JP2005314551A - 非共役ポリエン系共重合体、ゴム組成物およびこれらの用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非共役ポリエン系共重合体は、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位および非共役ポリエン(A2)に由来する構造単位を含むランダム共重合体であって、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位の含有量が70〜96モル%、非共役ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量が4〜30モル%、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位のうちの5モル%以上が炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構造単位であり、ガラス転移温度(Tg)が−25〜20℃、ML(1+4)100℃が5〜190である。
【選択図】 なし
Description
本発明者はさらに検討した結果、非共役ポリエンとα−オレフィンとの共重合体であって、α−オレフィン含量が特定の範囲にあり、ガラス転移温度、ML(1+4)100℃が特定の範囲にある非共役ポリエン系共重合体は、硬度の低下によってタイヤの制動性が向上することを見出して本発明を完成するに至った。
本発明の他の課題は、上記非共役ポリエン系共重合体を含み、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができるゴム組成物を提供することである。
本発明のさらに他の課題は、上記タイヤ用ゴム材料から得られるタイヤトレッドおよびこのタイヤトレッドを備えたタイヤを提供することである。
(1) α−オレフィン(A1)に由来する構造単位および非共役ポリエン(A2)に由来する構造単位を含むランダム共重合体であって、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位の含有量が70〜96モル%、非共役ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量が4〜30モル%、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位のうちの5モル%以上が炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構造単位であり、ガラス転移温度(Tg)が−25〜20℃、ML(1+4)100℃が5〜190であることを特徴とする非共役ポリエン系共重合体。
する構造単位のモル比が95/5〜1/99である上記(1)に記載の非共役ポリエン系共重合体。
(4) 非共役環状ポリエン(A3)が下記式(1−1)で表される非共役環状ポリエンであることを特徴とする上記(3)に記載の非共役ポリエン系共重合体;
(i)R1〜R4のうちの任意の2個が互いに結合して形成される単環または多環が二重結合を有していること
(ii)R1とR2とで、またはR3とR4とでアルキリデン基が形成されていること
(iii)R1とR3とが、またはR2とR4とが互いに結合して二重結合が形成されているこ
と
(iv)R1〜R4の少なくとも1つは二重結合を1個以上有する不飽和の炭化水素基であること。〕
(5) (A)上記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の非共役ポリエン系共重合体と、(B)ジエン系ゴムとからなり、(A)と(B)との含有割合が重量比で60/40〜0.1/99.9の割合であることを特徴とするゴム組成物。
(7) 上記(5)に記載のゴム組成物からなることを特徴とするタイヤ用ゴム材料。
(9) 上記(8)に記載のタイヤトレッドを備えたことを特徴とするタイヤ。
本発明のゴム組成物は、特定の物性を有する非共役ポリエン系共重合体およびジエン系ゴムを特定の割合で含有しているので、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができる。これまでの共重合体では0℃のtanδが大きいが、制動性は十分とはいえなかった。本発明の共重合体は0℃のtanδが大きいだけでなく、硬度が低
いというバランスに優れているため、特に制動性が高い。
本発明のタイヤは上記タイヤトレッドを備えているので、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立しているとともに、耐候性、耐オゾン性などにも優れている。
[非共役ポリエン系共重合体]
本発明に係る非共役ポリエン系共重合体は、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位、および非共役ポリエン(A2)に由来する構造単位を含むランダム共重合体であって、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位の含有量が70〜96モル%、好ましくは(80〜96)モル%、より好ましくは(88〜96)モル%、非共役ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量が4〜30モル%、好ましくは(4〜20)モル%、より好ましくは(4〜12)モル%であることが望ましい。
ML(1+4)100℃が、5〜190、好ましくは20〜150、更に好ましくは30〜110の範囲である。
B≦(1/a−1)×0.3+1 …(2)
B≦(1/a−1)×0.2+1 …(3)
B≦(1/a−1)×0.15+1 …(4)
B値が上記式(1)を満足する非共役ポリエン系共重合体を製造するには、例えば後述する式(8)または式(9)で表されるメタロセン化合物を使用する方法がある。
B=(c+d)/(2×a×(e+f))
a:エチレンモル分率、
c:エチレン−α−オレフィンダイアッドモル分率、
d:エチレン−非共役ポリエンダイアッドモル分率、
e:α−オレフィンモル分率、
f:非共役ポリエンモル分率、である。〕
ここで上記a、c、d、e、fは、13C−NMRスペクトルを測定し、J.C.Randall(Macromolecules,15,353(1982)、J.Ray(Macrimolecules,10,773(1977)らの報告に基づいて求めることができる。
上記ガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定によって、温度分散測定時の減衰率のピークから求めることができる。
前記式(1−1)において、R1〜R4で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などが挙げられる。
(i)R1〜R4が互いに結合して形成される単環または多環が二重結合を有すること
(ii)R1とR2とで、またはR3とR4とでアルキリデン基が形成されること
(iii)R1とR3とが、またはR2とR4とが互いに結合して二重結合が形成されているこ
