JP2007169339A - エチレン系重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱安定性に優れ、幅広い成形加工温度範囲で成形加工性に優れるエチレン系重合体を提供する。
【解決手段】 エチレンから導かれる繰り返し単位からなる、またはエチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなり、下記(A)〜(F)を満足することを特徴とするエチレン系重合体を用いる。
(A)密度[d(kg/m)]が910以上970以下、(B)MFR(g/10分)が0.01以上50以下、(C)末端ビニル数が1,000炭素原子当たり0.2個以下、(D)160℃で測定した溶融張力[MS160(mN)]とMFRが、MS160>90−130×log(MFR)を満たし、(E)190℃で測定した溶融張力[MS190(mN)]とMS160がMS160/MS190<1.8を満たし、(F)流動の活性化エネルギー[E(kJ/mol)]とdが127−0.107d<E<88−0.060dを満たす。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は溶融張力が高いエチレン系重合体に関するものである。さらに詳細には、熱安定性に優れ、成形加工性に優れる溶融張力が高いエチレン系重合体に関するものである。
高圧ラジカル法で製造される低密度ポリエチレン(LDPE)は溶融張力(MS)が高いエチレン重合体である。しかし、流動の活性化エネルギー(E)が大きく、溶融粘度の温度依存性が大きいため、特定の成形加工温度範囲においてのみ高いMSを有し、成形加工において、加工する重合体に適した加工機を選定する必要があった。
また、チーグラー触媒またはメタロセン触媒で得られるエチレン系重合体は、Eは小さいものの、MSが低く成形加工性に課題があった。
成形加工性を改良したエチレン系重合体としては、例えば、(イ)特定のメタロセン触媒を用い、特定の重合条件下で得られた長鎖分岐を有するエチレン−α―オレフィン共重合体(例えば特許文献1参照)、(ロ)特定のメタロセン触媒で得られた、Eが60kJ/mol以上であるエチレン−α―オレフィン共重合体(例えば特許文献2参照)が提案されている。しかし、これらのエチレン系共重合体は、LDPEと同様に、Eが大きく、溶融粘度の温度依存性が大きいため、成形加工において、温度を厳密にコントロールする必要があった。
幅広い成形加工温度範囲で安定した加工性を有するためには、Eが低く、MSが高いエチレン系重合体が好ましい。このような重合体としては、Cr系触媒を用いて製造されたエチレン重合体があるが、我々の検討において、エチレン重合体中に末端ビニル基が1,000個の炭素原子当たり0.3個以上存在するため溶融加工時の黄変等の熱安定性に課題があった。このように、末端ビニル基等の不飽和結合数が少なく熱安定性に優れると共に、Eが低く幅広い成形加工温度範囲で成形加工性に優れるエチレン系重合体が望まれていた。
米国特許第5,272,236号明細書 特開2004−292772号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、末端ビニル基数が少なく熱安定性に優れると共に、Eが低く、MSが高いエチレン系重合体を提供するものである。
本発明は、上記の目的に対して鋭意検討した結果見出されたものである。すなわち本発明は、エチレンから導かれる繰り返し単位からなる、またはエチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなり、下記(A)〜(F)を満足するエチレン系重合体に関するものである。
(A)密度[d(kg/m)]が910以上970以下であり、
(B)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート[MFR(g/10分)]が0.01以上50以下であり、
(C)末端ビニル数が1,000炭素原子当たり0.2個以下であり、
(D)160℃で測定した溶融張力[MS160(mN)]とMFRが、下記式(1)を満たし、
MS160>90−130×log(MFR) (1)
(E)190℃で測定した溶融張力[MS190(mN)]とMS160が、下記式(2)を満たし、
MS160/MS190<1.8 (2)
(F)流動の活性化エネルギー[E(kJ/mol)]とdが下記式(3)を満たす。
127−0.107d<E<88−0.060d (3)
本発明のエチレン系重合体は、エチレンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン重合体、またはエチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン−α―オレフィン共重合体である。
エチレンから導かれる繰り返し単位とは、単量体であるエチレンから誘導され、エチレン重合体またはエチレン−α―オレフィン共重合体に含有される単位である。炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位とは、単量体である炭素数3〜8のα−オレフィンから誘導され、エチレン−α―オレフィン共重合体に含有される単位である。炭素数3〜8のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。これら炭素数3〜8のα−オレフィンの少なくとも2種類を併用してもよい。
本発明のエチレン系重合体の(A)密度[d(kg/m)]は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した値であり、910kg/m以上970kg/m以下であり、好ましくは910kg/m以上940kg/m以下である。密度が910未満の場合、製品の融解温度が低くなり耐熱性に乏しい製品しか得られない。また、970を超えると製品の耐熱性、剛性には優れるが、衝撃強度が低下してしまう。
