JP2002080521A - エチレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents
エチレン系重合体およびその製造方法Info
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Abstract
ランスに優れた、ブロー成形製品、特に大型ブロー成形
製品に適したエチレン系重合体を効率よく製造する方法
を提供する。 【解決手段】 クロム化合物を無機酸化物担体に担持し
非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なくとも
一部のクロム原子を6価とした後、不活性炭化水素溶媒
中でクロム原子が過還元されないようにトリアルキルア
ルミニウム化合物を担持させ、溶媒を除去・乾燥して得
られるトリアルキルアルミニウム化合物担持クロム触媒
を用いて水素を共存させながらエチレンの重合を行なう
ことを特徴とするエチレン系重合体の製造方法、および
その製造方法で得られるブロー成形製品に適したエチレ
ン系重合体。
Description
製造方法に関する。さらに詳しくは、クロム触媒にトリ
アルキルアルミニウム化合物を担持した触媒を用い、水
素を共存させてエチレンの重合を行なうエチレン系重合
体の製造方法に関する。本発明の方法により得られるエ
チレン系重合体は、耐環境応力亀裂(以下、ESCRと
略記することがある。)と耐衝撃性が共に優れ、ブロー
成形製品、特に大型ブロー成形製品に適している。
料として、一般に広く用いられているが、その成形方法
と用途によって要求されるエチレン系重合体に要求され
る特性が異なっている。例えば、射出成形法によって成
形する製品には、分子量が比較的低く、狭い分子量分布
を有する重合体が適している。一方、ブロー成形やイン
フレーション成形などによって成形する製品には、分子
量が比較的高く、分子量分布の広い重合体が適してい
る。
に担持させ、非還元性雰囲気で焼成活性化することによ
り担持されたクロム原子の少なくとも一部のクロム原子
を6価としたクロム触媒(いわゆるフィリップス触媒)
を用いることにより、ブロー成形、特に大型ブロー成形
に適した広い分子量分布のエチレン系重合体が得られる
ことは公知である。しかしながら、近年、ガソリンタン
ク、大型ドラムのような大型ブロー成形製品に適したエ
チレン系重合体については、一層の高品質化が要望され
ている。従来のクロム触媒によって得られる広い分子量
分布を有するエチレン系重合体をブロー成形した場合、
成形物はESCRと耐衝撃性のバランスが十分ではな
く、両特性に優れた成形物を要望する顧客の要求に対応
できるとは言い難い。
物を組み合わせてエチレン系重合体を得る方法として、
フィリップス触媒による重合時にトリアルキルアルミニ
ウムを反応系に供給し、また水素を共存させて重合する
ことによりESCRの優れたポリエチレンを得る方法が
開示されている(特公昭49-34759号公報)。しかし、こ
の文献にはトリアルキルアルミニウム担持触媒の開示は
なく、重合活性が高く、ESCRと耐衝撃性が共に高く
バランスのよい重合体が得られる方法は記載されていな
い。
ルアルミニウムからなる触媒を用いてエチレン系重合体
を得る方法が特公昭36-22144号、特公昭47-23668号公報
(米国特許出願68/766,625)に開示されているが、ES
CRと耐衝撃性の両方を同時に向上させた重合体を得る
方法についての記載はない。
は上記問題点を解消し、ブロー成形製品、特に大型ブロ
ー成形製品に適した、耐環境応力亀裂(ESCR)と耐
衝撃性が共に高く両特性のバランスに優れたエチレン系
重合体を効率よく製造する方法を提供することにある。
に鑑みて鋭意検討した結果、焼成活性化したクロム触媒
に不活性炭化水素溶媒中でトリアルキルアルミニウム化
合物を担持し、さらに溶媒を除去・乾燥して得た触媒を
用い、水素をエチレンと共存させて重合を行なうことに
よりESCRと耐衝撃性のバランスに優れたエチレン系
重合体が得られることを見出し本発明を完成した。
チレン系重合体の製造方法および(8)〜(9)のエチ
レン系重合体を開発することにより上記の課題を解決し
たものである。
持し非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なく
とも一部のクロム原子を6価とした後、不活性炭化水素
溶媒中でクロム原子が過還元されないようにトリアルキ
ルアルミニウム化合物を担持させ、溶媒を除去・乾燥し
て得られるトリアルキルアルミニウム化合物担持クロム
触媒を用いて水素を共存させながらエチレンの重合を行
なうことを特徴とするエチレン系重合体の製造方法。 (2)少なくとも一部のクロム原子が6価のクロム化合
物担持無機酸化物担体に不活性炭化水素溶媒中でトリア
ルキルアルミニウム化合物を担持させるに際して、溶媒
との接触時間が可能な限り短くなるように処理する前項
1に記載のエチレン系重合体の製造方法。
キルアルミニウム化合物の担持反応時間の3倍以内の時
間で不活性炭化水素溶媒を除去・乾燥する前項1または
2に記載のエチレン系重合体の製造方法。 (4)焼成活性化した後のクロム化合物担持無機酸化物
担体の比表面積が350m2/g以上であるクロム触媒
を用いる前項1乃至3のいずれかに記載のエチレン系重
合体の製造方法。
ルミニウム化合物のモル比が0.5〜10であるトリアル
キルアルミニウム化合物担持クロム触媒を用いる前項1
乃至4のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造方
法。 (6)重合を液相で行ない、液相中の水素濃度(Hc;
質量%)とエチレン濃度(ETc;質量%)との比が下
記式:
れかに記載のエチレン系重合体の製造方法。
分圧(Hp;MPa)とエチレン分圧(ETc;MP
a)との比が下記式:
れかに記載のエチレン系重合体の製造方法。
チレン系重合体の製造方法により得られる、HLMFR
が1〜100g/10分、密度が0.935〜0.960g/cm
3のブロー成形製品用のエチレン系重合体。 (9)前項1乃至7のいずれかに記載のエチレン系重合
体の製造方法により得られる、HLMFRが1〜15g
/10分、密度が0.940〜0.955g/cm3の大型ブロー
成形製品用のエチレン系重合体。
化合物を無機酸化物担体に担持し、非還元性雰囲気で焼
成活性化することにより少なくとも一部のクロム原子が
6価となるクロム触媒は、一般にフィリップス触媒とし
て知られ公知である。この触媒の概要は、M. P. McDani
el著, Advances in Catalysis, Volume 33, 47頁, 1985
年, Academic Press Inc. 、M. P. McDaniel著, Handbo
ok of Heterogeneous Catalysis, 2400頁, 1997年, VC
H、M. B. Welchら著, Handbook of Polyolefins: Synth
esis and Properties, 21頁, 1993年, Marcel Dekker等
の文献に記載されている。
