JP2002338759A - ゴム組成物およびその用途 - Google Patents

ゴム組成物およびその用途

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JP2002338759A
JP2002338759A JP2001147948A JP2001147948A JP2002338759A JP 2002338759 A JP2002338759 A JP 2002338759A JP 2001147948 A JP2001147948 A JP 2001147948A JP 2001147948 A JP2001147948 A JP 2001147948A JP 2002338759 A JP2002338759 A JP 2002338759A
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carbon atoms
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JP2001147948A
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Kotaro Ichino
野 光太郎 市
Masao Kunisane
実 正 雄 国
Masaaki Kawasaki
崎 雅 昭 川
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のゴム組成物は、特定のエチレン系
共重合体ゴムと、加硫剤と、加硫促進剤としてチウラム
類および必要に応じてチアゾール類、ジチオカルバミン
酸塩類を含有してなる。さらに、発泡剤を含有させるこ
とができる。本発明の加硫ゴム製品は、このゴム組成物
を加硫して得られる。 【効果】本発明によれば、加硫速度が速く、かつ、スコ
ーチ安定性、形状保持性に優れ、しかも、表面にブルー
ミングがなく、圧縮永久歪みの値が小さい、すなわちシ
ール性が良好な加硫ゴム製品を調製することができるゴ
ム組成物、およびその加硫ゴム製品を提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ゴム組成物およびその用
途に関し、さらに詳しくは、特定のエチレン系共重合体
ゴムに加硫剤とともに適当な加硫促進剤を配合してな
り、スコーチが遅いためゴムコンパウンドの保存性がよ
く、コンパウンド焼けを生じることなく、加硫速度が速
く、かつ、圧縮永久歪みの値が小さい、すなわちシール
性が良好な加硫ゴム製品を提供することができるゴム組
成物、およびその加硫ゴム製品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン、α- オレフィン、非共
役ジエン等よりなる不飽和結合単位含有エチレン系共重
合体ゴムは、耐候性、耐オゾン性、耐熱性、耐熱老化性
などに優れるため、自動車部品、電気絶縁材料、建築土
木資材、工業用ゴム材料などの用途に広く使用されてい
る。
【0003】このような不飽和性エチレン系共重合体ゴ
ムとしては、従来、エチレン・プロピレン・ジシクロペ
ンタジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・1,4-
ヘキサジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・5-
エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴムなどが広く知
られている。これらの中でも、エチレン・プロピレン・
5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム(ENB−
EPT)は、他の不飽和性エチレン共重合体ゴムに比べ
て、加硫速度が速く特に広く用いられている。
【0004】しかしながら、これら従来の不飽和性エチ
レン系共重合体ゴムには、加硫速度の更なる向上が望ま
れているのが実情である。すなわち、不飽和性エチレン
系共重合体ゴムは、たとえばエチレン・プロピレン・5-
エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴムであっても、
天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、ニトリルゴムなどのジエン系ゴム
に比べると加硫速度が遅く、またこれらのジエン系ゴム
に比べると、加硫速度を広い範囲で自由に制御すること
ができないという問題がある。
【0005】不飽和性エチレン系共重合体ゴムの加硫速
度を速めようと、加硫温度を極端に高くしたり、あるい
は加硫剤を多量に使用すると、加硫工程のコストアップ
につながり、特に加硫温度を極端に高くすると、得られ
る加硫ゴムは品質が劣り、たとえば圧縮永久歪みの値が
大きい、すなわち、シール性が悪化するという問題があ
った。また、加硫剤を多量に使用すると、得られる加硫
ゴムの表面に加硫剤がブルーミングしてくることがあり
衛生上も外観上も好ましくないという問題があった。
【0006】また、上記とは逆に不飽和性エチレン系共
重合体ゴムの加硫温度を下げ、加硫時間を短縮して加硫
時の消費エネルギーの節約を図ることは困難であった。
ところで、加硫可能なゴム組成物は、一般的な性質とし
て、加硫速度が速いものはスコーチ安定性に劣る傾向に
ある。これは、加硫速度が速い重合体は、配合ゴムの貯
蔵工程または加硫工程以前の加工工程など、加硫工程以
外の工程においても、加硫速度が遅い重合体に比べて架
橋反応が進行しやすく、早期加硫するためである。
【0007】このように、高速加硫性とスコーチ安定性
とは相反する特性であり、両者の特性を兼ね備えた重合
体を得るのは難しい。たとえば、エチレン・プロピレン
・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴムにおい
て、5-エチリデン-2- ノルボルネンの含有量を増加させ
ると、この共重合体ゴムの加硫速度は速くなるが、スコ
ーチ安定性が低下して加工工程などにおける取扱い性が
悪くなる。具体的には、吐出量の減少、モーター負荷の
増大、シリンダーダイの詰まり等、粘度上昇速度が速く
なることに起因するトラブルが発生しやすくなる。一
方、5-エチリデン-2- ノルボルネンの含有量を少なくす
ると、共重合体ゴムのスコーチ安定性はよくなり取扱い
性は改善されるが、加硫速度は遅くなるため加硫ゴムの
生産性が低下する。
【0008】このように、加硫速度が速く、かつ、スコ
ーチ安定性に優れ、しかも、表面にブルーミングがな
く、圧縮永久歪みの値が小さい、すなわちシール性が良
好な加硫ゴム製品を提供することができるゴム組成物、
およびその加硫ゴム製品は知られていない。したがっ
て、加硫速度が速く、かつ、スコーチ安定性に優れ、し
かも、表面にブルーミングがなく、圧縮永久歪みの値が
小さい、すなわちシール性が良好な加硫ゴム製品を提供
することができるゴム組成物、およびその加硫ゴム製品
の出現が望まれている。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、加硫速度が速
く、かつ、スコーチ安定性に優れ、しかも、表面にブル
ーミングがなく、圧縮永久歪みの値が小さい、すなわち
シール性が良好な加硫ゴム製品を調製することができる
ゴム組成物、およびその加硫ゴム製品を提供することを
目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係るゴム組成物は、エチレン系
共重合体ゴム(A)と、加硫剤(B)と、加硫促進剤
(C)としてチウラム類(C1)とを含有してなる加硫
可能なゴム組成物であり、前記エチレン系共重合体ゴム
(A)は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフ
ィン、1分子中に重合可能な二重結合を2個有する非共
役ポリエン、および下記一般式[1]
【0011】
【化2】
【0012】[式[1]中、R1およびR2は、それぞれ
独立して、水素原子、メチル基またはエチル基であり、
3よびR4は、それぞれ独立して、メチル基またはエチ
ル基である。]で表わされるトリエン化合物を共重合し
て得られ、かつ、(i)該ゴム(A)中における、エチ
レンから誘導される構成単位とα- オレフィンから誘導
される構成単位とのモル比(エチレン/α- オレフィ
ン)が99/1〜30/70であり、(ii)1分子中に
重合可能な二重結合を2個有する非共役ポリエンから誘
導される構成単位を0.02〜3モル%の量で含有し、
(iii)トリエン化合物から誘導される構成単位を0.1
〜10モル%の量で含有し、(iv)135℃デカリン中
で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dl/gの範
囲にある共重合体ゴムであることを特徴としている。
【0013】前記加硫促進剤(C)としてチウラム類
(C1)の他に、さらに他の加硫促進剤も併用できる
が、本発明では、チアゾール類(C2)および/または
ジチオカルバミン酸塩類(C3)を併用することが好ま
しい。また、本発明に係るゴム組成物中に、さらに必要
に応じて発泡剤(D)を含有させることができる。
【0014】本発明に係る加硫ゴム製品は、前記の、本
発明に係るゴム組成物を加硫して得られることを特徴と
している。この加硫ゴム製品には、非発泡の加硫ゴム成
形体だけでなく、加硫ゴム発泡成形体も含まれる。
【0015】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るゴム組成物、
およびその組成物を加硫して得られる加硫ゴム製品につ
いて具体的に説明する。本発明に係るゴム組成物は、新
規なエチレン系共重合体ゴム(A)、加硫剤(B)、加
硫促進剤(C)および必要に応じて発泡剤(D)を含有
してなる加硫(発泡)可能なゴム組成物である。
【0016】エチレン系共重合ゴム(A) 本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴム(A)は、
エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、
1分子中に重合可能な二重結合を2個有する非共役ポリ
エンと、トリエン化合物とを共重合して得られる。この
ような炭素原子数3〜20のα- オレフィンとしては、
具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘ
キセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、
3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチ
ル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメ
チル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1
- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テ
トラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイ
コセンなどが挙げられる。中でも、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく用いられる。ま
た、これらのα- オレフィンは、単独で、あるいは2種
以上組合わせて用いることができる。
【0017】また、1分子中に重合可能な二重結合を2
個有する非共役ポリエンとしては、炭素・炭素二重結合
のうち重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2
個存在する非共役ポリエンが用いられる。この重合可能
な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共
役ポリエンとしては、具体的には、5-ビニル-2- ノルボ
ルネン(VNB)、5-アリル-2-ノルボルネン等の5-ア
ルケニル-2- ノルボルネン;2,5-ノルボルナジエン(N
BD)、ジシクロペンタジエン(DCPD)等の脂環族
ポリエン;1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン等のα,
ω- ジエンなどが挙げられる。
【0018】これらの内では、5-ビニル-2- ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、2,5-ノルボルナジエン、1,
7-オクタジエンが好ましく、5-ビニル-2- ノルボルネン
が特に好ましく用いられる。また、トリエン化合物は、
下記一般式[1]で表わされる。
【0019】
【化3】
【0020】式[1]において、R1およびR2は、それ
ぞれ独立して、水素原子、メチル基またはエチル基であ
る。R3およびR4は、それぞれ独立して、メチル基また
はエチル基である。上記式[1]で示されるトリエン化
合物の中では、R3およびR4がどちらもメチル基である
化合物が好ましく、このようなトリエン化合物をモノマ
ー原料として得られるランダム共重合体ゴムは、加硫速
度とスコーチ特性とのバランスに特に優れている。
【0021】上記式[1]で示されるトリエン化合物と
しては、たとえば、下記の式で示される化合物などが挙
げられる。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】上記トリエン化合物の中では、第1番目に
例示した4,8-ジメチル-1,4,8-デカトリエン(以下、D
MDTと略記)が好ましい。上記式[1]で示されるト
リエン化合物は、トランス体およびシス体の混合物であ
ってもよく、トランス体単独またはシス体単独であって
もよい。上記式[1]で示されるトリエン化合物は、下
記式[2]で示される共役ジエンを有する化合物とエチ
レンとを、遷移金属化合物および有機アルミニウム化合
物からなる触媒の存在下に、反応させることにより製造
することができる。
【0025】
【化6】
【0026】[式[2]中、R1、R2、R3およびR
4は、それぞれ上述した一般式[1]におけるR1
2、R3およびR4と同じである。] 本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴム(A)は、
上記のようなエチレン、α- オレフィン、1分子中に重
合可能な二重結合を2個有する非共役ポリエン、および
トリエン化合物に由来する各構成単位が、ランダムに配
列して結合し、トリエン化合物に起因する分岐構造を有
するとともに、主鎖は、実質的に線状構造となってい
る。
【0027】この共重合体ゴム(A)が実質的に線状構
造を有し、実質的にゲル状架橋重合体を含有しないこと
は、この共重合体ゴム(A)が有機溶媒に溶解し、不溶
分を実質的に含まないことにより確認することができ
る。たとえば極限粘度[η]を測定する際に、この共重
合体ゴム(A)が135℃中のデカリンに完全に溶解す
ることにより確認することができる。
【0028】また、このような共重合体ゴム(A)にお
いて、トリエン化合物から誘導される構成単位は、実質
的に下記式[3]で示される構造を有している。
【0029】
【化7】
【0030】[式[3]中、R1、R2、R3およびR
4は、それぞれ上述した一般式[1]におけるR1
2、R3およびR4と同じである。]なお、トリエン化
合物から誘導される構成単位が上記構造を有しているこ
とは、この共重合体の13C−NMRスペクトルを測定す
ることによって確認することができる。
【0031】本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴ
ム(A)は、以下のような組成および特性を有する。 (i)このゴム(A)中における、エチレンから誘導さ
れる構成単位と炭素原子数3〜20のα- オレフィンか
ら誘導される構成単位とのモル比(エチレン/α- オレ
フィン)は、99/1〜30/70、好ましくは90/
10〜50/50、さらに好ましくは85/15〜55
/45の範囲にある。
【0032】エチレンから誘導される構成単位と炭素原
子数3〜20のα- オレフィンから誘導される構成単位
とのモル比が、上記範囲内にあるエチレン系共重合体ゴ
ム(A)を用いると、機械的強度特性に優れる加硫ゴム
製品を提供できるゴム組成物が得られる。 (ii)このゴム(A)は、1分子中に重合可能な二重結
合を2個有する非共役ポリエンから誘導される構成単位
を0.02〜3モル%、好ましくは0.05〜2.5モ
ル%、さらに好ましくは0.1〜2.0モル%の量で含
有している。
【0033】非共役ポリエンから誘導される構成単位含
有量(非共役ポリエン含有量と称する場合がある。)
が、上記範囲内になる量でエチレン系共重合体ゴム
(A)を用いると、押出加工性に優れるゴム組成物が得
られる。 (iii)このゴム(A)は、トリエン化合物から誘導さ
れる構成単位を0.1〜10モル%、好ましくは0.5
〜7.5モル%、さらに好ましくは1.0〜5.0モル
%の量で含有している。
