JP6091871B2 - エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物、並びに、この組成物から得られる架橋発泡体およびその製造方法 - Google Patents

エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物、並びに、この組成物から得られる架橋発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物、並びに、この組成物から得られる低比重でかつ充分な剛性を有する架橋発泡体およびその製造方法に関する。
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)は、その分子構造の主鎖に二重結合を持たないので、汎用の共役ジエンゴムと比べ耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性に優れている。中でも、EPDM系発泡体は、その優れたクッション性や圧縮性等に基づいてクッション材やパッド材、気密や止水などのシール材、断熱材や防音材などとして、家電などの室内用品や自動車などの屋外用品、住宅などの建築物などの各種の分野で広く使用されている。
EPDM系発泡体の代表的用途の一つである自動車用ウェザーストリップスポンジは、水・音・埃の車室内への侵入防止、ドア開閉時の衝撃緩和、走行中のドア振動の防止を目的に、車体、ドア、トランクなどに組みつけて使用される。また近年、製品に対する省材料化や軽量化の観点から、ゴム発泡体の低比重化が強く求められている。しかしながら、比重の低下とともにシール性が悪化し、表面平滑性が損なわれるなどの問題が有る。これらの問題に対処する方法として、例えばコンパウンドに結晶性のポリオレフィン樹脂を配合して剛性を高める方法や、フィラーを増量して硬度を上げる方法が検討されて来た。
例えば特許文献1には、結晶性ポリオレフィン樹脂の配合により、低比重の発泡成形体を得る方法が開示されている。しかしながら、結晶性ポリオレフィンを配合する方法では、常温での剛性は向上するものの、低温下でのゴム弾性が低下する傾向にある。
一方、特許文献2及び特許文献3には、フィラーを増量して硬度を上げた発泡成形体が開示されている。しかしながら、フィラーを増量する方法では、未架橋のコンパウンドの粘度が高くなり、コンパウンドの加工性が低下する傾向にある。また、加工性を高めるためには可塑剤を増量する必要があるが、その場合は期待する剛性が得られない。
特開2000−344980号公報 特開2012−052032号公報 特開2001−072816号公報
本発明は、上記の各課題に鑑みなされたものである。すなわち本発明の目的は、十分な高発泡性を有する重合体組成物、およびこの重合体組成物を架橋発泡することで得られる、低比重でかつ例えばシール材として充分な剛性を有する架橋発泡体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、低ムーニー粘度で均一かつ多量に長鎖分岐を有するエチレン・α‐オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体と、カーボンブラック等の充填材(補強性フィラー)を一定量含有する重合体組成物から得られる架橋発泡体(発泡ゴム成形体)が、低比重かつ剛性に優れ、低温下でも良好なゴム弾性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の要件(1)〜(3)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部、及び、充填材(C)30〜160質量部を含有し、総配合部数が150質量部以上であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)である。
(1)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)が、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[C−1]、
Figure 0006091871
(ただし、(I)は環状オレフィンの部分構造である。)
Figure 0006091871
および、一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含む。
(2)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の100℃におけるムーニー粘度[ML(1+4)]が、20〜45である。
(3)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)が、下記式(i)を満たす。
Log{η*(0.01)}/Log{η*(10)}>0.0753×{非共役ポリエン[C−2]に由来する見かけのヨウ素価}+1.32・・・(i)
(式中、η*(0.01)は、190℃における0.01rad/secの粘度(Pa・sec)を表し、η*(10)は、190℃における10rad/secの粘度(Pa・sec)を表す。)。
さらに本発明は、上記のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)を架橋発泡して得られる架橋発泡体(Y)である。
さらに本発明は、上記のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)を架橋発泡することを特徴とする架橋発泡体の製造方法である。
さらに本発明は、上記のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(X)から得られるウェザーストリップスポンジである。
さらに本発明は、上記のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)を架橋発泡することを特徴とするウェザーストリップスポンジの製造方法である。
さらに本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体と充填剤を含有する組成物を用いて成る、比重が0.3〜0.5であり、低伸張応力(σ25)が0.15〜0.35MPaであるウェザーストリップスポンジである。
本発明の重合体組成物(X)は特定のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)を含有しているので、比較的多量の充填材(C)を配合しても重合体組成物(X)全体の粘度は適度なものであり、加工性に問題は生じない。したがって、比較的多量の充填材(C)を配合しても、加工性に問題を生じさせることなく、剛性を高めることができる。さらに発泡成形時のガス保持性が良好なことから低比重化が可能であり、表面平滑性を損なうことなく、良好な形状保持性を示す。
〔エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)〕
本発明に用いるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、以下に説明する要件(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
〔要件(1)〕
要件(1)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)が、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[C−1]、
Figure 0006091871
(ただし、(I)は環状オレフィンの部分構造である。)
Figure 0006091871
および、一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含むことである。
エチレン[A]に由来する構造単位のモル比は、共重合体(A)の全構造単位100モル%中、好ましくは44〜89モル%、より好ましくは50〜74モル%である。このモル比は、13C−NMRにより求めることができる。
炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンが挙げられる。これらのうち、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素原子数が3〜8のα−オレフィンが好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、かつ得られる共重合体が優れた機械的性質を示すことから好適である。
なお、本発明に用いる共重合体は、少なくとも1種の炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位のモル比は、共重合体(A)の全構造単位100モル%中、好ましくは10〜50モル%であり、より好ましくは25〜45モル%である。これら範囲は、架橋発泡体の柔軟性と低温における機械的特性との観点から好適である。このモル比は、13C−NMRにより求めることができる。
一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[C−1]としては、例えば分子両末端にビニル基(CH2=CH−)を有する脂肪族ポリエンは含まれない。非共役ポリエン[C−1]の具体例としては、以下の脂肪族ポリエン、脂環族ポリエンが挙げられる。
脂肪族ポリエンの具体例としては、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエンが挙げられる。本発明においては、これらの脂肪族ポリエンを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは7−メチル−1,6−オクタジエンが用いられる。
