JP3327480B2 - 環状オレフィン系共重合体組成物 - Google Patents

環状オレフィン系共重合体組成物

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JP3327480B2
JP3327480B2 JP01429593A JP1429593A JP3327480B2 JP 3327480 B2 JP3327480 B2 JP 3327480B2 JP 01429593 A JP01429593 A JP 01429593A JP 1429593 A JP1429593 A JP 1429593A JP 3327480 B2 JP3327480 B2 JP 3327480B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、環状オレフィン系共重合
体組成物に関し、さらに詳しくは、剛性、耐衝撃性、耐
熱性、靱性および他の樹脂との相溶性に優れた環状オレ
フィン系共重合体組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリプロピレンなどの結晶性ポリ
オレフィンは、広く用いられているが、その物性はポリ
オレフィンの結晶化度などによって著しく変動する。例
えば、用いられるポリオレフィンの結晶化度が低い場合
には、得られる成形体の剛性および耐熱性等の物性が充
分に高くならない。
【0003】このため、従来から知られているポリオレ
フィンが有している優れた耐候性等の物性を損なうこと
なく、剛性、耐熱性、靱性などの特性に優れた成形体を
製造し得るようなポリオレフィン系樹脂の出現が望まれ
ていた。
【0004】例えば、ポリプロピレンから形成される成
形体の耐熱性および剛性を改善する方法として、造核
材、充填材を添加する方法などが知られているが、必ず
しも充分な効果は得られていない。
【0005】ところで、エチレンとテトラシクロドデセ
ンなどの環状オレフィン類とを共重合させて得られる環
状オレフィン系ランダム共重合体は透明性に優れ、しか
も耐熱性、耐熱老化性、誘電特性、剛性などのバランス
のとれた合成樹脂であり、光学メモリディスクや光学フ
ァイバーなどの光学材料の分野において、あるいは構造
材料の分野において優れた性能を発揮することが知られ
ている(例えば特開昭60−168,708号公報、特
開昭61−98,780号公報、特開昭61−115,
912号公報、特開昭61−115,916号公報、特
開昭61−120,816号公報、特開昭62−25
2,407号公報参照)。
【0006】このため、前記ポリプロピレンにこの環状
オレフィン系共重合体を混合することにより、得られる
組成物に環状オレフィン系共重合体の優れた特性を付与
することができれば、得られる組成物あるいは該組成物
からなる成形体の剛性および耐熱性は向上することが予
想される。
【0007】また環状オレフィン系共重合体は非晶性で
あり、耐薬品性、耐溶剤性が充分でない場合があるが、
ポリプロピレンに非晶性の環状オレフィン系共重合体と
結晶性樹脂とを混合することにより剛性および耐熱性に
加えて、耐薬品性および耐溶剤性にも優れた樹脂組成物
が得られることが予想される。
【0008】しかしながら、実際には、ポリプロピレン
と環状オレフィン系共重合体とはきわめて混和性が悪
く、両者を均一に混合させることができず、剛性、耐熱
性など優れた所望の樹脂は得られない。
【0009】本発明者らは、上記のような従来技術にお
ける問題点を解決すべく鋭意検討したところ、特定の環
状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]と、該環状
オレフィン系ランダム共重合体成分[A]の存在下にプ
ロピレンを重合することにより得られるポリプロピレン
成分[B]とからなる環状オレフィン系共重合体組成物
であって、該組成物中に成分[A]が特定量で含まれて
いるような環状オレフィン系共重合体組成物は、剛性、
耐衝撃性、耐熱性、靱性および他の樹脂との相溶性に優
れていることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術におけ
る問題点を解決しようとするものであって、ポリプロピ
レンおよび環状オレフィン系ランダム共重合体が有する
性質を損なうことなく、ポリプロピレンと環状オレフィ
ン系共重合体との相溶性を向上させ、特に剛性、耐熱性
および靱性の向上した成形体を製造し得るような環状オ
レフィン系共重合体組成物を提供することを目的として
いる。
【0011】
【発明の概要】本発明に係る環状オレフィン系共重合体
組成物は、(イ)少なくとも1種以上の炭素数2以上の
α−オレフィンと、(ロ)下記一般式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンと、(ハ)炭素数が5〜
20の範囲にある非共役ジエン化合物と、を共重合させ
ることにより得られ、デカリン中、135℃で測定した
極限粘度[η]が0.10〜5.0dl/gの範囲にあ
り、ガラス転移温度(Tg)が10℃以上であり、重合
可能な炭素・炭素二重結合を有し、ヨウ素価が2〜30
(g−ヨウ素/100g−重合体)である環状オレフィ
ン系ランダム共重合体成分[A]と、該環状オレフィン
系ランダム共重合体成分[A]の存在下にプロピレンを
重合することにより得られるポリプロピレン成分[B]
とからなる環状オレフィン系共重合体組成物[C]であ
って、該組成物[C]中に成分[A]が1〜99重量%
の量で含まれていることを特徴としている。
【0012】
【化3】
【0013】(式[I]中、nは0または1であり、m
は0または正の整数であり、qは0または1であり、R
1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R15
〜R18は互いに結合して単環または多環を形成していて
もよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していて
もよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とでア
ルキリデン基を形成していてもよい。);
【0014】
【化4】
【0015】(式[II]中、pおよびqは0または1以
上の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、
1 〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素
基またはアルコキシ基であり、R9 (またはR10)が結
合している炭素原子と、R13またはR11が結合している
炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基
を介して結合していてもよく、また、n=m=0のとき
15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環ま
たは多環の芳香族環を形成していてもよい。)。
【0016】このような本発明に係る環状オレフィン系
共重合体組成物は、ポリプロピレンおよび環状オレフィ
ン系ランダム共重合体の有する性質を損なうことなく、
ポリプロピレンと環状オレフィン系共重合体との相溶性
に優れ、剛性、耐熱性および靱性の向上した成形体を製
造することができる。
【0017】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る環状オレフィ
ン系共重合体組成物について具体的に説明する。本発明
に係る環状オレフィン系共重合体組成物[C]は、環状
オレフィン系ランダム共重合体成分[A]と、ポリプロ
ピレン成分[B]とからなり、このポリプロピレン成分
[B]は、上記環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]の存在下にプロピレンを重合させることにより得
られる。このような本発明に係る環状オレフィン系共重
合体組成物[C]中では、上記の環状オレフィン系ラン
ダム共重合体成分[A]が重合可能な炭素・炭素二重結
合を有しているため、環状オレフィン系ランダム共重合
体成分[A]と、ポリプロピレン成分[B]とは、少な
くとも一部が化学的に結合していると考えられる。
【0018】まず本発明の重合可能な炭素・炭素二重結
合を有する環状オレフィン系ランダム共重合体成分につ
いて説明する。環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A] 本発明で用いられる環状オレフィン系ランダム共重合体
成分[A]は、エラストマー中に重合可能な炭素・炭素
二重結合を有する共重合体であって、(イ)少なくとも
1種以上の炭素数2以上のα−オレフィンと、(ロ)下
記一般式[I]または[II]で表される環状オレフィン
と、(ハ)炭素数が5〜20の範囲にある非共役ジエン
化合物との共重合体をあげることができる。
【0019】炭素数が2以上のα−オレフィン(イ)と
しては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-
ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オク
テン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキ
サデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどの炭
素数2〜20のα−オレフィンを挙げることができる。
これらのうち、エチレンが好ましい。
【0020】また環状オレフィン(ロ)としては、下記
式[I]および/または[II]で示される環状オレフィ
ンが用いられる。
【0021】
【化5】
【0022】式[I]中、nは0または1であり、mは
0または正の整数であり、qは0または1である。な
お、qが1の場合にはRaおよびRbは、それぞれ独立
に、下記の原子または炭化水素基を表し、qが0の場合
には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
【0023】R1 〜R18ならびにRa およびRb は、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素
基である。ここでハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
【0024】また炭化水素基としては、それぞれ独立
に、通常、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜1
5のシクロアルキル基が挙げられる。より具体的には、
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙げ
られ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基が
挙げられる。
【0025】これらの基はハロゲン原子で置換されてい
てもよい。さらに上記式[I]において、R15とR16
が、R17とR18とが、R15とR17とが、R16とR18
が、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ
結合して(互いに共同して)、単環または多環を形成し
ていてもよく、しかもこのようにして形成された単環ま
たは多環が二重結合を有していてもよい。
【0026】ここで形成される単環または多環は、以下
に例示される。
【0027】
【化6】
【0028】なお上記例示において、1または2の番号
を賦した炭素原子は、式[I]において、R15(R16
またはR17(R18)が結合している脂環構造を形成して
いる炭素原子である。
【0029】また、R15とR16とで、またはR17とR18
とでアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基としては、通常炭素数2〜20のアルキ
リデン基が挙げられ、具体的には、エチリデン基、プロ
ピリデン基およびイソプロピリデン基が挙げられる。
【0030】
【化7】
【0031】式[II]中、pおよびqは0または1以上
の整数であり、mおよびnは0、1または2である。ま
たR1 〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭
化水素基またはアルコキシ基である。
【0032】式[II]において、ハロゲン原子は上記式
[I]におけるハロゲン原子と同じである。また脂肪族
炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基
が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチ
ル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基が挙
げられる。
【0033】脂環族炭化水素基としては、炭素原子数3
〜15の脂環族炭化水素基が挙げられ、具体的には、シ
クロヘキシル基が挙げられる。芳香族炭化水素基として
は、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、具体的
には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル
基、フェニルエチル基などが挙げられ、これらの基は低
級アルキル基を有していてもよい。
【0034】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基などが挙げられる。これらの基は
ハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0035】ここで、R9 およびR10が結合している炭
素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結
合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子数1〜3
のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわ
ち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合し
ている場合には、R9 およびR13が、または、R10およ
びR11が互いに共同して、メチレン基(-CH2-) 、エチレ
ン基(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-) の内
のいずれかのアルキレン基を形成している。
【0036】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環の例としては、n=m=0のときR15とR
12がさらに芳香族環を形成している以下に記載する基を
挙げることができる。
【0037】
【化8】
【0038】上記例示において、qは式[II]における
qと同じ意味である。上記のような式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンとしては、具体的には、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2- エン誘導体、トリシクロ
[4.3.0.12,5]-3- デセン誘導体、トリシクロ[4.4.
0.12,5]-3- ウンデセン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]-3- ドデセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.
1.13,6.02,7.09,14]-4- ヘキサデセン誘導体、ペンタ
シクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4- ペンタデセン誘
導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3- ペ
ンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導
体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3- ヘキ
サデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.0
2,7.09,14]-4- ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ
[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エイコ
セン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.0
3,8.012,16]-5- エイコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.
8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5- ヘンエイコ
セン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.0
3,8.012,17]-5- ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ
[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-
ドコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.1
15,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5- ペンタコセン誘
導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.
