JP2011195656A - 難燃性ゴム組成物およびゴム成形体 - Google Patents

難燃性ゴム組成物およびゴム成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性を示し、充分な発泡性を有するゴム組成物の提供と、該ゴム組成物を架橋発泡することで得られる、低比重かつ表面平滑性に優れるゴム成形体を提供する。
【解決手段】エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体[I]と該共重合体100重量部に対して、150〜300重量部の塩化ビニルおよび/または難燃剤[II]、5〜50重量部の軟化剤[III]、および10〜50重量部の発泡剤を含むことを特徴とするゴム組成物であって、該ゴム組成物を架橋発泡成形して得られる架橋発泡体が難燃性(UL94規格に基づくHBF試験で、HF-1のグレードに合格するレベル)を示し、比重が0.03〜0.3、発泡体の表面粗度が30μm以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物および該ゴム組成物を架橋発泡することにより得られるゴム成形体に関する。より詳しくは、充分な高発泡性を示すゴム組成物に関し、さらに詳しくは、高度な難燃性を有し、表面平滑性に優れる低比重ゴム成形体に関する。
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)は、その分子構造の主鎖に二重結合を有しないため、汎用の共役ジエンゴムと比べ、耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性に優れ、中でも、EPDM系の発泡体は、その優れたクッション性や圧縮性等に基づいてクッション材やパッド材、気密や止水などのシール材、断熱材や防音材などとして家電などの室内用品や自動車などの屋外用品、住宅などの建築物などの各種の分野で広く使用されている。
それら用途のひとつに、冷凍、冷媒配管や冷・温パイプ、およびチューブ材の断熱と破損防止を目的に使用される被覆スポンジがある。それら被覆スポンジは建築材としても多く用いられるため、火災延焼の観点から高い難燃性が求められ、さらに最近ではその表面をコーティング処理し、強度や摺動性を付与する必要性から、表面平滑性に優れることも強く望まれている。
高い断熱性の被覆スポンジを得るためには、スポンジ比重を低くする必要がある。一方、高い難燃性を得るためには、EPDMなどのオレフィン系ポリマーが燃焼し易いことから、多量の金属酸化物やリン系化合物、ハロゲン化合物やシリコーン化合物などの難燃剤を配合する必要があり、結果、高発泡化が難しく、発泡外観が悪くなる問題を抱える。
特許文献1には、特定のEPDMを用いて多量の難燃剤を配合することで、低比重かつ難燃性を有するスポンジが得られることが記載されている。しかしながら表面外観に関しては、官能評価による異常発泡の記載のみであり、表面平滑性は明示されていない。
また、難燃性を有し、低比重なゴム発泡体を得る方法として、(1)EPDMに炭酸カルシウムと含水無機フィラーを配合する方法、(2)水和金属酸化物と膨張性黒鉛を配合する方法、(3)水和金属化合物とポリリン酸アンモニウム、メラミン系難燃剤、ポフェニレンオキシドを配合する方法、(4)デカブロモジフェニルエーテルを配合する方法が特許文献2〜5に記載されている。しかしながら、何れの方法においても外観改良は難しく、配合処方による発泡性と外観の両立はこれまで知られていなかった。
一方、良好な外観のゴム発泡体を得る方法として、EPDMに比べて格段に加硫速度が速いNBRやSBRといったジエン系ゴムを原料ゴムに用いて、表層面を素早く架橋することで、表面平滑性に優れる発泡体が得られる。しかしながら、ジエン系ゴムを用いた場合、耐熱性や耐オゾン性が悪く、さらに屋外使用が制約されるなどの問題からEPDMを原料ゴムとした外観に優れる被覆スポンジが強く望まれていた。
特開2007−204621 特開2001−288292 特開2002−128932 特開2002−293976 特開2007−211119
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、充分な高発泡性を有するゴム組成物、および該ゴム組成物を架橋発泡することで得られる高度な難燃性を有し、表面平滑性に優れる低比重ゴム成形体を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、メタロセン触媒を用いて特定のジエンを共重合することで得られるエチレン・α‐オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体を含み、規定の割合で難燃剤、充填材、軟化剤および発泡剤を含有するゴム組成物が、充分な発泡性を有し、該ゴム組成物から得られるゴム成形体が、高度な難燃性を有し、低比重かつ表面外観に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のゴム組成物は、以下のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体[I]、塩化ビニル系樹脂および/または難燃剤[II]、軟化剤[III]、および発泡剤を含み、[I] 、[II]および [III]の含有量は、式(ii)の関係式を満たし、かつ共重合体[I]100重量部に対して発泡剤を5〜50重量部含有することを特徴とする。
共重合体[I]:エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含む、メタロセン触媒を用いて合成される共重合体であって、
(1)炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、
(2)炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モル%であり、
(3)炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])が75/25〜99.5/0.5であり、
(4)100℃で測定されるムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜90であり、
(5)非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の見かけのヨウ素価(IV)が0.1〜3.0g/100gであり、
(6)下記式(i)を満たすことを特徴とする共重合体。
50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔KJ/mol〕>35 ・・・(i)
(塩化ビニル系樹脂および/または難燃剤[II])/(共重合体[I]+軟化剤[III]) ≧ 1.50 ・・・(ii)
前記炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]が5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)であり、前記炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]が5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)であることは、メタロセン触媒による重合性および架橋反応性の点で好ましい態様である。
前記の共重合体[I]が下記式(iii’)で表される構造を有する触媒を用いて合成されることは、生産性の点で好ましい態様である。
Figure 2011195656
式(III’)中、R'は、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、R"は、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子であり、Mはチタンであり、Yは、−NR*−であり、Z*は、−SiR* 2−であり、前記R*は、それぞれ独立に、水素原子または、炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、pおよびqのうち一方は0であり、他方は1であり、pが0かつqは1である場合には、Mは+2の酸化状態であり、X'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンであり、pが1かつqが0である場合には、Mは+3の酸化状態であり、Xは2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルである。
本発明の前記のゴム組成物を架橋発泡して得られる架橋発泡体は、比重が0.03〜0.3、好ましくは0.05〜0.28であり、発泡体の表面粗度が30μm以下、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下である難燃性架橋発泡体である。なお、「難燃性」とはUL94規格に基づくHBF試験で、HF-1のグレードに合格するレベルを意味する。
本発明のゴム組成物は、充分な高発泡性を有し、該ゴム組成物を架橋発泡させることにより、高度な難燃性を有し、表面平滑性に優れる低比重ゴム成形体を得ることができる。
該ゴム成形体は、難燃性を有し、表面平滑性に優れる低比重成形体であることから、配管、パイプ並びにチューブの断熱や破損防止のため使用されている被覆スポンジ、および自動車用シールスポンジに好適に用いることができる。
以下、本発明に係るゴム組成物およびゴム発泡体について具体的に説明する。
〔エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]〕
本発明の共重合体は、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含む、メタロセン触媒を用いて合成される共重合体であって、(1)炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、(2)炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モル%であり、(3)炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])が75/25〜99.5/0.5であり、(4)100℃で測定されるムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜90であり、(5)下記式(I)を満たすことを特徴とする。
50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔KJ/mol〕>35 ・・・(I)
なお、本明細書において、前記(1)〜(5)をそれぞれ、要件(1)〜(5)とも記す。 本発明の共重合体は、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]を単量体とし、該原料に由来する構造単位を有する共重合体である。
なお、本明細書において、エチレン[A]を成分[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]を成分[B]、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]を成分[C−1]、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]を成分[C−2]とも記す。
〔成分[B]〕
前記炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]としては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらのうち、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素原子数が3〜8のα−オレフィンが好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、かつ得られる共重合体が優れた機械的性質を示すことから好適である。
なお、本発明の共重合体は、少なくとも1種の炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
〔成分[C−1]〕
