JP6325304B2 - シート付き鉄道レール用軌道パッド - Google Patents

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Description

本発明は、優れた摺動性、耐摩耗性、生産性、施工性を有するシート付き鉄道レール用軌道パッドに関する。
鉄道の軌道(レール)において、車輛の走行時に発生する振動や騒音を軽減するための防振材として、鉄道用パッドが使用されている。この鉄道用パッドには、レールと枕木との間に挿入される軌道パッド、枕木の下に敷設される枕木用パッド、スラブ軌道のスラブの下に敷設される軌道スラブ用防振材などが包含される。
鉄道用パッドに用いられる材料としては、SBR系の無発泡ゴムが使用されていた。また、適度な弾性係数、高い引張強度や伸び、小さな圧縮永久歪等の諸物性に加えて、さらに加工性にも優れた特定のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエンランダム共重合体を用いた架橋発泡体からなる軌道パッドも提案されている(特許文献1)。
レールと接する鉄道レール用軌道パッドは、レールの膨張・収縮によってレール下面と擦れ合うことが多い。したがって、レールと接する面には高い摺動性が求められる。そこで高い摺動性を付与する為に、ゴム製の軌道パッドの上面に鋼板を接着した鋼板付き軌道パッドが用いられている(特許文献2、特許文献3)。
国際公開第2013/137231号 特開2004−44113号公報 特開2006−265841号公報
しかし、鋼板付き軌道パッドは鋼板が剥離し易く、また鋼板をゴム製の軌道パッドに接着する為には高価な接着剤が必要であり、その生産工程も複雑である。しかも、鋼板付き軌道パッドはそれ自体が重いので、軌道パッド設置の際の施工性にも問題がある。また、鋼板付き軌道パッドよりもさらに高い摺動性を有する軌道パッドが求められている。
すなわち本発明の目的は、優れた摺動性、耐摩耗性、生産性、施工性を有する鉄道レール用軌道パッドを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、従来の鋼板に代えて特定の樹脂シートを使用することが鉄道レール用軌道パッド用途に非常に適していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、防振部材からなる軌道パッドの少なくとも一つの面上に、ポリオレフィン重合体を含む樹脂シートを有することを特徴とするシート付き鉄道レール用軌道パッドである。
本発明によれば、軌道パッドがレールと接する面に、従来の鋼板に代えて特定の樹脂シートを使用するので優れた摺動性、耐摩耗性、生産性、施工性を有する鉄道レール用軌道パッドを提供できる。
本発明のシート付き鉄道レール用軌道パッドの一実施形態を示す模式的断面図である。
[樹脂シート]
本発明に用いる樹脂シートは、ポリオレフィン重合体を含むシートである。この樹脂シートを用れば、防振部材の面上にプレス成形等の簡単な方法で積層できるので生産性が向上し、また鋼板を用いた場合と比較して製品重量の著しい軽量化が図れるので軌道パッド設置の際の施工性も向上する。しかも摺動性や耐摩耗性に優れているので製品性能も向上する。
樹脂シートに用いるポリオレフィン重合体は、エチレン単独重合体および/またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンを含むエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン含量は、好ましくは60mol%以上、より好ましくは80mol%以上である。具体例としては、エチレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンまたは3−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。中でも、エチレン単独重合体、エチレンとプロピレンまたは1−ブテンの共重合体が好ましく、エチレン単独重合体が特に好ましい。
樹脂シートに用いるポリオレフィン重合体は、下記(A)および(B)の条件の少なくとも一つを満たすことが好ましい。
(A)密度が930〜970kg/mである。
(B)極限粘度[η]が3〜40dl/gである。
(A)の密度は、より好ましくは940〜970kg/m、特に好ましくは950〜970kg/mである。(B)の極限粘度は、より好ましくは3.5〜30dl/g、特に好ましくは4〜30dl/gである。このような高密度および/または高分子量ポリオレフィン重合体を用いることにより、摺動性、耐摩耗性がより向上する。密度は、ASTM D1505に準拠して測定した値であり、極限粘度は、135℃、デカリン溶媒中で測定した値である。
樹脂シートの厚みは、好ましくは100〜6000μm、より好ましくは500〜5000μm、特に好ましくは1000〜4000μmである。
樹脂シートは、本発明の目的を損ねない範囲であれば、一般のポリオレフィン重合体に添加される公知の添加剤(例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤などの安定剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、フィラー、鉱物油系軟化剤、石油樹脂、ワックスなど)を含有していてもよい。また、ポリオレフィン重合体以外の樹脂をブレンドしてもよい。ただし、樹脂シート中のポリオレフィン重合体以外の樹脂の割合は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
[防振部材]
本発明の軌道パッドは、防振部材からなる軌道パッドの少なくとも一つの面上に、以上説明した樹脂シートを有するものである。防振部材は特に制限されず、軌道パッドとしての機能を発現する弾性部材(ゴム部材)であれば良い。
防振部材は、特に、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[C−1]、
Figure 0006325304
(ただし、(I)は環状オレフィンの部分構造である。)
Figure 0006325304
および、一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(6)の条件を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体を含有する組成物を架橋して得られる部材であることが好ましい。
(1)炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、
(2)非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モル%であり、
(3)非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])が75/25〜99.5/0.5であり、
(4)100℃で測定されるムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜90であり、
(5)非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の見かけのヨウ素価(IV)が0.1〜3.0g/100gであり、
(6)下記式(i)を満たすことを特徴とする共重合体。
50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔kJ/mol〕>35 ・・・(i)
以下、防振部材に好適な上記組成物について具体的に説明する。
〔エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体[I]〕
共重合体[I]は、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、前記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[C−1]、および前記一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含み、前記(1)〜(6)の条件を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体[I]である。この共重合体[I]を用いることにより、軌道パッドの用途に適した適度な弾性係数、高い引張強度や伸び、小さな圧縮永久歪などの諸物性(耐候性含む)を有し、しかも加工性にも優れた軌道パッドが得られる。なお、本明細書において、前記(1)〜(6)をそれぞれ、要件(1)〜(6)とも記す。
〔成分[B]〕
炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]としては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらのうち、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素原子数が3〜8のα−オレフィンが好ましい。このようなα−オレフィンは、原料コストが比較的安価であり、かつ得られる共重合体が優れた機械的性質を示すことから好適である。