本発明のエチレン系重合体の(C)末端ビニル数は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて、エチレン系重合体を熱プレスした後、氷冷して調製したフィルムを4000cm−1〜400cm−1の範囲で測定し、下式を用い算出した。
1000炭素原子当たりの末端ビニル数(個/1000C)=a×A/L/d
式中、aは吸光光度係数、Aは末端ビニルに帰属される909cm−1の吸光度、Lはフィルムの厚み、dは密度を示す。なお、aは、H−NMR測定より、1000炭素原子当たりの末端ビニル数を確認したサンプルを用いて作成した検量線から求めた。H−NMR測定は、日本電子社製のGSX400を用い、重水素化ベンゼンとo−ジクロロベンゼンの混合溶媒中、130℃において実施した。1000炭素原子当たりの末端ビニル数は、メチレンに帰属されるピークと末端ビニルに帰属されるピークの積分比から算出した。各ピークは、テトラメチルシランを基準(0ppm)として、化学シフトが1.3 ppmのピークをメチレン、4.8−5.0 ppmのピークを末端ビニルと帰属した。本発明のエチレン系重合体の(C)末端ビニル数は、1,000炭素原子当たり0.2個以下であり、好ましくは0.1個以下である。末端ビニル数が1,000炭素原子当たり0.2個を越えると、成形加工時の熱劣化、とくに黄変の問題が生じてくる。
本発明のエチレン系重合体の溶融張力[MS160(mN)]は、長さが8mm,直径が2.095mmであるダイスを用い、流入角90°で、せん断速度10.8s−1、延伸比が47の条件で、測定温度160℃で測定した値であるが、最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比で測定した値をMS160とした。また、温度を190℃に設定し同様の方法で測定した溶融張力をMS190(mN)とした。
本発明のエチレン系重合体の(B)メルトフローレート[MFR(g/10分)]は190℃で、2.16kg荷重で測定した値であり、0.01以上50以下である。MFRが0.01未満であると成形加工時に押し出し機の負荷が大きくなり、生産低下するため好ましくない。また、50を超えると溶融張力が小さくなり、かつ、製品の強度も低下するため好ましくない。
本発明のエチレン系重合体の(D)MS160とMFRは、下記式(1)
MS160>90−130×log(MFR) (1)
を満たし、好ましくは下記式(4)
MS160>110−130×log(MFR) (4)
を満たす関係にある。
MS160が[90−130×log(MFR)]以下の範囲にあると、成形加工性に問題が生じる。
本発明のエチレン系重合体の(E)MS190とMS160は、下記式(5)
MS160/MS190<1.8 (2)
を満たし、好ましくは下記式(19)
MS160/MS190<1.7 (5)
を満たす関係にある。
MS160/MS190が1.8以上の範囲にあると、温度によって溶融張力が大きく変化するために、成形加工温度の厳密な調節が必要となり、ひいては成形可能範囲が狭くなる。
本発明のエチレン系重合体の(F)流動の活性化エネルギー[E(kJ/mol)]は、160℃〜230℃の動的粘弾性測定によって得られるシフトファクターをアレニウス式に代入して求めた値であり、下記式(2)
127−0.107d<E<88−0.060d (3)
を満たし、好ましくは下記式(6)
127−0.107d<E<87−0.060d (6)
を満たす。
が(127−0.107d)以下の範囲にあると、加工性に問題が生じる。また、Eが(88−0.060d)以上の範囲にあると、溶融粘度の温度依存性が大きくなるため、成形加工温度の厳密な調節が必要となり、ひいては成形可能範囲が狭くなる。
本発明のエチレン系重合体の(G)ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)の比(M/M)は、好ましくは2以上6以下であり、さらに好ましくは2以上5以下である。M/Mが小さくなると、成形品の機械強度が向上する。
上記要件(A)〜(F)を満たし、好ましくは前記要件(G)を満足する本発明のエチレン系重合体は、後述する本願実施例の製造条件そのもの、あるいは条件因子のマイナー変動によって任意に作り分けることが可能である。条件因子変動の具体例を述べると、用いる成分(a)および成分(b)の構造、成分(a)に対する成分(b)の量、用いる助触媒成分の種類など触媒成分に関する要件や、重合温度、エチレン分圧、共存させる水素などの分子量調整剤の量、添加するコモノマー量など重合条件制御によっても作り分けが可能である。またさらに多段重合との組み合わせで、物性の範囲を拡大することも可能である。
より具体的には、例えばエチレン分圧を低下させること、コモノマー添加量を減少させること、成分(a)の構造を変えること等によって、末端ビニル数を減少させることが可能である。また、溶融張力は、成分(a)の構造を変えること、末端ビニル数を増加させること、成分(b)の構造を変えること、エチレン分圧を低下させること、長鎖分岐数を増加させること、長鎖分岐長さを増加させること、成分(a)に対する成分(b)の量を変えること、Mw/Mnを増加させること等により増加させることが可能である。さらに流動の活性化エネルギー(E)は、成分(a)の構造、末端ビニル数、成分(b)の構造、エチレン分圧、長鎖分岐数、長鎖分岐長さ、成分(a)に対する成分(b)の量により制御が可能である。
本発明のエチレン系重合体の製造方法としては、例えばメタロセン化合物として、2つのシクロペンタジエニル基が2種類以上の原子の連鎖からなる架橋基で架橋されているか、もしくは2個以上の原子の連鎖からなる架橋基で架橋されている架橋型ビスシクロペンタジエニルジルコニウム錯体[成分(a)]と、架橋型(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体および/または架橋型(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体[成分(b)]を用いたメタロセン触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