前記炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]としては、両末端がビニル基(CH2=CH−)である鎖状ポリエンは含まれず、1個の炭素・炭素二重結合が、分子末端にビニル基として存在し、他の炭素・炭素二重結合(C=C)は、分子鎖(主鎖、側鎖を含む)中に内部オレフィン構造の形で存在していることが好ましい。成分[C−1]としては、下記のような脂肪族ポリエン、脂環族ポリエンなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリエンの具体例としては、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘプタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-ノナジエン、1,8-デカジエン、1,12- テトラデカジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-エチル-1,4-ヘキサジエン、3,3-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘプタジエン、5-エチル-1,4-ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、5-エチル-1,5-ヘプタジエン、4-メチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,4-オクタジエン、4-エチル-1,4-オクタジエン、5-エチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,5-オクタジエン、6-メチル-1,5-オクタジエン、5-エチル-1,5-オクタジエン、6-エチル-1,5-オクタジエン、6-メチル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オクタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、4-メチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,4-ノナジエン、4-エチル-1,4-ノナジエン、5-エチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,5-ノナジエン、5-エチル-1,5-ノナジエン、6-エチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,7-ノナジエン、8-メチル-1,7-ノナジエン、7-エチル-1,7-ノナジエン、5-メチル-1,4-デカジエン、5-エチル-1,4-デカジエン、5-メチル-1,5-デカジエン、6-メチル-1,5-デカジエン、5-エチル-1,5-デカジエン、6-エチル-1,5-デカジエン、6-メチル-1,6-デカジエン、6-エチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、7-エチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,7-デカジエン、7-エチル-1,7-デカジエン、8-エチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,8-デカジエン、9-メチル-1,8-デカジエン、8-エチル-1,8-デカジエン、6-メチル-1,6-ウンデカジエン、9-メチル-1,8-ウンデカジエンなどが挙げられる。本発明においては、これらの脂肪族ポリエンを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは7-メチル-1,6-オクタジエンなどが用いられる。
前記脂環族ポリエンとしては、1個の炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、内部オレフィン結合(炭素・炭素二重結合)を有する鎖状部分とから構成されるポリエンがあげられ、具体例としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられ、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましく用いられる。その他の脂環族ポリエンとしては、具体的には、例えば、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエンなどが挙げられる。
なお、本発明の共重合体は、少なくとも1種の成分[C−1]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の成分[C−1]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
〔成分[C−2]〕
前記炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]の具体例としては、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5-アリル-2-ノルボルネン等の5-アルケニル-2-ノルボルネン;2,5-ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ-3,8-ジエン等の脂環族ポリエン;1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン等のα,ω-ジエン等などが挙げられる。
これらの中でも、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5-アルケニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5-ノルボルナジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエンが好ましく、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が特に好ましい。
なお、本発明の共重合体は、少なくとも1種の成分[C−2]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の成分[C−2]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
〔要件(1)〕
本発明の共重合体は、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、好ましくは25〜45モル%である。
成分[B]に由来する構造単位(モル%)が前記範囲にあると、本発明の共重合体を含むゴム組成物から得られる、架橋発泡体の柔軟性と低温における機械的特性との観点から好適である。
なお、前記モル比は、13C−NMRにより求めることができる。
〔要件(2)〕
本発明の共重合体は、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モル%である。前記モル%の合計は、好ましくは1.0〜5.0モル%である。
前記モル%の合計が前記範囲内にあると、加硫反応速度の制御を比較的容易に行うことが可能であるため好ましい。
なお、前記モル%の合計は、13C−NMRにより求まるENB、VNBのモル量を合計することにより求めることができる。
〔要件(3)〕
本発明の共重合体は、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])が75/25〜99.5/0.5である。前記成分[C−1]に由来する構造単位のモル%と成分[C−2]に由来する構造単位のモル%との比は、好ましくは78/22〜97/3である。
前記成分[C−1]に由来する構造単位のモル%と成分[C−2]に由来する構造単位のモル%との比が前記範囲内にあると、加硫反応性と発泡反応時のガス保持性のバランスに優れるため好ましい。
なお、前記成分[C−1]に由来する構造単位のモル%と成分[C−2]に由来する構造単位のモル%との比は、13C−NMRにより求めることができる。
以下に、本発明の共重合体であるエチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)から得られる共重合体を一例として取り上げ、要件(1)〜(3)を求める方法を具体的に示す。
なお、エチレン、プロピレンおよびENB共重合体の13C−NMRによるに構造(組成)解析は、C. J. Carman, R. A. Harrington, and C. E. Wilkes, Macromolecules, 10, p 536-544(1977)、Masahiro Kakugo, Yukio Naito, Kooji Mizunuma, and Tatsuya, Miyatake, Macromolecules, 15, p 1150-1152(1982)、およびG. Van der Velden, Macromolecules, 16, p 85-89(1983)に基づき、VNB系共重合体の構造解析は、Harri Lasarov, Tuula T. Pakkanen, Macromol. Rapid Commun., 20, p 356-360(1999)、およびHarri Lasarov*, Tuula T. Pakkanen, Macromol.Rapid Commun., 22, p 434-438(2001)に基づいて行った。
先ず、13C−NMRにより、エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBに由来するそれぞれのピークの積分値を求めた。
1)エチレン ;[エチレン連鎖由来ピークの積分値+{エチレン−プロピレン連鎖由来ピークの積分値}/2]
2)プロピレン;[プロピレン連鎖由来ピークの積分値+{エチレン−プロピレン連鎖由来ピークの積分値}/2]
3)ENB ;ENB−3位ピークの積分値
4)VNB ;VNB−7位ピークの積分値
本発明の共重合体におけるENBに由来する構造(E体、Z体)の化学式および、VNBに由来する構造(endo(n)、exo(x))の化学式を以下に示す。
Figure 2011195656
Figure 2011195656
得られた積分値比より、ENBおよびVNBに由来する構造単位のモル%を算出した。なお、重量%への変換はエチレンの分子量を28.05、プロピレンの分子量を42.08、ENBとVNBの分子量を120.2として行った。
〔要件(4)〕
本発明の共重合体は、100℃で測定されるムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜90である。前記ムーニー粘度は、10〜80であることが好ましい。
ムーニー粘度が前記範囲内にあると、発泡媒体となるゴムコンパウンド粘度を比較的容易に低く設定でき、混練性に優れる配合設計が可能となり好ましい。
なお、前記ムーニー粘度は、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300に準拠して測定することができる。
〔要件(5)〕
本発明の共重合体は、下記式(I)を満たし、好ましくは下記式(I’)を満たす。
50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔KJ/mol〕>35 ・・・(I)
50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔KJ/mol〕>37 ・・・(I’) 一般にポリマー溶融物の粘度は、流動学上の単純な液体の粘度のように、温度上昇に伴い減少し、高温(Tg;ガラス転移温度+100℃)では、粘度の温度依存性が、下記式(A)で表わされるアレニウス型の式に従うことが知られている。
粘度(ηo)=Aexp(Ea/RT) ・・・(A)
R;気体定数、A;頻度因子、Ea;流動の活性化エネルギー、T;絶対温度
上記流動の活性化エネルギーは分子量および分子量分布に依存せず、分子構造によってのみ影響を受けることからポリマーの構造情報を表す有用な指標とされる。
しかしながら、チーグラー触媒を用いて得られるオレフィン系ポリマーでは、精密な分子構造制御が困難であり、さまざまな構造情報が流動の活性化エネルギーに含まれて算出されていた。近年、メタロセン触媒の発見や製造技術の進歩により、分子量分布、短鎖分岐度、組成分布および長鎖分岐度まで制御することが可能になり、高密度ポリエチレン(LDPE)の流動の活性化エネルギーは約27kJ/mol、低密度ポリエチレン(LDPE)の流動の活性化エネルギーは約56kJ/molと報告されている。 ここでの流動の活性化エネルギーの差異は長鎖分岐に起因すると考えられているが、長鎖分岐の解析は、NMRや光散乱により評価する方法が知られているものの正確に検出することは困難であり、レオロジー特性に着目した研究が今も尚、盛んに行われている(参考文献1;山口 政之、成形加工、第20巻、第7号、400-404(2008)、参考文献2;F. J. Stadler、C. Gabriel、H. Munstedt、Macromolecular chemistry and Physics、208、2449-2454(2007))。
