ゴムの強度比
D値は、ランダム共重合体ゴムを構成するα- オレフィ
ンの種類によって異なる。ここで、13C−NMRスペク
トルにおけるTαβおよびTααは、それぞれ炭素数3
以上のα- オレフィンから導かれる単位中のCH2 のピ
ーク強度であり、下記に示すように第3級炭素に対する
位置が異なる2種類のCH2を意味している。
【0047】
【化7】
【0048】ランダム共重合体ゴムの強度比Dは、下記
のようにして求めることができる。ランダム共重合体ゴ
ムの13C−NMRスペクトルを、たとえば日本電子
(株)製 JEOL−GX270 NMR測定装置を用
いて、試料濃度5重量%のヘキサクロロブタジエン/d
6-ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を、67.8
MHz、25℃にてd6-ベンゼン(128ppm )基準で
測定する。
【0049】13C−NMRスペクトルの解析は、基本的
にリンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43,
p1245(1971))、J.C.Randall(Review Macromolecular
Chemistry Physics,C29, 201(1989))に従って行なっ
た。
【0050】ここで上記の強度比Dについて、(a)エチ
レン/(b)αオレフィン(プロピレン)/(c):(5-エチリ
デン-2-ノルボルネン(ENB))/(d):(5-ビニル-2-ノル
ボルネン(VNB))四元共重合体ゴムを例にとってより具
体的に説明する。
【0051】この共重合体ゴムの13C−NMRスペクト
ルでは、45〜46ppm に現われるピークがTααに、
また32〜33ppm に現われるピークがTαβに帰属さ
れる。
【0052】強度比Dは、それぞれのピーク部分の積分
値(面積)比で算出される。このようにして求められた
強度比Dは、一般にプロピレンの1,2付加反応に続い
て2,1付加反応が起こる割合、またはプロピレンの
2,1付加反応に続いて1,2付加反応が起こる割合を
示す尺度と考えられている。したがって、この強度比D
値が大きいほど、α- オレフィン(プロピレン)の結合
方向が不規則であること示している。逆にD値が小さい
ほど、α- オレフィンの結合方向が規則的であることを
示しており、規則性が高いと分子鎖は集合しやすく、加
硫したランダム共重合体ゴムは強度などが優れる傾向に
あって好ましい。
【0053】なお、本発明では、後述するように特定の
第IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレン(a)とα-
オレフィン(b)と2種の非共役ポリエン(c)、(d)とを共
重合させることにより、上記強度比Dが通常0.5以下
であるランダム共重合体ゴムを得ることが好ましい。な
お、たとえばバナジウムなどの第VB族メタロセン系触
媒の存在下に、(a)エチレンと(b)プロピレンと(c):(5-
エチリデン-2-ノルボルネン(ENB))と(d):(5-ビニル-2
-ノルボルネン(VNB))とを共重合させると、上記強度比
Dが0.5以下であるエチレン・プロピレン・ENB・
VNB四元共重合体ゴムが得られないことがある。この
ことは、プロピレン以外のα- オレフィンについても同
様である。B値 エチレン系共重合体ゴムは、13C−NMRスペクトルお
よび下記の式から求められるB値が1.0〜2.0であ
ることが望ましい。
【0054】 B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ]) (式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エ
チレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフ
ィンから導かれる単位の含有モル分率であり、[POE
は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)
連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合
である。) このB値は、共重合体ゴム中におけるエチレンとα- オ
レフィンとの分布状態を表わす指標であり、J.C.Randal
l (Macromolecules, 15, 353(1982))、J.Ray(Macrom
olecules, 10,773 (1977)) らの報告に基づいて求める
ことができる。
【0055】上記のB値が大きいほど、エチレンあるい
はα- オレフィンのブロック的連鎖が短くなり、エチレ
ンおよびα- オレフィンの分布が一様であり、共重合体
ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が
1.00よりも小さくなるほど共重合体ゴムの組成分布
は広くなり、このような共重合体ゴムは、組成分布の狭
い共重合体ゴムと比べて、たとえば加硫した場合には強
度などの物性を充分に発現しないことがある。
【0056】なお本発明では、後述するように好ましく
は特定の第IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレンと
α- オレフィンと2種の特定の非共役ポリエンとを共重
合させることにより、上記B値が1.0〜2.0である
ランダム共重合体ゴムを得ているが、たとえばチタン系
非メタロセン系触媒の存在下に、エチレンとα- オレフ
ィンと非共役ポリエンとを共重合させても、エチレン・
α- オレフィン・2種の非共役ポリエンからなり、かつ
上記範囲のB値を有する四元系の共重合体ゴムを得るこ
とはできない。
【0057】gη* 本発明においては、エチレン系共重合体ゴムは、さら
に、(iv)上記エチレン系共重合体ゴムの135℃デカリ
ン中で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平
均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70
モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度
[η]blankとの比で定義されるgη*値(=[η]/
[η]Blank)が0.9以下、好ましくは0.2〜0.
85、より好ましくは0.4〜0.8であることが好ま
しい。このgη*値が0.9を超えると、分子中の長鎖
分岐の形成量が少なく、加工性が低下する傾向がある。
たとえば、形状保持性が低下する、表面粗度の値が大き
くなる、押出肌が悪くなる、押出量が多くできないなど
の点にあらわれる。
【0058】上記[η]blankは、このエチレン・プロ
ピレン・非共役ポリエン4元共重合体(エチレン系共重
合体ゴム)について、光散乱法により求めた重量平均分
子量Mwを粘度平均分子量Mvに置き換え、式(I)よ
り計算して求める。 [η]Blank=7.2×10-4Mv0.667・・・・(I)
【0059】g’値 本発明のエチレン系共重合体ゴムは、上記極限粘度
[η]と、このエチレン系共重合体ゴムのゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィ(GPC:140℃、o−ジ
クロロベンゼン溶媒)を測定することにより求められ
る、エチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピ
レン共重合体換算の極限粘度[η]blank’との比g’
(=[η]/[η]blank’)が0.9以下、好ましく
は0.2〜0.85、より好ましくは0.4〜0.8で
あることが望ましい。このg’値が0.9を超えると、
分子中の長鎖分岐の形成量が少なく、加工性が低下する
傾向がある。たとえば、形状保持性が低下する、表面粗
度の値が大きくなる、押出肌が悪くなる、押出量が多く
できないなどの点にあらわれる。
【0060】上記[η]blank’は、まずエチレン系共
重合体ゴムのGPC測定を行い、各フラクションのポリ
スチレン換算分子量Mi-PStを得る。次に、Mi-PStを、 式 [η]i-PSt・Mi-PSt=[η]i-EPR・Mi-EPR、お
よび [η]i-PSt=1.37×10-4i-PSt 0.686、 [η]i-EPR=7.2×10-4i-EPR 0.667の式を用い
て、EPR換算分子量Mi-EPRに変換する。
【0061】次に変換したMi-EPRを式(II)により
フラクション別の[η]i-blank’に変換する。 [η]i-blank’=7.2×10-4i-EPR 0.667・・・・(II) ここで、添字のiは、GPCによって分別された各フラ
クションを示す。次に変換した[η]i-blank’を次式
(III)により計算して[η]blank’を求める。
【0062】 [η]blank’=Σωi・[η]i-blank’/Σωi・・・・(III) ここで、ωは重量分率を示す。このようにして[η]
blank’を計算し、[η]との比からg’を求める。
【0063】本発明により得られるエチレン系共重合体
ゴムは、上記のようにgη*値またはg’値が1よりも
かなり小さく、分子中に長鎖分岐が形成されていること
を示している。このようなランダム共重合ゴムは、加工
性に優れている。
【0064】Tg値 本発明のエチレン系共重合体ゴムは、DSC(示差走査
型熱量計)で求めたガラス転移温度Tgが−45℃以
下、好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−55℃
以下であることが望ましい。
【0065】このようにTgが−45℃以下であるエチ
レン系ランダム共重合体ゴムを用いると、低温柔軟性に
優れた加硫ゴムを付与しうるゴム組成物を得ることがで
きる。
【0066】上記のような本発明に係るエチレン系共重
合体ゴムは、押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しか
も加硫強度等の機械的特性に優れている。本発明に係る
エチレン系共重合体ゴムは、未加硫のまま用いられても
よく、また後述するような加硫方法により加硫して加硫
状態で用いられてもよいが、加硫状態で用いられるとそ
の特性が一層発揮される。
【0067】また本発明に係るエチレン系共重合体ゴム
は、単独で加硫されて用いられてもよく、また他のゴム
材料と共加硫されて用いられてもよい。このエチレン系
共重合体ゴムは、加硫速度が速いため加硫剤を多量に用
いなくても従来のエチレン系共重合体ゴムに比べて短い
時間であるいは低温で加硫することができ、加硫ゴムを
生産性よく製造することができる。
【0068】本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、
特に、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレン
ゴムなどのジエン系ゴムとの共加硫性に優れており、エ
チレン系共重合体ゴムとジエン系ゴムとの共加硫物は、
ジエン系ゴムが本来有する優れた機械的特性、耐摩耗
性、耐動的疲労性、耐油性を有するとともに耐候性、耐
オゾン性、耐熱老化性などにも優れている。
【0069】[エチレン系共重合体ゴムの製造] 上記のような本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、
(a)エチレンと、(b)炭素数3〜20のα−オレフィン
と、(c)炭素・炭素二重 結合のうちメタロセン系触媒で
重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ
存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭素二重結合の
うち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分
子内に2個存在する非共役ポリエンとを、好ましくは、
メタロセン系触媒の存在下にランダム共重合させること
により製造される。
【0070】本発明で用いられるメタロセン系触媒は、
メタロセン化合物[A]を含有すること以外は特に限定
されず、たとえばメタロセン化合物[A]と、有機アル
ミニウムオキシ化合物[B]および/またはメタロセン
化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物
[C]とから形成されてもよい。また、メタロセン化合
物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]およ
び/またはイオン対を形成する化合物[C]とともに有
機アルミニウム化合物[D]とから形成されてもよい。
【0071】以下に本発明において、メタロセン系触媒
を形成する際に用いられる各成分について説明する。メタロセン化合物[A] 本発明で用いられるメタロセン化合物[A]としては、
下記の一般式[I]で示される化合物が挙げられる。
【0072】MLx ・・・[I] 式[I]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属であり、具体的にはジルコニウム、チタンまたはハフ
ニウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0073】Lは、遷移金属に配位する配位子であり、
これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよ
い。
【0074】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえば、シクロペンタジエニル基、メチル
シクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、
i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシ
ルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエ
ニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチル
シクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジ
エニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチ
ルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシク
ロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニ
ル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチル
ベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロ
ペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基な
どのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジ
エニル基、さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロ
インデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0075】これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキ
ルシリル基などで置換されていてもよい。これらのうち
では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ま
しい。
【0076】式[I]で示される化合物が配位子Lとし
てシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有す
る場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格
を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキ
レン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの
置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン
基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基
などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよ
い。
【0077】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO
3 a )、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Ra
はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、
アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で置換
されたアリール基である。)などが挙げられる。
【0078】炭素数1〜12の炭化水素基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基などが挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのア
ルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの
シクロアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリー
ル基、ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基が
挙げられる。
【0079】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、
n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブ
トキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基
などが挙げられる。
【0080】アリーロキシ基としては、フェノキシ基な
どが挙げられ、スルホン酸含有基(−SO3a )とし
ては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、
トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンス
ルホナト基などが挙げられる。
【0081】ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素が挙げられる。上記式で表されるメタロセン
化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、
より具体的には下記式[II]で表される。
【0082】R2 k3 l4 m5 nM …[II] 式[II]中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペン
タジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3 、R
4 およびR5 は、それぞれ独立にシクロペンタジエニル
骨格を有する基または上記一般式[I]中のシクロペン
タジエニル骨格を有する配位子以外のLと同様である。
kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
【0083】以下に、Mがジルコニウムであり、かつシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2
個含むメタロセン化合物を例示する。ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブ
ロミド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニ
ウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムフェノキシモノクロリド、ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(エチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(t-ブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n-ブチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(sec-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド、ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(オクチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(4,5,6,7-テト
ラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリ
ド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタン
スルホナト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンス
ルホナト)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス
(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ト
リフルオロメタンスルホナト)、ビス(プロピルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビ
ス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3-ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフ
ルオロメタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3-エチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3-プロピルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロ
メタンスルホナト)、ビス(1-メチル-3-ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホナト)、ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-エ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-プロピルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3-ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-
メチル-3-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(1-メチル-3-オクチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-エチル
-3-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロヘキ
シルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドな
どを例示することができる。
【0084】上記の1,3−位置換シクロペンタジエニ
ル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換え
た化合物を本発明で用いることもできる。また上記式[I
I]において、R2 、R3 、R4 およびR5 の少なくとも
2個、例えばR2およびR3 がシクロペンタジエニル骨
格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の
基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基また
は置換シリレン基などを介して結合されているブリッジ
タイプのメタロセン化合物を例示することもできる。こ
のときR4 およびR5 はそれぞれ独立に式[I]中で説
明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の
Lと同様である。
【0085】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジ
ルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、エチレンビス
(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス
(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(p-クロルベンゼンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウム
ビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ジメチルシリ
レンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジ
ルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0086】さらに、下記式[A]で示される特開平4
-268307号公報に記載のメタロセン化合物が挙げ
られる。 メタロセンが式[A]:
【0087】
【化8】
【0088】[式[A]中、M1は周期律表の第IV
b、第Vbまたは第VIb族の金属であり、具体的に
は、例えば、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを
挙げることができる。
【0089】R1およびR2は、互いに同じでも異なって
いてもよく、水素原子、炭素原子数1〜10好ましくは
1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜10好ましくは1
〜3のアルコキシ基、炭素原子数6〜10好ましくは6
〜8のアリール基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜
8のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10好ましくは
2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40好ましくは
7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40好
ましくは7〜12のアルキルアリール基、炭素原子数8
〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、ま
たはハロゲン原子好ましくは塩素原子である。
【0090】R3およびR4は、互いに同じでも異なって
いても良く、水素原子、ハロゲン原子好ましくは弗素原
子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されていても
よい炭素原子数1〜10好ましくは1〜4のアルキル
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、−NR10 2、−SR10、−OSiR10 3、−SiR10
3または−PR10 2基であり、その際R10はハロゲン原子
好ましくは塩素原子、または、炭素原子数1〜10好ま
しくは1〜3のアルキル基、または炭素原子数6〜10
好ましくは6〜8のアリール基である。
【0091】R3およびR4は特に水素原子であることが
好ましい。R5およびR6は互いに同じでも異なっていて
もよく、好ましくは同じであり、R5およびR6は水素原
子でないという条件のもとでR3およびR4について記載
した意味を有する。R5およびR6は、好ましくはハロゲ
ン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基またはト
リフルオロメチル基等が挙げられ、メチル基が好まし
い。
【0092】R7は、下記:
【0093】
【化9】
【0094】=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO 2、=NR11、=
CO、=PR11または=P(O)R11であり、その際R
11、R1 2およびR13は互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10好ましく
は1〜4のアルキル基さらに好ましくはメチル基、炭素
原子数1〜10のフルオロアルキル基好ましくはCF3
基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基好ましく
はペンタフルオロフェニル基、炭素原子数1〜10好ま
しくは1〜4のアルコキシ基特に好ましくはメトキシ
基、炭素原子数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル
基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜10のアリール
アルキル基、炭素原子数8〜40好ましくは8〜12の
アリールアルケニル基、または炭素原子数7〜40好ま
しくは7〜12のアルキルアリール基であり、また「R
11とR12」または「R11とR13」とは、それぞれそれら
が結合する炭素原子と一緒になって環を形成してもよ
い。
【0095】M2は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ま
しくは珪素またはゲルマニウムである。R7は、=CR
1112、=SiR1112、=GeR1112、−O−、−
S−、=SO、=PR11または=P(O)R11であるこ
とが好ましい。
【0096】R8およびR9は互いに同じであっても異な
っていてもよく、R11について記載したと同じ意味を有
する。mおよびnは互いに同じであっても異なっていて
もよく、0、1または2、好ましくは0または1であ
り、m+nは0、1または2、好ましくは0または1で
ある。
【0097】上記条件を充たす特に好ましいメタロセン
を下記(i)〜(iii)に示す。
【0098】
【化10】
【0099】[上記式(i)、(ii)及び(iii)中、M1
ZrまたはHfであり、R1およびR2はメチル基または
塩素原子であり、R5およびR6はメチル基、エチル基ま
たはトリフルオロメチル基であり、R8、R9、R11およ
びR12が上記の意味を有する。] このような式(i)、(ii)及び(iii)で示される化合
物の内でも、下記の化合物が特に好ましい。
【0100】rac-エチレン(2-メチル-1-インデニ
ル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジメチルシリ
レン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジク
ロライド、rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-イン
デニル)2-ジルコニウム-ジメチル、rac-エチレン-(2
-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジメチル、ra
c-フェニル(メチル)シリレン-(2ーメチル-1-インデ
ニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジフェニル-
シリレン-(2ーメチル-1-インデニル)2-ジルコニウム
-ジクロライド、rac-メチルエチレン-(2ーメチル-1-
インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、rac-ジメ
チルシリレン-(2ーエチル-1-インデニル)2-ジルコニ
ウム-ジクロライド。このようなメタロセンの製造方法
については、従来より公知の方法にて製造することがで
きる(例:特開平4-268307号公報参照)。
【0101】本発明では、下記式[B]で示される遷移
金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもでき
る。
【0102】
【化11】
【0103】式[B]中、Mは周期律表第IVa 、Va、V
Ia 族の遷移金属原子を示し、具体的には 、チタニウ
ム、ジルコニウム、ハフニウムである。R1 およびR2
は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭
化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、
窒素含有基またはリン含有基を示し、具体的には、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボ
ルニル、アダマンチルなどのアルキル基、ビニル、プロ
ペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジ
ル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリール
アルキル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、ト
リメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニ
ル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラ
セニル、フェナントリルなどのアリール基などの炭素数
1から20の炭化水素基;前記炭化水素基にハロゲン原
子が置換したハロゲン化炭化水素基;メチルシリル、フ
ェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル、ジメチル
シリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリ
ル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピ
ルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシ
リル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリ
ル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ
炭化水素置換シリル、トリメチルシリルエーテルなどの
炭化水素置換シリルのシリルエーテル、トリメチルシリ
ルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチルシリ
ルフェニルなどのケイ素置換アリール基、などのケイ素
含有基;ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチ
ルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどの
アリローキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ
などのアリールアルコキシ基などの酸素含有置換基;前
記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基などのイ
オウ含有基;アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミ
ノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、
フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、
ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリー
ルアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素
含有基;ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィ
ノなどのフォスフィノ基などのリン含有基である。
【0104】これらのうちR1 は炭化水素基であること
が好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素数1
〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水
素、炭化水素基が好ましく、特に水素あるいは、メチ
ル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であ
ることが好ましい。
【0105】R3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ
独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭
化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示
し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水
素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4 とR5
5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが結合して
炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成してい
てもよい。
【0106】また芳香族環を形成する基以外の基は、炭
化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場
合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよ
い。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素
原子であることが好ましい。
【0107】ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基として、具
体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なく
とも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含
む、Mに配位する配位子としては以下に示すようなもの
が挙げられる。
【0108】
【化12】
【0109】これらのうち上記式(1)で示されるもの
が好ましい。前記芳香族環はハロゲン原子、炭素数1〜
20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水
素基で置換されていてもよい。
【0110】前記芳香族環に置換するハロゲン原子、炭
素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン
化炭化水素基としては、前記R1 およびR2 と同様の基
が例示できる。
【0111】X1 およびX2 は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基また
はイオウ含有基を示し、具体的には、前記R1 およびR
2 と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素
基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基が例示できる。
【0112】イオウ含有基としては、前記R1 、R2
同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメ
タンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジ
ルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメ
チルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼン
スルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペ
ンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネ
ート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が例
示できる。
【0113】Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素
基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2
価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価の
スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−
SO2 −、−NR7 −、−P(R7)−、−P(O)
(R7)−、−BR7 −または−AlR7 −[ただし、
7は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化
水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基]を示
し、具体的には、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エ
チレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、
1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シク
ロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレ
ン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレ
ン基などの炭素数1から20の2価の炭化水素基;クロ
ロメチレンなどの上記炭素数1から20の2価の炭化水
素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;メチルシ
リレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-
プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ
(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレ
ン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ
(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレ
ン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、
テトラメチル-1,2-ジシリレン、テトラフェニル-1,2-
ジシリレン などのアルキルジシリレン、アルキルアリ
ールジシリレン、アリールジシリレン基などの2価のケ
イ素含有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマ
ニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基;上記2価
のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含
有基置換基などであり、R7 は、前記R1 、R2 と同様
のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数
1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
【0114】このうち2価のケイ素含有基、2価のゲル
マニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好まし
く、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、
このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリ
レン、アリールシリレンであることが好ましい。
【0115】以下に上記式[B]で表される遷移金属化
合物の具体的な例を示す。
【0116】
【化13】
【0117】
【化14】
【0118】
【化15】
【0119】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。前
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重
合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用
いることもできる。
【0120】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば下記の反応ルートで、通常の有機
合成手法を用いて合成することができる。
【0121】
【化16】
【0122】本発明で用いられるこの遷移金属化合物
は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特
開平4−268307号公報に記載されている方法によ
り合成することができる。
【0123】本発明においては、また下記式[C]で示
される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いるこ
ともできる。
【0124】
【化17】
【0125】式[C]中、M、R1、R2、 R3
4 、R5 およびR6としては、前記式[B]の場合と
同様なものが挙げられる。R3 、R4 、R5 およびR6
のうち、R3 を含む2個の基が、アルキル基であること
が好ましく、R3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル
基であることが好ましい。このアルキル基は、2級また
は3級アルキル基であることが好ましい。また、このア
ルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されて
いてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R
1 、R2 で例示した置換基が挙げられる。
【0126】R3 、R4 、R5 およびR6 で示される基
のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが
好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチ
ル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブ
チル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ド
デシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなど
の直鎖状、分岐上アルキル基および環状アルキル基;ベ
ンジル、フェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメ
チルなどのアリールアルキル基などが挙げられ、2重結
合、3重結合を含んでいてもよい。
【0127】またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ば
れる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環ある
いは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子として、
具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示でき
る。
【0128】X1 、X2、YおよびR7としては、前記式
[B]の場合と同様のものが挙げられる。以下に上記式
[C]で示されるメタロセン化合物(遷移金属化合物)
の具体的な例を示す。
【0129】rac-ジメチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロ リド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジ クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジ ク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2,5,6-トリメチル
-1- インデニル)ジルコニウムジ クロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2,4,5,6-テトラメチル-1- インデニ
ル)ジルコニウ ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,4,5,6,7-ペンタメチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチ
ル-4-n- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(4-i-プロ
ピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ ウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- メチル-6
-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-5- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i-
プロピル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピ
ル)-7-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- ブチル
-7- メチル-1- インデニル) ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-sec- ブチル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(sec- ブチ
