JP7342394B2 - エチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法に関するものである。特に、本発明は、高分子量のポリエチレンを生成可能で、且つ水素による分子量の制御性が改善されたエチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法に関する。
エチレン系重合体は、各種の成形品の樹脂材料として、一般に広く用いられているが、その成形方法と用途によって要求される特性が異なっている。例えば、射出成形法によって成形される製品には分子量が比較的低く、狭い分子量分布を有する重合体が適しているが、ブロー成形やインフレーション成形などによって成形される製品には、分子量が比較的高く、分子量分布の広い重合体が適している。
従来より、無機酸化物担体に担持され、非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なくともクロム原子の一部が6価であるクロム触媒成分(フィリップス触媒)を用いることにより、ブロー成形、特に大型ブロー成形に適した広い分子量分布のエチレン系重合体が得られることは知られている。
このフィリップス触媒の改良技術として、例えば、無機酸化物担体に担持され、非還元性雰囲気下で焼成し活性化された少なくともクロム原子の一部が6価であるクロム触媒成分にトリアルキルアルミニウム化合物を担持させた触媒を用いてエチレンを重合する方法(特許文献1)や、特定の有機アルミニウム化合物(アルコキシド、シロキシド、フェノキシド等)を担持させたクロム触媒を用いるエチレン重合体の製造方法が提案されている(特許文献2)。また、特定の表面積と細孔体積を持つ無機酸化物に担体を用いてクロム触媒を調製し、さらにアルキルアルミニウムアルコキシドを担持させた触媒によりエチレン重合体を製造する方法が開示されている(特許文献3)。これらの技術は、いずれも、成形性、耐久性、耐衝撃性および剛性のバランスに優れたエチレン重合体を製造しようとしたものである。
担体として粘土鉱物等を用い、クロム化合物を含む均一溶液と接触させ、非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なくともクロム原子の一部が6価であるクロム触媒が高活性であり、高分子量のポリエチレンを生成することが開示されている(特許文献4)。粘土鉱物と無機酸化物の混合物を担体として用いたクロム触媒も開示されている(特許文献5)。また、クロム化合物を含むイオン交換性層状化合物を、周期表第1族または第2族金属原子からなる有機金属化合物で処理した触媒が、低分子量成分が少ないポリマーを製造することが開示されている(特許文献6)。
特開2002-80521号公報 特開2003-96127号公報 特開2011-6588号公報 特開2006-257255号公報 WO02/088196号公報 特開2005-281647号公報
粘土鉱物等をクロム触媒の担体として用いた場合、シリカ等の無機酸化物を担体として用いた場合より高分子量のポリエチレンを与えるが、実用的に使用するには高分子量過ぎるという課題があった。また、粘土鉱物等をクロム触媒の担体として用いた場合、水素による分子量の制御が困難であり、種々の分子量のポリエチレンを作り分けることが困難だった。
従来のクロム触媒では製造が困難な領域の高分子量ポリエチレンを製造でき、しかも、材料設計が可能なようにポリマーの分子量を制御可能な技術が求められていた。
したがって、本発明では、上記従来技術の問題点に鑑み、高分子量のエチレン系重合体を生成可能で、且つ水素による分子量の制御性が改善されたエチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、結晶性乃至周期構造を有する無機酸化物からなる微粒子を担体として用いたフィリップス触媒に対して、さらに特定の有機アルミニウム化合物又は有機アルミニウムオキシ化合物を接触処理すると、高分子量ポリエチレンが製造できることに加え、水素による分子量の制御性が改善されることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づき、完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、次の工程を有することを特徴とする、エチレン系重合触媒の製造方法が提供される。
工程(1)粉末X線回折測定において周期構造由来の回折ピークを有する無機酸化物からなる微粒子担体にクロム化合物を担持し、
工程(2)非還元性雰囲気下400~900℃で焼成活性化することで少なくとも一部のクロム原子を6価とした後、
工程(3)下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または下記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させ、
工程(4)該不活性炭化水素溶媒を除去する。

AlR 3-n ・・・・一般式(1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1~20のアルキル基を示し、Rは、-ORを示し、Rは酸素原子に直接結合する炭素原子が第1級炭素原子または第2級炭素原子である炭素数1~20の炭化水素基を示す。nは1~3の整数である。)

-(AlR-O)n’- ・・・・一般式(2)
(一般式(2)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を示し、分子内に複数存在するRは、同一でも異なっていても良く、n’は2~40の整数である。)
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記無機酸化物が、粉末X線回折測定において、2θ=5~15°、16~25°、30~40°又は55~65°の少なくとも2つの範囲内に回折ピークを有する、エチレン系重合触媒の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記工程(3)において、前記無機酸化物1gに対するアルミニウム原子のモル数が0.01~3.0mmol/gになるように接触させる、エチレン系重合触媒の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1乃至3のいずれかの発明において、前記無機酸化物が、粉末X線回折測定において、2θ=16~25°、及び30~40°の両方の範囲内に回折ピークを有する、エチレン系重合触媒の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1乃至4のいずれかの発明において、前記無機酸化物がイオン交換性層状化合物である、エチレン系重合触媒の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1乃至5のいずれかの製造方法で得られるエチレン系重合触媒を用いることを特徴とする、エチレン系重合体の製造方法が提供される。
本発明によれば、高分子量のエチレン系重合体を生成可能で、且つ水素による分子量の制御性が改善されたエチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法を提供することができる。それにより、本発明によれば、種々の分子量のエチレン系重合体を製造することができる。
I.エチレン系重合触媒の製造方法
本発明のエチレン系重合触媒の製造方法は、次の工程を有することを特徴とする。
工程(1)粉末X線回折測定において周期構造由来の回折ピークを有する無機酸化物からなる微粒子担体にクロム化合物を担持し、
工程(2)非還元性雰囲気下400~900℃で焼成活性化することで少なくとも一部のクロム原子を6価とした後、
工程(3)下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または下記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させ、
工程(4)該不活性炭化水素溶媒を除去する。

AlR 3-n ・・・・一般式(1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1~20のアルキル基を示し、Rは、-ORを示し、Rは酸素原子に直接結合する炭素原子が第1級炭素原子または第2級炭素原子である炭素数1~20の炭化水素基を示す。nは1~3の整数である。)

-(AlR-O)n’- ・・・・一般式(2)