と
(iv)R1〜R4の少なくとも1つは二重結合を1個以上有する不飽和の炭化水素基であること。〕。
で表されるアルキリデン基含有非共役環状ポリエンが挙げられる。
レン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサ
ジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オク
タジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5
−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノ
ナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジ
エン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン
、6,7−ジメチル−1,6−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル
−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエ
ン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、
7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7
−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デ
カジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエンなどが挙げられる。
また、他の非共役鎖状ポリエン(A4)としては、例えば下記式(2−1)で表される非共役トリエンまたはテトラエン(A4−1)が挙げられる。
3のアルキル基、R8は炭素数1〜3のアルキル基、R9は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基または−(CH2)n−CR10=C(R11)R12で表される基(ここでnは1〜5の整数、R10およびR11はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、R12は炭素数1〜3のアルキル基である)である(ただしpとqの両方が1の場合、R9は水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基である)。
なお、前記式(2−2)で示される非共役トリエン(A4−2)は、前記式(2−1)で示される非共役トリエンまたはテトラエン(A4−1)においてfが0、gが2、pが0、qが1、R5およびR6が水素原子である非共役トリエンである。さらに前記式(2−2)で示される非共役トリエン(A4−2)の中でも、R3およびR5がどちらもメチル基である化合物が好ましく、このような非共役トリエン(A4−2)をモノマー原料として用いて得られる本発明の非共役ポリエン系共重合体は、後述のゴム組成物からタイヤを製造した場合に、制動性および燃費性能がどちらも特に優れた性能を有した状態で両立する。
本発明の非共役ポリエン系共重合体は、α−オレフィン(A1)および非共役ポリエン(A2)、好ましくはα−オレフィン(A1)および非共役環状ポリエン(A3)を、触媒の存在下に共重合させることにより製造することができる。上記触媒としては、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)などの遷移金属化合物(C)と、有機アルミニウム化合物もしくは有機アルミニウムオキシ化合物(D)および/またはイオン化イオン性化合物(E)とからなる触媒などが使用できる。
VO(OR)aXb …(3)
V(OR)cXd …(4)
〔式(3)および(4)中、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子である。a、b、cおよびdはそれぞれ0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4を満たす。〕
上記可溶性バナジウム化合物(c−1)としては、電子供与体を接触させて得られる可溶性バナジウム化合物の電子供与体付加物を用いることもできる。
(R1)mAl(OR2)nHpXq …(5)
〔式(5)中、R1およびR2は炭素原子を通常1〜15個、好ましくは1〜4個含む炭化水素基であり、これらは互いに同一でも異なってもよい。Xはハロゲン原子である。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、しかもm+n+p+q=3である。〕で表される有機アルミニウム化合物などが挙げられる。
MLx …(6)
〔式(6)中、Mは周期表4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属Mの原子価、Lは配位子である。〕
式(6)において、Mで示される遷移金属の具体的なものとしては、ジルコニウム、チタンおよびハフニウムなどが挙げられる。式(6)において、Lは遷移金属に配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7
−テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。上記シクロペンタジエニル骨格を有する基は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
アルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、またはハロゲン原子もしくはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
R2 kR3 lR4 mR5 nM …(7)
〔式(7)中、Mは式(6)の遷移金属、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(
配位子)、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有するかま
たは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数、k+l+m+n=4である。〕
以下に、Mがジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物(c−2)を例示する。ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなど
。上記の1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換えた化合物を本発明で用いることもできる。
よびR5の少なくとも2個、例えばR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する基