【0034】トリエン化合物から誘導される構成単位含
有量が上記範囲内にあるエチレン系共重合体ゴム(A)
を用いると、加硫速度が速く、かつ、スコーチ安定性に
優れ、保存性がよく、混練加工中にコンパウンド焼けの
ないゴム組成物が得られる。しかも、このゴム組成物
は、形状保持性に優れている。なお、この形状保持性
は、実施例の項において後述する形状保持率をもって評
価する。
【0035】(iv)このゴム(A)は、135℃デカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dl/
g、好ましくは0.8〜5.0dl/g、さらに好まし
くは1.0〜4.0dl/gの範囲内にある。この極限
粘度が上記範囲内にあるエチレン系共重合体ゴム(A)
を用いると、圧縮永久歪みの値が小さい、すなわちシー
ル性が良好な加硫ゴム製品を提供できるゴム組成物が得
られる。
【0036】本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴ
ム(A)は、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレ
フィン、前記式[1]で表わされるトリエン化合物およ
び非共役ポリエンを、触媒の存在下に共重合させること
により製造することができる。上記触媒としては、バナ
ジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)
などの遷移金属化合物(a)と、有機アルミニウム化合
物(b)および/またはイオン化イオン性化合物(c)
とからなる触媒が好ましい。
【0037】このような触媒の具体例としては、(1)
固体状チタン触媒成分(a−1)と、有機アルミニウム
化合物(b−1)とからなるチタン系触媒、(2)可溶
性バナジウム化合物(a−2)と、有機アルミニウム化
合物(b−1)とからなるバナジウム系触媒、および
(3)周期律表4族から選ばれる遷移金属のメタロセン
化合物(a−3)と、有機アルミニウムオキシ化合物
(b−2)および/またはイオン化イオン性化合物(c
−1)とからなるメタロセン系触媒などが挙げられる。
【0038】これらの中ではメタロセン系触媒が好まし
い。メタロセン系触媒は活性が高く、また得られるエチ
レン系共重合体ゴムは分子量分布および組成分布が狭
く、さらに前記式[1]で表わされるトリエン化合物の
転化率も高い。前記メタロセン系触媒を形成するメタロ
セン化合物(a−3)は、周期律表4族から選ばれる遷
移金属のメタロセン化合物であり、具体的には、下記式
[4]で表わされる。
【0039】MLx ・・・[4] 〔式[4]中、Mは周期律表4族から選ばれる遷移金属
であり、xは遷移金属Mの原子価であり、Lは配位子で
ある。〕 式[4]において、Mで示される遷移金属としては、具
体的には、ジルコニウム、チタンおよびハフニウムなど
が挙げられる。
【0040】式[4]において、Lは遷移金属に配位す
る配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子
Lは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子であ
る。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置
換基を有していてもよい。シクロペンタジエニル骨格を
有する配位子Lとしては、たとえばシクロペンタジエニ
ル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペ
ンタジエニル基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエ
ニル基、n-、i-、sec-またはt-ブチルシクロペンタジエ
ニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロ
ピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペン
タジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基
等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジ
エニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロ
インデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
【0041】上記シクロペンタジエニル骨格を有する基
は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置
換されていてもよい。式[4]で表わされる化合物が配
位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2
個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジ
エニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレン等
のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレ
ン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシ
リレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリ
レン基等の置換シリレン基などを介して結合されていて
もよい。
【0042】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配
位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、
アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−
SO3a)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、R
aはアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル
基、アリール基、またはハロゲン原子もしくはアルキル
基で置換されたアリール基である。)などが挙げられ
る。
【0043】配位子Lの炭素原子数1〜12の炭化水素
基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基およびアラルキル基などが挙げられる。より具体的に
は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル
基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基
およびドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、
トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等
のアラルキル基などが挙げられる。
【0044】配位子Lのアルコキシ基としては、具体的
には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基などが
挙げられる。アリーロキシ基としては、具体的には、フ
ェノキシ基などが挙げられる。スルホン酸含有基(−S
3a)としては、具体的には、メタンスルホナト基、
p-トルエンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナ
ト基、p-クロルベンゼンスルホナト基などが挙げられ
る。ハロゲン原子としては、具体的には、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
【0045】前記式[4]で表わされるメタロセン化合
物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、より
具体的には下記式[5]で表わされる。 R2 k3 l4 m5 nM ・・・[5] 〔式[5]中、Mは式[5]の遷移金属であり、R2
シクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であ
り、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、シクロペ
ンタジエニル骨格を有するか、または有しない基(配位
子)である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n
=4である。〕 以下に、Mがジルコニウムであり、かつシクロペンタジ
エニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロ
セン化合物(a−3)を例示する。
【0046】ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1-メチル-3
- ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(ト
リフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3-ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0047】上記の1,3−位置換シクロペンタジエニ
ル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換え
た化合物を用いることもできる。またメタロセン化合物
(a−3)としては、前記式[5]において、R2
3、R4およびR5の少なくとも2個、たとえばR2およ
びR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位
子)であり、この少なくとも2個の基はアルキレン基、
置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基な
どを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン
化合物を使用することもできる。この場合のR4および
5は、それぞれ独立に、式[4]中で説明したシクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同
じである。
【0048】このようなブリッジタイプのメタロセン化
合物(a3)としては、具体的にはエチレンビス(イン
デニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シ
クロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0049】またメタロセン化合物(a−3)として
は、下記式[6]で表わされる特開平4−268307
号公報に記載のメタロセン化合物が挙げられる。
【0050】
【化8】
【0051】式[6]において、M1は周期律表の4族
の金属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、
ハフニウムを挙げることができる。式[6]において、
1およびR2は、水素原子;炭素原子数1〜10、好ま
しくは1〜3のアルキル基;炭素原子数1〜10、好ま
しくは1〜3のアルコキシ基;炭素原子数6〜10、好
ましくは6〜8のアリール基;炭素原子数6〜10、好
ましくは6〜8のアリールオキシ基;炭素原子数2〜1
0、好ましくは2〜4のアルケニル基;炭素原子数7〜
40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基;炭素
原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリー
ル基;炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリ
ールアルケニル基;またはハロゲン原子、好ましくは塩
素原子である。R1およびR2は互いに同じでも異なって
いてもよい。
【0052】式[6]において、R3およびR4は、水素
原子;ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、塩素原子
または臭素原子;ハロゲン化されていてもよい炭素原子
数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基;炭素原子
数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基;−N(R
10)2、−SR10、−OSi(R10)3、−Si(R10)3
たは−P(R10)2基である。上記R10はハロゲン原子、
好ましくは塩素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは
1〜3のアルキル基;または炭素原子数6〜10、好ま
しくは6〜8のアリール基である。R3およびR4は互い
に同じでも異なっていてもよい。R3およびR4は特に水
素原子であることが好ましい。
【0053】式[6]において、R5およびR6は、水素
原子を除くR3およびR4と同じものである。R5および
6は互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは
同じである。R5およびR6は、好ましくはハロゲン化さ
れていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的
にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基およびイソブチル基またはトリフルオロメ
チル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。
【0054】式[6]において、R7は、
【0055】
【化9】
【0056】=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn
−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR11、=C
O、=PR11または=P(O)R11である。上記R11、R
12およびR13は、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数
1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、さらに好ま
しくはメチル基;炭素原子数1〜10のフルオロアルキ
ル基、好ましくはCF3基;炭素原子数6〜10、好ま
しくは6〜8のアリール基;炭素原子数6〜10のフル
オロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル
基;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキ
シ基、特に好ましくはメトキシ基;炭素原子数2〜1
0、好ましくは2〜4のアルケニル基;炭素原子数7〜
40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基;炭素
原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケ
ニル基;または炭素原子数7〜40、好ましくは7〜1
2のアルキルアリール基である。「R11とR12」または
「R11とR13」とは、それぞれそれらが結合する原子と
一緒になって環を形成してもよい。R11、R12およびR
13は互いに同じでも異なっていてもよい。
【0057】上記M2は、ケイ素、ゲルマニウムまたは
錫、好ましくはケイ素またはゲルマニウムである。式
[6]において、R7は、=CR1112、=SiR11
12、=GeR1112、−O−、−S−、=SO、=PR
11または=P(O)R11であることが好ましい。
【0058】式[6]において、R8およびR9としては
上記R11と同じものが挙げられる。R8およびR9は互い
に同じであっても異なっていてもよい。式[6]におい
て、mおよびnは、それぞれ0、1または2、好ましく
は0または1であり、m+nは0、1または2、好まし
くは0または1である。mおよびnは互いに同じであっ
ても異なっていてもよい。
【0059】式[6]で表わされるメタロセン化合物
(a−3)としては、下記化合物などが挙げられる。ra
c-エチレン(2-メチル-1- インデニル)2-ジルコニウム
-ジクロライド、rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-
インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド。
【0060】式[6]で表わされるメタロセン化合物
(a−3)は、公知の方法にて製造することができる
(たとえば、特開平4−268307号公報)。メタロ