(一般式(2)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を示し、分子内に複数存在するRは、同一でも異なっていても良く、n’は2~40の整数である。)
本発明のエチレン系重合触媒の製造方法によれば、前記結晶性乃至周期構造を有する無機酸化物(以下、結晶性無機酸化物ということがある)からなる微粒子担体に担持された少なくともクロム原子の一部が6価であるクロム触媒成分に対して、さらに特定の有機アルミニウム化合物又は有機アルミニウムオキシ化合物を接触処理すると、高分子量のエチレン系重合体が製造できることに加え、水素による分子量の制御性が改善され、種々の分子量のエチレン系重合体を製造することができる。
上記組み合わせの作用については、未解明であるが、以下のように推定できる。
結晶性無機酸化物からなる微粒子担体に担持された少なくともクロム原子の一部が6価であるクロム触媒成分は、前記結晶性無機酸化物の周期構造による立体的な制約に起因して、クロム原子と無機酸化物の表面水酸基との相互作用が特定の状態になっていることが予想される。周期構造を有しない非晶質シリカを担体に用いた場合においても、シリカの構造がポリマーの分子量に影響を与えるが、周期構造を有する結晶性無機酸化物は、高分子量を生成させるクロム原子の担持状態を特異的に形成させていると考えられる。
さらに特定の有機アルミニウム化合物又は有機アルミニウムオキシ化合物は、残存する結晶性無機酸化物の表面水酸基と反応し、結果的にクロム原子とも相互作用すると考えられる。この相互作用により、重合反応に対する水素の反応性が向上し、水素による分子量の制御性が改善され、種々の分子量のエチレン系重合体を製造することができると推定される。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、“x~y”という範囲を示す表記は、特に断りが無い限り、当該範囲にxとyが入るものとする。
1.工程(1)
[微粒子担体]
本発明に用いられる微粒子担体は、粉末X線回折測定において周期構造由来の回折ピークを有する無機酸化物からなる微粒子担体である。
ここで、粉末X線回折測定において周期構造由来の回折ピークを有するとは、CuKα線を用い、2θ=1°~65°の範囲で測定され、回折角度(2θ)を横軸としたX線回折図上において、波形処理装置がバックグラウンドノイズと明確に区別して認識できるピークが存在する場合であって、当該ピークの半値幅が3°以下である場合をいう。ここで半値幅とは、ピークの1/2の高さの箇所の横軸の幅(2点間の間隔)をいう。
非晶質シリカの粉末X線回折測定を行った場合、2θ=15°~30°にブロードなピークを与える(東北工業技術試験所報告 第8号 昭和52年3月、44~51ページ)。このようなブロードなピークは本願での周期構造由来の回折ピークには含めない。
粉末X線回折測定は、下記条件により測定することができる。
(測定条件)
粉末X線回折装置: Rigaku社製X-ray diffractmater SmartLab
波長:1.54Å
出力:40kV、30mA
集中法:2θスキャン、1°~65°
ステップ:0.02°
スキャン速度:4°/分
粉末X線回折測定において周期構造由来の回折ピークを有する無機酸化物としては、本発明の効果が得られやすい点から、粉末X線回折測定において、2θ=5~15°、16~25°、30~40°又は55~65°の少なくとも2つの範囲内に回折ピークを有することが好ましく、更に、2θ=16~25°、30~40°又は55~65°の少なくとも2つの範囲内に回折ピークを有することが更に好ましく、2θ=16~25°、及び30~40°の両方の範囲内に回折ピークを有することがより更に好ましい。
粉末X線回折測定において周期構造由来の回折ピークを有する無機酸化物としては、粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物、ゼオライト、メソ孔無機酸化物等が挙げられる。
本発明に用いられる微粒子担体は、粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物、及び各種ゼオライトからなる群から選択される1種以上の微粒子担体であることが好ましく、粘土、粘土鉱物、及びイオン交換性層状化合物からなる群から選択される1種以上の微粒子担体であることが更に好ましく、イオン交換性層状化合物の微粒子担体であることがより更に好ましい。
なお、前記無機酸化物としては、「粘土」、「粘土鉱物」および「イオン交換性層状化合物」の三者に、それぞれ重複して分類されるものがあるが、これらのいずれかに少なくとも分類されるものであってよい。粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンが交換可能なものを言う。大部分の粘土はイオン交換性層状化合物である。また、これら、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。粘土、粘土鉱物、及びイオン交換性層状化合物からなる群から選択される1種以上の微粒子担体は、粉末X線回折測定において結晶由来の回折ピークを有する。
粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
これらのうち好ましくはディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物が挙げられる。特に好ましくはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイトが挙げられる。また、人工の合成物として、合成ヘクトライト、合成雲母(マイカ)、合成サポナイト等が挙げられる。
イオン交換性層状化合物は、粘土鉱物の大部分を占めるものであり、好ましくはイオン交換性層状珪酸塩である。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライトなど)が含まれることが多いが、それらを含んでいてもよい。
イオン交換性層状化合物としては、各種公知のものが使用できる。具体的には、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。2:1型鉱物類としては、例えば、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族、パイロフィライト、タルクなどのパイロフィライト-タルク族、Mg緑泥石などの緑泥石族が挙げられる。2:1リボン型鉱物類としては、例えば、セピオライト、パリゴルスカイトなどが挙げられる。また、人工の合成物として、例えば、合成ヘクトライト、合成雲母(マイカ)、合成サポナイト等が挙げられる。本発明で使用されるイオン交換性層状化合物としては、上記の混合層を形成した層状珪酸塩を用いることができる。本発明においては、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることがさらに好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。
イオン交換性層状化合物は、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2 型、CdI2 型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物等を例示することができる。イオン交換性層状化合物の具体例としては、α-Zr(HAsO42 ・H2 O、α-Zr(HPO42 、α-Zr(KPO42 ・3H2 O、α-Ti(HPO42 、α-Ti(HAsO42 ・H2 O、α-Sn(HPO42 ・H2 O、γ-Zr(HPO42 、γ-Ti(HPO42 、γ-Ti(NH4 PO42 ・H2 O等の多価金属の結晶性酸性塩があげられる。
これら粘土鉱物やイオン交換性層状化合物は、ボールミル、ジェットミルなどによる粉砕、更に要すれば、ふるい分け、水ひ(水中での沈降速度を利用した分級方法)、造粒等の処理による粒子形状の制御を行った後に用いることが好ましい。また、粘土鉱物等は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で使用するイオン交換性層状化合物の珪酸塩は、天然品または工業原料として入手したもの、或いは人工の合成物をそのまま用いることができるが、予め、酸処理を行ってもよい。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造に含まれるAl、Fe、Mg等の陽イオンの一部又は全部を溶出させる効果がある。8面体イオンの溶出の程度は酸処理前を基準として、1~90%、好ましくは3~80%である。結晶構造に含まれる陽イオンが溶出することにより、結晶構造は部分的に崩壊することになるが、このことは、後述するように、高温での加熱操作が必要となってくる場合においては、かえって、加熱による結晶構造変化に伴う細孔体積や表面積の変化を抑制する効果をもたらすものと期待される。また、固体中での粘土鉱物等の分散性が向上することから、含有されるクロム当たりの重合活性は向上する傾向にある。