4、13または14族の金属の酸化物が好ましい。具体
的にはマグネシア、チタニア、ジルコニア、アルミナ、
シリカ、トリア、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニ
ア、シリカ−アルミナおよびこれらの混合物が挙げられ
る。中でもシリカ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコ
ニア、シリカ−アルミナが好ましい。シリカ−チタニ
ア、シリカ−ジルコニア、シリカ−アルミナの場合、シ
リカ以外の金属成分としてチタン、ジルコニウムまたは
アルミニウム原子が0.2〜10%、好ましくは0.5〜7
%、さらに好ましくは1〜5%含有されたものが用いら
れる。これらのクロム触媒に適する担体の製法、物理的
性質および特徴は、C. E. Marsden著, Preparation of
Catalysts, VolumeV, 215頁, 1991年, Elsevier Scien
ce Publishers、C.E.Marsden著, Plastics, Rubber and
Composites Processing and Applications, Volume 2
1, 193頁, 1994年等の文献に記載されている。
気での焼成活性化後にクロム触媒の比表面積が350m
2/g以上、好ましくは370m2/g以上、さらに好ま
しくは400m2/g以上となるような担体を選択する
ことが好ましい。比表面積が350m2/g未満の場合
は、担持するトリアルキルアルミニウム化合物のクロム
原子に対するモル比が高くなるにつれて、エチレン重合
活性の低下が起こりやすくなる。またモル比が高すぎる
と分子量分布が広くなりESCRは向上するものの耐衝
撃性が低下してESCRと耐衝撃性のバランスは悪化す
る。比表面積の上限値は特に制限ないが、通常は1000m
2/g以下である。
用いられる担体の場合と同様0.5〜3.0cm3/g、好ま
しくは0.7〜2.7cm3/g、さらに好ましくは1.0〜2.5
cm3/gの範囲のものが用いられる。平均粒径として
は、一般的なクロム触媒に用いられる担体と同様10〜
200μm、好ましくは20〜150μm、さらに好ま
しくは30〜100μmの範囲のものが用いられる。
させる。クロム化合物としては、担持後に非還元性雰囲
気で焼成活性化することにより少なくとも一部のクロム
原子が6価となる化合物であればよく、酸化クロム、ク
ロムのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、クロム酸
塩、重クロム酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、ク
ロム−1,3−ジケト化合物、クロム酸エステル等が挙
げられる。具体的例としては、三酸化クロム、三塩化ク
ロム、塩化クロミル、クロム酸カリウム、クロム酸アン
モニウム、重クロム酸カリウム、硝酸クロム、硫酸クロ
ム、酢酸クロム、トリス(2−エチルヘキサノエート)
クロム、クロムアセチルアセトネート、ビス(tert−ブ
チル)クロメート等が挙げられる。これらの中でも、三
酸化クロム、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネート
が好ましい。酢酸クロム、クロムアセチルアセトネート
のような有機基を有するクロム化合物を用いた場合で
も、後述する非還元性雰囲気での焼成活性化によって有
機基部分は燃焼し、最終的には三酸化クロムを用いた場
合と同様に無機酸化物担体表面の水酸基と反応し、少な
くとも一部のクロム原子が6価となってクロム酸エステ
ルの構造で固定化されることが知られている(V. J. Ru
ddickら著, J. Phys.Chem., Volume 100, 11062頁, 199
6年、S. M. Augustineら著, J. Catal., Volume 161, 6
41頁, 1996年)。
は、含浸、溶媒留去、昇華等の公知の方法によって行な
うことができ、使用するクロム化合物の種類によって適
当な方法を用いればよい。担持するクロム化合物の量
は、クロム原子として担体に対して0.2〜2.0%、好まし
くは0.3〜1.7%、さらに好ましくは0.5〜1.5%である。
理を行なう。焼成活性化処理は水分を実質的に含まない
非還元性雰囲気、例えば酸素または空気下で行なうこと
ができる。この際不活性ガスを共存させてもよい。好ま
しくは、モレキュラーシーブス等を流通させ十分に乾燥
した空気を用い、流動状態下で行なう。焼成活性化は4
00〜900℃、好ましくは450〜850℃、さらに
好ましくは500〜800℃の温度範囲にて30分〜4
8時間、好ましくは1時間〜24時間、さらに好ましく
は2時間〜12時間行なう。この焼成活性化により無機
酸化物担体に担持されたクロム化合物のクロム原子の少
なくとも一部が6価に酸化されて担体上に化学的に固定
される。
得られるが、本発明ではクロム化合物担持前またはクロ
ム化合物担持後の焼成活性化前にチタンテトライソプロ
ポキシドのようなチタンアルコキシド類、ジルコニウム
テトラブトキシドのようなジルコニウムアルコキシド
類、アルミニウムトリブトキシドのようなアルミニウム
アルコキシド類、トリアルキルアルミニウムのような有
機アルミニウム類、ジアルキルマグネシウムのような有
機マグネシウム類などに代表される金属アルコキシド類
もしくは有機金属化合物やケイフッ化アンモニウムのよ
うなフッ素含有塩類等を添加してエチレン重合活性、α
−オレフィンとの共重合性や得られるエチレン系重合体
の分子量、分子量分布を調節する公知の方法を併用して
もよい。
金属化合物は非還元性雰囲気での焼成活性化によって有
機基部分が燃焼し、チタニア、ジルコニア、アルミナま
たはマグネシアのような金属酸化物に酸化されて触媒中
に含まれる。またフッ素含有塩類の場合は無機酸化物担
体がフッ素化される。
ics, Rubber and Composites Processing and Applicat
ions, Volume 21, 193頁, 1994年、T. Pullukatら著,
J. Polym. Sci., Polym. Chem. Ed., Volume 18, 2857
頁, 1980年、M. P. McDanielら著, J. Catal., Volume
82, 118頁, 1983年等の文献に記載されている。
触媒に不活性炭化水素溶媒中でトリアルキルアルミニウ
ム化合物を担持させ、さらに溶媒を除去・乾燥して、ト
リアルキルアルミニウム化合物担持クロム触媒として用
いる。トリアルキルアルミニウムは、下記一般式(1)
ル基であり、同一であっても異なっていてもよい。)で
示される化合物である。具体例としては、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−プロピ
ルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウム等が挙げられ、中でもトリn−
ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ト