脂環族ポリエンとしては、例えば、1個の炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、その脂環部分を構成する炭素原子に対し炭素・炭素二重結合により結合している鎖状部分(エチリデン、プロピリデン等)とから構成されるポリエンが挙げられる。その具体例としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネンが挙げられる。特に、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。その他の脂環族ポリエンとしては、例えば、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエンが挙げられる。
なお、本発明に用いる共重合体は、少なくとも1種の成分[C−1]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の成分[C−1]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン[C−2]としては、例えば、炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、脂環部分を構成する炭素原子に結合する鎖状部分であってビニル基を含む鎖状部分とを有する脂環族ポリエン、分子両末端にビニル基を有する脂肪族ポリエンが挙げられる。その具体例としては、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−アリル−2−ノルボルネン等の5−アルケニル−2−ノルボルネン;2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ−3,8−ジエン等の脂環族ポリエン;1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン等のα,ω−ジエン等の脂肪族ポリエンが挙げられる。これらの中でも、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−アルケニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが好ましく、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が特に好ましい。
なお、本発明に用いる共重合体は、少なくとも1種の成分[C−2]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の成分[C−2]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル比および非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル比の合計は、共重合体(A)の全構造単位100モル%中、好ましくは1.0〜6.0モルであり、より好ましくは1.0〜5.0モル%である。これら範囲は、加硫反応速度の制御を比較的容易に行う観点から好適である。また、非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])は、好ましくは75/25〜99.5/0.5であり、より好ましくは78/22〜97/3である。これら範囲は、加硫反応性と発泡反応時のガス保持性のバランスの観点から好適である。これらは、13C−NMRにより求めることができる。
以下に、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の一例であるエチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)から得られる共重合体について、そのモル比を求める方法を具体的に示す。
なお、エチレン、プロピレンおよびENB共重合体の13C−NMRによるに構造(組成)解析は、C. J. Carman, R. A. Harrington, and C. E. Wilkes, Macromolecules, 10, p 536-544(1977)、Masahiro Kakugo, Yukio Naito, Kooji Mizunuma, and Tatsuya, Miyatake, Macromolecules, 15, p 1150-1152(1982)、およびG. Van der Velden, Macromolecules, 16, p 85-89(1983)に基づき、VNB系共重合体の構造解析は、Harri Lasarov, Tuula T. Pakkanen, Macromol. Rapid Commun., 20, p 356-360(1999)、およびHarri Lasarov*, Tuula T. Pakkanen, Macromol.Rapid Commun., 22, p 434-438(2001)に基づいて行った。
先ず、13C−NMRにより、エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBに由来するそれぞれのピークの積分値を求めた。
1)エチレン;[エチレン連鎖由来ピークの積分値+[エチレン−プロピレン連鎖由来ピークの積分値]/2]
2)プロピレン;[プロピレン連鎖由来ピークの積分値+[エチレン−プロピレン連鎖由来ピークの積分値]/2]
3)ENB;ENB−3位ピークの積分値
4)VNB;VNB−7位ピークの積分値
本発明に用いる共重合体におけるENBに由来する構造(E体、Z体)の化学式および、VNBに由来する構造(endo(n)、exo(x))の化学式を以下に示す。
Figure 0006091871
Figure 0006091871
得られた積分値比より、ENBおよびVNBに由来する構造単位のモル%を算出した。なお、重量%への変換はエチレンの分子量を28.05、プロピレンの分子量を42.08、ENBとVNBの分子量を120.2として行った。
〔要件(2)〕
要件(2)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の100℃におけるムーニー粘度[ML(1+4)]が、20〜45であることである。さらに、この100℃におけるムーニー粘度[ML(1+4)]は、好ましくは25〜40である。これら範囲は、比較的多量の充填材(C)を配合しても加工性に問題は生じないという観点から好適である。
〔要件(3)〕
要件(3)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)が、下記式(i)を満たすことである。
Log{η*(0.01)}/Log{η*(10)}>0.0753×{非共役ポリエン[C−2]に由来する見かけのヨウ素価}+1.32・・・(i)
(式中、η*(0.01)は、190℃における0.01rad/secの粘度(Pa・sec)を表し、η*(10)は、190℃における10rad/secの粘度(Pa・sec)を表す。)
上記式(i)は、粘弾性測定装置によりη*(0.01)およびη*(10)を測定し、NMRにより、共重合体(A)中の非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の含有率(質量%)を測定することによって、下記式より見かけのヨウ素価を具体的に算出することができる。なお、ヨウ素の分子量は253.81である。
非共役ポリエン[C−2]に由来する見かけのヨウ素価=〔非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の含有率(重量%)〕×Y×253.81/(モノマーとしての非共役ポリエン[C−2]の分子量)
(式中、Yは、非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位に含まれる炭素・炭素二重結合の数を表す。)
共重合体(A)が、上記式(i)に規定される範囲内であると、少ない非共役ポリエン[C−2]含量にかかわらず、より多くの長鎖分岐を有する。すなわち、優れた形状保持性と押出加工性とを得るために必要な長鎖分岐を、少量の非共役ポリエン[C−2]を共重合することによって導入でき、さらに残留非共役ポリエン[C−2]含量が少ないために得られるゴム成形体の圧縮永久歪みに優れる。もし上記式(i)に規定される範囲外であると、形状保持性と発泡性とに影響を及ぼす長鎖分岐を共重合体ゴムに導入するため、多量の非共役ポリエン[C−2]を必要とする。その結果、耐熱老化性およびゴム弾性が悪化し、さらにゲル化による異物の形成によって優れたスポンジ性能や製品歩留まりが著しく損なわれる。
〔重合触媒〕
本発明に用いる共重合体(A)は、メタロセン触媒を用いて合成される共重合体であることが好ましい。メタロセン触媒として、下記式(IA)、(IIA)または(IIIA)で表わされる触媒が好ましい。
式(IA)で表される化合物について説明する。
Figure 0006091871
式(IA)中、Rは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびこれらの組み合わせから選ばれる基または水素原子であり、該基が含有する水素以外の原子の数は20個以下である。
Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
Yは、−O−、−S−、−NR*−または−PR*−である。R*は、水素原子、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、R*が水素でない場合には、R*は20個までの水素以外の原子を含有する。
Zは、ホウ素または14族元素を含有し、かつ、窒素、リン、硫黄または酸素を含有する2価の基であり、この2価の基が有する水素原子以外の原子の数は60個以下である。
Xは、Xが複数存在する場合にはそれぞれ独立に、原子の数が60個以下のアニオン性配位子である(ただし、π電子が非局在化した環状配位子を除く。)。
X’は、X’が複数存在する場合にはそれぞれ独立に、原子の数が20個以下の中性の連結化合物である。
pは、0、1または2である。
qは、0または1である。