(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときR4およびR5はそれぞれ独立に式(6)中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
属に置換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
LaMX2 …(8)
〔式(8)中、Mは周期表4族またはランタニド系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。Xはそれぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケイ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。〕
式(8)で表される化合物の中では、下記式(9)で表される化合物が好ましい。
ド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)チタンジクロリドなどが挙げられる。また上記メタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物を挙げることもできる。
このような公知のアルミノオキサンは、具体的には下記式(11)または(12)で表される。
式(11)または(12)において、アルミノオキサンは式(OAl(R1))で表さ
れるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl(R2))で表されるアルキルオ
キシアルミニウム単位[ここで、R1およびR2はRと同様の炭化水素基を例示することができ、R1およびR2は相異なる基を表す]からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。なお有機アルミニウムオキシ化合物(d−2)は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で表される化合物が挙げられる。ルイス酸の具体的なものとしては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−
ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
アニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。イオン性化合物としてのトリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。イオン性化合物としてのジアルキルアンモニウム塩としては、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
ル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
ボラン(8)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。上記のようなイオン化イオン性化合物(e−1)は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。
本発明で用いる遷移金属化合物(C)は、式(9)で表される化合物が好ましい。更に好ましくは式中MがTiの化合物である。
可溶性バナジウム化合物(c−1)と有機アルミニウム化合物(d−1)とからなるバナジウム系触媒が用いられる場合には、重合系内の可溶性バナジウム化合物の濃度は、通常0.01〜5ミリモル/liter(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリモル/literである。可溶性バナジウム化合物(c−1)は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。また有機アルミニウム化合物(d−1)は、重合系内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子のモル比(Al/V)で、2以上、好ましくは2〜50
、さらに好ましくは3〜20の量で供給される。
を超えて2.0MPa(20kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
本発明のゴム組成物は非共役ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)とを含むゴム組成物であり、これらの成分の含有割合は、非共役ポリエン系共重合体(A)/ジエン系ゴム(B)の重量比で60/40〜0.1/99.9、好ましくは50/50〜1/99、さらに好ましくは40/60〜5/95である。両成分の含有割合が上記範囲にあると、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができるほか、耐候性の改良、減衰率のコントロール等で優れた特徴が発揮されるゴム組成物を得ることができ、また上記好ましい範囲、さらに好ましい範囲の含有割合になる程、制動性と燃費性能とのバランスにより優れ、また耐候性の改良、減衰率のコントロール等でより優れたゴム組成物を得ることができる。
(ジエン系ゴム(B))
本発明で用いる上記ジエン系ゴム(B)としては、主鎖に二重結合を有する公知のジエン系ゴムが制限なく使用できるが、共役ジエン化合物を主モノマーとする重合体または共重合体ゴムが好ましい。ジエン系ゴム(B)には天然ゴム(NR)、水添ゴムも含まれる。ジエン系ゴム(B)としては、ヨウ素価が100以上、好ましくは200以上、さらに好ましくは250以上のものが望ましい。
ものが好ましく用いられる。
ゴム(BR)としては、比重が0.90〜0.95、ムーニー粘度〔ML1+4(100℃
)〕が20〜120のものが好ましく用いられる。
本発明のゴム組成物を加熱により加硫する場合には、ゴム組成物中に加硫剤(F)、加硫促進剤、加硫助剤などの加硫系を構成する化合物を配合することができる。上記加硫剤(F)としては、イオウ、イオウ系化合物および有機過酸化物などを用いることができる。
加硫剤(F)がイオウまたはイオウ系化合物である場合は、非共役ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部の量で用いることができる。また加硫剤(F)が有機過酸化物である場合は、非共役ポリエン系共重合体(A)とジエン系ゴム(B)との合計100重量部に対して0.05〜15重量部、好ましくは0.15〜5重量部の量で用いることができる。
スルフェンアミド系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−(2,4
−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モル
ホリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(4'−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、ジ
ベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系化合物;ジフェニルグアニジン(DPG)、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレート等のグアニジン化合物;アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア等のアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物;2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア等のチオユリア系化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)等のチウラム系化合物;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系化合物;ジブチルキサントゲン酸亜鉛等のザンテート系化合物;亜鉛華などが挙げられる。
本発明のゴム組成物には補強剤および軟化剤などの充填剤(G)を配合することもできる。上記補強剤としては、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等のカーボンブラック;これらのカーボンブラックをシランカップリング剤などで表面処理した表面処理カーボンブラック;シリカ、活性化炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、微粉タルク、タルク、微粉ケイ酸、クレー等の無機充填剤などが挙げられる。
ことなく硬度を高くすることができ、さらにコストを引下げることができる。
本発明のゴム組成物には、上記成分の他にも、他の成分として発泡剤、発泡助剤等の発泡系を構成する化合物、酸化防止剤(安定剤)、加工助剤、可塑剤、着色剤、他のゴム配合剤など、種々の薬剤などを配合することができる。他の成分は、用途に応じてその種類、含有量が適宜選択される。
本発明のゴム組成物は、発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合物を含有する場合には、発泡成形することができる。発泡剤としては、一般的にゴムを発泡成形する際に用いられる発泡剤を広く使用することができる。具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機発泡剤;N,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,
3'−ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホルニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。これらの中では、ニトロソ化合物、アゾ化合物、アジド化合物が好ましい。
また発泡剤とともに発泡助剤を用いることもでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの効果がある。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸等の有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
きる。
本発明のゴム組成物は、酸化防止剤を含有していると材料寿命を長くすることができて好ましい。この酸化防止剤としては、具体的にはフェニルナフチルアミン、4,4'−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−p−フェニレ
ンジアミン等の芳香族第二アミン系安定剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール、テトラキス−[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のフェノール系安定剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系安定剤;2−メルカプトベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系安定剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系安定剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系安定剤などが挙げられる
。これらは2種以上併用することもできる。
加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸等の酸、これら高級脂肪酸の塩、例えばステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類などが挙げられる。
(ゴム組成物の調製)
本発明のゴム組成物は、非共役ポリエン系共重合体(A)、ジエン系ゴム(B)および必要により配合する上記のような他の成分から、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製することができる。例えばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックス等のインターナルミキサー類を用いて、非共役ポリエン系共重合体(A)、ジエン系ゴム(B)および必要により配合する他の成分を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、加硫剤(F)および必要に応じて加硫促進剤、加硫助剤、発泡剤などを加えて、オープンロールなどのロール類あるいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。このようにして通常リボン状またはシート状のゴム組成物(配合ゴム)が得られる。上記のインターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、加硫剤(F)、加硫促進剤、発泡剤などを同時に混練することもできる。
本発明のタイヤ用改質剤は、前記(A)非共役ポリエン系共重合体からなる。例えばジエン系ゴムを含むタイヤにおいて、本発明のタイヤ用改質剤を添加することで、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立しているほか、ゴム弾性、機械強度、耐候性、耐オゾン性、硬度などにも優れたタイヤを与えることができる。
本発明のタイヤ用ゴム材料は前記本発明のゴム組成物からなるものである。本発明のタイヤ用ゴム材料は優れた制動性と優れた燃費性能とが両立しているほか、ゴム弾性、機械強度、耐候性、耐オゾン性、硬度などにも優れている。
