JP6862997B2 - エチレン重合触媒の製造方法 - Google Patents

エチレン重合触媒の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規なエチレン重合用触媒の製造方法、並びにそれによって得られるブロー成形製品用ポリエチレン及び大型ブロー成形製品用ポリエチレンに関する。
従来、クロム化合物担持触媒を用いて重合されるエチレン重合体は、比較的分子量分布が広いことから、中空成形に好適なエチレン重合体として一般的に使用されている。そして、このようなエチレン重合体は、各種のエチレン重合体と組み合わせた組成物とすることにより、成形性の改良がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2、又は特許文献3参照。)。
一方、クロム化合物担持触媒を用いて重合されるエチレン重合体自体についても、各種の改良がなされ、溶融張力(メルトテンション:MT)、スウェル、耐ドローダウン性等の成形性や、剛性と耐久性のバランスの等の改善がなされている。そして、組み合わせるエチレン重合体との相溶性や組成物としての成形性や物性バランスの向上が図られている。
エチレン重合体の物性を制御する方法として、例えば、特許文献4又は特許文献5では、シリカ担体に担持したクロム触媒に、有機アルミニウム化合物を添加する方法により、幅広い分子量分布を有するエチレン重合体が得られることを開示している。
さらには、特許文献6、特許文献7では、クロム化合物、有機マグネシウム化合物又はアルモキサン系化合物、及び有機アルミニウム化合物からなる触媒により、剛性と耐久性とのバランスに優れるエチレン重合体が得られることが開示されている。
また、特許文献8には、有機アルミニウム化合物を担持したクロム触媒により、自動車用燃料タンクに適したエチレン重合体が得られることが開示されている。自動車部品において、燃料タンクとして使用される中空プラスチック成形品は、従来の金属材料製の燃料タンクに取って代わりつつある。このほかにも、現在ではプラスチックは可燃性の液体、有害な物質等の燃料缶、プラスチックボトル等の運搬容器の製造に最も多く使用されている材料である。プラスチック製の容器及びタンクは、金属材料製の場合に比べて、重量/体積比が低いので軽量化が可能であり、錆び等の腐食が起こりにくく、耐衝撃性が良好であるという特長を有しており、ますます広い用途を獲得しつつある。
特開2003−253062号公報 特開平9−255819号公報 特開平11−138618号公報 特許第5019710号公報 特許第5762672号公報 特開2012−144723号公報 特開2013−203983号公報 WO2010/150410国際公開パンフレット
このように、種々の特性を備えたプラスチック材料が開発され、その用途に合わせて合成用触媒も開発されてきている。しかしながら、これまでのクロム触媒で製造するエチレン重合体は、必ずしも他のエチレン重合体との相溶性や、エチレン重合体組成物としての成形性や物性バランスを著しく改善できるとは限らなかった。
自動車部品の燃料タンク用等、メーカーの厳しい要求に応えるために、成形性、耐衝撃性に優れ、しかも剛性と耐久性とのバランスに優れるエチレン重合体を製造することが可能なエチレン重合用触媒の開発が望まれている。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の担体構造を有する6価クロム触媒に、特定のアルミニウム化合物による処理を行った触媒を用いることにより、得られたエチレン重合体が、成形性、耐衝撃性に優れ、しかも剛性と耐久性とのバランスに優れることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を少なくとも一部のクロム原子が6価となる状態で担持させた後、さらにアルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物、及び有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を順次又は同時に接触させてなるエチレン重合用触媒の製造方法であって、
該無機酸化物担体(a)は、下記の特性(i)、(ii):
(i) 表面積(m/g)/細孔体積(mL/g)が100〜300m/mL
(ii)表面積が100〜550m/g
を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、下記(イ)〜(ニ)の工程:
(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化する
(ロ):クロム化合物(b)を担持した無機酸化物担体(a)に、さらにアルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させる
(ハ):次いで有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させる
(ニ):最後に、前記不活性炭化水素溶媒を除去・乾燥させる
により製造されることを特徴とする、エチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記アルモキサン系化合物(c)が、トリイソブチルアルミニウムによる修飾を受けさせたメチルアルモキサンであることを特徴とする、エチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、前記有機アルミニウム化合物(d)が、ジアルキルアルミニウムアルコキシド、アルキルアルミニウムジアルコキシド又はトリアルキルアルミニウムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、エチレン重合用触媒の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、前記第1〜4のいずれかの発明による方法で得られるエチレン重合用触媒を用いて、エチレン単独重合又はエチレンとα−オレフィンとの共重合を行うことを特徴とする、エチレン重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、前記α−オレフィンの炭素数が3〜8であることを特徴とする、エチレン重合体の製造方法が提供される。
本発明の方法により製造されるエチレン重合用触媒を用いることにより、成形性、耐衝撃性に優れ、しかも剛性と耐久性とのバランスに優れたエチレン重合体を得ることができる。そして、そのポリエチレンは、ブロー成形による中空プラスチック製品に適し、その中空プラスチック製品は、成形性、耐衝撃性に優れ、剛性と耐久性のバランスに優れ、例えば燃料タンク、特に自動車用燃料タンク等に好適に用いることができる。
本発明のエチレン重合用触媒が「擬似二元系触媒」であることを説明する模式図である。
本発明は、無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を少なくとも一部のクロム原子が6価となる状態で担持させた後、さらにアルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物、及び有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を順次又は同時に接触させてなるエチレン重合用触媒の製造方法であって、
該無機酸化物担体(a)は、下記の特性(i)、(ii):
(i) 表面積(m/g)/細孔体積(mL/g)が100〜300m/mL
(ii)表面積が100〜550m/g
を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法に係るものである。本明細書の以下の説明において、「エチレン重合体」は、製造方法に特に断りがない限り、本発明の方法により調製される触媒で製造されたポリエチレンを指し、「ポリエチレン組成物」は、該エチレン重合体を含有する組成物を指す。以下、本発明を項目ごとに説明する。
[I]本発明のエチレン重合用触媒
本発明のエチレン重合用触媒は、無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を少なくとも一部のクロム原子が6価となる状態で担持させた後、さらにアルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物、及び有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を順次又は同時に接触させてなるエチレン重合用触媒の製造方法であって、
該無機酸化物担体(a)は、下記の特性(i)、(ii):
(i) 表面積(m/g)/細孔体積(mL/g)が100〜300m/mL
(ii)表面積が100〜550m/g
を有することを特徴とする方法によって、調製される。
ところで、本発明のエチレン重合用触媒は、有機金属化合物担持クロム触媒であるが、その前駆体となる無機酸化物担体にクロム化合物を担持し、非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なくとも一部のクロム原子が6価となるクロム触媒は、一般にフィリップス触媒として知られており公知である。
そして、この触媒の概要は、例えば、以下の文献に記載されている。
(i)M.P.McDaniel著,Advances in Catalysis,Volume 33,47頁,1985年,Academic Press Inc.
