JP5185263B2 - 治療薬および金属材料を含む医療装置用コーティング - Google Patents

Description

本発明は、概して、患者の体組織に治療薬を送達するための埋め込み可能な医療装置、およびそのような医療装置を製造する方法に関する。具体的には、本発明は、治療薬を含有する第１コーティング組成物と、金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含むコーティングを有する、血管内ステントのような埋め込み可能な医療装置に関係する。

医療装置は治療薬を患者の体組織に局所的に送達するために使用されてきた。例えば、治療薬を血管に局所的に送達するためには、治療薬を含む血管内ステントが用いられてきた。多くの場合、そのような治療薬は再狭窄を防止するために使用されてきた。治療薬を含むステントの例としては、血管に送達するための治療薬を含有するコーティングを備えたステントが挙げられる。治療薬を備えたコーティングを有するステントが再狭窄を治療または防止するのに効果的であることが研究によって示されている。

治療薬を備えたコーティングを有する医療装置は再狭窄を防止するのに効果的であるが、多くの被覆医療装置は、治療薬で被覆されることに加えて、ポリマーによっても被覆されている。そのようなコーティングにおいてポリマーを使用する利点としては、治療薬を医療装置の表面上に担持させ易いこと、および治療薬の放出の速度を制御または調節することができることが挙げられる。

しかしながら、医療装置コーティングにおけるポリマーの使用にはいくつかの不都合もあることがある。例えば、医療装置を被覆するために使用されるポリマーの種類によって、一部のポリマーは、体内管腔の炎症を引き起こし、治療薬の効果を相殺し得る。さらに、一部のポリマーはまた血栓症を引き起こすこともある。

従って、体内管腔との接触によって生じる炎症のようなポリマーコーティングに関連した不都合を防止するか、または少なくとも低減する、医療装置用コーティングが必要とされている。さらに、ポリマーコーティングを使用することなく、治療薬の放出速度を制御または調節することができる医療装置用コーティングが必要とされている。また、そのような医療装置を製造する方法も必要とされている。

これらおよび他の目的は本発明によって達成される。本発明は、コーティングを備えた埋め込み可能な血管内ステントのような、医療装置を提供する。前記コーティングは、治療薬の適当な放出速度を依然として提供しながらも、体内管腔のような体組織とのポリマーの接触を排除するか、または少なくともその接触の度合いを低減するように設計されている。前記コーティングは、治療薬を含有する第１コーティング組成物と、金属材料を含む第２組成物とを含む。任意で、第１コーティング組成物はポリマーをさらに含むことができる。

前記コーティングは、医療装置の表面上に配置された、治療薬を含有する第１コーティング組成物と、第１コーティング組成物の少なくとも一部上に配置された第２コーティング組成物とを含み、第２コーティング組成物は金属材料を含有し、かつポリマーを実質的に含まない。金属材料は、金属合金および金属酸化物を含むがこれらに限定されない金属を含有する材料である。本願において使用されるとき、特段に定義されていない限り、「
ポリマーを実質的に含まない(substantially free of any polymer)」という語句は、組
成物の体積で、５０％以下のポリマーを有していることを意味する。そのようなコーティングにより、ポリマーの体内管腔との接触が低減または排除される。

例えば、本発明は、（ａ）表面を有するステント側壁構造と、（ｂ）コーティングと、前記コーティングは、（ｉ）ステント側壁構造の表面の少なくとも一部の上に配置された、治療薬を含有する第１コーティング組成物であって、第１コーティング組成物は前記ステント側壁構造の表面の一部の上に配置されているときには外面を有する、第１コーティング組成物と、（ｉｉ）第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に配置された、金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含み、第２コーティング組成物は、第１コーティング組成物の一部に適用されているときには、いかなるポリマーも実質的に含まず、第２コーティング組成物は、第２コーティング組成物が第１コーティング組成物の一部に適用された後には外面および複数の細孔を備え、前記細孔は第１コーティング組成物の外面から第２コーティング組成物の外面に延在することとを備える埋め込み可能な血管内ステントに関する。本発明の特定の実施形態において、第２コーティング組成物は、第１コーティング組成物の外面全体より小さい範囲に配置される。加えて、第２コーティング組成物はステント側壁構造の表面の一部の上にさらに配置され得る。

前記ステント側壁構造は、内腔から離れた側の表面(abluminal surface)（以下、「反
内腔側面」と称する）または内腔側の表面(adluminal surface)（以下、「内腔側面」と
称する）であり得る。特定の実施形態において、コーティングは反内腔側面の少なくとも一部の上に配置されている。他の実施形態において、第１コーティング組成物は内腔側面の少なくとも一部の上に配置されており、第２コーティング組成物は、内腔側面上に配置された第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に配置されている。さらに別の実施形態において、第１コーティング組成物は内腔側面の少なくとも一部の上に配置され、その内腔側面は第２コーティング組成物を有さない。

加えて、ステント側壁構造は複数のストラットを備えることができる。前記ステント側壁構造の表面は、ストラットのうちの少なくとも１つの反内腔側面または内腔側面である。ステント側壁構造が複数のストラットを備える場合、前記コーティングはストラットの少なくとも１つの反内腔側面または内腔側面の少なくとも一部の上に配置され得る。例えば、本発明は、（ａ）反内腔側面および内腔側面をそれぞれ有する複数のストラットを備えるステント側壁構造と、（ｂ）少なくとも１つのストラットの反内腔側面上に配置された第１コーティングと、該第１コーティングは、（ｉ）ストラットの反内腔側面の少なくとも一部の上に配置された抗再狭窄剤(anti-restenosis agent)を含む第１コーティング
組成物であって、第１コーティング組成物はストラットの反内腔側面の表面の一部の上に配置されているときには外面を有する、第１コーティング組成物と、（ｉｉ）第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に配置された金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含み、第２コーティング組成物はいかなるポリマーも実質的に含まず、第２コーティング組成物は、第２コーティング組成物が第１コーティング組成物の一部に適用された後には外面および複数の細孔を備え、前記細孔は第１コーティング組成物の外面から第２コーティング組成物の外面に延在することと、（ｃ）第１コーティング組成物を備える少なくとも１つのストラットの内腔側面の少なくとも一部の上に配置された第２コーティングとを備える埋め込み可能な血管内ステントに関する。

特定の実施形態において、第１コーティング組成物は、前記ストラットのうちの少なくとも１つの内腔側面の少なくとも一部の上に配置され、ストラットのうちの少なくとも１つの内腔側面の少なくとも一部は第２コーティング組成物を有さない。他の実施形態において、第１コーティング組成物は、前記ストラットのうちの少なくとも１つの内腔側面の少なくとも一部の上に配置され、第２コーティング組成物は、前記内腔側面上に配置され
た第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に配置されている。

特定の実施形態において、ステント側壁構造は、該構造内に複数の開口をさらに備えることができる。ステント側壁構造が複数の開口を有する場合、第１コーティング組成物および第２コーティング組成物は、ステント側壁構造内の開口を保つように、ステント側壁構造に追従し得る。例えば、本発明は、（ａ）（１）反内腔側面および内腔側面をそれぞれ有する複数のストラットと、（２）ステント側壁構造内に位置する開口とを備えるステント側壁構造と、（ｂ）少なくとも１つのストラットの反内腔側面上に配置された第１コーティングと、該第１コーティングは、（ｉ）ストラットの反内腔側面の少なくとも一部の上に配置された抗再狭窄剤を含む第１コーティング組成物であって、第１コーティング組成物はストラットの反内腔側面の表面の一部の上に配置されているときには外面を有する、第１コーティング組成物と、（ｉｉ）第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に配置された金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含み、第２コーティング組成物はいかなるポリマーも実質的に含まず、第２コーティング組成物は、第２コーティング組成物が第１コーティング組成物の一部に適用された後には外面および複数の細孔を備え、前記細孔は第１コーティング組成物の外面から第２コーティング組成物の外面に延在することと、（ｃ）第１コーティング組成物を備える少なくとも１つのストラットの内腔側面の少なくとも一部の上に配置された第２コーティングと、前記少なくとも１つのストラットの内腔側面は第２コーティング組成物を有さず、かつ第１コーティングおよび第２コーティングは、ステント側壁構造内の前記開口を保つように、ステント側壁構造に追従することとを備える埋め込み可能な血管内ステントを包含する。

また、本発明は、（ａ）表面を有するステント側壁構造と、（ｂ）コーティングと、前記コーティングは、（ｉ）ステント側壁構造の表面の少なくとも一部の上に配置された治療薬を含有する第１コーティング組成物であって、第１コーティング組成物は第１厚さを有する、第１コーティング組成物と、（ｉｉ）ステント側壁構造の表面の少なくとも一部の上に配置された金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含み、第２コーティング組成物は第２厚さを有し、かつ、いかなるポリマーも実質的に含まず、第１コーティング組成物の第１厚さは、第２コーティング組成物の第２厚さ以下であることとを備える埋め込み可能な血管内ステントに関する。第１コーティング組成物はまた、ポリマーをさらに含むこともできる。

特定の実施形態において、第２コーティング組成物の第２厚さは、第１コーティング組成物の第１厚さより大きくてもよい。これに代わって、第１コーティング組成物の第１厚さは第２コーティング組成物の第２厚さと等しくてもよい。さらに、第２コーティング組成物は、ステント側壁構造の表面上の第１コーティング組成物に隣接して配置されてもよい。

