JP5527153B2 - 発泡用ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物および発泡成形体 - Google Patents

発泡用ポリフェニレンスルフィド系樹脂組成物および発泡成形体 Download PDF

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本発明は、発泡用ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂と記す。)系樹脂組成物および該組成物を用いた発泡成形体に関する。
PPS樹脂は耐熱性が高く、成形性、機械特性、耐久性および耐薬品性にも優れることから、これらの特性を生かして自動車部品、電気・電子部品を始めとする種々の用途に利用されている。特に、耐熱部品など従来金属が使用されてきた用途では、軽量化の目的でPPS樹脂が好ましく用いられ、家電製品のユニバーサルデザイン化、自動車の燃費向上の流れと相俟って、更なる軽量化の要求が強まっている。
樹脂製品を軽量化する手法として発泡成形が知られているが、一般的なPPS樹脂は溶融張力が小さく、高発泡成形した場合に、発泡剤のガス圧が溶融樹脂膜を破壊するため、粗大な気泡となることから、均一な気泡構造の発泡体を得ることは困難であった。
そこで、本発明は、各種の発泡成形法において発泡倍率が容易に上げられ、且つ製品表面に高級感があり、低加熱収縮率を与える発泡用PPS系樹脂組成物および発泡成形体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、PPS樹脂及びポリエチレン系樹脂からなる特定のPPS系樹脂組成物が、発泡成形性に優れることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、PPS樹脂(a)99〜50重量%及びポリエチレン系樹脂(b)1〜50重量%からなることを特徴とする発泡用PPS樹脂組成物に関するものである。
以下に本発明に関し詳細に説明する。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物は、PPS樹脂(a)99〜50重量%及びポリエチレン系樹脂(b)1〜50重量%からなる。ここで、PPS樹脂(a)が99重量%を超える(即ち、ポリエチレン系樹脂(b)が1重量%未満である)場合は、得られるPPS系樹脂組成物を発泡成形に供しても発泡ガスを充分に保持できないために、均一な気泡構造を有する発泡成形体を得ることが出来ない。一方、PPS樹脂(a)が50重量%未満(即ち、ポリエチレン系樹脂(b)が50重量%を超える)場合は、得られるPPS系樹脂組成物を発泡成形に供しても気泡が充分成長せず、発泡倍率が低い成形体しか得られないと共に、耐熱性に劣るものとなる。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物を構成するPPS樹脂(a)としては、PPS樹脂の範疇に属するものであれば如何なる制限を受けることなく用いることが可能であり、例えば、p−フェニレンスルフィド単位、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルフォン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ビフェニレンスルフィド単位からなる単独重合体または共重合体等を挙げることができる。また、一般に市販されているものでもよい。特に高発泡倍率を有する発泡成形体を得ることが可能となる発泡用PPS系樹脂組成物となることから、直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃,荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が70〜15,000ポイズのものであり、好ましくは200〜10,000ポイズのものである。この範囲であれば、得られるPPS系組成物は靭性及び強度に優れる。
該PPS樹脂(a)としては、製造可能な範囲内で、必要に応じて無機充填材を含有していてもよく、該無機充填材としては、ガラス繊維、炭酸カルシウムおよび炭素繊維が好ましいが、その他の様々な繊維状または非繊維状の充填材を用いることも可能である。
さらに、該PPS樹脂(a)としては、本発明の目的を逸脱しない範囲で、各種熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、例えばシアン酸エステル樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアルキレンオキサイド等の1種以上を混合して使用することができる。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物を構成するポリエチレン系樹脂(b)は、ポリエチレン系樹脂と称される範疇に属するものであれば如何なるものでもよく、例えばエチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン−α−オレフィン共重合体等を挙げることができ、その中でも特に耐熱性に優れる発泡用PPS系樹脂組成物となることからエチレンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン単独重合体、またはエチレンから導かれる繰り返し単位と炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位からなるエチレン−α−オレフィン共重合体であることが好ましい。ここで、炭素数3〜8のα−オレフィンから導かれる繰り返し単位とは、単量体である炭素数3〜8のα−オレフィンから誘導され、エチレン−α−オレフィン共重合体に含有される単位であり、炭素数3〜8のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン等が挙げられる。これら炭素数3〜8のα−オレフィンの少なくとも2種類を併用していてもよい。