(ii)M.P.McDaniel著,Handbook of Heterogeneous Catalysis,2400頁,1997年,VCH
(iii)M.B.Welchら著,Handbook of Polyolefins:Synthesis and Property
<エチレン重合用触媒の成分>
1.無機酸化物担体(a)
無機酸化物担体としては、周期律表第2、4、13又は14族の金属の酸化物を用いることができる。具体的には、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ、マグネシア、トリア、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア又はこれらの混合物が挙げられる。
耐久性及び耐衝撃性が共に優れた自動車用燃料タンク用途には、無機酸化物担体として、シリカのみのほうが好ましい。シリカ以外のものを担体として用いたとき、重合活性が低下し、ポリエチレンの低分子量成分の増加が原因であると考えられるが、耐衝撃性が低下する傾向にある。
そして、これらのクロム触媒に適する担体の製法、物理的性質及び特徴は、例えば、以下の文献に記載されている。
(i)C.E.Marsden著,Preparation of Catalysts,Volume V,215頁,1991年,Elsevier Science Publishers
(ii)C.E.Marsden著,Plastics,Rubber and Composites Processing and Applications,Volume 21,193頁,1994年
本発明においては、担体の比表面積が100〜550m/gであるものが用いられる。無機酸化物担体は、比表面積が好ましくは100〜500m/g、さらに好ましくは150〜450m/gとなるように選択することが好ましい。比表面積が100m/g未満の場合は、分子量分布が狭くかつ長鎖分岐が多くなることと関係すると考えられるが、得られるポリエチレン組成物の耐久性、耐衝撃性がともに低下する。また、比表面積が550m/gを超える担体は、製造が難しくなる。
担体の細孔体積としては、表面積(m/g)を細孔体積(mL/g)で割った値が100〜300m/mLの範囲となるように選択される。好ましくは表面積(m/g)/細孔体積(mL/g)の値が125〜275m/mL、より好ましくは150〜250m/mLとなるように選択される。上記値が100m/mL未満の場合は、担体の製造が困難であったり、目的の物性バランスのエチレン共重合体が得られないことがある。上記値が300m/mLを超える場合は、得られるポリエチレン組成物の溶融張力が小さくなることがある。
比表面積を細孔体積で割った値は、単位細孔体積当たりの比表面積を比較している。担体はその製造方法により、その構造が異なるため比表面積と細孔体積のバランスは異なる。クロム触媒の場合、担体構造で得られるエチレン重合体の分子量分布が変化することはよく知られている。高い溶融張力を示すエチレン重合体を製造するためには、比表面積と細孔体積が特定のバランスになる担体を用いることが重要である。
担体の細孔体積としては、前記のとおり表面積との比の値が特定の範囲内に収まる限りにおいて、一般的なクロム触媒に用いられる担体の場合と同様に、0.5〜5.0mL/g、好ましくは1.0〜3.0mL/g、さらに好ましくは1.2〜2.5mL/gの範囲のものを用いることができる。細孔体積が0.5mL/g未満の場合は、重合時に重合ポリマーによって細孔が小さくなり、モノマーが拡散できなくなってしまい活性が低下することがある。細孔体積が5.0mL/gを超える担体は、製造が難しくなる。
また、担体の平均粒径としては、10〜200μm、好ましくは20〜150μm、さらに好ましくは30〜100μmの範囲のものが用いられる。上記範囲を外れると、耐ストレスクラッキング性(ESCR)及び耐衝撃性のバランスがとりにくくなることがある。
2.クロム化合物(b)
上記無機酸化物担体(a)に担持させるクロム化合物(b)としては、担持後に非還元性雰囲気で焼成活性化することにより少なくとも一部のクロム原子が6価となる化合物であればよく、酸化クロム、クロムのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、クロム酸塩、重クロム酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、クロム−1,3−ジケト化合物、クロム酸エステル等が挙げられる。
具体的には、三酸化クロム、三塩化クロム、塩化クロミル、クロム酸カリウム、クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム、硝酸クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、トリス(2−エチルヘキサノエート)クロム、クロムアセチルアセトネート、ビス(tert−ブチル)クロメート等が挙げられる。なかでも三酸化クロム、酢酸クロム、クロムアセチルアセトネートが好ましい。酢酸クロム、クロムアセチルアセトネートのような有機基を有するクロム化合物を用いた場合でも、後に述べる非還元性雰囲気での焼成活性化によって有機基部分は燃焼し、最終的には三酸化クロムを用いた場合と同様に、無機酸化物担体表面の水酸基と反応し、少なくとも一部のクロム原子は6価となってクロム酸エステルの構造で固定化されることが知られている((i)V.J.Ruddickら著,J.Phys.Chem.,Volume 100,11062頁,1996年、(ii)S.M.Augustineら著,J.Catal.,Volume 161,641頁,1996年)。
3.第1の金属化合物(すなわち、アルモキサン系化合物(c))
本発明の方法では、クロム化合物(b)を無機酸化物担体(a)に担持させた後、アルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物を接触させる。
アルモキサン系化合物(c)の接触させる量は、クロム原子に対するモル比が0.01〜5であり、好ましくは0.05〜4、更に好ましくは0.1〜3である。この量とすることで、アルモキサン系化合物を接触しない場合に比べて、エチレン重合活性が大幅に向上する。このモル比が0.01未満では、アルモキサン系化合物を接触させた効果が十分には発現されないことがある。一方、このモル比が5を超えると、エチレン重合活性がアルモキサン系化合物を接触しない場合よりも低下してしまうことがある。
アルモキサン系化合物(c)は、分子中に、Al−O−Al結合を有し、その結合数は通常1〜100、好ましくは1〜50個の範囲にある。このようなアルモキサン系化合物は通常、有機アルミニウム化合物と水とを反応させて得られる生成物である。
有機アルミニウムと水との反応は、通常、不活性炭化水素(溶媒)中で行われる。不活性炭化水素としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素及び芳香族炭化水素が使用できるが、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素を使用することが好ましい。
アルモキサン系化合物の調製に用いる有機アルミニウム化合物は、モノアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、いずれも使用可能であるが、好ましくはトリアルキルアルミニウムが使用される。
トリアルキルアルミニウムのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のいずれも使用することができる。
上記有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して使用することもできる。トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムから調製されるものは修飾メチルアルモキサン(MMAO)ともよばれる。なお、トリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムとの使用割合は、適宜選択することができる。例としては、東ソーファインケム社製のトリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを用いたMMAO−3Aグレード等が挙げられる。
本発明において、アルモキサン系化合物としては、活性改善の観点からトリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンが好ましく、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンがさらに好ましい。
水と有機アルミニウム化合物との反応比(水/Alモル比)は、0.25/1〜1.2/1、特に、0.5/1〜1/1であることが好ましく、反応温度は、通常−70〜100℃、好ましくは−20〜20℃の範囲にある。反応時間は、通常5分〜24時間、好まくは10分〜5時間の範囲で選ばれる。反応に要する水として、単なる水のみならず、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物等に含まれる結晶水や反応系中に水が生成しうる成分も利用することもできる。