02,11.04,9.013,22.015,20]-6-ヘキサコセン誘導体、
1.4-メタノ-1.4.4a.9a-テトラヒドロフルオレン誘導
体、1.4-メタノ-1.4.4a.5.10.10a-ヘキサヒドロアント
ラセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナフチレン付
加物などが挙げられる。
【0039】以下により具体的に示す。
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】
【化21】
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】
【化28】
【0060】
【化29】
【0061】上記のような一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィン(ロ)は、シクロペンタジエン
と対応する構造を有するオレフィン類とを、ディールス
・アルダー反応させることによって製造することができ
る。
【0062】これらの環状オレフィン(ロ)は、単独で
あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
(ハ)炭素数が5〜20の範囲にある非共役ジエンとし
ては、具合的には、下記一般式[III]〜[VI]で示さ
れる非共役ジエンが挙げられる。
【0063】
【化30】
【0064】上記式[III]で表される非共役ジエンと
しては、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-ヘ
プタジエン、1,7-オクタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-
デカジエン、1,11-ドデカジエン、1,19-エイコジエンな
どを例示することができる。
【0065】上記式[IV]で表されるジエンとしては、
【0066】
【化31】
【0067】などを例示することができる。上記式
[V]で表される非共役ジエンとしては、
【0068】
【化32】
【0069】などを例示することができる。上記式[V
I]で表されるジエンとしては、
【0070】
【化33】
【0071】などを例示することができる。なお上記の
非共役ジエン(ハ)において、二重結合を形成している
炭素以外の炭素に結合している水素原子は炭化水素基で
置換されていてもよい。
【0072】上記のような式[III]から[VI]で表さ
れる非共役ジエン(ハ)の中で、1,5-ヘキサジエン、1,
7-オクタジエン、1,9-デカジエン、5-ビニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト-2-エン、8-ビニル−テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]-3-ドデセン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2,
5-ジエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3,8-ドデ
カジエンが好ましく用いられる。
【0073】上記のような重合可能な炭素・炭素二重結
合を有する環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]を具体的に例示する。まず式[III]で示される
非共役ジエンから誘導される単位を有する環状オレフィ
ン系ランダム共重合体成分[A]としては、エチレン・
ノルボルネン・1,5-ヘキサジエン共重合体、エチレン・
5-メチル-2-ノルボルネン・1,5-ヘキサジエン共重合
体、エチレン・5-エチル-2-ノルボルネン・1,5-ヘキサ
ジエン共重合体、エチレン・5-フェニル-2-ノルボルネ
ン・1,5-ヘキサジエン共重合体、エチレン・テトラシク
ロドデセン・1,5-ヘキサジエン共重合体、エチレン・ノ
ルボルネン・1,7-オクタジエン共重合体、エチレン・5-
メチル-2-ノルボルネン・1,7-オクタジエン共重合体、
エチレン・5-エチル-2-ノルボルネン・1,7-オクタジエ
ン共重合体、エチレン・5-フェニル-2-ノルボルネン・1,
7-オクタジエン共重合体、エチレン・テトラシクロドデ
セン・1,7-オクタジエン共重合体、エチレン・ノルボル
ネン・1,9-デカジエン共重合体、エチレン・5-メチル-2
-ノルボルネン・1,9-デカジエン共重合体、エチレン・5
-エチル-2-ノルボルネン・1,9-デカジエン共重合体、エ
チレン・5-フェニル-2-ノルボルネン・1,9-デカジエン
共重合体、エチレン・テトラシクロドデセン・1,9-
デカジエン共重合体などを挙げることができる。
【0074】また式[IV]で示される非共役ジエンから
誘導される単位を有する環状オレフィン系ランダム共重
合体成分[A]としては、エチレン・ノルボルネン・ビ
ニルノルボルネン共重合体、エチレン・5-メチル-2-ノル
ボルネン・ビニルノルボルネン共重合体、エチレン・5-
エチル-2-ノルボルネン・ビニルノルボルネン共重合
体、エチレン・5-フェニル-2-ノルボルネン・ビニルノ
ルボルネン共重合体、エチレン・テトラシクロドデセン
・ビニルノルボルネン共重合体、エチレン・ノルボルネ
ン・ビニルテトラシクロドデセン共重合体、エチレン・5
-メチル-2-ノルボルネン・ビニルテトラシクロドデセン
共重合体、エチレン・5-エチル-2-ノルボルネン・ビニ
ルテトラシクロドデセン共重合体、エチレン・5-フェニ
ル-2-ノルボルネン・ビニルテトラシクロドデセン共重
合体、エチレン・テトラシクロドデセン・ビニルテトラ
シクロドデセン共重合体などを例示できる。
【0075】また式[V]で示される非共役ジエンから
誘導される単位を有する環状オレフィン系ランダム共重
合体成分[A]としては、エチレン・ノルボルネン・ノ
ルボルナジエン共重合体、エチレン・5-メチル-2-ノルボ
ルネン・ノルボルナジエン共重合体、エチレン・5-エチ
ル-2-ノルボルネン・ノルボルナジエン共重合体、エチ
レン・5-フェニル-2-ノルボルネン・ノルボルナジエン
共重合体、エチレン・テトラシクロドデセン・ノルボル
ナジエン共重合体、エチレン・ノルボルネン・テトラシ
クロドデカジエン共重合体、エチレン・5-メチル-2-ノル
ボルネン・テトラシクロドデカジエン共重合体、エチレ
ン・5-エチル-2-ノルボルネン・テトラシクロドデカジ
エン共重合体、エチレン・5-フェニル-2-ノルボルネン
・テトラシクロドデカジエン共重合体、エチレン・テト
ラシクロドデセン・テトラシクロドデカジエン共重合体
などを例示できる。
【0076】また式[VI]で示される非共役ジエンから
誘導される単位を有する環状オレフィン系ランダム共重
合体成分[A]としては、エチレン・ノルボルネン-1,2
-ビス(5-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エニル)エタン共重
合体、エチレン・5-メチル-2-ノルボルネン-1,2-ビス(5-
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エニル)エタン共重合体、エ
チレン・5-エチル-2-ノルボルネン-1,2-ビス(5-ビシク
ロ[2.2.1]ヘプタ-2-エニル)エタン共重合体、エチレン
・5-フェニル-2-ノルボルネン-1,2-ビス(5-ビシクロ[2.
2.1]ヘプタ-2-エニル)エタン共重合体、エチレン・テト
ラシクロドデセン-1,2-ビス(5-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-
2-エニル)エタン共重合体などを挙げることができる。
【0077】上記環状オレフィン系ランダム共重合体成
分[A]中には、α-オレフィンから誘導される単位
は、通常40〜95モル%、好ましくは42〜90モル
%の量で含まれており、環状オレフィンから誘導される
単位は5〜60モル%、好ましくは10〜58モル%の
量で含まれており、また、非共役ジエン化合物から誘導
される単位は10モル%以下の量で含まれている。ただ
し、α-オレフィン単位と環状オレフィン単位と非共役
ジエン単位との合計を100モル%とする。
【0078】この環状オレフィン系ランダム共重合体成
分[A]の135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、0.1〜5.0dl/g、好ましくは0.1
5〜4.5dl/gである。また環状オレフィン系ラン
ダム共重合体成分[A]のDSCで測定したガラス転移
温度(Tg)は、10〜250℃、好ましくは70〜2
00℃であり、またヨウ素価は、2〜30(g−ヨウ素
/100g−重合体)、好ましくは2〜20(g−ヨウ
素/100g−重合体)の範囲である。
【0079】環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]の製造 上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]は、たとえば、(I) シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む、周期律表第IVB 族またはランタ
ニドの遷移金属化合物と、(II)有機アルミニウムオキ
シ化合物と、必要に応じて(III) 有機アルミニウム化
合物とからなる触媒(以下、「メタロセン系触媒」と称
する場合がある)、あるいは(IV)可溶性バナジウム化
合物と、(V) 有機アルミニウム化合物とからなる触媒
(以下、バナジウム系触媒と称する場合がある)の存在
下に、(イ)炭素数2以上のα- オレフィンと、(ロ)
上記の式[I]または[II]で表わされる、少なくと
も1種の環状オレフィンと、(ハ)上記の式[II
I]、[V]または[VI]で表わされる非共役ジエン
化合物とを共重合させることによって製造することがで
きる。
【0080】まず、メタロセン系触媒について説明す
る。上記のようなメタロセン系触媒を形成するシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子を含む、周期律表第IV
B 族またはランタニドの遷移金属化合物(I)として
は、下式[IX]で表わされる化合物を例示することが
できる。
【0081】MLX ・・・[IX] 上記式[IX]において、Mは周期律表の第IVB 族およ
びランタニドから選ばれる遷移金属であるが、具体的に
は、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、ネオジウム、
サマリウムまたはイットリビウムであり、Lは遷移金属
に配位する配位子であり、少なくとも1個のLは、シク
ロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、シクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは炭素数が1
〜12の炭化水素基、アルコシキ基、アリーロキシ基、
ハロゲン原子、トリアルキルシリル基、SO3R (ただ
し、Rはハロゲンなどの置換基を有していてもよい炭素
数1〜8の炭化水素基である)または水素原子であり、
xは遷移金属の原子価である。
【0082】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては、たとえばシクロペンタジエニル基またはメチ
ルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエ
ニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメ
チルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペン
タジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、メチル
エチルシクロペンタジエニル基、プロピルシクロペンタ
ジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、
ブチルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペ
ンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基など
のアルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはインデ
ニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレ
ニル基などを例示することができる。これらの基はハロ
ゲン原子、トリアルキルシリル基などが置換していても
よい。
【0083】これらの遷移金属に配位する配位子の中で
は、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好まし
い。上記式[IX]で表わされる化合物が、シクロペン
タジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合、そのう
ち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基は、エチ
レン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデ
ン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリ
レン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基な
どを介して結合されていてもよい。
【0084】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外の配位子としては、下記のようなものが挙げられ
る。炭素数が1〜12の炭化水素基として具体的には、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、トリル
基などのアリール基;ベンジル基、ネオフィル基などの
アラルキル基が例示される。
【0085】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基などが例示される。アリーロキシ基
としては、フェノキシ基などが例示される。
【0086】ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素などが例示される。SO3R で表わされる配位子
としては、p-トルエンスルホナト基、メタンスルホナト
基、トリフルオロメタンスルホナト基などが例示され
る。
【0087】上記一般式[IX]で表わされる化合物
は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、より具
体的には下記一般式[X]で表わされる。 R1 a2 b3 c4 dM ・・・[X] (ただし、一般式[X]において、Mはジルコニウム、
チタン、ハフニウム、ネオジウム、サマリウムまたはイ
ットリビウムであり、R1 はシクロペンタジエニル骨格
を有する基であり、R2 、R3 およびR4 はシクロペン
タジエニル骨格を有する基、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基、S
3R または水素原子であり、aは1以上の整数であ
り、a+b+c+d=4である。)本発明では上記一般
式[X]においてR2 、R3 およびR4 のうち1個がシ
クロペンタジエニル骨格を有する基である遷移金属化合
物、たとえばR1およびR2がシクロペンタジエニル骨格
を有する基である遷移金属化合物が好ましく用いられ
る。これらのシクロペンタジエニル骨格を有する基はエ
チレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリ
デンなどのアルキリデン基、ジフェニルメチレンなどの
置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレ
ン、ジフェニルシリレン、メチルフェニルシリレン基な
どの置換シリレン基などを介して結合されていてもよ
い。また、R3 およびR4 はシクロペンタジエニル骨格
を有する基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハ
ロゲン原子、トリアルキルシリル基、SO3R または水
素原子である。
【0088】本発明では、少なくとも2個のシクロペン
タジエニル骨格を含む配位子を有し、かつこれらがブリ
ッジ構造を形成しているジルコノセン化合物が好ましく
用いられる。
【0089】以下に、Mがジルコニウムである遷移金属
化合物について具体的な化合物を例示する。ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)
ジルコニウムジブロミド、ビス(インデニル)ジルコニ
ウムビス(p-トルエンスルホナト)、ビス(4,5,6,7-テ
トラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビ
ス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、エチレンビ
ス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)ジフェニルジルコニウム、エチレンビス
(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド、エチ
レンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスル
ホナト)、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビ
ス(p-トルエンスルホナト)、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル- フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル- メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イ
ソプロピリデン(シクロペンタジエニル- フルオレニ
ル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス
(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタン
スルホナト)、ジメチルシリレンビス(4,5,6,7-テトラ
ヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレン(シクロペンタジエニル- フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレ
ンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコ
ニウムモノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)シ
クロヘキシルジルコニウムモノクロリド、ビス(シクロ
ペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムモ
ノクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)メチルジルコニウムモノハイドライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス
(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシク
ロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエ
トキシクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムビス(メタンスルホナト)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナ
ト)、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス
(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(メチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ジ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムエトキシクロリド、ビス(ジメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジメチル
ジルコニウム、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(メチルエチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(プロピル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス
(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド、ビス(メチルブチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルブチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンス
ルホナト)、ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド。
【0090】なお上記遷移金属化合物の例示において、
シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,3-置
換体を含み、三置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含
む。また、プロピル、ブチルなどのアルキル基は、n-、
i-、sec-、tert- などの異性体を含む。
【0091】本発明では上記のようなジルコニウム化合
物において、ジルコニウム金属を、チタン金属、ハフニ
ウム金属、ネオジウム金属、サマリウム金属またはイッ
トリビウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いること
もできる。
【0092】また上記のメタロセン系触媒を形成する有
機アルミニウムオキシ化合物(II)は、従来公知のアル
ミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有
機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0093】このような従来公知のアルミノオキサン
は、具体的には下記一般式で表わされる。
【0094】
【化34】
【0095】(上記一般式において、Rはメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であ
り、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメ
チル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数
である。) ここで、このアルミノオキサンは、式[OAl(R
1 )]で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位お
よび式[OAl(R2 )]で表わされるアルキルオキシ
アルミニウム単位[ここで、R1 およびR2 は、上記R
と同様の炭化水素基を例示することができ、R1 および
2 は相異なる基を表わす]からなる混合アルキルオキ
シアルミニウム単位から形成されていてもよい。
【0096】従来公知のアルミノオキサンは、たとえば
下記のような方法によって製造され、通常、芳香族炭化
水素溶媒の溶液として回収される。 (1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する
塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して反応させる方法。 (2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒド
ロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなど
の有機アルミニウム化合物に直接水を作用させる方法。 (3) デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリア
ルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、
ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有
機スズ化合物を反応させる方法。
【0097】これらの方法のうちでは、(1) の方法を採
用するのが好ましい。なお、該アルミノオキサンは、少
量のアルミニウム以外の有機金属成分を含有していても
差しつかえない。また回収された上記アルミノオキサン
の溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物
を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
【0098】アルミノオキサンの製造の際に用いられる
有機アルミニウム化合物としては、具体的に、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミ
ニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアル
ミニウム等のトリアルキルアルミニウム、トリシクロヘ
キシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウム
等のトリシクロアルキルアルミニウム、ジメチルアルミ
ニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエ
チルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウム
クロリド等のジアルキルアルミニウムハライド、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウ
ムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライ
ド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキ
シド、ジエチルアルミニウムフェノキシド等のジアルキ
ルアルミニウムアリーロキシド等が挙げられる。
【0099】また下記一般式で表わされるイソプレニル
アルミニウムを用いることもできる。 (i-C49)x Aly (C510)z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。) これらのうち、トリアルキルアルミニウムが特に好まし
い。
【0100】上記の有機アルミニウム化合物は、単独で
あるいは組合せて用いられる。またアルミノオキサンの
製造の際に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメン等の芳香族炭化水素、ペ
ンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデ
カン、ヘキサデカン、オクタデカン等の脂肪族炭化水
素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ガソリ
ン、灯油、軽油等の石油留分あるいは上記芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物と
りわけ塩素化物、臭素化物等の炭化水素溶媒、エチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類が挙げられ
る。これらのうち特に芳香族炭化水素が好ましく用いら
れる。
【0101】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、たとえば、アルミノオキ
サンの溶液と、水または活性水素含有化合物とを接触さ
せる方法、あるいは上記のような有機アルミニウム化合
物と水とを接触させる方法などによって得ることができ
る。
【0102】本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物では、該化合物を赤外分光法
(IR)によって解析して、1220cm-1付近におけ
る吸光度(D1220)と、1260cm-1付近における吸
光度(D1260)との比(D12 60/D1220)が、0.09
以下、好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.0
4〜0.07の範囲にあることが望ましい。
【0103】上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は、下記式で表わされるアルキルオ
キシアルミニウム単位を有すると推定される。
【0104】
【化35】
【0105】式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素基
である。このような炭化水素基としては、具体的には、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオク
チル基などを例示することができる。これらの中でメチ
ル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0106】このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物は、上記式で表わされるアルキルオキシアル
ミニウム単位の他に、下記式で表わされるオキシアルミ
ニウム単位を含有していてよい。
【0107】
【化36】
【0108】式中、R8 は炭素数1〜12の炭化水素
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の
アリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素原子であ
る。また該R8 および上記式中のR7 は互いに異なる基
を表わす。
【0109】オキシアルミニウム単位を含有する場合に
は、アルキルオキシアルミニウム単位を30モル%以
上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モ
ル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニウム単位
を有する有機アルミニウムオキシ化合物が望ましい。
【0110】なお本発明で用いられる有機アルミニウム
オキシ化合物(II)は、少量のアルミニウム以外の金属
の有機化合物成分を含有していてもよい。また、有機ア
ルミニウムオキシ化合物は、担体化合物に担持させて用
いることもできる。
【0111】上記のメタロセン系触媒を形成する触媒と
して必要に応じて用いられ有機アルミニウム化合物(II
I) としては、たとえば下記一般式[XI]で表わされる
有機アルミニウム化合物を例示することができる。
【0112】 R5 nAlX3-n ・・・[XI] (ただし、一般式[XI]において、R5 は炭素数1〜1
2の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原
子であり、nは1〜3である。) 上記一般式[XI]において、R5 は炭素数1〜12の炭
化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基また
はアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチル
基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
【0113】このような有機アルミニウム化合物とし
て、具体的には、以下のような化合物が用いられる。ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
イソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;イソプ
レニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;ジ
メチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムク
ロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブ
ロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド;メチル
アルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセス
キクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセス
キハライド;メチルアルミニウムジクロリド、エチルア
ルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジク
ロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキル
アルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムハイド
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
アルキルアルミニウムハイドライドなど。
【0114】また有機アルミニウム化合物(III) とし
て、下記一般式[XII] で表わされる化合物を用いるこ
ともできる。 R5 nAlY3-n ・・・[XII] (ただし、一般式[XII] において、R5 は上記と同様
であり、Yは−OR6 基、−OSiR7 3 基、−OAlR
8 2基、−NR9 2基、−SiR10 3基または−N(R11)Al
12 2基であり、nは1〜2であり、R6、R7、R8
よびR12はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソ
ブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、
9 は水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、R10
およびR11はメチル基、エチル基などである。)このよ
うな有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以
下のような化合物が用いられる。 (i)R5 nAl(OR6)3-n で表わされる化合物、たと
えばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミ
ニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシ
ドなど、(ii)R5 nAl(OSiR7 3)3-nで表わされる化
合物、たとえばEt2Al(OSi Me3)、(iso-Bu)2
Al(OSiMe3)、(iso-Bu)2 Al(OSiEt3)な
ど、(iii) R5 nAl(OAlR8 2)3-n で表わされる化
合物、たとえばEt2AlOAlEt2 、(iso-Bu)2Al
OAl(iso-Bu)2 など、(iv) R5 nAl(NR9 2)3-n
で表わされる化合物、たとえばMe2AlNEt2 、Et2
AlNHMe 、Me2AlNHEtEt2AlN(SiM
e3)2、(iso-Bu)2AlN(SiMe3)2 など、(V)R5 n
Al(SiR10 3)3-n で表わされる化合物、たとえば(is
o-Bu)2 AlSi Me3 など、
【0115】
【化37】
【0116】上記一般式[V]および[VI]で表わされ
る有機アルミニウム化合物の中では、一般式R5 3Al、
5 nAl(OR6)3-n 、R5 nAl(OAlR8 2)3-n で表わ
される有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げる
ことができ、R5 がイソアルキル基であり、n=2のも
のが特に好ましい。これらの有機アルミニウム化合物
は、2種以上混合して用いることもできる。
【0117】上記のようなメタロセン系触媒の調製法と
しては、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含
む、第IVB 族またはランタニドの遷移金属化合物(I)
と有機アルミニウムオキシ化合物(II)、また有機アル
ミニウム化合物(III) は重合器内に別々にフィードし