上記酸処理で用いられる酸としては、無機酸または有機酸を使用することができる。例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸等の有機酸が挙げられる。好ましくは硫酸、塩酸、硝酸、酢酸又はシュウ酸が使用される。これらは2種以上併用することも可能である。酸処理条件は、公知の方法を特に制限なく使用できる。例えば、酸濃度は水溶液等の溶媒中の濃度で0.1~50重量%、処理温度は室温~使用溶媒の沸点の間の温度、処理時間は5分~24時間、それぞれ採用できる。この酸処理は、粘土鉱物等を構成している物質の少なくとも一部を溶出する条件で行うことが好ましい。
本発明において、酸処理以外の予備処理として、アルカリ処理や有機物処理、酸化剤処理、還元剤処理等の他の化学処理を併用してもよい。
このようにして得られる予備処理した粘土鉱物やイオン交換性層状化合物は、BET法で測定した半径20Å以上の細孔体積が0.1cm/g以上、特には0.3~5cm/gのものを使用することが好ましい。また、これら粘土鉱物やイオン交換性層状化合物には、通常吸着水および層間水が含まれるため、不活性ガス流通下で加熱脱水処理するなどして、水分を除去してから使用するのが好ましい。
ここで、吸着水とは、粘土鉱物等の粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水で、層間水は結晶の層間に存在する水である。吸着水および層間水の加熱除去方法は特に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水等の方法が用いられる。加熱の際の温度は、層間水が残存しないように、100℃以上、好ましくは150℃以上であるが、構造破壊を生じるような800℃を越える高温条件は好ましくない。好ましくは350℃以下である。加熱時間は0.5時間以上、好ましくは1時間以上、12時間程度である。その際、脱水乾燥した後の塩処理固体生成物の水分含有量が、温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有量を0重量%としたとき、3重量%以下、好ましくは1重量%以下、下限は0重量%以上である。
また、本発明の微粒子担体として用いられるゼオライトとは、分子サイズの細孔径を有する結晶性無機酸化物からなるものである。ここに分子サイズとは、世の中に存在する分子のサイズの範囲であり、一般的には、0.2nmから2nm程度の範囲を意味する。分子サイズの細孔径を有する結晶性無機酸化物は、具体的には、結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、あるいは結晶性メタロアルミノフォスフェート等で構成された結晶性マイクロポーラス物質が挙げられる。
結晶性シリケート、結晶性アルミノシリケート、結晶性メタロシリケート、結晶性メタロアルミノシリケート、結晶性アルミノフォスフェート、結晶性メタロアルミノフォスフェートは、特に種類は制限されないが、例えば、Atlas of Zeolite Structure types(W. M. Meier, D. H. Olson, Ch. Baerlocher, Zeolites, 17(1/2), 1996)に掲載されている構造をもつ結晶性無機多孔性物質が挙げられる。また、本発明の担体に使用するゼオライトは、前記文献に掲載されているものに限定されるものではなく、近年次々と合成されている新規な構造を有するゼオライトも含む。ゼオライトの構造は、入手が容易なFAU型、MFI型、MOR型、BEA型、LTL型、LTA型が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の微粒子担体として用いられるゼオライトは、細孔体積が0.1cm/g以上、特には0.3~5cm/gのものを使用することが好ましい。
本発明において、メソ孔無機酸化物とは、二酸化ケイ素(シリカ)等の無機酸化物を材質として、均一で規則的な細孔(メソ孔:細孔径2~50nm、主に2~20nm)を有し、粉末X線回折測定において周期構造由来の回折ピークを有する物質のことである。
一例として、細孔径2.6~3.5nm、細孔体積が0.1cm/g以上、特には0.3~5cm/gのものを使用することが好ましい。
例えば、メソ孔シリカは、例えば、界面活性剤を鋳型としたゾルゲル法により合成することができる。水溶液中に臨界ミセル濃度以上の濃度で界面活性剤を溶解させると、界面活性剤の種類に応じて一定の大きさと構造をもつミセル粒子が形成される。しばらく静置するとミセル粒子が充填構造をとり、コロイド結晶となる。ここで溶液中にシリカ源となるテトラエトキシシラン等を加え、微量の酸または塩基を触媒として加えると、コロイド粒子の隙間でゾルゲル反応が進行しシリカゲル骨格が形成される。最後に高温で焼成すると、鋳型とした界面活性剤が分解・除去されて純粋なメソ孔シリカが得られる。
界面活性剤の種類を変更することで、細孔の大きさや形、充填構造を制御することができる。代表的なものとして、小分子系カチオン性界面活性剤を用いるMCMシリーズ、ブロックコポリマーを用いるSBAシリーズ等が知られている。
本発明においては、後述する非還元性雰囲気での焼成活性化後にクロム触媒の比表面積が250m2/g以上、好ましくは300m2/g以上となるような微粒子担体を選択することが好ましい。前記比表面積が250m2/g未満の場合は、必要な量のクロム原子が十分に分散しないため、重合活性が低下する懸念がある。
一方、焼成活性化後のクロム触媒の比表面積の上限値は特に制限ないが、通常は1000m/g以下である。
本発明において用いられる微粒子担体の細孔体積としては、0.5~5.0cm/gであるものが好ましく、1.0~3.0cm/gであるものがより好ましい。
本発明において用いられる微粒子担体の平均粒径としては、一般的なクロム触媒に用いられる担体と同様に、10~200μm、好ましくは20~150μmの範囲が挙げられる。
[クロム化合物の担持]
本発明においてクロム化合物として、下記3種のいずれかが用いられる。ただし、下記(iii)に属する化合物の中には重複して分類されるものも含まれている。
(i)クロム酸もしくはその塩、
(ii)重クロム酸もしくはその塩、又は、
(iii)クロムの陽イオンと、ハロゲンイオン、無機酸及び有機酸の陰イオンからなる郡より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとからなるクロム塩。
(i)クロム酸塩としては、クロム酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
(ii)重クロム酸塩としては、重クロム酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。クロム酸塩の場合と同様である。
(iii)クロムの陽イオンとしては、2価、3価、4価、5価又は6価のクロムイオンが用いられるが、2価又は3価のクロムイオンが好ましい。ハロゲンイオンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の陰イオンが用いられる。無機酸及び有機酸の陰イオンとしては、ハロゲン酸イオン、過ハロゲン酸イオン、亜ハロゲン酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン、アセチルアセトナートなどが挙げられる。具体的には、クロムのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、塩化クロミル、臭化クロミル、硝酸クロム、硫酸クロム、リン酸クロム、酢酸クロム、シュウ酸クロム、クロム-1,3-ジケト化合物、クロム酸エステル、トリス(2-エチルヘキサノエート)クロム、クロムアセチルアセトネート、ビス(t-ブチル)クロメート等が挙げられる。
これらの中でも、硝酸クロム、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネートが好ましい。クロム化合物としては、2種以上、混合して使用してもよい。なお、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネート、クロム酸エステルのような有機基を有するクロム化合物を用いた場合、後に述べる非還元性雰囲気での焼成活性化によって有機基部分は燃焼し、最終的には少なくとも一部のクロム原子は6価となる。