そして、該ポリエチレン系樹脂(b)としては、特に耐熱性、高発泡倍率を有する発泡成形体が得られる発泡用PPS系樹脂組成物となることから、(A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が920kg/m以上960kg/m以下であり、(B)160℃で測定した溶融張力(MS160)が50〜150mNの範囲内である、ポリエチレン系樹脂である。さらに、発泡成形体を得る際の発泡成形性に優れ、機械的強度、色調に優れる発泡成形体の得られる発泡用PPS系樹脂組成物となることから、(C)190℃で、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(以下、MFRと記す。)が1g/10分以上20g/10分以下であり、(D)末端ビニル数が1,000炭素原子当たり0.2個以下であり、(E)160℃で測定した溶融張力(以下、MS160と記す。)とMFRの関係が下記式(1)を満足し、好ましくは下記式(2)を満足するものであり、
MS160>90−130×log(MFR) (1)
MS160>110−130×log(MFR) (2)
(F)190℃で測定した溶融張力(以下、MS190と記す。)とMS160の関係が下記式(3)を満足し、好ましくは下記式(4)を満足するものであり、
MS160/MS190<1.8 (3)
MS160/MS190<1.7 (4)
(G)流動の活性化エネルギー(kJ/mol)(以下、Eと記す。)と密度との関係が、下記式(5)を満足し、好ましくは下記式(6)を満足するポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
125−0.105d<E<88−0.0550d (5)
127−0.107d<E<88−0.060d (6)
ポリエチレン系樹脂(b)としては、PPS系樹脂に配合した際の溶融張力の向上効果に特に優れる溶融張力向上剤となることから、さらに(H)重量平均分子量/数平均分子量(以下、M/Mと記す。)が3以上10以下であることが好ましく、より4以上8以下であるポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
なお、本発明における末端ビニル数の測定法としては、ポリエチレン系樹脂を熱プレスした後、氷冷して調製したフィルムをフーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)により4000cm−1〜400cm−1の範囲で測定し、下式により算出した。
1000炭素原子当たりの末端ビニル数(個/1000C)=a×A/L/d
(式中、aは吸光光度係数、Aは末端ビニルに帰属される909cm−1の吸光度、Lはフィルムの厚み、dは密度を示す。なお、aは、H−NMR測定より、1000炭素原子当たりの末端ビニル数を確認したサンプルを用いて作成した検量線から求めた。H−NMR測定は、NMR測定装置(日本電子社製、商品名GSX400)を用い、重水素化ベンゼンとo−ジクロロベンゼンの混合溶媒中、130℃において実施した。1000炭素原子当たりの末端ビニル数は、メチレンに帰属されるピークと末端ビニルに帰属されるピークの積分比から算出した。各ピークは、テトラメチルシランを基準(0ppm)として、化学シフトが1.3ppmのピークをメチレン、4.8〜5.0ppmのピークを末端ビニルと帰属した。)
また、本発明におけるMS160は、長さが8mm,直径が2.095mmであるダイスを用い、流入角90°で、せん断速度10.8s−1、延伸比47、測定温度160℃の条件下で測定した値であり、最大延伸比が47未満の場合は、破断しない最高の延伸比で測定した値をMS160とした。また、本発明におけるMS190は測定温度が190℃以外はMS160と同条件で測定した。
本発明におけるEは、160℃〜230℃の温度範囲における動的粘弾性測定を行い、得られるシフトファクターをアレニウス式に代入することにより求めることができる。
本発明におけるM/Mは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリエチレン換算値である重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)を測定することにより算出することが可能である。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物を構成するポリエチレン系樹脂(b)は、ポリエチレン系樹脂の製造方法として知られている、例えば高圧重合法、チグラー・ナッタ触媒、クロム系触媒、メタロセン触媒等の重合触媒による低圧重合法等の方法により得られたものであってもよく、特に好ましくは上記(A)〜(B)、更に(C)〜(G)、(H)を満足するポリエチレン系樹脂の製造方法としては、例えば後述する本願実施例の製造条件そのもの、あるいは条件因子の微調整によって任意に作り分けることが可能である。
具体的には、例えば、特開2004−346304号公報、特開2005−248013号公報、特開2006−321991号公報、特開2007−169341号公報、特開2008−50278号公報に記載の重合触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