なお、共重合体[I]は、少なくとも1種の炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
〔成分[C−1]〕
前記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[C−1]としては、例えば分子両末端にビニル基(CH2=CH−)を有する脂肪族ポリエンは含まれない。成分[C−1]としては、下記のような脂肪族ポリエン、脂環族ポリエンなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリエンの具体例としては、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエンなどが挙げられる。本発明においては、これらの脂肪族ポリエンを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは7−メチル−1,6−オクタジエンなどが用いられる。
前記脂環族ポリエンとしては、例えば、1個の炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、その脂環部分を構成する炭素原子に対し炭素・炭素二重結合により結合している鎖状部分(エチリデン、プロピリデン等)とから構成されるポリエンが挙げられ、具体例としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられ、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましく用いられる。その他の脂環族ポリエンとしては、具体的には、例えば、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエンなどが挙げられる。
なお、共重合体[I]は、少なくとも1種の成分[C−1]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の成分[C−1]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
〔成分[C−2]〕
一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン[C−2]としては、例えば、炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する有する脂環部分と、脂環部分を構成する炭素原子に結合しする鎖状部分であってビニル基を含む鎖状部分とを有する脂環族ポリエン、分子両末端にビニル基を有する脂肪族ポリエンが挙げられる。具体例としては、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−アリル−2−ノルボルネン等の5−アルケニル−2−ノルボルネン;2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ−3,8−ジエン等の脂環族ポリエン;1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン等のα,ω−ジエン等の脂肪族ポリエンが挙げられる。
これらの中でも、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−アルケニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが好ましく、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が特に好ましい。
なお、共重合体[I]は、少なくとも1種の成分[C−2]に由来する構成単位を含んでおり、2種以上の成分[C−2]に由来する構成単位を含んでいてもよい。
〔要件(1)〕
共重合体[I]は、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、好ましくは25〜45モル%である。成分[B]に由来する構造単位(モル%)が前記範囲にあると、共重合体を含むゴム組成物から得られる、架橋発泡体の柔軟性と低温における機械的特性との観点から好適である。前記モル比は、13C−NMRにより求めることができる。
〔要件(2)〕
共重合体[I]は、非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モルであり、好ましくは1.0〜5.0モル%である。前記モル%の合計が前記範囲内にあると、加硫反応速度の制御を比較的容易に行うことが可能であるため好ましい。前記モル%の合計は、例えば13C−NMRにより求まるENB、VNBのモル量を合計することにより求めることができる。
〔要件(3)〕
共重合体[I]は、非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])が75/25〜99.5/0.5であり、好ましくは78/22〜97/3である。このモル%との比が前記範囲内にあると、加硫反応性と発泡反応時のガス保持性のバランスに優れるため好ましい。このモル%との比は、13C−NMRにより求めることができる。
以下に、エチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)から得られる共重合体を一例として取り上げ、要件(1)〜(3)を求める方法を具体的に示す。
なお、エチレン、プロピレンおよびENB共重合体の13C−NMRによるに構造(組成)解析は、C. J. Carman, R. A. Harrington, and C. E. Wilkes, Macromolecules, 10, p 536-544(1977)、Masahiro Kakugo, Yukio Naito, Kooji Mizunuma, and Tatsuya, Miyatake, Macromolecules, 15, p 1150-1152(1982)、およびG. Van der Velden, Macromolecules, 16, p 85-89(1983)に基づき、VNB系共重合体の構造解析は、Harri Lasarov, Tuula T. Pakkanen, Macromol. Rapid Commun., 20, p 356-360(1999)、およびHarri Lasarov*, Tuula T. Pakkanen, Macromol.Rapid Commun., 22, p 434-438(2001)に基づいて行った。
先ず、13C−NMRにより、エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBに由来するそれぞれのピークの積分値を求めた。
1)エチレン ;[エチレン連鎖由来ピークの積分値+{エチレン−プロピレン連鎖由来ピークの積分値}/2]
2)プロピレン;[プロピレン連鎖由来ピークの積分値+{エチレン−プロピレン連鎖由来ピークの積分値}/2]
3)ENB ;ENB−3位ピークの積分値
4)VNB ;VNB−7位ピークの積分値
共重合体[I]におけるENBに由来する構造(E体、Z体)の化学式および、VNBに由来する構造(endo(n)、exo(x))の化学式を以下に示す。
Figure 0006325304
Figure 0006325304
得られた積分値比より、ENBおよびVNBに由来する構造単位のモル%を算出した。なお、重量%への変換はエチレンの分子量を28.05、プロピレンの分子量を42.08、ENBとVNBの分子量を120.2として行った。
〔要件(4)〕
共重合体[I]は、100℃で測定されるムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜90である。前記ムーニー粘度は、10〜80であることが好ましい。
ムーニー粘度が前記範囲内にあると、発泡媒体となるゴムコンパウンド粘度を比較的容易に低く設定でき、混練性に優れる配合設計が可能となり好ましい。
なお、前記ムーニー粘度は、ムーニー粘度計(島津製作所社製SMV202型)を用いて、JIS K6300に準拠して測定することができる。
〔要件(5)〕
共重合体[I]は、非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の見かけのヨウ素価(IV)が0.1〜3.0g/100gである。前記成分[C−2]の見かけのヨウ素価は、好ましくは0.4〜3.0g/100g、より好ましくは0.5〜3.0g/100gである。
ヨウ素価を調整することにより、後述する要件(6)を満たす流動の活性化エネルギーを有する共重合体を得ることができる。また非共役ポリエン[C−2]の見かけのヨウ素価が前記範囲内にあると、発泡性と混練安定性に優れるため好ましい。
なお、前記成分[C−2]の見かけのヨウ素価は、1H−NMRおよび13C−NMRにより求めることが出来る。
以下に、共重合体であるエチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)から得られる共重合体を一例として取り上げ、VNB(分子量120.2)に由来するみかけのヨウ素価を求める方法を具体的に示す。