前記微粒子担体へのクロム化合物の担持は、含浸、溶媒留去、昇華等の公知の方法によって行なうことができ、使用するクロム化合物の種類によって適当な方法を用いればよい。
クロム化合物を溶解させる溶媒は特に限定されないが、一般的には、水、アルコール、エーテル、ケトン、炭化水素、ハロゲン化炭化水素が用いられる。これらの中で、粘土鉱物やイオン交換性層状化合物の層状構造を膨潤させ、層間イオンの交換を起こしやすくするという観点からは、水、アルコール、エーテル、ケトンが好ましく用いられ、さらに好ましくは、水が用いられる。一方で、水などに不溶もしくは溶解度が低い有機クロム化合物を担持させる場合は、均一な有機クロム化合物の溶液を必要最小限の溶媒量で調製し、微粒子担体上に均一に分散させるという観点で、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素が好ましく用いられる場合がある。
前記微粒子担体とクロム化合物の均一溶液とを接触させる方法としては、
(i)はじめ溶媒を使用することなく微粒子担体及びクロム化合物を固体で接触させ、その後、クロム化合物が均一に溶解するのに十分な量の溶媒を添加し、クロム化合物を均一に溶解させて接触させる方法
(ii)固体状の微粒子担体に、クロム化合物の均一溶液を添加して接触させる方法
(iii)固体状のクロム化合物に、クロム化合物が溶解する溶媒に懸濁させた微粒子担体を添加して接触させる方法、
(iv)任意の溶媒を用いた微粒子担体の懸濁液に、クロム化合物の均一溶液を添加して接触させる方法(ただし、クロム化合物が再析出しないこと)
などが挙げられる。なお、ここで用いる溶媒は、クロム化合物を溶解させる溶媒として記載したものと同じものが好ましく用いられる。
前記微粒子担体とクロム化合物を接触させる条件は特に限定されないが、通常、接触時間は5分~24時間、接触温度は室温~溶媒の沸点の間、用いる溶媒に対する各成分の濃度は、0.1~30重量%で行われることが好ましい。また、これらの条件での接触は、撹拌して行うことが好ましい。
本発明において、クロム化合物を均一に分散でき、しかも溶媒を除去しやすいという点からより好ましい担持方法は、前記微粒子担体と、炭化水素溶媒に有機基を有するクロム化合物を溶解させた均一溶液とを接触させ、その後、炭化水素溶媒を除去する方法が挙げられる。
また、本発明において、微粒子担体中へのクロム化合物の分散性をさらに向上させるという点からより好ましい担持方法は、粘土鉱物やイオン交換性層状化合物が膨潤可能な水又はアルコール溶媒を用い、粘土鉱物等の層間イオンとイオン交換性のあるクロム化合物の均一溶液とを接触させる方法が挙げられる。
前記微粒子担体とクロム化合物の均一溶液の接触生成物は、前記微粒子担体に担持されないクロム化合物を除去するために、クロム化合物が可溶な溶媒を用いて洗浄することができる。洗浄することにより、前記微粒子担体中にクロム化合物はより均一に存在することになり、その結果、重合活性種の均一性が増す効果が期待される。
前記微粒子担体とクロム化合物の均一溶液との接触生成物の洗浄操作としては、遊離したクロム化合物を除去可能であれば任意の方法が可能であるが、クロム化合物が可溶である溶媒により、一旦、クロム化合物を溶解させた後、ろ過又は上澄み除去によりクロム化合物を除去する方法が用いられる。一回の操作で用いる溶媒の量は、遊離したクロム化合物が全量溶解可能な量、すなわちクロム化合物の溶媒に対する濃度が飽和溶解度以下となる量を用いることが好ましい。このような溶媒としては、水、アルコール、エーテル、ケトン、炭化水素、ハロゲン化炭化水素が用いられる。
上記洗浄するときの温度は、室温~使用溶媒の沸点の間から選択される。溶媒を添加し溶解させるまでの時間は1分~24時間であり、クロム化合物を溶解させている間は、撹拌やスラリー循環を実施して濃度分布が生じることを抑制することが好ましい。溶媒に溶解した、すなわち遊離したクロム化合物を除去する方法としては、ろ過による除去や静置後に上澄みを除去する方法が一般的に用いられるが、溶媒が水である場合にはろ過が好ましい。洗浄操作は通常、1~10回、好ましくは、2~5回繰り返される。
前記微粒子担体とクロム化合物を接触させるときに、溶媒と共に更に0.1~50重量%の酸性化合物を含有する溶液を共存させて行うことが出来る。この場合も洗浄は上述の手法により実施することが可能である。洗浄の程度としては、洗液のpHが3~7になるまで中性の溶媒で洗浄することが好ましい。洗浄が不足すると重合活性の低下を起こすことがある。
上記の方法により得られるクロム化合物を担持した微粒子担体は、クロム原子の少なくとも一部を6価に変換する操作を実施する前に、余分な溶媒を除去するための乾燥を実施することが出来る。乾燥とは、使用した溶媒を除去することを示すので、後述するクロム原子の価数の変換を目的とした加熱など、化学変化を目的とした操作とは区別される。乾燥は300℃以下、好ましくは200℃以下の温度で、通常0.5時間以上、好ましくは1時間以上、12時間以内程度で実施される。
上記の方法により得られるクロム化合物を担持した微粒子担体(固体生成物)に含有されるクロム化合物の含有量は、固体生成物に対してクロム原子として0.01~2.0重量%、好ましくは0.03~1.7重量%、さらに好ましくは0.05~1.5重量%である。上記範囲を外れると、重合活性、重合体の分子量等、充分な効果を発揮することが難しい恐れがある。
クロム原子の総量は、通常一般の金属分析法、例えば、プラズマ発光分析、蛍光X線法により測定することができる。定量を行うには、簡便な手法として、キレート滴定法や吸光光度法が知られている。具体的には、日本化学会編「実験化学講座15 分析」丸善(1991年)P.246~248に記載がある。例えば、3価のクロムの場合は、酸性溶液中の3価のクロムに対して過剰の濃度既知のEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を加え5~10分煮沸し、3価の鉄の標準液で滴定することにより定量できる。また、6価のクロムの場合は、アルカリ性溶液ではCrO4 2-として存在することを利用し、366nmの波長の吸光度を測定することにより定量が可能である。
2.工程(2)
クロム化合物の担持後に、非還元性雰囲気下400~900℃で焼成活性化することで少なくとも一部のクロム原子を6価とする。
焼成活性化処理は水分を実質的に含まない非還元性雰囲気、例えば酸素または空気下で行なうことができる。この際不活性ガスを共存させてもよい。好ましくは、モレキュラーシーブス等を流通させ十分に乾燥した空気を用い、流動状態下で行なう。焼成活性化は400~900℃で行うが、好ましくは450~850℃、さらに好ましくは500~800℃の温度範囲にて30分~48時間、好ましくは1時間~24時間、さらに好ましくは2時間~20時間行なう。この焼成活性化により前記微粒子担体に担持されたクロム化合物のクロム原子の少なくとも一部が6価に酸化されて担体上に化学的に固定される。
クロムの価数は固体生成物の色変化(一般的には、6価は黄色からオレンジ色、3価は緑色、2価は青色)を肉眼観察することにより概略を知ることができる。
3.工程(3)
工程(3)においては、前記焼成活性化した後のクロム化合物担持微粒子担体に、下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または下記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を、不活性炭化水素溶媒中で接触させる。
前記焼成活性化した後のクロム化合物担持微粒子担体に、更に下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または下記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を担持することにより、これらの化合物を担持しない場合に比べて、エチレン系重合体の重合時に水素により分子量が効率的に低下するなど、分子量の制御性が向上する。
[一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物]
AlR 3-n ・・・・一般式(1)
(一般式(1)中、Rは炭素数1~20のアルキル基を示し、Rは、-ORを示し、Rは酸素原子に直接結合する炭素原子が第1級炭素原子または第2級炭素原子である炭素数1~20の炭化水素基を示す。nは1~3の整数である。)