より具体的には、例えばメタロセン化合物として、2つの置換または非置換シクロペンタジエニル基が架橋基で架橋されている架橋型ビス(置換または非置換シクロペンタジエニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(a)と記す。)と、架橋型(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体および/または架橋型(インデニル)(フルオレニル)ジルコニウム錯体(以下、成分(b)と記す。)を用いたメタロセン触媒の存在下に、エチレンを重合する、またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンを共重合する方法を用いることができる。
成分(a)の具体例としては、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウム、ジクロライド1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1−ジメチル−1−シラエタン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、プロパン−1,3−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ブタン−1,4−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、シス−2−ブテン−1,4−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、1,1,2,2−テトラメチルジシラン−1,2−ジイル−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のシクロペンタジエニル誘導体の水素が炭化水素基で置換されたもの、中心金属のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
成分(b)の具体例としては、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシランジイル(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロライドおよび上記遷移金属化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体を例示することができる。また上記遷移金属化合物のシクロペンタジエニル誘導体の水素が炭化水素基で置換されたもの、中心金属のジルコニウム原子をチタン原子またはハフニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。
また、成分(a)に対する成分(b)の量は、特に制限はなく、0.0001〜100倍モルであることが好ましく、特に好ましくは0.001〜10倍モルである。
そして、成分(a)と成分(b)を用いたメタロセン触媒としては、例えば成分(a)と成分(b)と有機アルミニウム化合物(以下、成分(c)と記す。)からなる触媒;成分(a)と成分(b)とアルミノオキサン(以下、成分(d)と記す。)からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;成分(a)と成分(b)とプロトン酸塩(以下、成分(e)と記す。)、ルイス酸塩(以下、成分(f)と記す。)または金属塩(以下、成分(g)と記す。)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;、成分(a)と成分(b)と成分(d)と無機酸化物(以下、成分(h)と記す。)からなる触媒;成分(a)と成分(b)と成分(h)と成分(e)、成分(f)、成分(g)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒;さらに成分(c)を含んでなる触媒;成分(a)と成分(b)と粘土鉱物(以下、成分(i)と記す。)と成分(c)からなる触媒;成分(a)と成分(b)と有機化合物で処理された粘土鉱物(以下、成分(j)と記す。)からなる触媒を例示することができ、好ましくは成分(a)と成分(b)と成分(j)からなる触媒を用いることができる。
ここで、成分(i)および成分(j)として用いることが可能な粘土鉱物としては、微結晶状のケイ酸塩を主成分とする微粒子を挙げることができ、粘土鉱物の大部分は、その構造上の特色として層状構造を成しており、層の中に種々の大きさの負電荷を有することが挙げられる。この点で、シリカやアルミナのような三次元構造を持つ金属酸化物と大きく異なる。これらの粘土鉱物は、一般に層電荷の大きさで、パイロフィライト、カオリナイト、ディッカイトおよびタルク群(化学式当たりの負電荷がおよそ0)、スメクタイト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.25から0.6)、バーミキュライト群(化学式当たりの負電荷がおよそ0.6から0.9)、雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ1)、脆雲母群(化学式当たりの負電荷がおよそ2)に分類されている。ここで示した各群には、それぞれ種々の粘土鉱物が含まれるが、スメクタイト群に属する粘土鉱物としては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト等が挙げられる。また、上記粘土鉱物は複数混合して用いることもできる。