てもよく、また予め重合器の系外で接触させておいても
よい。
【0118】上記第IVB 属またはランタニドの遷移金属
化合物(I)の触媒濃度は、10-8〜10-2モル/リッ
トル、好ましくは10-6〜10-3モル/リットルであ
り、有機アルミニウムオキシ化合物の触媒濃度は、遷移
金属化合物の1から104 当量用いるのが好ましい。ま
た、必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物の
触媒濃度は、有機アルミニウムオキシ化合物のアルミ原
子の0.01から100当量用いるのが好ましい。
【0119】次に、上記のバナジウム系触媒について説
明する。ここで使用される可溶性バナジウム化合物(I
V)は、具体的には下記式で表される。
【0120】式 VO(OR)ab、または、 式 V(OR)cd 。 ただし、上記の式において、Rは炭化水素基であり、X
はハロゲン原子であり、a、b、cおよびdは、それぞ
れ、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦c
≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4の関係を有する。
【0121】これらのバナジウム化合物の例としては、
VOCl3、VO(OC25)Cl2、VO(OC25
2Cl、VO(O-iso-C37)Cl2、VO(O-n-C4
9)Cl2、VO(OC253、VOBr2、VCl4
VOCl2、VO(O-n-C493およびVCl3・2
(OC817OH)等が挙げられる。これらのバナジウ
ム化合物は単独で、あるいは組合わせて使用することが
できる。
【0122】さらに、可溶性バナジウム化合物(i)は、
次式で表されるように、第3級アルコキシ基を有するバ
ナジウム化合物であってもよい。 VO(OCR1 3ab または V(OCR2 3cd ただし、上記式においてR1、R2は、炭素数1〜5の直
鎖状または分岐状アルキル基であり、Xは塩素原子また
は臭素原子である。また、a、b、c、dは、0.5≦
a≦3、0≦b≦2.5、2≦a+b≦3、0.5≦c≦
4、0≦d≦3.5、3≦c+d≦4を満たす。
【0123】上記式で表される第3級アルコキシ基を配
位子として有する可溶性バナジウム化合物としては、具
体的には以下に記載する化合物が挙げられる。VO(te
rt-ブチルオキシ)Cl2、VO(tert-ブチルオキシ)2
Cl、VO(tert-ブチルオキシ)3、VO(2,3-ジメチ
ル-2-ブチルオキシ)Cl2、VO(2,3-ジメチル-2-ブ
チルオキシ)2Cl、VO(2,3-ジメチル-2-ブチルオキ
シ)3、VO(2-メチル-2-ペンチルオキシ)Cl2、V
O(2-メチル-2-ペンチルオキシ)2Cl、VO(2-メチ
ル-2-ペンチルオキシ)3、VO(3-メチル-3-ペンチル
オキシ)Cl2、VO(3-メチル-3-ペンチルオキシ)2
Cl、VO(3-メチル-3-ペンチルオキシ)3、VO(2,
3-ジメチル-3-ペンチルオキシ)Cl2、VO(2,3-ジメ
チル-3-ペンチルオキシ)2Cl、VO(2,3-ジメチル-3
-ペンチルオキシ)3、VO(3-エチル-3-ペンチルオキ
シ)Cl2、VO(3-エチル-3-ペンチルオキシ)2
l、VO(3-エチル-3-ペンチルオキシ)3、VO(2-メ
チル-2-ヘキシルオキシ)Cl2、VO(2-メチル-2-ヘ
キシルオキシ)2Cl、VO(2-メチル-2-ヘキシルオキ
シ)3など。
【0124】V(tert-ブチルオキシ)Cl3、 V(tert-ブチルオキシ)2Cl2 V(tert-ブチルオキシ)3Cl V(2,3-ジメチル-2-ブチルオキシ)Cl3 V(2,3-ジメチル-2-ブチルオキシ)2Cl2 V(2,3-ジメチル-2-ブチルオキシ)3Clなど。
【0125】V(tert-ブチルオキシ)Cl3 V(tert-ブチルオキシ)2Cl2 V(tert-ブチルオキシ)3Clなど。
【0126】これらの第3級アルコキシ基を有するバナ
ジウム化合物では、VO(アルコキシ基)Cl2が好ま
しい。さらに、可溶性バナジウム化合物(i)は、次式で
表されるように、β-ジケトンを配位子として有するバ
ナジウム化合物であってもよい。
【0127】 VO(acac)ef または V(mmh)gh ただし、上記式においてacacは、次式で表されるアセチ
ルアセトナト基を表し、mmhは2-メチル-1,3-ブタンジオ
ナト基を表す。またYは、アルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子であり、さらに、e、f、g、hは、1≦
e≦2、0≦f≦1、2≦e+f≦3、1≦g≦3、0
≦h≦3、3≦g+h≦4を満たす。
【0128】
【化38】
【0129】上記式で表わされるβ- ジケトンを配位子
として有する可溶性バナジウム化合物としては、具体的
には、以下に記載する化合物が挙げられる。なお、以下
に示す式において、XはCl、F、Br、I、アルキル
基、第1級アルコキシ基、第2級アルコキシ基のいずれ
かを表わすが、好ましくはClである。
【0130】VO(acac)2、VO(mmh)2、VO(aca
c)X2、VO(acac)X、VO(mmh)X2、VO(mm
h)X など。V(acac)3、V(mmh)3、V(acac)2
2、V(acac)2X、V(mmh)22、V(mmh)2Xな
ど。
【0131】これらのβ- ジケトンを配位子として有す
る可溶性バナジウム化合物ではVO(acac)2、VO(m
mh)2、V(acac)3、V(mmh)3が好ましい。さらにこ
のバナジウム化合物は、上記式で表わされるバナジウム
化合物に電子供与体が付加した付加物であってもよい。
【0132】ここで、上記のバナジウム化合物と付加物
を形成する電子供与体の例としては、アルコール、フェ
ノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸ま
たは無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水
物、および、アルコキシシラン等の含酸素電子供与体、
ならびにアンモニア、アミン、ニトリル、および、イソ
シアネート等の含窒素電子供与体が挙げられる。
【0133】このような電子供与体として用いられる具
体的な化合物の例としては、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノー
ル、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、ベ
ンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミル
アルコール、イソプロピルアルコールおよびイソプロピ
ルベンジルアルコールのような炭素数1〜18のアルコ
ール類;トリクロロメタノール、トリクロロエタノール
およびトリクロロヘキサノールのような炭素数1〜18
のハロゲン含有アルコール類;フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノ
ール、ノニルフェノール、クミルフェノールおよびナフ
トールのような炭素数6〜20のフェノール類(これら
のフェノール類は低級アルキル基を有してよい);アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
アセトフェノン、ベンゾフェノンおよびベンゾキノンの
ような炭素数3〜15のケトン類;アセトアルデヒド、
プロピルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアル
デヒド、トリアルデヒドおよびナフトアルデヒドのよう
な炭素数2〜15のアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オ
クチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪
酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル
酢酸エチル、メタクリル酸エチル、クロトン酸エチル、
シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安
息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安
息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フ
ェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイ
ル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチ
ル、アリス酸メチル、アリス酸エチル、エトキシ安息香
酸エチル、γ-ブチルラクトン、δ-バレロラクトン、ク
マリン、フタリドおよび炭酸エチルのような炭素数2〜
30の有機酸エステル類;アセチルクロリド、ベンゾイ
ルクロリド、トルイル酸クロリドおよびアリス酸クロリ
ドのような炭素数2〜15の酸ハライド類;メチルエー
テル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチル
エーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニ
ソールおよびジフェニルエーテルのような炭素数2〜2
0のエーテル類;無水酢酸、無水フタル酸および無水安
息香酸のような酸無水物;ケイ酸エチルおよびジフェニ
ルメトキシシランのようなアルコキシシラン;酢酸N,N-
ジメチルアミド、安息香酸N,N-ジメチルアミドおよびト
ルイル酸N,N-ジメチルアミドのような酸アミド類;トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
トリベンジルアミンおよびテトラメチルエチレンジアミ
ンのようなアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル
およびトリニトリルのようなニトリル類;ならびにピリ
ジン、メチルピリジン、エチルピリジンおよびジメチル
ピリジンのようなピリジン類が挙げられる。これらの電
子供与体は、単独であるいは組合わせて使用することが
できる。
【0134】また、上記可溶性バナジウム化合物(IV)
とともに用いられる有機アルミニウム化合物(V) は、
分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合
物である。
【0135】この有機アルミニウム化合物の例として
は、下記式(イ)および(ロ)で表わされる化合物が挙
げられる。 (イ)式 R1 mAl(OR2npqで表わされる有機
アルミニウム化合物。
【0136】ここでR1 およびR2 は炭素数が、通常は
1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基で、これらは
互いに同一でも異なっていてもよい。Xはハロゲン、m
は0≦m≦3、nは0≦n<3、pは0≦n<3、qは
0≦q<3の数であって、かつm+n+p+q=3であ
る。
【0137】(ロ)式 M1AlR1 4 で表わされる第I
族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。ここでM1
はLi、NaまたはKであり、R1 は前記と同じ意味で
ある。
【0138】前記の式(イ)で表わされる有機アルミニ
ウム化合物の例としては、具体的には以下に記載する化
合物が挙げられる。 式 R1 mAl(OR23-m ・・・(1) で表わされる化合物;ここでR1 およびR2 は前記と同
じ意味であり、mは好ましくは1.5≦m<3の数であ
る。
【0139】式 R1 mAlX3-m ・・・(2) で表わされる化合物;ここでR1 は前記と同じ意味であ
り、Xはハロゲン原子、mは好ましくは0<m<3であ
る。
【0140】式 R1 mAlH3-m ・・・(3) で表わされる化合物;ここでR1 は前記と同じ意味であ
り、mは好ましくは2≦m<3である。
【0141】式 R1 mAl(OR2nq ・・・(4) で表わされる化合物;ここでR1 およびR2 は前記と同
じ意味であり、Xはハロゲン原子、0<m≦3、0≦n
<3、0≦q<3で、m+n+q=3である。
【0142】上記式(1)で表わされる有機アルミニウ
ム化合物の具体的な例としては、トリエチルアミルミニ
ウムおよびトリブチルアルミニウムのようなトリアルキ
ルアルミニウム;トリイソプロペニルアルミニウムのよ
うなトリアルケニルアルミニウム;ジエチルアルミニウ
ムエトキシドおよびジブチルアルミニウムブトキシドの
ようなジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルア
ルミニウムセスキエチリド、ブチルアルミニウムセスキ
ブトキシドおよび式R1 2.5Al(OR20.5等(R1
2はアルキル基)で表わされる平均組成を有する部分
的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウムが挙げら
れる。
【0143】上記式(2)で表わされる有機アルミニウ
ム化合物の具体的な例としては、ジエチルアルミニウム
クロリド、ジブチルアルミニウムクロリドおよびジエチ
ルアルミニウムブロミドのようなジアルキルアルミニウ
ムハライド;エチルアミルニウムセスキクロリド、ブチ
ルアルミニウムセスキクロリドおよびエチルアルミニウ
ムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウムセスキ
ハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルア
ルミニウムジクロリドおよびブチルアルミニウムジブロ
ミドのようなに部分的にハロゲン化されたアルキルアル
ミニウムが挙げられる。
【0144】上記式(3)で表わされる有機アルミニウ
ム化合物の具体的な例としては、ジエチルアルミニウム
ヒドロドおよびジブチルアルミニウムヒドリドのような
ジアルキルアルミニウムヒドリド;ならびにエチルアル
ミニウムジヒドリドおよびプロピルアルミニウムジヒド
リドのように部分的に水素化されたアルキルアルミニウ
ムが挙げられる。
【0145】上記式(4)で表わされる有機アルミニウ
ム化合物の具体的な例としては、エチルアルミニウムエ
トキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド
およびエチルアルミニウムエトキシブロミドのように部
分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルア
ルミニウムが挙げられる。
【0146】さらに有機アルミニウム化合物は、たとえ
ば酸素原子あるいは窒素原子を介して、2以上のアルミ
ニウムが結合した有機アルミニウム化合物のように式
(イ)で表わされる化合物に類似する化合物であっても
よい。
【0147】このような化合物の具体的な例としては、
(C252AlOAl(C252、(C492Al
OAl(C492および(C252AlN(C65
Al(C252が挙げられる。
【0148】また、前記の式(ロ)で表わされる有機ア
ルミニウム化合物の例としては、LiAl(C254
およびLiAl(C7154が挙げられる。これらの中
では、特にアルキルアルミニウムハライド、アルキルア
ルミウムジハライドまたはこれらの混合物を用いるのが
好ましい。
【0149】また、バナジウム系触媒を形成する有機ア
ルミニウム化合物(V) として、有機アルミニウムオキ
シ化合物(アルミノオキサン)を使用することができ
る。このアルミノオキサンは、従来公知のアルミノオキ
サンであってもよく、またベンゼン不溶性のアルミノオ
キサンであってもよい。これらのアルミノオキサンは、
すでにメタロセン系触媒の項で説明した。
【0150】本発明において上述した可溶性バナジウム
化合物(IV)および有機アルミニウム化合物(V) は、
そのまま使用することもできるし、担体に担持させて使
用することもできる。ここで、担体化合物としては、S
iO2、Al23、B23、MgO、ZrO2、CaO、
TiO2、ZnO、ZnO2、SnO、BaO、ThOな
どの無機担体化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ-1- ブテン、ポリ4-メチル-1- ペンテン、スチレン
- ビニルベンゼン共重合体などの樹脂を用いることがで
きる。これらの担体化合物は単独であるいは組み合わせ
て使用することができる。
【0151】上記の炭素数2以上のα- オレフィン
(イ)と環状オレフィン(ロ)と非共役ジエン化合物
(ハ)との共重合反応は、通常は液相で行なわれ、可溶
性バナジウム化合物(IV)および有機アルミニウム化合
物(V) は、通常それぞれ反応溶媒で希釈して重合溶液
中に供給される。
【0152】上記の可溶性バナジウム化合物(IV)の触
媒濃度は、10-8〜10-2モル/リットル、好ましくは
10-6〜10-3モル/リットルであり、有機アルミニウ
ム化合物の触媒濃度は、遷移金属化合物の1〜104
量の量で用いるのが好ましい。
【0153】上述したメタロセン系触媒あるいはバナジ
ウム系触媒の存在下に、炭素数2以上のα- オレフィン
(イ)と環状オレフィン(ロ)と非共役ジエン化合物
(ハ)との共重合を行なう際の重合形態としては、溶液
重合、モノマー溶媒重合、スラリー重合がある。
【0154】また、上記共重合で用いられる重合溶媒と
しては、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯
油のような脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素などを例示すること
ができる。これらの溶媒は、単独であるいは混合して用
いることができる。
【0155】上記の重合温度は、−50〜230℃、好
ましくは−30〜200℃、さらに好ましくは−20〜
150℃の範囲であり、重合反応時間は、2分〜5時
間、好ましくは5分〜3時間である。また、重合反応の
際の圧力は、0を超えて1000kg/cm2 、好まし
くは0を超えて50kg/cm2 の範囲である。
【0156】炭素数2以上のα- オレフィン(イ)、環
状オレフィン(ロ)および非共役ジエン化合物(ハ)の
各成分の供給濃度比は、((ロ)+(ハ))/((イ)
+(ロ)+(ハ))の値が0.60〜0.99の範囲内
にあることが好ましく、0.70〜0.98の範囲にあ
ることが特に好ましい。また(ロ)と(ハ)との比率に
ついては、(ハ)/(ロ)+(ハ)の値が0.01〜
0.80の範囲にあることが好ましく、0.01〜0.