で示される炭素数1~20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基等が挙げられる。Rで示される炭素数1~20のアルキル基としては、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、又はn-オクチル基が好ましい。
で示される-ORにおいて、Rで示される酸素原子に直接結合する炭素原子が第1級炭素原子または第2級炭素原子である炭素数1~20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。Rで示される酸素原子に直接結合する炭素原子が第1級炭素原子または第2級炭素原子である炭素数1~20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基が好適に挙げられ、メチル基、エチル基、i-ブチル基が更に好適に挙げられる。
なお、本発明において第1級炭素原子は、0個又は1個の炭素原子と結合している炭素原子をいい、第2級炭素原子は、2個の炭素原子と結合している炭素原子をいう。酸素原子に直接結合する炭素原子が0個の炭素原子と結合している炭化水素基としては、メチル基が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、nが3であるトリアルキルアルミニウム化合物、nが1又は2でRが-ORであるアルキルアルミニウムアルコキシド化合物等が挙げられ、nが3であるトリアルキルアルミニウム化合物、nが2であるジアルキルアルミニウムアルコキシド化合物が好ましく用いられる。
前記トリアルキルアルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-プロピルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn-ヘキシルアルミニウム、トリn-オクチルアルミニウム、トリn-デシルアルミニウム、トリn-ドデシルアルミニウム等が挙げられ、中でも担体表面水酸基と反応しやすいという点から、トリエチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。
前記ジアルキルアルミニウムアルコキシド化合物としては、例えば、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムi-プロポキシド、ジメチルアルミニウムn-ブトキシド、ジメチルアルミニウムi-ブトキシド、ジメチルアルミニウムn-ペントキシド、ジメチルアルミニウムn-ヘキシルオキシド、ジメチルアルミニウムシクロヘキシルオキシド、ジメチルアルミニウムn-オクチルオキシド、ジメチルアルミニウムベンジルオキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムi-プロポキシド、ジエチルアルミニウムn-ブトキシド、ジエチルアルミニウムi-ブトキシド、ジエチルアルミニウムn-ペントキシド、ジエチルアルミニウムn-ヘキシルオキシド、ジエチルアルミニウムシクロヘキシルオキシド、ジエチルアルミニウムn-オクチルオキシド、ジエチルアルミニウムベンジルオキシド、ジn-ブチルアルミニウムメトキシド、ジn-ブチルアルミニウムエトキシド、ジn-ブチルアルミニウムi-プロポキシド、ジn-ブチルアルミニウムn-ブトキシド、ジn-ブチルアルミニウムi-ブトキシド、ジn-ブチルアルミニウムn-ペントキシド、ジn-ブチルアルミニウムn-ヘキシルオキシド、ジn-ブチルアルミニウムシクロヘキシルオキシド、ジn-ブチルアルミニウムn-オクチルオキシド、ジn-ブチルアルミニウムベンジルオキシド、ジi-ブチルアルミニウムメトキシド、ジi-ブチルアルミニウムエトキシド、ジi-ブチルアルミニウムイソプロポキシド、ジi-ブチルアルミニウムn-ブトキシド、ジi-ブチルアルミニウムi-ブトキシド、ジi-ブチルアルミニウムn-ペントキシド、ジi-ブチルアルミニウムn-ヘキシルオキシド、ジi-ブチルアルミニウムシクロヘキシルオキシド、ジi-ブチルアルミニウムn-オクチルオキシド、ジi-ブチルアルミニウムベンジルオキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムメトキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムエトキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムi-プロポキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムn-ブトキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムi-ブトキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムn-ペントキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムn-ヘキシルオキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムシクロヘキシルオキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムn-オクチルオキシド、ジn-ヘキシルアルミニウムベンジルオキシド等が挙げられる。本発明においては、触媒活性の点から、アルコキシド部分の酸素原子に直接結合する炭素原子が第1級又は第2級炭素原子であるものが用いられる。中でも、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムn-ブトキシド、ジn-ブチルアルミニウムエトキシド、ジn-ブチルアルミニウムn-ブトキシド、ジエチルアルミニウムi-ブトキシド、ジi-ブチルアルミニウムエトキシド、ジi-ブチルアルミニウムi-ブトキシドが好ましい。
[一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物]
-(AlR-O)n’- ・・・・一般式(2)
(一般式(2)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を示し、分子内に複数存在するRは、同一でも異なっていても良く、n’は2~40の整数である。)
で示される炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基等が挙げられるが、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘプチル基が好ましく、中でもメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、i-ブチル基が特に好ましい。
n’は、2~40の整数であり、繰り返し単位数を示す。n’は、好ましくは2~30の範囲にある。
このような一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物(以下、アルモキサン系化合物ともいう)は通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素溶媒中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
アルモキサン系化合物の調製に用いる有機アルミニウム化合物は、モノアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、いずれも使用可能であるが、好ましくはトリアルキルアルミニウムが使用される。
トリアルキルアルミニウムのアルキル基は、炭素数1~10のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のいずれも使用することができる。
アルモキサン系化合物の調製に用いる有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムから調製されるものは修飾メチルアルモキサン(MMAO)ともよばれる。なお、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムとの使用割合は、適宜選択することができる。例としては、東ソーファインケム社製のトリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを用いたMMAO-3Aグレード等が挙げられる。
