JP2002308683A - 表面凹凸化したセラミックス部材及びその製造方法 - Google Patents
表面凹凸化したセラミックス部材及びその製造方法Info
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Abstract
は、表面に付着・堆積する異種物に対してすぐれたアン
カー効果を呈する表面凹凸化したセラミックス部材、及
びその製造方法の提供。 【解決手段】 純度が95重量%以上の緻密質セラミッ
クスを基材とし、かつ表面層が、基材を形成するセラミ
ックスの平均粒子径の0.5〜50倍径で、かつ深さ方
向に径大部がある微細孔を含む凹凸構造と成っているこ
とを特徴とする表面凹凸化(多孔質化)したセラミック
ス部材である。
Description
凸状に制御したセラミックス部材およびその製造方法に
係り、さらに詳しくは異種物質が付着・接着し易い深さ
方向に径大部がある微細孔を含む凹凸構造を表面に有す
る緻密質なセラミックス部材、およびその製造方法に関
する。
のうち、PVDやCVDのような成膜工程、あるいは腐
食性ガスを使用するエッチング工程で、一般的に、微細
加工の工程が構成されている。そして、製造プロセスに
占める割合は、半導体デバイスの加工度の微細化、複雑
化に伴って増加傾向にある。なお、上記成膜工程やエッ
チング工程などは、真空あるいはプラズマ雰囲気、高温
というような厳しい条件で行われるため、プラズマに曝
される処理容器としては、耐食性を有するセラミックス
材料が使用されている。
置の概略構成を示す断面図である。図8において、1は
エッチングガス供給口2および真空排気口3を有するエ
ッチング処理室であり、その処理室1の外周部にはアン
テナ4、電磁石5および永久磁石6が設置されている。
また、前記処理室1内には、被処理体となる半導体ウエ
ハー7を支持する下部電極8が配置されている。さら
に、前記アンテナ4は、第1のマッチングネットワーク
9を介して第1の高周波電源10に接続し、下部電極8
は、第2のマッチングネットワーク11を介して第2の
高周波電源12に接続している。
ング加工は、次のように行われる。すなわち、下部電極
8面に半導体ウエハー7をセットし、エッチング処理室
1内を真空化した後に、エッチングガス供給口2からエ
ッチングガスを供給する。その後、アンテナ4および下
部電極8に、対応するマッチングネットワーク9,11
を介して第1の高周波電源10,12から、たとえば周
波数13.56MHzの高周波電流を流す。一方、電磁
石5に所要の電流を流して磁界を発生させることによ
り、エッチング処理室1内に高密度のプラズマを発生さ
せる。そして、このプラズマエネルギーによって、エッ
チングガスを原子状態に分解し、半導体ウエハー7面に
形成された膜のエッチング加工が行われる。
ングガスとして、たとえば四塩化炭素(CCl4)、塩
化ホウ素(BCl3)などの塩素系ガス、もしくはフッ
化炭素(CF4,C4F8)、フッ化窒素(NF3)、
フッ化硫黄(SF6)などのフッ素系ガスを使用する。
したがって、エッチング処理室1の内壁面など、腐食性
ガス雰囲気下でプラズマに曝される構成部材について
は、耐プラズマ性が要求される所以である。
して、たとえば周期律表第2A族,第3A族のうち少な
くとも1種を含む化合物を主体とし、表面粗さ(Ra)
1μm以下、気孔率3%以下のセラミックス焼結体(特
開平10−45461号公報)が知られている。また、
プラズマに曝される表面を気孔率が3%以下のイットリ
ウムアルミニウムガーネット焼結体で形成するととも
に、表面を中心線平均粗さ(Ra)1μm以下としたセ
ラミックス焼結体(特開平10−236871号公報)
が提案されている。なお、耐プラズマ性部材は、使用箇
所が真空系、高温度下などであるため、雰囲気に悪影響
を与えないこととなども重要で、たとえばガス放出性な
どは不具合に作用する。ここで、ガスの吸着は部材表面
におけるガス分子の吸着であり、また、ガス吸着量は表
面積に比例するので、ガス放出性を考慮すると平坦面状