50の範囲にあることが特に好ましい。
【0157】上記のようにして得られる環状オレフィン
系共重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、
あるいは重合温度の変化させること等により調節するこ
とができる。
【0158】本発明のポリプロピレン成分[B]につい
て説明する。ポリプロピレン成分[B] 本発明のポリプロピレン成分[B]は、上記のような重
合可能な二重結合を有する環状オレフィン系ランダム共
重合体成分[A]の存在下で、プロピレンを重合させて
得られる。
【0159】上記ポリプロピレン成分[B]において
は、該プロピレン成分の性質を損なわない範囲で他のα
-オレフィンを付加重合させることもできる。より具体
的には、他のα-オレフィンとしては、例えば、エチレ
ン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-
ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
ラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エ
イコセンなどの炭素数2〜20のα-オレフィンを挙げ
ることができる。
【0160】環状オレフィン系共重合体組成物[C] 本発明に係る環状オレフィン系共重合体組成物[C]
は、上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体成
分[A]と、ポリプロピレン成分[B]とからなってい
るが、該組成物[C]中に環状オレフィン系ランダム共
重合体成分[A]は、1〜95重量%好ましくは5〜9
5重量%の量で存在している。
【0161】このような本発明に係る環状オレフィン系
共重合体組成物[C]は、重合可能な炭素・炭素二重結
合を有する環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]と、該環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]の存在下に、プロピレンの重合を行なって得られ
るポリプロピレン成分[B]とからなっており、組成物
[C]中では、ポリプロピレン成分[B]と、環状オレ
フィン系ランダム共重合体成分[A]とは、少なくとも
一部が化学的に結合していると考えられる。このこと
は、本発明に係る環状オレフィン系共重合体組成物
[C]が、環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]の非存在下にプロピレンを重合して得られるポリ
プロピレン成分[B]と、上記のような環状オレフィン
系ランダム共重合体成分[A]とを単にブレンドしてな
る環状オレフィン系共重合体組成物よりも、靱性に優れ
ていることからも示される。このため、環状オレフィン
系ランダム共重合体成分[A]相とポリプロピレン成分
[B]相の分散性が良好となり、耐熱性、および靱性の
向上した共重合体組成物[C]が得られる。
【0162】ここでポリプロピレン成分[B]は、環状
オレフィン系ランダム共重合体成分[A]の存在下で製
造される環状オレフィン系共重合体組成物[C]におい
て、成分[A]以外の部分を意味するが、実際には本発
明の環状オレフィン系共重合体組成物[C]中において
は成分[B]と環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]との相溶性が良いため、組成物[C]中から、上
記ポリプロピレン成分[B]のすべてを取り出すことが
できない。
【0163】本発明に係る環状オレフィン系共重合体組
成物[C]は、上記のように環状オレフィン系ランダム
共重合体成分[A]と、該共重合体成分[A]の存在下
に、プロピレンを重合することにより得られるポリプロ
ピレン成分[B]とからなっているが、このような環状
オレフィン系系共重合体組成物[C]を製造する際に用
いられる重合用触媒およびこれらの触媒を用いた重合方
法について具体的に説明する。
【0164】環状オレフィン系共重合体組成物の製造 なお本発明において「重合」という語は、単独重合だけ
でなく、共重合をも包含した意味で用いられることがあ
り、また「重合体」という語は、単独重合体だけでな
く、共重合体をも包含した意味で用いられることがあ
る。
【0165】本発明の環状オレフィン系共重合体の組成
物の製造法すなわち[A]成分存在下でのプロピレン重
合は、後述するような[P]遷移金属化合物触媒成分と
[Q]有機金属化合物触媒成分を用い、必要に応じて電
子供与体[R]を用いて行う。
【0166】まず[P]遷移金属化合物触媒成分につい
て説明する。本発明では、[P]遷移金属化合物触媒成
分として、周期律表第III 〜VIII族から選ばれる遷移金
属を含む化合物を挙げることができ、好ましくはTi、
Zr、Hf、Nb、Ta、CrおよびVから選ばれる少
なくとも1種の遷移金属を含む化合物を挙げることがで
きる。
【0167】このような[P]遷移金属化合物触媒成分
としては、公知の触媒成分を用いることができるが、具
体的には、たとえば、チタンおよびハロゲンを含む固体
状チタン触媒成分を挙げることができる。さらに具体的
には、固体状チタン触媒成分の一例として、チタン、マ
グネシウム、ハロゲンおよび好ましくは電子供与体(a)
を含有する固体状チタン触媒成分[P-1]を挙げること
ができる。
【0168】このような固体状チタン触媒成分[P-1]
の調製方法については、たとえば、以下に例示するよう
な公報にその詳細が記載されている。特開昭51−28
1189号、特開昭50−126590号、特開昭51
−92885号、特公昭57−45244号、特公昭5
7−26613号、特公昭61−5483号、特開昭5
6−811号、特公昭60−37804号、特公昭59
−50246号、特開昭58−83006号、特開昭4
8−16986号、特開昭49−65999号、特開昭
49−86482号、特公昭56−39767号、特公
昭56−32322号、特開昭55−29591号、特
開昭53−146292号、特開昭57−63310
号、特開昭57−63311号、特開昭57−6331
2号、特開昭62−273206号、特開昭63−69
804号、特開昭61−21109号、特開昭63−2
64607号、特開昭60−23404号、特開昭60
−44507号、特開昭60−158204号、特開昭
61−55104号、特開昭2−28201号、特開昭
58−196210号、特開昭64−54005号、特
開昭59−149905号、特開昭61−145206
号、特開昭63−302号、特開昭63−225605
号、特開昭64−69610号、特開平1−16870
7号、特開昭62−104810号、特開昭62−10
4811号、特開昭62−104812号、特開昭62
−104813号など。
【0169】この固体状チタン触媒成分[P-1]は、た
とえば四価のチタン化合物、マグネシウム化合物および
好ましくは電子供与体(a) を用い、これら化合物を接触
させることにより調製される。
【0170】このような四価のチタン化合物としては、
次式で示される化合物を挙げることができる。 Ti(OR)g4-g 式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、0≦g≦4である。
【0171】このような化合物として、具体的には、T
iCl4 、TiBr4、TiI4 などのテトラハロゲン化チタ
ン、Ti(OCH3)Cl3 、Ti(OC25)Cl3 、Ti(On
-C49)Cl3 、Ti(OC25)Br3、Ti(O-iso-C4
9)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン、Ti(O
CH3)2Cl2 、Ti(OC25)2Cl2 、Ti(On-C49)
2Cl2 、Ti(OC25)2Br2などのジハロゲン化ジアル
コキシチタン、Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC25)3
l、Ti(On-C49)3Cl、Ti(OC25)3Br などのモ
ノハロゲン化トリアルコキシチタン、Ti(OCH3)4
Ti(OC25)4 、Ti(On-C49)4 、Ti(O-iso-C4
9)4 、Ti(O-2-エチルヘキシル)4などのテトラアル
コキシチタンなどを例示することができる。
【0172】これらの中で好ましいものは、テトラハロ
ゲン化チタンであり、特に四塩化チタンが好ましい。こ
れらのチタン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。あるいは炭化水素、ハロゲ
ン化炭化水素に希釈して用いてもよい。
【0173】固体状チタン触媒成分[P-1]の調製に用
られるマグネシウム化合物としては、還元能を有するマ
グネシウム化合物および還元能を有しないマグネシウム
化合物を挙げることができる。
【0174】還元能を有するマグネシウム化合物として
は、たとえば下式で表わされる有機マグネシウム化合物
を挙げることができる。 Xn MgR2-n 式中、nは0≦n<2であり、Rは水素または炭素数1
〜20のアルキル基、アリール基またはシクロアルキル
基であり、nが0である場合2個のRは同一でも異なっ
ていてもよく、Xはハロゲンである。
【0175】このような還元能を有する有機マグネシウ
ム化合物としては、具体的には、ジメチルマグネシウ
ム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、
ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキ
シルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、オクチルブ
チルマグネシウム、エチルブチルマグネシウムなどのジ
アルキルマグネシウム化合物、エチル塩化マグネシウ
ム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウ
ム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウ
ムなどのアルキルマグネシウムハライド、ブチルエトキ
シマグネシウム、エチルブトキシマグネシウム、オクチ
ルブトキシマグネシウムなどのアルキルマグネシウムア
ルコキシド、その他ブチルマグネシウムハイドライドな
どを挙げることができる。
【0176】また、還元能を有しないマグネシウム化合
物の具体的な例としては、塩化マグネシウム、臭化マグ
ネシウム、沃化マグネシウム、弗化マグネシウムなどの
ハロゲン化マグネシウム、メトキシ塩化マグネシウム、
エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネ
シウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マ
グネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド、フ
ェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグ
ネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド、エト
キシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブト
キシマグネシウム、n-オクトキシマグネシウム、2-エチ
ルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウ
ム、フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグ
ネシウムなどのアリロキシマグネシウム、ラウリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシ
ウムのカルボン酸塩などを挙げることができる。その他
マグネシウム金属、水素化マグネシウムを用いることも
できる。
【0177】これら還元能を有しないマグネシウム化合
物は、上述した還元能を有するマグネシウム化合物から
誘導した化合物、あるいは触媒成分の調製時に誘導した
化合物であってもよい。還元能を有しないマグネシウム
化合物を、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導
するには、たとえば、還元能を有するマグネシウム化合
物を、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シラン化合
物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、エステル、アル
コール、ハロゲン含有化合物、あるいはOH基や活性な
炭素−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
【0178】なお、上記の還元能を有するマグネシウム
化合物および還元能を有しないマグネシウム化合物は、
後述する有機金属化合物、たとえばアルミニウム、亜
鉛、ホウ素、ベリリウム、ナトリウム、カリウムなどの
他の金属との錯化合物、複化合物を形成していてもよ
く、あるいは他の金属化合物との混合物であってもよ
い。さらに、マグネシウム化合物は単独であってもよ
く、上記の化合物を2種以上組み合わせてもよく、また
液状状態で用いても固体状態で用いてもよい。マグネシ
ウム化合物が固体である場合、電子供与体(a) として後
述するアルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類、ア
ミン類、金属酸エステル類などを用いて液体状態にする
ことができる。
【0179】固体状チタン触媒成分[P-1]の調製に用
いられるマグネシウム化合物としては、上述した以外に
も多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に
得られる固体状チタン触媒成分[P-1]中において、ハ
ロゲン含有マグネシウム化合物の形をとることが好まし
く、従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用
いる場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物と接触
反応させることが好ましい。
【0180】これらの中でも、還元能を有しないマグネ
シウム化合物が好ましく、特にハロゲン含有マグネシウ
ム化合物が好ましく、さらにこれらの中でも塩化マグネ
シウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化
マグネシウムが好ましい。
【0181】固体状チタン触媒成分[P-1]の調製にお
いては、好ましくは電子供与体(a)が用いられる。この
ような電子供与体(a) としては、アルコール類、フェノ
ール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機
酸ハライド類、有機酸または無機酸のエステル類、エー
テル類、ジエーテル類、酸アミド類、酸無水物類、アル
コキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア類、
アミン類、ニトリル類、ピリジン類、イソシアネート類
などの含窒素電子供与体を挙げることができる。より具
体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキ
サノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシル
アルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコー
ル、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコー
ルなどの炭素数1〜18のアルコール類やトリクロロメ
タノールやトリクロロエタノール、トリクロロヘキサノ
ールなどの炭素数1〜18のハロゲン含有アルコール
類、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフ
ェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、ク
ミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル基を有
してもよい炭素数6〜20のフェノール類、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセト
フェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素数
3〜15のケトン類、アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ト
ルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜15
のアルデヒド類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シ
クロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草
酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メ
タクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサン
カルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、
安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチ
ル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息
香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、
トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メ
チル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ-
ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタ
リド、炭酸エチルなどの炭素数2〜18の有機酸エステ
ル類、アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイ
ル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15
の酸ハライド類、メチルエーテル、エチルエーテル、イ
ソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエー
テルなどの炭素数2〜20のエーテル類、酢酸N,N-ジメ
チルアミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸
N,N-ジメチルアミドなどの酸アミド類、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジ
ルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン
類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリルな
どのニトリル類、ピリジン、メチルピリジン、エチルピ
リジン、ジメチルピリジンなどのピリジン類、無水酢
酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物などを
例示することができる。
【0182】また有機酸エステルとしては、下記一般式
で表される骨格を有する多価カルボン酸エステルを好ま
しい例として挙げることができる。
【0183】
【化39】
【0184】(式中、R1は置換または非置換の炭化水
素基、R2、R5、R6は水素または置換または非置換の
炭化水素基、R3、R4は、水素あるいは置換または非置
換の炭化水素基であり、好ましくはその少なくとも一方
は置換または非置換の炭化水素基である。また、R3
4とは互いに連結されて環状構造を形成していてもよ
い。炭化水素基R1〜R6が置換されている場合の置換基
は、N、O、Sなどの異原子を含み、たとえば、C−O
−C、COOR、COOH、OH、SO3H、−C−N
−C−、NH2などの基を有する。)このような、多価