本発明において、アルモキサン系化合物としては、活性改善の観点からトリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンが好ましく、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンがさらに好ましい。
アルモキサン系化合物の調製に用いる水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は、0.25/1~1.2/1、特に、0.5/1~1/1であることが好ましく、反応温度は、通常-70~100℃、好ましくは-20~20℃の範囲にある。反応時間は、通常5分~24時間、好まくは10分~5時間の範囲で選ばれる。反応に要する水として、単なる水のみならず、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等に含まれる結晶水や反応系中に水が生成しうる成分も利用することもできる。
前記焼成活性化した後のクロム化合物担持微粒子担体に、前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を接触させる量としては、前記無機酸化物1gに対するアルミニウム原子のモル数が0.01~3.0mmol/gになるように接触させることが、触媒性能のバランスの点から好ましい。中でも、前記無機酸化物1gに対するアルミニウム原子のモル数が0.02~2.0mmol/gになるように接触させることが更に好ましく、0.05~1.5mmol/gになるように接触させることがより更に好ましい。
また、前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物の担持量は、クロム原子に対するアルミニウム原子のモル比が0.5~20であることが好ましく、0.6~10であることが更に好ましく、0.7~7であることがより更に好ましい。このモル比が0.5未満では、前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を担持した効果が十分には発現されない恐れがある。一方、このモル比が20を超えると、エチレン重合活性が低下する恐れがある。
接触させる前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物としては、前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物及び前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物の少なくとも1種を用いればよく、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用しても良く、更に、前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物及び前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を併用しても良い。
[不活性炭化水素溶媒中の接触]
前記焼成活性化した後のクロム化合物担持微粒子担体に、前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を担持する方法としては、不活性炭化水素溶媒中で接触させる方法ならば特に限定されない。例えば、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素溶媒に、前記焼成活性化した後のクロム化合物担持微粒子担体を混合してスラリー状態とし、これに前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を添加する方法が好ましい。添加する前記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または前記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物は、上記不活性炭化水素溶媒で希釈しても良いし、希釈せずに添加しても良い。希釈用溶媒と担持用の溶媒は同じでも異なっても良い。
使用する不活性炭化水素溶媒の量は、触媒の調製時に少なくともスラリー状態で撹拌を行なえるに十分な量であることが好ましい。このような量であれば溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、前記焼成活性化した後のクロム化合物担持微粒子担体1g当たり溶媒2~20gを使用することができる。
接触させる際の反応温度は0~150℃、好ましくは10~100℃、さらに好ましくは20~80℃、反応時間は5分~8時間、好ましくは30分~6時間である。
4.工程(4)
工程(4)においては、前記接触工程で用いた前記不活性炭化水素溶媒を除去する。
前記工程(3)において、撹拌を停止して担持操作を終了した後は、速やかに溶媒を除去することが好ましい。溶媒の除去は窒素などの不活性ガスを流通させて除去することも出来るし、減圧により除去することも出来る。これらのうち減圧乾燥が好ましく、この際、ろ過を併用してもよい。減圧乾燥では、得られるエチレン系重合触媒(アルミニウムを担持したクロム化合物担持微粒子担体)が、粘性、湿り気のない流動性を有する粉末として得られるように乾燥させることが好ましい。
物性的な目安としては、溶媒の残存質量が、得られたエチレン系重合触媒の細孔体積に溶媒の密度を掛けて得られた質量の1/2以下、好ましくは1/5、さらに好ましくは1/10以下になっていることが好ましい。なお、ここで細孔体積は窒素吸着によるBET法によるものであり、溶媒の残存質量は以下の式により求めることができる。
溶媒の残存質量=(乾燥後のエチレン系重合触媒の質量)-{(一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物の質量)+(クロム化合物担持微粒子担体の質量)}
触媒を溶媒と分離せずに長時間保管すると、触媒が経時劣化し、エチレン重合活性が低下する恐れがある。したがって、担持反応の際の溶媒との接触時間をも含めて、溶媒との接触時間を極力短縮し、速やかに溶媒を除去、乾燥することが好ましい。
担持反応終了後、溶媒を分離し乾燥終了するのに要する時間は、20時間以内が好ましく、さらに15時間以内が好ましい。
II.エチレン系重合体の製造方法
本発明のエチレン系重合体の製造方法は、前記本発明の製造方法で得られるエチレン系重合触媒を用いることを特徴とする。
前記エチレン系重合触媒を用いて、エチレン系重合体の製造を行なうに際しては、スラリー重合、溶液重合のような液相重合法あるいは気相重合法など、いずれの方法も採用することができる。液相重合法は通常炭化水素溶媒中で行なう。炭化水素溶媒としては、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性炭化水素の単独または混合物が用いられる。
気相重合法は、不活性ガス共存下にて、流動床、撹拌床等の通常知られる重合法を採用でき、場合により重合熱除去の媒体を共存させる、いわゆるコンデンシングモードを採用することもできる。
液相または気相重合法における重合温度は、一般的には0~300℃であり、実用的には20~200℃、好ましくは50~180℃、さらに好ましくは70~150℃である。反応器中の触媒濃度およびエチレン濃度は、重合を進行させるのに十分な任意の濃度でよい。例えば、触媒濃度は、液相重合の場合、反応器内容物の質量を基準にして、約0.0001~約5質量%の範囲とすることができる。同様にエチレン濃度は、気相重合の場合、全圧として0.1~10MPaの範囲とすることができる。
前記本発明の製造方法で得られるエチレン系重合触媒を用いることにより、高分子量のエチレン系重合体を生成可能で、且つ水素による分子量の制御性が改善される。そのため、目的に応じて、水素とエチレンを特定の比率とした条件下で重合させることが好ましい。
本発明の方法により、エチレンの重合を行うに際し、コモノマーとして、α-オレフィンを共重合しても良い。α-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンなどを単独または2種類以上反応器に導入して共重合を行う。好ましくは1-ブテン、1-ヘキセン、さらに好ましくは1-ヘキセンがコモノマーとして好適に用いられる。得られるエチレン系共重合体中のα-オレフィン含量は、15モル%以下、好ましくは10モル%以下が望ましい。
本発明の触媒により得られるエチレン系重合体は、さらに混練することにより一層均一化されたエチレン系重合体となるので好ましい。均一化操作は単軸もしくは二軸の押出機または連続式混練機を用いて行うことができる。混練の際には従来公知の添加剤等を配合することができる。