他方、EPDMでもメタロセン触媒を用いることで架橋サイトとして共重合するジエン成分の分布が均一化されることが報告されている(参考文献3;B. A. Harrington、M. G. Williams、Presented at a meeting of the Rubber Division、American Chemical Society October、14-17(2003))。
したがって、メタロセン触媒を用いることでEPDMの精密分子構造制御とともに架橋反応性の均一化が可能となり、流動の活性化エネルギーとゴム組成物や、架橋発泡体の物性との関係を把握し、高発泡領域で優れた機能を発現する構造領域を明示することが可能になった。
一般にエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)を含む組成物を架橋発泡成形することにより、架橋発泡体を調製するためには、該組成物の性状とともに、加硫反応および発泡反応を制御することが重要である。
例えば、該組成物の粘度が低すぎると発泡ガスの保持性が悪く、低比重化出来ず、さらに外観の悪化を引き起こす。他方、該組成物の粘度が高すぎると発泡されないこととなる。また、該組成物の粘度に影響を及ぼす因子の一つとして、EPDMの架橋反応によるネットワーク形成が挙げられ、架橋反応の制御もまた重要になる。
そこで従来は、該組成物の粘度を低くした条件下、発泡ガスの保持性を向上させるために、EPDMの分子量分布を広くなるように分子設計し、高分子量成分によってガス保持性を向上させる検討が行われてきた。他方、重合体中に長鎖分岐を導入することでガス保持性を向上される検討がポリエチレンでは良く知られているが、従来のチーグラー触媒を用いたEPDMでは、長鎖分岐の導入そのものが難しく、さらに、チーグラー触媒では、ジエン成分を重合体中に均一に導入することが難しく、架橋反応が偏在し、その結果充分な高発泡体を得ることが難しかった。
そこで、本発明の共重合体は、メタロセン触媒を用いて合成することにより、ジエン成分を重合体中に均一に導入し、架橋反応を制御するとともに、ジエン成分の一つとして、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)等の成分[C−2]を共重合することで、長鎖分岐をより多く導入し、その構造的特性を流動の活性化エネルギーにより特定した。流動の活性化エネルギーが上記式(I)を満たす、本発明の共重合体を含む組成物を架橋発泡することにより得られる本発明の架橋発泡体は、これまで達成が困難であった高発泡体の調製を容易かつ安定的に行うことが可能となった。また、本発明の共重合体を含む組成物により得られる架橋発泡体が、顕著に優れる表面平滑性を示すことを見出した。
本発明の共重合体の流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度‐時間重ね合わせの原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位;Pa・sec)の周波数(単位;Hz)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる。
すなわち、170℃および210℃それぞれの温度(T、単位;℃)における共重合体の溶融複素粘度‐周波数曲線(溶融複素粘度の単位;Pa/sec、周波数の単位;Hz)を、温度‐時間重ね合わせの原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度‐周波数曲線毎に、190℃での共重合体の溶融複素粘度‐周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により、[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求める。
ln(aT)=m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea=[0.008314×m] (II)
aT:シフトファクター、Ea:流動の活性化エネルギー(単位;kJ/mol)
T :温度(単位;℃)、n:切片
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)社製 RSI Orchestrator VER.6.6.3などが挙げられる。
なお、シフトファクター(aT)はそれぞれの温度(T)における溶融複素粘度‐周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸と溶融複素粘度、X軸を周波数とする)、190℃での溶融複素粘度−周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、それぞれの温度(T)における溶融複素粘度‐周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる、また、170℃、190℃および210℃の3点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
溶融複素粘度−周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、レオメトリック社製の粘弾性試験機(型式RDS−2))を用いて測定した。具体的には、試料として、共重合体を190℃でプレスして得た2mm厚のシートから、直径25mm×2mm厚の円盤状に成形したものを使用し、以下の条件で測定を行った。なお、データ処理ソフトとしてRSI Orchestrator VER.6.6.3(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)社製)を用いた。また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm)配合することが好ましい。
Geometry:パラレルプレート
測定温度:170℃、190℃、210℃
周波数:0.5〜79.577Hz
歪率:1.0%
上記条件で粘度の周波数依存性を測定し、上述したアレニウスプロットを導出することで流動の活性化エネルギーを算出した。 また、本発明の共重合体は、前記要件(1)〜(5)に加えて、以下の特徴を有するものであることが好ましい。
本発明の共重合体は、前記炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の見かけのヨウ素価(IV)が0.1〜3.0g/100gであることが好ましい。 前記成分[C−2]の見かけのヨウ素価は、好ましくは0.4〜3.0g/100g、より好ましくは0.5〜3.0g/100gである。
ヨウ素価を調整することにより、要件(5)を満たす流動の活性化エネルギーを有する共重合体を得ることができる。
前記成分[C−2]の見かけのヨウ素価が前記範囲内にあると、発泡性と混練安定性に優れるため好ましい。
なお、前記成分[C−2]の見かけのヨウ素価は、1H−NMRおよび13C−NMRにより求めることが出来る。
以下に、本発明の共重合体であるエチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)から得られる共重合体を一例として取り上げ、VNB(分子量120.2)に由来するみかけのヨウ素価を求める方法を具体的に示す。
先ず、先に示したように13C−NMRより共重合体ゴムに含まれる各構造単位の重量%を決定した。次いで1H−NMRスペクトルメーターより、ENBに由来するピークの積分値とVNBのビニル基に由来するピークの積分値を以下のように求めた。
1)〔ENBに由来するピークの積分値〕;(a)、{(4.7〜5.3ppm付近の複数ピークの合計)−2×(c)}
なお、4.7〜5.3ppm付近の複数ピークには(a)ピークと(b)ピークが合わせて検出されるため、上記式より(a)を算出する。
2)〔VNBのビニル基に由来するピークの積分値〕;(c)、5.5〜6.0ppm付近ピークの合計
なお、上記式1)、2)中、(a)(b)および(c)は、それぞれ下記式(X)、(Y)中の(a)、(b)および(c)を示す。)
Figure 2011195656
得られた積分値比を用いてVNB(分子量120.2)に由来するみかけのヨウ素価を以下の式より算出した。なお、ヨウ素の分子量は253.81である。
VNBに由来するみかけのヨウ素価=〔VNBのビニル基に由来するピークの積分値〕/〔ENBに由来するピークの積分値〕×〔13C−NMRスペクトルメーターより求めたENBの重量%〕×253.81/120.2
本発明の共重合体は、前述のようにメタロセン触媒を用いて合成される共重合体であるが、本発明においては、メタロセン触媒として、下記式(I)、(II)または(III)で表わされる触媒が好ましい。
式(I)で表される化合物について説明する。
Figure 2011195656
式(I)中、Rは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびこれらの組み合わせから選ばれる基または水素原子であり、該基が含有する水素以外の原子の数は20個以下である。
Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
Yは−O−、−S−、−NR*−または−PR*−である。
*は、水素原子、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、R*が水素でない場合には、R*は20個までの水素以外の原子を含有する。
Zは、ホウ素または14族元素を含有し、かつ、窒素、リン、硫黄または酸素を含有する2価の基であり、該2価の基が有する水素原子以外の原子の数は60個以下である。
Xは、Xが複数存在する場合にはそれぞれ独立に、原子の数が60個以下のアニオン性配位子である(ただし、π電子が非局在化した環状配位子を除く。)。
X’は、X’が複数存在する場合にはそれぞれ独立に、原子の数が20個以下の中性の連結化合物である。
pは0、1または2である。
qは0または1である。
ただし、pが2でqが0の場合、Mは+4の酸化状態にあり、Xはハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ(ヒドロカルビル)アミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド、ヒドロカルビルスルフィド、シリル基、これらのハロ置換誘導体、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換誘導体、ヒドロカルビルオキシ置換誘導体およびジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換誘導体から選ばれるアニオン性配位子であり、該Xの水素原子以外の原子の数は20個以下である。またpが1でqが0の場合、Mは+3の酸化状態にあり、Xはアリル、2−(N,N’−ジメチルアミノメチル)フェニルおよび2−(N,N’−ジメチル)アミノベンジルから選ばれるアニオン性安定化配位子であるか、あるいはMが+4の酸化状態にあって、Xが2価共役ジエン誘導体でMとメタラシクロペンテンを形成する。またpが0でqが1の場合、Mは+2の酸化状態にあり、X’は1以上のヒドロカルビル基で置換されてもよい中性の共役もしくは非共役ジエンで、かつ、炭素原子を40個以下の数で含有しMとπ錯体を形成する。
式(II)で表される化合物について説明する。
Figure 2011195656
式(II)中、R1およびR2は、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、R1およびR2の少なくとも1つは水素原子ではない。
3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基である。
また、R1〜R6は互いに結合して環を形成してもよい。
Mはチタンである。
Yは−O−、−S−、−NR*−または−PR*−である。
*はSiR* 2、CR* 2、SiR* 2SiR* 2、CR* 2CR* 2、CR*=CR*、CR* 2SiR* 2またはGeR* 2である。
*は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、R*が水素でない場合には、R*は20個までの水素以外の原子を含有する。Z*に結合する2つのR*(R*が水素でない場合)は環を形成してもよいし、Z*に結合するR*とYに結合するR*が環を形成してもよい。
pは0、1または2である。
qは0または1である。
ただし、pが2の場合、qは0であり、Mは+4の酸化状態にあり、Xはそれぞれ独立にメチル基またはベンジル基である。またpが1の場合、qは0であり、Mは+3の酸化状態にあり、Xは2−(N、N’−ジメチル)アミノベンジル基であるか、あるいはqは0であり、Mは+4の酸化状態にあり、Xは1,3−ブタジエニルである。またpが0の場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態にあり、Xは1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエンまたは1,3−ペンタジエンである。