リヘキシルアルミニウムが好ましい。
の量は、クロム原子に対するトリアルキルアルミニウム
化合物のモル比が0.5〜10、好ましくは0.7〜7、さら
に好ましくは1〜5となるような量が好ましい。モル比
を0.5〜10とすることにより、トリアルキルアルミニ
ウム化合物を担持しない場合に比べてエチレン重合活性
が大幅に向上する。クロム原子に対するトリアルキルア
ルミニウム化合物のモル比が0.5未満ではトリアルキル
アルミニウム化合物を担持した効果が現われず、エチレ
ン重合活性、ESCR、耐衝撃性はトリアルキルアルミ
ニウム化合物を担持しない場合と変わらない。モル比が
10を超えるとエチレン重合活性がトリアルキルアルミ
ニウム化合物を担持しない場合よりも低下するととも
に、分子量分布が広くなりESCRは向上するものの耐
衝撃性は低下しESCRと耐衝撃性のバランスは悪化す
る。この活性低下の理由の詳細は不明であるが、過剰の
トリアルキルアルミニウム化合物がクロム活性点と結合
してエチレン重合反応を阻害するためと考えられる。
る方法としては、焼成活性化後のクロム触媒を不活性炭
化水素中の液相で接触させる方法ならば特に限定されな
い。例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−
ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの不活性炭化水素溶媒に焼成活性化後のクロ
ム触媒を混合してスラリー状態とし、これにトリアルキ
ルアルミニウム化合物を添加する方法が好ましい。添加
するトリアルキルアルミニウム化合物は、上記不活性炭
化水素溶媒で希釈しても良いし、希釈せずに添加しても
良い。希釈用溶媒と担持用の溶媒は同じでも異なっても
良い。
の調製時に少なくともスラリー状態で撹拌を行なえるに
十分な量であることが好ましい。このような量であれば
溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、焼成活性
化後のクロム触媒1g当たり溶媒2〜20gを使用する
ことができる。
クロム触媒をトリアルキルアルミニウム化合物により処
理する際の溶媒へのトリアルキルアルミニウム化合物と
クロム触媒の添加順序は任意である。具体的には、不活
性炭化水素溶媒にクロム触媒を懸濁させ、トリアルキル
アルミニウム化合物を添加してこれを撹拌する担持反応
の操作が好ましい。
は10〜100℃、さらに好ましくは20〜80℃、担
持反応時間は5分〜8時間、好ましくは30分〜6時
間、さらに好ましくは1〜4時間である。トリアルキル
アルミニウム化合物は焼成活性化により少なくとも一部
が6価となったクロム原子と反応し、これを低原子価の
クロム原子に還元する。この現象は焼成活性化後のクロ
ム触媒が6価のクロム原子特有のオレンジ色を呈するの
に対して、トリアルキルアルミニウム化合物による担持
操作をされたクロム触媒が緑色もしくは青緑色であるこ
とから確認できる。すなわち、このクロム触媒の色の変
化から6価クロム原子の少なくとも一部が3価または2
価のクロム原子に還元されているものと推定される。
速やかに溶媒を除去することが必要である。この溶媒の
除去は減圧乾燥により行なうが、この際ろ過を併用する
こともできる。この減圧乾燥では、トリアルキルアルミ
ニウム化合物担持クロム触媒が自由流動性の粉末として
得られるように乾燥させる。触媒を溶媒と分離せずに長
時間保管すると触媒が経時劣化し、エチレン重合活性が
低下する。その上分子量分布が広くなるためESCRは
向上するものの耐衝撃性が低下し、ESCRと耐衝撃性
のバランスが悪化するので好ましくない。したがって、
担持反応の際の溶媒との接触時間をも含めて、溶媒との
接触時間を極力短縮し、速やかに溶媒を分離・除去する
ことが好ましい。速やかな溶媒の分離・除去によって重
合活性およびESCRと耐衝撃性のバランスが向上した
エチレン系重合体が得られるという効果を記載した先行
技術文献は見当たらず、担持反応後に溶媒を速やかに分
離することは本発明の重要な特徴点の一つである。
るが、溶媒存在下ではクロム活性点とトリアルキルアル
ミニウム化合物との反応が進行し続けることになり、そ
の結果非還元性雰囲気で焼成活性化され一部が6価とな
ったクロム原子が過還元されてエチレン重合反応を阻害
するような触媒構造に変化することによるものと考えら
れる。但し、過還元状態におけるクロムの原子価の具体
的な価数等を示すこと等過還元状態を具体的に示すこと
は困難である。要は重合活性の低下や得られる重合体の
物性の低下、主に衝撃強度の低下により過還元の程度を
判別することができる。ここで衝撃強度とは具体的には
テンサイルインパクト強度である。すなわち、溶媒との
接触時間が長すぎると重合活性の低下や得られる重合体
の物性、主に衝撃強度の低下がみられるのである。従っ
て、重合活性や得られる重合体の衝撃強度が実質的に低
下しないよう、たとえ低下してもその低下の程度が最小
限となるよう、担持反応における溶媒接触の時間も合算
して溶媒との接触時間を可能な限り短くなるようにす
る。すなわち、溶媒との接触時間である担持反応時間も
可能な限り短縮し、担持後は速やかに溶媒を分離し、過
還元反応が進行しないようにする必要がある。担持反応
終了後、溶媒を分離し乾燥するのに要する時間は担持反
応時間の3倍以内が好ましく、さらに2倍以内が好まし
く、特に1倍以内が好ましい。担持開始から溶媒除去・
乾燥完了となるまでの合計の時間は、5分〜24時間、
好ましくは30分〜18時間、さらに好ましくは1〜1
2時間である。
合物担持クロム触媒は自由流動性(free flowing)のさ
らさらの状態にあることが好ましい。物性的な目安とし
ては、溶媒の残存質量が、クロム触媒の細孔体積に溶媒
の密度を掛けて得られた質量の1/10以下、好ましく
は1/30、さらに好ましくは1/100以下になって
いることが好ましい。なお、ここで細孔体積は窒素吸着
によるBET法によるものであり、溶媒の残存質量は以
下の式により求めたものである。
物担持クロム触媒の質量)−{(トリアルキルアルミニウム化合物の
質量)+(クロム触媒の質量)}
クロム触媒と併用する場合、クロム触媒とトリアルキル
アルミニウム化合物とを反応器に希釈溶媒の存在下また
は不存在下に直接または別々にフィードする方法と、ク
ロム触媒とトリアルキルアルミニウム化合物を一旦溶媒
中で予備混合または接触させ、この混合スラリーを反応
器にフィードする方法が考えられる。しかし、いずれの
方法も、クロム触媒とトリアルキルアルミニウム化合物
を反応器に別々に供給しながら連続生産を行なうもので
あるから、連続的に供給するクロム触媒とトリアルキル
アルミニウム化合物の量とその比率を正確に調整しなけ
れば、得られるエチレン系重合体の重合活性や分子量が
変動して同一規格の製品を連続的に生産することは困難
となる。
ミニウム化合物を予めクロム触媒に担持したクロム原子
に対するトリアルキルアルミニウム化合物のモル比が常
に一定の触媒を反応器中に供給するので、同一規格の製
品を安定的に連続生産することができる。したがって、
本発明の方法は一定品質のエチレン系重合体を連続生産