ル)-1-インデニル)ジ ルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス(2-メチル-4-tert-ブチル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2-メチル-4- シクロヘキシル-7- メチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン-ビス(2-メチル-4- ベンジル-7- メチル-1
- インデニル) ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニルエチル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニルジクロルメチル
-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- クロロメチル-
7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- トリメチルシリ
ルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- トリ
メチルシロキシメチル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジ(i- プロピル) シリレン-ビ
ス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(n- ブチル) シリレン
-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ( シクロヘキシル)
シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェ
ニルシリレン-ビス(2-メチル-4- ジ(i- プロピル)-1-イ
ンデニル)ジ ルコニウムジクロリド、rac-ジ(p- トリ
ル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-
クロロフェニル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピ
ル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、r
ac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7-
メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7
- メチル-1- インデニル)ジルコニウム-ビス(メタンス
ルホナト)、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム-ビ
ス(p-フェニルスルフィナト)、rac-ジメチルシリレン
-ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-エチル-4-i- プロピル-6- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-6- メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド。
【0130】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。上
記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられる
が、R型またはS型を用いることもできる。
【0131】このような遷移金属化合物のインデン誘導
体配位子は、たとえば前記と同様の反応ルートで、通常
の有機合成手法を用いて合成することができる。また上
記の式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化
合物)は、これらインデン誘導体から既知の方法、たと
えば特開平4−268307号公報に記載の方法により
合成することができる。
【0132】本発明では、また下記の式[D]で示され
る遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いこともで
きる。
【0133】
【化18】
【0134】式[D]中、M、R1、X1 、X2およびY
としては、前記式[B]あるいは前記式[C]の場合と
同様のものが挙げられる。このうち、R1としては、炭
化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、
プロピル、ブチルの炭素数1〜4の炭化水素基であるこ
とが好ましい。
【0135】また、X1 、X2としては、ハロゲン原
子、炭素数1〜20の炭化水素基であることが好まし
い。R2 は、炭素数6〜16のアリール基を示し、具体
的には、フェニル、α-ナフチル、β-ナフチル、アント
ラセニル、フェナントリル、ピレニル、アセナフチル、
ペリナフテニル(フェナレニル)、アセアントリレニル
などである。これらのうちフェニル、ナフチルであるこ
とが好ましい。これらのアリール基は、前記R1 と同様
のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数
1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよ
い。
【0136】以下に上記式[D]で示される遷移金属化
合物(メタロセン化合物)の具体的な例を示す。rac-ジ
メチルシリレン-ビス(4-フェニル-1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2
-メチル-4−フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(α
-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(β-ナフチ
ル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニル)
-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン-ビス(2-メチル-4-(2-アントラセニル)-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス(2-メチル-4-(9-アントラセニル)-1-インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-(9-フェナントリル)-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4-(p-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2
-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)-1-インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2
-メチル-4-(p-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチ
ル-4-(m-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-
(o-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(o,p-
ジクロロフェニル) フェニル-1-インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-
4-(p-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-
トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(m-トリル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-メチル-4-(o-トリル)-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1-インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス
(2-メチル-4-(p-エチルフェニル)-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-
メチル-4-(p-i-プロピルフェニル)-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-
メチル-4-(p-ベンジルフェニル)-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メ
チル-4-(p-ビフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(m
-ビフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-トリメチ
ルシリルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(m-ト
リメチルシリルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-エチル−4-
フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジフェニルシリレン-ビス(2-エチル-4-フェニル-1-イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン-ビス(2-フェニル-4-フェニル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-n-
プロピル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジエチルシリレン-ビス(2-メチル-4-
フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジ-(i-プロピル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ-
(n-ブチル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジシクロヘ
キシルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチルフェニル
シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニルシリレン-ビ
ス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シリレン-ビス(2-
メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン-ビス(2
-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、rac-メチレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-エチレン-
ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、rac-ジメチルゲルミル-ビス(2-メチ
ル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルスズ-ビス(2-メチル-4- フェニル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジブロミド、rac-ジメチルシリレン-ビス(2
-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジメ
チル、rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェ
ニル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、rac
-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムクロリドSO2Me、rac-ジメチ
ルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニ
ル)ジルコニウムクロリドOSO2Meなど。
【0137】本発明では、上記のような化合物において
ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属
に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。こ
のような式[D]で示される遷移金属化合物は、Journa
l of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨ
ーロッパ特許出願公開第0,320,762 号明細書および実施
例に準じて、たとえば下記のようにして製造することが
できる。
【0138】
【化19】
【0139】R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素
数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸
素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基
を示し、R2は、炭素数6〜16のアリール基を示し、
具体的には、フェニル、α-ナフチル、β-ナフチル、ア
ントラセニル、フェナトリル、ピレニル、アセナフチ
ル、ペリナフテニル(フェナレニル)、アセアントリレ
ニルなどである。
【0140】このような遷移金属化合物[D]は、通常
ラセミ体として用いられるが、R体またはS体を用いる
こともできる。また本発明では、下記式[E−1]で示
されるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0141】LaMX2 ・・・・[E−1] (Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属で
あり、La は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属
M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、Xは、そ
れぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケ
イ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル
基またはゲルミル基である。) このような式[E−1]で示される化合物のうちでも、
具体的に、下記式[E−2]で示される化合物が好まし
い。
【0142】
【化20】
【0143】Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウ
ムであり、Xは、上記と同様である。CpはMにπ結合
しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエ
ニル基またはその誘導体である。
【0144】Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期率表
第IVA族の元素(例えばシリコン、ゲルマニウム、ス
ズ)であり、Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む
配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
【0145】このような式[E−2]で示される化合物
としては、具体的に、(ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)チ
タンジクロリド、(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テ
トラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)チタ
ンジクロリド、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラ
メチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジ
ルチタン、(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジメチルチタ
ン、((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロ
ペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジベンジルチタ
ン、((メチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペ
ンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジネオペンチルチ
タン、((フェニルホスフィド)(テトラメチル-η5-
シクロペンタジエニル)メチレン)ジフェニルチタン、
(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-
シクロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、
(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタジエ
ニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、(ジメ
チル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-η5-シ
クロペンタジエニル)シラン)ジベンジルチタン、
((テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エ
タンジイル)ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラメチ
ル-シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2
-))ジベンジルチタン、(2-η5-(テトラメチル-シク
ロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2-))ジメ
チルチタン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フルオレ
ン-9-イル)シクロヘキサノレート(2-))ジメチルチタ
ン、(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フルオレン-9-イ
ル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジルチタンなど
が挙げられる。
【0146】本発明では、上記のようなメタロセン化合
物は、2種以上組合わせて用いることもできる。上記説
明においては、メタロセン化合物としてチタン化合物に
ついて例示したが、チタンを、ジルコニウムまたはハフ
ニウムに置換えた化合物を例示することもできる。
【0147】これらの化合物は単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明では、上
記メタロセン化合物[E−1]および[E−2]として
は、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも
2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有する
ジルコノセン化合物が好ましく用いられる。なお前記メ
タロセン化合物[II]では、中心の金属原子がチタンで
あることが好ましい。
【0148】本発明においては、上記のようなメタロセ
ン化合物のうち、巾広い範囲にわたる長鎖分岐度の制御
のしやすさの点、および活性、α-オレフィンの転化
率、生成重合体の分子量、ランダム性、重合温度の点か
ら特に下記の一般式[III] または[IV]で示される化
合物が好ましく用いられる。
【0149】一般式[III] で示されるメタロセン化合
物は、上記式[C]で示される化合物の一部であり、ま
た、一般式[IV]で示されるメタロセン化合物は、上記
式[B]で示される化合物の一部である。
【0150】
【化21】
【0151】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。 R11およびR1211およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基またはリン含有基であり、炭素原子数1〜20のア
ルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、
tert- ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデ
シル基、アイコシル基、ノルボルニル基、アダマンチル
基等のアルキル基、ビニル基、プロペニル基、シクロヘ
キセニル基等のアルケニル基、ベンジル基、フェニルエ
チル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基、
フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチ
ルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル
基、ビフェニル基、α- またはβ- ナフチル基、メチル
ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ベ
ンジルフェニル基、ピレニル基、アセナフチル基、フェ
ナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒドロナフ
チル基、インダニル基、ビフェニリル基等のアリール基
などが挙げられる。
【0152】これらの炭化水素基は、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリメチルシリル基、
トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などの有機
シリル基で置換されていてもよい。
【0153】酸素含有基としては、具体的には、ヒドロ
オキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、メチルフェ
ノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基等のア
リロキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基
等のアリールアルコキシ基などが挙げられる。
【0154】イオウ含有基としては、具体的には、前記
酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、メチルス
ルホネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、
フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート
基、p-トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼン
スルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネ
ート基、p-クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフ
ルオロベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基、
メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、
ベンゼンスルフィネート基、p-トルエンスルフィネート
基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフル
オロベンゼンスルフィネート等のスルフィネート基など
が挙げられる。
【0155】窒素含有基としては、具体的には、アミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシク
ロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、フェニルア
ミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナ
フチルアミノ基等のアリールアミノ基またはメチルフェ
ニルアミノ基等のアルキルアリールアミノ基などが挙げ
られる。
【0156】リン含有基としては、具体的には、ジメチ
ルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基などが挙
げられる。R11は、これらのうちでも炭化水素基である