4.第2の金属化合物(すなわち、有機アルミニウム化合物(d))
本発明においては、クロム化合物(b)を担持させた無機酸化物担体(a)に、さらに有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を、前述のアルモキサン系化合物(c)と順次又は同時に接触する。
第2の金属化合物は、有機アルミニウム化合物(d)から任意に選択されるが、このような有機アルミニウム化合物としては、ジアルキルアルミニウムアルコキシド、アルキルアルミニウムジアルコキシド又はトリアルキルアルミニウムから選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、アルキルアルミニウムアルコキシド化合物がより好ましい。
アルキルアルミニウムアルコキシド化合物は、次の一般式(1)で示される化合物である。
Figure 0006862997

(式中、R、Rは、同一であっても異なってもよく、各々炭素数1〜20のアルキル基を表す。ここで、R、Rのアルキル基は、シクロアルキル基も含む。)
その中でも、上記一般式(1)においてnが2の場合である、ジアルキルアルミニウムアルコキシド化合物が好ましい。特に、二つのRが、同一であっても異なってもよく、各々炭素原子数1〜20のアルキル基を表し、Rが、炭素数2以上のアルキル基である(ここで、R、Rのアルキル基は、シクロアルキル基も含む)、ジアルキルアルミニウムアルコキシド化合物が好ましい。さらに、触媒活性の点において、Rがメチレン基(−CH−)で酸素と結合しているアルキル基である(ここで、Rのメチレン基において酸素の逆側の結合は、シクロアルキル基と結合していてもよい)である、ジアルキルアルミニウムアルコキシドであることが特に好ましい。
一般式(1)で示されるアルキルアルミニウムアルコキシドにおいて、Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、シクロヘキシル等が挙げられるが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチルが好ましく、なかでもメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチルが特に好ましい。
また、Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、n−ノニル、n−ウンデシル、シクロヘキシル等が挙げられるが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチルが好ましく、なかでもメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルが特に好ましい。
一般式(1)で示されるアルキルアルミニウムアルコキシドのnが2の場合である、ジアルキルアルミニウムアルコキシドの具体例としては、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジn−ブチルアルミニウムメトキシド、ジi−ブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジn−ブチルアルミニウムエトキシド、ジi−ブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムn−プロポキシド、ジエチルアルミニウムn−プロポキシド、ジn−ブチルアルミニウムn−プロポキシド、ジi−ブチルアルミニウムn−プロポキシド、ジメチルアルミニウムi−プロポキシド、ジエチルアルミニウムi−プロポキシド、ジn−ブチルアルミニウムi−プロポキシド、ジi−ブチルアルミニウムi−プロポキシド、ジメチルアルミニウムn−ブトキシド、ジエチルアルミニムn−ブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、ジi−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、ジメチルアルミニウムi−ブトキシド、ジエチルアルミニウムi−ブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムi−ブトキシド、ジi−ブチルアルミニウムi−ブトキシド、ジメチルアルミニウムt−ブトキシド、ジエチルアルミニウムt−ブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムt−ブトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(ジシクロプロピル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(ジシクロプロピル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(ジシクロプロピル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(ジシクロプロピル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(ジシクロブチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(ジシクロブチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(ジシクロブチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(ジシクロブチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(ジシクロペンチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(ジシクロペンチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(ジシクロペンチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(ジシクロペンチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(ジシクロヘキシル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(ジシクロヘキシル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(ジシクロヘキシル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(ジシクロヘキシル)メトキシド、ジメチルアルミニウムシクロプロポキシド、ジエチルアルミニウムシクロプロポキシド、ジn−ブチルアルミニウムシクロプロポキシド、ジi−ブチルアルミニウムシクロプロポキシド、ジメチルアルミニウムシクロブトキシド、ジエチルアルミニウムシクロブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムシクロブトキシド、ジi−ブチルアルミニウムシクロブトキシド、ジメチルアルミニウムシクロペントキシド、ジエチルアルミニウムシクロペントキシド、ジn−ブチルアルミニウムシクロペントキシド、ジi−ブチルアルミニウムシクロペントキシド、ジメチルアルミニウムシクロへキソキシド、ジエチルアルミニウムシクロへキソキシド、ジn−ブチルアルミニウムシクロへキソキシド、ジi−ブチルアルミニウムシクロへキソキシドが挙げられる。
これらの中でも、アルコキシド部分の酸素に直接結合する炭素が一級又は二級炭素であるものが、触媒活性及びその他の触媒性能を考慮すると好ましい。