するのに好適な優れた方法である。
持クロム触媒を用いて、エチレン系重合体の製造を行な
うに際しては、スラリー重合、溶液重合のような液相重
合法あるいは気相重合法など、いずれの方法を採用する
ことができる。液相重合法は通常炭化水素溶媒中で行な
う。炭化水素溶媒としては、プロパン、n−ブタン、イ
ソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素の単独ま
たは混合物が用いられる。
動床、撹拌床等の通常知られる重合法を採用でき、場合
により重合熱除去の媒体を共存させる、いわゆるコンデ
ンシングモードを採用することもできる。液相または気
相重合法における重合温度は、一般的には0〜300℃
であり、実用的には20〜200℃、好ましくは50〜
180℃、さらに好ましくは70〜150℃である。反
応器中の触媒濃度およびエチレン濃度は重合を進行させ
るのに十分な任意の濃度でよい。例えば、触媒濃度は、
液相重合の場合反応器内容物の質量を基準にして約0.00
01〜約5質量%の範囲とすることができる。同様にエチ
レン濃度は、気相重合の場合、全圧として0.1〜10M
Paの範囲とすることができる。
衝撃性のバランスに優れたエチレン系重合体、特にブロ
ー成形製品に適し、なかんずく大型ブロー成形製品に適
したエチレン系重合体を製造するためには、水素をエチ
レンと共存させて重合を行なうことが必須である。具体
的には、水素とエチレンを特定の比率とした条件下で重
合させることが必要である。水素は一般的には分子量を
調節するためのいわゆる連鎖移動剤としての働きを有す
るといわれているが、水素のほかエチレンも考慮し水素
とエチレンを特定の比率として重合させることにより、
ESCRと耐衝撃性のバランスを向上させる効果を奏す
ることを明確に示した従来技術は見当たらない。水素と
エチレンを特定の比率とした条件下で重合させることに
より、ESCRと耐衝撃性とをバランス良く向上させる
ことは本発明の重要な特徴点の一つである。
細は不明であるが、トリアルキルアルミニウム化合物担
持クロム触媒によるエチレン重合において、特定の分子
量域に適度な長さまたは数の長鎖分岐を導入する働きを
有するため、あるいはα−オレフィンとの共重合による
短鎖分岐の分布を変える働きを有するためと考えられ
る。
その液相中の水素濃度(質量%)(Hcと略記する。)
と液相中のエチレン濃度(質量%)(ETcと略記す
る。)との比が、下記式:
ましくは3.0×10-6≦Hc/ETc≦8.0×10-3、さ
らに好ましくは5.0×10-6≦Hc/ETc≦5.0×10
-3の関係を満たす条件で重合を行なう。
素分圧(MPa)(Hpと略記する。)と反応器中のエ
チレン分圧(MPa)(ETpと略記する。)との比
が、下記式:
3.0×10-4≦Hp/ETp≦8.0×10-1、さらに好ま
しくは5.0×10-4≦Hp/ETp≦5.0×10-1の関係
を満たす条件で重合を行なう。
度比または分圧比は、水素とエチレンの濃度または分圧
を変えることによって容易に調整することができる。前
述したように水素は連鎖移動剤としての働きも有するの
でHc/ETcまたはHp/ETpを変えた場合、同一
HLMFRの製品を得るためには重合温度も変えなけれ
ばならない。すなわち、Hc/ETcまたはHp/ET
pを上げた場合には重合温度を下げ、Hc/ETcまた
はHp/ETpを下げた場合には重合温度を上げなけれ
ばならない。ただし、水素濃度または分圧の絶対値によ
るので同一HLMFRの製品を得るためには必ず重合温
度を変える必要があるわけではない。
のいずれかが、それぞれ上記の範囲未満の場合には、得
られるエチレン系重合体は同一HLMFRにおいてES
CRと耐衝撃性は水素共存の効果を奏せず、また、Hc
/ETcまたはHp/ETpのいずれかが、それぞれ上
記の範囲を超える場合は、得られるエチレン系重合体は
同一HLMFRにおいてエチレン重合活性が大きく低下
することになり好ましくない。また、分子量分布が広く
なりESCRは向上するものの耐衝撃性は低下し、ES
CRと耐衝撃性のバランスが悪化する。なお、水素圧力
は、特に限定されないが、通常、液相重合法の場合に
は、液相中の水素濃度として1.0×10-5〜1.0×10-1
質量%、好ましくは5.0×10-4〜5.0×10-2質量%、
気相重合法の場合には気相の水素分圧として、1.0×1
0 -3〜10.0MPa、好ましくは5.0×10-2〜5.0MPa
の範囲である。またエチレン圧力も特に限定されない
が、通常、液相重合法の場合には、液相中のエチレン濃
度として1.0〜20.0質量%、好ましくは2.0〜15.0質量
%、気相重合法の場合には、気相中のエチレン分圧とし
て1.0〜20.0MPa、好ましくは2.0〜15.0MPaの範囲
とする。
ウム化合物担持クロム触媒によりエチレン重合を行なう
と、エチレンからα−オレフィンが副生し、さらにこの
α−オレフィンがエチレンと共重合するため、エチレン
モノマーをモノマーとして使用するのみで、結果として
エチレンとα−オレフィンの共重合体を得ることができ
る。α−オレフィンが副生するメカニズムは不明である
が、トリアルキルアルミニウム化合物を担持しない場合
はα―オレフィンの副生は実質上認められないので、ト
リアルキルアルミニウム化合物により一部のクロム活性
点がα−オレフィン副生の活性点に変換されていると推
察される。副生するα−オレフィンの種類は1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンなどであり、特に1−
ヘキセンの量が多い。従ってエチレンだけから得られる
エチレン系重合体にはエチル分岐、n−ブチル分岐、n
−ヘキシル分岐などの短鎖分岐、特にn−ブチル分岐が
見られる。クロム原子に対するトリアルキルアルミニウ
ム化合物のモル比が高くなるにつれて得られるエチレン
系重合体の密度は低下する傾向にあり、このモル比が高
くなるにつれてα−オレフィンが副生する量が増えるこ
とがわかる。しかし副生するα−オレフィンだけでは所
望する密度のエチレン系重合体が得られない場合には、
密度調整の必要に応じてプロピレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテンなどのα−オレフィンを単独または2種類
以上反応器に導入して共重合させることもできる。ここ
で、本発明においては得られるエチレン系重合体中のα
−オレフィン含量は15mol%以下、好ましくは10
mol%以下が望ましい。
ードメルトフローレート)が0.1〜1000g/10分、好
ましくは0.5〜500g/10分、密度が0.900〜0.980
g/cm3、好ましくは0.920〜0.970g/cm3のエチレ
ン系重合体が得られる。得られるエチレン系重合体はE
SCRと耐衝撃性が高くバランスに優れるので、特にブ
ロー成形製品、なかんずく大型ブロー成形製品で大きな
効果を発揮する。ブロー成形製品用のエチレン系重合体
のHLMFRは1〜100g/10分、特に大型ブロー
成形製品用のエチレン系重合体は1〜15g/10分で
ある。ブロー成形製品用のエチレン系重合体の密度は0.