先ず、先に示したように13C−NMRより共重合体ゴムに含まれる各構造単位の重量%を決定した。次いで1H−NMRスペクトルメーターより、ENBに由来するピークの積分値とVNBのビニル基に由来するピークの積分値を以下のように求めた。
1)〔ENBに由来するピークの積分値〕;(a)、{(4.7〜5.3ppm付近の複数ピークの合計)−2×(c)}
なお、4.7〜5.3ppm付近の複数ピークには(a)ピークと(b)ピークが合わせて検出されるため、上記式より(a)を算出する。
2)〔VNBのビニル基に由来するピークの積分値〕;(c)、5.5〜6.0ppm付近ピークの合計
なお、上記式1)、2)中、(a)(b)および(c)は、それぞれ下記式(X)、(Y)中の(a)、(b)および(c)を示す。)
Figure 0006325304
得られた積分値比を用いてVNB(分子量120.2)に由来するみかけのヨウ素価を以下の式より算出した。なお、ヨウ素の分子量は253.81である。
VNBに由来するみかけのヨウ素価=〔VNBのビニル基に由来するピークの積分値〕/〔ENBに由来するピークの積分値〕×〔13C−NMRスペクトルメーターより求めたENBの重量%〕×253.81/120.2
〔要件(6)〕
共重合体[I]は、下記式(i)を満たし、好ましくは下記式(i')を満たす。
50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔kJ/mol〕>35 ・・・(i)
50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔kJ/mol〕>37 ・・・(i')
一般にポリマー溶融物の粘度は、流動学上の単純な液体の粘度のように、温度上昇に伴い減少し、高温(Tg;ガラス転移温度+100℃)では、粘度の温度依存性が、下記式(A)で表わされるアレニウス型の式に従うことが知られている。
粘度(ηo)=Aexp(Ea/RT) ・・・(A)
R;気体定数、A;頻度因子、Ea;流動の活性化エネルギー、T;絶対温度
上記流動の活性化エネルギーは分子量および分子量分布に依存せず、分子構造によってのみ影響を受けることからポリマーの構造情報を表す有用な指標とされる。
しかしながら、チーグラー触媒を用いて得られるオレフィン系ポリマーでは、精密な分子構造制御が困難であり、さまざまな構造情報が流動の活性化エネルギーに含まれて算出されていた。近年、メタロセン触媒の発見や製造技術の進歩により、分子量分布、短鎖分岐度、組成分布および長鎖分岐度まで制御することが可能になり、高密度ポリエチレン(LDPE)の流動の活性化エネルギーは約27kJ/mol、低密度ポリエチレン(LDPE)の流動の活性化エネルギーは約56kJ/molと報告されている。 ここでの流動の活性化エネルギーの差異は長鎖分岐に起因すると考えられているが、長鎖分岐の解析は、NMRや光散乱により評価する方法が知られているものの正確に検出することは困難であり、レオロジー特性に着目した研究が今も尚、盛んに行われている(参考文献1;山口 政之、成形加工、第20巻、第7号、400-404(2008)、参考文献2;F. J. Stadler、C. Gabriel、H. Munstedt、Macromolecular chemistry and Physics、208、2449-2454(2007))。
他方、EPDMでもメタロセン触媒を用いることで架橋サイトとして共重合するジエン成分の分布が均一化されることが報告されている(参考文献3;B. A. Harrington、M. G. Williams、Presented at a meeting of the Rubber Division、American Chemical Society October、14-17(2003))。
したがって、メタロセン触媒を用いることでEPDMの精密分子構造制御とともに架橋反応性の均一化が可能となり、流動の活性化エネルギーとゴム組成物や、架橋発泡体の物性との関係を把握し、高発泡領域で優れた機能を発現する構造領域を明示することが可能である。
一般にエチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)を含む組成物を架橋発泡成形することにより、架橋発泡体を調製するためには、該組成物の性状とともに、加硫反応および発泡反応を制御することが重要である。
例えば、該組成物の粘度が低すぎると発泡ガスの保持性が悪く、低比重化出来ず、さらに外観の悪化を引き起こす。他方、該組成物の粘度が高すぎると発泡されないこととなる。また、該組成物の粘度に影響を及ぼす因子の一つとして、EPDMの架橋反応によるネットワーク形成が挙げられ、架橋反応の制御もまた重要になる。
そこで従来は、該組成物の粘度を低くした条件下、発泡ガスの保持性を向上させるために、EPDMの分子量分布を広くなるように分子設計し、高分子量成分によってガス保持性を向上させる検討が行われてきた。他方、重合体中に長鎖分岐を導入することでガス保持性を向上される検討がポリエチレンでは良く知られているが、従来のチーグラー触媒を用いたEPDMでは、長鎖分岐の導入そのものが難しく、さらに、チーグラー触媒では、ジエン成分を重合体中に均一に導入することが難しく、架橋反応が偏在し、その結果充分な高発泡体を得ることが難しかった。
そこで、共重合体[I]は、好ましくはメタロセン触媒を用いて合成することにより、ジエン成分を重合体中に均一に導入し、架橋反応を制御するとともに、ジエン成分の一つとして、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)等の成分[C−2]を共重合することで、長鎖分岐をより多く導入し、その構造的特性を流動の活性化エネルギーにより特定した。流動の活性化エネルギーが上記式(i)を満たす上記共重合体を含む組成物を架橋発泡することにより得られる架橋発泡体は、これまで達成が困難であった高発泡体の調製を容易かつ安定的に行うことが可能となる。また、上記共重合体を含む組成物により得られる架橋発泡体が、顕著に優れる表面平滑性を示す。
共重合体[I]の流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度−時間重ね合わせの原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位;Pa・sec)の周波数(単位;Hz)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる。
すなわち、170℃および210℃それぞれの温度(T、単位;℃)における共重合体の溶融複素粘度‐周波数曲線(溶融複素粘度の単位;Pa/sec、周波数の単位;Hz)を、温度‐時間重ね合わせの原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度‐周波数曲線毎に、190℃での共重合体の溶融複素粘度‐周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により、[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求める。
ln(aT)=m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea=[0.008314×m] (II)
aT:シフトファクター、Ea:流動の活性化エネルギー(単位;kJ/mol)
T :温度(単位;℃)、n:切片
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)社製 RSI Orchestrator VER.6.6.3などが挙げられる。
なお、シフトファクター(aT)はそれぞれの温度(T)における溶融複素粘度‐周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸と溶融複素粘度、X軸を周波数とする)、190℃での溶融複素粘度−周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、それぞれの温度(T)における溶融複素粘度‐周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる、また、170℃、190℃および210℃の3点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
溶融複素粘度−周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、レオメトリック社製の粘弾性試験機(型式RDS−2))を用いて測定した。具体的には、試料として、共重合体を190℃でプレスして得た2mm厚のシートから、直径25mm×2mm厚の円盤状に成形したものを使用し、以下の条件で測定を行った。なお、データ処理ソフトとしてRSI Orchestrator VER.6.6.3(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)社製)を用いた。また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm)配合することが好ましい。
Geometry:パラレルプレート
測定温度:170℃、190℃、210℃
周波数:0.5〜79.577Hz