式(III)で表される化合物について説明する。
Figure 2011195656
式(III)中、R'は、水素原子、ヒドロカルビル基、ジ(ヒドロカルビルアミノ)基、またはヒドロカルビレンアミノ基であり、前記R'が炭素原子を有する場合の炭素数は20以下である。
式(III)中、R"は、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子である。
式(III)中、Mはチタンである。
式(III)中、Yは、−O−、−S−、−NR*−、−PR*−、−NR2 *、または−PR2 *である。
式(III)中、Z*は、−SiR* 2−、−CR* 2−、−SiR* 2SiR* 2−、−CR* 2CR* 2−、−CR*=CR*−、−CR* 2SiR* 2−、または−GeR* 2−である。
前記R*は、複数存在する場合にはそれぞれ独立に、水素原子または、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、およびハロゲン化アリールからなる群から選択される少なくとも1種を含む基であり、前記R*は原子番号2〜20までの原子を含み、任意にZ*が有する2つのR*(R*が水素原子でない場合)が環を形成してもよく、Z*のR*とYのR*とが環を形成してもよい。
式(III)中、Xは、π電子が非局在化した環状配位子を除く、原子数60以下の一価のアニオン性配位子である。X'は、原子数20以下の中性の連結基である。X"は、原子数60以下の二価のアニオン性配位子である。pは、0、1または2である。qは、0または1である。rは、0または1である。
pが2の場合、qおよびrは0であり、Mは+4の酸化状態(但し、Yが−NR* 2または−PR* 2である場合を除く)、またはMは+3の酸化状態(但し、Yが−NR* 2または−PR* 2である)であり、Xはハライド基、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ジ(ヒドロカルビル)アミド基、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、およびシリル基、ならびに、これらの基がハロゲン置換された基、これらの基がジ(ヒドロカルビル)アミノ置換された基、これらの基がヒドロカルビルオキシ置換された基およびこれらの基がジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換された基よりなる群から選択されるアニオン性配位子であり、前記基は原子番号2〜30までの原子を含む。
rが1の場合、pおよびqは0であり、Mは+4の酸化状態であり、X"はヒドロカルバジル基、オキシヒドロカルビル基、およびヒドロカルビレンジオキシ基よりなる群から選択されるジアニオン性配位子であり、前記X"は原子番号2〜30までの原子を有する。pが1の場合、qおよびrは0であり、Mは+3の酸化状態であり、Xは、アリル、2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル、および2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルよりなる群から選択されるアニオン性安定化配位子である。pおよびrが0の場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態であり、X'は、任意に1以上のヒドロカルビル基で置換された、中性の共役ジエンまたは中性のジ共役ジエンであり、前記X'は炭素の原子数が40以下であり、Mとπ−π相互作用による結合を形成する。
より好ましい態様としては、式(III)中、pが2であり、qおよびrが0である場合、Mは+4の酸化状態であり、Xは、各々独立に、メチル、ベンジル、またはハライドであり、pおよびqが0である場合、rは1であり、Mは+4の酸化状態であり、X"は、Mとメタラシクロペンテン環を形成する1,4−ブタジエニル基であり、pが1である場合、qおよびrは0であり、Mは+3の酸化状態であり、Xは、2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルであり、pおよびrが0である場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態であり、X'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンである。
式(III)の中でも下記式(III’)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2011195656
上記式(III’)中、R'が水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、R"は、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子であり、Mはチタンであり、Yは、−NR*−であり、Z*は、−SiR* 2−であり、前記R*は、それぞれ独立に、水素原子または、炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、pおよびqのうち一方は0であり、他方は1であり、pが0かつqは1である場合には、Mは+2の酸化状態であり、X'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンであり、pが1かつqが0である場合には、Mは+3の酸化状態であり、Xは2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルである。
炭素数1〜20のヒドロカルビル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基などの直鎖状アルキル基、t-ブチル基、ネオペンチル基などの分岐状アルキル基が挙げられ、ヒドロカルビルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基などの直鎖状アルキルオキシ基、t-ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基などの分岐状アルキルオキシ基が挙げられ、ハロゲン化アルキル基としては、前記の直鎖状アルキル基や分岐状アルキル基をクロル化、臭素化、フッ素化したものが挙げられる。またはハロゲン化アリール基として、クロル化フェニル基、クロル化ナフチル基などが挙げられる。
上記式(III’)中、R"が水素原子またはメチルであるのが好ましく、メチルである場合が好ましい。
特に好ましい触媒は、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)2,4−ヘキサジエン(IV)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シラン−チタニウム(IV)ジメチル(V)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2,3−ジメチルインデニル)シランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(VI)、(t−ブチル−アミド)−ジメチル(η5−2,3−ジメチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(IV)ジメチル(VII)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン(VIII)である。
その中でも、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン(VIII)が特に好ましい。
Figure 2011195656
Figure 2011195656
特に上記式(VIII)で表される構造を有する触媒を用いると、本発明の共重合体を得るための重合反応が、非共役ポリエン(成分[C−1]および成分[C−2])の共重合体性に優れ、例えばVNB末端の二重結合を効率よく取り込み、長鎖分岐を高い割合で導入することができる。また、得られる共重合体の分子量分布と組成分布が狭く、非常に均一な分子構造を有する共重合体を調製することができるため、長鎖分岐生成に伴い懸念される、ゴム成形体表面のゲル状ブツの形成が顕著に抑制される。その結果、このような共重合体を含んでなるゴム成形体は、ゲル状ブツを含まないためにその表面外観に優れ、また形状保持性に優れるため生産安定性も良好である。
これらの触媒は、周知の合成手法を用いて調製することができる。例えば国際公開WO98/49212に開示されている。
<共重合体の製造方法>
本発明の共重合体を合成する際には、メタロセン触媒、好ましくは上記に例示される構造を有する触媒を用いる。より詳しくは、上記触媒を主触媒とし、共触媒としてホウ素系化合物および/またはトリアルキル化合物等の有機アルミニウム化合物を用い、ヘキサン等の脂肪族炭化水素を溶媒とし、攪拌機つき反応器による連続法またはバッチ法が挙げられる。
ホウ素系化合物としては、例えばトリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムn−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、及びN,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;ジアルキルアンモニウム塩、例えば、ジ−(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、及びジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;三置換されたホスホニウム塩、例えば、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(o−トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;二置換されたオキソニウム塩、例えば、ジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ−(o−トリル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びジ(2,6−ジメチルフェニル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;二置換されたスルホニウム塩、例えば、ジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(o−トリル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、及びビス(2,6−ジメチルフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、トリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」ともいう。)が例示される。反応温度は、高温でも触媒が失活しないので100℃まで上げることができる。重合圧力は、0を超えて〜8MPa(ゲージ圧)、好ましくは0を超えて〜5MPa(ゲージ圧)の範囲である。また、反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常0.5分間〜5時間、好ましくは10分間〜3時間である。さらに、共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
エチレン[A]と上記α−オレフィン[B]とのモル(仕込み)比([A]/[B])は、25/75〜80/20、好ましくは30/70〜70/30である。
上記非共役ポリエン[C−1]と上記非共役ポリエン[C−2]とのモル(仕込み)比([C−1]/[C−2])は、60/40〜99.5/0.5、好ましくは65/35〜99/1である。
エチレン[A]と該非共役ポリエン[C−1]とのモル(仕込み)比([A]/[C−1])は、70/30〜99/1、好ましくは80/20〜98/2である。
エチレン[A]と該非共役ポリエン[C−2]とのモル(仕込み)比([A]/[C−2])は、70/30〜99.9/0.1、好ましくは80/20〜99.5/0.5である。
上記触媒を用いて重合することによって、二重結合を有する非共役ポリエン等が高い転化率で共重合され、得られる共重合体に適量の長鎖分岐を導入することができるので好ましい。