態が望ましいことになる。
マエネルギーを利用する成膜手段やエッチング手段にお
いては、次のような問題がある。たとえば成膜過程で、
被成膜面だけでなく、プラズマに曝される処理室内壁面
や被成膜基体を支持する支持体面などにも、成膜成分粒
子が付随的に付着・堆積して成膜する。そして、これら
処理室内壁面や支持体面などに付着・堆積した成膜成分
の一部が、前記付着面から剥離ないし離脱して、小さな
粒子(パーティクル)が被成膜面に付着する現象があ
る。
さな粒子(パーティクル)の再付着は、たとえば形成中
の回路パターンなど成膜の遮断や品質低下などとなっ
て、成膜製品の信頼性ないし歩留まり低下を招来する。
このパーティクル離脱防止能を付与するため、処理室内
壁面などを構成する耐プラズマ性部材の表面を粗面化す
る手段が提案されている(特開2000−191370
号公報)。すなわち、ブラスト処理によって、表面粗さ
(Ra)が1μmを超えるように表面を粗面化し、付着
・堆積する膜との物理的な結合を強めて剥離し難くする
(アンカー効果の付与)手段が知られている。
面化手段では、ガス放出性の問題を抱える一方、充分な
アンカー効果を付与できず、依然としてパーティクル離
脱の問題が残されている。すなわち、上記粗面化手段に
よる粗面は、溝状もしくは波状の表面積が大幅に拡大化
する凹凸面であり、外側に向かって広開する形状(断面
V字形)を呈しているため、アンカー効果を示すとはい
え、そのアンカー効果が不十分であり、パーティクル離
脱防止機能の向上・改善が望まれている。また、上記凹
凸面化による表面積の広大化、及びブラスト処理によっ
て生じる微細な傷の存在による表面積の広大化は、処理
室内でのガス吸着、吸着したガスの離脱・放出に作用す
るため、成膜などに悪影響を及ぼす恐れもある。さら
に、ブラスト処理により剥落寸前までダメージを受けて
いる表面は、使用時の温度変化により剥離し、セラミッ
クス部材表面自身がパーティクルの原因となる不具合が
ある。
で、ガス放出性が抑制・防止されながら、一方では、表
面に付着・堆積する異種物に対してすぐれたアンカー効
果を呈する表面の一部もしくは全体が凹凸化したセラミ
ックス部材、及びその製造方法の提供を目的とする。
セラミックスとの接合、膜との接合、金属との接合など
他の部材との接合を改善でき、さらには人工骨、触媒バ
イオリアクターなど、幅広い用途に利用できる材料を提
供するものである。
が95重量%以上の緻密質セラミックスを基材とし、か
つ表面層が、基材を形成するセラミックスの平均粒子径
の0.5〜50倍径で、かつ深さ方向に径大部がある微
細孔を含む凹凸構造と成っていることを特徴とする表面
凹凸化したセラミックス部材である。なお、微細孔の径
は基材で形成するセラミックスの平均粒子径の0.5〜
10倍径であれば、より好ましい。
凸化したセラミックス部材において、緻密質な基材が純
度99重量%以上であること特徴とする。
項2記載の表面凹凸化したセラミックス部材において、
緻密質な基材が理論密度の90%以上であること特徴と
する。
3いずれか一記載の表面凹凸化したセラミックス部材に
おいて、緻密質な基材がアルミナ、イットリウムアルミ
ニウムガーネット、窒化アルミニウム、イットリア、ジ
ルコニア、リン酸カルシウム系セラミックスであること
特徴とする。
で、理論密度の90%を超える緻密質セラミックス基材
の表面を酸性エッチング液中で侵食処理し、セラミック
スの平均粒子径の0.5〜50倍径で、かつ深さ方向に
径大部がある微細孔を含む凹凸構造化することを特徴と
する表面凹凸化したセラミックス部材の製造方法であ
る。ここで、微細孔の径は、基材を形成する平均粒子径
の0.5〜10倍径であれば、より好ましい。
凸化したセラミックス部材の製造方法において、酸性エ
ッチング液温度を加熱することを特徴とする。
項6記載の表面凹凸化したセラミックス部材の製造方法
において、酸性エッチング液に0.2MPa以上の圧力
を加えることを特徴とする。
7いずれか一記載の表面凹凸化したセラミックス部材の