ことが好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基
の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好まし
い。
【0157】またR12は、水素原子、炭化水素基である
ことが好ましく、特に水素原子あるいは、メチル基、エ
チル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基で
あることが好ましい。
【0158】13およびR14 13およびR14は、上記に例示したような炭素原子数1
〜20のアルキル基である。R13は、2級または3級ア
ルキル基であることが好ましい。R14は、2重結合、3
重結合を含んでいてもよい。
【0159】1 およびX2 1 およびX2 は、互いに同一でも、異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、上記に例示したような炭
素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20の
ハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基
であり、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基であることが好ましい。
【0160】 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−C
O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR15−、−
P(R15)−、−P(O)(R15)−、−BR15−また
は−AlR15−[ただし、R15は、水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1
〜20のハロゲン化炭化水素基またはアルコキシ基]で
あり、具体的には、メチレン基、ジメチルメチレン基、
1,2-エチレン基、ジメチル-1,2- エチレン基、1,3-トリ
メチレン基、1,4-テトラメチレン基、1,2-シクロヘキシ
レン基、1,4-シクロヘキシレン基等のアルキレン基、ジ
フェニルメチレン基、ジフェニル-1,2-エチレン基等の
アリールアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価
の炭化水素基;クロロメチレン等の上記炭素原子数1〜
20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭
化水素基;メチルシリレン基、ジメチルシリレン基、ジ
エチルシリレン基、ジ(n-プロピル)シリレン基、ジ
(i-プロピル)シリレン基、ジ(シクロヘキシル)シリ
レン基、メチルフェニルシリレン基、ジフェニルシリレ
ン基、ジ(p-トリル)シリレン基、ジ(p-クロロフェニ
ル)シリレン等のアルキルシリレン基、アルキルアリー
ルシリレン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2
- ジシリル基、テトラフェニル-1,2- ジシリル基等のア
ルキルジシリル基、アルキルアリールジシリル基、アリ
ールジシリル基などの2価のケイ素含有基;上記2価の
ケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価の
ゲルマニウム含有基などが挙げられる。
【0161】R15は、前記と同様の水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1
〜20のハロゲン化炭化水素基である。これらのうち、
Yは、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基
であることが好ましく、2価のケイ素含有基であること
がより好ましく、アルキルシリレン基、アルキルアリー
ルシリレン基、アリールシリレン基であることが特に好
ましい。
【0162】以下に上記一般式[III] で表わされるメ
タロセン化合物の具体的な例を示す。rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,7-ジメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-
ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチ
ル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-sec
- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ペンチル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,7-ジメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,7-ジメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルエチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルジクロルメチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2,7-ジメチル-4- クロロメチル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレ
ン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシリルメチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシロキシ
メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジエチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(i-
プロピル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(n-ブチル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロ
ピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i
- プロピル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i-
プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t-
ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac
-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフ
ェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジフェニ
ルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-トリル)シ
リレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(p-クロロフェ
ニル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- エチル-1
- インデニル)ジルコニウムジブロミド rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エ
チル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
メチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- プロピ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル
-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチ
ルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ブチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-sec- ブチル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリ
レン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ペンチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,3,7-トリメチル-4- シクロヘキシル-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2,3,7-トリメチル-4- メチルシクロヘキシル-1
- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチル
シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシリ
ルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリ
メチルシロキシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメ
チル-4- フェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリ
メチル-4- フェニルジクロルメチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4- クロルメチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、rac-ジエチルシリレン- ビス
(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、rac-ジ(i-プロピル)シリレン
- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(n-ブチル)シリ
レン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ(シクロヘキ
シル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-メチ
ルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プ
ロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
メチルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t
- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t-
ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プ
ロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-
ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジ
(p-トリル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i-
プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、ra
c-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2,3,7-トリ
メチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
メチル、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i-
プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチ
ルクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4
-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム
- ビス(メタンスルホナト)、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニ
ル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4
-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4
-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)チタニウムジ
クロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i
- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ハフニウムジク
ロリドなど。
【0163】これらの中で、4位にi-プロピル基、sec-
ブチル基、tert- ブチル基などの分岐アルキル基を有す
る化合物が、特に好ましい。本発明では、通常、前記遷
移金属化合物のラセミ体がオレフィン重合用触媒成分と
して用いられるが、R型またはS型を用いることもでき
る。
【0164】上記のような遷移金属化合物は、インデン
誘導体から既知の方法たとえば特開平4−268307
号公報に記載されている方法により合成することができ
る。本発明で好ましく用いられる下記式[IV]で示され
る化合物は、EP−549900号およびカナダ−20
84017号の明細書に記載されている。
【0165】
【化22】
【0166】式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムであ
る。R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素
原子、ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子または塩素
原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜1
0、好ましくは1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜1
0、好ましくは6〜8のアリール基、−NR2、−S
R、−OSiR3、−SiR3 または−PR2 基(ただ
し、Rはハロゲン原子、好ましくは塩素原子、炭素原子
数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基または炭素
原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基)であ
る。
【0167】R22〜R28は、同一でも異なっていてもよ
く、R21と同様の原子または基であり、これらR22〜R
28のうち隣接する少なくとも2個の基は、それらの結合
する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成して
いてもよい。
【0168】X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、炭素
原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭
素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、炭
素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ
基、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニ
ル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリ
ールアルキル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜
12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40、好ま
しくは8〜12のアリールアルケニル基である。
【0169】Zは、
【0170】
【化23】
【0171】−Sn−、−O−、−S−、=SO、=S
2、=NR29、=CO、=PR29 または=P(O)R
29である。ただし、R29およびR30は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、特に好
ましくはメチル基、炭素原子数1〜10のフルオロアル
キル基、好ましくはCF3 基、炭素原子数6〜10、好
ましくは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10のフ
ルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル
基、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキ
シ基、特に好ましくはメトキシ基、炭素原子数2〜1
0、好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜
40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素
原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケ
ニル基、炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のア
ルキルアリール基である。
【0172】またR29とR30とは、それぞれ、それらの
結合する原子とともに環を形成してもよい。M2 は、珪
素、ゲルマニウムまたはスズである。
【0173】上述のアルキル基は、直鎖状のまたは枝分
かれしたアルキル基であり、ハロゲン(ハロゲン化)は
フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であ
り、特に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
【0174】このような式[IV]で示される化合物のう
ちでも、Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
21は、互いに同じであり、炭素原子数1〜4のアルキ
ル基であり、R22〜R28は、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル
基であり、X3 およびX4 は、互いに同一でも異なって
いてもよく、炭素原子数1〜3のアルキル基またはハロ
ゲン原子であり、Zは、
【0175】
【化24】
【0176】(M2 はケイ素であり、R29およびR
30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数
1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリー
ル基である。)である化合物が好ましく、置換基R22
よびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素原子
数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がよ
り好ましい。
【0177】さらには、Mは、ジルコニウムであり、R
21は、互いに同一で炭素原子数1〜4のアルキル基であ
り、R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R
27は、同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4
のアルキル基または水素原子であり、X3 およびX
4 は、いずれも塩素原子であり、Zは、
【0178】
【化25】
【0179】(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30
は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1
〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール
基である。)である化合物が好ましく、特に、Mは、ジ
ルコニウムであり、R21は、メチル基であり、R22〜R
28は、水素原子であり、X3 およびX4 は、塩素原子で
あり、Zは、
【0180】
【化26】
【0181】(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30
は、互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基また
はフェニル基である)である化合物が好ましい。以下に
このような式[II]で示されるメタロセン化合物を数例
示す。
【0182】rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5-
アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジク
ロリド、rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリ
メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチ
ル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル
-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウ
ムジクロリド、rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-
(4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,6-ジメチル
-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメ
チル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ドなど。
【0183】また、上記のような化合物中のジルコニウ
ムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物を挙
げることもできる。本発明では、式[III] または[I
V]で示されるメタロセン化合物のラセミ体が触媒成分
として好ましく用いられるが、R型またはS型を用いる
こともできる。
【0184】上記のようなメタロセン化合物は、2種以
上組合わせて用いることもできる。また上記のようなメ
タロセン化合物は、粒子状担体化合物と接触させて用い
ることもできる。
【0185】担体化合物としては、Si O2 、Al2
3 、B23 、MgO、ZrO2 、CaO、TiO2 、Zn
O、Zn2O、SnO2 、BaO、ThOなどの無機担体化
合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテ
ン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベン
ゼン共重合体などの樹脂を用いることができる。これら
の担体化合物は、二種以上組み合わせて用いることもで
きる。
【0186】これらメタロセン化合物は、炭化水素ある
いはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。次
に、本発明でメタロセン系触媒(周期律表第IV族から選
ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウ
ムオキシ化合物および/またはイオン対を形成する化合
物と、からなる触媒)を形成する際に用いられる有機ア
ルミニウムオキシ化合物およびイオン対を形成する化合
物について説明する。
【0187】有機アルミニウムオキシ化合物[B] 本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物は、
従来公知のアルミノオキサンであってもよく、またベン
ゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であっても
よい。
【0188】このような従来公知のアルミノオキサン
は、具体的には、下記一般式で表される。
【0189】
【化27】
【0190】(上記一般式において、Rはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基、エチル基、とくに好ましくは
メチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整
数である。) ここで、このアルミノオキサンは式(OAl(R1))で
表わされるアルキルオキシアルミニウム単位および式
(OAl(R2))で表わされるアルキルオキシアルミニ
ウム単位[ここで、R1 およびR2 はRと同様の炭化水
素基を例示することができ、R1 およびR2 は相異なる
基を表わす]からなる混合アルキルオキシアルミニウム
単位から形成されていてもよい。