成分(a)の具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、プロパン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ブタン−1,4−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、シス−2−ブテン−1,4−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1,2,2−テトラメチルジシラン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。
成分(b)の具体例としては、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
本発明のエチレン系重合体の製造における、成分(a)に対する成分(b)の量は、特に制限はなく、0.0001〜100倍モルであることが好ましく、特に好ましくは0.001〜10倍モルである。
本発明のエチレン系重合体の製造に用いることができる方法における成分(a)と成分(b)を用いたメタロセン触媒としては、成分(a)と成分(b)と有機アルミニウム化合物[成分(c)]からなる触媒、成分(a)と成分(b)とアルミノオキサン[成分(d)]からなる触媒、さらに成分(c)を含んでなる触媒、成分(a)と成分(b)とプロトン酸塩[成分(e)]、ルイス酸塩[成分(f)]または金属塩[成分(g)]から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(c)を含んでなる触媒、成分(a)と成分(b)と成分(d)と無機酸化物[成分(h)]からなる触媒、成分(a)と成分(b)と成分(h)と成分(e)、成分(f)、成分(g)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(c)を含んでなる触媒、成分(a)と成分(b)と粘土鉱物[成分(i)]と成分(c)からなる触媒、成分(a)と成分(b)と有機化合物で処理された粘土鉱物[成分(j)]からなる触媒を例示することができるが、好ましくは成分(a)と成分(b)と成分(j)からなる触媒を用いることができる。
成分(i)および成分(j)として用いることが可能な粘土鉱物は、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子である。粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25から0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6から0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
成分(j)における有機化合物処理とは、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成することをいう。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−オクタデシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−エイコシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ジオレイルアミン塩酸塩、N−メチル−ジベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩を例示することができる。
成分(a)と成分(b)と成分(j)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(a)と成分(b)と成分(j)を接触させることによって得られるが、成分(a)と成分(j)の接触生成物に成分(b)を添加する方法、成分(b)と成分(j)の接触生成物に成分(a)を添加する方法、成分(a)と成分(b)の接触生成物に成分(j)を添加する方法、成分(j)に成分(a)と成分(b)の接触生成物を添加する方法を例示することができる。
接触溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類、塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4−ジオキサン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを例示することができる。
接触温度については、0〜200℃の間で選択して処理を行うことが好ましい。
各成分の使用量は、成分(j)1gあたり成分(a)が、0.0001〜100mmol、好ましくは0.001〜10mmolである。
このようにして調製された成分(a)と成分(b)と成分(j)の接触生成物は、洗浄せずに用いても良く、また洗浄した後に用いても良い。また、成分(a)または成分(b)がジハロゲン体の時、さらに成分(c)を添加することが好ましい。また、成分(j)、重合溶媒およびオレフィン中の不純物を除去することを目的に成分(c)を添加することができる。