セン化合物(a−3)としては、下記式[7]で表わさ
れるメタロセン化合物を用いることもできる。
【0061】
【化10】
【0062】式[7]において、Mは周期律表4族の遷
移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウ
ム、ハフニウムなどである。式[7]において、R1
よびR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原
子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜
20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有
基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示
す。
【0063】R1およびR2としては、具体的には、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、
オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニ
ル、アダマンチル等のアルキル基、ビニル、プロペニ
ル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジル、フ
ェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル
基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチル
フェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェ
ニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フ
ェナントリル等のアリール基などの炭素原子数1〜20
の炭化水素基;前記炭化水素基にハロゲン原子が置換し
た炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基;メチル
シリル、フェニルシリル等のモノ炭化水素置換シリル、
ジメチルシリル、ジフェニルシリル等のジ炭化水素置換
シリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプ
ロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニ
ルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニル
シリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリル等のト
リ炭化水素置換シリル、トリメチルシリルエーテル等の
炭化水素置換シリルのシリルエーテル、トリメチルシリ
ルメチル等のケイ素置換アルキル基、トリメチルシリル
フェニル等のケイ素置換アリール基などのケイ素含有
基;ヒドロオキシ基;メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ等のアルコキシ基、フェノキシ、メチルフ
ェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシ等のアリロ
−キシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ等のア
リールアルコキシ基などの酸素含有基;前記酸素含有基
の酸素がイオウに置換した置換基などのイオウ含有基;
アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘ
キシルアミノ等のアルキルアミノ基、フェニルアミノ、
ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミ
ノ、メチルフェニルアミノ等のアリールアミノ基または
アルキルアリールアミノ基などの窒素含有基;ジメチル
フォスフィノ、ジフェニルフォスフィノ等のフォスフィ
ノ基などのリン含有基などが挙げられる。
【0064】これらのうち、R1は炭化水素基であるこ
とが好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭
素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。ま
たR 2は水素原子または炭化水素基が好ましく、特に水
素原子、あるいはメチル、エチルまたはプロピルの炭素
原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。式
[7]において、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ
独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の
炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素
基を示す。これらの中では、水素原子、炭化水素基また
はハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R3
4、R4とR5、R5とR6のうち少なくとも1組は、そ
れらが結合している炭素原子と一緒になって、単環の芳
香族環を形成していてもよい。また芳香族環を形成する
基以外の基は、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基
が2種以上ある場合には、これらが互いに結合して環状
になっていてもよい。なお、R6が芳香族基以外の置換
基である場合、水素原子であることが好ましい。
【0065】式[7]のR3、R4、R5およびR6におい
て、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、
前記R1およびR2と同じものが挙げられる。式[7]に
おいて、X1およびX2は、それぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素
原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基ま
たはイオウ含有基を示す。
【0066】ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化
水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、
酸素含有基としては、具体的には、前記R1およびR2
同じものを例示することができる。またイオウ含有基と
しては、具体的には、前記R1、R2と同じ基、およびメ
チルスルフォネート、トリフルオロメタンスルフォネー
ト、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネー
ト、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンス
ルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネー
ト、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロ
ベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基;メチル
スルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンス
ルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチル
ベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスル
フィネート等のスルフィネート基などを例示することが
できる。
【0067】式[7]において、Yは、炭素原子数1〜
20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価の
ハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲ
ルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO
−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR7−、−P
(R7)−、−P(O)(R7)−、−BR7−または−AlR7
−(ただし、R7は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基である。)を示す。
【0068】式[7]において、R3とR4、R4とR5
5とR6のうち少なくとも1組が互いに結合して形成す
る単環の芳香族環を含む、Mに配位する配位子として
は、下記式[8]〜[10]で表わされるものなどが挙
げられる。
【0069】
【化11】
【0070】〔式[8]〜[10]中、Yは式[7]の
Yと同じである。〕メタロセン化合物(a−3)として
は、また下記式[11]で表わされる遷移金属化合物を
用いることもできる。
【0071】
【化12】
【0072】〔式[11]中、M、R1、R2、R3
4、R5およびR6は、それぞれ前記式[7]のM、
1、R2、R3、R4、R5、R6と同じである。〕 式[11]において、R3、R4、R5およびR6のうち、
3を含む2個の基がアルキル基であることが好まし
く、R3とR5、またはR3とR6がアルキル基であること
が好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキ
ル基であることが好ましい。またこのアルキル基は、ハ
ロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハ
ロゲン原子、ケイ素含有基としては、R1、R2で例示し
た置換基が挙げられる。
【0073】式[11]におけるR3、R4、R5および
6のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であるこ
とが好ましい。炭素原子数1〜20の炭化水素基として
は、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチ
ル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、
ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチ
ル等の鎖状アルキル基および環状アルキル基;ベンジ
ル、フェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチル
等のアリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3
重結合を含んでいてもよい。
【0074】また式[11]におけるR3、R4、R5
よびR6は、これらから選ばれる2種の基が互いに結合
して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していても
よい。ハロゲン原子としては、前記R1およびR2と同じ
ものが挙げられる。X1、X2およびYとしては、前記式
[7]の場合と同じものが挙げられる。前記式[11]
で表わされるメタロセン化合物(a−3)の具体的な例
を下記に示す。
【0075】rac-ジメチルシリレン- ビス(4,7-ジメチ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン-
ビス(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド。
【0076】上記のような化合物において、ジルコニウ
ム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換えた
遷移金属化合物を用いることもできる。上記遷移金属化
合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型または
S型を用いることもできる。式[11]で表わされるメ
タロセン化合物(a−3)として、次のような化合物を
使用することもできる。
【0077】R1としては炭化水素基であることが好ま
しく、特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルの炭
素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましい。X
1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜2
0の炭化水素基であることが好ましい。R3は、炭素原
子数6〜16のアリール基を示し、具体的には、フェニ
ル、α−ナフチル、β−ナフチル、アントラセニル、フ
ェナントリル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル
(ペリナフテニル)、アセアントリレニルなどである。
これらのうちフェニル、ナフチルであることが好まし
い。これらのアリール基は、前記R1と同じハロゲン原
子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数
1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよ
い。
【0078】このような遷移金属化合物(メタロセン化
合物)の具体的な例を示す。rac-ジメチルシリレン- ビ
ス(4-フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4- フェニ
ル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメ
チルシリレン- ビス(2-メチル-4-(α−ナフチル)-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシ
リレン- ビス(2-メチル-4-(β−ナフチル)-1- インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、rac-ジメチルシリレン
- ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニル)-1- インデニ
ル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0079】また上記化合物において、ジルコニウム金
属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置換えた遷
移金属化合物を用いることもできる。またメタロセン化
合物(a−3)として、下記式[12]で表わされる化
合物を用いることもできる。 LaMX2 ・・・[12] 〔式[12]中、Mは、周期律表4族またはランタニド
系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体で
あり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与している
基である。
【0080】Xは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン
または20以下の炭素を含有する炭化水素基である。〕
式[12]で表わされる化合物の中では、下記式[1
3]で表わされる化合物が好ましい。
【0081】
【化13】
【0082】式[13]中、Mはチタン、ジルコニウム
またはハフニウム、Xは式[12]のXと同じである。
CpはMにπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換
シクロペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホ
ウ素または周期律表14族の元素(たとえばケイ素、ゲ
ルマニウムまたは錫)、Yは窒素、リン、酸素またはイ
オウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成して
もよい。
【0083】このような式[13]で表わされる化合物
としては、具体的には、(ジメチル(t-ブチルアミド)
(テトラメチル-η5 -シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、((t-ブチルアミド)(テトラメチ
ル-η5 -シクロペンタジエニル)-1,2- エタンジイル)
チタンジクロリドなどが挙げられる。
【0084】また上記メタロセン化合物において、チタ
ンをジルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物を
挙げることもできる。式[12]または[13]で表わ
されるメタロセン化合物(a−3)としては、中心の金
属原子Mがジルコニウムであり、少なくとも2個のシク
ロペンタジエニル骨格を含む配位子を有するジルコノセ