【0191】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造され、通常、芳香族炭化
水素溶媒の溶液として回収される。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などを懸濁した芳香族炭化水素溶
媒に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウ
ム化合物を添加して反応させて芳香族炭化水素溶媒の溶
液として回収する方法。
【0192】(2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテ
ル、テトラヒドロフランなどの媒体中でトリアルキルア
ルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水
(水、氷または水蒸気)を作用させて芳香族炭化水素溶
媒の溶液として回収する方法。
【0193】これらの方法のうちでは、(1) の方法を採
用するのが好ましい。アルミノオキサンの溶液を製造す
る際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、後
述するような有機アルミニウム化合物が挙げられる。
【0194】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、たとえば、アルミノオキ
サンの溶液と、水または活性水素含有化合物とを接触さ
せる方法、あるいは上記のような有機アルミニウム化合
物と水とを接触させる方法などによって得ることができ
る。
【0195】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物では、該化合物を赤外分光法
(IR)によって解析して、1220cm-1付近におけ
る吸光度(D1220)と、1260cm-1付近における吸
光度(D1260)との比(D12 60/D1220)が、0.09
以下、好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.04
〜0.07の範囲にあることが望ましい。
【0196】上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、下記式で表されるアルキルオキ
シアルミニウム単位を有すると推定される。
【0197】
【化28】
【0198】式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素基
である。このような炭化水素基として、具体的には、メ
チル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-
ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチ
ル基などを例示することができる。これらの中でメチル
基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0199】このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物は、上記式で表わされるアルキルオキシアル
ミニウム単位の他に、下記式で表わされるオキシアルミ
ニウム単位を含有していてよい。
【0200】
【化29】
【0201】式中、R8 は炭素数1〜12の炭化水素
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の
アリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素原子であ
る。また該R8 および上記式中のR7 は互いに異なる基
を表わす。
【0202】オキシアルミニウム単位を含有する場合に
は、アルキルオキシアルミニウム単位を30モル%以
上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モ
ル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニウム単位
を有する有機アルミニウムオキシ化合物が望ましい。な
お本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物
は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を
含有していてもよい。
【0203】メタロセン化合物[A]と反応してイオン
対を形成する化合物[C] 本発明で用いられるメタロセン化合物[A]と反応して
イオン対を形成する化合物[C]としては、特表平1−
501950号公報、特表平1−502036号公報、
特開平3−179005号公報、特開平3−17900
6号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−
207704号公報、US−547718号公報などに
記載されたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化合
物、カルボラン化合物を挙げることができる。
【0204】ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、A
l含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、これ
らのうちB含有ルイス酸が好ましい。ホウ素原子を含有
するルイス酸としては、具体的には、下記一般式で表わ
される化合物を例示することができる。
【0205】BR1 2 3 (式中、R1 2 およびR3 は、それぞれ独立して、フ
ッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換
基を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を
示す。) 上記一般式で表わされる化合物としては、具体的には、
トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-
フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフ
ェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)
ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、ト
リス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、
トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられ
る。これらのうちでは、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロンが特に好ましい。
【0206】本発明で用いられるイオン性化合物は、カ
チオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩であ
る。アニオンは前記メタロセン化合物[A]と反応する
ことによりメタロセン化合物[A]をカチオン化し、イ
オン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定
化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、有
機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有
機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高
で遷移金属カチオン種を安定化させるアニオンが好まし
い。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオ
ン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキ
ソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウ
ムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。
具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ
ブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウ
ムカチオン、フェロセニウムカチオンなどを例示するこ
とができる。
【0207】本発明においては、有機ホウ素化合物アニ
オンを有するイオン性化合物が好ましい。具体的には、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ト
リ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ
素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ
素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフ
ェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,
p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウム
テトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルア
ンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホ
ウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリ
ル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(4-
フルオロフェニル)ホウ素等のトリアルキル置換アンモ
ニウム塩、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテト
ラ(フェニル)ホウ素等のN,N-ジアルキルアニリニウム
塩、ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウム
テトラ(フェニル)ホウ素等のジアルキルアンモニウム
塩、トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)ホ
ウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフ
ォニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のトリアリールホ
スフォニウム塩などが挙げられる。
【0208】本発明では、ホウ素原子を含有するイオン
性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレートも挙げることができる。
【0209】また、以下のようなホウ素原子を含有する
イオン性化合物も例示できる。(なお、以下に列挙する
イオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムであるが、これに限定されない。) アニオンの塩、たとえばビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ノナボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]デカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ウンデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム]ドデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)
アンモニウム]デカクロロデカボレート、ビス[トリ
(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバデカボレ
ート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバウンデ
カボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバ
ドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- ト
リメチルシリル-1- カルバデカボレート、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムブロモ-1- カルバドデカボレートな
ど、さらには下記のようなボラン化合物、カルボラン化
合物などを挙げることができる。これらの化合物は、ル
イス酸、イオン性化合物として用いられる。
【0210】ボラン化合物、カルボラン錯化合物、およ
びカルボランアニオンの塩としては、たとえばデカボラ
ン(14)、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,
7-ジカルバウンデカボラン(13)、ウンデカハイドラ
イド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボラン、ド
デカハイドライド-11-メチル-2,7- ジカルバウンデカボ
ラン、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレ
ート(14)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバ
デカボレート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
7-カルバウンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)
アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボ
レート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカ
ハイドライド-8- メチル7,9-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド8-エチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル
-7,9- ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)ア
ンモニウムウンデカハイドライド-8- アリル-7,9- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-9- トリメチルシリル-7,8- ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ウンデカハイドライド-4,6- ジブロモ-7- カルバウンデ
カボレートなどが挙げられる。
【0211】カルボラン化合物、およびカルボランの塩
としては、たとえば4-カルバノナボラン(14)、1,3-
ジカルバノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン
(14)、ドデカハイドライド-1- フェニル-1,3- ジカ
ルバノナボラン、ドデカハイドライド-1- メチル-1,3-
ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド-1,3- ジメ
チル-1,3- ジカルバノナボランなどが挙げられる。
【0212】さらに、以下のような化合物も例示でき
る。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対
向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、
これに限定されない。) 金属カルボランの塩および金属ボランアニオン、たとえ
ばトリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライ
ド-1,3- ジカルバノナボレート)コバルテート(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレー
ト(鉄酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボ
レート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)アン
モニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウ
ンデカボレート)ニッケレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジ
カルバウンデカボレート)キュブレート(銅酸塩)(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)アウレー
ト(金属塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8-ジカルバ
ウンデカボレート)フェレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチ
ル-7,8-ジカルバウンデカボレート)クロメート(クロ
ム酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(トリブロモオクタハイドライド-7,8- ジカルバウンデ
カボレート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)
アンモニウムビス(ドデカハイドライドジカルバドデカ
ボレート)コバルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ドデカハイドライドドデカボ
レート)ニッケレート(III)、トリス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カ
ルバウンデカボレート)クロメート(III)、ビス[ト
リ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドラ
イド-7- カルバウンデカボレート)マンガネート(I
V)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウ
ンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)コバ
ルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウ
ム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボ
レート)ニッケレート(IV)などが挙げられる。上記の
ような化合物[C]は、2種以上組合わせて用いること
もできる。
【0213】有機アルミニウム化合物[D] 本発明で用いられる有機アルミニウム化合物[D]は、
たとえば下記一般式(a) で示すことができる。
【0214】 R5 nAlX3-n ・・・(a) (式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記式(a) において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化
水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基または
アリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、
n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0215】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアル
ミニム、イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアル
ミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロ
リド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルア
ルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウ
ムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアル
キルアルミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
のアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられ
る。
【0216】また、有機アルミニウム化合物[D]とし
て、下記の式(b) で表わされる化合物を用いることもで
きる。 R5 nAlY3-n ・・・(b) (式中、R5 は、上記式(a) におけるR5 と同様であ
り、Yは、−OR6 基、−OSiR7 3 基、−OAlR8 2
基、−NR9 2 基、−SiR10 3 基 または−N(R11
AlR12 2 基であり、nは1〜2であり、R6 、R7
8 およびR12は、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基など
であり、R9 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであ
り、R10およびR11は、メチル基、エチル基などであ
る。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。
【0217】(i) R5 n Al(OR63-n で表わされる
化合物、たとえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニ
ウムメトキシドなど。
【0218】(ii)R5 n Al(OSiR7 33-n で表わさ
れる化合物、たとえば(C252 Al(OSi(C
33 )、(iso-C492 Al(OSi(C
33)、(iso-C492 Al(OSi(C253
など。
【0219】(iii) R5 nAl(OAlR8 23-n で表わ
される化合物、たとえば(C252Al(OAl(C2
52)、(iso-C492Al(OAl(iso-C
492)など。
【0220】(iv)R5 nAl(NR9 23-n で表わされる
化合物、たとえば(CH32Al(N(C252)、
(C252Al(NH(CH3))、(CH32Al
(NH(C25))、(C252Al[N(Si(CH
332]、(iso-C492Al[N(Si(C
332] など。
【0221】(v) R5 nAl(SiR10 33-n で表わされ
る化合物、たとえば(iso-C492Al(Si(C
33)など。本発明では、これらのうちでもR5 3
l、R5 nAl(OR63-n 、R5 nAl(OAlR8 2
3-n で表わされる有機アルミニウム化合物を好適な例と
して挙げることができ、R5 がイソアルキル基であり、
n=2である化合物が特に好ましい。これらの有機アル
ミニウム化合物は、2種以上組合わせて用いることもで
きる。
【0222】本発明で用いられるメタロセン系触媒は、
上記のようなメタロセン化合物[A]を含んでおり、た
とえば上記したようにメタロセン化合物[A]と、有機
アルミニウムオキシ化合物[B]とから形成することが
できる。また、メタロセン化合物[A]と、メタロセン
化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物
[C](イオン性化合物)とから形成されてもよく、さ
らにメタロセン化合物[A]とともに、有機アルミニウ
ムオキシ化合物[B]とメタロセン化合物[A]とが反
応してイオン対を形成する化合物[C]とを併用するこ
ともできる。また、これらの態様において、さらに有機
アルミニウム化合物[D]を併用することが特に好まし
い。
【0223】本発明では、上記メタロセン化合物[A]
は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算し
て、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好まし
くは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられ
る。
【0224】また有機アルミニウムオキシ化合物[B]
は、遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子
が、通常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜
5,000モルとなるような量で用いることができる。
【0225】イオン性化合物すなわちメタロセン化合物
[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]は、
遷移金属原子1モルに対して、ボロン原子が、通常、約
0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルとなるよう
な量で用いられる。
【0226】さらに有機アルミニウム化合物[D]は、
有機アルミニウムオキシ化合物[B]中のアルミニウム