935〜0.960g/cm3、特に大型ブロー成形製品用のエ
チレン系重合体の密度は0.940〜0.955g/cm3であ
る。HLMFRや密度等によっても変わりうるが、本発
明の方法により得られるブロー成形製品用に好適なエチ
レン共重合体は、後記する測定法により求めるESCR
と耐衝撃性(テンサイルインパクト)の値として、ES
CRが190(hr)以上でかつ耐衝撃性(テンサイル
インパクト)が180(kJ/m2)以上の値を示すもの
である。
チレン系重合体を製造する単段重合だけでなく、分子量
分布を広げるために少なくとも二つの反応器を連結させ
て多段重合を行なうこともできる。多段重合の場合、二
つの反応器を連結させ、第一段の反応器で重合して得ら
れた反応混合物を続いて第二段の反応器に連続して供給
する二段重合が好ましい。第一段の反応器から第二段の
反応器への移送は、差圧により連結管を通して、第一段
反応器からの重合反応混合物の連続的排出により行なわ
れる。
器で低分子量成分を、または第一段反応器で低分子量成
分、第二段反応器で高分子量成分をそれぞれ製造するい
ずれの方法でもよいが、第一段反応器で高分子量成分、
第二段反応器で低分子量成分を製造する方が、第一段か
ら第二段への移行にあたり中間の水素のフラッシュタン
クを必要としないため生産性の面でより好ましい。
要に応じてα−オレフィンとの共重合を、水素濃度のエ
チレン濃度に対する質量比または分圧比(Hc/ETc
またはHp/ETp)、重合温度または両者により分子
量を調節しながら、またα−オレフィン濃度のエチレン
濃度に対する質量比または分圧比により密度を調節しな
がら重合反応を行なう。
応混合物中の水素および同じく流れ込むα―オレフィン
があるが、必要に応じてそれぞれ新たな水素、α―オレ
フィンを加えることができる。したがって、第二段にお
いても、水素濃度のエチレン濃度に対する質量比もしく
は分圧比(Hc/ETcもしくはHp/ETp)、重合
温度または両者により分子量を調節しながら、またα−
オレフィン濃度のエチレン濃度に対する質量比または分
圧比により密度を調節しながら重合反応を行なうことが
できる。触媒や有機アルミニウム化合物のような有機金
属化合物についても、第一段から流れ込む触媒により二
段目で引き続き重合反応を行なうだけでなく、第二段で
新たに触媒、有機アルミニウム化合物のような有機金属
化合物またはその両者を供給してもよい。
成分と低分子量成分の比率としては、高分子量成分が1
0〜90質量部、低分子量成分が90〜10質量部、好
ましくは高分子量成分が20〜80質量部、低分子量成
分が80〜20質量部、さらに好ましくは高分子量成分
が30〜70質量部、低分子量成分が70〜30質量部
である。また、高分子量成分のHLMFRは、0.01〜1
00g/10分、好ましくは0.01〜50g/10分、低
分子量成分のMFR(JIS K−7210(1996年
版)の表1、条件4に従い、温度190℃、荷重21.
18Nにおける測定値)は、10〜1000g/10分、好
ましくは10〜500g/10分である。
LMFRは、0.1〜1000g/10分、好ましくは0.5〜5
00g/10分であるが、ブロー成形製品用樹脂として
は1〜100g/10分、特に大型ブロー成形製品用樹
脂としては1〜15g/10分である。二段重合で得ら
れるエチレン系重合体の密度は、0.900〜0.980g/cm
3、好ましくは0.920〜0.970g/cm3であるがブロー成
形製品用樹脂としては0.935〜0.960g/cm3、特に大
型ブロー成形製品用樹脂としては0.940〜0.955g/cm
3である。得られたエチレン系重合体は、混練すること
が好ましい。混練は単軸または二軸の押出機または連続
式混練機を用いて行なうことができる。また得られるエ
チレン系共重合体は、常法によりブロー成形することが
できる。
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。なお、実施例および比較例にお
いて使用した測定方法は以下の通りである。
量:液相重合法の場合の液相中の水素濃度およびエチレ
ン濃度はJIS K 2301(1992年版)に従い、触
媒を導入しない状態で予め各実施例、比較例条件の重合
温度、水素分圧、エチレン分圧での水素濃度およびエチ
レン濃度をガスクロマトグラフ法で分析し定量した。オ
ートクレーブまたは反応器内の溶液を少量抜き出して気
化させ、島津製作所製ガスクロマトグラフGC−14A
を用い、前記JISの10頁、表2、カラム組合せBの
分析条件にて、熱伝導度検出器により水素濃度およびエ
チレン濃度を定量した。
洋精機製作所(株)製プラストグラフ(ラボプラストミ
ルME25;ローラー形状はR608型)を用い、添加
剤としてチバガイギー社製イルガノックスB225を0.
2%添加し、窒素雰囲気下190℃で7分間混練した。
MFR):JIS K−7210(1996年版)の表1、
条件7に従い、温度190℃、荷重211.82Nにおける測
定値をHLMFRとして示した。 d)密度:JIS K−7112(1996年版)に従い測
定した。
レン系重合体について下記の条件でゲル透過クロマトグ
ラフ(GPC)を行ない、数平均分子量(Mn)および
重量平均分子量(Mw)を求めた。 [ゲル透過クロマトグラフ測定条件] 装置:WATERS 150Cモデル、 カラム:Shodex−HT806M、 溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン、 温度:135℃、 単分散ポリスチレンフラクションを用いてユニバーサル
評定。MwのMnに対する比率(Mw/Mn)で示され
る分子量分布(Mw/Mnが大きいほど分子量分布が広
い)については、「サイズ排除クロマトグラフィー(高
分子の高速液体クロマトグラフィー)」(森定雄著,共
立出版,96頁)に記載された分子量と検出器感度の式
にn−アルカンおよびMw/Mn≦1.2の分別直鎖ポリ
エチレンのデータを当てはめて、次式で示される分子量
Mの感度を求め、サンプル実測値の補正を行なった。
K−6760(1996年版)に従って測定したBTL法
によるF50値をESCR(hr)の値とした。 g)テンサイルインパクト:ASTM D−1822に
従って、23℃で測定したテンサイルインパクト(kJ
/m2)を耐衝撃性の値とした。
T P−6グレードのシリカ(比表面積450m2/
g、細孔体積1.3cm3/g、平均粒径40μm)20g
を入れ、純水50mLを加えてスラリーとした。無水三
酸化クロム(和光純薬製)0.40gを10mLの純水に溶
解した溶液を撹拌しながらこれに加え、室温で1時間撹
拌した。デカンテーションにより水を除き、110℃の
定温乾燥器で12時間乾燥し、水分を飛ばした。得られ
た粉末15gを多孔板目皿付き、管径3cmの石英ガラ
ス管に入れ、円筒状焼成用電気炉にセットし、1.0L/
分の流速でモレキュラーシーブスを通した空気にて流動
化させ、600℃で18時間焼成活性化を行なった。6
価のクロム原子を含有することを示すオレンジ色のクロ
ム触媒が得られた。元素分析の結果、クロム原子担持量
は1.01%であった。Fisons Instruments S. p. A.社製
Sorptomatic SO 1990を用いて、真空下で200℃、1
時間前処理を行なってから窒素吸着によるBET法(S.