その具体例としては、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジn−ブチルアルミニウムメトキシド、ジi−ブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジn−ブチルアルミニウムエトキシド、ジi−ブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムn−プロポキシド、ジエチルアルミニウムn−プロポキシド、ジn−ブチルアルミニウムn−プロポキシド、ジi−ブチルアルミニウムn−プロポキシド、ジメチルアルミニウムi−プロポキシド、ジエチルアルミニウムi−プロポキシド、ジn−ブチルアルミニウムi−プロポキシド、ジi−ブチルアルミニウムi−プロポキシド、ジメチルアルミニウムn−ブトキシド、ジエチルアルミニウムn−ブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、ジi−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、ジメチルアルミニウムi−ブトキシド、ジエチルアルミニウムi−ブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムi−ブトキシド、ジi−ブチルアルミニウムi−ブトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(ジシクロプロピル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(ジシクロプロピル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(ジシクロプロピル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(ジシクロプロピル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(ジシクロブチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(ジシクロブチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(ジシクロブチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(ジシクロブチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(ジシクロペンチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(ジシクロペンチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(ジシクロペンチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(ジシクロペンチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(ジシクロヘキシル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(ジシクロヘキシル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(ジシクロヘキシル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(ジシクロヘキシル)メトキシド、ジメチルアルミニウムシクロプロポキシド、ジエチルアルミニウムシクロプロポキシド、ジn−ブチルアルミニウムシクロプロポキシド、ジi−ブチルアルミニウムシクロプロポキシド、ジメチルアルミニウムシクロブトキシド、ジエチルアルミニウムシクロブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムシクロブトキシド、ジi−ブチルアルミニウムシクロブトキシド、ジメチルアルミニウムシクロペントキシド、ジエチルアルミニウムシクロペントキシド、ジn−ブチルアルミニウムシクロペントキシド、ジi−ブチルアルミニウムシクロペントキシド、ジメチルアルミニウムシクロへキソキシド、ジエチルアルミニウムシクロへキソキシド、ジn−ブチルアルミニウムシクロへキソキシド、ジi−ブチルアルミニウムシクロへキソキシドが挙げられる。
さらに、これらの中でも、アルコキシド部分の酸素に直接結合する炭素が一級炭素であるものが、触媒活性及びその他の触媒性能を考慮すると好ましい。
その具体例としては、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジn−ブチルアルミニウムメトキシド、ジi−ブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジn−ブチルアルミニウムエトキシド、ジi−ブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムn−プロポキシド、ジエチルアルミニウムn−プロポキシド、ジn−ブチルアルミニウムn−プロポキシド、ジi−ブチルアルミニウムn−プロポキシド、ジメチルアルミニウムn−ブトキシド、ジエチルアルミニウムn−ブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、ジi−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロプロピル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロブチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロペンチル)メトキシド、ジメチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジエチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジn−ブチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシド、ジi−ブチルアルミニウム(シクロヘキシル)メトキシドが挙げられる。
さらに、これらの中でも、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムn−ブトキシド、ジn−ブチルアルミニウムエトキシド、ジn−ブチルアルミニウムn−ブトキシド、ジエチルアルミニウムi−ブトキシド、ジi−ブチルアルミニウムエトキシド、ジi−ブチルアルミニウムi−ブトキシドが好適である。
ジアルキルアルミニウムアルコキシドは、(i)トリアルキルアルミニウムとアルコールを反応させる方法、(ii)ジアルキルアルミニウムハライドと金属アルコキシドを反応させる方法により、簡単に合成することができる。
例えば、ジアルキルアルミニウムアルコキシドを合成するには、以下の式に示すようにトリアルキルアルミニウムとアルコールを1:1のモル比で反応させる方法、
Figure 0006862997

(式中、R’、R,R,Rは、同一でも異なってもよく、各々炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
又は以下の式に示すように、ジアルキルアルミニウムハライドと金属アルコキシドを1:1のモル比で反応させる方法が好ましく用いられる。
Figure 0006862997

(式中、R,R,Rは、同一でも異なってもよく、各々炭素数1〜20のアルキル基を表す。ジアルキルアルミニウムハライド:RAlXにおけるXは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、特に塩素が好ましく用いられる。また、金属アルコキシド:ROMにおけるMは、アルカリ金属であり、特にリチウム、ナトリウム、カリウムが好ましい。)
副生成物:R’−Hは、不活性なアルカンであり、沸点が低い場合は反応過程で系外に揮発していくか、沸点が高い場合は溶液中に残るが、たとえ系中に残存しても、以後の反応には不活性である。また、副生成物:M−Xは、ハロゲン化アルカリ金属であり、沈殿するので、濾過又はデカンテーションにより簡単に除去することができる。
これらの反応は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素中で行うことが好ましい。反応温度は、反応が進行するならば任意の温度でよいが、好ましくは0℃以上、さらに好ましくは20℃以上で行う。使用した溶媒の沸点以上で加熱し、溶媒の還流下で反応を行わせることは、反応を完結させる上でよい方法である。反応時間は任意でよいが、反応温度にも依存するが、好ましくは1時間以上、さらに好ましくは2時間以上行うのがよい。反応終了後は、そのまま冷却し、溶液のままクロム触媒との反応に供してもよいし、溶媒を除去して、反応生成物を単離してもよいが、溶液のまま用いるのが簡便で好ましい。
なお、ジアルキルアルミニウムアルコキシドの合成方法及び物理的・化学的性質については、T.Moleら著,Organoaluminum Compounds,3rd.ed.,1972年,Elsevier,第8章等に詳しく書かれている。
有機アルミニウム化合物(d)の接触させる量は、クロム原子に対する有機アルミニウム化合物のモル比が0.01〜20であり、好ましくは0.03〜15、更に好ましくは0.05〜10である。このモル比が0.01未満では、有機アルミニウム化合物を接触させた効果が十分には発現されず、エチレン重合活性、耐久性は有機アルミニウム化合物を接触させない場合とさほど変わらないことがある。一方、このモル比が20を超えると、エチレン重合活性がアルキルアルミニウムアルコキシド化合物を接触させない場合よりも低下することがある。この活性低下の理由は不明であるが、過剰の有機アルミニウム化合物がクロム活性点と結合してエチレン重合反応を阻害しているためと考えられる。
触媒担体に接触させる有機アルミニウム化合物(d)の量を上げることにより、エチレン重合したときに得られるポリエチレンのHLMFRは大きくなる傾向がある。すなわち、流動性は大きくなる。