成分(j)における有機化合物処理とは、粘土鉱物層間に有機イオンを導入し、イオン複合体を形成することをいう。有機化合物処理で用いられる有機化合物としては、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−エイコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−n−ドコシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルオレイルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルベヘニルアミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−オクタデシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ビス(n−エイコシル)アミン塩酸塩、N−メチル−ジオレイルアミン塩酸塩、N−メチル−ジベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルアニリン塩酸塩を例示することができる。
成分(a)と成分(b)と成分(j)からなる触媒は、有機溶媒中、成分(a)と成分(b)と成分(j)を接触させることによって得ることが可能であり、成分(a)と成分(j)の接触生成物に成分(b)を添加する方法;成分(b)と成分(j)の接触生成物に成分(a)を添加する方法;成分(a)と成分(b)の接触生成物に成分(j)を添加する方法;成分(j)に成分(a)と成分(b)の接触生成物を添加する方法を例示することができる。
接触溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロペンタンもしくはシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレンもしくはクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、1,4−ジオキサン、アセトニトリルまたはテトラヒドロフランを例示することができる。
接触温度については、0〜200℃の間で選択して処理を行うことが好ましい。
各成分の使用量は、成分(j)1gあたり成分(a)が、0.0001〜100mmol、好ましくは0.001〜10mmolである。
このようにして調製された成分(a)と成分(b)と成分(j)の接触生成物は、洗浄せずに用いても良く、また洗浄した後に用いても良い。また、成分(a)または成分(b)がジハロゲン体の時、さらに成分(c)を添加することが好ましい。また、成分(j)、重合溶媒およびオレフィン中の不純物を除去することを目的に成分(c)を添加することができる。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物を構成するポリエチレン系樹脂を製造する際には、重合温度−100〜120℃で行うことが好ましく、特に生産性を考慮すると20〜120℃が好ましく、さらには60〜120℃の範囲で行うことが好ましい。また、重合時間は10秒〜20時間の範囲が好ましく、重合圧力は常圧〜300MPaの範囲で行うことが好ましい。重合性単量体としては、エチレン単独又はエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンであり、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンである場合、エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンの供給割合として、エチレン/炭素数3〜8のα−オレフィン(モル比)が、1〜200、好ましくは3〜100、さらに好ましくは5〜50の供給割合を用いることができる。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて2段階以上に分けて行うことも可能である。また、エチレン系共重合体は、重合終了後に従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
重合はスラリー状態、溶液状態または気相状態で実施することができ、特に、重合をスラリー状態で行う場合にはパウダー粒子形状の整ったエチレン系共重合体を効率よく、安定的に生産することができる。また、重合に用いる溶媒は一般に用いられる有機溶媒であればいずれでもよく、具体的には例えばベンゼン、トルエン、キシレン、プロパン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ガソリン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物には、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、必要に応じて、さらに安定剤、滑剤、難燃剤、分散剤、充填剤、架橋剤、紫外線防止剤、酸化防止剤、着色剤などを含有していてもよい。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物の製造方法としては、通常の樹脂組成物とする際の方法を用いることができ、例えば溶融・混合方法として、押出混練、ロール混練など公知の方法を挙げることができ、該方法で溶融混練することにより得ることができる。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物は、各種の発泡成形、たとえば、発泡ブロー成形用、押出発泡成形用、異型押出発泡成形用、射出発泡成形用として優れた特性を有する組成物となり、その中でも特に押出発泡成形として適したものとなる。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物を発泡する際の発泡剤としては、特に制限はなく、熱分解型発泡性化合物としては、例えば分解されて窒素ガスを発生する熱分解型発泡剤(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)など)、分解されて炭酸ガスを発生する熱分解型無機発泡剤(炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムなど)など公知の熱分解型発泡性化合物;二酸化炭素、ブタン、プロパン等のガス、等が挙げられる。