J. Gregg ら著, Adsorption, Surface Area and Poros
ity, 2nd Edition, 42頁, Academic Press, 1982年)で
比表面積を測定したところ、440m2/gであった。
持クロム触媒 予め窒素置換した100mLのフラスコに、上記(1)
で得られたクロム触媒2gを入れ、蒸留精製したヘキサ
ン30mLを加えスラリーとした。東ソー・アクゾ社製
トリn−ブチルアルミニウムの0.1mol/L−ヘキサ
ン溶液を3.9ml(Al/Crモル比=1)添加し、4
0℃で2時間撹拌した。撹拌終了後直ちに減圧下で30
分かけて溶媒を除去し、さらさらの自由流動性(free f
lowing)のトリアルキルアルミニウム化合物担持クロム
触媒を得た。触媒は6価のクロムが還元され緑色を示し
た。
(2)で得られたトリアルキルアルミニウム化合物担持
クロム触媒50mgおよびイソブタン0.7Lを仕込み、
内温を102℃まで昇温した。水素を0.1MPa導入し
た後、1−ヘキセン4gをエチレンで加圧導入し、エチ
レン分圧を1.4MPa(Hc/ETc=8.4×10-4)と
なるように保ちながら、102℃で1時間重合を行なっ
た。ついで内容ガスを系外に放出することにより重合を
終結した。その結果、240gのポリエチレンが得られ
た。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性
は4800g/g・hrであった。物性(HLMFR、密
度、分子量(Mn、Mw)、分子量分布(Mw/M
n)、ESCR、テンサイルインパクト)の測定結果を
表1に示す。
ゾ社製トリエチルアルミニウムの0.1mol/L−ヘキ
サン溶液を3.9ml(Al/Crモル比=1)添加した
以外は全て実施例1(2)と同様にトリアルキルアルミ
ニウム化合物担持クロム触媒を調製し、重合を行なっ
た。その結果、220gのポリエチレンが得られた。触
媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は4400
g/g・hrであった。物性測定結果を表1に示す。
ゾ社製トリイソブチルアルミニウムの0.1mol/L−
ヘキサン溶液を3.9ml(Al/Crモル比=1)添加
した以外は全て実施例1(2)と同様にトリアルキルア
ルミニウム化合物担持クロム触媒を調製し、重合を行な
った。その結果、200gのポリエチレンが得られた。
触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は40
00g/g・hrであった。物性測定結果を表1に示す。
ゾ社製トリn−ヘキシルアルミニウムの0.1mol/L
−ヘキサン溶液を3.9ml(Al/Crモル比=1)添
加した以外は全て実施例1(2)と同様にトリアルキル
アルミニウム化合物担持クロム触媒を調製し、重合を行
なった。その結果、230gのポリエチレンが得られ
た。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性
は4600g/g・hrであった。物性測定結果を表1に示
す。
ン溶液の添加量を7.8ml(Al/Crモル比=2)に
変えた以外は全て実施例1(2)と同様にトリアルキル
アルミニウム化合物担持クロム触媒を調製し、1−ヘキ
センの導入量を1gに変えた以外は全て実施例1(3)
と同様に重合を行なった。その結果、230gのポリエ
チレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当
たりの重合活性は4600g/g・hrであった。物性測定
結果を表1に示す。
ン溶液の添加量を19.4ml(Al/Crモル比=5)に
変えた以外は全て実施例1(2)と同様にトリアルキル
アルミニウム化合物担持クロム触媒を調製し、1−ヘキ
センの導入量を0.2g、重合温度を100℃に変えた以
外は全て実施例1(3)と同様に重合を行なった(Hc
/ETc=8.1×10-4)。その結果、130gのポリ
エチレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間
当たりの重合活性は2600g/g・hrであった。物性測
定結果を表1に示す。
を500℃に変え(実施例1(1)と同様に窒素吸着に
よるBET法で比表面積を測定すると450m 2/gで
あった。)、このクロム触媒を用いた以外は全て実施例
1(2)と同様にトリアルキルアルミニウム化合物担持
クロム触媒を調製し、水素導入量を0.3MPa、1−ヘ
キセン導入量を3g、重合温度を105℃にそれぞれ変
えた以外は全て実施例1(3)と同様に重合を行なった
(Hc/ETc=2.7×10-3)。その結果、160g
のポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間
1時間当たりの重合活性は3200g/g・hrであった。
物性測定結果を表1に示す。
を700℃に変え(実施例1(1)と同様に窒素吸着に
よるBET法で比表面積を測定すると440m 2/gで
あった。)、このクロム触媒を用いた以外は全て実施例
1(2)と同様にトリアルキルアルミニウム化合物担持
クロム触媒を調製し、重合温度を95℃に変えた以外は
全て実施例1(3)と同様に重合を行なった(Hc/E
Tc=7.6×10-4)。その結果、2200gのポリエチレ
ンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当たり
の重合活性は4400g/g・hrであった。物性測定結果
を表1に示す。
触媒を用い、水素導入量を0.3MPa、1−ヘキセン導
入量を6g、重合温度を98℃にそれぞれ変えた以外は
全て実施例1(3)と同様に重合を行なった(Hc/E
Tc=7.9×10-4)。その結果、210gのポリエチ
レンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当た
りの重合活性は4200g/g・hrであった。物性測定結
果を表1に示す。
持量=1.0%、比表面積500m2/g、細孔体積1.5c
m3/g、平均粒径70μm)を実施例1(1)と同様
に600℃で18時間焼成活性化を行なった。元素分析
の結果クロム原子担持量は0.99%であった。実施例1
(1)と同様に窒素吸着によるBET法で比表面積を測
定すると、420m2/gであった。
持クロム触媒の調製 実施例1(2)において、クロム触媒として上記(1)
で得られた触媒を用い、トリn−ブチルアルミニウムの
0.1mol/L−ヘキサン溶液を3.8ml(Al/Crモ
ル比=1)添加した以外は同様にトリアルキルアルミニ
ウム化合物担持クロム触媒を調製した。触媒は6価のク
ロムが還元され緑色を示した。
担持クロム触媒を用いた以外は全て実施例1(3)と同
様に重合を行なった。その結果、250gのポリエチレ
ンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当たり
の重合活性は5000g/g・hrであった。物性測定結果
を表1に示す。
1985年に記載されている流動床反応器と同様の垂直振動
型反応器(容量150cm3、直径50mm、振動速度
420回/分(7Hz)、振動距離6cm)を作成し気
相重合を行なった。予め窒素置換した反応器に、実施例
1(2)で得たトリアルキルアルミニウム化合物担持ク
ロム触媒20mgを窒素雰囲気下でアンプルに封入した
ものを入れ、104℃まで加熱してから0.017MPaの
水素を導入した後、1−ヘキセン3gを1.4MPaのエ
チレンで加圧導入し、振動を開始しアンプルを割ること
によって重合を開始した。反応器内のエチレン分圧を1.