本発明の触媒により得られるエチレン系重合体は、水素による分子量の制御性が改善されているため、実用的に使用するのに適した高分子量のエチレン系重合体を得ることができる。本発明の触媒により得られるエチレン系重合体のHLMFRは、好ましくは0.01~100g/10分である。また、本発明の触媒により得られるエチレン系重合体の密度は、好ましくは0.900~0.980g/cm、より好ましくは0.920~0.970g/cmである。
得られたエチレン系重合体から、常法によりブロー成形して容易にブロー成形品を得ることができ、大型のブロー成形品も同様に得ることができる。
次に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性測定、分析等は、下記の方法に従ったものである。
また、室温とは、特に断りがない限り、25℃である。
(1)微粒子担体の粉末X線回折測定
下記の測定条件で測定を行った。
粉末X線回折装置: Rigaku社製X-ray diffractmater SmartLab
波長:1.54Å
出力:40kV、30mA
集中法:2θスキャン、1°~65°
ステップ:0.02°
スキャン速度:4°/分
(2)HLMFR
温度190℃、荷重21.6kgにおけるメルトフローレート(HLMFR)は、JIS K6922-2:1997に準拠して測定した。
(3)密度
JIS K6922-1,2:1997に準拠して測定した。
(4)クロム含有量
クロム化合物を担持した微粒子担体におけるクロム含有量は、蛍光X線法により定量を行った。
[参考例1]
(1)Cr賦活触媒-1の合成
(1-1)工程(1)Cr化合物の担持
200℃で2時間減圧乾燥を行ったMontmorillonite K 10(Aldorich社製、モンモリロナイト、以下“K-10”と記載することがある)30gを、窒素雰囲気下でフラスコに分取した。そこに、クロム(III)アセチルアセトナート(Cr(acac))のトルエン溶液(22mg/ml)を90ml添加し、室温で1時間撹拌した。その後、減圧下でトルエンを除去し、Cr(acac)担持K-10を調製した。
なお、Montmorillonite K 10(Aldorich社製、モンモリロナイト)の粉末X線回折測定を行ったところ、2θ=20.0°、35.0°、61.9°に結晶構造由来の回折ピークを有していた。また、元素分析の結果、Cr(acac)担持K-10中に含まれるCr原子は1.0wt%であった。
(1-2)工程(2)賦活操作
工程(1)の処理操作により得られたCr(acac)担持K-10(15g)を、多孔板目皿付き石英ガラス管(管径5cm)に入れた。円筒状焼成用電気炉にセットし、モレキュラーシーブスを通した空気にて流動化させ、600℃で20時間焼成を行った。その結果、6価のクロム原子を含有することを示すオレンジ色がかったCr賦活触媒-1が得られた。
(2)工程(3)~(4)Cr賦活触媒-1の有機アルミニウム処理
窒素雰囲気下、Cr賦活触媒-1の固体を2gをスターラーチップ入りの100mLの丸底フラスコに分取した。そこに、n-ヘキサン14mLを加えスラリー溶液とした。オイルバスにより40℃に昇温し、トリ-nブチルアルミニウム((nBu)Al)、TBA)のn-ヘキサン溶液(1.0mmol/mL)を1.9mL添加した。1時間撹拌した後、直ちに減圧化で30分かけて溶媒を除去し、粘性、粘り気のない自由流動性のTBA処理Cr賦活触媒-1を得た。
(3)エチレン重合
精製窒素で充分置換された内容積2.0Lのオートクレーブに、TBA処理Cr賦活触媒-1を152.7mgおよびイソブタン0.7Lを仕込み、内温を100℃まで昇温した。エチレン分圧を1.4MPaとなるように保ちながら、124分間重合を行った。次いで、内容ガスを系外に放出することにより重合を終了した。その結果、261gのポリマーが得られた。得られたポリマーは、HLMFR=0.09(g/10min)、密度=0.9512g/cmであった。これらの結果は、表1に記載した。
[実施例1]
(1)Cr賦活触媒-1の合成、及び、
(2)Cr賦活触媒-1の有機アルミニウム処理
については、参考例1と同様にして、参考例1と同じTBA処理Cr賦活触媒-1を得た。
(3)エチレン重合
精製窒素で充分置換された内容積2.0Lのオートクレーブに、TBA処理Cr賦活触媒-1を137.9mgおよびイソブタン0.7Lを仕込み、内温を100℃まで昇温した。水素分圧を0.1MPaになるよう仕込み、エチレン分圧を1.4MPaとなるように保ちながら、130分間重合を行った。次いで、内容ガスを系外に放出することにより重合を終了した。その結果、229gのポリマーが得られた。得られたポリマーは、HLMFR=0.58(g/10min)、密度=0.9520g/cmであった。
[実施例2]
実施例1において、エチレン重合の条件を、表1に示す添加量及び重合時間に変更した以外は、実施例1と同じ触媒を用いて、同様にして重合を行った。重合結果は表1に記載した。
[実施例3~4]
(1)Cr賦活触媒-1の合成については、参考例1、実施例1と同様にして行った。
(2)Cr賦活触媒-1の有機アルミニウム処理
参考例1において、有機アルミニウム処理時の化合物をトリ-nブチルアルミニウムから、ジエチルアルミニウムエトキシド(EtAlOEt、DEAE)に変更した以外は、参考例1と同様にして、DEAE処理Cr賦活触媒-1を得た。
(3)エチレン重合
実施例1において、TBA処理Cr賦活触媒-1の代わりに、DEAE処理Cr賦活触媒-1を用いて、エチレン重合の条件を、表1に示す添加量及び重合時間に変更した以外は、同様にして重合を行った。重合結果は表1に記載した。
[比較例1~2]
(1)Cr賦活触媒-1の合成については、参考例1、実施例1と同様にして行った。
(2)Cr賦活触媒-1の有機アルミニウム処理
参考例1において、有機アルミニウム処理を行わなかった。
(3)エチレン重合
比較例1は、参考例1と同様に水素を添加せず、比較例2は、実施例2と同様に水素を添加して、エチレン重合の条件を、表1に示す添加量及び重合時間に変更した以外は、それぞれ、参考例1及び実施例1と同様にして重合を行った。重合結果は表1に記載した。
[実施例5~6]
(1)Cr賦活触媒-2の合成
(1-1)工程(1)Cr塩処理
純水150mlに硝酸クロム(III)・9水和物を15g溶解させた。オイルバスにより40℃に昇温し、Montmorillonite K 10(Aldorich社製、モンモリロナイト)を35g添加した。そのまま40℃を保ち、5時間撹拌した。加熱終了後、吸引ろ過により、硝酸クロム処理されたK-10と水溶液を分離した。回収したK-10成分に純水1000mlを加えて3分撹拌し、再び吸引ろ過を実施した。この操作を4回繰り返し、硝酸クロム処理K-10を得た。得られた硝酸クロム処理K-10は110℃の乾燥機にて一晩乾燥し、さらに減圧下、200℃で2時間乾燥を行い、窒素雰囲気下で保存した。
元素分析の結果、硝酸クロム処理K-10中に含まれるCr原子は0.6wt%であった。
(1-2)工程(2)賦活操作
工程(1)の処理操作により得られた硝酸クロム処理K-10(15g)を、多孔板目皿付き石英ガラス管(管径5cm)に入れた。円筒状焼成用電気炉にセットし、モレキュラーシーブスを通した空気にて流動化させ、600℃で20時間焼成を行った。その結果、6価のクロム原子を含有することを示すオレンジ色がかったCr賦活触媒-2が得られた。
(2)Cr賦活触媒-2の有機アルミニウム処理
窒素雰囲気下、Cr賦活触媒-2の固体2gをスターラーチップ入りの100mLの丸底フラスコに分取した。そこに、そこに、n-ヘキサン14mLを加えスラリー溶液とした。オイルバスにより40℃に昇温し、トリ-nブチルアルミニウム((nBu)Al)、TBA)のn-ヘキサン溶液(0.1mmol/mL)を4.6mL添加した。1時間撹拌した後、直ちに減圧化で30分かけて溶媒を除去し、粘性、粘り気のない自由流動性のTBA処理Cr賦活触媒-2を得た。
(3)エチレン重合
実施例1において、TBA処理Cr賦活触媒-1の代わりに、TBA処理Cr賦活触媒-2を用いて、エチレン重合の条件を、表1に示す添加量及び重合時間に変更した以外は、実施例1と同様にして重合を行った。重合結果は表1に記載した。
[比較例3~4]
(1)Cr賦活触媒-2の合成については、実施例5と同様にして行った。
(2)Cr賦活触媒-2の有機アルミニウム処理
実施例5において、有機アルミニウム処理を行わなかった。
(3)エチレン重合