原子またはイオン対を形成する化合物[C]中のボロン
原子1モルに対して、通常、約0〜1,000モル、好
ましくは約0〜500モルとなるような量で必要に応じ
て用いられる。
【0227】上記のようなメタロセン系触媒を用いて、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
2種の非共役ポリエンとを共重合させると、優れた重合
活性で(a)エチレン・(b)α- オレフィン・(c)非共役ポ
リエン・(d)非共役ポリエン四元エチレン系共重合体ゴ
ム(エチレン系共重合体ゴム)を得ることができる。
【0228】なお、バナジウム系触媒などの第VB族遷
移金属化合物系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数
3〜20のα- オレフィンと、上記2種の非共役ポリエ
ン(c)(d)とを共重合させても十分な重合活性で共重合体
ゴムを得ることができないことがある。
【0229】一方、本発明のようにメタロセン系触媒を
用いると、2種の非共役ポリエンは、ノルボルネン環含
有ポリエン類に限定されることがなく、前述したような
各種ポリエン、たとえば7-メチル-1,6- オクタジエン等
のメチルオクタジエン(MOD)などの鎖状非共役ポリ
エン類も共重合させることができる。
【0230】本発明では、エチレン(a)と、炭素原子数
3〜20のα- オレフィン(b)と、2種の非共役ポリエ
ン(c)および(d)とを共重合させる際に、メタロセン系触
媒を構成する上記メタロセン化合物[A]、有機アルミ
ニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物
[C]、さらには有機アルミニウム化合物[D]をそれ
ぞれ別々に重合反応器に供給してもよいし、また予めメ
タロセン化合物[A]を含有するメタロセン系触媒を調
製してから共重合反応に供してもよい。
【0231】またメタロセン系触媒を調製する際には、
触媒成分と反応不活性な炭化水素溶媒を用いることがで
き、不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等
の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を用いることが
できる。これらの炭化水素溶媒は、単独で、あるいは組
合わせて用いることができる。
【0232】上記メタロセン化合物[A]、有機アルミ
ニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物
[C]および有機アルミニウム化合物[D]は、通常−
100〜200℃、好ましくは−70〜100℃で混合
接触させることができる。
【0233】本発明では、エチレン(a)と、炭素原子数
3〜20のα- オレフィン(b)と、2種の非共役ポリエ
ン(c)および非共役ポリエン(d)との四元共重合反応は、
通常40〜200℃、好ましくは50〜150℃、特に
好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは70〜1
20℃で、大気圧〜100kg/cm2 、好ましくは大気圧
〜50kg/cm2 、特に好ましくは大気圧〜30kg/cm2
の条件下で行なうことができる。
【0234】この共重合反応は、種々の重合方法で実施
することができるが、溶液重合により行なうことが好ま
しい。この際重合溶媒としては、上記のような炭化水素
溶媒を用いることができ、またプロピレン等のα-オレ
フィンを溶媒として用いてもよい。
【0235】共重合は、バッチ式、半連続式、連続式の
いずれの方法においても行なうことができるが、連続式
で行なうことが好ましい。さらに重合を反応条件を変え
て2段以上に分けて行なうこともできる。
【0236】また反応時間(共重合が連続法で実施され
る場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度など
の条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ま
しくは10分〜3時間程度である。
【0237】また、本発明で用いられるエチレン系共重
合体ゴムは、上述したような方法により得られるが、こ
のエチレン系共重合体ゴムの分子量は、重合温度などの
重合条件を変更することにより調節することができ、ま
た水素(分子量調節剤)の使用量を制御することにより
調節することもできる。
【0238】本発明においては、有機アルミニウムオキ
シ化合物または上記イオン性化合物は、上述した担体化
合物に担持させて用いることもできる。上記のようにし
てエチレン(a)、α−オレフィン(b)および上記非共役ポ
リエン(c)および(d)を共重合させると、エチレン系共重
合体ゴムは通常これを含む重合液として得られる。この
重合液は、常法により処理され、エチレン系共重合体ゴ
ムが得られる。
【0239】[エチレン系共重合体ゴムのグラフト変性
]本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、該エチレ
ン系共重合体ゴムに極性モノマーをグラフト重合させる
ことにより、変性して用いることができる。
【0240】本発明のグラフト変性されたエチレン系共
重合体ゴム(グラフト変性エチレン系共重合体ゴムとも
いう)は、ラジカル開始剤の存在下あるいは不存在下
に、上記のようなエチレン系共重合体ゴムと、後述する
ような極性モノマーとを反応させることにより得ること
ができる。
【0241】極性モノマーとしては、水酸基含有エチレ
ン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合
物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビ
ニル化合物、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、ビ
ニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
【0242】具体的には、水酸基含有エチレン性不飽和
化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ
-3-フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3-ク
ロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタン
モノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキ
シ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エス
テル;10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オー
ル、2-メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メ
タ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、
グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、ア
リロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール、グリセ
リンモノアルコールなどが挙げられる。
【0243】アミノ基含有エチレン性不飽和化合物は、
エチレン性二重結合とアミノ基を有する化合物であり、
このような化合物としては、次式で表わされるアミノ基
または置換アミノ基を少なくとも1種類有するビニル系
単量体を挙げることができる。
【0244】
【化30】
【0245】式中、R1は水素原子、メチル基またはエ
チル基であり、R2は、水素原子、炭素数1〜12、好
ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12、
好ましくは6〜8のシクロアルキル基である。なお上記
のアルキル基、シクロアルキル基は、さらに置換基を有
してもよい。
【0246】このようなアミノ基含有エチレン性不飽和
化合物としては、具体的には、(メタ)アクリル酸アミ
ノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル
酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル
およびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどの
アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘
導体類;N-ビニルジエチルアミンおよびN-アセチルビニ
ルアミンなどのビニルアミン系誘導体類;アリルアミ
ン、メタクリルアミン、N-メチルアクリルアミン、N,N-
ジメチルアクリルアミン、およびN,N-ジメチルアミノプ
ロピルアクリルアミンなどのアリルアミン系誘導体;ア
クリルアミドおよびN-メチルアクリルアミドなどのアク
リルアミド系誘導体;p-アミノスチレンなどのアミノス
チレン類;6-アミノヘキシルコハク酸イミド、2-アミノ
エチルコハク酸イミドなどが用いられる。
【0247】エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物
は、1分子中に重合可能な不飽和結合およびエポキシ基
を少なくとも1個以上有するモノマーであり、このよう
なエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、具
体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートなど、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエ
ステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、
クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラ
ヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イ
タコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、ブテント
リカルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シト
ラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エンド-
シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン
酸(ナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステ
ル、エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-
メチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のモ
ノおよびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノ
およびジグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノお
よびジアルキルグリシジルエステル(モノグリシジルエ
ステルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p-スチ
レンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリル
グリシジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテ
ル、スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-
ブテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキ
シ-1-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、
5,6-エポキシ-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノ
オキシドなどを例示することができる。
【0248】芳香族ビニル化合物としては、下記式で表
わされる化合物が挙げられる。
【0249】
【化31】
【0250】上記式において、R1およびR2は、それぞ
れ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル
基を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基およびイソプロピル基を挙げることができる。ま
た、R3は炭素原子数1〜3の炭化水素基またはハロゲ
ン原子を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プ
ロピル基およびイソプロピル基並びに塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子などを挙げることができる。また、
nは通常は0〜5、好ましくは1〜5の整数を表す。
【0251】このような芳香族ビニル化合物の具体的な
例としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチル
スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-ク
ロロスチレン、m-クロロスチレンおよびp-クロロメチル
スチレン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン、5-エ
チル-2-ビニルピリジン、2-メチル-5-ビニルピリジン、
2-イソプロペニルピリジン、2-ビニルキノリン、3-ビニ
ルイソキノリン、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルピロ
リドンなどを挙げることができる。
【0252】不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフ
タル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソ
クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸などの不飽和カ
ルボン酸、またはこれらの酸無水物あるいはこれらの誘
導体(例えば酸ハライド、アミド、イミド、エステルな
ど)が挙げられる。具体的な化合物の例としては、塩化
マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン
酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン
酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタ
ル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-
ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノ
エチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを挙げる
ことができる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、
無水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプ
ロピルが好ましい。
【0253】ビニルエステル化合物の例としては、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、イソ酪酸
ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサ
ティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル、p-t-ブチル安息香酸ビニル、サ
リチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなど
を挙げることができる。
【0254】上記極性モノマーは、上記エチレン系共重
合体ゴム100重量部に対して、通常は、0.1〜10
0重量部、好ましくは0.5〜80重量部の量で使用さ
れる。
【0255】ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あ
るいはアゾ化合物などを挙げることができる。有機過酸
化物の具体的な例としては、ジクミルパーオキサイド、
ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t
-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス
(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチル
パーオキシ)バラレート、ベンゾイルパーオキサイド、t
-ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサ
イド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキ
サイドおよび2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
m-トルイルパーオキサイドなどを挙げることができる。
また、アゾ化合物としてはアゾイソブチロニトリル、ジ
メチルアゾイソブチロニトリルなどを挙げることができ
る。
【0256】このようなラジカル開始剤は、上記エチレ
ン系共重合体ゴム100重量部に対して、一般には、
0.001〜10重量部の量で使用されることが望まし
い。ラジカル開始剤は、そのままエチレン系共重合体ゴ
ムおよび極性モノマーと混合して使用することもできる
が、このラジカル開始剤を少量の有機溶媒に溶解して使
用することもできる。ここで使用される有機溶媒として
は、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に
限定することなく使用することができる。このような有
機溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレンな
どの芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、ノナンおよびデカンなどの脂肪族炭化水
素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよ
びデカヒドロナフタレンのようなの脂環族炭化水素系溶
媒;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベ
ンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およ
びテトラクロルエチレンなどの塩素化炭化水素;メタノ
ール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノー
ル、n-ブタノール、sec-ブタノールおよびtert-ブタノ
ールなどのアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチル
ケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶
媒;酢酸エチルおよびジメチルフタレートなどのエステ
ル系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ-n
-アミルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキシ
アニソールのようなエーテル系溶媒を挙げることができ
る。
【0257】また本発明において、エチレン系共重合体
ゴムをグラフト変性するに際して、還元性物質を用いて
もよい。還元性物質は、得られるグラフト変性エチレン
系共重合体ゴムにおけるグラフト量を向上させる作用を
有する。
【0258】還元性物質としては、鉄(II)イオン、ク
ロムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、パラジ
ウムイオン、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジ
ンなどのほか、−SH、−SO3H、−NHNH2、−C
OCH(OH)−などの基を含む化合物が挙げられる。
【0259】このような還元性物質としては、具体的に
は、塩化第一鉄、重クロム酸カリウム、塩化コバルト、
ナフテン酸コバルト、塩化パラジウム、エタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、ヒド
ラジン、エチルメルカプタン、ベンゼンスルホン酸、p-
トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0260】上記の還元性物質は、上記のエチレン系共
重合体ゴム100重量部に対して、通常は、0.001
〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の量で使用さ
れる。エチレン系共重合体ゴムのグラフト変性は、従来
公知の方法で行うことができ、例えばエチレン系共重合
体ゴムを有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよび
ラジカル開始剤などを溶液に加え、70〜200℃、好
ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15時間、
好ましくは1〜10時間反応させることにより行われ
る。
【0261】エチレン系共重合体ゴムをグラフト変性す
る際に用いられる有機溶媒は、エチレン系共重合体ゴム
を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく使
用することができる。
【0262】このような有機溶媒としては、前述したベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶
媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水
素系溶媒などが挙げられる。
【0263】また、押出機などを使用して、無溶媒で、
エチレン系共重合体ゴムと極性モノマーとを反応させ
て、グラフト変性エチレン系共重合体ゴムを製造するこ
とができる。反応温度は、通常エチレン系共重合体ゴム
の融点以上、具体的には120〜250℃の範囲であ
る。このような温度条件下における反応時間は、通常
0.5〜10分間である。
【0264】このようにして調製されたグラフト変性エ
チレン系共重合体ゴム中における極性モノマーから誘導
されるグラフト基のグラフト量は、通常は0.1〜50
重量%、好ましくは0.2〜30重量%の範囲内にあ
る。
【0265】このようにして得られた変性エチレン系共
重合体ゴムは、金属および極性樹脂との接着性に優れ
る。また、該変性エチレン系共重合体ゴムを極性樹脂と
ブレンドすることにより、その耐衝撃性、低温耐衝撃性
を改良することができる。
【0266】また変性エチレン系共重合体ゴムを(変性
エチレン系ランダム共重合体)成型して得られた成形体
では、その成形体表面への印刷性、塗装性に優れてい
る。また、ポリオレフィンにガラス繊維、無機化合物な
どの充填剤と共に該変性エチレン系共重合体ゴム(変性
エチレン系ランダム共重合体)をブレンドすることによ
り、充填剤の分散性が改良された樹脂組成物を得ること
ができる。このようにすれば、充填剤を配合する場合の
利点が保持され、しかも機械強度が向上した樹脂組成物
を得ることができる。
【0267】[加硫可能なゴム組成物]上記のようなエ
チレン系共重合体ゴムを含有する本発明に係るゴム組成
物は、加硫可能なゴム組成物であり(以下、加硫可能な
ゴム組成物ともいう)、未加硫のままでも用いることも
できるが、加硫物として用いるとより一層優れた特性を
発現することができる。
【0268】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、加
硫剤を使用して加熱する方法、あるいは加硫剤を用いず
に電子線を照射する方法により加硫することができる。
本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エチレン系共重
合体ゴムとともに目的に応じて他の成分を適宜含有する
ことができるが、エチレン系共重合体ゴムを、全ゴム組
成物中20重量%以上好ましくは25重量%以上の量で
含有していることが望ましい。ゴム組成物中におけるエ
チレン系共重合体ゴムの含有量がこの範囲にある場合
に、ゴム組成物としての良好な物性が発現する。
【0269】また他の成分としては、たとえば補強剤、
無機充填剤、軟化剤、抗酸化剤(安定剤)、加工助剤、
さらには発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合
物、可塑剤、着色剤、難燃剤、他のゴム配合剤などの種
々の薬剤などを挙げることができる。他の成分は、用途
に応じてその種類、含有量が適宜選択されるが、これら
のうちでも特に補強剤、無機充填剤、軟化剤などを用い