製造方法において、酸性エッチング液が硫酸もしくは燐
酸を含む水溶液であることを特徴とする。
8いずれか一記載の表面凹凸化したセラミックス部材の
製造方法において、酸性エッチング液で侵食処理した後
にセラミックスの融点の2/3以上の温度で加熱処理す
ることを特徴とする。
察及び知見に基づいてなされたものである。
は、粒子同士が粒界を介して接合・一体化した微細構造
をなしており、一般的に、結晶粒子(内部)に較べて、
結晶粒子間に偏析する不純物の存在量が多い粒界部の方
が侵食され易い。しかしながら、その理由・作用は明確
でないが、多結晶セラミックスの構成成分の純度が、9
5重量%以上、より好ましくは99重量%以上の場合、
粒子自体の侵食速度と粒子間(粒界)の侵食速度との差
が小さくなって、ほとんど同時的な侵食が進行する。そ
して、表面層(たとえば深さ80μm程度)は、多結晶
セラミックスの平均粒子径の0.5〜50倍径で、かつ
深さ方向に径大部がある平均的粒子サイズオーダーの微
細孔を含む凹凸構造に侵食される。
界の差別なく、ほぼ同時に行われる。そして、表面層に
おける深さ方向に径大部がある微細孔を含む凹凸構造化
の侵食は、加熱したエッチング液の使用、加圧したエッ
チング液の使用、あるいは加熱・加圧したエッチング液
の使用など、エッチング条件を厳しく設定すると、より
容易に達成できる。ここで、深さ方向に径大部がある微
細孔を含む凹凸構造化の侵食は、多結晶セラミックスを
構成している結晶粒子の平均粒子径の0.5〜50倍の
開口径であり、この範囲内が、より効果的・経済的であ
る。また、表面層の凹凸構造を成す微細孔は、深さ方向
側に径大部が存在する構造であり、先端側同士が連接す
る形態を採って投錨形の場合もある。
晶粒子の平均粒子径の0.5〜50倍径で、深さ方向に
径大部がある微細孔を含む凹凸構造は、実質的に、表面
層のみであり、基体部が緻密でガス吸着作用ないしガス
放出作用もほとんど無視できる。したがって、たとえば
真空系の構成材料、あるいは微細孔を含む凹凸構造面
(アンカー効果)を被接合面とする複合体(積層体)用
の基材、バイオ部材用の基材などとして有効である。
む凹凸構造化は、セラミックス焼結体を作製する工程に
おいて、たとえば緻密化可能なセラミックス成形体表面
に、可燃性物質粒子(たとえば樹脂粒子)などを含有す
るセラミックス層を設け、乾燥後、焼結して多孔化する
手段でも得ることができる。しかし、本発明のように、
表面から一様な深さに薄い凹凸構造層を設けることは、
非常に困難であり、また、燒結段階で気孔が塞がれた
り、粒子が丸味を帯びたりし易く、本発明に係る特性を
十分に満たすものではない。
セラミックス(基材)は、たとえばアルミナ、アルミナ
−シリカ系、イットリウムアルミニウムガーネット系、
窒化アルミニウム系、窒化ケイ素系、イットリア系、ジ
ルコニア系、リン酸カルシウム系セラミックスなどが用
途に応じて適宜選択する。たとえば耐プラズマ性を要求
される部材の場合は、アルミナ系、イットリウムアルミ
ニウムガーネット系、イットリア系が、耐熱性を要求さ
れる構成部材や複合形(積層形)構成部材の場合は、窒
化アルミニウム系、窒化ケイ素系、ジルコニア系が、生
体部材などに関しては、アルミナ、ジルコニア、アルミ
ナ−ジルコニア、リン酸カルシウム系セラミックスなど
がそれぞれ挙げられる。なお、これらの緻密質な基材
は、純度95重量%以上、好ましくは99重量%以上、
その密度も理論密度の90%以上、好ましくは95%以
上であることが望ましい。
酸性エッチング液中で侵食処理し、平均粒子径の0.5
〜50倍径で、深さ方向に径大部がある微細孔を含む凹
凸構造化するセラミックス基材は、その純度が95質量
%以上であるだけでなく、理論密度の90%を超える緻
密質なセラミックスが選ばれる。つまり、純度が95重
量%以上、より好ましくは99重量%以上で、理論密度
の90%を超える緻密質なセラミックスを基材(素材)
としないと、表面を酸性エッチング液中で侵食処理した
とき、所要の深さ方向に径大部がある微細孔を含む凹凸