このようにして得られる本発明の共重合体は、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、好ましくは25〜45モル%である。また、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モル%であり、より好ましくは1.0〜5.0モル%である。炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])は、75/25〜99.5/0.5、好ましくは78/22〜97/3である。
上記触媒を用いて重合することによって、二重結合を有する非共役ポリエン等が高い転化率で共重合され、得られる共重合体に適量の長鎖分岐を導入することができるので好ましい。
<ゴム組成物>
本発明のゴム組成物は、前記共重合体[I]、塩化ビニル系樹脂および/または難燃剤[II]、軟化剤[III]、および発泡剤を含有し、[I] 、[II]および [III]の含有量は、式(ii)の関係式を満たし、かつ[I]100重量部に対して発泡剤を5〜50重量部、好ましくは 8〜40重量部含有する。
(塩化ビニル系樹脂および/または難燃剤[II])/(共重合体[I]+軟化剤[III])≧1.50 ・・・(ii)
好ましくは、
(塩化ビニル系樹脂および/または難燃剤[II])/(共重合体[I]+軟化剤[III])≧1.7である。
式(ii)の上限は2.8以下が好ましく、さらに好ましくは2.5以下である。
上記範囲にあると良好な混練加工性を示すとともに、塩化ビニル系樹脂および/または難燃剤が有効に機能することで優れた難燃性を発現する効果がある。
また、本発明のゴム組成物は、ポリオレフィン樹脂を含んでいてもよい。本発明のゴム組成物に、ポリオレフィン樹脂が含まれると、本発明の組成物を発泡する際に、ポリオレフィン樹脂が溶融し、発泡倍率の大きな架橋発泡体を得ることができるため好ましい。
前記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンおよびエチレン-αオレフィン共重合体等があげられ、中でもポリエチレンとエチレン-αオレフィン共重合体が好ましい。本発明のゴム組成物にポリオレフィン樹脂が含まれる場合には、前記共重合体100重量部に対して、ポリオレフィン樹脂を5〜60重量部含むことが好ましい。ポリオレフィン樹脂としては、例えば市販されている、ミラソン27(ポリエチレン)、タフマー(エチレン−ブテン共重合体)等を用いることができる。
本発明のゴム組成物には、前記共重合体、発泡剤、ポリオレフィン樹脂以外の他の成分が含まれていてもよい。
他の成分としては、例えば、発泡助剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤、補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、活性剤、吸湿剤等の種々の添加剤が挙げられる。また、本発明の共重合体以外のゴム成分を配合することもできる。本発明のゴム組成物全体における前記共重合体(I)の含有量は、好ましくは20重量%以上である。
本発明のゴム組成物は、本発明の共重合体とその他の成分を、例えば、ミキサー、ニーダー、ロール等の従来知られる混練機を用いて所定の温度で混練することにより製造することができる。本発明のゴム組成物の製造方法の具体例としては、溶媒の存在下で、前記共重合体と、その他の成分とを押出機によりアロイ化することにより得られる。本発明の共重合体は、混練性に優れているので、このゴム組成物の製造を良好に行うことができる。
〔塩化ビニル系樹脂〕
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと該塩化ビニルと共重合体可能な重合性モノマーとの共重合体、重合体に塩化ビニルをグラフト重合したグラフト重合体およびこれらの後塩素化物等が挙げられ、単独で使用されてもよく、二種以上が併用されてもよい。
上記重合性モノマーとしては、塩化ビニルと共重合可能なものであれば特に制限はなく、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等のα−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;ブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類等が挙げられる。
上記共重合体としては、エチレン-塩化ビニル共重合体が好ましく、その組成比はエチレン含有量が多くなると、難燃性及び耐熱性が低下するので、エチレンと塩化ビニルの重量比は1:99〜10:90が好ましく、より好ましくは4:96〜8:92である。
上記塩化ビニルをグラフト重合する重合体としては、塩化ビニルをグラフト重合させることが可能なものであれば特に制限はなく、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル-一酸化炭素共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-エチルアクリレート-一酸化炭素共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。
上記塩化ビニルをグラフト重合する重合体としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体が好ましく、その重合体中、塩化ビニル含有量が多くなると耐衝撃性及び成形性が低下し、エチレン及び酢酸ビニル含有量が多くなると難燃性及び耐熱性が低下するので、エチレン、酢酸ビニルル、塩化ビニルの重量比(エチレン:酢酸ビニル:塩化ビニル)は、2:1:97 〜 25:20:55が好ましく、より好ましくは5:2:93 〜 10:6:84である。
塩化ビニル系樹脂の塩素含有量は、少なくなると難燃性及び耐熱性が低下し、多くなると成形性が低下するので、50〜73重量%の範囲で使用され、好ましくは56〜71重量%である。
塩化ビニル系樹脂の配合量は、共重合体〔I〕100重量部に対して20〜100重量部、好ましくは30〜80重量部である。これらの配合量が上記範囲内であると、得られる架橋発泡体の難燃性(自己消化性)に優れ、良好な成形加工性を示す。
〔難燃剤〕
難燃性としては、トリフェニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニル)フォスフェート、芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム等のリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、スズ酸亜鉛、シリコーン化合物、ホスファゼン化合物等の無機系難燃剤などが用いられる。
難燃剤の配合量は、共重合体〔I〕100重量部に対して80〜260重量部、好ましくは100〜250重量部である。これらの配合量が上記範囲内であると、得られる架橋発泡体の難燃性に優れ、良好な成形加工性を示す。
〔軟化剤〕
軟化剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合しても用いることができる。軟化剤の具体例としては、プロセスオイル(例えば、「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名;出光興産株式会社製)など)、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、およびワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、およびコールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、およびヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ、およびラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、およびラウリン酸亜鉛等の脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油、およびロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、およびクマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、およびジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油、トール油、およびサブ(ファクチス)などが挙げられる。なかでも、石油系軟化剤が好ましく、特にプロセスオイルが好ましい。
軟化剤の配合量は、共重合体〔I〕100重量部に対して5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは10〜90重量部である。これらの配合量が上記範囲内であると、良好な成形加工性を示し、得られる架橋発泡体の柔軟性に優れる。
〔発泡剤〕
本発明のゴム組成物が含んでいてもよい前記発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等の無機系発泡剤;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N'−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド等のアジド化合物などの有機発泡剤が挙げられる。
発泡剤の配合量は、共重合体〔I〕100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは
7〜40重量部である。発泡剤としては、例えば市販されている、ビニホールAC#LQ(商品名;永和化成工業株式会社 アゾジカルボンアミド(略号ADCA))、ネオセルボンN#1000SW(商品名;永和化成工業株式会社 4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(略号OBSH))、セルラーD(商品名;永和化成工業株式会社 N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(略号DPT))
等を用いることができる。
〔発泡助剤〕
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、発泡剤とともに発泡助剤が含まれていてもよい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの作用を示す。このような発泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸、クエン酸などの有機酸やその塩、尿素またはその誘導体等が挙げられる。
発泡助剤の配合量は、前記共重合体100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。発泡助剤としては、例えば市販されている、セルペーストK5(商品名;永和化成工業株式会社 尿素)、FE−507(商品名;永和化成工業株式会社 重曹)等を用いることができる。
〔加硫剤(架橋剤)〕
加硫剤(架橋剤)としては、イオウ系化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂、オキシム化合物等を用いることができる。
イオウ系化合物としては、イオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレン等を例示できる。イオウ系化合物としては、イオウ、テトラメチルチウラムジスルフィドが好ましく、前記共重合体100重量部に対して、通常0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部、さらに好ましくは0.7〜4.0重量部配合することができる。これらの配合量が上記範囲内であると、得られる架橋発泡体の表面へのブルームがなく、優れた架橋特性を示すので好適である。
上記有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメエチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ジブチルヒドロペルオキシド等を例示できる。これらのうち、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
有機過酸化物の配合量は、共重合体100gに対して、通常0.001〜0.05モル、好ましくは0.002〜0.02モル、さらに好ましくは0.005〜0.015モルである。有機過酸化物の配合量が上記範囲内であると、得られる架橋発泡体の表面へのブルームなく優れた架橋特性を示すので好適である。
〔加硫促進剤〕
加硫剤としてイオウ系化合物を使用する場合には、加硫促進剤の併用が好ましい。加硫促進剤としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−