[II]エチレン重合用触媒の製法
本発明は、上記のとおり無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を少なくとも一部のクロム原子が6価となる状態で担持させた後、さらにアルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物、及び有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を順次又は同時に接触させてなる、エチレン重合用触媒の製造方法であるが、本発明の方法においては、該エチレン重合用触媒は、好ましくは以下の(イ)〜(ニ)の工程により製造される。
(イ):無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を担持し、非還元性雰囲気において焼成活性化する;
(ロ):クロム化合物(b)を担持した無機酸化物担体(a)に、さらにアルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させる;
(ハ):次いで有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させる;及び
(ニ):最後に、前記不活性炭化水素溶媒を除去・乾燥させる。
1.無機酸化物担体へのクロム化合物の担持
無機酸化物担体へのクロム化合物の担持は、クロム化合物中の少なくとも一部のクロム原子が6価となる状態で担持されることを達成できるものであれば特に限定されず、含浸、溶媒留去、昇華等の公知の方法によって行うことができ、使用するクロム化合物の種類によって適当な方法を用いればよい。担持するクロム化合物の量は、クロム原子として担体に対して、0.2〜2.0重量%、好ましくは0.3〜1.7重量%、さらに好ましくは0.5〜1.5重量%である。
本発明では、無機酸化物担体にクロム化合物が担持されたクロム触媒に、さらにフッ素化合物を含有させることもできる。
フッ素化合物の含有方法(フッ素化)は、溶媒中でフッ素化合物溶液を含浸させた後、溶媒を留去する方法、あるいは溶媒を用いずにフッ素化合物を昇華させる方法等、公知の方法によって行うことができ、使用するクロム化合物の種類によって、適宜好適な方法を用いればよい。無機酸化物担体にクロム化合物を担持してからフッ素化合物を含有させてもよいし、フッ素化合物を含有させてからクロム化合物を担持してもよいが、クロム化合物を担持してからフッ素化合物を含有させる方が好ましい。
フッ素化合物の含有量は、フッ素原子の含有量として、0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜8重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。
フッ素化合物としては、フッ化水素HF、フッ化アンモニウムNHF、ケイフッ化アンモニウム(NHSiF、ホウフッ化アンモニウムNHBF、一水素二フッ化アンモニウム(NH)HF、ヘキサフルオロリン酸アンモニウムNHPF、テトラフルオロホウ酸HBFのようなフッ素含有塩類が用いられ、なかでも、ケイフッ化アンモニウム、一水素二フッ化アンモニウムが好ましい。
これらを、水又はアルコール等の有機溶媒に溶解させた後、クロム触媒に含浸させるのが均一性の観点から好ましいが、固体のままクロム触媒と混合するだけでもよい。溶解して含浸させる場合は、表面張力による細孔体積の縮小(shrinkage)を抑えるために、アルコール等の有機溶媒を用いるのがより好ましい。また、溶媒を用いた場合は、風乾、真空乾燥、スプレードライ等、既知の方法によって、溶媒を飛ばして乾燥させる。
後述する非還元性雰囲気での賦活により、これらのフッ素化合物は、熱分解することによって、無機酸化物担体をフッ素化する。例えば、無機酸化物担体としてシリカを用い、フッ素化合物としてケイフッ化アンモニウムを用いた場合は、ケイフッ化アンモニウムが以下のように熱分解して、フッ化水素HF及びフッ化ケイ素SiFを発生する。
(NHSiF → 2NH + 2HF + SiF
さらに、HF及びSiFがシリカ表面のシラノ−ル基と反応してフッ素化することが知られている(B.Rebenstorf;Journal of Molecular Catalysis Vol.66 p.59(1991)、A.Noshay et al.「Transition Metal Catalyzed Polymerizations−Ziegler・Natta and Metathesis Polymerizations」p.396(1988) Cambridge University Pressを参照。)。
Si−OH + HF → Si−F + H
Si−OH + SIF → Si−O−SiF + HF
2Si−OH + SiF → (Si−O)SiF + 2HF
したがって、フッ素含有塩類のようなフッ素化合物の固体とクロム触媒を混合しただけの場合でも、結局はフッ素化合物が熱分解するので、同様の反応が起こってクロム触媒はフッ素化される。あるいは、賦活工程の間にフッ素化合物を投入する方法でもよい。ただし、その場合、フッ素化合物の固体をガス中で流動化させるので、均一性の観点からできるだけ微細な粒子状のフッ素化合物固体を用いることが好ましい。
2.(イ)焼成活性化
クロム化合物の無機酸化物担体への担持後、場合によっては、さらにフッ素化合物を担持した後、焼成して活性化処理を行う。焼成活性化は、通常300〜950℃、好ましくは325〜800℃、さらに好ましくは350〜650℃の温度で行う。焼成活性化を300℃未満で行うと、重合活性がでない。950℃を超える温度で行うと、シリカの細孔構造がつぶれていくシンタリング現象がおこり活性が出なくなることがある。焼成活性化は、水分を実質的に含まない非還元性雰囲気、例えば、酸素又は空気下で行うことができる。この際、不活性ガスを共存させてもよい。好ましくは、モレキュラーシーブス等を流通させ十分に乾燥した空気を用い、流動状態下で行う焼成活性化により無機酸化物担体に担持されたクロム化合物のクロム原子が少なくとも一部は6価に酸化されて担体上に化学的に固定される。
3.(ロ)アルモキサン系化合物(c)の接触
上記工程(イ)でクロム化合物(b)を担持した無機酸化物担体(a)に、さらに、アルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物を、不活性炭化水素溶媒中で接触させる。アルモキサン系化合物(c)を接触する方法としては、焼成活性化後のクロム触媒を不活性炭化水素中の液相で接触させる方法ならば、特に限定されない。例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒に焼成活性化後のクロム触媒を混合して、スラリー状態とし、これにアルモキサン系化合物を添加する方法が好ましい。添加するアルモキサン系化合物は、上記不活性炭化水素溶媒で希釈してもよいし、希釈せずに添加してもよい。希釈用溶媒と接触用の溶媒は同じでも異なってもよい。
不活性炭化水素溶媒の使用量は、触媒の調製時に少なくともスラリー状態で攪拌を行えるに十分な量であることが好ましい。このような量であれば、溶媒の使用量は、特に限定されないが、例えば焼成活性化後のクロム触媒1g当たり溶媒2〜20gを使用することができる。
また、接触反応の温度は、−20〜150℃、好ましくは−10〜100℃、さらに好ましくは0〜80℃であり、接触反応の時間は、5分〜12時間、好ましくは30分〜10時間、さらに好ましくは1〜8時間である。反応を十分完結させて触媒性能を安定化するという観点では反応時間を長くした方がよいと考えられる。その観点で接触反応時間を考慮すると4〜8時間が最も好ましい。
4.(ハ)有機アルミニウム化合物(d)の接触
本発明において、不活性炭化水素溶媒中でクロム担持無機酸化物担体をアルモキサン系化合物(c)から選ばれる化合物、及び、有機アルミニウム化合物(d)により処理する際に、その添加順序は、任意であり、アルモキサン系化合物(c)と有機アルミニウム化合物(d)を同時に添加してもよい。ただし、好ましくは、アルモキサン系化合物(c)を接触した後、次いで、有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を、不活性炭化水素溶媒中で接触させる操作とすることが好ましい。有機アルミニウム化合物(d)を接触する方法としては、工程(ロ)と同じく、焼成活性化後のクロム触媒を不活性炭化水素中の液相で接触させる方法ならば、特に限定されず、同様な溶媒、使用量、接触反応温度は、工程(ロ)と同様のものを好ましい態様として採用することができる。
工程(ロ)及び工程(ハ)の後に不活性炭化水素溶媒で余分なアルモキサン系化合物(c)及び有機アルミニウム化合物(d)を洗浄して除去してもよいし、洗浄せずそのまま次の工程(ニ)を行ってもよい。洗浄は静置して上澄みを除去する方法や濾過を行う方法など公知の方法を用いることができる。好ましい方法は、工程(ロ)及び工程(ハ)で用いるアルモキサン系化合物(c)及び有機アルミニウム化合物(d)の使用量を必要量として洗浄せずに工程(ニ)を行う方法である。