歪率:1.0%
上記条件で粘度の周波数依存性を測定し、上述したアレニウスプロットを導出することで流動の活性化エネルギーを算出した。
共重合体[i]は、前述のようにメタロセン触媒を用いて合成される共重合体であるが、メタロセン触媒として、下記式(I)、(II)または(III)で表わされる触媒が好ましい。
式(I)で表される化合物について説明する。
Figure 0006325304
式(I)中、Rは、それぞれ独立に、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびこれらの組み合わせから選ばれる基または水素原子であり、該基が含有する水素以外の原子の数は20個以下である。
Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。
Yは−O−、−S−、−NR*−または−PR*−である。
*は、水素原子、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、R*が水素でない場合には、R*は20個までの水素以外の原子を含有する。
Zは、ホウ素または14族元素を含有し、かつ、窒素、リン、硫黄または酸素を含有する2価の基であり、該2価の基が有する水素原子以外の原子の数は60個以下である。
Xは、Xが複数存在する場合にはそれぞれ独立に、原子の数が60個以下のアニオン性配位子である(ただし、π電子が非局在化した環状配位子を除く。)。
X'は、X'が複数存在する場合にはそれぞれ独立に、原子の数が20個以下の中性の連結化合物である。
pは0、1または2である。
qは0または1である。
ただし、pが2でqが0の場合、Mは+4の酸化状態にあり、Xはハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ(ヒドロカルビル)アミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド、ヒドロカルビルスルフィド、シリル基、これらのハロ置換誘導体、ジ(ヒドロカルビル)アミノ置換誘導体、ヒドロカルビルオキシ置換誘導体およびジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換誘導体から選ばれるアニオン性配位子であり、該Xの水素原子以外の原子の数は20個以下である。またpが1でqが0の場合、Mは+3の酸化状態にあり、Xはアリル、2−(N,N'−ジメチルアミノメチル)フェニルおよび2−(N,N'−ジメチル)アミノベンジルから選ばれるアニオン性安定化配位子であるか、あるいはMが+4の酸化状態にあって、Xが2価共役ジエン誘導体でMとメタラシクロペンテンを形成する。またpが0でqが1の場合、Mは+2の酸化状態にあり、X'は1以上のヒドロカルビル基で置換されてもよい中性の共役もしくは非共役ジエンで、かつ、炭素原子を40個以下の数で含有しMとπ錯体を形成する。
式(II)で表される化合物について説明する。
Figure 0006325304
式(II)中、R1およびR2は、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基であり、R1およびR2の少なくとも1つは水素原子ではない。
3〜R6は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜6のアルキル基である。
また、R1〜R6は互いに結合して環を形成してもよい。
Mはチタンである。
Yは−O−、−S−、−NR*−または−PR*−である。
*はSiR* 2、CR* 2、SiR* 2SiR* 2、CR* 2CR* 2、CR*=CR*、CR* 2SiR* 2またはGeR* 2である。
*は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、R*が水素でない場合には、R*は20個までの水素以外の原子を含有する。Z*に結合する2つのR*(R*が水素でない場合)は環を形成してもよいし、Z*に結合するR*とYに結合するR*が環を形成してもよい。
pは0、1または2である。
qは0または1である。
ただし、pが2の場合、qは0であり、Mは+4の酸化状態にあり、Xはそれぞれ独立にメチル基またはベンジル基である。またpが1の場合、qは0であり、Mは+3の酸化状態にあり、Xは2−(N、N'−ジメチル)アミノベンジル基であるか、あるいはqは0であり、Mは+4の酸化状態にあり、Xは1,3−ブタジエニルである。またpが0の場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態にあり、Xは1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエンまたは1,3−ペンタジエンである。
式(III)で表される化合物について説明する。
Figure 0006325304
式(III)中、R'は、水素原子、ヒドロカルビル基、ジ(ヒドロカルビルアミノ)基、またはヒドロカルビレンアミノ基であり、前記R'が炭素原子を有する場合の炭素原子数は20以下である。
式(III)中、R''は、炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子である。
式(III)中、Mはチタンである。
式(III)中、Yは、−O−、−S−、−NR*−、−PR*−、−NR2 *、または−PR2 *である。
式(III)中、Z*は、−SiR* 2−、−CR* 2−、−SiR* 2SiR* 2−、−CR* 2CR* 2−、−CR*=CR*−、−CR* 2SiR* 2−、または−GeR* 2−である。
前記R*は、複数存在する場合にはそれぞれ独立に、水素原子または、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、およびハロゲン化アリールからなる群から選択される少なくとも1種を含む基であり、前記R*は原子番号2〜20までの原子を含み、任意にZ*が有する2つのR*(R*が水素原子でない場合)が環を形成してもよく、Z*のR*とYのR*とが環を形成してもよい。
式(III)中、Xは、π電子が非局在化した環状配位子を除く、原子数60以下の一価のアニオン性配位子である。X'は、原子数20以下の中性の連結基である。X''は、原子数60以下の二価のアニオン性配位子である。pは、0、1または2である。qは、0または1である。rは、0または1である。
pが2の場合、qおよびrは0であり、Mは+4の酸化状態(但し、Yが−NR* 2または−PR* 2である場合を除く)、またはMは+3の酸化状態(但し、Yが−NR* 2または−PR* 2である)であり、Xはハライド基、ヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、ジ(ヒドロカルビル)アミド基、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド基、ヒドロカルビルスルフィド基、およびシリル基、ならびに、これらの基がハロゲン置換された基、これらの基がジ(ヒドロカルビル)アミノ置換された基、これらの基がヒドロカルビルオキシ置換された基およびこれらの基がジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換された基よりなる群から選択されるアニオン性配位子であり、前記基は原子番号2〜30までの原子を含む。
rが1の場合、pおよびqは0であり、Mは+4の酸化状態であり、X''はヒドロカルバジル基、オキシヒドロカルビル基、およびヒドロカルビレンジオキシ基よりなる群から選択されるジアニオン性配位子であり、前記X''は原子番号2〜30までの原子を有する。pが1の場合、qおよびrは0であり、Mは+3の酸化状態であり、Xは、アリル、2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル、および2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルよりなる群から選択されるアニオン性安定化配位子である。pおよびrが0の場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態であり、X'は、任意に1以上のヒドロカルビル基で置換された、中性の共役ジエンまたは中性のジ共役ジエンであり、前記X'は炭素の原子数が40以下であり、Mとπ−π相互作用による結合を形成する。
より好ましい態様としては、式(III)中、pが2であり、qおよびrが0である場合、Mは+4の酸化状態であり、Xは、各々独立に、メチル、ベンジル、またはハライドであり、pおよびqが0である場合、rは1であり、Mは+4の酸化状態であり、X''は、Mとメタラシクロペンテン環を形成する1,4−ブタジエニル基であり、pが1である場合、qおよびrは0であり、Mは+3の酸化状態であり、Xは、2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルであり、pおよびrが0である場合、qは1であり、Mは+2の酸化状態であり、X'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンである。