上記に記載した実施形態のいずれにおいても、第１コーティング組成物の第１厚さは約１ミクロン〜約３０ミクロンであり、第２コーティング組成物の第２厚さは約０．１ミクロン〜約５０ミクロンであり得る。

第１コーティング組成物中の治療薬は、平滑筋細胞増殖を抑制する薬剤を含むことができる。第１コーティング組成物中の治療薬はまた、抗血栓形成剤、抗血管形成剤、抗増殖剤、抗生物質、抗再狭窄剤、成長因子、免疫抑制剤、または放射性同位元素添加製品(radiochemical)を含み得る。例えば、治療薬は、パクリタキセル、シロリムス、タクロリム
ス、ピメクロリムス、エベロリムスまたはゾタロリムスを含み得る。

加えて、第１コーティング組成物は少なくとも１種のポリマーをさらに含む。適当なポリマーとしては、スチレン−イソブチレンコポリマー、ポリ乳酸、およびポリ（メチルメ
タクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート）が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

第２コーティング組成物の金属材料は、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、クロムおよびそれらの合金のうちから選択され得る。
本発明は以下の図面に関連して説明される。

医療装置の少なくとも一部の上に配置されたコーティングの実施形態の断面図。 医療装置の少なくとも一部の上に配置されたコーティングの別の実施形態の断面図。 本発明に使用するのに適した医療装置の一部を示す図。 ステントの断面図。 上部にコーティングを有するステントのストラットの断面図。 上部にコーティングを有するステントのストラットの別の実施形態の断面図。 ステントの少なくとも一部の上に配置されたコーティングの実施形態の斜視図。 ステントの少なくとも一部の上に配置されたコーティングの別の実施形態の斜視図。 ステントの少なくとも一部の上に配置されたコーティングの別の実施形態の斜視図。 ステントの少なくとも一部の上に配置されたコーティングのさらに別の実施形態の斜視図。 医療装置の少なくとも一部の上に配置されたコーティングの別の実施形態の断面図。 医療装置の少なくとも一部の上に配置されたコーティングの別の実施形態の断面図。 医療装置の少なくとも一部の上に配置されたコーティングのさらに別の実施形態の断面図。

本発明は、治療薬および任意でポリマーを含有する第１コーティング組成物を含むコーティングを備える医療装置に関する。前記医療装置はまた、金属材料を含有し、かつポリマーを実質的に含まない第２コーティング組成物も含む。

特定の実施形態において、前記コーティングは、医療装置の表面上に配置された治療薬を含有する第１コーティング組成物と、第１コーティング組成物上に配置された金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含む。第２コーティング組成物は、ポリマーを実質的に含まない。また、第２コーティング組成物は、第２コーティング組成物が第１コーティング組成物の上に配置された後には、第１コーティング組成物の外面から第２コーティング組成物の外面に延在する複数の細孔を備える。

図１は、ステントのような医療装置の少なくとも一部の上に配置されたコーティングの実施形態の断面図を示す。この実施形態において、医療装置１０は表面１２およびコーティング２０を有する。コーティング２０は、医療装置１０の表面１２の少なくとも一部の上に配置された治療薬３０を含む第１コーティング組成物２２を含む。第１コーティング組成物２２は、表面１２上に配置されているときには、外面２２ａを有する。コーティングはまた、第１コーティング組成物２２の少なくとも一部の上に配置された第２コーティ
ング組成物２４も含む。第２コーティング組成物２４は、金属材料を含み、かつポリマーを実質的に含まない。第２コーティング組成物２４は、第１コーティング組成物２２の一部または全体の上に配置され得る。

図１に示すように、第２コーティング組成物２４は、第１コーティング組成物２２に適用された後には、外面２４ａを有し、また複数の細孔４２も有する。細孔４２のうちの少なくともいくつかは、第１コーティング組成物２２の外面２２ａから第２コーティング組成物２４の外面２４ａに延在する。細孔４２は、第１コーティング組成物２２によって部分的にまたは完全に充填され得る。いずれの場合においても、第１コーティング組成物の外面２２から第２コーティング組成物２４の外面２４ａに延在する細孔を有することによって、第２コーティング組成物２４の下に位置する第１コーティング組成物２２から治療薬３０が放出されることが可能となる。加えて、外面２２ａと外面２４ａとの間で流体が流れるような連通を可能にする細孔４２を有することにより、血管新生を支援し、長期にわたって炎症を起こさず、血栓症を最小限にするか、または排除することができる。更に、第２コーティング組成物２４の細孔４２のうちの一部またはすべては、第２コーティング組成物２４内の他の細孔４２に相互連結することができる。一部の実施形態において、細孔４２は所望のパターンに配置されていてもよい。

さらに、第２コーティング組成物２４における細孔４２は任意の形状を有し得る。例えば、細孔４２は、チャネル、空隙通路、または微細な導管、球体、もしくは半球体のような形状に形成され得る。加えて、第２コーティング組成物２４中の細孔４２は、任意の大きさまたは大きさの範囲を有し得る。一部の実例において、細孔４２はミクロ細孔またはナノ細孔であり得る。また、一部の実施形態において、細孔４２の幅または直径は、約１ｎｍ〜約１０μｍであることが望ましいことがある。

細孔４２の大きさはまた、治療薬３０の放出速度を制御するために用いることもできる。例えば、より大きな幅を有する細孔４２は、より小さな幅を備えた細孔４２よりも迅速な治療薬３０の放出を可能にするであろう。また、第２コーティング組成物２４中の細孔４２の数は、治療薬３０の放出速度をより良好に制御するために調整され得る。例えば、第２コーティング組成物２４の単位体積当たりまたは単位重量当たり、より多数の細孔４２が存在することによって、より少数の細孔４２を有する材料よりも、治療薬３０の高い放出速度が可能となり得る。

他の実施形態において、前記コーティングは、医療装置の表面上に配置された治療薬およびポリマーを含む第１コーティング組成物と、第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に配置された金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含む。第２コーティング組成物は、ポリマーを実質的に含まない。また、第２コーティング組成物は、第２コーティング組成物が第１コーティング組成物上に配置された後には、第１コーティング組成物の外面から第２コーティング組成物の外面に延在する複数の細孔を備える。

図２は医療装置の表面の少なくとも一部の上に配置されたコーティングの別の実施形態の断面図を示す。この実施形態において、医療装置１０は、表面１２およびコーティング２０を有する。コーティング２０は、医療装置１０の表面１２の上に配置された治療薬３０およびポリマー３２を含む第１コーティング組成物２２を有する。第１コーティング組成物２２は、表面１２上に配置されているときには外面２２ａを有する。金属材料を含有する第２コーティング組成物２４は、第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に配置されている。図２に示すように、第２コーティング組成物２４は、第１コーティング組成物２２上に適用されているときには、外面２４ａおよび複数の細孔４２を有する。図１と同様に、細孔４２は、第１コーティング組成物２２の外面２２ａから第２コーティング組成物２４の外面２４ａに延在する。

図１および図２に示すように、第１コーティングおよび第２コーティング組成物は、医療装置の表面上に層の形態で配置され得る。コーティングは、図１および図２に示すように、それぞれ１層の第１コーティングおよび第２コーティング組成物を備え得る。しかしながら、それぞれ２層以上の第１コーティングおよび第２コーティング組成物を医療装置の表面上に配置することができる。

他の実施形態において、医療装置の表面に層で配置された第１コーティング組成物の厚さは、約１ミクロン〜約３０ミクロン、または約１ミクロン〜約１０ミクロンである。好ましくは、第１コーティング組成物の厚さは、約３ミクロン〜約１５ミクロン、または約０．８ミクロン〜約３．５ミクロンである。一部の実例において、より大量の治療薬を組み込むために、比較的厚い層が好ましい場合がある。さらに、比較的厚い層は、大量の治療薬が経時的に放出されることを可能にし得る。

金属材料を含有する第２コーティング組成物は、第１コーティング組成物上に配置されている場合には、約０．１ミクロン〜約３０ミクロンの厚さを有し得る。好ましくは、金属材料を含有する第２コーティング組成物は、第１コーティング組成物上に配置されている場合には、約１ミクロン〜約１０ミクロンの厚さを有する。さらに、比較的に厚い膜は、治療薬が経時的によりゆっくりと放出されることを可能にし得る。

第２コーティング組成物について、適当な金属材料としては、生体適合性である金属、合金または金属酸化物のような、しかしそれらに限定されない、金属を含むあらゆる材料が挙げられる。そのような金属材料としては、チタン（例えば、ニチノール、ニッケル‐チタン合金、熱記憶合金(thermo-memory alloy)材料）、ステンレス鋼、タンタル、タン
グステン、モリブデン、ニッケル−クロム、またはＥｌｇｉｌｏｙ（登録商標）およびＰｈｙｎｏｘ（登録商標）のようなコバルト−クロム−ニッケル合金を含む特定のコバルト合金、ＰＥＲＳＳ（Platinum EnRiched Stainless Steel（白金富化ステンレス鋼））お
よびニオブに基づく金属および合金が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記金属材料としてはまた、国際特許出願第ＷＯ９４／１６６４６号に開示されているもののような、クラッド複合フィラメント(clad composite filaments)も挙げられる。好ましい金属材料としては、白金富化ステンレス鋼、並びにジルコニウムおよびニオブ合金が挙げられる。加えて、本発明のコーティングには、２種以上の金属または合金の組み合わせを使用することができる。