4MPaに維持するように、フレキシブル継ぎ手を経由
して必要に応じてエチレンを送給した(Hp/ETp=
1.2×10-2)。105℃で15分間、重合を行なった
後エチレン送給を中止し、反応器を室温まで冷却せし
め、ガス抜きし、内容物を取り出した。その結果、22
gのポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重合時
間1時間当たりの重合活性は4400g/g・hrであっ
た。物性測定結果を表1に示す。
/hr、実施例1(2)で得られたトリアルキルアルミ
ニウム化合物担持クロム触媒を5g/hrの速度で連続
的に供給し、反応器内容物を所要速度で排出しながら、
101℃において液相中の水素濃度のエチレン濃度に対
する質量比(Hc/ETc)を8.3×10-4、液相中の
1−ヘキセン濃度のエチレン濃度に対する質量比を0.13
に保つようにエチレン、水素、1−ヘキセンを供給し、
全圧4.1MPa、平均滞留時間0.9hrの条件で、液充満
の状態で連続的に第一段重合を行なった。生成した共重
合体を含むイソブタンのスラリーをそのまま内容積40
0Lの第二段反応器に全量、内径50mmの連結管を通
して導入し、触媒を追加することなく、103℃におい
てイソブタン(55L/hr)、エチレンおよび水素
(Hc/ETc=8.5×10-4)を供給し、全圧4.1MP
a、平均滞留時間1.1hrの条件で第二段重合を行ない
ポリエチレンを得た。第一段の高分子量成分の比率は4
7質量部、第二段の低分子量成分の比率は53質量部で
あった。また第一段目の触媒1g当たり、重合時間1時
間当たりの重合活性は5200g/g・hr、第二段目の触
媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は4700
g/g・hrであった。物性測定結果を表1に示す。
例1(1)のクロム触媒を用い、1−ヘキセンの導入量
を5gに変えた以外は全て実施例1(3)と同様に重合
を行なった。その結果、130gのポリエチレンが得ら
れた。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活
性は2600g/g・hrであった。物性測定結果を表1に
示す。実施例1に比べ活性が大幅に低下し、ESCRお
よび耐衝撃性が劣っていた。
ETc=0)、重合温度を103℃に変えた以外は全て
実施例1と同様に重合を行なった。その結果、235g
のポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間
1時間当たりの重合活性は4700g/g・hrであった。
物性測定結果を表1に示す。実施例1に比べESCRお
よび耐衝撃性が劣っていた。
富士シリシア社製P−10グレードのシリカ(比表面積
300m2/g、細孔体積1.5cm3/g、平均粒径40
μm)を用いた以外は全て実施例1(1)と同様にクロ
ム触媒を調製し、焼成活性化を行なった。元素分析を行
なうとクロム原子担持量は0.98%であった。実施例1
(1)と同様に窒素吸着によるBET法で比表面積を測
定すると、290m2/gであった。
持クロム触媒の調製 実施例1(2)において、クロム触媒として上記(1)
で得られた触媒を用い、トリn−ブチルアルミニウムの
0.1mol/L−ヘキサン溶液を18.8ml(Al/Cr
モル比=5)添加した以外は同様にトリアルキルアルミ
ニウム化合物担持クロム触媒を調製した。触媒は6価の
クロムが還元され緑色を示した。
担持クロム触媒を用い、1−ヘキセンの導入量を0.2
g、重合温度を96℃に変えた以外は全て実施例1
(3)と同様に重合を行なった(Hc/ETc=8.1×
10-4)。その結果、25gのポリエチレンが得られ
た。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性
は500g/g・hrであった。物性測定結果を表1に
示す。実施例6に比べ活性が激減し、分子量分布(Mw
/Mn)が広がり、比較例1および2よりESCRは少
し向上したが実施例6に比べ耐衝撃性が劣っていた。
ン溶液の添加量を0.78ml(Al/Crモル比=0.2)
に変えた以外は全て実施例1(2)と同様にトリアルキ
ルアルミニウム化合物担持クロム触媒を調製し、重合温
度を103℃に変えた以外は全て実施例1(3)と同様
に重合を行なった(Hc/ETc=8.5×10-4)。そ
の結果、155gのポリエチレンが得られた。触媒1g
当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は3100g/g
・hrであった。物性測定結果を表1に示す。比較例1
に比べ活性は少し向上したが、実施例1に比べESCR
および耐衝撃性が劣っていた。
ン溶液3.9mLの代わりに1.0mol/L−ヘキサン溶液
を5.8mL(Al/Crモル比=15)添加した以外は
全て実施例1(2)と同様にトリアルキルアルミニウム
化合物担持クロム触媒を調製し、1−ヘキセンの導入量
を0.2g、重合温度を90℃に変えた以外は全て実施例
1(3)と同様に重合を行なった(Hc/ETc=7.0
×10-4)。その結果、30gのポリエチレンが得られ
た。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重合活性
は600g/g・hrであった。物性測定結果を表1に
示す。実施例1に比べ活性は激減し、分子量分布(Mw
/Mn)が広がり、比較例1および2よりESCRは少
し向上したが実施例1より耐衝撃性が劣っていた。
(1)で得られたクロム触媒50mgおよびイソブタン
0.7Lを仕込み、内温を100℃まで昇温した。水素を
0.1MPa導入した後、トリn−ブチルアルミニウムの
0.1mol/L−ヘキサン溶液0.49mL(Al/Crモ
ル比=5)および1−ヘキセン0.2gをエチレンで加圧
導入し、エチレン分圧を1.4MPa(Hc/ETc=8.1
×10-4)となるように保ちながら、100℃で実施例
1(3)と同様に重合を行なった。その結果、60gの
ポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1
時間当たりの重合活性は1200g/g・hrであった。物
性測定結果を表1に示す。実施例6に比べ活性は低下
し、分子量分布(Mw/Mn)が広がり、比較例1およ
び2よりESCRは向上したが実施例6に比べ耐衝撃性
が劣っていた。
クロム触媒を用い、微量水素ボンベにてエチレン分圧1.
4MPaの時にHc/ETc=8.1×10-7となるように
水素を微量導入した以外は全て実施例1(3)と同様に
重合を行なった。その結果、245gのポリエチレンが
得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間当たりの重
合活性は4900g/g・hrであった。物性測定結果を表
1に示す。比較例2に比べ、活性、ESCR、耐衝撃性
は変わらず、実施例1よりESCRおよび耐衝撃性が劣
っていた。
触クロム媒を用い、水素導入量を1.5MPa(Hc/E
Tc=1.3×10-2)、重合温度を95℃、1−ヘキセ
ン添加量を6gにそれぞれ変えた以外は全て実施例1
(3)と同様に重合を行なった。その結果、145gの
ポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1
時間当たりの重合活性は2900g/g・hrであった。物
性測定結果を表1に示す。実施例1に比べ、活性は低下
し、分子量分布(Mw/Mn)が広がり、比較例1およ
び2よりESCRは少し向上したが実施例1より耐衝撃
性が劣っていた。
い、1−ヘキセン添加量を5gに変えた以外は、全て実
施例1(3)と同様に重合を行なった。その結果、12
5gのポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重合
時間1時間当たりの重合活性は2500g/g・hrであっ
た。物性測定結果を表1に示す。実施例10に比べ活性
が大幅に低下し、ESCRおよび耐衝撃性が劣ってい
た。
物担持HA30W触媒を用い、水素を全く導入せず(H
c/ETc=0)、重合温度を103℃に変えた以外は
全て実施例1(3)と同様に重合を行なった。その結
果、240gのポリエチレンが得られた。触媒1g当た
り、重合時間1時間当たりの重合活性は4800g/g・h
rであった。物性測定結果を表1に示す。実施例10に
比べESCRおよび耐衝撃性が劣っていた。
69ID触媒(クロム担持量=1.0%、比表面積310
m2/g、細孔体積1.2cm3/g、平均粒径80μm)
を実施例1(1)と同様に600℃で18時間焼成活性
化を行なった。元素分析の結果、クロム原子担持量は1.