式(III)の中でも下記式(III')で表される化合物が特に好ましい。
Figure 0006325304
上記式(III')中、R'が水素原子、炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基であり、R''は、炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基または水素原子であり、Mはチタンであり、Yは、−NR*−であり、Z*は、−SiR* 2−であり、前記R*は、それぞれ独立に、水素原子または、炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基であり、pおよびqのうち一方は0であり、他方は1であり、pが0かつqは1である場合には、Mは+2の酸化状態であり、X'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンであり、pが1かつqが0である場合には、Mは+3の酸化状態であり、Xは2−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジルである。
炭素原子数1〜20のヒドロカルビル基としてはメチル基、エチル基、ブチル基などの直鎖状アルキル基、t-ブチル基、ネオペンチル基などの分岐状アルキル基が挙げられ、ヒドロカルビルオキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基などの直鎖状アルキルオキシ基、t-ブチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基などの分岐状アルキルオキシ基が挙げられ、ハロゲン化アルキル基としては、前記の直鎖状アルキル基や分岐状アルキル基をクロル化、臭素化、フッ素化したものが挙げられる。またはハロゲン化アリール基として、クロル化フェニル基、クロル化ナフチル基などが挙げられる。
上記式(III')中、R''が水素原子またはメチルであるのが好ましく、メチルである場合が好ましい。
特に好ましい触媒は、(t−ブチルアミド)ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)2,4−ヘキサジエン(IV)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シラン−チタニウム(IV)ジメチル(V)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2,3−ジメチルインデニル)シランチタニウム(II)1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン(VI)、(t−ブチル−アミド)−ジメチル(η5−2,3−ジメチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(IV)ジメチル(VII)、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン(VIII)である。
その中でも、(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエン(VIII)が特に好ましい。
Figure 0006325304
Figure 0006325304
特に上記式(VIII)で表される構造を有する触媒を用いると、共重合体[I]を得るための重合反応が、非共役ポリエン(成分[C−1]および成分[C−2])の共重合体性に優れ、例えばVNB末端の二重結合を効率よく取り込み、長鎖分岐を高い割合で導入することができる。また、得られる共重合体の分子量分布と組成分布が狭く、非常に均一な分子構造を有する共重合体を調製することができるため、長鎖分岐生成に伴い懸念される、ゴム成形体表面のゲル状ブツの形成が顕著に抑制される。その結果、このような共重合体を含んでなるゴム成形体は、ゲル状ブツを含まないためにその表面外観に優れ、また形状保持性に優れるため生産安定性も良好である。
これらの触媒は、周知の合成手法を用いて調製することができる。例えば国際公開WO98/49212に開示されている。
<共重合体の製造方法>
共重合体[I]を合成する際には、メタロセン触媒、好ましくは上記に例示される構造を有する触媒を用いる。より詳しくは、上記触媒を主触媒とし、共触媒としてホウ素系化合物および/またはトリアルキル化合物等の有機アルミニウム化合物を用い、ヘキサン等の脂肪族炭化水素を溶媒とし、攪拌機つき反応器による連続法またはバッチ法が挙げられる。
ホウ素系化合物としては、例えばトリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(水素化タローアルキル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムn−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、およびN,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;ジアルキルアンモニウム塩、例えば、ジ−(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、およびジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;三置換されたホスホニウム塩、例えば、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(o−トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;二置換されたオキソニウム塩、例えば、ジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ−(o−トリル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびジ(2,6−ジメチルフェニル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;二置換されたスルホニウム塩、例えば、ジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジ(o−トリル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびビス(2,6−ジメチルフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
有機アルミニウム化合物としては、トリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」ともいう。)が例示される。反応温度は、高温でも触媒が失活しないので100℃まで上げることができる。重合圧力は、0を超えて〜8MPa(ゲージ圧)、好ましくは0を超えて〜5MPa(ゲージ圧)の範囲である。また、反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常0.5分間〜5時間、好ましくは10分間〜3時間である。さらに、共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
エチレン[A]と上記α−オレフィン[B]とのモル(仕込み)比([A]/[B])は、25/75〜80/20、好ましくは30/70〜70/30である。
上記非共役ポリエン[C−1]と上記非共役ポリエン[C−2]とのモル(仕込み)比([C−1]/[C−2])は、60/40〜99.5/0.5、好ましくは65/35〜99/1である。
エチレン[A]と該非共役ポリエン[C−1]とのモル(仕込み)比([A]/[C−1])は、70/30〜99/1、好ましくは80/20〜98/2である。
エチレン[A]と該非共役ポリエン[C−2]とのモル(仕込み)比([A]/[C−2])は、70/30〜99.9/0.1、好ましくは80/20〜99.5/0.5である。
上記触媒を用いて重合することによって、二重結合を有する非共役ポリエン等が高い転化率で共重合され、得られる共重合体に適量の長鎖分岐を導入することができるので好ましい。
このようにして得られる共重合体[I]は、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、好ましくは25〜45モル%である。また、炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モル%であり、より好ましくは1.0〜5.0モル%である。炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])は、75/25〜99.5/0.5、好ましくは78/22〜97/3である。
上記触媒を用いて重合することによって、二重結合を有する非共役ポリエン等が高い転化率で共重合され、得られる共重合体に適量の長鎖分岐を導入することができるので好ましい。
<ゴム組成物>
本発明に好適に用いられるゴム組成物は、前記共重合体[I]を含んでいればよく、その他の成分は特に限定されないが、例えば、カーボンブラック等の補強剤、オイル等の軟化剤、加硫剤および加硫助剤、発泡剤および発泡助剤を含むことが好ましい。ゴム組成物全体における前記共重合体(I)の含有量は、好ましくは20重量%以上である。