構造化することができないためである。
ング処理に当たり酸性エッチング液温度を加熱、及び/
または酸性エッチング液に0.2MPa以上の圧力を加
えることによって、前記表面層を深さ方向に径大部があ
る微細孔を含む凹凸構造化する侵食処理が、より容易な
いし確実に進行し、歩留まりよく、かつ量産的に表面凹
凸化したセラミックス部材を提供できる。ここで、酸性
エッチング液としては、一般的に、硫酸もしくは燐酸を
含む水溶液である。なお、酸性エッチング液の加熱温度
の上限は、硫酸などの熱分解が起こらない範囲内に設定
される。
ッチング液で侵食処理を施して、表面層を凹凸化したセ
ラミックス部材につき、そのセラミックスの融点の2/
3以上の温度で加熱処理することにより、表面の凹凸構
造を形成する深さ方向に径大部がある微細孔が、よりス
ムースな連接状態に整形される。すなわち、酸性エッチ
ングの侵食によって形成された微細孔の凹凸構造の尖っ
た部分などが、再結晶化によって整形され、異種粒子も
しくは接合剤などが進入・担持され易くなり、すぐれた
付着性ないしアンカー効果を呈するようになる。
質)部が緻密で、表面層が平均粒子径の0.5〜50倍
径で、深さ方向に径大部がある微細孔を含む凹凸構造を
形成している。つまり、表面層は、単純な一方向性の孔
でなく、複雑な曲路をなす投錨的な孔を有する構成を採
っており、この表面層に一旦付着した粒子類などは、前
記投錨的な作用・効果に伴って、容易に離脱・飛散しな
い状態が維持される。したがって、たとえば蒸着やスパ
ツタリングなどの手段において、処理室内壁面などに付
着・堆積した成膜成分膜の部分的な離脱・飛散に起因す
る不都合・不具合を回避できるだけでなく、ガス放出性
も抑制されているので、歩留まりよく、信頼性の高い加
工品へ加工できる。
した成膜成分膜の部分的な離脱・飛散に起因する不都合
・不具合を回避できるだけでなく、ガス放出性も抑制さ
れて、信頼性の高い加工品への加工が可能なセラミック
ス部材を歩留まりよく、かつ量産的に提供できる。
いて、表面凹凸化層の凹凸化(程度によっては多孔質化
ともいえるが)されているとは言え、その骨格部は基材
と同じく緻密なものであり、強度や耐食性などは、他の
手段で形成した多孔質体に較べてすぐれている。また、
表面からどのくらいの深さまで凹凸化させるかは任意で
あるが、10〜1000μm程度、もしくは多孔化とい
える程度に設定すれば、特に、効果が大きい。50〜3
00μm程度であれば、特に、半導体用として好まし
い。ここで、断面構造的には、表面に形成されている凹
凸構造層の深さよりも深部にまで気孔が点在するように
凹凸させると、アンカー効果がより一層確実化する。さ
らに、セラミックス基材の平均粒子径も5〜100μm
程度が好ましく、より好ましくは50μm以下である。
ナ材としては、高純度で平均粒径の比較的大きなものが
望ましい。平均粒径は好ましくは10〜50μmであ
り、より好ましくは10〜45μmである。また、純度
も99.5%以上であるものが好ましく、特に好ましく
は99.9%以上がよい。このような好ましいアルミナ
として透光性を有するものがある。透光性アルミナは、
酸による処理後も強度が十分で、凹凸形状がアンカー効
果を得るのに適している。
て実施例を説明する。
cm3、平均粒径40μmのアルミナセラミックス板を
用意する一方、硫酸濃度25重量%の硫酸水溶液を酸性
エッチング液として用意する。次いで、アルミナセラミ
ックス板を、酸性エッチング液中に浸漬し、所定の時間
エッチング処理を行って、表面層(約80μm以内)を
平均粒子径の0.5〜10倍径で、深さ方向に径大部が
ある微細孔を含む凹凸構造化した。なお、このエッチン
グ処理に当たっては、表1に示すように、酸性エッチン
グ液25〜230℃に維持し、また、酸性エッチング液
に対して0.1〜10MPaの圧力を加え、エッチング
液の維持温度及び加圧力を考慮したエッチング時間を設
定した。
クス板の厚さ方向断面を電子顕微鏡で観察評価したとこ
ろ、いずれの場合も、内側(基体)がもとの緻密度を有