一部の実施形態において、金属材料は、第２コーティング組成物の、少なくとも５重量％、少なくとも１０重量％、少なくとも２０重量％、少なくとも３０重量％、少なくとも４０重量％、少なくとも５０重量％、少なくとも６０重量％、少なくとも７０重量％、少なくとも８０重量％、少なくとも９０重量％、少なくとも９５重量％、少なくとも９７重量％、少なくとも９９重量％以上を構成する。好ましくは、金属材料は、第１コーティング組成物の約１重量％〜約８０重量％である。より好ましくは、金属材料は、第２コーティング組成物の約５０％〜約１００重量％である。

第２コーティング組成物は、ポリマーを実質的に含まない、すなわち、第２コーティング組成物の約５０重量％未満のポリマーを含有する。一部の実施形態では、第２コーティング組成物は、いかなるポリマーも含まない。

コーティングは医療装置の全面上に配置することもできるし、あるいはコーティングは医療装置の一部の上に配置することもできる。例えば、ステントのような医療装置が、反内腔側面、すなわち体組織と接触する表面と、内腔側面、すなわちステントの内腔に面する反内腔側面とは反対側の表面とを有する場合、コーティングは反内腔側面上に配置され
得、一方、内腔側面はコーティングを有さなくてもよい。

図３は、反内腔側面および内腔側面を有する本発明に使用するのに適したステントの一部の例を示す。図３は、複数のストラット６０を備えた側壁５２と、側壁５２内に位置する開口５５とを備える埋め込み可能な血管内ステント５０を示す。一般に、開口５５は隣接するストラット６０間に配置されている。また、側壁５２は、第１側壁面５６と、反対側の第２側壁面とを有し得る。第２側壁面は図３には示されていない。第１側壁面５６は、ステントが埋め込まれるときに体組織に面する反内腔側面もしくは外側壁面になるか、または体組織から離反する方向に向いた内腔側面もしくは内側壁面になり得る。同様に、第２側壁面は、反内腔側面または内腔側面になり得る。

特定の実施形態において、ステントのような医療装置が開口を備えた側壁構造を有する場合、医療装置の表面上に配置された第１コーティング組成物および第２コーティング組成物は、側壁構造の開口が保たれるように、例えば、開口がコーティング材料によって完全にまたは部分的に閉塞されないように、医療装置の側壁構造に追従することが望ましい。

図４は、複数のストラット１０５および内腔１３０を備える血管内ステント１００の断面図を示す。ストラット１０５は、ステント１００が埋め込まれたときに、内腔１３０から離反する方向に向いて血管のような体組織と接触する反内腔側面１１０をそれぞれ備える。ストラット１０５は、ステント１００が埋め込まれたときに、内腔１３０に面する内腔側面１２０をそれぞれ備える。

図４ａおよび図４ｂは、図４のステント１００のストラットが本発明のコーティングを備える２つの実施形態を示す。具体的には、図４ａは、第１コーティング組成物２２が、ストラット１０５の反内腔側面１２ａおよび内腔側面１２ｂの少なくとも一部の上に配置されている実施形態を示す。第１コーティング組成物２２は、治療薬３０と、任意でポリマーとを含む。金属材料４０を含む第２コーティング組成物２４は、ストラット１０５の反内腔側面１２ａおよび内腔側面１２ｂの上に配置された第１コーティング組成物２２の少なくとも一部の上に配置されている。第２コーティング組成物２４は、第１コーティング組成物２２上に適用されているときには、外面２４ａおよび複数の細孔４２を有する。細孔４２は、第１コーティング組成物２２の外面２２ａから第２コーティング組成物２４の外面２４ａに延在する。

図４ｂは、第１コーティング組成物２２がストラット１０５の反内腔側面１２ａおよび内腔側面１２ｂの少なくとも一部の上に配置されている実施形態を示す。第１コーティング組成物２２は、治療薬３０と、任意でポリマーとを含む。金属材料４０を含む第２コーティング組成物２４は、反内腔側面１２ａ上に配置された第１コーティング組成物２２の少なくとも一部の上のみに配置されている。第２コーティング組成物２４は、ストラット１０５の内腔側面１２ｂ上に配置された第１コーティング組成物２２の部分の上には配置されていない。図４ａと同様に、第２コーティング組成物２４は、第１コーティング組成物２２上に適用されているときには、外面２４ａおよび複数の細孔４２を有する。細孔４２は、第１コーティング組成物２２の外面２２ａから第２コーティング組成物２４の外面２４ａに延在する。

第２コーティング組成物は、第１コーティング組成物を完全に覆って配置されてもよいし、または第２コーティング組成物は、第１コーティング組成物の一部の上に配置されてもよい。加えて、第２コーティング組成物は、環状、帯状、縞状、点状のような任意の形態で第１コーティング組成物上に配置され得る。

図５は、表面２０５およびコーティング２１０を備える円筒状のステントストラット２００の斜視図を示す。コーティング２１０は表面２０５上に配置されている。コーティング２１０は、表面２０５上に配置された治療薬２２０およびポリマー２２５を含む第１コーティング組成物２１５と、第１コーティング組成物２１５上に配置された金属材料２４０を含む第２コーティング組成物２３０とを含む。この実施形態においては、第２コーティング組成物２３０は、第１コーティング組成物２１５の上に環２５０の形で配置されている。

図６は、表面３０５およびコーティング３１０を備えた方形状のステントストラット３００の斜視図を示す。コーティング３１０は表面３０５上に配置されている。コーティング３１０は、表面３０５上に配置された治療薬３２０およびポリマー３２５を含む第１コーティング組成物３１５と、第１コーティング組成物３１５上に配置された、上述したような細孔を備えた金属材料３４０を含む第２コーティング組成物２３０とを含む。この実施形態においては、第２コーティング組成物３３０は、第１コーティング組成物３１５の上に帯３５０の形態で配置されている。

別の実施形態において、第２コーティング組成物は平行な帯または縞の形態にあってもよい。図７は、表面４０５およびコーティング４１０を備えるステントストラット４００を示す。コーティング４１０は表面４０５上に配置されている。コーティング４１０は、表面４０５上に配置された治療薬４２０およびポリマー４２５を含む第１コーティング組成物４１５と、第１コーティング組成物４１５上に配置された、上述したような細孔を備えた金属材料４４０を含む第２コーティング組成物４３０とを含む。この実施形態においては、第２コーティング組成物４３０は、第１コーティング組成物４１５の上に平行な帯または縞４５０の形態で配置されている。

図８は、表面５０５およびコーティング５１０を備えるステントストラット５００を示す。コーティング５１０は表面５０５上に配置されている。コーティング５１０は、表面５０５上に配置された治療薬５２０およびポリマー５２５を含む第１コーティング組成物５１５と、第１コーティング組成物５１５上に配置された、上述したような細孔を備えた金属材料５４０を含む第２コーティング組成物４３０とを含む。この実施形態においては、第２コーティング組成物５３０は、第１コーティング組成物５１５の上に、波状の帯または縞５５０の形態で配置されている。

図５〜図８は、第１コーティング組成物および第２コーティング組成物の形態のいくつかの例を示しているが、第１コーティング組成物および第２コーティング組成物の他の形態を用いてもよい。

また、一部の実施形態において、第２コーティング組成物は、第１コーティング組成物、並びに医療装置の表面の上に配置され得る。図９は、医療装置の少なくとも一部の上に配置されたコーティングの別の実施形態の断面図を示している。この実施形態において、医療装置６００は、表面６０５と、医療装置６００の表面６０５上に配置されたコーティング６１０とを有する。コーティング６１０は、医療装置６００の表面６０５の一部の上に配置された、治療薬６２０および任意でポリマーを含む第１コーティング組成物６１５を有する。金属材料６４０を含む第２コーティング組成物６３０は、第１コーティング組成物６１５、並びに医療装置６００の表面６０５の少なくとも一部の上に配置されている。図９に示すように、第２コーティング組成物６３０は、第１コーティング組成物６１５上に適用されているときには、外面６３０ａおよび複数の細孔６４２を有する。細孔６４２は、第１コーティング組成物６１５の外面６１５ａから第２コーティング組成物６３０の外面６３０ａに延在する。

さらに他の実施形態において、前記コーティングは、埋め込み可能な血管内ステントのような医療装置の表面上に配置された治療薬およびポリマーを含む第１コーティング組成物と、同じく医療装置の表面上に配置された金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含む。図１０は、医療装置の少なくとも一部の上に配置されたコーティングの実施形態の断面図を示す。この実施形態において、医療装置７００は、表面７０５と、医療装置７００の表面７０５上に配置されたコーティング７１０とを有する。コーティング７１０は、医療装置７００の表面７０５上に配置された治療薬７２０と任意でポリマーとを含む第１コーティング組成物７１５を含む。コーティング７１０はまた、同じく医療装置７００の表面７０５上に配置されている金属材料７４０を含む第２コーティング組成物７３０も含む。第２コーティング組成物７３０は、ポリマーを実質的に含まない。一部の実施形態において、第２コーティング組成物７３０は、表面７０５に適用されているときに細孔を備えてもよいが、必ずしも備えていなくてもよい。図１０に示すように、表面７０５上に配置されているとき、第１コーティング組成物７１５および第２コーティング組成物７３０の双方は、同一の厚さｈを有することができる。