本発明のエチレン系重合体の製造に用いることができる方法において、重合温度は−100〜120℃が好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3〜8のα−オレフィン(モル比)が、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン系共重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったエチレン系共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、重合に用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明で得られるエチレン系重合体は従来使用しうる分野に適用できる。例えば、射出成形品、フィルム、シート、ブロー、ラミ、発泡体あるいは繊維等の分野が挙げられる。また、通常の成形加工法によって成形できる。安定剤等の添加剤としては当該の業界で使用されるものを適用できる。さらに、通常知られる他の樹脂、例えば高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、これらの無水マレイン酸グラフト物等、あるいはエチレン・プロピレンゴム、エチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等のゴムと混合しても使用できる。さらに、核剤、無機充填剤、繊維等と組み合わせて使用することもできる。また、従来のポリオレフィンと同様に無水マレイン酸等をグラフト反応等の変性、架橋等を行う事も可能である。本発明のエチレン系重合体は、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、核剤、顔料、カーボンブラック、タルク、ガラス粉、ガラス繊維等の無機充填剤または補強剤、有機充填剤または補強剤、難燃剤、中性子遮蔽剤等の公知の添加剤を配合することができる。
本発明により、熱安定性に優れ、幅広い成形加工温度範囲で成形加工性に優れるエチレン系重合体が得られる。
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬等は市販品を用いた。
有機化合物で処理された粘土鉱物[成分(j)]の調製、エチレン系重合体製造用触媒の調製、エチレン系重合体の製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。有機化合物で処理された粘土鉱物[成分(j)]の調製、エチレン系重合体製造用触媒の調製、エチレン系重合体の製造に用いた溶媒等は全て予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。成分(a)および成分(b)は公知の方法により合成、同定したものを用いた。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)は東ソーファインケム(株)製を用いた。
さらに、実施例におけるエチレン系重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
重量平均分子量(M)、数平均分子量(M)および重量平均分子量と数平均分子量の比(M/M)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MおよびMは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
密度(d)は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
末端ビニル数は、Perkin Elmer社製SPECTRUM ONEフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いて、エチレン系重合体を熱プレスした後、氷冷して調製したフィルムを4000cm−1〜400cm−1の範囲で測定し、下式を用い算出した。
1000炭素原子当たりの末端ビニル数(個/1000C)=a×A/L/d
式中、aは吸光光度係数、Aは末端ビニルに帰属される909cm−1の吸光度、Lはフィルムの厚み、dは密度を示す。なお、aは、H−NMR測定より、1000炭素原子当たりの末端ビニル数を確認したサンプルを用いて作成した検量線から求めた。H−NMR測定は、日本電子社製のGSX400を用い、重水素化ベンゼンとo−ジクロロベンゼンの混合溶媒中、130℃において実施した。1000炭素原子当たりの末端ビニル数は、メチレンに帰属されるピークと末端ビニルに帰属されるピークの積分比から算出した。各ピークは、テトラメチルシランを基準(0ppm)として、化学シフトが1.3 ppmのピークをメチレン、4.8−5.0 ppmのピークを末端ビニルと帰属した。
溶融張力(MS160、MS160)および流動の活性化エネルギー(E)の測定に用いたエチレン系重合体は、予め耐熱安定剤としてイルガノックス1010TM(チバスペシャリティケミカルズ社製)1,500ppm、イルガフォス168TM(チバスペシャリティケミカルズ社製)1,500ppmを添加したものを、インターナルミキサー(東洋精機製作所製、商品名:ラボプラストミル)を用いて、窒素気流下、190℃、回転数30rpmで30分間混練したものを用いた。
流動の活性化エネルギー(E)は、円板−円板レオメーター(アントンパール社製、商品名:MCR−300)を用い、150℃、170℃、190℃の各温度で角速度0.1〜100rad/sの範囲のせん断貯蔵弾性率G’、せん断損失弾性率G”を求め、基準温度150℃での横軸のシフトファクターを求め、以下のアレニウス型の式により計算した。
粘度(η)=Aexp(E/RT)
式中、Rは気体定数である。
なお、縦軸の移動は行っていない。
溶融張力は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mmのダイスを流入角が90°になるように装着し測定した。MS160は、温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)をMS160とした。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)をMS160とした。また、温度を190℃に設定し同様の方法で測定した荷重(mN)をMS190とした。