ただし、pが2でqが0の場合、Mは+4の酸化状態にあり、Xはハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ(ヒドロカルビル)アミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド、ヒドロカルビルスルフィド、シリル基、これらのハロ置換誘導体、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換誘導体、ヒドロカルビルオキシ置換誘導体およびジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換誘導体から選ばれるアニオン性配位子であり、Xの水素原子以外の原子の数は20個以下である。また、pが1でqが0の場合、Mは+3の酸化状態にあり、Xはアリル、2−(N,N’−ジメチルアミノメチル)フェニルおよび2−(N,N’−ジメチル)アミノベンジルから選ばれるアニオン性安定化配位子であるか、あるいはMが+4の酸化状態にあって、Xが2価共役ジエン誘導体でMとメタラシクロペンテンを形成する。またpが0でqが1の場合、Mは+2の酸化状態にあり、X’は1以上のヒドロカルビル基で置換されてもよい中性の共役もしくは非共役ジエンで、かつ、炭素原子を40個以下の数で含有しMとπ錯体を形成する。
式(IIA)で表される化合物について説明する。
Figure 0006091871
式(IIA)中、R1およびR2は、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、R1およびR2の少なくとも1つは水素原子ではない。
3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基である。また、R1〜R6は互いに結合して環を形成してもよい。
Mは、チタンである。
Yは、−O−、−S−、−NR*−または−PR*−である。
*は、SiR* 2、CR* 2、SiR* 2SiR* 2、CR* 2CR* 2、CR*=CR*、CR* 2SiR* 2またはGeR* 2である。R*は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、R*が水素でない場合には、R*は20個までの水素以外の原子を含有する。Z*に結合する2つのR*(R*が水素でない場合)は環を形成してもよいし、Z*に結合するR*とYに結合するR*が環を形成してもよい。
pは、0、1または2である。
qは、0または1である。
ただし、pが2の場合、qは0であり、Mは+4の酸化状態にあり、Xはそれぞれ独立にメチル基またはベンジル基である。またpが1の場合、qは0であり、Mは+3の酸化状態にあり、Xは2−(N、N’−ジメチル)アミノベンジル基であるか、あるいはqは0であり、Mは+4の酸化状態にあり、Xは1,3−ブタジエニルである。またpが0の場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態にあり、Xは1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエンまたは1,3−ペンタジエンである。
式(IIIA)で表される化合物について説明する。
Figure 0006091871
式(IIIA)中、R’は、水素原子、ヒドロカルビル基、ジ(ヒドロカルビルアミノ)基、またはヒドロカルビレンアミノ基であり、前記R’が炭素原子を有する場合の炭素数は20以下である。
R’’は、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子である。
Mは、チタンである。
Yは、−O−、−S−、−NR*−、−PR*−、−NR2 *、または−PR2 *である。
*は、−SiR* 2−、−CR* 2−、−SiR* 2SiR* 2−、−CR* 2CR* 2−、−CR*=CR*−、−CR* 2SiR* 2−、または−GeR* 2−である。R*は、複数存在する場合にはそれぞれ独立に、水素原子または、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、およびハロゲン化アリールからなる群から選択される少なくとも1種を含む基であり、前記R*は原子番号2〜20までの原子を含み、任意にZ*が有する2つのR*(R*が水素原子でない場合)が環を形成してもよく、Z*のR*とYのR*とが環を形成してもよい。
Xは、π電子が非局在化した環状配位子を除く、原子数60以下の一価のアニオン性配位子である。
X’は、原子数20以下の中性の連結基である。
X’’は、原子数60以下の二価のアニオン性配位子である。
pは、0、1または2である。
qは、0または1である。
rは、0または1である。
pが2の場合、qおよびrは0であり、Mは+4の酸化状態(但し、Yが−NR* 2または−PR* 2である場合を除く)、またはMは+3の酸化状態(但し、Yが−NR* 2または−PR* 2である)であり、Xはハライド基、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ジ(ヒドロカルビル)アミド基、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、およびシリル基、並びに、これらの基がハロゲン置換された基、これらの基がジ(ヒドロカルビル)アミノ置換された基、これらの基がヒドロカルビルオキシ置換された基およびこれらの基がジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換された基よりなる群から選択されるアニオン性配位子であり、前記基は原子番号2〜30までの原子を含む。
rが1の場合、pおよびqは0であり、Mは+4の酸化状態であり、X’’はヒドロカルバジル基、オキシヒドロカルビル基、およびヒドロカルビレンジオキシ基よりなる群から選択されるジアニオン性配位子であり、前記X’’は原子番号2〜30までの原子を有する。pが1の場合、qおよびrは0であり、Mは+3の酸化状態であり、Xは、アリル、2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル、および2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルよりなる群から選択されるアニオン性安定化配位子である。pおよびrが0の場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態であり、X’は、任意に1以上のヒドロカルビル基で置換された、中性の共役ジエンまたは中性のジ共役ジエンであり、前記X’は炭素の原子数が40以下であり、Mとπ−π相互作用による結合を形成する。
より好ましい態様としては、式(IIIA)中、pが2であり、qおよびrが0である場合、Mは+4の酸化状態であり、Xは、各々独立に、メチル、ベンジル、またはハライドであり、pおよびqが0である場合、rは1であり、Mは+4の酸化状態であり、X’’は、Mとメタラシクロペンテン環を形成する1,4−ブタジエニル基であり、pが1である場合、qおよびrは0であり、Mは+3の酸化状態であり、Xは、2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルであり、pおよびrが0である場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態であり、X’は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンである。
式(IIIA)の中でも、下記式(IIIA’)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0006091871
式(IIIA’)中、R’は水素原子または炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、R’’は、炭素数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子であり、Mはチタンであり、Yは、−NR*−であり、Z*は、−SiR* 2−であり、R*は、それぞれ独立に、水素原子または、炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、pおよびqのうち一方は0であり、他方は1であり、pが0かつqは1である場合には、Mは+2の酸化状態であり、X’は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンであり、pが1かつqが0である場合には、Mは+3の酸化状態であり、Xは2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルである。
炭素数1〜20のヒドロカルビル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基などの直鎖状アルキル基、t-ブチル基、ネオペンチル基などの分岐状アルキル基が挙げられる。ヒドロカルビルオキシ基としては、例えば、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基などの直鎖状アルキルオキシ基、t-ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基などの分岐状アルキルオキシ基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、例えば、前記の直鎖状アルキル基や分岐状アルキル基をクロル化、臭素化、フッ素化したものが挙げられる。ハロゲン化アリール基としては、例えば、クロル化フェニル基、クロル化ナフチル基などが挙げられる。
式(III’A)中、R’’が水素原子またはメチルであることが好ましく、メチルであることがより好ましい。