ン化合物が好ましく用いられる。
【0085】またメタロセン化合物(a−3)として
は、下記式[14]で表わされる周期律表4族の遷移金
属化合物を使用することもできる。
【0086】
【化14】
【0087】式[14]中、Mは周期律表4族の遷移金
属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム
またはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムであ
る。式[14]のR1は、互いに同一でも異なっていて
もよく、そのうち少なくとも1個以上が炭素原子数11
〜20のアリール基、炭素原子数12〜40のアリール
アルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニ
ル基、炭素原子数12〜40のアルキルアリール基また
はケイ素含有基であるか、あるいはR1で示される基の
うち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する
炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂
肪族環を形成している。この場合、R 1により形成され
る環はR1が結合する炭素原子を含んで全体として炭素
原子数が4〜20である。
【0088】式[14]のR1で示される基のうち隣接
する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子
とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を
形成した例としては、縮合したフェニル基、縮合したシ
クロヘキシル基、縮合したシクロペンタジエニル基、縮
合したジヒドロシクロペンタジエニル基、縮合したイン
デニル基、縮合したテトラヒドロインデニル基、縮合し
たフルオレニル基、縮合したテトラヒドロフルオレニル
基、縮合したオクタヒドロフルオレニル基などが挙げら
れる。なお、これらの基は、鎖状アルキル基、環状アル
キル基、ハロゲン原子、ハロゲン置換アルキル基、アリ
ール基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または
リン含有基で置換されていてもよい。
【0089】アリール基、アリールアルキル基、アリー
ルアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、
脂肪族環を形成しているR1以外のR1は、水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケ
イ素含有基である。ケイ素含有基としては、メチルシリ
ル、フェニルシリル、ジメチルシリル、ジエチルシリ
ル、ジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチル
シリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリ
ル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メ
チルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチ
ルシリルなどの基が挙げられる。
【0090】なお、上記のようなアルキル基、アリール
基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アル
キルアリール基は、ハロゲン原子で置換されていてもよ
い。式[14]においてR2は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1
〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール
基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7
〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のア
リールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルア
リール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、
窒素含有基またはリン含有基である。
【0091】また、式[14]のR2で示される基のう
ち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭
素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪
族環を形成していてもよい。この場合、R2により形成
される環はR2が結合する炭素原子を含んで全体として
炭素原子数が4〜20であり、芳香族環、脂肪族環を形
成しているR2以外のR2は、水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基で
ある。
【0092】炭素原子数1〜10のアルキル基およびハ
ロゲン原子としては、前記と同じ基および原子を例示す
ることができる。炭素原子数6〜20のアリール基とし
ては、フェニル、ビフェニリル、α−またはβ−ナフチ
ル、アントリル、フェナントリルなどが挙げられる。炭
素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニル、プ
ロペニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。
【0093】炭素原子数7〜40のアリールアルキル基
としては、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピ
ル、フェナントリルメチル、フェナントリルエチル、フ
ェナントリルプロピルなどが挙げられる。炭素原子数8
〜40のアリールアルケニル基としては、スチリル、ビ
ニルフェナントリルなどが挙げられる。
【0094】炭素原子数7〜40のアルキルアリール基
としては、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェ
ニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、メチルナフ
チル、メチルフェナントリル、エチルフェナントリル、
プロピルフェナントリルなどが挙げられる。ケイ素含有
基としては、前記と同じ基が挙げられる。
【0095】酸素含有基としては、ヒドロオキシ基、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキ
シ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノ
キシ、ナフトキシ等のアリロキシ基、フェニルメトキ
シ、フェニルエトキシ等のアリールアルコキシ基などが
挙げられる。イオウ含有基としては、前記酸素含有基の
酸素がイオウに置換した置換基、およびメチルスルホネ
ート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルス
ルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンス
ルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、ト
リイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼ
ンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネ
ート等のスルフォネート基、メチルスルフィネート、フ
ェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p-ト
ルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネ
ート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート等のスル
フィネート基などが挙げられる。
【0096】窒素含有基としては、アミノ基、メチルア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルア
ミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノ等のア
ルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、
ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルア
ミノ等のアリールアミノ基またはアルキルアリールアミ
ノ基などが挙げられる。
【0097】リン含有基としては、ジメチルフォスフィ
ノ、ジフェニルフォスフィノなどが挙げられる。これら
のうちR2は、水素原子またはアルキル基であることが
好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、プロピ
ルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好まし
い。
【0098】このような置換基としてR2を有するフル
オレニル基としては、2,7-ジアルキル- フルオレニル基
が好適な例として挙げられ、この場合の2,7-ジアルキル
のアルキル基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基
が挙げられる。また、上述したR1とR2は、互いに同一
でも異なっていてもよい。式[14]のR3およびR
4は、互いに同一でも異なっていてもよく、前記と同じ
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキ
ル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2
〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリール
アルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル
基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素
含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基または
リン含有基である。
【0099】これらのうち、R3およびR4は、少なくと
も一方が炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好
ましい。式[14]のX1およびX2は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロ
ゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは
窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエ
ン残基であり、具体的には、ハロゲン原子、酸素含有
基、イオウ含有基および窒素含有基としては、前記と同
じ原子または基を例示することができる。
【0100】X1とX2とから形成された共役ジエン残基
としては、η4 -1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、η4
-1,3-ブタジエン、η4 -1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエ
ン、η4 -1-フェニル-1,3-ペンタジエン、η4 -3-メチ
ル-1,3-ペンタジエン、η4 -1,4-ビス(トリメチルシリ
ル)-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、η4-
2,4-ヘキサジエン、イソプレンなどが挙げられる。X1
とX2とから形成された共役ジエン残基としては、1,3-
ブタジエン、2,4-ヘキサジエン、1-フェニル-1,3- ペン
タジエン、1,4-ジフェニルブタジエンの残基が好まし
く、これらの残基は、さらに炭素原子数1〜10の炭化
水素基で置換されていてもよい。
【0101】これらのうち、ハロゲン原子、炭素原子数
1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であることが
好ましい。式[14]のYは、炭素原子数1〜20の2
価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン
化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウ
ム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S
−、−SO−、−SO2−、−NR5−、−P(R5
−、−P(O)(R5)−、−BR5−または−AlR 5
−〔ただし、R5は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基である。〕を示す。
【0102】これらの2価の基のうちでも、式[14]
で表わされる−Y−の最短連結部が1個または2個の原
子で構成されているものが好ましい。また、R5は、前
記と同じハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素
基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基であ
る。これらのうちYは、炭素原子数1〜5の2価の炭化
水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム
含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であ
ることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルア
リールシリレンまたはアリールシリレンであることが特
に好ましい。
【0103】またメタロセン化合物(a−3)として
は、下記式[15]で表わされる遷移金属化合物を用い
ることもできる。
【0104】
【化15】
【0105】式[15]中、Mは周期律表4族の遷移金
属原子であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウムま
たはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムであ
る。式[15]のR6は、互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10
のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素
原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含
有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であ
り、具体的には、ハロゲン原子および炭素原子数1〜1
0のアルキル基としては、前記式[14]におけるR1
と同じものをあげることができ、ケイ素含有基、酸素含
有基、イオウ含有基、窒素含有基およびリン含有基とし
ては、前記式[14]におけるR 2と同じものを挙げる
ことができる。
【0106】炭素原子数6〜10のアリール基として
は、フェニル、α−またはβ−ナフチルなどが挙げられ
る。炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、ビニ
ル、プロペニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。
なお、上記のようなアルキル基およびアルケニル基は、
ハロゲン原子が置換していてもよい。
【0107】これらのうちR6は、アルキル基、アリー
ル基または水素原子であることが好ましく、特にメチ
ル、エチル、n-プロピル、i-プロピルの炭素原子数1〜
3の炭化水素基、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチ
ルなどのアリール基または水素原子であることが好まし
い。式[15]のR7は、互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10
のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素
原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40の
アリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールア
ルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール
基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基またはリン含有基であり、具体的には、前記式[1
4]におけるR2と同じものを挙げることができる。
【0108】なお、上記のようなアルキル基、アリール
基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアル
ケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲン原子が置換
していてもよい。これらのうちR7は、水素原子または
アルキル基であることが好ましく、特に水素原子または
メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、
tert-ブチルの炭素原子数1〜4の炭化水素基であるこ
とが好ましい。
【0109】また、前記R6とR7は、互いに同一でも異
なっていてもよい。式[15]のR8およびR9は、いず
れか一方が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、他方
は前記式[14]におけるR2と同じ水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数
2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、
イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
【0110】炭素原子数1〜5のアルキル基としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどが挙
げられる。これらのうち、R8およびR9は、いずれか一
方がメチル、エチル、プロピルなどの炭素原子数1〜3
のアルキル基であり、他方は水素原子であることが好ま
しい。
【0111】式[15]のX1およびX2は、互いに同一
でも異なっていてもよく、前記式[14]におけるX1
およびX2と同じ水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数
1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン
化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素
含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残
基である。
【0112】これらのうち、ハロゲン原子または炭素原
子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。式
[15]のYは、前記式[14]におけるYと同じ炭素
原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜2
0の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有
基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−
O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−N
5−、−P(R5)−、−P(O)(R5)−、−BR5
−または−AlR5−〔ただし、R5は水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数
1〜20のハロゲン化炭化水素基である。〕を示す。
【0113】これらのうちYは、炭素原子数1〜5の2
価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲル
マニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含
有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、ア
ルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンである
ことが特に好ましい。メタロセン化合物(a−3)は、
単独で、あるいは2種以上組み合せて用いられる。また
メタロセン化合物(a−3)は、炭化水素またはハロゲ
ン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。さらにメタ
ロセン化合物(a−3)は、粒子状担体化合物と接触さ
せて用いることもできる。
【0114】次に、メタロセン系触媒を形成する際に用
いられる有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)およ
びイオン化イオン性化合物(c−1)について説明す
る。有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)は、公知
のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)であって
もよい。
【0115】このような公知のアルミノオキサンは、具
体的には、下記式[16]または[17]で表わされ
る。
【0116】
【化16】
【0117】〔式[16]および[17]において、R
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭
化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に
好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5
〜40の整数である。〕式[16]または[17]にお
いて、アルミノオキサンは式(OAl(R1 ))で表わさ
れるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl
(R2 ))で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位
[ここで、R1およびR2は、Rと同じ炭化水素基を例示
することができ、R1およびR2は相異なる基を表わ
す。]からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位か
ら形成されていてもよい。
【0118】なお有機アルミニウムオキシ化合物(b−
2)は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成
分を含有していてもよい。イオン化イオン性化合物(イ
オン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合
もある)(c−1)としては、ルイス酸、イオン性化合
物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示するこ
とができる。
【0119】上記ルイス酸としては、BR3(Rは、フ
ッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を
有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で
表わされる化合物が挙げられる。ルイス酸としては、具
体的には、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、
トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジ
フルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチル
フェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)
ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリ
ル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンな
どが挙げられる。
【0120】前記イオン性化合物としては、トリアルキ
ル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウ
ム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフ
ォニウム塩などが挙げられる。イオン性化合物としての
トリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチル
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピル
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げ
られる。
【0121】イオン性化合物としてのジアルキルアンモ
ニウム塩としては、ジ(1-プロピル)アンモニウムテト
ラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシ
ルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げら
れる。前記イオン性化合物としては、トリフェニルカル
ベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げること
もできる。
【0122】前記ボラン化合物としては、デカボラン
(9);ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ノナボ
レート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕デカボ
レート、ビス〔トリ(n-ブチル)アンモニウム〕ビス
(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩
(III)等の金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
前記カルボラン化合物としては、4-カルバノナボラン
(9)、1,3-ジカルバノナボラン(8)、ビス〔トリ
(n-ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライ
ド-7- カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)等
の金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
【0123】上記のようなイオン化イオン性化合物(c
−1)は、単独で、あるいは2種以上組み合せて用いら
れる。また、有機アルミニウムオキシ化合物(b−2)
およびイオン化イオン性化合物(c−1)は、前記担体
化合物に担持させて用いることもできる。また、メタロ
セン系触媒を形成するに際しては、有機アルミニウムオ
キシ化合物(b−2)またはイオン化イオン性化合物
(c−1)とともに、前記有機アルミニウム化合物(b
−1)を用いてもよい。
【0124】本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴ
ム(A)を製造するには、前記チタン系触媒、バナジウ
ム系触媒またはメタロセン系触媒の存在下に、エチレ
ン、炭素原子数3〜20のα- オレフィン、前記式
[1]で表わされるトリエン化合物および非共役ポリエ
ンを、通常液相で共重合させる。この際、一般に炭化水
素溶媒が用いられるが、α- オレフィンを溶媒として用
いてもよい。
【0125】このような炭化水素溶媒としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導
体;シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシ
クロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘
導体;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン
等の芳香族炭化水素およびそのハロゲン誘導体などが用
いられる。これら溶媒は、組み合せて用いてもよい。
【0126】エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレ
フィン、トリエン化合物および非共役ポリエンは、バッ
チ法あるいは連続法いずれの方法で共重合されてもよ
い。共重合をバッチ法で実施するに際しては、前記触媒
は、以下のような濃度で用いられる。固体状チタン触媒
成分(a−1)と有機アルミニウム化合物(b−1)と
からなるチタン系触媒が用いられる場合には、固体状チ
タン触媒成分(a−1)は、重合容積1リットル当た
り、チタン原子に換算して、通常約0.001〜約1.
0ミリモル、好ましくは約0.005〜0.5ミリモル
の量で用いられる。また有機アルミニウム化合物(b−
1)は、固体状チタン触媒成分(a−1)中のチタン原
子1モルに対して、有機アルミニウム化合物(b−1)
中の金属原子として通常約10〜500モル、好ましく
は20〜200モルとなるような量で用いられる。電子
供与体を使用する場合は、電子供与体は、有機アルミニ
ウム化合物(b−1)中の金属原子1モル当たり、通常
約0.001〜10モル、好ましくは0.01〜2モ
ル、特に好ましくは0.05〜1モルとなるような量で
用いられる。
【0127】可溶性バナジウム化合物(a−2)と有機
アルミニウム化合物(b−1)とからなるバナジウム系
触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性バナジウ
ム化合物の濃度は、通常0.01〜5ミリモル/リット
ル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリモル/リ
ットルである。可溶性バナジウム化合物(a−2)は、
重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度の1
0倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜
5倍の濃度で供給されることが望ましい。また有機アル
ミニウム化合物(b−1)は、重合系内のバナジウム原
子に対するアルミニウム原子のモル比(Al/V)で2
以上、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜20
の量で供給される。
【0128】可溶性バナジウム化合物(a−2)および
有機アルミニウム化合物(b−1)は、通常前記炭化水
素溶媒、液状のエチレンまたは前記トリエン化合物など
で希釈されて供給される。この際、可溶性バナジウム化
合物(a−2)は上記濃度に希釈されることが望ましい
が、有機アルミニウム化合物(b−1)は重合系内にお
ける濃度の例えば50倍以下の任意の濃度に調整して重
合系内に供給されることが望ましい。
【0129】またメタロセン化合物(a−3)と、有機
アルミニウムオキシ化合物(b−2)またはイオン化イ
オン性化合物(a−1)とからなるメタロセン系触媒が
用いられる場合には、重合系内のメタロセン化合物(a
−3)の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル
/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜
0.05ミリモル/リットルである。また有機アルミニ
ウムオキシ化合物(b−2)は、重合系内のメタロセン
化合物中の遷移金属に対するアルミニウム原子のモル比
(Al/遷移金属)で1〜10000、好ましくは10
〜5000の量で供給される。
【0130】イオン化イオン性化合物(c−1)の場合
は、重合系内のメタロセン化合物(a−3)に対するイ
オン化イオン性化合物(c−1)のモル比(イオン化イ
オン性化合物(c−1)/メタロセン化合物(a−
3))で0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給
される。また有機アルミニウム化合物(b−1)が用い
られる場合には、通常約0〜5ミリモル/リットル(重
合度積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとな
るような量で用いられる。
【0131】前記チタン系触媒の存在下に、エチレン、
炭素原子数3〜20のα- オレフィン、トリエン化合物
および非共役ポリエンなどの単量体を共重合させる場合
には、共重合反応は、通常、温度が−20〜+150
℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜1
00℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kgf
/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.