比較例3は、参考例1と同様に水素を添加せず、比較例4は、実施例2と同様に水素を添加して、エチレン重合の条件を、表1に示す添加量及び重合時間に変更した以外は、それぞれ、参考例1及び実施例1と同様にして重合を行った。重合結果は表1に記載した。
[参考例2、実施例7]
(1)Cr賦活触媒-3の合成
(1-1)工程(1)Cr塩処理
純水226mlと濃硫酸 67gを混合した硫酸水溶液を90℃に昇温し、精製ベンクレイ(商品名、水澤化学社製、ベントナイト)を40g添加し3時間撹拌した。その後、ろ過により固形分を回収した。固形分に純水1000mlを添加し再度撹拌した後、ろ過を行った。この操作を、ろ液のpHが4以上になるまで繰り返した。得られた、硫酸処理べンクレイを110℃の乾燥機にて一晩乾燥し、さらに減圧下、200℃で2時間乾燥を行った。
純水150mlに硝酸クロム(III)・9水和物(和光純薬社製)を15g溶解させた。オイルバスにより40℃に昇温し、硫酸処理ベンクレイを35g添加した。そのまま40℃を保ち、5時間撹拌した。加熱終了後、吸引ろ過により、硝酸クロム処理されたベンクレイと水溶液を分離した。回収したベンクレイに純水1000mlを加えて3分撹拌し、再び吸引ろ過を実施した。この操作を4回繰り返し、硝酸クロム処理ベンクレイを得た。得られた硝酸クロム処理ベンクレイは110℃の乾燥機にて一晩乾燥し、さらに減圧下、200℃で2時間乾燥を行い、窒素雰囲気下で保存した。
なお、硫酸処理ベンクレイの粉末X線回折測定を行ったところ、2θ=20.0°、35.1°、61.9°に結晶構造由来の回折ピークを有していた。また、元素分析の結果、硝酸クロム処理ベンクレイに含まれるCr原子は0.6wt%であった。
(1-2)工程(2)賦活操作
工程(1)の処理操作により得られた硝酸クロム処理ベンクレイ(15g)を、多孔板目皿付き石英ガラス管(管径5cm)に入れた。円筒状焼成用電気炉にセットし、モレキュラーシーブスを通した空気にて流動化させ、600℃で20時間焼成を行った。その結果、6価のクロム原子を含有することを示すオレンジ色がかったCr賦活触媒-3が得られた。
(2)Cr賦活触媒-3の有機アルミニウム処理
窒素雰囲気下、Cr賦活触媒-3の固体を2gをスターラーチップ入りの100mLの丸底フラスコに分取した。そこに、n-ヘキサン14mLを加えスラリー溶液とした。オイルバスにより40℃に昇温し、トリエチルアルミニウム(EtAl、TEA)のn-ヘキサン溶液(0.1mmol/mL)を2.4mL添加した。1時間撹拌した後、直ちに減圧化で30分かけて溶媒を除去し、粘性、粘り気のない自由流動性のTEA処理Cr賦活触媒-3を得た。
(3)エチレン重合
参考例2は、参考例1と同様に水素を添加せず、実施例7は、実施例1と同様に水素を添加して、エチレン重合の条件を、表1に示す添加量及び重合時間に変更した以外は、それぞれ、参考例1及び実施例1と同様にして重合を行った。重合結果は表1に記載した。
[参考例3、実施例8]
(1)Cr賦活触媒-3の合成については、参考例2、実施例7と同様にして行った。
(2)Cr賦活触媒-3の有機アルミニウム処理
参考例2、実施例7において、有機アルミニウム処理時の化合物をTEAから、ジエチルアルミニウムエトキシド(EtAlOEt、DEAE)に変更した以外は、参考例2および実施例7と同様に実施し、DEAE処理Cr賦活触媒-3を得た。
(3)エチレン重合
参考例3は水素を添加せず、実施例8は水素0.4MPaを添加し、その他の条件を表1に示す条件に変更した以外は、参考例1及び実施例1と同様にエチレン重合を行った。重合結果は表1に記載した。
[参考例4、実施例9]
(1)Cr賦活触媒-3の合成については、参考例2、実施例7と同様に行った。
(2)Cr賦活触媒-3の有機アルミニウム処理
参考例2、実施例7において、有機アルミニウム処理時の化合物をTEAから、メチル基とイソブチル基からなるアルモキサン(MMAO)に変更した以外は、参考例2、実施例7と同様に行い、MMAO処理Cr賦活触媒-3を得た。
(3)エチレン重合
参考例4は水素を添加せず、実施例9は水素0.4MPaを添加し、その他の条件を表1に示す条件に変更した以外は、参考例1及び実施例1と同様にエチレン重合を行った。重合結果は表1に記載した。
[比較例5~6]
(1)Cr賦活触媒-3の合成については、参考例2、実施例7と同様にして行った。
(2)Cr賦活触媒-3の有機アルミニウム処理
有機アルミニウム処理は、行わなかった。
(3)エチレン重合
比較例5は水素を添加せず、比較例6は水素を0.4MPa添加し、その他の条件を表1に示す条件に変更した以外は、参考例1及び実施例1と同様にエチレン重合を行った。重合結果は表1に記載した。
実施例2は、参考例1に対して重合時に水素を添加した重合である。一方、比較例1及び2はCr賦活触媒-1の有機アルミニウム処理をしない触媒を用いて重合した例であるが、比較例2は、比較例1に対して、重合時に水素を添加した重合である。実施例2と比較例2は同じ水素添加量であるが、得られるポリマーのHLMFRは、有機アルミニウム処理を行った触媒を用いた実施例2の方が比較例2よりも高く、ポリマーの分子量が水素により効率的に低下したことを示す。
また、実施例6と比較例4も同じ水素添加量であるが、有機アルミニウム処理をした触媒を用いた実施例6の方が、比較例4よりもHLMFRが高くなっており、有機アルミニウム化合物処理の効果が示されている。
また、実施例7、8及び9と比較例6も同じ水素添加量であるが、有機アルミニウム処理をした触媒を用いた実施例7、8及び9の方が、比較例6よりもHLMFRが高くなっており、有機アルミニウム化合物処理の効果が示されている。
本発明によれば、高分子量のエチレン系重合体を生成可能で、且つ水素による分子量の制御性が改善されたエチレン系重合触媒の製造方法およびエチレン系重合体の製造方法を提供することができる。それにより、本発明によれば、種々の分子量のエチレン系重合体を製造することができ、従来に比べてより目的に適したエチレン系重合体を製造できることから、産業上の意義が高いものである。

Claims (6)

  1. 次の工程を有することを特徴とする、エチレン系重合触媒の製造方法。
    工程(1)粉末X線回折測定において周期構造由来の回折ピークを有する無機酸化物からなる微粒子担体にクロム化合物を担持し、
    工程(2)非還元性雰囲気下400~900℃で焼成活性化することで少なくとも一部のクロム原子を6価とした後、
    工程(3)下記一般式(1)で示される有機アルミニウム化合物または下記一般式(2)で示される構造を有する有機アルミニウムオキシ化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させ、
    工程(4)該不活性炭化水素溶媒を除去する。

    AlR 3-n ・・・・一般式(1)
    (一般式(1)中、Rは炭素数1~20のアルキル基を示し、Rは、-ORを示し、Rは酸素原子に直接結合する炭素原子が第1級炭素原子または第2級炭素原子である炭素数1~20の炭化水素基を示す。nは1~3の整数である。)

    -(AlR-O)n’- ・・・・一般式(2)
    (一般式(2)中、Rは炭素数1~10のアルキル基を示し、分子内に複数存在するRは、同一でも異なっていても良く、n’は2~40の整数である。)
  2. 前記無機酸化物が、粉末X線回折測定において、2θ=5~15°、16~25°、30~40°又は55~65°の少なくとも2つの範囲内に回折ピークを有することを特徴とする、請求項1に記載のエチレン系重合触媒の製造方法。
  3. 前記工程(3)において、前記無機酸化物1gに対するアルミニウム原子のモル数が0.01~3.0mmol/gになるように接触させることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエチレン系重合触媒の製造方法。
  4. 前記無機酸化物が、粉末X線回折測定において、2θ=16~25°、及び30~40°の両方の範囲内に回折ピークを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のエチレン系重合触媒の製造方法。
  5. 前記無機酸化物がイオン交換性層状化合物であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のエチレン系重合触媒の製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法で得られるエチレン系重合触媒を用いることを特徴とする、エチレン系重合体の製造方法。
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