特に好ましい触媒は、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)2,4−ヘキサジエン(IV)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シラン−チタニウム(IV)ジメチル(V)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2,3−ジメチルインデニル)シランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(VI)、(t−ブチル−アミド)−ジメチル(η5−2,3−ジメチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(IV)ジメチル(VII)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン(VIII)である。その中でも、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン(VIII)が特に好ましい。
Figure 0006091871
Figure 0006091871
特に上記式(VIII)で表される構造を有する触媒を用いると、本発明に用いる共重合体(A)を得るための重合反応が、非共役ポリエン(成分[C−1]および成分[C−2])の共重合体性に優れ、例えばVNB末端の二重結合を効率よく取り込み、長鎖分岐を高い割合で導入することができる。また、得られる共重合体(A)の分子量分布と組成分布が狭く、非常に均一な分子構造を有する共重合体を調製することができるため、長鎖分岐生成に伴い懸念される、ゴム成形体表面のゲル状ブツの形成が顕著に抑制される。その結果、このような共重合体を含んでなるゴム成形体は、ゲル状ブツを含まないためにその表面外観に優れ、また形状保持性に優れるため生産安定性も良好である。
これらの触媒は、周知の合成手法を用いて調製することができる。例えば国際公開WO98/49212に開示されている。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の製造方法>
本発明に用いるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)を合成する際には、好ましくはメタロセン触媒、特に好ましくは上記に例示される構造を有する触媒を用いる。例えば、上記触媒を主触媒とし、共触媒としてホウ素系化合物および/またはトリアルキル化合物等の有機アルミニウム化合物を用い、ヘキサン等の脂肪族炭化水素を溶媒とし、攪拌機つき反応器による連続法またはバッチ法により、共重合体(A)を得ることができる。
反応温度は、高温でも触媒が失活しないので100℃まで上げることができる。重合圧力は、0を超えて〜8MPa(ゲージ圧)、好ましくは0を超えて〜5MPa(ゲージ圧)である。反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常0.5分間〜5時間、好ましくは10分間〜3時間である。さらに共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
エチレン[A]とα−オレフィン[B]とのモル(仕込み)比([A]/[B])は、好ましくは25/75〜80/20、より好ましくは30/70〜70/30である。
非共役ポリエン[C−1]と非共役ポリエン[C−2]とのモル(仕込み)比([C−1]/[C−2])は、好ましくは60/40〜99.5/0.5、より好ましくは65/35〜99/1である。
上記触媒を用いて重合することによって、二重結合を有する非共役ポリエン等が高い転化率で共重合され、得られる共重合体(A)に適量の長鎖分岐を導入することができるので好ましい。
このようにして得られる共重合体(A)は、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、好ましくは10〜50モル%であり、より好ましくは25〜45モル%である。また、非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル比および非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル比の合計が、全構造単位100モル%中、好ましくは1.0〜6.0モル%であり、より好ましくは1.0〜5.0モル%である。また、非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])は、好ましくは75/25〜99.5/0.5、より好ましくは78/22〜97/3である。
〔充填材(C)〕
本発明に用いる充填材(C)は特に制限されない。例えば、引張強度、引裂強度および耐摩耗性などの機械的性質を向上させる目的で添加されることが公知の補強材や無機充填材を使用できる。
充填材(C)としては、例えば、カーボンブラック、シランカップリング剤などで表面処理したカーボンブラック、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルクおよび微粉ケイ酸などの補強材が挙げられる。なかでも、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの市販品としては、例えば旭カーボン社製の商品名 旭#55G、旭#50HG、旭#80、旭#70、旭#60H、旭#60、旭#50、旭#35、旭#15、アサヒサーマル、東海カーボン社製の商品名 シーストV、シーストSVH、シースト6、シースト3、シースト116、シーストSO、シーストSが挙げられる。
また充填材(C)として、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機充填材も使用できる。このなかでは、重質炭酸カルシウムが好ましい。重質炭酸カルシウムの市販品としては、例えば白石カルシウム社製の商品名ホワイトンSBが挙げられる。
充填材(C)の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、30〜160質量部、好ましくは45〜145質量部、より好ましくは60〜130質量部である。充填材(C)の配合量が上記範囲内にあると、組成物の混練加工性に優れ、架橋発泡体は強度および柔軟性などの機械的性質や低温柔軟性(低温圧縮応力)ならびに圧縮永久歪みに優れるので好ましい。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)>
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)は、以上説明したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部、及び、充填材(C)30〜160質量部を含有し、総配合部数が150質量部以上である組成物である。
共重合体組成物(X)は、充填材(C)を含有するにもかかわらず未架橋時粘度が低いので、成形時の作業性が良好である。また、共重合体組成物(X)を用いることにより、低比重でかつ充分な剛性を有する架橋発泡体を良好に成形できる。したがって共重合体組成物(X)は、低比重でかつ充分な剛性が要求される用途において非常に有用である。
共重合体組成物(X)は、共重合体(A)、充填材(C)及びその他の任意成分を、例えば、ミキサー、ニーダー、ロールなど従来知られる混練機を用いて所定の温度で混練することにより調製できる。共重合体(A)は混練性に優れているので、共重合体組成物(X)の調製を良好に行うことができる。本発明において、共重合体組成物(X)の組成は、共重合体(A)100質量部を基準として特定する。すなわち、共重合体組成物(X)100質量部に対して、充填材(C)は少なくとも30〜160質量部配合する必要がある。また共重合体組成物(X)の総配合部数、すなわち共重合体組成物(X)全体の質量は、共重合体組成物(X)100質量部に対して、少なくとも150質量部以上であることが必要である。これを言い代えるならば、共重合体組成物(X)100質量部に対して、充填材(C)およびその他の任意成分の合計量は50質量部以上となる。
その他の任意成分としては、例えば、発泡剤、発泡助剤、軟化剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、活性剤、吸湿剤などの種々の添加剤が挙げられる。また、共重合体(A)以外の重合体ゴムを配合することもできる。ただし、結晶性樹脂は含まないことが好ましい。結晶性樹脂を配合すると常温での剛性は向上するものの、低温下でのゴム弾性が低下するからである。
さらに共重合体組成物(X)は、例えば架橋剤や発泡剤を含有していても良い。
架橋剤としては、一般に加硫剤として知られているものを使用できる。加硫剤としては、例えば、硫黄系化合物、有機過酸化物、フェノール樹脂およびオキシム化合物などが挙げられる。
硫黄系化合物としては、例えば、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィドおよびジチオカルバミン酸セレンが好ましく、硫黄およびテトラメチルチウラムジスルフィドがより好ましい。硫黄系化合物の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部、より好ましくは0.7〜4.0質量部である。これら範囲は、得られる架橋発泡体の表面へのブルームがなく、優れた架橋特性を示すので好適である。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ジブチルヒドロペルオキシドが好ましく、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシドおよびジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンがより好ましい。有機過酸化物の配合量は、共重合体(A)100gに対して、通常0.001〜0.05モル、好ましくは0.002〜0.02モル、より好ましくは0.005〜0.015モルである。これら範囲は、得られる架橋発泡体の表面へのブルームなく優れた架橋特性を示すので好適である。