ることが好ましく、以下に、より具体的に示す。
【0270】補強剤および無機充填剤 補強剤としては、具体的に、SRF、GPF、FEF、
MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどの
カーボンブラック、これらカーボンブラックをシランカ
ップリング剤などで表面処理したもの、シリカ、活性化
炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸などが挙げら
れる。
【0271】無機充填剤としては、具体的に、軽質炭酸
カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなど
が挙げられる。本発明に係るゴム組成物は、補強剤およ
び/または無機充填剤を、エチレン系共重合体ゴム10
0重量部に対して、通常300重量部以下、好ましくは
10〜300重量部、さらに好ましくは10〜200重
量部の量で含有することができる。
【0272】このような量の補強剤を含有するゴム組成
物からは、引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械的
性質が向上された加硫ゴムが得られる。また無機充填剤
を上記のような量で配合すると、加硫ゴムの他の物性を
損なうことなく硬度を高くすることができ、またコスト
を引き下げることができる。
【0273】軟化剤 軟化剤としては、従来ゴムに配合されている軟化剤が広
く用られ、具体的に、プロセスオイル、潤滑油、パラフ
ィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンな
どの石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ
などのコールタール系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナ
タネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サ
ブ、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸
および脂肪酸塩、石油樹脂、アタクチックポリプロピレ
ン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物質などが
用いられる。
【0274】これらのうちでも石油系軟化剤が好まし
く、特にプロセスオイルが好ましい。本発明に係るゴム
組成物は、上記のような軟化剤を、エチレン系共重合体
ゴム100重量部に対して通常200重量部以下、好ま
しくは10〜200重量部、さらに好ましくは10〜1
50重量部、特に好ましくは10〜100重量部の量で
含有することができる。
【0275】抗酸化剤 本発明に係るゴム組成物は、抗酸化剤を含有していると
材料寿命を長くすることができて好ましい。この抗酸化
剤としては、具体的に、フェニルナフチルアミン、4,4'
-(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,
N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンなどの芳香族
第二アミン系安定剤、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノ
ール、テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-
4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなど
のフェノール系安定剤、ビス[2-メチル-4-(3-n-アルキ
ルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]スル
フィドなどのチオエーテル系安定剤、2-メルカプトベン
ゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系安定剤、ジ
ブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバ
ミン酸塩系安定剤、2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒドロキ
ノリンの重合物などのキノリン系安定剤などが挙げられ
る。これらは2種以上併用することもできる。
【0276】このような抗酸化剤は、エチレン系共重合
体ゴム100重量部に対して、10重量部以下好ましく
は5重量部以下、特に好ましくは3重量部以下の量で適
宜用いることができる。
【0277】加工助剤 加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合
されるものを広く使用することができる。具体的には、
リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン
酸などの酸、これら高級脂肪酸の塩たとえばステアリン
酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ムまたはエステル類などが挙げられる。加工助剤は、エ
チレン系共重合体ゴム100重量部に対して、10重量
部以下好ましくは5重量部以下の量で適宜用いることが
できる。
【0278】加硫剤 また本発明に係るゴム組成物を加熱により加硫する場合
には、ゴム組成物中に通常加硫剤、加硫促進剤、加硫助
剤などの加硫系を構成する化合物を配合する。加硫剤と
しては、イオウ、イオウ系化合物および有機過酸化物な
どを用いることができる。イオウの形態は特に限定され
ず、たとえば粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオ
ウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどを用いるこがで
きる。
【0279】イオウ系化合物としては、具体的には、塩
化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、モルホリン
ジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テト
ラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバ
ミン酸セレンなどが挙げられる。
【0280】また有機過酸化物としては、具体的には、
ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイ
ド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-アミル
パーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパー
オキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾ
イルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-
ブチルパーオキシ)-ヘキサン、α,α'-ビス(t-ブチ
ルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、t-ブチルヒ
ドロパーオキサイドなどのアルキルパーオキサイド類、
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイ
ソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチ
ルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシネオデカ
ノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t-ブ
チルパーオキシフタレートなどのパーオキシエステル
類、ジシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパ
ーオキサイド類が挙げられる。これらは2種以上組合わ
せて用いてもよい。
【0281】これらのうちでは、1分半減期温度が13
0℃〜200℃である有機過酸化物が好ましく、具体的
にジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイ
ド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘ
キサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-アミル
パーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどが
好ましい。
【0282】本発明では、上記のような各種加硫剤のう
ちでも、イオウまたはイオウ系化合物、特にイオウを用
いると優れた特性のゴム組成物を得ることができるため
好ましい。
【0283】加硫剤がイオウまたはイオウ系化合物であ
るときには、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対
して、0.1〜10重量部好ましくは0.5〜5重量部の
量で用いることができる。
【0284】また加硫剤が有機過酸化物であるときに
は、エチレン系共重合体ゴム100グラムに対して、
0.0003〜0.05モル好ましくは0.001〜0.0
3モルの量で用いることができる。
【0285】加硫促進剤 また加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を用いる場
合には、加硫促進剤を併用することが好ましい。
【0286】加硫促進剤としては、具体的に、N-シクロ
ヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CB
S)、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾール
スルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物、2-
メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2-(2,4-ジニ
トロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-
ジエチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベ
ンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール系化合物、
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオ
ルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイ
ド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン
化合物、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルア
ルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミ
ン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミ
ンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物、2-メルカプ
トイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物、チオカル
バニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、
トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリアなど
のチオユリア系化合物、テトラメチルチウラムモノスル
フィド、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMT
D)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチ
ルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテト
ラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ
ィド(DPTT)などのチウラム系化合物、ジメチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジ-n-ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェ
ニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカ
ルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウ
ム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチ
オカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系化合物、ジブ
チルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系化合物、亜
鉛華などが挙げられる。上記のような加硫促進剤は、エ
チレン系共重合体ゴム100重量部に対して、0.1〜
20重量部好ましくは0.2〜10重量部の量で用いる
ことが望ましい。
【0287】加硫助剤 また加硫剤として有機過酸化物を用いる場合には、加硫
助剤(多官能性モノマー)を有機過酸化物1モルに対し
て0.5〜2モル好ましくはほぼ等モルの量で併用する
ことが好ましい。
【0288】加硫助剤としては、具体的には、イオウ、
p-キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系化合物、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレートなどの(メタ)アクリレ
ート系化合物、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌ
レートなどのアリル系化合物、m-フェニレンビスマレイ
ミドなどのマレイミド系化合物、ジビニルベンゼンなど
が挙げられる。
【0289】発泡剤 本発明に係るゴム組成物は、発泡剤、発泡助剤などの発
泡系を構成する化合物を含有する場合には、発泡成形す
ることができる。
【0290】発泡剤としては、一般的にゴムを発泡成形
する際に用いられる発泡剤を広く使用することができ、
具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウ
ムなどの無機発泡剤、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソ
テレフタルアミド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテ
トラミンなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシル
ニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカル
ボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキ
シビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニル
スルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニ
ルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4-ジフェニ
ルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジド
などのアジド化合物が挙げられる。
【0291】これらのうちでは、ニトロソ化合物、アゾ
化合物、アジド化合物が好ましい。発泡剤は、エチレン
系共重合体ゴム100重量部に対して、0.5〜30重
量部好ましくは1〜20重量部の量で用いることができ
る。このような量で発泡剤を含有するゴム組成物から
は、見かけ比重0.03〜0.8g/cm3 の発泡体を製造
することができる。
【0292】また発泡剤とともに発泡助剤を用いること
もでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低
下、分解促進、気泡の均一化などの効果がある。このよ
うな発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステア
リン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体
などが挙げられる。発泡助剤は、エチレン系共重合体ゴ
ム100重量部に対して0.01〜10重量部好ましく
は0.1〜5重量部の量で用いることができる。
【0293】他のゴム 本発明に係るゴム組成物は、本発明の目的を損なわない
範囲で、公知の他のゴムを含んでいてもよい。
【0294】このような他のゴムとしては、天然ゴム
(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系
ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン- ブタジエン
ゴム(SBR)、アクリロニトリル- ブタジエンゴム
(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエ
ン系ゴムを挙げることができる。
【0295】さらに従来公知のエチレン・α−オレフィ
ン系共重合ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン
・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記のエチ
レン系共重合体ゴム以外のエチレン系共重合体例えばE
PDMなどを用いることができる。
【0296】本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エ
チレン系共重合体ゴムおよび上記のような他の成分か
ら、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製するこ
とができる。たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、
インターミックスのようなインターナルミキサー類を用
いて、エチレン系共重合体ゴムおよび他の成分を、80
〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、必要に応
じて加硫剤、加硫促進剤または加硫助剤などを加えて、
オープンロールなどのロ−ル類あるいはニーダーを用い
て、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した
後、分出しすることにより調製することができる。この
ようにして通常リボン状またはシート状のゴム組成物
(配合ゴム)が得られる。上記のインターナルミキサー
類での混練温度が低い場合には、加硫剤、加硫促進剤、
発泡剤などを同時に混練することもできる。
【0297】[加硫ゴム]本発明に係るゴム組成物の加
硫物(加硫ゴム)は、上記のような未加硫のゴム組成物
を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、イ
ンジェクション成形機、トランスファー成形機など種々
の成形法よって所望形状に予備成形し、成形と同時にま
たは成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは
電子線を照射することにより加硫して得ることができ
る。
【0298】上記ゴム組成物を加熱により加硫する場合
には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波
電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱
形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜
30分間加熱することが好ましい。
【0299】また加硫剤を使用せずに電子線照射により
加硫する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1
〜10MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギ
ーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mra
d、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射
すればよい。
【0300】成形・加硫に際しては、金型を用いてもよ
く、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合
には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。上
記のように成形・加硫された加硫ゴムは、ウェザースト
リップ、ドアーグラスランチャンネル、窓枠、ラジエー
タホース、ブレーキ部品、ワイパーブレード、防振ゴム
などの自動車工業部品、ゴムロール、ベルト、パッキ
ン、ホースなどの工業用ゴム製品、アノードキャップ、
グロメットなどの電気絶縁材、建築用ガスケット、土木
用シートなどの土木建材用品、ゴム引布などの用途に用
いることができる。
【0301】また発泡剤を含有するゴム配合物を加熱発
泡させて得られる加硫発泡体は、断熱材、クッション
材、シーリング材などの用途に用いることができる。
【0302】
【発明の効果】本発明によれば、押出成形性に優れ、加
硫速度が速く、しかも加硫強度などの機械的特性、低温
柔軟性、耐熱老化性等にも優れたエチレン系共重合体ゴ
ムおよび該共重合体ゴムを含有するゴム組成物が得られ
る。
【0303】また、本発明に係るエチレン共重合体ゴム
の製造方法によれば、従来の製造方法では達成すること
ができなかったエチレンと、炭素数3以上のα-オレフ
ィンと、1分子中に1個の重合可能な二重結合を有する
非共役ポリエンと、1分子中に2個の重合可能な二重結
合を有する非共役ポリエンとを、高活性で、かつα-オ
レフィンを高い転化率で、しかも優れたランダム共重合
性で共重合させ、高分子量の共重合体を得ることができ
る。また本発明に係るエチレン共重合体ゴムの製造方法
は、高温での重合活性に優れているので、該共重合体ゴ
ムを効率よく製造することができる。
【0304】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限
定されるものではない。
【0305】なお、測定条件は以下の通り。[i]比重測定: 加硫したチューブ状スポンジの上部から
20mm×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れを
アルコールで拭き取る。この試験片を25℃の雰囲気下
で自動比重計(東洋精機製作所製:M−1型)に取り付
け、空気中と純水中の質量の差から比重測定を行った。
【0306】[ii]引張試験:加硫したチューブ状スポン
ジの上部を長さ方向にJIS K 6301(1989
年)に記載されている3号型ダンベルで打ち抜いて試験
片を得た。該試験片を用いて同じくJIS K 6301
第3項に規定されている方法に従い、測定温度25℃、
引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、引
張破断点応力T B(kg/cm2)と、引張破断点伸びE
B(%)を測定した。加硫ゴムシートを打ち抜いて上記
3号ダンベルで打ち抜いて試験片を得た以外は、上記と
同様にして引張破断点応力TB(kg/cm2)と、引張
破断点伸びE B(%)を測定した。
【0307】[ii]圧縮永久歪試験:加硫したチューブ状
スポンジを30mmに切断し、圧縮永久歪測定金型に取
り付ける。試験片の高さが荷重をかける前の高さの1/
2になるように圧縮し、金型ごと70℃のギヤーオーブ
ン中に200時間熱処理した。30分間放冷後、試験片
の高さを測定し以下の計算式で圧縮永久歪を算出した。
【0308】
【数1】
【0309】t0:試験片の試験前の高さ t1:試験片を熱処理し、30分間放冷した後の試験片
の高さ t2:試験片の測定金型に取り付けた状態での高さ
【0310】[実施例4、実施例6〜8および比較例2
の場合]圧縮永久歪試験は、JIS K 6301 に準
拠して、−40℃で22時間後の低温圧縮永久歪(C
S)を求めた。何れの場合も、低温圧縮永久歪が小さい
ほど低温柔軟性が良好である。
【0311】[iv]形状保持性の測定:加硫したチューブ
状スポンジ断面の高さと幅の比を測定し、形状保持率と
した。
【0312】
【数2】
【0313】L:チューブ状スポンジの高さ D:チューブ状スポンジの幅[v]表面粗度の測定: スポンジの表面粗度は、触針式表
面粗度測定器を用いて、スポンジの上面の凹凸を数値化
して表した。実際には、上記のようにして得られたチュ
ーブ状スポンジゴムを長さ50mmに切断して、抜き取
り部分の内で最高から10番目までの凸部分の高さの総
和(h1)から最低から10番目までの凹部分の高さの