エチレン系重合体の熱安定性は、エチレン系重合体を耐熱安定剤無添加で、インターナルミキサー(東洋精機製作所製、商品名:ラボプラストミル)を用いて、窒素気流下、190℃、回転数30rpmで30分間混練した後ペレット化したものを、120℃に設定したオーブンに96時間放置し、JIS K 7105に記載された方法で黄変度(ΔYI)を計算することにより評価した。ΔYIは下記式により求めた黄色度の変化量であり、ΔYIが小さくなるほど熱安定性が良好になる。
ΔYI=YI−YI
(式中、YIはオーブン中での加熱処理後の黄色度であり、YIはオーブン中での加熱前の黄色度である。)
実施例1
[有機化合物で処理された粘土鉱物{成分(j)}の調製]
水60mLにエタノール60mLと37%濃塩酸2.0mLを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−オクタデシルアミン6.6g(0.022mol)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト20gを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水1Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径5.2μmの変性ヘクトライト(成分(m))を得た。元素分析の結果、変性ヘクトライト1g当たりのイオン量は0.85mmolであった。
[エチレン系共重合体製造触媒の調製]
プロパン−1,3−ジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(成分(a))53mg(160μmol)をヘキサン17.6mLに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウム(成分(c))のヘキサン溶液(0.714M)22.4mLを添加し、成分(a)と成分(c)の接触生成物を得た。この接触生成物に上記変性ヘクトライト(成分(l))4.0gを添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄した。さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して触媒スラリー(100g/L)とした。
上記で調製した触媒スラリーに、プロパン−1,3−ジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに対して3mol%のジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(成分(b))3.3mg(4.9μmol)とヘキサン7.2mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)0.69mLからなる溶液を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[エチレン系共重合体の製造]
2Lオートクレーブに、ヘキサン1,200mLと1−ブテン36gとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.0mLを導入し、オートクレーブの内温を75℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー0.25mLを添加し、エチレン/水素混合ガス(水素:700ppm含)を分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を75℃に制御した。重合開始60分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、45gのポリマーが得られた。得られたエチレン系共重合体の密度、MFR、末端ビニル数、Mw/Mn、MS160、MS190、E、ΔYIを表1に示す。
実施例2
[エチレン系共重合体の製造]
1−ブテン72gを用い、重合時間を25分にしたこと以外は実施例1と同様の方法で重合を行った。その結果46gのポリマーが得られた。得られたエチレン系共重合体の密度、MFR、末端ビニル数、Mw/Mn、MS160、MS190、E、ΔYIを表1に示す。
実施例3
[エチレン系重合体製造触媒の調製]
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(成分(a))63mg(160μmol)をヘキサン17.6mLに懸濁させ、トリイソブチルアルミニウム(成分(c))のヘキサン溶液(0.714M)22.4mLを添加し、成分(a)と成分(c)の接触生成物を得た。この接触生成物に実施例1[有機化合物で処理された粘土鉱物{成分(j)}の調製]で調製した変性ヘクトライト(成分(l))4.0gを添加し、60℃で3時間攪拌した後、静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄した。さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して触媒スラリー(100g/L)とした。
上記で調製した触媒スラリーに、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに対して5mol%のジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(成分(b))5.6mg(8.4μmol)とヘキサン6.7mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.18mLからなる溶液を添加して室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.03M)で洗浄し、さらにトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.15M)を添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[エチレン系重合体の製造]