[カーボンブラック]
カーボンブラックは、十分な機械的強度を有する押出し成形加硫ゴム成形体を提供できるゴム組成物を得るために、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]100重量部に対して、30〜300重量部、好ましくは50〜200重量部、更に好ましくは61〜200重量部、最も好ましくは70〜200重量部の割合で用いられる。また、カーボンブラックは、十分な機械的強度を有する加硫ゴム成形体を提供できるゴム組成物を得るために、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]100重量部に対して、30〜300重量部、好ましくは50〜200重量部、更に好ましくは61〜200重量部、最も好ましくは80〜200重量部の割合で用いられる。
カーボンブラックとしては、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等を用いることができる。また市販品として、FEFカーボンブラック(旭#60G 旭カーボンブラック株式会社)が好ましい。カーボンブラックは、機械的強度および製品肌の良好な加硫ゴム成形体を提供できるゴム組成物を得る点で、窒素吸着比表面積が10〜100m2/gであることが好ましい。
[その他の成分]
本発明に好適に用いられるゴム組成物は、意図する加硫物の用途等に応じて、カーボンブラック(B)以外のゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、発泡剤、発泡助剤、加硫促進剤、有機過酸化物、加硫助剤、着色剤、分散剤、難燃剤等の従来公知の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
前記ゴム補強剤は、架橋(加硫)ゴムの引張強度、引き裂き強度、耐摩耗性等の機械的性質を高める効果がある。このようなゴム補強剤としては、具体的には、微粉ケイ酸、シリカ等が挙げられる。これらは予めシランカップリング処理されていてもよい。
シリカの具体例としては、煙霧質シリカ、沈降性シリカ等が挙げられる。これらのシリカは、メルカプトシラン、アミノシラン、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等の反応性シランあるいは低分子量のシロキサン等で表面処理されていてもよい。
これらのゴム補強剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、ゴム補強剤(カーボンブラックを除く)の配合量は、通常、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]100重量部に対して、最大150重量部、好ましくは最大100重量部である。
[無機充填剤]
前記無機充填剤としては、具体的には、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー等が挙げられる。
これらの無機充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、無機充填剤の配合量は、通常、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]100重量部に対して、最大300重量部、好ましくは最大200重量部である。
[軟化剤]
前記軟化剤としては、通常ゴムに使用される軟化剤を用いることができる。具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール油;サブ(ファクチス);蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪酸および脂肪酸塩;ナフテン酸;パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系軟化剤;マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油等が挙げられる。中でも石油系軟化剤、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。これらの軟化剤の配合量は、加硫物の用途により適宜選択される。
[老化防止剤]
前記老化防止剤としては、例えばアミン系、ヒンダードフェノール系またはイオウ系老化防止剤等が挙げられるが、これらの老化防止剤は、前述したように、本発明の目的を損なわない範囲で用いられる。アミン系老化防止剤としては、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類等が挙げられる。イオウ系老化防止剤としては、通常ゴムに使用されるイオウ系老化防止剤が用いられる。
[加工助剤]
前記加工助剤としては、通常のゴムの加工に使用される加工助剤を使用することができる。具体的には、リノール酸、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸の塩;前記高級脂肪酸のエステル類等が挙げられる。このような加工助剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
[発泡剤]
発泡剤としては、具体的には、重炭酸ナトリウム(重曹)、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AZBN)、アゾビスシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド(BSH)、トルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジド等のアジド化合物等が挙げられる。
これらの発泡剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]100重量部に対して、通常0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いられる。
[発泡助剤]
また、必要に応じて、発泡剤と併用して、発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化等の作用をする。このような発泡助剤としては、例えば、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸等の有機酸、尿素またはその誘導体等が挙げられる。これらの発泡助剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられるが、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
[他のゴム]
また、架橋可能なゴム組成物中に、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムをブレンドして用いることができる。このような他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等のイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等の共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
[加硫剤(架橋剤)]
加硫に用いる加硫剤としては、イオウおよびイオウ化合物が挙げられる。イオウとしては、具体的には、粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ等が挙げられる。イオウ化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、および加硫温度で活性イオウを放出して加硫するイオウ化合物、例えばモルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン等が挙げられる。これらの中ではイオウが好ましい。イオウまたはイオウ化合物は、前記共重合体ゴム[I]100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で用いられる。
[加硫促進剤]