加硫剤として硫黄系化合物を用いる場合、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、サンセラーM(商品名;三新化学工業社製))、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、ノクセラーMDB−P(商品名;大内新興化学工業社製))、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル− 4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾールおよびジベンゾチアジルジスルフィドなどのチアゾール系;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジンおよびジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系;アセトアルデヒド・アニリン縮合物およびブチルアルデヒド・アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系;ジエチルチオウレアおよびジブチルチオウレアなどのチオウレア系;テトラメチルチウラムモノスルフィドおよびテトラメチルチウラムジスルフィドなどのチウラ ム系;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、サンセラーPZ、サンセラーBZ、サンセラーEZおよびサンセラーM(商品名;三新化学工業社製))およびジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系;エチレンチオ尿素(例えば、サンセラーBUR(商品名;三新化学工業社製)、サンセラー22−C(商品名;三新化学工業社製))およびN,N’−ジエチルチオ尿素などのチオウレア系;ジブチルキサトゲン酸亜鉛などのザンテート系;その他、亜鉛華(例えば、META−Z102(商品名;井上石灰工業社製、酸化亜鉛))が挙げられる。加硫促進剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。
加硫助剤を使用することもできる。加硫助剤としては、例えば、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系;エチレングリコールジメタクリレートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのアクリル系;ジアリルフタレートおよびトリアリルイソシアヌレート(例えば、M−60(商品名;日本化成社製))などのアリル系;その他マレイミド系;ジビニルベンゼン;酸化マグネシウム/酸化亜鉛(例えば、META−Z102(商品名;井上石灰工業社製)など)が挙げられ、その用途に応じて適宜選択することができる。加硫助剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。加硫助剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常1〜20質量部である。
共重合体組成物(X)を架橋する場合、上述の硫黄系加硫剤、有機過酸化物以外の公知の架橋剤として、例えばヒドロシリル系架橋剤、樹脂架橋剤を使用することもできる。
ヒドロシリル系架橋剤は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であり、共重合体ゴムと反応して架橋剤として作用する。ヒドロシリル系架橋剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは1.7〜15質量部、より好ましくは1.7〜10質量部、特に好ましくは2.0〜10質量部である。これら範囲は、得られるゴム成形体の機械的強度が向上し、また組成物のロール添加時間が短くなる傾向があるので好適である。
ヒドロシリル系架橋剤としては、従来から製造・市販されているものが使用可能である。例えば、線状、環状、分岐状の各構造あるいは三次元網目状構造の樹脂状物など、何れの構造のものであってもよい。このようなヒドロシリル基系架橋剤は、通常、下記の一般組成式
Figure 0006091871
で表わされる化合物を使用できる。
上記一般組成式において、R4は、脂肪族不飽和結合を除く、炭素原子数1〜10、好ましくは炭素原子数1〜8の置換または非置換の1価炭化水素基である。この1価炭化水素基としては、メチル基やエチル基からはじまりノニル基やデシル基に至る、n−、iso−、sec−、tert−等の異性体を含むアルキル基、フェニル基、ハロゲン置換のアルキル基、例えばトリフロロプロピル基が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、トリフロロプロピル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。上記一般組成式において、bは1≦b<3、好ましくは0.6<b<2.2、特に好ましくは1.5≦b≦2であり、cは1<c≦3、好ましくは1≦c<2であり、b+cは0<b+c≦3、好ましくは1.5<b+c≦2.7である。
ヒドロシリル系架橋剤は、1分子中のケイ素原子数が好ましくは2〜1000個、特に好ましくは2〜300個、最も好ましくは4〜200個のオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。その具体例としては、シロキサンオリゴマー、分子鎖両末端封鎖オルガノハイドロジェンポリシロキサン、R4 2(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなり、任意にR4 3SiO1/2単位、R4 2SiO2/2単位、R4(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2またはR4SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジンが挙げられる。
ヒドロシリル系架橋剤を使用して共重合体(A)との架橋反応を行う場合、通常は、付加反応触媒を併せて使用する。この触媒としては、共重合体(A)が有するアルケニル基と、ヒドロシリル系架橋剤のヒドロシリル基との付加反応(アルケンのヒドロシリル化反応)を促進するものであれば特に制限はないが、特に白金系触媒が好ましい。触媒の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.05〜3質量部、特に好ましくは0.05〜2.5質量部である。これが0.05質量部以上であれば架橋速度が速くなり、5質量部以下であればコスト的に有利である。また、上記範囲内の配合量で白金系触媒を用いると、架橋密度が適度で強度特性および伸び特性に優れる加硫ゴム成形体を形成できる。
具体的な白金系触媒は、通常、付加硬化型の硬化に使用される公知のものでよく、例えば米国特許第2,970,150号明細書に記載の微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載の塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号公報明細書および米国特許第159,662号明細書に記載の白金と炭化水素との錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載の塩化白金酸とオレフィンとの錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書および米国特許第3,814,780号明細書に記載の白金とビニルシロキサンとの錯化合物が挙げられる。
より具体的には、例えば白金の単体(白金黒)、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、あるいはアルミナ、シリカ等の担体に白金の担体を担持させたものが挙げられる。それらは、単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
樹脂架橋剤は、加熱等によってゴムに架橋反応を起させる合成樹脂である。例えば、フェノール樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、トリアジン・ホルムアルデヒド縮合物、ヘキサメトキシメチル・メラミン樹脂を使用できる。中でも、フェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂の具体例としては、フェノール、アルキルフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応により合成される各種フェノール樹脂が挙げられる。また、フェノール樹脂のアルデヒドユニットに少なくとも一個のハロゲン原子が結合したハロゲン化フェノール樹脂を用いることもできる。特に、ベンゼンのオルト位またはパラ位にアルキル基が結合したアルキルフェノールと、ホルムアルデヒドとの反応によって得られるアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂が、ゴムとの相溶性に優れると共に反応性に富んでいて架橋反応開始時間を比較的早くできるので好ましい。アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のアルキル基は、通常、炭素数が1から10のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等が挙げられる。また、このアルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のハロゲン化物も好適に用いられる。さらに、硫化−p−第三ブチルフェノールとアルデヒド類とを付加縮合させた変性アルキルフェノール樹脂や、アルキルフェノール・スルフィド樹脂も樹脂架橋剤として使用可能である。