2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、「サンセラーM」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、「ノクセラーMDB−P」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、アルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系;ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオウレア系;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等のチウラム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、「サンセラーPZ」(商品名;三新化学工業株式会社製)、「サンセラーBZ」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系;エチレンチオ尿素(例えば、「サンセラーBUR」(商品名;三新化学工業株式会社製)、「サンセラー22−C」(商品名;三新化学工業株式会社製)など)、N,N’−ジエチルチオ尿素等のチオウレア系;ジブチルキサトゲン酸亜鉛等のザンテート系;その他亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)等が挙げられる。
これらの加硫促進剤の配合量は、前記共重合体100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部である。加硫促進剤の配合量が上記範囲内であると、得られる架橋発泡体の表面へのブルームなく、優れた架橋特性を示すので好適である。
〔加硫助剤〕
加硫助剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。加硫助剤の具体的例としては、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。その配合量は、通常、共重合体100重量部に対して、1〜20重量部である。加硫助剤としては、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系;その他マレイミド系;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
〔補強剤および無機充填剤〕
本発明のゴム組成物においては、ゴム組成物の引張強度、引裂強度、耐摩耗性等の機械的性質を向上するために、補強剤を配合してもよい。補強剤として、具体的には、市販されている「旭#55G」および「旭#50HG」(商品名;旭カーボン株式会社製)、「シースト(商品名)」シリーズ:SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック(東海カーボン株式会社製)、これらカーボンブラックをシランカップリング剤等で表面処理したもの、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸等を用いることができる。これらのうち、「旭#55G」、「旭#50HG」、「シーストHAF」のカーボンブラックが好ましい。また、無機充填剤としては軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー等を用いることができる。これらのうち、重質炭酸カルシウムが好ましい。重質炭酸カルシウムとして、市販されている「ホワイトンSB」(商品名;白石カルシウム株式会社)等を用いることができる。
補強剤および/または無機充填剤の配合量は、前記共重合体100重量部に対し、通常30〜200重量部、好ましくは50〜180重量部、さらに好ましくは70〜160重量部である。配合量が上記範囲内であると、ゴム組成物の混練加工性、得られるゴム成形体の機械的性質(例えば、強度、柔軟性など)および圧縮永久歪みに優れるため好ましい。
〔老化防止剤(安定剤)〕
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を使用することにより、製品寿命を長くすることが可能である点は通常のゴム組成物と同様であり、従来公知の老化防止剤、例えばアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤等を用いることができる。
老化防止剤としては、具体的には、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−pフェニレンジアミン等の芳香族第2アミン系老化防止剤、ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン等のフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系老化防止剤等が挙げられる。
これらの老化防止剤は、単独であるいは2種以上の組み合わせで用いることができ、このような老化防止剤の配合量は、ゴム組成物100重量部に対して、通常0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜7.0重量部、さらに好ましくは0.7〜5.0重量部である。老化防止剤の配合量が上記範囲内であると、得られるゴム組成物の表面のブルームがなく、さらに加硫阻害が発生しないことから好適である。
〔加工助剤〕
加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類等が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。加工助剤は、前記共重合体100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは8.0重量部以下、さらに好ましくは5.0重量部以下の量で適宜配合することができる。加工助剤の配合量が上記範囲内であると、得られるゴム組成物の表面のブルームがなく、さらに加硫阻害が発生しないことから好適である。
〔活性剤〕
本発明において、必要に応じ使用される活性剤はその用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。活性剤の具体的な例としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン、「アクチングB」(商品名;吉冨製薬株式会社製)、「アクチングSL」(商品名;吉冨製薬株式会社製)などのアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、「PEG#4000」(ライオン株式会社製))、レシチン、トリアリレートメリテート、脂肪族および芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(例えば、「Struktol activator 73」、「Struktol IB 531」および「Struktol FA541」(商品名;Schill & Seilacher社製))などの活性剤;「ZEONET ZP」(商品名;日本ゼオン株式会社製)などの過酸化亜鉛調整物;クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物(例えば、「アーカード2HF」(商品名;ライオン・アクゾ株式会社製))などが挙げられる。これらのうち、ポリエチレングリコール(例えば、「PEG#4000」(ライオン株式会社製))、「アーカード2HF」が好ましい。活性剤の配合量は、共重合体100重量部に対して、0.2〜10重量部、好ましくは0.3〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜4重量部である。
〔吸湿剤〕
本発明において、必要に応じ用いられる吸湿剤はその用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。活性剤の具体的な例としては、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボン等が挙げられる。これらのうち、酸化カルシウムが好ましい。吸湿剤の配合量は、共重合体100重量部に対して、0.5〜15重量部、好ましくは1.0〜12重量部、さらに好ましくは1.0〜10重量部である。
その他、通常ゴム組成物に使用される添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲内で任意に使用することができる。
<架橋ゴム>
本発明の架橋ゴムは、上記ゴム組成物を架橋してなることを特徴とするものである。ゴム組成物を架橋させる方法としては例えば、以下の2つの方法が挙げられる。一つ目の方法としては、(i)前記加硫剤を配合したゴム組成物を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)等の加熱形態の加熱槽等種々の成形法によって所望形状に予備成形し、予備成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱する方法であり、二つ目の方法としては(ii)本発明のゴム組成物を上記成形法によって予備成形し、電子線を照射する方法である。
(i)の場合、前記加硫剤を用い、必要に応じて前記加硫促進剤および/または前記加硫助剤も併用することができる。また、加熱する際の温度としては、一般的に140〜300℃、好ましくは150〜270℃、さらに好ましくは150〜250℃で、0.5〜30分間、好ましくは0.5〜20分間、さらに好ましくは0.5〜15分間加熱することが望ましい。
上記ゴム組成物を成形および加硫する際には、金型を用いてもよく、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。
(ii)本発明のゴム組成物を上記成形法によって予備成形し、電子線を照射する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1〜10MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜20Mrad、さらに好ましくは1〜10Mradになるように照射すればよい。
<架橋発泡体>
本発明の架橋発泡体は、上記ゴム組成物を架橋発泡成形して得られる架橋発泡体であって、比重が0.03〜0.3であり、発泡体の表面粗度が30μm以下であることを特徴とする。
上記ゴム組成物を架橋発泡成形するためには、通常発泡剤を含むゴム組成物を用い、架橋および発泡を行う。架橋発泡成形の一例としては、ゴム組成物を、チューブ状ダイス(内径/外径 4/11 Φmm)を装着した60φmm押出機を用いてダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件で押出し、チューブ状に成形し、成型体を得て、この成形体を成形と同時に加硫槽内に導入し、180℃の温度で10分間加熱することで、架橋および発泡を行い、チューブ状スポンジを得る方法が挙げられる。
本発明の架橋発泡体は、発泡倍率が大きいため比重が小さく、良好な表面平滑性を示すことから、本発明の架橋発泡体からなる被覆スポンジ材、高発泡スポンジ材、断熱スポンジ等は軽量かつ柔軟であり好ましい。
また本発明の架橋発泡体は、例えば、配管、パイプ並びにチューブの被覆スポンジ、および自動車用シールスポンジなどに好適に用いられる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
得られた共重合体の各物性は、以下に従い測定した。
〔炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位のモル量、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%、および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%〕
13C−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
〔炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の見かけのヨウ素価(IV)〕
1H−NMRスペクトルメーターおよび13C−NMRスペクトルメーターにより求めた。
〔ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]〕
ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300に準拠して測定した。
〔流動の活性化エネルギー(Ea)〕