5.(ニ)溶媒の除去・乾燥
攪拌を停止して接触操作を終了した後は、速やかに溶媒を除去することが必要である。この溶媒の除去は、減圧乾燥により行うが、この際濾過を併用することもできる。この減圧乾燥では、クロム触媒が粘性、湿り気のない流動性の粉末として得られるように乾燥させる。触媒を溶媒と分離せずに長時間保管すると、触媒が経時劣化し、エチレン重合活性が低下することがある。その上、エチレン重合体の分子量分布が広くなることがあるため、耐久性は向上するものの耐衝撃性は低下するので好ましくない。したがって、接触反応の際の溶媒との接触時間をも含めて、溶媒との接触時間を極力短縮し、速やかに溶媒を分離・除去することが好ましい。
従って、重合活性や得られる重合体の衝撃強度が実質的に低下しないよう、たとえ低下してもその低下の程度が最小限となるよう、接触反応における溶媒接触の時間も合算して溶媒との接触時間を可能な限り短くなるようにすることが好ましい。すなわち、溶媒との接触時間である接触反応時間も、可能な限り短縮し、接触後は速やかに溶媒を分離し、過還元反応が進行しないようにすることが好ましい。
接触反応終了後、溶媒を分離し乾燥終了するのに要する時間は、20時間以内が好ましく、さらに15時間以内が好ましく、特に10時間以内が好ましい。接触開始から溶媒除去・乾燥完了となるまでの合計の時間は、5分〜28時間、好ましくは30分〜24時間、さらに好ましくは1〜20時間である。
以上により、本発明で使用するクロム触媒が得られるが、本発明に係るエチレン重合体の製造に際しては、クロム化合物担持前、又はクロム化合物担持後の焼成活性化前に、チタンテトライソプロポキシドのようなチタンアルコキシド類、ジルコニウムテトラブトキシドのようなジルコニウムアルコキシド類、アルミニウムトリブトキシドのようなアルミニウムアルコキシド類、トリアルキルアルミニウムのような有機アルミニウム類、又は有機金属化合物やケイフッ化アンモニウムのようなフッ素含有塩類等を添加して、エチレン重合活性、α−オレフィンとの共重合性や得られるポリエチレンの分子量、分子量分布を調節する公知の方法を併用してもよい。
これらの金属アルコキシド類又は有機金属化合物は、非還元性雰囲気での焼成活性化によって有機基部分は、燃焼し、チタニア、ジルコニア、アルミナのような金属酸化物に酸化されて触媒中に含まれる。また、フッ素含有塩類の場合は、無機酸化物担体がフッ素化される。
これらの方法は、例えば、以下の文献に記載されている。
(i)C.E.Marsden著,Plastics,Rubber and Composites Processing and Applications,Volume 21,193頁,1994年
(ii)T.Pullukatら著,J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,Volume 18, 2857頁,1980年
(iii)M.P.McDanielら著,J.Catal.,Volume 82,118頁,1983年
耐衝撃性及び耐久性が共に優れたポリエチレン組成物を要求される自動車用燃料タンク用途には、無機酸化物であるシリカ担体のみであることが好ましい。これらの金属アルコキシド類若しくは有機金属化合物を無機酸化物に加えると、ポリエチレンの低分子量成分の増加あるいは分子量分布の狭窄化が起きる傾向にある。
[III]エチレン重合用触媒の機能、メカニズム
クロム化合物(b)として酢酸クロムを用いて、焼成活性化した時、シリカ表面で起きる反応を下記に示した。
シリカ表面のシラノール基と酢酸クロムが反応し、カルボキシル基は燃焼してしまい、クロム酸エステル構造となる。この焼成活性化したクロム触媒によるエチレン重合では、重合時にクロム酸エステル構造がエチレンによって還元される。この還元に要する時間を誘導時間という。エチレンによる還元反応によって、反応に示したようにクロム部分が重合活性前駆体構造になることで、エチレンの重合が開始される。シリカ表面のシラノール基の状態は、シリカ構造によって異なると考えられる。この差が重合活性前駆体構造にも影響を与え、得られるポリマーの分子量分布や分岐構造に影響を与えていると考えられる。
Figure 0006862997
本発明では、アルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物を接触することにより、活性が大きく増大する。このとき担体中のシラノール基と反応しシラノールの数を減らすことによりその効果が現れていると考えられる。ここで加えているアルモキサン系化合物の量は、通常はシリカゲルの量に比べて極めて少ないため、加えたアルモキサン系化合物は、シリカ粒子の表面に集中して、反応しているものと考えられる。
また、有機アルミニウム化合物(d)で処理をすることにより、6価であったクロム原子の少なくとも一部分は、低原子価のクロム原子に還元される。この反応を下記に示す。
Figure 0006862997
ここで加えている有機アルミニウム化合物の量は、通常はシリカゲルの量に比べて極めて少ないため、加えた有機アルミニウム化合物は、シリカ粒子の表面に集中して存在し、反応しているものと考えられる。
この加えた有機アルミニウム化合物が表面に集中して存在していることは、電子線プローブマイクロアナライザー(Electron Probe Micro Analyzer ;以下、EPMAと略する。)の結果からも支持されている。EPMAは、以下のような原理を持った装置である。直径1μm以下に絞り加速させた電子線を試料表面にあて、そこから出てくる特性X線を、X線分光器で測定する。特性X線は、各元素の原子核を取り巻く内殻電子の遷移によって発生するX線で、元素に固有な幾つかの波長(エネルギー)としてあらわれる。よって特性X線の波長から元素の種類が、その強度から元素の含有量がわかる。MPMAの結果等から、この有機アルミニウム化合物担持クロム触媒は、一つのシリカ粒子の中で有機アルミニウム化合物が存在していない内側部分(部分A)と、有機アルミニウムによって少なくとも一部のクロム原子が還元されている表面部分(部分B)を有していることが示されており、その意味でこの触媒は、「擬似二元系触媒」と呼ぶことができる(図1参照。)。アルミニウム原子は、担体表面に多く存在しているということから、模擬的に図示すると、図1のようになる。
この擬似二元化触媒に、エチレンを導入した時、予め有機アルミニウム化合物によって還元されているクロム活性点から生じるポリエチレンと、エチレンを導入することによって還元されるクロム活性点から生じるポリエチレンとでは、異なった特徴をもっていてもなんらおかしくはない。
実際、加える有機アルミニウム化合物の量を増やしていくと、生成ポリエチレンのHLMFR(ハイロードメルトフローレート、温度190℃、荷重21.6kg)が大きくなる、すなわち平均分子量が小さくなっていくということが確かめられている。有機アルミニウム化合物と全く反応していない部分A(内側部分)から生成する重合ポリマーよりも低分子量成分の山をもったポリマーが、少なくとも一部分は有機アルミニウム化合物によって還元されている部分B(表面部分)からは生成しているのではないかと考えられる。
つまり、ひとつの触媒で二種類の異なった性質をもつ分子量分布を掛け持ちしたポリエチレンが作られるのである。結果として、有機アルミニウム化合物を加えていないクロム触媒から得られるポリエチレンと比べると、擬似二元系触媒である本発明の触媒からは広い分子量分布を持つポリエチレンが得られる。
また、この触媒系の特徴のひとつとして、次のことが考察できる。
すなわち、ジエチルアルミニウムエトキシドに代表される、ジアルキルアルコキシド類をクロム触媒に加えることにより、加える前に比べて、触媒の共重合性が低下することは知られている。このことを「擬似二元系触媒」の考え方に照らし合わせて考えると、部分Aの共重合性は変わっていないが、部分Bの共重合性が低下することにより、全体の触媒として共重合性が低下したといえる。つまり、ジアルキルアルコキシド担持クロム触媒は、アルミニウム非担持クロム触媒と比べて、低分子量成分に分岐鎖が多く含まれていないポリエチレンを生成させることができる。
一般的にクロム触媒の欠点として、低分子量成分に比べて、高分子量成分に分岐が組み込まれにくいことが知られている。しかしながら、ジアルキルアルコキシド担持クロム触媒を使うことにより、低分子量成分の共重合性を低くし、全体に占める相対的な高分子量成分の分岐数を多くすることができるのである。
さらに、本発明の方法で得られるクロム担持触媒では、担体粒子の表面積、細孔体積との比を特定することにより、従来のクロム−アルミ系の触媒に比して優れた特性を発揮することが見出されている。
[IV]エチレン重合体
1.エチレンの重合方法
本発明の方法により調製されるエチレン重合用触媒を用いることにより、他のポリエチレンと組成物を形成したときに、成形性、耐衝撃性に優れ、しかも剛性と耐久性とのバランスに優れ、特に高い溶融張力を有するエチレン重合体を得ることができる。すなわち本発明の一態様は、上記方法で得られるエチレン重合用触媒を用いて、エチレン単独重合、又は後述するようにエチレンとα−オレフィンとの共重合を行うことを特徴とするエチレン重合体の製造方法にも関する。