これに代わって、図１１に示すように、医療装置７００の表面７０５上に配置されているときの第１コーティング組成物７１５および第２コーティング組成物７３０の厚さが異なっていてもよい。図１１に示すように、コーティング７１０は、治療薬７２０およびポリマー７２５を含む第１コーティング組成物７１５と、金属材料７４０を含む第２コーティング組成物７３０とを有する。第１コーティング組成物７１５がポリマー７２５を含む場合、第２コーティング組成物７３０の厚さｘは第１コーティング組成物７１５の厚さｙより大きいことが望ましいことがある。ポリマーを実質的に含まない第２コーティング組成物７３０の厚さｘを第１コーティング組成物の厚さｙよりも大きくすることによって、第１コーティング組成物７１５中のポリマー７２５が体内管腔と接触することが防止される。これは、ポリマーとの接触によって引き起こされる体内管腔への起こり得る悪影響を排除し得る。

Ａ． 医療装置
本発明に適した医療装置としては、ステント、外科用ステープル、人工内耳、塞栓コイル、中心静脈カテーテルおよび動脈カテーテルのようなカテーテル、ガイドワイヤ、カニューレ、心臓ペースメーカーのリードまたはリードチップ、細動除去器のリードまたはリードチップ、埋め込み可能な血管アクセスポート、血液保存用バッグ、血液チューブ、脈管グラフトまたは他のグラフト、大動脈内バルーンポンプ、心臓弁、心臓血管用縫合糸、完全人工心臓および心室補助ポンプ、並びに血液酸素付加装置、血液フィルタ、血液透析ユニット、血液灌流ユニットまたは血漿交換ユニットのような体外装置が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

本発明に特に適した医療装置としては、当業者に知られている医療目的のあらゆるステントが挙げられる。適当なステントとしは、例えば、自己拡張型ステント、バルーン拡張型ステント、およびシート展開可能なステント(sheet deployable stent)のような血管内ステントが挙げられる。自己拡張型ステントの例は、ウォールステン(Wallsten)に付与された米国特許第４，６５５，７７１号および同第４，９５４，１２６号、並びにウォールステンら付与された同第５，０６１，２７５号に示されている。適切なバルーン拡張型ステントの例は、ピンチャシク(Pinchasik)らに付与された米国特許第５，４４９，３７３
号に示されている。好ましい実施形態において、本発明に適したステントはエクスプレス(Express)ステントである。より好ましくは、エクスプレスステントは、Ｅｘｐｒｅｓｓ
（商標）ステント、またはＥｘｐｒｅｓｓ２（商標）ステント（マサチューセッツ州ナティック所在のボストン サイエンティフィック インコーポレイテッド）である。

適当なステントの骨組は、当業において知られているような様々な方法を通じて形成さ
れ得る。骨組は、連続した構造体を形成するために、溶接、成形、レーザーカット、または電鋳（electro-formed）されてもよいし、あるいは相互に巻回または編組されるフィラメントまたは繊維から成ってもよい。

本発明に適した医療装置は、金属材料、セラミック材料、ポリマー材料、もしくは複合材料、またはそれらの組み合わせから製造され得る。好ましくは、前記材料は生体適合性である。金属材料がより望ましい。適切な金属材料としては、チタン（例えば、ニチノール、ニッケル‐チタン合金、熱記憶合金材料）、ステンレス鋼、タンタル、ニッケル−クロム、またはＥｌｇｉｌｏｙ（登録商標）およびＰｈｙｎｏｘ（登録商標）のようなコバルト−クロム−ニッケル合金を含む特定のコバルト合金、ＰＥＲＳＳ（白金富化ステンレス鋼(Platinum EnRiched Stainless Steel)）およびニオブに基づく金属および合金が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。前記金属材料としてはまた、国際特許出願第ＷＯ９４／１６６４６号に開示されているもののような、クラッド複合フィラメント(clad composite filaments)が挙げられる。好ましい金属材料としては、白金富化ステンレス鋼、並びにジルコニウムおよびニオブ合金が挙げられる。

適当なセラミックス材料として、チタン、ハフニウム、インジウム、クロム、アルミニウムおよびジルコニウムのような遷移元素の酸化物、炭化物、または窒化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。シリカのようなケイ素に基づく材料を使用してもよい。

医療装置を形成するのに適したポリマー材料は生物学的に安定であり得る。また、前記ポリマー材料は生分解性であってもよい。適当なポリマー材料としては、スチレンイソブチレンコポリマー、ポリエーテルオキシド、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリ−２−ヒドロキシ−ブチラート、ポリカプロラクトン、ポリ（乳酸−co−クリコール）酸(poly(lactic-co-clycolic)acid)、およびテフロン（登録商標）が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

本発明において医療装置を形成するために使用され得るポリマー材料としては、イソブチレンに基づくポリマー、ポリスチレンに基づくポリマー、ポリアクリレートおよびポリアクリレート誘導体、酢酸ビニルに基づくポリマーおよびそのコポリマー、ポリウレタンおよびそのコポリマー、シリコーンおよびそのコポリマー、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephtalate)、熱可塑性エラストマー、ポリ塩化
ビニル、ポリオレフィン、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリテトラフルオルエチレン(polytetrafluorethylenes)、ポリカーボネート、アクリ
ロニトリルブタジエンスチレンコポリマー、アクリル樹脂、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー、セルロース、コラーゲンおよびキチンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

医療装置用の材料として有用な他のポリマーとしては、ダクロン・ポリエステルおよびポリ（エチレンテレフタレート）、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリアルキレンオキサラート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ナイロン、ポリ（ジメチルシロキサン）、ポリシアノアクリレート、ポリホスファゼン、ポリ（アミノ酸）、エチレングリコールＩジメタクリレート、ポリ（メチルメタクリレート）、ポリ（２−ヒドロキシエチルメタクリレート）、ポリテトラフルオロエチレン ポリ（ＨＥＭＡ）、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリテトラフルオルエチレン(polytetrafluorethylene)、ポリカーボネート、ポリ（グリコリド−ラクチド）コポリマー、ポリ乳酸、ポリ（γ−カプロラクトン）、ポリ（γ−ヒドロキシブチラート）、ポリジオキサノン、ポリ（γ−エチルグルタマート）、ポリイミノカーボネート、ポリ（オルトエステル）、ポリ酸無水物(polyanhydrides)、アルギナート、デキストラン、キチン、綿
、ポリグリコール酸、ポリウレタン、またはそれらの誘導体、すなわち、例えば、付着部位または架橋基、例えばＲＧＤ、を備えるように修飾されたポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記ポリマーは、タンパク質、核酸などのような細胞および分子の付着を可能にしながらも、それらの構造の完全性を保持している。

医療装置はまた非ポリマー材料によって製造されてもよい。有用な非ポリマー材料の例としては、コレステロール、スチグマステロール、β−シトステロールおよびエストラジオールのようなステロール；ステアリン酸コレステリルのようなコレステロールエステル；ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸のようなＣ_１２〜Ｃ_２４脂肪酸；モノオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル(glyceryl monolaurate)、モノドコサン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノデセン酸グリセリル(glyceryl monodicenoate)、ジパルミチン酸グリセリル(glyceryl dipalmitate)、ジドコサン酸グリセリル(glyceryl didocosanoate)、ジミリスチン酸グリセリル、ジデセン酸グリセリル(glyceryl didecenoate)、トリドコサン酸グリセリル(glyceryl tridocosanoate)、トリミリスチ
ン酸グリセリル、トリデセン酸グリセリル(glyceryl tridecenoate)、トリステアリン酸
グリセリン(glycerol tristearate)のようなＣ_１８〜Ｃ_３６モノ−、ジ−、トリ−アシルグリセリドおよびそれらの混合物；ジステアリン酸スクロースおよびパルミチン酸スクロースのようなショ糖脂肪酸エステル；モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタンおよびトリステアリン酸ソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル；セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコールおよびセトステアリルアルコールのようなＣ_１６〜Ｃ_１８脂肪族アルコール；パルミチン酸セチルおよびパルミチン酸セテアリル(cetearyl palmitate)のような脂肪族アルコールと脂肪酸とのエステル；ステアリン酸無水物のような脂肪酸の無水物；ホスファチジルコリン（レシチン）、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、およびそれらのリゾ誘導体(lysoderivatives)を含むリン脂質；スフィンゴシンおよびその誘導
体；ステアリルスフィンゴミエリン、パルミトイルスフィンゴミエリンおよびトリコサニルスフィンゴミエリンのようなスフィンゴミエリン；ステアリルセラミドおよびパルミトイルセラミドのようなセラミド；グリコスフィンゴリピッド；ラノリンおよびラノリンアルコール；並びにそれらの組み合わせおよび混合物が挙げられる。非ポリマー材料はまた、埋め込みの前に医療装置に播種され得る幹細胞（stem sells）のような生体材料を含み得る。好ましい非ポリマー材料としては、コレステロール、モノステアリン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリン、ステアリン酸、ステアリン酸無水物、モノオレイン酸グリセリル、モノリノール酸グリセリルおよびアセチル化モノグリセリドが挙げられる。