また、加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を使用するときは、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、具体的には、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(OBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(BBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン(DPG)、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン(DOTG)、オルソトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレ−ト等のグアニジン系化合物;アセトアルデヒド−アニリン縮合物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン(H)、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオウレア(EUR)、ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア、ジオルソトリルチオウレア等のチオウレア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸塩;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のキサントゲン酸塩;亜鉛華(酸化亜鉛)等の化合物が挙げられる。これらの加硫促進剤は、前記共重合体ゴム[I]100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の割合で用いられる。
〔加硫助剤〕
加硫助剤は、その用途により適宜選択でき、単独でも2種以上混合して用いることができる。加硫助剤の具体的例としては、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業株式会社製)などの酸化亜鉛)などが挙げられる。その配合量は、通常、共重合体100重量部に対して、1〜20重量部である。加硫助剤としては、p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系;その他マレイミド系;ジビニルベンゼン等が挙げられる。
[ゴム組成物およびその加硫ゴム成形体の調製]
本発明に好適に用いられるゴム組成物は、バンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム[I]、カーボンブラック、ゴム補強剤、無機充填剤、軟化剤等の添加剤を80〜170℃の温度で2〜20分間混練した後、イオウをオープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、発泡剤、発泡助剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
<架橋ゴム>
本発明に好適に用いられる架橋ゴムは、上記ゴム組成物を架橋してなることを特徴とするものである。ゴム組成物を架橋させる方法としては例えば、以下の2つの方法が挙げられる。一つ目の方法としては、(i)前記加硫剤を配合したゴム組成物を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)等の加熱形態の加熱槽等種々の成形法によって所望形状に予備成形し、予備成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱する方法であり、二つ目の方法としては(ii)上記ゴム組成物を上記成形法によって予備成形し、電子線を照射する方法である。
(i)の場合、前記加硫剤を用い、必要に応じて前記加硫促進剤および/または前記加硫助剤も併用することができる。また、加熱する際の温度としては、一般的に100〜300℃、好ましくは120〜270℃、さらに好ましくは120〜250℃で、0.5〜30分間、好ましくは0.5〜20分間、さらに好ましくは0.5〜15分間加熱することが望ましい。
上記ゴム組成物を成形および加硫する際には、金型を用いてもよく、また金型を用いないでもよい。金型を用いない場合には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。
(ii)本発明に好適に用いられるゴム組成物を上記成形法によって予備成形し、電子線を照射する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1〜10MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜20Mrad、さらに好ましくは1〜10Mradになるように照射すればよい。
<架橋発泡体>
架橋発泡体は、上記ゴム組成物を架橋発泡成形して得られる架橋発泡体(以下、「架橋発泡体(1)」と称す。)である。上記ゴム組成物を架橋発泡成形するためには、通常発泡剤を含むゴム組成物を用い、架橋および発泡を行う。架橋発泡成形の一例としては、ゴム組成物を、所定の形状の金型に充填し、加熱プレスにより架橋および発泡を行い、軌道パッドを得る方法が挙げられる。軌道パッドの種類としてはJIS E 1117に挙げられるものがあるが、もちろんこれに限定されるものではない。
一方、本発明に好適に用いられる架橋発泡体(2)および(3)は、以下の特定の物性を有する架橋発泡体である。
架橋発泡体(2)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体を含有する組成物を架橋・発泡して得られる架橋発泡体であって、
(a)比重が0.75以下で、かつ
(b)弾性係数が3.0N/mm以上である
ことを特徴とする。
本発明の架橋発泡体(3)は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体を含有する組成物を架橋・発泡して得られる架橋発泡体であって、
(a)比重が0.75以下で、かつ
(c)成形体の断面の一定面積(2.2cm)中に観察される気泡のうち、最大径を有する気泡から10番目に大きい径を有する気泡までの気泡の径の平均値が80μm以下である
ことを特徴とする。
上記の架橋発泡体(2)および(3)は、必ずしも以上説明したゴム組成物を用いて得られる架橋発泡体に限定されない。上記の条件(a)および(b)または条件(a)および(c)を満たす架橋発泡体であれば、以上説明したゴム組成物以外の組成物を用いて得られる架橋発泡体であっても良い。ただし、架橋発泡体(2)および(3)についても以上説明したゴム組成物を用いて得られることが好ましい。
架橋発泡体(2)および(3)において、その比重は0.75以下であり、好ましくは0.70以下、より好ましくは0.03〜0.7、特に好ましくは0.1〜0.7である。この比重は、JIS Z 8807に準拠して測定した値である。
架橋発泡体(2)において、その弾性係数は3.0N/mm以上であり、好ましくは3.0〜5.0N/mmである。この弾性係数は、JIS E 1117に準拠して測定した値である。
架橋発泡体(3)において、上記の条件(c)の気泡の径の平均値は80μm以下であり、好ましくは50〜80μmである。
また、架橋発泡体(1)においては、その比重は好ましくは0.03〜0.9、より好ましくは0.1〜0.8、特に好ましくは0.1〜0.75、最も好ましくは0.1〜0.7であり、その弾性係数は好ましくは3.0N/mm以上、より好ましくは3.0〜5.0N/mmであり、上記の条件(c)の気泡の径の平均値は好ましくは80μm以下、より好ましくは50〜80μmである
<シート付き鉄道レール用軌道パッド>
図1は、本発明のシート付き鉄道レール用軌道パッドの一実施形態を示す模式的断面図である。この実施形態においては、レール1の下に、樹脂シート3を有する軌道パッド2が設置されている。そして、樹脂シート3の上面がレール1の下面と接している。すなわち、樹脂シート3は従来の鋼板の代替材として機能するものであるが、摺動性、耐摩耗性に優れているので従来品以上の性能を発現する鉄道レール用軌道パッドとなる。
なお「鉄道レール用軌道パッド」とは、鉄道レールに使用される、例えば 1)鉄道部品としての軌道パッド、2)軌道パッドとして使用されるゴムシート、3)軌道パッドとして使用されるゴム架橋体、4)軌道パッドとしてのゴム架橋発泡体、等の成形体を意味する。
このようなシート付き鉄道レール用軌道パッドは、例えば、防振部材からなる軌道パッドの少なくとも一つの面(例えばレールと接する面)の上に樹脂シートを公知の方法に従い積層成形することにより得られる。その具体例としては、防振部材と樹脂シートをプレス成形や、加熱ロールを用いた成形により加熱圧着する方法、樹脂シートの原料樹脂または防振部材の原料樹脂をダイスより押出して溶融樹脂の状態で積層する押出ラミネーション法が挙げられる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<防振部材R−1(架橋発泡体)の製造>
以下の共重合体1を用いて表1に示す組成の組成物を調製し、152mm×150mm×5mmtの金型を用い、表1の組成物を金型内に105g充填し、160℃×20分、150kgf/cmの条件で架橋発泡することでシート状の防振部材R−1(架橋発泡体)を製造し、各種物性を評価した。
<防振部材R−2(架橋体)の製造>
共重合体1を用いて表1に示す組成(発泡剤とマイクロスフェアーは不使用)の組成物を134g使用したこと以外は防振部材R−1と同じ条件で架橋することでシート状の防振部材R−2(架橋体)を製造し、各種物性を評価した。
[共重合体1]
国際公開WO2010/064574号の実施例1と同様の方法(モル比違いはフィード量で調整)で製造したエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
[C−1]=ENB