9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件
下に行なわれる。
【0132】前記バナジウム系触媒の存在下に、エチレ
ン、炭素原子数3〜20のα- オレフィン、トリエン化
合物および非共役ポリエンなどの単量体を共重合させる
場合には、共重合反応は、通常、温度が−50〜+10
0℃、好ましくは−30〜+80℃、さらに好ましくは
−20〜+60℃で、圧力が0を超えて4.9MPa
(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0
を超えて2.0MPa(20kgf/cm2、ゲージ
圧)以下の条件下に行なわれる。
【0133】前記メタロセン触媒の存在下に、エチレ
ン、炭素原子数3〜20のα- オレフィン、トリエン化
合物および非共役ポリエンなどの単量体を共重合させる
場合には、共重合反応は、通常、温度が−20〜+15
0℃、好ましくは0〜120℃、さらに好ましくは0〜
100℃で、圧力が0を超えて7.8MPa(80kg
f/cm2、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて
4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の
条件下に行なわれる。
【0134】共重合に際して、エチレン、炭素原子数3
〜20のα- オレフィン、トリエン化合物および非共役
ポリエン、ならびに必要により用いられる他のモノマー
は、前記特定組成のエチレン系共重合体ゴム(A)が得
られるような量で重合系に供給される。また共重合に際
しては、水素などの分子量調節剤を用いることもでき
る。
【0135】加硫剤(B) 本発明で用いられる加硫剤(B)としては、イオウまた
はイオウ系化合物が挙げられる。イオウの形態は特に限
定されず、たとえば粉末イオウ、沈降イオウ、コロイド
イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどを用いるこ
ができる。
【0136】イオウ系化合物としては、具体的には、塩
化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、モルホリン
ジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テト
ラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバ
ミン酸セレンなどが挙げられる。加硫剤(B)は、エチ
レン系共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常
0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量
で用いられる。
【0137】また、加硫剤(B)および後述する加硫促
進剤(C)とともに、加硫助剤を用いてもよい。加硫助
剤としては、具体的には、イオウ(この場合、イオウ系
化合物を加硫剤として使用する。);p- キノンジオキ
シム等のキノンジオキシム系化合物;トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート等の(メタ)アクリレート系化合物;ジア
リルフタレート、トリアリルシアヌレート等のアリル系
化合物;m- フェニレンビスマレイミド等のマレイミド
系化合物;ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0138】加硫促進剤(C) 本発明で用いられる加硫促進剤(C)は、チウラム類
(C1)であり、さらにチアゾール類(C2)および/
またはジチオカルバミン酸塩類(C3)を併用してもよ
い。 [チウラム類(C1)]本発明では用いられるチウラム
類(C1)としては、テトラメチルチウラム・ジスルフ
ィド、テトラメチルチウラム・モノスルフィド、ジペン
タメチレンチウラム・テトラスルフィドおよびテトラエ
チルチウラム・ジスルフィドから選ばれる少なくとも2
種類の化合物を用いるのが好ましい。
【0139】上記チウラム類(C1)のうち2種類を使
用する場合、どのような組み合わせでもよいが、テトラ
メチルチウラム・ジスルフィドとジペンタメチレンチウ
ラム・テトラスルフィドとの組み合わせ、およびテトラ
メチルチウラム・モノスルフィドとジペンタメチレンチ
ウラム・テトラスルフィドとの組み合わせが特に好まし
い。
【0140】チウラム類(C1)の加硫促進剤それぞれ
の含有量は、エチレン系共重合体ゴム(A)100重量
部に対して、好ましくは0.1〜2.0重量部、さらに
好ましくは0.4〜1.5重量部、より好ましくは0.
5〜1.2重量部の範囲であり、チウラム類(C1)全
体の含有量は、好ましくは0.2〜6.0重量部、さら
に好ましくは1.0〜6.0重量部、より好ましくは
1.2〜6.0重量部の範囲である。
【0141】チウラム類(C1)の加硫促進剤の含有量
が上記のような範囲内にあると、得られる加硫ゴム製品
表面においてブルーミングすることなく、かつ、圧縮永
久歪みの値が小さい、すなわちシール性が良好な加硫ゴ
ム製品を提供できるゴム組成物が得られる。 [チアゾール類(C2)]本発明で加硫促進剤(C)の
一成分として必要に応じて用いられるチアゾール類(C
2)としては、具体的には、2-メルカプトベンゾチアゾ
ール、ベンゾチアゾリル・ジサルファイド、2-メルカプ
トベンゾチアゾールの亜鉛塩、2-(4'-モルホリノ・ジチ
オ)ベンゾチアゾールなどが挙げられる。中でも、2-メ
ルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
【0142】チアゾール類(C2)の含有量は、エチレ
ン系共重合体ゴム(A)100重量部に対して、好まし
く0.1〜2.0重量部、さらに好ましくは0.5〜
1.5重量部の範囲である。チアゾール類(C2)の含
有量が上記のような範囲内にあると、加硫速度が速く、
しかも、機械的強度特性に優れる加硫ゴム製品を提供で
きるゴム組成物が得られる。
【0143】[ジチオカルバミン酸塩類(C3)]本発
明で加硫促進剤(C)の一成分として必要に応じて用い
られるジチオカルバミン酸塩類(C3)としては、具体
的には、ジメチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブ
チル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチル・ジチオカル
バミン酸亜鉛、エチルフェニル・ジチオカルバミン酸亜
鉛、ジベンジル・ジチオカルバミン酸亜鉛などが挙げら
れる。中でも、ジメチル・ジチオカルバミン酸亜鉛、ジ
-n-ブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛が好ましい。
【0144】ジチオカルバミン酸塩類(C3)の含有量
は、エチレン系共重合体ゴム(A)100重量部に対し
て、好ましくは0.1〜2.0重量部、さらに好ましく
は0.5〜2.0重量部の範囲である。ジチオカルバミ
ン酸塩類(C3)の含有量が上記のような範囲内にある
と、加硫速度が速く、機械的強度特性に優れる加硫ゴム
製品を提供できるゴム組成物が得られる。
【0145】発泡剤(D) 本発明で必要に応じて用いられる発泡剤(D)として
は、一般的にゴムを発泡成形する際に用いられる発泡剤
を広く使用することができ、具体的には、重炭酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アン
モニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;N,N'-
ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'- ジ
ニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合
物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼ
ン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒ
ドラジド、p,p'- オキシビス(ベンゼンスルホニルヒ
ドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒ
ドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウム
アジド、4,4-ジフェニルジスルホニルアジド、p- トル
エンスルホルニルアジド等のアジド化合物などが挙げら
れる。
【0146】これらのうちでは、ニトロソ化合物、アゾ
化合物、アジド化合物が好ましい。発泡剤(D)は、エ
チレン系共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通
常、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の
量で用いられる。このような量で発泡剤(D)を含有す
るゴム組成物からは、見かけ比重が0.03〜0.8g
/cm3の発泡体を製造することができる。
【0147】また、発泡剤(D)とともに発泡助剤を用
いることもでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤(D)
の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの効果
がある。このような発泡助剤としては、具体的には、サ
リチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸等の有機
酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。発泡助剤
は、エチレン系共重合体ゴム(A)100重量部に対し
て、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜
5重量部の量で用いられる。
【0148】その他の成分 本発明に係るゴム組成物は、エチレン系共重合体ゴム
(A)、加硫剤(B)および加硫促進剤(C)の他に、
目的に応じて、上記の発泡剤(D)、発泡助剤、さらに
は他の成分を適宜含有することができるが、エチレン系
共重合体ゴム(A)を、全ゴム組成物中20重量%以
上、好ましくは25重量%以上の量で含有していること
が望ましい。ゴム組成物中におけるエチレン系共重合体
ゴム(A)含有量が上記範囲内にある場合に、ゴム組成
物としての良好な物性が発現する。
【0149】他の成分としては、たとえば補強剤、無機
充填剤、軟化剤、酸化防止剤、耐光安定剤等の安定剤、
加工助剤、金属活性化剤、可塑剤、着色剤、難燃剤など
のゴム配合剤を挙げることができる。他の成分は、用途
に応じてその種類、含有量が適宜選択されるが、これら
のうちでも特に補強剤、無機充填剤、軟化剤などを用い
ることが好ましく、以下に、より具体的に示す。
【0150】[補強剤および無機充填剤]補強剤として
は、具体的には、SRF、GPF、FEF、MAF、H
AF、ISAF、SAF、FT、MTなどのカーボンブ
ラック、これらカーボンブラックをシランカップリング
剤などで表面処理したもの、シリカ、活性化炭酸カルシ
ウム、微粉タルク、微粉ケイ酸などが挙げられる。
【0151】無機充填剤としては、具体的には、軽質炭
酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーな
どが挙げられる。本発明に係るゴム組成物は、補強剤お
よび/または無機充填剤を、エチレン系共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、通常300重量部以下、
好ましくは10〜300重量部、さらに好ましくは10
〜200重量部の量で含有させることが望ましい。
【0152】上記のような量の補強剤を含有するゴム組
成物からは、引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械
的性質が向上された加硫ゴムが得られる。また、無機充
填剤を上記のような量で配合すると、加硫ゴムの他の物
性を損なうことなく硬度を高くすることができ、またコ
ストを引き下げることができる。 [軟化剤]軟化剤としては、従来ゴムに配合されている
軟化剤が広く用られ、具体的には、プロセスオイル、潤
滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファル
ト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール、コール
タールピッチ等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、ア
マニ油、ナタネ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;トール
油、サブ、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ
類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛等の脂肪
酸および脂肪酸塩;石油樹脂、アタクチックポリプロピ
レン、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質などが
用いられる。
【0153】これらのうちでも石油系軟化剤が好まし
く、特にプロセスオイルが好ましい。上記のような軟化
剤は、エチレン系共重合体ゴム(A)100重量部に対
して、通常200重量部以下、好ましくは10〜200
重量部、さらに好ましくは10〜150重量部、特に好
ましくは10〜100重量部の量で用いられる。 [酸化防止剤]本発明に係るゴム組成物は、酸化防止剤
を含有していると材料寿命を長くすることができるため
好ましい。
【0154】このような酸化防止剤としては、具体的に
は、フェニルナフチルアミン、4,4'-(α,α- ジメチル
ベンジル)ジフェニルアミン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-
フェニレンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;2,
6-ジ-t- ブチル-4- メチルフェノール、テトラキス-[メ
チレン-3-(3',5'-ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン等のフェノール系安定剤;
ビス[2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキ
シ)-5-t- ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテ
ル系安定剤;2-メルカプトベンゾイミダゾール等のベン
ゾイミダゾール系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸
ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系安定剤;2,2,4-ト
リメチル-1,2- ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン
系安定剤などが挙げられる。これらは、1種単独で、ま
たは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0155】このような酸化防止剤は、エチレン系共重
合体ゴム(A)100重量部に対して、5重量部以下、
好ましくは3重量部以下の量で適宜用いることができ
る。 [加工助剤]加工助剤としては、一般的に加工助剤とし
てゴムに配合されるものを広く使用することができる。
具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン
酸、ラウリン酸等の酸、これら高級脂肪酸の塩たとえば
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸カルシウムまたはエステル類などが挙げられる。
【0156】加工助剤は、エチレン系共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、10重量部以下、好まし
くは5重量部以下の量で適宜用いることができる。 [金属活性化剤]金属活性化剤としては、具体的には、
酸化マグネシウム、亜鉛華、炭酸亜鉛、高級脂肪酸亜
鉛、鉛丹、リサージ、酸化カルシウムなどが挙げられ
る。これらの金属活性化剤は、エチレン系共重合体ゴム
(A)100重量部に対して、通常3〜15重量部、好
ましくは5〜10重量部の量で用いられる。
【0157】ゴム組成物の調製 本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エチレン系共重
合体ゴム(A)、加硫剤(B)、加硫促進剤(C)、お
よび必要に応じて発泡剤(D)、前記したような他の成
分から、一般的なゴム配合物の調製方法により調製する
ことができる。たとえばバンバリー式ミキサー、ニーダ
ー、インターミックスのようなインターナルミキサー類
を用いて、エチレン系共重合体ゴム(A)および他の成
分を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練した
後、加硫剤(B)、加硫促進剤(C)および必要に応じ
て加硫助剤、発泡剤(D)などを加えて、オープンロー
ルなどのロ−ル類あるいはニーダーを用いて、ロール温
度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しする
ことにより、未加硫の、または未加硫未発泡のゴム組成
物を調製することができる。
【0158】このような調製方法によれば、通常リボン
状またはシート状のゴム組成物(配合ゴム)が得られ
る。上記のインターナルミキサー類での混練温度が低い
場合には、加硫剤(B)、加硫促進剤(C)、発泡剤
(D)などを同時に混練することもできる。加硫ゴム製品 本発明に係る加硫ゴム製品は、上記のような未加硫の、
または未加硫未発泡のゴム組成物を、通常、押出成形
機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形
機、トランスファー成形機など種々の成形法よって所望
形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を加硫槽
内に導入して加熱することにより加硫、または加硫発泡
させて得ることができる。
【0159】上記ゴム組成物を加熱により加硫する場合
には、HAV(熱空気加硫槽)、PCM(ガラスビーズ
流動床)、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LC
M(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽を用いて、1
50〜270℃の温度で1〜30分間加熱することが好
ましい。成形・加硫に際しては、金型を用いてもよく、
また金型を用いなくてもよい。金型を用いない場合に
は、ゴム組成物は通常、連続的に成形・加硫される。
【0160】上記のように成形・加硫された加硫ゴム
は、ウェザーストリップ、ドアーグラスランチャンネ
ル、窓枠、ラジエータホース、ブレーキ部品、ワイパー
ブレード等の自動車工業部品;ゴムロール、ベルト、パ
ッキン、ホース等の工業用ゴム製品;アノードキャッ
プ、グロメット等の電気絶縁材;建築用ガスケット、土
木用シート等の土木建材用品;ゴム引布などの用途に用
いることができる。
【0161】また、発泡剤(D)を含有するゴム組成物
を加熱発泡させて得られる加硫ゴム発泡成形体(スポン
ジゴム)は、断熱材、クッション材、シーリング材など
の用途に用いることができる。
【0162】
【発明の効果】本発明によれば、加硫速度が速く、か
つ、スコーチ安定性、形状保持性に優れ、しかも、表面
にブルーミングがなく、圧縮永久歪みの値が小さい、す
なわちシール性が良好な加硫ゴム製品を調製することが
できるゴム組成物、およびその加硫ゴム製品を提供する
ことができる。
【0163】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0164】
【製造例1】[エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノ
ルボルネン(VNB)・4,8-ジメチル-1,4,8- デカトリ
エン(DMDT)共重合体ゴムの合成]撹拌翼を備えた
容量2リットルの重合器を用いて、エチレンとプロピレ
ンと5-ビニル-2- ノルボルネン(VNB)と4,8-ジメチ
ル-1,4,8- デカトリエン(DMDT)との四元共重合反
応を以下のようにして行なった。
【0165】充分窒素置換した容量15リットルの撹拌
翼付きSUS製オートクレーブに、23℃でDMDT3
56ml、ヘプタン6.4リットル、VNB15mlを
装入した。このオートクレーブに、撹拌翼を回し、かつ
氷冷しながらプロピレンを4.1kg/cm2−Gにな
るように導入した。次に、オートクレーブを40℃まで
加熱し、更に、全圧が8kg/cm2−Gとなるように
エチレンで加圧した。
【0166】次に、別の反応器に、トリフェニルカルベ
ニウム(テトラキスペンタフルオロフェニル)ボレート
(旭硝子社製)のトルエン溶液(濃度0.02ミリモル
/ml)15ml、トリイソブチルアルミニウム(東ソ
ー・アクゾ社製)のヘプタン溶液(濃度0.25ミリモ
ル/ml)15ml、公知の方法により合成した[ジメ
チル(t-ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロ
ペンタジエニル)シラン]チタンジクロリド(アルドリ
ッチ社製)のトルエン溶液(0.001ミリモル/m
l)15mlを加え、この混合溶液を15分間撹拌した
後、窒素でオートクレーブに圧入し重合を開始した。そ
の後、60分間、オートクレーブを内温70℃になるよ
うに温度調整し、かつ圧力が8kg/cm2−Gとなる
ように直接的にエチレンの供給を行なった。重合を開始
してから60分後、オートクレーブ内にポンプでメタノ
ール50mlを装入して重合を停止させ、オートクレー
ブ内を大気圧まで脱圧した。上記のようにして得られた
反応溶液に、20リットルのメタノールを撹拌しながら
注いだ。
【0167】次いで、得られた溶媒を含むゴム鞠状の重
合体に、安定剤[重合体約100g当たり、Irgan
ox1010(商品名)(チバガイギー社製)30mg
およびMark329k(商品名)(旭電化工業(株)
製)60mg]を混合した後、130℃、13時間、6
00Torrの条件で減圧乾燥したところ、エチレン/
プロピレンのモル比が76/24であり、VNB含量が
0.2モル%であり、DMDT含量が3.1モル%であ
り、かつ、135℃デカリン中で測定した極限粘度
[η]が2.8dl/gであるエチレン・プロピレン・
VNB・DMDT共重合体ゴム160gを得た。
【0168】
【実施例1】エチレン系共重合体ゴム(A)として、第
1表に示す物性を有するエチレン・プロピレン・5-ビニ
ル-2- ノルボルネン(VNB)・4,8-ジメチル-1,4,8-
デカトリエン(DMDT)共重合体ゴム[エチレン系共
重合体ゴム(A1)と略す]を使用し、第2表に示すよ
うな配合のゴム組成物を調製した。
【0169】すなわち、エチレン系共重合体ゴム(A
1)100重量部、活性亜鉛華[商品名 META−Z
102、井上石灰工業(株)製]5重量部、ステアリン
酸2重量部、SRFカーボンブラック[商品名 旭#5
0HG、旭カーボン(株)製]100重量部、重質炭酸
カルシウム[商品名 ホワイトン−SB、白石カルシウ
ム(株)製]40重量部、およびパラフィン系オイル
(プロセスオイル)[商品名 PW−380、出光興産
(株)製]60重量部を、1.7リットル容量のバンバ
リー式ミキサーを用いて、150℃で混練した。
【0170】次いで、14インチロール(前ロール温度
50℃、後ロール温度50℃)を用いて、上記混練物
に、テトラメチルチウラム・ジスルフィド(TMTDと
略す)[商品名 サンセラーTT、三新化学工業(株)
製]0.8重量部、テトラメチルチウラム・モノスルフ
ィド(TMTMと略す)[商品名 サンセラーTS、三
新化学工業(株)製]0.8重量部、2-メルカプトベン
ゾチアゾール(MBTと略す)[商品名 サンセラー
M、三新化学工業(株)製]1.0重量部、ジ-n-ブチ
ル・ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDCと略す)[商
品名 サンセラーBZ、三新化学工業(株)製]1.2
重量部、イオウ(加硫剤)1.0重量部、金属活性化剤
として酸化カルシウム[商品名 VESTA−20、井