02%であった。実施例1(1)と同様に窒素吸着による
BET法で比表面積を測定すると、280m2/gであ
った。
持クロム触媒の調製 実施例1(2)において、クロム触媒として上記(1)
で得られたクロム触媒を用い、トリn−ブチルアルミニ
ウムの0.1mol/L−ヘキサン溶液を3.9ml(Al/
Crモル比=1)添加した以外は同様にトリアルキルア
ルミニウム化合物担持クロム触媒を調製した。触媒は6
価のクロムが還元され緑色を示した。
担持クロム触媒を用い、重合温度を100℃に変えた以
外は全て実施例1(3)と同様に重合を行なった(Hc
/ETc=8.1×10-4)。その結果、120gのポリ
エチレンが得られた。触媒1g当たり、重合時間1時間
当たりの重合活性は2400g/g・hrであった。物性測
定結果を表1に示す。実施例1に比べ活性が大幅に低下
し、ESCRおよび耐衝撃性が劣っていた。
を添加し40℃、2時間撹拌後、スラリー状態のまま室
温で96時間放置してから減圧下で溶媒を除去し、さら
さらの自由流動性(free flowing)のトリアルキルアル
ミニウム化合物担持クロム触媒を得た。この触媒を用い
た以外は、実施例1(3)と同様に重合を行なった。そ
の結果、135gのポリエチレンが得られた。触媒1g
当たり、重合時間1時間当たりの重合活性は2700g/g
・hrであった。物性測定結果を表1に示す。実施例1
に比べ活性は低下し、分子量分布(Mw/Mn)が広が
り、比較例1および2よりESCRは少し向上したが実
施例1より耐衝撃性が劣っていた。
ゾ社製ジエチルアルミニウムエトキシドの0.1mol/
L−ヘキサン溶液を3.9ml(Al/Crモル比=1)
添加した以外は、全て実施例1(2)と同様に担持触媒
を調製し、重合温度を100℃に変え、1−ヘキセンの
導入量を5gに変えた以外は全て実施例1(3)と同様
に重合を行なった。その結果、160gのポリエチレン
が得られた。触媒1g、重合時間1時間当たりの重合活
性は3200g/g・hrであった。物性測定結果を表1に
示す。実施例1に比べ活性が低下し、分子量分布(Mw
/Mn)が広がった。比較例1および2よりESCRは
向上したが実施例1より耐衝撃性が劣っていた。
ジブチルマグネシウムの0.1mol/L−ヘキサン溶液
を3.9ml(Al/Crモル比=1)添加した以外は、
全て実施例1(2)と同様に担持触媒を調製し、1−ヘ
キセンの導入量を4.5gに変えた以外は全て実施例1
(3)と同様に重合を行なった。その結果、165gの
ポリエチレンが得られた。触媒1g、重合時間1時間当
たりの重合活性は3300g/g・hrであった。物性測定
結果を表1に示す。実施例1に比べ活性が低下し、ES
CRが劣っていた。
ゾ社製イソブチルアルモキサン(PBAO)の0.1mol/
L−ヘキサン溶液を3.9ml(Al/Crモル比=1)
添加した以外は、全て実施例1(2)と同様に担持触媒
を調製し、1−ヘキセンの導入量を4.5gに変えた以外
は全て実施例1(3)と同様に重合を行なった。その結
果、160gのポリエチレンが得られた。触媒1g、重
合時間1時間当たりの重合活性は3200g/g・hrであ
った。物性測定結果を表1に示す。実施例1に比べ活性
が低下し、ESCRが劣っていた。
ン0.7L、次いでトリn−ブチルアルミニウムの0.1mo
l/L−ヘキサン溶液0.49mlおよび1−ヘキセン0.2
gを仕込んだ。内温を100℃まで昇温した後、エチレ
ンおよび水素を導入し、エチレン分圧を1.4MPa、水
素分圧を0.1MPa(Hc/ETc=8.1×10-4)とし
た。次いで実施例1(1)で得られたクロム触媒50m
g(Al/Crモル比=5)を窒素で加圧導入して重合
を開始した。エチレン分圧を1.4MPaとなるように保
ちながら100℃で1時間重合を行なった。その結果、
53gのポリエチレンが得られた。触媒1g当たり、重
合時間1時間当たりの重合活性は1060g/g・hrであ
った。実施例6に比べ活性は低下し、分子量分布(Mw
/Mn)が広がり、比較例1および2よりESCRは向
上したが実施例6に比べ耐衝撃性が劣っていた。
性炭化水素溶媒中でトリアルキルアルミニウム化合物を
担持し、さらに溶媒を除去・乾燥して得た触媒を用い、
水素を共存させてエチレンの重合、好ましくは連続重合
を行なうことにより、耐環境応力亀裂(ESCR)と耐
衝撃性が共に向上しそのバランスに優れたエチレン系重
合体を製造することができる。本発明の方法により得ら
れるエチレン系重合体は、一般にはESCRと耐衝撃性
という相反する異なる物性の両方が同時に向上するとい
う特徴を有し、用途としては特にブロー成形製品に適
し、なかんずく大型ブロー成形製品に適している。
調製のフローチャート図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 クロム化合物を無機酸化物担体に担持し
非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なくとも
一部のクロム原子を6価とした後、不活性炭化水素溶媒
中でクロム原子が過還元されないようにトリアルキルア
ルミニウム化合物を担持させ、溶媒を除去・乾燥して得
られるトリアルキルアルミニウム化合物担持クロム触媒
を用いて水素を共存させながらエチレンの重合を行なう
ことを特徴とするエチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 少なくとも一部のクロム原子が6価のク
ロム化合物担持無機酸化物担体に不活性炭化水素溶媒中
でトリアルキルアルミニウム化合物を担持させるに際し
て、溶媒との接触時間が可能な限り短くなるように処理
する請求項1に記載のエチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項3】 不活性炭化水素溶媒中でのトリアルキル
アルミニウム化合物の担持反応時間の3倍以内の時間で
不活性炭化水素溶媒を除去・乾燥する請求項1または2
に記載のエチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項4】 焼成活性化した後のクロム化合物担持無
機酸化物担体の比表面積が350m2/g以上であるク
ロム触媒を用いる請求項1乃至3のいずれかに記載のエ
チレン系重合体の製造方法。 - 【請求項5】 クロム原子に対するトリアルキルアルミ
ニウム化合物のモル比が0.5〜10であるトリアルキル
アルミニウム化合物担持クロム触媒を用いる請求項1乃
至4のいずれかに記載のエチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項6】 重合を液相で行ない、液相中の水素濃度
(Hc;質量%)とエチレン濃度(ETc;質量%)と
の比が下記式: 【数1】1.0×10-6≦Hc/ETc≦1.0×10-2 の関係を満たす条件で重合を行なう請求項1乃至5のい
ずれかに記載のエチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項7】 重合を気相で行ない、気相中の水素分圧
(Hp;MPa)とエチレン分圧(ETc;MPa)と
の比が下記式: 【数2】1.0×10-4≦Hp/ETp≦1.0 の関係を満たす条件で重合を行なう請求項1乃至5のい
ずれかに記載のエチレン系重合体の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載のエチ
レン系重合体の製造方法により得られる、HLMFRが
1〜100g/10分、密度が0.935〜0.960g/cm3
のブロー成形製品用のエチレン系重合体。 - 【請求項9】 請求項1乃至7のいずれかに記載のエチ
レン系重合体の製造方法により得られる、HLMFRが
1〜15g/10分、密度が0.940〜0.955g/cm3の
大型ブロー成形製品用のエチレン系重合体。
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