発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムなどの無機系発泡剤;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンおよびN,N’−ジニトロソテレフタルアミドなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミドおよびアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジドおよび4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などのヒドラジド化合物;カルシウムアジドおよび4,4’−ジフェニルジスルホニルアジドなどのアジド化合物などの有機発泡剤が挙げられる。また、市販品としては、例えば、ビニホールAC#3C−K2(商品名;永和化成工業社製)、ビニホールAC#LQ(商品名;永和化成工業社製、アゾジカルボンアミド(略号ADCA))、ネオセルボンN#1000SW、ネオセルボンN#1000M(商品名;永和化成工業社製、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド(略号OBSH))、セルラーD(商品名;永和化成工業社製、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(略号DPT))などが挙げられる。発泡剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常1〜70質量部、好ましくは3〜60質量部であることが、発泡ガス発生量の点で好ましい。
また、発泡剤に加えて、必要に応じて発泡助剤を添加してもよい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進または気泡の均一化などの作用を示す。発泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸およびクエン酸などの有機酸またはその塩;尿素またはその誘導体などが挙げられる。市販品としては、例えば、セルペーストK5(商品名;永和化成工業社製、尿素)およびFE−507(商品名;永和化成工業社製、重曹)などが挙げられる。発泡助剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常0.1〜5質量部、好ましくは0.5〜4質量部である。
発泡剤、発泡助剤、加硫剤および加硫促進剤の配合量が上記範囲にあると、得られる架橋発泡体の表面へのブルームがなく、優れた架橋特性を示すため好ましい。
また、高圧ガスによる物理発泡も可能である。すなわち、例えば樹脂の融点付近の温度で押出する際に、押出機の途中に設けられた圧入孔から揮発性又は無機ガス系発泡剤を圧入して、口金から押し出すことにより発泡体を連続的に得ることができる。物理型発泡剤の具体例としては、フロン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の揮発性発泡剤、窒素、空気、水、炭酸ガス等の無機ガス系発泡剤が挙げられる。また、押出発泡に際し、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム等の気泡核形成剤を添加してもよい。物理型発泡剤の配合割合は、共重合体(A)100質量部に対し、通常5〜60質量部、好ましくは10〜50質量部である。物理的発泡剤の配合割合が少なすぎると、発泡体の発泡性が低下し、逆に多すぎると、発泡体の強度が低下する。
また軟化剤も使用できる。軟化剤としては、プロセスオイル(例えば、ダイアナプロセスオイルPS−430(商品名;出光興産社製))、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルトおよびワセリンなどの石油系軟化剤;コールタールおよびコールタールピッチなどのコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油およびヤシ油などの脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムおよびラウリン酸亜鉛などの脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油およびロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレンおよびクマロンインデン樹脂などの合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどのエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油、トール油およびサブ(ファクチス)などが挙げられる。なかでも、石油系軟化剤が好ましく、特にプロセスオイルが好ましい。軟化剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。軟化剤の配合量は、その用途により適宜選択できる。その配合量は、共重合体(A)100質量部に対し最大で、通常200質量部、好ましくは150質量部、より好ましくは130質量部である。
また、通常のゴム組成物と同様に、老化防止剤(安定剤)を使用することにより、製品寿命を長くすることができる。老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤および硫黄系老化防止剤などの従来公知の老化防止剤が挙げられる。具体的には、フェニルブチルアミンおよびN,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどの芳香族2級アミン系老化防止剤;ジブチルヒドロキシトルエンおよびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタンなどのフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィドなどのチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾールおよび2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩;ジラウリルチオジプロピオネートおよびジステアリルチオジプロピオネートなどの硫黄系老化防止剤などが挙げられる。これらの老化防止剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。老化防止剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部、より好ましくは0.7〜5.0質量部である。老化防止剤の配合量が上記範囲にあると、得られるゴム組成物の表面のブルームがなく、さらに加硫阻害を起こさないため好ましい。
また加工助剤も使用できる。加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ステアリン酸エステル類、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。加工助剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常10質部以下、好ましくは8.0質量部以下、より好ましくは5.0質量部以下である。加工助剤の配合量が上記範囲にあると、得られるゴム組成物の表面のブルームがなく、さらに加硫阻害を起こさないため好ましい。
また活性剤も使用できる。活性剤としては、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエタノールアミン、アクチングB(商品名;吉冨製薬社製)およびアクチングSL(商品名;吉冨製薬社製)などのアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG#4000(商品名;ライオン社製))、レシチン、トリアリレートメリテートならびに脂肪族および芳香族カルボン酸の亜鉛化合物(例えば、Struktol activator 73、Struktol IB 531およびStruktol FA 541(商品名;Scill&Seilacher社製))などの活性剤;ZEONET ZP(商品名;日本ゼオン社製)などの過酸化亜鉛調製物;オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド;合成ハイドロタルサイト;特殊4級アンモニウム化合物(例えば、アーカード2HT-F(商品名;ライオン・アクゾ社製))などが挙げられる。これらのうち、ポリエチレングリコール(例えば、PEG#4000(商品名;ライオン社製))およびアーカード2HT-Fが好ましい。この活性剤は、一種単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。活性剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部、より好ましくは0.5〜4質量部である。
吸湿剤としては、例えば、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンなどが挙げられる。これらのうち、酸化カルシウムが好ましい。吸湿剤の配合量は、共重合体(A)100質量部に対して、通常0.5〜15重量部、好ましくは1.0〜12重量部、より好ましくは1.0〜10重量部である。
その他、通常ゴムに使用される添加剤は、本発明の目的を損なわない範囲内で任意に配合できる。
〔架橋発泡体(Y)〕
本発明の架橋発泡体(Y)は、以上説明したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)を架橋発泡して得られる発泡体である。この架橋発泡体(Y)は共重合体組成物(X)を用いて成形したものであり、低比重でかつ充分な剛性を有し、しかもその成形時の作業性も良好である。したがって、この架橋発泡体(Y)は、低比重でかつ充分な剛性が要求される用途(例えば自動車用ドアスポンジの用途等)において非常に有用である。