Ｂ． 治療薬
本発明において使用される「治療薬」という用語は、薬剤、遺伝物質および生体物質を包含し、「生物活性物質」と区別なく用いられ得る。一実施形態において、治療薬は抗再狭窄剤である。他の実施形態において、治療薬は平滑筋細胞の増殖、収縮、遊走または活動過多を抑制する。適当な治療薬の限定されない例としては、ヘパリンおよびヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン（ＰＰａｃｋ）、エノキサプリン、アンギオペプチン、ヒルジン、アセチルサリチル酸、タクロリムス、エベロリムス、ゾタロリムス、ラパマイシン（シロリムス）、ピメクロリムス、アムロジピン、ドキサゾシン、グルココルチコイド、ベータメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、スルファサラジン、ロシグリタゾン、ミコフェノール酸、メサラミン、パクリタキセル、５−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、メトトレキサート、アザチオプリン、アドリアマイシン、マイトマイシン(mutamycin)、エンドスタチン、アンギオス
タチン、チミジンキナーゼ阻害剤、クラドリビン、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、Ｄ−Ｐｈｅ−Ｐｒｏ−Ａｒｇクロロメチルケトン、血小板受容体アンタゴニスト、
抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、ジピリダモール、プロタミン、ヒルジン、プロスタグランジン阻害剤、抗血小板薬、トラピジル、リプロスチン(liprostin)、マダニ抗血小板ペプチド(tick antiplatelet peptides)、５−アザシチジン、血管内
皮細胞成長因子、成長因子受容体、転写活性化因子、翻訳促進剤、抗増殖剤、成長因子阻害剤、成長因子受容体アンタゴニスト、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、遮断抗体、成長因子に対する抗体、成長因子および細胞毒素から成る二官能分子、抗体および細胞毒素から成る二官能分子、コレステロール降下剤、血管拡張剤、内因性の血管作用機構に干渉する薬剤、抗酸化剤、プロブコール、抗生物質製剤、ペニシリン、セホキシチン、オキサシリン、トブラナイシン(tobranycin)、血管新生物質(angiogenic substances)
、線維芽細胞成長因子、エストロゲン、エストラジオール（Ｅ２）、エストリオール（Ｅ３）、１７−ベータエストラジオール、ジゴキシン、ベータブロッカー、カプトプリル、エナロプリル(enalopril)、スタチン、ステロイド、ビタミン、パクリタキセル（並びに
その誘導体、類似体、または、例えばアブラキサン(Abraxan)（商標）のようなタンパク
質に接着したパクリタキセル）、２’−スクシニル−タキソール、２’−スクシニル−タキソールトリエタノールアミン、２’−グルタリル−タキソール、２’−グルタリル−タキソールトリエタノールアミン塩、Ｎ−（ジメチルアミノエチル）グルタミンとの２’−Ｏ−エステル、Ｎ−（ジメチルアミノエチル）グルタミド塩酸塩との２’−Ｏ−エステル、ニトログリセリン、亜酸化窒素、酸化窒素、抗生物質、アスピリン、ジギタリス、エストロゲン、エストラジオールおよびグリコシドが挙げられる。一実施形態において、治療薬は平滑筋細胞阻害剤または抗生物質である。好ましい実施形態において、治療薬はタキソール（例えばTaxol（登録商標））、またはその類似体もしくは誘導体である。別の好
ましい実施形態において、治療薬はパクリタキセル、またはその類似体もしくは誘導体である。さらに別の好ましい実施形態において、治療薬はエリスロマイシン、アムホテリシン、ラパマイシン、アドリアマイシンなどのような抗生物質である。

「遺伝物質」という用語は、ウイルスベクターおよび非ウイルスベクターを含む人体に挿入されるように意図されたＤＮＡまたはＲＮＡを意味し、そのようなＤＮＡまたはＲＮＡは下記に示す有用なタンパク質をコードするＤＮＡ／ＲＮＡを含むが、これに限定されるものではない。

「生体物質」という用語は、細胞、酵母、細菌、タンパク質、ペプチド、サイトカインおよびホルモンを含む。ペプチドおよびタンパク質の例としては、血管内皮細胞成長因子（ＶＥＧＦ）、形質転換成長因子（ＴＧＦ）、繊維芽細胞成長因子（ＦＧＦ）、表皮成長因子（ＥＧＦ）、軟骨成長因子（ＣＧＦ）、神経成長因子（ＮＧＦ）、角化細胞成長因子（ＫＧＦ）、骨格成長因子（ＳＧＦ）、骨芽細胞由来成長因子(osteoblast-derived growth factor)（ＢＤＧＦ）、肝細胞成長因子（ＨＧＦ）、インスリン様成長因子（ＩＧＦ）、サイトカイン成長因子（ＣＧＦ）、血小板由来成長因子（ＰＤＧＦ）、低酸素誘導因子−１（ＨＩＦ−１）、幹細胞由来因子(stem cell derived factor)（ＳＤＦ）、幹細胞成長因子（stem cell factor(ＳＣＦ）、内皮細胞グロースサプリメント（ＥＣＧＳ）、顆
粒球マクロファージコロニー刺激因子（ＧＭ−ＣＳＦ）、増殖分化因子(growth differentiation factor)（ＧＤＦ）、インテグリン修飾因子（ＩＭＦ）、カルモジュリン（Ｃａ
Ｍ）、チミジンキナーゼ（ＴＫ）、腫瘍壊死因子（ＴＮＦ）、成長ホルモン（ＧＨ）、骨形成タンパク質（bone morphogenic protein(ＢＭＰ）（例えばＢＭＰ−２、ＢＭＰ−３
、ＢＭＰ−４、ＢＭＰ−５、ＢＭＰ−６（Ｖｇｒ−１）、ＢＭＰ−７（ＰＯ−１）、ＢＭＰ−８、ＢＭＰ−９、ＢＭＰ−１０、ＢＭＰ−１１、ＢＭＰ−１２、ＢＭＰ−１４、ＢＭＰ−１５、ＢＭＰ−１６、など）、マトリックスメタロプロテイナーゼ（ＭＭＰ）、マトリックスメタロプロテイナーゼの組織阻害剤（ＴＩＭＰ）、サイトカイン、インターロイキン（例えばＩＬ−１、ＩＬ−２、ＩＬ−３、ＩＬ−４、ＩＬ−５、ＩＬ−６、ＩＬ−７、ＩＬ−８、ＩＬ−９、ＩＬ−１０、ＩＬ−１１、ＩＬ−１２、ＩＬ−１５、等）、リンホカイン、インターフェロン、インテグリン、コラーゲン（すべての種類）、エラスチン
、フィブリン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、グリコサミノグリカン、プロテオグリカン、トランスフェリン、サイトタクチン(cytotactin)、細胞接着ドメイン（例えばＲＧＤ）およびテナスシン（tenascin）が挙げられる。現在のところ好ましいＢＭＰは、ＢＭＰ−２、ＢＭＰ−３、ＢＭＰ−４、ＢＭＰ−５、ＢＭＰ−６、ＢＭＰ−７である。これらの二量体タンパク質は、ホモダイマー、ヘテロダイマーまたはそれらの組み合わせとして、単独でまたは他の分子と一緒に提供することができる。細胞は、ヒト由来（自己由来または同種異型）の細胞であってもよいし、または動物源（異種）の細胞であってもよく、それらの細胞は、所望により、移植部位において注目中のタンパク質を送達するように遺伝子操作されている。送達媒体は、細胞の機能および生存能力を維持するために必要であるように調剤され得る。細胞としては、始原細胞（例えば内皮始原細胞）、幹細胞（例えば、間充織幹細胞、血液生成幹細胞、ニューロン幹細胞）、間質細胞、実質細胞、未分化細胞、繊維芽細胞、マクロファージおよび衛星細胞が挙げられる。