し、表面80μm程度の層が平均粒子径の0.5〜10
倍径で、深さ方向に径大部がある微細孔を含む凹凸構造
化したセラミックス部材であった。たとえば、図1に断
面的に、また図2に平面的に、それぞれ示すような表面
状態をなしていた。なお、図1、図2は、エッチング液
温度230℃、エッチング液圧1MPaの場合であり、
表面層が、平均粒子径の0.5〜10倍径で、深さ方向
に径大部がある微細孔を含む複雑な凹凸構造を成してい
る。
微細孔を含む複雑な凹凸構造化したアルミナセラミック
スで、プラズマCVD装置の処理室を構成し、成膜時に
おける処理室系への影響(ガス放出)、成膜成分粒子の
付着・離脱の状況を評価したところ、正常な操作が可能
であった。つまり、成膜条件への影響もなく、処理室壁
面などに付随的に付着した成膜成分粒子の離脱・剥離も
認められず、すぐれたアンカー効果を有し、正常な成膜
を持続できることを確認した。
る微細孔を含む複雑な凹凸構造化したアルミナセラミッ
クスの凹凸構造化面に、接着剤層を介して金属板もしく
は樹脂板を張り合わせて複合体化した場合、あるいは前
記アルミナセラミックスの凹凸構造化面に、融着性を有
する樹脂板を積層一体化した場合も強固な一体性を示し
た。つまり、アルミナセラミックスの凹凸構造化面は、
複合体ないし積層体の製造に当たって、すぐれたアンカ
ー効果を呈することが確認された。
溶液を使用したが、燐酸水溶液やフッ酸水溶液であって
もよい。つまり、濃度やエッチング性能などを考慮し
て、エッチング液温度、エッチング液に対する圧力、エ
ッチング時間を適宜選択すれば、同様に、深さ方向に径
大部がある微細孔を含む複雑な凹凸構造化した表面層を
有するアルミナセラミックスを得ることができる。
3、平均粒径5μmのイットリウムアルミニウムガーネ
ット板を用意する一方、硫酸濃度25重量%の硫酸水溶
液を酸性エッチング液として用意する。次いで、イット
リウムアルミニウムガーネット板を、230℃の温度に
維持した酸性エッチング液中に浸漬し、3時間エッチン
グ処理を行って、表面層(約80μm以内)を平均粒子
径の0.5〜50倍径で、深さ方向に径大部がある微細
孔を含む凹凸構造化した。図3、図4は、上記イットリ
ウムアルミニウムガーネット板の深さ方向に径大部があ
る微細孔を含む凹凸構造の表面層を、異なる倍率で平面
的に示したものである。また、図5は凹凸構造内の状態
(様子)を、さらに拡大して示したものである。
を含む複雑な凹凸構造化したイットリウムアルミニウム
ガーネット板も、実施例1の場合と同様の使用態様にお
いて、同様の作用・効果が認められた。たとえば前記凹
凸構造化面に、接着剤層を介して金属板もしくは樹脂板
を張り合わせて複合体化した場合、あるいは前記アルミ
ナセラミックスの凹凸構造化面に、融着性を有する酸化
物やフッ化物層層などを設け、積層一体化した場合も強
固な一体性を示した。つまり、アルミナセラミックスの
凹凸構造化面は、複合体ないし積層体に当たって、すぐ
れたアンカー効果を呈することが確認された。
らに、水素雰囲気中、1800℃で3時間加熱処理し
た。その結果を、図6、図7に示す。なお、図7は、図
6の拡大図である。
気中での高温での処理により、アルミナ板の結晶バウン
ダリーは、結晶形を維持したまま、丸味を帯びた形状と
なった。そして、この構造体においても、すぐれたアン
カー効果を呈することが確認された。
なく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を
採ることができる。たとえば緻密なセラミックス基材
が、イットリア焼結体、ジルコニア焼結体、窒化ケイ素
焼結体、窒化アルミニウム焼結体、ジルコニア燒結体、
リン酸カルシウム系燒結体(リン酸三カルシウム、リン
酸四カルシウム、ハイドロキシアパタイトなど)などの
場合も同様の作用・効果が得られる。
る。たとえば緻密なセラミックス基材の表面層をしっか
りとした凹凸構造(多孔質)化することにより、人工骨
など生体用部材として使用できる。すなわち、アルミ