上記の有機金属化合物担持クロム触媒を用いて、エチレン重合体の製造を行うに際しては、スラリー重合、溶液重合のような液相重合法あるいは気相重合法等、いずれの方法を採用することができる。
液相重合法は、通常炭化水素溶媒中で行う。炭化水素溶媒としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素の単独又は混合物が用いられる。
また、気相重合法は、不活性ガス共存下にて、流動床、撹拌床等の通常知られる重合法を採用することができ、場合により重合熱除去の媒体を共存させる、いわゆるコンデンシングモードを採用することもできる。
液相又は気相重合法における重合温度は、一般的には0〜300℃であり、実用的には20〜200℃、好ましくは50〜180℃、さらに好ましくは70〜150℃である。反応器中の触媒濃度及びエチレン濃度は、重合を進行させるのに十分な任意の濃度でよい。例えば、触媒濃度は、液相重合の場合、反応器内容物の質量を基準にして、約0.0001〜約5質量%の範囲とすることができる。同様にエチレン濃度は、気相重合の場合、全圧として0.1〜10MPaの範囲とすることができる。
エチレン重合体のHLMFR(ハイロードメルトフローレート、温度190℃、荷重21.6kg)を上げるために、特に水素を共存させて重合することがある。水素を共存させることによって、重合温度を下げて、より一層分子量分布を広げることができる。
本発明の方法により、エチレンの重合を行うに際し、コモノマーとして、α−オレフィンを共重合することもできる。α−オレフィンとしては、炭素数3〜8のα−オレフィンであることがより好ましく、具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等を単独又は2種類以上反応器に導入して共重合を行うことができる。特に好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、さらに好ましくは1−ヘキセンがコモノマーとして好適に用いられる。得られるコポリマー中のα−オレフィン含量は、15mol%以下、好ましくは10mol%以下が望ましい。
2.エチレン重合体の物性と用途
本発明の方法により得られた触媒を用いることで、HLMFRが0.1〜200g/10分、好ましくは0.5〜80g/10分、密度が0.900〜0.980g/cm、好ましくは0.920〜0.970g/cmのエチレン重合体が得られる。得られるエチレン重合体は、耐衝撃性、耐久性が高く、バランスに優れるので、特にブロー成形製品、なかんずく大型ブロー成形製品で大きな効果を発揮する。さらに、他のポリエチレン樹脂と組成物を形成したときに、高い溶融張力を示す。ブロー成形製品用のエチレン重合体のHLMFRは、1〜100g/10分、特に大型ブロー成形製品用のエチレン重合体では、1〜15g/10分である。ブロー成形製品用のエチレン重合体の密度は、0.935〜0.970g/cm、特に大型ブロー成形製品用のエチレン重合体での密度は、0.940〜0.955g/cmである。
重合方法としては、反応器を一つ用いてポリエチレンを製造する単段重合だけでなく、分子量分布を広げるために少なくとも二つの反応器を連結させて多段重合を行うこともできる。多段重合の場合、二つの反応器を連結させ、第一段の反応器で重合して得られた反応混合物を続いて第二段の反応器に連続して供給する二段重合が好ましい。第一段の反応器から第二段の反応器への移送は、差圧により連結管を通して、第一段反応器からの重合反応混合物の連続的排出により行われる。
第一段反応器で高分子量成分、第二段反応器で低分子量成分を、又は第一段反応器で低分子量成分、第二段反応器で高分子量成分を、それぞれ製造するいずれの方法でもよいが、第一段反応器で高分子量成分、第二段反応器で低分子量成分を製造する方が、第一段から第二段への移行にあたり中間の水素のフラッシュタンクを必要としないため、生産性の面でより好ましい。
第一段においては、エチレン単独又は必要に応じてα−オレフィンとの共重合を、水素濃度のエチレン濃度に対する質量比又は分圧比(Hc/ETc又はHp/ETp)、重合温度又は両者により分子量を調節しながら、またα−オレフィン濃度のエチレン濃度に対する質量比又は分圧比により密度を調節しながら、重合反応を行う。
第二段においては、第一段から流れ込む反応混合物中の水素及び同じく流れ込むα−オレフィンがあるが、必要に応じて、それぞれ新たな水素、α−オレフィンを加えることができる。したがって、第二段においても、水素濃度のエチレン濃度に対する質量比若しくは分圧比(Hc/ETc若しくはHp/ETp)、重合温度又は両者により分子量を調節しながら、またα−オレフィン濃度のエチレン濃度に対する質量比又は分圧比により密度を調節しながら重合反応を行うことができる。触媒や有機アルミニウム化合物のような有機金属化合物についても、第一段から流れ込む触媒により二段目で引き続き重合反応を行うだけでなく、第二段で新たに触媒、有機アルミニウム化合物のような有機金属化合物又はその両者を供給してもよい。
二段重合によって製造する場合の高分子量成分と低分子量成分の比率としては、高分子量成分が10〜90質量部、低分子量成分が90〜10質量部、好ましくは高分子量成分が20〜80質量部、低分子量成分が80〜20質量部、さらに好ましくは高分子量成分が30〜70質量部、低分子量成分が70〜30質量部である。
二段重合で得られるエチレン重合体のHLMFRは、0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜80g/10分であるが、ブロー成形製品用樹脂としては1〜100g/10分、特に大型ブロー成形製品用樹脂としては1〜15g/10分である。二段重合で得られるエチレン重合体の密度は、0.900〜0.980g/cm、好ましくは0.920〜0.970g/cmであるが、ブロー成形製品用樹脂としては0.935〜0.970g/cm、特に大型ブロー成形製品用樹脂としては0.940〜0.955g/cmである。得られたエチレン重合体は、混練することが好ましい。混練は単軸又は二軸の押出機又は連続式混練機を用いて行うことができる。また得られるエチレン重合体は、常法によりブロー成形することができる。
[V]ポリエチレン組成物
得られるエチレン重合体の用途としては、他のポリエチレンと混練してポリエチレン組成物を形成しての、燃料タンク、灯油缶、ドラム缶、薬品用容器、農薬用容器、溶剤用容器、又はプラスチックボトルといった中空プラスチック成形品が挙げられる。本発明の方法で得られる触媒を用いて製造されるエチレン重合体を含有するポリエチレン組成物は、溶融張力が高く、燃料タンク等の中空プラスチック成型品の製造において有用である。
本発明の方法で得られる触媒を用いて製造されるエチレン重合体に組み合わせるポリエチレンとしては、用途に応じて当業者に公知のものを用いることができる。また、エチレン単独重合体及びエチレンとα−オレフィンのコポリマーのように、本発明の方法で得られる触媒を用いて製造されるエチレン重合体を2種類以上組み合わせて組成物としてもよい。
ポリエチレン組成物のHLMFRは、0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜80g/10分であるが、ブロー成形製品用樹脂としては1〜100g/10分、特に大型ブロー成形製品用樹脂としては1〜15g/10分である。ポリエチレン組成物の密度は、0.900〜0.980g/cm、好ましくは0.920〜0.970g/cmであるが、ブロー成形製品用樹脂としては0.935〜0.970g/cm、特に大型ブロー成形製品用樹脂としては0.940〜0.955g/cmである。
ポリエチレン組成物の製造方法としては、当業者に公知のポリマーブレンドの手段を用いることができる。例えば、本発明の方法で得られるエチレン重合体と、その他のポリエチレンを溶融してミルにより混練し、必要に応じて適宜押出成形等の手段により成形することで、ポリエチレン組成物を得ることができる。ポリマーブレンドにおいては、酸化防止剤、耐熱安定剤等の公知の添加物を混合することができる。
以下に於いては、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明し、本発明の卓越性と本発明の構成による優位性を実証するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(I)各種測定方法
実施例及び比較例において、使用した測定方法は以下の通りである。
1.オートクレーブ重合で得られたエチレン重合体の物性評価:
(i)物性測定のためのポリマー前処理:
添加剤として、BASFジャパン社製の酸化防止剤とリン系安定剤のブレンド物である「IRGANOX B225」を0.2重量%添加し、単軸押出機にて混練しペレタライズした。
(ii)ハロードメルトフローレート(HLMFR):
JIS K7210(2004年版)の付属書A表1−条件Gに従い、試験温度190℃、公称荷重21.60kgにおける測定値をHLMFRとして示した。
(iii)密度