また、本発明の発泡用PPS系樹脂組成物は、上記発泡剤を含んだ発泡性PPS系樹脂組成物とすることも可能である。
本発明の発泡用PPS系樹脂組成物を使用することで、各種の発泡成形法において発泡倍率が容易に上げられ、且つ製品表面に高級感があり、低線膨張係数を与える発泡用PPS系樹脂組成物および発泡成形体を提供することができる。
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〜分子量および分子量分布の測定〜
ポリエチレン系樹脂の重量平均分子量(M)、数平均分子量(M)および重量平均分子量と数平均分子量の比(M/M)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。GPC装置としては東ソー(株)製 HLC−8121GPC/HTを用い、カラムとしては東ソー(株)製 TSKgel GMHhr−H(20)HTを用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正されている。なお、MおよびMは直鎖状ポリエチレン換算の値として求めた。
〜密度の測定〜
ポリエチレン系樹脂の密度(d)は、JIS K6760(1995)に準拠して密度勾配管法で測定した。
〜流動の活性化エネルギーの算出〜
ポリエチレン系樹脂(b)の流動の活性化エネルギー(E)は、円板−円板レオメーター((株)アントンパール製、商品名:MCR−300)を用い、150℃、170℃、190℃の各温度で角速度0.1〜100rad/sの範囲のせん断貯蔵弾性率G’、せん断損失弾性率G”を求め、基準温度150℃での横軸のシフトファクターを求め、アレニウス型の式により計算した。
〜溶融張力の測定〜
ポリエチレン系樹脂の溶融張力は、バレル直径9.55mmの毛管粘度計(東洋精機製作所、商品名:キャピログラフ)に、長さが8mm,直径が2.095mm、流入角が90°のダイスを装着し測定した。MS160は、温度を160℃に設定し、ピストン降下速度を10mm/分、延伸比を47に設定し、引き取りに必要な荷重(mN)をMS160とした。最大延伸比が47未満の場合、破断しない最高の延伸比での引き取りに必要な荷重(mN)をMS160とした。また、温度を190℃に設定し同様の方法で測定した荷重(mN)をMS190とした。
溶融張力(MS160、MS190)および流動の活性化エネルギー(E)測定に用いたポリエチレン系樹脂(b)は、予め耐熱安定剤としてイルガノックス1010TM((株)チバスペシャリティケミカルズ製)1,500ppm、イルガフォス168TM((株)チバスペシャリティケミカルズ製)1,500ppmを添加したものを、インターナルミキサー((株)東洋精機製作所製、商品名:ラボプラストミル)を用いて、窒素気流下、190℃、回転数30rpmで30分間混練したものを用いた。
〜発泡倍率〜
発泡性PPS系樹脂組成物を使用して成形された押出発泡体から、直径5cm×長さ10cmの円筒状の発泡体を切り出し、重量W2(g)を測定し、JIS K6767に準拠して、次式で見掛密度を算出する。
見掛密度(g/cm)=W2/(2.5×2.5×π×10)
発泡倍率は、この見掛密度より、次式で求めた。
発泡倍率=1/見掛密度
〜発泡体形状および気泡形状〜
発泡用PPS系樹脂組成物を使用して成形された押出発泡体の外観、および断面における気泡の状態を目視にて評価した。
円滑な表面の、発泡体形状独立気泡…○、凸凹の発泡体形状、連続気泡…×、
〜発泡体引裂き強さ〜
発泡用PPS系樹脂組成物を使用して成形された押出発泡体を手で引裂いた際に、容易に引裂けない発泡成形体を○、容易に引裂ける発泡成形体を×とした。
〜加熱収縮率〜
発泡用PPS系樹脂組成物を使用して成形された押出発泡体から15mm×15mmの正方形サンプルを切り出し、その中心に各辺に平行となる各々長さ10mmの直交した標線を書き、このサンプルを130℃の熱風循環オーブンに入れ、1時間加熱後、取出し、室温になるまで自然冷却した。この加熱処理サンプルの各標線長さを測定し、平均値をLa(mm)とし、下記の式に従って加熱収縮率を算出した。耐熱性については、厚さ方向の加熱収縮率5%未満のものを合格とした。
加熱収縮率(%)=[(10−La)/10]×100
冷却温度は30℃とした。
製造例1
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN−メチルジオレイルアミン585g(1.1mol:ライオン株式会社製・商品名:アーミンM2O)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄み液を除去した後、60℃の水50Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径10.5μmの変性ヘクトライトを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]