本発明のタイヤトレッドは前記本発明のタイヤ用ゴム材料から得られるものである。本発明のタイヤ用ゴム材料を加硫して得られるタイヤトレッドは、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立し、さらに耐候性、耐オゾン性などにも優れている。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。
重合は容積300LのSUS製攪拌機付き反応器を用い、温度を40℃に保ち液レベルを100Lとして連続法で行った。重合後の重合液に標準的な脱灰を行いスチームストリッピングでポリマーを得た。
主触媒はジクロロエトキシバナジウムオキシド、共触媒はエチルアルミニウムセスキクロリドを用いた。
原料供給条件は次の通りである。
[実施例2]
充分に窒素置換した2literのステンレス(SUS)製オートクレーブに、不純物を除
去したヘキサン860mlおよびENB75mlを23℃で仕込み、このオートクレーブを冷却しながらブテン32.5gを張り込んだ。次にオートクレーブを80℃まで加熱し、80℃となったところで、水素を20Nml添加し、全圧が0.78MPa(8kgf/cm2、ゲージ圧)となるようエチレンで加圧した。次に先ず0.35mmolのトリ
イソブチルアルミニウムを圧入した。続いて、0.002mmol/ml濃度の(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリドのヘキサン溶液1.5ml(0.003mmol)、および0.004mmol/ml濃度の(C6H5)3CB(C6F5)4のヘキサンスラリー5ml(0.02mmol)をそれぞれ個別に圧入した。
原料供給条件を変更した以外は実施例1と同条件で行った。
原料供給条件は次の通りである。
以上の結果を下記表3にまとめて示す。
m、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状サンプルを成形し、このサンプルを用い、レオメトリック社製のRDSIIを使用して、周波数=10Hz、歪み=0.1%、昇温速度=2℃/分で動的粘弾性の測定を行い、減衰率(tanδ)のピーク温度をTgとした。
下記表4に示す組成で各成分を用いて、オープンロール(前ロール/後ロール=60/60℃、16/18rpm)で混練し、未加硫の配合ゴムを得た。この未加硫の配合ゴムを160℃に加熱されたプレスにより15分間加熱して加硫シートを作製し、下記の試験を行った。
結果を下記表5に示す。
*3 比較例1の共重合体:表1参照
*4 SBR:スチレン・ブタジエンゴム、ニッポール1502(商標)、日本ゼオン(株)製、ヨウ素価=357
*5 HAFカーボンブラック:HAF旭#70(商標)、旭カーボン社製
*6 加硫促進剤CBZ:サンセラーCM(商標)、三新化学社製
が小さいほど硬度が低く接地面積が広がるため制動性が良くなる。
*2 TB:破断点強度、JIS K6251に準じて測定した
*3 EB:引張り伸び、JIS K6251に準じて測定した。
*4 HA(SHORE A):ショアA硬度、JIS K6253に準じて測定した。
*5 tanδ:0℃におけるゴム組成物(表5の組成で架橋したもの)のtanδ(減衰率)をタイヤの制動性の指標とした。0℃におけるtanδが大きいほど制動性が良くなる。また60℃におけるゴム組成物のtanδ(減衰率)を車の燃費の指標とした。60℃におけるtanδが小さいほど燃費が良くなる。なお、tanδ(減衰率)はゴム組成物から幅10mm、厚さ2mm、長さ30mmの短冊状のサンプル成形し、このサンプル
を用いて、レオメトリック社製のRDS−IIにより、歪み0.05%、周波数10Hzの条件で粘弾性の温度分散を測定した。
Claims (9)
- α−オレフィン(A1)に由来する構造単位および非共役ポリエン(A2)に由来する構造単位を含むランダム共重合体であって、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位の含有量が70〜96モル%、非共役ポリエン(A2)に由来する構造単位の含有量が4〜30モル%、α−オレフィン(A1)に由来する構造単位のうちの5モル%以上が炭素数4以上のα−オレフィンに由来する構造単位であり、ガラス転移温度(Tg)が−25〜20℃、ML(1+4)100℃が5〜190であることを特徴とする非共役ポリエン系共重合体。
- α−オレフィン(A1)に由来する構造単位が、少なくともエチレンに由来する構造単位を含み、エチレンに由来する構造単位/炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構造単位のモル比が95/5〜1/99である請求項1に記載の非共役ポリエン系共重合体。
- 非共役ポリエン(A2)の少なくとも一部が、非共役環状ポリエン(A3)であることを特徴とする請求項1または2に記載の非共役ポリエン系共重合体。
- 非共役環状ポリエン(A3)が下記式(1−1)で表される非共役環状ポリエンであることを特徴とする請求項3に記載の非共役ポリエン系共重合体;
(i)R1〜R4のうちの任意の2個が互いに結合して形成される単環または多環が二重結合を有していること
(ii)R1とR2とで、またはR3とR4とでアルキリデン基が形成されていること
(iii)R1とR3とが、またはR2とR4とが互いに結合して二重結合が形成されているこ
と
(iv)R1〜R4の少なくとも1つは二重結合を1個以上有する不飽和の炭化水素基であること。〕 - (A)請求項1ないし4のいずれか1項に記載の非共役系ポリエン共重合体と、
(B)ジエン系ゴムとからなり、
(A)と(B)との含有割合が重量比で60/40〜0.1/99.9の割合であることを特徴とするゴム組成物。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非共役ポリエン系共重合体からなることを特徴とするタイヤ用改質剤。
- 請求項5に記載のゴム組成物からなることを特徴とするタイヤ用ゴム材料。
- 請求項7に記載のタイヤ用ゴム材料から得られることを特徴とするタイヤトレッド。
- 請求項8に記載のタイヤトレッドを備えたことを特徴とするタイヤ。
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JP2013249398A (ja) * | 2012-06-01 | 2013-12-12 | Mitsui Chemicals Inc | エチレン・α−オレフィン非共役ポリエン共重合体ゴムペレット |
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JPH08337694A (ja) * | 1995-06-13 | 1996-12-24 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 加硫可能なゴム組成物 |
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-
2004
- 2004-04-28 JP JP2004134032A patent/JP2005314551A/ja active Pending
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