他の非遺伝子治療薬としては、
・ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼおよびＰＰａｃｋ（デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン）のような抗血栓症剤；
・平滑筋細胞増殖を阻止することができるエノキサプリン（enoxaprin）、アンギオペ
プチンまたはモノクローナル抗体、ヒルジン、アセチルサリチル酸、タクロリムス、エベロリムス、アムロジピンおよびドキサゾシンのような抗増殖剤；
・グルココルチコイド、ベータメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、ロシグリタゾン、ミコフェノール酸およびメサラミンのような抗炎症剤；
・パクリタキセル、５−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、メトトレキサート、アザチオプリン、アドリアマイシンおよびマイトマイシンのような抗腫瘍／抗増殖／抗縮瞳剤；エンドスタチン、アンギオスタチンおよびチミジンキナーゼ阻害剤、クラドリビン、タキソールおよびその類似体または誘導体；
・リドカイン、ブピカインおよびロピバカインのような麻酔剤；
・Ｄ−Ｐｈｅ−Ｐｒｏ−Ａｒｇクロロメチルケトン、ＲＧＤペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン（アスピリンは鎮痛、解熱、および抗炎症薬としても分類される）、ジピリダモール、プロタミン、ヒルジン、プロスタグランジン阻害剤、抗血小板薬、トラピジルまたはリプロスチン(liprostin)のような抗血小板剤、およびマダニ抗血小板
ペプチドのような抗凝血剤；
・特定の癌細胞において細胞増殖を抑制し、細胞死を引き起こすＲＮＡまたはＤＮＡ代謝物質としても分類される、５−アザシチジンのようなＤＮＡ脱メチル化剤；
・成長因子、血管内皮細胞成長因子（ＶＥＧＦ、ＶＥＧＦ−２を含む全種類）、成長因子受容体、転写活性化因子および翻訳促進物質(translational promoters)のような血管
細胞増殖促進物質；
・抗増殖剤、成長因子阻害剤、成長因子受容体アンタゴニスト、転写抑制因子、翻訳抑制因子、複製阻害剤、遮断抗体、成長因子に対する抗体、成長因子および細胞毒素から成る二官能分子、並びに抗体および細胞毒素から成る二官能分子のような血管細胞成長阻害剤；
・コレステロール降下剤、血管拡張剤、および内因性血管作用機構(endogenous vasoactive mechanisms)に干渉する薬剤；
・プロブコールのような抗酸化剤；
・ペニシリン、セホキシチン、オキサシリン、トブラナイシン(tobranycin)、ラパマイシン（シロリムス）のような抗生物質製剤；
・酸性線維芽細胞成長因子および塩基性線維芽細胞成長因子、並びにエストラジオール（Ｅ２）エストリオール（Ｅ３）および１７−ベータエストラジオールを含むエストロゲンのような血管新生物質；
・ジゴキシン、β−遮断薬、カプトプリルおよびエナロプリル(enalopril)を含むアン
ギオテンシン変換酵素（ＡＣＥ）阻害剤、スタチンおよび関連化合物のような心不全用薬剤；並びに
・シロリムス、エベロリムスまたはゾタロリムスのようなマクロライドが挙げられる。

好ましい生体物質としては、ステロイドのような抗増殖薬、ビタミンおよび再狭窄抑制剤が挙げられる。好ましい再狭窄抑制薬としては、タキソール（登録商標）、およびパクリタキセル（すなわちパクリタキセル、パクリタキセル類似体またはパクリタキセル誘導体、パクリタキセル結合体およびそれらの混合物）のような微小管安定化剤(microtubule
stabilizing agents)が挙げられる。例えば、本発明において使用するのに適した誘導体としては、２’−スクシニル−タキソール、２’−スクシニル−タキソールトリエタノールアミン、２’−グルタリル−タキソール、２’−グルタリル−タキソールトリエタノールアミン塩、Ｎ−（ジメチルアミノエチル）グルタミンとの２’−Ｏ−エステル、パクリタキセル２−Ｎ−メチルピリジニウムメシレート(paclitaxel 2-N-methypyridinium mesylate)、およびＮ−（ジメチルアミノエチル）グルタミド塩酸塩との２’−Ｏ−エステル
が挙げられる。本発明において使用するのに適したパクリタキセル結合体としては、ドコサヘキサエン酸(docosahexanoic acid)（ＤＨＡ）と結合したパクリタキセル、ポリグル
タメート(polyglutimate)（ＰＧ）ポリマーと結合したパクリタキセル、およびパクリタ
キセルポリグルメックス(paclitaxel poliglumex)が挙げられる。

他の適当な治療薬としては、タクロリムス；ハロフジノン；ゲルダナマイシンのような、ＨＳＰ９０熱ショックタンパク質の阻害剤；エポチロンＤのような微小管安定化剤；クリオスタゾール(cliostazole)のようなホスホジエステラーゼ阻害剤；Ｂａｒｋｃｔ阻害
剤；ホスホランバン阻害剤；またＳｅｒｃａ２遺伝子／タンパク質が挙げられる。

他の好ましい治療薬としては、ニトログリセリン、亜酸化窒素、酸化窒素、アスピリン、ジギタリス、エストラジオールのようなエストロゲン誘導体、およびグリコシドが挙げられる。

一実施形態において、治療薬は、細胞代謝を変化させるか、またはタンパク質合成、ＤＮＡ合成、紡錘糸形成、細胞増殖、細胞遊走、微小管形成、微小繊維形成、細胞外基質合成、および細胞外基質分泌のような細胞活性を抑制するか、または細胞体積を増大させることができる。別の実施形態において、治療薬は、細胞増殖および／または細胞遊走を抑制することができる。

特定の実施形態において、本発明の医療装置に使用される治療薬は、当業者に周知の方法によって合成することができる。これに代わって、前記治療薬は化学薬品会社および製薬会社から購入することができる。

一部の実施形態において、治療薬は、コーティング組成物の、少なくとも１重量％、少なくとも５重量％、少なくとも１０重量％、少なくとも２０重量％、少なくとも３０重量％、少なくとも４０重量％、少なくとも５０重量％、少なくとも６０重量％、少なくとも７０重量％、少なくとも８０重量％、少なくとも９０重量％、少なくとも９５重量％、少なくとも９７重量％、少なくとも９９重量％以上を構成する。前記コーティングがポリマーを有することなく治療薬を含む場合、その治療薬は、好ましくはコーティングの約９０％〜約１００重量％である。コーティングが治療薬およびポリマーを含む場合には、その治療薬は、好ましくはコーティングの約１重量％〜約９０重量％である。加えて、本発明のコーティングに治療薬の組み合わせを使用してもよい。

Ｃ． ポリマー
任意でコーティングに使用するのに適したポリマーは、好ましくは生体適合性であるポリマーであるが、非生体適合性ポリマーを使用してもよい。そのようなポリマーの例としては、ポリウレタン、ポリイソブチレンおよびそのコポリマー、シリコーン、およびポリエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。他の適当なポリマーとしては、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、エチレン−α−オレフィンコポリマー、アクリルポリマーおよびコポリマー、ポリ塩化ビニルのようなハロゲン化ビニルポリマーおよびコポリマー、ポリビニルメチルエーテルのようなポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデンのようなハロゲン化ポリビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリスチレンのようなポリビニル芳香族化合物、ポリ酢酸ビニルのようなポリビニルエステル、ビニルモノマーのコポリマー、エチレン−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ＡＢＳ樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマーのようなビニルモノマーとオレフィンとのコポリマー、ナイロン６６およびポリカプロラクトンのようなポリアミド、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシエチレン、ポリイミド、ポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、レーヨン−トリアセテート、セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロハン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、コラーゲン、キチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。

ポリマーが、例えば拡張および収縮のような機械的な攻撃を受けるステントのような医療装置の一部に適用されている場合には、ポリマーは、好ましくは、シリコーン（例えばポリシロキサンおよび置換ポリシロキサン）、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリオレフィンエラストマーおよびＥＰＤＭゴムのような弾性ポリマーから選択される。ポリマーは、ステントが力または応力を受けると、コーティングがストラットの表面により良好に付着し得るように選択される。更に、１種類のポリマーの使用によってコーティングを形成してもよいし、様々な組み合わせのポリマーを用いてもよい。

適当な疎水性ポリマーまたはモノマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ（１−ブテン）、ポリ（２−ブテン）、ポリ（１−ペンテン）、ポリ（２−ペンテン）、ポリ（３−メチル−１−ペンテン）、ポリ（４−メチル−１−ペンテン）、ポリ（イソプレン）、ポリ（４−メチル−１−ペンテン）、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ヘキサジエンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、２種以上のポリオレフィンのブレンド、並びに２種以上の異なる不飽和モノマーから調製されたランダムコポリマーおよびブロックコポリマーのようなポリオレフィン；ポリ（スチレン）、ポリ（２−メチルスチレン）、約２０モルパーセント未満のアクリロニトリルを有するスチレン−アクリロニトリルコポリマー、およびスチレン−２，２，３，３，−テトラフルオロプロピルメタクリレートコポリマーのようなスチレン重合体；ポリ（クロロトリフルオロエチレン）、クロロトリフルオロエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリ（ヘキサフルオロプロピレン）、ポリ（テトラフルオロエチレン）、テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレンコポリマー、ポリ（トリフルオロエチレン）、ポリ（フッ化ビニル）およびポリ（フッ化ビニリデン）のようなハロゲン化炭化水素ポリマー；ポリ（酪酸ビニル）、ポリ（デカン酸ビニル）、ポリ（ドデカン酸ビニル）、ポリ（ヘキサデカン酸ビニル）、ポリ（ヘキサン酸ビニル）、ポリ（プロピオン酸ビニル）、ポリ（オクタン酸ビニル）、ポリ（ヘプタフルオロイソプロポキシエチレン）、ポリ（ヘプタフルオロイソプロポキシ−プロピレン）およびポリ（メタクリロニトリル）のようなビニル重合体；ポリ（ｎ−酢酸ブチル）、ポリ（エチルアクリレート）、ポリ（１−クロロジフルオロメチル）テトラフルオロエチルアクリレート、ポリジ（クロロフルオロメチル）フルオロメチルアクリレート、ポリ（１，１−ジヒドロヘプタフルオロブチルアクリレート、ポリ（１，１−ジヒドロペンタフルオロイソプロピルアクリレート、ポ
リ（１,１−ジヒドロ−ペンタデカフルオロオクチルアクリレート）ポリ（ヘプタフルオ
ロイソプロピルアクリレート）、ポリ５−（ヘプタフルオロイソプロポキシ）ペンチルアクリレート、ポリ１１−（ヘプタフルオロイソプロポキシ）ウンデシルアクリレート、ポリ２−（ヘプタフルオロプロポキシ）エチルアクリレート、およびポリ（ノナフルオロイソブチルアクリレートのようなアクリルポリマー；ポリ（ベンジルメタクリレート）、ポリ（ｎ−ブチルメタクリレート）、ポリ（イソブチルメタクリレート）、ポリ（ｔ−ブチルメタクリレート）、ポリ（ｔ−ブチルアミノエチルメタクリレート）、ポリ（ドデシルメタクリレート）、ポリ（エチルメタクリレート）、ポリ（２−エチルヘキシルメタクリレート）、ポリ（ｎ−ヘキシルメタクリレート）、ポリ（フェニルメタクリレート）、ポリ（ｎ−プロピルメタクリレート）、ポリ（オクタデシルメタクリレート）、ポリ（１，１−ジヒドロペンタデカフルオロオクチルメタクリレート）、ポリ（ヘプタフルオロイソプロピルメタクリレート）、ポリ（ヘプタデカフルオロオクチルメタクリレート）、ポリ（１−ヒドロテトラフルオロエチルメタクリレート）、ポリ（１，１−ジヒドロテトラフルオロプロピルメタクリレート）、ポリ（１−ヒドロヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート）、およびポリ（ｔ−ノナフルオロブチルメタクリレート）のようなメタクリルポリマー(methacrylic polymers)；ポリ（エチレンテレフタレート）およびポリ（ブチレンテレフタレート）のようなポリエステル；ポリウレタンおよびシロキサン−ウレタンコポリマーのような縮合タイプポリマー；ポリオルガノシロキサン、すなわちＲａＳｉＯ_{４−ａ／２}によって示され、前記式中、Ｒは、１価の置換または非置換の炭化水素ラジカルであり、ａの値は１または２である、反復したシロキサン基を特徴とするポリマー材料；並びにゴムのような天然の疎水性ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