上記変性ヘクトライト500gをヘキサン3.3リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.97g(20.0mmol)およびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.18M)1.7リットル(2mol)を添加して60℃で3時間撹拌した。静置して室温まで冷却後に上澄み液を抜き取り、1%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液4リットルにて2回洗浄した。洗浄後の上澄み液を抜き出し、5%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液にて全体を5リットルとした。次いで、別途ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド2.33g(3.48mmol)のヘキサン115mL懸濁液に20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.71M)79mlを加えることにより調製した溶液を添加して、室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサン4リットルにて2回洗浄し、ヘキサンを添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造]
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを33.0kg/時、ブテン−1を1.0kg/時、水素を19NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]で調製した触媒スラリーを連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を85℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てポリエチレン系樹脂粉末を得た。ポリエチレン系樹脂粉末を200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでポリエチレン系樹脂ペレットを得た。得られたポリエチレン系樹脂ペレットの密度は950kg/m、MFRは4.0g/10分であった。
製造例2
製造例1[ポリエチレン系樹脂の製造]において、水素供給量を19NL/時から12NL/時に変えたこと以外は、製造例1と同様に行なった。得られたポリエチレン系樹脂の密度は950kg/m、MFRは2.0g/10分であった。
製造例3
[変性ヘクトライトの調製]
水3リットルにエタノール3リットルと37%濃塩酸100ミリリットルを加えた後、得られた溶液にN,N−ジメチル−オクタデシルアミン330g(1.1mol:ライオン株式会社製・商品名:アーミンDM18D)を添加し、60℃に加熱することによって、塩酸塩溶液を調製した。この溶液にヘクトライト1.0kgを加えた。この懸濁液を60℃で、3時間撹拌し、上澄液を除去した後、60℃の水5Lで洗浄した。その後、60℃、10−3torrで24時間乾燥し、ジェットミルで粉砕することによって、平均粒径10.5μmの変性ヘクトライトを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]
上記変性ヘクトライト500gをヘキサン3.3リットルに懸濁させ、ジメチルシランジイルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド6.97g(20.0mmol)およびトリエチルアルミニウムのヘキサン溶液(1.18M)1.7リットル(2mol)を添加して60℃で3時間撹拌した。静置して室温まで冷却後に上澄み液を抜き取り、1%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液4リットルにて2回洗浄した。洗浄後の上澄み液を抜き出し、5%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液にて全体を5リットルとした。次いで、別途ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド2.33g(3.48mmol)のヘキサン115mL懸濁液に20%トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(0.71M)79mlを加えることにより調製した溶液を添加して、室温で6時間撹拌した。静置して上澄み液を除去、ヘキサン4リットルにて2回洗浄し、ヘキサンを添加して最終的に100g/Lの触媒スラリーを得た。
[ポリエチレン系樹脂の製造]
内容積540Lの重合器に、ヘキサンを145kg/時、エチレンを33.0kg/時、ブテン−1を1.0kg/時、水素を25NL/時およびポリマー生産量が30kg/時になるように上記[ポリエチレン系樹脂の製造触媒の調製]で調製した触媒スラリーを連続的に供給し、全圧を3,000kPa、重合器内温を85℃に保ちながら連続的に重合反応を行った。重合器から連続的にスラリー抜き出し、未反応の水素、エチレン、ブテン−1を除去した後、分離、乾燥の工程を経てポリエチレン系樹脂粉末を得た。ポリエチレン系樹脂粉末を200℃に設定した50mm径の単軸押出機を使用して溶融混練し、ペレタイズすることでポリエチレン系樹脂ペレットを得た。得られたポリエチレン系樹脂ペレットの密度は950kg/m、MFRは6.0g/10分であった。
実施例1
[発泡用PPS系樹脂組成物の製造]