架橋発泡体(Y)の比重は好ましくは0.3〜0.5、より好ましくは0.3〜0.45であり、低伸張応力(σ25)は好ましくは0.15〜0.35MPa、より好ましくは0.15〜0.30MPaである。特に低伸長応力(σ25)がこの範囲内であれば、例えば自動車用ドアスポンジ用途でのドア閉まり性に優れるなど、さらなる格別な効果が得られる。
共重合体組成物(X)を架橋させる方法としては、例えば、以下に示す2つの方法が挙げられる。
1つ目の方法は、上記加硫剤を配合したゴム組成物を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチームおよびLCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽など種々の成形法によって所望形状に予備成形し、予備成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱する方法(i)である。
方法(i)の場合、上述した加硫剤を用い、必要に応じて加硫促進剤および/または加硫助剤も併用して行う。また、加熱する際の温度としては、一般に140〜300℃、好ましくは150〜270℃、より好ましくは150〜250℃で、通常0.5〜30分間、好ましくは0.5〜20分間、より好ましくは0.5〜15分間加熱する。
共重合体組成物(X)を成形および加硫する際は、金型を用いてもよいし、用いなくてもよい。金型を用いない場合、ゴム組成物は通常連続的に成形および加硫される。
2つ目の方法は、共重合体組成物(X)を上記成形法によって予備成形し、電子線を照射する方法(ii)である。
方法(ii)の場合、予備成形されたものに0.1〜10MeVの電子線を、吸収線量が例えば0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜20Mrad、より好ましくは1〜10Mradとなるように照射する。
架橋発泡成形するためには、通常、共重合体組成物(X)に発泡剤を添加し、架橋および発泡を行う。架橋発泡成形の一例としては共重合体組成物(X)を、チューブ状ダイス(内径;高さ13mm×横幅11mm、肉厚1.5mm)を装着した60φmm押出機を用いて、ダイス温度80℃、シリンダー温度60℃、スクリュー温度50℃の条件で押し出し、チューブ状に成形すると同時に加硫槽内に導入し、UHF加硫(200℃、出力2kW×1min)及び熱風加硫(250℃×4分)で加熱することで架橋および発泡を行い、チューブ状スポンジを得る方法が挙げられる。
先に説明した通り、本発明の共重合体組成物(X)および架橋発泡成形体(Y)は、成形作業性が良好であり、低比重かつ充分な剛性を有する発泡体に関するものである。したがって、その特性を生かして様々な用途に好適に使用できる。本発明の架橋発泡体(Y)は、特にシール材として有用であり、例えば高発泡シール材、自動車用シール材、土木・建築用シール材、各種産業用シール材などの用途において好適に使用できる。特にウェザーストリップスポンジ材(発泡倍率は好ましくは1.3〜4.0倍)に好適であり、また例えば、スポンジ、ダムラバーなどに用いられる高発泡スポンジ材(発泡倍率は好ましくは3.0倍を超えて30倍以下)にも好適である。
このようなゴム成形体として、具体的には、ドアスポンジ用スポンジ、オープニングトリム用スポンジ、フードシール用スポンジ、トランクシール用スポンジ等のウェザーストリップ用スポンジ材;断熱スポンジ、ダムラバー等の高発泡スポンジ材などが挙げられる。
〔ウェザーストリップスポンジ〕
本発明のウェザーストリップスポンジは、低比重で充分な剛性を有しているので、軽量でかつドア閉まり性に優れている。本発明のウェザーストリップスポンジの比重は好ましくは0.3〜0.5、より好ましくは0.3〜0.45であり、低伸張応力(σ25)は好ましくは0.15〜0.35MPa、より好ましくは0.15〜0.30MPaである。本発明のウェザーストリップスポンジは、好ましくは上記の共重合体組成物(X)を架橋発泡して得られる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下の記載において「部」は「質量部」を示す。また、各物性の評価は以下の方法により行った。
(1)共重合体(A)の組成及び物性
(成分[A]由来の構造単位と成分[B]由来の構造単位との含有比率)
成分[A]に由来する構造単位と、成分[B]に由来する構造単位との含有比率(モル比および重量比)([A]/[B])は、13C−NMRスペクトルメーターの強度測定によって求めた。
(成分[C]由来の構造単位と成分[D]由来の構造単位との含有量)
成分[C]に由来する構造単位と、成分[D]に由来する構造単位との含有量(モル%および重量%)は、13C−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。
以下には、13C−NMRスペクトルメーターによる共重合体ゴムの組成解析(共重合体ゴムに含まれる各構造単位のモル量)に関して、エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBから得られる共重合体ゴムを一例に説明する。
なお、エチレン、プロピレンおよびENB共重合体の13C−NMRスペクトルメーターによるに構造(組成)解析は、C. J. Carman, R. A. Harrington, and C. E. Wilkes, Macromolecules, 10, p 536-544(1977)、Masahiro Kakugo, Yukio Naito, Kooji Mizunuma, and Tatsuya, Miyatake, Macromolecules, 15, p 1150-1152(1982)およびG. Van der Velden, Macromolecules, 16, p 85-89(1983)を、VNB系共重合体の構造解析は、Harri Lasarov, Tuula T. Pakkanen, Macromol. Rapid Commun., 20, p 356-360(1999)およびHarri Lasarov*, Tuula T. Pakkanen, Macromol.Rapid Commun., 22, p 434-438(2001)に基づいて行った。
まず、13C−NMRスペクトロメーターにより、1)エチレン、2)プロピレン、3)ENBおよび4)VNBに由来するそれぞれのピークの積分値を求めた。
1)エチレン;[エチレン連鎖由来ピークの積分値+[エチレン−プロピレン連鎖由来ピークの積分値]/2]、
2)プロピレン;[プロピレン連鎖由来ピークの積分値+[エチレン−プロピレン連鎖由来ピークの積分値]/2]、
3)ENB;ENB−3位ピークの積分値、および
4)VNB;VNB−7位ピークの積分値。
Figure 0006091871
Figure 0006091871
得られた積分値比より、それぞれのモル%を算出した。また、重量%への変換はエチレンの分子量を28.05、プロピレンの分子量を42.08、ENBおよびVNBの分子量をそれぞれ120.2として行った。
(VNBに由来する見かけのヨウ素価)
共重合体ゴムの、成分[D]として用いたVNB(分子量120.2)に由来する見かけのヨウ素価は、1H−NMRスペクトルメーターおよび13C−NMRスペクトルメーターにより、以下のようにして算出した。
まず、13C−NMRスペクトルメーターより、共重合体ゴムに含まれる各構造単位の重量%を決定した。
次いで、1H−NMRスペクトルメーターより、1)ENBに由来するピークの積分値および2)VNBのビニル基に由来するピークの積分値を求めた。なお、下記1),2)中の(a)、(b)および(c)で表されるピークの積分値は、それぞれ下記式(X),(Y)中の(a)、(b)および(c)で表されるプロトンのピークの積分値を表す。
1)ENBに由来するピークの積分値:(a)={(4.7〜5.3ppm付近の複数ピークの合計)−2×(c)}
(ただし、上記(4.7〜5.3ppm付近の複数ピーク)には、(a)ピークおよび(b)ピークが合わせて検出されるため、上記式より(a)のみのピークを算出した。)
2)VNBのビニル基に由来するピークの積分値:(c)=(5.5〜6.0ppm付近ピークの合計)
Figure 0006091871
得られた積分値を用いてVNB(分子量120.2)に由来する見かけのヨウ素価を以下の式より算出した。なお、ヨウ素の分子量は253.81である。
(VNBに由来する見かけのヨウ素価)={VNBのビニル基に由来するピークの積分値(c)}/{ENBに由来するピークの積分値(a)}×{13C−NMRスペクトルメーターより求めたENBの含有率(重量%)}×253.81/120.2
(極限粘度〔η〕)
共重合体ゴムの極限粘度〔η〕(dL/g)は、135℃デカリン中で測定した。
(ムーニー粘度[ML(1+4)100℃])
100℃におけるムーニー粘度〔[ML(1+4)100℃〕は、JIS K6300に準拠して、100℃の条件下、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて測定した。
[粘弾性(分岐指数)]
(粘度〔η*〕の周波数依存性)
η*(0.01)およびη*(10)は、レオメトリック社製の粘弾性試験機(型式ARES)を用いて測定した。具体的には、試料として、190℃でプレスした2mm厚のシートから、直径25mm×2mm厚の円盤状に成形したものを使用し、以下の条件で測定を行った。なお、データ処理ソフトとしてRSI Orchestrator(レオメトリック社製)を用いた。
Geometry:パラレルプレート、
測定温度:190℃、
周波数:0.01〜500rad/sec、
歪率:1.0%。
このような条件により、粘度〔η*〕の周波数依存性を測定し、0.01および10rad/secのときの粘度〔η*〕を、それぞれη*(0.01)およびη*(10)とした。得られた数値を用いて、以下の式を算出した。