適当な親水性ポリマーまたはモノマーの例としては、（メタ）アクリル酸、またはそれらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩；（メタ）アクリルアミド；（メタ）アクリロニトリル；マレイン酸およびフマル酸のような不飽和二塩基、またはこれらの不飽和二塩基酸のハーフエステル、またはこれらの二塩基付加物(dibasic adds)またはハーフエステルのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩が付加されているポリマー；２−アクリルアミド−２−メチルプロパンスルホン酸、２−（メタ）アクリロイルエタンスルホン酸のような不飽和スルホン酸、またはそれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩が付加されているポリマー；並びに２−ヒドロキシエチル（メタ）アクリレートおよび２−ヒドロキシプロピル（メタ）アクリレートが挙げられるが、これらに限定されるのもではない。

ポリビニルアルコールもまた親水性ポリマーの例である。ポリビニルアルコールは、ヒドロキシル、アミド、カルボキシル、アミノ、アンモニウムまたはスルホニル（ＳＯ_３）のような複数の親水基を含有し得る。親水性ポリマーとしてはまた、デンプン、多糖類および関連するセルロース系ポリマー；ポリアルキレングリコール、およびポリエチレンオキシドのようなポリアルキレンオキシド；アクリル酸、メタクリル(mathacrylic)酸およ
びマレイン酸のような重合されたエチレン性不飽和カルボン酸、およびこれらの酸とアルキレングリコールのような多価アルコールとから誘導された部分エステル；アクリルアミドから誘導されたホモポリマーおよびコポリマー；並びにビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

他の適当なポリマーとしては、ポリウレタン、シリコーン（例えばポリシロキサンおよび置換ポリシロキサン）およびポリエステル、スチレン−イソブチレンコポリマーが挙げられるが、これに限定されるものではない。使用され得る他のポリマーとしては、溶解させて、医療装置上で硬化または重合させることができるもの、または治療薬と混合され得る比較的に低い融点を有するポリマーが挙げられる。付加的な適当なポリマーとしては、熱可塑性エラストマー全般、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、エチレン−アルファオレフィンコポリマー、アクリルポリマーおよびコポリマー、ポリ塩化ビニルのような、ハ
ロゲン化ビニルポリマーおよびコポリマー、ポリビニルメチルエーテルのようなポリビニルエーテル、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデンのようなハロゲン化ポリビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリスチレンのようなポリビニル芳香族化合物、ポリ酢酸ビニルのようなポリビニルエステル、ビニルモノマーのコポリマー、エチレン−メチルメタクリレートコポリマーのような、ビニルモノマーとオレフィンとのコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ＡＢＳ（アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン）樹脂、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ナイロン６６およびポリカプロラクトンのようなポリアミド、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルブロックアミド、エポキシ樹脂、レーヨン−トリアセテート、セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロハン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、コラーゲン、キチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー、ＥＰＤＭ（エチレン−プロピレン−ジエン）ゴム、フルオロポリマー、フルオロシリコーン、ポリエチレングリコール、多糖類、リン脂質および前述のものの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

特定の実施形態において、ブロックコポリマーは、メソ構造化および／またはメソ多孔性コーティングを形成するのを助けることができるために好ましい。特定の実施形態において、好ましいポリマーとしては、ポリエーテル、ＰＥＢＡＸようなナイロンとポリエーテルとのコポリマー、ポリスチレンコポリマー、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレングリコール、フルオロポリマー、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、マレイン酸変性(maleated)ブロックコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート(polyethylenetheraphtalate)、またはそれらの組み合
わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

一部の実施形態において、第１コーティング組成物がポリマーを含有する場合、前記ポリマーは、コーティングの、少なくとも５重量％、少なくとも１０重量％、少なくとも２０重量％、少なくとも３０重量％、少なくとも４０重量％、少なくとも５０重量％、少なくとも６０重量％、少なくとも７０重量％、少なくとも８０重量％、少なくとも９０重量％、少なくとも９５重量％、少なくとも９７重量％、少なくとも９９重量％以上を構成する。好ましくは、前記ポリマーは、第１コーティング組成物の約１重量％〜約８０重量％である。より好ましくは、前記ポリマーは、第１コーティング組成物の約６０重量％〜約９２重量％である。加えて、本発明の第１コーティング組成物に、ポリマーの組み合わせを使用してもよい。

Ｄ． コーティングの製造方法
本発明はまた、コーティングを備えた医療装置を製造する方法にも関する。前記コーティングは、治療薬を含有する第１コーティング組成物と、金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含む。任意で、第１コーティング組成物はポリマーをさらに含むことができる。特定の実施形態において、前記方法は、（ａ）表面を有する医療装置を提供する工程と、（ｂ）前記表面の少なくとも一部の上に、治療薬を含有する第１コーティング組成物を配置する工程と、（ｃ）第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に、金属材料を含み、かつポリマーを実質的に含まない第２コーティング組成物を配置する工程とを有する。

他の実施形態において、本発明の方法は、（ａ）表面を有する医療装置を提供する工程と、（ｂ）前記表面の少なくとも一部の上に、治療薬およびポリマーを含む第１コーティング組成物を配置する工程と、（ｃ）第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に、金属材料を含み、かつポリマーを実質的に含まない第２コーティング組成物を配置する工程とを有する。そのような実施形態において、第１コーティング組成物は、例えば従来の
ノズルまたは超音波ノズルの使用による噴霧、浸漬、ローリング、静電沈着、スピンコーティング、プラズマ堆積、凝縮(condensation)、電気化学堆積、静電沈着、蒸着(evaporation)、プラズマ蒸着、陰極アーク蒸着、スパッタリング、イオン注入、または気中懸濁
、パンコーティング、もしくは超音波ミスト噴霧のような流動床もしくはバッチ処理の使用のような、しかしこれらに限定されない任意の適当な方法によって医療装置の表面上に配置され得る。

第１コーティング組成物は、治療薬を溶媒に溶解または分散させて、溶液または懸濁液を形成することによって製造することができる。その溶液または懸濁液を医療装置の表面上に配置して、溶媒を除去し得る。これに代わって、第１コーティング組成物がポリマーを含んでいる場合には、治療薬およびポリマーを溶媒中に溶解または分散させて、溶液または懸濁液を形成することができる。その溶液または懸濁液を医療装置の表面上に配置して、溶媒を除去し得る。また、治療薬がポリマー中に溶解または分散されるまで、治療薬とポリマーとを相互に混合し、次に、その混合物を医療装置の表面上に配置してもよい。

金属材料を含有する第２コーティング組成物は、例えば従来のノズルまたは超音波ノズルの使用による噴霧、浸漬、ローリング、静電沈着、スピンコーティング、プラズマ堆積、凝縮、電気化学堆積、静電沈着、蒸着、プラズマ蒸着、陰極アーク蒸着、スパッタリング、イオン注入、または気中懸濁、パンコーティング、超音波ミスト噴霧もしくは溶射のような流動床もしくはバッチ処理の使用のような、しかしこれらに限定されない任意の適当な方法によって第１コーティング組成物上に配置され得る。

第２コーティング組成物中の金属材料は、堆積を容易にするために、堆積の前に溶液または懸濁液中に入れられ得る。溶液は、適当な溶媒および金属化合物を用いて形成することができる。懸濁液は、金属粉を、溶媒、またはポリマーバインダーおよび溶媒と混合することにより形成することができる。