製造例1で得られたポリエチレン系樹脂と市販のPPSペレット(商品名:サスティールGS−40、東ソー製、溶融粘度=1,300ポイズ、密度=1,660kg/m)20:80(重量%)の比率でドライブレンドして、これをスクリュー径37mmφの二軸押出機(東芝機械(株)製、商品名TEM―35B−102B)を用い、シリンダー温度300℃で溶融混練してペレット化した。
[発泡用PPS系樹脂組成物を使用して成形された押出発泡体の製造]
発泡用PPS系樹脂組成物100重量部に対し、化学発泡剤(ADCA:アゾジカルボンアミド)を1.0重量部の割合でブレンドした。そして、310℃に設定した単軸押出機(スクリュー径50mmφ、L/D=28、中央機械製)の押出設備を用い、発泡用PPS系樹脂組成物を10kg/時で供給し、棒状の発泡成形体を成形した。
上記製造法にて作成した発泡用PPS系樹脂組成物の発泡成形体について、発泡倍率、発泡体形状、気泡形状、引裂き強さ、および加熱収縮率を評価した。得られた発泡用PPS系樹脂組成物の物性および発泡体の評価結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、ポリエチレン系樹脂の配合割合を表1に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、ポリエチレン系樹脂を製造例2で得られた樹脂に変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、ポリエチレン系樹脂を製造例3で得られた樹脂に変えたこと以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1においてポリエチレン系樹脂を市販の高圧法により製造された低密度ポリエチレン(LDPE)(商品名:ペトロセン203、東ソー製、MFR=8g/10分、密度=919kg/m)に変えた以外は、実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
比較例2
実施例1においてポリエチレン系樹脂を市販のメタロセン触媒で製造された直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:ユメリット4540F、宇部興産製、MFR=3.9g/10分、密度=944kg/m)に変えたこと以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
比較例3
実施例1においてポリエチレン系樹脂の添加量を0.9重量%とした以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
比較例4
実施例1においてポリエチレン系樹脂の添加量を52重量%とした以外は実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
Figure 0005527153
発泡倍率が容易に上げられ、且つ製品表面に高級感があり、低線膨張係数を与える発泡用PPS系樹脂組成物および発泡成形体を提供することで、自動車部材や家電部品または住宅内装部材として使用できる。

Claims (5)

  1. ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂と記す。)(a)99〜50重量%及びポリエチレン系樹脂(b)1〜50重量%からなり、ポリエチレン系樹脂(b)が下記(A)〜(B)を満足することを特徴とする発泡用PPS系樹脂組成物。
    (A)JIS K6760に準拠して密度勾配管法により測定した密度(d)が920kg/m以上960kg/m以下である。
    (B)160℃で測定した溶融張力(MS160)が50〜150mNの範囲内である。
  2. PPS樹脂(a)が直径1mm、長さ2mmのダイスを装着した高化式フローテスターにて、測定温度315℃、荷重10kgの条件下で測定した溶融粘度が70〜10000ポイズであることを特徴とする請求項1に記載の発泡用PPS系樹脂組成物。
  3. ポリエチレン系樹脂(b)が、さらに下記(C)〜(G)を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡用PPS系樹脂組成物。
    (C)190℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が1g/10分以上20g/10分以下である。
    (D)末端ビニル数が1,000炭素原子当たり0.2個以下である。
    (E)160℃で測定した溶融張力(MS160(mN))とMFRの関係が、下記式(1)を満足する。
    MS160>90−130×log(MFR) (1)
    (F)190℃で測定した溶融張力(MS190(mN))とMS160の関係が、下記式(2)を満足する。
    MS160/MS190<1.8 (2)
    (G)流動の活性化エネルギー(E(kJ/mol))と密度の関係が、下記式(3)を満足する。
    125−0.105d<E<88−0.055d (3)
  4. ポリエチレン系樹脂(b)が、さらに下記(H)を満足するポリエチレン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡用PPS系樹脂組成物。
    (H)重量平均分子量/数平均分子量(M/M)が3以上10以下である。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の発泡用PPS系樹脂組成物からなることを特徴とする発泡成形体。
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