Log{η*(0.01)}/Log{η*(10)}
(2)組成物(X)の物性
[加硫速度(t5、Δt)]
(最低粘度〔Vm〕およびスコーチ時間〔t5〕)
ムーニー粘度計((株)島津製作所社製SMV202型)を用いて、125℃において、ムーニー粘度の変化を測定し、測定開始から最低粘度〔Vm〕を求め、さらにその最低粘度〔Vm〕より5ポイント上昇するまでの時間を求め、これをスコーチ時間〔t5〕(min)とした。
(3)発泡体の物性
[比重]
比重は、水中置換法(JIS K 6268)に準じて測定した。
[吸水率]
熱風加硫した平板状発泡体ゴムから、20mm×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコールでふき取った。この試験片を水面下50mmの位置で−625mmHgまで減圧し、3分間保持した。続いて大気圧に戻し3分間経過後、吸水した試験片の重量を測定し、以下の式から吸水率を算出した。
(吸水率)={(W2―W1)/W1}
W1:浸せき前重量(g)。
W2:浸せき後重量(g)。
[低伸長応力(σ25)]
JIS K 6254)に準じ、伸び(EB)25%のときの応力を測定し、この測定値を低伸張応力(σ25)とした。
[引張破断点応力〔TB〕および引張破断点伸び〔EB〕]
チューブ状スポンジの上部を長さ方向に、JIS K−6251(1993年)に記載の3号型ダンベルで打ち抜いて試験片を調製した。この試験片を用いて、JIS K−6251第3項に規定されている方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、引張破断点応力〔TB〕(MPa)および引張破断点伸び〔EB〕(%)を求めた。
[表面粗さ]
チューブ状スポンジの表面粗度は、触針式表面粗度測定器を用いて、チューブ状スポンジの上面の凹凸を数値化して表した。実際には、スポンジを長さ50mmに切断し、抜き取り部分のうちで「最高から10番目までの凸部分の高さの総和(h1)」から、「最低から10番目までの凹部分の高さの総和(h2)」を差し引いた値(h1−h2)を10で除した値を、チューブ状スポンジの表面粗度(μm)とした。
[50%圧縮応力]
熱空気架橋したチューブ状スポンジを長さ方向に30mmに切断し、試験片の高さが荷重をかけるまえの高さの1/2になるように圧縮して圧縮荷重(23℃、−30℃)を求め、単位断面積当たりの圧縮応力を算出した。断面積は、スポンジの厚さ×スポンジの長さにより求めた。
[圧縮永久歪み(CS)]
チューブ状スポンジを長さ方向に30mm切断し、得られた試験片を圧縮永久歪み測定金型に取り付けた。試験片の高さが荷重をかける前の高さの1/2になるよう圧縮し、金型ごと70℃のギヤーオーブン中にセットして22時間または197時間熱処理した。次いで、試験片を金型から取出し、30分間放冷後、試験片の高さを測定し、以下の計算式から圧縮永久歪み(CS)(%)を算出した。
圧縮永久歪み(CS)(%)={(t0−t1)/(t0−t2)}×100
0:試験片の試験前の高さ。
1:試験片を熱処理し30分間放冷した後の高さ。
2:試験片の測定金型に取り付けた状態での高さ。
[形状保持率]
内径:高さ13mm×横幅11mm、肉厚:1.5mmのチューブ状ダイスを用いて、チューブ状に成形したゴム組成物の高さおよび水平方向長さ(横幅)と、縦横を変えることなくゴム組成物を架橋および発泡して得られるスポンジの高さおよび水平方向長さ(横幅)との比を測定し、形状保持率(%)とした。
形状保持率(%)=(L/D)/(L0/D0)×100
(式中、L0は、チューブ状に成形したゴム組成物の高さ;D0は、チューブ状に成形したゴム組成物の横幅;Lは、チューブ状スポンジの高さ;Dは、チューブ状スポンジの横幅を表す。)
[実施例1]
まず、MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、表1に示す共重合体(A)100部と、以下の各成分を混練した。
共重合体(A)100部
[メタロセン触媒を使用して得たエチレン−プロピレン−ENB−VNB 4元共重合体(エチレン含量62モル比、ENB含量20g/100g、VNB含量0.8g/100g、ML(1+4)100℃=32、Log[η*(0.01)]/Log[η*(10)]=1.41、0.0753×D+1.32=1.38(Dは非共役ポリエン[C-2]に由来する見かけのヨウ素価)]
充填材(C):カーボンブラック(旭カーボン社製、商品名 旭#50G)64部
充填材(C):重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、商品名ホワイトンSB)30部
プロセスオイル(出光興産社製、商品名ダイアナプロセスオイルPS−430)11部
吸湿材(井上石灰工業社製、商品名ベスタ18)5部
加硫助剤(井上石灰工業社製製、商品名メタZ102)5部
ステアリン酸1部
ポリエチレングリコール(ライオン社製、商品名PEG#4000)1部
上記混練の条件は、ローター回転数50rpm、フローティングウェイト圧力3kg/cm2、混練時間5分間、混練排出温度150℃とした。
次いで、この配合物が温度40℃以下となったことを確認した後、14インチロールを用いてさらに以下の各成分を混練した。
加硫促進剤(三新化学工業社製、商品名サンセラーDM)1.5部
加硫促進剤(三新化学工業社製、商品名サンセラーBZ)1部
加硫促進剤(三新化学工業社製、商品名22)1部
加硫促進剤(三新化学工業社製、商品名TE)0.2部
硫黄(S)1.5部
発泡剤(永和化成工業社製、商品名N1000SW)4部
上記混練の条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=55℃/60℃、ロール周速を前ロール/後ロール=13.5rpm/12rpm、ロール間隙を4mmとして、混練時間8分間で分出しした。
上記のようにして得た重合体組成物(X)を、押出機(シリンダ径60mmφ、圧縮比1.5)を使用して、チューブ状スポンジ(内径:高さ13mm×横幅11mm、肉厚:1.5mm)に押出(押出速度3m/min)後、UHF加硫(200℃、出力2kW×1min)及び熱風加硫(250℃×4分)し、その押出物を150mmの長さに裁断して各試験片(架橋発泡体)を調製した。各物性値を表1に示す。
[実施例2]
加硫促進剤(三新化学工業社製、商品名N1000SW)4部の代わりに加硫促進剤(三新化学工業社製、商品名N1000M)4部を使用したこと以外は、実施例1と同様にして重合体組成物を調製し、架橋発泡体を得た。各物性値を表1に示す。
[比較例1〜5]
共重合体(A)を表1に示すように変更したこと以外は、、実施例1と同様にして重合体組成物を調製し、架橋発泡体を得た。各物性値を表1に示す。
Figure 0006091871

Claims (5)

  1. 以下の要件(1)〜(3)を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部、及び、充填材(C)30〜160質量部を含有し、総配合部数が150質量部以上であるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)の架橋発泡体であって、比重が0.3〜0.5であり、低伸張応力(σ25)が0.15〜0.35MPaである架橋発泡体(Y)。
    (1)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)が、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[C−1]、
    Figure 0006091871
    (ただし、(I)は環状オレフィンの部分構造である。)
    Figure 0006091871
    および、一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含む。
    (2)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の100℃におけるムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が、20〜45である。
    (3)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)が、下記式(i)を満たす。
    Log{η*(0.01)}/Log{η*(10)}>0.0753×{非共役ポリエン[C−2]に由来する見かけのヨウ素価}+1.32・・・(i)
    (式中、η*(0.01)は、190℃における0.01rad/secの粘度(Pa・sec)を表し、η*(10)は、190℃における10rad/secの粘度(Pa・sec)を表す。)
  2. 前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)が、少なくとも一つの充填材(C)として、カーボンブラックを30質量部以上含有する請求項1記載の架橋発泡体(Y)。
  3. 非共役ポリエン[C−1]が5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)であり、非共役ポリエン[C−2]が5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)である請求項1または2記載の架橋発泡体(Y)。
  4. エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物(X)を架橋発泡することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の架橋発泡体(Y)の製造方法。
  5. 請求項1〜3の何れか一項記載の架橋発泡体(Y)からなるウェザーストリップスポンジ。
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