JIS K7112(2004年版)に従い、測定した。
(iv)メルトテンション(MT)
東洋精機製作所社製キャピログラフを使用し、ノズル径2.095mmφ、ノズル長8.00mm、流入角180°、設定温度210℃で、ピストン押出速度10.0mm/分、引取速度4.0m/分の条件で測定した。
(II)オートクレーブでのエチレン重合体の製造と評価
実施例1
(1)クロム触媒の調製
クロム原子担持量が1.0重量%、比表面積380m/g,細孔体積1.55cm/gを有する触媒−1(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)を15g用意し、多孔板目皿付き、管径5cmの石英ガラス管に入れ、円筒状焼成用電気炉にセットし、モレキュラーシーブスを通した空気にて流動化させ、線速6cm/sにて500℃で18時間焼成活性化を行った。6価のクロム原子を含有することを示すオレンジ色のクロム触媒が得られた。
(2)有機金属化合物含有クロム触媒の調製
予め窒素置換した100mLのフラスコに、上記(1)で得られたクロム触媒2gを入れ、蒸留精製したヘキサン20mLを加えスラリーとした。東ソー・ファインケム社製MMAO−3Aの1.0mol/L−ヘキサン溶液0.38mL(Al/Crモル比=1.0)を加え40℃で1時間撹拌した。さらに東ソー・ファインケム社製ジエチルアルミニウムエトキシド(EtAl(OEt))の0.1mol/L−ヘキサン溶液を7.7mL(Al/Crモル比=2)を加え40℃で1時間撹拌した。撹拌終了後直ちに減圧化で30分かけて溶媒を除去し、粘性、粘り気のない自由流動性(free flowing)の有機金属化合物含有クロム触媒−1を得た。
(3)エチレン重合
充分に窒素置換した2.0Lのオートクレーブに上記(2)で得られた有機金属化合物含有クロム触媒100mg及びイソブタン0.8Lを仕込み、内温を100℃まで昇温した。水素分圧を0.05MPaになるよう仕込み、エチレン分圧を0.7MPaとなるように保ちながら、触媒生産性が3000g−ポリマー/g−触媒となるように重合を行った。次いで、内容ガスを系外に放出することにより重合を終結した。重合結果、ポリマー物性については表1に示した。
(4)ポリマーブレンド方法
上記(3)で得られたエチレン重合体(A)及びメタロセン触媒から製造したエチレン重合体(B)(HLMFR=0.5g/10min、密度=0.9250g/cm)に対して、BASFジャパン社製IRGANOX1010を500ppm及びBASFジャパン社製IRGAFOS 168を1500ppm添加し、東洋精機製作所社製ラボプラストミルを使用し、混練温度を210℃、スクリュー回転速度を40rpmの混練条件で溶融混合し、ポリエチレン組成物(C)を製造した。ポリエチレン組成物(C)の組成、物性については表2に示した。
実施例2
上記実施例1(1)において、クロム原子担持量が1.0重量%、比表面積380m/g,細孔体積1.55cm/gを有する触媒−1(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)の代わりにクロム原子担持量が1.0重量%、比表面積295m/g,細孔体積1.5cm/gを有する触媒−2(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)を用いた事、さらに、上記実施例1(3)において水素分圧を0.05MPaの代わりに0.10MPaに変更した事以外は、すべて実施例1と同様の操作を行った。重合結果、ポリマー物性については表1に示した。またポリエチレン組成物(C)の組成、物性については表2に示した。
実施例3
上記実施例1(1)において、クロム原子担持量が1.0重量%、比表面積380m/g,細孔体積1.55cm/gを有する触媒−1(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)の代わりにクロム原子担持量が1.0重量%、比表面積433m/g,細孔体積1.75cm/gを有する触媒−3(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行った。重合結果、ポリマー物性については表1に示した。またポリエチレン組成物(C)の組成、物性については表2に示した。
実施例4
上記実施例1(1)において、クロム原子担持量が1.0重量%、比表面積380m/g,細孔体積1.55cm/gを有する触媒−1(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)の代わりにクロム原子担持量が1.0重量%、比表面積426m/g,細孔体積1.69cm/gを有する触媒−4(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行った。重合結果、ポリマー物性については表1に示した。またポリエチレン組成物(C)の組成、物性については表2に示した。
比較例1
上記実施例1(1)において、クロム原子担持量が1.0重量%、比表面積380m/g,細孔体積1.55cm/gを有する触媒−1(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)の代わりにクロム原子担持量が1.0重量%、比表面積500m/g,細孔体積1.5cm/gを有する触媒−5(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)を用いた事、さらに、上記実施例1(3)において水素分圧を0.05MPaの代わりに0.10MPaに変更した事以外は、すべて実施例1と同様の操作を行った。重合結果、ポリマー物性については表1に示した。またポリエチレン組成物(C)の組成、物性については表2に示した。
比較例2
上記実施例1(1)において、クロム原子担持量が1.0重量%、比表面積380m/g,細孔体積1.55cm/gを有する触媒−1(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)の代わりにクロム原子担持量が1.0重量%、比表面積600m/g,細孔体積2.5cm/gを有する触媒−6(シリカに酢酸クロムを担持させた触媒)を用いた以外は、すべて実施例1と同様の操作を行った。重合結果、ポリマー物性については表1に示した。またポリエチレン組成物(C)の組成、物性については表2に示した。
Figure 0006862997
Figure 0006862997
表1及び2からわかるように、実施例の方法により調製されるエチレン重合体を用いたポリエチレン組成物は、溶融張力が大きくなる。一方で比較例1のような、比表面積と細孔体積の比が大きい担体を用いた触媒や、比較例2のような比表面積が大きい担体を用いた触媒では、エチレン重合体の物性が大きく変わらないにもかかわらず、ポリエチレン組成物とした際の溶融張力が小さくなる。つまり、本発明の方法で得られたクロム担持触媒を用いて製造したエチレン重合体は、他のポリエチレンと組成物を形成した場合でも高い溶融張力を有しており、高い剛性が要求される、燃料タンク等の中空プラスチック成型品の製造において有用であることが示された。

Claims (5)

  1. 無機酸化物担体(a)にクロム化合物(b)を少なくとも一部のクロム原子が6価となる状態で担持させ非還元性雰囲気において焼成活性化した後、さらにアルモキサン系化合物(c)から選ばれる第1の金属化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させ、次いで有機アルミニウム化合物(d)から選ばれる第2の金属化合物を不活性炭化水素溶媒中で接触させ、最後に、前記不活性炭化水素溶媒を除去・乾燥させてなる工程を有するエチレン重合用触媒の製造方法であって、
    該無機酸化物担体(a)は、下記の特性(i)、(ii)を有することを特徴とするエチレン重合用触媒の製造方法。
    (i) 表面積(m/g)/細孔体積(mL/g)が100〜300m/mL
    (ii)表面積が100〜550m/g
  2. 前記アルモキサン系化合物(c)は、トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムから調製される修飾メチルアルモキサンであることを特徴とする請求項に記載のエチレン重合用触媒の製造方法。
  3. 前記有機アルミニウム化合物(d)は、ジアルキルアルミニウムアルコキシド、アルキルアルミニウムジアルコキシド又はトリアルキルアルミニウムから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエチレン重合用触媒の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法で得られるエチレン重合用触媒を用いて、エチレン単独重合又はエチレンとα−オレフィンとの共重合を行うことを特徴とするエチレン重合体の製造方法。
  5. 前記α−オレフィンの炭素数が3〜8であることを特徴とする請求項に記載のエチレン重合体の製造方法。
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