カルボン酸エステルとしては、具体的には、脂肪族ポリ
カルボン酸エステル、脂環族ポリカルボン酸エステル、
芳香族ポリカルボン酸エステル、異節環ポリカルボン酸
エステルなどが挙げられる。
【0185】好ましい具体例としては、マレイン酸n-ブ
チル、メチルマロン酸ジイソブチル、シクロヘキセンカ
ルボン酸ジn-ヘキシル、ナジック酸ジエチル、テトラヒ
ドロフタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジエチル、フタ
ル酸ジイソブチル、フタル酸ジn-ブチル、フタル酸ジ2-
エチルヘキシル、3,4-フランジカルボン酸ジブチルなど
が挙げられる。
【0186】特に好ましい多価カルボン酸エステルとし
ては、フタル酸エステル類を例示することができる。さ
らにポリエーテル化合物として下記一般式で表される化
合物が挙げられる。
【0187】
【化40】
【0188】(ただし式中、nは2≦n≦10の整数で
あり、R1 〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒
素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選ばれる少な
くとも1種の元素を有する置換基であり、任意のR1
26、好ましくはR1〜R2nは共同してベンゼン環以外
の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が
含まれていてもよい。)好ましい具体例としては、2,2-
ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピ
ル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシ
クロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シ
クロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパンなどを
例示することができる。
【0189】上記のような電子供与体(a) は2種以上併
用することができる。なお本発明で用いられる固体状チ
タン触媒成分[P-1]は、調製時に、上記のような化合
物に加えて、担体化合物および反応助剤などとして用い
られる珪素、リン、アルミニウムなどを含む有機および
無機化合物などを接触させて調製してもよい。
【0190】このような担体化合物としては、Al2
3 、SiO2 、B23 、MgO、CaO、TiO2、Zn
O、SnO2、BaO、ThO、スチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体などの樹脂などが用いられる。この中でAl2
3、SiO2、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体が
好ましい。
【0191】本発明で用いられる固体状チタン触媒成分
[P-1]は、上記したようなチタン化合物、マグネシウ
ム化合物および好ましくは電子供与体(a) を接触させて
調製される。
【0192】これら化合物を用いた固体状チタン触媒成
分[P-1]の調製方法は、特に限定されるものではない
が、この方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒から成る溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固
体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物
と接触反応させる方法。 (2) マグネシウム化合物と電子供与体(a) から成る錯体
を有機金属化合物と接触反応させた後チタン化合物を接
触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および好ましくは電子供与体(a) を接触反
応させる方法。この際、予め該接触物をハロゲン含有化
合物および/または有機金属化合物と接触反応させても
よい。 (4) マグネシウム化合物、電子供与体(a) 、場合によっ
ては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または有機担体
との混合物から、マグネシウム化合物の担持された無機
または有機担体を得、次いでチタン化合物を接触させる
方法。 (5) マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体
(a) 、場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無
機または有機担体との接触により、マグネシウム、チタ
ンの担持された固体状チタン触媒成分を得る方法。 (6) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
チタン化合物と接触反応させる方法。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。 (8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物をハロゲン含
有チタン化合物と接触反応する方法。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体(a) から成る錯体をチタン化合物と接触反応する方
法。 (10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体(a) から成る錯体を有機金属化合物と接触後チタン
化合物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体(a) と、チタン
化合物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反
応は、各成分を電子供与体(a) および/または有機金属
化合物やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予
備処理してもよい。
【0193】なお、この方法においては、上記電子供与
体(a) を少なくとも一回は用いることが好ましい。 (12)還元能を有しない液状のマグネシウム化合物と液状
チタン化合物とを、好ましくは電子供与体(a) の存在下
で反応させて固体状のマグネシウム・チタン複合体を析
出させる方法。 (13) (12)で得られた反応生成物に、チタン化合物をさ
らに反応させる方法。 (14) (11)あるいは(12)で得られる反応生成物に、電子
供与体(a) およびチタン化合物をさらに反応させる方
法。 (15)マグネシウム化合物と好ましくは電子供与体(a)
と、チタン化合物とを粉砕して得られた固体状物を、ハ
ロゲン、ハロゲン化合物および芳香族炭化水素のいずれ
かで処理する方法。なお、この方法においては、マグネ
シウム化合物のみを、あるいはマグネシウム化合物と電
子供与体(a) とからなる錯化合物を、あるいはマグネシ
ウム化合物とチタン化合物を粉砕する工程を含んでもよ
い。また、粉砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハロ
ゲンなどで処理してもよい。反応助剤としては、有機金
属化合物あるいはハロゲン含有ケイ素化合物などが挙げ
られる。 (16)マグネシウム化合物を粉砕した後、チタン化合物と
接触・反応させる方法。この際、粉砕時および/または
接触・反応時に電子供与体(a) や、反応助剤を用いるこ
とが好ましい。 (17)上記(11)〜(16)で得られる化合物をハロゲンまたは
ハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する方法。 (18)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体(a) お
よびチタン化合物と接触させる方法。 (19)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合
物を、チタン化合物および/またはハロゲン含有炭化水
素および好ましくは電子供与体(a) と反応させる方法。 (20)マグネシウム化合物とアルコキシチタンとを少なく
とも含む炭化水素溶液と、チタン化合物および/または
電子供与体(a) とを接触させる方法。この際ハロゲン含
有ケイ素化合物などのハロゲン含有化合物を共存させる
ことが好ましい。 (21)還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物と
有機金属化合物とを反応させて固体状のマグネシウム・
金属(アルミニウム)複合体を析出させ、次いで、電子
供与体(a) およびチタン化合物を反応させる方法。
【0194】このような固体状チタン触媒成分[P-1]
の調製は、通常−70℃〜200℃、好ましくは−50
℃〜150℃の温度で行われる。このようにして得られ
る固体状チタン触媒成分[P-1]は、チタン、マグネシ
ウム、ハロゲンおよび好ましくは電子供与体(a) を含有
している。
【0195】この固体状チタン触媒成分[P-1]におい
て、ハロゲン/チタン(原子比)は、2〜200、好ま
しくは4〜90であり、マグネシウム/チタン(原子
比)は、1〜100、好ましくは2〜50であることが
望ましい。
【0196】また好ましくは電子供与体(a) は、通常、
電子供与体(a) /チタン(モル比)が、0. 01〜10
0、好ましくは0. 05〜50の割合で含有される。本
発明では、上記のような固体状チタン触媒成分[P-1]
については、チタン化合物を用いる例について説明した
が、上記のチタン化合物において、チタンをジルコニウ
ム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタルまたは
クロムに代えて例示することもできる。
【0197】本発明では、[P]遷移金属化合物触媒成
分として挙げられる固体状チタン触媒成分の他の一例と
して、従来公知の[P-2]三塩化チタン系触媒成分を用
いることもできる。
【0198】このような[P-2]三塩化チタン系触媒成
分の調製方法については、たとえば、以下に例示するよ
うな公報にその詳細が記載されている。特開昭56−3
4711号、特開昭61−287904号、特開昭63
−75007号、特開昭63−83106号、特開昭5
9−13630号、特開昭63−108008号、特開
昭63−27508号、特開昭57−70110号、特
開昭58−219207号、特開平1−144405
号、特開平1−292011号、特開平1−29201
1号など。
【0199】[P-2]三塩化チタン系触媒成分として
は、具体的に三塩化チタンが挙げられる。この三塩化チ
タンとしては、たとえば四塩化チタンを、水素や金属マ
グネシウム、金属アルミニウム、金属チタンなどの金属
あるいは有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化
合物、有機亜鉛化合物などの有機金属化合物と接触させ
て還元して得られる三塩化チタンが好ましく用いられ
る。またこのような三塩化チタンは、前述の電子供与体
(a) および/または四価のチタン化合物とともに、ある
いはこれらと接触させた後に用いることもできる。
【0200】さらに本発明では、[P]遷移金属化合物
触媒成分として、[P-3]メタロセン化合物を用いるこ
ともできる。このような[P-3]メタロセン化合物の調
製方法については、たとえば、以下に例示する公報にそ
の詳細が記載されている。
【0201】特開昭61−221207号、特開昭62
−121707号、特開昭63−66206号、特開平
2−22307号、特開平2−173110号、特開平
2−302410号、特開平1−129003号、特開
平1−210404号、特開平3−66710号、特開
昭3−70710号、特開平1−207248号、特開
昭63−222177号、特開昭63−222178
号、特開昭63−222179号、特開平1−1240
7号、特開平1−301704号、特開平1−3194
89号、特開平3−74412号、特開昭61−264
010号、特開平1−275609号、特開昭63−2
51405号、特開昭64−74202号、特開平2−
41303号、特開平2−131488号、特開平3−
56508号、特開平3−70708号、特開平3−7
0709号など。
【0202】このような[P-3]メタロセン化合物とし
ては、具体的には、環状オレフィン系ランダム共重合体
成分[A]の製造の際に用いられた、式[IX]:ML
xで表される周期律表第IVB 族またはランタニドの遷移
金属化合物(I)が挙げられる。
【0203】この式[IX]:MLxで示される化合物
として具体的に例示した前記ジルコニウム化合物におい
て、ジルコニウムを、チタン、ハフニウム、バナジウ
ム、ニオブ、タンタルまたはクロムに置換えた化合物を
用いることもできる。
【0204】本発明では、メタロセン化合物[P-3]と
して、中心の金属原子がジルコニウムであるメタロセン
化合物が好ましく用いられる。これらの化合物は単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。また炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素に希釈し
て用いてもよい。
【0205】また、上記のような[P-3]メタロセン化
合物は、粒子状担体化合物と接触させて、担体に担持さ
せて用いることもできる。担体化合物としては、SiO2
、Al23 、B23 、MgO、ZrO2 、CaO、Ti
2、ZnO、SnO2 、BaO、ThOなどの無機担体化
合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテ
ン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベン
ゼン共重合体などの樹脂を用いることができる。
【0206】これらの担体化合物は、二種以上組み合わ
せて用いることもできる。これらのうち、SiO2 、Al
23 、MgOが好ましく用いられる。次に、重合触媒
[I]を形成する周期律表第I族〜第III 族から選ばれ
る金属を含む有機金属化合物触媒成分[Q]について説
明する。
【0207】このような有機金属化合物触媒成分[Q]
としては、たとえば、[Q-1]有機アルミニウム化合
物、第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化合物、
第II族金属の有機金属化合物などを用いることができ
る。
【0208】このような[Q-1]有機アルミニウム化合
物としては、たとえば、前記環状オレフィン系ランダム
共重合体成分[A]の製造の際に掲げた、式[XI]:
5 nAlX3-n で示される有機アルミニウム化合物、ま
たは、式[XII]:R5 nAlY3-nで示される有機 ア
ルミニウム化合物を用いることができる。
【0209】第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル
化物としては、下記一般式で表される化合物を例示でき
る。 M1AlRj 4 (但し、M1 はLi 、Na、Kであり、Rj は炭素数1
〜15の炭化水素基である) 具体的には、LiAl(C254、LiAl(C7154
などが挙げられる。
【0210】第II族金属の有機金属化合物としては、下
記一般式で表される化合物を例示できる。 Rkl2 (但し、Rk 、Rl は炭素数1〜15の炭化水素基ある
いはハロゲンであり、互いに同一でも異なっていてもよ
いが、いずれもハロゲンである場合は除く。M2はM
g、Zn、Cdである) 具体的には、ジエチル亜鉛、ジエチルマグネシウム、ブ
チルエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリ
ド、ブチルマグネシウムクロリドなどが挙げられる。
【0211】これらの化合物は、2種以上併用すること
もできる。このような[Q-2]有機アルミニウムオキシ
化合物としては、具体的には、前記環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体成分[A]の製造の際に用いられたもの
と同様のアルミノオキサン類を例示することができる。
【0212】すなわち、
【0213】
【化41】
【0214】ここで、このアルミノオキサンは、式[O
Al(R1 )]で表わされるアルキルオキシアルミニウ
ム単位および式[OAl(R2 )]で表わされるアルキ
ルオキシアルミニウム単位[ここで、R1 およびR2
は、上記Rと同様の炭化水素基を例示することができ、
1 およびR2 は相異なる基を表わす]からなる混合ア
ルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよ
い。その場合には、メチルオキシアルミニウム単位(O
Al(CH3 ))を30モル%以上、好ましくは50モ
ル%以上、特に好ましくは70モル%以上の割合で含む
混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されたア
ルミノオキサンが好適である。
【0215】本発明で用いられる[Q-2]有機アルミニ
ウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであ
ってもよく、また本出願人らによって見出されたベンゼ
ン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよ
い。
【0216】このようなアルミノオキサンの製造法につ
いては、前記環状オレフィン系ランダム共重合体成分
[A]の製造の項で詳説したとおりである。なお本発明
では、[P]遷移金属化合物触媒成分が[P-1]固体状
チタン触媒成分または[P-2]三塩化チタン系触媒成分
である場合には、[Q]有機金属化合物触媒成分は、
[Q-1]有機アルミニウム化合物であることが好まし
く、[P]遷移金属化合物触媒成分が[P-3]メタロセ
ン化合物である場合には、[Q]有機金属化合物触媒成
分は、[Q-2]有機アルミニウムオキシ化合物であるこ
とが好ましい。
【0217】またこのような[P]遷移金属化合物触媒
成分および[Q]有機金属化合物触媒成分を用いて、
[A]成分存在下でプロピレンを重合させるに際して、
必要に応じて前述した電子供与体(a) または下記のよう
な電子供与体(b) を用いてもよい。
【0218】このような電子供与体(b) としては、下記
一般式で示される有機ケイ素化合物を用いることができ
る。 RnSi(OR’)4-n (式中、RおよびR’は炭化水素基であり、0<n<4
である) 上記のような一般式で示される有機ケイ素化合物として
は、具体的には、下記のような化合物が挙げられる。
【0219】トリメチルメトキシシラン、トリメチルエ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、
t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエ
トキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビスo-トリルジメ
トキシシラン、ビスm-トリルジメトキシシラン、ビスp-
トリルジメトキシシラン、ビスp-トリルジエトキシシラ
ン、ビスエチルフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘ
キシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメト
キシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、n-プロピルトリエトキシシラン、デシルトリメト
キシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、γ-クロルプロピルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキ
シシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、iso-ブチルト
リエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ-
アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエトキ
シシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、ビニルト
リブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラ
ン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2-ノルボルナ
ントリメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシ
ラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸
エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシラン、
メチルトリアリロキシ(allyloxy)シラン、ビニルトリス
(β-メトキシエトキシシラン)、ビニルトリアセトキ
シシラン、ジメチルテトラエトキシジシロキサン、シク
ロペンチルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチ
ルトリメトキシシラン、2,3-ジメチルシクロペンチルト
リメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラ
ン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ビス(2-メチ
ルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3-ジメ
チルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジシクロペン
チルジエトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシ
ラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、ジシクロペ
ンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチル
メトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ジシ
クロペンチルメチルエトキシシラン、シクロペンチルジ
メチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメトキ
シシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシラン。
【0220】これらのうち、エチルトリエトキシシラ
ン、n-プロピルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラ
ン、ビスp-トリルジメトキシシラン、p-トリルメチルジ
メトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、
シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、2-ノルボルナ
ントリエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジシクロペン
チルジメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラ
ン、シクロペンチルトリエトキシシラン、トリシクロペ
ンチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルメトキ
シシランなどが好ましく用いられる。
【0221】これらの有機ケイ素化合物は、2種以上組
み合わせて用いることもできる。さらに本発明では、電
子供与体(b) として、2,6-置換ピペリジン類、2,5-置換
ピペリジン類、N,N,N',N'-テトラメチルメチレンジアミ
ン、N,N,N',N'-テトラエチルメチレンジアミンなどの置
換メチレンジアミン類、1,3-ジベンジルイミダゾリジ
ン、1,3-ジベンジル-2- フェニルイミダゾリジンなどの
置換メチレンジアミン類などの含窒素電子供与体、トリ
エチルホスファイト、トリn-プロピルホスファイト、ト
リイソプロピルホスファイト、トリn-ブチルホスファイ
ト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn-ブチルホ
スファイト、ジエチルフェニルホスファイトなどの亜リ
ン酸エステル類などリン含有電子供与体、2,6-置換テト
ラヒドロピラン類、2,5-置換テトラヒドロピラン類など
の含酸素電子供与体を用いることもできる。
【0222】上記のような電子供与体(b) は、2種以上
併用することができる。次に本発明で用いられるプロピ
レン重合用触媒について説明する。本発明で用いられる
プロピレン重合用触媒は、上記のようにして得られる重
合触媒[P]と、周期律表第I族〜第III 族から選ばれ
る金属を含む有機金属化合物触媒成分[Q]とから形成
される。このプロピレン重合用触媒は、[P]重合触媒
と、[Q]有機金属化合物触媒成分と、さらに[R]電
子供与体とから形成されていてもよい。
【0223】また電子供与体[R]としては、前述した
電子供与体(a) または電子供与体(b) が用いられる。こ
れら電子供与体(a) および(b) は、併用されてもよい。
なお本発明では、プロピレン重合用触媒は、上記のよう
な各成分以外にも、本発明の目的に反しない範囲で、プ
ロピレンの重合に有用な他のオレフィン成分を含むこと
ができる。
【0224】本発明で採用されるプロピレンの重合方法
では、上記のようなプロピレン重合用触媒[P]の存在
下に、プロピレンを重合させている。本発明では、重合
は溶解重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重
合法いずれにおいても実施することができる。
【0225】プロピレンの重合は、環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体成分[A]を炭化水素溶媒に溶解させて
おいて、溶液状態あるいはスラリー状態で行なわれる。
こののプロピレン重合の際には、上記環状オレフィン系
ランダム共重合体成分[A]は0.1グラム/リットル
〜200グラム/リットルの量で用いられることが好ま
しい。
【0226】なお、本発明の重合方法において、重合触
媒[P]は、重合容積1リットル当り重合触媒[P]中
の遷移金属原子に換算して、通常は約0. 001〜10
0ミリモル、好ましくは約0. 005〜20ミリモルの
量で用いられる。有機金属化合物触媒成分[Q]は、該
触媒成分[Q]中の金属原子が、重合系中の予備重合触
媒[P]中の遷移金属原子1モルに対し、通常約1〜2
000モル、好ましくは約2〜500モルとなるような
量で用いられる。
【0227】電子供与体[R]が用いられる場合には、
電子供与体[R]は、有機金属化合物触媒成分[Q]の
金属原子1モルに対し、通常約0. 001モル〜10モ
ル、好ましくは0. 01モル〜5モルの量で用いられ
る。
【0228】重合時に水素を用いれば、得られる重合体
の分子量を調節することができ、メルトフローレートの
大きい重合体が得られる。本発明の重合方法では、重合
は通常、以下のような条件下で行われる。
【0229】重合温度は、通常約20〜300℃、好ま
しくは約50〜150℃であり、重合圧力は、常圧〜1
00kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2である。本
発明の重合方法においては、上記プロピレンの重合を、
バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても
行なうことができる。さらに重合を、反応条件を変えて
2段以上に分けて行うこともできる。
【0230】上記のようにプロピン重合用触媒を用い
て、環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]と、
該成分[A]の存在下でプロピレンの重合を行うと、環
状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]とポリプロ
ピレン成分[B]とからなる環状オレフィン系共重合体
組成物を高い重合活性で製造することができる。
【0231】上記のようにして環状オレフィン系ランダ
ム共重合体成分[A]と、該ランダム共重合体成分
[A]の存在下に、プロピレンを重合させて得られるポ
リプロピレン成分[B]とからなる環状オレフィン系共
重合体組成物[C]を含む溶液が得られる。このような
溶液中に、環状オレフィン系共重合体組成物[C]は、
通常、10〜500g/リットル、10〜300g/リ
ットルの濃度で含まれている。この溶液は、常法によっ
て処理され、環状オレフィン系共重合体組成物[C]が
得られる。
【0232】このようにして得られた環状オレフィン系
共重合体組成物[C]中には、上記環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体成分[A]は、1〜99重量%、好まし
くは5〜95重量%の量で含まれている。ただし、該成
分[A]とポリプロピレン成分[B]との合計を100
重量%とする。
【0233】このような環状オレフィン系共重合体組成
物[C]のメルトフローレート(MFR:260℃、2.16k
g荷重下で測定)は、通常50.0〜0.01g/10
分、好ましくは20.0〜0.05g/10分であり、熱
変形温度(HDT)は、通常50〜300℃、好ましく7
0〜200℃であり、曲げ弾性率(FM)は、通常170
00〜35000kg/cm2、好ましくは18000〜3
2000kg/cm2であり、引張伸び(EL)は、通常10
%以上、好ましくは15%以上である。
【0234】本発明で提供される環状オレフィン系共重
合体組成物は、周知の方法によって成形加工される。た
とえば、単軸押出機、ベント式押出機、二本スクリュー
押出機、円錐型二本スクリュー押出機、コニーダー、プ
ラティフイケーター、ミクストルーダー、二軸コニカル
スクリュー押出機、遊星ねじ押出機、歯車型押出機、ス
クリューレス押出機などにより押出成形、射出成形、ブ
ロー成形、回転成形される。
【0235】また本発明の環状オレフィン系共重合体組
成物[C]には、本発明の目的を損なわない範囲で、上
記環状オレフィン系共重合体組成物[C]に衝撃強度を
さらに向上させるためのゴム成分を配合したり、耐熱安
定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブ
ロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合
成油、ワックスなどを適宜配合することができる。
【0236】たとえば、任意成分として配合される安定
剤として具体的には、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t
-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル) プロ
ピオン酸アルキルエステル、2,2'-オキザミドビス[エチ
ル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピ
オネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシステア
リン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリン
ジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレー
ト、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリ
スリトールトリステアレート等の多価アルコールの脂肪
酸エステルなどを挙げることができる。これらは単独で
配合してもよいが、組み合わせて配合してもよく、たと
えば、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸
亜鉛およびグリセリンモノステアレートとの組合せ等を
例示することができる。
【0237】本発明では特に、フェノール系酸化防止剤
および多価アルコールの脂肪酸エステルとを組み合わせ
て用いることが好ましく、該多価アルコールの脂肪酸エ
ステルは3価以上の多価アルコールのアルコール性水酸
基の一部がエステル化された多価アルコール脂肪酸エス
テルであることが好ましい。このような多価アルコール
の脂肪酸エステルとしては、具体的には、グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリ
ンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グ
リセリンジステアレート、グリセリンジラウレート等の
グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールモノ
ステアレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、
ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリト
ールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステア
レート等のペンタエリスリトールの脂肪酸エステルが用
いられる。このようなフェノール系酸化防止剤は、環状
オレフィン系樹脂100重量部に対して0〜10重量部好まし
くは0〜5重量部さらに好ましくは0〜2重量部の量で用い
られ、また多価アルコールの脂肪酸エステルは環状オレ
フィン系樹脂100重量部に対して0〜10重量部、好ましく
は0〜5重量部の量で用いられる。
【0238】なお、本発明においては、上記のような方
法で[A]成分存在下にプロピレンの重合(本重合)を
行うが、このようなプロピレンの重合に先立ち、予備重
合を行ってもよい。このような予備重合の際には、例え
ば、[P]遷移金属化合物触媒成分、および[Q]周期
律表第I族〜第III族から選ばれる金属を含む有機金属
化合物触媒成分に、炭素数3以上のα−オレフィンとポ
リエン化合物とが、該[P]遷移金属化合物触媒成分1
g当たり0.01〜2000gの量で、予備重合されて
なる予備重合触媒が用いられる。
【0239】また本発明においては、本発明の目的を損
なわない範囲で、環状オレフィン系共重合体組成物にシ
リカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシ
ウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、
グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリ炭素数2以上のα−オレ
フィン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、
ポリアミド繊維等の充填剤を配合してもよい。
【0240】
【発明の効果】本発明で得られる環状オレフィン系共重
合体組成物[C]は、重合可能な炭素・炭素二重結合を
有する環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]
と、該ランダム共重合体成分[A]の存在下で、プロピ
レンを重合してなる重合体成分[B]とからなってお
り、環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]とポ
リプロピレン成分[B]とは、少なくとも一部が化学的
に結合(高分子間化学結合)していると考えられる。
【0241】したがって、この環状オレフィン系共重合
体組成物[C]では、環状オレフィン系ランダム共重合
体成分[A]相とポリプロピレン成分[B]相との分散
が良好となり、ポリプロピレンおよび環状オレフィン系
ランダム共重合体が有する性質を損なうことなく、耐熱
性、耐薬品性、剛性などに優れるとともに、靱性、他の
樹脂との相溶性にも優れている。
【0242】
【実施例】以下本発明を実施例によって説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0243】なお本発明における各種物性値の測定方法
及び評価方法を次に示す。 (1)極限粘度([η]) 135℃、デカリン溶液(1g/リットル)中でウベロ
ーデ型粘度計を用いて測定した。 (2)ガラス転移点(Tg) セイコー電子社製、DSC−220C、を用いてN2雰
囲気下、10℃/minの昇温速度で測定した。 (3)ポリマー中のモノマー組成比 13C−NMRにより測定した。 (4)ヨウ素価 JIS K3331に準じ、一塩化ヨウ素法により測定した。 (5)MFR ASTM D1238に準じ、260℃、2.16kg荷重下で測
定した。 (6)試験片の作成 東芝機械(株)製射出成形機IS50EPNおよび所定
の試験片金型を用い、以下の成形条件で成形した。
【0244】なお試験片は成形後室温で48時間放置後
測定に供給した。 成形条件: シリンダ温度:230℃、 金型温度:60℃、 射出圧力1次/2次=1000/800kg/cm2 (7)Izod衝撃強度(Iz) ASTM D256に準じて測定した。
【0245】試験温度:23℃ (8)熱変形温度(HDT) ASTM D648に準じて行なった。
【0246】荷重:264psi (9)引張伸び(EL) ASTM-D-638に準じて測定した。 (10)曲げ弾性率(FM) ASTM-D-790に準じて行なった。
【0247】
【環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]の製造
例】以下に、本発明に用いる環状オレフィン系ランダム
共重合体成分[A]の製造例を示す。
【0248】
【環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]の製造
例:(1)】攪拌翼を備えた1リットルのガラス製重合
器を用いて、エチレン・テトラシクロ[4.4.0.1
2,5.17,10]-3-ドデセン(以下TCDと略す)・1,
9−デカジエン(以下1,9−DDと略す)の共重合反
応を次の方法により連続的に行なった。
【0249】重合器上部からTCDおよび1,9−DD
のシクロヘキサン溶液を、重合器内におけるTCDの供
給濃度が54.1グラム/リットルとなるように、また
1,9−DDの供給濃度が5.2グラム/リットルとな
るように連続的に供給した。また重合器上部から触媒と
して、VO(O・エチル)Cl2のシクロヘキサン溶液
を、重合器内でのバナジウム濃度が0.5ミリモル/リ
ットルとなるように、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド(Al(C25)1.5Cl1.5)のシクロヘキサン溶液を
重合器内でのアルミニウム濃度が4.0ミリモル/リッ
トルとなるようにそれぞれ重合器内に連続的に供給し
た。また重合系にバブリング管を用いてエチレンを3
6.0リットル/時間、窒素を33.0リットル/時
間、水素を3.0リットル/時間の量で供給した。
【0250】重合器外部に取り付けられたジャケットに
熱媒体を循環させて重合系を10℃に保持しながら共重
合反応を行なった。上記共重合反応によって生成する、
環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]の重合溶
液を重合器上部から、重合器内の重合液が常に1リット
ルになるように(すなわち平均滞留時間が0.5時間と
なるように)連続的に抜き出した。この抜きだした重合
液に、シクロヘキサン/イソプロピルアルコ−ル(1:
1)混合液を添加して重合反応を停止させた。その後、
水1リットルに対し濃塩酸5mlを添加した水溶液と重
合液とを1:1の割合でホモミキサーを用い強攪拌下で
接触させ、触媒残渣を水相へ移行させた。この接触混合
液を静置した後、水相を分離除去した後、さらに蒸留水
で2回水洗を行ない、重合液相を精製分離した。
【0251】ついで精製分離された重合液を3倍量のア
セトンと強攪拌下で接触させ環状オレフィン系ランダム
共重合体成分[A]を析出させた後、この固体部をろ過
により採取し、アセトンで十分洗浄した。さらに、共重
合体[A]中に存在する未反応のTCDおよび1,5−
HDを抽出するためこの固体部を40g/リットルとな
るようにアセトン中に投入した後、60℃で2時間の条
件で抽出操作を行なった。抽出処理後、固体部をろ過に
より採取し、窒素流通下、130℃、350mmHgで12
時間乾燥した。
【0252】以上のようにして、得られたエチレン・T
CD・1,9−DD共重合体成分[A]は、[η]0.