総和(h2)を差し引いた値(h1−h2)を10で除し
て算出した値を、スポンジゴムの表面粗度とした。
【0314】[vi]硬さ試験(Hs硬度):硬さ試験は、
JIS K 6301に準拠して、スプリング硬さHs
(JISA 硬度)を測定した。
【0315】[vii]老化試験:老化試験は、125℃で
168時間空気加熱老化試験を行い、老化前の物性に対
する保持率、すなわち引張強度保持率[AR(TB)]、
伸び保持率[AR(EB)]および硬度の変化[AH
(JIS A)を求めた。
【0316】[viii]押出性の評価:配合ゴムを、直径3
mmの円形の口金を装着した押出機(シリンダー温度7
0℃で、ヘッド温度80℃、ダイス温度90℃)を用
い、押出速度30m/分で押し出して、押出肌を下記評
価基準により評価した。また10秒間に押出した配合ゴ
ムの量を押出量とした。 [押し出し性5段階評価の基準]各段階の評価は、AS
TM D 2230−77の表面肌の平滑性の採点基準
Bに準拠し、最高を5、最低を1(押出成形時にメルト
フラクチャーを起こす。)として行った。
【0317】[ix]ガラス転移温度Tg:エチレン系共重
合体ゴムのガラス転移温度Tgは、示差走査型熱量計
(DSC)で測定した。このガラス転移温度は、エチレ
ン系共重合体ゴムの低温柔軟性の指標となる。
【0318】* DSCによるTgの測定における温度
サイクル 試料を常温(25℃)から20℃/分の速度で180℃
まで昇温してこの温度(180℃)で2分間保った後、
この試料を−20℃/分の速度で−80℃まで冷却して
この温度(−80℃)で2分間保持し、その後再びこの
試料を20℃/分の速度で昇温して試料のガラス転移温
度Tgを求めた。
【0319】
【実施例1】攪拌翼を備えた容量4リットルのガラス製
重合器を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-
エチリデン-2ーノルボルネン(ENB)と5-ビニル-2
-ノルボルネン(VNB)との四元共重合反応を行っ
た。
【0320】すなわち、まず重合器上部から重合器内
に、脱水精製されたトルエンを毎時1.2リットルの量
で、(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリドのトルエン溶液(Zr:0.1ミリモル/
リットル)を毎時0.4リットルの量で、メチルアルミ
ノキサン(MAO)のトルエン溶液(Al:33.3ミ
リモル/リットル)を毎時1.2リットルの量で、EN
BとVNBとの混合トルエン溶液(ENBとVNBの合
計:21.7ミリリットル/リットル、ENB/VNB
=5.5(体積比))を毎時1.2リットルの量で、そ
れぞれ連続的に供給した。
【0321】また、重合器上部から重合器内に、エチレ
ンを毎時200リットルの量で、プロピレンを毎時20
0リットルの量で、それぞれ連続的に供給した。この共
重合反応は、20℃で、かつ反応混合物の平均滞留時間
が30分(すなわち重合スケール2リットル)となるよ
うに行った。
【0322】得られたポリマー溶液は、連続的に重合器
下部から抜き出し、メタノールをこれに少量添加するこ
とにより重合反応を停止させた。得られたポリマー溶液
を(上記重合反応を停止させるに必要なメタノール量に
比べて)大過剰のメタノール中に投入することにより、
ポリマーを析出させ、濾過により回収した。
【0323】次いで、ポリマーに安定剤[ポリマー約1
00g当たり30mgの「Irganox1010」チ
バガイギー製および60mgの「Mark329K」
(旭電化製)]を混合した後、120℃で減圧下に一晩
乾燥した。
【0324】以上の操作で、エチレン・プロピレン・E
NB・VNB四元共重合体が毎時116gの量で得られ
た。得られた共重合体は、エチレン単位とプロピレン単
位とのモル比が71/29であり、ENB単位とVNB
単位とのモル比(ENB単位/VNB単位)が5.8で
あり、極限粘度[η]が2.7dl/gであり、ヨウ素
価(IV値)が19.5であり、13C−NMRスペクト
ルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/T
αα)が0.01未満であり、gη*値が0.55であ
り、g’値が0.61であり、ガラス転移温度Tgは−
46℃であり、B値は1.1であった。
【0325】次いで、上記エチレン・プロピレン・EN
B・VNB四元共重合体と、表1に示す活性亜鉛華、ス
テアリン酸、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリ
ド、カーボンブラックおよびオイルを1.7リットルの
バンバリーミキサーを用いて混練した。
【0326】次いで、14インチロール(F/B=50
/50℃)を用いて、加硫剤および表1に示す上記成分
以外の他の成分(残余分)を、上記のように混練して得
られた混練物に添加して混練して、配合ゴム(ゴム組成
物)を得た。
【0327】次いで、この配合ゴムを、チューブ状ダイ
ス(内径10mm、肉厚1mm)を装着した60mm押
出機を用いてダイス温度80℃、シリンダー温度60℃
の条件で押し出して、チューブ状に成形した。
【0328】該未加硫のチューブ状成形体の表面粗度は
8であった。得られたこの成形体を220℃の熱空気加
硫槽中で6分間加硫を行ってスポンジゴムを得た。
【0329】得られたスポンジ状加硫ゴム物性を測定し
たところ、その比重(密度)は0.49(g/cm3
であり、引張破断点応力(TB)は24kg/cm2であ
り、引張破断点伸び(EB)は270%であり、圧縮永
久歪は28%であり、形状保持性は83%であった。
【0330】結果を併せて表4に示す。また、エチレン
・プロピレン・ENB・VNB四元共重合体の合成条件
等を表2〜3に併せて示す。また、ゴム組成物の配合組
成を併せて表1に示す。
【0331】
【表1】
【0332】
【実施例2〜5】実施例1において、原料、反応条件な
どを表2〜3に示すように変えた以外は、実施例1と同
様に共重合反応を実施した。また得られた共重合体につ
いて、実施例1と同様にゴム組成物を調製し、加硫物性
などを求めた。結果を表4に示す。
【0333】なお、実施例4の引張試験、硬さ試験、圧
縮永久歪試験は、後述する実施例6と同様にして行い、
結果を表8に示す。
【0334】
【比較例1】エチレン含量が70モル%であり、ヨウ素
価が22であり、極限粘度[η]が2.7dl/gのエ
チレン・プロピレン・ENB共重合体をVO(OC
25)Cl2/(C251.5AlCl1.5触媒を用いて
公知の方法で合成した。
【0335】このエチレン・プロピレン・ENB共重合
体を用いて実施例1と同様にゴム組成物を調製し、加硫
し、実施例1と同様に各種物性を測定した。結果を表4
に併せて示す。
【0336】なお、表中の略号は以下のとおり。 MAO:メチルアルミノキサン、VNB:5-ビニル-2-
ノルボルネン、ENB:5-エチリデン-2-ノルボルネ
ン、NBD:ノルボルナジエン、OCPD:ジシクロペ
ンタジエン、MOD:7-メチル-1,6-オクタジエン。 ジエン−1:炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒
で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個の
み存在する非共役ポリエン(c)。 ジエン−2:炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒
で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存
在する非共役ポリエン(d)。
【0337】
【表2】
【0338】
【表3】
【0339】
【表4】
【0340】
【実施例6】充分に窒素置換された内容積2リットルの
ステンレス製オートクレーブにヘキサンを0.6リット
ルの量で、1-オクテン(オクテン-1)を0.4リット
ルの量で、ENBを10ミリリットルの量で、VNBを
2.5ミリリットルの量でそれぞれ装入した。
【0341】次いで、エチレンを8kg/cm2−Gに
なるまで導入した。その後、トリイソブチルアルミニウ
ム1ミリモルおよびrac-ジメチルシリレンビス{1-
(4-イソプロピル-2,7-ジメチルインデニル)}ジ
ルコニウムジクロリド0.004ミリモルとメチルアル
ミノキサン(MAO)1.2ミリモル(アルミニウム原
子換算)をトルエン中で予備混合したものを窒素で圧入
することにより重合を開始した。
【0342】その後、エチレンのみを連続的に供給する
ことにより全圧を8kg/cm2−Gに保ち、70℃で
1時間重合を行った。少量のメタノールを系内に添加す
ることにより、重合を停止した後、未反応のモノマーを
パージした。
【0343】得られたポリマー溶液を(上記重合反応を
停止させるに必要なメタノール量に比べて)大過剰のメ
タノール中に投入することにより、ポリマーを析出させ
た。ポリマーを濾過により回収し、安定剤[ポリマー約
100g当たり30mgの「Irganox1010」
チバガイギー製および60mgの「Mark329K」
(旭電化製)]を混合した後、120℃で減圧下に一晩
乾燥した。
【0344】その結果、エチレン単位と1-オクテン単位
のモル比(エチレン単位/1-オクテン単位)が74.9/2
5.1であり、ENB単位とVNB単位とのモル比(E
NB単位/VNB単位)が4.5であり、極限粘度
[η]が2.2dl/gであり、ヨウ素価が12.5で
あり、13C-NMRスペクトルにおけるTααに対する
Tαβの強度比D値(Tαβ/Tαα)が0.01未満
であり、gη*値が0.58であり、g’値は0.64
であり、ガラス転移温度Tgは−58℃であり、B値は
1.1であるエチレン・1−オクテン・ENB・VNB
共重合体を56g/時間の量で得た。
【0345】次いで、上記共重合体と下記表5に示す配
合剤を用いて、実施例1と同様にして配合ゴム(ゴム組
成物)を得た。
【0346】
【表5】
【0347】この配合ゴムを、平板状ダイス(寸法:高
さ2mm、幅30mm)を装着した60mm押出機を用
いて、ヘッド温度80℃、ダイス温度70℃、シリンダ
ー温度60℃の条件で押し出して、シート状に成形し
た。
【0348】該未加硫のシート状成形体の押出肌は4で
あり、押出量は180cm/10秒であった。次いで、
この未加硫シート状成形体を160℃で10分間加硫し
て、厚さ2mmの架橋ゴムシートを得た。
【0349】この架橋ゴムシートを用いて、各種物性試
験を行った。得られた架橋ゴムシートの物性を測定した
ところ、引張破断点応力(TB)は80kg/cm2であ
り、引張破断点伸び(EB)は540%であり、Hs硬
度は64であり、耐熱老化性のうち引張強度保持率AR
(TB)は103%であり、伸び保持率AR(EB)は9
9%であり、硬さの変化AHは+2であり、圧縮永久歪
(低温柔軟性)は10%であった。
【0350】結果を併せて表8に示す。また、エチレン
・1-オクテン・ENB・VNB四元共重合体の合成条件
等を表6〜7に併せて示す。
【0351】
【実施例7】実施例6において、ENBの量を15m
l、VNBの量を3.5mlにそれぞれ変更した以外
は、実施例6と同様にしてエチレン系共重合体ゴムを製
造した。
【0352】その結果、エチレン単位とオクテン-1単位
とのモル比(エチレン単位/オクテン-1単位)が、7
5.5/24.5であり、ENB単位とVNB単位との
モル比(ENB単位/VNB単位)が、4.7であり、
極限粘度[η]が2.0dl/gであり、ヨウ素価(I
V値)が16.5であり、13C−NMRスペクトルにお
けるTαβのTααに対する強度比D(Tαβ/Tα
α)が0.01未満であり、gη*値が0.52であ
り、g’値が0.59であり、ガラス転移温度Tgは−
57℃であり、B値は1.1であるあるエチレン・オク
テン-1・ENB・VNB共重合体(ゴム)が48g/時
間の量で得られた。
【0353】この共重合体を用いて、実施例6と同様に
ゴム組成物を調製し、物性を求めた。結果を表8に示
す。またこの共重合体の合成条件等を表6〜7に併せて
示す。
【0354】
【実施例8】実施例6において、オクテン-1をブテン-1
に変え、ブテン-1を0.24Nl仕込んだ以外は実施例
と同様にしてエチレン系共重合体ゴムを製造した。
【0355】その結果、エチレン単位とブテン−1単位
とのモル比(エチレン単位/ブテン-1単位)が、78/
22であり、ENB単位とVNB単位とのモル比(EN
B単位/VNB単位)が、3.8であり、極限粘度
[η]が2.1dl/gであり、ヨウ素価(IV値)が
14.5であり、13C−NMRスペクトルにおけるTα
βのTααに対する強度比D(Tαβ/Tαα)が0.
01未満であり、gη*値が0.53であり、g’値は
0.58であり、ガラス転移温度Tgは−55℃であ
り、B値は1.1であるエチレン・ブテン-1・ENB・
VNB共重合体(ゴム)が65g/時間の生成量で得ら
れた。
【0356】この共重合体を用いて、実施例6と同様に
ゴム組成物を調製し、物性を求めた。結果を表8に示
す。またこの共重合体の合成条件等を表6〜7に併せて
示す。
【0357】
【比較例2】実施例6において、ジエンとして、ENB
のみを用い、1-オクテンを用いるかわりに、プロプレン
を初期圧力5kg/cm2・Gとなるように仕込み、次
いで、エチレンを8kg/cm2・Gとなるまで導入し
て、重合温度70℃を80℃に変更した以外は、実施例
6と同様にして、エチレン・プロピレン・ENB共重合
体ゴムを製造した。
【0358】その結果、エチレン単位とプロピレン単位
とのモル比(エチレン単位/プロピレン単位)が、70
/30であり、極限粘度[η]が2.1dl/gであ
り、ヨウ素価(IV値)が14であり、13C-NMRス
ペクトルにおけるTαβのTααに対する強度比D(T
αβ/Tαα)が0.01未満であり、gη*値が0.
97であり、g’値が0.98であり、ガラス転移温度
Tgが−49℃であり、B値が1.1であるエチレン・
プロピレン・ENB3元共重合体(ゴム)が40g/時
間の量で得られた。
【0359】この共重合体を用いて、実施例6と同様に
ゴム組成物を調製し、物性を求めた。結果を表8に示
す。またこの共重合体の合成条件等を表6〜7に併せて
示す。
【0360】
【表6】
【0361】
【表7】
【0362】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白 田 孝 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) エチレンと、(b) 炭素数3〜20のα
    -オレフィンと、(c) 炭素・炭素二重 結合のうちメタロ
    セン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
    内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭
    素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
    結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンと、 のランダム共重合体ゴムであって、 (i) エチレンから導かれる単位(a)と、炭素数3〜20
    のα-オレフィンから導かれる単位(b)とを、90/10
    〜40/60〔(a)/(b)〕のモル比で含有し、 (ii) 炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な
    炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非
    共役ポリエンから導かれる単位(c)を0.1〜10モル
    %の量で含有し、 (iii) 炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能
    な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共
    役ポリエンから導かれる単位(d)を0.1〜3モル%の
    量で含有し、 (iv) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]
    が、0.1〜10dl/gの範囲にあり、 (v) 13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTαα
    に対する強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であ
    ることを特徴とするエチレン系共重合体ゴム。
  2. 【請求項2】さらに、 上記(iv)で測定される極限粘度[η]と、これと同一重
    量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が
    70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限
    粘度[η]blankとの比で定義されるgη*値(=[η]
    /[η]Blank)が0.9以下であることを特徴とする
    請求項1に記載のエチレン系共重合体ゴム。
  3. 【請求項3】さらに、 上記(iv)で測定される極限粘度[η]と、このエチレン
    系共重合体ゴムのゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィ(GPC:140℃、o−ジクロロベンゼン溶媒)を
    測定することにより求められる、エチレン含量が70モ
    ル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体換算の極限粘
    度[η]blank’との比g’(=[η]/
    [η]blank’)が0.9以下であることを特徴とする
    請求項1〜2の何れかに記載のエチレン系共重合体ゴ
    ム。
  4. 【請求項4】上記(b)α-オレフィンの炭素数が4以上で
    ある請求項1〜3の何れかに記載のエチレン系共重合体
    ゴム。
  5. 【請求項5】さらに、 DSCで求めたガラス転移温度Tgが−45℃以下であ
    る請求項1〜4の何れかに記載のエチレン系共重合体ゴ
    ム。
  6. 【請求項6】(a) エチレンと、(b) 炭素数3〜20のα
    -オレフィンと、(c) 炭素・炭素二重 結合のうちメタロ
    セン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
    内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭
    素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
    結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンとを、 メタロセン系触媒の存在下にランダム共重合することを
    特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のエチレン系共
    重合体ゴムの製造方法。
  7. 【請求項7】前記メタロセン系触媒は、下記式[III]
    または[IV]で示されるメタロセン化合物を含むことを
    特徴とする請求項6に記載のエチレン系共重合体ゴムの
    製造方法; 【化1】 [式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン
    で置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素
    基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
    有基またはリン含有基であり、 R13およびR14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアル
    キル基であり、 X1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
    数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
    ン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であ
    り、 Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原
    子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケ
    イ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含
    有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2
    −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7
    −、−BR7 −または−AlR7 −である。(ただし、
    7は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の
    炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素
    基である。)]、 【化2】 [式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、 R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原
    子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリ
    ール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR
    3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原子、炭素原子数
    1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリ
    ール基)であり、 R22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣
    接するR22〜R28がそれらの結合する原子とともに、芳
    香族環または脂肪族環を形成していてもよく、 X3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素原子数1〜
    10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ
    基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜
    10のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケ
    ニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭
    素原子数7〜40のアルキルアリール基、炭素原子数8
    〜40のアリールアルケニル基であり、 Zは、 【化3】 −Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR
    29、=CO、=PR29 または=P(O)R29である。
    (ただし、R29およびR30は、互いに同じでも異なって
    いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜
    10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアル
    キル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数
    6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数1〜10の
    アルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭
    素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8
    〜40のアリールアルケニル基または炭素原子数7〜4
    0のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30
    は、それぞれそれらの結合する原子とともに環を形成し
    てもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズの原
    子である。)]。
  8. 【請求項8】請求項1〜5の何れかに記載のエチレン系
    共重合体ゴムと、 下記(a)、(b)、(c)の内の少なくとも1種以上の成分
    と、 が含まれていることを特徴とするゴム組成物: (a)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して3
    00重量部以下の量の補強剤、 (b)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して2
    00重量部以下の量の軟化剤、 (c)加硫剤。
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