170℃および210℃それぞれの温度(T、単位;℃)における共重合体の溶融複素粘度‐周波数曲線(溶融複素粘度の単位;Pa/sec、周波数の単位;Hz)を、温度‐時間重ね合わせの原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度‐周波数曲線毎に、190℃での共重合体の溶融複素粘度‐周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により、[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出した。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求めた。
ln(aT)=m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea=[0.008314×m] (II)
aT:シフトファクター、Ea:流動の活性化エネルギー(単位;kJ/mol)
T :温度(単位;℃)、n:切片
上記計算は、市販の計算ソフトウェア(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)社製 RSI Orchestrator VER.6.6.3)を用いて行った。
なお、シフトファクター(aT)はそれぞれの温度(T)における溶融複素粘度‐周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸と溶融複素粘度、X軸を周波数とする)、190℃での溶融複素粘度−周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、それぞれの温度(T)における溶融複素粘度‐周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる、また、170℃、190℃および210℃の3点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常0.99以上である。
前記溶融複素粘度−周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(レオメトリック社製の粘弾性試験機(型式RDS−2))を用いて測定した。具体的には、試料として、共重合体を190℃でプレスして得た2mm厚のシートから、直径25mm×2mm厚の円盤状に成形したものを使用し、以下の条件で測定を行った。なお、データ処理ソフトとしてRSI Orchestrator VER.6.6.3(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)社製)を用いた。また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm)を配合することが好ましい。
Geometry:パラレルプレート
測定温度:170℃、190℃、210℃
周波数:0.5〜79.577Hz
歪率:1.0%
上記条件で粘度の周波数依存性を測定し、上述したアレニウスプロットを導出することで流動の活性化エネルギーを算出した。
〔難燃性〕
UL94規格に基づくHBF難燃性試験を行い、HF−1のグレードに適合するか否かを評価した。
〔EPDM−1〕
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて連続的に、成分[A]:エチレン、成分[B]:プロピレン、成分[C−1]:5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および成分[C−2]:5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)からなる四元共重合体の重合反応を95℃にて行った。
重合溶媒としてはヘキサン(フィード量41Kg/h)を用いて、エチレンフィード量を5.3Kg/h、プロピレンフィード量を5.6Kg/h、ENBフィード量を900g/h、VNBフィード量を90g/hとして重合器に連続供給した。重合圧力を1.5MPaに保ちながら主触媒として、上記式(VIII)で表される構造を有する触媒である(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエンを用いて、0.05mmol/hとなるよう重合器に連続的に供給した。また、共触媒として(C65)3CB(C65)4を0.25mmol/h、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」ともいう。)を15mmol/hとなるように、それぞれを重合器に連続的に供給した。
このようにして、エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBからなる共重合体を、16.6重量%含む重合液を得た。重合器下部から抜き出した重合液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にて重合体を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。得られた共重合体の物性を表1に示す。
〔EPDM−2〕
エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBのフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で合成した。得られた共重合体の物性を表1に示す。
〔EPDM−3〕
エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBのフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で合成した。得られた共重合体の物性を表1に示す。
〔EPDM−4〕
エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBのフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で合成した。得られた共重合体の物性を表1に示す。
〔EPDM−5〕
エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBのフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で合成した。得られた共重合体の物性を表1に示す。
〔EPDM−6〕
エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBのフィード量を変更した以外は実施例1と同様の条件で合成した。得られた共重合体の物性を表1に示す。
〔EPDM−7〕
エチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン三元共重合体〔商品名:エスプレン505A(商標)、住友化学(株)製、エチレン含量54wt%、ジエン含量9.5wt%、ML1+4(100℃)47、流動の活性化エネルギー 32.6 KJ/mol〕
〔参考例;NBR〕
アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)〔商品名:NIPOL3350(商標)、日本ゼオン(株)製、結合アクリロニトリル量33.0%、ML1+4(100℃)50〕
Figure 2011195656
以下、ゴム組成物の各物性の測定方法を示す。
〔最低粘度(Vm)およびスコーチ時間(t5)〕
未加硫ゴムの物性試験はJIS K6300に準拠して行なった。具体的には、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、125℃において、ムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度(Vm)を求め、さらにその最低粘度Vmより5ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間(t5、min)とした。
〔比重〕
チューブ状スポンジの上部を20mm×20mmの試験片で打ち抜き、表面の汚れをアルコールで拭き取った。この試験片を25℃雰囲気下で自動比重計(東洋精機製作所製:M−1型)に取り付け、空気中と純水中の質量の差から比重測定を行った。
〔表面平滑性評価〕
チューブ状スポンジの表面粗度は、触針式表面粗度測定器を用いて、チューブ状スポンジの上面の凹凸を数値化して表した。実際には、スポンジを長さ50mmに切断し、抜き取り部分のうちで「最高から10番目までの凸部分の高さの総和(h1)」から、「最低から10番目までの凹部分の高さの総和(h2)」を差し引いた値(h1−h2)を10で除した値を、チューブ状スポンジの表面粗度(μm)とした。
〔耐オゾン性〕
厚さ2mmの加硫ゴムシートについて、JISK6259(2001年)に準拠して、オゾン濃度50pphm、測定温度40℃、伸長率(動的伸長)0→25%、周波数1Hzの条件で動的耐オゾン性試験を行い、試験開始かた72時間後のクラックの発生状態を観察し、評価を行った。クラックの発生状態は、[1]亀裂の数と[2]亀裂の大きさ及び深さを次の評価基準で判定し、[1]と[2]とを組み合わせて記録した。なお、表中の「NC」とは、亀裂が確認できなかったことを示す。
[1]亀裂の数
A):亀裂少数、B):亀裂多数、C):亀裂無数
[2]亀裂の大きさおよび深さ
1):肉眼では見えないが10倍の拡大鏡では確認できるもの
2):肉眼で各二人できるもの
3):亀裂が深く比較的大きいもの(1mm未満)
4):亀裂が深く大きいもの(1mm以上3mm未満)
5):3mm以上の亀裂または切断を起こしそうなもの
〔難燃性〕
UL94規格に基づくHBF難燃性試験を行い、HF−1のグレードに適合するか否かを評価した。
〔参考例〕
参考例記載のゴム組成物およびスポンジ(架橋発泡体)は、次のような製造方法によって得た。
まず、参考例のゴム組成物における加硫および発泡する前のゴム組成物は、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、NBR〔商品名:NIPOL3350(商標)、日本ゼオン(株)製、結合アクリロニトリル量33.0%、ML1+4(100℃)50〕100重量部に対して、塩化ビニル系樹脂として「リューロン810(商品名;東ソー株式会社)を40重量部、加硫助剤として「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)を5重量部、加工助剤としてステアリン酸を1重量部、難燃剤として「ハイジライトH42M」(商品名;昭和電工株式会社製)を50重量部および「TCP」(商品名;大八化学工業株式会社製)を10重量部、「三酸化アンチモン」(商品名;日本精鉱株式会社製)を10重量部、補強剤として「旭#50G」(商品名;旭カーボン株式会社製)を30重量部、軟化剤として「DOP」(商品名;大八化学工業株式会社製)を15重量部、滑剤として「カオーワックスEB」(商品名;花王株式会社製)を1重量部および「レオドールSP−S10V8」(商品名;花王株式会社製)を1重量部混練した。
混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は126℃であった。
次いで、上記配合物が温度40℃となったことを確認した後、14インチロールを用いて上記配合物に加硫促進剤として「サンセラーM」(商品名;三新化学工業株式会社製)を0.5重量部、加硫促進剤として「サンセラーCM」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.0重量部、加硫促進剤として「サンセラーTT」(商品名;三新化学工業株式会社製)を0.5重量部、加硫剤としてイオウ1.0重量部を混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=65℃/50℃、ロール回転数を前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm、ロール間隙を5mmとして混練時間8分間で分出し、配合物−1を調製した。この配合物−1からプレス成形機を用いて160℃で10分間加硫を行って、厚み2mmのゴムシートを調製した。得られた加硫物について、耐オゾン試験を上記方法にて行った。結果を表2に示す。また、この配合物−1に発泡剤として「ネオスレンHM804A」(商品名;永和化成工業株式会社)を31.25重量部、発泡助剤として「セルペーストK5」(商品名;永和化成工業株式会社)を2.0重量部および吸湿剤として「ベスタ18」(商品名;井上石灰工業株式会社)を混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=80℃/80℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm、ロール間隙を5mmとして混練時間15分間で分出し、配合物−2を調製した。このゴム配合物−2をチューブ状ダイス(内径/外径 4/11 Φmm)に装着した60φmm押出機を用いてダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件で押出し、チューブ平板状に成形した。この成形体を成形と同時に加硫槽内に導入し、180℃の温度で10分間加熱することで、架橋反応および発泡反応を行い、チューブ状スポンジを得た。得られたチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔実施例1〕