[C−2]=VNB
要件(1):[B]=36.8モル%
要件(2):[C−1]+[C−2]=2.91モル%
要件(3):[C−1]/[C−2]=96/4
要件(4):ML1+4(100℃)=32
要件(5):IV=0.8g/100g
要件(6):Ea=43.0kJ/mol
Figure 0006325304
表1中の組成の数値は質量部である。
活性亜鉛華 META−Z102 井上石灰工業株式会社
SRFカーボンブラック 旭#50 旭カーボン株式会社
シリカ ニップシールVN3 東ソー・シリカ株式会社
パラフィン系オイル サンパー2280 日本サン石油株式会社
活性剤 PEG#4000 日油株式会社
老化防止剤 ノクラック224 大内新興化学工業株式会社
マイクロスフェアー エクスパンセル920−80 日本フィライト株式会社
マイクロスフェアー エクスパンセル909−80 日本フィライト株式会社
発泡剤 ネオセルボンN#1000M 永和化成工業株式会社
ZBDC サンセラーBZ 三新化学工業株式会社
TMTD サンセラーTT 三新化学工業株式会社
EU サンセラー22−C 三新化学工業株式会社
MDB ノクセラーMDB 大内新興株式会社
なお、比重はJIS Z 8807、引張強度および伸びはJIS K 6251、圧縮永久歪はASTM D395に準拠して測定した。
<樹脂シートS−1の製造>
高分子量ポリエチレン(株式会社プライムポリマー製、商品名ハイゼックス7000F、[η]=3.8dl/g、密度=952kg/m)を、210℃×20分、30kgf/cmの条件でプレスし、さらに冷却後も同圧力で20分維持することによって、樹脂シートS−1を得た。
<樹脂シートS−2の製造>
高分子量ポリエチレンとして三井化学株式会社製、商品名リュブマーL5000、[η]=5.3dl/g、密度=966kg/mを使用したこと以外は樹脂シートS−1と同じ条件でプレス成形し、樹脂シートS−2を得た。
<樹脂シートS−3の製造>
高分子量ポリエチレンとして三井化学株式会社製、商品名ミリオン320M、[η]=5.3dl/g、密度=935kg/mを使用したこと以外は樹脂シートS−1と同じ条件でプレス成形し、樹脂シートS−3を得た。
<実施例1〜7>
表2に示す防振部材と樹脂シートを重ね合わせ、160℃×5分、30kgf/cmの条件でプレスし、さらに冷却後も同圧力で5分維持することによって、シート付き鉄道レール用軌道パッドを得た。この軌道パッドの樹脂シート面に対する摩擦摩耗試験(リング法)の結果を、表2に示す。
<比較例1>
樹脂シートの代わりに1mm厚の鋼板(SUS304)を用い、この鋼板を防振部材R−2(架橋体)の上に接着剤(三井化学株式会社製、商品名ユニストールR−100K)を用いて接着することによって、鋼板付き鉄道レール用軌道パッドを得た。この軌道パッドの鋼板面に対する摩擦摩耗試験(リング法)の結果を、表2に示す。
Figure 0006325304
表2中の摩耗量、相手材摩耗量、動摩擦係数、最高温度の各測定値は、松原式摩擦摩耗試験機(エー・アンド・デイ製、EFM−III−EN型)を用い、JIS K7218 A法に準拠し、相手材S45C、速度20m/min、荷重20kg、滑り距離3kmの条件で測定した値である。
<評価>
実施例1〜7は、何れの評価項目においても優れた結果が得られた。これら結果から、摺動性や耐摩耗性に優れていることが分かる。また接着剤を使用せず、樹脂シートを防振部材の面上に簡単なプレス成形で積層できるので生産性にも優れている。しかも摩擦摩耗試験時にも樹脂シートの剥離は生じていない。また鋼板を使用する場合と比較すると、製品重量の著しい軽量化が図れるので施工性も向上することになる。したがって、本発明は、鉄道レール用軌道パッド用途に非常に適したものであることが分かる。
一方、比較例1は、従来の鋼板を使用した例であり、摺動性や耐摩耗性の点で実施例よりも劣っている。さらに鋼板の積層には接着剤が必要であり、製品全体の重量も重くなってしまう。
本発明のシート付き鉄道レール用軌道パッドは、優れた摺動性、耐摩耗性、生産性、施工性を有するので、特にレールと接する軌道パッドとして非常に有用である。
1 レール
2 軌道パッド
3 樹脂シート

Claims (11)

  1. 防振部材からなる軌道パッドの少なくとも一つの面上に、ポリオレフィン重合体からなる樹脂シートを有することを特徴とするシート付き鉄道レール用軌道パッド。
  2. 前記ポリオレフィン重合体が、下記(A)および(B)の条件の少なくとも一つを満たすことを特徴とする請求項1に記載のシート付き鉄道レール用軌道パッド。
    (A)密度が930〜970kg/mである。
    (B)極限粘度[η]が3〜40dl/gである。
  3. 前記ポリオレフィン重合体が、エチレン単独重合体および/またはエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとのエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート付き鉄道レール用軌道パッド。
  4. 前記樹脂シートの厚みが100〜6000μmであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシート付き鉄道レール用軌道パッド。
  5. 前記防振部材が、エチレン[A]、炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[C−1]、
    Figure 0006325304
    (ただし、(I)は環状オレフィンの部分構造である。)
    Figure 0006325304
    および、一般式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で分子中に2つ以上含む非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位を含み、下記(1)〜(6)の条件を満たすエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体を含有する組成物架橋体からなる部材である請求項1乃至4の何れか1項に記載のシート付き鉄道レール用軌道パッド:
    (1)炭素原子数3〜20のα−オレフィン[B]に由来する構造単位が、全構造単位100モル%中、10〜50モル%であり、
    (2)非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%および非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%の合計が1.0〜6.0モル%であり、
    (3)非共役ポリエン[C−1]に由来する構造単位のモル%と非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位のモル%との比([C−1]/[C−2])が75/25〜99.5/0.5であり、
    (4)100℃で測定されるムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が10〜90であり、
    (5)非共役ポリエン[C−2]に由来する構造単位の見かけのヨウ素価(IV)が0.1〜3.0g/100gであり、
    (6)下記式(i)を満たすことを特徴とする共重合体。
    50>流動の活性化エネルギー(Ea)〔kJ/mol〕>35 ・・・(i)
  6. 前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体がメタロセン触媒合成共重合体であることを特徴とする請求項5に記載のシート付き鉄道レール用軌道パッド。
  7. 前記非共役ポリエン[C−1]が5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)であり、前記非共役ポリエン[C−2]が5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)であることを特徴とする請求項5又は6に記載のシート付き鉄道レール用軌道パッド。
  8. 前記架橋体は、架橋剤により架橋していることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1項に記載のシート付き鉄道レール用軌道パッド。
  9. 前記防振部材が、発泡体であることを特徴とする請求項5乃至8の何れか1項に記載のシート付き鉄道レール用軌道パッド。
  10. 前記防振部材が、
    (a)比重が0.75以下で、かつ
    (b)弾性係数が3.0N/mm以上である
    ことを特徴とする架橋発泡体を構成要素とする請求項5乃至8の何れか1項に記載のシート付き軌道パッド。
  11. 前記防振部材が、
    (a)比重が0.75以下で、かつ
    (c)成形体の断面の一定面積(2.2cm)中に観察される気泡のうち、最大径を有する気泡から10番目に大きい径を有する気泡までの気泡の径の平均値が80μm以下であることを特徴とする架橋発泡体を構成要素とする請求項5乃至8の何れか1項に記載のシート付き軌道パッド。
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