上石灰工業(株)製]8重量部、および発泡剤として
p,p'- オキシビス(ベンゼンスルホニル・ヒドラジ
ド)(OBSHと略す)[商品名 ネオセルボンN#1
000SW、永和化成工業(株)製]4重量部を添加し
て混練し、未加硫・未発泡のゴム組成物を得た。
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】上記のようにして得られた未加硫・未発泡
ゴム組成物の物性は、下記の方法に従って測定した。そ
の結果を第4表に示す。 [1]スコーチタイム ムーニー粘度計SMV−202[商品名;(株)島津製
作所製]を用いて、測定開始から最低粘度(Vm)より
5ポイント上昇するまでの時間を測定し、この時間をス
コーチタイム(t5)とした。なお、測定はゴム組成物
温度125℃で行ない、ローターはL型ローターを使用
した。 [2]加硫速度 加硫速度は、MDR2000[商品名;アルファテクノ
ロジーズ社製]を用いて測定し、加硫曲線から得られる
トルクの最低値MLと最高値MHの差をME(MH−M
L=ME)とし、90%ME値に到達する時間[tc(9
0)]をもって評価した。なお、測定温度は170℃と
した。
【0175】次いで、このゴム組成物を、チューブ状ダ
イス(内径10mm、肉厚1mm)を装着したスクリュ
ー径60mmの押出機を用いて、ダイス温度80℃、シ
リンダー温度60℃の条件で押出して、チューブ状に成
形した。次いで、この成形体を240℃のHAV(熱空
気加硫槽)中で加硫と発泡を同時に行なってスポンジゴ
ムを得た。加硫時間は、4分と7分にした。
【0176】上記のようにして得られたスポンジゴムの
物性は、下記の方法に従って測定した。その結果を第4
表に示す。 [1]引張特性 加硫したチューブ状のスポンジゴムの上部を長さ方向
に、JIS K 6251(1993年)に記載の3号
型ダンベルで打ち抜いて試験片を得た。次いで、この試
験片を用いて、同じくJIS K 6251第3項に規
定されている方法に従い、測定温度25℃、引張速度5
00mm/分の条件で引張試験を行ない、引張破断点応
力TB、引張破断点伸びEBおよび100%モジュラス
(M100 )を測定した。 [2]比重 加硫したチューブ状スポンジゴムの上部から20mm×
20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコール
で拭き取った。次いで、この試験片を25℃雰囲気下で
自動比重計[(株)東洋精機製作所製:M−1型]に取
り付け、空気中と純水中の質量の差から比重測定を行な
い、スポンジゴムの比重を算出した。 [3]圧縮永久歪み 加硫したチューブ状スポンジゴムを30mmに切断して
得られた試験片を、圧縮永久歪み測定用金型に取り付け
た。次いで、この試験片の高さが、荷重をかける前の高
さの1/2になるよう圧縮し、金型ごと70℃のギヤー
オーブン中にセットして22時間熱処理した。次いで、
試験片の圧縮を開放して、30分間放冷した後、試験片
の高さを測定し、以下の計算式で圧縮永久歪み(CS)
を算出した。
【0177】圧縮永久歪み(%)=[(t0−t1)/
(t0−t2)]×100 t0:試験片の試験前の高さ t1:試験片を加熱圧縮処理後、30分間放冷した後の
高さ t2:試験片の測定金型に取り付けた状態での高さ [4]形状保持率 押出直後におけるチューブ状スポンジゴム断面の高さと
幅との比(1)に対する、加硫後のチューブ状スポンジ
ゴム断面の高さ(L)と幅(D)の比を形状保持率とし
た。
【0178】 形状保持率(%)=(L/D)/1×100
【0179】
【実施例2】実施例1において、TMTDの代わりに、
ジペンタメチレンチウラム・テトラスルフィド(DPT
Tと略す)[商品名 サンセラーTRA、三新化学工業
(株)製]0.8重量部を用いた以外は、実施例1と同
様にして、未加硫・未発泡ゴム組成物、スポンジゴムを
調製した。このゴム組成物とスポンジゴムの物性を第4
表に示す。
【0180】
【実施例3】実施例1において、TMTMの代わりに上
記DPTTを0.8重量部を用いた以外は、実施例1と
同様にして、未加硫・未発泡ゴム組成物、スポンジゴム
を調製した。このゴム組成物とスポンジゴムの物性を第
4表に示す。
【0181】
【実施例4】実施例1において、さらにDPTTを0.
8重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、未加
硫・未発泡ゴム組成物、スポンジゴムを調製した。この
ゴム組成物とスポンジゴムの物性を第4表に示す。
【0182】
【実施例5】実施例1において、TMTMの代わりに上
記DPTTを0.8重量部を用い、かつ、ZnBDCの
代わりにジメチル・ジチオカルバミン酸亜鉛(ZnMD
Cと略す)[商品名 サンセラーPZ、三新化学工業
(株)製]を1.2重量部用いた以外は、実施例1と同
様にして、未加硫・未発泡ゴム組成物、スポンジゴムを
調製した。このゴム組成物とスポンジゴムの物性を第4
表に示す。
【0183】
【比較例1】実施例1において、第3表に示すように、
TMTD、TMTM、ZnBDCおよびイオウの配合量
をそれぞれ0重量部、0重量部、2.0重量部、1.2
重量部に変更し、加硫促進剤としてさらに、2-(4'-モル
ホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール(MDBと略す)
[商品名 ノクセラーMDB、大内新興化学工業(株)
製]を1.0重量部、2-メルカプトイミダゾリン(EU
と略す)[商品名 サンセラー22−C、三新化学工業
(株)製]を1.0重量部用いた以外は、実施例1と同
様にして、未加硫・未発泡のゴム組成物、スポンジゴム
を調製した。このゴム組成物とスポンジゴムの物性を第
4表に示す。
【0184】
【比較例2】比較例1において、第3表に示すように、
エチレン系共重合体ゴム(A1)の代わりに第1表に示
すエチレン系共重合体ゴム(A2)を用いた以外は、比
較例1と同様に行なった。結果を第4表に示す。
【0185】
【表4】
【0186】第3表および第4表より、以下のことが分
かる。エチレン系共重合体ゴム(A1)を用いた比較例
1は、エチレン系共重合体ゴム(A2)を用いた比較例
2に比べて、ゴム組成物のスコーチタイム(t5 at 1
25℃)がほぼ同等で、加硫速度(tc(90))が大幅
に速くなるため、4分以上の加硫時間(温度:240
℃)で物性が安定するものの、240℃で7分加硫して
得られたスポンジゴムの圧縮永久歪みの値は比較的大き
い値である。
【0187】エチレン系共重合体ゴム(A1)を用いた
実施例1〜5は、比較例1と比較して圧縮永久歪みの値
が小さくなっており、また、比較例2が240℃で7分
加硫して得られる物性(圧縮永久歪み)を240℃で4
分加硫で得られることが分かる。なお、これら実施例1
〜5のスポンジゴムの表面には、ブルーミングは認めら
れなかった。
【0188】また、実施例1と実施例2〜5とを比較す
ることにより、加硫促進剤(C)は、TMTDとTMT
MとDPTTとの組み合わせ、TMTDとDPTTとの
組み合わせ、TMTMとDPTTとの組み合わせのと
き、圧縮永久歪みの値がさらに小さくなることが分か
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川 崎 雅 昭 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21 AA21X AA88 AC13 AH03 AH12 AH17 BA01 BB03 BB04 BB05 BB06 4F074 BA03 BA04 BA07 BA13 BA14 BA20 BB05 BB06 BB28 CA22 CA26 CC04Y CC22X DA32 DA33 DA39 4J002 BB051 BB151 DA046 DA047 DG016 EA047 EH077 EH107 EH147 ES017 EU187 EV046 EV146 EV167 EV327 FD010 FD020 FD070 FD146 FD157 GL00 GM00 GN00 GQ00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン系共重合体ゴム(A)と、 加硫剤(B)と、 加硫促進剤(C)としてチウラム類(C1)とを含有し
    てなる加硫可能なゴム組成物であり、 前記エチレン系共重合体ゴム(A)は、 エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィン、1分
    子中に重合可能な二重結合を2個有する非共役ポリエ
    ン、および下記一般式[1] 【化1】 [式[1]中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水
    素原子、メチル基またはエチル基であり、 R3よびR4は、それぞれ独立して、メチル基またはエチ
    ル基である。]で表わされるトリエン化合物を共重合し
    て得られ、かつ、(i)該ゴム(A)中における、エチ
    レンから誘導される構成単位とα- オレフィンから誘導
    される構成単位とのモル比(エチレン/α- オレフィ
    ン)が99/1〜30/70であり、(ii)1分子中に
    重合可能な二重結合を2個有する非共役ポリエンから誘
    導される構成単位を0.02〜3モル%の量で含有し、
    (iii)トリエン化合物から誘導される構成単位を0.1
    〜10モル%の量で含有し、(iv)135℃デカリン中
    で測定した極限粘度[η]が0.1〜10dl/gの範
    囲にある共重合体ゴムであることを特徴とするゴム組成
    物。
  2. 【請求項2】前記加硫促進剤(C)中に、さらにチアゾ
    ール類(C2)を含有していることを特徴とする請求項
    1に記載のゴム組成物。
  3. 【請求項3】前記加硫促進剤(C)中に、さらにジチオ
    カルバミン酸塩類(C3)を含有していることを特徴と
    する請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 【請求項4】前記チウラム類(C1)が、テトラメチル
    チウラム・ジスルフィド、テトラメチルチウラム・モノ
    スルフィドおよびジペンタメチレンチウラム・テトラス
    ルフィドから選ばれる少なくとも2種類の化合物である
    ことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】前記チアゾール類(C2)が、2-メルカプ
    トベンゾチアゾールであることを特徴とする請求項2に
    記載のゴム組成物。
  6. 【請求項6】前記ジチオカルバミン酸塩類(C3)が、
    ジメチル・ジチオカルバミン酸亜鉛またはジ-n-ブチル
    ・ジチオカルバミン酸亜鉛であることを特徴とする請求
    項3に記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】前記ゴム(A)100重量部に対して、チ
    ウラム類(C1)の含有量が0.2〜6.0重量部であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】前記ゴム(A)100重量部に対して、チ
    アゾール類(C2)の含有量が0.1〜2.0重量部で
    あることを特徴とする請求項2に記載のゴム組成物。
  9. 【請求項9】前記ゴム(A)100重量部に対して、ジ
    チオカルバミン酸塩類(C3)の含有量が0.1〜2.
    0重量部であることを特徴とする請求項3に記載のゴム
    組成物。
  10. 【請求項10】さらに、発泡剤(D)を含有しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載のゴム
    組成物を加硫して得られることを特徴とする加硫ゴム製
    品。
  12. 【請求項12】加硫ゴム発泡成形体であることを特徴と
    する請求項11に記載の加硫ゴム製品。
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JP2009040902A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ

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