本発明のゴム組成物およびスポンジ(架橋発泡体)は、次のような製造方法によって得た。
まず、本発明のゴム組成物における加硫および発泡する前のゴム組成物は、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、共重合体(EPDM−1のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体)100重量部に対して、塩化ビニル系樹脂として「リューロン810(商品名;東ソー株式会社)を50重量部、加硫助剤として「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)を8重量部、加工助剤としてステアリン酸を2重量部、活性剤として「PEG#4000」(商品名;ポリエチレングリコール、ライオン株式会社製)を1重量部、難燃剤として水酸化アルミニウム「ハイジライトH42M」(商品名;昭和電工株式会社製)を160重量部およびリン系難燃剤「TCP」(商品名;大八化学工業株式会社製)を10重量部、補強剤として「旭#50G」(商品名;旭カーボン株式会社製)を20重量部、軟化剤として「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名;出光興産株式会社製)を20重量部、滑剤として「カオーワックスEB」(商品名;花王株式会社製)を1重量部および「レオドールSP−S10V8」(商品名;花王株式会社製)を1重量部混練した。混練条件は、ローター回転数が50rpm、フローティングウェイト圧力が3kg/cm2、混練時間が5分間で行い、混練排出温度は137℃であった。
次いで、上記配合物が温度40℃となったことを確認した後、14インチロールを用いて上記配合物に加硫促進剤として「サンセラーM」(商品名;三新化学工業株式会社製)を2.0重量部、加硫促進剤として「サンセラーPZ」(商品名;三新化学工業株式会社製)を0.5重量部、加硫促進剤として「サンセラーBZ」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.5重量部、加硫促進剤としてとして「サンセラーBUR」(商品名;三新化学工業株式会社製)を1.5重量部、加硫剤としてイオウを0.5重量部を混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=65℃/50℃、ロール回転数を前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm、ロール間隙を5mmとして混練時間8分間で分出し、配合物−1を調製した。この配合物−1からプレス成形機を用いて160℃で15分間加硫を行って、厚み2mmのゴムシートを調製した。得られた加硫物について、耐オゾン試験を上記方法にて行った。結果を表2に示す。また、この配合物−1に発泡剤として「ネオスレンHM804A」(商品名;永和化成工業株式会社)を31.25重量部、発泡助剤として「セルペーストK5」(商品名;永和化成工業株式会社)を0.5重量部および吸湿剤として「ベスタ18」(商品名;井上石灰工業株式会社)を4重量部混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=80℃/80℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=13rpm/11.5rpm、ロール間隙を5mmとして混練時間15分間で分出し、配合物−2を調製した。このゴム配合物−2をチューブ状ダイス(内径/外径 4/11 Φmm)に装着した60φmm押出機を用いてダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件で押出し、チューブ平板状に成形した。この成形体を成形と同時に加硫槽内に導入し、180℃の温度で10分間加熱することで、架橋反応および発泡反応を行い、チューブ状スポンジを得た。チューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔実施例2〕
共重合体ゴムとして、EPDM−1のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体に変えて、EPDM−2のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔実施例3〕
共重合体ゴムとして、EPDM−1のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体に変えて、EPDM−3のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔実施例4〕
共重合体ゴムとして、EPDM−1のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体に変えて、EPDM−4のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔実施例5〕
塩化ビニル系樹脂として「リューロン810(商品名;東ソー株式会社)を50重量部から0重量部、難燃剤として「ハイジライトH42M」(商品名;昭和電工株式会社製)を160重量部から140重量部、また難燃剤として水酸化マグネシウム「KISUMA5B」(商品名;協和化学工業株式会社製)60重量部を新たに配合した以外は、実施例1と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔実施例6〕
難燃剤として水酸化アルミニウム「ハイジライトH42M」(商品名;昭和電工株式会社製)を140重量部から160重量部、水酸化マグネシウム「KISUMA5B」を(商品名;協和化学工業株式会社製)60重量部から100重量部、リン系難燃剤「TCP」(商品名;大八化学工業株式会社製)を20重量部から0重量部に変更した以外は、実施例5と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔比較例1〕
共重合体ゴムとして、EPDM−1のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体に変えて、EPDM−5のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔比較例2〕
共重合体ゴムとして、EPDM−1のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体に変えて、EPDM−6のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔比較例3〕
共重合体ゴムとして、EPDM−1のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体に変えて、EPDM−7のエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
〔比較例4〕
難燃剤として「ハイジライトH42M」(商品名;昭和電工株式会社製)を140重量部から100重量部、「KISUMA5B」(商品名;協和化学工業株式会社製)を60重量部から50重量部、軟化剤として「ダイアナプロセスオイル PS−430」(商品名;出光興産株式会社製)を20重量部から40重量部に変更した以外は、実施例5と同様に行った。シート成形体およびチューブ状スポンジの各物性値を表2に示す。
Figure 2011195656
本発明のゴム成型体は、充分な高発泡性を示すゴム組成物を架橋発泡することにより得られ、高度な難燃性と断熱性を併せ持つとともに、スポンジ表面の平滑性に優れる。そのためスポンジ表面をコーティング処理し、機能性(強度向上、摺動性改良など)を付与することが可能となり、配管、パイプ並びにチューブの断熱や破損防止のため使用されている被覆スポンジ、および自動車用シールスポンジに好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. エチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体[I]、塩化ビニル系樹脂および/または難燃剤[II]、軟化剤[III]、および発泡剤を含有し、[I] 、[II]および [III]の含有量は、式(ii)の関係式を満たし、かつ[I]100重量部に対して発泡剤を5〜50重量部含有することを特徴とするゴム組成物。
    共重合体[I]:エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含む、メタロセン触媒を用いて合成される共重合体であって、
    (1)炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、
    (2)炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モル%であり、
    (3)炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])が75/25〜99.5/0.5であり、
    (4)100℃で測定されるムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜90であり、
    (5)非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の見かけのヨウ素価(IV)が0.1〜3.0g/100gであり、
    (6)下記式(i)を満たすことを特徴とする共重合体。
    50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔KJ/mol〕>35 ・・・(i)
    (塩化ビニル系樹脂および/または難燃剤[II])/(共重合体[I]+軟化剤[III]) ≧ 1.50 ・・・(ii)
  2. 請求項1記載の炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]が5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)であり、前記炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]が5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 請求項1記載の共重合体[ I ]が下記式(iii’)で表される構造を有する触媒を用いて合成されることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
    Figure 2011195656

    式(III’)中、R'は、水素原子、炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、R"は、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子であり、Mはチタンであり、Yは、−NR*−であり、Z*は、−SiR* 2−であり、前記R*は、それぞれ独立に、水素原子または、炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、pおよびqのうち一方は0であり、他方は1であり、pが0かつqは1である場合には、Mは+2の酸化状態であり、X'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンであり、pが1かつqが0である場合には、Mは+3の酸化状態であり、Xは2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルである。
  4. 架橋剤を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 請求項4に記載のゴム組成物を架橋発泡して得られる比重が0.03〜0.3、発泡体の表面粗度が30μm以下であることを特徴とする難燃性架橋発泡体。
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