2Lオートクレーブに、ヘキサン1,200mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.0mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー0.075mLを添加し、エチレン/水素混合ガス(水素:1000ppm含)を分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、90gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の密度、MFR、末端ビニル数、Mw/Mn、MS160、MS190、E、ΔYIを表1に示す。
実施例4
[エチレン系共重合体製造触媒の調製]
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに対して10mol%のイソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(成分(b))9.7mg(17.8μmol)とヘキサン5.4mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)2.5mLからなる溶液を添加したこと以外は実施例3[エチレン系重合体製造触媒の調製]と同様の方法で調製を行なった。
[エチレン系共重合体の製造]
2Lオートクレーブに、ヘキサン1,200mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)1.0mLを導入し、オートクレーブの内温を85℃に昇温した。このオートクレーブに、上記触媒スラリー0.075mLを添加し、エチレン/水素混合ガス(水素:2500ppm含)を分圧が1.2MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、分圧が1.2MPaに保たれるようにエチレン/水素混合ガスを連続的に導入した。また、重合温度を85℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、91gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の密度、MFR、末端ビニル数、Mw/Mn、MS160、MS190、E、ΔYIを表1に示す。
比較例1
[エチレン系重合体の製造]
2Lオートクレーブに、ヘキサン1,200mLとトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.714M)0.08mLを導入し、オートクレーブの内温を90℃に昇温した。このオートクレーブに、イネオスシリカス社製Cr触媒(EP350)72.5mgを添加し、水素ガスを分圧が1.0MPaになるまで導入した後、エチレンガスを分圧が1.0MPaになるまで導入して重合を開始した。重合中、エチレン分圧が保たれるようにエチレンガスを連続的に導入した。また、重合温度を90℃に制御した。重合開始90分後にオートクレーブの内圧を脱圧した後、内容物を吸引ろ過した。乾燥後、143gのポリマーが得られた。得られたエチレン系重合体の密度、MFR、末端ビニル数、Mw/Mn、MS160、MS190、E、ΔYIを表1に示す。本エチレン系重合体は、1,000炭素原子当たりの末端ビニル数が0.2個を超え、ΔYIを評価した結果、熱安定性に劣ることを確認した。
比較例2
ダウ・ケミカル社が市販しているメタロセン触媒系エチレン・1−オクテン共重合体(AF1840)の密度、MFR、末端ビニル数、Mw/Mn、MS160、MS190、Eを表1に示す。本エチレン系共重合体は、式(1)および(3)の要件から外れている。
比較例3
東ソー(株)が市販している高圧法LDPE(ペトロセン176R)の密度、MFR、末端ビニル数、Mw/Mn、MS160、MS190、Eを表1に示す。本エチレン重合体は、式(2)および(3)の要件から外れている。
比較例4
東ソー(株)が市販している高圧法LDPE(ペトロセン360)の密度、MFR、末端ビニル数、Mw/Mn、MS160、MS190、Eを表1に示す。本エチレン重合体は、式(2)および(3)の要件から外れている。
Figure 2007169339

Claims (3)

  1. エチレンから導かれる繰り返し単位からなる、またはエチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなり、下記(A)〜(F)を満足することを特徴とするエチレン系重合体。
    (A)密度[d(kg/m)]が910以上970以下であり、
    (B)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート[MFR(g/10分)]が0.01以上50以下であり、
    (C)末端ビニル数が1,000炭素原子当たり0.2個以下であり、
    (D)160℃で測定した溶融張力[MS160(mN)]とMFRが、下記式(1)を満たし、
    MS160>90−130×log(MFR) (1)
    (E)190℃で測定した溶融張力[MS190(mN)]とMS160が、下記式(2)を満たし、
    MS160/MS190<1.8 (2)
    (F)流動の活性化エネルギー[E(kJ/mol)]とdが下記式(3)を満たす。
    127−0.107d<E<88−0.060d (3)
  2. (G)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2以上6以下であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン系重合体。
  3. (A)’dが910以上940以下であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン系重合体。
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