ナ、ジルコニア、アルミナ−ジルコニア、リン酸カルシ
ウム系セラミックスを基材とし、表面を凹凸面化するこ
とにより、生体との一体化をより一層促進できる。さら
に、表面の凹凸面化層に、触媒を塗布したり、あるいは
別(異種)の性質を有するコーティング層を設けるなど
することも可能である。
(基質)部が緻密で、表面層深さ方向に径大部がある微
細孔を含む凹凸構造を形成する構造を採っている。つま
り、表面層は、複雑な曲路をなす投錨的な孔を有する構
成を採っており、この表面層に一旦付着した粒子類など
は、前記投錨的な作用・効果に伴って、すぐれたアンカ
ー効果を呈し、付着する粒子や形成する膜の離脱・剥離
などの不都合・不具合が全面的に回避・解消される。ま
た、ガス放出性も抑制されているので、たとえば蒸着や
スパツタリングの処理室内壁面などの構成部材としての
使用で、歩留まりよく、信頼性の高い加工が可能とな
る。
たアンカー効果を有するだけでなく、ガス放出性も抑制
されて、信頼性の高い加工が可能なセラミックス構造部
材を歩留まりよく、かつ量産的に提供することが可能と
なる。
たセラミックス部材の電子顕微鏡写真で、表面層の微細
孔を含む凹凸構造の断面図。
たセラミックス部材の電子顕微鏡写真で、表面層の微細
孔を含む凹凸構造の平面図。
たセラミックス部材の電子顕微鏡写真で、表面層の微細
孔を含む凹凸構造を示す平面図。
たセラミックス部材の電子顕微鏡写真で、表面層の微細
孔を含む凹凸構造を図3とは異なる倍率で示す平面図。
たセラミックス部材の電子顕微鏡写真で、凹凸構造を形
成する粒子の様子を示す拡大斜視図。
たセラミックス部材の電子顕微鏡写真で、表面層の微細
孔を含む凹凸構造を示す平面図。
たセラミックス部材の電子顕微鏡写真で、表面層の微細
孔を含む凹凸構造を図7とは異なる倍率で示す平面図。
面図。
Claims (9)
- 【請求項1】 純度が95重量%以上の緻密質セラミッ
クスを基材とし、かつ表面層が、基材を形成するセラミ
ックスの平均粒子径の0.5〜50倍径で、かつ深さ方
向に径大部がある微細孔を含む凹凸構造となっているこ
とを特徴とする表面凹凸化したセラミックス部材。 - 【請求項2】 緻密質な基材が純度99重量%以上であ
ること特徴とする請求項1記載の表面凹凸化したセラミ
ックス部材。 - 【請求項3】 緻密質な基材が理論密度の90重量%以
上であること特徴とする請求項1もしくは請求項2記載
の表面凹凸化したセラミックス部材。 - 【請求項4】 緻密質な基材がアルミナ、イットリウム
アルミニウムガーネット、窒化アルミニウム、イットリ
ア、ジルコニア、リン酸カルシウム系セラミックスであ
ること特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか一記
載の表面凹凸化したセラミックス部材。 - 【請求項5】 純度が95重量%以上で、理論密度の9
0%を超える緻密質セラミックス基材の表面を酸性エッ
チング液中で侵食処理し、セラミックスの平均粒子径の
0.5〜50倍径で、かつ深さ方向に径大部がある微細
孔を含む凹凸構造化することを特徴とする表面凹凸化し
たセラミックス部材の製造方法。 - 【請求項6】 酸性エッチング液温度を加熱することを
特徴とする請求項5記載の表面凹凸化したセラミックス
部材の製造方法。 - 【請求項7】 酸性エッチング液に0.2MPa以上の
圧力を加えることを特徴とする請求項5もしくは請求項
6記載の表面凹凸化したセラミックス部材の製造方法。 - 【請求項8】 酸性エッチング液が硫酸もしくは燐酸を
含む水溶液であることを特徴とする請求項5ないし請求
項7いずれか一記載の表面凹凸化したセラミックス部材
の製造方法。 - 【請求項9】 酸性エッチング液で侵食処理した後にセ
ラミックスの融点の2/3以上の温度で加熱処理するこ
とを特徴とする請求項5ないし請求項8いずれか一記載
の表面凹凸化したセラミックス部材の製造方法。
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