特定の実施形態において、第１コーティング組成物が医療装置の表面の少なくとも一部の上に配置され得る。次に、第２コーティング組成物が第１コーティング組成物の少なくとも一部の上に配置され得る。一部の実施形態においては、金属材料を含有する第２コーティング組成物は、第１コーティング組成物だけでなく、第１コーティング組成物の表面の少なくとも一部の上にも配置され得る。これに代わって、まず医療装置の表面の少なくとも一部の上に金属材料を含有する第２コーティング組成物が配置され、次に、医療装置の表面の別の部分の上に第１コーティング組成物が配置されてもよい。

更に、金属材料を含有する第２コーティング組成物に細孔を形成または導入することができる。そのような細孔は、当業において知られている任意の手段によって導入することができる。一部の実例においては、前記細孔は、反応性プラズマまたはイオン照射電解質エッチングion bombardment electrolyte etching)の使用を伴う微細な表面粗化(micro-roughing)技術によって形成することができる。細孔はまた、サンドブラスチング、レーザーエッチング、または化学エッチングのような他の方法によって形成することもできる。一部の実例において、細孔は、金属材料中に細孔が生じるような特定の方法で、金属材料を含有する第２コーティング組成物を堆積させることにより形成することができる。例えば、スパッタのような堆積工程により、堆積条件を調整することによって、第２コーティング組成物を多孔質することができる。調整または変更され得る堆積条件としては、チャンバ圧、基板温度、基板バイアス、基板の向き、スパッタ速度、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

代替方法においては、噴霧組成物の熱プラズマ溶射法(thermal plasma spraying)を用
いて、細孔の形成を促進する特定のプロセスパラメータ下において細孔を形成してもよい
。

さらに、細孔は共堆積(co-deposition)技術によって形成され得る。そのような技術に
おいて、金属材料を含有する第２コーティング組成物は、二次相材料と組み合わされて組成物を形成する。二次相材料は、ポリスチレンのように溶出され得るポリマーのような非金属の二次原料であり得る。二次相材料は、様々な大きさの中空球体または切断されたチューブのような粒子の形態であり得る。形成される細孔の大きさおよび形状は、二次相材料の大きさおよび形状によって決定されるであろう。例えば、二次相材料が球形である場合、形成される細孔は球形であるであろう。

一部の実施形態においては、二次相材料は第２金属材料であり得る。２つの金属材料は金／銀合金のような合金を形成することができ、その場合、金は第２コーティング組成物中の金属材料として使用される金属であり、銀は二次相材料である。また、２つの金属は、混合物または複合材の形態であってもよい。したがって、２つの金属を組成物中に使用する場合、それらの金属は、二次相材料として使用される金属の除去を容易にするために、異なる化学的性質または物理的性質を有していなければならない。例えば、除去されるであろう金属は、多孔性コーティングを形成するために使用される金属よりも、より電気化学的に活性である、例えば耐腐食性に劣る、べきである。一部の実施形態において、除去されるであろう金属は、第２コーティング組成物を形成するために使用される金属よりも、より低い融点を有するべきである。さらに別の実施形態において、除去されるであろう金属は、コーティングを形成するために使用される金属よりも、より高い蒸気圧を有するべきである。また、別の実施形態において、除去されるであろう金属は、コーティングを形成するために使用される金属よりも、選択した溶媒中においてより溶解され易い。

金属材料を含有する第２コーティング組成物および二次相材料を含有する組成物は、医療装置の表面に適用される。適当な適用方法としては、浸漬、噴霧、塗布、電気めっき、蒸発、プラズマ蒸着、陰極アーク蒸着、スパッタリング、イオン注入、静電的方法、電気めっき、電気化学的方法、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

その後、多孔性の第２コーティング組成物を形成するために、二次相材料は組成物から除去される。例えば、二次相材料は、二次相材料の選択的な溶解のような脱合金化法(dealloying process)によって組成物から除去されてもよい。この方法において、組成物は二次相材料を除去する酸に曝露される。したがって、二次相材料は酸に溶解するものであるが、第２コーティング組成物を形成するのに使用される金属材料は、酸に曝露されたときに溶解しないものが好ましい。二次相材料を除去するために、任意の適当な酸を使用することができる。当業者には使用する適切な濃度および反応条件が分かるであろう。例えば、二次相材料が銀である場合には、硝酸は、３５％以下の濃度で、１２０°Ｆ以下の温度で使用され得る。また、８０°Ｆにおける硝酸および硫酸の混合物（９５％／５％）による浸漬工程を用いてもよい。反応条件を変更して、コーティングの幾何学的配列、分配および深さを変えてもよい。

これに代わって、第２金属は陽極で除去(removed anodically)され得る。例えば、銀が二次相材料として使用される場合、銀は、表面に適用された組成物から、１５％以下の硝酸を含む稀硝酸浴を使用して、陽極で除去され得る。前記浴において、陽極は医療装置であり、陰極は白金からなる。電極の両端には１０ＶまでのＤＣ電圧を印加することができる。浴の化学的性質、温度、印加電圧および工程所要時間を変更して、コーティングの幾何学的配列、分配および深さを変えてもよい。

更に、二次相材料が第２コーティング組成物に使用される金属材料より低い融点を有す
る場合、金属材料を含有する第２コーティング組成物および二次相材料を含有する組成物で被覆された装置は、二次相材料が液体となって第２コーティング組成物から除去可能であるような温度に加熱することができる。第２コーティング組成物に適した金属の例としては、アルミニウム、バリウムおよびビスマスのような低融点二次相材料と組み合わされた、白金、金、ステンレス鋼、チタン、タンタルおよびイリジウムのような高融点の第１金属うちの１つが挙げられる。

別の実施形態において、二次相材料は、金属材料を含有する第２コーティング組成物よりも高い蒸気圧を有する。医療装置の表面に適用された組成物を真空下で加熱すると、二次相材料は、蒸発するようになり、第２コーティング組成物から除去される。

本願に含まれる説明は、限定を目的とするものではなく、例証を目的とするものである。説明の実施形態に対して変更および改変がなされてもよく、それらの変更および改変は依然として本発明の範囲内にある。更に、当業者には、明白な変更、改変または変形が思い浮かぶであろう。また、上記に引用された参考文献はすべて、この開示に関係するすべての目的のために、余すところなく本願に援用される。

Claims (14)

1. （ａ）表面を有するステント側壁構造と、
   （ｂ）コーティングと、前記コーティングは、
   （ｉ）前記ステント側壁構造の表面の少なくとも一部の上に同表面と接触するように配置された、ポリマー及び治療薬、又は治療薬からなる第１コーティング組成物であって、第１コーティング組成物は第１厚さを有する、第１コーティング組成物と、
   （ｉｉ）前記ステント側壁構造の表面の少なくとも一部の上に同表面と接触するように配置された金属材料を含有する第２コーティング組成物とを含み、第２コーティング組成物は第２厚さを有し、かつ、いかなるポリマーも実質的に含まず、第２コーティング組成物の第２厚さは、第１コーティング組成物の第１厚さと同一であるか、または第１厚さより大きいこととを備える埋め込み可能な血管内ステント。
2. 第２コーティング組成物の第２厚さは、第１コーティング組成物の第１厚さより大きい、請求項１に記載のステント。
3. 第１コーティング組成物の第１厚さは、第２コーティング組成物の第２厚さと等しい、請求項１に記載のステント。
4. 前記第１コーティング組成物が治療薬およびポリマーを含み、同ポリマーがスチレン−イソブチレンコポリマー、ポリ乳酸、ポリ（メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート）のうちから選択される請求項１に記載のステント。
5. 前記ポリマーが、前記第１コーティング組成物の１〜８０重量％である請求項１乃至４のいずれか一項に記載のステント。
6. 前記ポリマーが、前記第１コーティング組成物の６０〜９０％である請求項１乃至４のいずれか一項に記載のステント。
7. 第２コーティング組成物は、前記ステント側壁構造の表面上に、第１コーティング組成物にステントの長手方向において隣接して配置されている、請求項１に記載のステント。
8. 前記ステント側壁構造は複数のストラットおよび開口を備え、前記ステント側壁構造の表面はステントの反内腔側面である、請求項１に記載のステント。
9. 前記第２コーティング組成物が細孔を有する請求項１に記載のステント。
10. 前記第１コーティング組成物の第１厚さが１〜３０ミクロンであり、第２コーティングの第２厚さが０．１〜５０ミクロンである請求項１に記載のステント。
11. 前記治療薬は、平滑筋細胞増殖を抑制する薬剤、抗血栓形成剤、抗血管形成剤、抗増殖剤、抗生物質、抗再狭窄剤、成長因子、免疫抑制剤、放射性同位元素添加製品、パクリタキセル、シロリムス、タクロリムス、ピメクロリムス、エベロリムスまたはゾタロリムスのうちの１つ以上を含む、請求項１に記載のステント。
12. 前記金属材料は、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、クロムおよびそれらの合金のうちから選択される、請求項１に記載のステント。
13. 前記金属材料が、前記第２コーティング組成物の１〜８０重量％である請求項１乃至１２のいずれか一項に記載のステント。
14. 前記金属材料が、前記第２コーティング組成物の５０〜１００重量％である請求項１乃至１２のいずれか一項に記載のステント。

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