85dl/g、Tg131℃であり、TCD含有量は32.
5モル%、ヨウ素価は6.3gヨウ素/100g重合体で
あった。
【0253】結果を表3に示す。
【0254】
【環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]の製造
例:(2)】窒素雰囲気下で、エチレンビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド(表2にはEt(Ind)2ZrCl2
と記述)20.1mgを採取し、メチルアルモキサン
(表2にはMAOと記述)のトルエン溶液(1.54mm
ol/ml)を6.2ml加え、常温で溶解させた。
【0255】トルエン260mlを含む1リットル−ス
テンレス製オートクレーブに、常温、窒素気流下でNB
317gおよび1,9−DD32.7mlを加え5分間
攪拌を行った。つづいて攪拌しながら常圧でエチレンを
流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オートクレーブ
の内温を20℃に保ち、エチレンにて内圧が4kg/c
2となるように加圧した。10分間攪拌したのち、さ
きに用意したエチレンビス(インデニル)ジルコニウム
ジクロリドとメチルアルモキサンを含むトルエン溶液か
ら5.2mlを系内に添加することによって、エチレ
ン、TCD、1,5−ヘキサジエンの共重合反応を開始
させた。このときの触媒濃度は、全系に対してエチレン
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.10
ミリモル/リットルであり、メチルアルモキサンが20
ミリモル/リットルである。重合中、系内にエチレンを
連続的に供給することにより、内圧を4kg/cm2
保持した。20分後、重合反応をイソプロピルアルコ−
ルを添加することにより停止した。脱圧後、ポリマー溶
液を取り出し、水1リットルに対し濃塩酸5mlを添加
した水溶液と1:1の割合でホモミキサーを用い強攪拌
下に接触させ、触媒残渣を水相へ移行させた。この接触
混合液を静置したのち、水相を分離除去し、さらに蒸留
水で水洗を2回行い、重合液相を精製分離した。
【0256】ついで精製分離された重合液を3倍量のア
セトンと強攪拌下で接触させ、共重合体を析出させた
後、固体部(共重合体)をろ過により採取し、アセトン
で十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応
のNBを抽出するため、この固体部を40g/リットル
となるようにアセトン中に投入した後、60℃で2時間
の条件で抽出操作を行なった。抽出処理後、固体部をろ
過により採取し、窒素流通下、130℃、350mmHgで
12時間乾燥した。
【0257】以上のようにして、得られたエチレン・N
B・1,9−DD共重合体は、[η]1.33dl/g、T
g144℃であり、NB含量は46.1モル%,ヨウ素
価は7.3g/100g共重合体であった。
【0258】結果を表2に示す。
【0259】
【環状オレフィン系ランダム共重合体成分の製造例:
(3)】成分[A]の製造例(1)において、TCDを
60.0グラム/リットルとなるように供給し、ジエン
を供給しなかった以外は製造例(1)と同様にしてエチ
レン・TCD・1,9−DD共重合体成分を製造した。
【0260】結果を表2に示す。
【0261】
【環状オレフィン系ランダム共重合体成分の製造例:
(4)】成分[A]の製造例(1)において、TCDの
かわりにノルボルネン(以下NBと略す)を7.8グラ
ム/リットルとなるように供給し、1,9−DDを1.
0グラム/リットルとなるように供給した以外は製造例
(1)と同様にしてエチレン・NB・1,9−DD共重
合体成分を製造した。
【0262】結果を表1に示す。
【0263】
【実施例1】 「固体状チタン触媒成分の調製」無水塩化マグネシウム
95.2g、デカン442mlおよび2-エチルヘキシルア
ルコール390.6gを130℃で2時間加熱して均一
溶液とした後、この溶液中に無水フタル酸21.3gを
添加し、さらに、130℃にて1時間撹拌混合を行な
い、無水フタル酸を溶解させた。このようにして得られ
た均一溶液を室温に冷却した後、−20℃に保持した四
塩化チタン200ml中にこの均一溶液の75mlを1時間
にわたって滴下装入した。装入終了後、この混合液の温
度を4時間かけて110℃に昇温し、110℃に達した
ところでフタル酸ジイソブチル(DIBP)5.22g
を添加し、これより2時間同温度にて撹拌保持した。
【0264】反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、
この固体部を275mlの四塩化チタンに再懸濁させた
後、得られた懸濁液を再び110℃で2時間、加熱し
た。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、11
0℃のデカンおよびヘキサンにて溶液中に遊離のチタン
化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
【0265】以上の操作によって調製した固体状チタン
触媒成分はデカンスラリーとして保存したが、この内の
一部を触媒組成を調べる目的で乾燥した。このようにし
て得られた固体状チタン触媒成分の組成は、チタン2.
4重量%、塩素60重量%、マグネシウム20重量%、
DIBP13.0重量%であった。
【0266】
【組成物の調製】内容積1リットルのオートクレーブ
に、環状オレフィン系共重合体1を15.5g溶解して
含む、シクロヘキサン375ミリリットルを装入し、6
0℃、プロピレン雰囲気にてトリエチルアルミニウム
0.375ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシ
シラン(CMMS)0.375ミリモルおよび調製して
おいた固体状チタン触媒を、チタン原子換算で0.00
75ミリモルTi装入した。
【0267】水素100ミリリットルを導入し、70℃
に昇温したのち、この温度に20分保持してプロピレン
重合を行なった。重合中の圧力は8kg/cm2に保っ
た。重合終了後、重合生成物を含むスラリーを、3倍量
のアセトンと強攪拌下で接触させ、共重合体を析出させ
た後、固体部(共重合体)をろ過により採取し、アセト
ンで十分洗浄した。その後固体部をろ過により採取し、
窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥し
た。
【0268】以上のようにして、47.0gからなる環
状オレフィン系共重合体組成物が得られ、この中には環
状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]が33重量
%、ポリプロピレン成分[B]が67重量%の割合で含
まれていることがわかった。環状オレフィン系共重合体
組成物[C]のMFRは0.1g/10分であった。この組
成物[C]の熱変形温度は92℃、曲げ弾性率は200
00kg/cm2であった。また引張試験における伸び
は、18%であった。このように、引っ張り伸び、すな
わち靱性が向上していることから、[A]、[B]両者
の相溶性が良好であることが示された。
【0269】結果を表2に示す。
【0270】
【比較例1】実施例1において、環状オレフィン系共重
合体成分[A]を用いなかった以外は、実施例1と同様
にしてプロピレンの重合を行った。33.0gの共重合
体が得られた。
【0271】結果を表4に示す。ポリプロピレン単味で
は、耐熱性、剛性、靱性とも低いことが示された。
【0272】
【比較例2】製造例(1)に示す共重合体成分[A]の
単味物性を測定した。結果を表4に示す。
【0273】耐熱性に優れるものの、靱性が低く、また
[A]、[B]両成分の相溶性が悪いことが示された。
【0274】
【比較例3】比較例1で得られたポリプロピレン13.
4gと、製造例(1)に示す共重合体成分[A]を6.
6g、パラキシレン1000ml中で、135℃で溶液ブ
レンドした。2時間後、加熱を止め、あつい溶液を強攪
拌下大量のアセトンと接触させることにより析出させ、
固体部を濾過により回収することによりブレンド物を得
た。
【0275】評価結果を表4に示す。環状オレフィン系
共重合体成分[A]とポリプロピレンを単にブレンドし
ただけでは非相溶であり、靱性の低い混合物しか得られ
ないことが示された。
【0276】
【実施例2】実施例1において、水素量を150mlとし
たこと以外は実施例1と同様にしてプロピレンの重合を
行い、組成物を製造した。48.4gの組成物を得た。
【0277】結果を表4に示す。組成物のMFRは高く
なるが、高い引張伸びを示し、[A]、[B]両成分の
相溶性がよいことが示された。
【0278】
【実施例3】実施例1において、重合時に加えるトリエ
チルアルミニウム0.160ミリモルCMMS 0.1
60ミリモルおよび調製しておいた固体状チタン触媒
を、チタン原子換算で0.0032ミリモルTi用いた
こと以外は実施例1と同様にしてプロピレンの重合を行
い、組成物を製造した。21.1gの組成物を得た。
【0279】結果を表4に示す。[A]成分の割合が多
くなると、ポリプロピレンに比べて耐熱性が大きく向上
することが示された。
【0280】
【実施例4】実施例1において、環状オレフィン系共重
合体[A]成分として製造例(1)に示す共重合体成分
[A]のかわりに、製造例(2)に示す共重合体成分を
用いた以外は実施例1と同様にしてプロピレンを重合
し、組成物を製造した。51.7gの組成物を得た。
【0281】結果を表4に示す。環状オレフィン系共重
合体の環状オレフィン成分としてTCDのかわりにNB
を用いた場合でも、耐熱性、剛性、靱性に優れた組成物
となることが示された。
【0282】
【比較例4】実施例1において、環状オレフィン系共重
合体[A]成分として製造例(1)に示す共重合体成分
のかわりに、製造例(3)に示す共重合体成分を用いた
以外は実施例1と同様にしてプロピレンを重合した。4
8.4gの生成物を得た。
【0283】結果を表4に示す。環状オレフィン系共重
合体としてジエン成分を含有しない共重合体を用いた場
合、靱性は発現せず、[A]、[B]両成分の相溶性が
低い結果となった。
【0284】
【比較例5】実施例1において、環状オレフィン系共重
合体[A]成分として製造例(1)に示す共重合体成分
のかわりに製造例(4)に示す共重合体成分を用いた以
外は実施例1と同様にしてプロピレンを重合した。5
0.0gの生成物を得た。
【0285】結果を表4に示す。環状オレフィン共重合
体成分のTgが請求の範囲からはずれている場合は、剛
性、耐熱性の低下が著しいことが示された。
【0286】
【表1】
【0287】
【表2】
【0288】
【表3】
【0289】
【表4】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)少なくとも1種以上の炭素数2以上
    のα−オレフィンと、(ロ)下記一般式[I]または
    [II]で表される環状オレフィンと、(ハ)炭素数が5
    〜20の範囲にある非共役ジエン化合物と、を共重合さ
    せることにより得られ、デカリン中、135℃で測定し
    た極限粘度[η]が0.10〜5.0dl/gの範囲に
    あり、ガラス転移温度(Tg)が10℃以上であり、重
    合可能な炭素・炭素二重結合を有し、ヨウ素価が2〜3
    0(g−ヨウ素/100g−重合体)である環状オレフ
    ィン系ランダム共重合体成分[A]と、 該環状オレフィン系ランダム共重合体成分[A]の存在
    下にプロピレンを重合することにより得られるポリプロ
    ピレン成分[B]とからなる環状オレフィン系共重合体
    組成物[C]であって、該組成物[C]中に成分[A]
    が1〜99重量%の量で含まれていることを特徴とする
    環状オレフィン系共重合体組成物; 【化1】 (式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、qは0または1であり、R1 〜R18なら
    びにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原子、ハ
    ロゲン原子または炭化水素基であり、R15〜R18は互い
    に結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ
    該単環または多環が二重結合を有していてもよく、また
    15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基
    を形成していてもよい。); 【化2】 (式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数であ
    り、mおよびnは0、1または2であり、R1 〜R19
    それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水
    素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアル
    コキシ基であり、R9 (またはR10)が結合している炭
    素原子と、R13またはR11が結合している炭素原子とは
    直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合
    していてもよく、また、n=m=0のときR15とR12
    たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
    香族環を形成していてもよい。)。
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